JP5605930B1 - 切断加工用刃物 - Google Patents

切断加工用刃物 Download PDF

Info

Publication number
JP5605930B1
JP5605930B1 JP2014080636A JP2014080636A JP5605930B1 JP 5605930 B1 JP5605930 B1 JP 5605930B1 JP 2014080636 A JP2014080636 A JP 2014080636A JP 2014080636 A JP2014080636 A JP 2014080636A JP 5605930 B1 JP5605930 B1 JP 5605930B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cutting
blade
recess
cutting tool
radial direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014080636A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015199177A (ja
Inventor
清信 阿形
Original Assignee
近畿刃物工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 近畿刃物工業株式会社 filed Critical 近畿刃物工業株式会社
Priority to JP2014080636A priority Critical patent/JP5605930B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5605930B1 publication Critical patent/JP5605930B1/ja
Publication of JP2015199177A publication Critical patent/JP2015199177A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Making Paper Articles (AREA)
  • Nonmetal Cutting Devices (AREA)

Abstract

【課題】切断刃の摩耗を抑制して長寿命化を図ると共に、切断されるシート材の切断不良が発生することを抑制することができる切断加工用刃物を提供する。
【解決手段】回転しながらシート材を切断する切断加工用刃物であって、扇形状の刃物本体と、前記刃物本体の外周部に沿って配置される切断刃とを備え、前記切断刃の側面には、該切断刃を形成する材料よりも熱膨張係数が大きい潤滑剤が充填される凹所が形成されている切断加工用刃物。
【選択図】図1

Description

本発明は、切断加工用刃物に関する。特に、ダンボールシート等のシート材を切断する切断加工用刃物に関する。
物を保管又は移動等させるための包装箱として、図13に示すような段ボールシート50を組み立てて製造される段ボール箱が知られている。この段ボール箱の上蓋及び底板は、段ボールシート50の一部にスリット51,52を形成して切り離された部分を互いに重なり合うように折り畳んで形成される。
このスリット51,52の形成に際して、溝切り装置が用いられるのが一般的であり、この溝切り装置には、図14に示すような切断加工用刃物60がよく用いられる(例えば、特許文献1の従来技術参照)。
この切断加工用刃物60は、扇形状に形成された刃物本体部61に切込生成刃62と切断刃63とが一体形成されている。切込生成刃62は、刃物本体61の外周面の一端から径方向外方に、刃物本体61の端面と面一になるように突出しており、端面の幅方向両側に角部64を備えている。切断刃63は、刃物本体部61の外周面に沿って、刃物本体61の厚み方向両側にそれぞれ設けられている。
切断加工用刃物60は、図15及び図16に示すような溝切り装置70に取り付けられる。図15は溝切り装置の概略構成を示す側面図であり、図16は正面図である。この溝切り装置70には、上述した切断加工用刃物60が2枚取り付けられるが、それぞれの刃物を切断加工用刃物60a,60bとして、溝切り装置70の構成について以下説明する。
溝切り装置70は、上側回転軸71及び下側回転軸72を備えている。上側回転軸71及び下側回転軸72は、互いに平行に、シート給送ラインLを挟んで対向するように配置されており、それぞれ円盤状の一対の上側回転ホルダ73,73及び一対の下側回転ホルダ74,74を備えている。
一対の上側回転ホルダ73,73には、2枚の切断加工用刃物60a,60bがそれぞれボルト等の締結具(図示せず)により挟持されている。これら切断加工用刃物60a、60bは、一対の回転ホルダ73,73の外周に沿って所定の間隔を空けて、かつ、それぞれの切込生成刃62a,62bが、外周方向に沿って向き合うように取り付けられる。これに対し、一対の下側回転ホルダ74,74のそれぞれの対向面には、2枚の受刃75,75が、切断加工用刃物60a及び60bの厚み寸法に対応した所定間隔をあけて取り付けられる。
次に、以上の構成を備えた溝切り装置70を用いて、段ボールシート50にスリットを形成する方法を説明する。図15に示すように、上側回転ホルダ73,73及び下側回転ホルダ74,74を回転させた状態で、溝切り装置70のシート給送ラインL上に沿って、段ボールシート50を図15の右側から溝切り装置70に給送する。これにより、切断加工用刃物60aが、受刃75,75の隙間に挟み込まれて、段ボールシート50が切断され、図13に示すような終端部53を終点とした前方スリット51が形成される。同様に、他方の切断加工用刃物60bが、受刃75,75の隙間に挟み込まれて、段ボールシート50が切断され、始端部54を起点とした後方スリット52が形成される。
特開平9−39118号公報
上述のように段ボールシート等のシート材にスリット加工を行う場合、上側回転ホルダに設置される切断加工用刃物が、下側回転ホルダに設置される両受刃の隙間に挟み込まれることになるが、このとき、切断加工用刃物の切断刃と受刃とが互いに摺接し、これにより、切断加工用刃物の切断刃や受刃が摩耗してしまうという問題があった。切断加工用刃物の切断刃(或いは受刃)が摩耗してしまうと、刃物としての切れ味が悪化し、シート材の切断面がギザギザな状態となったり、シート材を切断する際に発生する切断加工用刃物と受刃との押圧によるシート材の横ずれ(シート材の厚み方向に対して垂直な方向の変形)が発生しやすくなり、この横ずれに起因した細いひげ状の切断屑がシート材の切断面に残存するといった切断不良が生じるおそれがある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、切断刃の摩耗を抑制して長寿命化を図ると共に、切断されるシート材の切断不良が発生することを抑制することができる切断加工用刃物を提供することを目的とする。
本発明の前記目的は、回転しながらシート材を切断する切断加工用刃物であって、扇形状の刃物本体と、前記刃物本体の外周部に沿って配置される切断刃とを備え、前記切断刃の側面には、該切断刃を形成する材料よりも熱膨張係数が大きい潤滑剤が充填される凹所が形成されており、前記切断刃を形成する材料と、前記凹所に充填される潤滑剤との熱膨張係数の差に基づいて、前記凹所に充填される潤滑剤が、前記凹所より漏出可能に構成される切断加工用刃物により達成される。ここで、前記潤滑剤は、液状の潤滑剤であることが好ましい。
また、上記切断加工用刃物において、前記凹所は、前記切断刃の刃先との間に所定間隔をあけた状態で前記刃物本体の周方向に沿って形成される線状溝として構成することができる。
また、前記線状溝は、前記刃物本体の径方向に沿って所定間隔を空けて複数形成してもよい。また、前記刃物本体の径方向に沿って所定間隔を空けて形成される前記各線状溝は、前記刃物本体の径方向内側に向かうに従い、溝幅が大となるように形成してもよい。また、前記刃物本体の径方向に沿って所定間隔を空けて形成される前記各線状溝は、前記刃物本体の径方向内側に向かうに従い、溝深さが大となるように形成してもよい。
また、前記凹所は、ディンプル状に形成されており、該ディンプル状の凹所を複数形成するように構成してもよい。また、前記複数のディンプル状の凹所が、前記刃物本体の周方向に沿って一列状に配置される凹所群を形成するように構成してもよい。また、前記刃物本体の径方向に沿って所定間隔を空けて、前記凹所群が、複数列形成されるように構成してもよい。更に、前記刃物本体の径方向に沿って所定間隔を空けて形成される前記各凹所群は、前記刃物本体の径方向内側に向かうに従い、各凹所群におけるディンプル状の凹所の穴径が大となるように構成してもよい。また、前記刃物本体の径方向に沿って所定間隔を空けて形成される前記各凹所群は、前記刃物本体の径方向内側に向かうに従い、各凹所群におけるディンプル状の凹所の穴深さが大となるように形成してもよい。
また、前記切断刃は、前記刃物本体の外周部に沿って前記刃物本体の厚み方向両側縁にそれぞれ設けられており、前記凹所は、前記各切断刃の外側側面に形成するように構成してもよい。
本発明によれば、切断刃の摩耗を抑制して長寿命化を図ると共に、切断されるシート材の切断不良が発生することを抑制することができる切断加工用刃物を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る切断加工用刃物の平面図である。 図1のA−A断面図である。 図2の要部拡大図である。 図1に示す切断加工用刃物の断面形状の変形例を示す断面図である。 図1に示す切断加工用刃物の変形例を示す平面図である。 図5のB−B断面図である。 切断加工用刃物と受刃との摺接移動状態を説明する説明図である。 図5及び図6に示す切断加工用刃物の変形例を示す要部拡大断面図である。 図5及び図6に示す切断加工用刃物の他の変形例を示す要部拡大断面図である。 図1に示す切断加工用刃物の変形例を示す平面図である。 図10に示す切断加工用刃物の変形例を示す平面図である。 図1に示す切断加工用刃物の変形例を示す要部拡大平面図である。 スリットが形成された後の段ボールシートの概略平面図である。 従来の切断加工用刃物の平面図である。 図14に示す切断加工用刃物が取り付けられた溝切り装置の概略構成を示す側面図である。 図14に示す切断加工用刃物が取り付けられた溝切り装置の概略構成を示す正面図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる切断加工用刃物を示す平面図であり、図2は、そのA−A断面図、図3は、図2の要部拡大図である。切断加工用刃物1は、回転しながら段ボールシートや合成樹脂製シート等のシート材を切断するための刃物であり、図1及び図2に示すように、刃物本体2と、切断刃3と、切込生成刃4とを備えている。
刃物本体2は、ステンレスや鉄等の金属材料により形成されており、図1に示すように、平面視において扇形状に形成されている。
切断刃3は、シート材を切断してスリットを形成するための刃部であり、刃物本体2の外周部に沿って、刃物本体2の厚み方向両側縁にそれぞれ設けられている。この切断刃3の外側の側面には、図1〜図3に示すように、切断刃3を形成する材料よりも熱膨張係数が大きい潤滑剤が充填される凹所31が形成されている。凹所31は、切断刃3の刃先との間に所定間隔をあけた状態で刃物本体2の周方向に沿って形成される微小幅を有する線状溝31aとして形成されている。この凹所31(線状溝31a)の溝幅(刃物本体2の径方向に沿う方向の幅)や、溝深さの寸法は、適宜設定することができるが、例えば、溝幅を0.2mm〜3mm程度、溝深さを0.5mm〜2mm程度に形成する。このような凹所31(線状溝31a)は、例えば、レーザー加工やエッチング処理、切削加工等を切断刃3の側面に施すことにより形成することができる。
切込生成刃4は、切断加工用刃物1によりスリット加工されるときに出る屑片の一端を段ボールシート等のシート材から切り落とすための刃部であり、刃物本体2の外周面の一端から径方向外方に、刃物本体2の端面と面一になるように突出しており、端面の幅方向両側に角部を備えている。
以上の構成を備えた切断加工用刃物1は、例えば図15及び図16に示すような溝切り装置70に取り付けられて使用される。切断加工用刃物1は、溝切り装置70に取り付ける前段階、或いは、取り付け後に、例えば、液状の潤滑剤が収納されたスプレー缶から液状の潤滑剤を噴射し、当該潤滑剤を切断刃3の側面に形成される凹所31に充填して使用される。潤滑剤は、切断刃3を形成する材料よりも熱膨張係数が大きい潤滑剤であり、例えば、フッ素樹脂系潤滑剤や、シリコーン系潤滑剤を好適に使用することができる。段ボールシート等のシート材にスリットを形成する方法は、上記背景技術で説明した方法と同一であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る切断用加工刃物1は、切断刃3の側面に、該切断刃3を形成する材料よりも熱膨張係数が大きい潤滑剤が充填される凹所31が形成されており、段ボールシート等のシート材の切断に際して、上述のように、当該凹所31に潤滑剤を充填して使用される。これにより、シート材にスリット加工等の切断加工を行う場合に発生する、切断加工用刃物1の切断刃3と下側回転ホルダ74,74に設置される受刃75,75との摺接に起因する切断加工用刃物1の切断刃3や受刃75,75の摩耗を効果的に抑制することが可能となる。特に、本発明においては、潤滑剤として切断刃3を形成する材料よりも熱膨張係数が大きいものを使用しているため、シート材のスリット加工等の切断を進めていくに従い、切断刃3や、受刃75,75が摩擦熱により加熱され摩耗が促進される状況になったときに、切断刃3を形成する材料と、潤滑剤との熱膨張係数の差により、凹所31に充填される潤滑剤が膨張して当該凹所31より漏れ出ることとなり、切断刃3や受刃75,75の摩耗を効果的に防止し、切断加工用刃物1の長寿命化を図ることが可能となる。また、このように、切断刃3や受刃75,75の摩耗を効果的に抑制できる結果、刃物としての切れ味を長期間維持でき、シート材の切断面がギザギザな状態となったり、細いひげ状の切断屑がシート材の切断面に残存するといった切断不良の発生を防止することができる。また、本実施形態においては、凹所31を微小幅を有する線状溝31aとして構成しているため、当該線状溝31a内に充填される潤滑剤には大きな表面張力が作用する。これにより、切断加工用刃物1の回転に伴う遠心力が線状溝31a内の潤滑剤に作用した場合であっても、潤滑剤が流れ出ることを効果的に抑制することができる。
以上、本発明の一実施形態に係る切断加工用刃物1について説明したが、切断加工用刃物1の具体的構成は、上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態においては、シート材に対してスリットを形成できるように切断加工用刃物1を構成するために、切断刃3は、刃物本体2の厚み方向両側縁にそれぞれ設けられているが、このような形態に特に限定されない。例えば、単にシート材を切断して分離できるように、図4の概略構成断面図に示すように、単一の切断刃3を刃物本体2の外周部に沿って配置するように構成してもよい。なお、このように単一の切断刃3を設けるようにして切断加工用刃物1を構成する場合、切断刃3が受刃75と摺接する一方の側面上に凹所31を形成する。
また、上記実施形態においては、図1に示すように、刃物本体2の外周部に沿って設けられる切断刃3の側面の略全域に亘って、刃物本体2の周方向に沿って連続する一本の線状溝31aとして凹所31を形成しているが、このような構成に特に限定されず、例えば、切断刃3の摩耗が激しい領域を選定して、当該領域の摩耗を防止すべく、切断刃3の側面の一部分に線状溝31aを形成してもよい。
また、上記実施形態においては、図1〜図3に示すように、単一の線状溝31aとして凹所31を形成しているが、このような構成に特に限定されず、図5や図6に示すように、線状溝31aとして構成される凹所31を、刃物本体2の径方向に沿って所定間隔を空けて複数形成されるように構成してもよい。ここで、図5は、切断加工用刃物1の平面図であり、図6は、図5のB−B断面図である。また、図5及び図6においては、線状溝31aとして形成される凹所31を、刃物本体2の径方向に沿って3本形成した構成を示しているが、このような本数に限定されないことはいうまでもない。このような構成の場合、刃物本体2の切断刃3の側面が、多量の潤滑剤を保持することなり、潤滑剤による切断刃3や受刃75,75の摩耗抑制機能を高めることができる。また、切断加工用刃物1と受刃75,75との摺接は、図7に示すように、受刃75,75に対して切断加工用刃物1が挟み込まれていく際(図7(a)→(b))と、受刃75,75間から切断加工用刃物1が抜け出ていく際(図7(b)→(c))に生じることになるが、切断加工用刃物1を基準にこの摺接移動をみると、受刃75,75の側面が、切断加工用刃物1の切断刃3の側面を往復移動していることとなる。このように、切断加工用刃物1の切断刃3に対して受刃75,75の側面が往復移動しているため、複数の線状溝31aを刃物本体2の径方向に沿って配置する場合、各線状溝31aから漏れ出た潤滑剤が、線状溝31aが形成されている領域(最も外側に配置される線状溝31aと、最も内側に配置される線状溝31aとの間に形成される領域)に留まりやすくなり、潤滑剤による切断刃3や受刃75,75の摩耗抑制効果が長時間持続することとなる。
また、図5及び図6に示すように、線状溝31aとして構成される凹所31を、刃物本体2の径方向に沿って所定間隔を空けて複数形成する場合、例えば、図8の要部拡大断面図に示すように、刃物本体2の径方向に沿って所定間隔を空けて形成される各線状溝31aが、刃物本体2の径方向内側に向かうに従い、溝幅が大となるように形成してもよい。また、図9の要部拡大断面図に示すように、刃物本体2の径方向に沿って所定間隔を空けて形成される各線状溝31aが、刃物本体2の径方向内側に向かうに従い、溝深さが大となるように形成してもよい。このように線状溝31a(凹所31)を構成することにより、刃物本体2の径方向に沿って所定間隔を空けて配置される各線状溝31aに充填される潤滑剤の量を、刃物本体2の径方向内側に向かうに従い大とすることが可能となり、これにより、より一層、潤滑剤による切断刃3や受刃75,75の摩耗抑制機能を効果的なものとすることができる。
具体的に説明すると、切断加工用刃物1と受刃75,75との摺接により発生する摩擦熱の温度分布は、切断加工用刃物1と受刃75,75との摺接時間が最も長くなる切断刃3の先端部が最も温度が高く、切断刃3の先端部から刃物本体2の径方向内側に向かうに従い温度が徐々に低下するような温度分布となる。この温度分布を刃物本体2の径方向に沿って所定間隔を空けて配置される各線状溝31aについて当てはめると、最も刃物本体2の径方向外側に配置される線状溝31aは、最も刃物本体2の径方向内側に配置される線状溝31aよりも高温な状態となる。つまり、切断刃3の側面に温度分布が形成されることにより、切断刃3を形成する材料と潤滑剤との熱膨張係数の差により線状溝31a(凹所31)から漏れ出る潤滑剤の量は、各線状溝31aの形成位置によって差が生じることとなる。換言すると、同一形状の線状溝31a(溝幅、溝深さが同一の線状溝31a)を複数形成している場合、刃物本体2の径方向に沿って配置される各線状溝31aから漏れ出る潤滑剤の量は、外側から内側に向うに従い少なくなる。これに対し、上述のように、刃物本体2の径方向に沿って所定間隔を空けて配置される各線状溝31aに充填される潤滑剤の量を、刃物本体2の径方向内側に向かうに従い大となるような構成を採用することにより、刃物本体2の径方向に沿って配置される各線状溝31aから漏れ出る潤滑剤の量を略同一となるように潤滑剤の供給量をコントロールすることが可能となり、潤滑剤による切断刃3や受刃75,75の摩耗抑制機能を効果的なものとすることができる。
また、刃物本体2の径方向に沿って所定間隔を空けて配置される各線状溝31aに充填される潤滑剤の量を、刃物本体2の径方向内側に向かうに従い大となるような上記構成を採用する場合、仮に、摩擦熱によって切断刃3の先端部が極めて高温に加熱され、摩耗が促進されてしまうような状況になったとしても、最も刃物本体2の径方向内側に配置される線状溝31aの温度上昇に伴って、当該内側の線状溝31aから多くの潤滑剤を漏れ出させることが可能となり、効果的に、潤滑剤による切断刃3や受刃75,75の摩耗抑制機能を発揮することとなる。
また、上記実施形態においては、図1〜図3に示すように、凹所31は、切断刃3の刃先との間に所定間隔をあけた状態で刃物本体2の周方向に沿って形成される線状溝31aとして構成されているが、潤滑剤が充填される機能を有する構成である限り、このような線状溝31aに特に限定されない。例えば、凹所31を微小なディンプル状に形成し、該ディンプル状の凹所31bを切断刃3の側面に複数形成するようにして構成してもよい。このような構成であっても、上述した潤滑剤による切断刃3や受刃75,75の摩耗抑制効果を発揮することができる。また、ディンプル状の凹所31bを切断刃3の側面に複数形成する場合、複数のディンプル状の凹所31bは、図10に示すように、刃物本体2の周方向に沿って一列状に配置される凹所群35を形成するように構成することが、潤滑剤による切断刃3や受刃75,75の摩耗抑制機能を効果的に発揮する上でより好ましい。また、各ディンプル状の凹所31bを微小なものとすることにより、当該凹所31b内に充填される潤滑剤には大きな表面張力が作用する。これにより、切断加工用刃物1の回転に伴う遠心力がディンプル状の凹所31b内の潤滑剤に作用した場合であっても、潤滑剤が流れ出ることを効果的に抑制することができる。なお、ディンプル状の凹所31bの穴径や、穴深さの寸法は、適宜設定されるものであるが、例えば、穴径を0.1mm〜3mm程度、穴深さを0.1mm〜2mm程度に形成する。このようなディンプル状の凹所31bは、例えば、レーザー加工やエッチング処理、切削加工等を切断刃3の側面に施すことにより形成することができる。
また、複数のディンプル状の凹所31bを刃物本体2の周方向に沿って一列状に配置して凹所群35を形成する場合、図11に示すように、当該凹所群35を、刃物本体2の径方向に沿って所定間隔を空けて複数列形成するようにしてもよい。このように凹所群35を複数列形成する場合も、上述の線状溝31aとして構成される凹所31を、刃物本体2の径方向に沿って所定間隔を空けて複数形成する場合と同様な効果を得ることができる。
また、図11に示すように、凹所群35を、刃物本体2の径方向に沿って所定間隔を空けて複数列形成する場合、刃物本体2の径方向に沿って所定間隔を空けて配置される各凹所群35に充填される潤滑剤の量が、刃物本体2の径方向内側に向かうに従い大となるように、刃物本体2の径方向に沿って所定間隔を空けて形成される各凹所群35が、刃物本体2の径方向内側に向かうに従い、各凹所群35におけるディンプル状の凹所31bの穴径が大となるように形成してもよい。また、刃物本体2の径方向に沿って所定間隔を空けて配置される各凹所群35に充填される潤滑剤の量が刃物本体2の径方向内側に向かうに従い大となるように、刃物本体2の径方向に沿って所定間隔を空けて形成される各凹所群35が、刃物本体2の径方向内側に向かうに従い、各凹所群35におけるディンプル状の凹所31bの穴深さが大となるように形成してもよい。このような構成を採用する場合も、上述の刃物本体2の径方向に沿って所定間隔を空けて形成される各線状溝31aが、刃物本体2の径方向内側に向かうに従い、溝幅が大となるように、或いは、溝深さが大となるように形成する場合と同様な効果を得ることができる。
また、上記本実施形態において、図12の要部拡大平面図に示すように、線状溝31a(凹所31)が形成される領域と切断刃3の刃先との間における切断刃3の側面領域に、線状溝31a(凹所31)側から、切断刃3の刃先側に向けて延びる第2の線状溝31cを複数形成してもよい。これら複数の第2の線状溝31cは、それぞれが所定間隔を空けて、刃物本体2の周方向に並んで配列されている。また、各第2の線状溝31cの一方の端部は、切断刃3の刃先に接続するように構成されている。なお、各第2の線状溝31cの間隔は、等間隔となるように設定してもよく、或いは、間隔に粗密を形成するように設定してもよい。また、図12に示す構成においては、第2の線状溝31cが、刃物本体2の径方向に沿って延びるように形成されているが、このような構成に限定されず、例えば、刃物本体2の径方向に対して所定の角度傾くようにして第2の線状溝31cの延伸方向を設定してもよい。第2の線状溝31cの溝幅や、溝深さの寸法は、適宜設定することができるが、例えば、溝幅を0.2mm〜3mm程度、溝深さを0.2mm〜2mm程度に形成する。このような第2の線状溝31cは、例えば、レーザー加工やエッチング処理、切削加工等を切断刃3の側面に施すことにより形成することができる。なお、ディンプル状の凹所31bを切断刃3の側面に複数形成するようにして構成した図10や図11に示す切断加工用刃物1に対しても、上記複数の第2の線状溝31cを形成するようにして構成してもよい。
このような第2の線状溝31cを複数形成することにより、当該第2の線状溝31c内にも、切断刃3を形成する材料よりも熱膨張係数が大きい潤滑剤を充填することができ、刃物本体2の切断刃3の側面が、より多量の潤滑剤を保持でき、潤滑剤による切断刃3や受刃75,75の摩耗抑制機能を高めることができる。また、複数の第2の線状溝31cを切断刃3の側面に形成することにより、段ボールシート等のシート材における切断面には、微小な凸部が複数形成されることとなる。これにより、シート材の切断面が鋭利な状態となることを回避でき、シート材の切断面に指等が触れた場合に発生していた怪我を防止することが可能となる。
1 切断加工用刃物
2 刃物本体
3 切断刃
31 凹所
31a 線状溝
31b ディンプル状の凹所
35 凹所群
4 切込生成刃
50 シート材
70 溝切り装置
75 受刃

Claims (11)

  1. 回転しながらシート材を切断する切断加工用刃物であって、
    扇形状の刃物本体と、前記刃物本体の外周部に沿って配置される切断刃とを備え、
    前記切断刃の側面には、該切断刃を形成する材料よりも熱膨張係数が大きい潤滑剤が充填される凹所が形成されており、
    前記切断刃を形成する材料と、前記凹所に充填される潤滑剤との熱膨張係数の差に基づいて、前記凹所に充填される潤滑剤が、前記凹所より漏出可能に構成される切断加工用刃物。
  2. 前記凹所は、前記切断刃の刃先との間に所定間隔をあけた状態で前記刃物本体の周方向に沿って形成される線状溝である請求項1に記載の切断加工用刃物。
  3. 前記線状溝が、前記刃物本体の径方向に沿って所定間隔を空けて複数形成されている請求項2に記載の切断加工用刃物。
  4. 前記刃物本体の径方向に沿って所定間隔を空けて形成される前記各線状溝は、前記刃物本体の径方向内側に向かうに従い、溝幅が大となるように形成されている請求項3に記載の切断加工用刃物。
  5. 前記刃物本体の径方向に沿って所定間隔を空けて形成される前記各線状溝は、前記刃物本体の径方向内側に向かうに従い、溝深さが大となるように形成されている請求項3に記載の切断加工用刃物。
  6. 前記凹所は、ディンプル状に形成されており、該ディンプル状の凹所が複数形成されている請求項1に記載の切断加工用刃物。
  7. 前記複数のディンプル状の凹所は、前記刃物本体の周方向に沿って一列状に配置される凹所群を形成している請求項6に記載の切断加工用刃物。
  8. 前記刃物本体の径方向に沿って所定間隔を空けて、前記凹所群が、複数列形成されている請求項7に記載の切断加工用刃物。
  9. 前記刃物本体の径方向に沿って所定間隔を空けて形成される前記各凹所群は、前記刃物本体の径方向内側に向かうに従い、各凹所群におけるディンプル状の凹所の穴径が大となるように形成されている請求項8に記載の切断加工用刃物。
  10. 前記刃物本体の径方向に沿って所定間隔を空けて形成される前記各凹所群は、前記刃物本体の径方向内側に向かうに従い、各凹所群におけるディンプル状の凹所の穴深さが大となるように形成されている請求項8に記載の切断加工用刃物。
  11. 前記切断刃は、前記刃物本体の外周部に沿って前記刃物本体の厚み方向両側縁にそれぞれ設けられており、前記凹所は、前記各切断刃の外側側面に形成されている請求項1から10のいずれかに記載の切断加工用刃物。
JP2014080636A 2014-04-10 2014-04-10 切断加工用刃物 Active JP5605930B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014080636A JP5605930B1 (ja) 2014-04-10 2014-04-10 切断加工用刃物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014080636A JP5605930B1 (ja) 2014-04-10 2014-04-10 切断加工用刃物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5605930B1 true JP5605930B1 (ja) 2014-10-15
JP2015199177A JP2015199177A (ja) 2015-11-12

Family

ID=51840485

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014080636A Active JP5605930B1 (ja) 2014-04-10 2014-04-10 切断加工用刃物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5605930B1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016101609A (ja) * 2014-11-27 2016-06-02 近畿刃物工業株式会社 切断加工用刃物
JP2018153885A (ja) * 2017-03-16 2018-10-04 国立研究開発法人産業技術総合研究所 金属薄帯の連続裁断装置及び金属薄帯の連続裁断方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5165314A (en) * 1990-07-24 1992-11-24 Marquip, Inc. Slitting shingled sheets
JPH0679690A (ja) * 1992-09-03 1994-03-22 Hitachi Metals Ltd シート切断装置
JPH0919896A (ja) * 1995-07-06 1997-01-21 Hitachi Metals Ltd シート材料切断装置
JP2003127250A (ja) * 2001-10-18 2003-05-08 Isowa Corp スロッタのスロット屑除去装置
JP2004017279A (ja) * 2002-06-18 2004-01-22 Myon Ki Hon ロールテープ自動切断機のテープ切断装置
JP2009148874A (ja) * 2007-11-27 2009-07-09 Hitachi Metals Ltd シート材切断装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5165314A (en) * 1990-07-24 1992-11-24 Marquip, Inc. Slitting shingled sheets
JPH0679690A (ja) * 1992-09-03 1994-03-22 Hitachi Metals Ltd シート切断装置
JPH0919896A (ja) * 1995-07-06 1997-01-21 Hitachi Metals Ltd シート材料切断装置
JP2003127250A (ja) * 2001-10-18 2003-05-08 Isowa Corp スロッタのスロット屑除去装置
JP2004017279A (ja) * 2002-06-18 2004-01-22 Myon Ki Hon ロールテープ自動切断機のテープ切断装置
JP2009148874A (ja) * 2007-11-27 2009-07-09 Hitachi Metals Ltd シート材切断装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016101609A (ja) * 2014-11-27 2016-06-02 近畿刃物工業株式会社 切断加工用刃物
JP2018153885A (ja) * 2017-03-16 2018-10-04 国立研究開発法人産業技術総合研究所 金属薄帯の連続裁断装置及び金属薄帯の連続裁断方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015199177A (ja) 2015-11-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2014114871A (ru) Режущий элемент для бурового инструмента, несущий его буровой инструмент и способ формирования
JP5233015B1 (ja) 切断加工用刃物
JP5605930B1 (ja) 切断加工用刃物
JP5902353B1 (ja) 押罫部材
US20150135926A1 (en) Cutting blade
JP6173073B2 (ja) 回転刃、スリッター及び回転刃の製造方法
JP6618650B1 (ja) 切断加工用刃物
KR101192490B1 (ko) 절삭 인서트
JP5897185B1 (ja) 切断加工用刃物
EP3370931B1 (en) Rotationally actuatable blade, particularly for automatic industrial slicing machines
JP2012501858A (ja) 小突起状の隆起部を有する帯鋸刃
JP5709339B1 (ja) 切断加工用刃物
JP5777232B1 (ja) 切断加工用刃物
JP5752314B1 (ja) 切断加工用刃物
JP2019081224A (ja) 切断加工用刃物
JP4475439B1 (ja) 切断加工用刃物
JP2008178925A (ja) 回転鋸
JP5777235B1 (ja) 切断加工用刃物
JP5844304B2 (ja) シート打抜刃
JP2005125488A (ja) 材料ウェッブを切断するための切断装置
JP4611495B2 (ja) 丸刃式切断装置
JP5505850B1 (ja) 切断加工用刃物
JP6010789B1 (ja) 切断加工用刃物
JP6274544B1 (ja) 切断加工用刃物
JP2011045983A (ja) チップソー

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140822

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140822

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5605930

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250