以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
該遊技領域7には、中央に設けられる演出表示装置9の天辺からみて、左側の左遊技領域7A(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域7B(第2遊技領域)とがある。第1遊技領域である左遊技領域7Aと、第2遊技領域である右遊技領域7Bは、例えば遊技領域7内における演出表示装置9の端面や遊技釘の配列などにより区分けされていればよい。打球発射装置から発射されて遊技領域7に打ち込まれた遊技球は、左遊技領域7Aへと誘導された場合に、例えば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、右遊技領域7Bへと誘導不可能または誘導困難となり、また右遊技領域7Bへと誘導された場合に、例えば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、左遊技領域7Aへと誘導不可能または誘導困難となる。
左遊技領域7Aには、演出表示装置9の下方に、第1始動入賞口13aが設けられている。右遊技領域7Bには、演出表示装置9の右側にゲート32,第2始動入賞口13bを有する可変入賞球装置15が設けられ、演出表示装置9の下方には、通常アタッカー20Aと確変アタッカー20Bからなる特別可変入賞球装置20が設けられている。
ここで、第1始動入賞口13aは、演出表示装置9の直下に設けられているが、左遊技領域7Aを狙って遊技球を打ち込む左打ちを行った場合に遊技球が入賞し易く、右遊技領域7Bを狙って遊技球を打ち込む右打ちを行った場合には、遊技球の流下経路上に設けられる遊技釘や誘導部材39a〜39cの配置によって遊技球が入賞し難くなっているため、左遊技領域7Aに属する。また、第2始動入賞口13bを有する可変入賞球装置15は、第1始動入賞口13aの下方に設けられているが、遊技者が右打ちを行うことで、遊技球がゲート32を通過し、可変入賞球装置15が開放状態となり、第2始動入賞口13bに遊技球が入賞することを期待できる。そのため、第2始動入賞口13bを有する可変入賞球装置15は右遊技領域7Bに属する。なお、可変入賞球装置15は、可動翼片の傾動制御によって開放状態となる。
また、大当り遊技状態中は、通常アタッカー20A又は確変アタッカー20Bが開放されるが、確変アタッカー20Bは、右打ちしたときに遊技球が進入しやすい経路上(演出表示装置9の右下にあり、誘導部材39b,39cによって形成される経路上)に配置されているため、右遊技領域7Bに属する。また、通常アタッカー20Aは、可変入賞球装置15の直下に配置されているが、右打ちしたときに誘導部材39bや遊技釘40により誘導された遊技球が入賞しやすい位置にあるため、右遊技領域7Bに属する。
遊技者は、通常状態では、特別可変入賞球装置20が開放されず、ゲート32に遊技球を通過させても可変入賞球装置15が高頻度では開放されないため、左遊技領域7Aを狙って遊技球を打ち込む左打ちを行い、該遊技球を第1始動入賞口13aに入賞させる。高ベース状態(本例では高確率状態でもある)では、ゲート32に遊技球を通過させると可変入賞球装置15が高頻度で開放されるため、右遊技領域7Bを狙って遊技球を打ち込む右打ちを行い、該遊技球を第2始動入賞口13bに入賞させる。大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置20が開放されるため、右遊技領域7Bを狙って遊技球を打ち込む右打ちを行い、該遊技球を通常アタッカー20Aまたは確変アタッカー20Bに入賞させる。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。演出制御用マイクロコンピュータ100が、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示しているが、演出表示装置9で行われる演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
遊技盤6における右側下部位置には、識別情報としての第1特別図柄の可変表示及び停止図柄の導出表示を行う第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aと、第2特別図柄の可変表示及び停止図柄の導出表示を行う第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、第1特別図柄の可変表示を行う第1表示部としてのLED403と、0〜9の数字を表示可能であり、停止図柄の導出表示(停止表示)を行う第2表示部としての7セグメントLED404により構成される。第1特別図柄表示器8aでは、可変表示中にLED403が所定の時間間隔で点灯と消灯を繰り返す点滅状態を継続し、変動停止中はLED403が消灯状態となり、表示結果に応じて7セグメントLED404を構成するLEDのうちの所定のLED(セグメント)が点灯状態となる。
第1特別図柄表示器8aの右上位置には、第2特別図柄表示器8bが設けられている。この実施の形態では、第2特別図柄表示器8bは、第2特別図柄の可変表示を行う第1表示部としてのLED405と、0〜9の数字を表示可能であり、停止図柄の導出表示(停止表示)を行う第2表示部としての7セグメントLED406により構成される。第2特別図柄表示器8bでは、可変表示中にLED405が所定の時間間隔で点灯と消灯を繰り返す点滅状態を継続し、変動停止中はLED405が消灯状態となり、表示結果に応じて7セグメントLED406を構成するLEDのうちの所定のLED(セグメント)が点灯状態となる。
また、第1特別図柄表示器8a及び第2特別図柄表示器8b各々の第2表示部に停止表示される第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第2表示部は、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13aまたは第2始動入賞口13bを通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
図2は第2特別図柄の変動中(可変表示中)及び変動停止時(停止図柄の導出表示時)における第2特別図柄表示器8bの態様を示す図である。図2(a)に示すように、第2特別図柄の可変表示中は、LED405が所定のパターンで点滅し、このとき7セグメントLED406は全セグメントが消灯状態となっている。そして変動時間が経過すると、LED405が消灯状態となり、7セグメントLED406のセグメントのうちの所定のセグメントが点灯状態となることにより表示結果が導出表示される。例えば、図2(b)に示すように、15R大当りAの場合には「9」を形成する各セグメントが点灯状態となり、はずれの場合には「−」を形成するセグメントが点灯状態となる。なお、この図2の例では、第2特別図柄の変動中及び変動停止時における第2特別図柄表示器8bの態様を例示しているが、第1特別図柄の変動中(可変表示中)及び変動停止時(停止図柄の導出表示時)における第1特別図柄表示器8aの態様も、これと同様である。
この実施の形態において、特別図柄の変動時間は、後述する変動パターンコマンド毎に異なるが(図11)、特別図柄の図柄確定停止時間(表示結果が7セグメントLED404,406に導出表示されている期間)は、一律0.5秒であるものとする。但し、特別図柄の図柄確定停止時間経過後に次の可変表示が直ちに開始されない状態(大当り遊技状態や合算保留記憶数が0となった状態)においては、最後に実行された可変表示の表示結果が7セグメントLED404,406に継続して表示されるものとする。
ここで、図11に示す変動パターンコマンドのうち、変動時間が0.2秒と極めて短い超短縮PX1−1(超短縮変動ではずれ)及び超短縮PX1−2(超短縮変動で大当り)は、高ベース状態(特別図柄時短状態)においてのみ選択されるコマンドであるが、高ベース状態において比較的高い確率で選択される。そして、仮に本実施形態のような第1表示部(LED405)と第2表示部(7セグメントLED406)の複数の表示部を有さず、1の表示部のみで超短縮変動パターンの可変表示と停止図柄の導出表示を行おうとした場合、変動時間が極めて短いため、変動中であるか又は停止図柄が表示されているのかを遊技者が把握することができない。例えば1の7セグメントLEDを用いて、各セグメントをリレー式に点灯させることにより可変表示を行い、変動時間の終了後に停止図柄を導出表示するようにしても、当該7セグメントLEDが可変表示中であるか又は停止図柄が導出表示されているのかを遊技者が判別するのは困難である。これに対して、本実施の形態では、可変表示が行われるLED405と、停止図柄の導出表示が行われる7セグメントLED406を別表示部として分離しているので、可変表示が行われているのか、又は、停止図柄の導出表示が行われているのかを遊技者が把握しやすい。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と特別図柄および後述する普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9a,9b,9c,9dが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1表示部としての第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aと、第1特別図柄の停止表示(停止図柄の導出表示)が行われているときに第1特別図柄用の第4図柄の停止表示(赤色表示又は青色表示)が行われる第2表示部としての第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bとが設けられている。また、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1表示部としての第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の停止表示(停止図柄の導出表示)が行われているときに第2特別図柄用の第4図柄の停止表示(赤色表示又は青色表示)が行われる第2表示部としての第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9a,9bと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9c,9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9a,9cを所定の表示色(例えば、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aは黒色、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cは白色)で所定の時間間隔で点灯(表示)と消灯(非表示)とを繰り返す点滅状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8a(本実施形態ではLED403)における第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8b(本実施形態ではLED405)における第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示器8a(本実施形態では7セグメントLED404)において大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bが、大当りを想起させる表示色(例えば赤色)で点灯(表示)されたままになる。なお、大当りの種類(15R大当りAまたは15R大当りBのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、第1特別図柄表示器8a(本実施形態では7セグメントLED404)においてはずれ図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bが、はずれを想起させる表示色(例えば青色)で点灯(表示)されたままになる。
また、第2特別図柄表示器8b(本実施形態では7セグメントLED406)において大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dが、大当りを想起させる表示色(例えば赤色)で点灯(表示)されたままになる。なお、大当りの種類(15R大当りAまたは15R大当りBのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、第2特別図柄表示器8b(本実施形態では7セグメントLED406)においてはずれ図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dが、はずれを想起させる表示色(例えば青色)で点灯(表示)されたままになる。
図3は第2特別図柄用の第4図柄の変動中(可変表示中)及び変動停止時(停止図柄の導出表示時)の態様を示す図である。図3(a)に示すように、第4特別図柄の可変表示中は、第4図柄表示領域9cが所定のパターンで点滅する(白色表示と非表示を繰り返す)。このとき、第4図柄表示領域9dは非表示の状態となっている。また、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aは、点灯状態(黒色表示の状態)にあり、第4図柄表示領域9bは非表示の状態となっている。そして変動時間が経過して、第2特別図柄の表示結果が導出表示されるときは、図3(b)に示すように、第4図柄表示領域9cが点灯状態(白色表示)となり、第4図柄表示領域9dが表示結果に応じた点灯状態、例えば、大当りであれば赤色表示となり、はずれであれば青色表示となる。なお、この図3の例では、第2特別図柄用の第4図柄の変動中及び変動停止時における第4図柄表示領域9c,9dの表示態様を例示しているが、第1特別図柄用の第4図柄の変動中及び変動停止時における第4図柄表示領域9a,9bの表示態様も、これと同様である。
ここで、仮に本実施形態のような第1表示部(第2特別図柄用の第4図柄表示領域9c)と第2表示部(第2特別図柄用の第4図柄表示領域9d)の複数の表示部を有さず、1の表示部のみで超短縮変動パターンの可変表示と停止図柄の導出表示を行おうとした場合、変動時間が極めて短いため、変動中であるか又は停止図柄が表示されているのかを遊技者が把握することができない。例えば第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cのみを用いて、当該領域を点滅させることにより可変表示を行い、変動時間の終了後に停止図柄を導出表示(所定の色で停止表示)するようにしても、当該第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cが可変表示中であるか又は停止図柄が導出表示されているのかを遊技者が判別するのは困難である。これに対して、本実施の形態では、可変表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、停止図柄の導出表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを別表示部として分離しているので、可変表示が行われているのか、又は、停止図柄の導出表示が行われているのかを遊技者が把握しやすい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13aを有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13aに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13aを有する入賞装置の下側には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口13bを有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)13bに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ15aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。ここで、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口13bに入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bとを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口13bに対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13aおよび第2始動入賞口13bのいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口13bに極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13aは演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13aとの間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13aの周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13aの周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13aに導きづらくして、第2始動入賞口13bの入賞率の方を第1始動入賞口13aの入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの上には、第1始動入賞口13aに入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの上には、第2始動入賞口13bに入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられている。この実施の形態では、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられていることによって、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、この実施の形態では、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とが第1始動入賞口13aおよび第2始動入賞口13bへの入賞順に並べて表示されるとともに、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される(例えば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示される)。なお、演出表示装置9の表示画面において、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とを別領域(例えば、第1保留記憶表示部は表示画面下部の左側、第2保留記憶表示部は表示画面下部の右側)に設けるようにしても良い。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8a(本実施形態ではLED403)における第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8b(本実施形態ではLED405)における第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、この実施の形態では、後述するように、特別図柄の変動表示を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動時間を特定可能な変動パターンコマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、受信した変動パターンコマンドで特定される変動時間に従って演出図柄の変動表示が制御される。そのため、変動パターンコマンドにもとづいて変動時間が特定されることから、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とは、原則として同期して実行されるはずである。ただし、万一変動パターンコマンドのデータ化けなどが生じた場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識している変動時間と、演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識している変動時間との間にズレが生じる可能性がある。そのため、コマンドのデータ化けなどの不測の事態が生じた場合には、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とが完全には同期しない事態が生じる可能性がある。
演出表示装置9の周囲の飾り部において、上方には、モータ86の回転軸に取り付けられ、モータ86が回転すると演出表示装置9の前方に移動する可動部材78が設けられている。この実施の形態では、可動部材78は、演出としてスーパーリーチDが実行されるときにのみ動作するものとする。ここでスーパーリーチDは、大当りAが発生する場合にのみ選択される演出態様であるため、可動部材78が移動することによって、遊技者に大当りAの発生を報知することができる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、第1特別可変入賞球装置としての通常アタッカー20Aが設けられている。通常アタッカー20Aは、開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)において、1〜14ラウンド目に、ソレノイド21aによって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、カウントスイッチ23aで検出される。
カウントスイッチ23aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、通常アタッカー20Aにおいて開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13aや第2始動入賞口13bといった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、通常アタッカー20Aにおいて大入賞口が開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、通常アタッカー20Aにおいて1大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
また、可変入賞球装置15の右斜め上方には、第2特別可変入賞球装置としての確変アタッカー20Bが設けられている。確変アタッカー20Bは開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)において、15ラウンド目に、ソレノイド21bによって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、確変検出スイッチ24aで検出される。この確変検出スイッチ24aで遊技球が検出されることにより、当該特定遊技状態の終了後の遊技状態が、通常状態よりも特定遊技状態に制御されやすい高確率状態(確変状態ともいう)となる。なお、確変アタッカー20Bが開放されても確変検出スイッチ24aで遊技球が検出されなければ、当該特定遊技状態の終了後の遊技状態が、通常状態となる。
確変検出スイッチ24aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、確変アタッカー20Bにおいて開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13aや第2始動入賞口13bといった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、確変アタッカー20Bにおいて大入賞口が開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、確変アタッカー20Bにおいて大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
ここで確変アタッカー20Bは、遊技媒体を通過させることで高確率状態に制御する第1特定領域として機能し、通常アタッカー20Aは、該第1特定領域と異なり遊技媒体が通過しても高確率状態に制御しない第2特定領域として機能するものである。
本例では、図13(A)に示すように、通常状態での大当り確率が1/300,確変状態での大当り確率が1/30である。また本例では、図13(B)(C)に示すように、特定遊技状態の種類として、確変アタッカー20Bの開放時間が長い(例えば29秒間のロング開放を行う)の大当りAと、確変アタッカー20Bの開放時間が短い(例えば1秒間のショート開放を行う)の大当りBとがある。従って、大当りAが発生した場合には、遊技球を打ち続ければ、該遊技球が開放時間中にほぼ100%入賞して、該大当りAの終了後の遊技状態が確変状態となる。一方、大当りBが発生した場合には、遊技球を打ち続けても、該遊技球が開放時間中に入賞する確率は低いため、該大当りBの終了後の遊技状態は通常状態となる確率が高い。
このように本実施形態においては、大当り遊技状態において確変アタッカー20Bに遊技球が入賞したことに基づいて、大当り遊技状態の終了後に遊技状態が高確率状態に制御される。また本実施形態においては、高確率状態において第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行される毎に、確変転落抽選が実行される。この確変転落抽選では、乱数を使用した抽選によって「確変転落無し」又は「確変転落有り」の決定がなされ、「確変転落無し」と決定されたことに基づいて高確率状態が継続され、「確変転落有り」と決定されたことに基づいて高確率状態が終了する。即ち、本実施形態では、大当り遊技状態において確変アタッカー20Bの開放時間内に遊技球が入賞したことに基づいて高確率状態に制御されるが、(1)その後に発生した大当り遊技状態において確変アタッカー20Bの開放時間内に遊技球が入賞しなかったこと(2)又は高確率状態における確変転落抽選によって「確変転落有り」と決定されたことのいずれかの条件が成立したことに基づいて、通常状態に制御される。
遊技盤6における中段左側には、普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、普通図柄の可変表示を行う第1表示部としてのLED401と、停止図柄の導出表示(停止表示)を行う第2表示部としてのLED402により構成される。普通図柄表示器10では、可変表示中にLED401が所定の時間間隔で点灯と消灯を繰り返す点滅状態を継続し、変動停止中はLED401が消灯状態となり、表示結果に応じてLED402が点灯状態(当りの場合)又は消灯状態(はずれの場合)のいずれかの状態となる。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、LED401が点灯状態と消灯状態を交互に繰り返す点滅状態となることによって可変表示が行われる。そして、可変表示の終了時にLED402が点灯すれば当りとなり、消灯されるとはずれとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の当り図柄(本実施形態ではLED402が点灯状態であることを指す)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口13bに遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である高確率状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間や開放回数が高められて、高ベース状態となる。
図4は普通図柄の変動中(可変表示中)及び変動停止時(停止図柄の導出表示時)における普通図柄表示器10の態様を示す図である。図4(a)に示すように、普通図柄の可変表示中は、LED401が所定のパターンで点滅し、このときLED402は消灯状態となっている。そして変動時間が経過すると、図4(b)に示すように、LED401が消灯状態となり、LED402が点灯状態(当りの場合)又は消灯状態(はずれの場合)となることにより表示結果が導出表示される。
ここで、本実施形態では後述する高ベース状態(普通図柄時短状態)において、普通図柄の変動時間が0.2秒に短縮されることになる。このような普通図柄時短状態において、仮に本実施形態のような第1表示部(LED401)と第2表示部(LED402)の複数の表示部を有さず、1の表示部のみで普通図柄の可変表示と停止図柄の導出表示を行おうとした場合、変動時間が極めて短いため、変動中であるか又は停止図柄が表示されているのかを遊技者が把握することができない。例えば1のLEDを用いて、点滅により可変表示を行い、変動時間の終了後に停止図柄を導出表示(当りなら点灯、はずれなら消灯)するようにしても、当該LEDが可変表示中であるか又は停止図柄が導出表示されているのかを遊技者が判別するのは極めて困難である。これに対して、本実施の形態では、可変表示が行われるLED401と、停止図柄の導出表示が行われるLED402を別表示部として分離しているので、可変表示が行われているのか、又は、停止図柄の導出表示が行われているのかを遊技者が把握しやすい。
通常アタッカー20Aの周辺には普通入賞装置の入賞口29a〜29dが設けられ、入賞口29a〜29cに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30aによって検出され、入賞口29dに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30bによって検出される。各入賞口29a〜29dは、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。本実施形態において、これらの入賞口29a〜29dに遊技球が入賞したときの賞球数は10個であり、第1始動入賞口13aや第2始動入賞口13bを遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。なお、第1始動入賞口13a、第2始動入賞口13bや、通常アタッカー20Aの大入賞口、確変アタッカー20Bの大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
遊技領域7の下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上下部には、効果音を発する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
打球供給皿3を構成する部材においては、遊技者により操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。操作ボタン120には、遊技者が押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチが設けられている。なお、操作ボタン120は、遊技者による押圧操作が可能な押しボタンスイッチが設けられているだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルも設けられている。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択)を行うことができる。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。ここで、本実施の形態において、打球操作ハンドル5が操作された状態(所定角度回転された状態)では、遊技球は0.6秒間隔で遊技領域7に発射されるものとする。
遊技球が第1始動入賞口13aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13aへの入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口13bに入り第2始動口スイッチ15aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口13bへの入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示及び第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると「大当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。
この実施例では、「15R大当りA」または「15R大当りB」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には、15ラウンドの大当り遊技状態に移行する。この大当り遊技状態では、通常アタッカー20Aの大入賞口が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば8個)の入賞球が発生するまでの期間、開放状態とされることにより、通常アタッカー20Aを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした後、閉鎖状態とすることにより、通常アタッカー20Aを遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大当り遊技状態では、通常アタッカー20Aの大入賞口に遊技球が入賞するたびに15個の出玉(賞球)が得られる。
そして15ラウンド大当り遊技状態では、通常アタッカー20Aの大入賞口が開放状態とされるラウンドの実行回数が所定ラウンド数(例えば「14」)となっており、残りの1ラウンドは確変アタッカー20Bの大入賞口が開放状態とされるラウンドとされている。即ち、所定ラウンド(本実施例では第15ラウンド)を除く第1〜14ラウンドでは通常アタッカー20Aの大入賞口が開放状態となり、所定ラウンドである第15ラウンドでは確変アタッカー20Bの大入賞口が開放状態となる。
具体的には、特別図柄として「15R大当りA」に対応する大当り図柄が停止表示された場合の第15ラウンドでは、確変アタッカー20Bが、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば8個)の入賞球が発生するまでの期間、大入賞口を開放状態とする(ロング開放)。また、特別図柄として「15R大当りB」に対応する大当り図柄が停止表示された場合の第15ラウンドでは、確変アタッカー20Bが、「15R大当りA」の場合よりも短い所定期間(例えば1秒間)あるいは所定個数(例えば3個)の入賞球が発生するまでの期間、大入賞口を開放状態とする(ショート開放)。
そして大当り遊技状態において、確変アタッカー20Bの大入賞口に遊技球が所定球数(本実施の形態では1球)以上入賞した場合には、当該大当り遊技状態が終了した後に、確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率状態)に制御される。この確変状態では、特別図柄や飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態よりも高くなる。
すなわち、本実施の形態では、15R大当りA及び15R大当りBのいずれにおいても、確変アタッカー20Bの大入賞口に遊技球が入賞して当該大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行する可能性及び大入賞口に遊技球が入賞せずに当該大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行しない可能性があるが、15R大当りAでは、大当り遊技状態中に確変アタッカー20Bの大入賞口に遊技球が入賞する可能性が15R大当りBよりも高い。
そして、この実施の形態では、大当り遊技状態となって、確変アタッカー20Bに遊技球が入賞した場合には、大当り遊技状態終了後に遊技状態が高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。
本実施形態において遊技状態が高ベース状態である場合には、高ベース状態でない場合(遊技状態が通常状態(低ベース状態)である場合)と比較して、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行すると共に、可変入賞球装置15が開放状態となる時間が延長され(開放延長状態ともいう)、始動入賞しやすくなる。開放延長状態では、可変入賞球装置15における可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御が行われる。普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率は、例えば、低ベース状態において2/11であるのに対し、高ベース状態では2/11となる。また、可変入賞球装置15が開放状態となる時間は、例えば、低ベース状態において0.3秒(×1回)であるのに対し、高ベース状態において5.8秒(×1回)となる。なお、可変入賞球装置15の1回あたりの開放時間を延長するのではなく、開放回数を増加させることにより(例えば低ベース状態における開放回数が1回であるのに対して、高ベース状態における開放回数を3回とする)ことにより、合計の開放時間を増加させて開放延長状態に移行するようにしても良く、可変入賞球装置15の1回あたりの開放時間を延長し、且つ、開放回数を増加させることにより開放延長状態に移行するようにしても良い。
また、本実施形態において遊技状態が高ベース状態である場合には、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行する。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態となる。普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)は、例えば、低ベース状態において10秒であるのに対し、高ベース状態では0.2秒となる。このように、普通図柄時短状態に移行することよって可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
この実施の形態において、普通図柄の図柄確定停止時間(表示結果がLED402に導出表示されている期間)は、一律0.5秒であるものとする。即ち、普通図柄の可変表示終了後、0.5秒間の図柄確定停止時間を経た後に、表示結果が当りであれば、可変入賞球装置15が開放され、はずれであれば、次の可変表示が開始される。但し、普通図柄の図柄確定停止時間経過後に次の可変表示が直ちに開始されない状態(普通図柄の保留記憶数が0となった状態や可変表示結果が当りとなり可変入賞球装置15が開放状態となった状態)においては、最後に実行された可変表示の表示結果がLED402に継続して表示される(点灯状態又は消灯状態が継続される)ものとする。
さらに、本実施形態において遊技状態が高ベース状態である場合には、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される特別図柄時短状態に移行する。特別図柄時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技状態となる頻度が高まる。本実施形態において、特別図柄の変動時間(可変表示期間)や演出図柄の変動時間(可変表示期間)は、低ベース状態において最短で1.5秒(短縮変動ではずれの場合)であるのに対し、高ベース状態では最短で0.2秒(超短縮変動ではずれの場合及び超短縮変動で大当りの場合)となる。また、低ベース状態では、合算保留記憶数が3以上である場合にのみ、短縮変動が選択されうるのに対して、高ベース状態では、合算保留記憶数によらず、非リーチはずれとなる場合には、必ず超短縮変動が選択される。
このように、本実施形態では、高ベース状態における特別図柄の可変表示時間を最短で0.2秒としており、この超短縮変動ではずれ又は大当りとなる変動パターンは、特にはずれの場合には比較的高い確率で選択される。特別図柄の最短の可変表示期間である0.2秒を、停止図柄の表示期間(図柄確定停止時間)である0.5秒と合算すると0.7秒になる。即ち、高ベース状態では、概ね0.7秒周期で特別図柄の可変表示が実行されることになる。これに対して、遊技球の発射間隔は前述したように0.6秒であるから、概ね両期間は一致している。
このように高ベース状態における特別図柄の可変表示の周期を、遊技球の発射間隔である0.6秒と概ね同一又はそれ以下とすることで、高ベース状態において、右遊技領域7Bに発射された遊技球が高い確率(例えば90%)で第2始動入賞口13bに入賞したとしても、[保留記憶数が上限値(4)に達している状態で遊技球が第2始動入賞口13bに入賞したため可変表示が実行されない]ケースが発生する頻度を抑制している。
このように本実施の形態では、上記に示した普通図柄確変状態、開放延長状態、普通図柄時短状態、および特別図柄時短状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる高ベース状態に移行するようにしている。また、上記に示した各状態(普通図柄確変状態、開放延長状態、普通図柄時短状態、および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態、および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
なお、本実施形態では、高確率状態に制御するタイミングと高ベース状態に制御するタイミングを一致させており、確変アタッカー20Bへの入賞が有った大当り遊技状態の終了時としている。そして、高確率状態を終了させるタイミングと高ベース状態を終了させるタイミングを一致させており、(1)特別図柄の可変表示の表示結果が大当り図柄となる場合の当該可変表示が開始されるタイミング、及び(2)特別図柄の可変表示が開始されるタイミングで行われる確変転落抽選で「確変転落有り」と決定された場合の当該可変表示が開始されるタイミングとしている。
本実施形態の遊技機では、第2始動入賞口13bに遊技球が入賞したことに基づき(第2始動口スイッチ15aによって遊技球が検出されたことに基づき)、1個の遊技球が賞球として払い出されるものとする。このように第2始動入賞口13bに入賞したときの賞球数を1とした場合、高ベース状態において、仮に発射された全ての遊技球を第2始動入賞口13bに入賞させても、発射された遊技球の数を超えた賞球が払い出されることはなく、高ベース状態において遊技者が過度に有利になることはない。従って、右遊技領域7Bに向けて発射された遊技球が極めて高い確率で第2始動入賞口13bに入賞するように、右遊技領域7Bを構成することが可能となる。
本実施形態では、図1に示すように、右遊技領域7Bにゲート32が設けられていて、右打ち状態で右遊技領域7Bに発射された遊技球は、ゲート32上方に配置された遊技釘38により誘導されて、ゲート32を通過する。遊技釘38は、右打ちされて流下してきた遊技球がゲート32を通過し易いような配置となっており、右打ち中は遊技球が高確率でゲート32を通過する。
ゲート32を通過した遊技球は、ゲート32の下方に配置された遊技釘に衝突して進路を変えつつ流下するものの、最終的にはゲート32のさらに下方に配置された誘導部材39a又は誘導部材39bの誘導面(上面)に高確率で落下して、誘導部材39a〜39cや、誘導部材39bと可変入賞球装置15との間に配置された遊技釘40によって、可変入賞球装置15に誘導される。即ち、ゲート32を通過した遊技球の殆どは可変入賞球装置15に誘導されることになる。従って、可変入賞球装置15が開放状態にあるときには、遊技釘40により誘導された遊技球が高確率で第2始動入賞口13bに入賞する。
なお、誘導部材39b,39cにより遊技球の経路が構成されていて、その経路上に確変アタッカー20Bが配置されている。そのため、右打ち中に確変アタッカー20Bが長時間開放(ロング開放)になると、極めて高い確率で遊技球が確変アタッカー20Bの大入賞口に入賞する。また、誘導部材39cや遊技釘によって、右遊技領域7Bに打ち込まれた遊技球が第1始動入賞口13aには入賞しないようになっている。
誘導部材39b,39cや遊技釘40によって誘導された遊技球は、可変入賞球装置15が開放されていない状態では、さらに、通常アタッカー20Aに向けて誘導され、開放状態であれば、通常アタッカー20Aの大入賞口に入賞するようになっている。よって、大当り遊技状態におけるラウンド1〜14では、遊技者は右打ちして右遊技領域7Bに遊技球を打ち込めば、遊技球が確変アタッカー20Bの前方及び可変入賞球装置15の周辺を通過して、通常アタッカー20Aの大入賞口に入賞することを期待できる。また、大当り遊技状態におけるラウンド15では、遊技者は右打ちして右遊技領域7Bに遊技球を打ち込めば、遊技球が確変アタッカー20Bの前方を通過するので、確変アタッカー20Bの大入賞口に入賞すること(確変の発生)を期待できる。
[可変入賞球装置の開放期間]
上記に示したように、本実施形態では、高ベース状態において、右遊技領域7Bに打ち込まれた遊技球の大半はゲート32を通過して、可変入賞球装置15に誘導されることになる。ここで、図83(a)に示すように、高ベース状態において遊技球がゲート32を通過して(1)、可変入賞球装置15に到達したときに(2)、当該ゲート32の通過に伴い開始された普通図柄の可変表示が未だ終了していない場合には、可変入賞球装置15の開放は開始されおらず、当該遊技球が第2始動入賞口13bに入賞しない。この例では、ゲート32を通過した遊技球が可変入賞球装置15を通過した後に、普通図柄の変動が停止し(3)、表示結果が当りとなったことに伴って可変入賞球装置15の開放が開始され(4)、所定期間経過後に可変入賞球装置15の開放が終了する(5)。また、仮に高ベース状態において遊技球がゲート32を通過して(1)、可変入賞球装置15に到達したときに(2)、当該ゲート32の通過に伴い開始された普通図柄の可変表示が既に終了していたとしても(仮に(3)のタイミングが(2)よりも早かったとしても)、可変入賞球装置15の開放が開始されていない場合には、当該遊技球が第2始動入賞口13bに入賞しない。
この図83の例において、遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達するまでの期間((1)から(2)までの期間)をT1とし、遊技球のゲート32の通過に伴って普通図柄の可変表示が開始されてから、表示結果が当りとなり可変入賞球装置15が開放状態となるまでの期間((1)から(4)までの期間)をt1とし、遊技球のゲート32の通過に伴って普通図柄の可変表示が開始されてから、表示結果が当りとなり可変入賞球装置15の開放状態が開始されて、その開放状態が終了するまでの期間((1)から(5)までの期間)をt2とする。このときT1<t1であるため、ゲート32を通過した遊技球が、そのまま第2始動入賞口13bには入賞しないことになる。
一方、図83(b)に示すように、高ベース状態において遊技球がゲート32を通過して(1)、可変入賞球装置15に到達したときに(2)、既に当該ゲート32の通過に伴い開始された普通図柄の可変表示が終了して(3)、表示結果が当りとなったことに基づく可変入賞球装置15の開放状態も終了していた場合(4)(5)には、当該遊技球が第2始動入賞口13bに入賞しない。このように、T1>t2である場合にも、ゲート32を通過した遊技球が、そのまま第2始動入賞口13bには入賞しないことになる。
ここで本実施形態では、第2始動入賞口13bに入賞した場合の賞球数を1としている。従って、ゲート32を通過した遊技球が、第2始動入賞口13bに入賞せずに、アウト口26に導かれる頻度が高くなると、本来なら遊技者にとって有利な高ベース状態中であっても遊技者の持玉数が減少してしまい、遊技の意欲が低下してしまうことにもなる。そこで本実施形態では、図5に示すように、遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達するまでの期間((1)から(2)までの期間)T1を、遊技球のゲート32の通過に伴って普通図柄の可変表示が開始されてから、表示結果が当りとなり可変入賞球装置15が開放状態となるまでの期間((1)から(4)までの期間)t1よりも長くし、且つ、遊技球のゲート32の通過に伴って普通図柄の可変表示が開始されてから、表示結果が当りとなり可変入賞球装置15の開放状態が開始されて、その開放状態が終了するまでの期間((1)から(5)までの期間)t2よりも短くなるように、高ベース状態における普通図柄の変動時間と可変入賞球装置15の開放時間を制御するようにしている。
即ち、t1<T1<t2とすることにより、ゲート32を通過した遊技球が、そのまま第2始動入賞口13bに入賞することを可能としている。このようにすることで、高ベース状態においてゲート32を通過したが第2始動入賞口13bに入賞せずにアウト口に導かれて無駄になることを抑制し、遊技者が不利益になることを防止して遊技意欲を低下させないようにしている。
ここで本実施形態の遊技機では、図1に示すように、ゲート32から可変入賞球装置15までの間に遊技釘(例えば誘導部材39a及び39b上方の遊技釘や遊技釘40等)が多数配置されている。従って、遊技球の発射間隔が0.6秒と一定であっても、各遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達するまでの期間(T1)には、遊技球が遊技釘に衝突することによるばらつきが生じる。その結果、遊技球がゲート32を通過して、これに伴う可変入賞球装置15の開放期間中に第2始動入賞口13bに入賞するケース(t1<T1<t2のケース)と、遊技球がゲート32を通過したが、これに伴う可変入賞球装置15の開放開始前、又は開放終了後に可変入賞球装置15に到達してしまうケース(t1>T1、又はT1>t2のケース)が生じる。後者のケースを極力抑制するために、遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達するまでの期間(T1)の平均値又は中央値が、可変入賞球装置15の開放開始から開放終了までの中間時点(図5に示す(4)と(5)の中間時点)となるように、可変入賞球装置15を制御することが好ましい。具体的には、T1の平均値又は中央値に、(t2−t1)/2が合致するように、可変入賞球装置15の開放開始(t1)のタイミングと、開放終了(t2)のタイミングを制御するようにすると良い。このようなタイミング制御を行うことで、T1の平均値又は中央値から離れたケースでも、ゲート32を通過したより多くの遊技球を第2始動入賞口13bに入賞させることができる。
また、本実施形態では、高ベース状態における普通図柄の可変表示時間を0.2秒としており、普通図柄の保留記憶数が0でない状態における停止図柄の表示期間(図柄確定停止時間)である0.5秒と合算すると0.7秒になる。即ち、高ベース状態では、概ね0.7秒周期で普通図柄の可変表示が実行されることになる。これに対して、遊技球の発射間隔は前述したように0.6秒であるから、概ね両期間は一致している。ここで本実施形態では、高ベース状態であっても、普通図柄の表示結果がはずれとなる確率が一定程度はある(2/13)。従って、仮に高ベース状態における普通図柄の変動時間を遊技球の発射間隔より明らかに長い時間(例えば2秒)に設定してしまうと、以下に示す問題が生じる。
まず、第1の遊技球の直後(0.6秒後)に第2の遊技球が発射されるとすると、第1の遊技球がゲート32を通過したことに基づく可変表示結果がはずれと導出表示された時点で、既に第2の遊技球がゲート32を通過してから一定時間が経過しており(このとき既に可変入賞球装置15を経過しているケースも有る)、第2の遊技球のゲート通過に基づく可変表示結果が当りとなるとしても、これに伴う可変入賞球装置15の開放が開始された時点では、既に第2の遊技球が可変入賞球装置15を通過しているので、第2始動入賞口13bには入賞しない。しかし、本実施形態のように、普通図柄の変動が開始されてから(=遊技球がゲート32を通過してから)、表示結果が当りとなって可変入賞球装置15が開放状態となるまでの期間(=表示結果がはずれとなって次の可変表示が開始されるまでの期間)t1を、遊技球の発射間隔である0.6秒と概ね同一又はそれ以下とすることで、第1の遊技球のゲート通過後から概ね0.7秒後には第2の遊技球のゲート通過に基づく可変表示が開始され、その表示結果が当りとなった場合には、第2の遊技球が第2始動入賞口13bに入賞することが可能となる。
このようにt1を、遊技球の発射間隔である0.6秒と概ね同一又はそれ以下とすることで、高ベース状態においてゲート32を通過したが第2始動入賞口13bに入賞せずにアウト口に導かれて無駄になることを抑制し、遊技者が不利益になることを防止して遊技意欲を低下させないようにしている。また、普通図柄の保留記憶の消化を高速にして、[保留記憶数が上限値(4)に達している状態で遊技球がゲート32を通過したため可変表示が実行されない]ケースが発生する頻度を抑制している。
また本実施形態では、図1に示すように、ゲート32から第2始動入賞口13bまでの経路から遊技球が外れることがあるように、遊技釘及び誘導部材39a〜39cを配置している。具体的には、誘導部材39aの下方に入賞口29dが設けられていて、ゲート32を通過した又は通過しなかった遊技球が、入賞口29dに入賞しうる。そして、通常、このような入賞口は始動入賞口よりも多い賞球数(本実施形態では10個)が設定されているため、遊技場側は遊技釘を調整して当該入賞口29dへの入賞を容易にすることで、右打ちを伴う高ベース状態が遊技者にとってより有利になるようにすることができる。特に、本実施形態のように第2始動入賞口13bの賞球数が1である場合には、必ずしも発射された全ての遊技球が第2始動入賞口13bに入賞するわけではないため、高ベース状態といえども遊技者の持玉数が徐々に減少してしまうことになるが、入賞口29dへの入賞が容易であれば、高ベース状態における持玉数の減少が緩やかになり、あるいは持球数が増加して、遊技者の遊技意欲を高めることにもなる。
一方で、遊技場側が既に第1始動入賞口13aや特別可変入賞球装置20への遊技球の入賞、あるいはゲート32の通過を容易なように遊技釘を調整している場合に、さらに高ベース状態において発射された遊技球の殆どがゲート32を通過してそのまま第2始動入賞口13bに入賞可能とすると、遊技者にとって過度に有利になってしまうこともある。また、高ベース状態において遊技者が過度に有利とならないような営業形態を採っている遊技場もある。即ち遊技場側の事情や営業形態によっては、高ベース状態における第2始動入賞口13bへの入賞率を調整する必要が生じる。このような場合には、誘導部材39bと可変入賞球装置15との間に配置された遊技釘40を調整することで、第2始動入賞口13bへの入賞率を抑制することが可能である。例えば、図6(a)及び(b)に示すように、誘導部材39bから可変入賞球装置15に向けて遊技球を誘導する遊技釘40a〜40cのうち、最も可変入賞球装置15に近い位置にある遊技釘40aを右に調整して(図6(b)の点線位置から実線位置に調整して)、遊技釘40aと開放状態にある可変入賞球装置15の可動翼片との距離を遠くする。これにより、図6(b)に示すように、遊技釘40aの調整前(a)と比較して、遊技球が第2始動入賞口に到達する前に落下する頻度が高まり、遊技者にとって高ベース状態が過度に有利になりすぎないようにすることができる。このように、遊技場の事情や営業形態に応じて第2始動入賞口13bへの入賞率を調整可能である。
図7は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図7は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ15a、カウントスイッチ23a、確変検出スイッチ24a、及び各入賞口スイッチ30a,30bからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および通常アタッカー20Aの開閉板を開閉するソレノイド21a,確変アタッカー20Bの開閉板を開閉するソレノイド21bを遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560から与えられるデータに従って、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。この情報出力信号に関しては図39を用いて後述する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤の枠側に設けられている天枠LED28a、左枠LED28b、および右枠LED28cの表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図8は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図8に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図8には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図7に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材78を動作させるためにモータ86を駆動する。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート107を介して、遊技者による操作ボタン120の押圧操作に応じて操作ボタン120からの信号を入力する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDやランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDやランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLED/ランプドライバ352に入力される。LED/ランプドライバ352は、LEDやランプを駆動する信号にもとづいて天枠LED28a、左枠LED28b、及び右枠LED28cなどの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LEDなどに電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図9は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、高確率フラグ、高ベースフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(15R大当りA、15R大当りB、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。なお、ステップS44において、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図18参照)も送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は、超短縮変動で大当りとなる場合(変動パターンとして超短縮PX1−2が選択される場合)を除いて常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図10に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ15a、カウントスイッチ23a、確変検出スイッチ24a、および入賞口スイッチ30a,30bの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ15a、カウントスイッチ23a,確変検出スイッチ24a、および入賞口スイッチ30a,30bの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ15a、カウントスイッチ23a、確変検出スイッチ24a、および入賞口スイッチ30a,30bのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.1秒ごとに表示状態(LED401の点灯および消灯)を切り替えるような速度であれば、0.1秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「点灯」を示す1と「消灯」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「非リーチ」(「非リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
図11は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図11に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4、及び超短縮PX1−1の変動パターンが用意されている。
ここで超短縮PX1−1の変動パターンは、「非リーチはずれ」の可変表示態様の中でも、特別図柄の変動時間が0.20秒と最短である。このような演出図柄の可変表示態様を、「超短縮変動はずれ」の可変表示態様という場合がある。この超短縮ハズレの変動パターンは高ベース状態においてのみ選択される。
また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2、スーパーPG1−1の変動パターンが用意されている。なお、図11に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図11に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、スーパーPG1−2〜スーパーPG1−3、及び超短縮PX1−2の変動パターンが用意されている。
ここで超短縮PX1−2の変動パターンは、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄になる変動パターンの中でも、特別図柄の変動時間が0.20秒と最短である。このような演出図柄の可変表示態様を、「超短縮変動大当り」の可変表示態様という場合がある。この超短縮変動大当りの変動パターンは高ベース状態においてのみ選択される。
なお、図11に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。
なお、この実施の形態では、図11に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図12は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム0(MR0):確変転落の有無を決定する(確変転落判定用)
(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(15R大当りA,15R大当りB)を決定する(大当り種別判定用)
(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(5)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施の形態では、後述するように、遊技状態が通常状態であって、15R大当りA,15R大当りBである場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチA,スーパーリーチBを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、遊技状態が通常状態であって、はずれである場合には、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチおよび再変動1回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、スーパーリーチA,スーパーリーチBを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7とに種別分けされている。
なお、この実施の形態では、後述するように、遊技状態が高確率/高ベース状態であって、15R大当りBである場合には、スーパーリーチCを伴う変動パターン種別である特殊CA3−4と、スーパーリーチA,スーパーリーチBを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3と、超短縮変動大当りを伴う変動パターン種別である超短縮CA3−6とに種別分けされている。また、遊技状態が高確率/高ベース状態であって、15R大当りAである場合には、スーパーリーチCを伴う変動パターン種別である特殊CA3−4と、スーパーリーチDを伴う変動パターン種別である特殊CA3−5と、超短縮変動大当りを伴う変動パターン種別である超短縮CA3−6に種別分けされている。
図10に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(ランダム0)の確変転落判定用乱数、(ランダム1)の大当り種別判定用乱数、および(ランダム4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図13(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルは、判定用データ記憶手段の一例であって、保留記憶手段(図25(B)に示す第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファ)に記憶している保留記憶に対する数値データが大当りに制御することを示す数値データであるか否かの判定用データとして、通常状態において判定するための通常時判定用データ(通常時大当り判定値)と、高確率状態(確変状態)において判定するための高確率時判定用データ(確変時大当り判定値)とを記憶するものであり、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。
大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図13(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図13(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図13(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
ここで確変時大当り判定値は、通常時大当り判定値を含まないので、通常時大当り判定値に合致するランダムR(例えば1020)は確変時大当り判定値には合致せず、また確変時大当り判定値に合致するランダムR(例えば2020)は通常時大当り判定値には合致しない。従って、遊技状態が変化すると、通常状態では大当りであったものが確変状態でははずれとなり、また確変状態では大当りであったものが通常状態でははずれとなって、仮に先読み予告を行うと矛盾が生ずる。そのため、本発明では、大当りの保留記憶が記憶されてから当該大当りの終了後の遊技状態が通常状態または確変状態に制御されることが確定するまでは、先読み予告の実行を制限(本例では禁止)して、遊技者に不確定な情報を予告するおそれを無くしているのである。なお図13(A’)に示す変形例については後述する。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図13(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(15R大当りA,15R大当りB)にすることに決定する。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図13(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図13(B)は、遊技球が第1始動入賞口13aに入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図13(C)は、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「15R大当りA」、「15R大当りB」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお大当り遊技において実行されるラウンド数は15ラウンドには限られず、他のラウンド数であっても良い。また大当りの種類も2種類には限られず、3種類以上であっても良い。
図13(D)は、ROM54に記憶されている確変転落判定テーブル131cを示す説明図であり、遊技球が第1始動入賞口13a又は第2始動入賞口13bに入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が行われるとき)確変転落の有無を決定する場合のテーブル(第1特別図柄及び第2特別図柄共通)である。確変転落判定テーブル131cは、高確率状態において参照されるテーブルであり、確変転落判定用の乱数(ランダム0)にもとづいて、「確変転落有り」又は「確変転落無し」を判定するために参照される。
図14(A)(B)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bは、通常状態において可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
例えば、大当り種別が「15R大当りB」である場合に用いられる図14(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が「15R大当りA」である場合に用いられる図14(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bとで、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。よって、通常状態において大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
なお、図14(A)(B)に示すように、この実施の形態では、通常状態において「15R大当りA」または「15R大当りB」である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が150〜251であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、スーパーリーチ大当りについて、擬似連を伴う変動パターン種別(スーパーPA3−3、スーパーPA3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)と、擬似連を伴わない変動パターン種別(スーパーPB3−3、スーパーPB3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)とに分けてもよい。この場合、通常状態において選択される15R大当りB用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aおよび15R大当りA用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bの両方において、スーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)かつ擬似連を伴う変動パターン種別と、スーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)かつ擬似連を伴わない変動パターン種別とが割り当てられることになる。
図14(C)(D)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132C,132Dを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132C,132Dは、高確率状態において可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132C,132Dには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、スーパーCA3−3、特殊CA3−4、特殊CA3−5、超短縮CA3−6の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
例えば、大当り種別が「15R大当りB」である場合に用いられる図14(C)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cでは、変動パターン種別として特殊CA3−4、スーパーCA3−3、超短縮CA3−6が割り当てられ、大当り種別が「15R大当りA」である場合に用いられる図14(D)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Dでは、変動パターン種別として特殊CA3−4、特殊CA3−5、超短縮CA3−6が割り当てられている。後述するように、超短縮CA3−6の変動パターン種別には、超短縮変動大当りの可変表示態様である超短縮PX1−2の変動パターンが割り当てられている。そのため本実施形態においては、高確率/高ベース状態において一定の割合で極めて短い変動時間(0.2秒)で大当り図柄が導出表示される。
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132C,132Dを比較すると、大当り種別に応じて割り当てられる変動パターン種別、及び、各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。よって、高確率状態において大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
なお、図14(C)(D)に示すように、この実施の形態では、高確率状態において「15R大当りA」または「15R大当りB」である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜149であれば、少なくともスーパーリーチCを伴う変動表示が実行されることがわかる。
なお、本実施形態においては、スーパーリーチC及びスーパーリーチDは疑似連を伴わないものとしているが、スーパーリーチC及びスーパーリーチDについて疑似連を伴なう変動パターンを設けた場合には、スーパーリーチC及びスーパーリーチDが実行される場合の大当りについて、擬似連を伴う変動パターン種別と、擬似連を伴わない変動パターン種別とに分けてもよい。この場合、高確率状態において選択される15R大当りB用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cおよび15R大当りA用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Dの両方において、スーパーリーチ(特殊CA3−4又は特殊CA3−5)かつ擬似連を伴う変動パターン種別と、スーパーリーチ(特殊CA3−4又は特殊CA3−5)かつ擬似連を伴わない変動パターン種別とが割り当てられることになる。
図15(A)〜(D)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Dを示す説明図である。このうち、図15(A)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aを示している。また、図15(B)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bを示している。
また、図15(C)は、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)であって、確変転落抽選によって確変転落無しと決定された場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを示している。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが選択されると、スーパーリーチ(スーパーリーチA,スーパーリーチB)を伴う変動パターン種別が選択されない場合(非リーチはずれとなる場合には、超短縮CA2−9が割り当てられている。後述するように、超短縮CA2−9の変動パターン種別には、超短縮変動はずれの可変表示態様である超短縮PX1−1の変動パターンが割り当てられている。そのため本実施形態においては、高確率/高ベース状態において比較的高い割合で極めて短い変動時間(0.2秒)ではずれ図柄が導出表示される。
遊技状態が高確率/高ベース状態であって、確変転落抽選によって確変転落有りと決定された場合には、図15(D)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Dが用いられる。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Dは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、図15に示す例では、遊技状態が高ベース状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで別々のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135C,135Bを用いる場合を示しているが、高ベース状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、図15(C)に示す例では、合算保留記憶数にかかわらず共通の高ベース用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを用いる場合を示しているが、高ベース用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Bとの2種類のテーブルを用いる場合を示しているが、はずれ変動パターン種別判定テーブルの分け方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、合算保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備える場合を示しているが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備えるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数の値ごとに別々に用意されたはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい(すなわち、第1保留記憶数0個用、第1保留記憶数1個用、第1保留記憶数2個用、第1保留記憶数3個用、第1保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、第1保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、第1保留記憶数0〜2用、第1保留記憶数3用、第1保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数が多い場合(例えば3以上)には、変動時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別が選択されやすいように構成すればよい。また、このような場合であっても、特定の可変表示パターンとしてのスーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別に対して共通の判定値を割り当てるように構成すればよい。
なお、「特定の演出態様」とは、スーパーリーチを伴う変動パターンなど、少なくとも大当りに対する期待度が高く設定され、遊技者に大当りに対する期待感を抱かせることができる変動パターン種別、変動パターンのことである。また、「大当りに対する期待度(信頼度)」とは、その特定の演出態様による可変表示(例えば、スーパーリーチを伴う変動表示)が実行された場合に大当りが出現する出現率(確率)を示している。例えば、スーパーリーチを伴う変動表示が実行される場合の大当り期待度は、(大当りと決定されている場合にスーパーリーチが実行される割合)/(大当りと決定されている場合およびハズレと決定されている場合の両方にスーパーリーチが実行される割合)を計算することによって求められる。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図15(A)(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、図15(A)(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜79であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともリーチを伴わない(擬似連や滑り演出などの特定演出も伴わない)通常変動の変動表示が実行されることがわかる。そのようなテーブル構成により、この実施の形態では、判定テーブル(はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135B)は、リーチ用可変表示パターン(リーチを伴う変動パターン)以外の可変表示パターンのうちの少なくとも一部に対して、保留記憶手段(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファ)が記憶する権利の数(第1保留記憶数や第2保留記憶数、合算保留記憶数)にかかわらず、共通の判定値(図15(A),(B)に示す例では1〜79)が割り当てられるように構成されている。なお、「リーチ用可変表示パターン以外の可変表示パターン」とは、この実施の形態で示したように、例えば、リーチを伴わず、擬似連や滑り演出などの特定演出も伴わず、可変表示結果がはずれ又は超短縮変動で大当りとなる場合に用いられる可変表示パターン(変動パターン)のことである。
なお、この実施の形態では、図14に示すように、現在の遊技状態が確変状態であるか通常状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示したが、現在の遊技状態にかかわらず、共通の大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしても良い。また、この実施の形態では、合算保留記憶数が3以上である場合に、図15(B)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるように構成する場合を示しているが、現在の遊技状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択されうる場合の合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)の閾値を異ならせてもよい。例えば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3である場合に(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数が2である場合に)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、遊技状態が高ベース状態である場合には、合算保留記憶数がより少ない1や2の場合でも(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数がより少ない0や1の場合でも)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよい。
図16は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137Aを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137Aは、可変表示結果を「大当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。当り変動パターン判定テーブル137Aは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図16に示す例では、変動パターン種別として、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う(スーパーリーチA、スーパーリーチBとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3と、スーパーリーチCを伴う変動パターン種別である特殊CA3−4と、スーパーリーチDを伴う変動パターン種別である特殊CA3−5と、超短縮変動(超短縮PX1−2)を伴う変動パターン種別である超短縮CA3−6に種別分けされている場合が示されている。なお、本例では、特殊CA3−4、特殊CA3−5、および超短縮CA3−6は高確率/高ベース状態の場合にのみ選択される変動パターン種別である。
図17は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。なお、本例では、特殊CA2−8、および超短縮CA2−9は高確率状態の場合にのみ選択される変動パターン種別である。
本実施形態では、図14に示すように高確率状態において特別図柄の可変表示の表示結果が大当りとなる場合には、変動パターン種別としてスーパーリーチCを伴う特殊CA3−4や、スーパーリーチDを伴う特殊CA3−5が選択される場合がある。また、図15(D)に示すように高確率状態において特別図柄の可変表示の表示結果がはずれとなり、且つ確変転落抽選で確変転落有りと決定された場合には、変動パターン種別としてスーパーリーチCを伴う特殊CA2−8が選択される。そして図16及び図17に示すように、変動パターン種別として特殊CA3−4が選択されたときには、スーパーリーチCで大当りとなる変動パターンであるスーパーPG1−2が選択され、変動パターン種別として特殊CA3−5が選択されたときには、スーパーリーチDで大当りとなる変動パターンであるスーパーPG1−3が選択され、変動パターン種別として特殊CA2−8が選択されたときには、スーパーリーチCではずれとなるスーパーPG1−1が選択される。
ここで本実施形態では、スーパーリーチCを伴う変動パターン種別は、高確率状態において選択されうる特殊CA3−4及び特殊CA2−8のみである。従って、スーパーリーチCが発生すると、遊技者は、演出図柄の可変表示の表示結果が大当り図柄となるか、又は、演出図柄の可変表示の表示結果がはずれ図柄となり且つ確変状態から転落するかのいずれかの結果となることを認識する。本実施形態においてスーパーリーチCは味方キャラと敵キャラがバトルを行う態様の演出であり、演出図柄の可変表示の表示結果が大当り図柄となる場合には味方キャラが勝利する演出が実行され、演出図柄の可変表示の表示結果がはずれ図柄となり、且つ確変状態から転落する場合には味方キャラが敗北する(敵キャ
ラが勝利する)演出が実行される。即ち、スーパーリーチCが発生することで、遊技者は
バトル態様の演出に注目し、味方キャラが勝利することを期待することになる。
一方、スーパーリーチDを伴う変動パターン種別は、高確率状態において選択されうる特殊CA3−5のみであって、特殊CA3−5は大当りAが発生する場合にのみ選択される。従って、高確率状態においてスーパーリーチDが発生すると、遊技者は、演出図柄の可変表示の表示結果が大当り図柄となること且つ確変アタッカー20Bがロング開放となる大当りAが発生することを認識する。なお、スーパーリーチDに係る演出図柄の可変表示が開始されると、可変表示の開始直後に可動部材78が動作する役物作動演出が実行される。遊技者は可動部材78の動作によって、大当りAの発生を認識する。
図18および図19は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図18および図19に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図11に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C03(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C03(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が高確率/高ベース状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確率/高ベース状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、以下、第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bとのいずれに始動入賞したかを指定する始動入賞指定コマンドを送信するとともに、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶情報として送信する演出制御コマンドは、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、保留記憶数が増加したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンドC4XX(H)およびコマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否かや、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。また、コマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す演出制御コマンド(変動カテゴリコマンド)である。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図27参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に、大当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄指定コマンドに設定されている値にもとづいて、表示結果が大当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドにもとづいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。
図20は、図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図20に示すように、この実施の形態では、大当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。
例えば、後述する入賞時演出処理において、「はずれ」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。また、例えば、「15R大当りA」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。また、例えば、「15R大当りB」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、表示結果指定コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。そのように構成すれば、図柄指定コマンドを設定する際と表示結果指定コマンドを設定する際とで、読み出すデータを共通化することができる。
図21および図22は、変動カテゴリコマンドの内容の一例を示す説明図である。図21および図22に示すように、この実施の形態では、いずれの遊技状態であるかと、特別図柄や演出図柄の表示結果がいずれの表示結果となるかと、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、EXTデータに値が設定され、変動カテゴリコマンドが送信される。
例えば、始動入賞時に、遊技状態が通常状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となる場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した変動カテゴリ1コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値1〜79の範囲には非リーチCA2−1の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ1コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別が非リーチCA2−1となることを認識することができる。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜89となる場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した変動カテゴリ2コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が90〜99となる場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した変動カテゴリ3コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が100〜169となる場合には、EXTデータに「03(H)」を設定した変動カテゴリ4コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が170〜199となる場合には、EXTデータに「04(H)」を設定した変動カテゴリ5コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が200〜214となる場合には、EXTデータに「05(H)」を設定した変動カテゴリ6コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が215〜229となる場合には、EXTデータに「06(H)」を設定した変動カテゴリ7コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が230〜251となる場合には、EXTデータに「07(H)」を設定した変動カテゴリ8コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値230〜251の範囲にはスーパーCA2−7の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ8コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーCA2−7となることを認識することができる。
なお、上記のいずれの変動カテゴリに属するかを判定するために用いられる閾値79、89、99、169、199、214および229は、具体的には、図15(A),(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップして導き出されたものである。このことは、以降の変動カテゴリ9〜11,21〜32についても同様であり、図14(A)〜(D)や図15(C),(D)に示す変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップしてカテゴリ判定のために用いられる閾値が導き出される。
また、例えば、始動入賞時に、遊技状態が高確率/高ベース状態且つはずれとなると判定し、さらに始動入賞時の確変転落判定によって確変転落無し(図26のステップS202でNo)と判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となる場合(すなわち、超短縮CA2−9の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「08(H)」を設定した変動カテゴリ9コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が220〜251となる場合(すなわち、スーパーCA2−7の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「09(H)」を設定した変動カテゴリ10コマンドを送信する。
なお、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)である場合にも、判定値230〜251の範囲にスーパーCA2−7の変動パターン種別を割り当てるようにしてもよい。そのようにすれば、遊技状態にかかわらず、スーパーCA2−7の変動パターン種別に対して共通の判定値が割り当てられるようにすることができる。そのため、後述する入賞時演出の処理のステップS232の処理を実行する際に、はずれであれば、遊技状態にかかわらず共通の判定処理を行えばよくなり、プログラム容量をより低減することができる。また、この場合、ステップS226の遊技状態の判定処理も不要とすることができる。
一方、始動入賞時に、遊技状態が高確率/高ベース状態且つはずれとなると判定し、さらに確変転落判定によって確変転落有り(図26のステップS202でYES)と判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜251となるか否かを判定する。本例では変動パターン種別判定用乱数の値が1〜251となるため(すなわち、特殊CA2−8の変動パターン種別となる)、CPU56は、EXTデータに「0A(H)」を設定した変動カテゴリ10コマンドを送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ10コマンドを受信したことにもとづいて、変動パターン種別が特殊CA2−8となることを認識することができる。
また、例えば、始動入賞時に、遊技状態が通常状態且つ「15R大当りB」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「10(H)」を設定した変動カテゴリ21コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が75〜149となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「11(H)」を設定した変動カテゴリ22コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が150〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「12(H)」を設定した変動カテゴリ23コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、遊技状態が通常状態且つ「15R大当りA」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「13(H)」を設定した変動カテゴリ24コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が39〜79となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「14(H)」を設定した変動カテゴリ25コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「15(H)」を設定した変動カテゴリ26コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、遊技状態が高確率/高ベース状態且つ「15R大当りB」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜149となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜149となる場合(すなわち、特殊CA3−4の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「16(H)」を設定した変動カテゴリ27コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が150〜199となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「17(H)」を設定した変動カテゴリ28コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が200〜251となる場合(すなわち、超短縮CA3−6の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「18(H)」を設定した変動カテゴリ29コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、遊技状態が高確率/高ベース状態且つ「15R大当りA」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜149となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜149となる場合(すなわち、特殊CA3−4の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「19(H)」を設定した変動カテゴリ30コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が150〜199となる場合(すなわち、特殊CA3−5の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「1A(H)」を設定した変動カテゴリ31コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が200〜251となる場合(すなわち、超短縮CA3−6の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「1B(H)」を設定した変動カテゴリ32コマンドを送信する。
なお、始動入賞時に入賞時判定を行ったときと実際に変動表示を開始するときとでは必ずしも合算保留記憶数が同じであるとは限らないのであるから、入賞時判定結果指定コマンドで示される変動パターン種別が実際に変動表示で用いられる変動パターン種別と一致しない場合も生じうる。しかし、この実施の形態では、少なくとも非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3の変動パターン種別については、合算保留記憶数にかかわらず共通の判定値が割り当てられているのであるから(図14、図15参照)、入賞時判定結果と実際に実行される変動表示の変動パターン種別とで不整合が生じない。そのため、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7またはスーパーCA3−3の変動パターン種別になると入賞時判定された変動表示に対して後述する先読み予告演出が実行されるようにしても良い。なお、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3の変動パターン種別となると判定した場合にのみ、図21および図22に示す変動カテゴリコマンド(具体的には、変動カテゴリ1コマンド、変動カテゴリ8コマンド、変動カテゴリ23コマンド、変動カテゴリ26コマンドのみ)を送信し、それ以外の変動パターン種別の入賞時判定結果の場合には変動カテゴリコマンドを送信しないようにしてもよい。また、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3以外となると入賞時判定された場合には、変動パターン種別を特定不能であることを示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
なお、「先読み予告演出」とは、予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行される予告演出のことである。この実施の形態では、先読み予告演出には、予告対象となる変動表示に対する始動入賞が発生したタイミングで直ちに実行されるもの(後述する「保留球変化」の態様の先読み予告演出)と、予告対象となる変動表示に対する始動入賞が発生した後に開始される変動表示から演出を開始し、その予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前の複数回の変動表示にわたって連続して実行されるもの(後述する「図柄変動時の変動形態の変化」、「モード移行」、「カウントダウン」、「射撃」の態様の先読み予告演出)とがある。ただし、必ずしも複数回の変動表示にわたって予告演出を実行する必要は無く、例えば、その予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前の1回のみの変動表示において予告演出を行うものであってもよい。また、例えば、その予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前の変動表示から予告演出を開始して、その予告演出の対象となる変動表示の直前の変動表示までで予告演出を終了するものであってもよいし、その予告演出の対象となる変動表示にもわたって予告演出を行うものであってもよい。また、複数回の変動表示にわたって必ずしも連続して実行する必要はなく、例えば、1回おきまたは2回おきに間欠的に複数回の可変表示において予告演出を実行してもよい。ただし、後述する「カウントダウン」および「射撃」の態様の先読み予告演出に関しては、カウントダウンや射撃が1回のみであったり間欠的あったりすると演出が不自然となってしまうので、複数の変動表示にわたって連続して行うことが望ましい。
なお、この実施の形態では、遊技状態にかかわらず(例えば、高確率状態や高ベース状態であるか否かや、大当り遊技中であるか否かにかかわらず)、始動入賞が発生するごとに入賞時判定の処理が実行され、必ず図20に示す図柄指定コマンドが送信されるとともに図21および図22に示す変動カテゴリコマンドが送信される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドにもとづいて、予告対象の変動表示が開始される以前に、前もって大当りとなるか否かやリーチとなるか否かを予告する先読み予告を実行する。
ただし、大当りの保留記憶が記憶されてから、当該保留記憶に基づいて制御される大当りの終了後の遊技状態が通常状態または確変状態に制御されることが確定するまでは、当該大当りの保留記憶の記憶以降に発生した始動入賞に基づく保留記憶に対する先読み予告の実行や、当該大当りの可変表示中に発生した始動入賞に基づく保留記憶に対する先読み予告の実行が、制限(本例では禁止)される。また、始動入賞時において、はずれ且つ確変転落有りと判定された場合には、当該始動入賞に基づく保留記憶がなされてから、当該保留記憶に基づく可変表示が開始されるまでは、当該確変転落の保留記憶以降に発生した始動入賞に基づく保留記憶に対する先読み予告の実行が、制限(本例では禁止)されるものとする。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図18および図19に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図18および図19に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図23は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13aに遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13aへの始動入賞が発生していたら、または、第2始動入賞口13bに遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ15aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口13bへの始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ15aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図37参照)、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、本実施形態においては、特別図柄の変動停止時間(図柄確定停止時間)として0.5秒が設定されていることから、特別図柄プロセスフラグの値が「4」に更新された後、0.5秒を経過したことが確認してから特別図柄プロセスフラグの値を「5」又は「0」に更新するようにすると良い。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21a,21bを駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、高確率フラグや高ベースフラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図24は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1211)。第1始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、ステップS1222に移行する。第1始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、ステップS1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1214)。また、CPU56は、第1始動入賞口13aおよび第2始動入賞口13bへの入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13aに遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ15aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口13bに遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ15aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図25(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図25(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図25(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図25(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13aまたは第2始動入賞口13bへの入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13aおよび第2始動入賞口13bへの入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図25(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1216)。なお、ステップS1216の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である確変転落判定用乱数(ランダム0)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。なお、確変転落判定用乱数や大当り種別判定用乱数はハードウェア乱数であっても良い。
図25(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図25(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である確変転落判定用乱数(ランダム0)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づいて、確変転落の有無を当該始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時確変転落判定処理を実行する(ステップS1216A)。次いで、CPU56は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(ステップS1217)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1218)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1219)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1221)。
なお、ステップS1218,S1219の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU56は、第1始動入賞口13aに始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、ステップS1218〜S1221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13aへの始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ15aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1222)。第2始動口スイッチ15aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ15aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(ステップS1226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図25(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1227)。なお、ステップS1227の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である確変転落判定用乱数(ランダム0)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づいて、確変転落の有無を当該始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時確変転落判定処理を実行する(ステップS1227A)。次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(ステップS1228)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1229)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1230)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1232)。
なお、ステップS1229,S1230の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU56は、第2始動入賞口13bに始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、ステップS1229〜S1232の処理が実行されることによって、第2始動入賞口13bへの始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図26は、ステップS1216A,S1227Aの入賞時確変転落判定処理を示すフローチャートである。入賞時確変転落判定処理では、CPU56は、まず、遊技状態が高確率状態(確変状態=高確率/高ベース状態)であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS201)。
このステップS201で高確率フラグがセットされていなければ(NO)、CPU56は、入賞時演出処理(ステップS1217,ステップS1228)を実行する。
またステップS201で高確率フラグがセットされていれば(YES)、CPU56は、図13(D)の確変転落判定テーブルを参照して、ステップS1216,S1227で抽出した確変転落判定用乱数(ランダム0)と確変転落判定テーブル左欄に示す確変転落有りの場合の確変転落判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS202)。このステップS202で確変転落判定用乱数(ランダム0)が確変転落有りの場合の確変転落判定値と一致しなければ(NO)、CPU56は、入賞時演出処理(ステップS1217,ステップS1228)を実行する。一方、ステップS202で確変転落判定用乱数(ランダム0)が確変転落有りの場合の確変転落判定値と一致すれば(YES)、CPU56は、入賞時判定確変転落フラグをセットし(ステップS203)、入賞時演出処理(ステップS1217,ステップS1228)を実行する。
図27は、ステップS1217,S1228の入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、遊技状態が高確率状態(確変状態=高確率/高ベース状態)であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。
このステップS221で高確率フラグがセットされていなければ(NO)、ステップS1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図13(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS222)。このステップS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(NO)、CPU56は、ステップS224の処理を行う。一方、ステップS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致すれば(YES)、CPU56は、ステップS229の処理を行う。
またステップS221で高確率フラグがセットされていれば(YES)、ステップS1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図13(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS223)。このステップS223で大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値と一致しなければ(NO)、CPU56は、ステップS224の処理を行う。一方、ステップS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値と一致すれば(YES)、CPU56は、ステップS229の処理を行う。
この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13aや第2始動入賞口13bに始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめ大当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果や変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって演出図柄の変動表示中に大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み予告演出を実行する。
ステップS222またはステップS223でNOの場合、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行い(ステップS224)、現在の遊技状態を判定する処理を行う(ステップS225)。この実施の形態では、CPU56は、ステップS225において、遊技状態が高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否か(具体的には、高確率フラグおよび高ベースフラグがセットされているか否か)を判定する。さらに確変転落の有無(具体的には入賞時判定確変転落フラグがセットされているか否か)を判定する。
そして、CPU56は、ステップS225の判定結果に応じて、はずれ用の各閾値を設定する(ステップS226)。この実施の形態では、あらかじめ閾値判定を行う閾値判定プログラムが組み込まれており、閾値より大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかが判定され、図21および図22に示す変動カテゴリコマンドに設定するEXTデータの値が決定される。
例えば、CPU56は、遊技状態が高確率/高ベース状態であり且つ確変転落無しと判定した場合には閾値219を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値219以下であるか否かを判定し、閾値219以下である場合(すなわち、1〜219である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「08(H)」を設定すると判定する(図21参照)。また、閾値219以下でない場合(すなわち、220〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「09(H)」を設定すると判定する(図21参照)。
また、例えば、CPU56は、遊技状態が高確率/高ベース状態であり且つ確変転落有りと判定した場合には閾値251を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値251以下であるか否かを判定し、閾値251以下である場合(すなわち、1〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「0A(H)」を設定すると判定する(図21参照)。
また、例えば、CPU56は、遊技状態が通常状態であると判定した場合には、合算保留記憶数にかかわらず、閾値79、89、99、169、199、214および229を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値79以下であるか否かを判定し、閾値79以下である場合(すなわち、1〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「00(H)」を設定すると判定する(図21参照)。また、閾値89以下である場合(すなわち、80〜89である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「01(H)」を設定すると判定する(図21参照)。また、閾値99以下である場合(すなわち、90〜99である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「02(H)」を設定すると判定する(図21参照)。また、閾値169以下である場合(すなわち、100〜169である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「03(H)」を設定すると判定する(図21参照)。また、閾値199以下である場合(すなわち、170〜199である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「04(H)」を設定すると判定する(図21参照)。また、閾値214以下である場合(すなわち、200〜214である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「05(H)」を設定すると判定する(図21参照)。また、閾値229以下である場合(すなわち、215〜229である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「06(H)」を設定すると判定する(図21参照)。また、閾値229以下でない場合(すなわち、230〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「07(H)」を設定すると判定する(図21参照)。
なお、上記に示す閾値判定の例では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していくので、後の順番の閾値で判定されたものが前の順番の閾値以下の範囲内となることはない。すなわち、閾値79以下であるか否かを判定した後に、閾値89以下であるか否かを判定するときには、前の順番の閾値以下の1〜79の範囲内となることはなく、80〜89の範囲であるか否かを判定することになる。また、この実施の形態では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していく場合を示したが、逆に大きい方から順に229、214、199、169、99、89および79と判定していってもよい。このことは、以下に示す他の閾値を用いた判定を行う場合も同様である。
なお、ステップS225の遊技状態の判定を行うことなく、常に通常状態(低確率/低ベース状態)における閾値を設定するようにしてもよい。そのように構成しても、少なくとも「非リーチはずれ」となる変動パターン種別と「スーパーリーチはずれ」となる変動パターン種別とに関しては判定値の範囲が共通化されているのであるから、「非リーチはずれ」や「スーパーリーチはずれ」となるか否かについては判定することができる。
ステップS226の処理の後、CPU56は、入賞時判定確変転落フラグをリセットして(ステップS226A)、ステップS232の処理を実行する。
ステップS222またはステップS223でYESの場合、CPU56は、ステップS1216,S1227で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(ステップS229)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13aへの始動入賞があった場合(ステップS1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、図13(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて、大当り種別が「15R大当りA」または「15R大当りB」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口13bへの始動入賞があった場合(ステップS1228の入賞時演出処理を実行する場合)には、図13(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて、大当り種別が「15R大当りA」または「15R大当りB」のいずれとなるかを判定する。
次いで、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS230)。この場合、「15R大当りA」となると判定した場合には、CPU56は、「15R大当りA」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「15R大当りB」となると判定した場合には、CPU56は、「15R大当りB」となることを示すEXTデータ「02(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。
そして、この実施の形態では、CPU56は、ステップS230Aにおいて、遊技状態が高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否か(具体的には、高確率フラグおよび高ベースフラグがセットされているか否か)を判定する。そして、CPU56は、ステップS229で判定した大当り種別及びステップS230Aで判定した遊技状態に応じて、大当り用の各閾値を設定する(ステップS231)。
例えば、CPU56は、遊技状態が通常状態且つ「15R大当りB」と判定した場合には、閾値74および149を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値74以下であるか否かを判定し、閾値74以下である場合(すなわち、1〜74である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「10(H)」を設定すると判定する(図22参照)。また、閾値149以下である場合(すなわち、75〜149である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「11(H)」を設定すると判定する(図22参照)。また、閾値149以下でない場合(すなわち、150〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「12(H)」を設定すると判定する(図22参照)。
また、例えば、CPU56は、遊技状態が通常状態且つ「15R大当りA」と判定した場合には、閾値38および79を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値38以下であるか否かを判定し、閾値38以下である場合(すなわち、1〜38である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「13(H)」を設定すると判定する(図22参照)。また、閾値79以下である場合(すなわち、39〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「14(H)」を設定すると判定する(図22参照)。また、閾値79以下でない場合(すなわち、80〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「15(H)」を設定すると判定する(図22参照)。
例えば、CPU56は、遊技状態が高確率/高ベース状態且つ「15R大当りB」と判定した場合には、閾値149および199を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値149以下であるか否かを判定し、閾値149以下である場合(すなわち、1〜149である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「16(H)」を設定すると判定する(図22参照)。また、閾値199以下である場合(すなわち、150〜199である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「17(H)」を設定すると判定する(図22参照)。また、閾値199以下でない場合(すなわち、200〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「18(H)」を設定すると判定する(図22参照)。
また、例えば、CPU56は、遊技状態が高確率/高ベース状態且つ「15R大当りA」と判定した場合には、閾値149および199を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値149以下であるか否かを判定し、閾値149以下である場合(すなわち、1〜149である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「19(H)」を設定すると判定する(図22参照)。また、閾値199以下である場合(すなわち、150〜199である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「1A(H)」を設定すると判定する(図22参照)。また、閾値199以下でない場合(すなわち、200〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「1B(H)」を設定すると判定する(図22参照)。
次いで、CPU56は、ステップS226,S231で設定した閾値と、ステップS1216,S1227で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(ステップS232)。
なお、ステップS226,S231において、あらかじめ定められた閾値を設定するのではなく、変動パターン種別判定テーブル(図14、図15参照)を設定するようにし、ステップS232において、設定した変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲やいずれの変動パターン種別となるかを判定するようにしてもよい。
そして、CPU56は、判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行う(ステップS233)。具体的には、CPU56は、ステップS232でいずれの変動パターン種別になると判定したかに応じて、図21および図22に示すような「00(H)」〜「0A(H)」、「10(H)」〜「1B(H)」のいずれかの値を変動カテゴリコマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
なお、この実施の形態では、入賞時判定において大当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示したが、大当りとなると判定した場合には、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲の判定を行わないようにしてもよい。そして、大当りとなると入賞時判定したことを示す図柄指定コマンドを送信するとともに、大当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。そして、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動カテゴリコマンドを受信したことにもとづいて、後述する先読み予告演出を実行するようにしてもよい。
図28および図29は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
なお、ステップS51において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認するのではなく、保留特定領域の1番目の領域にデータが設定されているか否かを確認し、設定されていれば保留記憶があると判定してステップS52に移行し、設定されていなければ保留記憶がないと判定してステップS51Aに移行してもよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図25(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(ステップS52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(ステップS52のY)、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bとに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bとに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。この場合、例えば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第2始動入賞口13bに始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、高確率状態であることを示す高確率フラグがセットされているとともに、高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされている場合には、高確率高ベース状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、高確率フラグも高ベースフラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に合算保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13aを対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口13bを対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、確変転落抽選処理(ステップS60A)を実行する。図30は、ステップS60Aの確変転落抽選処理を示すフローチャートである。確変転落抽選処理では、CPU56は、まず、遊技状態が高確率状態(確変状態=高確率/高ベース状態)であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS206)。
このステップS206で高確率フラグがセットされていなければ(NO)、CPU56は、ステップ61の処理を実行する。
またステップS206で高確率フラグがセットされていれば(YES)、CPU56は、乱数バッファ領域からランダム0(確変転落判定用乱数)を読み出し、確変転落判定テーブル左欄に示す確変転落有りの場合の確変転落判定値と比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS207)。このステップS207で確変転落判定用乱数(ランダム0)が確変転落有りの場合の確変転落判定値と一致しなければ(NO)、CPU56は、ステップ61の処理を実行する。一方、ステップS207で確変転落判定用乱数(ランダム0)が確変転落有りの場合の確変転落判定値と一致すれば(YES)、CPU56は、確変転落フラグをセットし(ステップS208)、ステップ61の処理を実行する。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS1216やステップS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図13参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図13(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図13(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図13(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、高確率フラグがセットされているか否かにより行われる。高確率フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、大当り遊技中に遊技球が確変アタッカー20Bに入賞していれば、該大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、次の大当りが発生して大当りフラグがセットされたときにリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、ステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図13(B)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図13(C)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「15R大当りA」または「15R大当りB」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS1216やステップS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「15R大当りA」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「15R大当りB」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「7」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「15R大当りB」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定し、「15R大当りA」に決定した場合には「9」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図31は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には(Y)、CPU56は、高確率フラグ及び大当り種別に応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132B,132C,132D(図14(A)(B)(C)(D)参照)のいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS102に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、高確率状態であることを示す高確率フラグおよび高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、高確率フラグおよび高ベースフラグは、大当り遊技状態終了時に遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、大当りとなる可変表示が開始されるとき及び確変転落抽選処理により確変転落と決定された可変表示が開始されるときにリセットされる。
高確率フラグおよび高ベースフラグがセットされていなければ(ステップS95のN)、すなわち、遊技状態が通常状態であれば、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS97)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS97のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図15(A)参照)を選択する(ステップS98)。そして、ステップS102に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS97のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図15(B)参照)を選択する(ステップS99)。そして、ステップS102に移行する。
高確率フラグおよび高ベースフラグがセットされている場合(ステップS95のY)には、すなわち、遊技状態が高確率/高ベース状態であれば、CPU56は、確変転落フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95A)。確変転落フラグがセットされていなければ(ステップS95AのN)、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(図15(C)参照)を選択する(ステップS101)。そして、ステップS102に移行する。
確変転落フラグがセットされていれば(ステップS95AのY)、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135D(図15(D)参照)を選択する(ステップS95B)。そして、ステップS102に移行する。
この実施の形態では、ステップS95〜S101の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、図15(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。また、遊技状態が高確率/高ベース状態である場合には、図15(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが選択される場合がある。この場合、後述するステップS102の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS105の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図17参照)。従って、この実施の形態では、遊技状態が高確率/高ベース状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施の形態では、高確率/高ベース状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図15(C)参照)と、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図15(B)参照)とが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が高ベース状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS95AでNと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図15(A)参照)を選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S98、S99、S101、またはS95Bの処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。
次いで、CPU56は、ステップS102の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A(図16参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図17参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS105)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS106)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS107)。
次いで、CPU56は、高確率フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS107A)。高確率フラグがセットされていなければ(ステップS107AでN)、ステップS108の処理を実行する。高確率フラグがセットされていれば(ステップS107AでY)、確変転落フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS107B)。確変転落フラグがセットされていなければ(ステップS107BでN)、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS107F)。大当りフラグがセットされていなければ(ステップS107FでN)、ステップS108の処理を実行する。
CPU56は、ステップS107Bで確変転落フラグがセットされていれば(ステップS107BでY)、確変転落フラグをリセットし(ステップS107C)、高確率フラグ及び高ベースフラグをリセットして(ステップS107D)、高確率/高ベース状態の終了設定を行い(ステップS107E)、ステップS108の処理を実行する。また、CPU56は、ステップS107Fで大当りフラグがセットされていれば(ステップS107FでY)、高確率フラグ及び高ベースフラグをリセットして(ステップS107D)、高確率/高ベース状態の終了設定を行い(ステップS107E)、ステップS108の処理を実行する。
ステップS107Eの高確率/高ベース状態終了設定によって、当該処理以降は大当り判定の際に、ランダムRと通常時(非確変時)の大当り判定値(図13(A))とが比較されるようになる。具体的には、ステップS221でNと判定されてステップS222の判定(ランダムRと通常時の大当り判定値との比較)が実行されるようになり、ステップS61ではランダムRと通常時の大当り判定値とが比較されるようになる。また、高ベース状態(普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が通常状態よりも高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が通常状態よりも高められた状態)が終了し、遊技状態が通常状態(低確率/低ベース状態)となる。
ここで本実施形態のように、高確率状態の終了に伴って高ベース状態を終了させる制御を行う遊技機では、確変転落抽選に基づいて高確率状態を終了させるとき、および、大当り遊技状態の発生に基づいて高確率状態を終了させるときに、高ベース状態を終了させる制御を行う必要がある(前述したステップ)。ここで高ベース状態においては、可変入賞球装置15の開放時間や開放回数が通常状態よりも高められた状態となる。このような制御を行う遊技機において、仮に確変転落抽選に基づいて高ベース状態を終了させるタイミングと、大当り遊技状態の発生に基づいて高ベース状態を終了させるタイミングが異なると、可変表示中において、遊技者が可変入賞球装置15の開放時間と開放回数を観察することで、当該可変表示の結果を遊技者が判別可能となる不都合が生じてしまう。
具体的には、可変表示を開始するときに確変転落と決定したことに基づいて高ベース状態を終了させ(例えば本実施形態に示すステップS107E)、一方で、仮に可変表示を開始するときに大当りフラグがセットされていることに基づいて高ベース状態を終了させないようにした場合又は高ベース状態を終了させるタイミングを可変表示開始から所定時間経過後とした場合には、遊技者は当該可変表示中に可変入賞球装置15の開放時間や開放回数が通常状態よりも高められていれば大当り、高められていなければはずれ且つ確変転落であると特定できてしまい、これによって遊技の興趣が低下する。これに対して本実施形態では、確変転落が生じる場合の高ベース状態を終了させるタイミング(ステップS107BでYと判定された後にステップS107D,S107Eを実行するタイミング)と、大当りが発生する場合の高ベース状態を終了させるタイミング(ステップS107FでYと判定された後にステップS107D,S107Eを実行するタイミング)を一致させるようにしており、遊技者が可変入賞球装置15の開放時間や開放回数を観察するだけでは、確変転落か大当りかを判別不能としている。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS95〜S102の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図15に示す非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3の変動パターン種別を含むもの)と、リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図15に示すノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別を含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、例えば、入賞時演出処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割り当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチとなるか否かをあらかじめ判定するようにしてもよい。なお、予告演出の実行割合が低下してしまうことを考慮すると、この実施の形態で示したように、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理を行うことなく、変動パターン種別によって「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かを事前判定して先読み予告演出を行うように構成することが好ましい。
図32は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果3指定のいずれかの演出制御コマンド(図18参照)を送信する制御を行う。
具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。このステップS110で、大当りフラグがセットされていない場合(NO)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS120)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新して(ステップS121)、表示結果指定コマンド送信処理を終了する。
一方、ステップS110で、大当りフラグがセットされている場合(YES)には、CPU56は、大当りの種別が「15R大当りA」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行って(ステップS111,S112)、ステップS121に進む。なお、「15R大当りA」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。
また、CPU56は、大当りの種別が「15R大当りB」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行って(ステップS111,S114)、ステップS121に進む。なお、「15R大当りB」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。
図33は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、合算保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS1121)。なお、合算保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS1122で合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に合算保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS1121では、その合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、合算保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1122)。
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS1125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS1126)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1127)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図34は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。このステップS131で大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新して(ステップS150)、特別図柄停止処理を終了する。
一方、ステップS131で大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、高確率状態であることを示す高確率フラグ、および高ベース状態であることを示す高ベースフラグをリセットし(ステップS132)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))を送信する制御を行う(ステップS133)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS134)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(本例では15回)をセットする(ステップS135)。また、大当り遊技における1ラウンドあたりのラウンド時間もセットされる。ここで大当りAでは、1〜14ラウンド目の通常アタッカー20Aのラウンド時間、および15ラウンド目の確変アタッカー20Bのラウンド時間として29秒が設定され、大当りBでは、1〜14ラウンド目の通常アタッカー20Aのラウンド時間として29秒が設定され、15ラウンド目の確変アタッカー20Bのラウンド時間として1秒が設定される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新して(ステップS136)、特別図柄停止処理を終了する。
図35は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンド(コマンドA301(H))を送信する制御を行う(ステップS162)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、大当り中に確変アタッカー20Bへの入賞が有ったか否か、即ち確変検出スイッチ24aによる遊技球の検出が有ったか否かを確認する(ステップS165A)。このステップS165Aで確変アタッカー20Bへの入賞が無い(NO)、即ち確変検出スイッチ24aによる遊技球の検出が無い場合には、処理を終了する。一方、ステップS165Aで確変アタッカー20Bへの入賞が有る(YES)、即ち確変検出スイッチ24aによる遊技球の検出が有る場合には、CPU56は、高確率フラグをセットし(ステップS166)、また高ベースフラグをセットして(ステップS168)、遊技状態を高確率/高ベース状態に移行させる(ステップS169)。ステップS169の高確率/高ベース状態制御開始設定によって、当該処理以降は大当り判定の際に、ランダムRと確変時の大当り判定値(図13(A))とが比較されるようになる。具体的には、ステップS221でYと判定されてステップS223の判定(ランダムRと確変時の大当り判定値との比較)が実行されるようになり、ステップS61ではランダムRと確変時の大当り判定値とが比較されるようになる。また、高ベース状態(普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が通常状態よりも高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が通常状態よりも高められた状態)となる。
なお、この実施の形態では、ステップS168でセットした高ベースフラグは、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU56は、普通図柄プロセス処理(ステップS27参照)において、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに、高ベースフラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置15を開放する制御を行う。また、ステップS168でセットした高ベースフラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。なお、普通図柄の変動表示結果を当りとする確率を高めた普図確変状態にも制御可能に構成する場合には、高ベースフラグは、普通図柄の変動表示結果を当りとするか否かを判定するためにも用いられる。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新して(ステップS170)、処理を終了する。
図36は、図10のS27において実行される普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、ゲート32に設けられたゲートスイッチ32aからの検出信号がオン状態であるか否かをチェックすることにより、ゲート32を通過した遊技球が検出されたか否かの判定を行なう(S501)。S501では、遊技球がゲート32を通過してゲートスイッチ32aからの検出信号が所定期間オン状態となった場合に、遊技球のゲート通過(通過球)の検出があったものと判断して、ゲート通過時処理を実行する(S502)。
S502において実行されるゲート通過時処理の一例として、以下のような処理が実行される。まず、RAM55の所定領域に設けられた普図保留記憶部に記憶されている普図保留記憶データの個数である普図保留記憶数が、所定の上限値(たとえば「4」)となっているか否かを判定する。普図保留記憶部は、ゲートスイッチ32aにより遊技球のゲート通過が検出されたときに抽出した普通図柄の表示結果決定用のランダム4の数値データを普図保留記憶データとして、最大限4つ保留記憶するデータ記憶領域を有する。この普図保留記憶部は、前述した第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファと同様に、普図保留記憶データを格納された順番を特定可能な状態で保存していき、順番にしたがって変動表示に使用された普図保留記憶データを消去し、残りの普図保留記憶データについてデータ記憶領域を1つずつシフトしていく構成となっている。
S502において、普図保留記憶数が上限値未満であるときには、CPU56が、ランダム4を示す数値データを抽出する。そして、抽出したランダム4の数値データを普図保留記憶データとして、普図保留記憶部でデータが記憶されずに空いているデータ記憶領域のうち先頭順番の領域にセットする。一方、普図保留記憶部において、普図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の遊技球の検出は無効として、ランダム4の数値データの新たな抽出および記憶は行なわない。
ゲート通過時処理を実行した後、および、S501でゲートスイッチ32aからの検出信号がオフ状態であると判定された後には、普通図柄プロセスフラグの値に応じて、以下のようなS510〜S514の各処理を実行する。
S510の普通図柄通常処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部に格納された普図保留記憶データの有無等に基づいて、普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示を開始するか否かの判定が行なわれる。このとき、たとえば普図保留記憶部に格納された普図保留記憶データがある場合には、普通図柄プロセスフラグの値を「1」に更新する。
S511の普通図柄判定処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。この普通図柄判定処理では、高ベースフラグがセットされているか否かに基づいて、高ベース状態(普通図柄確変状態、普通図柄時短状態、開放延長状態)であるか否かを認識し、普図保留記憶部の先頭順番に格納された普図保留記憶データ(普通図柄の表示結果決定用のランダム4を示す数値データ)に基づき、普通図柄表示結果決定テーブルを参照して、普通図柄の変動表示における表示結果を、「当り」とするか「はずれ」とするかの決定等が行なわれる。
普通図柄表示結果決定テーブルでは、高ベース状態(普通図柄確変状態)である場合に、通常状態である場合よりも普通図柄の表示結果を「当り」とする決定がなされる割合が高くなるように、ランダム4と比較される決定値が割振られている。例えば通常状態において、普通図柄の表示結果を「当り」とする決定がなされる割合が2/11であるのに対して、高ベース状態において、普通図柄の表示結果を「当り」とする決定がなされる割合が9/11と高くなっている。これにより、高ベース状態では、S511の普通図柄判定処理において、通常遊技状態と比べて普通図柄の表示結果が「当り」と判定されやすくなることで、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口13bが開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口13bに進入(始動入賞)しやすくなる。
また、普通図柄判定処理では、普通図柄表示結果決定テーブルを用いて、普通図柄の変動時間も決定される。普通図柄表示結果決定テーブルでは、高ベース状態(普通図柄時短状態)である場合に、通常状態である場合よりも普通図柄の変動時間が短くなるように設定されている。これにより、高ベース状態では、S511の普通図柄判定処理において、高ベースフラグがセットされているときに高ベース状態であると認識し、通常状態と比べて普通図柄の変動時間が短くなるように変動時間が決定される。例えば通常状態において、普通図柄の変動時間(可変表示期間)が10秒であるのに対して、高ベース状態における普通図柄の変動時間(可変表示期間)は0.2秒となる。高ベース状態では、普通図柄の変動表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「当り」の変動表示結果が導出表示される間隔も短くなり、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口13bが開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口13bに進入(始動入賞)しやすくなる。
さらに、普通図柄判定処理では、普通図柄表示結果決定テーブルを用いて、可変入賞球装置15(第2始動入賞口13b)の開放時間および開放回数も決定される。但し、本実施形態では通常状態であっても高ベース状態であっても、開放回数は1回であるものとする。普通図柄表示結果決定テーブルでは、高ベースフラグがセットされているときに高ベース状態(開放延長状態)であると認識し、通常状態である場合よりも、可変入賞球装置15(第2始動入賞口13b)の開放時間が長くなるように設定されている。したがって、高ベース状態である場合に、通常遊技状態である場合よりも、可変入賞球装置15(第2始動入賞口13b)の開放時間が長くなるような制御が行なわれる。これにより、高ベース状態では、開放時間が長くなることで、可変入賞球装置15(第2始動入賞口13b)が開放状態となる時間が増加し、遊技球が第2始動入賞口13bに進入(始動入賞)しやすくなる。
普通図柄判定処理では、このような各種判定がされた後、普通図柄プロセスフラグの値を「2」に更新する。
S512の普通図柄変動処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示において普通図柄を変動させるための設定が行なわれる。こうした設定に基づいて変動表示する普通図柄は、S513の普通図柄停止処理が実行されることにより、その変動表示が停止して普通図柄の表示結果となる普通図柄の停止図柄が表示される。普通図柄変動処理では、普通図柄が変動表示を開始してからの経過時間が計測される。このときには、計測された経過時間が、普通図柄判定処理で決定された変動時間に達したか否かの判定が行なわれる。そして、決定された変動時間に達したときには、普通図柄プロセスフラグの値を「3」に更新する。
S513の普通図柄停止処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示を停止して表示結果を導出表示させるための設定が行なわれる。なお、普通図柄の表示結果を導出表示させるための設定は、S512の普通図柄変動処理において、計測された経過時間が決定された変動時間に達したときに、普通図柄プロセスフラグの値を「3」に更新する以前に行なわれるようにしてもよい。また、普通図柄停止処理では、普通図柄判定処理で決定された普通図柄の表示結果が「当り」である場合に、普通図柄判定処理で決定された開放時間および開放回数で可変入賞球装置15を開閉するようにソレノイド16を駆動する作動パターンの設定を行なってから、普通図柄プロセスフラグの値が「4」に更新される。一方、普通図柄判定処理で決定された普通図柄の表示結果が「はずれ」である場合には、普通図柄プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に更新する。なお、本実施形態においては、普通図柄の変動停止時間(図柄確定停止時間)として0.5秒が設定されていることから、普通図柄プロセスフラグの値が「3」に更新された後、0.5秒を経過したことが確認してから普通図柄プロセスフラグの値を「4」又は「0」に更新するようにすると良い。
S514の普通電動役物作動処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普通図柄の変動表示における表示結果が「当り」となったことに対応して、可変入賞球装置15において可動片を開放状態に動作させることにより、第2始動入賞口13bを閉状態から開状態に変化させる制御が行なわれる。たとえば、普通電動役物作動処理では、S513の普通図柄停止処理においてセットされた作動パターンの設定に応じて、ソレノイド16を駆動するための駆動制御信号を生成することにより、可変入賞球装置15を、普通図柄判定処理で決定された開放時間および開放回数で開状態とする制御を行なう。これにより、遊技状態および表示結果に応じた動作パターンで可変入賞球装置15が開閉動作させられることとなる。そして、作動パターンの設定に応じたソレノイド16の駆動が終了すると、普通図柄プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に更新する。
図37は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS32)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.1秒であれば、0.1秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を更新する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
ここで、ステップS3202において設定また更新される特別図柄表示制御データには、第1図柄に対応するLED403又は第2図柄に対応するLED405のいずれの点灯制御を行うかを指定するデータと、当該指定されたLEDを点灯状態又は消灯状態のいずれの状態とするかを指定するデータとが含まれる。本実施形態において、第1図柄の可変表示中はLED403が点滅状態となり、第2図柄の可変表示中はLED405が点滅状態となるが、設定及び更新された特別図柄表示制御データに基づく点灯状態及び消灯状態が繰り返されることにより、この点滅状態が実現されることになる。なお、本実施形態において、第1図柄に対応するLED403の点灯制御を行うことを指定する特別図柄表示制御データは、第1図柄に対応する7セグメントLED404を消灯状態とすることも指定しており、第2図柄に対応するLED405の点灯制御を行うことを指定する特別図柄表示制御データは、第2図柄に対応する7セグメントLED406を消灯状態とすることも指定しているものとする。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
ここで、ステップS3204において設定される特別図柄表示制御データには、第1図柄に対応する7セグメントLED404又は第2図柄に対応する7セグメントLED406のいずれの点灯制御を行うかを指定するデータと、当該指定された7セグメントLEDを構成するセグメント(LED)うちのいずれのセグメントを点灯させるかを指定するデータとが含まれる。本実施形態において、第1図柄の図柄確定停止時間中は7セグメントLED404を構成するセグメントのうちの所定のセグメントが点灯状態となり、第2図柄の図柄確定停止時間中は7セグメントLED406を構成するセグメントのうちの所定のセグメントが点灯状態となるが、設定された特別図柄表示制御データに基づいて、この点灯状態が実現されることになる。なお、本実施形態において、第1図柄に対応する7セグメントLED404の点灯制御を行うことを指定する特別図柄表示制御データは、第1図柄に対応するLED403を消灯状態とすることも指定しており、第2図柄に対応する7セグメントLED406の点灯制御を行うことを指定する特別図柄表示制御データは、第2図柄に対応するLED405を消灯状態とすることも指定しているものとする。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS32)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示させるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
図38は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する普通図柄表示制御処理(ステップS33)のプログラムの一例を示すフローチャートである。普通図柄表示制御処理では、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が2であるか否かを確認する(ステップS3206)。普通図柄プロセスフラグの値が2であれば(すなわち、普通図柄変動処理の実行中であれば)、CPU56は、普通図柄変動表示用の普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3207)。この場合、CPU56は、普通図柄の変動表示を行うための普通図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.1秒であれば、0.1秒が経過する毎に、出力バッファに設定される普通図柄表示制御データの値を更新する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて普通図柄表示器10に対して駆動信号が出力されることによって、普通図柄表示器10における普通図柄の変動表示が実行される。
ここで、ステップS3207において設定また更新される普通図柄表示制御データには、第1表示部としてのLED401を点灯状態又は消灯状態のいずれの状態とするかを指定するデータが含まれる。本実施形態において、普通図柄の可変表示中はLED401が点滅状態となるが、設定及び更新された普通図柄表示制御データに基づく点灯状態及び消灯状態が繰り返されることにより、この点滅状態が実現されることになる。なお、本実施形態において、第1表示部としてのLED401を点灯状態又は消灯状態のいずれの状態とするかを指定する普通図柄表示制御データは、第2表示部としてのLED402を消灯状態とすることも指定しているものとする。
普通図柄プロセスフラグの値が2でなければ、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(ステップS3208)。普通図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、普通図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、普通図柄判定処理で設定された普通図柄の停止図柄を停止表示するための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3209)。この場合、CPU56は、普通図柄の停止図柄を停止表示するための普通図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて普通図柄表示器10に対して駆動信号が出力されることによって、普通図柄表示器10において普通図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3209の処理が実行され停止図柄表示用の普通図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の普通図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。
ここで、ステップS3209において設定される普通図柄表示制御データには、第1表示部としてのLED401を点灯状態とするか又は消灯状態とするかを指定するデータが含まれる。本実施形態において、普通図柄の図柄確定停止時間中はLED402が点灯状態(当りの場合)又は消灯状態(はずれの場合)となるが、設定された普通図柄表示制御データに基づいて、この点灯状態又は消灯状態が実現されることになる。なお、本実施形態において、第2表示部としてのLED402の点灯制御を行うことを指定する普通図柄表示制御データは、第1表示部としてのLED401を消灯状態とすることも指定しているものとする。
なお、この実施の形態では、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、普通図柄プロセス処理において、普通図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、普通図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、普通図柄表示制御処理(ステップS33)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことにもとづいて普通図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示させるための普通図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
[情報出力信号]
次に情報出力回路64が出力する情報出力信号に関して図39を用いて説明する。CPU56は、大当りA及び大当りBに係る大当り遊技状態中は、大当り1信号を情報出力回路64から出力する(ON状態とする)。例えば大当り開始指定コマンドの送信(ステップS133)から大当り終了指定コマンドの送信(ステップS162)までの期間、大当り1信号をON状態にすると良い。図39の例では、(1)〜(2)、及び(4)〜(5)の期間に大当り1信号がON状態となっている。大当り1信号が入力されたホールコンピュータや呼出ランプ装置等の外部装置では、大当り1信号がON状態となった回数(OFFからONに切り替わった回数)に基づいて当該遊技機における大当りの発生回数をカウントすることができる。
本実施形態では、大当り遊技状態中に確変アタッカー20Bに遊技球が入賞すると大当り遊技状態終了後に高確率/高ベース状態に制御される。図39の例では、大当りAに係る大当り遊技状態終了後の(2)〜(3)の期間、及び大当りBに係る大当り遊技状態終了後の(5)〜(6)の期間は、高確率/高ベース状態に制御されている。なお、本例では大当りBに係る大当り遊技状態中に確変アタッカー20Bに遊技球が入賞した例を示している。
また、本実施形態では可変表示結果が大当りとなる変動及び確変転落抽選で確変転落となる変動が開始される前の変動パターン設定処理において、高確率/高ベース状態の終了設定がなされるため(ステップS107E)、これらの変動に関しては変動期間中に高確率/高ベース状態に制御されていない。図39の例では、大当りを伴う図柄変動期間である(3)〜(4)の期間、及び、確変転落を伴う図柄変動期間である(6)〜(7)の期間は、高確率/高ベース状態に制御されない。
従って、高確率状態の期間中、仮にCPU56が高確率状態であることを示す高確率信号を情報出力回路64から出力しても、大当り遊技状態発生前に当該信号が出力されないようになってしまう(OFF状態となる)ため、外部装置において[高確率信号入力中に大当り1信号がONとなったときには連チャンと判定して連チャン回数をカウントする]方法はとることができない。なお、ここでいう連チャンとは「高確率状態で実行された大当り判定(ステップS61)によって大当りが発生すること」であり、連チャン回数とは、「高確率状態で実行された大当り判定(ステップS61)によって発生した大当りが連続した回数+1」であり、後述する演出制御用マイクロコンピュータ100によってカウントされる連チャンカウンタに基づく値(演出上の連チャン回数)とは異なる。
一方で、大当りを伴う図柄変動期間である(3)〜(4)の期間は高確率信号を継続して出力させるようにし、確変転落を伴う図柄変動期間である(6)〜(7)の期間は、高確率信号を出力しないようにした場合、呼出ランプ等の外部装置の表示によって、遊技者が変動期間中に大当りが発生するか確変転落となるかを把握してしまい、興趣が低下するという問題が生じる。具体的には、呼出ランプ装置に高確率信号が入力されている期間中、呼出ランプ装置で「確変中」という表示を行うようにした場合、演出図柄の変動期間中に「確変中」が表示されなくなると確変転落と認識して、演出図柄の停止前に遊技者を落胆させてしまう。
本実施形態ではこのような問題を解決すべく、図39に示す大当り2信号を出力するようにしている。CPU56は、(1)大当りA及び大当りBに係る大当り遊技状態中、(2)高確率状態中、(3)高確率状態で発生した大当りの変動中、及び(4)確変転落となる変動中は、大当り2信号を情報出力回路64から出力する(ON状態とする)。即ち、大当り2信号は、(1)大当り1信号出力中、(2)高確率フラグがセットされている期間、(3)高確率フラグがセットされている状態で大当りフラグがセット(ステップS71)されたときの特別図柄の変動開始から変動停止までの期間、及び(4)確変転落フラグがセット(ステップS208)されたときの特別図柄の変動開始から変動停止までの期間出力される(ON状態となる)。
このように大当り2信号を出力することによって、ホールコンピュータや呼出ランプ装置等の外部装置では、大当り2信号が入力されている期間中に大当り1信号が入力されたときには、連チャンが発生したと認識して連チャン回数をカウントすることができる。なお、連チャンを「高ベース状態で実行された大当り判定(ステップS61)によって大当りが発生すること」であり、連チャン回数を「高ベース状態で実行された大当り判定(ステップS61)によって発生した大当りが連続した回数+1」であると定義した場合にも、同様の方法によって連チャンの発生を認識して連チャン回数をカウントすることができる。
さらに本実施形態では、CPU56は大当りBに係る大当り遊技状態が発生したときには、当該大当り遊技状態の期間中は、大当り3信号を情報出力回路64から出力する(ON状態とする)。これにより外部装置では、大当り1信号が入力されて大当り3信号が入力されていなければ大当りAが発生し、大当り1信号が入力されて大当り3信号が入力されていれば大当りBが発生したことを特定して、大当りAの発生回数と大当りBの発生回数を個別にカウントすることができるようになる。
さらに本実施形態では、CPU56は大当りBに係る大当り遊技状態が発生した場合であって、当該大当り遊技状態中に確変アタッカー20Bに遊技球が入賞したときには、大当り4信号を情報出力回路64から出力する(ON状態とする)。外部装置では、大当り4信号の出力回数をカウントすることで、ショート開放となる大当りBにおいて、確変アタッカー20Bに遊技球が入賞した回数をカウントすることができる。例えば、ショート開放となる大当りBの発生回数(10回)に対して確変アタッカー20Bへの入賞回数が多ければ(例えば7回)、遊技場の管理者は不正が行われている可能性を把握することができる。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図40は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9a、9b、9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図41は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図18および図19参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図42〜図45は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果3指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))であれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。さらに高確率状態背景継続カウンタの値が1以上であるか否かを確認する(ステップS622A)。そして高確率状態背景継続カウンタの値が1以上であれば(ステップS622AでY)、連チャンカウンタの値を1加算する(ステップS622B)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行い(ステップS634)、停電復旧フラグをセットする(ステップS635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンド(コマンドA301(H))であれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットし(ステップS642)、後述するステップS8016Bでセットされる先読み予告禁止フラグをリセットして(ステップS643)、処理を終了する。つまり、大当り遊技状態の終了により、その後の遊技状態が通常状態または確変状態に制御されることが確定したことに基づいて、先読み予告禁止フラグがリセットされて、先読み予告演出の制限が解除され、先読み予告演出の実行が可能となる。
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する(ステップS652)。
図46は、始動入賞時コマンド格納領域の具体例を示す説明図である。図46に示すように、始動入賞時コマンド格納領域には、合算保留記憶数の最大値(この例では8)に対応した領域(格納領域1〜8)が確保されている。この実施の形態では、図24の始動口スイッチ通過処理のステップS1218〜S1221,S1229〜S1232で示したように、第1始動入賞口13aまたは第2始動入賞口13bへの始動入賞があったときに、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)、および合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドがセットで送信される。そのため、図46に示すように、始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8には、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
この実施の形態では、演出制御用CPU101は、コマンド解析処理において、受信した順にコマンドを始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域内に格納していく。この実施の形態では、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの順にコマンド送信が行われるので、コマンド受信が正常に行われれば、図46に示すように、各格納領域1〜8に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの順に格納されていくことになる(なお、図46では、格納領域1〜5までコマンドが格納されている例が示されている)。
なお、図46に示す例では、前回の変動表示において7個までの保留記憶が発生して最新のコマンドが格納されている格納領域に合算保留記憶数7を指定する合算保留記憶数指定コマンド(C207(H))が格納され、その後、保留記憶が1つ消化されて2番目の保留記憶にもとづく変動表示が開始されている状況での始動入賞時コマンド格納領域の格納状態が示されている。
また、図46に示す始動入賞時コマンド格納領域に格納されている各コマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、演出図柄の変動表示を開始するタイミングで後述する演出図柄変動開始処理のステップS8022で1つ目の格納領域1に格納されているものから削除され、始動入賞時コマンド格納領域の内容がシフトされる。例えば、図46に示す格納状態において新たな演出図柄の変動表示が開始された場合には、格納領域1に格納されている各コマンドが削除され、格納領域2に格納されている各コマンドが格納領域1にシフトされ、格納領域3に格納されている各コマンドが格納領域2にシフトされ、格納領域4に格納されている各コマンドが格納領域3にシフトされ、格納領域5に格納されている各コマンドが格納領域4にシフトされる。
また、図46に示す始動入賞時コマンド格納領域のうち、格納領域2については、コマンド受信を正常に行えず、合算保留記憶数指定コマンドを取りこぼした場合の例が示されている。そのため、図46に示す例では、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域2において、本来、合算保留記憶数指定コマンドが格納されるべき4つ目の記憶領域の内容が「0000(H)」のままとなっている状態が示されている。
また、この実施の形態では、後述するように、図46に示す始動入賞時コマンド格納領域に格納される始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンド)にもとづいて、先読み予告演出決定処理(ステップS800A参照)において先読み予告演出の設定が行われるのであるが、始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンド)の取りこぼしや不整合が発生した場合には、その始動入賞時のコマンドに対応する保留記憶の変動表示を消化するまで、先読み予告演出の設定が制限される。そして、この実施の形態では、始動入賞時コマンド格納領域に格納される始動入賞時のコマンドのうち、先読み予告演出の設定が制限される期間(以下、先読み予告設定制限期間ともいう)に受信して、その始動入賞時のコマンド受信のタイミングで先読み予告演出の設定処理がされなかったものに対しては、図46に示すように、先読み予告演出の設定処理がされていないことを示す未判定情報が設定される。図46に示す例では、合算保留記憶数指定コマンドの取りこぼしが発生した格納領域2以降の格納領域2〜5について、未判定情報の値が先読み予告演出の設定処理がされていないことを示す「1」に設定されている。
なお、この実施の形態において、「先読み予告演出の実行を制限する」とは、先読み予告設定制限期間内に発生した始動入賞に対応する保留記憶に対して、全く先読み予告演出の設定を行わず先読み予告演出を実行しない概念と、一部の態様の先読み予告演出の設定および実行を行わないようにする概念との両方を含む。この実施の形態では、後述するように、先読み予告設定制限期間内に発生した始動入賞に対応する保留記憶に対して、「スーパーリーチ大当り」の場合にのみ実行可能な「カウントダウン」の演出態様の先読み予告演出を設定および実行しないようにし、「非リーチはずれ」の場合にも実行可能な「図柄変動時の変動形態の変化」や「モード移行」の演出態様の先読み予告演出については先読み予告設定制限期間内でも設定および実行可能としている。
また、この実施の形態では、始動入賞の発生時に受信する図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを、包括的に表現する場合に、始動入賞時のコマンドともいう。また、これら始動入賞時のコマンドのうち、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを認識可能な情報を指定するコマンドである始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを、包括的に表現する場合に、保留記憶情報ともいう。また、始動入賞時の入賞時演出処理(図27参照)で判定される大当りとなるか否か、大当り種別の判定結果、変動パターン種別の判定結果を示すコマンドである図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを、包括的に表現する場合に、入賞時判定結果指定コマンドや判定結果情報ともいう。
図44に戻り、受信した演出制御コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであれば(ステップS653)、演出制御用CPU101は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS654)。ただし、最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に既に変動カテゴリコマンドや始動入賞指定コマンド、合算保留記憶数指定コマンドが格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で変動カテゴリコマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンドを取りこぼしてしまったことを意味する。その場合には、演出制御用CPU101は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。なお演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS654において変動カテゴリコマンドを記憶した後に、当該記憶した変動カテゴリコマンドが「始動入賞時に高確率/高ベース状態で大当り」を示すコマンドであるか又は「始動入賞時に高確率/高ベース状態ではずれ且つ確変転落有り」を示すコマンドのいずれかであるか否かを判定して、そのいずれかである場合には、所定の確率で特別の演出音を音声出力基板70によって出力させるようにすると良い。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(ステップS655)、演出制御用CPU101は、受信した第1始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS656)。ただし、最新の図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に既に始動入賞指定コマンドや合算保留記憶数指定コマンドが格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で第1始動入賞指定コマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを両方とも取りこぼしてしまったことを意味する。その場合には、演出制御用CPU101は、受信した第1始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、受信した第2始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS658)。ただし、最新の図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に既に始動入賞指定コマンドや合算保留記憶数指定コマンドが格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で第2始動入賞指定コマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを両方とも取りこぼしてしまったことを意味する。その場合には、演出制御用CPU101は、受信した第2始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS659)、演出制御用CPU101は、受信した合算保留記憶数指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび始動入賞指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS660)。ただし、最新の図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドが格納されている格納領域に既に合算保留記憶数指定コマンドが格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で合算保留記憶数指定コマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび始動入賞指定コマンドを全て取りこぼしてしまったことを意味する。その場合には、演出制御用CPU101は、受信した合算保留記憶数指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS661)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおける1つ目の保留表示を消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、合算保留記憶表示部18cにおける合算保留記憶数表示を更新する(ステップS662A)。例えば、合算保留記憶表示部18cの1つ目〜5つ目の保留表示が点灯表示されていた場合に、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合には、1つ目の保留表示を消去するとともに、2つ目に表示されていた保留表示を1つ目の表示領域にシフトし、3つ目に表示されていた保留表示を2つ目の表示領域にシフトし、4つ目に表示されていた保留表示を3つ目の表示領域にシフトし、5つ目に表示されていた保留表示を4つ目の表示領域にシフトする。
また、演出制御用CPU101は、消去した保留表示が後述する第1特殊表示または第2特殊表示であった場合(すなわち、後述する「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出の予告対象の保留表示を消去した場合)には、セットされている「保留球変化」に応じた先読み予告実行中フラグをリセットする(ステップS662B)。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(ステップS663)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9にあらかじめ決められている客待ちデモ画面を表示する制御を行う(ステップS664)。なお、客待ちデモ指定コマンドを受信したことにもとづいて直ちに客待ちデモ画面を表示するのではなく、客待ちデモ指定コマンドを受信した後、所定期間(例えば、10秒)を経過してから客待ちデモ画面の表示を開始するようにしてもよい。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(ステップS666)、演出制御用CPU101は、通常状態背景継続カウンタの値を1加算して(ステップS666A)、更新後の通常状態背景継続カウンタの値が所定回数より大きいか否かを判定する(ステップS666B)。ステップS666Bで通常状態背景継続カウンタの値が所定回数以下である場合には(ステップS666BでN)、演出表示装置9に表示する背景画面を通常状態に応じた背景画面(例えば、図76(a)の背景画面)とする(ステップS667)。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、遊技状態が高確率状態であることを示す高確率状態フラグや、遊技状態が高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグをリセットする(ステップS668)。
演出制御用CPU101は、ステップS666Bで通常状態背景継続カウンタの値が所定回数より大きい場合には(ステップS666BでY)、高確率状態背景継続カウンタをリセットし(ステップS666C)、連チャンカウンタをリセットして(ステップS666D)、ステップS667の処理を実行する。
また、受信した演出制御コマンドが高確率/高ベース状態背景指定コマンドであれば(ステップS669)、演出制御用CPU101は、高確率状態背景継続カウンタの値を1加算し(ステップS670A)、通常状態背景継続カウンタをリセットして(ステップS670B)、演出表示装置9に表示する背景画面を高確率/高ベース状態に応じた背景画面(例えば、図76(b)の背景画面)とする(ステップS667)。また、演出制御用CPU101は、高確率状態フラグをセットするとともに高ベース状態フラグをセットする(ステップS671)。
ここで本実施形態においては図76(a)に示すように、演出制御用CPU101は、通常状態背景指定コマンドを受信している期間は、通常状態に応じた背景画面として、山1001と太陽1002を含む背景画像を表示する。そして、図76(b)に示すように、演出制御用CPU101は、高確率/高ベース状態背景指定コマンドを受信している期間は、高確率状態に応じた背景画面として、UFO(この例では小型UFO1003)を含む画像を表示する。
高確率状態背景継続カウンタの値は、高確率状態における可変表示が開始される前に送信される高確率/高ベース状態背景指定コマンドを受信する毎に1ずつ加算更新され、遊技状態が通常状態となった後、所定回数の可変表示が行われた後にリセットされる。大当り遊技状態が発生したことによっては、高確率状態背景継続カウンタの値はリセットされず、累積的に更新される。本実施形態において遊技状態が通常状態となる契機は、確変転落抽選によって確変転落有りと決定されること又は大当り遊技状態中に確変アタッカー20Bに遊技球が入賞しないことのいずれかの条件が成立することであるから、これらの事象が発生しない限りは、高確率状態背景継続カウンタの値はリセットされずに加算更新される。本実施形態では、この高確率状態背景継続カウンタ値に応じて、演出表示装置9に表示する背景画面を異ならせるようにしている。
図47は、高確率状態背景継続カウンタ値に応じた背景画面の演出内容を示す説明図である。高確率状態背景継続カウンタ値が1から100の期間では、図76(b)に示すように、小型UFO1003が1機表示され、このとき背景画面の色は青である。高確率状態背景継続カウンタ値が101〜200、201〜300、…、501〜600と増加するに従って、小型UFO1003が2機、3機、…、6機と増えていく演出態様となっている。また、背景画面の色は、高確率状態背景継続カウンタ値が1〜300の期間は青であり、301〜600の期間は緑になる。
このように、高確率状態が継続した期間に応じて、背景画面の演出態様を変化させるようにしているので、高確率状態における遊技の興趣を向上させることができる。例えば、高確率状態において大当りがなかなか発生しないとき(所謂確変間ハマリが生じた場合)でも、高確率状態が継続することによる背景画面の変化に対する興味を喚起し、遊技者の飽きがこないようにしている。また、本実施形態では、小型UFO1003の数に関しては、当初100変動毎に増加させ、背景の色に関しては当初300変動毎に変化させるようにしている。このように、異なる2つの要素(キャラの数及び背景色)に関して、変化の周期を異ならせることで、遊技者を飽きさせないようにしている。
高確率状態背景継続カウンタ値が601から800の期間では、図47に示すように、中型UFO(図79(a)に示す中型UFO1004)が1機表示され、このとき背景画面の色は黄である。高確率状態背景継続カウンタ値が801〜1000、1001〜1200と増加するに従って、中型UFO1004が2機、3機と増えていく演出態様となっている。また、背景画面の色は、高確率状態背景継続カウンタ値が601〜1200の期間は黄のまま変化しない。高確率状態背景継続カウンタ値が1201以上となったときには、大型UFOが1機表示され、背景画面の色は赤となる。このようにUFOのサイズ及び数の変化は、高確率状態背景継続カウンタ値が601から1200の期間では200毎に変化し、背景画面の色はこの期間は変化しない。このように本実施形態では、高確率状態背景継続カウンタ値が601を超えると背景画面が変化する頻度を低下させるようにしており、このように背景画像が変化する周期を高確率状態背景継続カウンタ値に応じて変動させることで遊技者に意外性を与えることができる。
また、本実施形態では、ステップS666Bに示すように、通常状態背景継続カウンタ値が所定回数以下である期間は(N)、高確率状態背景継続カウンタをリセットせず、連チャンカウンタもリセットされない。このようにすることで、確変転落後から所定回数以内に、再度大当りとなって確変アタッカー20Bに遊技球が入賞し、遊技状態が高確率/高ベース状態となったときに、高確率状態背景継続カウンタと連チャンカウンタがリセットされていない状態から再度カウントが開始されることになる。即ち、確変転落前の背景画面が再度表示され、連チャンが継続しているものとして連チャン回数がカウントされることになる。
例えば、図79(a)に示すように、高確率状態背景継続カウンタ値が700のときに、背景画面に中型UFO1004が1機表示されていて、背景画面の色が緑の状態であるものとする。そして、当該変動に伴う確変転落抽選によって確変転落有りと決定されていた場合、高確率/高ベース状態の終了設定が行われて、次回の変動からは通常状態背景指定コマンドが送信される。これにより図79(b)に示すように通常状態に応じた背景画面となる。ここで演出制御用CPU101は、ステップS666Bで通常状態背景継続カウンタの値が所定回数以下である場合には(ステップS666BでN)、高確率状態背景継続カウンタをリセットしない。従って、図79(c)に示すように通常状態に転落してから所定変動数以内に大当りが発生して再度高確率/高ベース状態となったときには、リセットされていない高確率状態背景継続カウンタの値が引き継がれることになる。その結果、図79(d)に示すように、確変転落のときの高確率状態背景継続カウンタ値(ここでは700)に1を加えた値(ここでは701)に基づいて背景画面が決定される。この例では、背景画面に中型UFO1004が1機表示されていて、背景画面の色が緑の状態となる。
ここで高確率/高ベース状態の終了は、遊技者にとっては遊技を終了する契機となりやすい。本実施形態のように高確率状態から転落した場合であっても、所定変動数以内に大当りが発生して、再度高確率状態に突入した場合には、転落前の演出内容が引き継がれるようにすることで、遊技を継続する意欲を高めるようにしている。ここでステップS666Bで通常状態背景継続カウンタの値と比較される所定回数は、例えば連チャンカウンタの値が2以下(即ち3連チャン以下)である場合には100、連チャンカウンタの値が3以上(即ち4連チャン以上)である場合には30というように、少ない連チャン回数で確変状態から転落した場合に大きい値を設定するようにしても良いし、その逆に多い連チャン回数を達成した場合に大きい値を設定するようにしても良い。また、この所定回数は連チャンカウンタの値によらず固定値(例えば50)であっても良い。
さらに本実施形態では、通常状態背景継続カウンタの値が所定回数以下である場合には(ステップS666BでN)、連チャンカウンタをリセットしないようにしている。通常、連チャン回数は、遊技状態が高確率/高ベース状態から通常状態に転落した場合には、そこでリセットされ、連チャンが途切れることになる。例えば、遊技状態が通常状態となった直後に大当りが発生したとしても、この場合の連チャン回数は1からカウントし直しとなる。これに対して、本実施形態では、遊技状態が通常状態となった場合でも、転落から所定変動数以内に大当りが発生した場合には、転落前の連チャンカウンタ値に当該大当りの分を加算(ステップS622Bで加算)した値が連チャンカウンタ値とされる。このように連チャン回数が引き継がれるようにすることで、遊技者の遊技を継続する意欲を高めるようにしている。なお、本実施形態では、図78に示すように大当り遊技状態中(ラウンド中)に、画面上部に連チャン回数1400が表示されるようになっている。この例では、連チャンカウンタ値が4の場合に5連勝と表示されている。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(ステップS678)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをセットする(ステップS679)。また、演出制御用CPU101は、受信した大入賞口開放中指定コマンドを、RAMに形成されている大入賞口開放中指定コマンド格納領域に格納する(ステップS680)。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中指定コマンド格納領域に格納された大入賞口開放中指定コマンドを確認することによって、大当り遊技中の何ラウンド目であるかを認識することができる。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(ステップS681)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをセットする(ステップS682)。また、演出制御用CPU101は、受信した大入賞口開放後指定コマンドを、RAMに形成されている大入賞口開放後指定コマンド格納領域に格納する(ステップS683)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS684)。そして、ステップS611に移行する。
図48は、図40に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、まず、先読み予告演出の有無や演出態様を決定する先読み予告演出決定処理を実行する(ステップS800A)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図49〜図52は、先読み予告演出決定処理(ステップS800A)を示すフローチャートである。先読み予告演出決定処理において、演出制御用CPU101は、まず、始動入賞時のコマンドのうちの少なくともいずれかを新たに受信したか否かを確認する(ステップS6001)。具体的には、図46に示す始動入賞時コマンド格納領域に少なくとも図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドまたは合算保留記憶数指定コマンドのうちのいずれかが新たに格納されているか否かを判定することによって確認できる。いずれのコマンドも新たに受信していなければ、そのまま処理を終了する。
始動入賞時のコマンドのうちの少なくともいずれかを新たに受信していれば、演出制御用CPU101は、既に先読み予告演出を実行中であることを示すいずれかの先読み予告実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6002)。なお、先読み予告実行中フラグは、後述するステップS6013,S6029,S8012においてセットされる。いずれかの先読み予告実行中フラグがセットされていれば、ステップS6020に移行する。
なお、ステップS6002の処理が実行されることによって、この実施の形態では、先読み予告演出を実行中でないことを条件に先読み予告演出の決定処理が実行される。そして、先読み予告演出を開始した後には、既に先読み予告実行中フラグがセットされていることから、先読み予告演出の決定処理を再度実行することなく、既に決定した演出態様で先読み予告演出が実行される。なお、「非リーチはずれ」の入賞時判定結果にもとづき先読み予告演出を実行しているときにスーパーリーチや大当りとなる始動入賞が発生した場合には、実行中の先読み予告演出から切り替えてスーパーリーチや大当りの演出(例えば、リーチ予告や大当り予告)を実行するようにしてもよい。なお、ステップS6002の先読み予告実行中フラグの有無の判定処理を設けないようにし、先読み予告演出の実行中であるか否かにかかわらず、ステップS6003以降の処理を実行するようにしてもよい。
いずれの先読み予告実行中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、先読み予告設定制限期間であることを示す先読み予告設定制限フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6003)。先読み予告設定制限フラグがセットされていれば、ステップS6020に移行する。すなわち、先読み予告設定制限期間中であれば、ステップS6004〜S6018の先読み予告演出の設定のための処理に移行しないようにして、先読み予告演出の実行を制限する。
先読み予告設定制限フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている最新の始動入賞時のコマンドの内容を確認し、始動入賞時のコマンドを順番通りに全て受信したか否かを確認する(ステップS6004)。
具体的には、この実施の形態では、始動入賞時のコマンドとして、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドを1タイマ割込内に一括して受信する筈であるので、始動入賞時コマンド格納領域には、MODEデータがそれぞれ「C4(H)」、「C6(H)」、「C0(H)」(または「C1(H)」)、および「C2(H)」であるコマンドが格納されている筈である(図19参照)。従って、演出制御用CPU101は、これらのうちいずれかのMODEデータが格納されていなければ、ノイズやMODEデータのデータ化けなどの原因によりコマンドの取りこぼしが発生し、コマンドを正しく受信できなかったと判断できる。
また、この実施の形態では、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの順番に受信する筈であるので、始動入賞時コマンド格納領域には、MODEデータが「C4(H)」、「C6(H)」、「C0(H)」(または「C1(H)」)、および「C2(H)」の順番に格納されている筈である。従って、演出制御用CPU101は、これらのMODEデータが全て格納されていても、順番が異なっていれば(例えば、「C4(H)」よりも前に「C6(H)」が格納されていれば)、ノイズやMODEデータのデータ化けなどの原因によりコマンドを正しく受信できなかったと判断できる。
受信した始動入賞時のコマンドが順番通りでなかったり一部が欠落していると判断した場合には、演出制御用CPU101は、ステップS6023に移行する。始動入賞時のコマンドを順番通りに全て受信したと判断した場合には、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている最新の図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合しているか否かを確認する(ステップS6005)。具体的には、図柄指定コマンドとしてはずれを指定する図柄1指定コマンド(C400(H))が格納されている場合には、変動カテゴリコマンドとしてはずれに対応した変動カテゴリ1コマンド〜変動カテゴリ11コマンドのいずれかが格納されている筈である(図20および図21参照)。それにもかかわらず、大当りに対応した変動カテゴリ21コマンド〜変動カテゴリ32コマンド(図22参照)が格納されていた場合には、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合しておらず矛盾があると判断できる。
図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合していないと判断した場合には、演出制御用CPU101は、ステップS6023に移行する。図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合していると判断した場合には、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている最新の始動入賞指定コマンドと合算保留記憶数指定コマンドとの内容が整合しているか否かを確認する(ステップS6006)。具体的には、第1始動入賞口13aへの始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドや第2始動入賞口13bへの始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドが格納されているにもかかわらず、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている合算保留記憶数指定コマンドのEXTデータで示される合算保留記憶数が0であった場合には、演出制御用CPU101は、始動入賞指定コマンドと合算保留記憶数指定コマンドとの内容が整合しておらず矛盾があると判断できる。
なお、この実施の形態では、ステップS6004〜S6006の判定処理のうちのいずれか1つでもNと判定した場合に、ステップS6023に移行して先読み予告演出設定制限期間に移行する場合を示しているが、このような場合にかぎられない。例えば、ステップS6004〜S6006の判定処理のうちいずれか2つでNと判定されたことを条件に、ステップS6023に移行して先読み予告演出設定制限期間に移行するようにしてもよく、ステップS6004〜S6006の全ての判定処理においてNと判定されたことを条件に、ステップS6023に移行して先読み予告演出設定制限期間に移行するようにしてもよい。
また、プログラム上必ずしもステップS6004〜S6006の3つの判定処理を全て設けるように構成する必要はなく、ステップS6004〜S6006のうちのいずれか1つの判定処理のみを設けるようにプログラムを構成してもよいし、ステップS6004〜S6006のうちのいずれか2つの判定処理のみを設けるようにプログラムを構成してもよい。
始動入賞指定コマンドと合算保留記憶数指定コマンドとの内容が整合していないと判断した場合には、演出制御用CPU101は、ステップS6023に移行する。始動入賞指定コマンドと合算保留記憶数指定コマンドとの内容が整合していると判断した場合には、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている変動カテゴリコマンドを全て抽出し、抽出した各変動カテゴリコマンドにもとづいて、1つ前までの始動入賞に対する入賞時判定結果として記憶する変動カテゴリコマンドが全て「非リーチはずれ」(コマンドC600(H)の非リーチCA2−1指定やコマンドC608の超短縮CA2−9指定)であるか否かを確認する(ステップS6007)。全て「非リーチはずれ」であれば、ステップS6008に移行する。「非リーチはずれ」以外の変動カテゴリコマンドが1つでも含まれていれば、ステップS6008〜S6018の処理を実行することなく、ステップS6020に移行する。
ステップS6007の処理が実行されることによって、この実施の形態では、予告対象となる変動表示が開始されるまでの各変動表示についても全て「非リーチはずれ」となることを条件に先読み予告演出を実行可能に構成している。そのように構成することによって、先読み予告演出の途中でリーチ演出が割り込むことにより先読み予告演出の連続性が損なわれる事態を防止している。なお、このことは、後述するステップS6024,S8007の処理についても同様である。ただし、先読み予告演出のうち、後述する「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出に関しては演出の連続性の問題はあまり生じないので、「保留球変化」以外の演出態様の先読み予告演出を実行する場合にのみステップS6007の処理を実行して、予告対象となる変動表示が開始されるまでの各変動表示について全て「非リーチはずれ」であることを条件に先読み予告演出を実行可能に構成してもよい。なお、ステップS6007の予告対象までの変動表示が全て変動カテゴリ1であるか否かの判定処理を設けないようにし、予告対象までの変動表示が全て「非リーチはずれ」であるか否かにかかわらず、ステップS6008以降の処理を実行するようにしてもよい。
ステップS6007で全て「非リーチはずれ」であれば、演出制御用CPU101は、高確率状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6008)。高確率状態フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、先読み予告演出の有無および先読み予告演出の演出態様を決定するためのテーブルとして先読み予告振分テーブルAを選択する(ステップS6009)。高確率状態フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、先読み予告振分テーブルBを選択する(ステップS6010)。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み予告演出の演出態様を決定するための先読み予告演出態様決定用乱数を抽出し、受信した変動カテゴリコマンドにもとづいて、抽出した先読み予告演出態様決定用乱数の値がステップS6009,S6010で選択した先読み予告振分テーブルに含まれるいずれの判定値と合致するかを判定することによって、先読み予告演出の実行有無と演出態様とを決定する(ステップS6011)。
図53は、先読み予告演出の振り分けを示す先読み予告振分テーブルの具体例を示す説明図である。現在の遊技状態が通常状態あれば、演出制御用CPU101は、ステップS6009で選択した図53(A)に示す通常状態時の先読み予告振分テーブルAを用いて、受信した変動カテゴリコマンドで示される変動パターン種別の入賞時判定結果にもとづいて、先読み予告演出の演出態様を決定する。この実施の形態では、先読み予告振分テーブルAを用いる場合、例えば、演出制御用CPU101は、変動カテゴリコマンドで非リーチCA2−1の変動パターン種別となる(すなわち、リーチも擬似連などの特定演出も伴わない「非リーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、コマンドC600(H)を受信している場合)には、図53(A)に示すように、「図柄変動時の変動形態の変化」、「モード移行」または「保留球変化」のいずれかの演出態様の先読み予告演出を実行することに決定する。また、例えば、演出制御用CPU101は、変動カテゴリコマンドでスーパーCA2−7の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、コマンドC607(H)を受信している場合)には、図53(A)に示すように、「図柄変動時の変動形態の変化」、「モード移行」または「保留球変化」のいずれかの演出態様の先読み予告演出を実行することに決定する。また、例えば、演出制御用CPU101は、変動カテゴリコマンドでスーパーCA3−3の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチ大当り」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、コマンドC612(H)またはコマンドC615(H)を受信している場合)には、図53(A)に示すように、「図柄変動時の変動形態の変化」、「モード移行」、「カウントダウン」または「保留球変化」のいずれかの演出態様の先読み予告演出を実行することに決定する。
なお、本実施形態において、遊技状態が通常状態のときは、超短縮変動で大当りとなることを示す変動カテゴリコマンドや超短縮変動ではずれとなることを示す変動カテゴリコマンドは送信されないため、これらの変動カテゴリコマンドを対象とした先読み予告演出である「射撃」は実行されない。「射撃」の演出態様の先読み予告演出に関しては、遊技状態が高ベース状態のときにのみ実行され、通常状態のときには実行されない。なお、「図柄変動時の変動形態の変化」、「モード移行」、「カウントダウン」、「保留球変化」および「射撃」の各先読み予告演出の演出態様の具体的な内容については後述する。
また、現在の遊技状態が高確率/高ベース状態であれば、演出制御用CPU101は、ステップS6010で選択した図53(B)に示す確変状態時の先読み予告振分テーブルBを用いて、受信した変動カテゴリコマンドで示される変動パターン種別の入賞時判定結果にもとづいて、先読み予告演出の演出態様を決定する。この実施の形態では、先読み予告振分テーブルBを用いる場合、例えば、演出制御用CPU101は、変動カテゴリコマンドで超短縮CA2−9の変動パターン種別となる(すなわち、リーチも擬似連などの特定演出も伴わない「非リーチはずれ」となり、且つ、超短縮変動ではずれとなる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合には、図53(B)に示すように、「射撃」の演出態様の先読み予告演出を実行する場合がある。
本実施形態においては、演出制御用CPU101は、1つ前までの始動入賞に対する入賞時判定結果として記憶する変動カテゴリコマンドが3つあり、その全てが超短縮CA2−9指定(具体的にはC608(H)を受信している場合)であって、且つ、今回受信した先読み予告の対象となる変動カテゴリコマンド(合算保留記憶数が4となるときの当該4つめの保留記憶に対応する変動カテゴリコマンド)も、超短縮CA2−9指定であることを条件に、「射撃」の演出態様の先読み予告演出を実行する場合がある。即ち、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1〜4に記憶している変動カテゴリコマンドが全てC608(H)であり、4連続で超短縮変動はずれとなる場合、4連続の超短縮変動の4番目が大当りとなることを遊技者に期待させる所謂ガセ演出として「射撃」の演出態様の先読み予告演出を実行する場合がある。
なお、この実施の形態では、先読み予告振分テーブルBを用いる場合であって、変動カテゴリコマンドで非リーチCA2−1の変動パターン種別となる(すなわち、リーチも擬似連などの特定演出も伴わない「非リーチはずれ」となるが、超短縮変動ではない)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、コマンドC600(H)を受信している場合)には、図53(B)に示すように、いずれの演出態様の先読み予告演出に対しても割り振りがなく、先読み予告を実行しないことに決定する。
また、例えば、演出制御用CPU101は、変動カテゴリコマンドでスーパーCA2−7の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、コマンドC609(H)またはコマンドC60B(H)を受信している場合)には、図53(B)に示すように、「図柄変動時の変動形態の変化」または「保留球変化」のいずれかの演出態様の先読み予告演出を実行することに決定する。また、例えば、演出制御用CPU101は、変動カテゴリコマンドでスーパーCA3−3の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチ大当り」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、コマンドC612(H)またはコマンドC615(H)を受信している場合)には、図53(B)に示すように、「図柄変動時の変動形態の変化」、「カウントダウン」または「保留球変化」のいずれかの演出態様の先読み予告演出を実行することに決定する。
本実施形態においては、演出制御用CPU101は、1つ前までの始動入賞に対する入賞時判定結果として記憶する変動カテゴリコマンドが3つあり、その全てが超短縮CA2−9指定(具体的にはC608(H)を受信している場合)であって、且つ、今回受信した先読み予告の対象となる変動カテゴリコマンド(合算保留記憶数が4となるときの当該4つめの保留記憶に対応する変動カテゴリコマンド)が、超短縮CA3−6指定(超短縮変動大当り)であることを条件に、「射撃」の演出態様の先読み予告演出を実行する場合がある。即ち、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1〜3に記憶している変動カテゴリコマンドがC608(H)であり、且つ、格納領域4に記憶している変動カテゴリコマンドがC618又はC61B(H)であるときに、4連続の超短縮変動の4番目が大当りとなることを遊技者に期待させる演出として「射撃」の演出態様の先読み予告演出を実行する場合がある。
なお、図53に示すように、この実施の形態では、変動カテゴリコマンドによって変動パターン種別の入賞時判定結果として「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」、「スーパーリーチ大当り」または「超短縮変動大当り」のいずれかの判定結果が示されている場合に、先読み予告演出が実行される場合がある。
また、図53(A),(B)に示すように、この実施の形態では、「カウントダウン」の演出態様の先読み予告演出は、入賞時判定結果が「スーパーリーチ大当り」である場合にのみ選択される。従って、「カウントダウン」の演出態様で先読み予告演出が実行される場合には、少なくとも入賞時判定の対象となった変動表示において大当りとなることが確定し、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、ステップS6011では、演出制御用CPU101は、大当り遊技中であるか否かも確認するようにし、大当り遊技中であれば、強制的に先読み予告演出を実行しないように決定することが望ましい。なお、大当り遊技中であるか否かは、例えば、演出制御プロセスフラグの値が大当り表示処理〜大当り終了演出処理を示す値(具体的には、4〜7)となっているか否かを確認することによって判定できる。このことは、後述するステップS6027,S8010についても同様である。
なお、大当り遊技中であっても先読み予告演出を実行可能に構成してもよい。例えば、始動入賞が発生し始動入賞時のコマンドを受信したタイミングではなく、大当り遊技中の特定のラウンド(例えば、10ラウンド)において、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドを読み出して先読み予告演出を実行するか否かを決定して、その特定のラウンドにおいて先読み予告演出を実行するようにしてもよい。この場合、先読み予告演出として、連続した態様の演出ではなく、例えば、今回の大当り遊技終了後の変動表示において大当りが確定することを報知するいわゆる一発告知態様の演出を実行してもよく、「保留球変化」と同様の先読み予告演出のみを実行するようにしてもよい。
図49に戻り、ステップS6011に次いで、演出制御用CPU101は、該ステップS6011で決定された先読み予告態様が保留球変化の先読み予告であるか否かを判定する(ステップS6011A)。このステップS6011Aで保留球変化の先読み予告でない(NO)と判定した場合には、ステップS6012に進む。一方、ステップS6011で保留球変化の先読み予告である(YES)と判定した場合には、図50に示す保留球態様設定処理を実行した後に(ステップS6011B)、ステップS6012に進む。
図50に示す保留球態様設定処理では、演出制御用CPU101は、先読み予告禁止フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6011C)。このステップS6011Cで先読み予告禁止フラグがセットされていない(NO)と判定した場合には、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域を参照し、当該始動入賞に関する保留記憶(当該先読み予告の対象となる保留記憶)を除いた保留記憶に、大当り指定の図柄指定コマンドが記憶されているか否かを判定する(ステップS6011D)。なお、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出を実行する場合にも、前述したステップS6007の処理を実行するようにした場合には、予告対象となる変動表示が開始されるまでの各変動表示については全て「非リーチはずれ」であるため、ステップS6011DではNOと判定される。
ステップS6011Dで記憶されていない(N)と判定した場合には、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域を参照し、当該始動入賞に関する保留記憶(当該先読み予告の対象となる保留記憶)を除いた保留記憶に、はずれ且つ確変転落指定の変動カテゴリコマンドが記憶されているか否かを判定する(ステップS6011E)。ステップS6011Eで記憶されていない(N)と判定した場合には、保留記憶の形状と点灯点滅態様を、次に述べる先読み予告実行可テーブルで決定して(ステップS6011F)、ステップS6012に進む。
また、ステップS6011Cで先読み予告禁止フラグがセットされている場合(ステップS6011CでY)、ステップS6011Dで大当り指定の図柄指定コマンドが記憶されている場合(ステップS6011DでY)、ステップS6011Eではずれ且つ確変転落指定の変動カテゴリコマンドが記憶されている場合(ステップS6011EでY)には、保留記憶の形状と点灯点滅態様を、次に述べる先読み予告禁止テーブルで決定して(ステップS6011G)、ステップS6012に進む。即ち、表示結果が大当りとなる可変表示が開始されてから当該大当り遊技状態が終了するまでの期間内に始動入賞が発生した場合(ステップS6011CでYと判定される)、始動入賞時に大当りとなる他の保留記憶がある場合(ステップS6011DでYと判定される)、始動入賞時にはずれ且つ確変転落となる他の保留記憶がある場合(ステップS6011EでYと判定される)には、先読み予告禁止テーブルが選択されることになる。
ここで図74(a)は、演出制御用マイクロコンピュータ100が記憶している、保留球変化の先読み予告における保留記憶の形状の振分け表である。保留球変化の先読み予告では、演出表示装置9の合算保留記憶表示部18cで表示される保留記憶の形状を、大当り期待度に応じて、通常の丸形から、小さい星形(期待度低),大きい星形(期待度中),小さいハート形(期待度高),または大きいハート形(大当り確定)に変化させることにより、先読み予告を実行する。この図74(a)の振分け表には、先読み予告実行可テーブルと、先読み予告禁止テーブルとが含まれる。
前記ステップS6011Fでは、図74(a)の先読み予告実行可テーブルに従って、はずれの場合には、75%の確率で丸形(即ち変化なし=先読み予告なし),13%の確率で小さい星形,7%の確率で大きい星形,5%の確率で小さいハート形が選択され、大当りの場合には、45%の確率で丸形(即ち変化なし=先読み予告なし),10%の確率で小さい星形,20%の確率で大きい星形,20%の確率で小さいハート形,5%の確率で大きいハート形が選択される。即ちはずれの場合には、先読み予告なしの丸形が高確率で選択され、大当り確定の大きいハート形は選択されない。また大当りの場合には、先読み予告ありの小さい星形,大きい星形,小さいハート形,または大きいハート形が選択される一方、先読み予告なしの丸形も選択される。
前記ステップS6011Gでは、図74(a)の先読み予告禁止テーブルに従って、はずれの場合でも大当りの場合でも、100%の確率で丸形(即ち変化なし=先読み予告なし)が選択される。即ちはずれの場合でも大当りの場合でも、先読み予告ありの小さい星形,大きい星形,小さいハート形,および大きいハート形が選択されないことにより、先読み予告の実行が制限(ここでは禁止)される。
また図75は、演出制御用マイクロコンピュータ100が記憶している、保留球変化の先読み予告における保留記憶の点灯点滅態様の振分け表である。保留球変化の先読み予告では、演出表示装置9の合算保留記憶表示部18cで表示される保留記憶の形状を、大当りが大当りAである期待度に応じて、通常の点灯態様(期待度低)から、遅い点滅態様(期待度中),または速い点滅態様(期待度高)に変化させることにより、先読み予告を実行する。この図75の振分け表には、先読み予告実行可テーブルと、先読み予告禁止テーブルとが含まれる。
前記ステップS6011Fでは、図75の先読み予告実行可テーブルに従って、大当りAの場合には、5%の確率で点灯(即ち変化なし=先読み予告なし),20%の確率で遅い点滅,75%の確率で速い点滅が選択され、大当りBの場合には、75%の確率で点灯(即ち変化なし=先読み予告なし),20%の確率で遅い点滅,5%の確率で速い点滅が選択される。即ち大当りAの場合には、速い点滅が高確率で選択され、大当りBの場合には、先読み予告なしの点灯が高確率で選択される。
前記ステップS6011Gでは、図75の先読み予告禁止テーブルに従って、大当りAの場合でも大当りBの場合でも、100%の確率で点灯(即ち変化なし=先読み予告なし)が選択される。即ち大当りAの場合でも大当りBの場合でも、先読み予告ありの遅い点滅及び速い点滅が選択されないことにより、先読み予告の実行が制限(ここでは禁止)される。
ここで、仮に図84に示すように、通常時のはずれ変動中に、該通常時に大当りとなる保留記憶X(例えば後述するランダムRが1020で、図13(A)に示す通常時の大当り判定値に合致する),及び該通常時にはずれとなる保留記憶Yがある時点で(a)、始動入賞があり、該始動入賞に基づく保留記憶Zが通常時ならば大当りとなる(例えば後述するランダムRが1021で、図13(A)に示す通常時の大当り判定値に合致する)場合に、該保留記憶Yについて大当りの先読み予告(例えば保留記憶Zの形状をハート形に変更)を実行すると(b)、前記はずれ変動が停止した後に、保留記憶Xに基づく変動が行われて大当りとなり、該大当り中に確変アタッカーに入賞すると(c)、該大当りの終了後に実行される保留記憶Yに基づく変動からは確変状態となるが(d)、前記保留記憶Zは確変時には大当りとならない(前記ランダムR1021は、図13(A)に示す確変時の大当り判定値に合致しない)ので、該保留記憶Zについて実行した大当りの先読み予告が矛盾してしまうこととなる。本実施形態では、表示結果が大当りとなる可変表示の開始から大当り遊技状態の終了までの期間(先読み予告禁止フラグがセットされている期間)に発生した始動入賞、及び、大当りとなる保留記憶が記憶されている状態で発生した始動入賞に対しては、先読み予告禁止テーブルを選択することにより、上記先読み予告の矛盾を防止するようにしている。
さらに本実施形態では、はずれ且つ確変転落となる保留記憶が記憶されている状態で発生した始動入賞に対しても、先読み予告禁止テーブルを選択するようにしている。例えば高確率状態において、はずれ且つ確変転落となる保留記憶が記憶された直後に生じた始動入賞に対して、当該始動入賞時の遊技状態に基づいて高確率状態における大当り判定用テーブルを用いて、始動入賞時の大当り判定を行い、大当り確定の先読み予告を実行してしまうと、当該始動入賞に関する変動開始時には遊技状態が通常状態に転落しているため、先読み予告に矛盾が生じる可能性がる。従って、本実施形態では、はずれ且つ確変転落となる保留記憶が記憶されている状態で発生した始動入賞に対しては、先読み予告禁止テーブルを選択することにより、上記先読み予告の矛盾を防止するようにしている。
図49に戻り、演出制御用CPU101は、先読み予告演出を実行することに決定したか否かを確認する(ステップS6012)。例えば、先読み予告振分テーブルA,Bに振り分けがないことにより先読み予告演出を実行しないことに決定された場合には、ステップS6020に移行する。
先読み予告演出を実行することに決定した場合には、演出制御用CPU101は、ステップS6011で決定した演出態様に応じて、先読み予告演出の実行を決定したことを示す先読み予告実行中フラグをセットする(ステップS6013)。この場合、例えば、演出制御用CPU101は、図21に示す変動カテゴリ1コマンドや変動カテゴリ9コマンドを受信したことにもとづいて先読み予告演出を実行することを決定した場合には、「非リーチはずれ」になると入賞時判定したことにもとづいて先読み予告演出の実行を決定したことを示すはずれ先読み予告実行中フラグをセットする。また、例えば、演出制御用CPU101は、図21に示す変動カテゴリ8コマンド、変動カテゴリ10コマンド、又は変動カテゴリ11コマンドを受信したことにもとづいて先読み予告演出を実行することを決定した場合には、「スーパーリーチはずれ」になると入賞時判定したことにもとづいて先読み予告演出の実行を決定したことを示すリーチ先読み予告実行中フラグをセットする。また、例えば、演出制御用CPU101は、図22に示す変動カテゴリ23コマンド、変動カテゴリ26コマンド、変動カテゴリ27コマンド、変動カテゴリ28コマンド、変動カテゴリ29コマンド、変動カテゴリ30コマンド、変動カテゴリ31コマンド、又は変動カテゴリ32コマンドを受信したことにもとづいて先読み予告演出を実行することを決定した場合には、「スーパーリーチ大当り」や「超短縮変動で大当り」になると入賞時判定したことにもとづいて先読み予告演出の実行を決定したことを示す大当り先読み予告実行中フラグをセットする。
なお、この実施の形態では、はずれ先読み予告実行中フラグ、リーチ先読み予告実行中フラグ、および大当り先読み予告実行中フラグを総称して先読み予告実行中フラグという。
なお、ステップS6013では、先読み予告実行中フラグをセットするとともに、ステップS6011で決定した演出態様を特定可能な情報もセットする。この場合、例えば、演出態様が「図柄変動時の変動形態の変化」であることを示すフラグや、「モード移行」であることを示すフラグ、「カウントダウン」であることを示すフラグ、「保留球変化」であることを示すフラグ、「射撃」であることを示すフラグをセットするようにしてもよい。また、例えば、先読み予告実行中フラグが複数ビット(例えば、1バイト)で構成される場合には、先読み予告実行中フラグの所定ビットにいずれの演出態様であるかを指定する値を設定することによって、いずれの演出態様に決定されているかを特定可能であるようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、現在の合算保留記憶数を変動回数カウンタにセットする(ステップS6014)。この場合、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている最新の合算保留記憶数指定コマンドで指定されている合算保留記憶数を変動回数カウンタにセットする。なお、変動回数カウンタは、先読み予告演出の判定対象となった変動表示が開始されるまでに実行される変動表示の回数をカウントするためのカウンタである。なお、この実施の形態では、演出図柄の変動表示中に先読み予告演出の実行の決定が行われてステップS6014や後述するステップS6030で変動回数カウンタがセットされた場合には、まず、その実行中の変動表示の終了時に変動回数カウンタの値が1減算されて(ステップS8312参照)、結果として、入賞時判定の対象となった変動表示の1つ前の変動表示までで変動回数カウンタの値が0となり先読み予告演出が終了する。なお、ステップS6014や後述するステップS6030において、演出図柄の変動表示中でない場合には、演出制御用CPU101は、現在の保留記憶数から1減算した値を変動回数カウンタにセットするようにすることが望ましい。そのように構成すれば、必ず入賞時判定の対象となった変動表示の1つ前の変動表示までで先読み予告演出が終了するようにすることができ、入賞時判定の対象となった変動表示において先読み予告演出とスーパーリーチの演出との両方が実行されて、演出が慌ただしく不自然になることを防止することができる。
ただし、演出態様が「射撃」である場合には、先読み予告演出の判定対象となった可変表示が終了して、その表示結果が導出表示されるまで演出が継続されるものとする。即ち、「射撃」の演出態様は先読み予告演出の演出態様であると共に、当該可変表示の表示結果(大当りであるか又ははずれであるか)を遊技者が把握しやすいように示す演出態様でもあるため、変動回数カウンタの値が0となった直後の変動までは、可変表示中及び停止図柄の表示中は演出が継続されることになる。
なお、この実施の形態では、決定した先読み予告演出の演出態様が「保留球変化」である場合には、ステップS6014を実行しないようにし変動回数カウンタの設定を行わないようにする。なお、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出が決定された場合には、後述するステップS6016〜S6018の処理が実行されて、始動入賞が発生し始動入賞時のコマンドを受信したタイミングで直ちに先読み予告演出が開始され、予告対象の変動表示を開始するタイミングで、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信したことにもとづいて予告対象の保留表示が合算保留記憶表示部18cから消去されることにより(ステップS661〜S662B参照)、先読み予告演出を終了することになる。
なお、図53に示す先読み予告振分テーブルにおいて、大当りとなる信頼度に応じて、各演出態様の選択割合が異なるように割り振りが行われている。例えば、「図柄変動時の変動形態の変化」、「モード移行」、「保留球変化」の順に大当りとなる信頼度が高くなる(例えば、順に20%、40%、60%)ように、各演出態様の割り振りが行われている(「カウントダウン」の場合には大当りが確定する)。なお、大当りとなる信頼度が高くなるような各演出態様の割り振り方法は、このような順序にかぎらず、例えば、逆順に「保留球変化」、「モード移行」、「図柄変動時の変動形態の変化」の順に大当りとなる信頼度が高くなるように割り振りを行ってもよい。さらに、これらの並び順にかぎらず、例えば、「モード移行」の演出態様が最も大当りとなる信頼度が高くなったり、逆に最も大当りとなる信頼度が低くなるような並び順に割り振りを行ってもよく、様々な各演出態様の割り振りの仕方が可能である。
次いで、演出制御用CPU101は、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出を実行することに決定したか否かを確認する(ステップS6015)。具体的には、演出態様が「保留球変化」であることに応じた先読み予告実行中フラグがセットされているか否かを判定することによって確認できる。「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出を実行する場合でなければ、ステップS6020に移行する。
「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出を実行する場合であれば、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている最新の始動入賞指定コマンドが第1始動入賞指定コマンドであるか否かを確認する(ステップS6016)。第1始動入賞指定コマンドが格納されていれば、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて保留表示として第1特殊表示を1つ増加させる(ステップS6017)。
この実施の形態では、通常時(先読み予告演出の実行を行っていないとき)には、第1始動入賞口13aへの始動入賞が発生した場合には、保留表示として赤色の丸形表示(以下、第1通常表示ともいう)を1つ増加させ、第2始動入賞口13bへの始動入賞が発生した場合には、保留表示として青色の丸形表示(以下、第2通常表示ともいう)を1つ増加させる。そして、始動入賞が発生したときに「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出を開始するときには、通常時とは異なる特殊態様で保留表示を1つ増加させる。この実施の形態では、特殊態様として、小さい星形,大きい星形,小さいハート形,または大きいハート形の表示を、1つ増加させるものとする。また、第1始動入賞口13aへの始動入賞が発生したときに先読み予告演出を開始する場合であれば、赤色の星形表示(第1特殊表示ともいう)を1つ増加させ、第2始動入賞口13bへの始動入賞が発生したときに先読み予告演出を開始する場合であれば、青色の星形表示(第2特殊表示ともいう)を1つ増加させるものとする。
最新の始動入賞指定コマンドが第1始動入賞指定コマンドでなければ(すなわち、第2始動入賞指定コマンドが格納されている場合であれば)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて保留表示として第2特殊表示を1つ増加させる(ステップS6018)。
以上のように、ステップS6016〜S6018の処理が実行されることによって、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出を実行すると決定された場合に、始動入賞が発生し始動入賞時のコマンドを受信したタイミングで直ちに「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出が開始される。
ステップS6020では、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている最新の始動入賞指定コマンドが第1始動入賞指定コマンドであるか否かを確認する。第1始動入賞指定コマンドが格納されていれば、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて保留表示として第1通常表示を1つ増加させる(ステップS6021)。
最新の始動入賞指定コマンドが第1始動入賞指定コマンドでなければ(すなわち、第2始動入賞指定コマンドが格納されている場合であれば)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて保留表示として第2通常表示を1つ増加させる(ステップS6022)。
ステップS6023に処理が移行した場合には、いずれかの始動入賞時のコマンドの取りこぼしまたは不整合が発生し、始動入賞時のコマンドを正常に受信できなかった場合である。この場合、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている最新のコマンドを確認し、少なくとも始動入賞指定コマンド以外のコマンド(すなわち、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび合算保留記憶数指定コマンド)を受信しているか否かを確認する(ステップS6023)。具体的には、始動入賞時コマンド格納領域の最新のコマンドが格納されている格納領域において欠落しているコマンドが始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)のみであり、それ以外の図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドが順番通りに格納され、図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容も整合していれば、少なくとも始動入賞指定コマンド以外の3つのコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、合算保留記憶数指定コマンド)については受信できていることから、ある程度の信憑性を担保できている可能性がある。始動入賞指定コマンド以外のコマンドの中に受信できなかったものがある場合には、ステップS6031に移行する。
少なくとも始動入賞指定コマンド以外のコマンドを受信していると判断した場合には、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている変動カテゴリコマンドを全て抽出し、抽出した各変動カテゴリコマンドにもとづいて、1つ前までの始動入賞に対する入賞時判定結果として記憶する変動カテゴリコマンドが全て「非リーチはずれ」(コマンドC600(H)の非リーチCA2−1指定やコマンドC608の超短縮CA2−9指定)であるか否かを確認する(ステップS6024)。全て「非リーチはずれ」であれば、ステップS6025に移行する。「非リーチはずれ」以外の変動カテゴリコマンドが1つでも含まれていれば、ステップS6025〜S6030の処理を実行することなく、ステップS6031に移行する。
ステップS6024で全て「非リーチはずれ」であれば、演出制御用CPU101は、高確率状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6025)。高確率状態フラグがセットされていれば、ステップS6031に移行する。高確率状態フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、先読み予告演出の有無および先読み予告演出の演出態様を決定するためのテーブルとして先読み予告振分テーブルCを選択する(ステップS6026)。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み予告演出の演出態様を決定するための先読み予告演出態様決定用乱数を抽出し、受信した変動カテゴリコマンドにもとづいて、抽出した先読み予告演出態様決定用乱数の値がステップS6026で選択した先読み予告振分テーブルに含まれるいずれの判定値と合致するかを判定することによって、先読み予告演出の実行有無と演出態様とを決定する(ステップS6027)。
ステップS6027では、演出制御用CPU101は、ステップS6026で選択した図53(C)に示すコマンド非正常受信時の先読み予告振分テーブルCを用いて、受信した変動カテゴリコマンドで示される変動パターン種別の入賞時判定結果にもとづいて、先読み予告演出の演出態様を決定する。この実施の形態では、先読み予告振分テーブルCを用いる場合、例えば、演出制御用CPU101は、変動カテゴリコマンドで非リーチCA2−1の変動パターン種別となる(すなわち、リーチも擬似連などの特定演出も伴わない「非リーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、コマンドC600(H)を受信している場合)にのみ、図53(C)に示すように、「図柄変動時の変動形態の変化」または「モード移行」のいずれかの演出態様の先読み予告演出を実行することに決定し、「スーパーリーチはずれ」や「スーパーリーチ大当り」となる場合には、先読み予告演出を実行しない。すなわち、この実施の形態では、いずれかの始動入賞時のコマンドを正常に受信できなかった場合には、「非リーチはずれ」の場合にも実行可能な「図柄変動時の変動形態の変化」または「モード移行」の演出態様の先読み予告演出(いわゆるガセの先読み予告演出)のみを実行可能として、先読み予告演出の実行頻度が必要以上に低下することを防止している。なお、「非リーチはずれ」の場合にのみ実行するのではなく、例えば、「スーパーリーチはずれ」や「スーパーリーチ大当り」の場合にも低い割合で先読み予告演出を実行可能に予告振分テーブルCの割り振りを行うようにしてもよい。そのようにすれば、「図柄変動時の変動形態の変化」や「モード移行」の演出態様の先読み予告演出が実行される場合に、必ずしも「非リーチはずれ」であることの確定とならないようにすることができる。
なお、この実施の形態では、いずれかの始動入賞時のコマンドを正常に受信できなかった場合であっても、始動入賞指定コマンド以外のコマンドを受信していれば、いわゆるガセの先読み予告演出のみ実行可能に構成する場合を示しているが、ステップS6023〜S6030の処理を実行しないようにし、いずれかの始動入賞時のコマンドを正常に受信できなかった場合には、先読み予告演出の設定および実行を全く行わないように構成してもよい。特に、始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンド、合算保留記憶数指定コマンド)のうちいずれか1つでも正常に受信できなかったということは、コマンドで指定される情報の信憑性が低いと考えられることから、先読み予告設定制限期間においては全ての演出態様の先読み予告演出を実行しないように構成することが最も望ましい(後述するステップS8006〜S8014の処理も行わないことが望ましい)。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み予告演出を実行することに決定したか否かを確認する(ステップS6028)。例えば、先読み予告振分テーブルCに振り分けがないことにより先読み予告演出を実行しないことに決定された場合には、ステップS6031に移行する。
先読み予告演出を実行することに決定した場合には、演出制御用CPU101は、ステップS6027で決定した演出態様に応じて、先読み予告演出の実行を決定したことを示す先読み予告実行中フラグをセットする(ステップS6029)。
次いで、演出制御用CPU101は、現在の合算保留記憶数を変動回数カウンタにセットする(ステップS6030)。この場合、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている最新の合算保留記憶数指定コマンドで指定されている合算保留記憶数を変動回数カウンタにセットする。そして、ステップS6032に移行する。
ステップS6031では、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域の最新のコマンドを格納領域において未判定情報をセットする(ステップS6031)。具体的には、図46において、最新のコマンドを格納している格納領域の未判定情報の値を「1」にセットする。
ステップS6032では、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cに表示されている全ての保留表示を、第1通常表示、第2通常表示、第1特殊表示および第2特殊表示のいずれとも異なる取りこぼし態様に変更するとともに、取りこぼし態様の保留表示を1つ増加させる。この実施の形態では、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cに表示されている全ての保留表示を緑色の丸形表示に変更するとともに、緑色の丸形表示を1つ増加させる。なお、取りこぼし態様の保留表示は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、緑以外の色(例えば、黄色)に保留表示を変更するようにしてもよく、保留表示の形状を変更(例えば、三角形表示などに保留表示を変更)するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、始動入賞時のコマンドの取りこぼしや不整合が生じた場合に、合算保留記憶表示部18cに表示されている全ての保留表示を変更する場合を示しているが、コマンドの取りこぼしや不整合が生じた保留記憶に対する保留表示のみを取りこぼし態様で表示するようにし、それ以前の保留表示に関しては第1通常表示や第2通常表示、第1特殊表示、第2特殊表示を継続するようにしてもよい。また、コマンドの取りこぼしや不整合が生じた後、先読み予告設定制限期間中に、さらに発生した保留記憶に対しては、取りこぼし態様で保留表示を表示してもよいし、通常の第1通常表示や第2通常表示で表示してもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み予告設定制限フラグをセットし(ステップS6033)、先読み予告設定制限期間を開始する。
なお、この実施の形態では、既に先読み予告演出の実行中である場合には(ステップS6002のY参照)、ステップS6020に移行し、ステップS6004〜以降のコマンドの取りこぼしや不整合の判定を行わない場合を示しているが、先読み予告演出の実行中であっても、ステップS6004〜S6006と同様の処理を実行してコマンドの取りこぼしや不整合が生じているか否かを判定し、コマンドの取りこぼしや不整合が生じていると判定した場合には、ステップS6033と同様の処理を実行して先読み予告設定制限フラグをセットし、先読み予告設定制限期間を開始するようにしてもよい。また、ステップS6032と同様の処理を実行して、合算保留記憶表示部18cに表示されている全ての保留表示を取りこぼし態様に変更するようにしてもよい。
図54は、図40に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。なお、前述したように、この実施の形態では、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行われる(ステップS44参照)のであるが、図54に示すように、この実施の形態では、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の変動表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の変動表示は開始されない。
図55および図56は、図48に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、先読み予告設定制限フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8000)。先読み予告設定制限フラグがセットされていなければ(すなわち、先読み予告設定制限期間中でなければ)、ステップS8015に移行する。
先読み予告設定制限フラグがセットされていれば(すなわち、先読み予告設定制限期間中であれば)、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている始動入賞時のコマンドの内容を確認する(ステップS8001)。そして、演出制御用CPU101は、始動入賞時のコマンドが格納されている全ての格納領域1〜8において、始動入賞時のコマンドを順番通りに全て受信した格納状態となっているか否かを確認する(ステップS8002)。
具体的には、この実施の形態では、始動入賞時のコマンドとして、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドを1タイマ割込内に一括して受信する筈であるので、始動入賞時コマンド格納領域の全ての格納領域1〜8において、コマンドが格納されていれば、MODEデータがそれぞれ「C4(H)」、「C6(H)」、「C0(H)」(または「C1(H)」)、および「C2(H)」であるコマンドが格納されている筈である(図19参照)。従って、演出制御用CPU101は、これらのうちいずれかのMODEデータが格納されていなければ、ノイズやMODEデータのデータ化けなどの原因によりコマンドの取りこぼしが発生した格納状態の格納領域がまだ残っており、コマンドを正しく受信できなかった格納状態の格納領域がまだ残っていると判断できる。
また、この実施の形態では、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの順番に受信する筈であるので、始動入賞時コマンド格納領域の全ての格納領域1〜8において、コマンドが格納されていれば、MODEデータが「C4(H)」、「C6(H)」、「C0(H)」(または「C1(H)」)、および「C2(H)」の順番に格納されている筈である。従って、演出制御用CPU101は、これらのMODEデータが全て格納されていても、順番が異なっていれば(例えば、「C4(H)」よりも前に「C6(H)」が格納されていれば)、ノイズやMODEデータのデータ化けなどの原因によりコマンドを正しく受信できなかった格納状態の格納領域がまだ残っていると判断できる。
受信した始動入賞時のコマンドが順番通りでなかったり一部が欠落していると判断した格納状態の格納領域がまだ残っている場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8015に移行する。全ての格納領域1〜8において始動入賞時のコマンドを順番通りに全て受信した格納状態となっていると判断した場合には、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている全ての格納領域1〜8において、図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合しているか否かを確認する(ステップS8003)。具体的には、図柄指定コマンドとしてはずれを指定する図柄1指定コマンド(C400(H))が格納されている場合には、変動カテゴリコマンドとしてはずれに対応した変動カテゴリ1コマンド〜変動カテゴリ12コマンドのいずれかが格納されている筈である(図20および図21参照)。それにもかかわらず、大当りに対応した変動カテゴリ21コマンド〜変動カテゴリ26コマンド(図22参照)が格納されていた場合には、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合しておらず矛盾がある格納状態の格納領域がまだ残っていると判断できる。
図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合していない格納状態の格納領域がまだ残っていると判断した場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8015に移行する。全ての格納領域1〜8において図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合している格納状態となっていると判断した場合には、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている全ての格納領域1〜8において、始動入賞指定コマンドと合算保留記憶数指定コマンドとの内容が整合しているか否かを確認する(ステップS8004)。具体的には、第1始動入賞口13aへの始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドや第2始動入賞口13bへの始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドが格納されているにもかかわらず、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている合算保留記憶数指定コマンドのEXTデータで示される合算保留記憶数が0であった場合には、演出制御用CPU101は、始動入賞指定コマンドと合算保留記憶数指定コマンドとの内容が整合しておらず矛盾がある格納状態の格納領域がまだ残っていると判断できる。
始動入賞指定コマンドと合算保留記憶数指定コマンドとの内容が整合していない格納状態の格納領域がまだ残っていると判断した場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8015に移行する。全ての格納領域1〜8において始動入賞指定コマンドと合算保留記憶数指定コマンドとの内容が整合している格納状態となっていると判断した場合には、演出制御用CPU101は、先読み予告設定制限フラグをリセットする(ステップS8005)。すなわち、始動入賞時コマンド格納領域の全ての格納領域1〜8において、始動入賞時のコマンドを正常に受信した格納状態となっているので、先読み予告設定制限期間の開始の契機となったコマンドの取りこぼしや不整合の生じた保留記憶が消化されたと判断し、先読み予告設定制限フラグをリセットして、先読み予告設定制限期間を終了する。
なお、この実施の形態では、コマンドの取りこぼしや不整合の生じた保留記憶が消化されるときの変動表示が開始されるタイミングで、先読み予告設定制限フラグをリセットして、先読み予告設定制限期間を終了する場合を示しているが、このようなタイミングにかぎらず、例えば、コマンドの取りこぼしや不整合の生じた保留記憶が消化されるときの変動表示を終了するタイミングで先読み予告設定制限期間を終了するようにしてもよい。この場合、例えば、後述する演出図柄変動停止処理においてステップS8000〜S8005と同様の処理を行い、先読み予告設定制限フラグをリセットして、先読み予告設定制限期間を終了するようにすればよい。
次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち、未判定情報の値が「1」に設定されているものがあるか否かを確認する(ステップS8006)。未判定情報の値が「1」に設定されているものがあれば(すなわち、先読み予告設定制限期間中に発生した保留記憶の中で先読み予告演出の設定処理が未実行のものがあれば)、ステップS8007に移行する。未判定情報の値が「1」に設定されているものがなければ、ステップS8015に移行する。
なお、この実施の形態では、始動入賞時コマンド格納領域の中に未判定情報の値が「1」に設定されている格納領域が複数ある場合には、そのうち最近に発生した保留記憶(一番最後に始動入賞したものに対応する保留記憶)に対する始動入賞時のコマンドに対してステップS8007〜S8013の処理を行い、先読み予告設定制限期間中に発生した保留記憶に対して先読み予告演出の設定処理を遡って行うものとする。なお、未判定情報の値が「1」に設定されている複数の格納領域に格納されているコマンド全てについて、それぞれステップS8007〜S8013の処理を行って、遡って先読み予告演出を設定できるものがあるか否かを判定するようにしてもよい。
未判定情報の値が「1」に設定されているものがあれば、演出制御用CPU101は、その未判定の格納領域よりも以前からコマンドが格納されている格納領域から変動カテゴリコマンドを全て抽出し、抽出した各変動カテゴリコマンドにもとづいて、その未判定の格納領域の1つ前までの始動入賞に対する入賞時判定結果として記憶する変動カテゴリコマンドが全て「非リーチはずれ」(コマンドC600(H)の非リーチCA2−1指定やコマンドC608の超短縮CA2−9指定)であるか否かを確認する(ステップS8007)。全て「非リーチはずれ」であれば、ステップS8008に移行する。「非リーチはずれ」以外の変動カテゴリコマンドが1つでも含まれていれば、ステップS8008〜S8013の処理を実行することなく、ステップS8014に移行する。
ステップS8007で全て「非リーチはずれ」であれば、演出制御用CPU101は、高確率状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8008)。高確率状態フラグがセットされていれば、ステップS8014に移行する。高確率状態フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、先読み予告演出の有無および先読み予告演出の演出態様を決定するためのテーブルとして先読み予告振分テーブルDを選択する(ステップS8009)。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み予告演出の演出態様を決定するための先読み予告演出態様決定用乱数を抽出し、受信した変動カテゴリコマンドにもとづいて、抽出した先読み予告演出態様決定用乱数の値がステップS8009で選択した先読み予告振分テーブルに含まれるいずれの判定値と合致するかを判定することによって、先読み予告演出の実行有無と演出態様とを決定する(ステップS8010)。
ステップS8010では、演出制御用CPU101は、ステップS8009で選択した図53(D)に示す先読み予告設定制限解除時の先読み予告振分テーブルDを用いて、受信した変動カテゴリコマンドで示される変動パターン種別の入賞時判定結果にもとづいて、先読み予告演出の演出態様を決定する。この実施の形態では、先読み予告振分テーブルDを用いる場合、例えば、演出制御用CPU101は、変動カテゴリコマンドで非リーチCA2−1の変動パターン種別となる(すなわち、リーチも擬似連などの特定演出も伴わない「非リーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、コマンドC600(H)を受信している場合)や、変動カテゴリコマンドでスーパーCA2−7の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチはずれ」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、コマンドC607(H)を受信している場合)、変動カテゴリコマンドでスーパーCA3−3の変動パターン種別となる(すなわち、「スーパーリーチ大当り」となる)ことを示す入賞時判定結果が示されている場合(具体的には、コマンドC612(H)またはコマンドC615(H)を受信している場合)、図53(D)に示すように、「図柄変動時の変動形態の変化」または「モード移行」のいずれかの演出態様の先読み予告演出を実行することに決定する。
なお、例えば、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出に関しては、先読み予告設定制限期間の解除時に未判定の保留記憶に対して遡って実行してしまうと、合算保留記憶表示部18cに既に第1通常表示や第2通常表示として表示されている保留表示が途中から第1特殊表示や第2特殊表示に変更されてしまうことになり、不自然な保留表示を実行してしまうことになる。そのため、図53(D)に示すように、この実施の形態では、先読み予告設定制限解除時の先読み予告振分テーブルDには、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出に対して割り振りを行わないようにし、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出を遡って実行することがないようにしている。
なお、例えば、「カウントダウン」の演出態様の先読み予告演出に関しては、複数の変動表示にわたって連続した態様でカウントダウンをしていく先読み演出であり、先読み予告設定制限期間の解除時に未判定の保留記憶に対して遡って実行してしまうと、途中の変動表示からカウントダウンが始まるような不自然な演出を実行してしまうことになる。そのため、図53(D)に示すように、この実施の形態では、先読み予告設定制限解除時の先読み予告振分テーブルDには、「カウントダウン」の演出態様の先読み予告演出に対して割り振りを行わないようにし、「カウントダウン」の演出態様の先読み予告演出を遡って実行することがないようにしている。すなわち、連続した演出態様の先読み予告演出に関しては、演出が不自然となることを防止するため、先読み予告設定制限期間の解除時に遡って実行しないようにしている。なお、この実施の形態では、複数の変動表示にわたって連続した態様で実行される「連続演出」は、「カウントダウン」の演出態様の先読み予告演出に相当する。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み予告演出を実行することに決定したか否かを確認する(ステップS8011)。例えば、先読み予告振分テーブルDに振り分けがないことにより先読み予告演出を実行しないことに決定された場合には、ステップS8014に移行する。
先読み予告演出を実行することに決定した場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8010で決定した演出態様に応じて、先読み予告演出の実行を決定したことを示す先読み予告実行中フラグをセットする(ステップS8012)。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み予告演出の判定対象としたコマンドよりも前に受信して始動入賞時コマンド格納領域に格納されている始動入賞時のコマンドの組(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの組)の数を特定し、特定した数(すなわち、予告対象の変動表示の1つ前までの変動表示の数)を変動回数カウンタにセットする(ステップS8013)。
そして、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域内の全ての格納領域1〜8の未判定情報の値を「0」とする(ステップS8014)。
なお、この実施の形態では、先読み予告設定制限期間の解除時に未判定の保留記憶に対して遡って先読み予告演出を設定および実行可能に構成する場合を示したが、先読み予告設定制限期間が解除されても、未判定の保留記憶に対して遡って先読み予告演出を設定および実行しないように構成してもよい。この場合、具体的には、ステップS8005の処理を実行した後に、そのままステップS8015に移行するようにし、ステップS8006〜S8014の処理を実行しないようにすればよい。また、この場合、始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8において未判定情報を設定する記憶領域を設ける必要はなくなる。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8015)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8002で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8016)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS8016の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8016において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。また、演出制御用CPU101は、ステップS8016において、「図柄変動時の変動形態の変化」の演出態様の連続演出を実行すると決定されている場合には、演出図柄の停止図柄として、いわゆるチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)を決定する。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS8016において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図57は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図57に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「15R大当りA」または「15R大当りB」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドまたは表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。なお、「15R大当りA」または「15R大当りB」のいずれであるかに応じて、停止図柄の決定割合を異ならせてもよい。例えば、「15R大当りA」である場合には、3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する割合を高くし、「15R大当りB」である場合には、3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する割合を高くするようにしてもよい。
そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドが大当りを指定するものであるか否か、具体的には表示結果2指定又は表示結果3指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS8016A)。ステップS8016Aで大当りを指定するものである(Y)と判定されたときには、先読み予告禁止フラグをセットして(ステップS8016B)、ステップS8017を実行する。ステップS8016Aで大当りを指定するものでない(N)と判定されたとき(表示結果1指定コマンドのとき)には、ステップS8017にすすむ。ここでセットされた先読み予告禁止フラグは当該変動の停止後に制御される大当り遊技状態の終了時、具体的には大当り終了指定コマンドの受信に伴いリセットされる(ステップS643)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中に演出表示装置9において予告演出(先読み予告演出以外の予告演出。例えば、ステップアップ予告演出やミニキャラ予告演出、可動物予告演出、演出羽根役物予告演出。)を実行するか否かを決定したり予告演出の演出態様を設定する予告演出設定処理を実行する(ステップS8017)。
ここで本実施形態では、前述したようにスーパーリーチDが実行されるとき(大当りAが発生するとき)には、演出図柄の変動開始直後に可動部材78が動作する役物作動演出が実行され、遊技者に大当りAの発生を報知する。この役物可動演出のように大当りが確定する演出あるいは大当りとなる可能性が極めて高いことを示唆する演出を演出図柄の変動開始直後に行ってしまうと、その後大当り遊技状態に移行されるまでの期間は遊技者の遊技に対する興味が低下してしまうという問題がある。ここで、ステップS8017の予告演出設定処理において、スーパーリーチDを実行する場合には、通常は実行される頻度が低い予告演出を優先して実行するようにすると良い。例えばスーパーリーチA〜Cの場合に出現率の低いプレミア予告を、スーパーリーチDでは、役物作動演出後に高い確率で出現させるようにすると良い。これにより役物作動演出後の演出に対して興味を抱かせることができる。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンおよび先読み予告演出やその他の予告演出を実行する場合にはその先読み予告演出やその他の予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8018)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8019)。
図58は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図58に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、演出制御用CPU101は、先読み予告演出や、その他の予告演出を実行することに決定され、先読み予告実行中フラグや、その他の予告実行フラグがセットされている場合には、ステップS8018において先読み予告演出や、その他の予告演出に対応したプロセステーブルを選択する。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
ここで本実施形態では、前述したように可変表示の表示結果が大当り図柄となるときと、確変転落抽選によって確変転落するときにスーパーリーチCが実行される場合がある。具体的には、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドとしてスーパーPG1−1を受信したときにスーパーリーチCではずれとなる演出を実行し、スーパーPG1−2を受信したときにスーパーリーチCで大当りとなる演出を実行する。ここでスーパーリーチCでは、図77(b)に示すように、味方キャラ1100と敵キャラ1200がバトルを行う態様の演出が実行される。本例ではバトル開始時に「勝利なら大当り 敗北なら転落」と表示することで、遊技者に対して味方キャラ1100が勝利する演出が実行されると大当りとなり、味方キャラ1100が敗北する演出が実行されると確変転落となる旨を示唆している。
演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドとしてスーパーPG1−1を受信したときには味方キャラがバトルで敗北する敗北演出を行うと共にはずれ図柄を停止表示させ(図77(c))、変動パターンコマンドとしてスーパーPG1−2を受信したときには味方キャラ1100がバトルで勝利する勝利演出を行うと共に大当り図柄を停止表示させる(図77(d))。このようにはずれ且つ確変転落となる変動が実行される場合と、大当りとなる変動が実行される場合とで、共通の演出であるスーパーリーチCが実行されるため、遊技者はスーパーリーチCで実行されるバトル態様の演出に注目し、味方キャラ1100の勝利を期待する。このように確変転落となる場合と大当りとなる場合とで共通の演出を実行するようにすることで、演出図柄が停止表示される前に遊技者が確変転落を把握して落胆してしまうことを防止するようにしている。
また、本実施形態では、前述したように確変転落が生じる場合の高ベース状態を終了させるタイミング(ステップS107BでYと判定された後にステップS107D,S107Eを実行するタイミング)と、大当りが発生する場合の高ベース状態を終了させるタイミング(ステップS107FでYと判定された後にステップS107D,S107Eを実行するタイミング)を一致させるようにしている。本例ではいずれも変動開始前のタイミング(変動パターン設定処理内)で高ベース状態を終了させている。そのため、スーパーリーチCを伴う変動開始時には、確変転落の場合であっても大当りとなる場合であっても高ベース状態が終了しており、遊技者がスーパーリーチCを伴う変動開始後に可変入賞球装置15の開放時間や開放回数を観察しても、確変転落か大当りかを判別不能である。
また、本実施形態では、通常状態では左遊技領域7Aを狙って遊技球を打ち込む左打ちを行い、該遊技球を第1始動入賞口13aに入賞させる。一方、高確率/高ベース状態では、ゲート32に遊技球を通過させると可変入賞球装置15が頻繁に開放されるため、右遊技領域7Bを狙って遊技球を打ち込む右打ちを行う。そのため高確率/高ベース状態においては、遊技者に右打ちを促すべく、図77(a)に示すように画面下部に「右を狙え」という表示と共に、右遊技領域7Bの方向を示す矢印が表示される。そして、前述したように表示結果が大当りとなる場合や確変転落抽選によって確変転落有りと決定された場合(例えばスーパーリーチCが実行される場合)には、一旦、変動開始前のタイミング(変動パターン設定処理)で高ベース状態が終了する。従って、大当り又は確変転落を伴う当該変動期間中は、特別可変入賞球装置20が開放されず、ゲート32に遊技球を通過させても可変入賞球装置15が頻繁には開放されないため、右打ちの必要性が低下する。本実施形態では、図77(b)に示すように、大当り又は確変転落を伴う変動(例えばスーパーリーチCを伴う変動)に関しては、変動開始から演出図柄の停止表示がされるまでの期間は右打ちの表示を行わないようにしている。
そして、演出図柄の表示結果がはずれ(即ち確変転落)となったときには、高ベース状態の終了が確定するので遊技者に左打ちを促すべく、図77(c)に示すように画面下部に「左を狙え」という表示と共に、左遊技領域7Aの方向を示す矢印が表示される。一方、演出図柄の表示結果が大当りとなったときには、特別可変入賞球装置20への入賞を狙うことになるため、遊技者に右打ちを促すべく、図77(d)に示すように画面下部に「右を狙え」という表示と共に、右遊技領域7Bの方向を示す矢印が表示される。このように、高ベース状態が終了した後の変動中(大当りが発生する変動中又ははずれ且つ確変転落となった変動中)は、演出図柄の停止表示後に再度右打ちとなるか、あるいは左打ちに戻るのかが不確定であるため、遊技者の混乱を防止すべく右打ちの表示を行わないようにしている。
次に、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8020)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8021)。次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域の1つ目の格納領域(格納領域1)に格納されている始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンド)を削除し、始動入賞時コマンド格納領域の内容をシフトする(ステップS8022)。
なお、この実施の形態では、コマンドの取りこぼしや不整合が生じて先読み予告設定制限期間の原因となった変動表示を消化した後の次の変動表示から先読み予告演出を再開可能に構成する場合を示しているが、例えば、ステップS8022のシフト処理を変動パターンコマンド受信待ち処理のステップS811でYと判定した後に実行するようにし、コマンドの取りこぼしや不整合が生じて先読み予告設定制限期間の原因となった変動表示から先読み予告演出を再開可能に構成するようにしてもよい。この場合、例えば、コマンドの取りこぼしや不整合が生じて先読み予告設定制限期間の原因となった変動表示が「非リーチはずれ」であることを条件に、その先読み予告設定制限期間の原因となった変動表示において先読み予告演出を実行可能にしてもよい。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8023)。
図59は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8105)。
次いで、演出制御用CPU101は、いずれかの先読み予告実行中フラグ(ただし、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出に応じた先読み予告実行中フラグを除く)がセットされているか否かを確認する(ステップS8106)。いずれかの先読み予告実行中フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、ステップS6011,S6027,S8010の先読み予告演出態様決定処理で決定した演出態様に従って、「図柄変動時の変動形態の変化」、「モード移行」、「カウントダウン」、または「射撃」のいずれかの演出態様で先読み予告演出を実行する制御を行う(ステップS8108)。なお、先読み予告演出(ただし、「保留球変化」以外の演出態様の先読み予告演出)を実行することに決定されている場合、具体的には、演出図柄の変動開始後、あらかじめ定められた時間が経過したタイミングで、対応する演出態様で先読み予告演出が実行される。また、先読み予告演出を実行する場合、その先読み予告演出を実行するタイミングでステップS8106においてYと判定され、ステップS8108の処理が実行される。そして、先読み予告演出を終了するまでステップS8106で繰り返しYと判定され、ステップS8108の処理が実行される。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8111)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8112)。
図60は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS8305に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS8304で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS8302の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS8305に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS8302)。ステップS8302の処理で大当り図柄を表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU101は、ステップS8311に移行する。
ステップS8302の処理で大当り図柄を停止表示した場合には(ステップS8303のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS8304)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS8305)。大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(ステップS8306)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8307)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS8308)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材78)の制御を実行する(ステップS8309)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8310)。
大当りとしないことに決定されている場合には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU101は、いずれかの先読み予告実行中フラグ(ただし、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出に応じた先読み予告実行中フラグを除く)がセットされているか否かを判定する(ステップS8311)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、変動回数カウンタの値を1減算する(ステップS8312)。また、演出制御用CPU101は、減算後の変動回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS8313)。そして、変動回数カウンタの値が0になっていれば、演出制御用CPU101は、セットされている先読み予告実行中フラグ(ただし、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出に応じた先読み予告実行中フラグを除く)をリセットする(ステップS8316)。そのような処理が実行されることによって、この実施の形態では、入賞時判定の対象となった変動が開始される1つ前の変動表示まで先読み予告演出(「保留球変化」以外の演出態様の先読み予告演出)が実行されて、その入賞時判定の対象となった変動表示の開始時に先読み予告実行中フラグがリセットされる(その入賞時判定の対象となった変動表示中には先読み予告演出は行われない)。なお、その入賞時判定の対象となった変動表示中においても、先読み予告演出を実行するようにしてもよく、この実施の形態では、「射撃」の演出に関しては、その入賞時判定の対象となった変動表示中及び停止図柄の導出表示中においても、実行するようにしている。
次いで、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(ステップS8317)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU101は、コマンド受信フラグを演出制御プロセス処理や第4図柄プロセス処理において参照されたあと直ぐにリセットするようにしてもよい(例えば、図54のステップS811に示すように、変動パターンコマンド受信フラグを確認すると直ちに変動パターンコマンド受信フラグをリセットするようにしてもよい)。ただし、例えば、図柄変動指定コマンドについては、演出制御プロセス処理と第4図柄プロセス処理との両方で参照されるので、この実施の形態で示すように、変動終了の際に演出図柄変動停止処理などにおいてリセットしたり、大当り終了の際に大当り終了演出処理においてリセットしたりすることが望ましい。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS8318)。
図61は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1901)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS1901のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS1902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、LED25,28等)の制御を実行する(ステップS1903)。例えば、演出表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1906)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS1901のY)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS1907)、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1908)。ここで本実施形態では、ラウンド中の背景画面として、高確率状態背景継続カウンタの値に基づいて高確率/高ベース状態に応じた背景画面を設定する。即ち大当り遊技状態開始前の背景画面が高確率/高ベース状態に応じた背景画面であれば、ラウンド中もその背景画面を継続して表示するようにする。図78の例では、ラウンド中の背景画面として2機の小型UFO1003(背景色は青)が表示されているため、当該大当りは高確率状態背景継続カウンタ値が101〜200(本例では101〜120)の間で発生したことになる。
さらに当該背景画面に対して連チャンカウンタ及び高確率状態背景継続カウンタの値に応じた表示を設定する(ステップS1908A)。具体的には、図78に示すように演出表示装置9におけるラウンド演出中の画面上部に連チャン回数1400と遊技者のランク1500が表示されるように設定を行う。この例では5連勝と表示されており、連チャン回数が5であることを示している。なお、本例では、連チャンカウンタの値は、高確率状態(及び高確率状態から転落した後の所定変動数以内)において大当りが発生した場合に更新されるようにしているので、連チャン回数をカウントする基点となる通常状態における大当り(所謂初当り)は連チャンカウンタの値には含まれていない。従って、本例では連チャンカウンタの値+1(初当り分)を連チャン回数1400として表示するようにしている。このように、ラウンド中の画面に連チャン回数を表示するようにすることで遊技に対する興趣を向上させるようにしている。
図62は、ラウンド演出中の画面上部に表示されるランク1500を決定するためのテーブルであり、連チャンカウンタ及び高確率状態背景継続カウンタの値に基づいてランクが決定される。この例では、連チャンカウンタが4のときの高確率状態背景継続カウンタ値が80以下のときには最上級者、81〜120のときには上級者、121以上のときには中級者とランク付けされる。即ち連チャン回数5回に至るまでの変動数が少ないほど上位にランクされる。図62の例では、上級者とランクされている。このように、連チャンカウンタ及び高確率状態カウンタの値に応じてランク付けを行うようにしているため、背景画面以外の要素によっても興趣を向上させ、遊技者を飽きさせないようにしている。また、連チャン回数が同一の場合であっても高確率状態背景継続カウンタ値に応じてランクを異ならせるようにすることで興趣を向上させるようにしている。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1909)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS1910)。
図63は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、まず、エンディング演出の演出期間を計測するための演出期間計測タイマを1減算する(ステップS880)。そして、減算後の演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS881)。なお、演出期間計測タイマは、例えば、ラウンド中処理(ステップS805参照)において、エンディングコマンドの受信を確認したことにもとづいてセットされる。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS881のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS882)。また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27の制御を実行する(ステップS883)。例えば、大当りが終了することを表示したり、所定のキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていない場合には(ステップS884のN)、処理を終了する。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS884のY)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS885)。また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS886)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていれば(ステップS881のY)、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(ステップS888)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグなどのコマンド受信フラグをリセットする。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS889)。
次に、先読み予告演出の演出態様の具体例について説明する。図64〜図69は、先読み予告演出の演出態様の具体例を示す説明図である。このうち、図64は、「図柄変動時の変動形態の変化」の先読み予告演出の演出態様の具体例を示す。また、図65は、「モード移行」の先読み予告演出の演出態様の具体例を示す。また、図66は、「カウントダウン」の先読み予告演出の演出態様の具体例を示す。また、図67は、「保留球変化」の先読み予告演出の演出態様の具体例を示す。また、図68及び図69は、「射撃」の先読み予告演出の演出態様の具体例を示す。なお、図64〜図69において、(1)(2)(3)・・・の順に演出画面の態様が遷移する。また、図64〜図67に示す例では、第1始動入賞口13aへの始動入賞に対して入賞時判定を行い、第1特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行しているときに先読み予告演出を行う場合を示しているが、第2始動入賞口13bへの始動入賞に対して入賞時判定を行い、第2特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行しているときに先読み予告演出を行う場合も同様の演出態様で先読み予告演出が実行される。また、図68及び図69に示す例では、第2始動入賞口13bへの始動入賞に対して入賞時判定を行い、第2特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行しているときに先読み予告演出を行う場合を示している。
まず、図64を参照して「図柄変動時の変動形態の変化」の先読み予告演出の演出態様の具体例を説明する。図64に示す例では、まず、図64(1)に示すように第1特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行しているときに、図64(2)に示すように第1始動入賞口13aに始動入賞があったものとする。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、新たに始動入賞があったことにもとづいて入賞時演出処理を実行する(ステップS1217参照)。そして、入賞時判定結果に応じた入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド。変動カテゴリコマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1218,S1219参照)。また、同じ割り込み内で、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶情報としての第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを送信し(ステップS1220,S1221参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図64(2)に示すように、受信した第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドにもとづいて、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示(本例では、第1通常表示)を1増やす(ステップS6021参照)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞時判定結果指定コマンドを受信したことにもとづいて、先読み予告演出の実行を決定するとともに先読み予告演出の演出態様として「図柄変動時の変動形態の変化」を決定したものとする(ステップS800A参照)。そして、図64(3)に示すように、変動時間が終了してはずれ図柄を停止表示したものとする(ステップS8302参照)。なお、図64(1)(2)に示すように、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aにおいて第4図柄の変動表示も実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図64(3)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信して、図64(4)に示すように、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減らし(ステップS662A参照)、次の演出図柄の変動表示を開始する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み予告演出の演出態様として「図柄変動時の変動形態の変化」が決定されていることにもとづいて、演出図柄の停止図柄としてチャンス目図柄を決定する。そして、図64(5)に示すように、変動時間が終了してチャンス目図柄を停止表示する(ステップS8302参照)。なお、図64(4)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aにおいて第4図柄の変動表示が実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図64(5)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信して、図64(6)に示すように、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減らし(ステップS662A参照)、次の演出図柄の変動表示を開始する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み予告演出の演出態様として「図柄変動時の変動形態の変化」が決定されていることにもとづいて、演出図柄の停止図柄としてチャンス目図柄を決定する。また、図64(6)に示すように、演出図柄の変動開始時に演出表示装置9の表示画面の上方においてフラッシュが光るような態様の表示を行うなど所定演出を行う(ステップS8108参照)。なお、演出図柄の変動開始時に行う所定演出は、図64に示す態様のものにかぎらず、例えば、演出表示装置9の上方、下方または側方に設けられた可動部材(例えば、本実施形態における可動部材78のようにキャラクタなどを模した形状の可動物)を変動開始時に可動させたり、変動開始時に所定のランプの点灯または点滅表示を行ったりしてもよい。また、例えば、演出図柄の変動開始時に図柄の変動の開始のさせ方を通常と異ならせてもよい。例えば、左中右の演出図柄を通常は同時に変動開始させているものを左中右の演出図柄の変動をそれぞれ異なるタイミングで開始させたり、一度上方向(または下方向)に変動を開始するように見せて下方向(または上方向)に変動を開始するようにしてもよい。また、逆に、図64(5)において図柄の変動の停止のさせ方を通常と異ならせてもよい。例えば、通常は左、右、中の順に図柄を停止させているのを左、中、右の順に図柄を停止させるなど図柄の停止順などを通常と異ならせてもよい。
そして、図64(7)に示すように、演出図柄の変動表示を実行し(ステップS8105参照)、図64(8)に示すように、変動時間が終了してチャンス目図柄を停止表示する(ステップS8302参照)。なお、図64(6)(7)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aにおいて第4図柄の変動表示が実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図64(8)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信して、図64(9)に示すように、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減らし(ステップS662A参照)、次の演出図柄の変動表示を開始する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み予告演出の演出態様として「図柄変動時の変動形態の変化」が決定されていることにもとづいて、演出図柄の停止図柄としてチャンス目図柄を決定する。また、図64(9)に示すように、演出図柄の変動開始時に演出表示装置9の表示画面の上方においてフラッシュが光るような態様の表示を行うなど所定演出を行う(ステップS8108参照)。なお、図64(9)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aにおいて第4図柄の変動表示が実行される。
以降、入賞時判定の対象となった始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまで、同様の演出態様で先読み予告演出が実行される。なお、さらに、入賞時判定の対象となった始動入賞にもとづく変動表示を実行する際にも同様の演出態様の予告演出を実行するようにしてもよい。
また、図64に示すように、演出図柄の変動表示の実行中には、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aにおいても第4図柄の変動表示が実行され、演出図柄の停止図柄が停止表示されると、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bにおいても第4図柄の停止図柄が停止表示される。そして、次の変動表示が開始されるまで第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bにおいても第4図柄の停止図柄が継続して表示されたままの状態となる。なお、このことは、以下に示す図65〜図67の演出態様で先読み予告演出を実行する場合も同様である。また、大当り遊技状態に移行している場合には、第4図柄表示領域における表示を行わないようにしてもよい。
次に、図65を参照して「モード移行」の先読み予告演出の演出態様の具体例を説明する。図65に示す例では、まず、図65(1)に示すように第1特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行しているときに、図65(2)に示すように第1始動入賞口13aに始動入賞があったものとする。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、新たに始動入賞があったことにもとづいて入賞時演出処理を実行する(ステップS1217参照)。そして、入賞時判定結果に応じた入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド。変動カテゴリコマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1218,S1219参照)。また、同じ割り込み内で、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶情報としての第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを送信し(ステップS1220,S1221参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図65(2)に示すように、受信した第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドにもとづいて、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示(本例では、第1通常表示)を1増やす(ステップS6021参照)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞時判定結果指定コマンドを受信したことにもとづいて、先読み予告演出の実行を決定するとともに先読み予告演出の演出態様として「モード移行」を決定したものとする(ステップS800A参照)。そして、図65(3)に示すように、変動時間が終了してはずれ図柄を停止表示したものとする(ステップS8302参照)。なお、図65(1)(2)に示すように、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aにおいて第4図柄の変動表示も実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図65(3)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信して、図65(4)に示すように、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減らし(ステップS662A参照)、次の演出図柄の変動表示を開始する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み予告演出の演出態様として「モード移行」が決定されていることにもとづいて、図65(4)に示すように、演出図柄の変動表示中に、演出表示装置9の表示画面において現在表示されている背景画面の側方から別の背景画面が割り込んできて2つの背景画面がせめぎあうような態様の演出(例えば、海の背景画面と山の背景画面とがせめぎあうような態様の演出)を実行する(ステップS8108参照)。そして、変動時間が終了して、図65(5)に示すように、最終的に元の背景画面に押し戻されるような態様の演出が実行され(ステップS8108参照)、最終停止図柄(図65(5)でははずれ図柄)を停止表示する(ステップS8302参照)。なお、図65(4)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aにおいて第4図柄の変動表示が実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図65(5)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信して、図65(6)に示すように、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減らし(ステップS662A参照)、次の演出図柄の変動表示を開始する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み予告演出の演出態様として「モード移行」が決定されていることにもとづいて、図65(6)に示すように、演出図柄の変動表示中に、演出表示装置9の表示画面において現在表示されている背景画面の側方から別の背景画面が割り込んできて2つの背景画面がせめぎあうような態様の演出(例えば、海の背景画面と山の背景画面とがせめぎあうような態様の演出)を実行する(ステップS8108参照)。そして、変動時間が終了して、図65(7)に示すように、最終的に元の背景画面に押し戻されるような態様の演出が実行され(ステップS8108参照)、最終停止図柄(図65(7)でははずれ図柄)を停止表示する(ステップS8302参照)。なお、図65(6)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aにおいて第4図柄の変動表示が実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図65(7)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信して、図65(8)に示すように、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減らし(ステップS662A参照)、次の演出図柄の変動表示を開始する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み予告演出の演出態様として「モード移行」が決定されていることにもとづいて、図65(8)に示すように、演出図柄の変動表示中に、演出表示装置9の表示画面において現在表示されている背景画面の側方から別の背景画面が割り込んできて2つの背景画面がせめぎあうような態様の演出(例えば、海の背景画面と山の背景画面とがせめぎあうような態様の演出)を実行する(ステップS8108参照)。そして、変動時間が終了して、図65(9)に示すように、最終的に元の背景画面に押し戻されるような態様の演出が実行され(ステップS8108参照)、最終停止図柄(図65(9)でははずれ図柄)を停止表示する(ステップS8302参照)。なお、図65(8)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aにおいて第4図柄の変動表示が実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図65(9)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
以上の態様で、入賞時判定の対象となった始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまで、同様の演出態様で先読み予告演出が実行される。なお、さらに、入賞時判定の対象となった始動入賞にもとづく変動表示を実行する際にも同様の演出態様の予告演出を実行するようにしてもよい。この場合、入賞時判定の対象となった始動入賞にもとづく変動表示の表示結果が「大当り」となる場合には、例えば、2つの背景画面がせめぎあうような態様の演出を行った後に、最終的に側方から割り込んできた方の背景画面が勝って背景画面が切り替わるとともに、最終停止図柄として大当り図柄を停止表示するようにしてもよい。また、「モード移行」の先読み予告演出の態様は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、変動表示ごとに変動終了時に元の背景画面に押し戻されるようにするのではなく、変動表示ごとに背景画面が変化していく態様の演出を実行するようにしてもよい。
次に、図66を参照して「カウントダウン」の先読み予告演出の演出態様の具体例を説明する。図66に示す例では、まず、図66(1)に示すように第1特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行しているときに、図66(2)に示すように第1始動入賞口13aに始動入賞があったものとする。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、新たに始動入賞があったことにもとづいて入賞時演出処理を実行する(ステップS1217参照)。そして、入賞時判定結果に応じた入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド。変動カテゴリコマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1218,S1219参照)。また、同じ割り込み内で、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶情報としての第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを送信し(ステップS1220,S1221参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図66(2)に示すように、受信した第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドにもとづいて、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示(本例では、第1通常表示)を1増やす(ステップS6021参照)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞時判定結果指定コマンドを受信したことにもとづいて、先読み予告演出の実行を決定するとともに先読み予告演出の演出態様として「カウントダウン」を決定したものとする(ステップS800A参照)。なお、「カウントダウン」の先読み予告演出におけるカウント数は、例えば、先読み予告演出の実行を決定したときの合算保留記憶数とすればよい。また、カウントダウンを実行可能な所定数(例えば、2以上)の保留記憶があることを条件に、「カウントダウン」の先読み予告演出を決定可能に構成してもよい。そして、図66(3)に示すように、変動時間が終了してはずれ図柄を停止表示したものとする(ステップS8302参照)。なお、図66(1)(2)に示すように、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aにおいて第4図柄の変動表示も実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図66(3)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信して、図66(4)に示すように、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減らし(ステップS662A参照)、次の演出図柄の変動表示を開始する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み予告演出の演出態様として「カウントダウン」が決定されていることにもとづいて、図66(4)に示すように、演出図柄の変動表示中に、演出表示装置9の表示画面において「カウント3!」などの文字列を表示してカウントダウンを開始したかのような態様の演出が実行される(ステップS8108参照)。そして、変動時間が終了して、図66(5)に示すように、最終停止図柄(図66(5)でははずれ図柄)を停止表示する(ステップS8302参照)。なお、図66(4)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aにおいて第4図柄の変動表示が実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図66(5)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信して、図66(6)に示すように、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減らし(ステップS662A参照)、次の演出図柄の変動表示を開始する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み予告演出の演出態様として「カウントダウン」が決定されていることにもとづいて、図66(6)に示すように、演出図柄の変動表示中に、演出表示装置9の表示画面において「カウント2!」などの文字列を表示して継続してカウントダウンしているような態様の演出が実行される(ステップS8108参照)。そして、変動時間が終了して、図66(7)に示すように、最終停止図柄(図66(7)でははずれ図柄)を停止表示する(ステップS8302参照)。なお、図66(6)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aにおいて第4図柄の変動表示が実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図66(7)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信して、図66(8)に示すように、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減らし(ステップS662A参照)、次の演出図柄の変動表示を開始する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み予告演出の演出態様として「カウントダウン」が決定されていることにもとづいて、図66(8)に示すように、演出図柄の変動表示中に、演出表示装置9の表示画面において「カウント1!」などの文字列を表示して継続してカウントダウンしているような態様の演出が実行される(ステップS8108参照)。そして、変動時間が終了して、図66(9)に示すように、最終停止図柄(図66(9)でははずれ図柄)を停止表示する(ステップS8302参照)。なお、図66(8)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aにおいて第4図柄の変動表示が実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図66(9)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
以上の態様で、入賞時判定の対象となった始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまで、同様の演出態様で先読み予告演出が実行される。
次に、図67を参照して「保留球変化」の先読み予告演出の演出態様の具体例を説明する。図67に示す例では、まず、図67(1)に示すように第1特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行しているときに、図67(2)に示すように第1始動入賞口13aに始動入賞があったものとする。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、新たに始動入賞があったことにもとづいて入賞時演出処理を実行する(ステップS1217参照)。そして、入賞時判定結果に応じた入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド。変動カテゴリコマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1218,S1219参照)。また、同じ割り込み内で、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶情報としての第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを送信する(ステップS1220,S1221参照)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞時判定結果指定コマンドを受信したことにもとづいて、先読み予告演出の実行を決定するとともに先読み予告演出の演出態様として「保留球変化」を決定したものとする(ステップS800A参照)。そして、先読み予告演出の演出態様として「保留球変化」を決定したことにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図67(2)に示すように、受信した第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンにもとづいて、合算保留記憶表示部18cにおいて第1特殊表示(赤色の、小さい星形,大きい星形,小さいハート形,または大きいハート形)を1増し(ステップS6017参照)、始動入賞が発生し始動入賞時のコマンドを受信したタイミングで直ちに先読み予告演出を開始する。そして、図67(3)に示すように、変動時間が終了してはずれ図柄を停止表示したものとする(ステップS8302参照)。なお、図67(1)(2)に示すように、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aにおいて第4図柄の変動表示も実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図67(3)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信して、図67(4)に示すように、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減らし(ステップS662A参照)、次の演出図柄の変動表示を開始する。そして、図67(4)に示すように、残りの第1特殊表示を含めた各保留表示が1つずつシフトされ、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出が継続する。そして、変動時間が終了して、図67(5)に示すように、最終停止図柄(図67(5)でははずれ図柄)を停止表示する(ステップS8302参照)。なお、図67(4)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aにおいて第4図柄の変動表示が実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図67(5)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信して、図67(6)に示すように、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減らし(ステップS662A参照)、次の演出図柄の変動表示を開始する。そして、図67(6)に示すように、残りの第1特殊表示を含めた各保留表示が1つずつシフトされ、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出が継続する。そして、変動時間が終了して、図67(7)に示すように、最終停止図柄(図67(7)でははずれ図柄)を停止表示する(ステップS8302参照)。なお、図67(6)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aにおいて第4図柄の変動表示が実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図67(7)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信して、図67(8)に示すように、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減らし(ステップS662A参照)、次の演出図柄の変動表示を開始する。そして、図67(8)に示すように、残りの第1特殊表示を含めた各保留表示が1つずつシフトされ、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出が継続する。そして、変動時間が終了して、図67(9)に示すように、最終停止図柄(図67(9)でははずれ図柄)を停止表示する(ステップS8302参照)。なお、図67(8)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aにおいて第4図柄の変動表示が実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図67(9)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
以上の態様で、入賞時判定の対象となった始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまで、同様の演出態様で先読み予告演出が実行される。そして、変動表示ごとに保留記憶を消化していって、予告対象の保留表示(図67に示す例では、第1特殊表示)が合算保留記憶表示部18cから消去されるまで、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出が継続される。
ただし前述の如く、大当りの保留記憶が記憶されてから、当該大当りが終了するまでは、先読み予告禁止フラグがセットされ、該先読み予告禁止フラグのセット中に発生した始動入賞については、先読み予告の実行が制限(本例では禁止)される。
次に、図68及び図69を参照して「射撃」の先読み予告演出の演出態様の具体例を説明する。この「射撃」の先読み予告演出は、第2始動口13bへの始動入賞時において、既に始動入賞時コマンドの格納領域1〜3に超短縮変動ではずれとなることを示す変動カテゴリ9コマンド(超短縮CA2−9指定)が記憶されていて、当該始動入賞(格納領域4)に伴う変動カテゴリコマンドが変動カテゴリ9コマンド(超短縮CA2−9指定)又は変動カテゴリ29コマンド(超短縮CA3−6指定)若しくは変動カテゴリ32コマンド(超短縮CA3−6指定)である場合に実行される。
図68に示す例では、まず、図68(1)に示すように第2特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行しているときに、図68(2)に示すように第2始動入賞口13bに始動入賞(超短縮変動で大当りとなることを示す変動カテゴリ29コマンド又は変動カテゴリ32コマンドの記憶)があったものとする。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、新たに始動入賞があったことにもとづいて入賞時演出処理を実行する(ステップS1228参照)。そして、入賞時判定結果に応じた入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド。変動カテゴリコマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1229,S1230参照)。また、同じ割り込み内で、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶情報としての第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを送信し(ステップS1231,S1232参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図68(2)に示すように、受信した第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドにもとづいて、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示(本例では、第2通常表示)を1増やす(ステップS6022参照)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞時判定結果指定コマンドを受信したことにもとづいて、先読み予告演出の実行を決定するとともに先読み予告演出の演出態様として「射撃」を決定したものとする(ステップS800A参照)。なお、「射撃」の先読み予告演出における射撃数(表示されるターゲットに残る弾痕数)は、例えば、先読み予告演出の実行を決定したときの合算保留記憶数とすればよい。ここで、射撃演出を実行可能な所定数(本例では4)の保留記憶があることを条件に、「射撃」の先読み予告演出を決定可能としている。そして、図68(3)に示すように、変動時間が終了してはずれ図柄を停止表示したものとする(ステップS8302参照)。なお、図68(1)(2)に示すように、演出図柄の変動表示中には第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示も実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図68(3)に示すように、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信して、図68(4)に示すように、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減らし(ステップS662A参照)、次の演出図柄の変動表示を開始する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み予告演出の演出態様として「射撃」が決定されていることにもとづいて、図68(4)に示すように、演出図柄の変動表示中に、演出表示装置9の表示画面において射撃のターゲット1500を表示する(ステップS8108参照)。このとき演出図柄は演出表示装置9の右下に小さく表示されるものとする。
このターゲット1500の中心部には「当」と表示され、この中心部に当たれば(弾痕が残れば)大当りが発生することを示している。このターゲット1500が表示されている期間(射撃演出が実行されている期間)は、演出図柄の変動表示は全て超短縮変動となっているため、通常状態と同様に演出図柄の変動表示を行っても遊技者は演出図柄が変動していることを把握することが困難である。そのため、変動表示毎(保留記憶の消化毎)にターゲット1500に弾痕を残して遊技者に対して変動表示の実行(保留記憶の消化)を把握しやすいようにしている。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み予告演出の演出態様として「射撃」が決定されていることにもとづいて、演出図柄の変動表示中にターゲット1500の中心から最も遠い位置(最外周)に「1発目」の弾痕を表示した後(ステップS8108参照)、変動時間が終了すると、図68(5)に示すように、最終停止図柄(図68(5)でははずれ図柄)を停止表示する(ステップS8302参照)。なお、図68(4)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示が実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図68(5)に示すように、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
ここで表示される「1発目」の弾痕は、ターゲット1500の中心から離れていることから、遊技者は大当りが発生しないことを把握できる。ターゲット1500に表示する弾痕の位置に関しては、ターゲット1500の中心と弾痕との距離が「1発目」、「2発目」、「3発目」の順序で近くなるように、演出制御用マイクロコンピュータ100が、弾痕の座標を決定する。具体的な座標は所定の乱数に基づいて決定するようにしても良いし、予め定めたパターンに基づいて決定するようにしても良い。そして、「4発目」に対応する表示結果が大当りである場合には、ターゲット1500の中心に弾痕を表示することを決定し、はずれである場合には、ターゲット1500の中心から外れた位置(例えば所定の乱数や予め定めたパターンに基づいて決定される)に弾痕を表示することを決定する。また、一旦、「射撃」演出が実行されると「1発目」、「2発目」、および「3発目」の弾痕は「4発目」の弾痕が表示されるまで継続して表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信して、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減らし(ステップS662A参照)、次の演出図柄の変動表示を実行する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み予告演出の演出態様として「射撃」が決定されていることにもとづいて、演出図柄の変動表示中にターゲット1500の中心から2番目に近い位置に「2発目」の弾痕を表示した後(ステップS8108参照)、変動時間が終了すると、図68(6)に示すように、最終停止図柄(図68(6)でははずれ図柄)を停止表示する(ステップS8302参照)。なお、図68(6)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示が実行され、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信して、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減らし(ステップS662A参照)、次の演出図柄の変動表示を実行する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み予告演出の演出態様として「射撃」が決定されていることにもとづいて、演出図柄の変動表示中にターゲット1500の中心から最も近い位置に「3発目」の弾痕を表示した後(ステップS8108参照)、変動時間が終了すると、図68(7)に示すように、最終停止図柄(図68(7)でははずれ図柄)を停止表示する(ステップS8302参照)。なお、図68(7)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示が実行され、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信して、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減らし(ステップS662A参照)、次の演出図柄の変動表示を実行する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み予告演出の演出態様として「射撃」が決定されていることにもとづいて、演出図柄の変動表示中にターゲット1500の中心に「4発目」の弾痕を表示すると共に(ステップS8108参照)、ターゲット1500の中心を打ち抜いたことを遊技者に報知する(即ち大当りを報知する)「命中!」のメッセージを表示する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間が終了すると、図68(8a)に示すように、最終停止図柄(図68(8a)では大当り図柄)を停止表示する(ステップS8302参照)。なお、図68(8a)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示が実行され、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
なお、図68(2)に示す第2始動入賞口13bへの入賞時に記憶された変動カテゴリコマンドが超短縮変動で大当りを指定するものではなく、超短縮変動ではずれを指定するものである場合にも、図53(B)の先読み予告振分けテーブルBに示すように、ガセ予告として射撃演出が実行される場合がある。その場合には、図68(8a)に代えて、図69(8b)に示す演出が実行される。
即ち、図68(7)に示したように、最終停止図柄(図68(7)でははずれ図柄)を停止表示した後(ステップS8302参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信して、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減らし(ステップS662A参照)、次の演出図柄の変動表示を実行する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み予告演出の演出態様として「射撃」が決定されていることにもとづいて、演出図柄の変動表示中にターゲット1500の中心から外れた位置に「4発目」の弾痕を表示すると共に(ステップS8108参照)、ターゲット1500の中心を打ち抜けなかったことを遊技者に報知する(即ちはずれを報知する)「残念」のメッセージを表示する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間が終了すると、図69(8b)に示すように、最終停止図柄(図69(8b)でははずれ図柄)を停止表示する(ステップS8302参照)。なお、図69(8b)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示が実行され、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
このように高ベース状態に伴って超短縮変動が所定数(この例では4)以上連続して発生する場合には、通常状態と同様に演出図柄の可変表示を提示したのでは、遊技者が可変表示を認識しがたく、保留記憶の消化状況を把握することが困難である。本実施形態では、可変表示の実行毎(保留記憶の消化毎)に、画面に表示したターゲット1500の異なる位置に弾痕を表示するようにしているため、遊技者はこのターゲット1500に注目していれば、弾痕の増加によって可変表示の実行を把握することができる。また、遊技者は、1発目、2発目、3発目と、弾痕が徐々に中心に近づくにつれて大当りの期待を抱くようになり、先読み予告の対象となった変動(4発明)において、ターゲット1500の中心が打ち抜かれるか否かに注目すれば良くなる。このように大当りとなる条件を視覚的に提示することで、遊技者の混乱を防止している。
このように、超短縮変動が連続する期間においては、複数列の演出図柄に注目させるのではなく、ターゲット1500上の異なる位置に表示される弾痕に注目させる演出を実行することで、可変表示の実行を視覚的に把握し易くしている。また、大当りが発生するか否かの示唆に関しても、先読み予告の対象となる前の保留記憶を消化しつつ弾痕がターゲット1500の中心位置に近づく(即ち徐々に大当りの条件に近づく)演出態様とすることで、遊技者の期待感を煽り、興趣を向上させている。
次に、先読み予告演出の実行タイミングについて説明する。図70および図71は、先読み予告演出の実行タイミングを示す説明図である。このうち、図70は、「図柄変動時の変動形態の変化」の先読み予告演出の実行タイミングを示す。また、図71は、「保留球変化」の先読み予告演出の実行タイミングを示す。なお、「モード移行」や「カウントダウン」の先読み予告演出の実行タイミングについては、図70に示す「図柄変動時の変動形態の変化」の先読み予告演出の実行タイミングの場合と同様である。また、図70および図71に示す例では、特別図柄および演出図柄の変動表示中に新たな始動入賞が発生した場合を示している。
まず、図70を参照して「図柄変動時の変動形態の変化」の先読み予告演出の実行タイミングを説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞口13aまたは第2始動入賞口13bへの新たな始動入賞を検出すると(ステップS311参照)、入賞時演出処理(ステップS1217,S1228参照)を実行し入賞時判定を行う。なお、図70に示す例では、演出図柄の変動表示A中に新たな始動入賞があり入賞時判定を行ったものとする。そして、入賞時判定の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信する(ステップS1218,S1219,S1229,S1230参照)とともに、同じ割り込み内で、保留記憶情報としての始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)および合算保留記憶数指定コマンドを送信する(ステップS1220,S1221,S1231,S1232参照)。
ここで、図70に示す例では、入賞時判定結果指定コマンドおよび保留記憶情報の受信前の合算保留記憶数が3であったものとし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄の変動表示A中の始動入賞により合算保留記憶数が4になったものとする。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した入賞時判定結果指定コマンドにもとづいて先読み予告演出決定処理を実行し(ステップS800A参照)、先読み予告演出態様決定処理(ステップS6011参照)で先読み予告演出の演出態様として「図柄変動時の変動形態の変化」を決定したものとする。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、現在の合算保留記憶数(図70に示す例では「4」)を変動回数カウンタにセットする(ステップS6014参照)。その後、変動表示Aの変動時間が終了すると、変動回数カウンタの値を1減算して3とする(ステップS8312参照)。
次いで、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信して、次の変動表示Bを開始する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み予告演出の演出態様として「図柄変動時の変動形態の変化」が決定されていることにもとづいて、演出図柄の停止図柄としてチャンス目図柄を決定したものとする。そして、変動表示Bの変動時間が終了して、図70に示すように、チャンス目図柄aを停止表示する(ステップS8302参照)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動回数カウンタの値を1減算して2とする(ステップS8312参照)。すなわち、この実施の形態では、図70に示すように、「図柄変動時の変動形態の変化」の先読み予告演出を実行する場合には、変動表示A中に新たに始動入賞が発生して先読み予告演出を実行することに決定した場合に、次の変動表示Bから先読み予告演出を開始する。
さらに次の変動表示Cを開始するときに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動回数カウンタの値が2であることにもとづいて、図70に示すように、演出図柄の変動開始時に演出表示装置9の表示画面の上方においてフラッシュが光るような態様の表示を行うなど所定演出bを行う(ステップS8108参照)ことによって、先読み予告演出を継続して実行する。そして、変動表示Cの変動時間が終了して、図70に示すように、チャンス目図柄bを停止表示する(ステップS8302参照)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動回数カウンタの値を1減算して1とする(ステップS8312参照)。
さらに次の変動表示Dを開始するときに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動回数カウンタの値が1であることにもとづいて、図70に示すように、演出図柄の変動開始時に演出表示装置9の表示画面の上方においてフラッシュが光るような態様の表示を行うなど所定演出cを行う(ステップS8108参照)ことによって、先読み予告演出を継続して実行する。そして、変動表示Dの変動時間が終了して、図70に示すように、チャンス目図柄cを停止表示する(ステップS8302参照)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動回数カウンタの値を1減算して0とする(ステップS8312参照)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動回数カウンタの値が0になったことにもとづいて、セットされている先読み予告実行中フラグをリセットして(ステップS8313,S8316参照)、先読み予告演出を終了する。
なお、この実施の形態では、図70に示すように、入賞時判定の対象となった変動表示Eの1つ前の変動表示Dまでにおいて、その変動表示中に先読み予告演出を行う場合を示しているが、入賞時判定の対象となった変動表示E中においても先読み予告演出を実行するようにしてもよい。なお、この実施の形態では、入賞時判定の対象となった変動表示Eにおいては先読み予告演出を実行しないようにしているので、1つの変動表示E中に先読み予告演出とスーパーリーチの演出との両方が実行されて、演出が慌ただしく不自然になることを防止している(特に、変動表示の終了間際に演出が慌ただしくなることを確実に防止している)。なお、入賞時判定の対象となった変動表示E中においても先読み予告演出を実行する場合には、その変動表示E中のスーパーリーチの演出が実行される前に先読み予告演出を実行し、先読み予告演出が終了した後にスーパーリーチの演出を実行するようにすればよい。
次に、図71を参照して「保留球変化」の先読み予告演出の実行タイミングを説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞口13aまたは第2始動入賞口13bへの新たな始動入賞を検出すると(ステップS311参照)、入賞時演出処理(ステップS1217,S1228参照)を実行し入賞時判定を行う。なお、図71に示す例では、演出図柄の変動表示A中に新たな始動入賞があり入賞時判定を行ったものとする。そして、入賞時判定の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信する(ステップS1218,S1219,S1229,S1230参照)とともに、同じ割り込み内で、保留記憶情報としての始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)および合算保留記憶数指定コマンドを送信する(ステップS1220,S1221,S1231,S1232参照)。
ここで、図71に示す例では、入賞時判定結果指定コマンドおよび保留記憶情報の受信前の合算保留記憶数が3であったものとし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄の変動表示A中の始動入賞により合算保留記憶数が4になったものとする。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した入賞時判定結果指定コマンドにもとづいて先読み予告演出決定処理を実行し(ステップS800A参照)、先読み予告演出態様決定処理(ステップS6011参照)で先読み予告演出の演出態様として「保留球変化」を決定したものとする。そして、先読み予告演出の演出態様として「保留球変化」を決定したことにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図71に示すように、受信した第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドにもとづいて、合算保留記憶表示部18cにおいて第1特殊表示(赤色の星形表示)または第2特殊表示(青色の星形表示)を1増し(ステップS6017,S6018参照)、始動入賞が発生し始動入賞時のコマンドを受信したタイミングで直ちに先読み予告演出を開始する。
次いで、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信して、次の変動表示Bを開始する。そして、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減らし(ステップS662A参照)、残りの第1特殊表示または第2特殊表示を含めた各保留表示が1つずつシフトされ、図71に示すように、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出が継続する。
以降、変動表示Cおよび変動表示Dが開始されるごとに、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減らし(ステップS662A参照)、残りの第1特殊表示または第2特殊表示を含めた各保留表示が1つずつシフトされ、図71に示すように、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出が継続する。そして、予告対象の変動表示Dが開始されるときに、予告対象の変動表示に対応する保留記憶が消化されたことにより、予告対象の保留表示(第1特殊表示または第2特殊表示)が合算保留記憶表示部18cから消去され、図71に示すように、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出を終了する。
次に、先読み予告設定制限期間について説明する。図72および図73は、先読み予告設定制限期間を説明するための説明図である。このうち、図72は、保留記憶情報としての始動入賞指定コマンドを取りこぼしてしまった場合の先読み予告設定制限期間を示す。また、図73は、判定結果情報としての変動カテゴリコマンドを取りこぼしてしまった場合の先読み予告設定制限期間を示す。なお、合算保留記憶数指定コマンドや図柄指定コマンドを取りこぼしてしまった場合や、受信したコマンドに不整合が生じている場合の先読み予告設定制限期間も図72および図73と同様である。
まず、図72を参照して、始動入賞指定コマンドを取りこぼしてしまった場合を説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞口13aまたは第2始動入賞口13bへの新たな始動入賞を検出すると(ステップS311参照)、入賞時演出処理(ステップS1217,S1228参照)を実行し入賞時判定を行う。なお、図72に示す例では、演出図柄の変動表示A中に新たな始動入賞があり入賞時判定を行ったものとする。そして、入賞時判定の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信する制御を行う(ステップS1218,S1219,S1229,S1230参照)とともに、同じ割り込み内で、保留記憶情報としての始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)および合算保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1220,S1221,S1231,S1232参照)。
ここで、何らかの原因により(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560側の送信処理で異常が生じたり、データ化けが発生したことにより)、図72に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞指定コマンドを正常に受信できなかったものとする。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞時のコマンドを正常に受信できなかったと判断し(ステップS6004〜S6006参照)、先読み予告設定制限フラグをセットして(ステップS6033参照)、先読み予告設定制限期間に制御する。
以降、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動表示B〜Dが開始されるごとに、始動入賞時コマンド格納領域内にコマンドを正しく受信できなかった格納状態の格納領域がまだ残っているか否かを確認し(ステップS8002〜S8004参照)、図72に示すように、先読み予告設定制限の原因となった保留記憶に対する変動表示Eを開始するタイミングで、コマンドを正しく受信できなかった格納状態の格納領域がなくなったと判断すると、先読み予告設定制限フラグをリセットして(ステップS8005参照)、先読み予告設定制限期間を終了する。
次に、図73を参照して、変動カテゴリコマンドを取りこぼしてしまった場合を説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞口13aまたは第2始動入賞口13bへの新たな始動入賞を検出すると(ステップS311参照)、入賞時演出処理(ステップS1217,S1228参照)を実行し入賞時判定を行う。なお、図73に示す例では、演出図柄の変動表示A中に新たな始動入賞があり入賞時判定を行ったものとする。そして、入賞時判定の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信する制御を行う(ステップS1218,S1219,S1229,S1230参照)とともに、同じ割り込み内で、保留記憶情報としての始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)および合算保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1220,S1221,S1231,S1232参照)。
ここで、何らかの原因により(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560側の送信処理で異常が生じたり、データ化けが発生したことにより)、図73に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリコマンドを正常に受信できなかったものとする。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞時のコマンドを正常に受信できなかったと判断し(ステップS6004〜S6006参照)、先読み予告設定制限フラグをセットして(ステップS6033参照)、先読み予告設定制限期間に制御する。
以降、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動表示B〜Dが開始されるごとに、始動入賞時コマンド格納領域内にコマンドを正しく受信できなかった格納状態の格納領域がまだ残っているか否かを確認し(ステップS8002〜S8004参照)、図73に示すように、先読み予告設定制限の原因となった保留記憶に対する変動表示Eを開始するタイミングで、コマンドを正しく受信できなかった格納状態の格納領域がなくなったと判断すると、先読み予告設定制限フラグをリセットして(ステップS8005参照)、先読み予告設定制限期間を終了する。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞の発生時に、大当りとなるか否かや、大当り種別、変動パターン種別を判定し、第1保留記憶または第2保留記憶が増加したことを認識可能に保留記憶情報(本例では、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンド)を送信し、大当りとなるか否かや、大当り種別、変動パターン種別の判定結果を示す判定結果情報(本例では、図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンド)を送信する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、判定結果情報にもとづいて、所定の状態(本例では、スーパーリーチ)となる可能性があることを予告する先読み予告演出を実行し、保留記憶情報に含まれる始動入賞指定コマンドを正常に受信することができなかった場合に、先読み予告演出の実行を制限する。そのため、先読み予告演出の信頼性が低下することを防止することができる。
すなわち、始動入賞時に1タイマ割込内に一括して受信される判定結果情報(本例では、図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンド)および保留記憶情報(本例では、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンド)のうち、一部のコマンドでも取りこぼしが発生した場合には、一括して受信されるその他のコマンドを受信していても、その受信したコマンドの内容の信頼性が欠けるおそれがあり、そのまま受信したコマンドにもとづいて先読み予告演出を実行してしまうと、先読み予告演出の内容と実際に実行された予告対象の変動表示の内容との間に不整合が生じて、先読み予告演出の信頼性が低下してしまうおそれがある。そこで、この実施の形態では、保留記憶情報に含まれる始動入賞指定コマンドを正常に受信することができなかった場合には先読み予告演出の実行を制限することによって、先読み予告演出の信頼性が低下することを防止している。
また、この実施の形態によれば、一の保留記憶にもとづいて送信された保留記憶情報に含まれる始動入賞指定コマンドを正常に受信することができなかった場合に、一の保留記憶にもとづく変動表示が開始されるまで先読み予告演出の実行を制限する。そのため、先読み予告演出の整合がとれなくなって、先読み予告演出の信頼性が低下することを防止することができる。
また、この実施の形態によれば、一の保留記憶にもとづいて送信された判定結果情報(本例では、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を正常に受信することができなかった場合に、一の保留記憶にもとづく変動表示が開始されるまで先読み予告演出の実行を制限する。そのため、先読み予告演出の整合がとれなくなって、先読み予告演出の信頼性が低下することを防止することができる。
なお、この実施の形態では、コマンドの取りこぼしや不整合が発生してから、そのコマンドの取りこぼしや不整合が生じた保留記憶が消化されるまでの間、先読み予告演出の実行を制限する場合を示したが、コマンドの取りこぼしや不整合が生じた保留記憶に対してのみ先読み予告演出の実行を制限するようにし、それ以降に発生した保留記憶に対しては、始動入賞時のコマンドを正常に受信できていれば、そのコマンドの取りこぼしや不整合が生じた保留記憶が消化される前であっても、先読み予告演出の実行を制限しないようにしてもよい。そのように構成する場合、例えば、先読み予告演出決定処理のステップS6003の先読み予告設定制限フラグを確認する処理や、ステップS6031の未判定情報をセットする処理、演出図柄変動開始処理のステップS8000〜S8014の処理は不要となる。
また、この実施の形態では、コマンドの取りこぼしや不整合が生じた場合に、先読み予告演出の決定自体を行わないように構成する場合を示しているが、先読み予告演出の決定自体は行うようにし、その実行を制限するようにしてもよい。例えば、先読み予告演出決定処理においてステップS6004〜S6006の判定処理でコマンドの取りこぼしや不整合を検出した場合にはステップS6033の処理を実行して先読み予告設定制限フラグをセットする一方、ステップS6004〜S6006の判定結果や先読み予告設定制限フラグの有無にかかわらず、ステップS6008〜S6014の先読み予告演出の決定の処理は必ず実行するようにしてもよい。そして、先読み予告設定制限フラグがセットされていれば、先読み予告演出決定処理のステップS6016〜S6018や演出図柄変動中処理のステップS8108の処理を行わないようにして先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。また、上記のようにステップS6008〜S6014の先読み予告演出の決定の処理は必ず実行するように構成した上で、例えば、先読み予告演出決定処理のステップS6016〜S6018や演出図柄変動中処理のステップS8108の処理の実行タイミング(先読み予告演出の実行タイミング)で、始動入賞時コマンド格納領域内に格納されているコマンドの中に取りこぼしや不整合が生じているものが残っているか否かを毎回確認するようにし、取りこぼしや不整合が生じているものが残っていれば、先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、判定結果情報として、大当りとなるか否かや、大当り種別の判定結果を特定可能な図柄指定コマンドと、所定の状態(本例では、スーパーリーチ)となるか否かを特定可能な変動カテゴリコマンドとを送信する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した図柄指定コマンドで特定される判定結果と、受信した変動カテゴリコマンドで特定される判定結果とが矛盾する場合も、先読み予告演出の実行を制限する。そのため、先読み予告演出の整合がとれなくなって、先読み予告演出の信頼性が低下することをさらに防止することができる。
また、この実施の形態によれば、先読み予告演出として、始動入賞が発生したタイミングで開始する第1の予告演出(本例では、「保留球変化」の先読み予告演出)、または始動入賞が発生したタイミング以外のタイミング(本例では、始動入賞が発生した後に次の変動表示が開始されるタイミング)で開始する第2の予告演出(本例では、「図柄変動時の変動形態の変化」、「モード移行」、「カウントダウン」の先読み予告演出)とを実行可能である。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、一の保留記憶にもとづく変動表示が開始され、先読み予告演出の実行の制限が解除された後に、先読み予告演出の実行が制限されているときに記憶された保留記憶にもとづいて第2の予告演出を実行可能である。そのため、先読み予告演出の演出内容に違和感を感じさせることなく、先読み予告演出の制限状態を早期に解除することができるので、先読み予告演出の出現頻度の低下を防止することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み予告演出として、複数の変動表示にわたって連続した態様で実行される連続演出(本例では、「カウントダウン」の先読み予告演出)を実行可能であり、一の保留記憶にもとづく変動表示が開始され、先読み予告演出の実行の制限が解除された後に、先読み予告演出の実行が制限されているときに記憶された保留記憶にもとづいて実行する先読み予告演出として連続演出の実行を制限する。そのため、連続演出の実行を制限することによって、先読み予告演出の実行の制限が解除された後に実行される先読み予告演出が予告対象とする可変表示が分かりにくくなることを防止することができる。
また、この実施の形態において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、一の保留記憶にもとづく変動表示が開始され、先読み予告演出の実行の制限が解除された後に、先読み予告演出の実行が制限されているときに記憶された保留記憶にもとづく先読み予告演出を実行しないように構成してもよい(例えば、図55に示す演出図柄変動開始処理において、ステップS8005の処理を実行した後に、そのままステップS8015に移行するようにし、ステップS8006〜S8014の処理を実行しないようにしてもよい)。そのように構成すれば、先読み予告演出の実行有無の決定にかかる処理負担やプログラム容量の増大を防止することができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶情報として、始動入賞指定コマンドと合算保留記憶数指定コマンドとを送信する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した始動入賞指定コマンドの特定結果と、受信した合算保留記憶数指定コマンドの特定結果とが矛盾する場合も、先読み予告演出の実行を制限する。そのため、先読み予告演出の信頼性が低下することをさらに防止することができる。
また、この実施の形態によれば、スーパーリーチとなると判定されたことを特定した場合には、第1態様(本例では、「カウントダウン」)または第2態様(本例では、「図柄変動時の変動形態の変化」、「モード移行」)の先読み予告演出を実行可能であり、スーパーリーチとならないと判定されたことを特定した場合には、第2態様の先読み予告演出を実行可能である。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み予告演出の実行を制限されている場合であっても、第2態様の先読み予告演出を実行可能である。そのため、スーパーリーチとなる場合とならない場合との両方に実行可能な第2態様の先読み予告演出については、先読み予告演出の実行を制限されている場合であっても実行可能としているので、先読み予告演出の信頼性を確保した上で、先読み予告演出の出現頻度もある程度確保することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞口13aまたは第2始動入賞口に始動入賞した順に、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示を実行する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞指定コマンドを正常に受信することができなかった場合であっても、合算保留記憶数指定コマンドおよび判定結果情報(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を受信した場合には、第2態様の予告演出を実行可能である。そのため、始動入賞指定コマンドを正常に受信することができなかった場合であっても、合算保留記憶数指定コマンドおよび判定結果情報(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を受信した場合には、スーパーリーチとなる場合とならない場合との両方に実行可能な第2態様の予告演出については実行可能としているので、先読み予告演出の信頼性が低下することを防止しつつ、先読み予告演出の出現頻度もある程度確保することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、正規の順序で保留記憶情報および判定結果情報を受信することができなかった場合も、先読み予告演出の実行を制限する。そのため、先読み予告演出の信頼性が低下することをさらに防止することができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、保留記憶情報にもとづいて合算保留記憶表示部18cに保留表示を行う。そして、保留記憶情報または判定結果情報を正常に受信することができなかった場合であっても、第1保留記憶または第2保留記憶が増加したことを認識した場合には、増加した保留記憶に対応する保留表示の表示態様を通常の表示態様(本例では、第1通常表示、第2通常表示)とは異なる特別な表示態様(本例では、取りこぼし態様の保留表示)で表示する。そのため、保留記憶情報または判定結果情報を正常に受信することができなかった場合であっても、保留記憶の数を遊技者に認識させることができ、遊技者に不信感を抱かせることを防止することができる。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bとの始動入賞順に第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示を実行する場合を示したが、例えば、入賞順にかかわらず、第1特別図柄の変動表示と比較して、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。そして、このように第2特別図柄の変動表示を優先実行するように構成する場合、保留記憶情報として、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドに代えて、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信するように構成してもよい。すなわち、始動入賞の発生時に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが一括して1タイマ割込内に送信されるようにしてもよい。このように構成した場合であっても、演出制御用マイクロコンピュータ100は、保留記憶情報としての保留記憶数加算指定コマンドを取りこぼしたことにもとづいて、先読み予告演出の実行を制限するようにすればよい。なお、この場合、保留記憶情報として、上記のように単に第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したかを認識可能な第1保留記憶数加算指定コマンドや第2保留記憶数加算指定コマンドを送信するようにしてもよく、第1保留記憶数をEXTデータとして設定した第1保留記憶数指定コマンドや、第2保留記憶数をEXTデータとして設定した第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、先読み予告設定制限期間の管理方法として、先読み予告設定制限フラグを用いて管理する場合を示したが、先読み予告設定制限期間の管理方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。
(1)例えば、先読み予告設定制限フラグのようなフラグを用いた管理を行わずに、先読み予告設定制限期間中であるか否かの判定を行うタイミング(例えば、先読み予告演出決定処理のステップS6002や、演出図柄変動開始処理のステップS8000のタイミング)ごとに、始動入賞時コマンド格納領域の全ての格納領域1〜8に格納されているコマンドを確認し、コマンドの取りこぼしや不整合が生じている状態のものが残っているか否かを毎回判定するようにしてもよい。そして、コマンドの取りこぼしや不整合が生じている状態のものが1つでも残っていれば、先読み予告設定制限期間中であると判定するようにし、コマンドの取りこぼしや不整合が生じている状態のものが1つもなければ、先読み予告設定制限期間中ではないと判定するようにしてもよい。
(2)また、例えば、先読み予告設定制限フラグのようなフラグを用いた管理を行う場合であっても、先読み予告設定制限の原因となった保留記憶が消化されるまでの変動表示の回数をカウンタを用いて管理するようにし、先読み予告設定制限の原因となった保留記憶が消化されたことを判断して先読み予告設定制限フラグをリセットして先読み予告設定制限期間を終了するように制御してもよい。この場合、例えば、先読み予告演出決定処理のステップS6033で先読み予告設定制限フラグをセットして先読み予告設定制限期間を開始するときに、現在の合算保留記憶数をカウンタにセットし、変動表示ごとにそのカウンタの値を1ずつ減算する。そして、カウンタの値が0となると、先読み予告設定制限の原因となった保留記憶が消化されたと判断して、先読み予告設定制限フラグをリセットして先読み予告設定制限期間を終了するようにすればよい。なお、この場合、先読み予告設定制限フラグをセットして先読み予告設定制限期間を開始した後、先読み予告設定制限期間をする前に、さらにコマンドの取りこぼしや不整合が発生した場合には、そのときの合算保留記憶数をカウンタにセットしなおして、後から発生したコマンドの取りこぼしや不整合に対応する保留記憶が消化されるまで、先読み予告設定制限期間を延長するようにすればよい。
なお、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図8に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
上記の実施形態では、図74(a)に示すように、先読み予告の実行を制限する態様として、先読み予告を完全に禁止する例について説明したが、これに限らず、該先読み予告の実行の制限は、図74(a’)に示すように、先読み予告を完全に禁止するのではなく、先読み予告の一部または全部を制限(例えば確率を落として実行)するものであっても良い。この例では、保留球変化の先読み予告における保留記憶の形状の振分け表に、先読み予告実行可テーブルと、先読み予告制限テーブルとを含み、先読み予告実行可テーブルは図74(a)のそれと同じであるが、先読み予告制限テーブルは図74(a)の先読み予告禁止テーブルと異なり、大きい星形と小さいハート形が、該先読み予告禁止テーブルよりも低い確率で選択される(即ち制限される)ようになっている。なお大当り確定の大きいハート形が選択されると、不確定な情報を予告することになるため、該大きいハート形は選択されない(即ち禁止される)ようになっている。
上記の実施形態では、図1に示すように、特別可変入賞球装置20が、第1特定領域として機能する確変アタッカー20Bと、第2特定領域として機能する通常アタッカー20Aとを備える例について説明したが、これに限らず、該特別可変入賞球装置(図示しないが、説明の便宜上、「特別可変入賞球装置20’」と称する。)は、第1特定領域および第2特定領域として機能する単一のアタッカーを備えるものであっても良く、この場合には、当該特別可変入賞球装置20’が、第1期間(例えば15ラウンド目の当初5秒間)は遊技媒体を通過させることで高確率状態に制御し(即ち前記第1特定領域として機能し)、前記第1期間と異なる第2期間(例えば15ラウンド目の残り24秒間)は遊技媒体が通過しても高確率状態に制御しない(即ち第2特定領域として機能する)ように構成すれば良い。具体的には、1〜14ラウンド目は前記通常アタッカーとして機能し、15ラウンド目において、当初5秒間は確変アタッカーとして機能することにより、該5秒間のうちに遊技球が入賞してカウントスイッチ23aにより遊技球を検出したら確変状態に制御し(逆に言えば、遊技球が入賞しなければ確変状態に制御せず)、残り24秒間は再び通常アタッカーとして機能するように制御する。これによれば、巷によく見られる単一アタッカーの機種の制御を変更することにより、図1に示すパチンコ遊技機1と同等の機能を実現できる。
上記の実施形態では、大当りが終了し、図43に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り終了指定コマンドを受信したことに基づいて(ステップS641でYES)、先読み予告禁止フラグをリセットする(ステップS643)例について説明したが、これに限らず、図示しないが、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図45において、ステップS681で15ラウンド目の大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、先読み予告禁止フラグをリセットするようにしても良い。また上記の実施形態では、確変アタッカー20Bが15ラウンド目に開放される例について説明したが、これに限らず、他のラウンドで開放されたり、複数のラウンドで開放されるものであっても良く、この場合には、該確変アタッカー20Bの最後の閉鎖に基づく大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、先読み予告禁止フラグをリセットするようにしても良い。つまり、最後の開閉動作で確変アタッカー20Bが開放状態から閉鎖状態に変化されたことに基づいて、予告演出(先読み予告)の制限を解除するものでも良い。これによれば、遊技者に不確定な情報を予告することなく、かつ、予告演出の実行頻度を必要以上に低下させることがないので、遊技の興趣を向上できる。
上記の実施形態では、大当りが終了し、図43に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り終了指定コマンドを受信したことに基づいて(ステップS641でYES)、先読み予告禁止フラグをリセットする(ステップS643)例について説明したが、これに限らず、図示しないが、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変アタッカー20Bに入賞した遊技球を確変検出スイッチ24aで検出したら、確変検出コマンドを出力し、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド解析処理において、該確変検出コマンドを受信したら、先読み予告禁止フラグをリセットするようにしても良い。つまり、開放状態に変化された確変アタッカー20Bを遊技媒体が通過したことに基づいて、予告演出(先読み予告の制限を解除する)ものでも良い。これによれば、遊技者に不確定な情報を予告することなく、かつ、予告演出の実行頻度を必要以上に低下させることがないので、遊技の興趣を向上できる。
上記の実施形態では、図13(A)に示すように、確変時の大当り判定値が通常時の大当り判定値を含まない例について説明したが、これに限らず、図13(A’)に示すように、確変時の大当り判定値が通常時の大当り判定値を含むものであっても良い。この場合の入賞時演出処理は、図27ではなく、図82に示すように、ランダムRが通常時の大当り判定値であるか否かを確認し(ステップS220)、YESならば、前記ステップS229に進み、NOならば、高確率フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS221)、NOならば、前記S224に進み、YESならば、ランダムRが確変時の大当り判定値であるか否かを確認し(ステップS222)、YESならば、前記ステップS229に進み、NOならば、前記S224に進む。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図50の保留球態様設定処理において、ステップS6011CでYESと判定した後、ステップS6011DでYESと判定した後、及びステップS6011EでYESと判定した後に、図示しないが、高確率状態フラグをセット中であるか否かを判定し、セット中でない(即ち通常状態)ならば、ステップS6011Fの処理を実行するようにしても良い。つまり、通常状態において、大当りの保留記憶が記憶されている場合であっても、予告演出(先読み予告)の実行を制限しないようにすることができる。確変時の大当り判定値が通常時の大当り判定値を含む場合には、通常状態で大当りとなるランダムRは、遊技状態が確変状態になっても大当りであるため、当該保留記憶について通常状態において予告演出を実行した場合であっても、遊技者に不確定な情報を予告するおそれが無いと共に、予告演出の実行頻度が高くなるため、遊技の興趣を向上できるからである。
上記の実施形態では、図43のステップS643で先読み予告禁止フラグがリセットされた場合に、該リセット以後の始動入賞に基づく保留記憶についての先読み予告の制限が解除される例について説明したが、これに限らず、該リセット以前の始動入賞に基づく保留記憶についての先読み予告の制限を解除して、既に記憶されている保留記憶について遡って先読み予告を実行するようにしても良い。
上記の実施形態では、特定遊技状態(大当り遊技状態)が、必ず確変アタッカー20Bが開放される特殊特定遊技状態である例について説明したが、これに限らず、確変アタッカー20Bが開放されない特定遊技状態が含まれていても良い。
上記の実施形態では、図75に示すように、大当りが発生する場合に、保留記憶を点滅する先読み予告を行う例について説明したが、これに限らず、はずれの場合にも、保留記憶を点滅するようにしても良い。
上記の実施形態において、確変状態を伴う大当り(即ち該大当りの終了後に必ず確変状態となる)を発生するように構成しても良く、この場合には、該確変大当りの保留記憶Pが有るときに、該記憶後に生じた始動入賞に基づく保留記憶Qが確変時の大当り判定値に合致するならば、当該保留記憶Qについて先読み予告を実行しても良い。
上記の実施形態では、高確率状態背景継続カウンタ値の値に応じて背景画像に表示されるキャラクタの数や大きさ、及び背景色を異ならせる例について説明したが、これに限らず、例えば高確率状態における演出図柄の態様を異ならせるようにしても良い。例えば、高確率状態背景継続カウンタ値が1000以上になると演出図柄を特殊なキャラクタの図柄としたり、色を変化させるようにしても良い。
上記の実施形態では、高確率状態背景継続カウンタ値の値が増加するに従って、背景画像の変化周期が長くなる例について説明したが、これに限らず、高確率状態背景継続カウンタ値が増加するに従って、背景画像の変化周期が短くなるようにしても良い。
上記の実施形態では、図77(b)に示すように、大当り又は確変転落を伴う変動(例えばスーパーリーチCを伴う変動)に関しては、変動開始から演出図柄の停止表示がされるまでの期間は右打ちの表示を行わない例について説明したが、これに限らず、例えば右打ちの表示を点滅させたり、表示を薄くすること等によって視認困難な態様とするようにしても良い。
上記の実施形態では、確変転落となる場合と大当りとなる場合とで実行される共通演出がスーパーリーチCである例について説明したが、これに限らず、リーチ態様とならない共通演出を実行するようにしても良い。
上記の実施形態では、大当り2信号が大当り遊技状態中に出力される(ON状態となる)例について説明したが、これに限らず、大当り2信号は、大当り遊技状態中に出力されない(OFF状態となる)ようにしても良い。この場合には,外部装置において、大当り2信号がON状態からOFF状態に切り替わるタイミングで大当り1信号がON状態となったことに基づいて連チャンの発生を特定して、連チャン回数をカウントすることが可能である。
上記実施の形態では変動カテゴリコマンド(C610)によって、始動入賞時に高確率状態でハズレ且つ確変転落したことを判定可能である例について説明したが、これに限らず変動カテゴリコマンドに始動入賞時に確変転落したか否かの情報を含めないようにしても良い。例えば入賞時確変転落判定処理において、ランダム0=確変転落有りの判定値と判定されたときに(ステップS202でY)、入賞時判定確変転落指定コマンド(例えばコマンドC500(H)とする)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしても良い。ここで、入賞時判定確変転落指定コマンド(コマンドC500(H))は、ステップS1218〜S1221やステップS1229〜S1232の処理が実行される際に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1始動入賞指定コマンド若しくは第2始動入賞指定コマンド、および合算保留記憶数指定コマンドと共に、セットのコマンドとして1タイマ割込内に一括して送信されるようにすると良い。入賞時判定確変転落指定コマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータ100は、1タイマ割込内に送信された図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1始動入賞指定コマンド若しくは第2始動入賞指定コマンド、および合算保留記憶数指定コマンドと対応させて入賞時判定確変転落指定コマンドを記憶することで、保留記憶毎に確変転落の有無を確認することが可能である。
上記のような方法で、入賞時判定確変転落指定コマンド(例えばコマンドC500(H)とする)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにした場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100において、図柄指定コマンドが大当り図柄を示すか又ははずれ図柄を示すかを確認し、且つ当該図柄指定コマンドに対応する入賞時判定確変転落指定コマンド(コマンドC500(H)とする)が記憶されているか否かを確認することが可能である。例えば図56に示したステップS8016Aで表示結果指定コマンドが大当り指定コマンドであると判定した後に(YES)、当該表示結果指定コマンドに対応づけて入賞時判定確変転落指定コマンド(コマンドC500(H)とする)が記憶されているか否かを判定することができる。ここで、当該表示結果指定コマンドに対応づけて入賞時判定確変転落指定コマンド(コマンドC500(H)とする)が記憶されている(YES)と判定されたときには、ステップS8018において、演出図柄変動中又は演出図柄停止時において、図77(d)に示す特殊キャラ1300や所定サイトにアクセスするための2次元バーコードを演出表示装置9に表示するようにプロセステーブルを選択すると良い。即ち、当該変動に伴って確変転落且つ大当りとなるという希な状況が発生するときには、図77(d)に示す特殊キャラが1300が表示されることになる。このように稀に生じる状況に対する付加価値の付与により、遊技の興趣を向上させることができる。なお、高確率/高ベース状態で大当りを示す変動カテゴリコマンドとして、確変転落有りの場合のコマンドと、確変転落無しの場合のコマンドとを個別に用意するようにしても良い。これによれば、上記のような入賞時判定確変転落指定コマンドを設けずとも、変動カテゴリコマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータ100によって、当該始動入賞の保留記憶が大当り且つ確変転落有りを示すか否かを確認可能である。
[変形例]
上記の実施形態では、可変入賞球装置15がゲート32の下流にあり、ゲート32を通過した遊技球が可変入賞球装置15が開放状態となったときに第2始動入賞口13bに入賞可能な例について説明した。ここで、可変表示装置15がゲート32の下流ではなく、上流に位置する場合の可変入賞球装置15の開放制御について説明する。図80(a)に示すように、可変入賞球装置15’がゲート32’の上流に設けられている。可変入賞球装置15’は、ソレノイド16cによる可動翼片の傾動制御によって閉状態と開放状態が切り替えられる。このような構成とした場合、左遊技領域7Aに向けて左打ちされた遊技球は可変入賞球装置15’が開放状態に制御されている状態では、第2始動入賞口13cに入賞し易い。第2始動入賞口13cに入賞した遊技球は、第2始動口スイッチ15cによって検出される。また、可変入賞球装置15’に入賞しなかった遊技球は、図示しない遊技釘や演出表示装置9の枠等によって誘導され、可変入賞球装置15’の左下方に設けられているゲート32’を高い割合で通過する。ゲート32’を通過した遊技球はゲートスイッチ32cにより検出される。
ここで、図81に示す例では、第1の遊技球がゲート32’を通過したことに伴い、普通図柄の可変表示が開始され、表示結果が当りとなって可変入賞球装置15が開放状態となるまでの期間((1)から(4)までの期間)をt1としている。そして、普通図柄の可変表示が開始され、表示結果が当りとなって可変入賞球装置15が開放状態となって、その開放状態が終了するまでの期間((1)から(5)までの期間)をt2としている。そして第1の遊技球がゲート32’を通過してから、その第1遊技球の発射直後(本例では0.6秒後)に発射された第2の遊技球が可変入賞球装置15に到達するまでの期間をT2としている。ここでt1は、T2よりも短くなるように設定され、t2は、T2よりも長くなるように設定されている。
即ち、t1<T2<t2となるように、可変入賞球装置15の開放制御を行う事で、図80(a)及び(b)に示すように、第1の遊技球がゲート32’を通過したことに基づいて、普通図柄の可変表示が開始され、表示結果が当りとなって可変入賞球装置15が開放状態となったときに第2の遊技球が第2始動入賞口13cに入賞しうるタイミング制御を実行している。このようなタイミング制御を実行することで、第2の遊技球が可変入賞球装置15に到達したときに未だ開放状態となっていない(即ちT2<t1)、あるいは既に開放状態が完了している(即ちT2>t2)ことを防止して、可変入賞球装置15’への入賞率を高めるようにしている。
この変形例において、第1の遊技球が可変入賞球装置15’に入賞せずに当該可変入賞球装置15’からゲート32’に到達するまでの時間と、上記時間t1との和は、遊技媒体の発射間隔である0.6秒と同一又は該発射間隔よりも短くなるように設定すると良い。このようにすることで、可変入賞球装置15’が閉状態にある場合に、第1の遊技球がゲート32’を通過したことに基づいて、普通図柄の可変表示が開始され、表示結果が当りとなって可変入賞球装置15が開放状態となったときに第2の遊技球が第2始動入賞口13cに入賞しうる。例えば、、第1の遊技球が可変入賞球装置15’に入賞せずに当該可変入賞球装置15’からゲート32’に到達するまでの時間が0.2秒であるときには、t1を0.4秒程度又はこれ以下となるように設定すると良い。
この変形例や上記実施形態では、t2を、普通図柄の可変表示を開始して可変入賞球装置15,15’が開放状態に制御されてから開放状態が終了するまでのの期間としたが、高ベース状態において普通図柄の表示結果が当りとなったときに可変入賞球15,15’の開放回数が高められるようにした場合には、普通図柄の可変表示を開始してから可変入賞球装置15,15’の最初の開放が開始されるまでの期間をt1とし、普通図柄の可変表示を開始してから可変入賞球15,15’の最後の開放が終了するまでの期間をt2として規定すると良い。このように規定することでゲート32を通過した遊技球が可変入賞球装置15に入賞すうる確率が高まり、第2の遊技球が可変入賞球装置15’に入賞する確率が高まる。
上記の実施形態では第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの双方が、第1表示部(LED403,405)と第2表示部(7セグメントLED404,406)により構成される例について説明したが、高ベース状態では右打ちが実行されて、第2始動入賞口13bに始動入賞するようになるため、第2特別図柄表示器8bについてのみ、第1表示部(LED405)と第2表示部(7セグメントLED406)により構成されるようにしても良い。同様に、第4図柄表示領域についても、第2特別図柄の変動に対応する第4図柄表示領域のみ、第1表示部(9c)と第2表示部(9d)から構成されるようにしても良い。
上記の実施形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおいて、特別図柄の可変表示中は、LED403,405が点滅する例について説明したが、これに限らず、7セグメントLED404、406とは別の7セグメントLEDを設けておき、可変表示中はその7セグメントLEDの各セグメントをリレー式に点灯するようにしても良い。また、小数点付きの7セグメントLEDによって第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bを構成するようにして、可変表示中は小数点部分(DP)を点滅状態とし、表示結果の導出表示期間は、表示結果に応じて7セグメント部分の所定セグメント(例えば大当りであれば9、はずれであれば−を構成するセグメント)を点灯させるようにしても良い。このようにすることで、可変表示部と停止図柄表示部で複数の部品を組み合わせる必要がなく、構成及び制御が簡素化される。
上記の実施形態では、普通図柄表示器10において、普通図柄の可変表示中は、LED401が点滅する例について説明したが、これに限らず、7セグメントLEDを設けておき、可変表示中はその7セグメントLEDの各セグメントをリレー式に点灯するようにしても良い。また、表示結果をLEDの点灯(当りの場合)又は消灯(はずれの場合)によって示さずに、当りのときには赤色LEDを点灯させ、はずれのときには青色LEDを点灯させるようにしても良い。
上記の実施形態では、「射撃」態様の先読み予告演出において、変動毎に弾痕がターゲット1500の中心位置に近づき、最終的にターゲット1500の中心に弾痕が表示されると大当りとなる例について説明したが、これに限らず、例えば、水平方向に平行な大当りラインを表示するようにして、変動毎に大当りラインに近づくように弾痕が表示され、最終的に大当りラインを超えた位置に弾痕が表示されれば大当り、大当りラインを超えなければはずれとなるような演出を実行するようにしても良い。また、例えば、弾痕によって絵を描くようにして、最終的に絵が完成する(例えば星印になる)と大当りとなり、完成しなければはずれとなるような演出を実行しても良い。