上述した本発明の内容を明確にするために、本発明の構成を以下のような回胴式遊技機および遊技システムに適用した実施例について説明する。
A.回胴式遊技機の装置構成 :
A−1.全体構成 :
図1は、回胴式遊技機1(以下、「遊技機1」と略記)の外観を示す正面図である。図1に示すように、遊技機1には、箱状に形成された筐体3と、筐体3の前面側を覆うようにして設けられた前面扉2などが設けられている。前面扉2は、実際に遊技が行われる中段の領域と、遊技の進行に応じて種々の演出が行われる上段の領域2uと、遊技メダルが払い出される下段の領域2dとの大きく3つの領域から構成され、更に中段の領域は、遊技の状態を表示するための遊技状態表示部2maと、遊技を行うための操作部2mbとから構成されている。
上段の領域2uには、中央に演出表示装置10が設けられ、演出表示装置10の左右にはスピーカ14が設けられ、演出表示装置10およびスピーカ14の上方には、各種のランプ類12が設けられている。演出表示装置10は、いわゆる液晶表示装置によって構成されており、遊技の進行状況に連動して種々の画像を表示して演出を行うことが可能となっている。
前面扉2の中段に設けられた遊技状態表示部2maの中央には、大きな表示窓20が設けられており、内部に設けられた3つの回胴20a,20b,20cが回転する様子を視認可能となっている。また、表示窓20の左右および下方には、遊技の状態を表示する各種の表示パネル類22が設けられている。
前面扉2の中段下方に設けられた操作部2mbは、手前に向かって突出した形状に形成されており、上面には、遊技メダルを投入するための遊技メダル投入口30と、クレジットとして貯留されている遊技メダルを、1回の遊技に要する枚数だけ投入するための投入ボタン34などが設けられている。尚、遊技メダルの貯留とは、遊技メダル投入口30から遊技機1に投入された遊技メダルの枚数が規定数(1回の遊技に要する遊技メダル枚数の上限)を超えた場合にその超えた分をデータとして記憶しておくこと、あるいは、遊技メダルを実際に払い出す代わりにメダルの払い出し枚数をデータとして記憶しておくことをいう。また、操作部2mbの前面には、遊技メダルの投入後に回胴20a,20b,20cの回転を開始するためのスタートレバー36と、3つの回胴20a,20b,20cの回転をそれぞれ停止させるための回胴停止ボタン38a,38b,38cなどが設けられている。
加えて、操作部2mbには、上面に精算ボタン40、および前面に返却ボタン42が設けられている。ここで、精算ボタン40とは、遊技機1の内部に貯留されている遊技メダルを外部に払い出す際に操作するボタンである。遊技メダルの投入後も、スタートレバー36を操作して回胴20a,20b,20cの回転を開始するまでの間であれば、投入済みの遊技メダルも精算ボタン40を操作することによって払い出すことが可能である。また、返却ボタン42とは、遊技メダル投入口30から投入された遊技メダルが遊技機1の内部で詰まった場合に、遊技メダルの詰まりを解消するために操作されるボタンである。さらに、操作部2mbには、上面の中央に演出ボタン43が設けられている。演出ボタン43は、演出表示装置10に表示されるメニューから所定の項目を選択する際に使用される。
前面扉2の下段の領域2dには、遊技メダルが払い出される遊技メダル払出口50と、払い出された遊技メダルを受け止める受け皿52などが設けられている。
図2は、前面扉2を開いて遊技機1の内部の構成を示した斜視図である。前面扉2の裏面側上部には、演出表示装置10が取り付けられており、その左右には一対のスピーカ14が取り付けられている。
前面扉2のほぼ中央には表示窓20が設けられており、その下方には、後述する扉基板240が設けられている。また、扉基板240の下方には、回胴停止ボタン38a,38b,38cや、スタートレバー36が取り付けられている。
回胴停止ボタン38a,38b,38cの左方には、遊技メダル投入口30から投入された遊技メダルの通路となるメダルセレクタ106が設けられており、その下方には、遊技メダルを遊技メダル払出口50に導くためのコインシュータ108などが設けられている。メダルセレクタ106は、遊技メダル投入口30から投入された遊技メダルを主に寸法に基づいて選別し、規格寸法に適合した遊技メダルだけを受け入れる機能を有している。遊技者がスタートレバー36を操作する前に遊技メダルが投入されると、遊技メダルはメダルセレクタ106によって選別され、規格を満足しているものだけがホッパー116内に受け入れられ、規格を満たしていないメダルは、コインシュータ108を通って、遊技メダル払出口50に返却されるようになっている。
これに対して、スタートレバー36が操作された後に遊技メダルが遊技メダル投入口30から投入された場合は、メダルセレクタ106内の通路が切り換わり、該遊技メダルはコインシュータ108を通って、遊技メダル払出口50に返却される。また、メダルセレクタ106の内部には、図示しないメダルセンサが設けられており、寸法規格を満たして受け入れられた遊技メダルが通過すると、メダルセンサによって検出されて、その信号が後述する主制御基板200に供給されるようになっている。
このような前面扉2が取り付けられる筐体3のほぼ中央には、3つの回胴20a,20b,20cが設けられており、各回胴の外周面には、後述するように複数種類の図柄が描かれている。これら回胴の上方には、遊技全体の制御を司る後述する主制御基板200が格納された主制御基板ユニット110が設けられており、回胴の背後には、各回胴を駆動するための後述する回胴基板260が格納された回胴基板ユニット112が設けられている。また、回胴の左方には、図1に示した演出表示装置10や、各種ランプ類12、スピーカ14などを用いて行われる各種演出の制御を司る後述するサブ制御基板220が格納されたサブ制御基板ユニット111が設けられている。
3つの回胴20a,20b,20cの下方には、リアスピーカ114が設けられ、更にその下方には、遊技メダル投入口30から投入された遊技メダルが集められるホッパー116や、遊技メダルを払い出すメダル払出装置118、遊技機1全体に電源を供給するための後述する電源基板280が格納された電源ユニット120などが搭載されている。メダル払出装置118から払い出された遊技メダルは、コインシュータ108を通って、遊技メダル払出口50から払い出されるようになっている。また、電源ユニット120の前面には、遊技機1の電源を入れるための電源スイッチ120sも設けられている。
図3は、3つの回胴20a,20b,20cの外周面に描かれた図柄の配列を示す説明図である。各回胴には、何れも21個の図柄が外周面に描かれている。また、何れの回胴についても、描かれている図柄の種類は同じであるが、図柄の配列については回胴毎に異なる配列に設定されている。
A−2.電気的構成 :
図4は、本実施例に係る遊技機1の電気的構成を示す説明図である。図4に示すように、遊技機1には、主制御基板200を中心として、サブ制御基板220、扉基板240、回胴基板260、電源基板280、中継基板300等がデータを通信可能に接続されて構成されている。
主制御基板200は、遊技機1で行われる遊技全体の進行や演出を司る基板である。この主制御基板200には、CPU201、ROM202、RAM203などがバスによって互いにデータを通信可能に接続されて搭載されており、前面扉2に搭載された扉基板240から、スタートレバー36が操作されたことを示す信号などを受け取って、後述する遊技制御処理を実行しながら、サブ制御基板220や、扉基板240、回胴基板260などに向かって制御コマンド(あるいは制御信号)を送信することにより、これら各種基板の動作を制御している。
サブ制御基板220も、上述した主制御基板200と同様に、CPU221や、ROM222、RAM223などがバスによって互いにデータを通信可能に接続されて構成されている。また、サブ制御基板220には、各種のランプ類12や、各種のスピーカ14,114、演出表示装置10、回胴バックライト20Lなどが接続されている。ここで回胴バックライト20Lとは、各回胴20a,20b,20cの内部に設けられ、回胴の表面に描かれた図柄(図3参照)を裏側から照らすライトである。サブ制御基板220は、主制御基板200から受け取った制御コマンドを解析して、各種ランプ類12、各種スピーカ14,114、演出表示装置10、回胴バックライト20Lにそれぞれ駆動信号を出力することにより、各種の演出を行っている。また、詳しくは後述するが、サブ制御基板220は、演出表示装置にメニューを表示させて、演出ボタン43によって選択された項目に対応する処理を行っている。
扉基板240には、メダルセレクタ106や、貯留されている遊技メダルを投入するための投入ボタン34、回胴の回転を開始するためのスタートレバー36、回転している回胴を停止させるための回胴停止ボタン38a,38b,38c、貯留されている遊技メダルや投入された遊技メダルを払い出して遊技を終了するための精算ボタン40、遊技の状態を表示する各種の表示パネル22などが接続されている。また、この扉基板240は、前述した主制御基板200とデータを通信可能に接続されている。このため、前面扉2に設けられたスタートレバー36や、回胴停止ボタン38a,38b,38c、投入ボタン34、精算ボタン40などを操作すると、扉基板240を介して、その信号が主制御基板200に供給されるようになっている。また、メダルセレクタ106が、内蔵するメダルセンサによって遊技メダルの通過を検出した信号も、扉基板240を介して主制御基板200に供給される。
回胴基板260には、3つの回胴20a,20b,20cをそれぞれ回転させるための回胴モータ24a,24b,24cと、それぞれの回胴の回転位置を検出するための回胴センサ26a,26b,26cなどが接続されている。回胴基板260は、回胴センサ26a,26b,26cによって、各回胴20a,20b,20cの回転位置を検出しながら、回胴モータ24a,24b,24cを駆動することにより、それぞれの回胴20a,20b,20cを、所望の位置で停止させることが可能となっている。尚、本実施例の遊技機1では、回胴モータ24a,24b,24cには、いわゆるステッピングモータが使用されている。
また、メダル払出装置118は、中継基板300を介して、主制御基板200に接続されており、主制御基板200からの制御信号に基づいて、所定枚数の遊技メダルを払い出す動作を行う。
これら各種制御基板、および基板で消費される電力は、電源基板280から供給されている。図4では、電源基板280から電力が供給される様子を破線の矢印で表している。図示されているように、主制御基板200およびサブ制御基板220には、電源基板280から直接電力が供給されており、各種基板(扉基板240、回胴基板260、中継基板300)には、主制御基板200を介して電力が供給されている。電源基板280には100Vの交流電圧が供給されており、この電力を規定電圧の直流電圧に変換した後、それぞれの制御基板および基板に供給している。
B.遊技の概要 :
以下では、上記の構成を有する回胴式の遊技機1において、遊技を進行するために行われる制御の内容について説明するが、その準備として、回胴式遊技機で行われる遊技の概要を説明しておく。
遊技を開始するにあたっては、遊技メダル投入口30から遊技メダルを入れて、遊技を開始するのに必要な枚数(規定数)の遊技メダルの投入を行う。本実施例の遊技機1では、規定数は「3枚」に固定されており、3枚の遊技メダルを投入すると、スタートレバー36の操作が有効化される。また、遊技メダルがクレジットとして予め内部に貯留されている場合は、投入ボタン34を押すことによって規定数の遊技メダルを投入することも可能である。
規定数の遊技メダルを投入して、スタートレバー36を操作すると、3つの回胴20a,20b,20cが回転を開始する。図3を用いて前述したように、各回胴には複数の図柄が描かれているため、回胴が回転すると、表示窓20では、これら図柄が変動表示されることになる。また、図1を用いて前述したように、前面扉2の前面側には、各回胴に対応して3つの回胴停止ボタン38a,38b,38cが設けられている。回胴20a,20b,20cの回転中に回胴停止ボタン38a,38b,38cを押すと、押したボタンに対応する回胴が回転を停止し、これに伴って、表示窓20では、変動表示されていた図柄が何れかの図柄で停止表示される。このようにして、3つの回胴20a,20b,20cの回転を停止させると、それぞれの回胴で何れかの図柄が停止表示される。本実施例の遊技機1では、表示窓20の大きさは、各回胴あたり3つずつ、図柄が表示されるような大きさに設定されている。結局、3つの回胴20a,20b,20cが停止表示されると、表示窓20には、3行3列の合計9つの図柄が表示されるようになる。また、これら9つの図柄が表示される位置には、複数本の入賞ラインが予め設定されている。
図5は、本実施例の遊技機1に設定されている入賞ラインを示した説明図である。図示されているように、本実施例の遊技機1では、上段の入賞ラインL1と、中段の入賞ラインL2と、下段の入賞ラインL3と、右斜め上方向きの入賞ラインL4と、右斜め下方向きの入賞ラインL5の合計5本の入賞ラインが設定されている。そして、3つの回胴20a,20b,20cが停止すると、これらの入賞ライン上には、何らかの図柄組合せが得られることになる。そして、入賞ライン上に揃った図柄組合せが、何れかの遊技役に対応する図柄組合せであった場合には、その遊技役の入賞が成立し、遊技役に応じた特典が遊技者に付与される。
図6および図7は、本実施例の遊技機1に設定されている遊技役の種類を、その遊技役の入賞を成立させる図柄組合せ、および遊技役の入賞が成立したときに遊技者に付与される特典と対応付けて示した説明図である。図6には、回胴停止ボタン38a,38b,38cの操作順序とは関係なく入賞成立させることができる遊技役である「操作順序非対応遊技役」が示されており、図7には、回胴停止ボタン38a,38b,38cを予め設定された操作順序で操作しないと入賞成立させることができない遊技役である「順序対応役」が示されている。
図6では、左端の欄に操作順序非対応遊技役の種類が表示され、中央の欄には操作順序非対応遊技役の入賞を成立させる図柄組合せが表示され、右端の欄には操作順序非対応遊技役の入賞が成立したときに遊技者に付与される特典が表示されている。例えば、最上部の二段に示したビッグボーナス役(以下、ボーナス役)と呼ばれる遊技役には、「赤セブン」と呼ばれる図柄の揃った図柄組合せ、および「青セブン」と呼ばれる図柄の揃った図柄組合せが対応付けられており、この図柄組合せで揃うと、特典として、ビッグボーナス状態(以下、BB状態)と呼ばれる遊技者にとって有利な遊技状態が開始される。本実施例のBB状態は、通常の遊技状態(以下、通常状態)に比べて後述の遊技役の入賞確率が高まり、遊技メダルを払い出す頻度が向上する高い確率で成立する遊技状態であり、BB状態の開始後に所定枚数(例えば、400枚)の遊技メダルが払い出されるまで継続される。そのため、BB状態が開始されると、遊技者は多量の遊技メダルを獲得することができる。尚、以下では、「赤セブン」の揃った図柄組合せのボーナス役を「赤セブンのボーナス役」、「青セブン」の揃った図柄組合せのボーナス役を「青セブンのボーナス役」とも表記し、これらを特に区別しない場合は単に「ボーナス役」と表記する。
また、スイカ役という遊技役には、3つの回胴20a,20b,20cが何れも「スイカ」の図柄で揃った図柄組合せが設定されており、このスイカ役の入賞成立に対する特典としては、10枚の遊技メダルが遊技者に払い出されるように設定されている。チェリー役という遊技役には、左回胴20aの図柄が「チェリー」の図柄であれば、中回胴20bおよび右回胴20cの図柄はどのような図柄であっても構わない図柄組合せが設定されており、チェリー役の入賞成立に対する特典としては、2枚の遊技メダルが払い出されるように設定されている。また、再遊技役という遊技役には、3つの回胴20a,20b,20cが何れも「リプレイ」の図柄で揃った図柄組合せが設定されており、この再遊技役の入賞成立に対する特典としては、新たな遊技メダルを投入することなく、もう一度、遊技を行う権利が付与される。すなわち、再遊技役の入賞成立時に投入していた遊技メダルと同じ枚数だけ、遊技メダルが投入されたものとして、もう一度遊技を行うことが可能となる。また、増加役という遊技役には、左回胴20aが「リプレイ」の図柄、中回胴20bが「ベル」の図柄、右回胴20cが「リプレイ」の図柄の図柄組合せ(以下では、「リプレイ」−「ベル」−「リプレイ」と表記する)が設定されており、この増加役の入賞成立に対する特典としては、15枚の遊技メダルが遊技者に払い出されるように設定されている。
図7では、左端の欄に順序対応役の種類が表示され、中央の欄には順序対応役の入賞を成立させる図柄組合せが表示され、右端の欄には順序対応役の入賞が成立したときに遊技者に付与される特典が表示されている。図7に示すように、順序対応役としては、「左中ベル役」と呼ばれる遊技役、「中右ベル役」と呼ばれる遊技役、「左右ベル役」と呼ばれる遊技役が設定されており、何れの遊技役にも、3つの回胴20a,20b,20cが「ベル」の図柄で揃った図柄組合せが設定されている。また、これらの遊技役の何れにも、特典として、15枚の遊技メダルが払い出されるように設定されている。ただし、これらの遊技役は、各遊技役を入賞成立させることが可能な回胴停止ボタン38a,38b,38cの操作順序、すなわち、回胴20a,20b,20cの停止順序が互いに異なっている。左中ベル役は、左回胴停止ボタン38aあるいは中回胴停止ボタン38bを最初に操作した場合、すなわち、左回胴20aあるいは右回胴20bを最初に停止させた場合にのみ入賞成立し、右回胴停止ボタン38cを最初に操作した場合、すなわち、右回胴20cを最初に停止させた場合は、図7の下段に示した「取りこぼし目」が停止表示されるように設定されている。「取りこぼし目」には、左回胴20aおよび中回胴20bが「ベル」の図柄、右回胴20cが「リプレイ」の図柄の図柄組合せ(以下では、「ベル」−「ベル」−「リプレイ」と表記する)が設定されており、取りこぼし目が停止表示された場合は、遊技メダルが払い出されず、特典は付与されない。
また、中右ベル役は、中回胴停止ボタン38bあるいは右回胴停止ボタン38cを最初に操作した場合、すなわち、中回胴20bあるいは右回胴20cを最初に停止させた場合にのみ入賞成立し、左回胴停止ボタン38aを最初に操作した場合、すなわち、左回胴20aを最初に停止させた場合は、「取りこぼし目」が停止表示されるように設定されている。また、左右ベル役は、左回胴停止ボタン38aあるいは右回胴停止ボタン38cを最初に操作した場合、すなわち、左回胴20aあるいは右回胴20cを最初に停止させた場合にのみ入賞成立し、中回胴停止ボタン38bを最初に操作した場合、すなわち、中回胴20bを最初に停止させた場合は、「取りこぼし目」が停止表示されるように設定されている。
もちろん、回胴20a,20b,20cが停止したときに、何れかの遊技役の入賞が成立するとは限らない。この場合は、再び規定数の遊技メダルを投入した後、スタートレバー36を操作して回胴を回転させることによって、次の遊技を行う。本実施例の遊技機1では、こうした操作を繰り返し行うことによって遊技が進行するようになっている。こうした遊技の進行は、主制御基板200に搭載されたCPU201によって制御されている。以下では、主制御基板200のCPU201が遊技の進行を制御するために行っている処理内容について説明する。
C.回胴式遊技機の制御内容 :
C−1.遊技制御処理 :
図8は、本実施例の遊技機1において主制御基板200のCPU201が遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理の前半部分を示すフローチャートである。また、図9は、本実施例の遊技機1において主制御基板200のCPU201が行う遊技制御処理の後半部分を示すフローチャートである。この遊技制御処理は、遊技機1に電源が入れられて、更に主制御基板200や、サブ制御基板220に搭載されたROMのチェックサムなどの初期化処理が行われた後に実行される処理である。
図8に示すように、遊技制御処理を開始すると、先ず初めに遊技状態設定処理(ステップ100。以下、ステップを「S」と略記する)を行う。遊技状態設定処理の詳細については後述するが、この処理では、大まかには次のような処理を行う。本実施例の遊技機1では、遊技状態として、遊技状態として、前述した通常状態およびBB状態の他に、後述するリプレイタイム遊技状態(RT状態)が設けられており、遊技状態に応じて遊技役の入賞の成立し易さや、入賞の成立し得る遊技役の種類等が異なっている。遊技状態設定処理では、現在の遊技状態が何れであるかを検出するとともに終了条件が満たされたか否かを判断し、終了条件が満たされた場合には、その遊技状態を終了させて、遊技状態を切り換える処理を行う。こうして遊技状態を切り換えることで、遊技が単調になることを回避することが可能となる。尚、各遊技状態についても、後に詳しく説明する。
遊技状態設定処理に続いて、投入操作有効化処理を行う(S102)。前述したように、本実施例の遊技機1は、規定数の遊技メダルが投入された後、スタートレバー36の操作を検出すると回胴20a,20b,20cが回転を開始する。投入操作有効化処理では、このような遊技メダルを投入する操作の受付を有効にする(遊技メダルの投入操作を検出可能にする)ための処理を行う。
投入操作有効化処理を行ったら(S102)、精算ボタン40が操作されたか否かの確認を行う(S106)。すなわち、後述のスタートレバー36の操作が検出される前であれば、投入した遊技メダルも含めてメダルを精算することが可能となっている。そして、精算ボタン40が操作されていた場合には(S106:yes)、精算処理を行うことにより、データとして貯留されている遊技メダルおよび投入した遊技メダルを払い出す処理を行う(S122)。遊技メダルの払い出しは、主制御基板200からメダル払出装置118に向けて、払い出すべき遊技メダルの枚数を指示する制御信号を出力することによって行われる。こうして遊技メダルを払い出したら、遊技の開始前の状態(S100)に戻って、以降の処理を行う。
投入操作有効化処理を行った後(S102)、精算ボタン40が操作されていないと判断した場合は(S106:no)、続いて、投入操作受付処理を行う(S108)。詳しくは後述するが、投入操作受付処理では、規定数の遊技メダルが投入されたか否かを判断して、規定数の遊技メダルが投入された場合には投入完了フラグをONに設定する処理を行う。投入完了フラグは、規定数の遊技メダルが投入されたか否かを示すフラグであり、主制御基板200に搭載されたRAM203の所定アドレスにその記憶領域が確保されている。
投入操作受付処理を行ったら(S108)、投入完了フラグがONに設定されているか否か、すなわち、規定数の遊技メダルが投入されたか否かを判断する(S110)。その結果、規定数の遊技メダルが投入されていない場合は(S110:no)、精算ボタン40の操作の有無を確認しながら(S106)、規定数の遊技メダルが投入されるまで待機する。これに対して、規定数の遊技メダルが投入されている場合は(S110:yes)、今度は、スタートレバー36が操作されたか否かを判断する(S112)。前述したように、遊技者がスタートレバー36を操作すると、その操作信号が主制御基板200に供給されるので、主制御基板200は、スタートレバー36の操作信号に基づいて、スタートレバー36が操作されたか否かを判断することができる。その結果、スタートレバー36が操作されていない場合は(S112:no)、精算ボタン40の操作の有無を確認しながら(S106)、スタートレバー36が操作されるまで待機する。
一方、スタートレバー36が操作されたら(S112:yes)、投入操作無効化処理を行う(S114)。投入操作無効化処理では、遊技メダルの投入操作を無効にする処理を行う。遊技メダルの投入操作が無効になっている状態では、遊技メダル投入口30から入れられた遊技メダルは、投入された遊技メダルとして検出されないままコインシュータ108を通って、遊技メダル排出口50に返却される。加えて、遊技メダルの投入操作が無効になっている状態では、投入ボタン34が押されても遊技メダルは投入されない。すなわち、スタートレバー36が操作された後は、何れの操作を行っても遊技メダルを投入することはできないように構成されている。こうして、遊技メダルの投入操作を無効にする処理が終了したら(S114)、内部抽選処理を開始する(S116)。
内部抽選処理では、図6および図7を用いて前述した遊技役の何れかの入賞成立を許容するか否かを、抽選によって決定する処理を行う。尚、この内部抽選処理で何れかの遊技役の入賞成立が許容された(何れかの遊技役に内部当選した)としても、直ちに遊技役の入賞が成立するわけではなく、回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作することにより、当選した遊技役に対応する図柄組合せを有効な入賞ライン上に揃えなければ遊技役の入賞を成立させることはできない。また、この内部抽選処理で、図7を用いて前述した何れかの順序対応役の入賞成立が許容されたとしても(何れかの操作順序遊技役に内部当選したとしても)、各遊技役に対応した操作順序で回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作しなければ遊技役の入賞を成立させることはできない。
また、内部抽選処理で入賞成立が許容された遊技役でなければ、どのようなタイミングで回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作したとしても、有効な入賞ライン上に対応する図柄組合せを揃えることはできないようになっている。その意味で、この内部抽選処理は、図柄組合せを揃えて遊技役の入賞を成立させるための前提条件として、内部的に行われる抽選であることから「内部抽選」と呼ばれている。また、内部抽選に当選していずれかの遊技役の入賞成立が許容された状態は、内部当選状態(あるいは単に、内部当選)と呼ばれている。なお、この内部抽選処理は、抽選テーブルと呼ばれる「遊技役と内部抽選用乱数との対応関係が設定される専用のテーブルデータ」を用いて何れの遊技役を内部当選させるかを決定している。
図10は、最も一般的な遊技状態である通常状態中に用いられる抽選テーブルを概念的に示した説明図である。図10(a)には、各遊技役に対して割り当てられた内部抽選用乱数の範囲がまとめて示されている。また、図10(b)には、各遊技役に割り当てられた乱数範囲の大まかな比率が示されている。図示されているように、通常状態用の抽選テーブルでは、「左中ベル役」に対しては0〜3639の乱数値が設定されている。これは、取得した乱数値がこの範囲にあった場合には、左中ベル役に内部当選することを表している。同様に、「中右ベル役」に対しては3640〜7279の乱数値が設定され、「左右ベル役」に対しては7280〜10919の乱数値が設定されている。また、「スイカ役」には10920〜12919の乱数値が設定され、「チェリー役」には12920〜14919の乱数値が設定され、「赤セブンのボーナス役」には14920〜15419の乱数値が設定され、「青セブンのボーナス役」には15420〜15919の乱数値が設定され、「再遊技役」には15920〜24919の乱数値が設定されている。尚、24920〜65535の乱数値には、何れの遊技役も設定されておらず、従って、取得した乱数値がこの範囲にあった場合は「ハズレ」となる。
内部抽選処理では、以上のようにして、スタートレバー36が操作を検出したときに取得した内部抽選用乱数に基づいて、抽選テーブルを参照することにより、何れの遊技役に内部当選したか、若しくは何れの遊技役にも内部当選しなかったかを判断する。そして、何れかの遊技役に内部当選したら、当選した遊技役の内部当選フラグをONに設定する。ここで内部当選フラグとは、内部抽選の結果を記憶しておくために用いられるフラグであり、主制御基板200に搭載されたRAM203の所定アドレスに設定されている。
図11は、本実施例の遊技機1における内部当選フラグの構成を例示した説明図である。図示されているように、本実施例の遊技機1では、ボーナス役以外の遊技役についての内部当選フラグと、赤セブンのボーナス役、青セブンのボーナス役についての内部当選フラグ(ボーナス役内部当選フラグ)とに分けて記憶されており、それぞれに対して領域が確保されている。図11(a)は、ボーナス役以外の遊技役の内部当選フラグが設定される領域のデータ構造を例示した説明図である。図示されているように、ボーナス役以外の遊技役の内部当選フラグには1バイト分の領域が確保されている。これら1バイト分の領域のうち、7ビット分がこれらのフラグとして利用されている。これら7ビットのうち、先頭のビットは、増加役に内部当選したことを記憶しておくためのビットであり、次のビットはスイカ役に内部当選したことを記憶しておくためのビットである。以下の5つのビットも同様に、それぞれ、チェリー役、再遊技役、左中ベル役、中右ベル役、左右ベル役に内部当選したことを記憶しておくために用いられるビットである。
また、図11(b)は、ボーナス役内部当選フラグが設定される1バイト分の領域のデータ構造を例示した説明図である。図示されているように、1バイトデータのうち下位側の2ビット分がボーナス役内部当選フラグとして用いられている。これら2ビット中の上位側のビットは、赤セブンのボーナス役に内部当選したことを記憶しておくためのビットであり、下位側のビットは青セブンのボーナス役に内部当選したことを記憶しておくためのビットである。図8に示した内部抽選処理(S116)では、スタートレバー36の操作を検出したときに取得した内部抽選用乱数に基づいて、抽選テーブルを参照しながら、何れかの遊技役に内部当選しているか否かを判断し、何れかの遊技役に内部当選していれば、図11に示した内部当選フラグの対応するビットに「1」を設定する(内部当選フラグをONに設定する)処理を行う。
内部抽選処理(S116)を終了すると、主制御基板200のCPU201は、サブ制御基板220に対して内部抽選結果伝達コマンドを送信する(S118)。内部抽選結果伝達コマンドには、先の内部抽選処理(S116)で行われた内部抽選の結果を示す情報(遊技役に当選したか否かの情報、当選している場合はその遊技役の情報が含まれる)が含まれている。
内部抽選結果伝達コマンドをサブ制御基板220に向けて送信すると(S118)、主制御基板200のCPU201は、続いて回胴回転始動処理を開始する(図9のS128)。回胴回転始動処理では、所定の条件が満足されているか否かを判断して、条件が満たされている場合は、3つの回胴20a,20b,20cを回転させる処理を行う。本実施例の回胴回転始動処理では、スタートレバー36が操作され、且つ、前回に回胴20a,20b,20cの回転が開始されてから所定時間(例えば、4.1秒)を経過した場合に回胴の回転を開始することとして、各回胴20a,20b,20cにそれぞれ設けられた回胴モータ24a,24b,24cに対して駆動信号を出力することにより、3つの回胴20a,20b,20cを回転させる。
こうして3つの回胴20a,20b,20cを回転させたら、主制御基板200は、回胴の回転を停止させる処理(回胴回転停止処理)を行う(S130)。回胴回転停止処理の詳細については後述するが、この処理では、先に行われた内部抽選の結果(何れの遊技役に内部当選したか否か)や、遊技者によって回胴停止ボタン38a,38b,38cが操作されたタイミングあるいは順序などに基づいて、3つの回胴20a,20b,20cのそれぞれの停止位置を決定し、決定した位置で停止させる処理を行う。
主制御基板200のCPU201は、3つの回胴20a,20b,20cを停止させると、その停止位置に基づいて何れかの遊技役の入賞が成立したか否かを判断する(S132)。ここで、「遊技役の入賞が成立する」とは、遊技役に対応する図柄組合せが、入賞ライン上に揃って停止表示されることをいう。前述したように、本実施例の遊技機1では、内部抽選処理(S116)で何れかの遊技役に内部当選していても、回胴停止ボタン38a,38b,38cを押すタイミングや順序によっては、その遊技役に対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃うとは限らない。そこで、主制御基板200は、回胴の回転を停止させた後、内部抽選で当選した遊技役の入賞が成立しているか否かを判断する。
尚、本実施例の遊技機1では、前述した内部抽選処理(S116)で何れかのボーナス役(赤セブンのボーナス役または青セブンのボーナス役)に当選した場合において、入賞ライン上に対応する図柄組合せが停止表示されず、何れのボーナス役の入賞も成立しなかったときに限り、ボーナス役の内部当選が持ち越され、次回の遊技以降も、そのボーナス役に対応する内部当選フラグがONに設定されている状態で遊技が行われる。これに対して、ボーナス役以外の遊技役に内部当選した場合は、その遊技で当選した遊技役に対応する図柄組合せが入賞ライン上に停止表示されたか否かに拘わらず、その内部当選は次遊技以降に持ち越されることなくリセットされてしまう。
S132の判断処理の結果、何れかの遊技役の入賞が成立したと判断された場合は(S132:yes)、先ず初めに、入賞の成立した遊技役が、ボーナス役であるか否かを判断する(S136)。図6を用いて前述したように、ボーナス役は、入賞ライン上に「赤セブン」あるいは「青セブン」の図柄が揃った場合に入賞が成立する遊技役である。そして、ボーナス役の入賞が成立したと判断された場合は(S136:yes)、ボーナス役の内部当選フラグをOFFに設定した後(S138)、BB状態フラグをONに設定するとともに、その他の遊技状態フラグをOFFに設定する(S140)。ここで、BB状態フラグとは、遊技状態を、前述したビッグボーナス状態(BB状態)と呼ばれる遊技者にとって有利な遊技状態とすることを示すフラグであり、現在の遊技状態を表すための「遊技状態フラグ」と呼ばれる専用のフラグの一種である。詳しくは後述するが、本実施例の遊技機1には、BB状態や、後述のRT状態といった特殊な遊技状態のそれぞれに対応する遊技状態フラグが設けられており、これら遊技状態フラグの設定(ON/OFF)に応じて遊技状態を切り換えながら遊技が進行していく。こうした遊技状態フラグは、主制御基板200に搭載されたRAM203の所定アドレスに設定されている。
図12は、遊技状態フラグ等が設定される1バイト分の領域のデータ構造を例示した説明図である。本実施例の遊技機1では、RAM203上の所定アドレスの1バイトデータのうち、2ビット分が遊技状態フラグとして用いられている。これら2ビットの先頭のビットがBB状態中であることを示すBB状態フラグに設定されており、その次のビットがRT状態中であることを示すRT状態フラグに設定されている。S140では、BB状態に対応するビットに「1」を設定する。また、S140では、ボーナス役が入賞成立するとBB状態フラグをONに設定するとともに、その他の遊技状態フラグ(ここではRT状態フラグ)をOFFに設定する。すなわち、RT状態中であってもボーナス役が入賞成立するとRT状態を終了してBB状態が開始される。
一方、入賞した遊技役がボーナス役ではない場合は(S136:no)、今度はその遊技役が再遊技役か否かを判断する(S146)。そして、再遊技役の入賞が成立していた場合は(S146:yes)、再遊技フラグをONに設定する(S148)。ここで、再遊技フラグとは、再遊技役の入賞が成立したことを記憶しておくためのフラグである。この再遊技フラグがONにセットされていると、次回の投入操作受付処理(図8のS108)において、遊技者によって投入されなくても自動的に遊技メダルが再投入される(投入完了フラグがONに設定される)。また、遊技メダルを自動的に再投入した遊技が終了した後は、再遊技フラグはOFFに戻される。このような再遊技フラグも、前述した遊技状態フラグと同様に、主制御基板200に搭載されたRAM203の所定アドレスに設定されている。本実施例の遊技機1では、図12に示すように、遊技状態を示すフラグが設定されているビットの下位側のビットが再遊技フラグに設定されている。
一方、入賞の成立した遊技役が再遊技役ではなかった場合は(S146:no)、何れかの遊技役の入賞が成立しているものの(図9のS132:yes)、その遊技役は、ボーナス役、再遊技役の何れでもないことから、その他の遊技役であると判断される。そこで、入賞の成立した遊技役に応じた枚数の遊技メダルを払い出す処理を行う(S150)。すなわち、入賞の成立した遊技役が左中ベル役、中右ベル役、左右ベル役、増加役であれば15枚の遊技メダルを払い出し、スイカ役であれば10枚の遊技メダルを払い出し、チェリー役であれば2枚の遊技メダルを払い出す処理を行う。この処理は、主制御基板200の内部で払い出すべき遊技メダルの枚数を求めた後、主制御基板200からメダル払出装置118に対して制御信号を出力することによって行われる。
こうして遊技メダルを払い出すと、主制御基板200のCPU201は、払出枚数計数処理を行う(S152)。前述したように、本実施例のBB状態は、上限枚数(例えば、BB状態は400枚)の遊技メダルが払い出されると終了するように設定されていることから、BB状態の開始後に払い出された遊技メダルの枚数(払出枚数)を計数しておく必要がある。そこで、払出枚数計数処理では、先ず、現在の遊技状態がBB状態であるか否かを判断して、BB状態中であると判断された場合には、S150の処理で払い出した遊技メダルの枚数を、既に払い出した枚数(払出枚数)に加算する処理を行う。一方、BB状態中ではないと判断された場合には、払出枚数の加算処理を行うことなく、そのまま払出枚数計数処理を終了する。こうして払出枚数計数処理を行ったら、遊技終了コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S154)。遊技終了コマンドは、1回の遊技が終了するたびに(回胴20a,20b,20cが回転した後、停止するたびに)、送信されるコマンドであり、サブ制御基板220のCPU221は、遊技終了コマンドを受信することによって、1回の遊技が終了したことを把握する。また、遊技終了コマンドには、「今回の遊技で何れかの遊技役が入賞成立したか否か、入賞成立したのであればその遊技役の種類(入賞結果)」の情報が含まれている。従って、サブ制御基板220のCPU221は、遊技終了コマンドを受信することによって、1回の遊技が終了したことだけでなく、該遊技における「入賞結果」も把握する。こうして遊技終了コマンドを送信したら(S154)、遊技制御処理の先頭に戻って、図8および図9に示した遊技状態設定処理(図8のS100)以降の上述の処理を行う。
以上は、回胴の通常回転を停止させた結果(S130)、何れかの遊技役の入賞が成立した場合(S132:yes)の処理について説明した。これに対して、何れの遊技役の入賞も成立していない場合は(S132:no)、取りこぼし目確認処理を行う。前述したように、本実施例の遊技機1の遊技状態としては、通常状態、BB状態の他に、RT状態がある。また、詳しくは後述するが、RT状態は通常状態よりも再遊技役に内部当選する確率を高めた遊技者に有利な遊技状態であって、RT状態中に前述した「取りこぼし目」が停止表示されると該RT状態は終了するように構成されている。取りこぼし目確認処理では、RT状態中に取りこぼし目が停止表示されていればRT状態を終了するための処理が実行される。
取りこぼし目確認処理を行ったら(S134)、上述した遊技終了コマンドを送信した後(S154)、遊技制御処理の先頭に戻って、図8および図9に示した遊技状態設定処理(図8のS100)以降の上述の処理を行う。
C−2.遊技状態設定処理 :
図13は、本実施例の遊技機1が行う遊技状態設定処理を示すフローチャートである。遊技状態設定処理を開始すると、先ず初めに主制御基板200のCPU201は、図12に示した遊技状態フラグを参照して、BB状態フラグがONに設定されているか否かを判断する(S170)。前述したように、BB状態フラグは、遊技状態をBB状態とすることを示す遊技状態フラグである。その結果、BB状態フラグがONに設定されていると判断された場合は(S170:yes)、BB状態の終了条件が満たされているか否かを判断する(S172)。本実施例では、BB状態の終了条件として、BB状態の開始後に払い出した遊技メダルの枚数が設定されており、払い出した遊技メダルの枚数が第1の所定枚数(例えば、400枚)に達するとBB状態が終了するように設定されている。図8および図9を用いて前述した遊技制御処理では、払い出した遊技メダルの枚数を計数しており(図9のS152)、BB状態開始後に払い出した遊技メダルの枚数が第1の所定枚数に達すると、そのことを検出することができる。そして、この遊技メダルの枚数が第1の所定枚数に達したことを未だ検出していなければ、BB状態の終了条件が満たされていないと判断して(S172:no)、BB状態を継続するべく、BB状態用抽選テーブルを選択する(S174)。以下、BB状態用抽選テーブルについて説明する。
図14は、BB状態中に用いられるBB状態用抽選テーブルを概念的に示した説明図である。図14(a)には、遊技役に対して割り当てられた乱数の範囲が示されており、図14(b)には、遊技役に割り当てられた乱数範囲の大まかな比率が示されている。図14に示したBB状態用抽選テーブルには、図9を用いて前述した通常状態用抽選テーブルに設定されていた「左中ベル役」、「中右ベル役」、「左右ベル役」、「スイカ役」、「チェリー役」、「再遊技役」、「ボーナス役」の遊技役が設定されておらず、「増加役」が設定されている。「増加役」には全体の半分以上の乱数値が設定されている。図6を用いて前述したように、「増加役」の入賞が成立すると、15枚の遊技メダルが払い出されることから、BB状態中は高い確率で増加役の入賞が成立し、入賞成立の度に15枚の遊技メダルが払い出されることになる。
上述のBB状態用抽選テーブルを利用したBB状態の進行に伴い、増加役が繰り返し入賞して第1の所定枚数の遊技メダルを払い出した場合は、図13のS172で、BB状態の終了条件が成立したと判断して(S172:yes)、BB状態を終了するべくBB状態フラグをOFFに設定する(S176)。RT状態を開始するべく、図12を用いて前述したRT状態フラグをONに設定する(S178)。すなわち、本実施例の遊技機1では、BB状態が終了するとRT状態が開始される。こうして、RT状態フラグをONに設定したら、主制御基板200のCPU201は、サブ制御基板220に向けてRT状態開始コマンドを送信する(S180)。サブ制御基板220のCPU221は、RT状態開始コマンドを受信することによって、BB状態が終了してRT状態が開始することを把握する。RT状態開始コマンドを送信すると、RT状態での遊技を行わせるべく、RT状態用抽選テーブルを選択した後(S182)、遊技状態設定処理を終了して、図8および図9に示した遊技制御処理に復帰する。
図15は、RT状態中に用いられるRT状態用抽選テーブルを概念的に示した説明図である。図15(a)には、各遊技役に対して割り当てられた乱数の範囲が示されており、図15(b)には、各遊技役に割り当てられた乱数範囲の大まかな比率が示されている。図10を用いて前述した通常状態用抽選テーブルと比較すると明らかなように、図15に示したRT状態用抽選テーブルでは、全体の半分以上の乱数値が「再遊技役」に設定されている。従って、RT状態中は通常状態中よりも高い確率で再遊技役の入賞が成立するので、遊技メダルの使用量(消費量)を通常状態中よりも抑制しながらボーナス役の入賞成立を狙うことが可能となる。
尚、図8に示した内部抽選処理では、スタートレバー36の操作時に取得された内部抽選用乱数を、上述のように選択した抽選テーブルに参照して、内部抽選結果(何れの遊技役に内部当選したか、若しくは何れの遊技役にも内部当選しなかったか)が決定されることになる。その結果、通常状態用抽選テーブルが選択された場合は通常状態中の遊技が行われることとなり、BB状態用抽選テーブルが選択された場合はBB状態中の遊技が行われることとなり、RT状態用抽選テーブルが選択された場合はRT状態中の遊技が行われることとなる。
以上は、S170の処理で、BB状態フラグがONに設定されていると判断した場合の処理について説明した(S170:yes)。これに対して、BB状態フラグがONに設定されていないと判断した場合は(S170:no)、今度はRT状態フラグがONに設定されているか否かを判断する(S184)。前述したように、RT状態フラグは、遊技状態がRT状態であることを示す遊技状態フラグであり、S184の処理では、RT状態中か否かが判断される。その結果、RT状態中であると判断された場合は、上述のRT状態用抽選テーブルを選択する(S182)。一方、RT状態中でないと判断された場合は(S184:no)、既にBB状態中でもないと判断されていることから(S170:no)、現在の遊技状態は通常状態中であるので、図10に示した通常状態用抽選テーブルを選択する(S186)。尚、ボーナス役に内部当選してからボーナス役の入賞が成立するまでは、内部当選する遊技役としてボーナス役が設定されていない抽選テーブル(図示略)が選択される。これにより、ボーナス役が内部当選している状態では、更に別のボーナス役が当選しないようになっている。
C−3.投入操作受付処理 :
図16は、本実施例の遊技機1で行われる投入操作受付処理の流れを示すフローチャートである。前述したように、投入操作受付処理は、主制御基板200のCPU201によって、図8および図9に示した遊技制御処理の中で実行される(図8のS108)。
投入操作受付処理を開始すると、先ず初めに、再遊技フラグがONに設定されている否かの判断を行う(S200)。その結果、再遊技フラグがONに設定されている場合は(S200:yes)、再遊技フラグをOFFに設定した後(S201)、投入完了フラグをONに設定する(S202)。すなわち、再遊技フラグがONに設定されている場合は再遊技役が入賞成立した状態であることから、遊技メダルの投入操作が行われなくても遊技メダルの投入が完了した状態にする必要がある。そこで、投入操作受付処理の中のS200の判断処理の結果が否定判断結果であった場合に行われる遊技メダルの投入に係る処理は行わないまま、投入完了フラグをONに設定する。この状態で、図8および図9に示した遊技制御処理に復帰すると、投入完了フラグがONであると判断され(S110:yes)、スタートレバー36の操作待ちの状態になる。これにより、再遊技役が入賞成立した場合は、遊技メダルの投入操作を行わなくても、遊技を進行させることができる状態となる。投入完了フラグをONに設定したら(S202)、遊技メダルの投入が完了したことを示す投入完了コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S204)。サブ制御基板220のCPU221は、投入完了コマンドを受信することによって、遊技メダルの投入が完了したことを把握する。
S200の判断処理で、再遊技フラグがOFFであると判断した場合、すなわち、前回の遊技で再遊技役が入賞成立しなかったと判断した場合は(S200:no)、遊技メダル投入口36から遊技メダルが入れられたか否か(遊技メダルを検出したか否か)の判断を行う(S206)。その結果、遊技メダルを検出した場合は(S206:yes)、投入完了フラグがONに設定されているか否か、すなわち、既に規定数(本実施例では3枚)の遊技メダルが投入されている(以下、「遊技メダルの投入が完了している」ともいう)か否かの判断を行う(S208)。未だ遊技メダルの投入が完了していない場合は(S208:no)、投入カウンタの値に「1」を加算する(S210)。投入カウンタは、投入された遊技メダルの枚数を計数するためのカウンタであって、主制御基板200に搭載されているRAM203の所定アドレスにその記憶領域が確保されている。投入カウンタの値に「1」を加算すると(S210)、その結果、投入カウンタの値が「3」になったか否か、すなわち、規定数(3枚)の遊技メダルが投入されたか否かを判断する(S212)。規定数(3枚)の遊技メダルが投入された場合は、すなわち遊技メダルの投入が完了した場合は(S212:yes)、次回の投入枚数の計数に備えて投入カウンタの値を「0」に戻した後(S214)、スタートレバー36の操作を可能にするべく投入完了フラグをONに設定する(S216)。投入完了フラグをONに設定したら(S216)、遊技メダルの投入が完了したことを示す投入完了コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S218)。
一方、投入カウンタに「1」を加算したものの投入カウンタの値が「3」に到達していない場合、すなわち、今回遊技メダル投入口36から入れられた遊技メダルを合わせても規定数に到達していない場合は(S212:no)、投入完了フラグをONに設定することなく、そのまま投入操作受付処理を終了して、図8および図9に示す遊技制御処理に復帰する。
遊技メダルを検出した場合において(S206:yes)、遊技メダルの投入が既に完了している場合は(S208:yes)、今度は、貯留カウンタの値に「1」を加算する(S226)。貯留カウンタは、遊技メダルの投入が完了している状態で遊技メダル投入口30から入れられた遊技メダルの枚数を計数するためのカウンタである。換言すると、貯留カウンタは、遊技メダルの投入が完了している状態で遊技メダル投入口30から入れられた遊技メダルをクレジットとして貯留するためのカウンタである。詳しくは後述するが、貯留カウンタに貯留された遊技メダルは、投入ボタン34が操作されることによって投入カウンタに移行させられる(投入される)。尚、貯留カウンタは、主制御基板200のRAM203の所定アドレスにその記憶領域が確保されている。貯留カウンタの値に「1」を加算したら、投入操作受付処理を終了して、図8および図9に示す遊技制御処理に復帰する。
以上は、遊技メダル投入口30から入れられた遊技メダルを検出した場合(S206:yes)の処理について説明した。これに対して、該遊技メダルを検出しなかった場合は(S206:no)、先ず、投入完了フラグがONに設定されているか、すなわち、遊技メダルの投入が完了しているか否かを判断する(S220)。その結果、遊技メダルの投入が既に完了している場合は(S220:yes)、そのまま投入操作受付処理を終了して、図8および図9に示す遊技制御処理に復帰する。これに対して、遊技メダルの投入が完了していない場合は(S220:no)、今度は、投入ボタン34の操作を検出したか否かを判断する(S222)。その結果、投入ボタン34の操作を検出した場合は(S222:yes)、貯留カウンタおよび投入カウンタの値を更新する(S224)。本実施例の遊技機1では、遊技メダルの投入が完了しておらず且つ貯留カウンタに遊技メダルが貯留されている状態で、投入ボタン34が操作されると、貯留カウンタに貯留されている遊技メダルは、遊技メダルの投入枚数が規定数になるまで投入される。すなわち、S224の処理では、投入カウンタの値が「3」に到達していないので(S220:no)、貯留カウンタの値が「0」ではなければ、投入カウンタの値が「3」に到達するまで加算される。
その結果、投入カウンタの値が「3」に到達した場合、すなわち、遊技メダルの投入が完了した場合は(S212:yes)、次回の投入枚数の計数に備えて投入カウンタの値を「0」に戻した後(S214)、スタートレバー36の操作を可能にするべく投入完了フラグをONに設定する(S216)。そして、投入完了コマンドをサブ制御基板220に向けて送信して(S218)、図8および図9に示す遊技制御処理に復帰する。
ここで、S224の処理では、投入カウンタの値に加算された数だけ、貯留カウンタの値から減算される。従って、投入カウンタの値が「3」に到達する前に貯留カウンタの値が「0」になった場合、例えば、投入カウンタの値が「0」、貯留カウンタの値が「2」であって、投入カウンタの値に「2」を加算することにともなって、貯留カウンタの値から「2」を減算した結果、投入カウンタの値が「2」、貯留カウンタの値が「0」になった場合は、投入カウンタの値が「3」に到達していないので(S212:no)、投入完了フラグをONに設定することなく、投入操作受付処理を終了して、図8および図9に示す遊技制御処理に復帰する。
以上のように、本実施例の遊技機1では、遊技メダル投入口30から遊技メダルが入れられること、あるいは投入ボタン34が操作されることによって、遊技メダルが投入され、遊技メダルの投入が完了すると、サブ制御基板220に向けて投入完了コマンドが送信される。
C−4.回胴回転停止処理 :
図17は、本実施例の遊技機1で行われる回胴回転停止処理の流れを示すフローチャートである。前述したように、回胴回転停止処理は、主制御基板200のCPU201によって、図8および図9に示した遊技制御処理の中で実行される(図9のS130)。
回胴回転停止処理を開始すると、先ず初めに、この処理に先立って行われた内部抽選(図8のS116)の結果に応じて第1停止テーブルを抽出する処理を行う(S250)。ここで、停止テーブルとは、回胴20a,20b,20cを停止する際に参照する専用のテーブルである。詳しくは後述するが、遊技者が回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作したときに、回胴の外周面に描かれた図柄のうち(図3参照)、何れの図柄を表示窓20に表示して回胴20a,20b,20cを停止するかは、停止テーブルに予め設定されている。前述したように、内部抽選で所定の遊技役に内部当選している(内部当選フラグがONに設定されている)場合は、適切なタイミングあるいは操作順序で回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作すると、その遊技役に対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃うように、各回胴20a,20b,20cを停止する必要がある。逆に、内部当選していない遊技役については、どのようなタイミングで回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作したとしても、対応する図柄組合せが有効な入賞ライン上に揃わないように、各回胴20a,20b,20cを停止する必要がある。そのため、何れの遊技役に内部当選しているかに応じて、異なる停止テーブルが設けられている。
また、このような停止テーブルには、回胴20a,20b,20cの全てが回転しているときに参照する第1停止テーブルと、既に何れかが停止しているときに参照する第2停止テーブルとが設定されている。そこで、回胴回転停止処理を開始した直後のS250では、内部抽選の結果に応じて、先ず初めに第1停止テーブルを抽出する。例えば、「スイカ役」に内部当選したと判断された場合は、「スイカ役」当選時用に設定された第1停止テーブルを抽出する。もちろん、何れの遊技役にも当選していない場合には、ハズレ用に設定された第1停止テーブルを抽出する。
こうして第1停止テーブルを選択したら、回胴20a,20b,20cの回転速度が所定値に達したか否かを判断する(S252)。回胴20a,20b,20cが回転を開始した直後は、回転速度が上昇中で、未だ所定の回転速度に達していないと判断されるので(S252:no)、回転速度が所定値に達するまで、判断を繰り返しながら待機状態となる。そして、回転速度が所定速度に達していると判断したら(S252:yes)、回胴停止ボタン38a,38b,38cの操作を有効化する(S254)。
続いて、有効となった回胴停止ボタン38a,38b,38cの何れかが操作されたか否かを判断する(S256)。前述したように、遊技者が回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作すると、その操作信号が主制御基板200に供給されるので、主制御基板200はこの操作信号に基づいて、回胴停止ボタン38a,38b,38cが操作されたか否かを判断することができる。そして、何れの回胴停止ボタンも操作されていない場合は(S256:no)、操作されるまで待機する。
一方、何れかの回胴停止ボタンが操作された場合は(S256:yes)、操作された回胴停止ボタンを無効化するとともに(S258)、回胴停止ボタンが操作された時に、そのボタンに対応する回胴が何れの回転位置にあったかを検出する(S260)。前述したように、回胴20a,20b,20cのそれぞれに対応して回胴センサ26a,26b,26cが設けられており(図4参照)、回胴20a,20b,20cの回転位置を検出可能である。また、本実施例の遊技機1では、回胴停止ボタンの操作時に、対応する回胴に描かれた複数の図柄(図3参照)の中の何番目の図柄が所定の「基準位置」に表示されていたかに基づいて、その回胴の回転位置を検出するようになっている。ここで、基準位置は、各回胴の回転位置を相対的に検出するために予め定められた特別な位置であり、本実施例の遊技機1では、何れの回胴も表示窓20の中段の位置が基準位置に設定されている。
このようにして、回胴停止ボタンが操作された回胴の回転位置を検出したら、その回胴を適切な位置で停止させるための処理(回胴停止制御処理)を開始する(S262)。この回胴停止制御処理の詳細な内容については後述する。
回胴停止制御処理を行って、回胴停止ボタンが操作された回胴を停止させると、3つの回胴20a,20b,20cの全てを停止させたか否かを判断する(S264)。そして、未だ回胴停止ボタンが操作されずに回転中の回胴がある場合は(S264:no)、S256の処理に戻って、有効な回胴停止ボタンが操作されるまで待機し、操作されたら続く上述した一連の処理を実行する。こうした処理を繰り返すうちに、全ての回胴を停止させたと判断されたら(S264:yes)、図17の回胴回転停止処理を終了して、図8および図9に示した遊技制御処理に復帰する。
次に、上述した回胴回転停止処理(図17)の中で回胴停止ボタンが操作された場合に、対応する回胴を適切な位置で停止させるために行われる回胴停止制御処理(S262)の内容について説明する。
図18は、回胴回転停止処理の中で実行される回胴停止制御処理の流れを示したフローチャートである。回胴停止制御処理を開始すると、先ず初めに、停止させる回胴が第1回胴であるか否かを判断する(S290)。ここで、第1回胴とは、3つの回胴20a,20b,20cの中で最初に停止する回胴をいう。すなわち、3つの回胴停止ボタン38a,38b,38cは、どのような順序で操作してもよいことから、3つの回胴20a,20b,20cの停止する順序は種々の順序を取り得る。そこで、3つの回胴20a,20b,20cの中で最初に停止する回胴を「第1回胴」と呼び、2番目に停止する回胴を「第2回胴」、3番目に停止する回胴を「第3回胴」と呼んで区別する。そして、第1回胴を停止させると判断された場合は(S290:yes)、今度は、今回の内部抽選処理(図8のS118)で「順序対応役」に内部当選したか否かの判断を行う。順序対応役は、図7を用いて前述したように、回胴停止ボタン38a,38b,38cの操作順序によって、入賞成立するか、取りこぼし目が停止表示されるかが決定される遊技役である。以下では、先ず、今回の内部抽選処理で「順序対応役」に内部当選していない場合について説明する。
「順序対応役」に内部当選していないと判断された場合は(S292:no)、回胴回転停止処理の開始直後(図17のS250)に抽出しておいた第1停止テーブルを参照しながら、先に検出した回胴停止ボタン操作時の第1回胴の回転位置(図17のS260)に基づいて、第1回胴の停止位置を決定する(S302)。本実施例の遊技機1では、回胴の停止位置として、基準位置に停止表示させる図柄(停止図柄)を決定するようになっている。
図19は、本実施例の遊技機1に設定されている第1停止テーブルの1つを例示した説明図である。停止テーブルには、回胴停止ボタンが操作された時の回胴の回転位置と、回胴停止ボタンが操作されてからその回胴を停止するまでの時間(停止時間)との対応関係が設定されている。上述したように、本実施例では、回胴20a,20b,20cの回転位置を、基準位置に表示されていた図柄よって検出していることから、図19では、回転位置として、回胴20a,20b,20cの外周面に描かれた図柄の番号(図3の図柄配列に付された番号に対応する)が設定されている。また、前述したように、回胴停止ボタンの操作が有効化された時点では、対応する回胴は一定の速度で回転しているので(図17のS252:yes)、停止時間が決まれば、その間に回胴上に描かれた図柄にして何コマ分回転が進むかも決定される。そこで、図19に示した例では、停止時間に代えて、回胴停止ボタンが操作されてから何コマ分回転を進めて(滑らせて)その回胴を停止するかを示す「滑りコマ数」が設定されている。従って、このような停止テーブルを参照すれば、回胴停止ボタンの操作時に基準位置に表示されていた図柄に対応する滑りコマ数を読み出して、停止図柄を決定することができる。
一例として、左回胴20aを第1回胴として停止させる場合について説明する。遊技者が左側の回胴停止ボタン(左停止ボタン)38aを操作した時点で、図23に示すように、表示窓20の中段の位置(基準位置)に10番の「赤セブン」の図柄が表示されていたとする。この場合に、図19の第1停止テーブルを参照すると、10番の「赤セブン」の図柄に対して滑りコマ数が「2」と設定されている。そのため、図柄2コマ分滑らせて12番の「ベル」の図柄を、基準位置に表示させる停止図柄に決定する。図23では、白抜きの矢印によって回胴の回転方向を示しており、破線の円で囲んだ図柄が停止図柄となることを表している。
ここで、停止テーブルに設定される停止時間は、最大で190msecとなっており、この190msecの間に、回胴20a,20b,20cは図柄にして4コマ分回転する。換言すれば、回胴停止ボタンが操作されると、その時点で基準位置に表示されている図柄から最大で4コマ以内にある図柄(基準位置の図柄を含めて5つの図柄)の中から停止図柄を決定することになる。このことと対応して、停止テーブル(図19)では、基準位置の図柄に応じて、滑りコマ数として0〜4の数値が設定されている。
このように、回胴の停止位置は、停止テーブルに設定されている停止時間(滑りコマ数)によって決定される。従って、停止テーブルを予め適切に設定しておけば、内部当選した遊技役に対応する図柄組合せは、有効な入賞ライン上に比較的容易に揃うように、逆に、内部当選していない遊技役の図柄組合せは、有効な入賞ライン上に決して揃わないように、各回胴20a,20b,20cを停止することが可能となる。
以上のようにして第1回胴の停止位置を決定したら、決定した位置で第1回胴を停止させる(S304)。その後、第1回胴に停止表示された図柄に応じて第2停止テーブルを抽出したら(S306)、図18の回胴停止制御処理を一旦終了して、図17に示した回胴回転停止処理に復帰する。ここで、第1停止テーブルと第2停止テーブルとの関係について補足して説明する。
図24は、第1停止テーブルと第2停止テーブルとの関係を示した説明図である。上述したように第1停止テーブルは、第1回胴を停止する際、すなわち、回胴20a,20b,20cの全てが回転しているときに参照するテーブルであり、3つの回胴の全てを対象に設定されている。これに対して、第2停止テーブルは、第2回胴および第3回胴を停止する際に参照するテーブルであり、既に停止している第1回胴が3つの回胴20a,20b,20cのうちの何れであるかに応じて、第1回胴を除く残り2つの回胴を対象に設定されている。また、前述したように、内部当選した遊技役の入賞を成立させるには、対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃う必要があり、逆に、内部当選していない遊技役の図柄組合せは、入賞ラインの何れにも揃わないようにする必要がある。このことから、第2回胴あるいは第3回胴に何れの図柄を停止表示させるかは、既に停止した第1回胴に表示された図柄に影響される場合がある。従って、第2停止テーブルは、第1回胴に停止表示された図柄に応じて複数用意されており、図18のS306では、第1回胴に何れの図柄が停止表示されたかに応じて適切な第2停止テーブルを抽出する。尚、前述したように、各回胴20a,20b,20cの停止位置は、内部当選している遊技役に左右されるため、第1停止テーブルも第2停止テーブルも共に、内部当選している遊技役に応じてそれぞれ設定されている。
以上では、「順序対応役」に内部当選しておらず、且つ停止させる回胴が第1回胴であった場合(図18のS290:yes、S292:no)に行われる処理について説明したが、停止させる回胴が第1回胴ではなかった場合、すなわち、既に何れかの回胴が停止している場合には(S300:no)、停止させる回胴が第2回胴であるか否かを判断する(S310)。そして、第2回胴であると判断された場合は(S308:yes)、S306で抽出した第2停止テーブルを参照しながら、先に検出した回胴停止ボタン操作時の第2回胴の回転位置(図17のS260)に基づいて、前述した第1回胴の場合と同様に、第2回胴の停止位置を決定した後(S312)、決定した位置で第2回胴を停止する(S312)。
これに対して、停止させる図柄が第2回胴ではなかった場合(S308:no)、すなわち既に第1回胴および第2回胴は停止しており第3回胴を停止させる場合は、第2停止テーブルを参照しながら、先に検出した回胴停止ボタン操作時の第3回胴の回転位置(図17のS260)に基づいて、第3回胴の停止位置を決定する(S314)。第2停止テーブルには、図19に示したような第2回胴および第3回胴の両方の停止情報(停止時間)が設定されていることから、第3回胴の停止位置を決定する際にも第2停止テーブルを参照する。こうして決定した位置で第3回胴を停止したら(S314)、図18の回胴停止制御処理を終了して、図17に示した回胴回転停止処理に復帰する。
以上に説明したように、回胴回転停止処理では、内部当選している遊技役に応じて適切な停止テーブルを抽出するとともに、回胴停止ボタン38a,38b,38cの何れかが操作されると、対応する回胴のボタン操作時の回転位置に基づいて、停止テーブルを参照しながら停止位置を決定することによって、各回胴20a,20b,20cを適切な位置で停止させるようになっている。
次に、「順序対応役」に内部当選している場合について説明する。この場合は、内部当選した順序対応役に対応する操作順序(正解の操作順序)で回胴停止ボタンが操作されたら、該順序対応役が入賞成立する第1停止テーブルおよび第2停止テーブルが抽出される。逆に、内部当選した順序対応役に対応しない操作順序(不正解の操作順序)で回胴停止ボタンが操作されたら、取りこぼし目が停止表示される第1停止テーブルおよび第2停止テーブルが抽出される。すなわち、図7に示す「左中ベル役」に内部当選している場合は、最初に左回胴停止ボタン38aあるいは中回胴停止ボタン38bが操作されたときに「ベルの図柄が揃った図柄組合せ」が停止表示される第1停止テーブルおよび第2停止テーブルが抽出され、最初に右回胴停止ボタン38cが操作されたときに「取りこぼし目」が停止表示される第1停止テーブルおよび第2停止テーブルが抽出される。また、図7に示す「中右ベル役」に内部当選している場合は、最初に中回胴停止ボタン38bあるいは右回胴停止ボタン38cが操作されたときに「ベルの図柄が揃った図柄組合せ」が停止表示される第1停止テーブルおよび第2停止テーブルが抽出され、最初に左回胴停止ボタン38aが操作されたときに「取りこぼし目」が停止表示される第1停止テーブルおよび第2停止テーブルが抽出される。また、図7に示す「左右ベル役」に内部当選している場合は、最初に左回胴停止ボタン38aあるいは右回胴停止ボタン38cが操作されたときに「ベルの図柄が揃った図柄組合せ」が停止表示される第1停止テーブルおよび第2停止テーブルが抽出され、最初に中回胴停止ボタン38bが操作されたときに「取りこぼし目」が停止表示される第1停止テーブルおよび第2停止テーブルが抽出される。
以上のように、「順序対応役」に内部当選した場合に第1停止テーブルおよび第2停止テーブルを選択するために、本実施例の遊技機1では、「順序対応役」に内部当選している場合は、図17に示す回胴回転停止処理における処理(S250)で、一旦、「ベルの図柄が揃った図柄組合せ」が停止表示される第1停止テーブルを抽出する。そして、最初の回胴停止ボタンが操作されると(S256:yes)、図18に示す回胴停止制御処理で、その最初に操作された回胴停止ボタンが内部当選した順序対応役に対応しているか否か(正解の操作順序か否か)を判断する(S294)。その結果、正解の操作順序である場合は(S294:yes)、既に抽出されている「ベルの図柄が揃った図柄組合せ」が停止表示される第1停止テーブルに従って第1回胴を停止した後(S304)、該第1停止テーブルに対応する第2停止テーブル(「ベルの図柄が揃った図柄組合せ」が停止表示される第2停止テーブル)を抽出して(S306)、第2回胴および第3回胴を停止する(S312、S316)。その結果、順序対応役が入賞成立する。
一方、回胴停止ボタンの操作順序が不正解である場合は(S294:no)、既に抽出してある「ベルの図柄が揃った図柄組合せ」が停止表示される第1停止テーブルに代えて、「取りこぼし目」が停止表示される第1停止テーブルを抽出する。その後、この「取りこぼし目」が停止表示される第1停止テーブルに従って第1回胴を停止した後(S304)、該第1停止テーブルに対応する第2停止テーブル(「取りこぼし目」が停止表示される第2停止テーブル)を抽出して(S306)、第2回胴および第3回胴を停止する(S312、S316)。その結果、「取りこぼし目」が停止表示される。
以上に説明したように、図7を用いて前述した順序対応役の何れかに内部当選した場合において、回胴停止ボタンの操作順序が正解である場合はその「順序対応役」が入賞成立し、回胴停止ボタンの操作順序が不正解である場合は「取りこぼし目」が停止表示される。
全ての回胴20a,20b,20cを停止させたら、図8および図9に示した遊技制御処理に復帰する。そして、全ての回胴を停止させた結果(S130)、何れかの遊技役の入賞が成立していた場合には(S132:yes)、成立した遊技役に応じて遊技状態フラグを設定したり(図9のS136〜S148)、遊技メダルを払い出したりする処理を行ったりした後(S150〜S152)、遊技終了コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S154)。その後、再び遊技制御処理の先頭に戻って、遊技状態設定処理に続く上述した一連の処理を繰り返す。
C−5.取りこぼし目確認処理 :
図22は、本実施例の取りこぼし目確認処理を示すフローチャートである。取りこぼし目確認処理は、図8および図9に示す遊技制御処理の中で、全ての回胴の回転を停止させた結果(図9のS130)、何れの遊技役も入賞成立しなかった場合に(S132:no)行われる処理である(S134)。図22に示すように、取りこぼし目確認処理を開始すると、先ず初めに、RT状態フラグがONに設定されているか否か、すなわち、RT状態中か否かの判断を行う(S400)。その結果、RT状態中である場合は(S400:yes)、回胴の回転を停止させた結果、取りこぼし目が停止表示されたか否かの判断を行う(S402)。その結果、取りこぼし目が停止表示された場合は(S402:yes)、RT状態を終了するべくRT状態フラグをOFFに設定する(S404)。RT状態フラグをOFFに設定したら(S404)、RT状態終了コマンドをサブ制御基板220に向けて送信した後(S406)、取りこぼし目確認処理を終了して図8および図9に示す遊技制御処理に復帰する。S400の処理でRT状態中でないと判断した場合(S400:no)、あるいは、S402の処理で取りこぼし目が停止表示されていないと判断した場合は(S402:no)、そのままS404およびS406の処理をスキップして、取りこぼし目確認処理を終了した後、図8および図9に示す遊技制御処理に復帰する。尚、取りこぼし目が停止表示されることによってRT状態が終了すると、BB状態フラグもRT状態フラグもOFFに設定された状態となるので、次の遊技状態設定処理(図13)で通常状態用抽選テーブルが選択されて遊技状態が通常状態に移行する。
ここで、本実施例の遊技機1を後述の携帯端末およびコンテンツサーバと協働させることによって、「遊技システム」を構築することが可能である。詳しくは後述するが、本実施例の遊技機1においては、特殊モードで遊技を進行させる遊技者に対して「ミッション」と称される「遊技を進行させる過程において満たすべき条件」が課される。このミッションとしては、例えば、所定の演出を実行させることが設定されている。そして、本実施例の遊技機1は、特殊モードで遊技を進行させる遊技者毎に、各ミッションを達成したか否かを「履歴情報」として一旦記憶する。「遊技システム」は、該履歴情報を遊技者に閲覧させたり、該履歴情報に応じた特典を遊技者に付与したりするシステムである。詳しくは、遊技者が特殊モードを終了するときに、遊技機1に一旦記憶された履歴情報を遊技者の携帯端末に記憶させる。そして、該携帯端末に記憶された履歴情報をコンテンツサーバに保存させる。コンテンツサーバに保存された履歴情報は、携帯端末を通じて遊技者に閲覧させることができる。また、コンテンツサーバに保存された履歴情報の内容に応じた特典を遊技者に付与することができる。尚、該履歴情報については、図25を用いて後に詳しく説明する。
以下では、この「遊技システム」を実現するための遊技機1の処理(サブ制御基板220のCPU221による演出制御処理)について説明するが、その準備として、先ず、「遊技システム」全体の構成について説明する。
D.遊技システムの構成 :
図23は、本実施例の遊技システム全体の構成を示した説明図である。図23に示すとおり、本実施例の遊技システムは、本実施例の遊技機1、携帯電話やスマートフォン等の携帯端末600、携帯端末600と公衆回線網(パケット網)700を介して接続されたコンテンツサーバ800から構成される。詳しくは後述するが、遊技機1と携帯端末600は通信回線で接続されておらず、「遊技機1から携帯端末600への情報の伝達」は遊技機1に表示される二次元コード(後述の接続先コードあるいは履歴情報伝達コード)を携帯端末600に読み取らせることで行われ、「携帯端末600から遊技機1への情報の伝達」はコンテンツサーバ800から携帯端末600に提供されるパスワードを遊技者が遊技機1に入力することで行われる。遊技者に遊技システムを利用させるには、先ず、遊技者に会員登録を行わせる。
図24は、本実施例の遊技システムにおける遊技者に会員登録を行わせる際の手順を示す説明図である。遊技者は会員登録をするにあたって、先ず、遊技機1に対して会員登録をするための操作(会員登録操作)を行う(S900)。詳しくは後述するが、会員登録操作は、遊技機1での遊技が進行していない状態において、遊技者が図1に示す演出ボタン43を操作することによって行われる。会員登録操作が行われると(S900)、遊技機1は接続先コードを生成して、該接続先コードを演出表示装置10に表示させる(S901)。詳しくは後述するが、接続先コードは、コンテンツサーバ800のURL(Uniform Resource Locator)(接続先)を、携帯端末600で光学的に読み取り可能な二次元コードに変換して生成されたものである。遊技機1の演出表示装置10に接続先コードが表示されると、遊技者は、携帯端末600の撮像機能を利用して該接続先コードを携帯端末600に読み取らせる(S902)。携帯端末600は、接続先コードを読み取ると、該接続先コードからURLを抽出して、該URLに基づいてコンテンツサーバ800に接続する。この際に、携帯端末600に記憶されている遊技者識別情報がコンテンツサーバに送信される(S906)。遊技者識別情報としては、携帯端末600の利用者毎に割り振られた固有の識別情報(ID)や、携帯端末600毎に割り振られた固有の識別情報(ID)等が利用される。
コンテンツサーバ800は遊技者識別情報を受信すると(S906)、該遊技者識別情報を記憶する(S908)。また、該遊技者識別情報に対応付けて初期の履歴情報を記憶する(S909)。初期の履歴情報とは、遊技者が特殊モードで遊技を進行させることによるミッションの達成状況が未だ記憶されてない履歴情報である。このように、遊技者識別情報と、該遊技者識別情報に対応付けられた初期の履歴情報とがコンテンツサーバ800に記憶されることによって、携帯端末600を利用する遊技者の会員登録が完了する。すなわち、今回記憶した遊技者識別情報に対応する遊技者のミッションの達成状況を、履歴情報として記憶していく準備が行われたことになる。
こうして、コンテンツサーバ800が、遊技者識別情報および初期の履歴情報を記憶すると(S908、S909)、これらをパスワードに変換して(S910)、該パスワードが表示される画面情報(パスワード表示画面情報)を携帯端末600に送信する(S912)。携帯端末600は、パスワード表示画面情報を受信すると、該情報に基づいてパスワードを表示する(S914)。携帯端末600にパスワードが表示されると、遊技者は該パスワードを遊技機1に入力する(S916)。詳しくは後述するが、この入力は遊技者が図1および図4を用いて前述した演出ボタン43を操作することによって行われる。遊技機1は、パスワードが入力されると(S916)、該パスワードに基づいて遊技者識別情報および初期の履歴情報を抽出して(S917)、該遊技者識別情報に対応させて履歴情報を記憶(更新)可能な「特殊モード」による遊技を開始する(S918)。
図25は、本実施例の履歴情報を概念的に示す説明図である。図25に示すように、本実施例の遊技機1では履歴情報として、複数のミッションと該ミッションを達成したか否かの情報が記憶されている。各ミッションには遊技の進行状況(ここでは所定の演出の実行)が設定されている。図25に示す例は、「ミッション002」の「演出Bの実行」が達成済み(「1」)で、「ミッション001」の「演出Aの実行」、「ミッション003」の「演出Cの実行」、「ミッション004」の「演出Dの実行」、「ミッション005」の「演出Eの実行」が未達成(「0」)である例が示されている。尚、特殊モード中に履歴情報を記憶する処理については、後に詳しく説明する。
以上は、遊技者に会員登録を行わせる際の手順について説明した。次は、遊技機1が記憶した履歴情報をコンテンツサーバ800に伝達して記憶させる際の手順について説明する。
図26は、本実施例の遊技システムにおける遊技機1に記憶された履歴情報をコンテンツサーバ800に伝達して記憶させる際の手順を示す説明図である。遊技者は、前述したパスワード入力後に特殊モードでの遊技を終了する場合は、遊技機1に対して特殊モードでの遊技を終了するための操作(遊技終了操作)を行う(S930)。詳しくは後述するが、遊技終了操作は、特殊モードが開始された状態であって、且つ、遊技機1での遊技が進行していない状態において、遊技者が図1に示す演出ボタン43を操作することによって行われる。遊技機1はこの遊技終了操作を受け付けると、遊技者の携帯端末600に読み取らせるための履歴情報伝達コードを生成して、該履歴情報伝達コードを演出表示装置10に表示する(S932)。履歴情報伝達コードは、コンテンツサーバ800のURLに加えて、遊技者識別情報に対応させて記憶した履歴情報を、携帯端末600で光学的に読み取り可能な二次元コードに変換して生成されたものである。尚、履歴情報伝達コードを生成する処理についても後に詳しく説明する。
こうして履歴情報伝達コードを生成して遊技機1の演出表示装置10に表示させたら(S932)、携帯端末600の撮像機能を利用して該携帯端末600に履歴情報伝達コードを読み取らせる(S934)。携帯端末600は、履歴情報伝達コードを読み取ると、その履歴情報伝達コードに含まれている情報であるURL情報(コンテンツサーバ800の所在を示す情報)および履歴情報を抽出して、一旦記憶する(S936)。そして、このURL情報をアドレスとするコンテンツサーバ800に対して、携帯端末600に記憶されている遊技者識別情報および履歴情報を送信する(S938)。コンテンツサーバ800は、遊技者識別情報および履歴情報を受信すると、該遊技者識別情報に対応させて該履歴情報を記憶する(S940)。以上の処理(S930〜S940)を行うことによって、遊技機1に記憶された履歴情報を、遊技者識別情報に対応させてコンテンツサーバ800に保存することが可能となる。
以上は、遊技機1が記憶した履歴情報をコンテンツサーバ800に伝達して記憶させる際の手順について説明した。次は、上述のようにして既にコンテンツサーバ800に履歴情報(過去の履歴情報)が記憶されている状態で、遊技者が特殊モードでの遊技を再開するにあたって、該過去の履歴情報を反映した特殊モードを開始し、以後、遊技機1に新たな履歴情報を記憶させる際の手順について説明する。
図27は、本実施例の遊技システムにおけるコンテンツサーバ800に記憶されている過去の履歴情報を遊技機に反映させる際の手順を示す説明図である。この場合は、先ず、コンテンツサーバ800に記憶されている過去の履歴情報を、携帯端末600を介して遊技機1に反映させるべく、携帯端末600からコンテンツサーバ800に対して、前述した遊技者識別情報、およびパスワード要求信号を送信する。パスワード要求信号は、コンテンツサーバ800内の所定のアドレス(パスワード発行用のページ)に携帯端末600を接続し、携帯端末600を介して遊技者がパスワード要求操作を行うことによって送信される(S950)。コンテンツサーバ800は、遊技者識別情報およびパスワード要求信号を受信すると、遊技者識別情報に対応する過去の履歴情報を把握して、該把握した過去の履歴情報および遊技者識別情報に基づいてパスワードを生成する(S952)。そして、該パスワードが表示される画面情報(パスワード表示画面情報)を携帯端末600に送信する(S954)。
携帯端末600は、パスワード表示画面情報を受信すると(S956)、該情報に基づいてパスワードを表示する(S956)。遊技者は、携帯端末600に表示されたパスワードを確認して、該パスワードを遊技機1に入力する(S958)。詳しくは後述するが、このパスワード入力操作は、遊技機1での遊技が進行していない状態において、遊技者が図1に示す演出ボタン43を操作することによって行われる。遊技機1は、パスワードが入力されると(S958)、該パスワードに基づいて遊技者識別情報および過去の履歴情報を抽出するとともに、これらを互いに対応付けて記憶し、特殊モードでの遊技を再開させる(S960)。その後、特殊モード中は、この過去の履歴情報に加えて、新たな履歴情報(今回のパスワード入力操作後の遊技の進行状況)を記憶する(S962)。過去の履歴情報および新たな履歴情報が記憶された特殊モードでの遊技中に、図26を用いて前述した特殊モードの遊技終了操作が行われると、過去の履歴情報および新たな履歴情報の両方が含まれる履歴情報伝達コードが生成されて、この履歴情報伝達コードに含まれる履歴情報がまとめてコンテンツサーバ800に記憶されることとなる。尚、パスワードが入力されてから(特殊モードが開始されてから)過去の履歴情報および新たな履歴情報を記憶するまでに遊技機1が行う処理については、後に詳しく説明する。
以上は、コンテンツサーバ800に既に履歴情報(過去の履歴情報)が記憶されている場合に、遊技者が特殊モードでの遊技を再開する際の手順について説明した。次は、遊技者がコンテンツサーバ800に記憶されている自己の履歴情報を閲覧するための手順、およびコンテンツサーバ800に記憶されている履歴情報に応じて遊技者に特典(コンテンツ)を付与するための手順について説明する。
図28は、遊技者がコンテンツサーバに記憶されている自己の履歴情報を閲覧するための手順、および該履歴情報に応じて遊技者にコンテンツを付与するための手順を示す説明図である。遊技者がコンテンツサーバ800に記憶されている履歴情報を閲覧するにあたっては、先ず、携帯端末600からコンテンツサーバ800に対して、携帯端末600に記憶されている遊技者識別情報、および閲覧要求信号を送信する(S980)。閲覧要求信号は、コンテンツサーバ800の所定のアドレス(例えば、履歴情報閲覧用のページのアドレス)に携帯端末600を接続し、携帯端末600を介して遊技者が閲覧要求操作を行うことによって送信される。
コンテンツサーバ800は、遊技者識別情報および閲覧要求信号を受信すると、該遊技者識別情報に対応する履歴情報を抽出するとともに(S982)、該履歴情報に応じて遊技者に付与することが可能なコンテンツ(特典)を抽出する(S984)。コンテンツ(特典)としては、遊技者が自己の携帯端末にダウンロード可能な画像データや、音声データ、遊技機に関する情報などが例示できる。提供することが可能なコンテンツは遊技者の履歴情報に対応させて、その内容や数量が決定される。こうして、コンテンツサーバ800は、履歴情報およびコンテンツを抽出すると、これらを表示するための画面情報(閲覧画面情報)を生成して、携帯端末600に送信する(S986)。
携帯端末600は、閲覧画面情報を受信すると(S986)、該情報に基づいて履歴情報およびコンテンツを表示する(S988)。これによって、遊技者に対して、携帯端末600で自己の履歴情報を確認させることが可能となる(S988)。また、遊技者が、携帯端末600に表示されているコンテンツの中から所望のコンテンツを選択すると(S990)、コンテンツサーバに対してコンテンツの種類を示すコンテンツ要求信号が送信される(S992)。コンテンツサーバ800は、コンテンツ要求信号を受信すると(S992)、該要求信号によって示されるコンテンツを把握する(S994)。そして、該コンテンツを携帯端末600に送信する(S996)。これによって、遊技者に対して、履歴情報に応じたコンテンツ(特典)を付与することが可能となる。
尚、上述したように、本実施例の遊技機1は、履歴情報を記憶する状態で遊技を進行し、携帯端末600を通じて履歴情報をコンテンツサーバ800に保存し、新たに遊技を行うときに、コンテンツサーバ800に保存される履歴情報を反映する。従って、本実施例の携帯端末600は、本発明における「外部通信端末」に対応しており、本実施例のコンテンツサーバ800は、本発明における「外部サーバ」に対応している。
以上では、本実施例の遊技システムについて説明した。この遊技システムを実現するために、本実施例の遊技機1では、サブ制御基板200に搭載されたCPU221によって演出制御処理が行われる。演出制御処理では、遊技の進行に連動した演出を行う処理や、特殊モードに係る処理などが実行される。
E.演出制御処理 :
図29は、本実施例の遊技機1においてサブ制御基板220に搭載されているCPU221が実行する演出制御処理を示すフローチャートである。演出制御処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず初めに、遊技連動演出実行処理を開始する(S550)。この処理では、主制御基板200によって進行される遊技に連動した演出が、演出表示装置10や、各種ランプ類12、スピーカ14などを用いて実行される。
E−1.遊技連動演出実行処理 :
図30および図31は、本実施例の遊技連動演出実行処理を示すフローチャートである。遊技連動演出実行処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず初めに、BB演出中フラグがONに設定されているか否かを判断する(S600)。詳しくは後述するが、BB演出中フラグは、前述のBB状態に連動したBB演出中であることを示すフラグであり、S600の処理では、BB演出中か否かが判断される。その結果、BB演出中でない場合は(S600:no)、今度は、AT演出中フラグがONに設定されているか否かを判断する(S602)。AT演出中フラグは、AT演出中であることを示すフラグであって、サブ制御基板220に搭載されたRAM223の所定アドレスにその記憶領域が確保されている。
ここで、詳しくは後述するが、本実施例の遊技機1では、主制御基板200側でRT状態が開始されると、サブ制御基板220のCPU221はAT演出(アシストタイム演出)を開始する。AT演出中は、図7を用いて前述した「順序対応役」が内部当選すると、該順序対応役が入賞成立する順序(回胴停止ボタンの操作順序、回胴の停止順序、順序対応役の種類等)を報知する「ナビ演出」が実行される。そして、該「ナビ演出」に従って、回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作すると(回胴20a,20b,20cを停止させると)、「取りこぼし役」が停止表示されずに、順序対応役が入賞成立する。すなわち、AT演出中は、「RT状態終了の回避」および「順序対応役の入賞成立」が、遊技者にとって容易になる。従って、遊技者に対して、AT演出が行われることに期待させることが可能となる。
S602の処理の結果、AT演出中でないと判断した場合は(S602:no)、内部抽選結果伝達コマンドを受信したか否かを判断する(S604)。内部抽選結果伝達コマンドは、図8を用いて前述したようにスタートレバー36が操作されて内部抽選が実行されたとき(遊技が開始されたとき)に主制御基板200からサブ制御基板220に向けて送信されるコマンドである。そして、内部抽選結果伝達コマンドを受信した場合(遊技が開始された場合)は(S604:yes)、今回開始された遊技に連動して実行する演出を決定するための処理を行う。
この処理では、先ず、特典対応演出パターン選択処理を行う(S610)。詳しくは後述するが、本実施例の遊技機1では、特殊モードで遊技を開始するための会員登録(コンテンツサーバ800への遊技者識別情報の記憶)が行われた際に、遊技者に対して「登録特典」が付与される場合がある。特典対応演出パターン選択処理では、遊技中の遊技者に付与された「登録特典」に応じて、演出パターンテーブルを選択する。演出パターンテーブルとは、演出パターン決定用の乱数に対応させて複数の演出のパターン(演出表示装置10の表示画面に表示させる画像や、各種ランプ類12の発光態様、スピーカ14の音声出力態様など)が設定されているデータテーブルである。演出パターンテーブルは、「登録特典」の有無や内部当選した遊技役に応じて複数種類が、サブ制御基板220のROM222に記憶されている。
こうして、演出パターンテーブルを選択したら(S610)、今回開始された遊技に連動して実行する演出パターンを決定すべく「演出パターン抽選」を実行する(S614)。「演出パターン抽選」では、S610の処理で選択した演出パターンテーブルを参照して、所定のタイミングで取得した演出パターン決定用の乱数に対応する演出パターンを、今回実行する演出パターンとして決定する処理が行われる。
こうして、今回開始された遊技に連動して実行する演出パターンが決定したら(S614)、該演出パターンを「実行演出パターン記憶領域」に記憶する(S616)。「実行演出パターン記憶領域」は、サブ制御基板220のRAM223上に確保された「実行する演出パターン」を記憶するための領域である。サブ制御基板220のCPU221は、該「実行演出パターン記憶領域」に記憶されている演出パターンを参照することによって、実行開始する、あるいは実行中の演出パターン(演出)を把握する。
こうして、「実行演出パターン記憶領域」に演出パターンを記憶したら(S616)、該「実行中演出パターン記憶領域」に記憶された演出パターンに基づいて演出を実行する(S618)。尚、BB演出中である場合は、新たに遊技が開始されてもBB演出を継続させることから(S600:yes)、今回の遊技に連動した新たな演出は開始しない。また、AT演出中である場合も、新たに遊技が開始されてもAT演出を継続させることから(S602:yes)、今回の遊技に連動した新たな演出は開始しない。また、遊技の開始時でない場合も(S604:no)新たな演出は開始しない。
次に、遊技終了コマンドを受信したか否かを判断する(図31のS620)。図9を用いて前述したように、遊技終了コマンドは、全ての回胴が停止されて遊技が終了したときに主制御基板200からサブ制御基板220に向けて送信されるコマンドである。遊技終了コマンドには、終了した遊技の結果(何れかの遊技役が入賞成立したか否か、および入賞成立したのであればその遊技役の種類)を示す情報(遊技結果情報)が含まれている。
遊技終了コマンドを受信していれば(S620:yes)、該遊技終了コマンドに含まれる遊技結果情報に基づいて、BB役の入賞が成立したか否かを判断する(S622)。その結果、BB役の入賞が成立した場合は(S622:yes)、BB演出の実行を開始するとともに(S624)、BB演出中であることを示すべくBB演出中フラグをONに設定する(S626)。
これに対して、BB役の入賞が成立しなかった場合は(S622:no)、デモ演出待機時間の計測を開始する(S628)。詳しくは後述するが、本実施例の遊技機1では、遊技が終了してから、あるいは後述の特殊モード画面の表示が終了してから、所定時間が経過しても、遊技メダルの投入完了あるいは後述の特殊モード画面の表示が行われない場合は、デモ演出を開始する。そこで、遊技が終了したタイミングでデモ演出を開始するまでの時間(デモ演出待機時間)の計測を開始する。
以上のように、遊技連動演出実行処理では、BB状態に連動したBB演出を実行する。また、BB演出中およびAT演出中の何れでもない場合は、遊技開始時に演出パターンを決定して、該演出パターンに基づいて遊技に連動した演出を実行する。
こうして、遊技連動演出実行処理を行ったら(図29のS550)、続いて、AT演出実行処理を行う(S552)。AT演出実行処理では、上述したAT演出を実行する処理を行う。
E−2.AT演出実行処理 :
図32および図33は、本実施例のAT演出実行処理を示すフローチャートである。AT演出実行処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず初めに、RT状態開始コマンドを受信したか否かを判断する(S650)。RT状態開始コマンドは、図13を用いて前述したように、BB状態を終了してRT状態を開始するときに主制御基板200からサブ制御基板220に向かって送信されるコマンドである。そこで、RT状態開始コマンドを受信すると(S650:yes)、BB状態の終了に連動すべくBB演出を終了するとともに(S652)、BB演出中フラグをOFFに設定する(S654)。続いて、RT状態の開始に連動すべくAT演出を開始するための処理を行う。
この処理では、先ず、特典対応AT回数決定処理を行う(S660)。ここで、前述したように、本実施例の遊技機1では、特殊モードで遊技を開始するための会員登録が行われた際に、遊技者に「登録特典」が付与される場合がある(このことについては後に詳しく説明する)。特典対応AT回数決定処理では、遊技中の遊技者に付与された「登録特典」に応じて、AT演出が開始してから終了するまでの遊技の回数(以下、「AT回数」ともいう)を決定する処理を行う。詳しくは、AT回数の計数はATカウンタを用いて行っており、「登録特典」に応じた数値(AT回数)をATカウンタの値に設定する処理を行う。特典対応AT回数決定処理を行ったら、AT演出中であることを示すべくAT演出中フラグをONに設定する。尚、ATカウンタの記憶領域は、サブ制御基板220に搭載されたRAM223の所定アドレスに確保されている。
こうして、BB演出を終了するとともにAT演出を開始するための処理を行ったら(S650〜S662)、今度は、AT演出中フラグがONに設定されているか否か、すなわち、AT演出中か否かを判断する(図33のS663)。その結果、AT演出中である場合は(S663:yes)、内部抽選結果伝達コマンドを受信したか否かを判断する(S664)。内部抽選結果伝達コマンドは、図8を用いて前述したように、内部抽選が行われるたびに(スタートレバー36が操作されるたびに)主制御基板200からサブ制御基板220に向かって送信されるコマンドであって、内部抽選の結果が含まれている。内部抽選結果伝達コマンドを受信したら(S664:yes)、該コマンドに「何れかの順序対応役(図7参照)に内部当選したこと」を示す情報が含まれるか否か、すなわち、今回開始された遊技において何れかの順序対応役に内部当選したか否かを判断する(S666)。
その結果、何れかの順序対応役に内部当選したと判断した場合は(S666:yes)、該順序対応役が入賞成立する順序(回胴停止ボタンの操作順序、回胴の停止順序、順序対応役の種類等)を報知する「ナビ演出」を実行する(S668)。例えば、図7を用いて前述した「左中ベル役」が内部当選した場合は、左回胴停止ボタン38aあるいは中回胴停止ボタン38bを最初に操作することを催促する演出を行い、「中右ベル役」が内部当選した場合は、中回胴停止ボタン38bあるいは右回胴停止ボタン38cを最初に操作することを催促する演出を行い、「左右ベル役」が内部当選した場合は、左回胴停止ボタン38aあるいは右回胴停止ボタン38cを最初に操作することを催促する演出を行う。そして、該「ナビ演出」に従って、回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作すると(回胴20a,20b,20cを停止させると)、「取りこぼし役」が停止表示されずに、順序対応役が入賞成立する。すなわち、AT演出中は、AT演出が行われていない期間と比較して、「RT状態終了を回避するとともに順序対応役を入賞成立させること」が容易になる。
AT演出中に遊技が開始されると(S663:yes、S664:yes)「ナビ演出」が実行されたか否かに拘わらず(S668、S666:no)、ATカウンタの値から「1」を減算する(S670)。つまり、前述したように、ATカウンタの値にはAT演出開始時にAT回数が設定されることから、AT演出中に遊技が行われるたびに残りのAT回数を1回減らすべく、ATカウンタの値から「1」を減算する。ATカウンタの値から「1」を減算したら(S670)、ATカウンタの値が「0」になったか否か、すなわち、今回の遊技を行うことによって、残りのAT回数が0回になったか否かを判断する(S672)。
その結果、ATカウンタの値が「0」でない場合は(S672:no)、そのままAT演出実行処理を終了して、図29に示す演出制御処理に復帰する。これに対して、ATカウンタの値が「0」である場合は(S672:yes)、AT演出を終了すべくAT演出中フラグをOFFに設定した後(S674)、AT演出実行処理を終了して、図29に示す演出制御処理に復帰する。
以上のように、AT演出実行処理では、RT状態の開始に連動して、「登録特典」に応じたAT回数のAT演出を開始する処理を行う。また、AT演出中は、順序対応役に内部当選したらナビ演出を実行するとともに、残りのAT回数が0回になったらAT演出を終了する処理を行う。
こうして、AT演出実行処理を行ったら(図29のS552)、続いて、デモ演出実行処理を行う(S554)。デモ演出実行処理では、遊技が進行していない状態におけるデモ演出を実行する処理を行う。
E−3.デモ演出実行処理 :
図34は、本実施例のデモ演出実行処理を示すフローチャートである。デモ演出実行処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず初めに、デモ演出待機時間が所定時間(例えば5秒)に到達したか否かを判断する(S700)。その結果、デモ演出待機時間が所定時間に到達していれば(S700:yes)、デモ演出待機時間の計測を停止するとともに(S702)、デモ演出の実行を開始して(S704)、デモ演出中であることを示すべくデモ演出中フラグをONに設定する(S706)。
次に、投入完了コマンドを受信したか否かを判断する。図16を用いて前述したように、投入完了コマンドは、遊技メダルの投入が完了すると主制御基板200から送信されるコマンドである。投入完了コマンドを受信していれば(S708:yes)、デモ演出中フラグがONに設定されているか否か、すなわち、デモ演出中か否かを判断する(S710)。その結果、デモ演出中であった場合は(S710:yes)、デモ演出を終了するとともに(S712)デモ演出中フラグをOFFに設定する(S714)。
一方、デモ演出中でない場合は(S710:no)、デモ演出待機時間の計測中か否かを判断する(S716)。その結果、デモ演出待機時間の計測中である場合は(S716:yes)、デモ演出待機時間の計測を停止する(S718)。すなわち、デモ演出待機時間の計測中に遊技メダルの投入が完了すると、デモ演出待機時間の計測を停止して、デモ演出を開始しないようにする。
以上のように、デモ演出実行処理では、デモ演出待機時間が所定時間に到達したらデモ演出を実行し、デモ演出中に遊技メダルの投入が完了すると該デモ演出を終了する。また、デモ演出待機時間の計測中に遊技メダルの投入が完了すると、デモ演出待機時間の計測を停止して、デモ演出の開始を待機している状態を解消する。
こうして、デモ演出実行処理を行ったら(図29のS504)、続いて、特殊モード中処理を行う(S506)。特殊モード中処理では、特殊モードで遊技が進行されている場合に、ミッションが達成されたことを判断して履歴情報(図25参照)に記憶する処理や、該ミッションの達成を遊技者に報知する処理を実行する。
E−4.特殊モード中処理 :
図35は、本実施例の特殊モード中処理を示すフローチャートである。特殊モード中処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず初めに、内部抽選結果伝達コマンドを受信したか否か、すなわち、遊技が開始されるか否かを判断する(S800)。その結果、内部抽選結果伝達コマンドを受信していれば、達成演出用にミッションが記憶されているか否かを判断する(S802)。詳しくは後述するが、本実施例の遊技機1では、特殊モードで遊技が進行される過程においてミッションが達成されたか否かを判断しており、ミッションが達成された場合は該ミッションを達成したことを遊技者に報知する達成演出を実行する。この達成演出を実行するために、ミッションが達成されると該ミッションの種類をサブ制御基板220のRAM223の所定アドレスに記憶する。
S802の処理では、前回の遊技においてミッションが達成されて該ミッションの種類が達成演出用に記憶されているか否かが判断される。その結果、達成演出用にミッションが記憶されていれば(S802:yes)、該ミッションを達成したことを遊技者に報知する達成演出を実行する(S804)。その後、達成演出用に記憶されているミッションを消去する(S806)。
次に、BB演出中フラグがONに設定されているか否か、すなわち、BB演出中か否かを判断する(S808)。以下に続く処理では、今回の遊技開始に連動して開始された演出の実行(ミッションの達成)を履歴情報として記憶するための処理を行う。しかし、BB演出中は新たに演出が開始されないので、BB演出中である場合は(S808:yes)、該処理を行わない。
BB演出中でなければ(S808:no)、今度は、特殊モード中か否かを判断する(S810)。この判断は、図25を用いて前述した履歴情報がサブ制御基板220のRAM223に記憶されているか否かを判断することによって行う。すなわち、図27を用いて前述したように、特殊モードで遊技を進行する場合は該履歴情報が記憶されることから、該履歴情報が記憶されているか否かの判断を行う。その結果、特殊モード中である場合は(S810:yes)、今回実行開始した演出(「実行中演出パターン記憶領域」に記憶されている演出パターンに対応する演出)がミッションとして設定されているか否かを判断する(S812)。この判断は、サブ制御基板220のROM222に記憶されたミッションテーブルを参照して行う。
図36は、本実施例のミッションテーブルを概念的に示す説明図である。図36に示すように、ミッションテーブルには、各ミッションの達成条件が設定されている。図35のS812の処理では、今回実行開始した演出がミッションテーブルに達成条件として設定されているか否かを判断することによって、ミッションか否かを判断する。そして、今回実行開始した演出がミッションである場合は(S812:yes)、サブ制御基板220のRAM223に記憶されている履歴情報を参照して該ミッションが達成済みか否かを判断する(S814)。
その結果、今回実行開始した演出を実行させるミッションが達成済みでなければ(S814:no)、履歴情報の該ミッションを達成済みとして記憶する(S816)。そして、達成したミッションを達成演出用に記憶する(S818)。もちろん、次回の遊技が開始される際に、この達成演出用に記憶されたミッションに基づいた演出が実行される(S804参照)。
以上のように、特殊モード中処理では、特殊モード中において、今回の遊技に連動して開始された演出がミッションであれば、該ミッションを達成済みとして履歴情報に記憶する。また、ミッションを達成した場合は、そのことを遊技者に報知する達成演出を実行する。
こうして、特殊モード中処理を行ったら(図29のS556)、続いて、特殊モード操作対応処理を行う(S558)。特殊モード操作対応処理では、遊技者の特殊モードに係る操作(特殊モード操作)に対応する処理を行う。ここで、詳しくは後述するが、本実施例の遊技機1では、「遊技者識別情報をコンテンツサーバ800に記憶させる(会員登録する)ための接続先コードを表示する機能」(以下、「会員登録機能」ともいう)を有する(図24参照)。この「会員登録機能」としては、会員登録することによる特典(登録特典)を遊技者に付与しない「通常会員登録機能」と、該登録特典を遊技者に付与する「特別会員登録機能」とを有している。そして、本実施例の遊技機1には、これらの機能のうち「通常会員登録機能」のみが有効に設定された「通常期間」と、「通常会員登録機能」および「特別会員登録機能」の両方が有効に設定された「特別期間」とが設けられている。以下に説明する特殊モード操作対応処理では、「通常期間」および「特別期間」のそれぞれに対応する処理が行われる。
E−5.特殊モード操作対応処理 :
図37は、本実施例の特殊モード操作対応処理を示すフローチャートである。特殊モード操作対応処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず初めに、特別期間フラグがONに設定されているか否かを判断する(S850)。特別期間フラグは、ONに設定されているときは上述した「特別期間」中であることを示し、OFFに設定されているときは上述した「通常期間」中であることを示すフラグである。尚、特別期間フラグは、サブ制御基板220に搭載されたRAM223の所定アドレスにその記憶領域が確保されている。
S850の判断処理の結果、特別期間フラグがONに設定されてない場合、すなわち、通常期間中である場合は(S850:no)、通常期間対応処理を行う(S852)。また、特別期間フラグがONに設定されている場合、すなわち、特別期間中である場合は(S850:yes)、特別期間対応処理を行う(S854)。以下では、先ず、通常期間対応処理について説明する。尚、通常期間と特別期間とを切り替える処理については、通常期間対応処理および特別期間対応処理の説明をした後に、詳述する。
E−5−1.通常期間対応処理 :
図38〜図41は、本実施例の通常期間対応処理を示すフローチャートである。通常期間対応処理を開始すると、サブ制御基板220に搭載されたCPU221は先ず初めに、デモ演出中か否かを判断する(S1206)。その結果、デモ演出中である場合は(S1206:yes)、図1および図4を用いて前述した演出ボタン43の操作を検出したか否かを判断する(S1208)。そして、演出ボタン43の操作を検出した場合は(S1208:yes)、デモ演出を終了するとともに(S1210)デモ演出中フラグをOFFに設定した後(S1212)、通常期間対応処理の特殊モードに関する操作(特殊モード操作)を促す「通常期間用メニュー画面」を表示する(S1214)。このように、本実施例の遊技機1では、通常期間対応処理におけるデモ演出中に演出ボタン43が操作されると、デモ演出を終了して「通常期間用メニュー画面」が表示される。
尚、本実施例では、通常期間用メニュー画面等の「特殊モード操作を促す画面」、および後述する接続先コード表示画面等の「特殊モード操作の結果として表示される画面」をまとめて「特殊モード画面」とも表記する。
図42は、本実施例の通常期間用メニュー画面を例示した説明図である。「通常期間用メニュー画面」は演出表示装置10に表示される。図42に示すように、「通常期間用メニュー画面」には、遊技者が選択可能な「通常会員登録」、「パスワード入力」、「履歴情報伝達コード表示」、「終了」のメニュー項目が表示される。
以上は、デモ演出中に(図38のS1206:yes)演出ボタン43が操作された場合(S1208:yes)について説明した。これに対して、デモ演出中でない場合は(S1206:no)、「通常期間用メニュー画面」の表示中か否かを判断する(図39のS1240)。その結果、「通常期間用メニュー画面」の表示中である場合は(S1240:yes)、「通常会員登録」が選択されたか否かの判断を行う(S1242)。図42を用いて前述したように「通常期間用メニュー画面」には、遊技者が選択可能なメニュー項目(「通常会員登録」、「パスワード入力」、「履歴情報伝達コード表示」、「終了」)が表示されており、これらのメニュー項目は、演出ボタン43を遊技者が操作することによって選択される。
S1242の処理では、これらのメニュー項目のうち「通常会員登録」が選択されたか否かが判断される。その結果、「通常会員登録」が選択された場合は(S1242:yes)、先ず、特殊モードでの遊技を初めて開始するための「通常会員登録用の接続先コード」(通常会員用接続先コード)を生成する処理を行う(S1244)。この処理は図24のS901に相当する処理であって、前述したようにコンテンツサーバ800のURLを携帯端末600で光学的に読み取り可能な二次元コードに変換して接続先コードを生成する。そして、図43に示すような、該通常会員登録用接続先コードを含む「通常会員登録用接続先コード表示画面」を演出表示装置10に表示する(S1246)。この通常会員登録用接続先コードは、図24を用いて前述したように、携帯端末600の撮像機能を利用して読み取られて(図24のS902)、携帯端末600内でコンテンツサーバ800のURLに変換される。そして、該URLに基づいて携帯端末600をコンテンツサーバ800に接続すると、コンテンツサーバ800は遊技者識別情報および該遊技者識別情報に対応付けられた初期の履歴情報を記憶する(図24のS908、S909)。これにより、該遊技者識別情報に対応させて履歴情報を記憶するための領域が、コンテンツサーバ800内に確保される(すなわち、通常会員登録が行われる)。
以上のように、通常期間対応処理では、「遊技者識別情報をコンテンツサーバ800に記憶させるための通常会員登録用接続先コードを表示する機能」である「通常会員登録機能」が有効に設定されている。尚、通常会員登録用接続先コードについては、生成する処理は行わずに、予め画像データとして記憶している通常会員登録用接続先コードを表示する構成としてもよい。
以上は、図42を用いて前述した「通常期間用メニュー画面」に表示されたメニュー項目のうち「通常会員登録」が選択された場合の処理について説明した。これに対して、「パスワード入力」が選択された場合は(図39のS1250:yes)、「パスワード入力画面」を表示する(S1252)。この「パスワード入力画面」の内容や、「パスワード入力画面」への遊技者の操作に対応する処理については後述する。
「通常期間用メニュー画面」に表示されたメニュー項目のうち「履歴情報伝達コード表示」が選択された場合は(S1254:yes)、履歴情報伝達コード表示処理を行う(S1256)。この「履歴情報伝達コード表示」を選択する操作は、図26に示す特殊モードでの遊技終了操作(S930)に相当する操作であって、該操作が行われることによって実行される履歴情報伝達コード表示処理は、図26のS932に相当する処理である。この処理では、前述したようにURL情報と履歴情報を二次元コードに変換して履歴情報伝達コードを生成する処理を行う。
図44は、本実施例の履歴情報伝達コード表示処理を示すフローチャートである。履歴情報伝達コード表示処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず初めに、特殊モードで遊技が進行しているか否かを判断する(S1400)。すなわち、履歴情報伝達コード表示処理では特殊モード中の履歴情報を二次元コードに変換して履歴情報伝達コードを生成することから、特殊モードで遊技を進行させていないことには履歴情報伝達コードを生成することができない。そこで、先ずは、履歴情報が記憶されているか否か、換言すると、特殊モードで遊技が進行しているか否かを把握する。その結果、特殊モードで遊技が進行していない場合は(S1400:no)、履歴情報が記憶されていないために履歴情報伝達コードを生成できない旨を演出表示装置10に表示して(S1412)、履歴情報伝達コード表示処理を終了する。
一方、特殊モードで遊技が進行している場合は(S1400:yes)、履歴情報を把握するとともに(S1402)、コンテンツサーバ800の接続先情報(URL)を把握する(S1404)。続いて、これらの履歴情報およびURLを二次元コードに変換して履歴情報伝達コードの生成を行う(S1406)。そして、図45に示すような履歴情報伝達コードが付された「履歴情報伝達コード表示画面」を演出表示装置10に表示する(S1408)。その後、サブ制御基板220のRAM223に記憶された履歴情報を消去することで(S1410)、特殊モードが終了し、履歴情報伝達コード表示処理を終了する。もちろん、図26を用いて前述したように、遊技者が携帯端末600の撮像機能を利用して履歴情報伝達コードを読み取ることによって(図26のS934)、携帯端末600にコンテンツサーバ800のURLおよび履歴情報が取り込まれて、携帯端末600から該URLで示されたコンテンツサーバ800に履歴情報(遊技者識別情報と、該遊技者識別情報に対応する履歴情報)が送信される(図26のS938)。そして、コンテンツサーバ800は、履歴情報を遊技者識別情報に対応させて記憶する(図26のS940)。
ここで、履歴情報伝達コードは、履歴情報および接続先情報を二次元コードに変換することによって生成した。すなわち、遊技者識別情報を含めずに履歴情報伝達コードを生成した。これは、本実施例の遊技機1では、遊技者識別情報として、携帯端末600の利用者毎に割り振られた固有の識別情報(ID)や、携帯端末600毎に割り振られた固有の識別情報(ID)等を利用することを想定しており、これらの識別情報は遊技機1から携帯端末600に伝達しなくても、携帯端末600に記憶されているためである。また、これらの識別情報を二次元コードにして読み取り可能にすると、他者に読み取られる可能性があり、個人情報保護の観点から好ましくないためである。もちろん、遊技者識別情報を含んだ履歴情報伝達コードを生成して、携帯端末600において該履歴情報伝達コードから遊技者識別情報を抽出することも可能である。
以上では、図42を用いて前述した「通常期間用メニュー画面」に表示されたメニュー項目のうち「通常会員登録」、「パスワード入力」、「履歴情報伝達コード表示」が選択された場合の処理について、それぞれ説明した。これに対して、メニュー項目のうち「終了」が選択された場合は(図39のS1260:yes)、「通常期間用メニュー画面」の表示を終了した後(S1262)、デモ演出を開始するタイミングを把握するために「デモ演出待機時間」の計測を開始する(S1264)。
次に、「パスワード入力画面」が表示中である場合の処理について説明する。「パスワード入力画面」は、図39を用いて上述したように「通常期間用メニュー画面」の表示中に(図39のS1240:yes)、「パスワード入力」が選択された場合(図39のS1250:yes)に表示される画面である。
図46は、本実施例のパスワード入力画面を例示した説明図である。「パスワード入力画面」は演出表示装置10に表示される。図46に示すように、「パスワード入力画面」には、上部にパスワードを入力するための入力領域(パスワード入力領域10p)が表示され、その下方に遊技者が選択可能な文字が羅列されている。さらに、その下方には、遊技者が選択可能な「戻る」、「一文字消去」、「決定」のメニュー項目が表示されている。
このような「パスワード入力画面」が表示されている場合(図40のS1270:yes)、サブ制御基板220のCPU221は先ず初めに、羅列されている文字のうち何れかの文字が選択されたか否かの判断を行う(S1272)。その結果、何れかの文字が選択された場合は(S1272:yes)、該文字をパスワード入力領域10pに表示する(S1274)。この処理を繰り返すことによって、パスワード入力領域10pにパスワードが入力される。何れの文字も選択されてない場合は(S1272:no)、今度は、「パスワード入力画面」のメニュー項目のうち「戻る」が選択されたか否かを判断する(S1276)。その結果、「戻る」が選択された場合は(S1276:yes)、図42を用いて前述した「通常期間用メニュー画面」を表示する(S1278)。
メニュー項目の「戻る」が選択されてない場合は(S1276:no)、今度は、メニュー項目の「一文字消去」が選択されたか否かの判断を行う(S1280)。その結果、「一文字消去」が選択された場合は(S1280:yes)、パスワード入力領域10pに表示されている文字を1個消去する(S1282)。もちろん、パスワード入力領域10pに文字が1個も表示されていない場合は、「一文字消去」が選択されても、パスワード入力領域10pには文字が1個も表示されていないままにする。
メニュー項目の「一文字消去」が選択されていない場合は(S1280:no)、今度は、メニュー項目の「決定」が選択されたか否かの判断を行う(S1284)。その結果、「決定」が選択された場合は(S1284:yes)、パスワード対応処理を行う(S1286)。
図47は、本実施例のパスワード対応処理を示すフローチャートである。このパスワード対応処理は、図24のS917の処理および図27のS960の処理に相当する。パスワード対応処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず初めに、「決定」が選択されたときにパスワード入力領域10pに表示していたパスワードを把握する(図47のS1300)。続いて、把握したパスワードに基づいて、履歴情報をサブ制御基板220のRAM223上に展開し、特殊モードを開始する(S1302)。すなわち、パスワードから遊技者識別情報およびそれに対応する履歴情報を抽出して、それらをサブ制御基板220のRAM223に記憶する。履歴情報が展開できなかった場合は(S1304:no)、パスワードが誤っていることを示すパスワード否認画面を表示する。
これに対して、履歴情報をサブ制御基板220のRAM223に展開し、特殊モードを開始したら(S1304:yes)、古い履歴情報が展開されているか否かを判断する(S1306)。すなわち、今回パスワードを入力した遊技者とは別の遊技者の履歴情報(今回パスワードを入力した遊技者の遊技者識別情報とは別の遊技者識別情報およびそれに対応する履歴情報)が記憶されているか否かを判断する。図44を用いて前述したように、特殊モードは、「通常期間用メニュー画面」で「履歴情報伝達コード表示」を選択して履歴情報伝達コードを生成し、履歴情報が消去されることで終了する。従って、前の遊技者がパスワードを入力して履歴情報を展開し特殊モードで遊技を進行させたものの、「通常期間用メニュー画面」で「履歴情報伝達コード表示」を選択することなく遊技を終了した場合は、前の遊技者の特殊モードは継続したまま(履歴情報は記憶されたまま)となる。S1306の処理では、このような古い履歴情報が記憶されているか否かを判断する。その結果、該古い履歴情報が記憶されている場合は(S1306:yes)、該古い履歴情報を消去することで、前の遊技者の特殊モードを強制終了する(S1308)。尚、古い履歴情報が記憶されているときに該古い履歴情報を消去する構成に代えて、サブ制御基板220のRAM223上に履歴情報を記憶する領域を予め定めておいて、新たな履歴情報を古い履歴情報に上書きして記憶するように構成しても良い。
こうして、新たな履歴情報を展開したら、あるいは、新たな履歴情報を展開した後に古い履歴情報を消去したら、履歴情報が展開されたこと、すなわち、特殊モードが開始したことを表示した後(S1316)、図38〜図41に示す通常期間対応処理に復帰する。
以上は、「パスワード入力画面」が表示中である場合の処理について説明した。これに対して、図40のS1270の処理で、「パスワード入力画面」が表示中でないと判断した場合は、「接続先コード表示画面」の表示中か否かを判断する(図41のS1288)。そして、「接続先コード表示画面」の表示中に「終了」が選択されたら(S1289:yes)、「接続先コード表示画面」の表示を終了して(S1290)、デモ演出を開始するタイミングを把握するために「デモ演出待機時間」の計測を開始する(S1291)。
一方、「接続先コード表示画面」の表示中でない場合は(S1288:no)、「履歴情報伝達コード表示画面」の表示中か否かを判断する(S1292)。そして、「履歴情報伝達コード表示画面」の表示中に「終了」が選択されたら(S1293:yes)、「履歴情報伝達コード表示画面」の表示を終了して(S1294)、デモ演出を開始するタイミングを把握するために「デモ演出待機時間」の計測を開始する(S1295)。
こうして、図38〜図41に示す通常期間操作対応処理を行ったら、図37に示す特殊モード操作対応処理に復帰する。
以上は、図37に示す特殊モード操作対応処理の中で、通常期間中に実行される「通常期間対応処理」(図37のS852)について説明した。続いて、特別期間中に実行される「特別期間対応処理」(S804)について説明する。
E−5−2.特別期間対応処理 :
特別期間対応処理でも、図38〜図41を前述した通常期間対応処理に相当する処理が行われる。以下では、通常期間対応処理との相違点について主に説明する。特別期間対応処理では、デモ演出中に演出ボタン43の操作を検出すると、デモ演出を終了させるとともに特別期間用のメニュー画面(特別期間用メニュー画面)を表示する(図38のS1206〜S1214に相当する処理)。すなわち、通常期間対応処理では通常期間用メニュー画面を表示させていたところ、特別期間対応処理では特別期間用メニュー画面を表示させる。
図48は、本実施例の特別期間用メニュー画面を例示した説明図である。「特別期間用メニュー画面」には、通常期間用メニュー画面で表示されるメニュー項目に加えて、「特別会員登録」のメニュー項目が表示される。すなわち、会員登録をさせるためのメニュー項目としては、「通常会員登録」と「特別会員登録」が表示される。
「特別期間用メニュー画面」にて、「通常会員登録」のメニュー項目が選択された場合は、通常期間対応処理におけると同様の処理(図39のS1244〜S1246)が行われる。詳しくは、通常会員用接続先コードを生成して、該コードを表示する処理が行われる。つまり、特別期間においても、「通常会員登録機能」が有効に設定されている。
これに対して、「特別メニュー画面」にて「特別会員登録」のメニュー項目が選択された場合は、特別会員登録用の処理(特別会員登録用処理)が行われる。前述したように、本実施例の遊技機1では、特別期間において登録特典を付与する「特別会員登録機能」が有効に設定される。特別会員登録処理では「特別会員登録機能」を実現するための処理が行われる。
図49は、本実施例の特別会員登録用処理を示すフローチャートである。特別会員登録用処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず初めに、「特別会員登録」のメニュー項目を選択した遊技者に付与する(すなわち、該遊技者の遊技者識別情報に対応付ける)「登録特典」の種類を決定する抽選(登録特典抽選)を実行する(S1350)。登録特典抽選は、登録特典抽選用乱数の範囲と登録特典が対応付けられた登録特典抽選テーブルを参照して行われる。
図50は、本実施例の登録特典抽選テーブルを概念的に示す説明図である。図50に示すように、本実施例の遊技機1では、登録特典として、「ミッション達成特典」、「演出発生特典」、「AT増加特典」が設定されている。詳しくは後述するが、「ミッション達成特典」は、会員登録当初から(すなわち、コンテンツサーバ800に遊技者識別情報を記憶させた当初から)所定のミッションが達成済みとして履歴情報が記憶される特典である。従って、該所定のミッションが実際に達成されなくても、達成済みとして記憶するので、ミッション達成のための遊技者の手間を省くことのできる特典である。
また、「演出発生特典」は、特殊モードで遊技を進行させる過程で所定の演出を発生し易くする特典である。すなわち、遊技者に対して、ミッションを達成しやすくさせる特典である。また、「AT増加特典」は、AT演出開始時に設定されるAT回数を増加させる特典である。すなわち、「取りこぼし目が停止表示されるのを回避するとともに順序対応役を入賞成立させること」が容易になる期間を長くすることで、遊技者が獲得する遊技メダル(遊技媒体)を増加させる特典である。
登録特典抽選では、所定のタイミングで登録特典抽選用乱数を取得し、登録特典抽選テーブルにおいて該乱数に対応する登録特典を、遊技者に付与する登録特典として決定する。従って、図50に示す登録特典抽選テーブルを参照して登録特典抽選を実行すると、遊技者に付与する登録特典は、60%の確率で「ミッション達成特典」に決定され、20%の確率で「演出発生特典」に決定され、20%の確率で「AT増加特典」に決定される。
こうして、登録特典抽選を実行したら(図49のS1350)、該抽選で決定した登録特典を「登録特典情報」としてサブ制御基板220のRAM223に記憶する(S1352)。
図51は、本実施例の登録特典情報を概念的に示す説明図である。図51に示すように、登録特典情報では、各登録特典に対応させて該登録特典が付与されたか(1)否か(0)が記憶されている。図51の登録特典情報では、「ミッション達成特典」が付与され、「演出発生特典」および「AT増加特典」が付与されてないことが記憶されている。
こうして、登録特典情報を記憶したら(図49のS1352)、該登録特典情報およびコンテンツサーバ800のURLを二次元コードに変換して、特別会員登録用接続先コードを生成する(S1354)。すなわち、特別会員登録用接続先コードには、通常会員登録用接続先コードに含まれる情報(コンテンツサーバ800のURL)に加えて、登録特典情報が含まれる。こうして、特別会員登録用接続先コードを生成したら(S1354)、該コードを含む「特別会員登録用接続先コード表示画面」(図示略)を表示する(S1356)。
ここで、特別会員登録用接続先コードも、通常会員登録用接続先コードと同様に、携帯端末600の撮像機能を利用して読み取られる(図24のS902)。ただし、携帯端末600が特別会員登録用接続先コードを読み取った場合は、図24のS904に相当する処理で、特別会員登録用接続先コードを、コンテンツサーバ800のURLだけでなく、登録特典情報にも変換する。そして、携帯端末600は、図24のS906に相当する処理で、該URLに基づくコンテンツサーバ800に、遊技者識別情報および登録特典情報を送信する。コンテンツサーバ800は、遊技者識別情報および登録特典情報を受信すると、図24のS908〜910の相当する処理で、遊技者識別情報に対応付けて初期の履歴情報および登録特典情報を記憶する(すなわち、特別会員登録が行われる)。このように、通常会員登録を行った場合と特別会員登録を行った場合では、コンテンツサーバ800に記憶される情報が異なる。
図52は、通常会員登録を行った場合および特別会員登録を行った場合のコンテンツサーバ800に記憶される情報を概念的に示す説明図である。図52に示すように、通常会員登録を行った場合は「遊技者識別情報」に対応付けて「履歴情報」が記憶される。これに対して、特別会員登録を行った場合は「遊技者識別情報」に対応付けて「履歴情報」および「登録特典情報」が記憶される。
尚、特別会員登録を行って「履歴情報」および「登録特典情報」がコンテンツサーバ800に記憶された場合は、図24のS910、図27のS952に相当する処理では、「履歴情報」だけでなく「登録特典情報」にも基づいたパスワードが生成される。そして、図24のS917、図27のS960(図47のS1302)に相当する処理では、遊技機1内にパスワードから抽出した「履歴情報」および「登録特典情報」が記憶される。すなわち、特別会員登録を行った後に特殊モードで遊技を進行する場合は、遊技機1内(サブ制御基板220のRAM223)に、「履歴情報」だけでなく「登録特典情報」も記憶される。
こうして、特別期間対応処理(図37のS854)が行われることによって、「登録特典情報」として「ミッション達成特典」、「演出発生特典」、「AT増加特典」が記憶されると、それぞれ以下のような登録特典が遊技者に付与される。
まず、「登録特典情報」として「ミッション達成特典」が記憶されている場合について説明する。この場合は、コンテンツサーバ800が遊技者に登録特典を付与する処理を行う。すなわち、前述したように、コンテンツサーバ800は、会員登録時に、遊技者識別情報に対応付けて初期の履歴情報および特典登録情報を記憶する(図24のS908、S909に相当する処理)。この際、特典登録情報としてミッション達成特典が記憶されていると、初期の履歴情報のうち所定のミッションを登録済みとして記憶する。これにより、特殊モードでの遊技が行われたことがないにも拘わらず、所定のミッションが達成済みの状態となる。従って、ミッション達成のための手間を省くことができる登録特典を遊技者に付与することが可能となる。
続いて、「登録特典情報」として「演出発生特典」が記憶されている場合について説明する。この場合は、遊技機1が遊技者に登録特典を付与する処理を行う。図30を用いて前述したように、本実施例の遊技機1では、スタートレバー36が操作されて遊技が開始される際に、該遊技に連動した演出を決定する演出パターン抽選を実行する(図30のS614)。この演出パターン抽選に用いる演出パターンテーブルを、「特典対応演出パターンテーブル選択処理」で登録特典情報に応じて決定する(図30のS610)。
図53は、本実施例の特典対応演出パターンテーブル選択処理を示すフローチャートである。特典対応演出パターンテーブル選択処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず初めに、特殊モード中か否か、すなわち、履歴情報がRAM223に記憶されているか否かを判断する(S1450)。その結果、特殊モード中であれば(S1450:yes)、登録特典情報として演出発生特典が記憶されているか否かを判断する。そして、該演出発生特典が記憶されている場合は、特典あり演出パターンテーブルを選択する(S1454)。一方、特殊モード中でない場合や(S1450:no)、演出発生特典が記憶されてない場合は(S1452:no)、特典なし演出パターンテーブルを選択する(S1456)
図54は、本実施例の「特典なし演出パターンテーブル」を概念的に示した説明図であり、図55は、「特典あり演出パターンテーブル」を概念的に示した説明図であり、何れもスイカ役に内部当選したときに選択されるテーブルである。図54と図55を比較すれば明らかなように、特典なし演出パターンテーブルよりも、特典あり演出パターンテーブルの方が多くの種類の演出パターンが設定されている。すなわち、内部抽選結果が同じである場合において、登録特典情報として演出発生特典が記憶されている場合は、そうでない場合には実行されない演出が実行されることがある。従って、所定の演出を発生させ易くする登録特典を遊技者に付与することが可能となる。また、該演出の実行がミッションして設定されていれば、該ミッションを達成させ易くする登録特典を遊技者に付与することが可能となる。
続いて、「登録特典情報」として「AT増加特典」が記憶されている場合について説明する。この場合も、遊技機1が遊技者に登録特典を付与する処理を行う。すなわち、図32を用いて前述したように、本実施例の遊技機1では、BB状態が終了してRT状態が開始するときにAT演出を開始する(図32のS662)。このAT演出が開始してから終了するまでの遊技の回数(AT回数)は、AT演出の開始に先立って行われる「特典対応AT回数決定処理」で登録特典情報に応じて決定される(図32のS660)。
図56は、本実施例の特典対応AT回数決定処理を示すフローチャートである。特典対応AT回数決定処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず初めに、特殊モード中か否か、すなわち、履歴情報がRAM223に記憶されているか否かを判断する(S1470)。その結果、特殊モード中であれば(S1470:yes)、登録特典情報としてAT増加特典が記憶されているか否かを判断する。そして、該AT増加特典が記憶されている場合は、AT回数を60回にすべくATカウンタの値に「60」を設定する(S1474)。一方、特殊モード中でない場合や(S1470:no)、AT増加特典が記憶されてない場合は(S1472:no)、AT回数を50回にすべくATカウンタの値に「50」を設定する(S1476)。このように、登録特典情報としてAT増加特典が記憶されている場合は、そうでない場合よりも、多くのAT回数が設定される(長い期間に亘ってAT演出が実行される)。従って、「取りこぼし目が停止表示されるのを回避するとともに順序対応役を入賞成立させること」が容易になる期間を長くすることで、獲得する遊技メダル(遊技媒体)を増加させる登録特典を遊技者に付与することが可能となる。
以上のように、本実施例の遊技機1では、特殊モード操作対応処理を行うことによって、通常期間では、登録特典が付与されない通常会員登録を行うための通常会員登録機能を有効に設定し、特別期間では、通常会員登録機能と、登録特典が付与される特別会員登録を行うための特別会員登録機能とを有効に設定する。特殊モード操作対応処理を終了したら、図29に示す演出制御処理に復帰して、該特殊モード操作対応処理に続く期間切替処理を行う(図29のS560)。この処理では、通常期間および特別期間を切り替える処理を行う。
E−6.期間切替処理 :
本実施例の遊技機1では、該遊技機1が設置される遊技ホールの開店から閉店まで期間を単位期間に分割して、各単位期間に上述した「通常期間」あるいは「特別期間」を設定する処理を行っている。このことについて、以下に詳しく説明する。
図57は、本実施例の単位期間の設定態様を示す説明図である。図57に示すように、本実施例の遊技機1は、開店から閉店までの期間を「第1期」〜「第9期」の9つの単位期間に分割して、それぞれの単位期間中は該単位期間に対応するフラグ(1期フラグ〜9期フラグ)をONに設定するように構成されている。サブ制御基板220のCPU221は、1期フラグ〜9期フラグを確認することによって、現在が「第1期」〜「第9期」のうち何れの単位期間であるかを認識する。
期間切替処理では、「第1期」〜「第9期」の各単位期間に対応する処理行うことによって、それぞれの単位期間に「通常期間」および「特別期間」を設定するように構成されている。尚、本実施例の遊技機1では、電源投入時には特別フラグがONに設定されて特別期間が開始される(すなわち、第1期に特別期間が設定される)ように構成されている。
図58〜図60は、本実施例の期間切替処理を示すフローチャートである。また、図61は、本実施例の各単位期間における通常期間および特別期間の設定態様を主に示す説明図である。期間切替処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず初めに、1期フラグがONに設定されているか否か、すなわち、現在が第1期であるか否かを判断する(S1500)。そして、第1期である場合は(S1500:yes)、第1期の終了時間である時間t1が経過したか否かを判断する。その結果、未だ時間t1が経過してないと判断した場合は(S1502:no)、そのまま期間切替処理を終了する。
これに対して、時間t1が経過したと判断した場合は(S1502:yes)、第2期を開始すべく2期フラグをONに設定した後(S1504)、通常予告フラグをONに設定する(S1506)。通常予告フラグは、通常期間の開始(特別期間の終了)を予告する演出(通常予告演出)を実行することを示すフラグである。すなわち、図61に示すように、本実施例の遊技機1では、第3期および第4期に通常期間を設定するように構成されており、第2期ではその旨を報知する通常予告演出が実行される。通常予告フラグをONに設定したら(S1506)、期間切替処理を終了する。尚、通常予告フラグに基づいて通常予告演出を実行する処理については後述する。
ここで、時間t1が経過したと判断した場合は(S1502:yes)、特別フラグを操作する処理は行わない。従って、第2期でも特別フラグは第1期に引き続きONに設定されたままであるので、第2期にも特別期間が設定される。
2期フラグがONに設定されている場合、すなわち、第2期である場合は(S1510:yes)、第2期の終了時間である時間t2を経過したか否かを判断する(S1512)。その結果、未だ時間t2が経過してないと判断した場合は(S1512:no)、そのまま期間切替処理を終了する。
これに対して、時間t2が経過したと判断した場合は(S1512:yes)、第3期を開始すべく3期フラグをONに設定する(S1514)。続いて、通常予告演出を終了すべく通常予告フラグをOFFに設定した後(S1516)、特別期間を終了して通常期間を開始すべく特別フラグをOFFに設定する(S1518)。すなわち、図61に示すように、第3期間が開始したら第3期間が開始したら通常予告演出を終了し、第3期間には通常期間を設定する。
こうして、特別フラグをOFFに設定したら(S1518)、遊技機1の稼働データの集計を開始する(S1520)。詳しくは後述するが、本実施例の遊技機1では、第1期および第2期に特別期間を設定して、第3期および第4期に通常期間を設定した後は(第5期〜第8期までは)、遊技機1の稼働率に応じて通常期間あるいは特別期間を設定するように構成されている。遊技機1の稼働率としては、一定時間あたりの遊技メダルの投入数や、一定時間あたりの遊技回数等が用いられる。S1520では、このような稼働率を演算するための稼働データ(遊技メダルの投入数や、遊技回数)の集計を開始する(図61に示す第3期参照)。
3期フラグがONに設定されている場合、すなわち、第3期である場合は(S1530:yes)、第3期の終了時間である時間t3を経過したか否かを判断する(S1532)。その結果、未だ時間t3が経過してないと判断した場合は(S1532:no)、第3期が継続することから稼働データの集計を継続する(S1536)。
一方、時間t3が経過したと判断した場合は(S1532:yes)、第4期を開始すべく4期フラグをONに設定する(S1534)。続いて、第3期中に実行されていた稼働データの集計を停止して、遊技機1の第3期における稼働率を演算する(S1538)。その結果、該稼働率が所定の基準値以上であれば(高稼働であれば)(S1540:no)、そのまま期間切替処理を終了する。
これに対して、該稼働率が所定の基準値より低かったら(低稼働であれば)(S1540:yes)、特別予告フラグをONに設定した後(S1542)、期間切替処理を終了する。特別予告フラグは、特別期間の開始(通常期間の終了)を予告する演出(特別予告演出)を実行することを示すフラグである。
すなわち、図61に示すように、第3期中は稼働データの集計を行って、第3期の終了時に該稼働データに基づいて、第3期における遊技機1の稼働率を演算する。その結果、低稼働であれば特別予告演出を開始する(図61に示す第4期の斜線ハッチング部分)。尚、特別予告フラグに基づいて特別予告演出を実行する処理については後述する。
ここで、本実施例の遊技機1では、上述したように第3期の終了時に稼働率の演算を行って低稼働か高稼働かを判断するものの、この際には(第3期の終了時には)特別フラグを操作する処理は行わない。すなわち、第4期には第3期に続いて通常期間が設定される。これは次の理由による。詳しくは後述するが、第3期における稼働率が低稼働であれば、第5期から特別期間を設定することとしており、第4期ではこの旨を報知する特別予告演出を実行するためである。尚、第3期の稼働率が高稼働の場合は、第5期にも続けて通常期間を設定することから、第4期では予告演出は行わない。
4期フラグがONに設定されている場合、すなわち、第4期である場合は(図59のS1550:yes)、第4期の終了時間である時間t4を経過したか否かを判断する(S1552)。その結果、未だ時間t4が経過してないと判断した場合は(S1552:no)、そのまま期間切替処理を終了する。
これに対して、時間t4が経過したと判断した場合は(S1552:yes)、第5期を開始すべく5期フラグをONに設定する(S1554)。続いて、特別予告フラグがONに設定されているか否かを判断する(S1556)。すなわち、第4期では、第3期が低稼働だったことから特別予告演出が行われている場合がある。この場合は、特別予告演出を終了すべく特別予告フラグをOFFに設定するとともに(S1558)、特別期間を開始すべく特別フラグをONに設定する(S1560)。続いて、第5期における稼働データの集計を開始した後(S1562)、期間切替処理を終了する。
一方、S1556の処理で、特別予告フラグがONに設定されてない場合、すなわち、特別予告演出が実行されてない場合は(S1556:no)、第3期が高稼働であったことから第5期にも通常期間を設定するので、特別フラグの操作を行わずに、第5期における稼働データの集計を開始した後(S1562)、期間切替処理を終了する。
以上のように、第3期における遊技機1が低稼働であった場合は、図61に斜線ハッチングで示すように、第4期で特別予告演出が実行された後、第5期に特別期間が設定される。逆に、第3期における遊技機1が高稼働であった場合は、第4期で予告演出を実行せずに、第3期および第4期に続いて第5期にも通常期間が設定される。
5期フラグがONに設定されている場合、すなわち、第5期である場合は(S1570:yes)、第5期の終了時間である時間t5を経過したか否かを判断する(S1572)。その結果、未だ時間t5が経過してないと判断した場合は(S1572:no)、第5期が継続することから稼働データの集計を継続する(S1574)。
一方、時間t5が経過したと判断した場合は(S1572:yes)、第6期を開始すべく6期フラグをONに設定する(S1576)。続いて、第5期中に実行されていた稼働データの集計を停止して、遊技機1の第5期における稼働率を演算する(S1558)。
その結果、第5期が高稼働であれば(S1578:no)、特別フラグがONに設定されているか否か、すなわち、特別期間あるいは通常期間の何れが設定されているか否かを判断する(S1584)。前述したように、本実施例の遊技機1では高稼働であれば後の単位期間に通常期間を設定することから、S1584の処理では、特別期間(第5期および第6期)から通常期間(第7期および第8期)に切り替えられるのか、通常期間が継続する(第5期〜第8期)のかが判断される。その結果、特別期間が設定されていれば(特別期間から通常期間に切り替えるのであれば)(S1584:yes)、通常予告演出を開始すべく通常予告フラグをONに設定した後(S1586)、期間切替処理を終了する。これに対して、通常期間が設定されていれば(通常期間を継続するのであれば)(S1584:no)、予告演出の必要はないのでそのまま期間切替処理を終了する。
一方、第5期が低稼働であれば(S1578:yes)、特別フラグがONに設定されているか否か、すなわち、特別期間あるいは通常期間の何れが設定されているか否かを判断する(S1580)。前述したように、本実施例の遊技機1では低稼働であれば後の単位期間に特別期間を設定することから、S1580の処理では、特別期間が継続する(第5期〜第8期)のか、通常期間(第5期および第6期)から特別期間(第7期および第8期)に切り替えるのかが判断される。その結果、特別期間が設定されていれば(特別期間が継続するのであれば)(S1580:yes)、予告演出の必要はないのでそのまま期間切替処理を終了する。これに対して、通常期間が設定されていれば(通常期間から特別期間に切り替えるのであれば)(S1580:no)、特別予告演出を開始すべく特別予告フラグをONに設定した後(S1582)、期間切替処理を終了する。
以上のように、第5期に通常期間が設定されている場合において、第5期が低稼働である場合は(後の単位期間に特別期間を設定する場合は)、特別予告演出を開始する(図61に示す第6期のドットハッチング部分)。逆に、第5期における稼働率が高い場合は(後の単位期間に通常期間を設定する場合は)、通常期間が継続することから何れの予告演出も実行しない。
また、第5期に特別期間が設定されている場合において、第5期が低稼働である場合は(後の単位期間に特別期間を設定する場合は)、特別期間が継続するので、何れの予告演出も実行しない。逆に、第5期における稼働率が高い場合は(後の単位期間に通常期間を設定する場合は)、通常予告演出を開始する(図61に示す第6期のドットハッチング部分)。
6期フラグがONに設定されている場合、すなわち、第6期である場合は(図60のS1590:yes)、第6期の終了時間である時間t6を経過したか否かを判断する(S1592)。その結果、未だ時間t6が経過してないと判断した場合は(S1592:no)、そのまま期間切替処理を終了する。
これに対して、時間t6が経過したと判断した場合は(S1592:yes)、第7期を開始すべく7期フラグをONに設定する(S1594)。続いて、特別予告フラグがONに設定されているか否かを判断する(S1596)。すなわち、第6期では、通常期間を特別期間に切り替えるべく特別予告演出が行われている場合がある。この場合は、特別予告演出を終了すべく特別予告フラグをOFFに設定するとともに(S1598)、特別期間を開始すべく特別フラグをONに設定する(S1600)。その後、期間切替処理を終了する。
一方、S1596の処理で、特別予告フラグがONに設定されてない場合は(S1596:no)、今度は、通常予告フラグがONに設定されているか否かを判断する(S1602)。すなわち、第6期では、特別期間から通常期間に切り替えるべく通常予告演出が行われている場合がある。この場合は、通常予告演出を終了すべく通常予告フラグをOFFに設定するとともに(S1604)、通常期間を開始すべく特別フラグをOFFに設定する(S1606)。その後、期間切替処理を終了する。
以上のように、第6期で特別予告演出が実行されていれば、第7期に特別期間を設定する(図61に示す第7期のドットハッチング部分)。また、第6期で通常予告演出が実行されていれば、第7期に通常期間を設定する(図61に示す第7期のドットハッチング部分)。また、何れの予告演出も実行されていない場合は特別フラグを操作する処理は行わない。すなわち、第5期および第6期に設定されていた通常期間あるいは特別期間が、第7期にも継続して設定される。
7期フラグがONに設定されている場合、すなわち、第7期である場合は(S1610:yes)、第7期の終了時間である時間t7を経過したか否かを判断する(S1610)。その結果、未だ時間t7が経過してないと判断した場合は(S1610:no)、そのまま期間切替処理を終了する。
一方、時間t7が経過したと判断した場合は(S1612:yes)、第8期を開始すべく8期フラグをONに設定する(S1614)。その後、第7期に特別期間あるいは通常期間の何れが設定されていたかを判断して、特別期間が設定されていた場合は(S1616:yes)、そのまま期間切替処理を終了する。逆に、通常期間が設定されていた場合は(S1616:no)、第8期で特別予告演出を実行すべく、特別予告フラグをONに設定した後(S1618)、期間切替処理を終了する。すなわち、第8期に続く第9期は遊技ホールの閉店までの単位期間であり、この単位期間(第9期)の稼働率を高めるべく、第9期には特別期間が設定される。従って、第8期に通常期間が設定されている場合は、通常期間から特別期間に切り替わることから、第8期において特別予告演出を実行し、第8期に特別期間が設定されている場合は、特別期間が継続することから、予告演出は実行しない。
8期フラグがONに設定されている場合、すなわち、第8期である場合は(S1620:yes)、第8期の終了時間である時間t8を経過したか否かを判断する(S1622)。その結果、未だ時間t8が経過してないと判断した場合は(S1622:no)、そのまま期間切替処理を終了する。
これに対して、時間t8が経過したと判断した場合は(S1622:yes)、第9期を開始すべく9期フラグをONに設定する(S1624)。続いて、特別予告フラグがONに設定されているか否かを判断する(S1626)。すなわち、第8期に通常期間が設定された場合は、第9期が開始されると設定される期間が特別期間に切り替わることから、該第8期で特別予告演出が実行される。この場合は、特別予告演出を終了すべく特別予告フラグをOFFに設定するとともに(S1628)、特別期間を開始すべく特別フラグをONに設定する(S1630)。その後、期間切替処理を終了する。
一方、S1626の処理で、特別予告フラグがONに設定されてないと判断した場合は(S1626:no)、第8期で既に特別期間が設定されている場合なので(特別フラグがONに設定されているので)、特別フラグを操作することなく、期間切替処理を終了する。以上のように、第9期には特別期間が設定される。
こうして、期間切替処理を終了したら、図29に示す演出制御処理に復帰して、該期間切替処理に続く予告実行処理を行う(図29のS562)。予告実行処理は、期間切替処理で設定された特別予告フラグおよび通常予告フラグに基づいて予告演出を実行する処理である。
E−7.予告実行処理 :
図62は、本実施例の予告実行処理を示すフローチャートである。予告実行処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず初めに、直前に行われたデモ演出実行処理(図34参照)でデモ演出が開始されたか否かを判断する(S1700)。その結果、デモ演出が開始されたのであれば(S1700:yes)、特別予告フラグがONに設定されているか否かを判断する(S1702)。その結果、特別予告フラグがONに設定されていれば(S1702:yes)、通常期間が終了すること(特別期間が開始すること)およびその時期を予告する特別予告演出の実行を開始した後(S1704)、予告実行処理を終了する。
一方、特別予告フラグがONに設定されてない場合は(S1702:no)、今度は、通常予告フラグがONに設定されているか否かを判断する(S1706)。その結果、通常予告フラグがONに設定されていれば(S1706:yes)、特別期間が終了すること(通常期間が開始すること)およびその時期を予告する通常予告演出の実行を開始した後(S1708)、予告実行処理を終了する。
尚、デモ演出が開始されたタイミングでない場合や(S1700:no)、特別予告フラグおよび通常予告フラグの何れもONに設定されてない場合は(S1706:no)、そのまま予告実行処理を終了する。
以上のように、本実施例の遊技機1では、デモ演出が開始されたタイミングで特別予告演出あるいは通常予告演出の実行が開始される。尚、デモ演出が終了すると、実行中の特別予告演出および通常予告演出も終了する。
尚、サブ制御基板220に搭載されたCPU221が、上述した処理を行うことによって、コンテンツサーバ800(外部サーバ)に遊技者識別情報(遊技者固有の遊技者情報)を記憶させる(初期登録処理)ための接続先コード(登録用アクセス情報)を出力する。従って、サブ制御基板220のCPU221は、本発明における「登録用アクセス情報出力手段」に対応している。また、サブ制御基板220に搭載されたCPU221が、上述した処理を行うことによって、接続先コードとして、通常会員登録用接続先コード(通常登録用アクセス情報)と、特別会員登録用接続先コード(特別登録用アクセス情報)の何れを出力するかを、単位期間(時期的条件)あるいは遊技機1の稼働率に基づいて決定する。従って、サブ制御基板220のCPU221は、本発明における「登録用アクセス情報決定手段」に対応している。また、サブ制御基板220に搭載されたCPU221が、上述した処理を行うことによって、特別予告演出を実行する(特別登録用アクセス情報を出力することを決定する時期を報知する)。従って、サブ制御基板220のCPU221は、本発明における「報知手段」に対応している。
また、携帯端末600が上述の処理を行うことによって、接続先コード(登録用アクセス情報)を読み取ることで、該接続先コードに含まれるコンテンツサーバ800(外部サーバ)の所在情報に基づき、コンテンツサーバ800に接続する。従って携帯端末600は、本発明における「接続手段」に対応している。
また、コンテンツサーバ800が上述の処理を行うことによって、接続先コード(登録用アクセス情報)を介して携帯端末600(外部通信端末)と接続されると、会員登録用の処理(初期登録処理)として、「遊技者識別情報」、「初期の履歴情報」を記憶する通常会員登録(通常の初期登録処理である通常登録処理)、および、「遊技者識別情報」、「初期の履歴情報」、「登録特典情報」を記憶する特別会員登録処理(通常登録処理を経て遊技が行われるよりも遊技者に優位な態様で遊技を進行させる初期登録処理である特別登録処理)のうち何れ(遊技者登録処理)を実行するかを決定して実行する。従って、コンテンツサーバ800は、本発明における「遊技者登録処理実行手段」に対応している。
また、コンテンツサーバ800が上述の処理を行うことによって、遊技者登録処理が実行されることで、携帯端末600を通じて送信される履歴情報(遊技履歴情報)を遊技者毎に保存可能とする。従って、コンテンツサーバ800は、本発明における「保存手段」に対応している。
また、コンテンツサーバ800が上述の処理を行うことによって、遊技者登録処理が実行されることで、上述の特典を付与するか否かを決定する。従って、コンテンツサーバ800は、本発明における「特典付与決定手段」に対応している。また、コンテンツサーバ800が上述の処理を行うことによって、遊技機1または携帯端末600を介して特典を付与する。従って、コンテンツサーバ800は、本発明における「特典付与手段」に対応している。
F.本実施例の遊技システムおよび遊技機が奏する効果 :
本実施例の遊技システムおよび遊技機は上述したように構成されているので、以下のような効果を奏する。
特殊モードでの遊技を開始するために必要な会員登録の処理として、通常会員登録を行うための処理および特別会員登録を行うための処理のうち何れかが実行される。特に、特別会員登録を行うための処理は特別期間のみに行われる(すなあち、特別会員登録機能は、通常期間は無効に設定され、特別期間は有効に設定される)。そして、特別会員登録が行われると遊技者に登録特典が付与される。このため、特別会員登録に対する遊技者の意欲を高めることが可能となる。従って、遊技者の会員登録を促進させて、特殊モードで遊技を進行させる遊技者の増加を図ることができ、この結果、遊技システムの利用頻度を従来に比して高め、遊技機1の稼働を向上させることが可能となる。
また、通常会員登録用接続先コードおよび特別会員登録用接続先コードのうち、何れを遊技機1が出力するかによって、通常会員登録が行われるか特別会員登録が行われるかが決定する。換言すると、遊技機1の特別会員登録機能が有効に設定されているか否かによって、特別会員登録を行うことが可能か否かを決定する。従って、遊技機1側で特別登録を行うことが可能か否かを決定することができるので、遊技機の状況(稼働率や、遊技者の操作を検出した時間、所定のスイッチの設定状態等)に応じて、遊技者の会員登録を促進させることが可能となり、遊技システムを利用して新たなサービス形態を実現することができる。
特に、遊技ホールが開店してから所定の期間と遊技ホールが閉店するまでの所定の期間において、特別会員登録機能を有効に設定するので、遊技ホールの開店直後と閉店間際における会員登録を促進させることが可能となる。また、遊技機1の稼働率が所定の基準以下にあるいは所定の基準より小さくなったら特別会員登録機能を有効に設定して、遊技機1の稼働率が所定の基準より大きくあるいは所定の基準以上になったら特別会員登録機能を無効に設定するので、遊技者の会員登録を遊技機1の稼働率に応じて効果的に促進させることが可能となる。
また、特別予告演出を実行することによって特別期間が開始することを報知するとともに、通常予告演出を実行することによって特別期間が終了することを報知するので、会員登録に対する遊技者の意欲を高揚させることができ、更に遊技者の会員登録を促進させることが可能となる。
また、複数種類の登録特典が設定されており、特別会員登録を行うと該複数の登録特典から所定の登録特典を選択し、この選択された登録特典が遊技者に付与されるので、会員登録に対する遊技者の興趣を高めることができ、更に遊技者の会員登録を促進させることが可能となる。
G.変形例 :
上述した実施例では本発明の構成を回胴式遊技機に適用した場合について説明したが、これに限らず、以下のような弾球遊技機に適用してもよい。
図63は、本変形例の弾球遊技機(以下、パチンコ機901という)の正面図である。図63に示すように、パチンコ機901の前面部は、大きくは、前面枠904、上皿部905、下皿部906、遊技盤910などから構成されている。なお、図63では遊技盤910の詳細な図示を省略している。前面枠904は、図示しない中枠903に取り付けられており、中枠903は図示しない本体枠902に取り付けられている。中枠903はプラスチック材料で成形されており、本体枠902の内側に取り付けられている。本体枠902は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、パチンコ機901の外枠を形成している。前面枠904の一端は、中枠903に対して回動可能に軸支されており、中枠903の一端は本体枠902に対して回動可能に軸支されている。遊技盤910は、中枠903の前面側に着脱可能に取り付けられており、その前面側が前面枠904で覆われている。
前面枠904は、プラスチック材料で成形されており、略中央部には、円形状の窓部904aが形成されている。この窓部904aにはガラス板等の透明板が嵌め込まれており、奥側に配置される遊技盤910の盤面が視認可能となっている。また、前面枠904には、遊技効果を高めるための各種ランプ類904b〜904fが設けられている。前面枠904の下方には、上皿部905が設けられており、上皿部905の下方には下皿部906が設けられている。また、前面枠904の右側には施錠装置909が設けられており、前面枠904の左側にはプリペイドカード式の球貸装置913(CRユニット)が設けられている。
上皿部905には、皿状の凹部と、凹部を取り巻くように形成された皿外縁部905aとが設けられている。遊技球は、上皿部905に形成された凹部に投入されて、発射装置ユニット912に供給される。また、皿外縁部905aには、遊技球の球貸スイッチ905b、返却スイッチ905c、投入した遊技球を排出するための排出ボタンなど、各種のボタン類が設けられている。上皿部905の左部にはスピーカー905yが設けられている。また、上皿905の前面側には、演出ボタンSWが設けられている。遊技者は、演出ボタンSWを押すことによって、遊技演出に関連する項目を選択するなど、遊技演出の進行に介入することが可能となっている。
下皿部906には、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口906aが設けられており、排出された遊技球は下皿部906内に貯留される。下皿部6の右端には発射ハンドル908が設けられている。発射ハンドル908には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ908aが設けられている。発射ハンドル908の回転軸は、下皿部906の奥側に搭載された図示しない発射装置ユニット912に接続されており、遊技者が発射ハンドル908を回転させると、その動きが発射装置ユニット912に伝達され、ユニットに内蔵された図示しない発射モータが回転して、回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。発射ハンドル908の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ908bが配置されている。
図64は、遊技盤910の盤面構成を示す説明図である。前述したように、遊技盤910は中枠903の前面側に着脱可能に取り付けられている。図64に示すように、遊技盤910の中央には、外レール914と内レール915とによって囲まれた略円形状の遊技領域911が形成されている。上述した発射装置ユニット912から発射された遊技球は、外レール914と内レール915との間を通って遊技領域911に放出され、遊技領域911の上方から下方に向かって流下する。
遊技領域911の略中央には中央装置926が設けられており、また、遊技領域911の下方部分には変動入賞装置918が設けられ、そして、中央装置926と変動入賞装置918との間には始動口ユニット917が設けられている。後述するように始動口ユニット917は、2つの始動口が上下に組み合わせて構成されており、上側に設けられた第1始動口917aは、遊技球の入球を許容する遊技球受入口の大きさが不変(一定)で、遊技球が常時入球可能となっている固定式の入球口であり、下側に設けられた第2始動口917bは、左右に一対の翼片部が開閉可能に構成されたいわゆるチューリップ式の入球口となっている。
中央装置926のほぼ中央には、演出表示装置927が設けられている。演出表示装置927は液晶表示器によって構成されており、その表示画面上では、識別図柄や背景図柄などの種々の演出図柄を変動表示した後に停止表示することが可能となっている。演出表示装置927の表示画面上で表示される各種の演出図柄については後述する。
演出表示装置927の左斜め下方には第1図柄表示装置928が設けられ、演出表示装置927の右斜め下方には第2図柄表示装置932が設けられている。このうち、演出表示装置927の左下方に設けられた第1図柄表示装置928では、普通図柄や第1特別図柄を変動停止表示することが可能となっており、演出表示装置927の右下方に設けられた第2図柄表示装置932では、第2特別図柄を変動表示することが可能となっている。第1図柄表示装置928や、第2図柄表示装置932の詳細な構成については後述する。尚、以下では、第1特別図柄を単に「第1特図」と略記し、第2特別図柄を単に「第2特図」と略記することがあるものとする。
遊技領域911の左側および右側には、普通図柄作動左ゲート936と普通図柄作動右ゲート937とが設けられており、これらのゲートの内部には、遊技球の通過を検出するゲートスイッチ936s,937sがそれぞれ設けられている。更に、左右の普通図柄作動ゲート936,937と中央装置26との間には、ランプ風車924,925が設けられている。これら各遊技装置の間および周辺には、多数の障害釘923が設けられている。
中央装置926の下方に設けられた変動入賞装置918には、ほぼ中央に大入賞装置931が設けられている。この大入賞装置931は、略長方形状に大きく開放する大入賞口931dや、大入賞口931dを開閉するために開閉部材931e、開閉部材931eを動作させる大入賞口ソレノイド931mなどから構成されている。後述する所定の条件が成立すると、大入賞装置931が作動を開始して大入賞口ソレノイド931mにより開閉部材931eが開動作され、大入賞口931dが開放状態となる。この結果、遊技球が高い確率で大入賞口931dに入球することとなって、遊技者にとって有利な遊技状態である大当り遊技状態が開始される。また、大入賞口931dの内部には、大入賞口スイッチ931sが設けられており、大入賞口931dに入賞した遊技球を検出することが可能である。遊技盤910の下方にはアウト口948が設けられ、そのアウト口948の下部にはバック球防止部材958が設けられている。バック球防止部材958は、遊技領域911に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止する機能を有している。
図65は、本変形例のパチンコ機901に搭載された第1図柄表示装置928および第2図柄表示装置932の構成を示す説明図である。図65(a)は第1図柄表示装置928を表しており、図65(b)は第2図柄表示装置932を表している。初めに第1図柄表示装置928の構成について説明する。図65(a)示されているように、本変形例の第1図柄表示装置928は、略矩形の領域内に12個の小さな発光ダイオード(LED)が組み込まれて構成されている。これら12個のLEDのうちの、3個のLEDは普通図柄表示部929を構成しており、残りの9個のLEDは第1特別図柄表示部930を構成している。更に、普通図柄表示部929は、普通図柄を表示するための1個のLED(以下、普通図柄LED929aと呼ぶ)と、普通図柄の保留数を表示するための2個のLED(以下、普図保留表示LED929bと呼ぶ)とから構成されている。また、第1特別図柄表示部930は、第1特別図柄を表示するための7個のLED(以下、第1特別図柄LED930aと呼ぶ)と、第1特別図柄の保留数を表示するための2個のLED(以下、第1特図保留表示LED930bと呼ぶ)とから構成されている。本変形例の第1図柄表示装置928が、これら12個のLEDを用いて、普通図柄や、第1特別図柄、更にはこれら図柄の保留数を表示する様子については後述する。尚、以下では、第1特別図柄(第1特図)の保留を「第1特図保留」と呼び、第1特図の保留数を「第1特図保留数」と呼ぶことがあるものとする。
図65(b)に示した第2図柄表示装置932は、上述した第1図柄表示装置928に対して普通図柄表示部929を取り除いた構成となっている。すなわち、第2図柄表示装置932には、9個のLEDから構成される第2特別図柄表示部933が設けられており、そのほぼ中央に設けられた7個のLEDは、第2特別図柄を表示するためのLED(以下、第2特別図柄LED933aと呼ぶ)であり、残りの2個のLEDは、第2特別図柄の保留数を表示するためのLED(以下、第2特図保留表示LED933bと呼ぶ)となっている。このような第2図柄表示装置932の表示内容についても後述する。尚、以下では、第2特別図柄(第2特図)の保留を「第2特図保留」と呼び、第2特図の保留数を「第2特図保留数」と呼ぶことがあるものとする。また、第1特図保留及び第2特図保留は、本発明の入球情報に相当する。
図66は、本変形例のパチンコ機1に搭載された演出表示装置927の画面構成を示す説明図である。前述したように、演出表示装置927は、主に液晶表示器を用いて構成されており、その表示画面上には、3つの識別図柄927a,927b,927cと、その背景の背景図柄927dが表示されている。このうち、3つの識別図柄927a,927b,927cは、図64に示した第1特別図柄表示部930あるいは第2特別図柄表示部933で第1特別図柄あるいは第2特別図柄が変動表示されることに合わせて種々の態様で変動表示され、遊技を演出する。
次に、上述した構成を有する本変形例のパチンコ機901で行われる遊技の概要について説明する。
本変形例のパチンコ機901では、次のようにして遊技が行われる。先ず、遊技者が上皿部905の凹部に遊技球を投入して発射ハンドル908を回転させると、上皿部905に投入された遊技球が、1球ずつ発射装置ユニット912に供給されて、図64を用いて前述した遊技領域911に発射される。遊技球を打ち出す強さは、発射ハンドル908の回転角度によって調整することが可能となっており、遊技者は発射ハンドル908の回転角度を変化させることによって、遊技球の狙いを付けることができる。
発射した遊技球が、遊技領域911の左右に設けられた普通図柄作動左ゲート936、普通図柄作動右ゲート937の何れかを通過すると、演出表示装置927の左下方に設けられた第1図柄表示装置928において普通図柄の変動表示が開始される。図65を用いて前述したように、第1図柄表示装置928には普通図柄表示部929が設けられており、普通図柄表示部929には、普通図柄LED929aおよび普図保留表示LED929bが搭載されている。このうち、普通図柄LED929aを用いて普通図柄の変動表示を行う。
また、図65(a)を用いて前述したように、第1図柄表示装置928には、第1特別図柄表示部930が設けられており、第1特別図柄(第1特図)を変動表示可能となっている。更に、図65(b)に示したように、第2図柄表示装置932に設けられた第2特別図柄表示部933では、第2特別図柄(第2特図)を変動表示可能となっている。このうち、第1特別図柄は第1始動口917aに対応し、第2特別図柄は第2始動口917bに対応しており、第1特別図柄あるいは第2特別図柄は、それぞれ対応する始動口に遊技球が入球すると変動表示を開始する。また、前述したように第1特別図柄表示部930および第2特別図柄表示部933は、何れも同様な構成をしており、従って、第1特別図柄も第2特別図柄も同様な態様で変動表示を行う。
図65を用いて前述したように、第1特別図柄表示部30および第2特別図柄表示部33の何れも7個のLEDによって構成されており、これらを点灯させることによって特別図柄を表示する。特別図柄が変動表示した結果、停止表示する図柄としては複数種類が設けられており、なかでも大当り図柄と呼ばれる図柄で停止表示すると、大入賞口931dが開放状態となる大当り遊技が開始される。
また、第1始動口17aあるいは第2始動口17bに遊技球が入球したにも拘わらず、直ちには対応する特別図柄の変動表示を開始できない場合(例えば、何れかの特別図柄が変動表示中であった場合、あるいは大当り遊技中であった場合など)には、第1始動口917aへの入球は第1特別図柄の保留(第1特図保留)として蓄えられ、第2始動口917bへの入球は第2特別図柄の保留(第2特図保留)として蓄えられる。そして、第1特図保留の個数(第1特図保留数)については第1特図保留表示LED930bおよび演出表示装置927の表示画面上に設けられた第1特図保留表示領域927eによって表示され、第2特図保留の個数(第2特図保留数)については第2特図保留表示LED933bおよび演出表示装置927の表示画面上に設けられた第2特図保留表示領域927fによって表示される。
上述した第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動表示および停止表示に合わせて、演出表示装置927では演出図柄(識別図柄927a,927b,927cや背景図柄927dなど)を用いた各種の演出が行われる。図66は、演出表示装置927で行われる演出の一態様を例示した説明図である。図66を用いて前述したように、演出表示装置27を構成する液晶表示画面には、3つの識別図柄927a,927b,927cが表示されている。前述した第1図柄表示装置928あるいは第2図柄表示装置932の何れかで特別図柄の変動表示が開始されると、演出表示装置927においても、これら3つの識別図柄927a,927b,927cが一斉に変動表示を開始する。本変形例では、識別図柄として「1」〜「9」までの9つの数字を意匠化した図柄が用意されている。
変動表示が開始された後、所定時間が経過すると、初めに左識別図柄927aが「1」〜「9」のいずれかの図柄で停止表示され、次いで、右識別図柄927cが停止表示され、最後に中識別図柄927bが停止表示される。これら演出表示装置927で停止表示される3つの識別図柄927a,927b,927cの組合せは、前述した第1図柄表示装置928あるいは第2図柄表示装置932で停止表示される特別図柄(第1特別図柄あるいは第2特別図柄)の停止表示態様と連動するように構成されている。たとえば、第1特別図柄あるいは第2特別図柄が「大当り図柄」で停止する場合は、演出表示装置927の3つの識別図柄927a,927b,927cが同じ図柄で停止表示される。また、第1特別図柄あるいは第2特別図柄が「外れ図柄」で停止する場合は、3つの識別図柄927a,927b,927cは同じ図柄で揃わない組合せで停止表示される。パチンコ機901では、特別図柄および識別図柄が変動表示を開始してから停止表示することによって、1回の遊技が行われる。
以上のようなパチンコ機901では、1回の遊技が開始されるとき、すなわち、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動表示が開始されるときに、該変動表示に連動した演出表示装置927における演出のパターン(演出パターン)が決定され、該演出パターンに基づいた演出が実行される。
このようなパチンコ機901においても、実施例で説明したような履歴情報を記憶することが可能である。すなわち、所定の演出を実行させるミッションを達成したか否かを履歴情報として記憶して、コンテンツサーバ800に保存させることが可能である。
そこで、本変形例のパチンコ機901でも、実施例の「特別会員登録機能」に相当する機能が無効に設定された期間および有効に設定された期間を設ける。これにより、「特別会員登録機能」を利用した特別会員登録に対する遊技者の意欲を高めることが可能となる。従って、会員登録を促進させて、特殊モードで遊技を進行させる遊技者の増加を図ることができ、この結果、遊技機の稼働を向上させることが可能となる。
以上、本発明について実施例および変形例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上述した実施例では、接続先コードに登録特典情報が含まれているか否かによって、コンテンツサーバ800は、該コードが特別会員登録用か通常会員登録用かを判断する構成とした。これに代えて、遊技機1は、特別会員登録を行うときと通常会員登録を行うときとで異なる接続先(URL)が含まれる接続先コードを生成して、コンテンツサーバ800は、接続先コードに含まれる接続先に応じて、該コードが特別会員登録用か通常会員登録用かを判断するように構成してもよい。
また、上述した実施例では、特別期間においては通常会員登録機能および特別会員登録機能の両方を有効に設定する構成としたが、特別期間においては、これらのうち特別会員登録機能のみを有効に設定する構成としてもよい。
また、上述した実施例では、デモ演出中に通常予告演出あるいは特別予告演出を実行する構成としたが、デモ演出が行われてない期間も予告演出を実行する構成としてもよい。
また、特別会員登録機能が有効に設定されている期間に応じて、遊技者に付与する登録特典の種類や、所定の登録特典を付与する確率が設定されている構成としてもよい。こうすると、特別会員登録機能が有効に設定されている期間における登録特典の付与を種々の態様で行うことができ、特別会員登録に対する遊技者の興趣を高めて、遊技者の会員登録を促進させることが可能となる。
また、登録特典として、携帯電話の壁紙や着信音等のコンテンツを遊技者に付与する構成としてもよい。
また、上述した実施例では、特別期間においては通常会員登録機能および特別会員登録機能の両方を有効に設定する構成としたが、これらのうち特別会員登録機能のみを有効に設定する構成としてもよい。
また、図42に示す通常期間用メニュー画面において、特別期間では特別会員登録が可能なことを報知する構成としてもよい。