JP5605319B2 - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents

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本発明は、内燃機関の冷却装置に関する。
内燃機関を冷却する冷却水として、固相状態と液相状態との間で相変化することにより媒体の比熱を変更する粒子を含むことで比熱が可変する冷却水を用いる技術が開示されている(例えば特許文献1参照)。これにより、粒子の蓄熱効果により熱を効率的に輸送することができ、その分だけポンプによる冷却水の循環量を少なくすることができ、冷却対象熱源の冷却効率を向上させることができる。
特開2009−044896号公報
特許文献1に開示された比熱が可変する冷却水であると、粒子を含ませる冷却水媒体(溶媒)に、低比熱な冷却水媒体を使用することになる。低比熱な冷却水媒体を使用すると、冷却水に含まれる粒子によって高比熱となる比熱変化帯以外の温度域では、温度変化が激しい。そうすると、冷却水が比熱変化帯を超えて温度上昇した際に冷却が間に合わず、内燃機関のオーバーヒートを招くおそれがある。
本発明の目的は、複数の温度域で比熱変化帯を有する冷却水を使用して、内燃機関のオーバーヒートを抑制する技術を提供することにある。
本発明にあっては、以下の構成を採用する。すなわち、本発明は、
複数の温度域で比熱が変化している状態の比熱変化帯を有する冷却水を使用する内燃機関の冷却装置であって、
最も高い温度域の比熱変化帯は、前記内燃機関がオーバーヒートする温度よりも低い温度域に設けられ、
2番目に高い温度域の比熱変化帯における比熱の変化で許容可能な許容受熱量を、他の比熱変化帯における許容受熱量よりも多くすることを特徴とする内燃機関の冷却装置である。
ここで、比熱変化帯とは、冷却水の比熱が変化している状態の温度帯であり、この比熱変化帯では、冷却水に付与される熱量に変化が生じても、比熱が変化し冷却水の温度が変化し難くなるものである。また、許容受熱量とは、冷却水の比熱が変化することで冷却水が温度変化せずに許容可能となる受熱量であり、この許容受熱量を超えると、冷却水の温度が比熱変化帯から逸脱してしまうものである。
本発明によると、最も高い温度域の比熱変化帯が、内燃機関がオーバーヒートする温度よりも低い温度域に設けられるので、冷却水の温度が、内燃機関がオーバーヒートする直前に最も高い温度域の比熱変化帯を超え難くなる。よって、冷却水の温度が最も高い温度域の比熱変化帯を超えるまでの時間を長く稼ぐことができ、冷却水の温度が最も高い温度域の比熱変化帯を超えて生じる内燃機関のオーバーヒートを抑制することができる。また、2番目に高い温度域の比熱変化帯における許容受熱量が多いので、冷却水の温度が2番
目に高い温度域の比熱変化帯に維持され易くなる。よって、冷却水の温度が2番目に高い温度域の比熱変化帯で制御できる時間を長く稼ぐことができ、冷却水の温度を2番目に高い温度域の比熱変化帯を利用して制御し易くなる。したがって、複数の温度域で比熱変化帯を有する冷却水を使用して、内燃機関のオーバーヒートを抑制することができる。
前記最も高い温度域の比熱変化帯は、前記内燃機関のサーモスタットが開弁する温度よりも低い温度域に設けられるとよい。
本発明によると、冷却水が温度上昇して内燃機関のサーモスタットが開弁する前に、最も高い温度域の比熱変化帯で多くの熱量を受熱することができ、冷却水の温度を高い状態に維持することもできる。よって、内燃機関のサーモスタットが開弁する温度よりも低い温度域に設けられた最も高い温度域の比熱変化帯を有効利用することができる。
前記冷却水は、相変化することにより媒体の比熱を変更する多種類の粒子を含むことで、複数の温度域で比熱変化帯を有するとよい。
本発明によると、多種類の粒子が異なる温度域で相変化することにより、各種類の粒子が相変化する温度域が比熱変化帯となる。
本発明によると、複数の温度域で比熱変化帯を有する冷却水を使用して、内燃機関のオーバーヒートを抑制することができる。
本発明の実施例1に係る内燃機関の概略構成を示す図である。 実施例1に係る冷却水のモデルを示す図である。 実施例1に係る冷却水の温度と比熱との関係を示す図である。 実施例1に係る比熱が変化する冷却水の温度上昇時の経過時間に対する冷却水の温度変化の特性曲線を示す図である。
以下に本発明の具体的な実施例を説明する。
<実施例1>
図1は、本発明の実施例1に係る内燃機関の冷却装置を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1では、シリンダブロック及びシリンダヘッドを冷却するために冷却水が冷却水通路2を循環する。冷却水通路2としては、冷却水がラジエータ3を流通する通路2a、冷却水がオイルクーラ4を流通する通路2b、冷却水がスロットル弁5a及びEGR弁5bを流通する通路2c、冷却水がリザーバタンク6を流通する通路2d、冷却水がヒータコア7を流通する通路2e、冷却水がEGRクーラ8を流通する通路2f、冷却水がそのまま流通するバイパス通路2gが設けられている。
ラジエータ3は、冷却水と外気とで熱交換して冷却水を冷却する。オイルクーラ4は、水冷式オイルクーラであり、内燃機関1に供給されるオイルと冷却水とで熱交換してオイルを冷却する。スロットル弁5aは、内燃機関1で吸気量を制御する弁であり、冷却水で冷却される。EGR弁5bは、内燃機関1に還流される排気の一部であるEGRガス量を制御する弁であり、冷却水で冷却される。リザーバタンク6は、冷却水を一時的に貯留する。ヒータコア7は、温められた冷却水により室内へ供給される空気を温める。EGRクーラ8は、水冷式EGRクーラであり、内燃機関1に還流されるEGRガスと冷却水とで熱交換してEGRガスを冷却する。
冷却水がラジエータ3を流通する通路2aには、シリンダブロックから通じる冷却水がオイルクーラ4を流通する通路2bが合流する。また、冷却水がラジエータ3を流通する通路2aからは、冷却水がスロットル弁5a及びEGR弁5bを流通する通路2c、並びに、冷却水がリザーバタンク6を流通する通路2dが分岐する。シリンダブロックから通じた冷却水がEGRクーラ8を流通する通路2fは、冷却水がヒータコア7を流通する通路2eに合流する。
冷却水がラジエータ3を流通する通路2a及びバイパス通路2gが合流する部位には、電子サーモスタット9が配置されている。電子サーモスタット9は、指令に応じて開閉制御される制御弁であり、開弁することで冷却水がラジエータ3を流通するように冷却水の流通経路及び流通量を変更して冷却水の温度を低下させることができる。この開弁時、バイパス通路2gは冷却水の流通量が絞られる。反対に、電子サーモスタット9を閉弁することで冷却水がラジエータ3を流通し難くするように冷却水の流通経路及び流通量を変更して冷却水の温度を低下し難くすることができる。この閉弁時、バイパス通路2gは冷却水の流通量が増加する。電子サーモスタット9の下流では冷却水をウォータポンプ10に送り込む。ウォータポンプ10は、冷却水を汲み上げて内燃機関1のシリンダブロックへ供給する。また、内燃機関1の出口に冷却水通路2が接続された部位には、水温センサ11が配置され、水温センサ11で内燃機関1から流出した冷却水の温度を検出する。電子制御により開閉する電子サーモスタット9の代わりに温度に応じて開閉するサーモスタットを用いても良い。
ここで、冷却水通路2を流通する冷却水は、比熱が可変する冷却水であって、3つの温度域で比熱が変化している状態の比熱変化帯C1,C2,C3を有する冷却水である。すなわち、冷却水は、固相状態と液相状態との間で相変化したり、液相状態と気相状態との間で相変化したりすることにより媒体の比熱を変更する3種類の粒子を含み比熱が可変する冷却水である。なお、粒子としては、固相状態と液相状態との間で相変化するものだけでなく、液相状態と気相状態との間で相変化するもの等を用いることができる。この粒子は、例えば、カプセルの中に、潜熱等で蓄熱でき、相変化する物質を入れて構成される。また、冷却水としては、3つの温度域で比熱変化帯を有するものだけでなく、4つ以上の温度域で比熱変化帯を有するものでもよい。冷却水は、図2に示すように温度が一定以上になると内部の物質が固体から液体に相変化するような物質をカプセルで包んだ3つの粒子P1,P2,P3を、冷却水の溶媒の中に混入させたものである。図2は、本実施例に係る冷却水のモデルを示す図である。図2では、粒子P1が相変化する場合を例示している。
図3は、本実施例に係る冷却水の温度と比熱との関係を示す図である。図2に示すように冷却水中の3種類の複数の粒子P1,P2,P3が固相状態と液相状態との間で相変化することにより、3種類の粒子P1,P2,P3が冷却水の温度に応じて相変化して冷却水の比熱が変化している比熱変化帯C1,C2,C3が生じる(図3参照)。この比熱変化帯C1,C2,C3は、冷却水に熱が付与されても、粒子が相変化して冷却水の比熱が変化している状態の相変化温度帯となる(図4参照)。すなわち比熱変化帯とは、冷却水の比熱が変化している状態の温度帯であり、この比熱変化帯では、冷却水に付与される熱量に変化が生じても、比熱が変化し冷却水の温度が変化し難くなるものである。ここで、図3に示すように、3つの比熱変化帯C1,C2,C3のうち、2番目に高い温度域の比熱変化帯C2における比熱の変化で許容可能な許容受熱量を、他の比熱変化帯C1,C3における許容受熱量よりも多くしている。ここで、許容受熱量とは、冷却水の比熱が変化することで冷却水が温度変化せずに許容可能となる受熱量であり、この許容受熱量を超えると、冷却水の温度が比熱変化帯から逸脱してしまうものである。言い換えると、図3に示すように、2番目に高い温度域の比熱変化帯C2における比熱変化量を、その他の比熱変化帯C1,C3における比熱変化量よりも多くしている。このように許容受熱量を異な
らせるために、比熱変化帯C2を形成する粒子P2の量を、比熱変化帯C1,C3を形成する粒子P1,P3の量よりも多くしている。
図4は、本実施例に係る比熱が変化する冷却水の温度上昇時の経過時間に対する冷却水の温度変化の特性曲線を示す図である。図4に示すように冷却水が電子サーモスタット9の開弁温度に達する前に、3つの比熱変化帯C1,C2,C3を経過する。つまり、図3に示すように、最も高い温度域の比熱変化帯C3は、内燃機関1の電子サーモスタット9が開弁する温度よりも低い温度域に、電子サーモスタット9が開弁する温度に近付けて設けられている。これにより、冷却水が温度上昇して内燃機関1の電子サーモスタット9が開弁する前に、最も高い温度域の比熱変化帯C3で多くの熱量を受熱することができる。これにより、冷却水の温度を高温状態に維持する場合には、内燃機関1のオーバーヒートを抑制しつつ、内燃機関1の燃費を向上することができるようにしている。よって、内燃機関1の電子サーモスタット9が開弁する温度よりも低い温度域に設けられた最も高い温度域の比熱変化帯C3を有効利用するようにしている。このような冷却水を用いることにより、内燃機関1の暖機過程では従来よりも冷却水の比熱を下げておくことで内燃機関1の暖機性を向上して燃費向上でき、暖機後はある一定の温度域(相変化温度帯)で比熱が高くなることから、受熱量の許容範囲が増大してオーバーヒート等を回避することができる。
この内燃機関1には、ECU(電子制御ユニット)12が併設されている。ECU12には、水温センサ11等の各種センサが電気配線を介して接続され、これら各種センサの出力信号がECU12に入力されるようになっている。一方、ECU12には、スロットル弁5a、EGR弁5b、ヒータコア7、及び電子サーモスタット9、ウォータポンプ10等が電気配線を介して接続されており、ECU12によりこれらの機器が制御される。
(冷却水)
従来から比熱が可変する冷却水を使用することは考えられていた。この比熱が可変する冷却水であると、比熱変化を大きくするためや暖機性の向上のために、粒子を含ませる冷却水媒体(溶媒)に、低比熱な冷却水媒体を使用することになる。低比熱な冷却水媒体を使用すると、冷却水に含まれる粒子によって高比熱となる比熱変化帯以外の温度域では、温度変化が激しい。そうすると、冷却水が比熱変化帯を超えて温度上昇した際に冷却が間に合わず、内燃機関のオーバーヒートを招くおそれがある。
そこで、本実施例では、電子サーモスタット9の開弁する温度に低温側において近付けて最も高い温度域の比熱変化帯C3を設けるようにした。本実施例によると、最も高い温度域の比熱変化帯C3が、電子サーモスタット9の開弁する温度よりも低温側に設けられているので、冷却水の温度が最も高い温度域の比熱変化帯C3を超え難くなる。よって、冷却水の温度が最も高い温度域の比熱変化帯C3を超えるまでの時間を長く稼ぐことができ、冷却水の温度が最も高い温度域の比熱変化帯C3を超えて生じる内燃機関1のオーバーヒートを抑制することができる。また、2番目に高い温度域の比熱変化帯C2における許容受熱量を、他の比熱変化帯C1,C3における許容受熱量よりも多くするようにした。本実施例によると、2番目に高い温度域の比熱変化帯C2の許容受熱量が多いので、冷却水の温度が2番目に高い温度域の比熱変化帯C2で制御できる時間を長く稼ぐことができ、冷却水の温度を2番目に高い温度域の比熱変化帯を利用して制御し易くなる。したがって、3つの温度域で比熱変化帯C1,C2,C3を有する冷却水を使用して、内燃機関1のオーバーヒートを抑制することができる。
<その他>
本発明に係る内燃機関の冷却装置は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもよい。最も高い温度域の比熱変
化帯C3は、内燃機関1がオーバーヒートする温度よりも低い温度域に可及的に高温域に設けても良い。
本発明は、所定の複数の温度域(温度又は温度範囲をまとめて温度域と表現する)(上記の記載において比熱変化帯と称している)において比熱が前記所定の温度域以外の温度における比熱よりも大きい値をとる冷却水(熱媒体)を使用する内燃機関の冷却装置において内燃機関のオーバーヒートをより確実に抑制することを課題とし、そのために、前記複数の温度域のうち最も高い温度域は前記内燃機関がオーバーヒートする所定の温度よりも低い温度域であり、前記複数の温度域のうち2番目に高い温度域における冷却水の比熱が前記複数の温度域のうち前記2番目に高い温度域以外の温度域における冷却水の比熱よりも高いことを特徴としている。2番目に高い温度域における比熱が高いので、2番目に高い温度域にある冷却水が当該温度域から逸脱することなく吸熱又は放熱することができる熱量(上記の記載において許容受熱量と称している)が大きい。
前記所定の温度域は、冷却水に含まれる物質に相転移が起こる温度とすることができる。相転移により熱が放出されるか又は熱が吸収されるため、相転移が起こる温度では冷却水の比熱が大きくなる。このため、所定の温度域においては、熱の出入があったとしても冷却水の温度は略一定となる。相転移が起こる温度が異なる複数の種類の物質を冷却水に含むことで、複数の所定の温度域のときに所定の温度域以外のときよりも比熱が大きくなる。
前記内燃機関の冷却装置は、冷却水の流通する冷却水通路に設けられ前記冷却水から熱を奪うラジエータと、前記ラジエータをバイパスするバイパス通路と、閉じたときには前記ラジエータへの冷却水の流通を遮断して前記バイパス通路に冷却水を流通させ、開いたときには少なくとも前記ラジエータに冷却水を流通させるサーモスタットと、を備え、前記複数の温度域のうち最も高い温度域は、前記サーモスタットが開弁する温度よりも低くすることができる。
上記の記載において粒子をカプセル粒子とした場合について詳細に説明する。冷却水は、冷却水のとり得る温度範囲内の所定の温度域で相転移する潜熱蓄熱材を内部に封入したカプセル粒子を含む液体であって、封入された潜熱蓄熱材の相転移温度が異なる複数種類のカプセル粒子が混入されており、冷却水に含まれる複数種類の潜熱蓄熱材の相転移温度のうち最も高い相転移温度が前記内燃機関がオーバーヒートする所定の温度よりも低い温度であり、冷却水に含まれる、相転移温度が2番目に高い潜熱蓄熱材の潜熱の総量が、冷却水に含まれる、他のどの相転移温度の潜熱蓄熱材の潜熱の総量よりも大きい。冷却水に含まれる、ある潜熱蓄熱材の潜熱の総量は、冷却水に含まれる当該潜熱蓄熱材の全ての潜熱の合計である。例えば、相転移温度が2番目に高い潜熱蓄熱材を封入するカプセルの粒子数を他のカプセルの粒子数より多くする。カプセル粒子に封入された潜熱蓄熱材の相転移温度又は相転移が開始する温度及び相転移が終了する温度により定まる温度域では、冷却水に対する熱授受は潜熱蓄熱材の相転移のために費やされるため、冷却水の温度は略一定となる。すなわち、この温度域では冷却水のみかけの比熱が他の温度域における比熱よりも大きい。この温度域が比熱変化帯である。
また、複数種類の潜熱蓄熱材の相転移温度のうち最も高い相転移温度は内燃機関のサーモスタットが開弁する温度よりも低い温度とすると良い。
図3では、冷却水は、所定の3つの温度域C1,C2、C3(上記の記載において比熱変化帯と称している)における比熱が当該温度域C1,C2、C3以外における比熱よりも大きくなる冷却水である。つまり、この冷却水は、相転移温度又は相転移の開始温度から終了温度までの温度範囲が温度域C1である所定の物質(潜熱蓄熱材)を封入したカプセル粒子と、相転移温度又は相転移の開始温度から終了温度までの温度範囲が温度域C2
である所定の物質(潜熱蓄熱材)を封入したカプセル粒子と、相転移温度又は相転移の開始温度から終了温度までの温度範囲が温度域C3である所定の物質(潜熱蓄熱材)と、を含み、温度域C1,C2、C3においては、冷却水に出入りする熱がこれらの潜熱蓄熱材の相転移(固相と液相、液相と気相、固相と気相など)のために費やされるため、冷却水の温度がこれらの温度域で略一定になり、冷却水の比熱が温度域C1,C2、C3以外における比熱よりも見かけ上大きな値をとる多段可変比熱冷却水である。なお、冷却水は、相転移温度が異なる4種類以上の潜熱蓄熱材をカプセルに封入して冷却水に含ませる(混入させる)ことにより、4つ以上の所定温度域における比熱が当該所定温度域以外における比熱よりも大きな値になる冷却水であっても良い。
なお、一般に物質の比熱には温度依存性があり、温度変化に伴って比熱が変化する場合があるが、上述した所定温度域における比熱が所定温度域以外の温度における比熱より大きな値になるという比熱の温度変化は、冷却水に含ませた潜熱蓄熱材の相転移によるものであって、含有している物質の相転移によるものではない一般的な比熱の温度変化とは異なるものである。
また、図3に示すように本実施例では、冷却水の溶媒の比熱は、従来技術の冷却水の比熱よりも小さくしている。このように、温度と比熱との関係が、所定温度域以外では従来の冷却水よりも比熱が小さく、所定温度域では従来の冷却水よりも比熱が高くなることで、冷却水の温度が所定温度域以外の温度であるときは熱の出入りに対し冷却水の温度が速やかに変化する一方、冷却水の温度が所定温度域の温度であるときは熱の出入りに対し冷却水の温度変化が緩慢になる。そのため、暖機時に冷却水の温度が所定温度域以外の温度となるようにすることで冷却水の温度が速やかに上昇して燃費の向上が可能であるとともに、所定温度域では大きな熱授受があっても冷却水の温度を維持することが可能になるのでオーバーヒート耐性の向上や温度制御性の向上が可能である。
また、図3に示すように本実施例では、冷却水は、3つの所定温度域C1,C2、C3のうち、2番目に高い温度域C2における比熱が、所定温度域C1、C3における比熱よりも大きい。言い換えると、所定温度域C1,C2、C3以外の温度域における比熱に対する所定温度域C2における比熱の差分(比熱変化量、比熱変化幅)は、所定温度域C1,C2、C3以外の温度域における比熱に対する所定温度域C1、C3における比熱の差分よりも大きい。このために、本実施例では、所定温度域C2に相転移温度がある潜熱蓄熱材を封入するカプセル粒子P2の量を、所定温度域C1に相転移温度がある潜熱蓄熱材を封入するカプセル粒子P1の量や所定温度域C3に相転移温度がある潜熱蓄熱材を封入するカプセル粒子P3の量よりも多くしている。
1 内燃機関
2 冷却水通路
2a〜2g 通路
3 ラジエータ
4 オイルクーラ
5a スロットル弁
5b EGR弁
6 リザーバタンク
7 ヒータコア
8 クーラ
9 電子サーモスタット
10 ウォータポンプ
11 水温センサ
12 ECU
C1,C2、C3 比熱変化帯
P1,P2、P3 粒子

Claims (3)

  1. 複数の温度域で比熱が変化している状態の比熱変化帯を有する冷却水を使用する内燃機関の冷却装置であって、
    最も高い温度域の比熱変化帯は、前記内燃機関がオーバーヒートする温度よりも低い温度域に設けられ、
    2番目に高い温度域の比熱変化帯における比熱の変化で許容可能な許容受熱量を、他の比熱変化帯における許容受熱量よりも多くすることを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  2. 前記最も高い温度域の比熱変化帯は、前記内燃機関のサーモスタットが開弁する温度よりも低い温度域に設けられることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の冷却装置。
  3. 前記冷却水は、相変化することにより媒体の比熱を変更する多種類の粒子を含むことで、複数の温度域で比熱変化帯を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の冷却装置。
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