JP5598643B2 - 二糖類水解酵素活性阻害剤 - Google Patents

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Description

本発明は、血糖値上昇抑制等組成物、血糖値上昇抑制等食品、および二糖類水解酵素活性阻害組成物に関するものである。詳しくは、D−ソルボースを含有する血糖値上昇抑制等組成物、血糖値上昇抑制等食品、および二糖類水解酵素活性阻害組成物に関するものである。
近年、日本人の日常生活は、全体として身体活動量が低下する傾向にある一方、食事によるエネルギー摂取量は相対的に過剰傾向を示し、健康に及ぼす影響が懸念されている。また、食生活が豊かになるに従って感染症などの急性疾患は減少したが、慢性疾患である糖尿病、高血圧症、動脈硬化症、がん等のいわゆる生活習慣病の受療率は急激に増加している。
上記の通り、慢性疾患の一つである糖尿病患者は増加傾向にあり、我国における糖尿病の実態を把握するために、厚生労働省は、平成14年11月、国民栄養調査と併せて糖尿病実態調査を実施した。その結果、糖尿病が強く疑われる人は740万人で、糖尿病の可能性を否定できない予備軍880万人を合わせると、1620万人が糖尿病のリスクを負っていると推計されている。
このような糖尿病患者および糖尿病予備軍(以下「糖尿病患者等」ともいう。)の増加に対しては、その発症予防、特に一次予防の重要性が指摘され、このような糖尿病患者等は、日本人の食生活を含めた生活行動が変わらなければ、今後さらに増加すると予測されている。すなわち、糖尿病の発症は、生活習慣とりわけ食習慣に起因することから、日常の食生活において糖尿病の発症を予防することが重要である。
上述したような糖尿病患者等の増加を意識して、近年では、糖尿病予防に寄与する食品の開発が盛んに行われている。糖尿病予防効果を有する食品の開発にあたり、糖尿病を予防する手段の最も重要なものの一つとしてあげられるのが、血糖上昇を抑制することである。血糖値の上昇を抑制するためには、消化管粘膜に存在する二糖類水解酵素の作用を阻害し、ブドウ糖の生成を抑制することが有効であるため、この二糖類水解酵素に対する阻害物質を見出すことが、糖尿病予防を目的とした機能性食品の開発に直接的に繋がることになる。
二糖類水解酵素に対する阻害物質としては、例えば、アカルボースやデオキシノジリマイシンの他、糖質であるL−アラビノース、D−タガトース等が知られている。
特開2001−316293号公報
上述したように、従来から、糖尿病予防効果を有する食品の開発が望まれてはいたが、食品成分中に血糖値の上昇や耐糖能低下などを抑制あるいは防止する作用を備えたものは多くないという問題があった。
また、上述したように、二糖類水解酵素に対する阻害物質としては種々の物質が公知であるが、より効果(阻害効果)の高い物質が求められている。
そこで、本発明者は、二糖類水解酵素に対する阻害効果が明らかでなく、生理作用に関する研究がほとんど行われていない「D−ソルボース」に着目し、種々の実験等を経て、上記従来技術の問題を解決すべく、血糖値上昇抑制等組成物および二糖類水解酵素活性阻害組成物(本発明)を完成させた。
すなわち、本発明は、上記従来技術の問題を解決するためになされたものであって、D−ソルボースを用いて構成された血糖値上昇抑制等組成物(二糖類水解酵素への阻害効果により、血糖値の上昇を抑制し、インスリン分泌刺激を低減させ得る組成物)を提供することを課題とする。また、本発明は、D−ソルボースを用いて構成された血糖値上昇抑制等食品を提供することを課題とする。さらに、本発明は、D−ソルボースを用いて構成された二糖類水解酵素活性阻害組成物(二糖類水解酵素活性を阻害する組成物)を提供することを課題とする。
本発明にかかる血糖値上昇抑制等組成物は、上記課題を解決するためになされたものであって、D−ソルボースを含有することを特徴としている。より詳しくは、本発明にかかる二糖類水解酵素活性阻害剤は、D−ソルボースを含有することを特徴としている。より詳しくは、スクロースおよびマルトースの少なくとも一方を含有するとともに、有効成分としてのD−ソルボースを9.1〜18.2mM含有することを特徴とする二糖水解酵素活性阻害剤であることを特徴としている。
また、本発明にかかる血糖値上昇抑制等食品は、上記課題を解決するためになされたものであって、上述した血糖値上昇抑制等組成物と糖質とを含有することを特徴としている。ここで、糖質としては、スクロース、マルトース等があげられる。
また、本発明にかかる血糖値上昇抑制等食品は、D−ソルボースを含有することを特徴としている。より詳しくは、本発明にかかる二糖類水解酵素活性阻害剤は、D−ソルボースを含有することを特徴としている。
さらに、本発明にかかる血糖値上昇抑制等食品は、D−ソルボースに加え、スクロースおよびマルトースの少なくとも一方を含有することを特徴としている。より詳しくは、本発明にかかる二糖類水解酵素活性阻害剤は、スクロースおよびマルトースの少なくとも一方を含有することを特徴としている。
D−ソルボースと、スクロースおよびマルトースの少なくとも一方とを同時に摂取すると血糖の上昇を効果的に抑制可能であるため、かかる構成であれば、より機能的な血糖値上昇抑制等食品を得ることができる。つまり、スクラーゼおよびマルターゼに対するD−ソルボースによる阻害効果が高いため、D−ソルボースを配合したスクロース、D−ソルボースを配合したマルトース、あるいは、D−ソルボースを配合したスクロースとマルトースの混合物を構成することによって、二糖類水解酵素に対する阻害効果を利用した「糖質甘味料」を得ることができる。そして、この糖質甘味料を用いることによって、血糖の上昇を効果的に抑制可能な血糖値上昇抑制等食品を得ることができる。
また、本発明にかかる血糖値上昇抑制等食品は、水羊羹、大福餅、ケーキ、クッキー、チョコレート、ガム、カステラ、パン、アイスクリーム、プディング、ゼリー、ババロア、クリーム、キャラメル、ジャム、餡、飴、羊羹、最中、および菓子のいずれかであることが好ましい。さらに、本発明にかかる血糖値上昇抑制等食品は、清涼飲料、炭酸飲料、乳酸菌飲料、果汁飲料、およびジュースのいずれかであることが好ましい。より詳しくは、本発明にかかる二糖類水解酵素活性阻害剤は、水羊羹、大福餅、ケーキ、クッキー、チョコレート、ガム、カステラ、パン、アイスクリーム、プディング、ゼリー、ババロア、クリーム、キャラメル、ジャム、餡、飴、羊羹、最中、および菓子のいずれかに含有されることが好ましい。さらに、本発明にかかる血糖値上昇抑制等食品は、清涼飲料、炭酸飲料、乳酸菌飲料、果汁飲料、およびジュースのいずれかに含有されることが好ましい。
また、本発明にかかる二糖類水解酵素活性阻害組成物は、上記課題を解決するためになされたものであって、D−ソルボースを含有することを特徴としている。
本発明によれば、D−ソルボースを用いて構成された血糖値上昇抑制等組成物(二糖類水解酵素への阻害効果により、血糖値の上昇を抑制し、インスリン分泌刺激を低減させ得る組成物)を得ることができる。また、本発明によれば、D−ソルボースを用いて構成された血糖値上昇抑制等食品を得ることができる。さらに、本発明によれば、D−ソルボースを用いて構成された二糖類水解酵素活性阻害組成物(二糖類水解酵素活性を阻害する組成物)を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態においては、D−ソルボースを用いることによって血糖値上昇抑制等組成物、および二糖類水解酵素活性阻害組成物を構成し、D−ソルボースあるいはこれらの組成物を用いて血糖値上昇抑制等食品を構成する。すなわち、本件発明者は、これまで知られていなかった「D−ソルボース」の新たな効果に着目し、その結果として、血糖値上昇抑制等組成物、および二糖類水解酵素活性阻害組成物等を発明するに至った。
以下、「D−ソルボース」の新たな効果を見出すに至った種々の実験について具体的に説明する。
<1.実験材料および実験方法>
(1−1)阻害物質として用いた各種糖質
二糖類水解酵素に対する阻害効果を観察するために、D−ソルボース、L−ソルボース、L−アラビノース、D−タガトース、D−エリスリトール、D−キシリトール、およびD−アラビトールを用いた。これらの各糖質は、蒸留水で溶かして200mMに調製した。各種実験においては、これらの溶液を必要に応じて蒸留水で希釈して使用した。
(1−2)ラット小腸粘膜ホモジネートの調製
18日間飼育した成体雄ラットを前夜から絶食させた後、断頭、放血させ、直ちに腹部を切り開き、全小腸を取り出し、氷冷した生理食塩水で洗浄した。その後、シリンジ(20mL)を用い、小腸管内を生理食塩水で洗浄し、この小腸を縦に切り開き、ペーパータオルで水滴を除去後、氷冷ガラスプレート上にてスライドグラスを用いて粘膜を剥離した。得られた小腸粘膜を秤量後、生理食塩水を9倍容量加え、ポリトロン(Kinematica Co.,LTD,Swiss)を用いて氷冷下で30秒間、2回ホモジナイズした。この10%ホモジネートを約1mLずつ分注し、使用するまで−80℃で凍結保存した。
(1−3)ヒト小腸ホモジネートの調製
ヒト小腸組織片は、がん等の手術時に摘出したものを実験に供するまで−80℃で凍結保存した。組織片は、出術中に摘出したものであるため、標本によって小腸部位および組織重量が著しく異なった。解凍した小腸組織片を氷冷した生理食塩水で洗浄し、ペーパータオルで水滴を除去後、氷冷したガラスプレート上にてスライドグラスを用いて小腸粘膜を剥離した。得られた小腸粘膜を秤量後、生理食塩水を19倍容量加え、ポリトロン(Kinematica Co.,LTD,Swiss)を用いて氷冷下で30秒間、2回ホモジナイズした。この5%ホモジネートを約1mLずつ分注し、使用するまで−80℃で凍結保存した。
(1−4)ラット小腸粘膜微絨毛膜の調製
ラット小腸粘膜からの微絨毛膜の調製は、Kesslerらの方法(Kessler M, Acuto O, Strelli C, Murer H, Muller Mn Smenza G (1978) A modified procedure for the rapid preparation of efficiently transporting vesicles from small intestinal brush border membranes. Biochem Biophys Acta 506 : 136-154)に準じて行った。
30日間飼育した成体雄ラット31匹(体重約400g)を前夜から12時間以上絶食させ、水のみを与えた。断頭放血後、直ちに腹部を切り開き、全小腸を取り出し、氷冷した生理食塩水で洗浄した。シリンジ(20mL)を用い、小腸管内を2〜3度生理食塩水で洗浄し、この小腸を縦に切り開き、ペーパータオルで水滴を除去後、ガラスプレート上にて氷冷したスライドグラスを用いて粘膜を剥離した。
得られた粘膜を秤量後、50mMマンニトール入り2mM Tris−Cl(pH7.1)緩衝液を30倍量加え、あらかじめ氷冷しておいたミキサーで20〜30秒間のインターバルで約90秒間攪拌して均一化した。このホモジネートに10mMとなるように塩化カルシウムを加え、氷冷下で20分間放置した。この懸濁液を3,000×g、4℃で15分間遠心分離し、得られた上清をさらに27,000×g、4℃で30分間遠心分離した。沈殿物の小腸粘膜微絨毛膜画分を洗浄するために上清液を捨て、100mMマンニトール入り10mM Tris−Cl(pH7.1)緩衝液で沈殿物を懸濁し、27,000×g、4℃で30分間遠心分離した。この操作をもう一回繰り返した後、得られた沈殿物を適当量の生理食塩水で懸濁し、27,000×g、4℃で20分間遠心分離した。二糖類水解酵素に対して阻害作用のあるトリス[トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン]を塩化ナトリウムで置換し、得られた微絨毛膜を適当量の生理食塩水で懸濁後、約3mLずつに分注し、実験にしようするまで−80℃で凍結保存した。
(1−5)スクラーゼ、マルターゼ、イソマルターゼ、トレハラーゼ、およびラクターゼ活性の測定
各二糖類水解酵素の活性測定は、グルコースオキシダーゼを用いるDahlqvistらの方法(Dahlqvist A (1964) Method for assay of intestinal disaccharidases.
Anal Biochem 7 : 18-25)を一部改変した奥らの方法(Oku T, Konishi F, Hosoya N (1982) Mechanism of inhibitory effect of unavailable carbohydrate on intestinal calcium absorption. J Nutr 112 : 410-415)で行った。スクラーゼ活性の測定にはスクロースを、マルターゼ活性の測定にはマルトースを、イソマルターゼ活性の測定にはパラチノースを、トレハラーゼ活性の測定にはトレハロースを、ラクターゼ活性の測定にはラクトースを、それぞれ基質として用いた。
二糖類水解酵素に対する各種糖質による阻害効果を観察する実験では、適当に希釈した小腸粘膜微絨毛膜懸濁液または小腸粘膜ホモジネートを用いた。適当に希釈したこれらの酵素標本0.1mLを小試験管(10mL)に分注し、これに適当な濃度の阻害物質溶液20μLを加え、2〜3分間37℃で保温させた。これに基質濃度が112mMとなるようにマレイン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)に溶かしたものを0.1mL加え、37℃に反応させた。反応時間は吸光度の測定に適した生成物量になるように設定した。反応後、TGO試薬(それぞれの最終濃度がグルコースオキシダーゼ10U/mL、ペルオキシダーゼ5U/mL、4−アミノアンチピリン0.5mM、p−フェノールスルホン酸ナトリウム20mMとなるように0.5mM Tris−Cl緩衝液(pH7.0)に溶かしたもの)を2.4mL加え、さらに10分間反応させた。反応後、4NNaOHを加えて反応を停止させ、分光光度計(UVmini−1240:島津製作所)を用いて、波長500nmにおける吸光度を測定した。
各種糖質による阻害効果を観察するための対照としては、阻害物質溶液の代わりに蒸留水20μLを加えた。また、グルコース標準液として、グルコースを蒸留水で調製したものを用いた。各酵素比活性は、タンパク質1mgあたり1時間に加水分解された基質量をμmole数(μ moles of substrate hydrolyzed/mg protein/hr)で表した。
(1−6)二糖類水解酵素に対する各種糖質のKm、Vmaxおよび阻害物質によるKiの測定
ラット小腸粘膜微絨毛膜を用いてスクロースに対するKmおよびVmaxを求める実験では、基質濃度を0〜150mMの範囲に調製したものを用いた。ラット小腸粘膜微絨毛膜のマルトースに対するKmおよびVmaxを求める実験では、基質濃度を0〜30mMの範囲に調製したものを用いた。
D−ソルボース、L−ソルボース、L−アラビノース、およびD−タガトースによるスクラーゼへの阻害効果を観察する実験では、適当な濃度に希釈した酵素標本を用い、基質濃度は0〜150mMの範囲に調製した。D−ソルボースおよびL−ソルボースによるマルターゼへの阻害効果を観察する実験では、適当な濃度に希釈した酵素標本を用い、基質濃度は0〜30mMの範囲に調製した。
D−ソルボースおよびL−ソルボースのスクラーゼまたはマルターゼに対する阻害効果を観察する実験においては、適当に希釈した小腸粘膜微絨毛膜懸濁液0.1mLを小試験管(10mL)に分注し、蒸留水または阻害物質溶液を20μLずつ加え、濃度を変化させた基質液を0.1mL加え、そのあとは上記と同様に操作した。
L−アラビノースおよびD−タガトースのスクラーゼに対する阻害効果を観察する実験においては、適当に希釈した小腸粘膜微絨毛膜懸濁液0.1mLを小試験管(10mL)に分注し、濃度を変化させた基質液または阻害物質溶液を適当なmol数に混合した基質液を0.1mL加え、そのあとは上記と同様に操作した。
(1−7)ラットにおけるスクロース経口投与による血糖上昇に対するD−ソルボースの抑制効果実験
1)試験溶液の調整
ラットへD−ソルボース、L−ソルボース、およびL−アラビノースをスクロースと同時に経口投与したときの血糖上昇抑制効果を観察するために、阻害物質無添加溶液、ならびに各一種類の濃度のD−ソルボース溶液、L−ソルボース溶液、およびL−アラビノース溶液を調製した。阻害物質無添加溶液として、スクロースを0.3g/mLの濃度に調製したものを用いた。阻害物質添加溶液としては、それぞれ〔スクロース0.3g+D−ソルボース33.3mg/mL〕、〔スクロース0.3g+L−ソルボース33.3mg/mL〕、〔スクロース0.3g+L−アラビノース33.3mg/mL〕の濃度に調製したものを用いた。
2)試験溶液の経口投与と採血
これらの試験溶液1.5mL(スクロース450mg相当)を各ラットに胃ゾンデを用いて経口投与した。ラットは試験物質投与前夜から12時間以上絶食させ、水のみを与えた。採血は、尾静脈を穿刺し、ヘマトクリット管を用いて試験物質投与前(空腹時血糖、0分値)と、投与後30分、60分、90分、120分、150分、180分の計7回行った。採血後、14,000×g、室温で5分間ヘマトクリット遠心機(久保田商事株式会社製)で遠心分離し、得られた血清を血糖値の測定に用いた。
3)血糖の測定
血清の血糖測定は、グルコースオキシダーゼを用いるKunstらの方法(Kunst A,Draegar B,Ziegenhorn J (1984) Colorimetric methods with glucose oxidase and peroxidase. In : Methods of Enzymatic Analysis ( HU Berbmeyer ed),3rd edn, Vol.VI,p178-185 Verlag Chemie,Weinheim,Germany.)に準じて行った。
遠心分離して得られた血清10μLを小試験管(10mL)に分注し、GOD試薬(それぞれの最終濃度がグルコースオキシダーゼ5.8U/mL、ペルオキシダーゼ0.71U/mL、4−アミノアンチピリン0.51mmol/L、フェノール10.6mmol/Lとなるように30mM リン酸緩衝液(pH7.4)に溶解したもの)を1.5mL加え、37℃で20分間反応させた後、分光光度計(UVmini−1240:島津製作所)を用いて、波長505nmにおける吸光度を測定した。
(1−8)解析および統計処理について
ラット小腸粘膜ホモジネートにおける二糖類水解酵素に対する各種糖質による阻害効果の実験において、阻害物質溶液無添加溶液の二糖類水解酵素活性と阻害物質添加溶液の二糖類水解酵素活性との差については、阻害物質無添加の二糖類水解酵素活性の平均に対するpaired student’s t−testを行った。
ラットへ試験物質を投与したときの血糖上昇抑制効果の実験における阻害物質添加溶液投与時の血糖値の差については、阻害物質無添加溶液投与時の血糖値の平均に対するpaired student’s t−testを行った。
解析には、SPSS ver.10(SPSS Inc,)を用い、いずれも有意確率を5%未満とした。
<2.実験結果>
次に、上述した実験を行った結果について説明する。
(2−1)ラット小腸粘膜微絨毛膜二糖類水解酵素に対する各種糖質の阻害効果について
1)スクラーゼに対する阻害効果
図1は、ラット小腸粘膜微絨毛膜懸濁液のスクラーゼ活性に対する各種糖質の阻害効果を示したグラフである。この図1におけるそれぞれの棒グラフ上の数値は、阻害物質である各種糖質が存在しない場合(図1のグラフL10参照)のスクラーゼ活性を100とした場合の阻害率を示したものである。図1に示すように、阻害物質である各種糖質が存在しない場合(グラフL10)のラット小腸粘膜微絨毛膜懸濁液のスクラーゼ活性は、118.1μ moles of substrate hydrolyzed/mg protein/hrであった。
図1から明らかなように、反応液の最終濃度が9.1mMであるD−ソルボース存在下では、スクラーゼ活性は33.5μ moles of substrate hydrolyzed/mg protein/hrとなり、阻害物質を加えない場合(グラフL10)よりも約28%低下し、その阻害比率は約71.6%であった(グラフL11B参照)。また、D−ソルボースの濃度を18.2mMと高くしたときの阻害比率は、阻害物質を加えない場合(グラフL10)の約82.6%であった(グラフL11A参照)。
これに対し、反応液の最終濃度が9.1mMであるL−ソルボース存在下の阻害比率は、阻害物質を加えない場合(グラフL10)のわずか8.8%で(グラフL12B参照)、L−ソルボースの濃度を18.2mMと高くしたときでも、その阻害比率は16.7%にすぎなかった(グラフL12A参照)。
一方、スクラーゼに対する阻害効果が認められているL−アラビノースを用いて同様に阻害効果を確認したところ、最終濃度が9.1mMであるL−アラビノース存在下のスクラーゼ活性は21.2μ moles of substrate hydrolyzed/mg protein/hrで、阻害比率は阻害物質を加えない場合(グラフL10)の約82.0%であった(グラフL13B参照)。また、L−アラビノース濃度を18.2mMと高くしたときの阻害比率は、約93.8%と上昇し(グラフL13A参照)、L−アラビノースのスクラーゼに対する阻害効果は、D−ソルボースよりもやや強いことが示された。
D−タガトースは、L−アラビノースと比べると二糖類水解酵素に対する疎外効果が弱いとされている。最終濃度が9.1mMであるD−タガトース存在下で同様にスクラーゼ阻害効果を観察したところ、スクラーゼ活性は、58.0μ moles of substrate hydrolyzed/mg protein/hrへ低下し、その阻害比率は約50.8%であった(グラフL14B参照)。また、D−タガトース濃度を18.2mMに高くすると、阻害比率は約66.9%と高くなった(グラフL14A参照)。
さらに、D−エリストール(グラフL15A,L15B参照)、D−キシリトール(グラフL16A,L16B参照)、およびD−アラビトール(グラフL17B参照)を用いて同様にスクラーゼに対する阻害効果を観察したが、これらの糖質による阻害効果は、非常に弱かった。
2)マルターゼに対する阻害効果
図2は、ラット小腸粘膜微絨毛膜懸濁液のマルターゼ活性に対する各種糖質の阻害効果をスクラーゼの場合と同様に行い、その結果を示したグラフである。この図2におけるそれぞれの棒グラフ上の数値は、阻害物質である各種糖質が存在しない場合(図2のグラフL20参照)のマルターゼ活性を100とした場合の阻害率を示したものである。図2に示すように、阻害物質である各種糖質が存在しない場合(グラフL20)のラット小腸粘膜微絨毛膜懸濁液のマルターゼ活性は、406.8μmoles of substrate hydrolyzed/mg protein/hrで、スクラーゼ活性の約3.5倍と高かった。
図2から明らかなように、反応液の最終濃度が9.1mMであるD−ソルボース存在下におけるマルターゼ活性は262.6μ moles of substrate hydrolyzed/mg protein/hrとなり、その阻害比率は、阻害物質を加えない場合(グラフL20)との対比において約35.5%であった(グラフL21B参照)。また、D−ソルボースの濃度を18.2mMと高くしたときの阻害比率は、約46.4%であった(グラフL21A参照)。この結果から、D−ソルボースのマルターゼに対する阻害効果はスクラーゼに対する阻害効果よりも弱いということが明らかとなった。
これに対し、マルターゼに対するL−ソルボースの阻害効果は、反応液の最終濃度が9.1mMであるL−ソルボース存在下ではわずかしか阻害されず(阻害比率約6.4%)(グラフL22B参照)、L−ソルボースの濃度を18.2mMと高くしたときでも、その阻害比率はわずか約11.3%に過ぎなかった(グラフL22A参照)。
スクラーゼに対して最も強い阻害効果を示したL−アラビノースのマルターゼに対する阻害効果は、最終濃度が9.1mMであるL−アラビノース存在下ではきわめて弱く(阻害比率約12.2%)(グラフL23B参照)、L−アラビノース濃度を18.2mMと高くしたときであっても阻害比率は約29.1%に過ぎなかった(グラフL23A参照)。このことから、L−アラビノースのマルターゼに対する阻害効果は、スクラーゼに対する阻害効果と異なり、弱いことが明らかとなった。
さらに、D−タガトース(グラフL24B参照)、D−エリストール(グラフL25B参照)、D−キシリトール(グラフL26B参照)、およびD−アラビトール(グラフL27B参照)を用いて同様にマルターゼに対する阻害効果を観察したが、これらの糖質による阻害効果は、ほとんど見られなかった。
3)イソマルターゼ、トレハラーゼ、およびラクターゼに対する阻害効果
図3は、ラット小腸粘膜微絨毛膜懸濁液のイソマルターゼ活性に対する各種糖質の阻害効果を示したグラフである。また、図4は、ラット小腸粘膜微絨毛膜懸濁液のトレハラーゼ活性に対する各種糖質の阻害効果を示したグラフである。さらに、図5は、ラット小腸粘膜微絨毛膜懸濁液のラクターゼ活性に対する各種糖質の阻害効果を示したグラフである。なお、この図3〜図5において、加えた阻害物質の濃度は、いずれも9.1mMである。
図3から明らかなように、ラット小腸粘膜微絨毛膜懸濁液イソマルターゼのパラチノースに対する水解活性は、18.2μ moles of substrate hydrolyzed/mg protein/hrで、スクラーゼ活性の約1/8程度であった(図3のグラフL30参照)。また、図4から明らかなように、トレハラーゼ活性は、60.5μ moles of substrate hydrolyzed/mg protein/hrで、スクラーゼ活性の約半分であった(図4のグラフL40参照)。さらに、図5から明らかなように、ラクターゼ活性は、14.4μ moles of substrate hydrolyzed/mg protein/hrで、パラチノースに対する水解能と同程度であった(図5のグラフL50参照)。
先に説明した通り、D−ソルボースおよびL−アラビノースは、スクラーゼおよびマルターゼに対して比較的強い阻害効果を示したが(図1および図2参照)、イソマルターゼ、トレハラーゼ、およびラクターゼに対しては、阻害物質濃度9.1mMの存在下では、ほとんど阻害効果を示さなかった(図3〜図5参照)。
また、トレハラーゼに対しては、用いた各種糖質は、ほとんど阻害効果を示さなかった(図4参照)。
イソマルターゼに対するD−ソルボース(図3のグラフL31参照)、L−ソルボース(図3のグラフL32参照)、およびL−アラビノース(図3のグラフL33参照)の阻害効果はほとんど見られなかったが、糖アルコールであるD−エリスリトール(図3のグラフL35参照)、D−キシリトール(図3のグラフL36参照)、およびD−アラビトール(図3のグラフL37参照)は、10%程度の阻害を示した。また、D−タガトース(図3のグラフL34参照)も同程度の阻害効果を示した。
D−エリスリトール(図5のグラフL55参照)、D−キシリトール(図5のグラフL56参照)、およびD−アラビトール(図5のグラフL57参照)の同様の阻害効果は、ラクターゼについても観察された。
これらの結果から、これらの糖アルコール(D−エリスリトール、D−キシリトール、およびD−アラビトール)は、イソマルターゼおよびラクターゼに対して、特殊な働きをしていると考えられる。
(2−2)二糖類水解酵素に対する各種糖質のKm、Vmaxおよび阻害物質によるKi
1)スクラーゼに対するソルボースの阻害効果
スクラーゼに対して阻害効果を示したD−ソルボースを用いて、スクラーゼに対する阻害機序を検討した。D−ソルボース濃度が1.4mMおよび2.3mMの存在下におけるスクラーゼに対する阻害作用は図6に示す通りである。この図6において、グラフL611は、D−ソルボース無添加の場合、グラフL612は、濃度1.4mMのD−ソルボースが存在する場合、グラフL613は、濃度2.3mMのD−ソルボースが存在する場合を示している。この図6から明らかなように、D−ソルボースの濃度を濃くするほど強い阻害効果が見られた。
また、図6の結果をLineweaver−Burkプロットすると、図7のようになる。この図7において、グラフL711は、D−ソルボース無添加の場合、グラフL712は、濃度1.4mMのD−ソルボースが存在する場合、グラフL713は、濃度2.3mMのD−ソルボースが存在する場合を示している。この図7から明らかなように、D−ソルボース無添加のコントロールの回帰直線(グラフL711)に対して、D−ソルボース1.4mMおよび2.3mMの存在下における回帰直線(グラフL712,L713)は、いずれも平行になった。つまり、三直線(グラフL711,L712,L713)がx軸上においてもy軸上においても交差しないので、この図7の結果から、スクラーゼに対するD−ソルボースの阻害は不拮抗であることが明らかとなった。
一方、スクラーゼに対するL−ソルボースの阻害効果は、D−ソルボースの阻害効果に比べると弱かったが(図1参照)、濃度を高くすると阻害効果が観察された。それゆえ、L−ソルボースの濃度を18.2mMと高くしてスクラーゼに対する阻害機序を検討した。図8はその結果を示したグラフである。この図8において、グラフL821は、L−ソルボース無添加の場合を示し、グラフL822は、濃度18.2mMのL−ソルボースが存在する場合を示している。
図8の結果をLineweaver−Burkプロットすると、図9のようになる。この図9において、グラフL921は、L−ソルボース無添加の場合を示し、グラフL922は、濃度18.2mMのL−ソルボースが存在する場合を示している。この図9に示す通り、L−ソルボース無添加のコントロールの回帰直線(グラフL921)と、L−ソルボース18.2mM存在下における回帰直線(グラフL922)とは、y軸上において交差する。このことは、L−ソルボースはスクラーゼに対して拮抗的に作用することを示している。
図6〜図9の結果から、D−ソルボースとL−ソルボースとは構造が類似しているが、D型とL型との違いで不拮抗阻害と拮抗阻害との違いが生じることが明らかとなった。
2)スクラーゼに対するL−アラビノースおよびD−タガトースの阻害効果
図10および図11は、スクラーゼに対するD−ソルボースの阻害効果を観察した実験と同様に、L−アラビノースおよびD−タガトースを用いて実験を行った結果を、Lineweaver−Burkプロットによって示したものである。図10において、グラフL1031は、L−アラビノース無添加の場合、グラフL1032は、濃度0.5mMのL−アラビノースが存在する場合、グラフL1033は、濃度1.5mMのL−アラビノースが存在する場合を示している。また、図11において、グラフL1141は、D−タガトース無添加の場合、グラフL1142は、濃度5mMのD−タガトースが存在する場合、グラフL1143は、濃度10mMのD−タガトースが存在する場合を示している。
L−アラビノース0.5mMおよび1.5mM存在下の回帰直線(グラフL1032,L1033)は、L−アラビノース無添加の回帰直線(グラフL1031)に対していずれも平行になった。つまり、三直線(グラフL1031,L1032,L1033)がx軸上においてもy軸上においても交差しないので、スクラーゼに対するL−アラビノースの阻害はD−ソルボースと同様に不拮抗であることが明らかとなった。
D−タガトース5mMおよび10mM存在下の回帰直線(グラフL1142,L1143)も、D−タガトース無添加の回帰直線(グラフL1141)に対していずれも平行になった。つまり、D−タガトースも、三直線(グラフL1141,L1142,L1143)がx軸上においてもy軸上においても交差しないので、スクラーゼに対するD−タガトースの阻害はL−アラビノースと同様に不拮抗であることが明らかとなった。
3)マルターゼに対するソルボースの阻害効果
図12は、Lineweaver−BurkプロットによるD−ソルボースのラット小腸粘膜マルターゼ活性に対する阻害機序を示したグラフである。また、図13は、Lineweaver−BurkプロットによるL−ソルボースのラット小腸粘膜マルターゼ活性に対する阻害機序を示したグラフである。図12において、グラフL1211は、D−ソルボース無添加の場合、グラフL1212は、濃度4.5mMのD−ソルボースが存在する場合、グラフL1213は、濃度9.1mMのD−ソルボースが存在する場合を示している。また、図13において、グラフL1321は、L−ソルボース無添加の場合、グラフL1322は、濃度18.2mMのL−ソルボースが存在する場合を示している。
図12に示すように、マルターゼ活性に対するD−ソルボースによる阻害の機序は不拮抗的であった。また、図13に示すように、L−ソルボースによる阻害はほとんど認められなかったが、拮抗的である傾向が明らかとなった。
4)二糖類水解酵素に対する各種糖質のKm、Vmaxおよび阻害物質によるKi
Lineweaver−Burkプロットにより算出したラット小腸粘膜微絨毛膜の各二糖類水解酵素に対するKmおよびVmaxをまとめると図14のようになる。
図14に示す通り、スクラーゼに対するスクロースのKm値は35.9mM、Vmaxは168.6μ moles of substrate hydrolyzed/mg protein/hrであった。また、マルターゼに対するマルトースのKm値は4.0mM、Vmaxは393.6μ moles of substrate hydrolyzed/mg protein/hrであった。
さらに、図15においては、前述のLineweaver−Burkプロットにより算出した二糖類水解酵素に対する各種糖質の阻害定数Kiを示す。
この図15に示すように、スクラーゼに対するKiは、D−ソルボースによる場合が7.5mM、L−ソルボースによる場合が68.0mM、L−アラビノースによる場合が2.6mM、D−タガトースによる場合が16.5mMであった。
また、マルターゼに対する阻害定数Kiは、D−ソルボースによる場合が18.6mMであり、L−ソルボースは阻害効果がきわめて弱かったので算出することができなかった。
(2−3)ヒトおよびラットの小腸粘膜二糖類水解酵素に対する各種糖質の阻害効果について
1)ヒトおよびラット小腸粘膜二糖類水解酵素比活性の比較
ヒト小腸粘膜ホモジネートを用いて測定したスクラーゼ比活性を「1」とした場合の他の二糖類水解酵素比活性の相対的な関係を図16に示し、ラットのそれと比較した。この図16に示すように、ヒトにおいては、マルターゼ、スクラーゼ、イソマルターゼ活性の順に高く、トレハラーゼおよびラクターゼ活性については個体差が見られた。また、ラットにおいては、図16に示すように、マルターゼ、スクラーゼ、トレハラーゼ、ラクターゼ、イソマルターゼ活性の順に高かった。
2)ヒトおよびラット小腸粘膜二糖類水解酵素に対する各種糖質の阻害効果の比較
ヒトおよびラット小腸粘膜ホモジネートの二糖類水解酵素活性に対する各種糖質による阻害効果を観察し、その結果を以下に説明する。なお、ヒトについては、同じ基質に対する比活性で個体差が生じた。これは、手術によって摘出した小腸部位がそれぞれ顕著に異なるためであると考えられる。
二糖類水解酵素に対する各種糖質の阻害効果を観察するために、いずれの基質を用いる場合にも阻害物質として用いた各種糖質濃度は反応系において9.1mMとなるように調製した。
ヒトにおける阻害物質無添加のスクラーゼ活性は、最も高い標本において、26.4μ moles of substrate hydrolyzed/mg protein/hr、最も低い標本において、9.2μ moles of substrate hydrolyzed/mg protein/hrであった。ヒトにおけるD−ソルボースによるスクラーゼ活性の低下率の平均は61.1±3.5%であったが、L−ソルボースによる低下率の平均は8.1±6.3%であった。また、その低下率の平均は、L−アラビノースでは56.4±2.8%、D−タガトースでは32.8±6.7%であった。さらに、D−エリスリトールおよびD−キシリトールによる阻害効果はほとんど見られなかった。
ラットにおけるD−ソルボースによるスクラーゼ活性の低下率の平均は73.4±3.5%であったが、L−ソルボースによる低下率の平均は8.1±6.3%であった。また、その低下率の平均は、L−アラビノースでは56.4±2.8%、D−タガトースでは32.8±6.7%であった。さらに、D−エリスリトールおよびD−キシリトールによる阻害効果はほとんど見られなかった。
ヒトにおける阻害物質無添加のマルターゼ活性は、最も高い標本において、78.94μ moles of substrate hydrolyzed/mg protein/hr、最も低い標本において、45.27μ moles of substrate hydrolyzed/mg protein/hrであった。D−ソルボースによるマルターゼ活性の低下率の平均は21.8±3.0%で、スクラーゼに対する阻害効果に比べてやや弱い阻害効果を示した。その他の糖質による阻害効果は、ほとんど見られなかった。
ヒトにおける阻害物質無添加のイソマルターゼ活性は、最も高い標本において、4.47μ moles of substrate hydrolyzed/mg protein/hr、最も低い標本において、1.92μ moles of substrate hydrolyzed/mg protein/hrであった。また、いずれの糖質による阻害効果も見られなかった。
ヒトにおける阻害物質無添加のトレハラーゼ活性は、最も高い標本において、6.17μ moles of substrate hydrolyzed/mg protein/hr、最も低い標本において、0.41μ moles of substrate hydrolyzed/mg protein/hrであった。D−ソルボースによるトレハラーゼ特性の低下率の平均は、21.2±10.8%とやや阻害効果を示した。三つの標本のうち、二つの標本の阻害率はそれぞれ33.0%および23.8%であったが、最もトレハラーゼ活性が高かったもう一つの標本の阻害率は6.8%であった。その他の糖質による阻害効果は、ほとんど見られなかった。
ヒトにおける阻害物質無添加のラクターゼ活性は、最も高い標本において、1.00μ moles of substrate hydrolyzed/mg protein/hr、最も低い標本において、0.16μ moles of substrate hydrolyzed/mg protein/hrであった。また、いずれの糖質による阻害効果も見られなかった。
ラットホモジネートにおける二糖類水解酵素に対する各種糖質の阻害効果は、スクラーゼに対して、L−アラビノース、D−ソルボース、D−タガトースの順で阻害効果が高かった。また、マルターゼに対して、D−ソルボースの阻害効果が明らかとなった。その他の糖については、どの二糖類水解酵素に対しても阻害効果は「弱い」あるいは「無く」、ラット小腸粘膜微絨毛膜二糖類水解酵素に対する各種糖質による阻害効果とほぼ同様の結果が得られた。スクラーゼに対するD−ソルボースの阻害効果は、ラットよりヒトにおける場合の方が、強いことが明らかとなった。
(2−4)ラットへ経口投与したスクロースの血糖上昇に対するD−ソルボースの抑制効果
ラット小腸粘膜微絨毛膜を用いた二糖類水解酵素に対する阻害実験において、D−ソルボースがスクラーゼに対して強い阻害効果を示すことは、上述した通りである。このスクラーゼに対するD−ソルボースの阻害効果がスクロースを経口的に摂取したときにも発現することを実証するために、本実施形態においては、ラットへD−ソルボースをスクロースと同時に経口投与したときの血糖上昇抑制効果を観察した。D−ソルボースとの比較のために、L−ソルボースおよびL−アラビノースに関しても同様の観察を行った。
以下においては、阻害物質無添加溶液〔スクロース0.3g/mL〕、D−ソルボース添加溶液〔スクロース0.3g+D−ソルボース333mg/mL〕、L−ソルボース添加溶液〔スクロース0.3g+L−ソルボース333mg/mL〕、L−アラビノース添加溶液〔スクロース0.3g+L−アラビノース333mg/mL〕の各試験溶液をラットへ経口投与したときの血糖値の経時的変化について説明する。ここで、図17は、それぞれの溶液をラットへ経口投与したときの血糖値の経時的変化を示したグラフである。
図17に示すように、阻害物質無添加溶液では、投与後、血糖値は急激に上昇して、30分値で160±9.2mg/100mL、60分値で165±10.4mg/100mLとピークに達し、90分値以降は緩やかに低下した(グラフL1700参照)。
D−ソルボース添加溶液を投与した場合には、試験溶液投与後、血糖値は空腹時よりもやや上昇し、30分値で120±14.5mg/100mL(p<0.05)、60分値で120±9.2mg/100mL(p<0.05)、90分値で124±7.3mg/100mL(p<0.05)とピークに達し、各値において、阻害物質無添加溶液を投与した場合(グラフL1700)と比較すると、有意に血糖値が低いことが明らかとなった。それ以降の血糖値の低下はきわめて緩やかであった(グラフL1701参照)。
L−ソルボース添加溶液を投与した場合には、試験溶液投与後、血糖値は急激に上昇し、30分値で142±11.0mg/100mL、60分値で162±8.0mg/100mLとピークに達し、90分値以降は緩やかに低下した(グラフL1702参照)。
L−アラビノース添加溶液を投与した場合には、試験溶液投与後、血糖値はやや上昇し、30分値で116±11.7mg/100mL(p<0.05)、60分値で113±7.6mg/100mL(p<0.01)、90分値で112±2.5mg/100mL(p<0.05)となり、各値において、阻害物質無添加溶液群と比較すると、有意に血糖値が低いことが明らかとなった。その後、血糖値はやや上昇し、150分値で118±4.9mg/100mLとピークに達し、180分値では113±11.1mg/100mLと血糖値の低下はきわめて緩やかであった(グラフL1703参照)。
次に、各試験溶液をラットへ経口投与したときの血糖値の変化量を図18に示した。
阻害物質無添加溶液投与時(グラフL1800参照)と、各阻害物質添加溶液投与時(グラフL1801,L1802,L1803参照)とを比較すると、D−ソルボース添加溶液投与時(グラフL1801)およびL−アラビノース添加溶液投与時(グラフL1803)は、明らかに血糖値の上昇が抑制された。しかしながら、L−ソルボース添加溶液投与時には、血糖上昇抑制効果は示されなかった。
グライセミック・インデックスの算出方法((田中照二(2002) GIの理解と低インシュリンダイエット.食生活96,78−83)、(Gallaher DD,Schneeman BO,奥恒行,中村禎子訳(2002) 炭水化物:最新栄養学,第8版,(Bowman BA,Russell RM編),p.60−72.建帛社,東京.))を参考にして、阻害物質無添加溶液〔スクロース0.3g/mL〕摂取時の血糖反応曲線下面積を基準(100)として、ラットにおける各種阻害物質添加溶液採取時における血糖反応曲線下面積比を図19に示した。この図19に示された値が小さければ小さいほど、血糖値の上昇が抑制されたこととなる。
D−ソルボース添加溶液投与時の血糖反応曲線下面積比は、阻害物質無添加溶液投与時の63%(p<0.05)で、L−アラビノース添加溶液投与時のそれは38%(p<0.05)であった。しかしながら、L−ソルボース添加溶液投与時のそれは106%であった。また、D−ソルボース添加溶液投与時と、L−アラビノース添加溶液投与時との血糖反応曲線下面積比の差において、有意にD−ソルボース添加溶液投与時よりもL−アラビノース添加溶液投与時の方が面積は大きかった(p<0.05)。
<3.まとめ>
上述した各種の実験結果から、本実施形態においては、D−ソルボースおよびL−アラビノースをスクロース(あるいはマルトース)と同時に摂取させると、血糖の上昇を抑制することが明らかとなった。これは、これらの糖質がスクラーゼ(あるいはマルターゼ)に対する阻害効果を持つことによるものと言える。
本実施形態において、D−ソルボースは、スクラーゼに対する阻害効果により、in vivoでのスクロースの消化を妨げ、血糖の上昇を抑制することが明らかとなった。また、ラットにおいての血糖上昇抑制効果が明らかになったこと、in vivoにおけるヒト小腸粘膜スクラーゼに対するD−ソルボースによる阻害効果が明らかになったことから、ヒトに対しても、D−ソルボースは血糖上昇抑制効果を有するものと考えられる。さらに、ヒトにおいての阻害効果は、L−アラビノースのそれ(阻害効果)よりも強く、D−ソルボースによる血糖上昇抑制効果がラット以上に期待されるところである。
本実施形態においては、ヒトにおけるD−ソルボースによる血糖上昇抑制効果が明らかとなったので、D−ソルボースをお菓子等に含ませることによって、血糖上昇抑制効果を目的とした食品(血糖値上昇抑制等食品)を開発することが可能となる。また、このD−ソルボースを用いることによって、血糖上昇抑制効果を目的とした薬品等(血糖値上昇抑制等組成物)を開発することも可能となる。さらに、D−ソルボースをスクロース(あるいはマルトース)に配合することによって、血糖上昇抑制効果を目的とした「甘味料」を開発することが可能となる。
糖尿病患者等が増え続けている近年の我国においては、エリスリトール、キシリトール、マルチトール等の難消化性甘味糖質を利用した食品が普及しており、その生理機能は使用目的により大別すると、低エネルギー性、インスリン節約性、腸内細菌叢改善性、非う蝕性の四つに大別される。この中で、上述した種々の実験を通して、本実施形態にて得られた糖質は、「インスリン節約性糖質甘味料」である
インスリンは、血糖上昇によって分泌が促進されるため、血糖上昇を抑制する甘味料ならば、インスリンの分泌も同時に抑制される。したがって、本実施形態にて得られる甘味料(D−ソルボースを用いて構成された甘味料)は、インスリンの作用不足によって慢性の高血糖状態となる糖尿病患者にとって、非常に有効な糖質甘味料となる。
また、インスリンは、脂肪組織では糖の取り込みや脂肪の合成を促進し、脂肪の分解を抑制する働きを行う。そのため、血糖上昇を抑制し、インスリンの分泌をも抑制する、本実施形態にかかる「インスリン節約性糖質甘味料(D−ソルボースを用いて構成された甘味料)」は、肥満化傾向にある人にも有効であると考えられる。
本実施形態において、スクラーゼ(あるいはマルターゼ)に対するD−ソルボースによる阻害効果が明らかとなったため、D−ソルボースを配合したスクロース(あるいはマルトース)を食品に利用すると、その食品を摂取してもスクロース(あるいはマルトース)は分解されにくくなる。スクロースは砂糖という甘味料としてごく一般的に利用されており、大量に生産、販売されている。そして、現状は、摂取したスクロースが腸内でスクラーゼによって分解され、血糖値を急激に上昇させるため、糖尿病患者にとってスクロースの摂取は好ましくない。しかしながら、本実施形態にかかるD−ソルボースを添加したスクロースであれば、摂取したとしてもスクロースは分解されにくいため、糖尿病予防あるいは糖尿病の症状改善につながると考えられる。
以上の結果から、本実施形態にかかる血糖値上昇抑制等組成物(D−ソルボース含有組成物)を用いて構成された加工食品(血糖値上昇抑制等食品)は、血糖コントロールを必要とする糖尿病患者やその他の生活習慣病予防へ向けて血糖値上昇抑制効果を発揮し、さらには腸内細菌改善効果によって健康の維持・増進を図る有効な機能性を備えた食品になると考えられる。
本実施形態にかかる血糖値上昇抑制等組成物(二糖類水解酵素活性阻害組成物)によれば、二糖類水解酵素の阻害効果を有することにより、糖尿病、肥満、高脂血症、心臓病といった生活習慣病の予防あるいは治療に寄与する、薬剤や加工食品等を構成することができる。
本実施形態にかかる血糖値上昇抑制等組成物は、上記の通り、二糖類水解酵素の阻害効果を有することによって、糖尿病、肥満、高脂血症、心臓病といった生活習慣病の予防あるいは治療に寄与する。したがって、薬剤として利用可能なのは勿論のこと、ショ糖を甘味料として添加する食品(クッキーや菓子類等)等の作成段階で、D−ソルボースを適当量(ショ糖使用量によって添加すべき量は変化する)添加することによって、糖尿病等を予防可能な食品(血糖値上昇抑制等食品)を構成することができる。効率よく効果(血糖値上昇抑制等の効果)を引き出すためには、D−ソルボースと糖質との比率がポイントとなる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
上記実施形態においては、D−ソルボースと糖質(ショ糖)との重量比については特に説明しなかったが、この重量比は、好みや糖尿病患者等の症状にあわせて適宜変更可能である。また、先にも説明した通り、糖質としては、スクロース、マルトース等があげられる。
また、上記実施形態において、血糖値上昇抑制等食品としてはデザート等があげられる。したがって、例えば、本発明にかかるデザート(血糖値上昇抑制等食品)は、ケーキ(シフォンケーキ等の各種ケーキ)、クッキー、チョコレート、ガム、カステラ、パン、アイスクリーム、プディング、ゼリー、ババロア、クリーム、キャラメル、ジャム、餡、飴、羊羹、最中、および菓子等のいずれかであってもよい。さらに、飲料物たる血糖値上昇抑制等食品としては、清涼飲料、炭酸飲料、乳酸菌飲料、果汁飲料、およびジュース等のいずれかであってもよい。
本発明にかかる血糖値上昇抑制等組成物(二糖類水解酵素活性阻害組成物)は、二糖類水解酵素活性を阻害するので、糖質含有食品と一緒に摂取すれば、血糖上昇抑制とインスリン分泌抑制が起こり、糖尿病予防あるいは症状の改善の抑制効果(高血糖の抑制等の効果)が期待できる。
糖尿病患者および糖尿病予備軍は、甘いデザート等を好んで食べるが、食事療法ではこれらの食品の摂取が制限される。高血糖の人々のQOL(生活品質)を高めるためには、血糖を上昇させないデザートや菓子類等の開発が必要である。本発明にかかる血糖値上昇抑制等組成物を用いれば、血糖値を上昇させない甘みをもったデザートをはじめとする加工食品の開発が可能となり、糖尿病患者の食事療法にも貢献することができる。
また、本発明にかかる血糖値上昇抑制等組成物によれば、糖質の消化吸収阻害によってエネルギー摂取が制限されるので、肥満防止にも役立つ。肥満が生活習慣病のリスクファクタであることを考えると、血糖値を上昇させない加工食品の開発は、生活習慣病予防にも寄与することが期待でき、今後の高齢化社会における医療費削減に寄与するものと考えられる。
現在、特殊な機能を強調した様々な加工食品が開発され、保健機能食品として市販されているが、本発明にかかる血糖値上昇抑制等組成物等を用いれば、副作用等がなく安全性が高い、糖尿病予防食品等の保健機能食品を開発可能であるため、その需要は高まるものと考えられる。
ラット小腸粘膜スクラーゼ活性に対する単糖および単糖アルコールの阻害効果を示したグラフである。 ラット小腸粘膜マルターゼ活性に対する単糖および単糖アルコールの阻害効果を示したグラフである。 ラット小腸粘膜イソマルターゼ活性に対する単糖および単糖アルコールの阻害効果を示したグラフである。 ラット小腸粘膜トレハラーゼ活性に対する単糖および単糖アルコールの阻害効果を示したグラフである。 ラット小腸粘膜ラクターゼ活性に対する単糖および単糖アルコールの阻害効果を示したグラフである。 D−ソルボースのラット小腸粘膜スクラーゼ活性に対する阻害効果を示したグラフである。 Lineweaver−BurkプロットによるD−ソルボースのラット小腸粘膜スクラーゼ活性に対する阻害機序を示したグラフである。 L−ソルボースのラット小腸粘膜スクラーゼ活性に対する阻害効果を示したグラフである。 Lineweaver−BurkプロットによるL−ソルボースのラット小腸粘膜スクラーゼ活性に対する阻害機序を示したグラフである。 Lineweaver−BurkプロットによるL−アラビノースのラット小腸粘膜スクラーゼ活性に対する阻害機序を示したグラフである。 Lineweaver−BurkプロットによるD−タガトースのラット小腸粘膜スクラーゼ活性に対する阻害機序を示したグラフである。 Lineweaver−BurkプロットによるD−ソルボースのラット小腸粘膜マルターゼ活性に対する阻害機序を示したグラフである。 Lineweaver−BurkプロットによるL−ソルボースのラット小腸粘膜マルターゼ活性に対する阻害機序を示したグラフである。 Lineweaver−Burkプロットにより算出したラット小腸粘膜微絨毛膜の各二糖類水解酵素に対するKmおよびVmaxをまとめたテーブルである。 Lineweaver−Burkプロットにより算出した二糖類水解酵素に対する各種糖質の阻害定数Kiを示したテーブルである。 ヒト小腸粘膜ホモジネートを用いて測定したスクラーゼ比活性を「1」とした場合の他の二糖類水解酵素比活性の相対的な関係を示したテーブルである。 阻害物質無添加溶液、D−ソルボース添加溶液、L−ソルボース添加溶液、L−アラビノース添加溶液の各試験溶液をラットへ経口投与したときの血糖値の経時的変化を示したグラフである。 阻害物質無添加溶液、D−ソルボース添加溶液、L−ソルボース添加溶液、L−アラビノース添加溶液の各試験溶液をラットへ経口投与したときの血糖値の変化量を示したグラフである。 阻害物質無添加溶液摂取時の血糖反応曲線下面積を基準(100)として、ラットにおける各種阻害物質添加溶液摂取時における血糖反応曲線下面積比を示したテーブルである。
符号の説明
L10…阻害物質が存在しない場合におけるラット小腸粘膜スクラーゼ活性を示す棒グラフ
L11A…反応液の最終濃度が18.2mMであるD−ソルボース存在下におけるラット小腸粘膜スクラーゼ活性を示す棒グラフ
L11B…反応液の最終濃度が9.1mMであるD−ソルボース存在下におけるラット小腸粘膜スクラーゼ活性を示す棒グラフ
L12A…反応液の最終濃度が18.2mMであるL−ソルボース存在下におけるラット小腸粘膜スクラーゼ活性を示す棒グラフ
L12B…反応液の最終濃度が9.1mMであるL−ソルボース存在下におけるラット小腸粘膜スクラーゼ活性を示す棒グラフ
L13A…反応液の最終濃度が18.2mMであるL−アラビノース存在下におけるラット小腸粘膜スクラーゼ活性を示す棒グラフ
L13B…反応液の最終濃度が9.1mMであるL−アラビノース存在下におけるラット小腸粘膜スクラーゼ活性を示す棒グラフ
L14A…反応液の最終濃度が18.2mMであるD−タガトース存在下におけるラット小腸粘膜スクラーゼ活性を示す棒グラフ
L14B…反応液の最終濃度が9.1mMであるD−タガトース存在下におけるラット小腸粘膜スクラーゼ活性を示す棒グラフ
L15A…反応液の最終濃度が18.2mMであるD−エリスリトール存在下におけるラット小腸粘膜スクラーゼ活性を示す棒グラフ
L15B…反応液の最終濃度が9.1mMであるD−エリスリトール存在下におけるラット小腸粘膜スクラーゼ活性を示す棒グラフ
L16A…反応液の最終濃度が18.2mMであるD−キシリトール存在下におけるラット小腸粘膜スクラーゼ活性を示す棒グラフ
L16B…反応液の最終濃度が9.1mMであるD−キシリトール存在下におけるラット小腸粘膜スクラーゼ活性を示す棒グラフ
L17B…反応液の最終濃度が9.1mMであるD−アラビトール存在下におけるラット小腸粘膜スクラーゼ活性を示す棒グラフ
L20…阻害物質が存在しない場合におけるラット小腸粘膜マルターゼ活性を示す棒グラフ
L21A…反応液の最終濃度が18.2mMであるD−ソルボース存在下におけるラット小腸粘膜マルターゼ活性を示す棒グラフ
L21B…反応液の最終濃度が9.1mMであるD−ソルボース存在下におけるラット小腸粘膜マルターゼ活性を示す棒グラフ
L22A…反応液の最終濃度が18.2mMであるL−ソルボース存在下におけるラット小腸粘膜マルターゼ活性を示す棒グラフ
L22B…反応液の最終濃度が9.1mMであるL−ソルボース存在下におけるラット小腸粘膜マルターゼ活性を示す棒グラフ
L23A…反応液の最終濃度が18.2mMであるL−アラビノース存在下におけるラット小腸粘膜マルターゼ活性を示す棒グラフ
L23B…反応液の最終濃度が9.1mMであるL−アラビノース存在下におけるラット小腸粘膜マルターゼ活性を示す棒グラフ
L24B…反応液の最終濃度が9.1mMであるD−タガトース存在下におけるラット小腸粘膜マルターゼ活性を示す棒グラフ
L25B…反応液の最終濃度が9.1mMであるD−エリスリトール存在下におけるラット小腸粘膜マルターゼ活性を示す棒グラフ
L26B…反応液の最終濃度が9.1mMであるD−キシリトール存在下におけるラット小腸粘膜マルターゼ活性を示す棒グラフ
L27B…反応液の最終濃度が9.1mMであるD−アラビトール存在下におけるラット小腸粘膜マルターゼ活性を示す棒グラフ
L30…阻害物質が存在しない場合におけるラット小腸粘膜イソマルターゼ活性を示す棒グラフ
L31…反応液の最終濃度が9.1mMであるD−ソルボース存在下におけるラット小腸粘膜イソマルターゼ活性を示す棒グラフ
L32…反応液の最終濃度が9.1mMであるL−ソルボース存在下におけるラット小腸粘膜イソマルターゼ活性を示す棒グラフ
L33…反応液の最終濃度が9.1mMであるL−アラビノース存在下におけるラット小腸粘膜イソマルターゼ活性を示す棒グラフ
L34…反応液の最終濃度が9.1mMであるD−タガトース存在下におけるラット小腸粘膜イソマルターゼ活性を示す棒グラフ
L35…反応液の最終濃度が9.1mMであるD−エリスリトール存在下におけるラット小腸粘膜イソマルターゼ活性を示す棒グラフ
L36…反応液の最終濃度が9.1mMであるD−キシリトール存在下におけるラット小腸粘膜イソマルターゼ活性を示す棒グラフ
L37…反応液の最終濃度が9.1mMであるD−アラビトール存在下におけるラット小腸粘膜イソマルターゼ活性を示す棒グラフ
L40…阻害物質が存在しない場合におけるラット小腸粘膜トレハラーゼ活性を示す棒グラフ
L41…反応液の最終濃度が9.1mMであるD−ソルボース存在下におけるラット小腸粘膜トレハラーゼ活性を示す棒グラフ
L42…反応液の最終濃度が9.1mMであるL−ソルボース存在下におけるラット小腸粘膜トレハラーゼ活性を示す棒グラフ
L43…反応液の最終濃度が9.1mMであるL−アラビノース存在下におけるラット小腸粘膜トレハラーゼ活性を示す棒グラフ
L44…反応液の最終濃度が9.1mMであるD−タガトース存在下におけるラット小腸粘膜トレハラーゼ活性を示す棒グラフ
L45…反応液の最終濃度が9.1mMであるD−エリスリトール存在下におけるラット小腸粘膜トレハラーゼ活性を示す棒グラフ
L46…反応液の最終濃度が9.1mMであるD−キシリトール存在下におけるラット小腸粘膜トレハラーゼ活性を示す棒グラフ
L47…反応液の最終濃度が9.1mMであるD−アラビトール存在下におけるラット小腸粘膜トレハラーゼ活性を示す棒グラフ
L50…阻害物質が存在しない場合におけるラット小腸粘膜ラクターゼ活性を示す棒グラフ
L51…反応液の最終濃度が9.1mMであるD−ソルボース存在下におけるラット小腸粘膜ラクターゼ活性を示す棒グラフ
L52…反応液の最終濃度が9.1mMであるL−ソルボース存在下におけるラット小腸粘膜ラクターゼ活性を示す棒グラフ
L53…反応液の最終濃度が9.1mMであるL−アラビノース存在下におけるラット小腸粘膜ラクターゼ活性を示す棒グラフ
L54…反応液の最終濃度が9.1mMであるD−タガトース存在下におけるラット小腸粘膜ラクターゼ活性を示す棒グラフ
L55…反応液の最終濃度が9.1mMであるD−エリスリトール存在下におけるラット小腸粘膜ラクターゼ活性を示す棒グラフ
L56…反応液の最終濃度が9.1mMであるD−キシリトール存在下におけるラット小腸粘膜ラクターゼ活性を示す棒グラフ
L57…反応液の最終濃度が9.1mMであるD−アラビトール存在下におけるラット小腸粘膜ラクターゼ活性を示す棒グラフ
L611…D−ソルボース無添加時におけるラット小腸粘膜スクラーゼ活性に対する阻害効果を示すグラフ
L612…D−ソルボース添加時(濃度1.4mM)におけるラット小腸粘膜スクラーゼ活性に対する阻害効果を示すグラフ
L613…D−ソルボース添加時(濃度2.3mM)におけるラット小腸粘膜スクラーゼ活性に対する阻害効果を示すグラフ
L711…D−ソルボース無添加時におけるラット小腸粘膜スクラーゼ活性に対する阻害機序を示すグラフ(回帰直線)
L712…D−ソルボース添加時(濃度1.4mM)におけるラット小腸粘膜スクラーゼ活性に対する阻害機序を示すグラフ(回帰直線)
L713…D−ソルボース添加時(濃度2.3mM)におけるラット小腸粘膜スクラーゼ活性に対する阻害機序を示すグラフ(回帰直線)
L821…L−ソルボース無添加時におけるラット小腸粘膜スクラーゼ活性に対する阻害効果を示すグラフ
L822…L−ソルボース添加時(濃度18.2mM)におけるラット小腸粘膜スクラーゼ活性に対する阻害効果を示すグラフ
L921…L−ソルボース無添加時におけるラット小腸粘膜スクラーゼ活性に対する阻害機序を示すグラフ(回帰直線)
L922…L−ソルボース添加時(濃度18.2mM)におけるラット小腸粘膜スクラーゼ活性に対する阻害機序を示すグラフ(回帰直線)
L1031…L−アラビノース無添加時におけるラット小腸粘膜スクラーゼ活性に対する阻害機序を示すグラフ(回帰直線)
L1032…L−アラビノース添加時(濃度0.5mM)におけるラット小腸粘膜スクラーゼ活性に対する阻害機序を示すグラフ(回帰直線)
L1033…L−アラビノース添加時(濃度1.5mM)におけるラット小腸粘膜スクラーゼ活性に対する阻害機序を示すグラフ(回帰直線)
L1141…D−タガトース無添加時におけるラット小腸粘膜スクラーゼ活性に対する阻害機序を示すグラフ(回帰直線)
L1142…D−タガトース添加時(濃度5mM)におけるラット小腸粘膜スクラーゼ活性に対する阻害機序を示すグラフ(回帰直線)
L1143…D−タガトース添加時(濃度10mM)におけるラット小腸粘膜スクラーゼ活性に対する阻害機序を示すグラフ(回帰直線)
L1211…D−ソルボース無添加時におけるラット小腸粘膜マルターゼ活性に対する阻害機序を示すグラフ(回帰直線)
L1212…D−ソルボース添加時(濃度4.5mM)におけるラット小腸粘膜マルターゼ活性に対する阻害機序を示すグラフ(回帰直線)
L1213…D−ソルボース添加時(濃度9.1mM)におけるラット小腸粘膜マルターゼ活性に対する阻害機序を示すグラフ(回帰直線)
L1321…L−ソルボース無添加時におけるラット小腸粘膜マルターゼ活性に対する阻害機序を示すグラフ(回帰直線)
L1322…L−ソルボース添加時(濃度18.2mM)におけるラット小腸粘膜マルターゼ活性に対する阻害機序を示すグラフ(回帰直線)
L1700…阻害物質無添加溶液をラットへ経口投与したときの血糖値の経時的変化を示すグラフ
L1701…D−ソルボース添加溶液をラットへ経口投与したときの血糖値の経時的変化を示すグラフ
L1702…L−ソルボース添加溶液をラットへ経口投与したときの血糖値の経時的変化を示すグラフ
L1703…L−アラビノース添加溶液をラットへ経口投与したときの血糖値の経時的変化を示すグラフ
L1800…阻害物質無添加溶液をラットへ経口投与したときの血糖値の変化量を示すグラフ
L1801…D−ソルボース添加溶液をラットへ経口投与したときの血糖値の変化量を示すグラフ
L1802…L−ソルボース添加溶液をラットへ経口投与したときの血糖値の変化量を示すグラフ
L1803…L−アラビノース添加溶液をラットへ経口投与したときの血糖値の変化量を示すグラフ

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  1. スクロースおよびマルトースの少なくとも一方を含有するとともに、有効成分としてのD−ソルボースを9.1〜18.2mM含有することを特徴とする二糖類水解酵素活性阻害剤。
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