以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
該遊技領域7には、中央に設けられる演出表示装置9の天辺からみて、左側の左遊技領域7A(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域7B(第2遊技領域)とがある。第1遊技領域である左遊技領域7Aと、第2遊技領域である右遊技領域7Bは、たとえば遊技領域7内における演出表示装置9の端面や遊技釘の配列などにより区分けされていればよい。打球発射装置から発射されて遊技領域7に打ち込まれた遊技球は、左遊技領域7Aへと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、右遊技領域7Bへと誘導不可能または誘導困難となり、また右遊技領域7Bへと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、左遊技領域7Aへと誘導不可能または誘導困難となる。
左遊技領域7Aには、演出表示装置9の下方に、第1始動入賞口13aが設けられている。右遊技領域7Bには、演出表示装置9の右側にゲート32,第2始動入賞口13bを有する可変入賞球装置15が設けられ、演出表示装置9の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。
ここで、第1始動入賞口13aは、演出表示装置9の直下に設けられているが、左遊技領域7Aを狙って遊技球を打ち込む左打ちを行なった場合に遊技球が入賞し易く、右遊技領域7Bを狙って遊技球を打ち込む右打ちを行なった場合には、遊技球の流下経路上に設けられる遊技釘の配置によって遊技球が入賞し難くなっているため、左遊技領域7Aに属する。また、第2始動入賞口13bを有する可変入賞球装置15は、第1始動入賞口13aの下方に設けられているが、遊技者が右打ちを行なうことで、遊技球がゲート32を通過し、可変入賞球装置15が開放状態となり、第2始動入賞口13bに遊技球が入賞することを期待できる。また、可変入賞球装置15は、ソレノイド16が励磁されることにより左右一対の可動翼片が開放して遊技球が入賞しやすい開放状態(第1の状態)となり、ソレノイド16が励磁されていないときに両可動翼片が閉じて遊技球が入賞しない閉成状態(第2の状態)となる。可変入賞球装置15が開放状態のときに、より多くの遊技球が第2始動入賞口13bに入賞することができるように誘導部材39a〜39cを配置してある。そのため、第2始動入賞口13bを有する可変入賞球装置15は右遊技領域7Bに属する。なお、可変入賞球装置15は、可動翼片の傾動制御によって開放状態となるが、閉成状態(第2の状態)においては閉じた両可動翼片の可変入賞装置の上部にリブが設けられており遊技球が両可動翼片とリブとにはじかれて第2始動入賞口13bに入賞できない状態となっている。なお、可変入賞球装置15が第2の状態は、遊技球が入賞可能ではあるが入賞困難な状態であってもよい。また、大当り遊技状態中は、特別可変入賞球装置20が開放される。
遊技者は、通常状態では、特別可変入賞球装置20が開放されず、ゲート32に遊技球を通過させても可変入賞球装置15が高頻度では開放されないため、左遊技領域7Aを狙って遊技球を打ち込む左打ちを行ない、該遊技球を第1始動入賞口13aに入賞させる。高ベース状態(本例では高確率状態でもある)では、ゲート32に遊技球を通過させると可変入賞球装置15が高頻度で開放されるため、右遊技領域7Bを狙って遊技球を打ち込む右打ちを行ない、該遊技球を第2始動入賞口13bに入賞させる。大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置20が開放されるため、右遊技領域7Bを狙って遊技球を打ち込む右打ちでも、左遊技領域7Aを狙って遊技球を打ち込む左打ちでもよく、該遊技球を特別可変入賞球装置20に入賞させる。
この可変入賞球装置15への入賞に伴う賞球(景品玉)の払出個数は、1個等の極めて少数個に設定されている。こうすることにより、開放状態中の可変入賞球装置15に極めて頻繁に玉が入賞可能となるように盤面設計(誘導部材39a〜39cの配置や釘調整を含む)したとしても賞球(景品玉)の払出個数が多くなりすぎることを防止でき、遊技場の収支の悪化を招くことなく開放状態中の可変入賞球装置15への入賞頻度を大幅に向上させることができる。つまり、大当りが終了して高ベース状態などの所定条件が成立したことに応じて、遊技領域7に発射された略全ての遊技球が可変入賞球装置15を通過可能となるように、可変入賞球装置15を開放状態となる頻度が高くなるように制御することができる。ここで、略全ての遊技球が可変入賞球装置15を通過可能な構成とは、遊技領域7に発射された全ての遊技球が可変入賞球装置15に通過可能な盤面設計した構成や、遊技領域7に発射された遊技球の8割〜9割程度、可変入賞球装置15に通過可能な盤面設計した構成などとする。また、略全ての遊技球が可変入賞球装置15を通過可能な構成は、遊技者の技量によって可変入賞球装置15に通過可能な遊技球の割合が変化する構成としても、遊技者の技量によらず可変入賞球装置15に通過可能な遊技球の割合が変化しない構成としてもよい。遊技者の技量によらない構成とは、たとえば、特定の打ち方した時に全ての遊技球が可変入賞球装置15を通過するような盤面設計した構成などである。なお、可変入賞球装置15を通過する割合が低い場合は、可変入賞球装置15への入賞に伴う賞球の払出個数を、2個等の少数個に設定してもよい。
一方、開放状態中の可変入賞球装置15への入賞頻度を大幅に向上させた場合には、入賞に伴い第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示が実行されるが、この可変表示の変動期間が長いとすぐに保留記憶が上限(4個)に達し、以降せっかく可変入賞球装置15へ入賞しても可変表示されない無駄な事態が生じる。そこで、後述するように、高ベース時(時短時)には可変入賞球装置15への入賞に伴う可変表示時間を超短縮の変動パターン(特別図柄の変動時間が0.20秒)にし、前述の無駄な事態が生じる不都合を防止している。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行なう演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行なう可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。演出制御用マイクロコンピュータ100が、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行なわれる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行なう。
なお、本実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行なう場合を示しているが、演出表示装置9で行なわれる演出は、本実施の形態で示したものにかぎらず、たとえば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。たとえば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行なうとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行ない、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行なうようにしてもよい。また、たとえば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
遊技盤6における右側下部位置には、識別情報としての第1特別図柄の可変表示および停止図柄の導出表示を行なう第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aと、第2特別図柄の可変表示および停止図柄の導出表示を行なう第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。本実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、第1特別図柄の可変表示を行なう第1表示部としてのLED403と、0〜9の数字を表示可能であり、停止図柄の導出表示(停止表示)を行なう第2表示部としての7セグメントLED404により構成される。第1特別図柄表示器8aでは、可変表示中にLED403が所定の時間間隔で点灯と消灯を繰り返す点滅状態を継続し、変動停止中はLED403が消灯状態となり、表示結果に応じて7セグメントLED404を構成するLEDのうちの所定のLED(セグメント)が点灯状態となる。
第1特別図柄表示器8aの右上位置には、第2特別図柄表示器8bが設けられている。本実施の形態では、第2特別図柄表示器8bは、第2特別図柄の可変表示を行なう第1表示部としてのLED405と、0〜9の数字を表示可能であり、停止図柄の導出表示(停止表示)を行なう第2表示部としての7セグメントLED406により構成される。第2特別図柄表示器8bでは、可変表示中にLED405が所定の時間間隔で点灯と消灯を繰り返す点滅状態を継続し、変動停止中はLED405が消灯状態となり、表示結果に応じて7セグメントLED406を構成するLEDのうちの所定のLED(セグメント)が点灯状態となる。
また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8b各々の第2表示部に停止表示される第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第2表示部は、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、本実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13aまたは第2始動入賞口13bを通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。本実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、本実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。たとえば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行なうことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ15a、カウントスイッチ23a、および各入賞口スイッチ30a,30bからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および特別可変入賞球装置20の開閉板を開閉するソレノイド21aを遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560から与えられるデータに従って、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
本実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行なう。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤の枠側に設けられている天枠LED28a、左枠LED28b、および右枠LED28cの表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。本実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
本実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを、フレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材78を動作させるためにモータ86を駆動する。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート107を介して、遊技者による操作ボタン120の押圧操作に応じて操作ボタン120からの信号を入力する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDやランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDやランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLED/ランプドライバ352に入力される。LED/ランプドライバ352は、LEDやランプを駆動する信号にもとづいて天枠LED28a、左枠LED28b、および右枠LED28cなどの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LEDなどに電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。なお、音声合成用IC703には、音声の再生チャンネルとして8チャンネルが設けられ、独立した8フレーズの同時再生が可能である(図37等参照)。
[メイン処理]
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下単にSと記載する)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行なった後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(S10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行なう(S8)。本実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行なう。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、高確率フラグ、高ベースフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(15R大当りA、15R大当りB、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(S44)。そして、S14に移行する。なお、S44において、CPU56は、たとえば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図13参照)も送信するようにしてもよい。
なお、本実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、S44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、本実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、本実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(S13)。たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なう。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、たとえば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行なう。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値としてたとえば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。本実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。本実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。本実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、本実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は、超短縮変動で大当りとなる場合(変動パターンとして超短縮PX1−2が選択される場合)を除いて常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行なうことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
[タイマ割込処理]
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ15a、カウントスイッチ23a、および入賞口スイッチ30a,30bの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ15a、カウントスイッチ23a、および入賞口スイッチ30a,30bの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ15a、カウントスイッチ23a、および入賞口スイッチ30a,30bのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
本実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。CPU56は、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.1秒ごとに表示状態(LED401の点灯および消灯)を切替えるような速度であれば、0.1秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「点灯」を示す1と「消灯」を示す0)を切替え。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、本実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、本実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「非リーチ」(「非リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
本実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
本実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチおよび超短縮の複数の変動パターンが用意されている。
ここで超短縮の変動パターンは、「非リーチはずれ」の可変表示態様の中でも、特別図柄の変動時間が0.20秒と最短である。このような演出図柄の可変表示態様を、「超短縮変動はずれ」の可変表示態様という場合がある。この超短縮ハズレの変動パターンは高ベース状態においてのみ選択される。
また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンも複数用意されている。
また、本実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマル、スーパー、および超短縮の複数の変動パターンが用意されている。
ここで超短縮の変動パターンは、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄になる変動パターンの中でも、特別図柄の変動時間が0.20秒と最短である。このような演出図柄の可変表示態様を、「超短縮変動大当り」の可変表示態様という場合がある。この超短縮変動大当りの変動パターンは高ベース状態(普通図柄確変状態、普通図柄時短状態、開放延長状態のうち少なくとも1つの状態、または複数の状態を組合せてもよい)においてのみ選択される。
図6は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、本実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4、および超短縮PX1−1の変動パターンが用意されている。
ここで超短縮PX1−1の変動パターンは、「非リーチはずれ」の可変表示態様の中でも、特別図柄の変動時間が0.20秒と最短である。このような演出図柄の可変表示態様を、「超短縮変動はずれ」の可変表示態様という場合がある。この超短縮ハズレの変動パターンは高ベース状態においてのみ選択される。
また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図6に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行なわれる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行なわれる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行なわれる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図6に示すように、本実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、および超短縮PX1−2の変動パターンが用意されている。
ここで超短縮PX1−2の変動パターンは、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄になる変動パターンの中でも、特別図柄の変動時間が0.20秒と最短である。このような演出図柄の可変表示態様を、「超短縮変動大当り」の可変表示態様という場合がある。この超短縮変動大当りの変動パターンは高ベース状態においてのみ選択される。
なお、図6に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行なわれる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行なわれる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行なわれる。
なお、本実施の形態では、図6に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(たとえば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、たとえば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。たとえば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、たとえば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行なう場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行なう場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2整保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(たとえば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、15R大当りA、15R大当りBの種別)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
本実施の形態では、前述したように、特定遊技状態である大当りとして、15R大当りA、および15R大当りBという複数の種別が含まれている。従って、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。15R大当りAは、15ラウンドの大当りが終了後に確率変動状態(確変状態)および高ベース状態となり、その確変状態および高ベース状態が次回の大当りの発生まで継続する大当りである。15R大当りBは、15ラウンドの大当りが終了後に確率変動状態にはならないが高ベース状態となり、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間、高ベース状態が継続する。
本実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、本実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。たとえば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、たとえば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、たとえば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
図5に示された遊技制御処理における判定用乱数更新処理S23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(ランダム1)の大当り種別判定用乱数、および(ランダム4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、本実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルは、判定用データ記憶手段の一例であって、保留記憶手段(図16に示す第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファ)に記憶している保留記憶に対する数値データが大当りに制御することを示す数値データであるか否かの判定用データとして、通常状態(非確変時)において判定するための通常時判定用データ(通常時大当り判定値)と、高確率状態(確変状態)において判定するための高確率時判定用データ(確変時大当り判定値)とを記憶するものであり、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。
大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図8(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
ここで確変時大当り判定値は、通常時大当り判定値を含まないので、通常時大当り判定値に合致するランダムR(例えば1020)は確変時大当り判定値には合致せず、また確変時大当り判定値に合致するランダムR(例えば2020)は通常時大当り判定値には合致しない。従って、遊技状態が変化すると、通常状態では大当りであったものが確変状態でははずれとなり、また確変状態では大当りであったものが通常状態でははずれとなって、仮に先読み予告を行なうと矛盾が生ずる。そのため、本発明では、大当りの保留記憶が記憶されてから当該大当りの終了後の遊技状態が通常状態または確変状態に制御されることが確定するまでは、先読み予告の実行を制限(本例では禁止)して、遊技者に不確定な情報を予告するおそれを無くしているのである。図8(A)に示すように、確変時の大当り判定値が通常時の大当り判定値を含まない例に限らず、図8(A’)に示すように、確変時の大当り判定値が通常時の大当り判定値を含むものであっても良い。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(15R大当りA,15R大当りB)にすることに決定する。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図8(B)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131aを示す説明図である。図8(B)は、遊技球が第1始動入賞口13aまたは第2始動入賞口13bに入賞したことにもとづく保留記憶を用いて第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の開始時に大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1・第2特別図柄用)131aである。
大当り種別判定テーブル131aは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「15R大当りA」、「15R大当りB」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお大当り遊技において実行されるラウンド数は15ラウンドには限られず、他のラウンド数であっても良い。また大当りの種類も2種類には限られず、3種類以上であっても良い。
図9は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bは、通常状態において可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
たとえば、大当り種別が「15R大当りB」である場合に用いられる図9(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が「15R大当りA」である場合に用いられる図9(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bとで、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。よって、通常状態において大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
なお、図9(A)(B)に示すように、本実施の形態では、通常状態において「15R大当りA」または「15R大当りB」である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が150〜251であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、スーパーリーチ大当りについて、擬似連を伴う変動パターン種別(スーパーPA3−3、スーパーPA3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)と、擬似連を伴わない変動パターン種別(スーパーPB3−3、スーパーPB3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)とに分けてもよい。この場合、通常状態において選択される15R大当りB用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aおよび15R大当りA用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bの両方において、スーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)かつ擬似連を伴う変動パターン種別と、スーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)かつ擬似連を伴わない変動パターン種別とが割り当てられることになる。
図9(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cは、高ベース状態において可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。
大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、超短縮CA3−6の変動パターン種別に対応する判定値が設定されている。後述するように、超短縮CA3−6の変動パターン種別には、超短縮変動大当りの可変表示態様である超短縮PX1−2の変動パターンが割り当てられている。そのため本実施形態においては、高ベース状態において一定の割合で極めて短い変動時間(0.2秒)で大当り図柄が導出表示される。
図10は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A、135Bを示す説明図である。このうち、図10(A)は、遊技状態が通常状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aを示している。また、図10(B)は、遊技状態が高ベース状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bを示している。
はずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択されると、超短縮CA2−9が割り当てられている。後述するように、超短縮CA2−9の変動パターン種別には、超短縮変動はずれの可変表示態様である超短縮PX1−1の変動パターンが割り当てられている。そのため本実施形態においては、高ベース状態において比較的高い割合で極めて短い変動時間(0.2秒)ではずれ図柄が導出表示される。
はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A、135Bは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
また、図10(B)に示す例では、合算保留記憶数にかかわらず共通の高ベース用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bを用いる場合を示しているが、高ベース用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
なお、はずれ変動パターン種別判定テーブルは、本実施の形態で示したものにかぎられない。たとえば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、たとえば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。たとえば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、合算保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備える場合ではなく、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備えるようにしてもよい。たとえば、第1特別図柄の変動表示を行なう場合には、第1保留記憶数の値ごとに別々に用意されたはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい(すなわち、第1保留記憶数0個用、第1保留記憶数1個用、第1保留記憶数2個用、第1保留記憶数3個用、第1保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、たとえば、第1保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。たとえば、第1保留記憶数0〜2用、第1保留記憶数3用、第1保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数が多い場合(例えば3以上)には、変動時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別が選択されやすいように構成すればよい。また、このような場合であっても、特定の可変表示パターンとしてのスーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別に対して共通の判定値を割り当てるように構成すればよい。
なお、「特定の演出態様」とは、スーパーリーチを伴う変動パターンなど、少なくとも大当りに対する期待度が高く設定され、遊技者に大当りに対する期待感を抱かせることができる変動パターン種別、変動パターンのことである。また、「大当りに対する期待度(信頼度)」とは、その特定の演出態様による可変表示(例えば、スーパーリーチを伴う変動表示)が実行された場合に大当りが出現する出現率(確率)を示している。たとえば、スーパーリーチを伴う変動表示が実行される場合の大当り期待度は、(大当りと決定されている場合にスーパーリーチが実行される割合)/(大当りと決定されている場合およびハズレと決定されている場合の両方にスーパーリーチが実行される割合)を計算することによって求められる。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−2、ノーマルCA2−4、ノーマルCA2−5、スーパーCA2−7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図10(A)に示すように、本実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、スーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、図10(A)に示すように、本実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜79であれば、リーチを伴わない(擬似連や滑り演出などの特定演出も伴わない)通常変動の変動表示が実行されることがわかる。
なお、本実施の形態では、図9および図10に示すように、現在の遊技状態が通常状態であるか高ベース状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン種別判定テーブルおよびはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示したが、現在の遊技状態にかかわらず、共通の大当り用変動パターン種別判定テーブルおよびはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしても良い。
図11は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137Aを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137Aは、可変表示結果を「大当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。当り変動パターン判定テーブル137Aは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図11に示す例では、変動パターン種別として、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う(スーパーリーチA、スーパーリーチBとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3と、超短縮変動(超短縮PX1−2)を伴う変動パターン種別である超短縮CA3−6に種別分けされている場合が示されている。なお、本例では、超短縮CA3−6は高ベース状態の場合にのみ選択される変動パターン種別である。
図12は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。なお、本例では、超短縮CA2−9は高ベース状態の場合にのみ選択される変動パターン種別である。
[演出制御コマンド]
図13は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C03(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C03(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第1,第2特別図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。コマンド9200(H)には、遊技機に対する電力供給が停止したときに高ベース状態であった場合、当該高ベース状態となる残りの変動回数の情報(制御期間を特定可能な情報)が含まれる。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、停電時、遊技状態が高ベース状態であった場合、当該高ベース状態となる残りの変動回数の情報(制御期間を特定可能な情報)を含めたバックアップデータをバックアップRAMに保存する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。たとえば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。たとえば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短(高ベース)状態であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変(高確率)状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数が「XX」で示す数になったことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数が「XX」で示す数になったことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。なお、本実施の形態では、第1保留記憶および第2保留記憶のうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するように構成してもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図13に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
本実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図13に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行なう演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
[タイマ割込処理−特別図柄プロセス処理]
図14は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13aに遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13aへの始動入賞が発生していたら、または、第2始動入賞口13bに遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ15aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口13bへの始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。そして、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ15aがオンしていなければ、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行ない、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間(確定時間を除く)が経過(S301でセットされる変動時間タイマ(確定時間を除く変動時間を計測するためのタイマ)がタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行ない、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、本実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図30参照)、S22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、本実施形態においては、特別図柄の変動停止時間(図柄確定停止時間、確定時間)として通常時1.2秒、または高ベース時0.6秒となるように設定されていることから、特別図柄プロセスフラグの値が「4」に更新された後、通常時1.2秒、または高ベース時0.6秒を経過したことが確認してから特別図柄プロセスフラグの値を「5」または「0」に更新するようにすると良い。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21aを駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なうとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。たとえば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なうとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、高確率フラグや高ベースフラグ)をセットする処理を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
[特別図柄プロセス処理−始動口スイッチ通過処理]
図15は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。CPU56は、第1始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(S211)。第1始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S213)。
ここで、遊技制御用マイクロコンピュータ560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶情報)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。図12は、遊技制御用マイクロコンピュータ560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶情報)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。
図16に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560側において、第1保留記憶手段としての第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶手段としての第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)等のデータが記憶される。
このような第1保留記憶バッファにおいては、第1始動入賞口13aへの始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データが記憶される。第2保留記憶バッファにおいては、第2始動入賞口13bへの始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データに対応する判定結果保留記憶データが記憶される。
次に、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S214)。具体的に、S214の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が保存(格納)される。以下の保留記憶に関する説明に関しては、このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。
次いで、CPU56は、第1始動入賞時の演出処理を行なう(S215)。そして、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S216)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S28)において演出制御コマンドを送信する。
S211で第1始動口スイッチ14aがオン状態でないと判定された場合、S212で第1保留記憶数が上限値に達していると判定された場合、または、S216で第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なった後に、CPU56は、第2始動口スイッチ15aがオンしたか否かを確認する(S221)。第2始動口スイッチ15aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S222)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S223)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S224)。
次いで、CPU56は、第2始動入賞時の演出処理を行なう(S225)。そして、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行ない(S226)処理を終了する。
[特別図柄プロセス処理−特別図柄通常処理]
図17は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合(S51:N)には、処理をスキップする。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、第2保留記憶バッファの方に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。つまり、第2特別図柄の変動表示を開始するための第2の開始条件は、第1特別図柄の変動表示を開始するための第1の開始条件よりも優先的に成立する。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
RAM55に形成され合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S57)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13aを対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口13bを対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214や始動口スイッチ通過処理のS224で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61:Y)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、次回の大当りが決定されたという条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61:N)、後述するS75に進む。
S61において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図8(B)の第1・第2特別図柄用大当り種別判定用テーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」・「第2」を示している場合には、図8(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図8(B)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別をRAM55に設定した大当り種別バッファに記憶する(S74)。たとえば、大当り種別が「15R大当りA」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。大当り種別が「15R大当りB」の場合には、大当り種別データとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「7」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「15R大当りB」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定し、「15R大当りA」に決定した場合には「9」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、本実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、本実施の形態で示したものにかぎられない。たとえば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
[特別図柄プロセス処理−変動パターン設定処理]
図18は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。つまり、CPU56は、変動表示を特定の態様とするか否かを変動表示の開始前である変動パターン設定処理(S301)において決定する。ここで、特定の態様とは、変動結果である停止の態様や、変動表示の結果として大当りとなる組合せ、確変となる組合せ、出球が多く得られる当りとなる組合せなどを導出する状態、リーチ演出や擬似連などの変動パターンである変動表示に行なわれる態様を含んでいる。
変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合は、大当りとすることが決定されているときであり、CPU56は、S74で記憶された大当り種別情報に応じて、変動パターン種別を決定するために使用するテーブルとして、図9に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cのうちいずれかを選択する。
S91で大当りフラグがセットされているときは、時短フラグがセットされているか否かを確認する(S92)。時短フラグがセットされているときは、図9(C)の大当り用変動パターン種別判定テーブル132C(時短大当り時判定テーブル)を選択し(S96)、S114に進む。時短フラグがセットされていないときは、S74で記憶された大当り種別データに基づいて、大当りが15R大当りAであるか否かを確認する(S94)。15R大当りAであるときは、図9(B)の大当り用変動パターン種別判定テーブル132B(15R大当りA時判定テーブル)を選択し(S98)、S114に進む。一方、S94で15R大当りAでないとき、すなわち、消去法的に15R大当りBであるときは、図9(b)の大当り用変動パターン種別判定テーブル132A(15R大当り時B判定テーブル)を選択し(S95)、S114に進む。
また、S91で大当りフラグがセットされていないとき、すなわち、はずれのときは、時短フラグがセットされているか否かを確認する(S100)。時短フラグがセットされていないときは、図10(A)のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(通常はずれ時判定テーブル)を選択し(S103)、S114に進む。
また、S100で時短フラグがセットされているときは、図10(B)のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(時短はずれ時判定テーブル)を選択し(S105)、S114に進む。
これにより、変動表示を行なう前には、遊技状態に応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、前述したような判定テーブルの選択条件に基づいて、図9および図10に示される判定テーブルのうちいずれかが変動パターンテーブルとして選択される。
次いで、S114において、CPU56は、今回の変動表示に対応する保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読出し、S95,S96,S98,S103またはS105の処理で選択した判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブル部のデータを参照することによって、ランダム2の値に応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S114)。
次いで、CPU56は、今回の変動表示に対応する保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読出し、S95,S96,S98,S103またはS105の処理で選択した判定テーブルにおいて、変動パターン判定テーブル部におけるS114で決定した変動パターン種別に対応するデータを参照し、ランダム3の値に応じて、図11に示す当り変動パターン判定テーブル137Aおよび図12に示すはずれ変動パターン判定テーブル138Aから変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S115)。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S116)。
また、特別図柄の変動を開始する(S117)。たとえば、S32の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットすることにより、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて、前述のように変動表示を開始させる。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示を開始させる。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S118)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S119)。
前述した表示結果指定コマンド送信処理(S302)においては、CPU56が、決定されている大当りの種類、または、はずれに応じて、表示結果を指定する表示結果1指定〜表示結果3指定コマンドのいずれかの演出制御コマンド(図13参照)を送信する制御を行なう。
また、前述した特別図柄変動中処理(S303)においては、CPU56は、変動時間タイマを1減算し、変動時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新し、特別図柄停止処理に進む。
[特別図柄プロセス処理−特別図柄停止処理]
図19は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。
特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動表示を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する図柄確定指定コマンドをセットする(S132)。これにより、図柄確定指定コマンドが図9のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、S139に移行する(S133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグのうちセットされているフラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に、決定された当りの種別に応じて、大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンド、または、大当り開始3指定コマンドのいずれかのコマンド(大当り開始指定コマンド)をセットする(S135)。なお、15R大当りBが変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件のみである場合、高ベース状態が次の大当り時にリセットされずに、S134において変動表示が100回実行されていることを条件に時短フラグをリセットする構成でもよい。
これにより、セットされた大当り開始指定コマンドが図5のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。具体的には、大当りの種別が15R大当りAである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が15R大当りBである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別がいずれの種別に該当するかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、大入賞口制御タイマに、大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S136)。以降、大入賞口開放前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放されてラウンドが開始される。
また、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、前述したROM54に記憶されている開放パターンデータを参照し、開放回数(たとえば、15回または2回)、開放時間(たとえば、29秒または0.5秒)、ラウンド間のインターバル時間(たとえば、5秒または0.5秒)等の開放態様を示すデータを所定の記憶領域にセットする(S137)。このようなデータのうち、開放回数のデータは、開放回数を計数するための開放回数カウンタにセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S138)。
また、前述のS133で大当りフラグがセットされていない場合に、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(S139)。S139で時短フラグがセットされていないときは、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S152)、処理を終了する。
一方、S139で時短フラグがセットされているときに、CPU56は、時短状態となる大当り遊技状態(15R大当りB)の終了後の特別図柄の変動表示回数を計数する変動回数カウンタの値を−1する(S140)。変動回数カウンタは、後述するように、15R大当りBの大当り遊技状態の終了時の大当り終了処理(S307)において、時短状態の継続回数(100回)に対応する値にセットされ、変動表示が実行されるごとにS140で減算更新される。
時短状態(高ベース状態)となる大当り(15R大当りB)の大当り遊技状態終了後の時短状態(高ベース状態)は、変動表示が100回実行されるまで継続させる必要がある。これにより、大当り遊技状態終了後の変動表示回数が変動回数カウンタを用いて確認される。
そして、変動回数カウンタの値が0であるか否かを確認すること(S144)で、時短状態における100回の変動表示のうちの100回目の変動表示の終了時であるか否かを認識する。変動回数カウンタの値が0であるときには、時短状態を終了させる必要がある。まず、時短フラグをリセットする(S146)。これにより、遊技状態が、時短状態(高ベース状態)から、非時短状態(低ベース状態)に移行する。そして、このような状態(低ベース状態)に移行したことに応じて、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する通常状態指定コマンドをセットし(S147)、S152に進む。これにより、通常状態指定コマンドが図5のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。その後、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新(S152)し、処理を終了する。
変動表示の結果、大当りとなるときには、大入賞口開放前処理(S305)、大入賞口開放中処理(S306)、および、大当り終了処理(S307)が実行されることにより、大当り遊技状態に制御される。
[特別図柄プロセス処理−大当り終了処理]
図20は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了処理が実行される前にセットされた大入賞口制御タイマの値を1減算する(S150)。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了時間が経過したか否か確認する(S151)。経過していなければ処理を終了する。一方、経過していれば、大当りフラグをリセットする(S152)。
次に、終了する大当りの種別が、15R大当りAに該当するか否か確認する(S153)。S153においては、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて、大当りの種別が確認される。終了する大当りの種別が15R大当りAでないときは、消去法的に15R大当りBであり、前述のような高ベース状態の管理をするために、変動回数カウンタに「100(回)」をセットする(S156)。そして、大当り遊技状態の終了後に高ベース状態にするために、時短フラグをセットするために、S155に進む。
一方、終了する大当りの種別が15R大当りAであるときは、高確率状態および高ベース状態にするために、確変フラグをセットし(S154)、時短フラグをセット(S155)する。
そして、大当り遊技状態終了後の遊技状態を特定するために、確変状態指定コマンドを送信する(S157)とともに、時短状態指定コマンドを送信するための制御を行ない(S158)、S159に進む。S159では、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値に更新し(S159)、処理を終了する。
[普通図柄表示結果決定テーブル]
次に、普通図柄の表示結果を決定するために用いる普通図柄表示結果決定テーブルについて説明する。図21は、普通図柄表示結果決定テーブルを示す説明図である。普通図柄表示結果決定テーブルは、ROM54に記憶されている。
普通図柄表示結果決定テーブルにおいては、普通図柄当り判定用のランダム4(1〜201)の値(決定値)と、普通図柄の表示結果と、普通図柄の変動時間と、可変入賞球装置15(第2始動入賞口13b)の開放時間および開放回数との関係が、低ベース状態と、高ベース状態とに分けて示されている。
通常遊技状態のような低ベース状態において、決定値が1〜20のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果を当りとし、変動時間が10秒間に設定されるとともに、開放時間が0.3秒間で1回開放することに設定される。一方、低ベース状態のときにおいて、決定値が21〜201のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果をはずれとし、変動時間が10秒間に設定される。
また、15R大当りAおよび15R大当りBの大当り遊技状態終了後のような高ベース状態のときにおいて、決定値が1〜180のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果を当りとし、変動時間が1秒間に設定されるとともに、開放時間が1.5秒間で3回開放することに設定される。一方、高ベース状態のときにおいて、決定値が181〜201のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果をはずれとし、変動時間が1秒間に設定される。
このように、普通図柄の制御に関し、高ベース状態のときには、低ベース状態と比べて、決定値が当りとなる割合が高くなるように設定され、変動時間が短くなるように設定され、さらに、開放時間および開放回数が増加するように設定される。なお、なお、普通図柄表示結果決定テーブルは例示であり、変動時間、開放時間および開放回数の全てが制御される必要はなく、変動時間、開放時間および開放回数のうち少なくともいずれかを制御する構成であってもよい。
[タイマ割込処理−普通図柄プロセス処理]
図22は、図5のS27において実行される普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、ゲート32に設けられたゲートスイッチ32aからの検出信号がオン状態であるか否かをチェックすることにより、ゲート32を通過した遊技球が検出されたか否かの判定を行なう(S501)。S501により遊技球がゲート32を通過してゲートスイッチ32aからの検出信号が所定期間オン状態となった場合に、遊技球のゲート通過(通過球)の検出があったものと判断して、普図ゲート通過時処理を実行する(S502)。
S502において実行される普図ゲート通過時処理の一例として、以下のような処理が実行される。まず、RAM55の所定領域に設けられた普図保留記憶部に記憶されている普図保留記憶データの個数である普図保留記憶数が、所定の上限値(たとえば「4」)となっているか否かを判定する。普図保留記憶部は、ゲートスイッチ32aにより遊技球のゲート通過が検出されたときに抽出した普通図柄の表示結果決定用のランダム4の数値データを普図保留記憶データとして、最大限4つ保留記憶するデータ記憶領域を有する。この普図保留記憶部は、前述した第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファと同様に、普図保留記憶データを格納された順番を特定可能な状態で保存していき、順番に従って変動表示に使用された普図保留記憶データを消去し、残りの普図保留記憶データについてデータ記憶領域を1つずつシフトしていく構成となっている。
S502において、普図保留記憶数が上限値未満であるときには、CPU56が、ランダム4を示す数値データを抽出する。そして、抽出したランダム4の数値データを普図保留記憶データとして、普図保留記憶部でデータが記憶されずに空いているデータ記憶領域のうち先頭順番の領域にセットする。一方、普図保留記憶部において、普図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の遊技球の検出は無効として、ランダム4の数値データの新たな抽出および記憶は行なわない。
普図ゲート通過時処理を実行した後、および、S501でゲートスイッチ32aからの検出信号がオフ状態であると判定された後には、普通図柄プロセスフラグの値に応じて、以下のようなS510〜S514の各処理を実行する。
S510の普通図柄通常処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「0」のときに実行さる。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部に格納された普図保留記憶データの有無等に基づいて、普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示を開始するか否かの判定が行なわれる。このとき、たとえば普図保留記憶部に格納された普図保留記憶データがある場合には、普通図柄プロセスフラグの値を「1」に更新する。
S511の普通図柄判定処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。この普通図柄判定処理では、標準時短フラグまたは超時短フラグがセットされているか否かに基づいて、高ベース状態であるか否かを認識し、普図保留記憶部の先頭順番に格納された普図保留記憶データ(普通図柄の表示結果決定用のランダム4を示す数値データ)に基づき、図21に示す普通図柄表示結果決定テーブルを参照して、普通図柄の変動表示における表示結果を、「当り」とするか「はずれ」とするかの決定等が行なわれる。
前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、標準時短状態および超時短状態を含む時短状態に対応した高ベース状態である場合に、低ベース状態である場合よりも普通図柄の表示結果を「当り」とする決定がなされる割合が高くなるように、ランダム4と比較される決定値が割振られている。これにより、高ベース状態では、S511の普通図柄判定処理において、通常遊技状態と比べて普通図柄の表示結果が「当り」と判定されやすくなることで、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口13bが開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口13bに進入(始動入賞)しやすくなる。
また、普通図柄判定処理では、普通図柄表示結果決定テーブルを用いて、普通図柄の変動時間も決定される。前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、高ベース状態である場合に、低ベース状態である場合よりも普通図柄の変動時間が短くなるように設定されている。これにより、高ベース状態では、S511の普通図柄判定処理において、時短フラグがセットされているときに高ベース状態であると認識し、低ベース状態と比べて普通図柄の変動時間が短くなるように変動時間が決定される。高ベース状態では、普通図柄の変動表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「当り」の変動表示結果が導出表示される間隔も短くなり、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口13bが開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口13bに進入(始動入賞)しやすくなる。
さらに、普通図柄判定処理では、普通図柄表示結果決定テーブルを用いて、可変入賞球装置15(第2始動入賞口13b)の開放時間および開放回数も決定される。前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、時短フラグがセットされているときに高ベース状態であると認識し、高ベース状態である場合に、低ベース状態である場合よりも、可変入賞球装置15(第2始動入賞口13b)の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が多くなるように設定されている。従って、高ベース状態である場合に、低ベース状態である場合よりも、可変入賞球装置15(第2始動入賞口13b)の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が多くなるような制御が行なわれる。これにより、高ベース状態では、開放時間が長くなり、かつ、開放回数が多くなることで、可変入賞球装置15(第2始動入賞口13b)が開放状態となる時間および回数が増加し、遊技球が第2始動入賞口13bに進入(始動入賞)しやすくなる。
普通図柄判定処理では、このような各種判定がされた後、普通図柄プロセスフラグの値を「2」に更新する。
S512の普通図柄変動処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示において普通図柄を変動させるための設定が行なわれる。こうした設定に基づいて変動表示する普通図柄は、S513の普通図柄停止処理が実行されることにより、その変動表示が停止して普通図柄の表示結果となる普通図柄の表示結果が表示される。普通図柄変動処理では、普通図柄が変動表示を開始してからの経過時間が計測される。このときには、計測された経過時間が、普通図柄判定処理で決定された変動時間に達したか否かの判定が行なわれる。そして、決定された変動時間に達したときには、普通図柄プロセスフラグの値を「3」に更新する。
S513の普通図柄停止処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示を停止して表示結果を導出表示させるための設定が行なわれる。なお、普通図柄の表示結果を導出表示させるための設定は、S512の普通図柄変動処理において、計測された経過時間が決定された変動時間に達したときに、普通図柄プロセスフラグの値を「3」に更新する以前に行なわれるようにしてもよい。また、普通図柄停止処理では、普通図柄判定処理で決定された普通図柄の表示結果が「当り」である場合に、普通図柄判定処理で決定された開放時間および開放回数で可変入賞球装置15を開閉するようにソレノイド16を駆動する作動パターンの設定を行なってから、普通図柄プロセスフラグの値が「4」に更新される。一方、普通図柄判定処理で決定された普通図柄の表示結果が「はずれ」である場合には、普通図柄プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に更新する。
S514の普通電動役物作動処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普通図柄の変動表示における表示結果が「当り」となったことに対応して、可変入賞球装置15において可動片を開放状態に動作させることにより、第2始動入賞口13bを閉状態から開状態に変化させる制御が行なわれる。たとえば、普通電動役物作動処理では、S513の普通図柄停止処理においてセットされた作動パターンの設定に応じて、ソレノイド16を駆動するための駆動制御信号を生成することにより、可変入賞球装置15を、普通図柄判定処理で決定された開放時間および開放回数で開状態とする制御を行なう。これにより、図21に示すような遊技状態および表示結果に応じた動作パターンで可変入賞球装置15が開閉動作させられることとなる。そして、作動パターンの設定に応じたソレノイド16の駆動が終了すると、普通図柄プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に更新する。
[普通図柄表示器の態様]
図23は普通図柄の変動中(可変表示中)および変動停止時(停止図柄の導出表示時)における普通図柄表示器10の態様を示す図である。図23(a)に示すように、普通図柄の可変表示中は、LED401が所定のパターンで点滅し、このときLED402は消灯状態となっている。そして変動時間が経過すると、図23(b)に示すように、LED401が消灯状態となり、LED402が点灯状態(当りの場合)または消灯状態(はずれの場合)となることにより表示結果が導出表示される。
ここで、本実施形態では後述する高ベース状態(普通図柄時短状態)において、普通図柄の変動時間が0.2秒に短縮されることになる。このような普通図柄時短状態において、仮に本実施形態のような第1表示部(LED401)と第2表示部(LED402)の複数の表示部を有さず、1の表示部のみで普通図柄の可変表示と停止図柄の導出表示を行なおうとした場合、変動時間が極めて短いため、変動中であるかまたは停止図柄が表示されているのかを遊技者が把握することができない。たとえば1のLEDを用いて、点滅により可変表示を行ない、変動時間の終了後に停止図柄を導出表示(当りなら点灯、はずれなら消灯)するようにしても、当該LEDが可変表示中であるかまたは停止図柄が導出表示されているのかを遊技者が判別するのは極めて困難である。これに対して、本実施の形態では、可変表示が行なわれるLED401と、停止図柄の導出表示が行なわれるLED402を別表示部として分離しているので、可変表示が行なわれているのか、または、停止図柄の導出表示が行なわれているのかを遊技者が把握しやすい。
[可変入賞球装置の開放期間]
上記に示したように、本実施形態では、高ベース状態において、右遊技領域7Bに打ち込まれた遊技球の大半はゲート32を通過して、可変入賞球装置15に誘導されることになる。ここで、図50(a)に示すように、高ベース状態において遊技球がゲート32を通過して(1)、可変入賞球装置15に到達したときに(2)、当該ゲート32の通過に伴い開始された普通図柄の可変表示が未だ終了していない場合には、可変入賞球装置15の開放は開始されておらず、当該遊技球が第2始動入賞口13bに入賞しない。この例では、ゲート32を通過した遊技球が可変入賞球装置15を通過した後に、普通図柄の変動が停止し(3)、表示結果が当りとなったことに伴って可変入賞球装置15の開放が開始され(4)、所定期間経過後に可変入賞球装置15の開放が終了する(5)。また、仮に高ベース状態において遊技球がゲート32を通過して(1)、可変入賞球装置15に到達したときに(2)、当該ゲート32の通過に伴い開始された普通図柄の可変表示が既に終了していたとしても(仮に(3)のタイミングが(2)よりも早かったとしても)、可変入賞球装置15の開放が開始されていない場合には、当該遊技球が第2始動入賞口13bに入賞しない。
この図50の例において、遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達するまでの期間((1)から(2)までの期間)をT1とし、遊技球のゲート32の通過に伴って普通図柄の可変表示が開始されてから、表示結果が当りとなり可変入賞球装置15が開放状態となるまでの期間((1)から(4)までの期間)をt1とし、遊技球のゲート32の通過に伴って普通図柄の可変表示が開始されてから、表示結果が当りとなり可変入賞球装置15の開放状態が開始されて、その開放状態が終了するまでの期間((1)から(5)までの期間)をt2とする。このときT1<t1であるため、ゲート32を通過した遊技球が、そのまま第2始動入賞口13bには入賞しないことになる。
一方、図50(b)に示すように、高ベース状態において遊技球がゲート32を通過して(1)、可変入賞球装置15に到達したときに(2)、既に当該ゲート32の通過に伴い開始された普通図柄の可変表示が終了して(3)、表示結果が当りとなったことに基づく可変入賞球装置15の開放状態も終了していた場合(4)(5)には、当該遊技球が第2始動入賞口13bに入賞しない。このように、T1>t2である場合にも、ゲート32を通過した遊技球が、そのまま第2始動入賞口13bには入賞しないことになる。
ここで本実施形態では、第2始動入賞口13bに入賞した場合の賞球数を1としている。従って、ゲート32を通過した遊技球が、第2始動入賞口13bに入賞せずに、アウト口26に導かれる頻度が高くなると、本来なら遊技者にとって有利な高ベース状態中であっても遊技者の持玉数が減少してしまい、遊技の意欲が低下してしまうことにもなる。そこで本実施形態では、図5に示すように、遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達するまでの期間((1)から(2)までの期間)T1を、遊技球のゲート32の通過に伴って普通図柄の可変表示が開始されてから、表示結果が当りとなり可変入賞球装置15が開放状態となるまでの期間((1)から(4)までの期間)t1よりも長くし、且つ、遊技球のゲート32の通過に伴って普通図柄の可変表示が開始されてから、表示結果が当りとなり可変入賞球装置15の開放状態が開始されて、その開放状態が終了するまでの期間((1)から(5)までの期間)t2よりも短くなるように、高ベース状態における普通図柄の変動時間と可変入賞球装置15の開放時間を制御するようにしている。
即ち、t1<T1<t2とすることにより、ゲート32を通過した遊技球が、そのまま第2始動入賞口13bに入賞することを可能としている。このようにすることで、高ベース状態においてゲート32を通過したが第2始動入賞口13bに入賞せずにアウト口26に導かれて無駄になることを抑制し、遊技者が不利益になることを防止して遊技意欲を低下させないようにしている。
ここで本実施形態の遊技機では、図1に示すように、ゲート32から可変入賞球装置15までの間に遊技釘(たとえば誘導部材39aおよび39b上方の遊技釘や遊技釘40等)が多数配置されている。従って、遊技球の発射間隔が0.6秒と一定であっても、各遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達するまでの期間(T1)には、遊技球が遊技釘に衝突することによるばらつきが生じる。その結果、遊技球がゲート32を通過して、これに伴う可変入賞球装置15の開放期間中に第2始動入賞口13bに入賞するケース(t1<T1<t2のケース)と、遊技球がゲート32を通過したが、これに伴う可変入賞球装置15の開放開始前、または開放終了後に可変入賞球装置15に到達してしまうケース(t1>T1、又はT1>t2のケース)が生じる。後者のケースを極力抑制するために、遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達するまでの期間(T1)の平均値または中央値が、可変入賞球装置15の開放開始から開放終了までの中間時点(図5に示す(4)と(5)の中間時点)となるように、可変入賞球装置15を制御することが好ましい。具体的には、T1の平均値または中央値に、(t2−t1)/2が合致するように、可変入賞球装置15の開放開始(t1)のタイミングと、開放終了(t2)のタイミングを制御するようにすると良い。このようなタイミング制御を行なうことで、T1の平均値または中央値から離れたケースでも、ゲート32を通過したより多くの遊技球を第2始動入賞口13bに入賞させることができる。
また、本実施形態では、高ベース状態における普通図柄の可変表示時間を0.2秒としており、普通図柄の保留記憶数が0でない状態における停止図柄の表示期間(図柄確定停止時間)である0.5秒と合算すると0.7秒になる。即ち、高ベース状態では、概ね0.7秒周期で普通図柄の可変表示が実行されることになる。これに対して、遊技球の発射間隔は前述したように0.6秒であるから、概ね両期間は一致している。ここで本実施形態では、高ベース状態であっても、普通図柄の表示結果がはずれとなる確率が一定程度はある(2/13)。従って、仮に高ベース状態における普通図柄の変動時間を遊技球の発射間隔より明らかに長い時間(例えば2秒)に設定してしまうと、以下に示す問題が生じる。
まず、第1の遊技球の直後(0.6秒後)に第2の遊技球が発射されるとすると、第1の遊技球がゲート32を通過したことに基づく可変表示結果がはずれと導出表示された時点で、既に第2の遊技球がゲート32を通過してから一定時間が経過しており(このとき既に可変入賞球装置15を経過しているケースもある)、第2の遊技球のゲート通過に基づく可変表示結果が当りとなるとしても、これに伴う可変入賞球装置15の開放が開始された時点では、既に第2の遊技球が可変入賞球装置15を通過しているので、第2始動入賞口13bには入賞しない。しかし、本実施形態のように、普通図柄の変動が開始されてから(=遊技球がゲート32を通過してから)、表示結果が当りとなって可変入賞球装置15が開放状態となるまでの期間(=表示結果がはずれとなって次の可変表示が開始されるまでの期間)t1を、遊技球の発射間隔である0.6秒と概ね同一またはそれ以下とすることで、第1の遊技球のゲート通過後から概ね0.7秒後には第2の遊技球のゲート通過に基づく可変表示が開始され、その表示結果が当りとなった場合には、第2の遊技球が第2始動入賞口13bに入賞することが可能となる。
このようにt1を、遊技球の発射間隔である0.6秒と概ね同一またはそれ以下とすることで、高ベース状態においてゲート32を通過したが第2始動入賞口13bに入賞せずにアウト口26に導かれて無駄になることを抑制し、遊技者が不利益になることを防止して遊技意欲を低下させないようにしている。また、普通図柄の保留記憶の消化を高速にして、[保留記憶数が上限値(4)に達している状態で遊技球がゲート32を通過したため可変表示が実行されない]ケースが発生する頻度を抑制している。
[演出制御メイン]
次に、演出制御手段の動作を説明する。図25は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出図柄の大当り図柄決定用乱数および各種演出内容の選択決定用乱数等の各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。また、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。その後、S702に移行する。
[演出制御メイン−コマンド解析処理]
図26〜図29は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読出す(S612)。なお、読出したら読出ポインタの値を2加算(+2)しておく(S613)。2加算(+2)するのは2バイト(1コマンド)ずつ読出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(S617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果3指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(S618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(S620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(コマンドA001〜A003(H))であれば(S621)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(S622)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(S625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(S627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S628)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(S631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行なう(S632)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(S633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行なう(S634)。停電復旧指定コマンドに高ベース状態となる残りの変動回数の情報(制御期間を特定可能な情報)が含まれているか否かを確認する(S634A)。受信した停電復旧指定コマンドに残りの変動回数の情報が含まれている場合(S634A:Y)、高ベース状態が継続している期間に停電が発生して遊技が中断したので、停電復旧をして遊技の再開をするとき、遊技意欲を低下させないように残りの変動回数を変動回数カウンタにセットする(S634B)。パチンコ遊技機1は、残りの変動回数を変動回数カウンタにセットすることで、遊技の再開後、残りの変動回数、高ベース状態が継続される。残りの変動回数を変動回数カウンタにセット(S635B)した後、および受信した停電復旧指定コマンドに残りの変動回数の情報が含まれていない場合(S634A:N)、停電復旧フラグをセットする(S635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンド(コマンドA301〜A302(H))であれば(S641)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットして(S642)、処理を終了する。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(S655)、演出制御用CPU101は、受信した第1始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(S656)。ただし、最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に既に始動入賞指定コマンドや合算保留記憶数指定コマンドが格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で第1始動入賞指定コマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンドを取りこぼしてしまったことを意味する。その場合には、演出制御用CPU101は、受信した第1始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(S657)、演出制御用CPU101は、受信した第2始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(S658)。ただし、最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に既に始動入賞指定コマンドや合算保留記憶数指定コマンドが格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で第2始動入賞指定コマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンドを取りこぼしてしまったことを意味する。その場合には、演出制御用CPU101は、受信した第2始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数指定コマンドであれば(S659)、演出制御用CPU101は、受信した第1保留記憶数指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンド、および始動入賞指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(S660)。ただし、最新の図柄指定コマンドや始動入賞指定コマンドが格納されている格納領域に既に第1保留記憶数指定コマンドが格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で第1保留記憶数指定コマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンド、および始動入賞指定コマンドを全て取りこぼしてしまったことを意味する。その場合には、演出制御用CPU101は、受信した第1保留記憶数指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数指定コマンドであれば(S661)、演出制御用CPU101は、受信した第2保留記憶数指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンド、および始動入賞指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(S662)。ただし、最新の図柄指定コマンドや始動入賞指定コマンドが格納されている格納領域に既に第2保留記憶数指定コマンドが格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で第2保留記憶数指定コマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンド、および始動入賞指定コマンドを全て取りこぼしてしまったことを意味する。その場合には、演出制御用CPU101は、受信した第2保留記憶数指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(S663)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9にあらかじめ決められている客待ちデモ画面を表示する制御を行なう(S664)。なお、客待ちデモ指定コマンドを受信したことにもとづいて直ちに客待ちデモ画面を表示するのではなく、客待ちデモ指定コマンドを受信した後、所定期間(例えば、10秒)を経過してから客待ちデモ画面の表示を開始するようにしてもよい。
受信した演出制御コマンドが通常状態指定コマンドであれば(S666)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する画面を通常状態に応じた画面とする(S667)。また、演出制御用CPU101は、遊技状態が高確率状態であることを示す確変状態フラグや、遊技状態が時短状態であることを示す時短状態フラグがセットされていれば、当該フラグをリセットする(S668)。
また、受信した演出制御コマンドが時短状態指定コマンドであれば(S669)、演出表示装置9に表示する画面を時短状態に応じた画面とする(S670)。また、演出制御用CPU101は、時短状態フラグをセットする(S671)。さらに、受信した演出制御コマンドが確変状態指定コマンドであれば(S672)、演出表示装置9に表示する画面を確変状態に応じた画面とする(S673)。また、演出制御用CPU101は、確変状態フラグをセットする(S674)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(S678)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをセットする(S679)。また、演出制御用CPU101は、受信した大入賞口開放中指定コマンドを、RAMに形成されている大入賞口開放中指定コマンド格納領域に格納する(S680)。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中指定コマンド格納領域に格納された大入賞口開放中指定コマンドを確認することによって、大当り遊技中の何ラウンド目であるかを認識することができる。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(S681)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをセットする(S682)。また、演出制御用CPU101は、受信した大入賞口開放後指定コマンドを、RAMに形成されている大入賞口開放後指定コマンド格納領域に格納する(S683)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(S684)。そして、S611に移行する。
[演出制御メイン−演出制御プロセス処理]
図30は、図25に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
[演出制御プロセス処理−変動パターンコマンド受信待ち処理]
図31は、図30に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド(始動入賞指定コマンドなど)受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば(S811でY)、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(S812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に更新する(S813)。なお、前述したように、本実施の形態では、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行なわれる(S44参照)のであるが、図31に示すように、本実施の形態では、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の変動表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の変動表示は開始されない。
[演出制御プロセス処理−演出図柄変動開始処理]
図32および図33は、図30に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、まず、演出制御用CPU101は、先読み予告演出決定処理を(S8014)を実行する。
図34は、先読み予告演出決定処理(S800A)を説明するための図であり、図34(a)は先読み予告演出決定処理(S800A)のフローチャートである。本実施形態に係る先読み予告演出決定処理(S800A)では、主に遊技状態が高ベース状態で超短縮変動のときにのみ実行され、低ベース状態のときには実行されないものとして説明する。以下に説明する先読み予告演出は、高ベース状態で超短縮変動のときに実行される「射撃」の演出態様である。
S6000では、演出制御用CPU101は、遊技状態が高ベース状態であるか否かを確認する。この確認は、高ベース状態フラグ(S668、S671参照)がセットされているか否かにより判断する。遊技状態が高ベース状態であれば(S6000でY)、演出制御用CPU101は、先読み予告フラグがセットされているか否かを確認する(S6000A)。先読み予告フラグがセットされていれば(S6000AでY)、演出制御用CPU101は、既に先読み射撃演出パターンが決定されているものとして(たとえば、先読み時の2発目以降の射撃)、S6020に移行する。先読み予告フラグがセットされていなければ(S6000AでN)、演出制御用CPU101は、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域に図柄指定コマンドがあり、且つ未判定情報がないか否かを確認する(S6001)。遊技状態が高ベース状態でなければ(S6000でN)、S6020に移行する。S6001では、始動入賞時コマンド格納領域を演出制御用CPU101が参照して未判定情報が「1」になっているか否か確認する。未判定情報が「1」になっている場合には(S6001でN)、先読み予告を行なわないため、制御がS6008へ進み、通常射撃演出選択テーブルを用いて通常射撃演出パターンがセットされる。始動入賞時コマンド格納領域に図柄指定コマンドがあり、且つ未判定情報があれば(S6000でY)、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域での大当り図柄の図柄指定コマンドの有無を確認する(S6002)。S6002で、始動入賞時コマンド格納領域に大当り図柄の図柄指定コマンドがあれば(S6020でY)、演出制御用CPU101は、図34(b)に示す大当り時射撃演出決定テーブルを参照して射撃演出の決定処理を行なう(S6003)。S6003では、演出制御用CPU101が、ランダム6の抽出値が「0」〜「89」の値であれば先読み射撃演出すると決定し、「90」〜「99」の値であれば通常射撃演出すると決定する。
S6002で、始動入賞時コマンド格納領域に大当り図柄の図柄指定コマンドがなければ(S6020でN)、演出制御用CPU101は、図34(c)に示すはずれ時射撃演出決定テーブルを参照して射撃演出の決定処理を行なう(S6004)。S6004では、演出制御用CPU101が、ランダム6の抽出値が「0」〜「9」の値であれば先読み射撃演出すると決定し、「10」〜「99」の値であれば通常射撃演出すると決定する。演出制御用CPU101は、S6003およびS6004で先読み予告演出すると決定したか否かを確認する(S6005)。S6005で、先読み予告演出すると決定したことを確認したとき(S6005でY)、演出制御用CPU101は、先読み射撃演出選択テーブルを用いて、先読み射撃演出パターンを設定する(S6006)。その後、演出制御用CPU101は、先読み予告フラグをセットする(S6007)。先読み射撃演出選択テーブルには、図柄指定コマンドに基づき複数の先読み射撃演出パターンを選択して設定することができる。先読み射撃演出パターンには、たとえば、弾痕を当り位置に保留記憶に応じて近づける演出パターン(図38、図46参照)や、複数の保留記憶に対応した弾痕の位置まとめ表示する演出パターンなどが含まれている。このS6006による先読み射撃演出パターンの設定は、今回の変動表示から先読み予告の対象となった保留記憶の変動表示(たとえば4回の変動表示)までの複数回の演出表示パターン(たとえば「1発目」、「2発目」、「3発目」、「4発目」の弾痕が順にターゲット1500の中心に近づける演出パターン)を事前に決めて設定しておくものである。ただし、大当り図柄の図柄指定コマンドを受信しているか否か(S6002参照)に応じて、最終回目(上記例では4回目)の変動表示の演出を異ならせる制御を行なう。具体的には、大当り図柄の図柄指定コマンドを受信している場合には弾痕がターゲット1500の中心に命中し、大当り図柄の図柄指定コマンドを受信していない場合には弾痕がターゲット1500の中心以外の外れの領域に当るように制御する。そして、複数回の演出表示パターンが一旦設定されれば、その複数回分の変動表示での演出が順次実行される。S6005で、先読み予告演出しないと決定したことを確認したとき(S6005でN)、演出制御用CPU101は、通常射撃演出選択テーブルを用いて、通常射撃演出パターンを設定する(S6008)。具体的には、ターゲット1500の中心以外の外れの領域に弾痕が当る演出パターンであって弾痕が当る箇所がそれぞれ異なる複数の演出パターンが上記通常射撃演出選択テーブルに記憶されており、乱数を抽出してその乱数値に相当する演出パターンを通常射撃演出選択テーブルを参照して選択決定する。
S6020では、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている最新の始動入賞指定コマンドが第1始動入賞指定コマンドであるか否かを確認する。第1始動入賞指定コマンドが格納されていれば、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部18cにおいて保留表示として第1通常表示を1つ増加させる(S6021)。
最新の始動入賞指定コマンドが第1始動入賞指定コマンドでなければ(すなわち、第2始動入賞指定コマンドが格納されている場合であれば)、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部18dにおいて保留表示として第2通常表示を1つ増加させる(S6022)。
図32に戻って、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(S8015)。次いで、演出制御用CPU101は、S8002で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S8016)。すなわち、演出制御用CPU101によってS8016の処理が実行されることによって、変動表示パターン決定手段が決定した変動表示(変動)パターン(可変表示パターン)に応じて、識別情報の変動表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。
図35は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図35に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「15R大当りA」または「15R大当りB」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドまたは表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。なお、「15R大当りA」または「15R大当りB」のいずれであるかに応じて、停止図柄の決定割合を異ならせてもよい。たとえば、「15R大当りA」である場合には、3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する割合を高くし、「15R大当りB」である場合には、3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する割合を高くするようにしてもよい。
そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組合せを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組合せを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、たとえば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組合せ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドが大当りを指定するものであるか否か、具体的には表示結果2指定または表示結果3指定コマンドであるか否かを判定する(S8016A)。S8016Aで大当りを指定するものである(Y)と判定されたときには、先読み予告禁止フラグをセットして(S8016B)、S8017Aを実行する。S8016Aで大当りを指定するものでない(N)と判定されたとき(表示結果1指定コマンドのとき)には、S8017Aに進む。ここでセットされた先読み予告禁止フラグは当該変動の停止後に制御される大当り遊技状態の終了時、具体的には大当り終了指定コマンドの受信に伴いリセットされる(S643)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中に演出表示装置9において予告演出(先読み予告演出以外の予告演出。たとえば、ステップアップ予告演出やミニキャラ予告演出、可動物予告演出、演出羽根役物予告演出。)を実行するか否かを決定したり予告演出の演出態様を設定したりする予告演出設定処理を実行する(S8017A)。
ここで本実施形態では、前述したようにスーパーリーチDが実行されるとき(大当りAが発生するとき)には、演出図柄の変動開始直後に可動部材78が動作する役物作動演出が実行され、遊技者に大当りAの発生を報知する。この役物可動演出のように大当りが確定する演出あるいは大当りとなる可能性が極めて高いことを示唆する演出を演出図柄の変動開始直後に行なってしまうと、その後大当り遊技状態に移行されるまでの期間は遊技者の遊技に対する興味が低下してしまうという問題がある。ここで、S8017Aの予告演出設定処理において、スーパーリーチDを実行する場合には、通常は実行される頻度が低い予告演出を優先して実行するようにすると良い。たとえばスーパーリーチA〜Cの場合に出現率の低いプレミア予告を、スーパーリーチDでは、役物作動演出後に高い確率で出現させるようにすると良い。これにより役物作動演出後の演出に対して興味を抱かせることができる。
次いで、演出制御用CPU101は、遊技機が高ベース状態か否かを確認するために、高ベースフラグ(S668、S671参照)がセットされているか否かを確認する(S8017B)。高ベースフラグがセットされていれば(S8017BでY)、超短縮変動となり変動時の演出として「射撃」の演出態様が実行することが決定される。遊技状態が高ベース状態でなければ(S8017BでN)、変動時の演出として「射撃」の演出態様が実行されることはなく、S8018に移行する。なお、高ベース状態で先読み予告演出を行なう場合(先読み予告フラグがセット)、先読み用演出選択テーブルを用いて、弾痕を当たり位置に保留記憶に応じて近づける演出を選択したり、複数の保留記憶に対応した弾痕の位置まとめ表示する演出を選択したりすることができる。
通常の変動時の演出では、変動期間内で演出音を出力、または動画像を表示している。たとえば、通常の変動時の演出では、変動が開始すると同時に演出音が出力され、動画像が表示され、変動が終了すると同時に演出音の出力、および動画像の表示が停止される。この通常の変動時の演出の具体例としては、たとえばリーチ演出などである。しかし、超短縮変動は変動期間が極めて短いため、変動期間で演出を終了すると遊技者が超短縮変動を十分に把握することができない恐れがあり、変動期間が終了後も演出が継続するような演出態様の先読み予告演出を採用する必要がある。変動期間が終了後も演出が継続するような演出態様(変動の開始時点から当該変動表示の終了時点までの期間よりも長い期間の演出音を出力、または動画像を表示する演出態様)の場合、複数の超短縮変動が連続して実行されると、超短縮変動に対応した演出音がスピーカ27から出力中に、別の超短縮変動に対応した演出音の出力がスピーカ27から開始されることになる。また、超短縮変動に対応した動画像が演出表示装置9に表示中に、別の超短縮変動に対応した動画像の表示が演出表示装置9で開始されることになる。
別の超短縮変動に対応した演出音を同じチャンネルを用いてスピーカ27から出力が開始されると、既に開始されている超短縮変動に対応した演出音の出力が途切れることになり、また別の超短縮変動に対応した動画像を同じ表示領域に表示を開始すると、既に開始されている超短縮変動に対応した動画像の表示に重なることになり、遊技者にとって超短縮変動に対応した演出を正しく把握することが困難になる。
具体的に、図41に示すように「射撃」の演出態様において、1回目の超短縮変動に対応して開始された1発目の弾丸の発射音(演出音)および弾丸の軌跡(動画像)と、2回目の超短縮変動に対応して開始された2発目の弾丸の発射音(演出音)および弾丸の軌跡(動画像)とが重なり、それぞれの超短縮変動に対応した演出を遊技者が正しく把握することができない。なお、発射音(演出音)は、理解を容易にするために、吹き出しとして図示してある。
そこで、本実施の形態に係る遊技機では、超短縮変動に対応した演出音を出力するチャンネルを切替え、超短縮変動に対応した動画像を表示する表示領域を切替える。
まず、演出音を出力するチャンネルを切替える構成について説明する。図37は、音声合成用IC内における信号の流れを示すシグナルフロー図である。音声合成用IC703は、音声データROM(外部ROM)704に格納されているAMMデータ形式のフレーズデータをPCMデータにデコードして出力するAMMデコーダ714と、各種の複雑な音(矩形波3音+ノイズ1音)を独自に発生して出力するSSG音源715とを備えている。
図37に示すように、AMMデコーダ714には、フレーズを独立して再生可能な再生チャンネルとして8チャンネル(ch0〜ch7)が設けられている。偶数再生チャンネルはモノラル、ステレオフレーズのデコードが可能であり、奇数再生チャンネルはモノラルフレーズのみデコードが可能である。再生チャンネル0がステレオフレーズデコード時に、再生チャンネル1はデコード不可能になる。同様に、再生チャンネル2,4,6がステレオフレーズデコード時に、再生チャンネル3,5,7はデコード不可能になる。なお、モノラルおよびステレオフレーズの識別は、音声合成用IC703内でフレーズデータから自動的に検出される。なお、超短縮変動に対応した演出音は、ステレオフレーズであり、再生チャンネル0と再生チャンネル1との組をチャンネルA、再生チャンネル2と再生チャンネル3との組をチャンネルB、再生チャンネル4と再生チャンネル5との組をチャンネルCとして、以下説明する。また、図43に示すように、SSG音源715には、各種の音(矩形波3音+ノイズ1音)を発生する音源が2系統設けられている。
音声合成用IC703は、8系統のシーケンサーを内蔵しており、フレーズ再生停止検出機能やタイマ機能を利用して、フレーズの出力順序の指定や、フェードイン/フェードアウト、オートパン(音像を左右、前後に周期的に移動させるエフェクト)などを実現する。
音声合成用IC703では、演出制御用CPU101からのコマンドにもとづいて、音声データROM704に登録された制御データ(コードデータ)を実行し、フレーズ再生制御レジスタ、SSG 音源制御レジスタ、およびシーケンサーレジスタにデータを設定して、フレーズデータの再生やシーケンサーの起動などを実行する。
フレーズ再生を制御するためのフレーズ再生制御レジスタには、全チャンネルの制御レジスタと各チャンネルの制御レジスタが設けられている。そして、全チャンネルの制御レジスタには、ミュートの設定を行なうためのレジスタや全再生チャンネルの音量を設定するためのレジスタ、バスブーストの設定を行なうためのレジスタなどが設けられている。また、各チャンネルの制御レジスタには、再生するフレーズナンバーの設定を行なうためのレジスタ、各再生チャンネルの音量を設定するためのレジスタ、各再生チャンネルのパンポット(L/Rの定位)を設定するためのレジスタ(PAN設定用のレジスタ)、再生の繰り返しを設定するためのレジスタ、再生スタート/ストップを設定するためのレジスタなどが設けられている。
SSG音源715を制御するためのSSG音源制御レジスタには、AMMデコーダ714の8チャンネル(ch0〜ch7)とは別の6チャンネル(1a,1b,1c,2a,2b,2c)のパルスジェネレータで生成される矩形波の周波数を設定するためのレジスタ(楽音周波数の設定用のレジスタ)、ノイズジェネレータで生成されるノイズ音の周波数を設定するためのレジスタ、各チャンネル(1a,1b,1c,2a,2b,2c)ごとに楽音(トーン)およびノイズ音を出力するかどうかを設定するためのレジスタ(ミキサー設定用のレジスタ)、各チャンネル(1a,1b,1c,2a,2b,2c)の音量を設定するためのレジスタ、エンベローブジェネレータ(電子楽器の音源部で、鍵盤を弾いた瞬間から音が消えるまでの、音の出力レベルを変化させる部分(装置)。音の立ち上がりの鋭さや減衰などを調節することが可能。)を設定するためのレジスタ、各チャンネル(1a,1b,1c,2a,2b,2c)のパンポット(L/Rの定位)を設定するためのレジスタ(PAN設定用のレジスタ)、SSG音全チャンネルのトータルボリュームを設定するためのレジスタなどが設けられている。
シーケンサーを制御するためのシーケンサーレジスタには、8系統のシーケンサーごとに、各シーケンサーが実行する制御データ(コードデータ)を設定するためのレジスタ、各シーケンサーの起動/停止を設定するためのレジスタ、タイマの設定を行なうためのレジスタなどが設けられている。
AMMデコーダ714では、再生するフレーズナンバーを示すデータが制御レジスタに設定された一または複数の再生チャンネルにおいて、音声データROM704から読み出されたAMMデータ形式のフレーズデータがPCMデータにデコードされる。なお、制御レジスタには、演出制御用CPU101から送信されてきたチャンネルを指定する情報(チャンネルA指定情報やチャンネルB指定情報)も含まれている(図32のS8017D、S8017E参照)。そのため、AMMデコーダ714では、当該制御レジスタに基づき演出制御用CPU101が設定したチャンネルから演出音を出力する。
上記実施の形態においては、演出制御用CPU101がチャンネルを設定しそのチャンネルを指定する情報(チャンネルA指定情報やチャンネルB指定情報)が演出制御用CPU101から送信されてくるのであり、それを受信した音声合成用IC703が指定されたチャンネルに切替えている。このような演出制御用CPU101主体の制御ではなく音声合成用IC703主体の制御にしてもよい。具体的には、音声合成用IC703にたとえばCPUとROMとRAMとを設け、図32等で示したチャンネルの選択設定機能を音声合成用IC703に持たせ、音声合成用IC703自体がチャンネルを設定しそのチャンネルに切替えて音発生制御を行なうようにしてもよい。
そして、ボリューム(VOL)において、制御レジスタに設定されたデータに従ってデコードされた音声データの音量が調整される。また、パン(pan)において、制御レジスタに設定されたデータに従ってパンポット(L/Rの定位)が調整される。そして、各再生チャンネルからの音声データが合成され、バスブーストにおいて、制御レジスタに設定されたデータに従って低音を強調する音声データ処理が行なわれる。そして、音声データが出力I/F(デジタル出力インタフェース716および(または)DAコンバータオペアンプ717)に出力される。
SSG音源715では、制御レジスタに設定されたデータに従って、パルスジェネレータおよびノイズジェネレータが所定周波数の楽音およびノイズ音の音源データを出力する。パルスジェネレータおよびノイズジェネレータから出力された楽音およびノイズ音は、ミキサーでミックス(混合)される。そして、制御レジスタに設定されたデータに従って、エンベローブジェネレータによって音の立ち上がりの鋭さや減衰などが調節され、また、パンポット(L/Rの定位)が調整される。そして、各チャンネルからの音声データが合成され、合成された音声データが出力I/F(デジタル出力インタフェース716および(または)DAコンバータオペアンプ717)に出力される。
出力I/F716,717は、AMMデコーダ714およびSSG音源715からの音声データをデジタル出力またはアナログ出力する。
一方、動画像を表示する表示領域を切替える構成は、図3に示したVDP109により、動画像を記憶してあるROM(図示せず)から動画像のデータを読出し、超短縮変動ごとに異なる表示領域に動画像が表示されるように、読出してデータを演出表示装置9の表示領域にマッピングする。その際、演出制御用CPU101から送信されてきた表示領域を指定する情報(表示領域A指定情報や表示領域B指定情報)に基づいてVDP109が指定された表示領域(AまたはB等)に弾丸を表示させる(図38(a),図38(b))。
上記実施の形態においては、演出制御用CPU101が動画像を表示する表示領域の設定を行ないその表示領域を指定する情報が演出制御用CPU101から送信されてくるのであり、それを受信したVDP109が指定された表示領域に切替えている。このような演出制御用CPU101主体の制御ではなくVDP109主体の制御にしてもよい。具体的には、図32等で示した表示領域の選択設定機能をVDP109に持たせ、VDP109自体が表示領域を設定しその表示領域に切替えて表示制御を行なうようにしてもよい。
また、表示領域と表示する動画像とをペアにして表示する制御を行なってもよい。たとえば、表示領域A指定時には動画像Aを表示し、表示領域B指定時には動画像Bを表示する。
さらに、表示領域の選択指定は演出制御用CPU101主体で行ない、動画像の選択指定はVDP109主体で行なうように制御してもよく、また、その逆に、表示領域の選択指定はVDP109主体で行ない、動画像の選択指定は演出制御用CPU101主体で行なうように制御してもよい。
図32に戻って、超短縮変動に対応した演出音を出力するチャンネルを切替え、超短縮変動に対応した動画像を表示する表示領域を切替えるための制御について説明する。まず、超短縮変動に対応した変動期間より長い演出音(変動に対応した演出より出力される音であり、たとえば、変動音、予告音(リーチ中の音)やBGMなど)をチャンネルAから出力することが可能か否かを確認するために、チャンネルAの状態フラグがセットされているか否かを確認する(S8017C)。チャンネルAの状態フラグは、別の変動に対応した演出音等を出力するために使用されているとセットされた状態になる。なお、演出制御用CPU101は、チャンネルの状態フラグを判定することなく、超短縮変動に対応した演出音が出力されるチャンネルを切替える構成でもよい。
チャンネルAの状態フラグがセットされておらず、チャンネルAからの出力に設定されていなければ(S8017CでN)、演出制御用CPU101は、超短縮変動に対応した演出音をチャンネルAから出力するように設定する(S8017D)。具体的には、演出制御用CPU101は、音声合成用IC703のAMMデコーダ714に対してチャンネルAを指定するチャンネルA指定情報を音声出力基板70へ出力することにより、超短縮変動に対応した演出音を出力するように設定する。なお、超短縮変動に対応した演出音をチャンネルAから出力するように設定した場合、別の変動に対応した演出音等を出力することができないようにチャンネルAの状態フラグをセットする。
チャンネルAの状態フラグがセットされており、チャンネルAからの出力に設定されていれば(S8017CでY)、演出制御用CPU101は、超短縮変動に対応した演出音をチャンネルBから出力するように設定する(S8017E)。具体的には、演出制御用CPU101は、そのチャンネルBを指定するチャンネルB指定情報を音声出力基板70へ出力することにより、音声合成用IC703のAMMデコーダ714に対してチャンネルBからの出力に設定して超短縮変動に対応した演出音を出力するように設定し、出力するチャンネルを切替える。なお、超短縮変動に対応した演出音をチャンネルBから出力するように設定した場合、チャンネルAから出力している演出音等が終了した後に、別の変動に対応した演出音等を出力することができるようにチャンネルAの状態フラグをリセットする。ここで、チャンネルAおよびBは、変動期間よりも長い期間の演出音を出力する専用チャンネルではなく、変動期間と同じ期間の演出音や変動期間よりも短い期間の演出音を出力するチャンネルとして使用してもよい。また、演出制御用CPU101は、チャンネルAまたはBから出力する演出音が変動期間と同じ期間または変動期間よりも短い期間の場合、チャンネルBまたはAに切替えなくてもよい。
次に、超短縮変動に対応した動画像を表示領域Aに表示することが可能か否かを確認するために、表示領域Aの状態フラグがセットされているか否かを確認する(S8017F)。表示領域Aの状態フラグは、別の変動に対応した動画像等を表示するために設定されているとセットされた状態になる。
表示領域Aの状態フラグがセットされておらず、表示領域Aに表示するように設定されていなければ(S8017FでN)、演出制御用CPU101は、超短縮変動に対応した動画像を表示領域Aに表示するように設定する(S8017G)。具体的には、演出制御用CPU101は、VDP109に対してその表示領域Aを指定する表示領域A指定情報を出力することにより表示領域Aに表示するように設定して超短縮変動に対応した動画像を表示するように設定する。なお、超短縮変動に対応した動画像を表示領域Aに表示するように設定した場合、別の変動に対応した動画像等を表示することができないように表示領域Aの状態フラグをセットする。
表示領域Aの状態フラグがセットされており、表示領域Aに表示するように設定されていれば(S8017FでY)、演出制御用CPU101は、超短縮変動に対応した動画像を表示領域Bに表示するように設定する(S8017H)。具体的には、演出制御用CPU101は、VDP109に対してその表示領域Bを指定する表示領域B指定情報を出力することにより表示領域Bに表示するように設定して超短縮変動に対応した動画像を表示するように設定し、表示する表示領域を切替える。なお、超短縮変動に対応した動画像を表示領域Bに表示するように設定した場合、表示領域Aで表示している動画像等が終了した後に、別の変動に対応した動画像等を表示することができるように表示領域Aの状態フラグをリセットする。ここで、表示領域AおよびBは、変動期間よりも長い期間の動画像を表示する専用表示領域ではなく、変動期間と同じ期間の動画像や変動期間よりも短い期間の動画像を表示する表示領域として使用してもよい。また、演出制御用CPU101は、表示領域AまたはBに表示する動画像が変動期間と同じ期間または変動期間よりも短い期間の場合、表示領域BまたはAに切替えなくてもよい。
S8017C〜S8017Hにおいて、超短縮変動に対応した演出音を出力するチャンネル、超短縮変動に対応した動画像を表示する表示領域を設定した後、図33に示すS8018に移行する。
演出制御用CPU101は、変動パターンおよび先読み予告演出やその他の予告演出を実行する場合にはその先読み予告演出やその他の予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(S8018)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S8019)。
図36は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の変動表示の変動時間(可変表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。
図36に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、演出制御用CPU101は、先読み予告演出や、その他の予告演出を実行することに決定され、先読み予告実行中フラグや、その他の予告実行フラグがセットされている場合には、S8018において先読み予告演出や、その他の予告演出に対応したプロセステーブルを選択する。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S8020)。たとえば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、本実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行なわれるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S8021)。次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域の1つ目の格納領域(格納領域1)に格納されている始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンド)を削除し、始動入賞時コマンド格納領域の内容をシフトする(S8022)。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み予告フラグがセットされているか否かを確認する(S8022A)。S8022Aで、先読み予告フラグがセットされていれば(S8022AでY)、演出制御用CPU101は、先読み予告の対象となった保留記憶の変動の有無を確認する(S8022B)。演出制御用CPU101は、先読み予告を行なった場合、対象の保留記憶を減らす処理を行なう。そのため、先読み予告の対象となった保留記憶の変動を確認することで、先読み予告演出が行なわれたか否かを判断することができる。S8022Bで、先読み予告の対象となった保留記憶の変動があれば(S8022BでY)、演出制御用CPU101は、先読み予告演出が行なわれたと判断して、先読み予告フラグをリセットする(S8022C)。S8022Aで、先読み予告フラグがセットされていない場合、およびS8022Bで、先読み予告の対象となった保留記憶の変動がない場合、S8023に移行する。
演出図柄変動開始処理における先読み予告演出の具体例をとして、図38に示す「射撃」の演出態様について説明する。図38(a)では、「射撃」の演出態様において、1回目の超短縮変動に対応して開始された1発目の弾丸の発射音(演出音)および弾丸の軌跡(動画像)が図示してある。後述する図46に示す「射撃」の演出態様おいて、1発目の弾痕がターゲットに着弾する前の、1発目の弾丸と2発目の弾丸とが発射されたタイミングにおける演出である。図38(a)に示すように、1発目の弾丸は表示領域Aを飛んでターゲットに着弾する。
図38(b)では、1回目の超短縮変動の変動期間は終了しているが、1回目の超短縮変動に対応した演出が継続している状態で、2回目の超短縮変動の変動期間が開始した場合を示している。しかし、図41の場合と異なり、演出制御用CPU101は、超短縮変動に対応した演出音を出力するチャンネルを切替えので、1回目の超短縮変動に対応して開始された1発目の弾丸の発射音(演出音)と、2回目の超短縮変動に対応して開始された2発目の弾丸の発射音(演出音)とは同じチャンネルから出力されることはない。また、演出制御用CPU101は、超短縮変動に対応した動画像を表示する表示領域を切替えるので、1回目の超短縮変動に対応して開始された1発目の弾丸の軌跡(動画像)と、2回目の超短縮変動に対応して開始された2発目の弾丸の軌跡(動画像)とは同じ表示領域に表示されることはない。具体的には、1発目の弾丸が表示領域Aを飛んでターゲットに着弾する一方、2発目の弾丸が表示領域Bを飛んでターゲットに着弾する。なお、図38に仮想線(破線)示した表示領域A、Bは、説明の便宜上描いた仮想の表示領域であり、実際には表示されない。
以上より、1発目の弾丸の発射音(演出音)が、2発目の弾丸の発射音(演出音)に跨っても途切れることがなく、好適に出力することができ、遊技者が正しく演出音を把握することができる。また、1回目の超短縮変動に対応して開始された1発目の弾丸の軌跡(動画像)が、2発目の弾丸の軌跡(動画像)と被ることがなく、好適に表示することができ、遊技者が正しく演出の動画像を把握することができる。
よって、1回目の超短縮変動に対応した1発目の弾丸の発射音(演出音)および弾丸の軌跡(動画像)が変動期間の終了後も継続することで、遊技者にとって演出が把握しやすい遊技機を提供することができる。
これら表示領域A,Bは、上記実施形態では、弾丸が移動する始端(発射位置)から終端(着弾位置)まで全く交わることのないものを示したが、それに限定されるものではなく、たとえば、始端(発射位置)が異なり終端(着弾位置)が同じ位置でもよい。さらには、始端(発射位置)から終端(着弾位置)までの途中箇所で交差するようなものであってもよい。
また、これら表示領域A,Bは、移動する表示対象物の移動表示用の領域に限定されるものではなく、或る特定位置で画像が変化する変化表示用の領域であってもよい。たとえば、或る特定位置で地雷が爆発するその爆発画像を表示する領域であってもよい。具体的には、先行する超時短時の演出において特定位置A(表示領域A)で地雷が爆発し、後続の超時短時の演出において特定位置B(表示領域B)で地雷が爆発し、特定位置A(表示領域A)と特定位置B(表示領域B)が異なる表示領域となっているものであってもよい。
さらに、表示領域A,Bは、演出データ毎(射撃演出パターン毎)にあらかじめ表示領域が設定されているものであってもよく、また、同じ画像を表示させる領域を変えるようにしてもよい。
図39および図40に、超短縮変動の変動期間に対する演出音出力および動画像表示のタイミングチャートを示す。図39に示すように、1回目の超短縮変動の変動期間67aに対応してチャンネルAから演出音67bが出力され、変動期間67aが終了後もチャンネルAから演出音67bが継続して出力されている。チャンネルAとは、具体的には、図37を参照して、チャンネル0+チャンネル1である。また、2回目の超短縮変動の変動期間67cに対応してチャンネルBから演出音67dが出力され、変動期間67cが終了後もチャンネルBから演出音67bが継続して出力されている。チャンネルBとは、具体的には、図37を参照して、チャンネル2+チャンネル3である。前述したように、偶数再生チャンネルはモノラル、ステレオフレーズのデコードが可能であり、奇数再生チャンネルはモノラルフレーズのみデコードが可能であり、チャンネルA、Bともに、奇数再生チャンネルと偶数再生チャンネルとの組合せからなるために、モノラルフレーズおよびステレオフレーズの両方に対処できる。
演出音67bの出力と演出音67dの出力とは、2回目の超短縮変動の変動期間67cで一部重複している。なお、図中の演出音の縦軸は音量を表わし、演出音67bおよび演出音67dは、開始時に音量が徐々に大きくなり、終了時に音量が徐々に小さくなるように制御されている様子が図示されている。これにより、演出音67bの出力と演出音67dの出力とが重複する部分において、音量が徐々に小さくなる演出音67bと徐々に大きくなる演出音67dとが重なることになり、急に音量が大きくなることを防止することができ、遊技者が演出に対して不快な感じを受けること回避することができる。
また、図40に示すように、1回目の超短縮変動の変動期間68aに対応して表示領域Aに動画像68bが表示され、変動期間68aが終了後も表示領域Aに動画像68bが継続して表示されている。また、2回目の超短縮変動の変動期間67cに対応して表示領域Bに動画像68dが表示され、変動期間67cが終了後も表示領域Bに動画像68dが継続して表示されている。動画像68bの表示と動画像68dの表示とは、2回目の超短縮変動の変動期間68cで一部重複している。なお、図中の動画像の縦軸はコントラスト量を表わし、動画像68bおよび動画像68dは、開始時にコントラスト量が徐々に大きくなり、終了時にコントラスト量が徐々に小さくなるように制御されている様子が図示されている。これにより、動画像68bの表示と動画像68dの表示とが重複する部分において、コントラスト量が徐々に小さくなる動画像68bと徐々に大きくなる動画像68dとが重なることで、限られた表示領域において動画像の一部分が重複したとしても遊技者が演出を正しく把握することができる。
図39および図40のタイミングチャートでは、変動期間が開始されるタイミングに演出音の出力や動画像の表示が開始される場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動期間が開始されるタイミングと、演出音の出力や動画像の表示が開始されるタイミングとが異なり、変動期間が終了するタイミングよりも演出音の出力や動画像の表示が終了するタイミングが遅くなるタイミングであってもよい。
[演出制御プロセス処理−演出図柄変動中処理]
図30に戻って、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする。
図42は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S8101)、変動時間タイマの値を1減算する(S8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(S8103)、プロセスデータの切替を行なう。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(S8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(S8105)。
次いで、演出制御用CPU101は、いずれかの先読み予告実行中フラグ(ただし、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出に応じた先読み予告実行中フラグを除く)がセットされているか否かを確認する(S8106)。いずれかの先読み予告実行中フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、S8014の先読み予告演出態様決定処理で決定した演出態様に従って、「射撃」の演出態様で先読み予告演出を実行する制御を行なう(S8108)。なお、先読み予告演出(ただし、「保留球変化」以外の演出態様の先読み予告演出)を実行することに決定されている場合、具体的には、演出図柄の変動開始後、あらかじめ定められた時間が経過したタイミングで、対応する演出態様で先読み予告演出が実行される。また、先読み予告演出を実行する場合、その先読み予告演出を実行するタイミングでS8106においてYと判定され、S8108の処理が実行される。そして、先読み予告演出を終了するまでS8106で繰り返しYと判定され、S8108の処理が実行される。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S8111)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S8112)。
[演出制御プロセス処理−演出図柄変動停止処理]
図43は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(S8301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、S8305に移行する。本実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、S8304で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、S8302の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、S8305に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行なう(S8302)。S8302の処理で大当り図柄を表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(S8303でN)、演出制御用CPU101は、S8311に移行する。
S8302の処理で大当り図柄を停止表示した場合には(S8303でY)、演出制御用CPU101は、先読み予告フラグをリセットし、停止図柄表示フラグをセットする(S8304)。そして、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S8305)。大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(S8306)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(S8307)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S8308)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材78)の制御を実行する(S8309)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する(S8310)。
大当りとしないことに決定されている場合には(S8303でN)、演出制御用CPU101は、いずれかの先読み予告実行中フラグ(ただし、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出に応じた先読み予告実行中フラグを除く)がセットされているか否かを判定する(S8311)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、変動回数カウンタの値を1減算する(S8312)。また、演出制御用CPU101は、減算後の変動回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(S8313)。そして、変動回数カウンタの値が0になっていれば、演出制御用CPU101は、セットされている先読み予告実行中フラグ(ただし、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出に応じた先読み予告実行中フラグを除く)をリセットする(S8316)。そのような処理が実行されることによって、本実施の形態では、入賞時判定の対象となった変動が開始される1つ前の変動表示まで先読み予告演出(「保留球変化」以外の演出態様の先読み予告演出)が実行されて、その入賞時判定の対象となった変動表示の開始時に先読み予告実行中フラグがリセットされる(その入賞時判定の対象となった変動表示中には先読み予告演出は行なわれない)。なお、その入賞時判定の対象となった変動表示中においても、先読み予告演出を実行するようにしてもよく、本実施の形態では、「先読み射撃演出」の演出に関しては、その入賞時判定の対象となった変動表示中および停止図柄の導出表示中においても、実行するようにしている。
次いで、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(S8317)。たとえば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU101は、コマンド受信フラグを演出制御プロセス処理などにおいて参照されたあと直ぐにリセットするようにしてもよい(たとえば、図31のS811に示すように、変動パターンコマンド受信フラグを確認すると直ちに変動パターンコマンド受信フラグをリセットするようにしてもよい)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S8318)。
[演出制御プロセス処理−大当り表示処理]
図44は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(S804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(S1901)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(S1901のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(S1902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、LED25,28等)の制御を実行する(S1903)。たとえば、演出表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(S1904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行なう(S1905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切替え。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(S1906)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(S1901のY)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをリセットし(S1907)、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(S1908)。そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせ(S1909)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に設定する(S1910)。
[演出制御プロセス処理−大当り終了演出処理]
図45は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(S807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、まず、エンディング演出の演出期間を計測するための演出期間計測タイマを1減算する(S880)。そして、減算後の演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(S881)。なお、演出期間計測タイマは、たとえば、ラウンド中処理(S805参照)において、エンディングコマンドの受信を確認したことにもとづいてセットされる。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていなければ(S881のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(S882)。また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27の制御を実行する(S883)。たとえば、大当りが終了することを表示したり、所定のキャラクタなどを表示したりする演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていない場合には(S884のN)、処理を終了する。プロセスタイマがタイムアウトしたら(S884のY)、プロセスデータの切替を行なう。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(S885)。また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせる(S886)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていれば(S881のY)、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(S888)。たとえば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグなどのコマンド受信フラグをリセットする。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S889)。
[高ベース時の超短縮変動の演出態様の具体例]
次に、高ベース時の超短縮変動の演出態様の具体例について説明する。図46及び図47は、高ベース時の超短縮変動の演出態様の具体例を示す説明図である。図46及び図47に示す高ベース時の超短縮変動の演出態様の具体例は、「先読み射撃演出」の演出態様である。なお、図46及び図47において、(1)(2)(3)・・・の順に演出画面の態様が遷移する。図46及び図47に示す例では、第2始動入賞口13bへの始動入賞に対して入賞時判定を行ない、第2特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行しているときに予告演出を行なう場合を示している。
図46に示す例では、まず、図46(1)に示すように第2特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行しているときに、第2始動入賞口13bに始動入賞(超短縮変動で大当りとなることを示すコマンドの記憶)があったものとする。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、新たに始動入賞があったことにもとづいて入賞時演出処理を実行する。そして、入賞時判定結果に応じた入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。また、同じ割り込み内で、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶情報としての第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドにもとづいて、第2保留記憶表示部18dにおける保留表示(本例では、第2通常表示)を1増やす(S6022参照)。なお、「先読み射撃演出」の予告演出における射撃数(表示されるターゲットに残る弾痕数)は、例えば、予告演出の実行を決定したときの合算保留記憶数とすればよい。ここで、射撃演出を実行可能な所定数(本例では4)の保留記憶があることを条件に、「先読み射撃演出」の予告演出を決定可能としている。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、保留記憶数指定コマンドを受信して、図46(1)に示すように、第1保留記憶表示部18cまたは第2保留記憶表示部18dにおける保留表示を4つから1つ減らし、次の演出図柄の変動表示を開始する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、1回目の変動に対応して図38(a)に示すように1発目の弾丸が発射され、演出表示装置9の表示画面において表示されている射撃のターゲット1500に対して弾丸が軌跡を描く動画が表示される(図42のS8108参照)。このとき演出図柄は演出表示装置9の右下に小さく表示されるものとする。
このターゲット1500の中心部には「当」と表示され、この中心部に当たれば(弾痕が残れば)大当りが発生することを示している。このターゲット1500が表示されている期間(射撃演出が実行されている期間)は、演出図柄の変動表示は全て超短縮変動となっているため、通常状態と同様に演出図柄の変動表示を行なっても遊技者は演出図柄が変動していることを把握することが困難である。そのため、変動表示毎(保留記憶の消化毎)にターゲット1500に弾痕を残して遊技者に対して変動表示の実行(保留記憶の消化)を把握しやすいようにしている。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、1発目の弾丸がターゲット1500に着弾して弾痕が表示され演出が終了する前に、2回目の変動に対応して図38(b)に示すように2発目の弾丸が発射され、ターゲット1500に対して弾丸が軌跡を描く動画が表示される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄の変動表示中にターゲット1500の中心から最も遠い位置(最外周)に「1発目」の弾痕を表示した後(図42のS8108参照)、図46(2)に示すように、最終停止図柄(図46(2)は、はずれ図柄)を停止表示する(図43のS8302参照)。また、図46(2)には、ターゲット1500に着弾前の2発目および3発目の弾丸を図示していないが、図38(b)と同様に2発目および3発目の弾丸が表示されるものとする。図46(3)(4)についても3発目および4発目の弾丸は図示を省略している。
ここで表示される「1発目」の弾痕は、ターゲット1500の中心から離れていることから、遊技者は大当りが発生しないことを把握できる。ターゲット1500に表示する弾痕の位置に関しては、ターゲット1500の中心と弾痕との距離が「1発目」、「2発目」、「3発目」の順序で近くなるように、演出制御用マイクロコンピュータ100が、弾痕の座標を決定する。具体的な座標は所定の乱数に基づいて決定するようにしても良いし、予め定めたパターンに基づいて決定するようにしても良い。そして、「4発目」に対応する表示結果が大当りである場合には、ターゲット1500の中心に弾痕を表示することを決定し、はずれである場合には、ターゲット1500の中心から外れた位置(例えば所定の乱数や予め定めたパターンに基づいて決定される)に弾痕を表示することを決定する。また、一旦、「先読み射撃演出」が実行されると「1発目」、「2発目」、および「3発目」の弾痕は「4発目」の弾痕が表示されるまで継続して表示される。なお、「4発目」の弾痕が表示され確定時間経過後、ターゲット1500に表示された4発の弾痕はクリアされる。ただし、保留記憶数が2個の場合に「先読み射撃演出」が実行されると、「2発目」の弾痕が表示され確定時間経過後、ターゲット1500に表示された2発の弾痕がクリアされることになる。さらに、「通常射撃演出」で2発の弾痕が表示された後に、「先読み射撃演出」が実行される場合、「通常射撃演出」の弾痕を全てクリアしてから、「1発目」から演出が開始される。また、「先読み射撃演出」および「通常射撃演出」において、所定数の弾痕(たとえば、4発の弾痕)が表示された場合に、ターゲット1500に表示された弾痕を全てクリアする。これにより、変動とターゲット1500に表示される弾痕との関係を遊技者が認識しやすくなる。
先読み予告演出を行なう以外の場合、ターゲット1500の中心から離れた段階が選択される割合が高くなるようにデータが設定されているテーブル(図43のS8015Dで参照される通常射撃演出選択テーブル)に基づいてランダムに「通常射撃演出」が実行されている。しかし、先読み予告演出を行なう場合、S8015Bで先読み用演出選択テーブルを用いて、先読み射撃演出パターンを設定し、例えば、以下に説明するように「1発目」、「2発目」、「3発目」、「4発目」の弾痕が順にターゲット1500の中心に近づける演出パターンを実行する(図38、図46参照)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、保留記憶数指定コマンドを受信して、第1保留記憶表示部18cまたは第2保留記憶表示部18dにおける保留表示を1減らし、次の演出図柄の変動表示を実行する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄の変動表示中にターゲット1500の中心から2番目に近い位置に「2発目」の弾痕を表示した後(図42のS8108参照)、図46(3)に示すように、最終停止図柄(図46(3)は、はずれ図柄)を停止表示する(図43のS8302参照)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、保留記憶数指定コマンドを受信して、第1保留記憶表示部18cまたは第2保留記憶表示部18dにおける保留表示を1減らし、次の演出図柄の変動表示を実行する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄の変動表示中にターゲット1500の中心から最も近い位置に「3発目」の弾痕を表示した後(図42のS8108参照)、図46(4)に示すように、最終停止図柄(図43(4)は、はずれ図柄)を停止表示する(図43のS8302参照)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、保留記憶数指定コマンドを受信して、第1保留記憶表示部18cまたは第2保留記憶表示部18dにおける保留表示を1減らし、次の演出図柄の変動表示を実行する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄の変動表示中にターゲット1500の中心に「4発目」の弾痕を表示すると共に(図42のS8108参照)、ターゲット1500の中心を打ち抜いたことを遊技者に報知する(即ち大当りを報知する)「命中!」のメッセージを表示する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図46(5)に示すように、最終停止図柄(図43(5)は、大当り図柄)を停止表示する(図43のS8302参照)。
一方、「4発目」の弾痕がターゲット1500の中心を外れる場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄の変動表示中にターゲット1500の中心から外れた位置に「4発目」の弾痕を表示すると共に(図42のS8108参照)、ターゲット1500の中心を打ち抜けなかったことを遊技者に報知する(即ちはずれを報知する)「残念」のメッセージを表示する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図47(5a)に示すように、最終停止図柄(図47(5a)でははずれ図柄)を停止表示する(図43のS8302参照)。
このように高ベース状態に伴って超短縮変動が所定数(この例では4)以上連続して発生する場合には、通常状態と同様に演出図柄の可変表示を提示したのでは、遊技者が可変表示を認識しがたく、保留記憶の消化状況を把握することが困難である。本実施形態では、可変表示の実行毎(保留記憶の消化毎)に、画面に表示したターゲット1500の異なる位置に弾痕を表示するようにしているため、遊技者はこのターゲット1500に注目していれば、弾痕の増加によって可変表示の実行を把握することができる。また、遊技者は、1発目、2発目、3発目と、弾痕が徐々に中心に近づくにつれて大当りの期待を抱くようになり、先読み予告の対象となった変動(4発明)において、ターゲット1500の中心が打ち抜かれるか否かに注目すれば良くなる。このように大当りとなる条件を視覚的に提示することで、遊技者の混乱を防止している。
このように、超短縮変動が連続する期間においては、複数列の演出図柄に注目させるのではなく、ターゲット1500上の異なる位置に表示される弾痕に注目させる演出を実行することで、可変表示の実行を視覚的に把握し易くしている。また、大当りが発生するか否かの示唆に関しても、先読み予告の対象となる前の保留記憶を消化しつつ弾痕がターゲット1500の中心位置に近づく(即ち徐々に大当りの条件に近づく)演出態様とすることで、遊技者の期待感を煽り、興趣を向上させている。
[変形例]
(1) 上記の実施形態では第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの双方が、第1表示部(LED403,405)と第2表示部(7セグメントLED404,406)により構成される例について説明したが、高ベース状態では右打ちが実行されて、第2始動入賞口13bに始動入賞するようになるため、第2特別図柄表示器8bについてのみ、第1表示部(LED405)と第2表示部(7セグメントLED406)により構成されるようにしても良い。
(2) 上記の実施形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおいて、特別図柄の可変表示中は、LED403,405が点滅する例について説明したが、これに限らず、7セグメントLED404、406とは別の7セグメントLEDを設けておき、可変表示中はその7セグメントLEDの各セグメントをリレー式に点灯するようにしても良い。また、小数点付きの7セグメントLEDによって第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bを構成するようにして、可変表示中は小数点部分(DP)を点滅状態とし、表示結果の導出表示期間は、表示結果に応じて7セグメント部分の所定セグメント(例えば大当りであれば9、はずれであれば−を構成するセグメント)を点灯させるようにしても良い。このようにすることで、可変表示部と停止図柄表示部で複数の部品を組み合わせる必要がなく、構成及び制御が簡素化される。
(3) 上記の実施形態では、普通図柄表示器10において、普通図柄の可変表示中は、LED401が点滅する例について説明したが、これに限らず、7セグメントLEDを設けておき、可変表示中はその7セグメントLEDの各セグメントをリレー式に点灯するようにしても良い。また、表示結果をLEDの点灯(当りの場合)又は消灯(はずれの場合)によって示さずに、当りのときには赤色LEDを点灯させ、はずれのときには青色LEDを点灯させるようにしても良い。
(4) 上記の実施形態では、「先読み射撃演出」態様の先読み予告演出において、変動毎に弾痕がターゲット1500の中心位置に近づき、最終的にターゲット1500の中心に弾痕が表示されると大当りとなる例について説明したが、これに限らず、例えば、水平方向に平行な大当りラインを表示するようにして、変動毎に大当りラインに近づくように弾痕が表示され、最終的に大当りラインを超えた位置に弾痕が表示されれば大当り、大当りラインを超えなければはずれとなるような演出を実行するようにしても良い。また、例えば、弾痕によって絵を描くようにして、最終的に絵が完成する(例えば星印になる)と大当りとなり、完成しなければはずれとなるような演出を実行しても良い。
(5) 上記実施形態では、AMMデコーダ714が、フレーズを独立して再生可能な再生チャンネルとして8チャンネル(ch0〜ch7)を有しているが、これら以外の再生チャンネルを設けてもよい。
(6) 上記実施形態では、チャンネルAとチャンネルBとで交互に切替えているが、それに限定されるものではなく、例えば、チャンネルA→チャンネルB→チャンネルC→チャンネルAのように、3以上のチェンネルを循環して切換えてもよい。要するに、先行する変動音と後続の変動音とで一部重複する場合にその重複する各変動音を別々のチャンネルで発音するようにチャンネルを切替え制御すれば、どのような切替え制御でもよい。
(7) 上記実施形態では、可変表示手段の一例として第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを設け、表示手段の一例として演出表示装置9を設けているが、可変表示手段(第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8b)と表示手段(演出表示装置9)とを1つの表示装置で兼用構成してもよい。
(8) 上記の内容は表示領域A,Bの切替え制御にも同様に適用できる。つまり、切替わる表示領域はA,B2種類に限らず、それら以外の表示領域C,D,E・・・を設けてもよい。そして、表示領域A→表示領域B→表示領域C→表示領域Aのように、3以上の表示領域を循環して切換えてもよい。要するに、先行する演出画像と後続の演出画像とで一部重複する場合にその重複する各演出画像を別々の表示領域で表示するように表示領域を切替え制御すれば、どのような切替え制御でもよい。
(9) 高ベース状態において先読み演出時と先読みしないときの演出時とで、変動音および演出画像(射撃演出)の少なくとも一方を異なるものにしてもよい。その異なる態様としては、1回の変動のみ異ならせてもよく、また複数回の変動に亘って異ならせてもよい。
(10) また、先読み演出時に実行する変動音および演出画像(射撃演出)の決定方法として、複数種類の変動音および演出画像をテーブルに記憶させ、ランダムカウンタの抽出値(乱数)を用いて所定の振分け確率で選択決定するように制御してもよい。例えば、図34(b)の「先読み射撃する」を複数種類の画像演出パターン(先読み射撃1、2、3、・・・)に細分化し、それぞれの先読み射撃に乱数照合用の数値範囲を設定記憶させ、抽出乱数がどの数値範囲に属するかに応じて実行する先読み射撃の画像演出パターンを選択決定する。変動音も同様に、複数種類の変動音1、2、3、・・・に細分化したものをテーブル記憶し、それぞれの変動音に乱数照合用の数値範囲を設定記憶させ、抽出乱数がどの数値範囲に属するかに応じて実行する変動音の音パターンを選択決定する。
その際、どの画像演出パターンや変動音が実行されるかに応じて大当りの期待度を異ならせるように制御してもよい。具体的には、前述のテーブル記憶させる複数種類の画像演出パターンや変動音の中に特別な画像演出や特別な演出音を含め、それらテーブルを大当り先読み決定時(保留記憶内に大当りに相当する乱数値が存在する場合)に参照される第1テーブルとはずれ決定時に参照される第2テーブルとの2種類用意し、特別な画像演出や特別な演出音の乱数照合用の数値範囲を、第2テーブルに比べて第1テーブルの方を大きな数値範囲に設定記憶させる。
さらに、実行される画像演出パターンと変動音との組合せ種類に応じて大当りの期待度が異なるようにしてもよい。
(11) 上記の実施形態では、可変入賞球装置15がゲート32の下流にあり、可変入賞球装置15が開放状態となったときに、ゲート32を通過した遊技球が第2始動入賞口13bに入賞可能な例について説明した。ここで、可変入賞球装置15がゲート32の下流ではなく、上流に位置する場合の可変入賞球装置15の開放制御について説明する。図48(a)に示すように、可変入賞球装置15’がゲート32’の上流に設けられている。可変入賞球装置15’は、ソレノイド16cによる可動翼片の傾動制御によって閉状態と開放状態が切り替えられる。このような構成とした場合、左遊技領域7Aに向けて左打ちされた遊技球は可変入賞球装置15’が開放状態に制御されている状態では、第2始動入賞口13cに入賞し易い。第2始動入賞口13cに入賞した遊技球は、第2始動口スイッチ15cによって検出される。また、可変入賞球装置15’に入賞しなかった遊技球は、図示しない遊技釘や演出表示装置9の枠等によって誘導され、可変入賞球装置15’の左下方に設けられているゲート32’を高い割合で通過する。ゲート32’を通過した遊技球はゲートスイッチ32cにより検出される。
ここで、図49に示す例では、第1の遊技球がゲート32’を通過したことに伴い、普通図柄の可変表示が開始され、表示結果が当りとなって可変入賞球装置15が開放状態となるまでの期間((1)から(4)までの期間)をt1としている。そして、普通図柄の可変表示が開始され、表示結果が当りとなって可変入賞球装置15が開放状態となって、その開放状態が終了するまでの期間((1)から(5)までの期間)をt2としている。そして第1の遊技球がゲート32’を通過してから、その第1遊技球の発射直後(本例では0.6秒後)に発射された第2の遊技球が可変入賞球装置15に到達するまでの期間をT2としている。ここでt1は、T2よりも短くなるように設定され、t2は、T2よりも長くなるように設定されている。
即ち、t1<T2<t2となるように、可変入賞球装置15の開放制御を行う事で、図48(a)及び図48(b)に示すように、第1の遊技球がゲート32’を通過したことに基づいて、普通図柄の可変表示が開始され、表示結果が当りとなって可変入賞球装置15が開放状態となったときに第2の遊技球が第2始動入賞口13cに入賞しうるタイミング制御を実行している。このようなタイミング制御を実行することで、第2の遊技球が可変入賞球装置15に到達したときに未だ開放状態となっていない(即ちT2<t1)、あるいは既に開放状態が完了している(即ちT2>t2)ことを防止して、可変入賞球装置15’への入賞率を高めるようにしている。
この変形例において、第1の遊技球が可変入賞球装置15’に入賞せずに当該可変入賞球装置15’からゲート32’に到達するまでの時間と、上記時間t1との和は、遊技媒体の発射間隔である0.6秒と同一又は該発射間隔よりも短くなるように設定すると良い。このようにすることで、可変入賞球装置15’が閉状態にある場合に、第1の遊技球がゲート32’を通過したことに基づいて、普通図柄の可変表示が開始され、表示結果が当りとなって可変入賞球装置15が開放状態となったときに第2の遊技球が第2始動入賞口13cに入賞しうる。例えば、第1の遊技球が可変入賞球装置15’に入賞せずに当該可変入賞球装置15’からゲート32’に到達するまでの時間が0.2秒であるときには、t1を0.4秒程度又はこれ以下となるように設定すると良い。
この変形例や上記実施形態では、t2を、普通図柄の可変表示を開始して可変入賞球装置15,15’が開放状態に制御されてから開放状態が終了するまでの期間としたが、高ベース状態において普通図柄の表示結果が当りとなったときに可変入賞球装置15,15’の開放回数が高められるようにした場合には、普通図柄の可変表示を開始してから可変入賞球装置15,15’の最初の開放が開始されるまでの期間をt1とし、普通図柄の可変表示を開始してから可変入賞球装置15,15’の最後の開放が終了するまでの期間をt2として規定すると良い。このように規定することでゲート32を通過した遊技球が可変入賞球装置15に入賞すうる確率が高まり、第2の遊技球が可変入賞球装置15’に入賞する確率が高まる。
(12) 前述した本実施の形態では、主基板31において、大当り終了時に15R大当りBである場合、図20の大当り終了処理のステップS155で、時短フラグがオン状態にセットされて、時短状態が開始されるとともに、メイン側変動回数カウンタに、残りの時短回数として、この実施の形態においては「100」が設定される(S156)。そして、図19の特別図柄停止処理おいて大当りフラグがセットされておらず、時短フラグがセットされている場合ごとに、メイン側変動回数カウンタが1減算される(S140)。このメイン側変動回数カウンタの変数は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55のバックアップ電源によってバックアップされた記憶領域に記憶される。なお、15R大当りAであっても、15R大当りBであっても、メイン側変動回数カウンタに、残りの時短回数を設定する構成であってもよい。
また、演出制御基板80においては、大当り終了時に、サブ側変動回数カウンタに、残りの時短回数として、同様に「100」が設定される。そして、図43の演出図柄変動停止処理が実行されて大当りでない場合に、サブ側変動回数カウンタが1減算され(S8312)、時短状態の残り回数が、たとえば、演出表示装置9に表示されることで報知される。なお、この報知は、音声など他の方法によって行なわれるようにしてもよい。このサブ側変動回数カウンタの変数が記憶される演出制御基板80のRAMは、本実施の形態においては、バックアップ電源によってバックアップされない。
このような前提において、遊技機に供給される電力が停止し、電源断の状態となった後に、復旧すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55に記憶されたメイン側変動回数カウンタの変数は、電源バックアップされているので、電源断となる直前の値を維持している。一方、演出制御基板80のRAMに記憶されたサブ側変動回数カウンタの変数は、電源バックアップされていないので、電源断となる前の値を維持していない。このため、主基板31では時短状態の残り回数が正しく把握されているので、遊技制御上は問題はない。一方、演出制御基板80では演出表示装置9に時短状態の残り回数が正しく表示されなくなってしまう。その結果、遊技制御が正しく行なわれていないのではないかといった疑念および不安を遊技者に与えてしまうといった問題がある。
前述した本実施の形態において、図13で示した停電復旧指定コマンドに残りの変動回数の情報(制御期間を特定可能な情報)を含める構成を説明したが、電断復旧時に残りの変動回数を指定する残変動回数指定コマンドが送信されるようにしてもよい。具体的には、電源断が発生して復旧した後、電源断前の遊技状態で遊技制御が開始される前に、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、RAM55に記憶された電源バックアップされたメイン側変動回数カウンタの変数の値を読出し、読出した値を特定可能な残変動回数指定コマンドを、演出制御基板80に送信する。
この残変動回数指定コマンドで特定される値に基づいて、演出制御基板80の演出制御用CPU101は、サブ側変動回数カウンタの変数の値を復旧する。このようにすることにより、電源断が発生した場合であっても、時短状態の残り回数が、正しく、演出表示装置9に表示されるようになる。
これにより、演出制御基板80のRAMの電源バックアップのためにコストアップをする必要無く、遊技制御が正しく行なわれていないのではないかといった疑念および不安を遊技者に与えないようにすることができる。
(13) 上述の(12)において、残変動回数指定コマンドは、電断復旧時に送信されることに限定されず、演出図柄の変動表示の開始時,変動中,終了時、始動入賞時など他のタイミングに送信されるようにしてもよい。このように、変動表示ごと、または、始動入賞ごとに、残変動回数指定コマンドが送信されるようにする場合は、演出制御基板80では、サブ側変動回数カウンタによる時短状態の残り回数の計数を行なう必要がないので、行なわないようにしてもよい。
(14) 上述の(12)において、時短状態の残り回数の報知は、変動表示中に毎回、行なわれるようにした。しかし、時短状態の残り回数の報知の態様は、これに限定されず、変動表示直前に行なわれるようにしてもよいし、変動表示終了時に行なわれるようにしてもよいし、所定周期ごと、たとえば、演出図柄の変動表示、10回ごとに行なわれるようにしてもよいし、予め定められたタイミングごと、たとえば、残り回数が少なくなるにしたがって高い頻度(具体的には、時短状態の残り回数が100回,50回,30回,20回,10回,5回,3回,2回,1回)で行なわれるようにしてもよい。また、電断復旧時に特図保留記憶数が0ですぐには演出図柄の変動表示が行なわれない場合は、演出図柄の変動表示が行なわれていない状態の演出表示装置9に、時短状態の残り回数が表示されるようにしてもよい。
(15) 上述の(12)において、時短状態の残り回数を特定可能な残変動回数指定コマンドを送信するようにした。時短状態の残り回数を特定可能であれば、残り回数自体を直接的に特定可能であってもよいし、直接的には時短状態の既実行回数が特定可能であり、間接的に残り回数を特定可能であってもよい。また、上述の(14)で示したように、所定周期ごと、または、予め定められたタイミングごとに報知が行なわれる場合は、何回目の周期であるかを特定可能であってもよいし、予め定められたタイミングのうちのいずれかを特定可能であってもよい。
また、残変動回数指定コマンドで特定される内容を他の内容を特定するコマンドで特定可能にして送信するようにしてもよい。たとえば、電断復旧を指定するコマンドで時短状態の残り回数を特定可能にしてもよいし、図13の図柄確定指定コマンド、第1始動入賞指定コマンド、および、第2始動入賞指定コマンドのように、EXTで特に何も指定しないコマンドで時短状態の残り回数を特定可能にしてもよい。
(16) 上述の(12)の内容は、次回大当りまで継続する確変状態、および、大当り終了後、特別図柄および演出図柄の変動表示が100回までまたは次回大当りまでのいずれか早い方が成立するまで継続する時短状態の終了契機が異なる複数の特別遊技状態に制御可能な遊技機において、時短状態の残り回数を特定可能なコマンドを主基板31から演出制御基板80に送信するものであった。しかし、制御期間が可変である特別遊技状態を含む1または複数の特別遊技状態に制御可能な遊技機において、可変である特別遊技状態の制御期間を特定可能なコマンドを主基板31から演出制御基板80に送信する遊技機であれば、他の遊技機であってもよい。そのような遊技機であれば、それぞれの特別遊技状態の終了契機が異なるものであってもよいし、同じものであってもよい。
この場合も、上述の(12)で示した場合と同様、演出制御基板80のRAMの電源バックアップのためにコストアップをする必要無く、遊技制御が正しく行なわれていないのではないかといった疑念および不安を遊技者に与えないようにすることができる。
(17) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。