JP5611258B2 - 真空断熱材、その製造方法、保温体及びその解体処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、解体時に破砕性が優れた真空断熱材、その製造方法、その真空断熱材を用いた保温体及びその解体処理方法に関するものである。
真空断熱材は、従来からのグラスウール断熱材などと比較して熱伝導率を大幅に小さくできるため、省エネ意識の向上とともに断熱材として広く使われるようになってきた。真空断熱材を構成する芯材は、以前は例えば連通気泡ウレタンなどの発泡系の材料が用いられていたが、近年、積層構造体にした繊維シートを用いることにより、より高性能な真空断熱材が開発されてきている。繊維シートは、ガラス繊維や樹脂繊維などが用いられ、特に樹脂繊維は、作業性やハンドリングが容易であるという利点がある。
従来の樹脂繊維を芯材とする真空断熱材は、その樹脂素材として、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、生分解性プラスチック、ポリエチレンなどが用いられている(例えば、特許文献1を参照)。
また、脂肪酸ポリエステルと芳香族ポリエステルとのコポリエステル材料を用いた生分解性不織布の製造方法に関する技術が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
特開2005−36897号公報 特表2004−510891号公報
しかしながら、特許文献1は、多数の樹脂素材を列挙し、汎用性、コスト及び性能を考慮すると、ポリエステルが最も好ましいと記載するものの、2種類以上の樹脂素材から成形された繊維については具体的な組合せも効果も記載されていない。
また、特許文献2には、ドレープ性、防しわ性、弾力性や生分解性が求められる用途についての記載があるものの、真空断熱材の芯材として適用した構成及び作用についての記載はない。
ところで、ポリエステル繊維を芯材とした真空断熱材は、これを適用した製品を解体工場等で処理する時に、破砕工程にて破砕機の切断刃に絡まったり、また例えば素材分別用などに用いられたフィルタを閉塞させたり、さらに回収金属に付着してリサイクル金属の品質(純度)を低下させるなどの問題があった。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、真空断熱材を適用した製品をリサイクル解体する際に、真空断熱材の芯材を構成する樹脂繊維の脆性を促し、破砕性を向上させた真空断熱材、その真空断熱材の製造方法、その真空断熱材を適用した保温体及びその保温体の解体処理方法を提供することを目的とする。
本発明の真空断熱材は、樹脂繊維からなる不織布を含む積層体で構成される芯材と、該芯材を真空密閉して覆う外被材とを備え、該樹脂繊維が、エステル結合を有する芳香族樹脂を海成分とし、該芳香族樹脂のガラス転移温度よりも低いガラス転移温度を有する脂肪族樹脂を島成分とする海島型複合繊維であり、該脂肪族樹脂のガラス転移温度以上かつ該芳香族樹脂のガラス転移温度未満で熱処理されているか又は該脂肪族樹脂を2重量%以上含有することを特徴とするものである。
本発明の真空断熱材の製造方法は、エステル結合を有する芳香族樹脂を海成分とし、該芳香族樹脂のガラス転移温度よりも低いガラス転移温度を有する脂肪族樹脂を島成分とする海島型複合繊維からなる不織布を積層して芯材を調製する工程と、該芯材を外被材に挿入してパックを調製する工程と、該パックを真空密封する工程とを含む真空断熱材の製造方法であって、真空密封前に、該芯材を該脂肪族樹脂のガラス転移温度以上かつ該芳香族樹脂のガラス転移温度未満で熱処理することを特徴とするものである。
また、本発明の保温体は、上記真空断熱材を用いて箱体を覆うように設置されたことを特徴とするものである。
さらに、本発明の保温体の解体処理方法は、40℃〜100℃/50%RH〜100%RHの高温高湿下で上記保温体を破砕する工程を含むことを特徴とするものである。
本発明の真空断熱材によれば、これを適用した製品をリサイクル解体する際に、破砕機の切断刃に絡まったり、フィルタを閉塞させたり、さらに回収金属に付着してリサイクル金属の品質を低下させることがなく、破砕性に優れたものとすることができる。
また、本発明の真空断熱材の製造方法によれば、製造時に樹脂繊維の脆化処理ができ、解体処理し易い真空断熱材を製造することができる。
さらに、本発明の真空断熱材の解体処理方法によれば、解体処理と同時に樹脂繊維を脆化することができ、効率のよい分別リサイクルが実現できる。
本発明の実施の形態1による真空断熱材を示す断面模式図である。 本発明の実施の形態1による真空断熱材の芯材を構成する樹脂繊維の一部の拡大模式図である。 本発明の実施の形態1による真空断熱材の芯材を構成する海島型複合繊維の断面図である。 本発明の実施の形態2による真空断熱材を示す断面模式図である。 本発明の実施の形態2による他の真空断熱材を示す断面模式図である。 本発明の実施の形態2による他の真空断熱材を示す断面模式図である。 本発明の実施の形態3による樹脂繊維不織布の表面を示す模式図である。 本発明の実施の形態5による保温体の解体処理方法の一部を示すフロー模式図である。
実施の形態1.
まず、本発明の実施の形態1による真空断熱材の構成を説明する。図1は、本発明の実施の形態1による真空断熱材を示す断面模式図である。図1において、真空断熱材1は、複数枚の樹脂繊維不織布2を積層した積層体で構成される芯材3が外被材4により覆われ真空密閉されて構成されている。
樹脂繊維不織布2は、約85%が空隙で、残りが樹脂繊維で構成されており、また、断熱性能を向上させるために、樹脂繊維の軸方向(長手方向)と樹脂繊維不織布2の表面とが極力平行になるように配置されている。また、外被材4は、Al(アルミニウム)箔を複数の高分子シートで挟持したアルミラミネートシートである。
図2は、本実施の形態による真空断熱材1の芯材3を構成する樹脂繊維の一部の模式拡大図である。図2において、樹脂繊維7は、エステル結合を有する芳香族樹脂5を海成分とし、芳香族樹脂5のガラス転移温度よりも低いガラス転移温度を有する脂肪族樹脂6を島成分とする海島構造を有している。この樹脂繊維7を例えばスパンボンド方式によって延伸紡糸させることで、直径を約13μmにした海島型複合長繊維とすることができる。
次に、本実施の形態による真空断熱材1の製造方法について説明する。
まず、例えばスパンボンド製法を用い、芳香族樹脂5と脂肪族樹脂6とを予め溶融混錬して樹脂ペレットを作製し、これを溶融させノズルから押出した後、冷却しながらエジェクタ等を利用して延伸させて紡糸する。紡糸された繊維は、ベルトコンベアに集積して、低目付シート(薄肉シート)にする。その後、熱エンボスロールにて一部熱融着させて繊維を固着させてシートロールを形成する。得られたシートロールを所定の大きさに切断して樹脂繊維不織布2を得、これを積層して芯材3を作製する。
作製された芯材3は、真空密封前に、脂肪族樹脂6のガラス転移温度以上かつ芳香族樹脂5のガラス転移温度未満の温度に設定された加熱炉にて熱処理される。例えば、芳香族樹脂5としてポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する場合がある)を使用し、脂肪族樹脂6としてポリグリコール酸(以下、PGAと略記する場合がある)を使用した場合、PETのガラス転移温度が79℃程度、PGAのガラス転移温度が40℃程度なので、その間の例えば70℃程度にすることが望ましい。また、樹脂繊維7が、脂肪族樹脂6を2重量%以上含有する場合には、熱処理を実施しなくてもよい。
上記熱処理は、可能な限り相対湿度が高い環境で実施することが望ましい。そのような環境は、芯材3をある程度密封性のある例えばポリエチレン製の袋に挿入し、加熱することによって芯材3に含まれる水分を蒸発させ、芯材3が挿入された袋内部の相対湿度を高めることで比較的容易に実現することができる。その後、袋から芯材3を取り出し、真空引き時間を短縮させるために芯材3自体の乾燥を行い、芯材に含まれる水分を除去する。そして、アルミラミネートシートを2枚合わせて、その3辺を密封封止するように製袋加工した外被材4に、乾燥された芯材3を挿入する。
ここで、芯材3を挿入した袋の代わりに真空断熱材の外被材4を用いて熱処理を実施することもできる。この場合、予め製袋加工した外被材4に、芯材3を挿入して熱処理を実施し、次に外被材4から芯材3を取り出すことなく、高温状態のまま、外被材4の開口部に例えば乾燥空気を噴出させる。これによって、水蒸気を強制的に排出させ、芯材3を乾燥させることができる。
続いて、芯材3を外被材4に挿入したパックを真空チャンバ内に配置する。次に、真空チャンバ内を減圧して、所定の圧力、例えば0.1Pa〜3Pa程度の真空圧にする。この状態で、外被材4の開口部をヒートシールにより密閉する。真空チャンバ内を大気圧に戻し、真空チャンバ内から取り出すことにより、本実施の形態の真空断熱材1を得ることができる。このようにして製造された真空断熱材1の内部空間は、真空に保持されている。
なお、真空チャンバ内に設置する前に、必要に応じて、外被材4で覆われた空間にガス吸着剤を挿入してもよい。
なお、本実施の形態では、脂肪族樹脂6としてPGAを例にとったが、これに限定されるものではなく、例えばポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリブチレンサクシネート、ポリカプロラクトンなどを用いてもよい。また、芳香族樹脂5としてPETを例にとったが、これに限定されるものではなく、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレートなどを用いてもよい。
なお、本実施の形態では、芳香族樹脂5と脂肪族樹脂6とを予め溶融混錬した樹脂ペレットを使用する例を示したが、芳香族樹脂5のペレットと脂肪族樹脂6のペレットとをドライブレンドし、これを押出し機に供給することで押出し機の内部で溶融させながら混合させてもよい。
また、樹脂繊維不織布2の積層は、切断して積層する例を示したが、これに限定されるものではなく、一枚のシートを切断せずに所望の厚みとなるまで渦巻状に巻き込んでこれを積層体としてもよい。
また、外被材4の構成の具体例は、25μm−ONy(延伸ナイロン)/12μm−Al蒸着PET(ポリエチレンテレフタレート)/6μm−Al箔/50μmPE(無延伸ポリエチレン)の4層構造を有するアルミラミネートシートである。ただし、これに限定されるものではなく、バリア性が維持されるのであれば、他の材料であってもよい。また、各層の厚さも先に説明したものに限定されるものでない。さらに、アルミラミネートシートのAl箔を例えばAl蒸着フィルム、アルミナ蒸着フィルム、シリカ蒸着フィルムなどに置き換えてもよい。さらに、別のフィルムを積層して5層以上の層構造としてもよいし、逆に、積層するフィルムを減らしてもよい。
次に、本実施の形態で試作した樹脂繊維不織布の評価を行った。芳香族樹脂としてPETペレットを使用し、脂肪族樹脂としてPGAペレットを使用し、これらを表1に示す重量比でドライブレンドし、これをスパンボンド式不織布製造装置に供給し、溶融させながらノズルから押出し、さらに、エジェクタ圧力を調整することで線速度約4500m/minで延伸紡糸させた。その後、実施例1、実施例3及び比較例3の試作品については熱処理を実施した。熱処理は、未乾燥芯材を外被材に挿入し、70℃のオーブンにて12時間保持して行った。このとき、外被材内部の相対湿度を測定したところ、最大で約85%RHまで上昇し、その後下降するというように経時的に変化した。得られた試作品の樹脂繊維の直径は平均13μmであった。また、実施例1〜3及び比較例1の樹脂繊維の断面を観察したところ、図3に示すように、芳香族樹脂5を海成分とし、脂肪族樹脂6を島成分とする海島構造になっていることが確認された。作製された樹脂繊維の引張破断伸びを測定した結果を表1に示す。
Figure 0005611258
ところで、リサイクル破砕で破砕機に絡みつきなく処理可能な目安は、樹脂繊維の破断伸びが約8.4mm以下であることが本発明者らの実験により確かめられている。表1の結果から、熱処理なしの場合にはPGAを2重量%以上含有させれば破砕性が良好となると考えられ、また、熱処理ありの場合にはPGAを1重量%以上含有させれば破砕性が良好となると考えられる。
一方、PGAが多過ぎると、樹脂繊維自体が脆くなり、芯材の本来の機能である、外被材内部の空隙率の維持が困難になった。そのため、PETとPGAと用いた樹脂繊維では、PGAの含有量を10重量%以下にすることが望ましい。
以上の結果から、PGA含有量の調整と熱処理との組合せによって、リサイクル破砕に適合した樹脂繊維を芯材とする真空断熱材が製造でき、これを搭載した機器の破砕性改善によるリサイクル性が大幅に向上できることが分かる。
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2による真空断熱材1を示す断面模式図である。図4において、真空断熱材1は、樹脂繊維不織布2とガラス繊維不織布8とを交互に積層した積層体で構成される芯材3が外被材4により覆われ真空密閉されて構成されている。樹脂繊維不織布2は、実施の形態1で示したものと同様であり、また、ガラス繊維不織布8は、乾式製法で製造されたグラスウールや湿式製法で製造されたグラスペーパである。このような芯材3は、例えば、樹脂繊維不織布2の原反ロールとガラス繊維不織布8の原反ロールとから2つの繊維不織布を重ね合わせて一括切断し、これを積層したものを用いることができる。
この構成の真空断熱材を搭載した機器の破砕試験を実施したところ、樹脂繊維がガラス繊維に絡みついた状態になり易く、樹脂繊維不織布2だけの場合と比べて回収金属に絡まっていた樹脂繊維が減少することが確認された。つまり、この実施の形態2による真空断熱材では、破砕性が向上するばかりか、リサイクル金属の品質(純度)を向上させることができる。
図5は、本発明の実施の形態2による他の真空断熱材を示す断面模式図である。図5において、芯材3の中心部は樹脂繊維不織布2で構成されており、その外側(外被材側)をガラス繊維不織布8で挟み込むように積層している。
この構成の真空断熱材では、破砕性及びリサイクル金属の品質(純度)が、樹脂繊維不織布2とガラス繊維不織布8とを交互に積層した積層体で構成される芯材3を用いた真空断熱材と同等レベルで改善される。さらに、芯材3を製造する時に交互に積層しないことから、樹脂繊維不織布2を積層した積層体1つと、ガラス繊維不織布8を積層した積層体2つを組み合わせることで容易に芯材3を作製することができる。
図6は、本発明の実施の形態2による他の真空断熱材を示す断面模式図である。図6において、樹脂繊維不織布2とガラス繊維不織布8とを交互に積層した積層体で構成される芯材3が外被材4により覆われ真空密閉されて構成されている。ただし、樹脂繊維不織布2及びガラス繊維不織布8は連続シートであり、これらを重ね合わせて渦巻状に巻き込んで積層体としている。また、重ね合わせた連続シートを渦巻状に巻き込まずに、重ね合わせた連続シートを折り畳んで積層体としてもよい。これらの構成の真空断熱材でも、破砕性及びリサイクル金属の品質(純度)が、樹脂繊維不織布2とガラス繊維不織布8とを交互に積層した積層体で構成される芯材3を用いた真空断熱材と同等レベルで改善される。さらに、樹脂繊維不織布2とガラス繊維不織布8との交互積層が容易にできる。
実施の形態3.
図7は、本発明の実施の形態3による樹脂繊維不織布の表面を示す模式図である。この樹脂繊維不織布2は、表面にスリット9が施され、樹脂繊維が短繊維化されている点が実施の形態1で示したものと異なる。樹脂繊維不織布2を製造する際のシート巻き取りへの送り方向をシート移動方向10aとし、このシート移動方向10aに垂直になる方向には、必ずスリット9が存在するように斜めにスリット9を配置している。また、シート巻き取りや巻き戻しに必要な樹脂繊維不織布2の引張強度を確保するために、シート移動方向10aと平行な方向には、スリットが存在しない直線部分10bを設けている。
ただし、このスリットの長さL及びピッチPや繰り返し幅Rなどは、製造設備におけるシート巻き取りに必要な引張強度を基準に、シートの厚みや目付量を考慮して適宜決定すればよい。実際、目付量20g/m程度の樹脂繊維不織布2の表面にL=4mm、P=2mm、R=6mmで、傾斜角度45°としたスリット加工を施した樹脂繊維不織布を試作し、評価した結果、シートが切断することなくシート巻き取り及び巻き戻しが可能で、さらに樹脂繊維不織布の破砕性がより向上することが分かった。つまり、この実施の形態3による樹脂繊維不織布2では、破砕性がより向上し、リサイクル金属への樹脂混入を防止することができる。
なお、スリット加工方法については、樹脂繊維不織布の製造工程におけるシート巻き取り直前で、ロール形状のスリット刃で樹脂繊維不織布の表面に切り目をつけたり、また一旦ロール巻き取りした樹脂繊維不織布を巻き戻しながら1枚もしくは複数枚重ねて切り目をつけてもよい。
実施の形態4.
本発明の実施の形態4による真空断熱材1は、実施の形態3で示したスリット加工を表面に施した樹脂繊維不織布2と、実施の形態2に示したガラス繊維不織布8とを交互に積層した積層体で構成される芯材3が外被材4により覆われ真空密閉されて構成されている。積層構造は、図4、図5又は図6に示したものと同様の積層構造とすることができる。スリット加工によって樹脂繊維が短繊維化されていることから、ガラス繊維により絡みつき易くなり、破砕後にガラス繊維と塊になる。従って、回収金属への樹脂繊維の絡まりが少なくなり、リサイクル金属の品質(純度)を向上させることができる。
また、ガラス繊維不織布8にも樹脂繊維不織布2と同等か、それよりも粗い間隔でスリット加工を施してもよい。この場合、ガラス繊維の破砕性も向上することから、樹脂繊維とガラス繊維がより絡み易くなる。従って、保温体の省エネ性を高めるために、従来以上に真空断熱材の厚みを大きくしたり、被覆率を大きくしたりしたものに対しても、リサイクル性を損ねることのない真空断熱材を提供することができる。
実施の形態5.
図8は、本発明の実施の形態5による保温体の解体処理方法の一部を示すフロー模式図である。図8において、11は保温体、12a,12bはコンベヤ、13は制御装置、14はヒータ、15は加湿器、16は破砕機、17は破砕処理装置、18は温度計、19は分別機、20はフィルタ、Aは湿度制御信号線、Bは温度信号線、Cはヒータ制御信号線である。
保温体11は、例えば外箱と内箱とで構成された冷蔵庫であり、その内箱と外箱との間に内箱の周囲を覆うように真空断熱材1と他の断熱材(例えば発泡ウレタン)が設けられている。保温体11は、コンベヤ12aによって破砕処理装置17内に導入され、破砕機16によって破砕される。このとき、温度計18で計測された温度値が温度信号線Bを介して制御装置13に送られ、この温度値に基づいて、制御装置13は、湿度制御信号線Aを介して加湿器15及びヒータ制御信号線Cを介してヒータ14にそれぞれ指令を送り、例えば70℃、85%RHとなるように制御する。破砕された材料は、コンベヤ12bによって分別機19に送られ、例えば金属材料、プラスチック固形材料、発泡材料(繊維材料を含む)などに分別され、一部はフィルタ20を通過して次工程に搬送される。
本実施の形態では、保温体11の破砕を40℃〜100℃/50%RH〜100%RHの高温高湿環境下で行うことにより、樹脂繊維を構成する脂肪族樹脂の分解を促進させている。この結果、樹脂繊維の破砕性をさらに高めることができ、保温体11のリサイクル性の向上を図ることができる。
1 真空断熱材、2 樹脂繊維不織布、3 芯材、4 外被材、5 芳香族樹脂、6 脂肪族樹脂、7 樹脂繊維、8 ガラス繊維不織布、9 スリット、10a シート移動方向、10b スリットが存在ない直線部分、11 保温体、12a コンベヤ、12b コンベヤ、13 制御装置、14 ヒータ、15 加湿器、16 破砕機、17 破砕処理装置、18 温度計、19 分別機、20 フィルタ、A 湿度制御信号線、B 温度信号線、C ヒータ制御信号線。

Claims (9)

  1. 樹脂繊維からなる不織布を含む積層体で構成される芯材と、該芯材を真空密閉して覆う外被材とを備え、
    該樹脂繊維が、エステル結合を有する芳香族樹脂を海成分とし、該芳香族樹脂のガラス転移温度よりも低いガラス転移温度を有する脂肪族樹脂を島成分とする海島型複合繊維であり、該脂肪族樹脂のガラス転移温度以上かつ該芳香族樹脂のガラス転移温度未満で熱処理されているか又は該脂肪族樹脂を2重量%以上含有することを特徴とする真空断熱材。
  2. 前記樹脂繊維は、前記脂肪族樹脂を1重量%以上10重量%以下含有し、前記脂肪族樹脂のガラス転移温度以上かつ前記芳香族樹脂のガラス転移温度未満で熱処理されていることを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材。
  3. 前記芳香族樹脂はポリエチレンテレフタレートであり、前記脂肪族樹脂はポリグリコール酸であることを特徴とする請求項1又は2に記載の真空断熱材。
  4. 前記芯材は、前記樹脂繊維不織布とガラス繊維不織布とを積層した積層体で構成されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の真空断熱材。
  5. 前記樹脂繊維不織布の表面にスリット加工が施されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の真空断熱材。
  6. エステル結合を有する芳香族樹脂を海成分とし、該芳香族樹脂のガラス転移温度よりも低いガラス転移温度を有する脂肪族樹脂を島成分とする海島型複合繊維からなる不織布を積層して芯材を調製する工程と、
    該芯材を外被材に挿入してパックを調製する工程と、
    該パックを真空密封する工程とを含む真空断熱材の製造方法であって、
    真空密封前に、該芯材を該脂肪族樹脂のガラス転移温度以上かつ該芳香族樹脂のガラス転移温度未満で熱処理することを特徴とする真空断熱材の製造方法。
  7. エステル結合を有する芳香族樹脂を海成分とし、該芳香族樹脂のガラス転移温度よりも低いガラス転移温度を有する脂肪族樹脂を島成分とし、該脂肪族樹脂を2重量%以上含有する海島型複合繊維からなる不織布を積層して芯材を調製する工程と、
    該芯材として外被材に挿入してパックを調製する工程と、
    該パックを真空密封する工程とを含むことを特徴とする真空断熱材の製造方法。
  8. 請求項1〜5の何れか一項に記載の真空断熱材を用いて箱体を覆うように設置されたことを特徴とする保温体。
  9. 請求項8に記載の保温体の解体処理方法であって、
    40℃〜100℃/50%RH〜100%RHの高温高湿下で該保温体を破砕する工程を含むことを特徴とする保温体の解体処理方法。
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