JP5603639B2 - 予測装置の学習装置及びそのコンピュータプログラム - Google Patents
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Description
データベースとして整備されているか否かはともかく、病院には過去の臨床データがかなり蓄積されていることが一般的である。こうした過去の臨床データに対する統計的処理により得られたモデルを使用することにより、確度の高い診断情報を提供できれば好ましい。しかしそのために、過去の臨床データから統計的モデルを構築する際には、必ずデータ欠損の問題が生じる。最初から一貫した方針で一定の検査項目については必ずデータを収集する、という方針で臨床データを蓄積することは不可能に近い。信頼性の高いモデルを作成するためには、臨床データの症例数も多くなければならない。しかし、集める臨床データの症例数が多くなるほど、データ欠損の問題も大きくなり、理想的な臨床データの集合は得られない。データ欠損があるときには、一般的には精度の高いモデルの構築はむずかしい。逆に、特定の病気では、事例が少なく、臨床データを多数集めることが難しいこともある。そうした場合には、モデルの汎化性能が不十分なことが多い。得られる臨床データについて、例えば異常が生じていなかった事例については多数集められるが、異常が生じていた事例については少数のデータしか得られない場合、すなわちデータに偏りがある場合がある。そうしたデータセットからモデルを構築でき、使用したデータでは精度よく予測できたとしても、そのモデルを用いて、他の施設などで得られる偏りの異なる独立したデータでも信頼性の高い予測を行なうことは難しい。
(2)臨床データとして得られた検査項目の結果のうち、高精度のモデルを得るために有効と思われる一部の項目を選択すること(特性選択)
(3)予測のためのモデルとして、データ欠損に比較的強いと思われるADTreeと呼ばれる決定木の一種を採用すること、及び
(4)高精度でかつ汎化性の高いモデルを構築するために、バギングと呼ばれる技法を採用すること。
<装置の全体構成>
図1を参照して、本実施の形態に係る、AxLN転移の発生に関する予測装置である診断装置50の構成について説明する。この診断装置50は、過去の乳がん患者の症例から得た学習データ70を用いて、ADTreeからなる、AxLN転移の確率の予測モデル138の学習を行なう学習処理52と、学習データ70に含まれる患者の特性のうち、予測精度の高い予測モデル138を構築するために特に有効と思われる特性の組を選択する特性選択処理56と、学習処理52による学習が行なわれた予測モデル138を用い、対象となる患者のデータから、特性選択処理56により選択された特性のデータを抽出し、予測モデル138を使用して対象患者にAxLN転移が生じているか否かを予測し、予測結果を出力する予測処理54とを含む。
特性選択処理56は、本実施の形態では、予め決めた複数種類(例えば35種類)の特性からなる集合について、SVMを用いた特性選択(SVM−FS:SVM−Feature Selection)により順位を定める特性順位決定処理60を含む。特性順位決定処理60における特性の順位の決定方法の詳細については後述する。要するに特性順位決定処理60では、複数種類の特性のうち、予測精度に与える影響の大きさにしたがって特性に順位をつける処理を行なう。
図2を参照して、図1に示す特性順位決定処理60をコンピュータ上で実現するためのコンピュータプログラム(以下単に「プログラム」と呼ぶ。)は、属性の順位を格納すべき配列領域をコンピュータのメモリ上に確保するステップ220と、ステップ220に続き、変数IXに0を代入するステップ222と、ステップ224に続き、学習データ70から得られた利用可能な特性の全てを用いてSVMの学習を行なうステップ224と、ステップ224により得られたSVMを用いて学習データ70に対する予測と結果の判定とを行ない、SVMの判定精度を確認し記憶するステップ226と、全特性に対して以下のステップ230及び232を実行するステップ228とを含む。
再び図1を参照して、学習処理52は、学習データ70からモデル作成のためのパラメータを種々に変化させることによって多数のADTreeの予測モデル110を作成するためのモデル作成処理72と、モデル作成処理72により作成された多数の予測モデル110を用いて、学習データ70の全体に対して腋窩リンパ節への転移の発生予測を行ない、その予測の精度を算出して、最も精度の高い予測モデルを最適な予測モデル138として出力するモデル選択処理74とを含む。
以下、繰返し条件について説明する。
繰返し条件の第1は、モデル学習に使用する特性の集合である。特性選択処理56により順位付けされた特性の先頭から順番に、それぞれF1個、…、FQ個の要素からなる特性の集合(集合の個数はQ個)を選び、これらについて上記した処理を繰返す(F1<F2<…<FQ)。特性集合を変更することによって、Q回の繰返しが行なわれる。
学習データ70からリサンプル学習データセット92,…,94をリサンプリングする際には乱数を用いる。この乱数の種を変更することにより、リサンプル学習データセット92,…,94の内容が変化する。このとき、いずれの場合にも学習データ70の症例データの偏りを補償するようにリサンプリングすることに注意する必要がある。乱数の種を表す変数Iの値を1〜IMAXまで1ずつ変化させることにより、IMAX通りのリサンプル学習データセットが得られる。これがリサンプル学習データセット92,…,94である。
上記した説明では、リサンプル学習データセット92,…,94の各々について、第1〜第Kのデータサブセット100,…,104のK個のデータセットをサンプリングにより作成するものとした。この個数は、予測モデル110に含まれるADTreeの個数である。この数をバギング数と呼ぶ。このバギング数について、本実施の形態では1個〜KMAX個まで、1ずつ変化させながら上記した処理を繰返す。この1回の繰返しにより、KMAX個のモデルが作成される。
上記したバギング用の第1〜第Kのデータサブセット100,…,104について、あるKに対し、これらデータセットのサンプリングのための乱数を変えることにより、第1〜第Kのデータサブセット100,…,104のバリエーションができる。本実施の形態では、あるKに対してサンプリングを1〜JMAXまでのJMAX通りに変化させる。したがって、あるKに対し、JMAX通りの第1〜第Kのデータサブセット100,…,104が作成される。
ADTreeの作成には、パラメータとしてツリーに含むノード数をいくつにするかを指定する必要がある。この値をBOOSTING数と呼ぶ。BOOSTING数を1からMMAXまで変化させることにより、MMAX個のモデルが作成される。
以上の条件によれば、繰返しの回数を決める要因として、以下の5つがある。
(2)リサンプリング回数 IMAX通り
(3)学習データセットのサンプリング回数 JMAX通り
(4)データサブセットの数の変化 KMAX通り
(5)BOOSTING数の変化 MMAX通り
これらをそれぞれ変化させて上記処理を実行すると、全部でQ×IMAX×JMAX×KMAX×MMAX個のモデルが作成される。
モデル選択処理も、大きく分けて2つのステージに分割される。第1のステージは、モデル作成処理72により得られたモデルごとに、学習データ70の全症例データについて診断結果の予測をし、予測結果を学習データ70と比較してその精度を算出する予測ステージであり、第2のステージは、全てのモデルのうち、予測ステージで最も高い精度が得られたモデルを選択し、予測モデル138として出力する選択ステージ136である。
予測ステージは、モデル作成処理72により得られた全ての予測モデル110の各々に対して、以下のような処理をする。
予測ステージで得られた結果から、モデルごとに、その予測結果のスコアと実際の学習データ70の内容とを統計的に処理し、比較することにより、モデルごとにその予測精度が算出できる。選択ステージでは、最も予測精度の高いモデルを予測モデル138として選択する。本実施の形態では、モデルごとにROC曲線を描き、その下側面積AUCが最も大きくなったモデルを選択する。
ADTreeの一例を図3に示す。図3において、長方形で示されているノードを「分岐ノード」、楕円で示されているノードを「予測ノード」と呼ぶ。図3から明らかなように、ADTreeは、分岐ノードからなる層と、予測ノードからなる層とが交互に配置されている。これが「Alternative」という名称の由来である。
−0.1−0.2−0.2+0.5−0.4−0.4−0.3=−1.1
(ルート)(A) (B) (C) (D) (E) (F)
となる。
図5を参照して、図1に示す学習処理52をコンピュータ上で実現するためのプログラムの概略の制御構造は以下のとおりである。すなわちこのプログラムは、学習を行なうためのパラメータを利用者に設定させるステップ260を含む。この実施の形態では、この処理において、前述した特性の組の各々の構成及びその個数Q、リサンプリング回数を決めるIMAX、学習データセットのサンプリング回数を決めるJMAX、データサブセットの数の範囲を決めるKMAX、及びBOOSTING数の範囲を決めるMMAXが設定される。この設定は、通常のユーザインタフェースを使用して行なわれる。予めこうした設定を構成ファイルに記述しておき、プログラム開始時に読込むようにしてもよい。
再び図1を参照して、予測処理54は、学習処理52により選択された予測モデル138を記憶する記憶装置(図示せず)と、予測対象の患者の臨床データ150と予測要求とをネットワーク又は端末から受け、学習処理52において予測モデル138が生成されたときの特性の組に対応する特性を抽出する特性抽出処理152と、特性抽出処理152により抽出された特性データの中に欠損値があれば、その欠損値を学習データ70から算出されたその特性の平均値で置換することで補充するための欠損データ補充処理160とを含む。このため、学習データ70から得られた各特性の平均値を記憶装置162に予め記憶しておく。
上記実施の形態に係る診断装置50は以下のように動作する。診断装置50の動作は、大きく分けて3つのフェーズに分割される。第1のフェーズは特性選択処理56による、特性の順位付けの処理である。第2のフェーズは、学習処理52による予測モデル138の生成である。第3の処理は、学習処理52により得られた予測モデル138を用いた予測処理54を起動し、外部からの予測依頼を待って、予測依頼があるたびにその患者にAxLN転移が起こっている可能性があるかどうかを診断し、送信する処理である。
図1及び図8を参照して、予測処理54は以下のように実行される。対象患者の臨床データ150及び予測要求をオンラインで、又は端末から受信すると、特性抽出処理152は、臨床データ150から、予測モデル138が得られたときの特性の組Fにしたがって特性を抽出する(ステップ440)。記憶装置162には、特性の組Fに含まれる各特性について、学習データ70中の有効データから算出した平均値が記憶されている。欠損データ補充処理160は、特性抽出処理152が臨床データ150から抽出した特性データの中に欠損データがあるときには、そのデータの平均値をその箇所に補充する(ステップ442)。こうして欠損データが補充された特性はモデル適用処理156に与えられる。モデル適用処理156は、これら特性を予測モデル138内の各ADTreeに適用することで、各ADTreeについてスコアを算出し出力する(ステップ440)。これらADTreeの出力は平均値算出処理158に与えられる。平均値算出処理158は、予測モデル138のADTreeの出力するスコアの合計を計算し、さらに予測モデル138が得られたときのバギング数LMAXで除算することにより、予測のためのスコアを算出する(ステップ452)。そのスコアの値により、高確率で転移あり、予測不能、高確率で転移なし、という診断がされ(ステップ454−460)、予測要求を送信してきた端末に返信される(ステップ462)。
この実施の形態のシステムは、コンピュータハードウェアと、そのコンピュータハードウェアにより実行されるプログラムと、コンピュータハードウェアに格納されるデータとにより実現される。図9はこのコンピュータシステム550の外観を示し、図10はコンピュータシステム550の内部構成を示す。
使用する特性の具体的な項目は後述することとし、この実施例では、特性の組として、上位5個、10個、15個、20個、25個、30個、及び35個の7組を選び、ステップ280(図6を参照)での繰返しに用いる。すなわちQ=7である。バギング数、Boosting数、リサンプリング時の乱数の種はそれぞれ1〜10の範囲で1ずつ変化させる。すなわちMMAX=KMAX=10、IMAX=10である。Bagging時の乱数の種は1−5までの5種類とした。すなわちJMAX=5である。
─患者─
本実施例では、2005年から2006年にかけて東京都立がん・感染症センター駒込病院で治療を受けた原発性乳がん患者の症例272件のうちの168件を学習データ70として用いた。この中には、組織学的に原発性侵襲性乳がんと診断された患者であって、SLN生検を受けて、以前に治療経験のなかった患者(及びneoadjuvant療法を受ける前にSLN生検を受けた患者も含む。)、又は、組織学的に原発性侵襲性乳がんと診断された患者であって、ALNDを受け、それ以前に何ら治療を受けなかった患者とが含まれる。
SLNを特定するために用いた方法は公知のものである。学習データの患者については、テクネシウム−リン酸化合物からなる放射性トレーサを用いてSLNを特定した。検証用データの患者については、インドシアニン・グリーン(ICG)を用いた染色・蛍光ナビゲーション技術を用いてSLNを特定した。
各患者について収集された臨床データは、年齢、身長、体重、閉経状態、身体所見(視診又は触診による所見)、画像所見(マンモグラフィ及び超音波診断による所見)、治療前の針生検病理組織学的所見(組織型、核グレード、エストロゲン受容体[ER]、プロゲステロン受容体[PgR]、ヒト上皮成長因子受容体2[HER2]、腋窩外科処置の方法(SLN生検又はALND)、及び手術後の病理組織学的所見(リンパ節転移)を含む。テーブル1に、収集したデータの詳細を示す。
学習時、リサンプリングフェーズにおいて、偏りを制御したリサンプリングによって、学習データセットの多数の複製サブセットを、リサンプリングされた各データセット中でリンパ節転移陰性の疾患患者数とリンパ節転移陽性の疾患患者数との比率がほぼ等しくなるように生成した。これらリサンプリングデータセットの数は10個である。
3.結果
学習及び検証データの臨床病理学的特性を表1にまとめた。学習データセットでは49名の患者にリンパ節転移があり(29.2%)、検証データセットでは15名(26.8%)であった(統計的有意差ではない)。いくつかの変数の分布に関して、2つのデータセットに有意の差があった。
(テーブル1の1)
(テーブル2)
これまでに報告されているノモグラム及びスコアリングシステムでは、独立した予測因子として、腫瘍サイズ、年齢、リンパ管侵襲(lymphovascular invasion:LVI)、組織型、多病巣性、ER及びPgRを含む変数が用いられている。AxLN転移予測のために開発されたメモリアルスローン−ケッタリング癌センター(Memorial Sloan−Kettering Cancer Center:MSKCC)ノモグラムは9個の変数を含む:年齢、腫瘍サイズ、腫瘍の種類、LVI、多病巣性、核グレード、腫瘍の局在、ER及びPgRである。本件の予測モデル(図12−図18)の14個の変数のうち、12個は画像検査又は視触診で入手できる。視触診での皮膚の陥凹所見、ハロー及び前方乳腺境界線断裂は全て、周囲組織への腫瘍の浸潤の指標として知られている。これらの変数は多くのツリーのルートノードに直接リンクしており、スコアを増大させる。すなわち、これらのスコアは多くの場合加算され、所見の存在により、指標は転移を示す結果へ傾く。腫瘍の浸潤の具体的な所見とAxLN転移との間に相関関係があるという証拠は少ないが、デロレンティス(De Laurentiis)らは、マンモグラムにおいてスピキュラを伴う腫瘍境界はAxLN転移と相関があると結論付けている。触診によるリンパ節触知可能性と超音波画像によるAxLNの最大サイズは本件のモデルではともに何回か選択されている。これらの変数は互いに相関があり、AxLNの腫脹は経験的に転移の兆候であると考えられる。触診から判断される臨床的なリンパ節の状態もまた、オリボット(Olivotto)らによりAxLN転移の予測因子であると報告されている。
[背景]
原発性乳癌に対する術前化学療法は手術などの局所療法に先立って行なわれ、腫瘍径を小さくして乳房温存の可能性を高める、又は、抗癌剤などの薬剤に対する腫瘍の反応性を確認することなどを目的に行なわれる。術前化学療法により腫瘍が消失した場合(病理学的完全奏効:Pathological Complete Response、pCR)には、腫瘍が消失しなかった場合に比較して予後が良好であることが示されていることから、pCRによる予後の層別化が可能になる。しかし、術前化学療法は全例に有効というわけではなく、奏効率は60−80%、pCR率は4−30%程度である。治療開始前にpCRとなる可能性が高くはないと予測される場合には、治療内容(レジメン)の再検討及び治療開始後の経過観察を密にするなどの治療計画における工夫が求められると共に、術前化学療法そのものの適応を再検討する必要がある。術前化学療法の治療途中には、治療開始後早期の反応性(縮小の程度)により最終的にpCRとなる可能性が異なることが報告されており、non−pCR(非pCR)と予測される場合にはその後のレジメンを調整するか、又は手術療法を検討する必要がある。また、術前化学療法終了後には手術が行なわれるが、pCRと予測される場合には手術による切除範囲は最小限にとどめられる可能性がある。しかし、画像上の残存腫瘍の程度と実際の病理組織での残存腫瘍の程度には時に乖離がみられることから、手術切除範囲の適正化という面でも高い精度でのpCR予測性が求められる。このため、術前化学療法前の情報に加え、術前化学療法の途中又は終了時の情報にてpCRを予測することは臨床的に重要性が高い。また、こうした試みにより治療の個別化・適正化が推進され、さらには医療経済効果も期待できるものと考えられる。
以下に説明する実施例の化学療法の効果予測は、がん・感染症センター都立駒込病院、国立病院機構大阪医療センター、国立病院機構九州がんセンターの3施設から収集した、術前化学療法が実施された173症例を学習データとした。対象は、術前化学療法としてアンスラサイクリン系抗癌剤とタキサン系抗癌剤による順次投与を施行された症例(FEC→ドセタキセル±カペシタビン)であり、主に特定非営利活動法人Organisation for Oncology and Translational Research(OOTR)により行なわれた臨床試験(OOTR−N003 trial;UMIN ID:C000000322)にエントリーされた症例を対象としている。予測する目的変数としては手術後病理組織標本にて判定される組織学的効果判定(pCR)とした。予測モデルは、術前化学療法実施前、FECレジメンが終了段階、全てのレジメンが終了段階の3つを作成した。特徴変数としては、化学療法実施前に収集できる情報を全てのモデルの入力とした。FECレジメンが終了した段階では、そのレジメン終了段階で取得可能な臨床的効果判定(レジメン1)(触診・超音波検査・造影MRI検査などにより総合的に判定された4段階のCR(完全奏効)、PR(部分奏効)、SD(安定)、PD(進行)の分類した値)を、入力変数として追加した。全てのレジメン終了時も、同様に臨床的効果判定(レジメン2)を入力変数として追加した。モデルの学習に用いた特徴変数及び患者の特徴をテーブル3に示す。
(テーブル3)
術前化学療法実施前、FECレジメンが終了した段階、全てのレジメンが終了した段階の3つのモデルの予測精度をテーブル4に示す。また、それぞれの場合で最終的に選択したモデルを生成した学習パラメータをテーブル5に示す。
(テーブル4)
52 学習処理
54 予測処理
56 特性選択処理
60 特性順位決定処理
70 学習データ
72 モデル作成処理
74 モデル選択処理
90 リサンプル処理
92,…,94 リサンプル学習データセット
95 データサブセットのサンプリング処理
97 モデル学習処理
100,…,104 データサブセット
110 予測モデル
130,152 特性抽出処理
132,158 平均値計算処理
136 選択ステージ
138 選択された予測モデル
140,160 欠損データ補充処理
142,156 モデル適用処理
150 臨床データ
Claims (9)
- 症例データから抽出される所定の特性の組のデータが与えられると、当該症例データが得られた患者に関連した所定の事象の発生を予測するように、ADTreeからなる予測モデルを学習するための学習装置であって、
学習データを記憶するための記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記学習データから、乱数を用いてリサンプリングすることにより、学習のための複数個のリサンプリングデータセットを作成するためのリサンプリング手段と、
前記リサンプリング手段により作成された前記複数個のリサンプリングデータセットの各々を学習データとして用い、前記特性の組を入力として前記所定の事象の発生を予測するように、ADTreeからなる予測モデルの学習を行なうためのADTree学習手段と、
前記ADTree学習手段による予測モデルの学習を、終了条件が成立するまで、処理の条件を変化させて繰返し行なうことにより、複数個の予測モデルを作成するためのモデル作成手段と、
前記モデル作成手段により作成された前記複数個の予測モデルの、前記学習データに対する予測精度を算出し、最も高い予測精度が得られた予測モデルを出力するためのモデル選択手段とを含み、
前記リサンプリング手段は、前記学習データのうち、前記所定の事象が発生した学習データからのサンプル数と、発生しなかった学習データからのサンプル数との比が所定の値となるようにサンプリング比を調整しながら、かつ乱数の種を複数通りに変化させることにより、前記学習データから複数個のリサンプリングデータセットを作成するための手段を含む、学習装置。 - 前記所定の値は1:1である、請求項1に記載の学習装置。
- 請求項1又は請求項2に記載の学習装置であって、
各々が複数種類の特性からなる特性の組で、互いに異なるものが複数個、予め規定されており、
前記モデル作成手段は、前記処理の条件の一つとして、前記複数個の特性の組のいずれを使用するかを変化させることにより前記複数個の予測モデルを作成する、学習装置。 - 請求項3に記載の学習装置であって、
前記複数種類の特性を、前記所定の事象の発生の予測に関する重要性の順番に順位付けするための特性順位付け手段をさらに含み、
前記複数個の特性の組はいずれも、前記特定順位付け手段による順位付けの上位から所定個数の特性からなり、かつ特性の個数は組ごとに異なる、学習装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の学習装置であって、
前記モデル作成手段は、
前記複数個のリサンプリングデータセットの各々について、当該リサンプリングデータセットからさらに学習データを乱数サンプリングすることによりデータサブセットを作成するためのデータサブセット作成手段と、
前記複数個のリサンプリングデータセットの各々について、前記データサブセット作成手段により作成されたデータサブセットを学習データとして当該データサブセットの各々によりADTreeの学習を行なう手段と、
前記データサブセット作成手段により作成されるデータサブセットの個数が複数通りに変化するよう、個数を指定して前記データサブセット作成手段及び前記ADTreeの学習を行なう手段を繰返し動作させる繰返し制御手段とを含む、学習装置。 - 請求項5に記載の学習装置であって、
前記データサブセット作成手段は、前記繰返し制御手段によりデータサブセットの個数が指定されると、乱数の種を変化させて前記リサンプリングデータの各々について乱数サンプリングすることにより、当該指定された個数のデータサブセットからなるデータサブセットの組を複数個作成する手段を含み、
前記ADTreeの学習を行なう手段は、当該データサブセットの組の各々に含まれる前記指定された個数のデータサブセットの各々を学習データとして、前記ADTreeの学習を行なう手段を含む、学習装置。 - 請求項5又は請求項6に記載の学習装置であって、
前記繰返し制御手段は、前記データサブセット作成手段により作成されるデータサブセットの個数を、最小値から最大値までの範囲の各整数を用いて指定して前記データサブセット作成手段及び前記ADTreeの学習を行なう手段を動作させる手段を含む、学習装置。 - 請求項1に記載の学習装置であって、
前記モデル作成手段は、前記ADTreeの各ツリーに含まれるノード数を所定範囲で変化させることにより前記複数個の予測モデルを作成する、学習装置。 - コンピュータを、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の学習装置の各手段として機能させる、コンピュータプログラム。
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