JP5604746B2 - 電波到来方向推定装置および電波到来方向推定方法 - Google Patents

電波到来方向推定装置および電波到来方向推定方法 Download PDF

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Description

本発明は、電波の到来方向を検知する電波到来方向推定装置および電波到来方向推定方法に関する。
非接触型のICカードなどに、無線通信によって外部からその情報を読み書きするRFタグ(無線タグ)が使われている。RFタグには、パッシブタグ(受動型のRFタグ)とアクティブタグ(能動型のRFタグ)がある。パッシブタグは、タグリーダから放射される電波をエネルギー源として動作するRFタグで、電池を内蔵する必要がない。
パッシブタグのデータを読み取るために、タグリーダはアンテナ指向性により定められるエリアに電波を放射している。RFタグはそのエリア内に入ったときに、タグリーダが放射する電波を検知した後データを送出する。タグリーダではRFタグが定められたエリア内に存在する場合にしかデータを読み取ることができない。RFタグが、タグリーダのエリア内においてどちらの方向に存在するかを検知するためには、電波の到来方向を推定する必要がある。
例えば特許文献1には、電波到来方向推定装置の技術が記載されている。特許文献1の技術は、発振器の発生する送信信号はアンテナより放射され、応答器の信号吸収反射手段は、終端条件を変えることにより送信信号を反射吸収する。再放射された信号は、再び質問器のアンテナで受信され、直交復調手段に入力される。直交復調手段は、受信信号に対し発振器の信号をローカル信号として直交復調を行いベースバンド信号を得る。受信信号記憶手段は、アンテナ順次移動手段がアンテナを移動する毎にベースバンド信号を記憶する。到来方向推定手段は、記憶されたベースバンド信号を用いて到来方向を推定する。
RFタグの応用のひとつに、RFタグをつけた物品や人の位置探索がある。パッシブタグの位置推定として、例えば非特許文献1には、複数の空間的に離した受信アンテナでの応答時間差に基づく方法が提案されている。非特許文献1の技術は、RCR STD−1規格内の40MHz帯域内で周波数ホッピングを行っており到達時間(Time Of Arrival)推定に基づく方法がとられている.
特開2004−108816号公報
北吉均,"双曲線位置測定のための長距離パッシブ無線タグシステム",電子情報通信学会技術研究報告,AP2005−135,2006.
方向性を有しない電磁波の到来する方向を検知するには、指向性を有するアンテナの向きを変えて受信するか、複数のアンテナで電波を受信する必要がある。複数のアンテナで電波を受信する方法では、一般的にアンテナごとに受信機を備える。その場合、受信機をアンテナごとに設ける必要があり、消費電力もそれだけ大きい。
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、電波到来方向を推定するための受信回路の構成を簡略にした、電波到来方向推定装置および電波到来方向推定方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の観点に係る電波到来方向推定装置は、
相対的な位置を固定して配置した複数のアンテナと、
所定の電波を受信する前記複数のアンテナの数より少ない数の受信機と、
1つの前記受信機に同時には1つの前記アンテナが接続するように、前記受信機と前記アンテナとの接続を所定の周期で切り替える時分割接続手段と、
前記受信機と前記アンテナとの接続を所定の周期で切り替えて前記受信機で受信した信号を、前記複数のアンテナのそれぞれで受信した信号に分配する手段と、
前記複数のアンテナのそれぞれで受信した信号に分配した信号から、受信した電波の到来方向を算出する手段と、
受動型のRFタグに電波を放射して、前記RFタグに電力を供給する給電手段と、
を備え
前記時分割接続手段は、前記給電手段が前記受動型のRFタグに電力を供給中にのみ動作し、
前記受信機は、前記給電手段が放射した電波に応答して前記受動型のRFタグが発生する電波を受信する、
ことを特徴とする
本発明の第2の観点に係る電波到来方向推定方法は、
受動型のRFタグに電波を放射して、前記RFタグに電力を供給する給電ステップと、
所定の電波を受信する複数のアンテナより少ない数の受信機のうちの1つの受信機に、前記複数のアンテナのうち同時には1つのアンテナが接続するように、前記受信機と前記アンテナとの接続を所定の周期で切り替える時分割接続ステップと、
前記受信機と前記アンテナとの接続を所定の周期で切り替えて前記所定の電波を受信するステップと、
前記所定の電波を受信するステップで受信した信号を、前記複数のアンテナのそれぞれで受信した信号に分配するステップと、
前記複数のアンテナのそれぞれで受信した信号に分配した信号から、受信した電波の到来方向を算出するステップと、
を備え
前記給電ステップで前記受動型のRFタグに電力を供給中にのみ、前記時分割接続ステップを行い、
前記所定の電波を受信するステップでは、前記給電ステップで放射した電波に応答して前記受動型のRFタグが発生する電波を受信する、
ことを特徴とする
本発明の電波到来方向推定装置または電波到来方向推定方法によれば、電波到来方向を推定するための受信回路の構成を簡略にできる。
本発明の実施の形態1に係る電波到来方向推定装置の構成例を示すブロック図である。 時分割処理の作用を示す概念図である。 実施の形態1に係る電波到来方向検知の動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係る電波到来方向推定装置の構成例を示すブロック図である。 実施の形態2に係るアンテナの配列の例を示す図である。 受信信号、RFタグの応答および送電信号の関係を示す図である。 バトラーマトリックスによるマルチビーム指向性の例を示す図である。 同一ビーム内にRFタグが1つ存在する場合のMUSICスペクトルの例を示す図である。 同一ビーム内にRFタグが2つ存在する場合のMUSICスペクトルの例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図を参照して詳細に説明する。なお図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る電波到来方向推定装置の構成例を示すブロック図である。実施の形態1の電波到来方向推定装置10は、受動型のRFタグを対象に、電波の到来方向を検出する。電波到来方向推定装置10は、受動型のRFタグに電力を供給して質問電波を送信するために、送信部を備える。実施の形態1では、送信部と受信部でアンテナ11を共用する。
送信部は、信号発生器(SG)21、パターンジェネレータ(PG)22、変調器23、アンプ24、カップラ25、スイッチ(SW)26、バトラーマトリックス27、サーキュレータ12およびアンテナ11から構成される。受信部は、複数のアンテナ11、サーキュレータ12、合成器13、時分割スイッチ(TDM SW)14、受信機1、局部発振器(LO)2、A−D変換器3、直並列変換器4および到来方向算出部5から構成される。また、受信信号から送電信号成分をキャンセルするために、分配器6およびラインストレッチャー7を備える。送信部の信号発生器21と受信部の局部発振器2は同期して、それぞれ所定の周期の信号を発生する。受信機1は、ミキサー(MIX)15、フィルタ(LPF:Low Pass Filter)16およびアンプ(LNA:Low Noise Amplifier)17を備える。
変調器23は、信号発生器21で発生した搬送波を、パターンジェネレータ22で発生したRFタグを応答させるための質問系列によって変調する。RFタグの搬送波と変調方式は、対象のRFタグの規格に合わせたものである。例えばISO/IEC18000−4規格では、搬送波は2.45GHz、変調方式はASK(Amplitude Shift Keying)である。その場合、変調器23にはGaAsスイッチなどを用いることができる。
変調器23で変調された信号を、アンプ24(高周波増幅器)によって増幅する。増幅した変調信号は、送信信号成分を受信信号からキャンセルするために、カップラ25で分岐したのち、バトラーマトリックス27に入力される。バトラーマトリックス27では、送信電波のビームを絞り、主ビーム方向を切り替える。バトラーマトリックス27の前にあるスイッチ26は、主ビームの方向を切り替えるためのものである。バトラーマトリックス27では、主ビームの方向が例えば、アンテナ11の配列の正面方向を0°として、−45°、−15°、+15°、+45°のいずれかに向くように各アンテナ11への給電信号が生成される。
バトラーマトリックス27で位相制御された信号は、サーキュレータ12を経由して各アンテナ11に供給され、空間に放射される。送信信号によって給電されたRFタグ(図示せず)は、質問系列に対して応答を返す。RFタグからの応答は送信したアンテナ11と同じアンテナ11によって捕捉され、アンテナ11ごとにサーキュレータ12を経由して合成器13へ送られる。
アンテナ11は例えば、一点給電の円偏波マイクロストリップパッチアンテナ(MSPA)を4つ、相対的な位置を固定して直列に配置して用いる。アンテナ11の数は2つ以上であればよい。4つ以上のアンテナ11を備え、アンテナ11をマトリックス状に配置してもよい。アンテナ11をマトリックス状に配置する場合は、電波到来方向推定について立体的に等方な解像度を得ることができる。
受信系統にはRFタグの応答のほか送信系統から漏れこむ送電信号が入力される。電波到来方向推定では送電信号を取り除きRFタグの応答だけを取り出す必要がある。サーキュレータ12のアイソレーションは−20dB程度であり、そのままでは受信機1の飽和レベルを超える送電信号が受信機1に入力する。このため、送電信号の一部をカップラ25で取り出し、各アンテナ11で受信される送電信号と同一振幅で180度位相が異なる信号を生成して受信信号に加え、送電信号成分をキャンセルする。
バトラーマトリックス27のビーム切り替えによって、アンテナ11ごとに送電信号の振幅と位相が異なるので、アンテナ11ごとに位相と振幅を調節して受信信号に加える。そこで、カップラ25で分岐した信号を分配器6でアンテナ11の数に分配し、アンテナ11ごとの送信信号の成分と逆位相になるように位相と振幅を調整する。ラインストレッチャー7は、アンテナ11ごとの位相器(フェーズシフタ)と減衰器を備える。
合成器13はアンテナ11ごとに、受信信号にラインストレッチャー7で調整された信号を加える。その結果、各アンテナ11で受信した信号から送電信号成分がキャンセルされる。図1では煩雑になるのを避けるために、合成器13とラインストレッチャー7をそれぞれ1つで表しているが、ラインストレッチャー7(位相器および減衰器)と合成器13はアンテナ11の系統ごとに独立に備えられる。
送信信号の成分がキャンセルされた各アンテナ11の受信信号は、それぞれ時分割スイッチ14(TDM SW)へ送られる。時分割スイッチ14は、受信機1に同時には1つのアンテナ11が接続するように、受信機1とアンテナ11との接続を所定の周期で切り替える。したがって、受信機1は、時分割でアンテナ11が切り替えられて、同時には1つのアンテナ11の信号を順番に受信する。時分割スイッチ14は、時分割接続手段を構成する。
時分割で受信した信号はミキサー(MIX)15と局部発振器(LO)2、およびフィルタ(LPF)16によって弧4Hの中間周波数(IF)信号に変換される。搬送波の周波数が2.45GHzの場合、例えば、局部発振器2の信号の周波数を2.449GHzとすると、IF信号の周波数は1MHzである。IF信号はアンプ(LNA)17で増幅されて、A−D変換器3に送られる。
A−D変換器3は増幅したIF信号を、アンテナ11を切り替える周期よりも充分短い周期である所定の標本化周波数でサンプリングして、ディジタル信号に変換する。直並列変換器4は、サンプリングされたディジタル信号をアンテナ11ごとの並列な信号に変換(分配)する。
図2は、時分割処理の作用を示す概念図である。パターンジェネレータ22で発生される質問系列開始信号(Trigger Timing)に基づき、変調のシンボルごとに各アンテナ11の受信信号が並列−直列変換されるように、シンボルレートより充分短い周期の切り替え信号(Switch Timing)を発生する。切り替え信号に基づき時分割スイッチ14が作動する。受信機1は、図2のANT1〜ANT4に塗り分けた信号を順次直列に受信する。時分割受信信号は直並列変換器4で直列−並列変換されて、図2の下のANT1〜ANT4の段に示すように、アンテナ11ごとの信号に分配される。
図1のアンテナ11ごとに分配された信号はそれぞれ、到来方向算出部5に送られる。到来方向算出部5は、アンテナ11ごとに分配された信号を、各アンテナ11で受信した信号とみなして、電波の到来方向を算出する。アンテナ11ごとに分配された信号はそれぞれ、アンテナ11の数分の1の時間分しかないので、その間の時間のデータを補間する。データを補間するには、例えば、同じデータを他のアンテナ11で受信している時間の分に当てはめる。あるいは、1つのアンテナ11で受信していない空白時間がなかったものとして、それぞれのアンテナ11の受信データを連続させて時間軸を圧縮して計算し、圧縮した分をあとで補正して正確な到来方向を算出する。
到来方向算出部5は、原理的には、アンテナ11に電波が到達する時間差によって、到来方向を算出する。電波の反射、回折などによる干渉や、送信電力の漏れ信号が生じるので、到来方向を正確に検知するには、それらの干渉を除去する必要がある。到来方向算出には、例えば、RBF(Radial Basis Function)ニューラルネットワークまたはMUSIC法(MUltiple SIgnal Classification法)を用いることができる。その他例えば、最小ノルム法(Min-Norm)またはESPRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)などを用いてもよい。
図3は、実施の形態1に係る電波到来方向検知の動作の一例を示すフローチャートである。電波到来方向推定装置10は、まず、送信ビームの方向を選択し、質問電波の送信を開始する(ステップS11)。同時に、時分割スイッチ14の動作を開始する(ステップS12)。
受信側では、時分割スイッチ14は受信する1つのアンテナ11を選択して受信機1に接続する(ステップS13)。その状態で、受信機1で受信した信号をA−D変換する(ステップS14)。アンテナ11を切り替える時間が来るまで(ステップS15;NO)、受信およびA−D変換を行う。
アンテナ11を切り替える時間になったら(ステップS15;YES)、A−D変換した信号をそれまでに受信していたアンテナ11の信号として分配する(ステップS16)。送信終了でなければ(ステップS17;NO)、ステップS13に戻って次のアンテナ11を選択して受信機1に接続し、受信とA−D変換(ステップS14)、ないし信号分配(ステップS16)を行う。以上を繰り返すことによって、時分割受信が行われる。
送信を終了したら(ステップS17;YES)、RFタグからの応答はなくなるので、受信動作を終了し、時分割スイッチ14の動作を停止する(ステップS18)。それまでに受信してアンテナ11ごとに分配したデータから、電波の到来方向を算出する(ステップS19)。同時に、受信信号からRFタグのデータを検出し(ステップS20)、電波の到来方向とRFタグのデータを記憶する(ステップS21)。
そして、ステップS11に戻って、送信ビームの方向を変えて上述の処理と同様に送受信することによって、異なる方向にあるRFタグからの電波の到来方向を検出することができる。
以上説明したように、本実施の形態1の電波到来方向推定装置10によれば、アンテナ11の数よりも少ない1台の受信機1を用いて電波到来方向を推定できるので、受信回路の構成を簡略にできる。その結果、電波到来方向推定装置10の消費電力を削減できる。さらに、受動型のRFタグの場合は、送信している間だけ受信動作すればよいので、時分割受信処理を常時動作させる必要がない。受動型のRFタグの場合は、RFタグに応答させるタイミングを電波到来方向推定装置10の側で決定できるので、時分割受信を動作させる時間を限ることができる。
本実施の形態1では、受動型のRFタグを対象とする形態を説明した。本実施の形態1の時分割受信の構成は、能動型のRFタグに適用することができる。その場合、送電信号を送信してRFタグに給電する必要はない。対象が能動型のRFタグで、RFタグが送信するタイミングを知ることができない場合は、常時時分割受信を動作させる必要があるかもしれない。
なお、1つの電波到来方向推定装置10について、受信機1の数はアンテナ11の数より少なければ1台に限らず2台以上であってもよい。例えば、複数のアンテナ11をいくつかの組に分け、アンテナ11の組ごとに1台の受信機1を割り当てて、それぞれの組で時分割受信を行うように構成してもよい。その場合、組ごとにアンテナ11の数は異なっていても構わない。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2に係る電波到来方向推定装置10の構成例を示すブロック図である。実施の形態2では、送信部に受信部のアンテナ11とは別に送信アンテナ28を設ける。したがって、サーキュレータ12は不要である。また、送信と受信のアンテナ間の距離でアイソレーションをとることによって、送信アンテナ28から受信部のアンテナ11に漏れ込む送信信号の影響を抑える。そのため、分配器6およびラインストレッチャー7を省略している。その他の構成は、実施の形態1と同様である。ここではカップラ25は、送信アンテナ28とのインピーダンス整合をとるために備えられている。
実施の形態2の送信部は、送信信号をカップラ25で分岐しないことと、サーキュレータ12を経由しないことを除いて、実施の形態1の構成と同じである。送信部の動作については、実施の形態1と同様である。
受信部は、サーキュレータ12を経由しないことと、分配器6およびラインストレッチャー7を備えないことを除いて、実施の形態1の構成と同様である。受信部の動作は、アナログ信号で送電信号をキャンセルしないことを除いて、実施の形態1と同様である。
図5は、実施の形態2に係るアンテナ11の配列(アレーアンテナ)の例を示す。RFタグには左旋円偏波が用いられている。円偏波マイクロストリップパッチアンテナ(MSPA)で円偏波を実現する方法として、3dBハイブリッドカップラによる2点給電法と縮退分離法が知られている。アンテナ11および送信アンテナ28は例えば、一点給電の円偏波マイクロストリップパッチアンテナ(MSPA)を4つ、相対的な位置を固定して直列に配置して用いる。図5のアレーアンテナは、円偏波にするために、左上角と右下角を削り取った形状を示す。
例えば、アンテナ11、送信アンテナ28を、誘電率2.6、厚さ1.61nmの基板上に形成し、アンテナ寸法は36.5mm×36.5mmで給電点は中心から6mm下方とする。VSWR≦2の帯域は約50MHz、交差偏波比は正面方向で11dB、利得は6dBiである。素子間隔は0.5波長(58mm)で、±45°方向の利得は10dBi、最大サイドローブレベルは−9dBである。
送信と受信のアレーアンテナは、ネットワークアナライザでアレーアンテナ間の結合量を計測して、適度なアイソレーションになるようにアレー間距離を設定する。例えば上述のアレーアンテナの場合、アレー間距離を30cm以上とすると、アイソレーションは40dB以上である。
対象が受動型のRFタグの場合は、RFタグが送信中であっても送電し続けなければならない。従って、RFタグからの応答は送電信号に重畳されて受信される。送信と受信で分離したアレーアンテナを使用しても、受信信号から完全に送電信号の成分を取り除くことはできない。送電信号の成分をさらに小さくするために、実施の形態1と同様に合成器を用いて送電信号の成分をキャンセルする他、ソフトウェア処理によって送電信号の成分をキャンセルすることもできる。図6に示すように、受信された信号はRFタグの応答と送電信号がベクトル合成された信号である。電波到来方向を算出するためにアイソレーションが不充分の場合は、ベクトル平面上で受信信号から送電信号成分を引くことによってRFタグの応答を取り出すことができる。
ソフトウェア処理によって送電信号をキャンセルするのは、例えば、到来方向算出部5で行う。到来方向算出部5には、例えば、電波暗室でRFタグがない状態で送電信号を送信し、受信した信号のパターンを記憶しておく。実際にRFタグの応答を受信するときには、受信した信号から記憶しておいたパターンのデータを引けばよい。
実施の形態2の電波到来方向検知の動作は、実施の形態1と同様である。ソフトウェア処理で送電信号をキャンセルする場合は、例えば、図3のステップS19の電波の到来方向算出の前に、キャンセル処理を行う。
以上説明したように、実施の形態2の電波到来方向推定装置10によれば、送信と受信のアンテナ11、28を分けるので、分配器6、ラインストレッチャー7(位相器と減衰器を含む)および合成器13が不要になり、装置の構成を簡単にできる。
(具体例)
以下に説明する具体例では、ISO/IEC18000−4規格のRFタグを用い、搬送波は2.45GHz、変調方式はASK(Amplitude Shift Keying)、シンボルレートは30k〜40kspsである。アレーアンテナは送信と受信を分離し、それぞれ4つのアンテナ11、28から構成される。アンテナ11を切り替える周波数は、1MHzである。局部発振器2の周波数は2.449GHz、IF信号の周波数は1MHzである。A−D変換器3の標本化周波数は40MHzである。電波到来方向の推定には、MUSIC法を用いる。
図7は、バトラーマトリックス27によるマルチビーム指向性の例を示す。送信と受信のアレーアンテナは実施の形態2で述べた例のものである。送信信号の周波数は、2.45GHzである。主ビームの方向は、アレーアンテナの正面方向を0°として、−45°(Beam1)、−15°(Beam2)、+15°(Beam3)、+45°(Beam4)である。この例では、±45°方向のビーム利得は8.5〜9dBiであった。
図8は、同一ビーム内にRFタグが1つ存在する場合のMUSICスペクトルの例を示す。図8の例は、RFタグを送信アンテナ28から100cm離し、ボアサイト方向から−20°(図8(a))、+50°(図8(b))方向に置いた時のMUSICスペクトルである。図8では、RFタグを置いた方向をグラフの上の縦の実線で示す。RFタグの存在する方向付近にピークが現れており、RFタグの方向が正しく推定されていることがわかる。距離50、75、100cmにおける−60°〜60°まで10°おきに計測した場合の最大誤差は、それぞれ5°、7°、10°、平均2乗誤差はそれぞれ2°、2.5°、3°であった。
図9は、同一ビーム内にRFタグが2つ存在する場合のMUSICスペクトルの例を示す。RFタグと送信アンテナ28の距離は100cmである。図9では、RFタグを置いた方向をグラフの上の2つの縦の実線で示す。図9(a)は、RFタグを−30°と−5°に置いた場合のMUSICスペクトルを示す。図9(b)は、RFタグを+30°と+60°に置いた場合のMUSICスペクトルを示す。同一ビーム内にRFタグが2つ同時に存在する場合でも、それぞれのRFタグの方向を推定できることがわかる。
−60°〜60°までの範囲で同一ビーム内の2つの到来角の組み合わせを−60°と−30°、次に−60°と−35°というように5°置きに角度の組み合わせを変えて距離50、75、100cmについて評価した結果、最小分離角(MUSICスペクトルで分離が認められる角度)は15°、15°、20°、最大誤差は8°、10°、15°、平均2乗誤差は2.1°、3.2°、5°であった。
本発明の好適な変形として、以下の構成が含まれる。
本発明の第1の観点に係る電波到来方向推定装置について、
好ましくは、前記受信機は1台であって、前記時分割接続手段は、前記複数のアンテナを所定の順番で前記受信機に接続することを特徴とする。
好ましくは、受動型のRFタグに電波を放射して、前記RFタグに電力を供給する給電手段を備え、
前記受信機は、前記給電手段が放射した電波に応答して前記受動型のRFタグが発生する電波を受信することを特徴とする。
好ましくは、前記給電手段は、前記受動型のRFタグに放射する電波のビームの方向を変動させる手段を備える。
好ましくは、前記給電手段は、前記受信機に接続するアンテナとは別の送信アンテナを備える。
本発明の第2の観点に係る電波到来方向推定方法について、
好ましくは、前記受信機は1台であって、前記時分割接続ステップは、前記複数のアンテナを所定の順番で前記受信機に接続することを特徴とする。
好ましくは、受動型のRFタグに電波を放射して、前記RFタグに電力を供給する給電ステップを備え、
前記所定の電波を受信するステップは、前記給電ステップで放射した電波に応答して前記受動型のRFタグが発生する電波を受信する。
好ましくは、前記受動型のRFタグに放射する電波のビームの方向を変動させるステップを備え、
前記電波の到来方向を算出するステップは、前記給電ステップで放射する電波のビームの方向が一定の間に、前記電波を受信するステップで受信した信号から電波の到来方向を算出する。
その他、前記のハードウエア構成やフローチャートは一例であり、任意に変更および修正が可能である。
1 受信機
2 局部発振器(LO)
3 A−D変換器
4 直並列変換器
5 到来方向算出部
6 分配器
7 ラインストレッチャー
10 電波到来方向推定装置
11 アンテナ
12 サーキュレータ
13 合成器
14 時分割スイッチ(TDM SW)
15 ミキサー(MIX)
16 フィルタ(LPF)
17 アンプ(LNA)
21 信号発生器(SG)
22 パターンジェネレータ(PG)
23 変調器
24 アンプ
25 カップラ
26 スイッチ(SW)
27 バトラーマトリックス
28 送信アンテナ

Claims (7)

  1. 相対的な位置を固定して配置した複数のアンテナと、
    所定の電波を受信する前記複数のアンテナの数より少ない数の受信機と、
    1つの前記受信機に同時には1つの前記アンテナが接続するように、前記受信機と前記アンテナとの接続を所定の周期で切り替える時分割接続手段と、
    前記受信機と前記アンテナとの接続を所定の周期で切り替えて前記受信機で受信した信号を、前記複数のアンテナのそれぞれで受信した信号に分配する手段と、
    前記複数のアンテナのそれぞれで受信した信号に分配した信号から、受信した電波の到来方向を算出する手段と、
    受動型のRFタグに電波を放射して、前記RFタグに電力を供給する給電手段と、
    を備え
    前記時分割接続手段は、前記給電手段が前記受動型のRFタグに電力を供給中にのみ動作し、
    前記受信機は、前記給電手段が放射した電波に応答して前記受動型のRFタグが発生する電波を受信する、
    ことを特徴とする電波到来方向推定装置。
  2. 前記受信機は1台であって、前記時分割接続手段は、前記複数のアンテナを所定の順番で前記受信機に接続することを特徴とする請求項1に記載の電波到来方向推定装置。
  3. 前記給電手段は、前記受動型のRFタグに放射する電波のビームの方向を変動させる手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の電波到来方向推定装置。
  4. 前記給電手段は、前記受信機に接続するアンテナとは別の送信アンテナを備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電波到来方向推定装置。
  5. 受動型のRFタグに電波を放射して、前記RFタグに電力を供給する給電ステップと、
    所定の電波を受信する複数のアンテナより少ない数の受信機のうちの1つの受信機に、前記複数のアンテナのうち同時には1つのアンテナが接続するように、前記受信機と前記アンテナとの接続を所定の周期で切り替える時分割接続ステップと、
    前記受信機と前記アンテナとの接続を所定の周期で切り替えて前記所定の電波を受信するステップと、
    前記所定の電波を受信するステップで受信した信号を、前記複数のアンテナのそれぞれで受信した信号に分配するステップと、
    前記複数のアンテナのそれぞれで受信した信号に分配した信号から、受信した電波の到来方向を算出するステップと、
    を備え、
    前記給電ステップで前記受動型のRFタグに電力を供給中にのみ、前記時分割接続ステップを行い、
    前記所定の電波を受信するステップでは、前記給電ステップで放射した電波に応答して前記受動型のRFタグが発生する電波を受信する、
    ことを特徴とする電波到来方向推定方法。
  6. 前記受信機は1台であって、前記時分割接続ステップは、前記複数のアンテナを所定の順番で前記受信機に接続することを特徴とする請求項に記載の電波到来方向推定方法。
  7. 前記受動型のRFタグに放射する電波のビームの方向を変動させるステップを備え、
    前記電波の到来方向を算出するステップは、前記給電ステップで放射する電波のビームの方向が一定の間に、前記所定の電波を受信するステップで受信した信号から電波の到来方向を算出する、
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の電波到来方向推定方法。
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