JP5596936B2 - 有害物質吸着錠剤 - Google Patents
有害物質吸着錠剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5596936B2 JP5596936B2 JP2009107293A JP2009107293A JP5596936B2 JP 5596936 B2 JP5596936 B2 JP 5596936B2 JP 2009107293 A JP2009107293 A JP 2009107293A JP 2009107293 A JP2009107293 A JP 2009107293A JP 5596936 B2 JP5596936 B2 JP 5596936B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tablet
- adsorbent
- harmful
- porous
- soil
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
- Water Treatment By Sorption (AREA)
- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
Description
製作においては、微粉末の飛散を防止することができると共に、汚染状況に適応して有機物、無機物、窒素分、燐分等を問わず有害成分に対する吸着性能の変更を自由に設計可能となし得る有害物質吸着錠剤に関する。
また、高濃度の汚染部には多量の吸着剤を入れるため、シート状吸着剤で処理しきれない部分があり使用上の問題を残していた。
加えて、地下水や河川に流出した汚染物質の吸着や河川・湖水の底質に溜まっている汚染物質の拡散防止方法が早急に求められていた。
上記に代わる方法として、水中または土壌中の有害物質を低減または土中に固定化する目的として、活性炭を代表とする吸着剤の微粉末が考えられる。
しかしながら、吸収剤の粉末が飛散し粉塵対策の必要であり、吸着剤の微粉末は比重が軽い微粒子であるため水面に浮いてしまい、その場に留まることができない。
そこで、本出願人らは先に主として土壌対策として土壌中のダイオキシン類、使用禁止となった農薬、揮発性有機物質、重金属、その他有害物質を吸着する目的として、均一に除去する簡便な方法を特願2008−261258に提案し解決した。
ただ、水中の使用においてその有害物質を低減または河川床等の土質中に固定化する上ではまだ課題を有していた。
そして、これまでその対策として、河川・湖底に木炭を敷き詰めるという方法もあるが吸着効率が悪く多量に必要であり、引き揚げ土壌の再生処理が必要となるものであった。
現在、崩壊または分解する錠剤に微粉砕物を添着する方法があっても、微粉砕物の吸着性能を落とさず、直打錠し難く、そして低温な水で溶ける時間の制御が出来なかった。
また、錠剤の崩壊性を早くするには、直打錠用乳糖等の糖質など考えられるが、河川、湖水に対する水処理には適さない。
上記の課題を解決するため、本発明は、使用に際しては、設置処理作業が非常に取扱い易く、河川、地下水処理に関しては分散制御並びに微粉末吸着剤の浮力制御ができる。また、製作においては微粉末の造粒より簡便で製造時間も短縮でき、用途によって重量、大きさも選択できる。使用に関しては微粉末の飛散を防止や微粉末の粉塵爆発防止を図り、作業者及び近隣の安全対策を向上することができると共に、特に局所的に高濃度の汚染状況に適応して有機物、無機物、窒素分、燐分等を問わず有害成分に対する吸着性能の変更を自由に設計可能となし得る有害物質吸着錠剤として提供することである。
本発明によれば、土壌の場合には、散水又は降雨が少量の場合であっても錠剤の崩壊分散を確実にし、少なくとも圧着された吸着剤を機能させることのできるように、少量の水量で吸着剤の圧着された有害物質吸着錠剤を崩壊分散して、土壌中の有害物質を吸着固定することのできる有害物質吸着錠剤を提供することである。
本発明は、第1には、微細粉体で多孔質の吸着剤と比重1以上の粉体を配合し、この配合において当該吸着剤を、その組成が有機成分の吸着剤と無機成分の吸着剤のいずれか一つまたは組み合わせからなる微細粉体であって、前記吸着剤は、比表面積が800m2/g以上の活性炭であり、前記粉体に多孔質の吸着剤を圧着または混練した吸着物質によって直打成型した錠剤であって、微細粉体を組み合わせることによって崩壊剤を使用又は使用せずに水などの液体に対する崩壊時間を制御可能としたことを特徴とする錠剤を提供する。
この場合、前記微細粉体を多孔質の吸着剤の他に賦形剤、滑沢剤のいずれか1つまたは複数の組み合わせからなる物質を含み単層又は多層の錠剤として直打錠可能な混合物であることを特徴とする錠剤を提供することもできる。
この場合、その吸着剤の属性として、前記微細粉体の全体または一部に、多孔質、吸着性能または比重1以上の粉体をもつ、カルサイト、ゼオライト、活性白土、珪藻土、花崗岩ペグマタイト、イルメナイトなどの天然由来鉱物のいずれか1つまたは複数の組み合わせからなる物質を含むものであったり、吸着剤または微細粉体の全体または一部に、多孔質または吸着性能をもつ、空孔の大きさが制御された人工ゼオライトのいずれか1つまたは複数の組み合わせからなる物質を含むことを特徴とする有害物質吸着錠剤を提供することができる。また、前記吸着剤に、重金属の即効性吸着性能または保水機能をもつポリアミノ酸、多糖類、ポリアクリル酸、無機塩、キレート剤のいずれか1つまたは複数の組み合わせからなる物質を含むことができる。
また、前記微細粉体が多孔質と結晶性セルロースと二酸化ケイ素の混合物であることを特徴とする土壌や水質に悪影響を与えない単純化した構成をとる有害物質吸着錠剤を提供する。
本発明は、さらにまた、前記構成素材が人畜無害な食品添加物由来成分または医薬品からなるものであることを特徴とする有害物質吸着錠剤を提供する。
なお、吸着剤に、酸化剤または還元剤の組み合わせからなる物質を含んで有害物質の分解を促進したり、有機物質分解菌を含んでバイオレメディエーション可能な有害物質の分解を促進し、菌を死滅させない低圧打錠ができる。
本発明の有害物質吸着錠剤によれば、水中、土壌を問わず、使用に際しては、投擲散布などにより設置処理作業が非常に簡便にでき、河川、地下水処理に関しては微粉末の浮遊による流出防止し、分散制御並びに吸着剤の浮力制御ができる。そして、微粉末の飛散や粉塵爆発防止を図り、作業者及び近隣の安全対策を向上することができる。
また、製作においては造粒の場合より簡便で製造時間も短縮でき、用途によって重量、大きさも選択できる。
錠剤資材は環境負荷の少ないセルロース系原料、安定性の高い鉱物、炭素などから成り立ち、安全性に十分配慮された商品設計が可能である。
また、乾燥地帯の土壌など雨水などの少量の水分で微粉末の吸着剤を効率よく土壌に分散させることができ、土壌撹拌後、吸収剤と土壌が適度に密着することにより吸収剤の再飛散を防止すると共に、有害物質を吸着剤に固定して、植物への吸収を阻害することや地下水への汚染を防止することができる。
また、本発明の錠剤によれば、崩壊剤を含ませないでも、崩壊促進させ得る錠剤を提供することができる。その理由は、直打による打錠法の採用により、打錠の過程で多孔質微細粉体の多孔質の外表面の硬度が増すと共に多孔質の空隙内に存在する空気が圧縮されて閉じ込められた状態となり、この錠剤が使用上水分の多い環境に曝されたとき、毛細管現象で多孔質の空隙内に多量の水分が吸収され同時に閉じ込められた空気が追い出されることで、一気に崩壊する(図8参照)ものと考えられ、斯かる現象から、多孔質の空隙から追い出された空気が、発泡剤の役目を果たしているものと推測され、本願発明は、斯かる知見から、多孔質の微細粉体を含んで直打成形され錠剤は、水分を吸収して崩壊促進されるものと思われる。
上記において、錠剤を造粒装置により作製した場合には、この造粒された錠剤は、崩壊促進させるものとして得ることはできなかった。
なお、本発明の錠剤は、崩壊剤を含ませることもできる。これにより一層迅速に崩壊させることもでき、崩壊剤を含む、含まないは任意に選択可能である。
また本願に係る請求項1記載の発明によれば、土壌中、水中で安定であり、吸着効率がよく、長年使用され安全性の高いことが知られている吸着剤であり、間伐材などを利用することにより無駄なく利用することができる。
また、錠剤を多層化することにより、崩壊時間の異なる組み合わせや、性能の異なる吸着剤を組み合わせることできる。
微粉末吸着剤を含んで成形した錠剤は、水中、土壌を問わず、使用に際しては、投擲散布などにより設置処理作業が非常に簡便にでき、河川、地下水処理に関しては微粉末の浮遊による流出防止し、分散制御並びに吸着剤の浮力制御ができ、吸収性能の自由度を拡大させる錠剤を得るには、次の粉体の使用が望ましく、
微細粉体で多孔質の吸着剤と比重1以上の粉体を配合・混練した吸着物質であって、前記吸着剤は、比表面積が800m2/g以上の活性炭であり、比重1以上の粉体に圧着または混練した吸着物質の粉体である。
吸着剤としてはその組成が有機成分の吸着剤と無機成分の吸着剤のいずれか一つまたは組み合わせからなることが汚染状況によって、吸着性能を自由に設計できる。
この場合、配合された粉体が前記多孔質の他に賦形剤、滑沢剤のいずれか1つまたは複数の組み合わせからなる物質を含み単層又は多層の錠剤として直打錠可能な混合物からなることにより、崩壊時間の異なる組み合わせや、性能の異なる吸着剤を組み合わせることできる。
本発明は吸着剤が、有害有機化合物、有害無機化合物などの種類別ごとに吸着する物質を混合可能な多孔質吸着剤を含むことを特徴とする有害物質吸着錠剤によれば、場所によって対象となる汚染物質や濃度が異なるため、汚染物質に合致した吸着し固定化する吸着剤が選択でき、特に高濃度の汚染状況に適応して有害成分に対する吸着性能の変更を自由に設計できる。
本発明は比重1以上の粉体の属性として、浮力を制御するために多孔質の無機鉱物、カルサイト、ゼオライト、活性白土、珪藻土、花崗岩ペグマタイト、イルメナイトなどの天然由来鉱物のいずれか1つまたは複数の組み合わせからなる物質を含むものとしたり、空孔の大きさが制御された人工ゼオライトのいずれか1つまたは複数の組み合わせからなる物質を含むものとしたりすることができる。
本発明は、その微細粉体あるいは粉体として、賦形剤が結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、澱粉、乳糖、二酸化ケイ素、多糖類、マンニトール、無水リン酸水素カルシウム、のいずれか1つまたは複数の組み合わせからなる物質を含むことができるが、特に環境負荷が少ない人畜無害な食品添加物由来成分または医薬品からなる結晶性セルロース、二酸化ケイ素、多糖類の組み合わせが望ましい。
本発明は、吸着剤の全体または一部に、酸化剤または還元剤の組み合わせからなる物質を使用したり、低圧打錠できることにより菌を死滅させずに有機物質分解菌を使用したりすることができ、これにより有害物質の分解を促進することができる。
本発明は、土壌表面や土壌中に設置され、散水、降雨、降雪または土壌中の水分により溶解されたとき、土壌中の有害成分を吸着可能とした、乾燥地域土壌や農業にも使用可能な安全性の高い有害物質吸着錠剤を作製することができる。
表1は吸着剤と各粉体の配合割合を変化させた時の打錠成形性の可否と、土壌における崩壊時間と水中における崩壊分散状態、錠剤の浮力状況の比較結果を本発明品例1〜6に示した。併せて比較例1〜4を示す。
打錠結果の可否と打錠条件、配合割合は表1に記載する。
表1には、実施例1における個別の形状、配合割合に伴う、土壌、水中崩壊時間・分散状況比較が本発明品例1〜6にまとめてある。
前記各吸着剤の配合を20%とし、残りを賦形剤である結晶性セルロースと二酸化ケイ素の混合物で打錠した。
前記本発明品例1と本発明品例2は、水を加えることによって土壌に対する崩壊性がよく、図1で示すように水中にそれぞれ投入すると一度しずんで発泡しながら浮かび上がり、分散するという特徴を示し、水陸両用の錠剤の製造が可能であり、発泡剤を用いないで錠剤を制作しているので保存に長期安定性を示した。
本発明品例3は吸着剤の割合を減らし、本発明品例4は賦形剤に他の粉体の割合を増やすことにより、図2が示すように崩壊性や分散を制御できることが可能となった。
本発明品例5は二酸化ケイ素の粉体が増えることにより、吸着剤の量を増やし、発泡剤を用いらないで崩壊分散性の早い錠剤を作ることが出来た。
本発明品例6のように錠剤に発泡剤を混入し、錠剤状態で6カ月以上の長期保存しない場合には、水中で長時間浮遊させることも可能な速崩壊分散の有害物質吸着錠剤の制作も可能である。
比較例2は市販の微粉末活性炭であり、土壌では粉塵が舞い、図9で示すように比重が小さいために水中では水面に浮いてしまった。
比較例3は市販品の直打錠用賦形剤である2%配合された結晶性セルロースを打錠した結果、成形性が良いが、土壌において、前記錠剤に水を散水しても崩壊しにくく、図10のように水に沈むが、水中における崩壊分散状態は15℃の水温には600秒以上であり、崩壊分散しにくいものであった。
同様に比較例4は水溶性のポリビニルアルコール1部を用いて前記微粉末活性炭5部を混合し成型、乾燥し固めたものである。土壌使用の場合では、水を散水しても崩壊分散せず、水中使用の場合には、図11に示すように水に浮き、1日以上たっても溶けなかった。
上述した表1の本発明品例1で示した配合割合で打錠した直径20mmの錠剤を土壌で使用する目的として想定した崩壊性を示す実験である。
図4(a)で示したようにその錠剤を土壌上に置き、水25mLを10秒間隔で、3回ピペットで滴下し、水滴下開始60秒後の写真である。図4(b)
土壌に対し少量の水で30秒以内に崩壊し、土壌の隙間に微粉末吸着剤が流れ込む様子がわかった。そして土壌と吸着剤がよく密着していた。少量の水分で乾燥地域土壌や農業にも使用可能な安全性の高い有害物質吸着錠剤を提供することができた。
次の表2から表5は、本発明の有害物質吸着錠剤を河川、湖水、海洋、地下水で使用した場合を想定した実験の結果である。
本発明の有害物質吸着錠剤を添加しない場合と、吸着剤添加量の異なる各錠剤を添加した場合の水に含まれる有害化学物質を測定したときの減少率を表すものであり、底質から水に溶け込む最大値を100として各有害化学物質の減少率を表にしたものである。
河川を想定し一定量の底質から水に溶出量を測定するために、1週間放置し、分析試料分の上澄み水を採取後、溶出平衡を保つため、試料で取った量の水を再び添加し、この作業を4週間に渡り繰り返し実験を行った。
吸着剤添加量の異なる各錠剤を添加した時期は、前記記載の1週間目の上澄み水を採取後、その量の純水を添加した後に、0.4gのそれぞれの実験で吸着剤添加量の異なる各錠剤を7錠添加した。
各錠剤0.4gの成分は次の通りである。
今回、各錠剤の微粉末吸着剤である活性炭は、比表面積1000m2/g、平均粒度30μmのものを共通に用いた。
前記活性炭0.02gに二酸化ケイ素0.18g混練し、残りの重量は賦形剤に結晶性セルロースを用いて打錠したものを投入試料錠剤Aとした。
同様に前記活性炭0.10gに二酸化ケイ素0.10g混練し、残りの重量は賦形剤に結晶性セルロースを用いて打錠したものを投入試料錠剤Bとした。
また、前記活性炭0.18gに二酸化ケイ素0.02g混練し、残りの重量は賦形剤に結晶性セルロースを用いて打錠したものを投入試料錠剤Cとした。
なお、この小規模実験における試料の実験に際しての作業条件は次の通りである。
採取した河川底質(ヘドロ)の風乾した土壌を20gとり、秤量した土壌を容器に入れ、次に純水600mL加え、容器密閉後、川の水の流れを想定して横振とう機100回転/分の条件下におけて1週間室温で振とうを行い、毎週各試料における上澄み水200mL採取したものをそれぞれの試料とした。
そして上澄み水200mL採取後、各試料における化学物質の溶出平衡を保つため、200mLの純水を添加し、再び前記条件で振とうを行い、3週間同様の作業を繰り返した。
測定条件
試料の抽出:毎週各試料における上澄み水200mLをガラスろ紙でろ過し、ヘキサンが100mL入った分液ロートに加えて、30分間振り、3回液・液抽出を行った。その後、ヘキサン層を濃縮してフロリジルカラムにおいて25%ジクロロメタン/75% ヘキサンを100mL、そしてエンビカルブSPEにおいてヘキサン10mLを用いて精製した。
測定は高分解能GC/MSを用いた。
GCオーブンの温度は120℃(0.5分)-10℃/分-180℃(0分)-4℃/分-210℃(0分)-10℃/分-300℃(10分)、GCカラムENV-8MS(0.25mm内径×30m)、注入法はスプリットレス、注入量は1μL、イオン化法はEI+、分解能は10000以上(10%谷)、分析方法はSIM法で以下のよう精密質量(m/z)の低質量側と高質量側に分け、多成分一斉測定ができるようにした。各化合物の13Cを用いた内部標準法で行った。
高質量側(m/z):トランス,シス-ヘプタクロルエポキサイド352.8442, 354.8413, 13C トランス,シス-ヘプタクロルエポキサイド362.8778, 364.8748, トランス,シス-クロルデン 372.826, 374.823, 13C トランス,シス-クロルデン382.8595, 384.8566, オキシクロルデン386.8052, 388.8023, 13C オキシクロルデン396.8388, 398.8358, トランス,シス-ノナクロル406.787, 408.784, 13C トランス,シス-ノナクロル 416.8205, 418.8176,
低質量側(m/z):ヘキサクロロシクロヘキサン(HCH) 216.9145, 218.9116, 13C ヘキサクロロシクロヘキサン222.9347, 224.9317, ジクロロジフェニルトリクロロエタン(DDT), ジクロロジフェニルジクロロエタン(DDD)235.0081, 237.0052, 13C DDT, DDD 247.0484, 249.0454, ジクロロジフェニルジクロロエチレン(DDE) 246.0003, 247.9974, 13C DDE 258.0406, 260.0473, アルドリン、ディルドリン、エンドリン 262.857, 264.854, 13C アルドリン、ディルドリン、エンドリン269.8804, 271.8775, マイレックス、ヘプタクロル271.8102, 273.8072, 13C マイレックス、ヘプタクロル276.8269, 278.824, ヘキサクロロベンゼン(HCB)283.8102, 285.8072, 13C ヘキサクロロベンゼン289.8303, 291.8273に2回に分けて測定を行った。
結果は各錠剤A、錠剤B、錠剤Cともに水への速崩壊性を示し、泡を出しながら崩壊の様子例は図8に示す。上記した表2から表5に示す通り、錠剤未投入部分では、水への有害化学物質の溶出が確認され、錠剤無添加の場合は溶出された有害化学物質がほぼ一定であるのに対し、各錠剤A、錠剤B、錠剤Cを投入した後には、各有害化学物質の吸着速度には物質により時間差はあるが、ほとんどの検出された各有害化学物質の水への溶出量が大幅に少なくなっていることが確認できた。
表5は表2より抜粋した水への底質からの溶出した有害化学物質の挙動の一例である。
本発明の錠剤表面を走査型電子顕微鏡で観察した。
図5は活性炭が粉体表面に圧着されている様子の走査型電子顕微鏡写真(1000倍)である。
この場合、比重1以上の粉体(白色部分)に吸着剤である活性炭(黒色部分)に入り込み圧着されていることがわかる。
こりは活性炭と二酸化ケイ素と混ぜ、混練することにより入り込み、打錠することにより圧着し、錠剤硬度が出る。
水分が吸着剤または粉体の多孔質部分にある隙間に浸透することにより、賦形剤が膨潤しやすく、粉体と吸着剤が分散しやすくなると考えられる。
図6は活性炭、多孔質の粉体、賦形剤の混合物における錠剤成型品の表面の走査型電子顕微鏡写真(600倍) である。図6において、符号1は微粉末の活性炭、符号2は粉体、符号3は錠剤表面上の亀裂をそれぞれ示すものである。
吸着剤または微細粉体の全体または一部に、多孔質、吸着性能または比重1以上の粉体をもつ、カルサイト、ゼオライト、活性白土、珪藻土、花崗岩ペグマタイト、イルメナイトなどの天然由来鉱物や、多孔質または吸着性能をもつ、空孔の大きさが制御された人工ゼオライトのいずれか1つまたは複数の組み合わせからなる物質を含むもののうち、図6は、微粉末吸着剤に比表面積1000m2/g、平均粒度30μmの活性炭を用い、粉体に多孔質の二酸化ケイ素、賦形剤に結晶性セルロースを用いた。
錠剤硬度が変わらず、多孔質の二酸化ケイ素の含有率が高いほど崩壊性が早く、賦形剤である量も減る傾向にあった。
表面には図6に示すように多孔質の二酸化ケイ素の含有率が高いほど錠剤表面にひび割れが多く存在したが、硬度に影響はなかった。
このことから、表面のひび割れにより、内部に水が浸透しやすくなっていると考えられる。
図6の配合比は活性炭1部、二酸化ケイ素5部、結晶性セルロース4部の比率で混合し、打錠圧2キロニュートンで得られた錠剤を示す。
図7は図6の混合物における錠剤成型品の表面の走査型電子顕微鏡の錠剤表面写真(35倍) であり、いろいろな形状の粉体が分散していることがわかる。
本発明に係る、その微粉末吸着錠剤は、土壌に投擲散布などにより設置処理作された場合には、散水、降雨または土壌中の水分により溶解され、土壌中の有害成分を吸着可能とした微粉末吸着錠剤として利用できる。
また、多孔質などの粉体をと微粉末吸着剤を使用することにより崩壊制御可能な錠剤を制作できるとしたこの技術により、医薬品分野への応用も可能となり、吸着剤の代わりに徐放性の薬剤を含浸させた多孔質の微粉末を用いれば、製造工程を簡略化できる強硬度を兼ね備えた速崩壊性錠剤にも利用可能である。
さらに、本発明の技術は脱臭剤の成型物作成し、使用終了後、吸着剤のまだ有効利用されていない空隙部分に化学物質を吸着するために有効利用できる。そして、その成型物を家庭菜園やプランター等の中に入れ分散させ、有害化学物を吸着させる利用方法もある。
2 粉体
3 錠剤表面上の亀裂
Claims (9)
- 微細粉体で多孔質の吸着剤と比重1以上の粉体を配合し、この配合において当該吸着剤を、その組成が有機成分の吸着剤と無機成分の吸着剤のいずれか一つまたは組み合わせからなる微細粉体であって、前記吸着剤は、比表面積が800m2/g以上の活性炭であり、前記比重1以上の粉体と微細粉体で多孔質の吸着剤を圧着または混練した吸着物質によって直打成型した錠剤であって、多孔質吸着剤の微細粉体を組み合わせることによって崩壊剤を使用又は使用せずに水などの液体に対する崩壊時間を制御可能としたことを特徴とする有害物質吸着錠剤。
- 請求項1において、微細粉体が前記多孔質の吸着剤の他に賦形剤、滑沢剤のいずれか1つまたは複数の組み合わせからなる物質を含み単層又は多層の錠剤として直打錠可能な混合物であることを特徴とする請求項1記載の有害物質吸着錠剤。
- 請求項1又は2のいずれかにおいて、前記吸着剤が、有害有機化合物、有害無機化合物などの種類別ごとに吸着する物質を混合可能な多孔質吸着剤を含むことを特徴とする有害物質吸着錠剤。
- 請求項3において、微細粉体全体または一部に、多孔質、比重1以上の粉体をもつ、カルサイト、ゼオライト、活性白土、珪藻土、花崗岩ペグマタイト、イルメナイトなどの天然由来鉱物のいずれか1つまたは複数の組み合わせからなる物質を含むことを特徴とする有害物質吸着錠剤。
- 請求項3又は4のいずれかにおいて、微細粉体全体または一部に、多孔質で、空孔の大きさが制御された人工ゼオライトのいずれか1つまたは複数の組み合わせからなる物質を含むことを特徴とする有害物質吸着錠剤。
- 請求項3ないし5のいずれかにおいて、賦形剤が結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、澱粉、乳糖、二酸化ケイ素、多糖類、マンニトール、無水リン酸水素カルシウム、のいずれか1つまたは複数の組み合わせからなる物質を含むことを特徴とするであることを特徴と有害物質吸着錠剤。
- 請求項3ないし6のいずれかにおいて、微細粉体が多孔質と結晶性セルロースと二酸化ケイ素の混合物であることを特徴と有害物質吸着錠剤。
- 請求項1ないし7のいずれかにおいて、前記構成素材が食品添加物由来成分または医薬品レベルの安全基準を持った微細粉体材料からなるものであることを特徴とする有害物質吸着錠剤。
- 請求項1ないし8のいずれかにおいて、土壌表面に敷設され、散水、降雨、降雪または土壌中の水分により溶解されたとき、土壌中の有害成分を吸着可能とした有害物質吸着錠剤。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009107293A JP5596936B2 (ja) | 2009-04-27 | 2009-04-27 | 有害物質吸着錠剤 |
PCT/JP2009/005213 WO2010041441A1 (ja) | 2008-10-08 | 2009-10-07 | 有害物質吸着成形体 |
EP09818981A EP2366451A1 (en) | 2008-10-08 | 2009-10-07 | Hazardous substance adsorbing formed body |
KR1020117008189A KR101592620B1 (ko) | 2008-10-08 | 2009-10-07 | 유해 물질 흡착 성형체 |
CN2009801400367A CN102176965B (zh) | 2008-10-08 | 2009-10-07 | 有害物质吸附成形体 |
US13/079,466 US20110269217A1 (en) | 2008-10-08 | 2011-04-04 | Hazardous substance adsorbing tablet |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009107293A JP5596936B2 (ja) | 2009-04-27 | 2009-04-27 | 有害物質吸着錠剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010253401A JP2010253401A (ja) | 2010-11-11 |
JP5596936B2 true JP5596936B2 (ja) | 2014-09-24 |
Family
ID=43314961
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009107293A Active JP5596936B2 (ja) | 2008-10-08 | 2009-04-27 | 有害物質吸着錠剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5596936B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014134425A (ja) * | 2013-01-09 | 2014-07-24 | Masaaki Ishizeki | 放射性セシウム除染剤およびそれを用いたコンクリート部材、建築部材、建築用塗料および樹脂製品、並びに放射性セシウム除染剤の液中散布装置、放射性セシウムの除染方法 |
KR101714590B1 (ko) * | 2016-08-03 | 2017-03-23 | 삼성물산(주) | 유해물질 고흡착형 친환경 수성도료의 제조방법 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2789146B2 (ja) * | 1992-02-04 | 1998-08-20 | 倉庫精練株式会社 | 農薬の除去シート |
JP3008806B2 (ja) * | 1995-03-23 | 2000-02-14 | 住友電装株式会社 | コネクタの電線配列指示検査装置 |
JPH09202706A (ja) * | 1996-01-25 | 1997-08-05 | Hinata:Kk | 排水用殺菌洗浄剤 |
JP4592053B2 (ja) * | 2003-06-06 | 2010-12-01 | リンテック株式会社 | 消臭剤組成物および水解性消臭体 |
JP2005314149A (ja) * | 2004-04-28 | 2005-11-10 | Kuraray Chem Corp | 活性炭成型体の製造方法 |
JP4518905B2 (ja) * | 2004-10-19 | 2010-08-04 | 昭和化学工業株式会社 | 易水中崩壊性珪藻土成形物からなる濾過助剤及びその製造方法 |
-
2009
- 2009-04-27 JP JP2009107293A patent/JP5596936B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010253401A (ja) | 2010-11-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101592620B1 (ko) | 유해 물질 흡착 성형체 | |
Cox et al. | Porosity and herbicide leaching in soils amended with olive-mill wastewater | |
Nityanandi et al. | Kinetics and thermodynamic of adsorption of chromium (VI) from aqueous solution using puresorbe | |
González-Naranjo et al. | Mobility of ibuprofen, a persistent active drug, in soils irrigated with reclaimed water. | |
N’goran et al. | Lead and cadmium removal from natural freshwater using mixed activated carbons from cashew and shea nut shells | |
CN105754605A (zh) | 一种土壤多种重金属污染物的处理修复颗粒和处理修复方法 | |
US20110015064A1 (en) | Low-impact delivery system for in situ treatment of contaminated sediment | |
Jain et al. | Effect of a synthetic polymer on adsorption and leaching of herbicides in soil | |
JP2005058917A (ja) | 重金属類汚染土壌の処理方法 | |
JP2010089005A (ja) | 多機能水溶性シート | |
JP5596936B2 (ja) | 有害物質吸着錠剤 | |
JP2007154411A (ja) | クレーグラウンド用下層土材、およびクレーグラウンドの施工方法 | |
Adhikary et al. | Assessment of subsurface migration and simultaneous removal of Carbendazim in simulated constructed wetland through physical and numerical modeling | |
Kuo et al. | Removal of pesticides from rinsate by adsorption using agricultural residuals as medium | |
Awab et al. | Mussel shell and waterworks sludge as sorbent materials for the removal of Cu (II) from aqueous solution | |
Mustafa et al. | Adsorption of 2, 4-Dichlorophenoxyacetic Acid Herbicide from Aqueous Solution by Using Cement Kiln Dust Solid Waste | |
JP5131570B1 (ja) | 汚水浄化用濾材および気体脱臭用濾材の製造方法 | |
Yedla et al. | Removal mechanism of endosulfan sorption onto wood charcoal | |
CN105733590A (zh) | 一种土壤无机物污染的处理修复颗粒和处理修复方法 | |
SALAUDEEN et al. | REMEDIATION BY ADSORPTION FOR ENVIRONMENTAL WARMING AFFECTED HERBICIDE CONTAMINATED WATER USING BAMBOO STEM ACTIVATED CARBON | |
JP2004051762A (ja) | 作物への重金属吸収抑制方法 | |
RU2789008C1 (ru) | Способ очистки и рекультивации нефтезагрязненных почв | |
Silas et al. | Biosorption isotherm and kinetic studies for the removal of Pb (II) and Fe (II) ions from synthetic waste water using unmodified Dennettia tripetala | |
JP2012183526A (ja) | 汚染土壌改良方法、汚染土壌改良剤及びこれを用いたコンクリート製品 | |
Granetto et al. | The role of soil amendments in limiting the leaching of agrochemicals: Laboratory assessment for copper sulphate and dicamba |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120328 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20120328 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130611 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130810 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20130812 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140218 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140417 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140421 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140805 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140808 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5596936 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |