JP5603026B2 - 部分放電監視装置 - Google Patents
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Description
図6は、このようなPDM装置を備える従来における部分放電監視システムの例を示す図である。
各変電所7aの部分放電監視システムBにおいて、GIS4は、三相交流に対応したA相、B相、C相を有している。A相、B相、C相のそれぞれには、GIS4内の信号値を測定するセンサ3が備えられており、センサ3が取得した信号データは、ケーブル8を介してデテクタボックス2へ送信される。なお、この信号値は、GISに影響を及ぼさないような部分放電や、事前に除去できなかったノイズなども含んでおり、後記する一次判定および二次判定によりGISに影響を及ぼすPDであるか否かや、ノイズではなく本当にPDであるか否かなどが判定される。デテクタボックス2は、センサ3から送信された信号データに対し、図4で後記する一次判定を行い、取得した信号データが部分放電に該当するデータであるか否かを判定する。
同様に、他のGIS4における一次データも、センサ3→デテクタボックス2→ハブ10を介して、PDM装置1aへ集められる。
しかしながら、実際には156kV以下の変電所7aなどにも使用したいといった要望がある。
その他の解決手段は、実施形態中において適宜記載する。
図1は、本実施形態に係る部分放電監視システムの構成例を示す図である。なお、図1において、前記した図6と同様の要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
変電所7に設置される部分放電監視システムAにおいて、GIS4は、三相交流に対応したA相、B相、C相を有している。A相、B相、C相のそれぞれには、GIS4内の信号値を常時測定するセンサ3が備えられており、センサ3が取得した信号データは、ケーブル8を介してデテクタボックス2へ逐次送信される。なお、この信号値は、GISに影響を及ぼさないような部分放電や、事前に除去できなかったノイズなども含んでおり、後記する一次判定および二次判定によりGISに影響を及ぼすPDであるか否かや、ノイズではなく本当にPDであるか否かなどが判定される。デテクタボックス2は、センサ3から送信された信号データに対し、図4で後記する一次判定を行い、取得した信号データが部分放電に該当するデータであるか否かを判定する。なお、デテクタボックス2は、固定型であってもよいし、非固定型であってもよい。
なお、特定のデテクタボックス2をマスタとして、このマスタのデテクタボックス2に簡易型PDM装置1を接続(マウント)してもよい。
同様に、他のGIS4における一次データも、センサ3→デテクタボックス2を介して、簡易型PDM装置1へ集められる。
そして、監視者が警報出力を確認した後、ノートPCなどの端末6(外部装置)を簡易型PDM装置1に接続すると、簡易型PDM装置1から端末6へ一次データや、二次判定の結果の情報や、解析処理の結果の情報などが送られる。
また、デテクタボックス2が多い場合や、デテクタボックス2と、簡易型PDM装置1との間の距離が長くなる場合などには、簡易型PDM装置1とデテクタボックス2の間にハブを設置してもよい。
図2は、本実施形態に係る簡易型PDM装置の構成例を示す図である。
簡易型PDM装置1は、受信部130と、送信部140と、端末接続部150と、処理部110と、記憶部120とを有している。受信部130は、デテクタボックス2から一次データを受信するなどの処理を行う。送信部140は、警報装置5(図1)へ情報を送信する処理を行う。端末接続部150は、USB(Universal Serial Bus)ポートなどの端末6と簡易型PDM装置1とを接続し、接続された端末6との通信を行う接続端子である。記憶部120は、一次データや、二次判定の結果や、後記する解析処理の結果の情報である蓄積データ121を格納している。なお、本実施形態に係る簡易型PDM装置1は、図6に示すPDM装置1aのような表示装置12を備えていない。表示装置12を備えないことにより、本実施形態に係る簡易型PDM装置1は、可搬性を高めることができる。
なお、解析処理部113は、省略可能である。
図3は、本実施形態に係る全体処理の概要手順を示すフローチャートである。なお、デテクタボックス2および簡易型PDM装置1の詳細な処理手順は、図4および図5を参照して後記する。
まず、センサ3は検知したGIS4における信号値に関するデータをデテクタボックス2へ送信する(S101)。
センサ3からのデータを受信した(S102)デテクタボックス2は、一次判定処理を行って(S103)、センサ3から受信したデータが部分放電に該当するか否かを判定する。一次判定処理の詳細については、図4で後記する。
一次判定処理の結果、部分放電に該当すると判定されたデータは、一次データとして簡易型PDM装置1へ送信される(S104)。
また、簡易型PDM装置1は、受信した一次データが本当に部分放電に該当するのか否かなどを詳細に判定する二次判定処理を行い(S108)、さらに解析処理を行った(S109)後、受信した一次データや、二次判定処理の結果や、解析処理の結果の情報を記憶部120に格納するデータ蓄積処理を行う(S110)。二次判定処理の詳細は、図5で後記する。
なお、ステップS108,S109の処理後に、ステップS106の処理を行ってもよいし、ステップS108,S109の処理の間にステップS106の処理を行ってもよい。
次に、図1を参照しつつ、図4に沿ってデテクタボックス2における処理の説明を行う。
図4は、デテクタボックスにおける処理の手順を示すフローチャートである。
まず、デテクタボックス2は、センサ3からGIS4における信号値などのデータを受信する(S201)。
次に、デテクタボックス2は、センサ3から受信したデータが一次判定条件のすべてに適合するか、または少なくとも後記する(1)の条件を満たすか否かを判定し(S202)、当該データが部分放電に該当するか否かを判定する。なお、ステップS202の処理では、センサ3から受信したデータが一次判定条件に適合するか否かと、少なくとも後記する(1)の条件を満たすか否かの判定のどちらか一方が行われる。
一次判定条件は、以下の3つがある。
(1)値が予め設定されている所定の値以上である。
(2)前記所定の電圧値以上である時間が予め設定されている時間以上である。
(3)他の相に同様の変化が生じていない。
これらの一次判定条件のうち、(3)は、例えば、A相(図1)で信号値の変化が検知された場合、B相、C相においても同様の変化が生じていれば、外乱ノイズの影響などが考えられるためである。
ステップS202において、受信したデータが、一次判定条件のうち、1つでも満たさない場合もしくは少なくとも(1)の条件を満たさない場合(S202→No)、デテクタボックス2は、センサ3から受信したデータを破棄して(S204)、ステップS201へ処理をもどす。
次に、図1および図2を参照しつつ、図5に沿って、本実施形態に係る簡易型PDM装置1における処理を説明する。
図5は、本実施形態に係る簡易型PDM装置における処理の手順を示すフローチャートである。
まず、処理部110が、デテクタボックス2から一次データを受信したか否かを判定する(S301)。
ステップS301において、一次データを受信していない場合(S301→No)、処理部110は、ステップS306へ処理を進める。
ステップS301において、一次データを受信した場合(S301→Yes)、警報処理部111は、警報装置5に警報情報を出力するよう送信部140を介して指示する(S302)。
二次判定処理には、PD判定処理などが含まれる。PD判定処理とは、位相情報などを基に、詳細な解析を行うことで、受信した一次データが本当に部分放電に該当するのかや、GIS4に影響を及ぼす部分放電であるか否かなどを判定する処理である。つまり、デテクタボックス2における一次判定処理(S202)は、簡易的な判定処理であり、簡易型PDM装置1における二次判定処理(S303)は詳細な判定処理であるといえる。
二次判定処理の結果、部分放電に該当しないと判定されたり、GIS4に影響を及ぼさない部分放電と判定されたりした一次データは、イベントデータとして蓄積データ121に含まれる。
なお、ステップS304では、部分放電がGIS4のどこに生じたかといった情報である位置評定など、GIS4の構造や、センサ3の構造に関する情報を必要とする解析は行わない。GIS4の構造や、センサ3の構造に関する情報を必要とする解析を行わないことにより、本実施形態に係る簡易型PDM装置1は、図6に示すPDM装置と異なり、特定のGIS4に限ることなく使用することができる。
また、ステップS304の処理は、省略してもよい。
さらに、ステップS302の処理は、ステップS301〜S305の処理の間のどこで行われてもよい。
ステップS306の結果、端末接続部150に端末6が接続されていない場合(S306→No)、処理部110がステップS301へ処理を戻す。
ステップS306の結果、端末接続部150に端末6が接続されている場合(S306→Yes)、端末処理部115が、端末接続部150を介して、端末6へ蓄積データ121を送信し(S307)、処理部110がステップS301へ処理を戻す。
また、簡易型PDM装置1には、持ち運びに便利なよう図示しない取っ手などを備えてもよい。
さらに、本実施形態では、簡易型PDM装置1の形状をボックス型としたが、これに限らず、持ち運べる形状であればよい。
また、蓄積データ121には、二次判定の結果のみが格納されていてもよい。
さらに、簡易型PDM装置1と、端末6の接続は、例えばUSBなどの有線接続でもよいし、ブルートゥースなどの近接無線接続でもよい。また、端末6は、通信網9などを介して簡易型PDM装置1に接続してもよい。
さらに、警報装置5は、変電所7の外部に設置されてもよい。
本実施形態に係る簡易型PDM装置1によれば、簡易型PDM装置1において部分放電の二次判定を行うことで、監視者は端末6に蓄積データ121をダウンロードするだけで必要なデータをすぐに確認することができる。非特許文献1に記載の技術では、二次判定などの処理を行わず、一次データを蓄積するだけなので、監視者が端末6に一次データをダウンロードした後、二次判定などの処理を行う必要があり、必要なデータの確認が遅れる場合がある。
さらに、本実施形態に係る簡易型PDM装置1によれば、簡易型PDM装置1においてPD値‐周波数、PD値‐位相などのデータを2次元で表示したり、PD値‐周波数‐時間、PD値‐位相‐時間などのデータを3次元で表示したりするPDリアルタイムデータとそのトレンドデータや、部分放電リストや、イベントのリストや、一次データの来歴などに関する解析データを作成することで、監視者は、これらのデータをダウンロードするだけで必要とするデータをすぐに確認できる。
さらに、表示装置12を備えないことにより、形状をコンパクトにでき、可搬性に優れた簡易型PDM装置1を提供することができる。また、表示装置12を備えず、GIS4の構造や、センサ3の構造に関する情報を必要とする解析を行わないことによりコストを削減することができる。
2 デテクタボックス
3 センサ
4 GIS
5 警報装置
6 端末(外部装置)
7 変電所
110 処理部
111 警報処理部
112 二次判定処理部
113 解析処理部
114 データ蓄積処理部
115 端末処理部(外部装置処理部)
120 記憶部
121 蓄積データ
130 受信部
140 送信部
150 端末接続部
A 部分放電監視システム
Claims (4)
- GISにおける部分放電を監視する部分放電監視装置であって、
前記GISに備えられているセンサからのデータに対して、デテクタボックスが行った一次判定の結果である一次データを、前記デテクタボックスから受信する受信部と、
前記一次データが部分放電に該当する情報であるか否かを判定する二次判定を行う二次判定処理部と、
前記一次データおよび前記二次判定の結果の情報のうち、少なくとも1つを用いて、前記GISの構造によらない解析データを生成する解析処理部と、
前記二次判定の結果および前記解析データを含む蓄積データを、記憶部に格納するデータ蓄積処理部と、を
有することを特徴とする部分放電監視装置。 - 前記受信部が、前記デテクタボックスから、前記部分放電に関するデータを受信すると、警報情報を警報装置に出力させる警報処理部を、
さらに有することを特徴とする請求項1に記載の部分放電監視装置。 - 外部装置が、前記部分放電監視装置自身に接続されると、
前記記憶部に蓄積されているデータを前記外部装置へ送信する外部装置処理部を、
さらに有することを特徴とする請求項1に記載の部分放電監視装置。 - 前記解析データは、部分放電値‐周波数を含むとともに、部分放電値‐位相を含むデータを2次元で表示するPDリアルタイムトレンドと、部分放電値‐周波数‐時間を含むとともに、部分放電値‐位相‐時間を含むデータを3次元で表示するPDリアルタイムトレンドと、部分放電リストと、前記二次判定の結果、部分放電に該当しないと判定されたイベントのリストであるイベントリストと、前記一次データの来歴に関するデータと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の部分放電監視装置。
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