JP5594500B2 - 非水電解液二次電池用マンガン酸リチウム、並びに非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池用マンガン酸リチウム、並びに非水電解液二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、高出力で高温安定性に優れたマンガン酸リチウムを提供する。
近年、AV機器やパソコン等の電子機器のポータブル化、コードレス化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源として小型、軽量で高エネルギー密度を有する二次電池への要求が高くなっている。このような状況下において、充放電電圧が高く、充放電容量も大きいという長所を有するリチウムイオン二次電池が注目されている。
従来、4V級の電圧をもつ高エネルギー型のリチウムイオン二次電池に有用な正極活物質としては、スピネル型構造のLiMn、岩塩型構造のLiMnO、LiCoO、LiCo1−XNi、LiNiO等が一般的に知られており、なかでもLiCoOは高電圧と高容量を有する点で優れているが、コバルト原料の供給量が少ないことによる製造コスト高の問題や廃棄電池の環境安全上の問題を含んでいる。そこで、供給量が多く低コストで環境適性の良いマンガンを原料として作られるスピネル構造型のマンガン酸リチウム粒子粉末(基本組成:LiMn−以下、同じ−)の研究が盛んに行われている。
周知の通り、マンガン酸リチウム粒子粉末は、マンガン化合物とリチウム化合物とを所定の割合で混合し、700〜800℃の温度範囲で焼成することによって得ることができる。
しかしながら、マンガン酸リチウム粒子粉末をリチウムイオン二次電池の正極活物質として用いた場合、高電圧と高エネルギー密度を有するものの、充放電サイクル特性が劣るという問題がある。この原因は、充放電の繰り返しに伴う結晶構造中のリチウムイオンの脱離・挿入挙動によって結晶格子が伸縮して、結晶の体積変化によって格子破壊が生じることや電解液中へMnが溶解することとされている。
マンガン酸リチウム粒子粉末を用いたリチウムイオン二次電池にあっては、充放電の繰り返しによる充放電容量の劣化を抑制し、充放電サイクル特性を向上させることが現在最も要求されている。
充放電サイクル特性を向上させるためには、マンガン酸リチウム粒子粉末からなる正極活物質が充填性に優れ、適度な大きさを有することが必要である。その手段としては、マンガン酸リチウム粒子の粒子径及び粒度分布を制御する方法、焼成温度を制御して高結晶のマンガン酸リチウム粒子粉末を得る方法、異種元素を添加して結晶の結合力を強化する方法、表面処理を行ってMnの溶出を抑制する方法等が行われている。
これまで、マンガン酸リチウム粒子粉末に、異種元素の一つとしてアルミニウムを含有させることが知られている(特許文献1〜6)。
マンガン酸リチウム粒子粉末にCa化合物及び/又はNi化合物とAl化合物とを含有させること(特許文献1)、マンガン酸リチウム粒子粉末にAlを含有するとともに、X線回折の各回折面のピーク位置を限定すること(特許文献2)、マンガン酸リチウム粒子粉末にAlなどの異種元素を含有するとともに、焼成を多段階に分けて行うこと(特許文献3)、マンガン酸リチウム粒子粉末にAlを含有するとともに、比表面積が0.5〜0.8m/gであって、ナトリウム含有量が1000ppm以下であるマンガン酸リチウム(特許文献4)、マンガン酸リチウム粒子粉末にAlなどの異種元素を含有するとともに、(400)面の半値幅が0.22°以下であり結晶粒子の平均径が2μm以下であるマンガン酸リチウム(特許文献5)、マンガン酸リチウム粒子粉末にAlなどの異種元素を含有するとともに、結晶子サイズが600Å以上であり格子歪が0.1%以下であるマンガン酸リチウム(特許文献6)がそれぞれ記載されている。
特開2000−294237号公報 特開2001−146425号公報 特開2001−328814号公報 特開2002−33099号公報 特開2002−316823号公報 特開2006−252940号公報
非水電解質二次電池用の正極活物質として出力特性と高温特性を改善するマンガン酸リチウムが、現在最も要求されているところであるが、未だ必要十分な要求を満たす材料は得られていない。
即ち、前記特許文献1〜6には、それぞれ、金属元素、硼素などマンガンの一部を異種元素で置換したマンガン酸リチウムが記載されているが、電池の高温保存特性が満足するものではなく実用的にまだ不十分であった。
また、結晶性を改善しただけでも高温保存特性が満足できるレベルではなく、実用的には不十分であった。
さらに、半価幅はその測定原理上、数μmサイズの結晶では精度が低いため、特定の半価幅に入っていても、高温保存特性や出力特性が不十分な場合が多い。
そこで、発明者らは立方晶スピネルの基本面である(111)、(400)、(440)の回折線強度比に注目し、JSPDS35−0782に示されるマンガン酸リチウムが有するX線回折のピーク強度比から外れたところに高温保存特性が改良されることを見出した。
また、均一性において、粒子外部からMn、Y(Al、Co、Mg)の存在位置を確認しただけでは、Yの粒子内部の均一性を判断できないため、Y−Mnの混合状態や焼成条件に対して最適化が不十分であることをみだし、外観上均一になっても出力が著しく低下することを見出し、粒子内部のAl分布の均一性を断面のEPMAまたはEDXマッピングにより評価して、その均一性を上げることによって、出力特性と同時に高温保存特性も改良されることを見出した。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、一次粒子径が1μm以上、挙動粒子の平均粒径(D50)が1μm以上、10μm以下であるマンガン酸リチウム粒子粉末であり、
化学式Li1+xMn2−x−y
(Y=Al、Mg、Coの少なくとも1種、0.03≦x≦0.15、0.05≦y≦0.20)を満たし、Y元素が粒子内部に均一に分散しており、且つ、I(400)/I(111)が33%以上であってI(440)/I(111)が16%以上であることを特徴とするマンガン酸リチウム粒子粉末である(本発明1)。
また、本発明は、格子定数が0.818〜0.821nmであることを特徴とする前記マンガン酸リチウム粒子粉末である(本発明2)。
また、本発明は、粉体を1ton/cmで加圧したときのBETの変化率が元のBETに対して、0〜10%であることを特徴とする前記マンガン酸リチウム粒子粉末である(本発明3)。
また、本発明は、充放電容量を測定した場合に、初期の放電容量が80mAh/g以上、110mAh/g以下であることを特徴とする前記いずれかのマンガン酸リチウム粒子粉末である(本発明4)。
また、本発明は、前記マンガン酸リチウム粒子粉末を正極活物質またはその一部として用いた非水電解液二次電池である(本発明5)。
本発明に係るマンガン酸リチウム粒子粉末は、高出力であり、高温安定性に優れているので、非水電解質二次電池用の正極活物質として好適である。
実施例2で得られたAl処理前酸化マンガンの粉末X線回折図形 実施例2で得られたAl処理後酸化マンガンの粉末X線回折図形 実施例1で得られたマンガン酸リチウムのSEM像である。 実施例2で得られたマンガン酸リチウムのSEM像である。 実施例3で得られたマンガン酸リチウムのSEM像である。 実施例2で得られたマンガン酸リチウム粒子粉末の粒子断面のSEM像、反射像、及びMn,AlのEPMAマッピングである。 比較例6で得られたマンガン酸リチウム粒子粉末の粒子断面のSEM像、反射像、及びMn,AlのEPMAマッピングである。 焼成温度とレート効率の関係を示した図 格子定数と容量維持率の関係を示した図 I(440)/I(111)と高温サイクル効率の関係を示した図
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
先ず、本発明に係る非水電解質二次電池用マンガン酸リチウム粒子粉末について述べる。
本発明に係るマンガン酸リチウム粒子粉末は、Al、Mg、Coの内、少なくとも一種を含み、前記金属元素がマンガン酸リチウム粒子の粒子表面に偏在することなくマンガン酸リチウム粒子内部で均一に分散し、しかも、(111)面に対して、(400)、(440)面が成長したマンガン酸リチウム粒子粉末である。
本発明に係るマンガン酸リチウム粒子粉末の化学式は、Li1+xMn2−x−yであり、YはAl、Mg、Coの少なくとも1種である。このうち、xは0.03〜0.15であり、yは0.05〜0.20である。
xが0.03未満の場合、容量は高くなるが高温特性が著しく低下する。0.15を超える場合には高温特性は改善されるが容量が著しく低下したりLiリッチ相が生成し抵抗上昇の原因になる。より好ましくは0.05〜0.15である。
yが0.05未満の場合、十分な効果が得られない。0.20を超える場合には容量低下が大きくなるために実用的でない。より好ましくは0.05〜0.15である。
本発明に係るマンガン酸リチウム粒子粉末のY元素が粒子内部に均一に分散している。
偏在している場合には安定性が低下する。
本発明に係るマンガン酸リチウム粒子粉末のI(400)/I(111)が33%以上であり、I(440)/I(111)が16%以上である。
I(400)、I(440)が前記範囲外の場合には、安定性及び出力が低下する。より好ましくはI(400)/I(111)が35〜70%、I(440)/I(111)が20〜50%である。
本発明に係るマンガン酸リチウム粒子粉末の格子定数は0.818〜0.821nmがこのましい。0.815nm未満の場合には、容量が低下する。0.821nmを超える場合には、安定性が低下する。より好ましくは0.819〜0.821nmである。
本発明に係るマンガン酸リチウム粒子粉末の1次粒子径は1.0〜10μmが好ましい。一次粒子径が1μm未満の場合には、安定性が低下する。10μmを超える場合には、出力が低下する。より好ましくは1.0〜8.0μmである。
本発明に係るマンガン酸リチウム粒子粉末の挙動粒子の平均粒径(D50)が1.0μm以上、10μm以下が好ましい。平均粒径が1μm未満の場合には、安定性が低下する。10μmを超える場合には、出力が低下する。より好ましくは2.0〜8.0μmである。
本発明に係るマンガン酸リチウム粒子粉末は、実質的に単結晶粒子からなることが好ましい。多結晶体である場合には、格子不整合面が多数存在するためにリチウムの脱挿入に対して抵抗成分となり、出力がとりにくくなる場合がある。
本発明に係るマンガン酸リチウム粒子粉末の1ton/cmで加圧したときのBETの変化率が、圧縮前のBET比表面積に対して0〜10%であることが好ましい。前記変化率が10%を超える場合、電極作製時に活性の高い新界面が発生し電解液との反応が促進されるために、出力及び安定性が低下する。より好ましくは1〜10%である。
なお、本発明に係るマンガン酸リチウム粒子粉末の加圧前のBET比表面積は、1m/g以下が好ましい。
次に、本発明に係るマンガン酸リチウム粒子粉末の製造法について述べる。
本発明に係るマンガン酸リチウム粒子粉末は、マンガン前駆体として実質的に単結晶の四三酸化マンガン(Mn)を用い、且つ、非常に微細で結晶性の低い(10mol%添加でもX線回折で検出できない状態)化合物を水溶液中で処理し、Liとの混合物を焼成反応する際に900℃以上、好ましくは950〜1050℃で焼成して得ることができる。
本発明における四三酸化マンガン(Mn)は、平均粒径1.0〜8μm、一次粒子径1〜8μm、BET比表面積0.5〜15m/gであることが好ましい。
結晶性の良好なマンガン前駆体を用いた場合、Al化合物との反応性が低下するために、サブミクロンサイズのアルミニウム化合物を用いたとしても均一な固溶状態は得にくく、X線回折で検出できないような、微細で結晶性の低いアルミニウム化合物が均一に混合された状態とする必要がある。
表面被覆物であるアルミニウム化合物を前記状態とするためには、マンガン酸化物懸濁液にアルミニウムのイオン性水溶液を混合することによってマンガン前駆体とアルミニウムイオンの均質な混合状態を形成した後、pHを調整することにより、微細で結晶性の低い水酸化物がマンガン前駆体と均質な混合状態を作り出すことができる。
その反応条件は、アルミニウム化合物を被覆する場合、反応溶液のpHを6〜10、反応温度を10〜90℃に制御する。
また、Mgを被覆する場合は、反応溶液のpHを9〜11、反応温度を10〜90℃に制御する。Coを被覆する場合は、pHを7〜10、反応温度を10〜90℃に制御することが好ましい。
得られたAl含有マンガン酸化物とリチウム化合物とを混合した後に、焼成反応により、マンガン酸リチウムを得ることができるが、焼成温度は900℃以上でなくてはならない。900℃未満ではアルミニウムが粒子内部で均一に分布した状態を得ることはできない。
前出特許文献2(特開2001−146425号公報)では、粒子外観のEPMA分析により、Alの均質状態を検証しているが、Alが粒子表面のみに局在していてもこのような結果が得られるが、実際の出力を測定すると、抵抗が大きく、電流を取り出しにくいということが発生する。好ましくは950℃〜1050℃の温度範囲で焼成する。
次に、本発明に係る非水電解質二次電池用マンガン酸リチウム粒子粉末からなる正極活物質を用いた正極について述べる。
本発明に係る正極活物質を用いて正極を製造する場合には、常法に従って、導電剤と結着剤とを添加混合する。導電剤としてはアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等が好ましく、結着剤としてはポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等が好ましい。
本発明に係る正極活物質を用いて製造される二次電池は、前記正極、負極及び電解質から構成される。
負極活物質としては、リチウム金属、リチウム/アルミニウム合金、リチウム/スズ合金、グラファイトや黒鉛等を用いることができる。
また、電解液の溶媒としては、炭酸エチレンと炭酸ジエチルの組み合わせ以外に、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル等のカーボネート類や、ジメトキシエタン等のエーテル類の少なくとも1種類を含む有機溶媒を用いることができる。
さらに、電解質としては、六フッ化リン酸リチウム以外に、過塩素酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム等のリチウム塩の少なくとも1種類を上記溶媒に溶解して用いることができる。
本発明に係る正極活物質を用いて製造した二次電池は、初期放電容量が80mAh/g以上であり、後述する評価法で測定した高負荷容量維持率が80%以上、保存後の容量維持率60%以上、容量回復率90%、高温サイクル容量維持率90%以上である。
本発明に係るマンガン酸リチウム粒子粉末を用いた正極の放電容量が80mAh/g未満では、出力が低く実用的ではない。より好ましくは90〜110mAh/gであり、110mAh/gを超える場合には十分な安定性を確保できない。
<作用>
本発明において重要な点は、マンガン酸リチウム粒子粉末の結晶性、特にI(440)/I(111)、I(400)/I(111)の強度比が高く、しかも、置換元素であるAl、Mg又はCoが均一に分散していることである。
本発明においては、マンガン酸化物に微細で結晶性の低いアルミニウム化合物が均質に混合された状態とし、且つ、900℃以上の高温で焼成することによって、前記特性を有するマンガン酸リチウムを得ることができたものである。
その結果、本発明に係るマンガン酸リチウムを用いた二次電池は、出力特性と同時に高温保存特性も改良されるものである。
本発明の代表的な実施の形態は次の通りである。
挙動粒子の平均粒径(D50)はレーザー式粒度分布測定装置マイクロトラックHRA[日揮装(株)製]を用いて湿式レーザー法で測定した体積基準の平均粒子径である。
一次粒子径は、SEM像から平均値を読み取った。
被覆又は存在させる粒子の存在状態はエネルギー分散型X線分析装置付き走査電子顕微鏡SEM−EDX[(株)日立ハイテクノロジーズ製]を用いて観察した。
被覆又は存在させる粒子の平均一次粒子径はエネルギー分散型X線分析装置付き走査電子顕微鏡SEM−EDX[(株)日立ハイテクノロジーズ製]を用いて観察し、確認した。
試料のX線回折は、株式会社リガク製 RAD−IIAを用いて測定した。
格子定数は、前記粉末X線回折結果からリートベルト法で算出した。
単結晶か否かの確認は、粒子断面のEBSDで配向面を観察した。
マンガン酸リチウム粒子粉末を用いてコインセルによる初期充放電特性及び高温保存特性評価を行った。
まず、正極活物質としてLi−Mn複合酸化物を93重量%、導電材としてアセチレンブラックを2重量%及びグラファイトKS−16を2重量%、バインダーとしてN−メチルピロリドンに溶解したポリフッ化ビニリデン3重量%とを混合した後、Al金属箔に塗布し150℃にて乾燥した。このシートを16mmφに打ち抜いた後、1t/cmで圧着し、電極厚みを50μmとした物を正極に用いた。負極は16mmφに打ち抜いた金属リチウムとし、電解液は1mol/lのLiPFを溶解したECとDECを体積比で3:7で混合した溶液を用いてCR2032型コインセルを作成した。
初期充放電特性は、室温で充電は4.3Vまで0.1Cの電流密度にて行った後、90分間低電圧充電を行い、放電を3.0Vまで0.1Cの電流密度にて行い、その時の初期充電容量、初期放電容量及び初期効率を測定した。
マンガン酸リチウム粒子粉末の高負荷特性は0.1Cでの放電容量測定(a)を行なった後に再度0.1Cで充電を行ない、その後に10Cで放電容量を測定(b)して、b/a×100(%)として決定した。
また、高温保存特性として、容量維持率、容量回復率については、0.1Cで4.3Vまで充電を行い放電深度70%まで放電した後に、60℃で1週間放置した後の残留放電容量測定(c)を行なって容量維持率(=100×c/(0.3×a))とし、更にもう一度0.1Cで充放電を行なったときの放電容量測定(d)を行なって、容量回復率(=100×d/a)とした。
高温サイクル容量維持率については、60℃で0.3Cのレートで充放電を繰り返し、初回放電容量に対する30サイクル目の放電容量の割合とした。
実施例1 <マンガン酸リチウム粒子粉末の製造>
窒素通気のもと、3.5モルの水酸化ナトリウムに0.5モルの硫酸マンガンを加え全量を1Lとし、得られた水酸化マンガンを90℃で1時間熟成させた。熟成後、空気を通気させ90℃で酸化させ、水洗、乾燥後、酸化マンガン粒子粉末を得た。
得られた酸化マンガン粒子粉末はMnであり、粒子形状は粒状であり、平均粒子径4.8μm、BET比表面積が0.6m/gであった。
前記酸化マンガン粒子を含有する水懸濁液を、フィルタープレスを用いて5倍量の水で水洗を行った後、酸化マンガン粒子濃度が10wt%となるように邂逅した。この懸濁液に対して0.2mol/lのアルミン酸ナトリウム水溶液をMn:Al=95:5となるように反応槽内に連続供給した。反応槽は攪拌機で常に攪拌を行いながら、同時に0.2mol/lの硫酸水溶液をpH=8±0.5となるように自動供給を行い、水酸化アルミニウムで被覆した酸化マンガン粒子を含む懸濁液を得た。
この懸濁液を、フィルタープレスを用いて酸化マンガン粒子の重量に対して10倍の水により水洗を行った後、乾燥を行い、Mn:Al=95:5の平均二次粒子径が4.8μmの水酸化アルミニウムで被覆された酸化マンガン粒子を得た。
水酸化アルミニウムで被覆されたマンガン酸化物をX線回折で測定したところ、Al化合物に関するピークは検出されなかった。
前記Mn粒子粉末と炭酸リチウムとをLi:Mn:Al=1.065:1.835:0.10の割合になるように1時間混合し、均一な混合物を得た。得られた混合物50gをアルミナるつぼに入れ、960℃、空気雰囲気で4時間保持してマンガン酸リチウム粒子粉末を得た。得られたマンガン酸リチウム粒子粉末を得た。
得られたマンガン酸リチウム粒子粉末は、組成がLi1+xMn2−x−yとした場合に、xが0.065、yが0.10であり、平均一次粒子径が1.0μmであり、挙動粒子の平均粒径(D50)が4.0μmであり、BET比表面積値が0.94m/g、圧縮後のBET比表面積値が0.96m/gでありその変化率は2%であり、I(400)/I(111)は38%であり、I(440)/I(111)は20%であり、格子定数は0.8203nmであった。
ここで得たマンガン酸リチウム粒子粉末からなる正極活物質を用いて作製したコイン型電池は、初期放電容量が108mAh/g、10Cでの放電容量は100mAh/gで、レート効率は93%であった。60℃、1週間保存後の容量維持率(RTN)、容量回復率(RCV)はそれぞれ65%、90%であり、60℃で30サイクル後の容量維持率(RTN)は95%であった。
実施例2〜10
用いる酸化マンガンの種類、Y(Al,Co,Mg)の種類、アルミニウムの被覆量及び焼成条件を種々変化させた以外は、前記実施例1と同様にしてマンガン酸リチウム粒子粉末を得た。
このときの製造条件を表1に、得られたマンガン酸リチウム粒子粉末の諸特性を表2に示す。
実施例2のAl処理前の酸化マンガンのX線回折パターンを図1に、Al処理後の酸化マンガンのX線回折パターンを図2に示す。図2では、Al化合物に基づくピークも見られないことから、非常に微細で結晶性の低い状態であることが確認された。
実施例2で得られたマンガン酸リチウム粒子を樹脂に混練してクロスセクションポリッシャーで粒子を切断し、その断面のMn及びAlのEPMAマッピングの結果を図6に示す。AlがMn同様に粒子断面で一様に分布していることが分かる。
比較例1
酸化マンガン(MnO)(平均粒径15μm)、水酸化アルミニウム(Al(OH))及び炭酸リチウムを混合した後、960℃で焼成して、マンガン酸リチウム粒子粉末を得た。
比較例2〜5、8、9
用いる酸化マンガンの種類、アルミニウムの被覆量及び焼成条件を種々変化させた以外は、前記実施例1と同様にしてマンガン酸リチウム粒子粉末を得た。
このときの製造条件を表1に、得られたマンガン酸リチウム粒子粉末の諸特性を表2に示す。
比較例7
酸化マンガン(MnO)(平均粒径15μm)、水酸化アルミニウム(Al(OH))及び炭酸リチウムを混合した後、960℃で焼成して、マンガン酸リチウム粒子粉末を得た。
このときの製造条件を表1に、得られたマンガン酸リチウム粒子粉末の諸特性を表2に示す。
比較例6で得られたマンガン酸リチウム粒子粉末は、図7に示すとおり、Alは表面に局在しており、均一に存在するものではなかった。
比較例7で得られたマンガン酸リチウム粒子粉末について、実施例2及び比較例6と同様にして、粒子断面の組成を確認したところ、Alは表面に局在しており、均一に存在するものではなかった。
本発明に係るマンガン酸リチウム粒子粉末は、粒子内部にAl,Co又はMg等の異種金属が均一に存在し、しかも、結晶性が高いので、出力特性が高く、高温保存特性に優れた二次電池用の正極活物質として好適である。

Claims (5)

  1. 一次粒子径が1μm以上、挙動粒子の平均粒径(D50)が1μm以上、10μm以下であるマンガン酸リチウム粒子粉末であり、
    化学式Li1+xMn2−x−y
    (Y=Al、Mg、Coの少なくとも1種、0.03≦x≦0.15、0.05≦y≦0.20)を満たし、Y元素が粒子内部に均一に分散しており、且つ、I(400)/I(111)が33%以上であってI(440)/I(111)が16%以上であり、該マンガン酸リチウム粒子粉末は粒子表面をAl、Co、Mgのうち少なくとも1種の化合物で被覆した酸化マンガンと炭酸リチウムとを混合し、960℃以上で焼成して得られることを特徴とするマンガン酸リチウム粒子粉末。
  2. 格子定数が0.818〜0.821nmであることを特徴とする請求項1記載のマンガン酸リチウム粒子粉末。
  3. 粉体を1ton/cmで加圧したときのBETの変化率が元のBETに対して、0〜10%であることを特徴とする請求項1又は2記載のマンガン酸リチウム粒子粉末。
  4. 充放電容量を測定した場合に、初期の放電容量が80mAh/g以上、110mAh/g以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマンガン酸リチウム粒子粉末。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のマンガン酸リチウム粒子粉末を正極活物質またはその一部として用いた非水電解液二次電池。
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