JP5597499B2 - 研磨材、および、研磨材の製造方法 - Google Patents
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Description
また、前記金属製部材の表面に付着している付着物を除去する研磨材としては、粒状の金属片や、酸化金属片や、鉱物片や、フェライト片等で構成されるものが知られている。
前記金属製部材の表面に付着している付着物の除去は、研磨材用の噴射装置(ブラスト装置)の噴射ノズルから複数個の研磨材が噴射されて吹付けられることによっておこなわれる。
このため、このような研磨材を用いて前記金属製部材の表面に付着している付着物を除去する作業は前記粉塵が飛散する中でおこなわれるため、その作業環境が劣悪なものであった。
研磨材1は、建造物または乗物を構成する金属製部材の表面に吹付けられて、前記金属製部材の表面に付着している付着物を除去するために用いられるものである。
そして、前記研磨材用の噴射装置から噴射された複数個の研磨材1を、前記金属製部材の表面に付着している付着物に衝突させて、当該付着物を前記金属製部材の表面から除去する。
前記乗物は、少なくともその一部が金属製部材で構成される乗物を示す。前記乗物には、例えば、船舶、航空機、自動車、重機、戦車、有人宇宙船、等がある。
前記付着物とは、建造物または乗物を構成する金属製部材の表面に付着している、錆、バリ、塗料、または、汚れ(例えば、船舶であれば船底に付着した貝類)等を示す。
研磨材1の粒状体2は、例えば、粒状の、金属片や、酸化金属片や、鉱物片や、フェライト片等、のもので構成される。
研磨材1の粒状体2における金属片には、例えば、銅を主成分とするものや、鉄を主成分とするもの等がある。研磨材1の粒状体2における酸化金属片には、ケイ素を主成分とするものや、炭酸カルシウムを主成分とするものや、酸化セレンを主成分とするもの等がある。研磨材1の粒状体2における鉱物片には、例えば、人工のガーネットを主成分とするものがある。
研磨材1の粒状体2は、0.1mm〜2.5mmのふるい目の間隔を通過するような形状のもので構成される。研磨材1の粒状体2は、不定形であってよい。
研磨材1の樹脂素材3は、粒状体2の表面の一部が露出するように、粒状体2に設けられる。即ち、研磨材1は、粒状体2の表面にその一部を除いて樹脂素材3が薄膜状に付着するようにして構成される。またこの際、研磨材1は、樹脂素材3から粒状体2の一部が突出するようにして構成されてもよい。
研磨材1の樹脂素材3における熱可塑性樹脂には、例えば、エチレン酢酸ビニルコポリマー、エチレンビニルアルコール共重合、塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、酢酸繊維素樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアリレート、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、熱可塑性エラストマー、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサリホン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、ポリブタジエン、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、メタクリル、ポリメチルペンテン、または、生分解性プラスチック等がある。
研磨材1の樹脂素材3における熱硬化性樹脂には、エポキシ、ジアリルフタレート、シリコーン、フェノール、不飽和ポリエステル、ポリイミド、メラミン、または、ユリア等がある。
したがって、研磨材1によれば、建造物または乗物を構成する金属製部材の表面に付着している付着物を除去するための作業環境を良好なものとすることができる。
もっとも、研磨材1では、金属部材の表面に付着している付着物にその粒状体2が衝突した際においても、粒状体2が砕けて粉塵となって当該粉塵が飛散することが抑制される。
このため、研磨材1は、前記金属製部材の表面に吹付けられた後においては、粉状のものより回収しやすい状態(粒状)のまま、前記作業現場に残存することとなる。
したがって、研磨材1によれば、前記作業現場における作業後の研磨材1の回収作業をより容易におこなうことができる。さらに、前記回収した研磨材1を、再び前記金属製部材の表面に付着している付着物を除去するために用いることもできるため、研磨材1によれば、前記付着物の除去作業費用を低減させることができる。
もっとも、研磨材1は、通常の研磨材と同等の大きさに形成されるとともに、粒状体2における表面の一部が露出するように、前記粒状体2に樹脂素材3が設けられて構成される。
したがって、研磨材1によれば、樹脂素材のみで構成される研磨材より高い硬度を有するものを、安価に実現することができる。
もっとも、研磨材1は、粒状体2における表面の一部が露出するように、前記粒状体2に樹脂素材3が設けられて構成される。
このような研磨材1を前記金属製部材の表面に複数個噴射すると、そのなかには、樹脂素材3の部分が前記金属製部材の表面に衝突するものがある。そして、研磨材1における樹脂素材3の部分が前記金属部材の表面に衝突した際に乗じる音量は、前記金属片等のみで構成される研磨材と比べて、小さい。
したがって、研磨材1によれば、前記金属製部材の表面に衝突した際に生じる音量を小さくして、騒音となることを抑制し、また、付着物を除去するための作業環境を良好なものとすることができる。
このように、研磨材1の粒状体2を廃鉄屑や廃銅屑で構成することにより、廃鉄屑や廃動屑を再利用して、研磨材1をより安価に提供することができる。
また、前記廃鉄屑や廃銅屑の多くは予めその表面形状が凹凸状に構成されるため、研磨材1の粒状体2を廃鉄屑や廃銅屑で構成することにより、粒状体2の表面形状を凹凸状に加工しなくても、容易に、粒状体2の表面の一部が露出するように粒状体2の表面の一部が露出するように樹脂素材3を薄膜状に設けることができる。
この際、複数個の粒状体2・2・・・を加熱器に投入して、これを加熱することによっておこなう。そして、当該複数個の粒状体2・2・・・の表面温度を、樹脂素材3がこれに接触した際に溶けるような温度、且つ、樹脂素材3がこれに接触した際に焦げないような範囲内の温度、に昇温させる。例えば、当該複数の粒状体2・2・・・を、その表面温度が170℃〜300℃の範囲内の温度に昇温させる。
前記複数個の粒状体2を加熱する工程(ステップS1)をおこなった後、ステップS2に移行する。
前記攪拌器において投入された粒状体2と樹脂素材3とが攪拌されると、まず、粒状体2の熱により樹脂素材3が加熱されて溶ける。
そして、これを攪拌していくうちに、前記粒状体2および樹脂素材3が冷やされて、例えば1.0mm〜6.0mmのふるい目の間隔を通過するような粒状のもの(研磨材1)が構成される。またこの際、前記粒状体2の表面の一部が露出するようにその粒状体2の表面に樹脂素材が設けられて、粒状のもの(研磨材1)が構成される。
このようにして、複数個の研磨材1・1・・・が一度に製造される。
したがって、研磨材1の製造方法によれば、容易に、複数個の研磨材1・1・・・を一度に製造することができる。
このように攪拌器に投入される複数個の粒状体2・2・・・と樹脂素材3との質量の比率を構成することにより、前記吹付けられた研磨材1が、金属部材の表面(付着物)に付着せず、且つ、付着物に衝突してその砕けた粒状体2の多くが飛散しないように、粒状体2の表面の一部が露出して粒状体2に樹脂素材3が薄膜状に設けられる。
なおこの際、攪拌器に投入された複数個の粒状体2・2・・・と樹脂素材3との総重量が、約40.0Kgの場合、約5分間、これを攪拌しながら冷却すると、粒状体2の表面の一部が露出して粒状体2に樹脂素材3が設けられる。
前記研磨材1を粉砕する工程(ステップS3)をおこなった後、ステップS4に移行する。
したがって、研磨材1の製造方法によれば、任意の大きさの研磨材1を容易に製造することができる。
図3に示すように、粉砕した研磨材1から任意の大きさのものを選別する工程(ステップS4)の後、前記任意の大きさの研磨材1がある場合には、前記選別からもれた任意の大きさ以外の研磨材1を加熱器に投入してこれを加熱する工程をおこなう(ステップS11)。この際、当該研磨材1の粒状体2の表面温度を、樹脂素材3が溶けるような温度、且つ、樹脂素材3が焦げないような範囲内の温度、に昇温させる。
前記研磨材1を加熱する工程(ステップS11)をおこなった後、ステップS12に移行する。
このため、研磨材1の製造方法によれば、任意の大きさ以上または任意の大きさ以下の研磨材1が製造された際においても、これを再利用して、任意の大きさの研磨材1を製造することができる。
前記金属製部材の表面に吹付けられてその表面に付着している付着物を除去することができる強度を有する研磨材1とすることができるとともに、研磨材1を粉砕する工程(ステップS3)において粉砕機で容易に研磨材1を粉砕することができるような、研磨材1の粒状体2の素材として、銅を主成分とする素材がある。
またこのように、前記金属製部材の表面に吹付けられてその表面に付着している付着物を除去することができる強度を有するとともに、研磨材1を粉砕する工程(ステップS3)において粉砕機で容易に粉砕可能であるように研磨材1を構成することにより、前記粉砕機における研磨材1を粉砕するための刃の取替え頻度を低減させることができる。
2 粒状体
3 樹脂素材
Claims (3)
- 建造物または乗物を構成する金属製部材の表面に吹付けられて、前記金属製部材の表面に付着している付着物を除去する、研磨材であって、
粒状体における表面の一部が露出するように、前記粒状体に樹脂素材が設けられて構成されるものであり、
複数個の前記粒状体を加熱し、
前記加熱した複数個の粒状体と前記樹脂素材とを攪拌しながら冷却し、
前記冷却した後に任意の大きさに粉砕して構成される、
研磨材。 - 前記樹脂素材は、熱可塑性ポリウレタンエラストマーで構成される、
請求項1に記載の研磨材。 - 建造物または乗物を構成する金属製部材の表面に吹付けられて、前記金属製部材の表面に付着している付着物を除去する、研磨材の製造方法であって、
前記研磨材は、粒状体における表面の一部が露出するように、前記粒状体に樹脂素材が設けられて構成され、
複数個の前記粒状体を加熱する工程と、
前記加熱された複数個の粒状体と前記樹脂素材とを攪拌しながら冷却する工程と、
前記冷却する工程の後に前記研磨材を任意の大きさに粉砕する工程と、
を具備する、研磨材の製造方法。
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