JP5600084B2 - 複層塗膜形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、被塗物上に、中塗り塗料、水性ベースコート塗料及びクリヤーコート塗料を順次塗装し、得られる3層の複層塗膜を一度に加熱硬化させる3コート1ベーク方式により、優れた外観を有する複層塗膜を形成する方法に関する。
自動車車体の塗装方法としては、一般に、被塗物に電着塗料を施した後、中塗り塗料の塗装→焼付け硬化→水性ベースコート塗料の塗装→プレヒート(予備加熱)→クリヤーコート塗料の塗装→焼付け硬化の3コート2ベーク(3C2B)方式により複層塗膜を形成する方法が広く採用されているが、近年、省エネルギーの観点から、中塗り塗料の塗装後の焼付け硬化工程を省略し、被塗物に電着塗料を施した後、中塗り塗料の塗装→プレヒート(予備加熱)→水性ベースコート塗料の塗装→プレヒート(予備加熱)→クリヤーコート塗料の塗装→焼付け硬化の3コート1ベーク(3C1B)方式が試みられている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記3コート1ベーク方式による塗装は、中塗り塗料及び水性ベースコート塗料が未硬化の状態で塗り重ねられるため、隣接する塗膜間において混層が生じやすく、得られる塗膜の平滑性や鮮映性が低下する場合がある。
その対策として、従来、中塗り塗料にポリカルボジイミド化合物等の比較的低温で反応する硬化剤を配合せしめることによって、上層の水性ベースコート塗料との混層を抑制する方法が試みられてきたが、この方法によっては、十分な平滑性を有する塗膜を形成せしめることはできない。
例えば、特許文献2には、上記3コート1ベーク方式による塗装において、水性中塗り塗料及び/又は水性メタリックベースコート塗料がポリカルボジイミド化合物及びカルボキシル基含有水性樹脂を含有する場合に、各塗膜層間の界面でのなじみや反転を制御した高外観を有する複層塗膜を形成せしめることができると記載されている。しかしながら、該塗膜形成方法では形成される複層塗膜の平滑性が依然として不十分な場合がある。
特開2002−282773号公報 特開2001−9357号公報
本発明の主たる目的は、被塗物上に、中塗り塗料、水性ベース塗料及びクリヤー塗料を順次塗装し、得られる3層の複層塗膜を同時に加熱硬化する3コート1ベーク方式において、平滑性、鮮映性、耐水密着性及び耐チッピング性に優れた複層塗膜を形成せしめる方法を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、今回、中塗り塗料、水性ベースコート塗料及びクリヤーコート塗料を使用する、3コート1ベーク方式による複層塗膜の塗装工程において、中塗り塗料として、ポリカルボジイミド化合物及びメラミン樹脂を硬化剤として含有し、且つ特定の複素粘性率を有する塗料を使用すると、平滑性、鮮
映性、耐水密着性及び耐チッピング性に優れた複層塗膜を形成せしめることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明は、下記の工程(1)〜(4):
(1) 被塗物上に、中塗り塗料(X)を塗装して中塗り塗膜を形成せしめる工程、
(2) 工程(1)で形成される未硬化の中塗り塗膜上に、水性ベースコート塗料(Y)を塗装してベースコート塗膜を形成せしめる工程、
(3) 工程(2)で形成される未硬化のベースコート塗膜上に、クリヤーコート塗料(Z)を塗装してクリヤーコート塗膜を形成せしめる工程、ならびに
(4) 工程(1)〜(3)で形成される未硬化の中塗り塗膜、ベースコート塗膜及びクリヤーコート塗膜を加熱することによって、これら3つの塗膜を同時に硬化させる工程、
を順次行うことからなり、中塗り塗料(X)が、
ポリカルボジイミド化合物及びメラミン樹脂を硬化剤として含有してなるものであって、
剪断応力1.0Pa及び周波数0.1Hzの条件下で40℃において、100Pa・sec以下の複素粘性率(η*40)を有し、且つ剪断応力1.0Pa及び周波数0.1Hzの条件下で80℃において、800Pa・sec以上の複素粘性率(η*80)を有する
ことを特徴とする複層塗膜形成方法を提供するものである。
本発明の塗膜形成方法に従えば、被塗物上に、中塗り塗料、水性ベース塗料及びクリヤー塗料を順次塗装し、得られる3層の複層塗膜を同時に加熱硬化する3コート1ベーク方式において、平滑性、鮮映性、耐水密着性、耐チッピング性に優れた複層塗膜を形成せしめることができる。
以下、本発明の複層塗膜形成方法について、さらに詳細に説明する。
工程(1)
本工程は、被塗物上に、中塗り塗料(X)を塗装して中塗り塗膜が形成せしめる工程である。
被塗物:
本発明に従って中塗り塗料(X)を適用することができる被塗物は、特に限定されるものではなく、例えば、乗用車、トラック、オートバイ、バス等の自動車の車体の外板部;自動車部品;携帯電話、オーディオ機器等の家庭電気製品の外板部等を挙げることができ、なかでも、自動車車体の外板部及び自動車部品が好ましい。
上記被塗物の素材としては、特に限定されるものではなく、例えば、鉄、アルミニウム、真鍮、銅、ブリキ、ステンレス鋼、亜鉛メッキ鋼、合金化亜鉛(Zn−Al、Zn−Ni、Zn−Fe等)、メッキ鋼等の金属材料;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂類や各種のFRP等のプラスチック材料;ガラス、セメント、コンクリート等の無機材料;木材;繊維材料(紙、布等)等を挙げることができ、なかでも、金属材料及びプラスチック材料が好適である。
また、被塗物は、上記金属材料やそれから成形された車体等の金属表面に、リン酸塩処
理、クロメート処理、複合酸化物処理等の表面処理が施されたものであってもよい。さらに、該被塗物は、上記金属材料、車体等に、各種電着塗料等の下塗り塗膜が形成されたものであってもよく、なかでも、カチオン電着塗料によって下塗り塗膜が形成された車体が特に好適である。
また、上記被塗物は、前記プラスチック材料又はそれから成形された自動車部品等のプラスチック表面に、必要に応じて、表面処理、プライマー塗装等を行ったものであってもよい。さらに、該プラスチック材料と上記金属材料とが組み合わさったものであってもよい。
中塗り塗料(X):
本発明において、上記被塗物に塗装される中塗り塗料(X)としては、ポリカルボジイミド化合物及びメラミン樹脂を硬化剤として含有し、そして剪断応力1.0Pa及び周波数0.1Hzの条件下で40℃において、100Pa・sec以下、好ましくは80Pa・sec以下・さらに好ましくは70Pa・sec以下の複素粘性率(η*40)を有し、且つ剪断応力1.0Pa及び周波数0.1Hzの条件下で80℃において、800Pa・sec以上、好ましくは900Pa・sec以上、さらに好ましくは1,000Pa・sec以上の複素粘性率(η*80)を有する塗料組成物が使用される。
中塗り塗料(X)の複素粘性率(η*40)が100Pa・secを越えると、形成される複層塗膜の平滑性が不十分なものとなる可能性があり、また、中塗り塗料(X)の複素粘性率(η*80)が800Pa・secより低いと、形成される複層塗膜の鮮映性が不十分なものとなる可能性がある。
本明細書において、40℃における複素粘性率(η*40)及び80℃における複素粘性率(η*80)は、中塗り塗料(X)について、粘弾性測定装置を用い、剪断応力:1.0Pa、周波数:0.1Hz、測定開始温度:25℃、測定終了温度:80℃、及び昇温速度:11℃/minの条件下で複素粘性率(η*)を測定した時の、40℃及び80℃における複素粘性率(η*)である。
中塗り塗料(X)としては、通常、基体樹脂、硬化剤及び溶媒を含有し、さらに必要に応じて、着色顔料、体質顔料、光輝性顔料、硬化触媒、増粘剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、可塑剤、有機溶剤、表面調整剤、沈降防止剤等の塗料用添加剤を配合してなる液状塗料を使用することができる。
さらに、本発明においては、中塗り塗料(X)に、硬化剤として、ポリカルボジイミド化合物及びメラミン樹脂が配合される。
上記溶媒としては、水及び/又は有機溶剤を使用することができる。なかでも、中塗り塗料(X)は、上記溶媒の主成分が水である水性塗料の形態であることが好ましい。
中塗り塗料(X)の40℃における複素粘性率(η*40)は、例えば、使用する基体樹脂の重量平均分子量によって調整することができる。また、80℃における複素粘性率(η*80)は、例えば、基体樹脂と硬化剤との使用割合によって調整することができる。具体的には、基体樹脂として比較的低い重量平均分子量を有する樹脂を使用することによって、本発明で規定する複素粘性率を有する中塗り塗料(X)を調製することができる。
本発明の複層塗膜形成方法において、40℃における複素粘性率(η*40)が100Pa・sec以下であり、かつ80℃における複素粘性率(η*80)が800Pa・s
ec以上である中塗り塗料(X)を使用することにより、平滑性及び鮮映性に優れた複層塗膜を形成できる理由としては、中塗り塗料(X)の40℃における複素粘性率(η*40)が100Pa・sec以下と比較的低いため、被塗物に塗装された後の中塗り塗料(X)の流動性が高く、被塗物上に中塗り塗料(X)が均一に濡れ広がり、優れた平滑性を有する塗膜が形成されることが推察される。また、その一方で、80℃における複素粘性率(η*80)が800Pa・sec以上であり、比較的低温の段階から粘度が上昇するという粘性特性を有するため、上層に塗装される水性ベースコート塗料との混層が抑制され、鮮映性にも優れた複層塗膜が形成されると推察される。
前記基体樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられ、形成される塗膜の平滑性、鮮映性などの観点から、なかでも、ポリエステル樹脂及びアクリル樹脂が好ましい。
また、硬化剤として、形成される塗膜の平滑性、鮮映性などの観点から、必須成分であるポリカルボジイミド化合物及びメラミン樹脂に加えて、例えば、ポリイソシアネート化合物等を使用することもできる。
中塗り塗料(X)としては、形成される複層塗膜の平滑性、鮮映性などの観点から、具体的には、例えば、
(A) 30〜70mgKOH/gの範囲内の酸価、50〜200mgKOH/gの範囲内の水酸基価及び3,000〜7,000の範囲内の重量平均分子量を有するカルボキシル基含有ポリエステル樹脂 20〜45質量%、
(B) 炭素数4〜8のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー45〜80質量%、水酸基含有重合性不飽和モノマー1〜10質量%、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー1〜10質量%及びその他の重合性不飽和モノマー0〜53質量%を含有するモノマー成分を共重合して得られるアクリル樹脂 5〜20質量%、
(C) 硬化剤としてポリカルボジイミド化合物及びメラミン樹脂 40〜55質量%、ならびに
(D) 一般式(1)
Figure 0005600084
[式中、RおよびRは独立して炭素数4〜18の炭化水素基を示し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、mは3〜25の整数を示し、m個のオキシアルキレン単位(R−O)は互いに同じであっても異なっていてもよい]
で表されるジエステル化合物 5〜20質量%
ここで、成分(A)〜(D)の各含有量は成分(A)〜(D)の合計固形分を基準とした重量百分率である、
を含有してなるものを好適に使用することができる。
(A)カルボキシル基含有ポリエステル樹脂:
カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)は、例えば、多塩基酸成分と多価アルコ−ル成分とのエステル化反応又はエステル交換反応によって製造することができ、具体的には、例えば、多塩基酸成分と多価アルコ−ル成分とを、該多塩基酸成分中のカルボキシル基と該多価アルコール成分中の水酸基の当量比(COOH/OH)が1より大きくなるような割合で、すなわち水酸基に比べカルボキシル基が多い状態でエステル化反応させるこ
とによって製造することができる。
上記多塩基酸成分には、1分子中に少なくとも2個のカルボキシル基を有する化合物が包含され、具体的には、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多塩基酸;これらの多塩基酸の無水物;これらの多塩基酸の低級アルキルエステル化物等が挙げられる。これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
また、上記多価アルコ−ル成分には、1分子中に少なくとも2個の水酸基を有する化合物が包含され、具体的には、例えば、エチレングリコ−ル、1,2−プロピレングリコ−ル、1,2−ブチレングリコ−ル、2,3−ブチレングリコ−ル、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ジヒドロキシシクロヘキサン、3−エトキシプロパン−1,2−ジオール、3−フェノキシプロパン−1,2−ジオール等のα−グリコ−ル;ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−フェノキシプロパン−1,3−ジオール、2−メチル−2−フェニルプロパン−1,3−ジオール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2−エチル−1,3―オクタンジオール、1,3−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,4−ブタンジオール、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−ジメチロ−ルシクロヘキサン、トリシクロデカンジメタノール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート(これはヒドロキシピバリン酸とネオペンチルグリコールとのエステル化物である)、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビス(4−ヒドロキシヘキシル)−2,2−プロパン、ビス(4−ヒドロキシヘキシル)メタン、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニット、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
上記多塩基酸成分と多価アルコール成分のエステル化又はエステル交換反応は、それ自体既知の方法により行なうことができ、例えば、上記多塩基酸成分と多価アルコール成分とを約180〜約250℃、好ましくは200〜240℃の範囲内の温度で重縮合させることによって行うことができる。
また、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)は、該ポリエステル樹脂の製造中又はエステル化反応後に、必要に応じて、脂肪酸、モノエポキシ化合物等で変性することができる。変性用の脂肪酸としては、例えば、ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、麻実油脂肪酸、米ぬか油脂肪酸、魚油脂肪酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸等が挙げられ、上記モノエポキシ化合物としては、例えば、「カージュラE10P」(商品名、HEXION Specialty Chemicals社製、合成高分岐飽和脂肪酸のグリシジルエステル)等が挙げられる。
カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)は、一般に30〜70mgKOH/g、好ましくは30〜65mgKOH/g、さらに好ましくは35〜60mgKOH/gの範囲内の酸価を有することができる。
カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)は、また、一般に50〜200mgKOH/g、好ましくは60〜175mgKOH/g、さらに好ましくは70〜150mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有することができる。
カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)は、さらに、一般に3,000〜7,000、好ましくは3,000〜6,000、さらに好ましくは3,000〜5,000の範囲内の重量平均分子量を有することができる。
本明細書において、酸価(mgKOH/g)は、試料1g(固形分)に含まれる酸基の量を水酸化カリウムに換算したときの水酸化カリウムのmg数で表したものである。ここで水酸化カリウムの分子量は56.1とする。
本明細書において、水酸基価(mgKOH/g)は、試料1g(固形分)に含まれる水酸基の量を水酸化カリウムに換算したときの水酸化カリウムのmg数で表したものである。ここで水酸化カリウムの分子量は56.1とする。
本発明において、水酸基価及び酸価は、後記実施例に記載の方法に従い測定することができる。
カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)の酸価、水酸基価及び重量平均分子量は、例えば、上記多塩基酸成分と多価アルコール成分の使用割合を変えたり、該多塩基酸成分と多価アルコール成分の反応温度や反応時間を変動させたりすることによって調整することができる。
なお、本明細書において、「重量平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した試料の保持時間(保持容量)を、同一条件で測定した分子量既知の標準ポリスチレンの保持時間(保持容量)に基いてポリスチレンの分子量に換算して求めた値である。具体的には、ゲルパーミエーションクロマトグラフ装置として、「HLC−8120GPC」(商品名、東ソー社製)を使用し、カラムとして、「TSKgel G4000HXL」、「TSKgel G3000HXL」、「TSKgel G2500HXL」及び「TSKgel G2000HXL」(以上商品名、東ソー社製)の計4本を使用し、検出器として、示差屈折率計を使用し、移動相:テトラヒドロフラン、測定温度:40℃、流速:1mL/minの条件下で測定することができる。
また、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)としては、形成される複層塗膜の平滑性などの観点から、分子中に炭素数4以上の直鎖アルキレン基を通常3.0〜4.0mol/kg(樹脂固形分)、好ましくは3.2〜3.8mol/kg(樹脂固形分)の範囲内の割合で含有するポリエステル樹脂(A1)を好適に使用することができる。
分子中に炭素数4以上の直鎖アルキレン基を3.0〜4.0mol/kg(樹脂固形分)含有するカルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A1)は、例えば、前記多塩基酸成分として、炭素数4以上の直鎖アルキレン基を有する脂肪族ジカルボン酸を使用するか、及び/又は前記多価アルコール成分として、炭素数4以上の直鎖アルキレン基を有する脂肪族ジオールを使用することによって製造することができる。
上記炭素数4以上の直鎖アルキレン基を有する脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。また、上記炭素数4以上の直鎖アルキレン基を有する脂肪族ジオールとしては、例えば、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
なお、本発明において、「炭素数4以上の直鎖アルキレン基の含有量」は、ポリエステル樹脂1kg(固形分)当たりに含まれる炭素数4以上の直鎖アルキレン基のモル数であって、ポリエステル樹脂合成に用いるモノマー中に含まれる炭素数4以上の直鎖アルキレン基の合計モル数(Wm)を、縮合水を除いた生成樹脂質量(Wr:単位kg)で除すること(すなわち、Wm/Wr)により算出することができる。
上記炭素数4以上の直鎖アルキレン基の含有量は、例えば、前記多塩基酸成分及び多価アルコール成分中の、前記炭素数4以上の直鎖アルキレン基を有する脂肪族ジカルボン酸及び炭素数4以上の直鎖アルキレン基を有する脂肪族ジオールの配合割合を調節することによって調整することができる。
カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)として、上記分子中に炭素数4以上の直鎖アルキレン基を3.0〜4.0mol/kg(樹脂固形分)含有するカルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A1)を使用する場合に、優れた平滑性を有する塗膜が形成される理由としては、該カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A1)が、比較的多量の炭素数4以上の直鎖アルキレン基を有する脂肪族ジカルボン酸及び/又は炭素数4以上の直鎖アルキレン基を有する脂肪族ジオールを使用して製造されるために、得られるカルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A1)は比較的分岐が少なく、直鎖状の構造を有しており、樹脂同士の絡み合いが生じにくく、40℃における複素粘性率(η*40)が低くなることが推察される。
また、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)は、分子中のカルボキシル基を塩基性化合物で中和することにより、水溶化又は水分散化することができる。該塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物;アンモニア;エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ベンジルアミン、モノエタノールアミン、ネオペンタノールアミン、2−アミノプロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、3−アミノプロパノール等の第1級モノアミン;ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジ−n−プロパノールアミン、ジ−iso−プロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン等の第2級モノアミン;ジメチルエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、メチルジエタノールアミン、2−(ジメチルアミノ)エタノール等の第3級モノアミン;ジエチレントリアミン、ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミン等のポリアミンを挙げることができる。
上記塩基性化合物の使用量は、得られる塗膜の耐水性などの観点から、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)の酸基に対して一般に約0.1〜約1.5当量、特に約0.2〜約1.2当量の範囲内であることが好ましい。
(B)アクリル樹脂:
アクリル樹脂(B)としては、特に限定されず、中塗り塗料の分野で通常使用される塗料用アクリル樹脂であれば、いずれも使用可能であり、例えば、水酸基含有アクリル樹脂(B1)を好適に使用することができる。水酸基含有アクリル樹脂(B1)は、通常、水酸基含有重合性不飽和モノマーとその他の重合性不飽和モノマーを、例えば、有機溶媒中
での溶液重合法、水中での乳化重合法等のそれ自体既知の方法によって共重合させることにより製造することができる。
水酸基含有アクリル樹脂(B1)の水酸基価は、貯蔵安定性、得られる塗膜の耐水性などの観点から、一般に5〜200mgKOH/g、特に15〜180mgKOH/g、さらに特に20〜160mgKOH/gの範囲内であることが好適である。
また、アクリル樹脂(B)がカルボキシル基等の酸基を有する場合、該アクリル樹脂の酸価は、得られる塗膜の耐水性などの観点から、一般に1〜200mgKOH/g、特に2〜100mgKOH/g、さらに特に5〜50mgKOH/gの範囲内であることが好適である。
さらに、アクリル樹脂(B)は、得られる塗膜の平滑性、耐水性などの観点から、一般に2,000〜5,000,000、特に3,000〜3,000,000、さらに特に4,000〜2,000,000の範囲内の重量平均分子量を有することが好適である。
アクリル樹脂(B)としては、得られる複層塗膜の平滑性、鮮映性などの観点から、モノマー成分の合計質量を基準として、炭素数4〜24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(b−1)を一般に5〜100質量%、特に30〜95質量%、さらに特に50〜90質量%の範囲内で含有するモノマー成分を重合することにより得られるアクリル樹脂を好適に使用することができる。
上記アクリル樹脂(B)としては、得られる複層塗膜の平滑性、鮮映性、耐水性などの観点から、なかでも、炭素数4〜24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(b−1)、水酸基含有重合性不飽和モノマー(b−2)及びカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(b−3)を含有するモノマー成分(b)を共重合することにより得られる水酸基及びカルボキシル基含有アクリル樹脂(B2)を好適に使用することができる。
上記炭素数4〜24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(b−1)としては、例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数4〜24のアルキル基を有する1価アルコールのモノエステル化物を使用することができる。具体的には、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート(ラウリル(メタ)アクリレート)、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート等のアルキル又はシクロアルキル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。また、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル又はメタクリロイルを意味し、「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミド又はメタクリルアミドを意味する。
上記炭素数4〜24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(b−1)としては、得られる塗膜の鮮映性、耐水性などの観点から、炭素数4〜13のアルキル基を有する重
合性不飽和モノマーが好ましく、炭素数4〜8のアルキル基を有する重合性不飽和モノマーがさらに好ましい。なかでも、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等を好適に使用することができる。
水酸基含有重合性不飽和モノマー(b−2)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物;該(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物のε−カプロラクトン変性体;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド;アリルアルコ−ル;分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。得られる塗膜の平滑性、鮮映性、耐水性などの観点から、なかでも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等を好適に使用することができる。
カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(b−3)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレート等が挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。得られる塗膜の平滑性、鮮映性、耐水性などの観点から、なかでも、アクリル酸、メタクリル酸を好適に使用することができる。
モノマー成分(b)における、上記炭素数4〜24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(b−1)、水酸基含有重合性不飽和モノマー(b−2)及びカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(b−3)の使用割合は、得られる塗膜の平滑性、鮮映性、耐水性などの観点から、モノマー成分(b)の合計質量を基準として、下記の範囲内であることができる。
炭素数4〜24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(b−1):5〜99質量%、好ましくは30〜95質量%、さらに好ましくは50〜90質量%、
水酸基含有重合性不飽和モノマー(b−2):0.5〜40質量%、好ましくは2〜15質量%、さらに好ましくは5〜10質量%、
カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(b−3):0.5〜20質量%、好ましくは2〜15質量%、さらに好ましくは3〜8質量%。
また、モノマー成分(b)は、上記重合性不飽和モノマー(b−1)〜(b−3)以外の重合性不飽和モノマー(b−4)を含有することができる。この場合、モノマー成分(b)は、上記重合性不飽和モノマー(b−1)〜(b−4)からなる。
上記重合性不飽和モノマー(b−1)〜(b−3)以外の重合性不飽和モノマー(b−4)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜3のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香環含有重合性不飽和モノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基を有する重合性不飽和モノマー;パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレー
ト;フルオロオレフィン等のフッ素化アルキル基を有する重合性不飽和モノマー;マレイミド基等の光重合性官能基を有する重合性不飽和モノマー;N−ビニルピロリドン、エチレン、ブタジエン、クロロプレン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル等のビニル化合物;アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテレフタレート、ジビニルベンゼン等の重合性不飽和基を1分子中に少なくとも2個有する重合性不飽和モノマー;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレートとアミン類との付加物等の含窒素重合性不飽和モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有重合性不飽和モノマー;2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等のイソシアナト基含有重合性不飽和モノマー;分子末端がアルコキシ基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート;アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ホルミルスチロール、4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン)等のカルボニル基含有重合性不飽和モノマー等が挙げられる。これらの重合性不飽和モノマーはそれぞれ単独でもしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
水酸基及びカルボキシル基含有アクリル樹脂(B2)は、上記モノマー成分(b)を、それ自体既知の方法、例えば、有機溶媒中での溶液重合法、水中での乳化重合法、水中でのミニエマルション重合法等の方法により共重合せしめることによって製造することができる。
水酸基及びカルボキシル基含有アクリル樹脂(B2)は、塗料の貯蔵安定性、得られる塗膜の平滑性、鮮映性、耐水性などの観点から、一般に2〜150mgKOH/g、特に5〜100mgKOH/g、さらに特に10〜50mgKOH/gの範囲内の酸価を有することが好適である。
また、水酸基及びカルボキシル基含有アクリル樹脂(B2)は、得られる塗膜の耐水性等の観点から、一般に2〜150mgKOH/g、特に5〜80mgKOH/g、さらに特に20〜60mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有することが好適である。
また、水酸基及びカルボキシル基含有アクリル樹脂(B2)としては、形成される塗膜の平滑性、鮮映性及び耐水性が向上するという観点から、水分散性を有する水酸基及びカルボキシル基含有アクリル樹脂(B2−1)を単独で使用するか、又は水分散性を有する水酸基及びカルボキシル基含有アクリル樹脂(B2−1)と水溶性を有する水酸基及びカルボキシル基含有アクリル樹脂とを併用することが好ましい。
上記水分散性を有する水酸基及びカルボキシル基含有アクリル樹脂(B2−1)は、例えば、界面活性剤の存在下で、重合開始剤を使用して前記モノマー成分(b)を乳化重合することにより製造することができる。
上記界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤が好適である。該アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルリン酸等のナトリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。また、ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等が挙げられる。
また、1分子中にアニオン性基とポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基等のポリオキシアルキレン基とを有するポリオキシアルキレン基含有アニオン性界面活性剤;1分子中にアニオン性基とラジカル重合性不飽和基とを有する反応性アニオン性界面活性剤等を使用することもできる。
上記界面活性剤の使用量は、使用される全モノマーの合計量を基準にして、通常0.1〜15質量%、特に0.5〜10質量%、さらに特に1〜5質量%の範囲内であることが好ましい。
前記重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド、ジ−tert−アミルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビス(2−メチルプロピオンニトリル)、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、4、4’−アゾビス(4−シアノブタン酸)、ジメチルアゾビス(2−メチルプロピオネート)、アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]、アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]−プロピオンアミド}等のアゾ化合物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩等が挙げられる。これらの重合開始剤はそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて用いることができる。また、上記重合開始剤に、必要に応じて、糖、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、鉄錯体等の還元剤を併用して、レドックス開始剤としてもよい。
上記重合開始剤の使用量は、使用される全モノマーの合計質量を基準にして、一般に0.1〜5質量%、特に0.2〜3質量%の範囲内であることが好ましい。該重合開始剤の添加方法は、特に制限されるものではなく、その種類及び量などに応じて適宜選択することができる。例えば、予めモノマー成分又は水性媒体に含ませてもよく、或いは重合時に一括して添加してもよく又は滴下してもよい。
上記モノマー成分(b)は、必要に応じて、連鎖移動剤等の成分を適宜含有することができる。また、当該モノマー成分(b)は、そのまま滴下することもできるが、該モノマー成分(b)を水性媒体に分散して得られるモノマー乳化物として滴下することが望まし
い。この場合におけるモノマー乳化物の粒子径は特に制限されるものではない。
かくして得られる水分散性を有する水酸基及びカルボキシル基含有アクリル樹脂(B2−1)は、一般に約10〜約1,000nm、特に約20〜約500nmの範囲内の平均粒子径を有することができる。
本明細書において、水分散性を有する水酸基及びカルボキシル基含有アクリル樹脂(B2−1)の平均粒子径は、サブミクロン粒度分布測定装置を用いて、常法により脱イオン水で希釈してから20℃で測定した値である。サブミクロン粒度分布測定装置としては、例えば、「COULTER N4型」(商品名、ベックマン・コールター社製)を用いることができる。
また、水分散性を有する水酸基及びカルボキシル基含有アクリル樹脂(B2−1)は、形成される塗膜の平滑性、鮮映性、耐水性などの観点から、一般に2〜150mgKOH/g、特に5〜100mgKOH/g、さらに特に10〜50mgKOH/gの範囲内の酸価を有することが好適である。
また、水分散性を有する水酸基及びカルボキシル基含有アクリル樹脂(B2−1)は、形成される塗膜の平滑性、鮮映性、耐水性などの観点から、一般に2〜150mgKOH/g、好ましくは5〜80mgKOH/g、さらに好ましくは20〜60mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有することが好適である。
(C)硬化剤:
本発明において硬化剤として使用されるポリカルボジイミド化合物(C−1)は、1分子中に少なくとも2個のカルボジイミド基を有する化合物であって、例えば、イソシアネート基含有化合物のイソシアネート基同士を脱二酸化炭素反応せしめることにより得られるものを使用することができる。
ポリカルボジイミド化合物(C−1)としては、具体的には、例えば、「カルボジライトE−01」、「カルボジライトE−02」、「カルボジライトSV−02」、「カルボジライトV−01」、「カルボジライトV−02」、「カルボジライトV−02−L2」、「カルボジライトV−03」、「カルボジライトV−04」、「カルボジライトV−05」、「カルボジライトV−07」、「カルボジライトV−09」(以上商品名、日清紡ケミカル社製)等が挙げられる。
ポリカルボジイミド化合物(C−1)としては、得られる塗膜の平滑性などの観点から、水溶性又は水分散性のポリカルボジイミド化合物を使用することが好ましい。該水溶性又は水分散性のポリカルボジイミド化合物としては、水性媒体中に安定に溶解又は分散し得るポリカルボジイミド化合物であれば、特に制限なく使用することができる。
上記水溶性ポリカルボジイミド化合物としては、具体的には、例えば、「カルボジライトSV−02」、「カルボジライトV−02」、「カルボジライトV−02−L2」「カルボジライトV−04」(いずれも日清紡社製、商品名)等を使用することができる。また、上記水分散性ポリカルボジイミド化合物としては、例えば、「カルボジライトE−01」、「カルボジライトE−02」(いずれも日清紡社製、商品名)等を使用することができる。
ポリカルボジイミド化合物(C−1)はそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
メラミン樹脂(C−2)は、メラミンとアルデヒドとの反応により得られる樹脂であり、部分メチロール化メラミン樹脂及び完全メチロール化メラミン樹脂の両者が包含される。また、本発明に従う中塗り塗料(X)において使用されるメラミン樹脂(C−2)は、得られる複層塗膜の平滑性、鮮映性、耐水性、耐チッピング性などの観点から、一般に500〜4,000、特に600〜3,000、さらに特に700〜2,000の範囲内の重量平均分子量を有することが好適である。
上記アルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられ、特にホルムアルデヒドが好適である。また、メチロール化メラミン樹脂のメチロール基を適当なアルコールによってさらに部分的にもしくは完全にエーテル化したものも使用することができ、エーテル化に使用し得るアルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、2−エチル−1−ブタノール、2−エチル−1−ヘキサノール等の炭素数1〜10のアルコールが挙げられる。
メラミン樹脂(C−2)としては、なかでも、部分もしくは完全メチロール化メラミン樹脂のメチロール基をメチルアルコールで部分的にもしくは完全にエーテル化したメチルエーテル化メラミン樹脂;部分もしくは完全メチロール化メラミン樹脂のメチロール基をブチルアルコールで部分的にもしくは完全にエーテル化したブチルエーテル化メラミン樹脂;部分もしくは完全メチロール化メラミン樹脂のメチロール基をメチルアルコール及びブチルアルコールの両者で部分的にもしくは完全にエーテル化したメチル−ブチル混合エーテル化メラミン樹脂を好適に使用することができる。得られる複層塗膜の平滑性、鮮映性、耐水性、耐チッピング性などの観点から、なかでも、ブチルエーテル化メラミン樹脂、メチル−ブチル混合エーテル化メラミン樹脂が好ましく、メチル−ブチル混合エーテル化メラミン樹脂がさらに好ましい。
また、上記メチル−ブチル混合エーテル化メラミン樹脂は、得られる複層塗膜の平滑性、鮮映性、耐水性などの観点から、メトキシ基とブトキシ基とのモル比が、メトキシ基/ブトキシ基のモル比で一般に95/5〜5/95、特に85/15〜25/75、さらに特に75/25〜55/45の範囲内であることが好適である。
メラミン樹脂(C−2)としては市販品を使用することができ、市販品の商品名としては、例えば、「サイメル202」、「サイメル203」、「サイメル204」、「サイメル211」、「サイメル238」、「サイメル251」、「サイメル303」、「サイメル323」、「サイメル324」、「サイメル325」、「サイメル327」、「サイメル350」、「サイメル385」、「サイメル1156」、「サイメル1158」、「サイメル1116」、「サイメル1130」(以上、日本サイテックインダストリーズ社製):「ユーバン120」、「ユーバン20HS」、「ユーバン20SE60」、「ユーバン2021」、「ユーバン2028」、「ユーバン28−60」(以上、三井化学社製)等が挙げられる。
メラミン樹脂(C−2)はそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
硬化剤(C)としてさらに追加的に使用することができるポリイソシアネート化合物(C−3)としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート類、及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シ
クロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−もしくは−2,6−ジイソシアネート、1,3−もしくは1,4−ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート類、及びこれらのポリイソシアネ−トのビュ−レットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、m−もしくはp−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)等の芳香族ジイソシアネート化合物、及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;水添MDI及び水添MDIの誘導体;トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネート等の1分子中に3個以上のイソシアネ−ト基を有するポリイソシアネート類、及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ポリアルキレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール等のポリオールの水酸基にイソシアネート基が過剰量となる比率でポリイソシアネート化合物を反応させてなるウレタン化付加物、及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物等を挙げることができる。
硬化剤(C)として、ポリカルボジイミド化合物(C−1)及びメラミン樹脂(C−2)を使用することにより、優れた平滑性及び鮮映性を有する塗膜が形成される理由としては、ポリカルボジイミド化合物(C−1)が、80℃程度の比較的低い温度で前記基体樹脂と架橋反応するため、80℃における複素粘性率(η*80)が高くなり、上層の水性ベースコート塗膜との混層が生じにくくなることが推察される。
(D)ジエステル化合物:
ジエステル化合物(D)は、一般式(1)
Figure 0005600084
[式中、RおよびRは独立して炭素数4〜18の炭化水素基を示し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、mは3〜25の整数を示し、m個のオキシアルキレン単位(R−O)は互いに同じであっても異なっていてもよい]
で表される化合物である。
得られる複層塗膜の平滑性、鮮映性などの観点から、なかでも、上記一般式(1)中のR及びRの炭素数は5〜11であることが好ましく、5〜9であることがよりに好ましく、6〜8であることがさらに好ましい。前記R及びRは直鎖状又は分岐状のアルキル基であることが好ましく、分岐状のアルキル基であることがより好ましい。前記R及びRとして特に好ましい基は、炭素数6〜8の分岐状のアルキル基である。
また、得られる複層塗膜の平滑性、鮮映性などの観点から、上記一般式(1)中のRは炭素数2又は3のアルキレン基であることが好ましく、特に炭素数2のアルキレン基(エチレン基)であることが好ましい。さらに、得られる複層塗膜の平滑性、鮮映性などの観点から、上記一般式(1)中のmは好ましくは3〜20、さらに好ましくは4〜12、特に好ましくは6〜9の整数である。
ジエステル化合物(D)は、一般に320〜1,400、特に350〜1,200、さらに特に400〜1,000の範囲内の分子量を有することが好ましい。
ジエステル化合物(D)は、ポリオキシアルキレングリコールと脂肪族モノカルボン酸とのジエステル化合物であることが好ましく、具体的には、例えば、2個の末端水酸基を有するポリオキシアルキレングリコールと、炭素数4〜18の炭化水素基を有するモノカルボン酸とをエステル化反応させることにより得られるものが好適である。
上記ポリオキシアルキレングリコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンとプロピレングリコールとの共重合体、ポリブチレングリコール等を挙げることができる。なかでも、特に、ポリエチレングリコールが好ましい。
上記ポリオキシアルキレングリコールは、一般に100〜1,200、特に150〜600、さらに特に200〜400の範囲内の数平均分子量を有することが好ましい。
前記炭素数4〜18の炭化水素基を有するモノカルボン酸としては、例えば、ペンタン酸、ヘキサン酸、2−エチルブタン酸、3−メチルペンタン酸、安息香酸、シクロヘキサンカルボン酸、ヘプタン酸、2−エチルペンタン酸、3−エチルペンタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、4−エチルヘキサン酸、ノナン酸、2−エチルヘプタン酸、デカン酸、2−エチルオクタン酸、4−エチルオクタン酸、ドデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸等を挙げることができる。
上記ポリオキシアルキレングリコールおよびモノカルボン酸はそれぞれ単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
前記ポリオキシアルキレングリコールと炭素数4〜18の炭化水素基を有するモノカルボン酸とのジエステル化反応はそれ自体既知の方法により行なうことができる。
本発明の複層塗膜形成方法において使用される中塗り塗料(X)は、前記特定の複素粘性率を有し、且つ硬化剤として、ポリカルボジイミド化合物(C−1)及びメラミン樹脂(C−2)を含有する塗料である。
中塗り塗料(X)は、水性塗料、有機溶剤型塗料のいずれであってもよい。VOC削減の環境対応の観点からは、水性塗料であることが好ましい。
ここで、水性塗料は、有機溶剤型塗料と対比される用語であって、一般に、水又は水を主成分とする媒体(水性媒体)に、塗膜形成樹脂、顔料等を分散及び/又は溶解させた塗料である。
本発明に従う水性中塗り塗料(X1)は、一般に10〜90質量%、特に20〜80質量%、さらに特に30〜60質量%の範囲内の量で水を含有することが好ましい。
中塗り塗料(X)としては、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)、アクリル樹
脂(B)、硬化剤(C)である、ポリカルボジイミド化合物(C−1)及びメラミン樹脂(C−2)、ならびにジエステル化合物(D)を含有するものを好適に使用することができる。これら(A)〜(D)の各成分の配合割合は、これら(A)〜(D)の各成分の合計量を基準として、下記の範囲内であることが好適である。
カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A):20〜45質量%、好ましくは25〜40質量%、さらに好ましくは25〜35質量%、
アクリル樹脂(B):5〜20質量%、7〜18質量%、さらに好ましくは8〜16質量%、
硬化剤(C):40〜55質量%、好ましくは42〜55質量%、さらに好ましくは45〜55質量%、
ジエステル化合物(D):5〜20質量%、好ましくは5〜18質量%、さらに好ましくは5〜15質量%。
中塗り塗料、水性ベースコート塗料及びクリヤーコート塗料を順次塗装し、得られる3層の複層塗膜を同時に加熱硬化する3コート1ベーク方式において、前記特定の複素粘性率を有し、且つ硬化剤として、ポリカルボジイミド化合物(C−1)及びメラミン樹脂(C−2)を含有する中塗り塗料(X)を使用することにより、平滑性、鮮映性、耐水密着性及び耐チッピング性に優れた複層塗膜が形成される理由としては、中塗り塗料(X)の複素粘性率が上記範囲内にあることにより、塗膜の平滑性が向上し、また、架橋剤としてポリカルボジイミド化合物(C−1)を使用することによって塗膜の鮮映性が向上し、さらに、メラミン樹脂(C−2)を使用することによって塗膜の耐水密着性及び耐チッピング性が向上することが推察される。
具体的には、該水性ベースコート塗料塗装時から加熱硬化開始前までは、主に、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)及び/又はアクリル樹脂(B)中のカルボキシル基と、ポリカルボジイミド化合物(C−1)との架橋反応による高分子量化によって水性ベースコート塗料との混層が抑制され、その後の加熱硬化中は、主に、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)及び/又はアクリル樹脂(B)中の水酸基とメラミン樹脂(C−2)との架橋反応により、架橋密度が高く且つ架橋点が比較的均一に存在する網目構造が形成されると考えられる。
一般に、塗膜形成用樹脂として低分子量のポリエステル樹脂やアクリル樹脂を使用すると、塗料が流動しやすくなるため、水平面では優れた平滑性を有する塗膜が得られるが、その一方で、垂直面ではタレが発生しやすく、平滑性が低下しやすい。特に、未硬化塗膜を3層塗り重ねる3コート1ベーク方式において、最下層の水性中塗り塗料に低分子量のポリエステル樹脂やアクリル樹脂を使用する場合は、上層の未硬化塗膜の重みによってタレが生じ、結果として得られる塗膜の平滑性が低下することが多い。さらに、塗膜形成用樹脂として上記低分子量のポリエステル樹脂やアクリル樹脂を使用すると、形成される塗膜の耐水密着性、耐チッピング性といった塗膜性能が低下することが多い。これに対し、本発明においては、中塗り塗料(X)が、例えば、水酸基及びカルボキシル基という2種類の架橋性官能基を有する、ポリエステル樹脂(A)及び/又はアクリル樹脂(B)と、該2種類の架橋性官能基とそれぞれ反応するメラミン樹脂(C−2)及びポリカルボジイミド化合物(C−1)を含有するため、架橋密度が高く且つ架橋点が比較的均一に存在する網目構造が形成され、その結果、タレが発生しにくく、平滑性、耐水密着性及び耐チッピング性に優れた塗膜が形成されると推察される。
中塗り塗料(X)は、必要に応じて、増粘剤、紫外線吸収剤、光安定剤、硬化触媒、消泡剤、可塑剤、上記疎水性溶媒(E)以外の有機溶剤、表面調整剤、沈降防止剤等の塗料用添加剤を含有することができる。
中塗り塗料(X)は、例えば、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)、アクリル樹脂(B)、硬化剤(C)及びジエステル化合物(D)、並びに、必要に応じて、顔料等の塗料用添加剤であるその他成分を、それ自体既知の方法により、溶媒中で、混合、分散することによって調製することができる。水性溶媒としては、脱イオン水又は脱イオン水と親水性有機溶媒の混合物を使用することができる。親水性有機溶媒としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル等を挙げることができる。
中塗り塗料(X)の固形分濃度は、通常30〜80質量%、特に40〜70質量%、さらに特に45〜60質量%の範囲内であることが好ましい。
中塗り塗料(X)は、一液型塗料又は多液型塗料のいずれであってもよいが、貯蔵安定性などの観点から、例えば、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)、アクリル樹脂(B)、メラミン樹脂(C−2)及びジエステル化合物(D)を含有する主剤(X1)と、ポリカルボジイミド化合物(C−1)を含有する硬化剤(X2)とからなる二液型塗料であることが好ましい。また、一般に、主剤(X1)がさらに顔料及び水を含有し、硬化剤(X2)がさらに水を含有することが望ましい。硬化剤(X2)は、さらに界面活性剤を含有してもよい。
中塗り塗料(X)は、それ自体既知の方法、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、回転霧化塗装、カーテンコート塗装などにより被塗物上に塗装することができ、塗装の際、静電印加を行ってもよい。これらの内、エアスプレー塗装、回転霧化塗装等の方法が好ましい。
中塗り塗料(X)の塗布量は、硬化膜厚として、通常5〜70μm、特に10〜50μm、さらに特に15〜40μmの範囲内となるような量であることが好ましい。
工程(2)
以上に述べた工程(1)で形成される中塗り塗料(X)の塗膜(以下、「中塗り塗膜」という場合がある)上には、次いで、水性ベースコート塗料(Y)が塗装される。
上記中塗り塗膜は、水性ベース塗料(Y)を塗装する前に、塗膜が実質的に硬化しない加熱条件でプレヒート(予備加熱)、エアブロー等を行うことが好ましい。なお、本発明において、硬化塗膜とは、JIS K 5600−1−1に規定された硬化乾燥状態、すなわち、塗面の中央を親指と人差指とで強く挟んで、塗面に指紋によるへこみが付かず、塗膜の動きが感じられず、また、塗面の中央を指先で急速に繰り返しこすって、塗面にすり跡が付かない状態の塗膜である。他方、未硬化塗膜とは、塗膜が上記硬化乾燥状態に至っていない状態であって、JIS K 5600−1−1に規定された指触乾燥状態及び半硬化乾燥状態も包含するものである。
上記プレヒートの温度は、通常40〜100℃、特に50〜90℃、さらに特に60〜80℃の範囲内であることが好ましく、また、プレヒートの時間は、通常30秒間〜15分間、特に1〜12分間、さらに特に2〜10分間であることが好ましい。
上記エアブローは、通常、被塗物の塗装面に、常温又は25℃〜80℃の温度に加熱された空気を30秒間〜15分間吹き付けることにより行うことができる。
中塗り塗膜上に塗装される水性ベースコート塗料(Y)は、一般に被塗物に優れた外観を付与することを目的として使用される塗料であって、例えば、カルボキシル基、水酸基などの架橋性官能基を有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタ
ン樹脂、エポキシ樹脂などの基体樹脂と、ブロックされていてもよいポリイソシアネート化合物、前記メラミン樹脂(B−2)、尿素樹脂などの硬化剤とからなる樹脂成分を、顔料、その他の添加剤と共に水性媒体に溶解ないし分散させて塗料化したものを使用することができる。得られる複層塗膜の外観、耐水性などの観点から、なかでも、基体樹脂として水酸基含有樹脂を使用し、且つ硬化剤として上記メラミン樹脂(B−2)を使用する熱硬化型水性塗料が好適である。
前記顔料としては、着色顔料、光輝性顔料等を使用することができる。着色顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、モリブデンレッド、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、スレン(アンスラキノン)系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサジン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料等が挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。また、上記光輝性顔料としては、例えば、アルミニウム(蒸着アルミニウムを含む)、銅、亜鉛、真ちゅう、ニッケル、酸化アルミニウム、雲母、酸化チタンや酸化鉄で被覆された酸化アルミニウム、酸化チタンや酸化鉄で被覆された雲母、ガラスフレーク、ホログラム顔料等を挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。上記光輝性顔料はりん片状であることが好ましい。また、該光輝性顔料としては、長手方向寸法が一般に1〜100μm、特に5〜40μm、厚さが一般に0.001〜5μm、特に0.01〜2μmの範囲内にあるものが適している。
水性ベースコート塗料(Y)は、さらに必要に応じて、硬化触媒、増粘剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、可塑剤、有機溶剤、表面調整剤、沈降防止剤等の通常の塗料用添加剤を含有することができる。これらの塗料用添加剤はそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
水性ベースコート塗料(Y)は、それ自体既知の方法、例えば、エアスプレー、エアレススプレー、回転霧化塗装機等により塗装することができ、塗装の際、静電印加を行ってもよい。塗装膜厚は、硬化膜厚で、通常2〜20μm、好ましくは3〜18μmの範囲内であることができる。
工程(3)
以上に述べた工程(2)で形成される水性ベースコート塗料(Y)の塗膜(以下、「ベースコート塗膜」ということがある)上には、次いで、クリヤーコート塗料(Z)が塗装される。
上記ベースコート塗膜は、クリヤーコート塗料(Z)を塗装する前に、塗膜が実質的に硬化しない加熱条件で前記プレヒート、エアブロー等を行うことが好ましい。プレヒートの温度は、通常40〜100℃、特に50〜90℃、さらに特に60〜80℃の範囲内であることが好ましく、また、プレヒートの時間は、通常30秒間〜15分間、特に1〜10分間、さらに特に2〜5分間であることが好ましい。
上記エアブローは、通常、被塗物の塗装面に、常温又は25℃〜80℃の温度に加熱された空気を30秒間〜15分間吹き付けることにより行うことができる。
クリヤーコート塗料(Z)としては、自動車車体等の塗装用としてそれ自体既知の熱硬化性クリヤーコート塗料組成物をいずれも使用することができる。該熱硬化性クリヤーコート塗料組成物としては、例えば、架橋性官能基を有する基体樹脂及び架橋剤を含有する、有機溶剤型熱硬化性塗料組成物、水性熱硬化性塗料組成物、粉体熱硬化性塗料組成物等を挙げることができる。
上記基体樹脂としては、例えば、架橋性官能基を有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等を挙げることができ、また、硬化剤としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、カルボキシル基含有化合物、カルボキシル基含有樹脂、エポキシ基含有樹脂、エポキシ基含有化合物等を挙げることができる。
クリヤーコート塗料(Z)における基体樹脂/硬化剤の組み合わせとしては、例えば、カルボキシル基含有樹脂/エポキシ基含有樹脂、水酸基含有樹脂/ポリイソシアネート化合物、水酸基含有樹脂/ブロック化ポリイソシアネート化合物、水酸基含有樹脂/メラミン樹脂等が挙げられる。
クリヤーコート塗料(Z)は、一液型塗料であってもよいし、二液型ウレタン樹脂塗料等の多液型塗料であってもよい。
クリヤーコート塗料(Z)には、必要に応じて、透明性を阻害しない程度に、着色顔料、光輝性顔料、染料等を含有させることができ、さらに、体質顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤、表面調整剤等を適宜含有せしめることができる。
クリヤーコート塗料(Z)は、水性ベースコート塗料(Y)の塗膜面に、それ自体既知の方法、例えば、エアレススプレー、エアスプレー、回転霧化塗装機等により塗装することができ、塗装の際、静電印加を行ってもよい。クリヤーコート塗料(Z)は、硬化膜厚で、通常10〜80μm、好ましくは15〜60μm、より好ましくは20〜50μmの範囲内になるように塗装することができる。
クリヤーコート塗料(Z)の塗装後は、必要に応じて、室温で1〜60分間程度のインターバルをおいたり、約40〜約80℃の温度で1〜60分間程度プレヒートすることができる。
工程(4)
本発明の複層塗膜形成方法においては、上記工程(1)〜(3)で形成される未硬化の中塗り塗膜、未硬化のベースコート塗膜及び未硬化のクリヤーコート塗膜が同時に加熱硬化せしめられる。
上記中塗り塗膜、ベースコート塗膜及びクリヤーコート塗膜の硬化は、通常の塗膜の焼付け手段、例えば、熱風加熱、赤外線加熱、高周波加熱等により行うことができる。
加熱温度は、通常約80〜約180℃、好ましくは約100〜約170℃、より好ましくは約120〜約160℃の範囲内であることができる。また、加熱時間は、通常10〜60分間、特に15〜40分間程度であることが好ましい。この加熱により、中塗り塗膜、ベースコート塗膜及びクリヤーコート塗膜の3層からなる複層塗膜を同時に硬化させることできる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、「部」及び「%」はいずれも質量基準によるものである。
カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)の製造
製造例1
温度計、サーモスタット、攪拌装置、還流冷却器及び水分離器を備えた反応容器に、アジピン酸342g、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物185g、イソフタル酸249g、1,6−ヘキサンジオール354g、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール384g及びトリメチロールプロパン82gを仕込み、160℃から230℃まで3時間かけて昇温させた後、縮合水を水分離器により留去させながら230℃に保持し、酸価が5mgKOH/g以下となるまで反応させた。この反応生成物に、無水トリメリット酸88gを添加し、170℃で30分間付加反応を行った後、50℃以下に冷却し、2−(ジメチルアミノ)エタノールを酸基に対して0.9当量添加し中和してから、脱イオン水を徐々に添加することにより、固形分濃度45%、pH7.2のカルボキシル基含有ポリエステル樹脂水分散液(A−1)を得た。得られたカルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A−1)の酸価は36mgKOH/g、水酸基価は80mgKOH/g、重量平均分子量は4,800、数平均分子量は1,460であった。
製造例2〜4
下記表1に示す配合割合のモノマー成分を製造例1と同様にして反応させることにより、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂水分散液(A−2)〜(A−4)を得た。得られたカルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A−2)〜(A−4)の酸価、水酸基価、重量平均分子量、数平均分子量及び炭素数4以上の直鎖アルキレン基の含有量を、製造例1で得たカルボキシル基含有ポリエステル樹脂水分散液(A−1)と併せて下記表1に示す。
なお、酸価の測定は、JISK−5601−2−1(1999)に準拠して行った。具体的には、試料をトルエン/エタノール=2/1体積比の混合溶剤に溶解し、フェノールフタレインを指示薬として水酸化カリウム溶液で滴定し、下記式により算出した。
酸価(mgKOH/g)=56.1×V×C/m
V:滴定量(ml)、
C:滴定液の濃度(mol/l)、
m:試料の固形分質量(g)。
また、水酸基価の測定は、JISK−0070(1992)に準拠して行った。具体的には、試料にアセチル化試薬(無水酢酸25gにピリジンを加えて全体が100mlになるように調整した無水酢酸ピリジン溶液)を5ml加えてグリセリン浴中で加熱した後、水酸化カリウム溶液でフェノールフタレインを指示薬として滴定し、下記式により算出した。
水酸基価(mgKOH/g)=〔V×56.1×C/m〕+D
V:滴定量(ml)、
C:滴定液の濃度(mol/l)、
m:試料の固形分質量(g)、
D:試料の酸価(mgKOH/g)。
(以下、水酸基価及び酸価の測定方法は、本明細書中において同じ)。
Figure 0005600084
水酸基含有アクリル樹脂の製造
製造例5
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管及び滴下装置を備えた反応容器に、プロピレングリコールモノプロピルエーテル30部を仕込み、85℃に昇温させた。昇温後、スチレン10部、メチルメタクリレート30部、2−エチルヘキシルアクリレート15部、n−ブチルアクリレート11.5部、ヒドロキシエチルアクリレート30部、アクリル酸3.5部、プロピレングリコールモノプロピルエーテル10部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2部の混合物を4時間かけてフラスコに滴下し、滴下終了後1時間熟成した。その後さらにプロピレングリコールモノプロピルエーテル5部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1部の混合物を1時間かけてフラスコに滴下し、滴下終了後1時間熟成した。さらに、得られた生成物に2−(ジメチルアミノ)エタノール3.03部を加え、脱イオン水を徐々に添加することにより、固形分濃度40%の水酸基含有アクリル樹脂溶液(AC−1)を得た。得られた水酸基含有アクリル樹脂の酸価は27mgKOH/g、水酸基価は145mgKOH/gであった。
製造例6
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管及び滴下装置を備えた反応容器に、脱イオン水50部、「アデカリアソープSR−1025」(商品名、ADEKA製、乳化剤、有効成分25%)0.2部を仕込み、窒素気流中で撹拌混合し、80℃に昇温させた。次いで、下記モノマー乳化物(1)の全量のうちの3%量及び5%過硫酸アンモニウム水溶液1部を反応容器内に導入し、80℃で20分間保持した。その後、モノマー乳化物(1)の残部を3時間かけて、同温度に保持した反応容器内に滴下し、滴下終了後、90分間熟成を行なった。次いで、反応液を冷却し、該反応液の温度が40℃以下になったところで、5%2−(ジメチルアミノ)エタノール水溶液10部を反応容器に徐々に加え、冷却を続けながら10分間攪拌した。次いで、100メッシュのナイロンクロスで濾過しながら反応容器から排出し、平均粒子径150nm、固形分45%の水分散性水酸基及びカルボキシル基含有アクリル樹脂水分散液(G−1)を得た。得られた水分散性水酸基及びカルボキシル基含有アクリル樹脂は、水酸基価が41mgKOH/g、酸価が36mgKOH/gであった。
また、モノマー成分(b)の総量を基準として、炭素数4〜24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(b−1)の含有割合は75質量%、水酸基含有重合性不飽和モノマー(b−2)の含有割合は9.5質量%、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(b−3)の含有割合は5.5質量%であった。
モノマー乳化物(1): 脱イオン水55部、「アデカリアソープSR−1025」8部、過硫酸アンモニウム0.2部、n−ブチルアクリレート40部、2−エチルヘキシルアクリレート35部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート9.5部、メタクリル酸5.5部及びスチレン10部を混合攪拌することにより、モノマー乳化物(1)を得た。
中塗り塗料(X)の製造
製造例7
製造例1で得たカルボキシル基含有ポリエステル樹脂水分散液(A−1)20部、「JR−806」(商品名、テイカ社製、ルチル型二酸化チタン)50部、「カーボンMA−100」(商品名、三菱化学社製、カーボンブラック)0.5部、脱イオン水20部及びガラスビーズを混合し、ペイントシェーカーで30分間分散した後、ガラスビーズを除去して、顔料分散ペーストを得た。
次いで、得られた顔料分散ペースト90.5部、製造例6で得た水分散性水酸基及びカルボキシル基含有アクリル樹脂水分散液(G−1)93.3部、「カルボジライトE−02」(商品名、日清紡ケミカル社製、ポリカルボジイミド化合物、固形分40%)42.5部及び「サイメル325」(商品名、日本サイテックインダストリーズ社製、メラミン樹脂、固形分80%)40部を均一に混合した。
次いで、得られた混合物に、「プライマルASE−60」(商品名、ロームアンドハース社製、ポリアクリル酸系増粘剤)、2−(ジメチルアミノ)エタノール及び脱イオン水を加えてpH8.0、塗料固形分50%、20℃におけるフォードカップNo.4による粘度40秒の中塗り塗料(X−1)を得た。
製造例8
製造例7と同様にして得た顔料分散ペースト90.5部、製造例1で得たカルボキシル基含有ポリエステル樹脂水分散液(A−1)93.3部、「カルボジライトE−02」42.5部及び「サイメル325」40部を均一に混合した。
次いで、得られた混合物に、「プライマルASE−60」(商品名、ロームアンドハース社製、ポリアクリル酸系増粘剤)、2−(ジメチルアミノ)エタノール及び脱イオン水
を加えて、pH8.0、塗料固形分50%、20℃におけるフォードカップNo.4による粘度40秒の中塗り塗料(X−2)を得た。
製造例9〜19
製造例8において、配合組成を下記表2に示すとおりとする以外は、製造例8と同様にして、中塗り塗料(X−3)〜(X−13)を得た。得られた中塗り塗料(X−3)〜(X−13)の、剪断応力1.0Pa、周波数0.1Hzの条件下での40℃における複素粘性率(η*40)及び80℃における複素粘性率(η*80)を、製造例7及び8で得た中塗り塗料(X−1)及び(X−2)と併せて下記表2に示す。
なお、表2において、ジエステル化合物(D−1)は、ポリオキシエチレングリコールとn−ヘキサン酸のジエステル化合物であり、前記一般式(1)において、RおよびRがペンチル基であり、Rがエチレン基であり、mが5である化合物である。
また、表2に示す配合量は固形分基準である。
Figure 0005600084
Figure 0005600084
水性ベースコート塗料(Y)用アクリル樹脂エマルションの製造例
製造例20
温度計、サーモスタット、撹拌器、還流冷却器、窒素導入管及び滴下装置を備えた反応容器に、脱イオン水130部及び「アクアロンKH−10」0.52部を仕込み、窒素気流中で撹拌混合し、80℃に昇温させた。次いで、下記のモノマー乳化物(2)のうちの全量の1%量及び6%過硫酸アンモニウム水溶液5.3部を反応容器内に導入し、80℃で15分間保持した。その後、残りのモノマー乳化物(2)を3時間かけて、同温度に保持した反応容器内に滴下した。滴下終了後、1時間熟成を行なった。次いで、下記のモノマー乳化物(3)を1時間かけて滴下した。1時間熟成した後、5%ジメチルエタノールアミン水溶液40部を反応容器に徐々に加えながら30℃まで冷却し、100メッシュのナイロンクロスで濾過することにより、濾液として、平均粒子径100nm、固形分濃度30%のアクリル樹脂エマルションを得た。
前記平均粒子径は、サブミクロン粒度分布測定装置「COULTER N4型」(商品名、ベックマン・コールター社製)を用いて、脱イオン水で希釈し20℃で測定した。
得られたアクリル樹脂は、酸価が33mgKOH/g、水酸基価が25mgKOH/gであった。
モノマー乳化物(2): 脱イオン水42部、アクアロンKH−10 0.72部、メチレンビスアクリルアミド2.1部、スチレン2.8部、メチルメタクリレート16.1部、エチルアクリレート28部及びn−ブチルアクリレート21部を混合攪拌して、モノマー乳化物(2)を得た。
モノマー乳化物(3): 脱イオン水18部、アクアロンKH−10 0.31部、過硫酸アンモニウム0.03部、メタクリル酸5.1部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5.1部、スチレン3部、メチルメタクリレート6部、エチルアクリレート1.8部及びn−ブチルアクリレート9部を混合攪拌して、モノマー乳化物(3)を得た。
水性ベースコート塗料(Y)用ポリエステル樹脂の製造
製造例21
温度計、サーモスタット、攪拌装置、還流冷却器及び水分離器を備えた反応容器に、トリメチロールプロパン109部、1,6−ヘキサンジオール141部、ヘキサヒドロ無水フタル酸126部及びアジピン酸120部を仕込み、160℃〜230℃の間を3時間かけて昇温させた後、230℃で4時間縮合反応させた。次いで、得られた縮合反応生成物にカルボキシル基を付加するために、さらに無水トリメリット酸38.3部を加え、170℃で30分間反応させた後、2−エチル−1−ヘキサノール(20℃において100gの水に溶解する質量:0.1g)で希釈し、固形分濃度70%であるポリエステル樹脂溶液を得た。得られたポリエステル樹脂は、酸価が46mgKOH/g、水酸基価が150mgKOH/g、重量平均分子量が6,400であった。
光輝性顔料分散液の製造例
製造例22
攪拌混合容器内において、アルミニウム顔料ペースト(商品名「GX−180A」、旭化成メタルズ株式会社製、金属含有量74%)19部、2−エチル−1−ヘキサノール35部、リン酸基含有樹脂溶液(注1)8部及び2−(ジメチルアミノ)エタノール0.2部を均一に混合して、光輝性顔料分散液を得た。
(注1)リン酸基含有樹脂溶液: 温度計、サーモスタット、撹拌器、還流冷却器、窒素導入管及び滴下装置を備えた反応容器に、メトキシプロパノール27.5部及びイソブタノール27.5部の混合溶剤を入れ、110℃に加熱した。次いで、スチレン25部、n−ブチルメタクリレート27.5部、分岐高級アルキルアクリレート(商品名「イソステアリルアクリレート」、大阪有機化学工業株式会社製)20部、4−ヒドロキシブチルアクリレート7.5部、リン酸基含有重合性モノマー(注2)15部、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート12.5部、イソブタノール10部及びt−ブチルパーオキシオクタノエート4部からなる混合物121.5部を4時間かけて上記混合溶剤に加え、さらにt−ブチルパーオキシオクタノエート0.5部とイソプロパノール20部からなる混合物を1時間かけて滴下した。その後、1時間攪拌しながら熟成して固形分濃度50%のリン酸基含有樹脂溶液を得た。リン酸基含有樹脂のリン酸基による酸価は83mgKOH/g、水酸基価は29mgKOH/g、重量平均分子量は10,000であった。
(注2)リン酸基含有重合性モノマー: 温度計、サーモスタット、撹拌器、還流冷却器、窒素導入管及び滴下装置を備えた反応容器に、モノブチルリン酸57.5部及びイソブタノール41部を入れ、90℃に昇温させた後、グリシジルメタクリレート42.5部を2時間かけて滴下した。その後、さらに1時間攪拌しながら熟成した後、イソプロパノ−ル59部を加えて、固形分濃度50%のリン酸基含有重合性モノマー溶液を得た。得られたモノマーのリン酸基による酸価は285mgKOH/gであった。
水性ベースコート塗料(Y)の製造
製造例23
製造例20で得たアクリル樹脂エマルション100部、製造例21で得たポリエステル樹脂溶液57部、製造例23で得た光輝性顔料分散液62部及びメラミン樹脂(商品名「サイメル325」、日本サイテックインダストリーズ株式会社製、固形分80%)37.5部を均一に混合し、さらに、ポリアクリル酸系増粘剤(商品名「プライマルASE−60」、ロームアンドハース社製)、2−(ジメチルアミノ)エタノール及び脱イオン水を
加えて、pH8.0、塗料固形分25%、20℃におけるフォードカップNo.4による粘度40秒の水性ベースコート塗料(Y−1)を得た。
試験板の作製
製造例7〜19で得た中塗り塗料(X−1)〜(X−13)を用いて、以下のようにしてそれぞれ試験板を作製し、評価試験を行なった。
(試験用被塗物の作製)
リン酸亜鉛化成処理を施した冷延鋼板に、カチオン電着塗料(商品名「エレクロンGT−10」、関西ペイント社製)を硬化膜厚20μmとなるように電着塗装し、170℃で30分間加熱して硬化させて試験用被塗物とした。
実施例1
上記試験用被塗物に、前記製造例7で得た中塗り塗料(X−1)を、回転霧化型の静電塗装機を用いて、硬化膜厚25μmとなるように静電塗装した後、80℃で5分間プレヒートを行なった。次いで、該未硬化の中塗り塗膜上に、前記製造例23で得た水性ベースコート塗料(Y−1)を、回転霧化型の静電塗装機を用いて、硬化膜厚12μmとなるように静電塗装した後、80℃で3分間プレヒートを行なった。
次いで、該未硬化のベースコート塗膜上にアクリル樹脂系溶剤型上塗りクリヤーコート塗料(商品名「K430H」、関西ペイント社製、以下「クリヤーコート塗料(Z−1)」ということがある)を硬化膜厚35μmとなるように静電塗装し、7分間放置した後、140℃で30分間加熱して、上記中塗り塗膜、ベースコート塗膜及びクリヤーコート塗膜を同時に硬化させることにより試験板を作製した。
実施例2〜8及び比較例1〜5
中塗り塗料(X)として、上記表2に示す塗料を用いる以外は実施例1と同様の方法により試験板を作製した。
評価試験
上記実施例1〜8及び比較例1〜5で得られた各試験板について、下記の試験方法により評価を行なった。評価結果を下記表3に示す。
(試験方法)
平滑性: 各試験板について、「Wave Scan」(商品名、BYK Gardner社製)によって測定されるLong Wave(LW)値に基づいて、平滑性を評価した。LW値が小さいほど塗面の平滑性が高いことを示す。
自動車車体等に塗装される塗料としては、目安として、通常、10以下であることが良好であるとされる。
鮮映性: 各試験板について、「Wave Scan」によって測定されるShort Wave(SW)値に基づいて、鮮映性を評価した。SW値が小さいほど塗面の鮮映性が高いことを示す。
自動車車体等に塗装される塗料としては、目安として、通常、16以下であることが良好であるとされる。
仕上り性: 各複層塗膜の塗面外観を目視で観察し、次の基準で評価した。
◎:良好な仕上り性である、
○:ごくわずかにうねりがあるが良好な仕上り性である、
△:うねり、ツヤビケ、チリ肌の少なくとも1種の仕上り性の低下が見られる、
×:うねり、ツヤビケ、チリ肌の少なくとも1種の仕上り性の低下が著しい。
耐水性: 試験板を40℃の温水に240時間浸漬し、引き上げ、20℃で12時間乾燥した後、試験板の複層塗膜を素地に達するようにカッターで格子状に切り込みを入れ、大きさ2mm×2mmのゴバン目を100個作った。続いて、その表面に粘着セロハンテープを貼着し、20℃においてそのテープを急激に剥離した後のゴバン目塗膜の残存状態を調べ、次の基準で評価した。
◎:ゴバン目塗膜が100個残存し、カッターの切り込みの縁において塗膜の小さな
フチカケが生じていない、
○:ゴバン目塗膜が100個残存するが、カッターの切り込みの縁において塗膜の小
さなフチカケが生じている、
△:ゴバン目塗膜が90〜99個残存する、
×:ゴバン目塗膜の残存数が89個以下である。
耐チッピング性: 飛石試験機(商品名「JA−400型」、スガ試験機株式会社製)の試片保持台に試験板を設置し、−20℃において、試験板から30cm離れた場所から0.392MPa(4kgf/cm )の圧縮空気により、粒度7号の花崗岩砕石50gを45度の角度で試験板に衝突させた。その後、得られた試験板を水洗して乾燥し、塗面に布粘着テープ(ニチバン株式会社製)を貼着した。そして、上記テープを剥離し、塗膜のキズの発生程度等を目視で観察し、次の基準で評価した。
◎:キズの大きさが極めて小さく、電着面又は素地の鋼板が露出していない、
○:キズの大きさが小さく、電着面又は素地の鋼板が露出していない、
△:キズの大きさは小さいが、電着面又は素地の鋼板が露出している、
×:キズの大きさはかなり大きく、素地の鋼板も大きく露出している。
耐ガソリン性: 試験板を日石シルバーガソリンに20℃で4時間浸漬した後の塗膜外観を次の基準で評価した。
◎:塗面のツヤボケが認められない、
○:塗面のツヤボケがわずかに認められる、
×:塗面のツヤボケが著しく認められる。
Figure 0005600084

Claims (3)

  1. 下記の工程(1)〜(4):
    (1) 被塗物上に、中塗り塗料(X)を塗装して中塗り塗膜を形成せしめる工程、
    (2) 工程(1)で形成される未硬化の中塗り塗膜上に、水性ベースコート塗料(Y)を塗装してベースコート塗膜を形成せしめる工程、
    (3) 工程(2)で形成される未硬化のベースコート塗膜上に、クリヤーコート塗料(Z)を塗装してクリヤーコート塗膜を形成せしめる工程、ならびに
    (4) 工程(1)〜(3)で形成される未硬化の中塗り塗膜、ベースコート塗膜及びクリヤーコート塗膜を加熱することによって、これら3つの塗膜を同時に硬化させる工程、を順次行うことからなり、中塗り塗料(X)が、
    ポリカルボジイミド化合物及びメラミン樹脂を硬化剤として含有してなるものであって、
    剪断応力1.0Pa及び周波数0.1Hzの条件下で40℃において、100Pa・sec以下の複素粘性率(η*40)を有し、且つ剪断応力1.0Pa及び周波数0.1Hzの条件下で80℃において、800Pa・sec以上の複素粘性率(η*80)を有する
    ことを特徴とする複層塗膜形成方法。
  2. 中塗り塗料(X)が、
    (A) 30〜70mgKOH/gの範囲内の酸価、50〜200mgKOH/gの範囲内の水酸基価及び3,000〜7,000の範囲内の重量平均分子量を有するカルボキシル基含有ポリエステル樹脂 20〜45質量%、
    (B) 炭素数4〜8のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー45〜80質量%、水酸基含有重合性不飽和モノマー1〜10質量%、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー1〜10質量%及びその他の重合性不飽和モノマー0〜53質量%を含有するモノマー成分を共重合して得られるアクリル樹脂 5〜20質量%、
    (C) 硬化剤としてポリカルボジイミド化合物及びメラミン樹脂 40〜55質量%、ならびに
    (D) 一般式(1)
    Figure 0005600084
    [式中、R1およびR2は独立して炭素数4〜18の炭化水素基を示し、R3は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、mは3〜25の整数を示し、m個のオキシアルキレン単位(R3−O)は互いに同じであっても異なっていてもよい]
    で表されるジエステル化合物 5〜20質量%
    ここで、成分(A)〜(D)の各含有量は成分(A)〜(D)の合計固形分を基準とした重量百分率である、
    を含有してなるものである請求項1に記載の複層塗膜形成方法。
  3. 工程(2)において、未硬化の中塗り塗膜上に水性ベースコート塗料(Y)を塗装する前に、該未硬化の中塗り塗膜を40〜100℃の温度で30秒間〜15分間プレヒートする請求項1又は2に記載の複層塗膜形成方法。
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