JP5600627B2 - 送信機、受信機、送信方法及び受信方法 - Google Patents

送信機、受信機、送信方法及び受信方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5600627B2
JP5600627B2 JP2011070924A JP2011070924A JP5600627B2 JP 5600627 B2 JP5600627 B2 JP 5600627B2 JP 2011070924 A JP2011070924 A JP 2011070924A JP 2011070924 A JP2011070924 A JP 2011070924A JP 5600627 B2 JP5600627 B2 JP 5600627B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal sequence
shift amount
unit
sequence
frequency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011070924A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012205282A (ja
Inventor
啓正 藤井
浩人 安田
浩樹 原田
俊二 三浦
英俊 加山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTT Docomo Inc
Original Assignee
NTT Docomo Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTT Docomo Inc filed Critical NTT Docomo Inc
Priority to JP2011070924A priority Critical patent/JP5600627B2/ja
Publication of JP2012205282A publication Critical patent/JP2012205282A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5600627B2 publication Critical patent/JP5600627B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、移動通信システムにおける送信機、受信機、送信方法及び受信方法に関連する。
従来、送信機が送信する信号に波形特徴量を付与することで、受信機が特定のシステムの存否等を検出できるようにする技術がある。波形特徴量とは、無線信号の統計的な性質を表す量であり、例えば二次の周期自己相関値(Cyclic Autocorrelation Function:CAF)等を使用することができる。この種の技術については、例えば特許文献1に記載されている。さらに、IFFTを行って送信信号を生成する場合において、信号系列に周波数シフト又は時間シフトを適用し、そのシフト量を波形特徴量として使用する技術もある。
特開2008−61214号公報
しかしながら、従来の方法の場合、例えば以下のような問題点があった。
1.周波数シフト量を波形特徴量として使用する場合、その周波数シフト量は、送信する基本信号系列(例えば、リファレンス信号)の無線リソースの位置と、基本信号系列から導出される2次信号系列の無線リソースの位置の差分と、OFDMシンボルのようなシンボル単位で加えられる位相回転量とにより決定される。この場合、様々な位相回転量が加えられた複数のOFDMシンボルが必要になり、1つの周波数シフト量を実現するために、複数のOFDMシンボルが必要になってしまうという問題がある。
2.2次の周期自己相関値CAFを用いて信号の存否を検出する場合、相関値の大きさに基づいて信号の存否が判断される。相関を計算する際、検出対象の信号と他の信号との間で干渉が生じてしまうので、信号の存否の検出精度が、検出対象でない信号の存在によって悪くなってしまうとう問題がある。
3.1つの基本信号系列又は2次信号系列を、帯域全体のうちの一部のサブキャリアで送信する場合、適用可能な時間シフト量に制限が生じるが、従来の技術ではこの点について検討がなされておらず、適切でない時間シフト量を使用してしまう問題がある。
4.複数のユーザが同時に同じ周波数を使用する場合、時間シフトや周波数シフトのみで信号を識別しようとすると、識別可能なユーザ数を十分に大きな数にできないという問題がある。
5.基本信号系列長が短かった場合、ある基本信号系列に対してある時間シフト又は周波数シフト量を加えた場合と、その基本信号系列に別の時間シフト又は周波数シフトを加えた場合とで同様なピークが発生し、それらを識別することが容易でないという問題がある。
6.2次の周期自己相関値のピークの存否を判定する際、従来の技術の場合、演算負担が大きいという問題がある。
本発明の課題は、上記の問題点のうちの1つ以上を解決することである。
一実施例における送信機は、
基本信号系列を生成する基本信号系列生成部と、
前記基本信号系列を、指定された周波数シフト量だけ周波数領域においてサイクリックシフトし、かつ指定された時間シフト量だけ時間領域においてサイクリックシフトしたものに等しい2次信号系列を生成する2次信号系列生成部と、
前記基本信号系列及び前記2信号系列を多重する多重部と、
前記多重部からの出力を逆フーリエ変換するIFFT部と、
IFFT部からの出力を含む送信信号を送信する送信部と
を有する、移動通信システムにおける送信機である。
一実施例によれば、上記の問題点の内の1つ以上を解決することができる。
2次の周期自己相関値CAFを説明するための図。 実施例において使用される送信機の機能ブロック図。 図1Aに示されている2次信号系列生成部の機能ブロック図。 基本/2次信号系列の多重方法を示す図。 基本/2次信号系列の別の多重方法を示す図。 基本/2次信号系列のさらに別の多重方法を示す図。 図1Bに示されている2次信号系列生成部の代替例を示す図。 送信機における動作例を示すフローチャート。 実施例において使用される受信機の機能ブロック図。 図6に示されている2次元相関検出部の機能ブロック図。 図6及び図7に示されている閾値決定部の詳細な機能ブロック図。 CAFの分布に応じてマージンを変更する例を説明するための図。 図6に示されている2次元相関検出部の代替例の機能ブロック図。 受信機における動作例を示すフローチャート。 通信環境の一例を示す図。 符号拡散を行う場合の2次信号系列生成部の機能ブロック図。 送信機において符号拡散が行われる場合に使用される受信機の機能ブロック図。 データ伝送領域及び閾値判定領域の設定例を示す図。 データ伝送領域及び閾値判定領域の設定例を示す図。 データ伝送領域及び閾値判定領域の設定例を示す図。
1番目の問題に関し、送信する信号に対して、周波数領域における巡回シフトを行うことで、たとえOFDMシンボルが1つであっても、所望の量だけ周波数シフトした信号を作成することができるようになる。ただし、これを実現するには、基本信号系列及び2次信号系列が配置されているシンボルの位置を正確に検出する必要があるので、これらの系列の配置情報や周波数同期の情報が必要になる。配置情報は、例えば、各系列がどの周波数サブキャリアにマッピングされているかを示す情報等を含む。周波数同期の情報は、例えば、信号の中心周波数、帯域幅、シンボルのタイミング等の情報を含む。
2番目の問題に関し、基本信号系列及び2次信号系列が伝送される無線リソースの位置を受信機側で既知であるとすることで、受信信号から基本信号系列又は2次信号系列をそれぞれ抽出することが可能になる。このため、検出対象の信号についての相関を計算する際に、検出対象でない信号による干渉が混入するおそれを簡易に防止できる。
3番目の問題に関し、後述するように、適用される無線リソース情報等に基づいて、適用可能な時間又は周波数シフト量を知ることができる。
4番目の問題に関し、2次信号系列を生成する際に、基本信号系列に符号拡散を乗算し、乗算する拡散符号を適宜使い分けることで、同時に同じ周波数を利用するユーザの信号を区別できるようにする。
5番目の問題に関し、相関の高い系列とシフト量の組を予め検証しておき、これらのシフト量を使用しないようにすることで、伝送品質の劣化を防ぐことができる。
6番目の問題に関し、高速フーリエ変換FFT又は逆高速フーリエ変換IFFTのポイント数に等しい又は同等な系列長の系列を使用し、複数のピーク位置に対して共通の閾値の使用することで、計算量の削減を図ることができる。
以下の観点から実施例を説明する。
1.波形特徴量
2.送信機
3.受信機
4.第1の変形例
5.第2の変形例
<1.波形特徴量>
信号の波形は、中心周波数、周波数帯域幅、送信電力、変調方式、送信シンボル等の様々な通信パラメータによって決定されるものであり、逆に言えば信号波形には上記のような通信パラメータの特徴が含まれている。このような特徴は、本願において「波形特徴量」又は「特徴量」と言及される。波形特徴量は、信号波形の持つ統計的な特性に関する情報であり、様々な量で表現できる。例えば、2次の周期自己相関値によって得られる周期定常性や、信号振幅の分散値、周波数相関値等により、波形特徴量が表現される。
以下に説明する実施例では、送信機が送信する信号に、周波数シフト及び時間シフトを適用することで、所定の波形特徴量が付与されている。受信機は、受信した信号を分析してそのような波形特徴量を検出することで、特定の信号の存否等を検出することができる。波形特徴量は様々な量で表現できるが、以下の説明では、信号の周期自己相関値(Cyclic Autocorrelation Function:CAF)が波形特徴量として使用されている。この場合、信号の性質(例えば、データ変調方式等)に起因して、ある固有のパラメータ(サイクリック周波数α及びラグパラメータν)が周期自己相関値の計算に使用された場合にのみ、周期自己相関値CAFの値が大きくなる、という性質が利用される。また、同一の変調方式を用いる信号に対して異なる周期定常性の特徴量を付与することもできる。
一般に、信号x(t)に対する2次の周期自己相関関数の値(CAF)は、以下の数式により算出される。
Figure 0005600627
ここで、*は複素共役を表す。Iは観測時間長を表す。αはサイクリック周波数(cyclic frequency)又は後述の周波数シフト量を表す。τはラグパラメータ(lag parameter)又は後述の時間シフト量を表す。
2次の周期自己相関値CAFに関し、一般に、α≠0のときにRx α(τ)≠0ならば、x(t)は周期定常性を有する。
また、式(1)の離散時間表現は次のようになる。
Figure 0005600627
ここで、I0は観測サンプル数を表す。νはラグパラメータの離散時間表現を表す。なお、x[i]≡x(iTs)であり、Tsはサンプリング周期を表す。
図1Aに示すように、2次の周期自己相関値CAFは、特定のパラメータの組み合わせ(α,ν)の場合に大きな値(ピーク値)をとり、他のパラメータの組み合わせに対しては小さな値をとる。本実施例では、送信する信号を周波数軸方向に或る量だけ巡回シフト又はサイクリックシフト)することで、その信号のピークが立つ位置を周波数軸方向にずらす。また、送信する信号を時間軸方向に或る量だけ巡回シフト又はサイクリックシフト)することで、その信号のピークが立つ位置を時間軸方向にずらす。例えば、ある信号の2次の周期自己相関値CAFのピークが(α,ν)において生じる場合、その信号を周波数軸方向に巡回シフトし、かつ時間軸方向に巡回シフトすることで、ピークが生じる位置を(α+Δα,ν+Δν)に変更することができる。したがって、例えばピークが立つ位置の巡回シフト量の組み合わせ(α,ν)と、特定のデータとを予め対応付けておけば、受信機は、ピークの位置を判別することで、送信されたデータが何であるかを判別できる。
<2.送信機>
図1Bは本実施例において使用される送信機の機能ブロック図を示す。図1Bには送信機に備わる様々な機能要素のうち、本実施例に特に関連する機能部又は処理部が示されている。送信機は、基本信号系列生成部11、2次信号系列生成部12、リソース割当制御部13、多重及びサブキャリアマッピング部14、高速逆フーリエ変換部(IFFT)15及びガードインターバル(GI)付与部16を少なくとも備えている。
基本信号系列生成部11は、当該技術分野で既知の何らかの方法により、信号系列を生成する。信号系列は、送信機が送信する任意の信号とすることができるが、後述する2次信号系列を生成する基礎となる信号系列である。基本信号系列生成部11は、ユーザが送信するデータ信号系列に対して、誤り訂正符号化、インターリーブ、シンボルマッピング等を適用することで、基本信号系列を生成する。ここで、当該技術分野で既知の何らかの法を用いる場合、例えば、M系列、gold系列或いはこれらの系列の一部が、例えばBPSKのようなシンボルにマッピングされてもよい。シンボルにマッピングされた後のシンボル系列に対して、ヌルシンボル等を付加することで、系列長が調整されてもよい。ここで、信号の系列長は、FFTポイント数の2n分の1であることが好ましい(nは自然数)。
2次信号系列生成部12は、基本信号系列に基づいて2次信号系列を生成する。2次信号系列生成部12については、後に図2を参照しながら説明する。
リソース割当制御部13は、基本信号系列及び2次信号系列を送信するのに使用する無線リソースの位置を決定する。例えば、当該送信機が基地局であった場合、無線チャネル状態に基づくスケジューリングにより無線リソースが決定されてもよい。当該送信機がユーザ装置であった場合、リソース割当制御部13は、基地局から指定された無線リソースが何であるかを示す信号を出力してもよい。l
多重及びサブキャリアマッピング部14は、リソース割当制御部13により指定されたリソースに基本信号系列及び2次信号系列を、時間軸方向及び周波数軸方向において、多重又はマッピングする。多重又はマッピングの仕方は様々である。
図3Aは基本信号系列及び2次信号系列をTDM方式により多重する方法の一例(フレーム構造)を示す。説明の便宜上、フレームは、直交周波数多重分割(OFDM)方式のシンボル(OFDMシンボル)を複数個含むものとする。図示の例の場合、システム帯域全域にわたる全サブキャリアを使用して、基本信号系列のOFDMシンボルの後に、2次信号系列のOFDMシンボルが送信されている。使用されるサブキャリアが、システム帯域の全部であることは必須でなく、一部のサブキャリアを用いて基本信号系列及び2次信号系列が送信されてもよい。
図3Bは基本信号系列及び2次信号系列をFDM方式により多重する別の方法例(フレーム構造)を示す。図示の例の場合、システム帯域におけるサブキャリアの半分を使用して、基本信号系列及び2次信号系列を含む1つのOFDMシンボルが送信されている。この例の場合も、半分より少ないサブキャリアを用いて基本信号系列及び2次信号系列が送信されてもよい。
図3Cも基本信号系列及び2次信号系列をFDM方式により多重する別の方法例(フレーム構造)を示す。図示の例の場合、基本信号系列及び2次信号系列のサブキャリアが交互に配置されている。言い換えれば、基本信号系列は1サブキャリアおきにくしの歯状に等間隔にマッピングされ、2次信号系列も1サブキャリアおきにくしの歯状に等間隔にマッピングされている。等間隔にマッピングする間隔は2以上のサブキャリアであってもよい。
図1Bの高速逆フーリエ変換部(IFFT)15は、基本信号系列及び2次信号系列が多重された信号を、高速逆フーリエ変換し、時間領域の信号を出力する。
ガードインターバル(GI)付与部16は、IFFT部115からの出力に対して、ガードインターバル又はサイクリックプレフィックスを付加することで、OFDMシンボルを出力する。一例として、ガードインターバルは、OFDMシンボルの有効シンボルの一部分をコピーすることで作成され、有効シンボルとガードインターバルとを結合することで、OFDMシンボルが完成する。OFDMシンボルを所定数個含む送信信号は、不図示の無線送信部により無線送信される。
図2は、図1Bの2次信号系列生成部12の詳細な機能ブロック図を示す。図2には、適用可能シフト量制御部21、適用不可能シフト量記憶部22、シフト量決定部23、周波数シフト部24、位相回転量算出部25及び時間シフト量適用部26が示されている。
適用可能シフト量制御部21は、送信信号に使用可能な又は適用可能な周波数シフト量及び時間シフト量をシフト量決定部23に通知する。あるいは、使用できない又は適用できない周波数シフト量及び時間シフト量を通知してもよい。適用可能な周波数シフト量及び時間シフト量が具体的に何であるかについては、後述する。本実施例におけるシフト量は、周波数軸方向又は時間軸方向における信号の巡回シフト量を示す。
適用不可能シフト量記憶部22は、適用できない周波数シフト量及び時間シフト量を記憶する。適用可能シフト量制御部21は、適用できない周波数シフト量及び時間シフト量以外の周波数シフト量及び時間シフト量をシフト量決定部23に通知する。
シフト量決定部23は、使用できない周波数シフト量及び時間シフト量に基づいて、実際に送信信号に適用する周波数シフト量及び時間シフト量を決定する。シフト量決定部23は、データと、周波数シフト量と、時間シフト量との対応関係を示す所定のテーブルを参照し、実際に送信するデータに対応する周波数シフト量及び時間シフト量を求める。例えば、そのようなテーブルは、データ1に対して周波数シフト量α1及び時間シフト量ν1を対応付け、データ2に対して周波数シフト量α2及び時間シフト量ν2を対応付け、データ3に対して周波数シフト量α3及び時間シフト量ν3を対応付け、以下同様にして対応関係が予め定められている。データ1、2、3、...は、任意のデータとすることができる。例えば、データ1を「00」、データ2を「01」、データ3を「10」及びデータ4を「11」のようなビット列としてもよい。シフト量決定部23は、送信するデータに対応する周波数シフト量を周波数シフト部24に通知し、送信するデータに対応する時間シフト量を位相回転量算出部25に通知する。
周波数シフト部24は、通知された周波数シフト量の分だけ、基本信号系列を周波数領域において巡回シフト又はサイクリックシフトする。周波数シフト部24に入力される基本入力信号系列は、周波数領域におけるものである。例えば、この基本入力信号系列のM個のデータd1、d2、...、dMがM個のサブキャリア#1、#2、...、#Mにそれぞれ対応付けられており、周波数シフト量が1サブキャリアであったとする。この場合、周波数シフト部24が出力するM個のサブキャリアのデータは、それぞれd2、d3、...、dM 、d1となる。周波数シフト量が2サブキャリアであった場合、周波数シフト部24が出力するM個のサブキャリアのデータは、それぞれd3、d4、...、dM 、d1、d2となる。なお、巡回シフトする向きは、単なる一例にすぎず、逆向きでもよい。
位相回転量算出部25は、時間シフト量に対応する位相回転量を算出する。一般に、ある信号Xを時間軸上でシフトした信号Yを実現する場合、直接的な方法は、信号Xを時間軸上でずらす操作を行うことである。しかしながら別の方法もあり、それは周波数領域において行われる。この方法の場合、時間領域の信号Xをフーリエ変換し、信号Xの個々の周波数成分(個々のサブキャリア)に、時間シフト量に対応する位相回転を適用し、逆フーリエ変換することである。何れの方法によっても、信号Xを時間軸上でシフトした信号Yが得られる。図示の例では、このように周波数領域において、時間シフトを実現している。このため、位相回転量算出部25は、シフト量決定部23から通知された時間シフト量に対応する複数の位相回転量を算出し、それら複数の位相回転量を時間シフト適用部26に通知している。
時間シフト量適用部26は、位相回転量算出部25から通知された複数の位相回転量の各々を、周波数シフト部24の出力の複数のサブキャリア成分のうち、各自に対応するものに乗算する。時間シフト量適用部26の出力は、図1Bの多重及びサブキャリアマッピング部14に入力された後IFFT部15により時間領域の信号に変換される。これにより、指定された時間シフト量だけ時間軸方向にシフトした信号が実現される。
次に、適用可能な巡回シフト量について説明する。基本信号系列の系列長をKとすると、適用可能な周波数シフト量は、原則として、0、1、...(K−1)である。適用可能な時間シフト量は、無線リソースの割当パターン(多重法)に依存して異なる。
図3Aに示すような割当パターンの場合、適用可能な時間シフト量は、0、N、2N、...、(K−1)×Nのうちの何れかである。ただし、N=ceil(FFTポイント数/系列長)であり、ceilは、引数以上の最小の整数を返す天井関数である。例えば、図3Aにおいて、基本及び2次信号系列がそれぞれシステム帯域全体を占め、FFTポイント数が系列長に等しかったとする。この場合、N=1であり、適用可能な時間シフト量は、0、1、2、...(K−1)となる。
図3Bに示すような割当パターンの場合も、図3Aの場合と同様に、適用可能な時間シフト量は、0、N、2N、...、(K−1)×Nのうちの何れかである。ただし、N=ceil(FFTポイント数/系列長)である。例えば、図3Bにおいて、基本及び2次信号系列がそれぞれシステム帯域全体の半分を占め、FFTポイント数(例えば、1024)が、系列長(512)の2倍であったとする。この場合、N=2であり、適用可能な時間シフト量は、0、2、4、...(K−1)×2となる。
図3Cに示すような割当パターンの場合、適用可能な時間シフト量は、0、1、2、...、(K−1)のうちの何れかである。ただし、N=ceil(FFTポイント数/系列長)である。例えば、図3Cにおいて、基本及び2次信号系列がそれぞれシステム帯域全体の半分を占め、FFTポイント数が、系列長の2倍であったとする。この場合、N=2であり、適用可能な時間シフト量は、0、1、2、...(K−1)となる。
図3A及び図3Bの場合に、適用可能な時間シフト量が、符号長Kの数より少なくなってしまうのは、一部のサブキャリアを使用しないことに起因して、判別できない或いは判別が困難な時間シフト量が生じるためである。例えば、ある時間シフト量X1を送信し、受信機が受信する場合、時間シフト量X1にのみピークが発生することが望ましいが、時間シフト量X2(≠X1)でも大きなピークが発生してしまうおそれがある。このように、判別できない或いは判別しにくい時間シフト量を使用すると、誤検出や検出見逃しとなってしまう確率が高くなり、伝送品質を向上させる観点からは好ましくないので、適用可能な時間シフト量から除外される。
図3A−Cに示す以外の無線リソースの割当パターンが用いられてもよいが、その際は、適用可能な時間シフト量を事前に調べておくことが望ましい。すなわち、判別が困難になる時間シフト量を実験により又はシミュレーションにより事前に特定し、そのような時間シフト量が使用されてないようにすることが望ましい。
また、信号の系列長が短かかった場合、第1の信号系列の時間シフト量X1及び周波数シフト量Y1に対応するピークが、同一或いは異なる第2の信号系列の時間シフト量X2及び周波数シフト量Y2に対応するピークと同程度に高くなり、信号伝送の誤りの原因となってしまうことも懸念される。そこで、使用される信号系列が既知であった場合、予め相関が高いピークが発生する巡回シフト量を確認しておき、上記と同様に一部の巡回シフト量を適用しないようにすることで、伝送品質の劣化を回避することが可能である。この場合、図2の適用不可能シフト量記憶部22において、適用できない又は相応しくない巡回シフト量を記憶しておき、適用可能シフト量制御部21がこれらの巡回シフト量を選択しないようにすることが好ましい。後述するように、一部の巡回シフト量を判定閾値の決定に使用する場合、これらの巡回シフト量についても、適用不可能な巡回シフト量として記憶しておくことが望ましい。
さらに、割り当てる無線リソースや、使用される信号系列が固定されている場合、シフト量決定部23が適用可能な巡回シフト量を予め記憶しておき、巡回シフト量を指定するようにしてもよい。
図4は、時間シフトを実現する別の方式を示す。説明済みの要素には図1B、図2におけるものと同じ参照番号が付されている。この方式の場合、基本系列信号が周波数シフト部24において周波数シフト(サイクリックシフト)される。周波数シフトが適用された基本信号系列は、多重及びサブキャリアマッピング部42において、リソース割当制御部13からの指示にしたがってリソースにマッピングされ、IFFT部43に入力される。IFFTの際、信号系列がマッピングされないサブキャリアにはヌルシンボルが入力される。IFFT後の出力(時間信号)に対して、時間シフト部44は巡回シフトを適用する。例えば、その時間信号のM個の時間サンプル#1、#2、...、#Mにおけるデータが、それぞれd1、d2、...、dMであり、時間シフト量が1時間サンプルであったとする。この場合、時間シフト部44が出力するM個の時間サンプルのデータは、それぞれd2、d3、...、dM 、d1となる。時間シフト量が2時間サンプルであった場合、時間シフト部44が出力するM個の時間サンプルのデータは、それぞれd3、d4、...、dM 、d1、d2となる。なお、巡回シフトする向きは、単なる一例にすぎず、逆向きでもよい。時間シフト部44からの出力は、多重及びサブキャリアマッピング部45において、IFFTが適用された基本信号系列と多重される。この場合における多重は、対応する時間シンボル毎の加算である。その後、多重及びサブキャリアマッピング部45の出力は、GI付加部16に入力され、無線送信される。
図5は、送信機における動作例を示すフローチャートである。フローはステップS51から始まり、ステップS52に進む。
ステップS52において、送信機は、送信する信号に応じて、周波数シフト量及び時間シフト量を決定する。例えば、送信機は、データと巡回シフト量(周波数シフト量及び時間シフト量)との所定の対応関係にしたがって、送信する信号に対応する巡回シフト量を決定する。
ステップS53において、送信機は、周波数領域において、送信する信号(基本信号系列)を周波数シフト量の分だけ巡回的にシフト(サイクリックシフト)する。
ステップS54において、送信機は、時間領域において、送信する信号(基本信号系列)を時間シフト量の分だけ巡回的にシフト(サイクリックシフト)する。あるいは、送信機は、周波数領域において、送信する信号(基本信号系列)の各サブキャリアに、時間シフト量に対応する位相回転をそれぞれ加えることで、時間的なサイクリックシフトに等価な処理を周波数領域で行ってもよい。いずれにせよ、ステップS54の後、周波数シフト及び時間シフトがなされた基本信号系列が得られる。
ステップS55において、周波数シフト及び時間シフトがなされた基本信号系列にガードインターバルが付加され、OFDMシンボルが生成される。
ステップS56において、所定数個のOFDMシンボルを含む送信信号が無線送信され、フローはステップS57に進み、終了する。
<3.受信機>
図6は、上記の送信機に対応する受信機の機能ブロック図を示す。図6には受信機に備わる様々な機能要素のうち、本実施例に特に関連する機能部又は処理部が示されている。受信する信号の中心周波数、受信する信号の帯域幅、無線リソースの利用パターン(配置情報)、受信する信号のタイミング等の情報は、受信機にとって既知であるものとする。受信機は、高速フーリエ変換部(FFT)61、基本信号系列抽出部62、2次信号系列抽出部63、2次元相関検出部64、閾値決定部65及び情報検出部66を少なくとも備えている。
高速フーリエ変換部(FFT)61は、受信した信号を高速フーリエ変換することで、受信した信号を周波数領域の信号に変換する。
基本信号系列抽出部62は、変換された周波数領域の信号から、基本信号系列を抽出する。受信機は、基本及び2次信号系列の配置情報及び周波数同期の情報を既に所有しているので、受信信号から基本信号系列を抽出することができる。
2次信号系列抽出部63は、変換された周波数領域の信号から、2次信号系列を抽出する。
2次元相関検出部64は、取得した基本信号系列と、取得した2次信号系列に時間シフト及び周波数シフトの逆操作を適用したものとの2次の周期自己相関値CAFを計算し、ピークの有無を判定する。この点については後述する。
閾値決定部65は、ピークの有無を判定する際に使用される閾値を決定する。
情報検出部66は、ピークに対応するデータを検出し、不図示の処理部に通知する。
図7は、受信機の2次元相関検出部64の詳細な機能ブロック図を示す。図7には、閾値決定部65に加えて、シフト量制御部71、逆高速フーリエ変換部(IFFT部)72、時間逆シフト適用部73、高速フーリエ変換部(FFT部)74、周波数逆シフト適用部75、相関計算部76及びピーク検出部77が示されている。
シフト量制御部71は、送信機において使用された時間シフト量を時間逆シフト適用部73に通知し、かつ送信機において使用された周波数シフト量を周波数逆シフト適用部75に通知する。
逆高速フーリエ変換部(IFFT部)72は、受信信号から取得された2次信号系列を逆高速フーリエ変換し、2次信号系列を時間領域の信号に変換する。
時間逆シフト適用部73は、時間領域の信号に対して巡回シフトを適用する。例えば、時間信号のM個の時間サンプル#1、#2、...、#Mにおけるデータが、それぞれd1、d2、...、dMであり、送信側で適用された時間シフト量が1時間サンプルであったとする。この場合、時間逆シフト適用部73が出力するM個の時間サンプルのデータは、それぞれdM、d1、d2、...、dM-1となる。送信側で適用された時間シフト量が2時間サンプルであった場合、時間逆シフト部73が出力するM個の時間サンプルのデータは、それぞれdM-1、dM、d1、...、dM-2となる。なお、巡回シフトする向きは、単なる一例にすぎず、逆向きでもよい。要するに、送信側で行われる巡回シフトの向きと、受信側で行われる巡回シフトの向きが逆向きであればよい。
高速フーリエ変換部(FFT部)74は、巡回的に時間シフトされた2次信号系列を高速フーリエ変換し、2次信号系列を周波数領域の信号に変換する。
周波数逆シフト適用部75は、周波数領域の信号に対して巡回シフトを適用する。例えば、2次信号系列のM個のデータd1、d2、...、dMがM個のサブキャリア#1、#2、...、#Mにそれぞれ対応付けられており、送信側で適用された周波数シフト量が1サブキャリアであったとする。この場合、周波数逆シフト適用部75が出力するM個のサブキャリアのデータは、それぞれdM、d1、d2、...、dM-2 、dM-1となる。送信側で適用された周波数シフト量が2サブキャリアであった場合、周波数逆シフト適用部75が出力するM個のサブキャリアのデータは、それぞれdM-1、dM、d1、...、dM-2となる。なお、巡回シフトする向きは、単なる一例にすぎず、逆向きでもよい。要するに、送信側で行われる巡回シフトの向きと、受信側で行われる巡回シフトの向きとが逆向きであればよい。
このように、ある時間逆シフトが適用された2次信号系列を記憶しておき、この時間逆シフトに対応する全ての周波数逆シフト信号を、記憶している信号を用いて生成できる。このため、時間逆シフト及び周波数逆シフトが適用された2次系列受信信号を比較的小さな計算量で生成することができる。
相関計算部76は、基本信号系列と、時間シフト及び周波数シフトが逆向きに適用された2次信号系列との周期自己相関値CAFを計算し、相関値のピークを検出する。上述したように、周期自己相関値CAFは、巡回シフト量(周波数シフト量α及び時間シフト量ν)の組み合わせにより指定される。周波数シフト量はサイクリック周波数αに対応する。時間シフト量はラグパラメータνに対応する。相関計算部76は、受信する可能性のある全ての信号について2次の周期自己相関値CAFを計算する必要があるので、ピークが存在する可能性がある全ての巡回シフト量(α,ν)の組み合わせに対して相関値を計算する。巡回シフト量の組み合わせが何であるかは、シフト量制御部71から通知される。
ピーク検出部77は、相関計算部76により計算された2次の周期自己相関値CAFが、予め指定された閾値を超えるか否かを判定することで、ピークの有無を判定する。また、無線リソースにおいてピークが存在することが既知であった場合は、最も大きなピークの相関値CAFが選択される。ピークに対応する巡回シフト量の組み合わせ(α,ν)は、図6の情報検出部66に通知され、巡回シフト量の組み合わせに対応するデータが検出される。
図8は、図6及び図7に示されている閾値決定部65の詳細な機能ブロック図を示す。概して、閾値決定部は、図7に示されている71−76と同様に、シフト量制御部81、逆高速フーリエ変換部(IFFT部)82、時間逆シフト適用部83、高速フーリエ変換部(FFT部)84、周波数逆シフト適用部85及び相関計算部86を有する。これらの要素81−86は、図7に示されている要素71−76と同様であるので説明を省略する。閾値決定部65が要素71−76と別に要素81−86を有することは必須ではなく、それらが共用されてもよい。
閾値算出部87は、相関計算部86において計算された全ての相関値CAFから、最大値、平均値及びノイズレベル等を判別し、これらに基づいて閾値を決定する。例えば、閾値算出部87は、相関値CAFのノルムの平均値を求め、この平均値に既定のマージンを加算することで、閾値を求めてもよい。さらに、マージンは、相関値CAFのノルムの分散に応じて異なってもよい。
図9に示すように、相関値CAFの分散が小さかった場合、マージンを小さくすることが考えられる。相関値CAFの分布が、特定の巡回シフト量(α,ν)に集中していた場合、閾値が低くてもピークの検出精度は劣化しないからである。これに対して、相関値CAFの分散が大きかった場合、マージンを大きくすることが考えられる。相関値CAFが様々な巡回シフト量(α,ν)にわたって分布していた場合、閾値を高くしなければピークの検出精度が劣化してしまうからである。分散値とマージンの関係は、誤検出確率(ピークが存在しないにもかかわらずピークとして判断してしまう確率)、検出見逃し確率(ピークが存在するのに、ピークがないと判断してしまう確率)を考慮して、予め受信機に記憶しておくことが好ましい。
図10は、2次元相関検出部の代替例の機能ブロック図を示す。周波数領域で相関値を計算する図7に示す例とは異なり、図10に示す例は、相関計算部76が時間領域において相関値を計算している。このため、周波数領域の基本信号系列を時間領域の系列に変換する逆高速フーリエ変換部(IFFT部)101が、相関計算部76の入力側に設けられている。また、時間領域の2次信号系列を相関計算部76に入力する必要があるので、2次信号系列の処理の順序が変更されている。具体的には、2次信号系列は、周波数逆シフト適用部75、IFFT部72及び時間逆シフト適用部73を経て相関計算部76に入力される。相関計算部76は、時間領域の基本信号系列及び2次信号系列について2次の周期自己相関値CAFを計算し、計算結果をピーク検出部77に通知する。
この構成の場合、周波数逆シフトが適用された2次信号系列を記憶しておき、その周波数逆シフトに対応する全ての時間逆シフト信号を、記憶している信号を用いて生成することで、時間及び周波数逆シフトが適用された2次系列受信信号を比較的小さな計算量で生成することができる.
図11は、受信機における動作例を示すフローチャートである。フローはステップS111から始まり、ステップS112に進む。
ステップS112において、受信機は、受信信号から基本信号系列及び2次信号系列を抽出する。
ステップS113において、受信機は、周波数逆シフト及び時間逆シフトが適用された2次信号系列を導出する。
ステップS114において、受信機は、基本信号系列と、周波数逆シフト及び時間逆シフトが適用された2次信号系列との2次の周期自己相関値CAFを計算する。
ステップS115において、受信機は、計算した相関値CAFのピークを検出し、ピークに対応する情報を検出し、フローはステップS116に進み、終了する。
本実施例による送信機及び受信機を使用する場合、周波数方向の巡回シフトを用いているので、OFDMシンボル1つで送信信号に周波数シフトを適用することができ、少ない計算量で効率的な信号伝送を行うことが可能になる。無線リソースの割当パターンや系列長に応じて適用可能な巡回シフト量(周波数シフト量及び時間シフト量)を制御することにより、ピーク判定における誤判定確率を低減させることができる。さらに、受信機において、対象となる系列の信号のみを抽出して相関検出を行うので、他の信号からの干渉の影響を低減(誤判定確率を低減)でき、かつ小規模なFFT及びIFFTによる少ない計算量で受信信号処理を実行できる。
<4.第1の変形例>
ところで、送信機及び受信機の組(ペア)が複数個存在する場合、受信機は、通信相手の送信機だけでなく、通信相手でない送信機からの信号も受信することになる。例えば、図12に示す環境の場合、端末A及び端末Bが通信を行っており、端末X及び端末Yが通信を行っている。この場合、端末A及びB間で通信されている信号が、端末X、Yに届くかもしれない。この場合、端末X、Yが計算する2次の周期自己相関値CAFは、自身の信号に対応する巡回シフト量のピークだけでなく、端末A及びB間の信号に対応する巡回シフト量のピークをも示す。これは、1対多の放送型の通信には適しているが、個々の端末が独立した独立した通信を行う場合には適切でない。この問題を解決する1つの方法として、本変形例では、符号拡散が使用される。
図13は、本変形例による2次信号系列生成部を示す。この2次信号系列生成部は、図1Bの2次信号系列生成部12として使用可能である。言い換えれば、この2次信号系列生成部は、図2の2次信号系列生成部の代替例である。概して、2次信号系列生成部は、図2に示されているのと同様な要素21−26を有することに加えて、拡散部131を有する。
拡散部131は、基本信号系列を符号拡散する。この場合における符号拡散は、基本信号系列に、送信機及び受信機間に固有の拡散符号を乗算する直接拡散方式により行われてもよい。あるいは、符号拡散は、基本信号系列に対して異なるインターリーブを適用することで行われてもよい。拡散された基本信号系列に対して、上述したように周波数シフト及び時間シフトが適用される。
図14は、送信機において符号拡散が行われる場合に使用される受信機の機能ブロック図を示す。概して、図6に示す構成と同様であるが、2次信号系列生成部63と2次元相関検出部64との間に逆拡散部141が設けられている点が異なる。逆拡散部141は、送信機の拡散部131に対応する処理を行うことで、逆拡散を行う。本変形例の場合、受信機は、逆拡散を行う必要があるので、送信機において使用されている拡散の方法が既知である必要がある。
本変形例の場合、端末毎に異なる拡散処理が行われるので、同一エリアで同一の無線リソースを使用して通信を行う送受信ペアが存在する場合においても、これらの送受信機間において独立な通信路を確立することができる。
<5.第2の変形例>
ところで、受信機が相関値CAFと閾値を比較してピークの有無を判定する際、その閾値を適切な値に設定しなければならないことは言うまでもない。2次の周期自己相関値CAFは、巡回シフト量(周波数シフト量及び時間シフト量)の様々な値に対して、様々な値をとり、相関値CAFの分布は領域によって異なる。例えば、一部の周波数シフト量に対して大きな干渉信号が存在するような場合がある。送信信号を符号拡散する上記の例の場合、拡散符号により信号を区別することで、信号系列が伝送されない無線リソース上からの干渉の影響は回避できる。しかし、信号系列が伝送される周波数帯域の一部に大きな干渉信号が存在する場合、受信機は干渉の影響を大きく受けるので、ピーク判定の閾値を高く設定する必要がある。さらに、周波数選択性フェージングの影響もあり、図3Cに示すようにくしの歯状に分散したリソース配置を用いる場合において、周波数シフト量が小さい場合、チャネル相関が高いので、所望信号のレベル及び他の干渉による背景雑音のレベルが大きくなる。この場合も閾値を高く設定する必要がある。したがって、閾値は、領域に応じた適切な値にすることが望ましい。さらに、閾値判定を行う周波数シフト量と、閾値を算出する巡回シフト量が、同様の値であることが好ましい.
このような要請に応じるため、本変形例では、ある周波数シフト量に対するピーク検出に用いる閾値を算出する領域を予め決定しておき、周波数シフト量ごとに異なる閾値を設定する。
図15は、周波数シフト量α及び時間シフト量νの2次元平面において、データを伝送するために使用するデータ伝送領域Dと、閾値を判定するための閾値判定領域Rとを設定している様子を示す。データ伝送領域Dに含まれている巡回シフト量の組み合わせ(α,ν)は、通信するデータに対応するものであり、データと巡回シフト量の組み合わせとの所定の対応関係から決定することができる。閾値判定領域Rの周波数シフト量の範囲は、データ伝送領域の周波数シフト量の範囲と同一になるように設定され、かつ何らかのピークが生じない領域として既知の領域である。
図16は、データ伝送領域及び閾値判定領域の設定例を示す。図示の例の場合、データ伝送領域D内の巡回シフト量(α,ν)に対応するピークを検出する際に使用される閾値は、閾値判定領域R内の巡回シフト量(α,ν)に対応する相関値から計算されたものである。すなわち、閾値判定領域Rにおける相関値CAFの平均値に所定のマージンを加えた閾値を用いて、データ伝送領域Dにおけるピークの有無が判定される。この方法の場合、検出対象のピークの周波数(サイクリック周波数又は周波数シフト量α)毎に、閾値が設定されてもよい。さらに、連続するサイクリック周波数又は周波数シフト量を一つのブロックとし、このブロックに閾値判定領域を設定してもよい。閾値判定領域Rは、何らかのピークが生じない領域であることが予め分かっている領域である。
図17は、データ伝送領域及び閾値判定領域の別の設定例を示す。図示の例の場合も、データ伝送領域D内の巡回シフト量(α,ν)に対応するピークを検出する際に使用される閾値は、閾値判定領域R内の巡回シフト量(α,ν)に対応する相関値から計算されたものである。閾値判定領域Rは、何らかのピークが生じない領域であることが予め分かっている領域である。
なお、図15−17に示す例では、データ伝送領域D及び閾値判定領域Rを排他的に分けているが、このことは必須ではない。例えば、基本信号系列の自己相関出力及び2次信号系列の自己相関出力から閾値を決定してもよい。相互相関と同様に、基本信号系列の自己相関出力及び2次信号系列の自己相関出力における各サブキャリアに対して、指定されている領域の相関値の平均値を求め、その平均値から閾値が算出されてもよい。相関値の平均値を算出する際、時間シフト量が0であり周波数シフト量も0である場合の相関値は、除外されることが望ましい。
さらに、別の方法として、2次信号系列(或いは基本系列受信信号)に対して使用されていない拡散符号を用いて符号拡散を行い、相関値を計算した後、上記と同様の方法で相関値を用いて閾値が算出されてもよい。また、閾値が周波数に依存する場合は、符号拡散としてインターリーブ型ではなく、直接拡散を用いることが好ましい。
以上本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、それらは単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。例えば、本発明は、波形特徴量を用いて信号の存否を検出する適切な如何なる移動通信システムに適用されてもよい。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。発明の理解を促すため具体的な数式を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数式は単なる一例に過ぎず適切な如何なる数式が使用されてもよい。実施例又は項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上のは項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。ソフトウェアは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD−ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に用意されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が本発明に包含される。
11 基本信号系列生成部
12 2次信号系列生成部
13 リソース割当制御部
14 多重及びサブキャリアマッピング部
15 高速逆フーリエ変換部(IFFT)
16 ガードインターバル(GI)付与部
21 適用可能シフト量制御部
22 適用不可能シフト量記憶部
23 シフト量決定部
24 周波数シフト部
25 位相回転量算出部
26 時間シフト量適用部
61 高速フーリエ変換部(FFT)
62 基本信号系列抽出部
63 2次信号系列抽出部
64 2次元相関検出部
65 閾値決定部
66 情報検出部
71 シフト量制御部
72 逆高速フーリエ変換部(IFFT部)
73 時間逆シフト適用部
74 高速フーリエ変換部(FFT部)
75 周波数逆シフト適用部
76 相関計算部
77 ピーク検出部

Claims (10)

  1. 基本信号系列を生成する基本信号系列生成部と、
    前記基本信号系列を、指定された周波数シフト量だけ周波数領域においてサイクリックシフトし、かつ指定された時間シフト量だけ時間領域においてサイクリックシフトしたものに等しい2次信号系列を生成する2次信号系列生成部と、
    前記基本信号系列及び前記2次信号系列を多重する多重部と、
    前記多重部からの出力を逆フーリエ変換するIFFT部と、
    IFFT部からの出力を含む送信信号を送信する送信部と
    を有する、移動通信システムにおける送信機。
  2. 前記2次信号系列生成部は、前記基本信号系列を指定された周波数シフト量だけ周波数領域においてサイクリックシフトし、サイクリックシフト後の基本信号系列のサブキャリア成分各々に、前記時間シフト量から導出された位相回転量を乗算することで、前記2次信号系列を生成する、請求項1記載の送信機。
  3. 前記多重部が、前記基本信号系列及び前記2次信号系列の各々に、複数の連続するサブキャリア群を割り当て、
    前記時間シフト量は0、N、2N、...又はK×N個の時間サンプルにより表現され、前記周波数シフト量0以上K以下のサブキャリア数により表現され、N=ceil(IFFTポイント数/系列長)であり、ceilは引数以上の最小の整数値を返す天井関数であり、Kは前記基本信号系列の系列長より1つ少ない値である、請求項1又は2に記載の送信機。
  4. 前記多重部が、前記基本信号系列及び前記2次信号系列の各々に、くしの歯状に並ぶ離散的なサブキャリア群を割り当て、
    前記時間シフト量は0以上K以下の時間サンプルの個数により表現され、前記周波数シフト量も0以上K以下のサブキャリア数により表現されKは前記基本信号系列の系列長より1つ少ない値である、請求項1又は2に記載の送信機。
  5. 送信機から受信した信号をフーリエ変換するFFT部と、
    フーリエ変換後の信号から基本信号系列及び2次信号系列を抽出する信号抽出部と、
    時間領域において前記2次信号系列を、指定された時間シフト量だけサイクリックシフトし、サイクリックシフト後の系列を、周波数領域において、指定された周波数シフト量だけサイクリックシフトした系列と、前記基本信号系列との相関値を計算する相関計算部と、
    前記相関計算部の計算結果に基づいて、相関値のピーク位置を検出するピーク検出部と、
    ピーク位置とデータとの所定の対応関係にしたがって、前記ピーク検出部が検出したピーク位置に対応するデータを検出するデータ検出部と
    を有する、移動通信システムにおける受信機。
  6. 前記信号抽出部が抽出した前記2次信号系列は、符号拡散された系列である、請求項5記載の受信機。
  7. 前記相関計算部が前記指定された時間シフト量だけサイクリックシフトする系列は、前記信号抽出部により抽出された前記2次信号系列を逆拡散した系列である、請求項6記載の受信機。
  8. 前記ピーク検出部は、前記相関計算部が計算した相関値と閾値とを比較することで、ピーク位置を検出し、該閾値は、検出対象のピーク位置の周波数シフト量を少なくとも含む閾値判定領域における相関値の平均値及びマージンから決定されている、請求項5ないし7の何れか1項に記載の受信機。
  9. 基本信号系列を生成し、
    前記基本信号系列を、指定された周波数シフト量だけ周波数領域においてサイクリックシフトし、かつ指定された時間シフト量だけ時間領域においてサイクリックシフトしたものに等しい2次信号系列を生成し、
    前記基本信号系列及び前記2信号系列多重化を行い、
    前記多重化の結果の出力を逆フーリエ変換したものを含む送信信号を送信するステップ
    を有する、移動通信システムにおける送信方法。
  10. 送信機から受信した信号をフーリエ変換し、
    フーリエ変換後の信号から基本信号系列及び2次信号系列を抽出し、
    時間領域において前記2次信号系列を、指定された時間シフト量だけサイクリックシフトし、サイクリックシフト後の系列を、周波数領域において、指定された周波数シフト量だけサイクリックシフトした系列と、前記基本信号系列との相関値を計算し、
    前記相関値の計算結果に基づいて、相関値のピーク位置を検出し、
    ピーク位置とデータとの所定の対応関係にしたがって、検出された前記ピーク位置に対応するデータを検出するステップと
    を有する、移動通信システムにおける受信方法。
JP2011070924A 2011-03-28 2011-03-28 送信機、受信機、送信方法及び受信方法 Active JP5600627B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011070924A JP5600627B2 (ja) 2011-03-28 2011-03-28 送信機、受信機、送信方法及び受信方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011070924A JP5600627B2 (ja) 2011-03-28 2011-03-28 送信機、受信機、送信方法及び受信方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012205282A JP2012205282A (ja) 2012-10-22
JP5600627B2 true JP5600627B2 (ja) 2014-10-01

Family

ID=47185732

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011070924A Active JP5600627B2 (ja) 2011-03-28 2011-03-28 送信機、受信機、送信方法及び受信方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5600627B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007060116A (ja) * 2005-08-23 2007-03-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 無線端末装置およびスケーラブル帯域幅システムにおけるシンボルタイミング検出方法
US20090225887A1 (en) * 2008-02-26 2009-09-10 Paul David Sutton Multi-carrier data communication with repetition of some data at a frequency separation to provide an artificial cyclostationary signature
JP5296587B2 (ja) * 2009-03-27 2013-09-25 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ 無線通信システム及び無線通信方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012205282A (ja) 2012-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4820941B2 (ja) 高速なセル探索の方法および装置
CN101536336B (zh) 用于快速小区搜索的方法和装置
US10651887B2 (en) Multiuser communication methods and devices for code division multiple access (CDMA)
US7965689B2 (en) Reference sequence construction for fast cell search
JP5553255B2 (ja) 基準信号生成装置及びこれを用いたプリアンブルシーケンス検出装置
JP2013526114A (ja) 上りリンクサウンディング基準信号送信方法、チャンネル推定方法、移動端末、基地局及び無線通信システム
JP5404788B2 (ja) 広帯域無線通信システムで高速フィードバック・チャンネルを用いた情報送受信装置及び方法
JP6611923B2 (ja) ランダムアクセス系列生成方法、デバイス及びシステム
JP4983807B2 (ja) セルラシステムにおける送信装置及び受信装置
JP6685485B1 (ja) 送信装置、受信装置、通信装置、無線通信システム、制御回路および記憶媒体
KR101190053B1 (ko) 데이터 전송률 향상을 위한 인지 무선 송신기 및 인지 무선 수신기
JP5600628B2 (ja) 送信機、受信機、送信方法及び受信方法
JPWO2007052397A1 (ja) 送受信システム、伝送装置、及びそれらに用いるパイロット信号多重方法
US8995409B2 (en) Communication method using a preamble to share characteristic information, method for generating the preamble, and communication system to which the methods are applied
JP5600627B2 (ja) 送信機、受信機、送信方法及び受信方法
JP4847963B2 (ja) マルチキャリア受信装置
CN101820407A (zh) 基于串行干扰抵消的频域初始测距方法及系统
CN108574956B (zh) 一种特征序列的优选方法和装置
CN102124699B (zh) 无线通信系统的测距请求/检测方法和设备、基站和终端设备
KR101100460B1 (ko) Ofdm 시스템에서의 심벌 및 프레임의 시간 동기 방법및 장치
KR20090115650A (ko) 동기 채널 송수신 방법 및 장치
JP7322213B2 (ja) ランダムアクセス系列生成方法、デバイス及びシステム
JP7025394B2 (ja) ランダムアクセス系列生成方法、デバイス及びシステム
KR20080051454A (ko) 고속 푸리에 변환을 위한 시간 동기 검출 장치 및 이를위한 방법
KR20130135745A (ko) 지상파 클라우드 방송을 위한 프레임 구조 및 수신 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130812

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140515

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140527

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140718

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140812

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140818

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5600627

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250