本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
〔モジュールの構成〕
まず、本実施形態の固定機構に適用される太陽電池モジュール(以下、単にモジュールと称する)について説明する。図1は、モジュール1の平面図と、その平面図におけるA−A’線矢視断面図とを併せて示したものである。なお、上記の平面図では、便宜上、後述する保護層15およびラミネート層16の図示を省略している。
モジュール1は、基板11上に、透明電極12と、発電層13と、対向電極14とを順に形成してこれらを保護層15で覆い、さらに全体をラミネート層16で封止することによって構成されており、その厚さは例えば1〜2mmとなっている。太陽電池の製造方法の詳細については、例えば特開2010−109207号公報(アモルファスシリコン方式)、特開2009−146625号公報(色素増感方式)、特開2010−177497号公報(有機薄膜方式)にて公知であるため、その説明を省略する。
本実施形態では、透明電極12および対向電極14は、例えばITO(Indium Tin Oxide)の薄膜で形成されており、発電層13は、例えばアモルファスシリコンを用いて形成されている。また、基板11、保護層15およびラミネート層16は、例えばポリイミド樹脂、EVA樹脂(Ethylene-Vinyl Acetate )、ETFE樹脂(Ethylene tetrafluoroethylene)でそれぞれ形成されている。なお、各構成部材は、上記の材料に限定されるわけではない。また、保護層15およびラミネート層16については、これらのうちの少なくとも一方が設けられればよい。上記のように、樹脂からなる基板11上に各層を薄膜で形成し、全体を樹脂で覆うことにより、モジュール1は、全体としてフレキシブルに構成されている。
1組の透明電極12、発電層13および対向電極14によって、太陽電池セルが構成されている。そして、隣り合う太陽電池セルが直列に接続される、つまり、隣り合う一方の太陽電池セルの透明電極12と他方の太陽電池セルの対向電極14とが電気的に接続されることにより、サブユニットが形成されている。さらに、複数のサブユニットは相互に直列または並列に接続されている。
また、モジュール1には、電力取り出し用の電極19a・19bが2か所に形成されている。電極19a・19bは、正側または負側の電極にそれぞれ対応しており、例えば導電テープによって形成されている。モジュール内で直列接続された各太陽電池セルのうち、接続方向(直列接続された列方向)の一端に位置するセルの透明電極12上には、電極層17、配線層18および一方の電極19aがこの順で形成されている。また、上記接続方向の他端に位置するセルの透明電極12上には、電極層17が形成されており、他方の電極19bは、上記電極層17から引き出される配線層18上に形成されている。これらの電極層17および配線層18も、基板11上で上記の保護層15およびラミネート層16によって覆われている。
上記のように、複数の太陽電池セルをつなぎ合わせてモジュール化することにより、各太陽電池セルにて得られる出力(電力)を足し合わせて、モジュール全体として大きな出力を得ることができる。
なお、太陽電池としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、CIS(CuInS2)、CIGS(Cu(In,Ga)Se2)、CdTeなどを用いるものや、色素増感太陽電池、有機薄膜太陽電池などがあるが、アモルファスシリコンや化合物系(例えばCIS(CuInS2))などの薄膜系の太陽電池では、太陽電池セル製造時に、直列接続されたサブユニットまでをパターニング等によって同時に製造することができる。モジュール封止の手法としては、例えば接着樹脂を介して保護用の防湿フィルムを基板11の両面からラミネートする方法などがある。
なお、基板11は、上記したようなポリイミド等のプラスチック(プラスチックフィルム)で構成されてもよいし、薄膜金属(金属フィルム)で構成されてもよい。これらのフレキシブルな基板を用いた場合、例えば長尺状のフィルムにロール・ツー・ロール方式で太陽電池サブユニットを形成し、それを任意の場所でカットして相互に直列または並列接続して封止することによって、モジュール化することができる。
なお、上記したフレキシブルな基板のほかに、通常のガラス基板、巻取りが可能な薄型ガラス基板、セラミックス基板などを用いてモジュール1を構成してもよい。
〔固定機構の詳細〕
次に、上記構成のモジュール1の固定機構Mについて、実施例1〜9として説明する。
(実施例1)
図2は、実施例1の固定機構Mの断面図であり、図3は、上記固定機構Mの平面図である。固定機構Mは、プラグ部品2がモジュール1と固定され、ソケット部品3の開口部3a内にプラグ部品2を挿入することにより、モジュール1、プラグ部品2およびソケット部品3を一体的に固定するものである。
プラグ部品2は、2つの平板部21・22が断面楔形(V字形)となるように連結されて構成されている。このようにプラグ部品2が断面楔形で構成されていることにより、プラグ部品2は全体として弾性変形することが可能となる。ここで、弾性とは、物体に力を加えると変形するが、力を除くと元の形に戻るような物体の性質を言う。つまり、プラグ部品2に外力が加わったときには、プラグ部品2は一方の平板部(例えば平板部22)が他方の平板部(例えば平板部21)に近づくように(平板部21・22間の隙間が小さくなるように)弾性変形し、その外力が開放されたときには、元の形状に戻るようになる。プラグ部品2は、外力により変形可能に構成されればよく、その材料としては、各種金属、プラスチック、セラミックスなどを用いることができる。
上記したモジュール1は、プラグ部品2の一方の平板部21と固定されている。このときの固定方法は、特に限定されるものではないが、本実施例では、保護層15やラミネート層16(図1参照)による基板11のラミネート時に、プラグ部品2の平板部21を同時に挟み込むようにラミネートすることにより、モジュール1とプラグ部品2とを固定している。平板部21を基板11と同時にラミネートするために、本実施例では、平板部21は、平板部22よりも長い形状となっている。なお、ラミネート時には、平板部21は、基板11上に配置されてもよいし、基板11の外側に配置されてもよい。また、モジュール1とプラグ部品2との固定に際して、単に接着剤や両面テープだけで両者を固定してもよいし、上記のラミネートによる固定と、接着剤等による固定とを併用してもよい。
プラグ部品2の他方の平板部22には、突出部23が形成されている。突出部23は、ソケット部品3に対するプラグ部品2の挿抜方向とは異なる方向(例えば挿抜方向に対して垂直方向)であって、平板部21とは反対側に突出するように、平板部22に設けられている。
1つのモジュール1について、上記のプラグ部品2は4か所に設けられており、4つのプラグ部品2がモジュール1と固定されている。したがって、ソケット部品3も、4つのプラグ部品2に対応して4つ設けられている。ソケット部品3は、モジュール1が設置される設置面(例えば建物の屋根、壁、曲面)に固定される。なお、プラグ部品2およびソケット部品3は、1つのモジュール1の固定に際して、少なくとも1対設けられていればよい。
ソケット部品3は、プラグ部品2が嵌る凹部としての開口部3aを有しており、断面略横U字型の剛体で形成されている。そして、開口部3aの上面には、プラグ部品2の突出部23が入り込む嵌合部31が形成されている。また、開口部3aの上面であって、嵌合部31よりもプラグ部品2の挿入方向手前側(入口側)には、プラグ部品2が挿入されるにしたがって、突出部23との接触によってプラグ部品2を弾性変形させるテーパー面32が形成されている。
次に、モジュール1を、プラグ部品2を介してソケット部品3と接続、固定する際の手順について説明する。まず、モジュール1を設置したい場所に配置し、4か所あるプラグ部品2のそれぞれをソケット部品3に差し込む。このとき、図4(a)に示すように、ソケット部品3の開口部3aにプラグ部品2を差し込むと、ソケット部品3の上面のテーパー面32とプラグ部品2の突出部23とが接触する。
そして、プラグ部品2をそのまま差し込み続けると、図4(b)に示すように、プラグ部品2は、テーパー面32から力を受けて弾性変形し、平板部21・22の隙間が小さくなりなりながら先へ(ソケット部品3の開口部3aの奥へ)と進む。なお、このとき、プラグ部品2がテーパー面32から受ける力は、プラグ部品2に対して働く外力と言うことができる。
さらに、プラグ部品2を差し込み続け、突出部23がテーパー面32を通り過ぎると、図4(c)に示すように、突出部23とテーパー面32との接触が解除され、外力が開放されることによって、プラグ部品2の弾性変形が解除されると同時に、突出部23がソケット部品3の嵌合部31に入り込み、プラグ部品2は元の形に戻ることとなる。このようにして、プラグ部品2を有するモジュール1とソケット部品3とが固定される。
最後に、ソケット部品3を、例えば屋根などの設置面に固定することにより、モジュール1の設置が完了する。なお、設置面に架台を固定して、この架台にソケット部品3を設置しておき、そのソケット部品3にプラグ部品2を挿入して固定することにより、モジュール1を容易に架台に設置することもできる。
以上のように、プラグ部品2のソケット部品3への差し込み(固定)が完了したときには、突出部23が嵌合部31に入り込んでいる。突出部23の突出方向は、プラグ部品3のソケット部品3に対する挿抜方向とは異なる方向であるので、突出部23の嵌合部31への嵌合後、ソケット部品3から抜ける方向の外力がプラグ部品2に加わったときでも、突出部23と嵌合部31との噛み込みによって、プラグ部品2の上記方向の抜けを防止することができる。
しかも、プラグ部品2の弾性変形を利用して、突出部23が嵌合部31に入り込むので、ソケット部品3にプラグ部品2を差し込むだけの簡単な固定を実現しながら、上記したプラグ部品2の抜け防止の効果を得ることができる。
また、プラグ部品2とともにモジュール1が外れにくい確実な固定を、モジュール1の設置、固定が容易な構成で実現できることから、モジュール1の設置工事費を安く抑えることができ、モジュール1の設置に要するコストを大幅に削減することもできる。
また、ソケット部品3の開口部3aにはテーパー面32が形成されており、プラグ部品2が挿入されるにしたがって、テーパー面32と突出部23との接触によってプラグ部品2がテーパー面32から外力を受けて弾性変形するので、ソケット部品3にプラグ部品2を差し込む動作だけで、突出部23と嵌合部31との嵌合を確実に実現することができる。特に、一方の平板部21にモジュール1を固定し、他方の平板部22に突出部23を形成した、断面楔形のプラグ部品2を用いることで、プラグ部品2の弾性変形を確実に実現できる。
なお、以上では、ソケット部品3を剛体とし、プラグ部品2を弾性体として説明したが、少なくともどちらか一方の接続部品に弾性体が用いられていれば、両者の接続、固定は可能である。両者の接続、固定がより解除されにくい点では、どちらか一方の接続部品のみが変形可能な弾性体であるほうが好ましい。また、ソケット部品3またはプラグ部品2の全体が弾性を有している必要は必ずしもなく、接続部品の少なくとも一部が弾性変形すればよい。したがって、例えば突出部23のみが弾性を有するプラグ部品2を用いても、2つの接続部品を接続、固定することは勿論可能である。
なお、本実施例では、モジュール1をプラグ部品2と固定して、そのプラグ部品2を設置面側のソケット部品3に差し込む例について説明したが、モジュール1をソケット部品3と固定して、そのソケット部品3を設置面側のプラグ部品2に差し込むようにしてもよく、プラグ部品2およびソケット部品3のどちらをモジュール1と一体化してもよい。また、そのときの両者の固定方法も特に限定されるものではない。なお、モジュール1をソケット部品3と固定して、そのソケット部品3をプラグ部品2に差し込む例については、後述の実施例2で説明する。
ところで、図5(a)(b)は、固定機構Mの他の構成を示す断面図であって、図5(a)は、プラグ部品2の挿入前の状態を示し、図5(b)は、プラグ部品2の挿入後の状態を示している。固定機構Mのソケット部品3は、開口部3a内にプラグ部品2を挿入したときに、モジュール1の端部1aを覆う形状で形成されていてもよい。つまり、ソケット部品3の奥行きを深くし(プラグ部品2の挿入方向の壁の長さを長くし)、モジュール1の端部1aもソケット部品3の内部に嵌め込む構成としてもよい。
この構成では、ソケット部品3がモジュール1の端部1aを覆うことにより、プラグ部品2のみを覆う構成に比べて、覆う領域(面積)が広がるので、ソケット側と、プラグ側(モジュール1も含む)との接続強度を高めることができる。
なお、モジュール1の端部1aの表面に凹部を形成する一方、ソケット部品3の開口部3a内に突起部を形成しておき、開口部3a内にプラグ部品2を挿入したときに、上記突起部が上記凹部に入り込む構成としてもよい。この場合は、上記突起部と上記凹部との嵌合により、接続強度をより高めることができる。
また、図6は、固定機構Mのさらに他の構成を示す平面図である。同図に示すように、ソケット部品3およびプラグ部品2を、モジュール1の幅方向に伸ばした形状としてもよい。このようにすることで、ソケット部品3とプラグ部品2との接続を容易としつつ、ソケット部品3からプラグ部品2がより外れにくい構造とすることができる。
また、図7(a)(b)は、固定機構Mのさらに他の構成を示す断面図である。ソケット部品3は、嵌合解除部33を有していてもよい。嵌合解除部33は、嵌合部31に入り込んだ突出部23を、外力を受けて押圧することにより、プラグ部品2を弾性変形させて、突出部23の嵌合部31への嵌合を解除するものであり、外力を受けて突出部23を押圧する押圧部33aと、突出部23を押圧する方向とは反対方向に押圧部33aを付勢する付勢部材33bとを有して構成されている。
図7(a)に示すように、プラグ部品2がソケット部品3の開口部3aに挿入され、突出部23が嵌合部31に入り込んでいる状態において、図7(b)に示すように、外力によって押圧部33aを押し下げると、押圧部33aが突出部23を押圧することによってプラグ部品2は弾性変形し、突出部23の嵌合部31への嵌合が解除される。したがって、この状態では、プラグ部品2をソケット部品3から引き抜くことが可能となる。なお、外力を開放すると、押圧部33aは付勢部材33bの付勢力によって上方に押し戻され、図7(a)の状態に戻る。したがって、ソケット部品3に再びプラグ部品2が挿入されたときには、プラグ部品2の突出部23を嵌合部31に嵌合させることができる。
このように、嵌合解除部33により、突出部23を押圧してプラグ部品2を弾性変形させ、突出部23の嵌合部31への嵌合を解除することにより、必要時には、プラグ部品2をソケット部品3から抜き出して、両者の接続(固定)を解除することができ、ソケット部品3に対するプラグ部品2の着脱を自在にすることができる。
また、図8は、本実施例の固定機構Mのさらに他の構成を示すとともに、モジュール1で発生した電力を外部に取り出す構成の一例を示している。この例では、プラグ部品2は、導電性材料(例えば金属)で形成されており、モジュール1の電極19と電気的に接続されている。なお、プラグ部品2は、楔形であることによって弾性を有している点に変わりはない。一方、ソケット部品3は、非導電性材料(例えば樹脂)で構成されている。ソケット部品3の嵌合部31におけるプラグ部品2の突出部23との接点からは、ソケット部品3の外部に向かって外部配線34が引き出されている。
この構成では、モジュール1と固定されるプラグ部品2をソケット部品3に挿入したときに、突出部23が嵌合部31に入り込んで互いに接すると、モジュール1の電極19と外部配線34とが電気的に接続され、プラグ部品2の挿入と同時に、モジュール1にて発生した電力を、突出部23と嵌合部31との接点および外部配線34を介して外部に取り出すことができる。したがって、プラグ部品2のソケット部品3への挿入とは別に、モジュール1にて発生した電力を外部に取り出すための配線作業を不要とすることができる。
なお、モジュール1の電力を外部に取り出すにあたって、プラグ部品2およびソケット部品3の少なくとも一方が、導電性材料を含んでいればよい。したがって、各接続部品の全体が導電性材料で形成されていてもよいし、各接続部品の一部が導電性材料で形成されていてもよい。つまり、ソケット部品3、プラグ部品2の全ての部分が導電性を有していてもよいし、その一部のみが導電性を有していてもよい。なお、各接続部品における導電性部分の配置の仕方は特に限定されるものではない。また、導電性部品を組み込んで各接続部品を構成してもよいし、表面に導電性インクで電極を形成して各接続部品を構成してもよい。さらには、各接続部品間に導電性薄膜を形成してもよいし、薄膜状に形成した電極を各接続部品で挟むようにしてもよい。
(実施例2)
図9(a)(b)は、実施例2の固定機構Mの断面図であり、(a)は、プラグ部品2およびソケット部品3の接続前の状態を示し、(b)は、プラグ部品2およびソケット部品3の接続後の状態を示している。本実施例の固定機構Mは、ソケット部品3がモジュール1と固定され、設置面側に固定されたプラグ部品2を、相対的にソケット部品3の開口部3a内に挿入することにより、モジュール1、プラグ部品2およびソケット部品3を一体的に固定するものである。ソケット部品3は、接着剤によってモジュール1と固定されている。なお、プラグ部品2およびソケット部品3の構成については、実施例1と同様である。
次に、モジュール1を、ソケット部品3を介してプラグ部品2と接続、固定する際の手順について説明する。まず、モジュール1を設置したい場所に配置する(図9(a)参照)。そして、少なくとも1か所のソケット部品3にプラグ部品2を差し込むと、ソケット部品3のテーパー面32とプラグ部品2の突出部23とが接触する。
プラグ部品2をそのまま差し込み続けると、プラグ部品2は、テーパー面32から力を受けて弾性変形し、平板部21・22の隙間が小さくなりなりながら先へ(ソケット部品3の開口部3aの奥へ)と進む。さらに、プラグ部品2を差し込み続け、突出部23がテーパー面32を通り過ぎると、突出部23とテーパー面32との接触が解除されることによって、プラグ部品2の弾性変形が解除されると同時に、突出部23がソケット部品3の嵌合部31に入り込み、プラグ部品2は元の形に戻ることとなる。このようにして、ソケット部品3を有するモジュール1とプラグ部品2とが固定される(図9(b)参照)。
最後に、プラグ部品2を、例えば屋根などの設置面に固定することにより、モジュール1の設置が完了する。なお、設置面に架台を固定して、この架台にプラグ部品2を設置しておき、そのプラグ部品2にソケット部品3を相対的に差し込んで固定することにより、モジュール1を容易に架台に設置することもできる。
以上のように、ソケット部品3をモジュール1に固定して、そのソケット部品3にプラグ部品2を差し込む構成であっても、プラグ部品2のソケット部品3への差し込み(固定)が完了したときには、突出部23が嵌合部31に入り込む。これにより、実施例1と同様に、ソケット部品3にプラグ部品2を差し込むだけの簡単な固定を実現しながら、プラグ部品2の抜け防止の効果を得ることができる。
ところで、以上では、ソケット部品3をモジュール1に接着剤によって固定する例について説明したが、図10に示すように、モジュール1の基板11のラミネート時に、ソケット部品3も基板11と同時にラミネートすることにより、ソケット部品3をモジュール1に固定してもよい。このとき、さらに接着剤を併用してソケット部品3をモジュール1に固定してもよい。
また、図11〜図13に示すように、ソケット部品3のプラグ部品2の挿入側とは反対側の端面に突出部35を設けておき、この突出部35を基板11と同時にラミネートすることによって、ソケット部品3とモジュール1とを固定してもよい。このとき、突出部35とモジュール1との接触面の面積が増大するように、突出部35の形状を工夫することにより、外力に対する抵抗力が増大するので、ソケット部品3とモジュール1とを外れにくくすることができる。
図14は、プラグ部品2の他の構成を示している。同図に示すように、プラグ部品2は、外力受け部24を有していてもよい。外力受け部24は、突出部23が嵌合部31に入り込んだ状態でソケット部品3から外部にはみ出るように、平板部22の端部(平板部21との連結側とは反対側の端部)を延長することによって形成されており、プラグ部品2を弾性変形させて、突出部23の嵌合部31への嵌合を解除するための外力を受ける。
この構成では、プラグ部品2をソケット部品3に差し込んで接続、固定した後、外力受け部24に外力を印加してプラグ部品2を弾性変形させることにより、突出部23の嵌合部31への嵌合が解除される。したがって、必要時には、プラグ部品2をソケット部品3から抜き出して、両者の接続(固定)を解除することができ、ソケット部品3に対するプラグ部品2の着脱を自在にすることができる。
なお、プラグ部品2に外力受け部24を設ける構成は、実施例1のプラグ部品2にも勿論適用することができる。
また、図15は、本実施例の固定機構Mのさらに他の構成を示すとともに、モジュール1で発生した電力を外部に取り出す構成の一例を示している。この例では、プラグ部品2およびソケット部品3は両方とも、その全体が導電性材料で形成されている。なお、プラグ部品2は、楔形であることによって弾性を有している点に変わりはない。プラグ部品2がソケット部品3に差し込まれたときに、突出部23と嵌合部31とが接するが、それらの接点以外でもソケット部品3とが接触して電気的に接続される。また、プラグ部品2の平板部21からは、プラグ部品2の外部に向かって外部配線25が引き出されている。
この構成では、モジュール1と固定されるソケット部品3にプラグ部品2を挿入すると、ともに導電体からなるプラグ部品2とソケット部品3との接点を介して、モジュール1の電極19と外部配線25とが電気的に接続され、プラグ部品2の挿入と同時に、モジュール1にて発生した電力を、上記接点および外部配線25を介して外部に取り出すことができる。
(実施例3)
図16(a)は、実施例3の固定機構Mの断面図であって、プラグ部品2をソケット部品3に差し込む前の状態を示す断面図であり、図16(b)は、外力を加えた状態でのプラグ部品2の断面図であり、図16(c)は、プラグ部品2をソケット部品3に差し込んだ後の固定機構Mの断面図である。本実施例では、ソケット部品3がモジュール(図示せず)と固定されているものとする。なお、このときの固定は、例えば熱硬化性接着剤や両面テープなどを用いた接着によって行われてもよいし、モジュールの基板のラミネート時にソケット部品3も同時にラミネートすることによって行われてもよい。
プラグ部品2は、折曲部材26と、突起部27と、筐体28とを有して構成されている。折曲部材26は、略U字形に折り曲げられて、その両端部側(両端部によって形成される開口側)からソケット部品3に挿入される。折曲部材26の両端部には、突出部23がそれぞれ設けられている。突出部23は、折曲部材26の両端部において、該両端部が対向する側とは反対側に向かって(外方向に)突出して設けられている。したがって、突出部23の突出方向は、ソケット部品3に対するプラグ部品2の挿抜方向とは異なる方向(例えば垂直方向)となる。また、この結果、突出部23を含めた折曲部材26の先端形状は、略L字形となる。なお、突出部23と折曲部材26とは一体化されていてもよいし、互いに別部材で構成されていてもよい。
突起部27は、折曲部材26に固定されているとともに、突出部23の突出方向に沿って折曲部材26を挟み込む位置に2か所設けられている。したがって、外力によって2つの突起部27を挟むことにより、折曲部材26を両端部が近づくように弾性変形させることが可能となる。
筐体28は、折曲部材26とともに突起部27を保持するものであり、折曲部材26の両端部、突出部23および突起部27が露出するように、折曲部材26を外側から包み込んで保持している。
ソケット部品3は、プラグ部品2が挿入される開口部3aを有しているとともに、その開口部3aに、上記したプラグ部品2の突出部23が入り込む嵌合部31が、突出部23の数に対応して2か所に設けられている。開口部3aは、プラグ部品2の挿入時に突起部27までが挿入される形状で形成されている。
次に、モジュールを、ソケット部品3を介してプラグ部品2と接続、固定する際の手順について説明する。まず、モジュールを設置したい場所に配置する(図16(a)参照)。そして、外力により、プラグ部品2の2つの突起部27を近づける方向に押圧する。これにより、折曲部材26は、両端部が互いに近づくように(両端部の間隔が狭くなるように)弾性変形する(図16(b)参照)。
この状態で、プラグ部品2をソケット部品3の開口部3aに差し込む。そして、プラグ部品2がソケット部品3の奥まで入り込み、外力を除去すると、折曲部材26の弾性変形が解除されて、突出部23が嵌合部31に入り込み、プラグ部品2は元の形に戻ることとなる。このようにして、ソケット部品3を有するモジュールとプラグ部品2とが固定される(図16(c)参照)。最後に、プラグ部品2を、例えば屋根などの設置面に固定することにより、モジュールの設置が完了する。
以上のように、プラグ部品2は、折曲部材26の両端部の対向方向に加わる外力によって折曲部材26が弾性変形した状態で、ソケット部品3に挿入されるので、挿入後は、外力を開放して弾性変形を解除することにより、突出部23が嵌合部31に入り込む構成を実現できる。そして、このような構成であっても、突出部23の嵌合部31への嵌合によって、プラグ部品2のソケット部品3からの抜けを防止することができる。
また、折曲部材26に両端部の対向方向の外力を加えたときには、折曲部材26の弾性変形によって両端部は互いに近づく方向に変位するので、本実施例のように、折曲部材26の両端部に互いに反対向きに突出する突出部23を設ける構成であっても、外力印加時には、各突出部23とソケット部品3との干渉を回避しながら、プラグ部品2をソケット部品3に挿入することができる。また、突出部23が上記方向に突出して設けられているので、プラグ部品2の挿入後、折曲部材26の弾性変形を解除したときに、突出部23はその突出方向に変位して嵌合部31に入り込む。これにより、プラグ部品2のソケット部品3からの抜けを確実に防止することができる。
ところで、図17は、本実施例の固定機構Mの他の構成を示している。同図に示すように、突起部27は、突出部23が嵌合部31に入り込んだ状態で、ソケット部品3の外部に位置するように、折曲部材26に固定されていてもよい。この構成では、プラグ部品2をソケット部品3に挿入した後も、外力によって突起部27を押圧して折曲部材26を弾性変形させることが可能となり、これによって、突出部23の嵌合部31への嵌合を解除することができる。したがって、必要時には、プラグ部品2をソケット部品3から引き抜くことができ、ソケット部品3に対するプラグ部品2の着脱を自在にして、モジュールの設置、収納を繰り返し行うことができる。
なお、本実施例のプラグ部品2において、筐体28は必ずしも必要ではなく、筐体28を省略することも可能である。そして、筐体28を省略した場合は、折曲部材26に直接外力を付加して弾性変形させることが可能となるので、外力を受けるための突起部27をわざわざ折曲部材26に設けることも不要となる。なお、突起部27および筐体28を省略してプラグ部品2を構成する例については、後述の実施例4で説明する。
したがって、ソケット部品3に対するプラグ部品2の着脱を自在にするためには、プラグ部品2は、折曲部材26を両端部が近づくように弾性変形させて、突出部23の嵌合部31への嵌合を解除するための外力を受ける外力受け部を有することが望ましいが、突起部27を設ける場合は、その突起部27を外力受け部として機能させる一方、突起部27を設けない場合は、折曲部材26におけるソケット部品3の外部に位置する部位を外力受け部として機能させればよいと言える。
また、図18は、本実施例の固定機構Mのさらに他の構成を示すとともに、モジュール1で発生した電力を外部に取り出す構成の一例を示している。この例では、プラグ部品2およびソケット部品3は両方とも、その全体が導電性材料で形成されている。また、ソケット部品3の嵌合部31には、モジュール側の電極と直接またはソケット部品3を介して導通する電極36が設けられており、プラグ部品2の突出部23と接触することが可能となっている。また、プラグ部品2の折曲部材26からは、プラグ部品2の外部に向かって外部配線25が引き出されている。
この構成では、モジュール1と固定されるソケット部品3にプラグ部品2を挿入すると、プラグ部品2とソケット部品3との接点(電極36)を介して、モジュールの電極と外部配線25とが電気的に接続され、プラグ部品2の挿入と同時に、モジュールにて発生した電力を、上記接点および外部配線25を介して外部に取り出すことができる。
(実施例4)
図19(a)は、実施例4の固定機構Mの斜視図であって、プラグ部品2をソケット部品3に差し込む前の状態を示す斜視図であり、図19(b)は、外力を加えた状態でのプラグ部品2の斜視図であり、図19(c)は、プラグ部品2をソケット部品3に差し込んだ後の固定機構Mの斜視図である。
本実施例は、実施例3の変形例である。より詳しくは、本実施例のプラグ部品2は、実施例3のプラグ部品2の突起部27および筐体28を省いた構成であり、略U字形の折曲部材26の両端部に突出部23を設けて構成されている。
また、本実施例のソケット部品3は、実施例3のソケット部品3の開口部3aの奥行き(プラグ部品2の挿抜方向における開口部3aの長さ)を限りなく小さくしたものである。そして、ソケット部品3の嵌合部31は、プラグ部品2の各突出部23が入り込む各筒状部31aで構成されている。各筒状部31aは、中心軸方向(断面円形の中心が並ぶ方向)に並んで配置されているとともに、ソケット部品3の開口部3aを挟んで配置されている。なお、各筒状部31aは、開口部3aが間に位置しているのであれば、互いに一体化されていてもよいし(一部が連結されていてもよいし)、完全に別体として構成されて離間していてもよい。
本実施例では、ソケット部品3がモジュール1と固定されている。このときの固定は、例えば熱硬化性接着剤や両面テープなどを用いた接着によって行われてもよい。また、モジュール1の電極と導電性を有するソケット部品3とが導電性接着剤で接合されていてもよい。また、モジュール1が例えばフレキシブルタイプの場合、モジュール1をソケット部品3の各筒状部31aの周方向に沿って丸めて、保存、運搬することも可能である。
次に、モジュール1を、ソケット部品3を介してプラグ部品2と接続、固定する際の手順について説明する。まず、モジュールを設置したい場所に配置し、モジュール1に一体化されたソケット部品3とプラグ部2の相対的な位置を合わせる(図19(a)参照)。そして、外力により、プラグ部品2の折曲部材26を両端部が近づくように押圧し、折曲部材26を弾性変形させる(図19(b)参照)。
この状態で、プラグ部品2をソケット部品3の開口部3aに差し込む。そして、外力を除去すると、折曲部材26の弾性変形が解除されて、各突出部23が各筒状部31aに入り込み、プラグ部品2は元の形に戻ることとなる。このようにして、ソケット部品3を有するモジュール1とプラグ部品2とが固定される(図19(c)参照)。最後に、プラグ部品2を、例えば屋根などの設置面に固定することにより、モジュール1の設置が完了する。
以上のように、プラグ部品2は、外力によって折曲部材26が弾性変形した状態でソケット部品3の開口部3aに挿入されるので、挿入後は、外力を開放して弾性変形を解除することにより、各突出部23が各筒状部31aに入り込む。これにより、プラグ部品2のソケット部品3からの抜けを防止することができる。
なお、ソケット部品3に突起部を設ける一方、プラグ部品2に溝部を設け、突出部23が筒状部31aに入り込んだときに、同時に上記の突起部が上記の溝部に嵌り込むようにしてもよい。この場合は、プラグ部品2とソケット部品3とをさらに強固に接続することができる。
なお、以上では、プラグ部品2とソケット部品3とを1対設けた例について説明したが、図20に示すように、2対設けるようにしてもよい。つまり、モジュール1の両端部に、プラグ部品2とソケット部品3とを1対ずつ設けるようにしてもよい。また、図21に示すように、モジュール1の1端面に、プラグ部品2とソケット部品3とを複数対設けるようにしてもよい。要は、用いるモジュール1に応じて、接続数(プラグ部品2とソケット部品3との対の数)を最適化すればよい。例えば、フレキシブルなモジュール1の場合、その剛性が低いため、ガラスで形成されたモジュールを固定する場合に比べて、接続数を増やすことにより、両者の固定を安定させることができる。
また、図22は、本実施例の固定機構Mのさらに他の構成を示すとともに、モジュール1で発生した電力を外部に取り出す構成の一例を示している。この例では、プラグ部品2およびソケット部品3は両方とも、その全体が導電性材料で形成されている。また、ソケット部品3の各筒状部31aは、モジュール1側の電極19と導通しており、プラグ部品2の突出部23と接触することも可能となっている。また、プラグ部品2の折曲部材26からは、プラグ部品2の外部に向かって外部配線25が引き出されている。
この構成では、モジュール1と固定されるソケット部品3にプラグ部品2を挿入すると、プラグ部品2とソケット部品3との接点(突出部23と筒状部31aとの接点)を介して、モジュール1の電極19と外部配線25とが電気的に接続され、プラグ部品2の挿入と同時に、モジュール1にて発生した電力を、上記接点および外部配線25を介して外部に取り出すことができる。
また、図23(a)は、本実施例の固定機構Mのさらに他の構成を示す斜視図であり、図23(b)は、上記固定機構Mのソケット部品3の斜視図であり、図23(c)は、上記ソケット部品3と固定されるモジュール1の斜視図である。このようにソケット部品3の嵌合部31を構成する筒状部31aの外周面の一部に開口部3aを形成し、フレキシブルなモジュール1をソケット部品3の外周面に巻きつけて、モジュール1の端部1aをモジュール1自身に接着してもよい。
このとき、モジュール1をソケット部品3に巻きつけた後に、ソケット部品3の開口部3aとモジュール1で対応する位置に開口部1bを形成してもよいし、モジュール1をソケット部品3に巻きつけた後に、開口部3aと開口部1bとを同時に穴あけ等によって形成してもよい。あるいは、最初からモジュール1に開口部1bを形成しておき、開口部3a・1bの位置が合うように、モジュール1をソケット部品3に巻きつけて固定してもよい。
また、図24は、本実施例の固定機構Mのさらに他の構成を示す斜視図である。図23(a)のように、モジュール1の端部1aをモジュール1自身に接着する代わりに、図24に示すように、モジュール1をソケット部品3の外周面に接着剤31bを介して巻きつけてもよい。
また、図25(a)は、本実施例の固定機構Mのさらに他の構成を示す斜視図であり、図25(b)は、上記固定機構Mのソケット部品3の斜視図である。このように、ソケット部品3の筒状部31aの外周面から一方向に延びる平面部31cを形成し、その平面部31cをモジュール1の基板のラミネート時に併せて挟み込むことで、モジュール1との接続を容易にしてもよい。さらに、上記の平面部31cを接着剤などでモジュール1に固定してもよい。
(実施例5)
図26は、実施例5の固定機構Mのソケット部品3の斜視図である。また、図27(a)(b)は、上記ソケット部品3に挿入されるプラグ部品2の断面図および挿入方向とは反対側からの背面図であって、図27(a)は、プラグ部品2(折曲部材26)の外力による弾性変形前の状態を示し、図27(b)は、弾性変形後の状態を示している。なお、便宜上、プラグ部品2のソケット部品3への挿入方向をX方向とし、X方向に互いに垂直な2方向をそれぞれY方向およびZ方向とする。
本実施例は、実施例3のさらに変形例であり、プラグ部品2をソケット部品3に挿入し、挿入方向(X方向)を回転軸としてプラグ部品2を所定角度(例えば10度)回転させた後、折曲部材26の弾性変形が解除されることによって突出部23が嵌合部31に入り込む構成となっている。以下、詳細に説明する。
図28〜図30は、ソケット部品3およびプラグ部品2のXY断面での断面図、YZ断面での断面図、X方向からの正面図をそれぞれ示している。プラグ部品2をソケット部品3に挿入するときには、まず、突起部27に外力を加えて、プラグ部品2の折曲部材26を両端部が近づくように押圧し、折曲部材26を弾性変形させ(図27(b)参照)、この状態でプラグ部品2をソケット部品3の開口部3aに差し込む。このとき、ソケット部品3の開口部3aの入口の形状は、図30に示すように、プラグ部品2を斜めにしないと入らない形状になっているため、X方向を回転軸としてプラグ部品2を水平位置から所定角度(例えば+10度)回転させた状態で開口部3aに差し込むことが必要である(図28〜図30の「挿入後、回転前」の状態)。
そして、プラグ部品2を開口部3aの奥まで差し込むと、X方向を回転軸としてプラグ部品2を所定角度(例えば−10度)回転させて水平位置に戻し、この状態で外力を開放する。これにより、折曲部材26の弾性変形が解除されると同時に、突出部23が嵌合部31に入り込み、プラグ部品2は元の形に戻ることとなる(図28〜図30の「回転、外力解除後(固定時)」の状態)。このようにして、ソケット部品3を有するモジュール1とプラグ部品2とが固定される。
このように、プラグ部品2をソケット部品3に挿入し、プラグ部品2を回転させた後に折曲部材26の弾性変形を解除して、突出部23を嵌合部31に嵌合させる構成であっても、突出部23と嵌合部31との噛み込みにより、プラグ部品2のソケット部品3からの抜けを防止することができる。また、プラグ部品2の差し込み動作だけでなく、回転動作が必要になるので、利用者はその回転動作によって抜け止め操作を行ったことを自ら認識することができる。
なお、本実施例では、回転によって、プラグ部品2の突出部23がソケット部品3の嵌合部31に入り込む位置にきてから、折曲部材26に対する外力を解除して弾性変形を解除し、突出部23を嵌合部31に嵌合させているが、外力の解除は、プラグ部品2の先端(突出部23)がソケット部品3の開口部3aの入口を通過した後であれば、いつ行ってもよい。外力を早めに解除した場合、プラグ部品2の回転によって突出部23が嵌合部31に入り込む位置にくると同時に、直ちに弾性変形が解除されて、突出部23が嵌合部31に入り込むことになる。なお、突出部23の先端部および嵌合部31の周囲に丸みを持たせておけば、回転によって突出部23が所定位置にきたときに、嵌合部31に入り込みやすくすることができる。
なお、プラグ部品2を取り外すときは、突起部27を外力によって押圧して折曲部材26を弾性変形させて、突出部23の嵌合部31との嵌合を解除し、プラグ部品2を回転させた後、そのまま引き抜けばよい。また、プラグ部品2の挿入時に外力を段階的に変化させなければ挿入できなくなるような段差部を、ソケット部品3の開口部3aの入口に設けるようにしてもよく、この場合は、プラグ部品2の取り外しのときも、開口部3aの入口付近で外力を段階的に変化させることが必要がある。また、開口部3aの入口付近に段差部ではなく、テーパー部を形成することにより、入口付近で外力を意図的に加えることなく、プラグ部品2を変形させて取り出すことも可能となる。
なお、本実施例において、モジュールを接続部品(例えばプラグ部品2)と固定する場合、モジュールがプラグ部品2に対して相対的に回転可能となる回転機構をプラグ部品2に設けるようにしてもよい。このような回転機構を設けた場合は、ソケット部品3へのプラグ部品2の差し込み時、プラグ部品2を所定角度回転させる際に、モジュールは回転させずに(モジュールを設置面に平行に位置させたまま)、プラグ部品2のみを回転させることが可能となる。したがって、プラグ部品2の回転角を10度以上に設定しても、モジュールを設置面と干渉させずにプラグ部品2をソケット部品3に固定することができる。特にリジッドタイプのモジュールは、回転時にフレキシブルタイプほど「ねじれ」が生じず、回転させると設置面と接触しやすくなるので、上記のように回転機構を接続部品に構成は、特にリジッドタイプのモジュールを固定する場合に有効である。
(実施例6)
図31は、実施例6の固定機構Mのプラグ部品2およびソケット部品3の差し込み状態での平面図であり、図32は、上記固定機構Mの全体の平面図である。本実施例では、ソケット部品3の開口部3aに突出部37が設けられており、プラグ部品2に、突出部37が入り込む嵌合部29が設けられている。
突出部37は、ソケット部品3に対するプラグ部品2の挿抜方向とは異なる方向(本実施例ではモジュール1の幅方向)に突出するように、開口部3aに設けられており、突出部37のプラグ部品2の先端と当接する面は、プラグ部品2を弾性変形させるためのテーパー面37aとなっている。また、突出部37は、プラグ部品2をモジュール1の幅方向に沿って挟むことができるように、開口部3aにおいて互いに対向する2か所に設けられている。また、本実施例では、プラグ部品2は弾性部材(例えばゴム)からなり、ソケット部品3はプラグ部品2よりも硬い剛性部品(例えば金属)で構成されている。
モジュール1は、プラグ部品2と接続、固定されている。プラグ部品2は、モジュール1の短辺(幅方向に沿った辺)に2か所ずつ、計4か所に設けられている。そして、このようなプラグ部品2に対応してソケット部品3も4か所に設けられている。モジュール1とプラグ部品2とは、例えば熱硬化性接着剤や、両面テープで接着されているが、モジュール1の電極と導電性を有するプラグ部品2とを、導電性接着剤によって接合してもよく、また、モジュール1の基板のラミネート時にプラグ部品2も同時にラミネートすることによって両者を固定してもよい。
次に、モジュール1を、プラグ部品2を介してソケット部品3と接続、固定する際の手順について説明する。まず、モジュール1を設置したい場所に配置し、モジュール1に一体化されたプラグ部品2とソケット部品3との相対的な位置を合わせる。そして、プラグ部品2をソケット部品3の開口部3aに差し込む。このとき、プラグ部品2の先端は、開口部3a内の突出部37と当接するが、突出部37にはテーパー面37aが形成されており、また、プラグ部品2は弾性を有しているため、プラグ部品2の先端と突出部37とが当接した後は、プラグ部品2は差し込みに伴って先端部が弾性変形しながら開口部3aの奥へと進む。
そして、突出部37と嵌合部29との嵌合位置に到達すると、テーパー面37aによるプラグ部品2の弾性変形が解除され、突出部37が嵌合部29に入り込み、プラグ部品2は元の形に戻る。このようにして、プラグ部品2を有するモジュール1とソケット部品3とが固定される。最後に、ソケット部品3を、例えば屋根などの設置面に固定することにより、モジュール1の設置が完了する。
以上のように、突出部37がソケット部品3側に設けられ、嵌合部29がプラグ部品2側に設けられた構成であっても、突出部37が嵌合部29に嵌合する際の嵌合方向とプラグ部品2の挿抜方向とが異なるため、プラグ部品2にソケット部品3から抜ける方向の外力が加わったときでも、プラグ部品2の抜けを防止することができる。
なお、図32の紙面に垂直な方向、すなわち、モジュール1の幅方向およびプラグ部品2の挿抜方向の両者に垂直な方向に突出する突起部をソケット部品3にさらに設ける一方、上記の突起部が入り込む溝部をプラグ部品2にさらに設けるようにしてもよい。この場合は、プラグ部品2をソケット部品3に対してより強固に接続、固定することができ、プラグ部品2の抜けを確実に防止することができる。
なお、本実施例では、突出部37において、プラグ部品2をソケット部品3から引き抜く際に、突出部37と嵌合部29との嵌合が解除されるようにプラグ部品2の先端を弾性変形させるテーパー面37b(図31参照)が形成されている。これにより、突出部37と嵌合部29との嵌合を解除するための機械的な機構を設けることなく、必要時には、上記の嵌合を解除して、プラグ部品2をソケット部品3から引き抜くことができる。なお、上記の嵌合を解除するための機械的な機構を設けた例については、後述する実施例7および8で説明する。
ところで、図33は、本実施例の固定機構Mの他の構成を示す平面図である。同図に示すように、プラグ部品2およびソケット部品3の剛性を高めるとともに、プラグ部品2を、モジュール1の幅方向に伸ばした形状とし、モジュール1の両側(短辺側)にプラグ部品2を1つずつ接続した構成としてもよい。この場合、図32の構成に比べて、プラグ部品2とソケット部品3との接続箇所が(半分に)減るので、プラグ部品2とソケット部品3との接続容易性を高めることができる。
また、図34は、本実施例の固定機構Mのさらに他の構成を示すとともに、モジュール1で発生した電力を外部に取り出す構成の一例を示している。この例では、プラグ部品2およびソケット部品3は両方とも、その全体が導電性材料で形成されている。そして、モジュール1の一端側のプラグ部品2は、モジュール1の正極側の電極と電気的に接続されており、このプラグ部品2が挿入されるソケット部品3には、外部配線34aが接続されている。一方、モジュール1の他端側のプラグ部品2は、モジュール1の負極側の電極と電気的に接続されており、このプラグ部品2が挿入されるソケット部品3には、外部配線34bが接続されている。
この構成では、モジュール1と固定されるプラグ部品2(2か所)をソケット部品3(2か所)に挿入すると、一方のプラグ部品2とソケット部品3との接点(突出部37と嵌合部29との接点)を介して、モジュール1の正極側の電極と外部配線34aとが電気的に接続されるとともに、他方のプラグ部品2とソケット部品3との接点(突出部37と嵌合部29との接点)を介して、モジュール1の負極側の電極と外部配線34bとが電気的に接続される。これにより、モジュール1で発生した電力を、上記の各接点および外部配線34a・34bを介して外部に取り出すことができる。
(実施例7)
図35(a)(b)(c)は、実施例7の固定機構Mの断面図であって、それぞれ、ソケット部品3へのプラグ部品2の差し込み前の状態、差し込み中の状態、差し込み後の状態を示している。本実施例は、実施例6の変形例である。より具体的には、ソケット部品3に設けられる突出部37が弾性を有しており、しかも、その突出方向とプラグ部品2のソケット部品3への挿入方向とのなす角が鋭角となるような方向に開口部3a内で突出している。一方、プラグ部品2は、上記の突出部37が入り込む嵌合部29を有する剛性部品で形成されている。なお、本実施例では、モジュール(図示せず)は、プラグ部品2に接続、固定されているものとする。
このような構成において、図35(a)に示す状態から、プラグ部品2をソケット部品3の開口部3aに差し込むと、まず、プラグ部品2の先端が突出部37に当接する。そして、プラグ部品2を差し込み続けると、突出部37は弾性を有しているため、突出部37は、プラグ部品2の挿入に伴ってソケット部品3の内壁(開口部3aを形成する壁)に近づく方向に回動するように徐々に弾性変形し、図35(b)に示すように、プラグ部品2をさらに奥に差し込むことが可能となる。
そして、プラグ部品2をさらに差し込んで、プラグ部品2が突出部37と嵌合部29との嵌合位置に到達すると、図35(c)に示すように、突出部37の弾性変形が解除されると同時に、突出部37が嵌合部29に入り込み、プラグ部品2は元の形に戻る。このようにして、プラグ部品2を有するモジュールとソケット部品3とが固定される。
また、図36は、本実施例の固定機構Mの他の構成を示すとともに、モジュール1で発生した電力を外部に取り出す構成の一例を示している。この例では、プラグ部品2およびソケット部品3は両方とも、その全体が導電性材料で形成されている。そして、ソケット部品3には外部配線34が接続されている。プラグ部品2は、モジュールの電極と電気的に接続されている。
この構成では、プラグ部品2をソケット部品3に挿入すると、プラグ部品2とソケット部品3との接点(突出部37と嵌合部29との接点)を介して、モジュールの電極と外部配線34とが電気的に接続される。これにより、モジュールで発生した電力を、上記の接点および外部配線34を介して外部に取り出すことができる。
以上の構成では、プラグ部品2の挿入方向に対して鋭角となるように、突出部37が開口部3a内で突出しているため、プラグ部品2をソケット部品3に一旦差し込んだ後は、たとえ意図的にプラグ部品2をソケット部品3から抜き出したい場合でも、プラグ部品2を抜き出すことは困難である。そこで、次に、突出部37と嵌合部29との嵌合を解除させるための機械的な機構を設けて、必要時にはプラグ部品2をソケット部品3から引き抜くことができる構成について説明する。
図37(a)(b)は、本実施例の固定機構Mのさらに他の構成を示しており、図35の構成において、ソケット部品3側に嵌合解除部材41を設けたものである。嵌合解除部材41は、外力によって突出部37を弾性変形させることにより、突出部37の嵌合部29に対する嵌合を解除するものである。この嵌合解除部材41は、ソケット部品3の内壁を貫通して突出部37と固定して設けられる突起部材41aで構成されている。
この構成では、図37(a)に示すように、ソケット部品3にプラグ部品2を挿入した後、図37(b)に示すように、突起部材41aに引っ張る方向の外力を加えて、突出部37をソケット部品3の内壁に近づく方向に弾性変形させることにより、突出部37の嵌合部29に対する嵌合が解除される。したがって、必要時には、プラグ部品2をソケット部品3から抜き出して、両者の接続、固定を解除することができる。
特に、突出部37が設けられているソケット部品側に、嵌合解除部材41としての突起部材41aを設け、外力によって突起部材41aを移動させることにより、突起部材41aをと固定された突出部37を確実に弾性変形させることができる。その結果、突出部37の嵌合部29に対する嵌合を確実に解除することができる。
また、図38(a)(b)は、本実施例の固定機構Mのさらに他の構成示しており、図35の構成において、プラグ部品2側に嵌合解除部材51を設けたものである。嵌合解除部材51は、外力によって突出部37を弾性変形させることにより、突出部37の嵌合部29に対する嵌合を解除するものである。この嵌合解除部材51は、突出部37と当接しながらスライドすることによって、突出部37を弾性変形させて、突出部37の嵌合部29に対する嵌合を解除するスライド部材51aで構成されている。
この構成では、図38(a)に示すように、ソケット部品3にプラグ部品2を挿入した後、図38(b)に示すように、外力によってスライド部材51aをスライドさせて、突出部37をソケット部品3の内壁に近づく方向に弾性変形させることにより、突出部37の嵌合部29に対する嵌合が解除される。したがって、必要時には、プラグ部品2をソケット部品3から抜き出して、両者の接続、固定を解除することができる。
また、プラグ部品2側に、嵌合解除部材51としてのスライド部材51aを設けた場合でも、外力によってスライド部材51aを移動させることにより、突出部37を確実に弾性変形させることができ、突出部37の嵌合部29に対する嵌合を確実に解除することができる。
ところで、図39は、本実施例の固定機構Mのさらに他の構成を示す断面図である。上述したプラグ部品2は、モジュール1の一部を構成していてもよい。つまり、モジュール1の一部をプラグ部品2の形状に加工した形態であってもよい。この場合、プラグ部品2の嵌合部29の位置において、モジュール1の表面の保護層に開口部を設けて、内部の電極を露出させておけば、ソケット部品3の突出部37が嵌合部29に嵌合したときに、突出部37とモジュール1の電極とを直接接触させて、モジュール1にて発生した電力を外部に取り出すことができる。
(実施例8)
図40(a)(b)(c)は、実施例8の固定機構Mのプラグ部品2およびソケット部品3の断面図であって、それぞれ、プラグ部品2の差し込み前の状態、プラグ部品2の差し込みが完了して突出部37が嵌合部29に入り込む前の状態、突出部37が嵌合部29に入り込んだ後の状態を示している。
本実施例も実施例6の変形例である。より具体的には、ソケット部品3は、上記の突出部37のほかに、付勢部材38と、変形制御部材39とを有している。付勢部材38は、突出部37を嵌合部29への嵌合方向(図40(a)等では下向き)に付勢するものであり、例えばバネで構成されている。変形制御部材39は、突出部37と固定されており、外力に応じて付勢部材38の付勢方向およびその反対方向に移動することによって、突出部37と付勢部材38との一体的な弾性変形を制御する。つまり、本実施例では、突出部37と付勢部材38とが一体となって弾性変形する。一方、プラグ部品2は、上記の突出部37が入り込む嵌合部29を有する剛性部品で形成されており、モジュール(図示せず)は、このプラグ部品2に接続、固定されている。
このような構成において、プラグ部品2をソケット部品3に挿入する際には、図40(a)に示すように、プラグ部品2とソケット部品3との位置合わせを行った後、図40(b)に示すように、外力によって変形制御部材39を上記の嵌合方向とは反対方向(ここでは上方向)に移動させる。これにより、突出部37と付勢部材38とが一体的に弾性変形し(圧縮状態)、付勢部材38の付勢力に抗して突出部37が嵌合部29との嵌合位置から上方向に退避する。
この状態で、プラグ部品2を差し込み続け、差し込みが完了すると、図40(c)に示すように、変形制御部材39に加えていた外力を開放する。これにより、突出部37と付勢部材38との一体的な弾性変形が解除され、付勢部材38の付勢力によって、変形制御部材39が突出部37とともに上記の嵌合方向(下方向)に移動する。その結果、突出部37がプラグ部品2の嵌合部29に入り込み、プラグ部品2を有するモジュールとソケット部品3とが固定される。
ソケット部品3からプラグ部品2を引き抜くときには、差し込み時と同様に変形制御部材39に外力を加えて、変形制御部材39を上記の嵌合方向とは反対方向(ここでは上方向)に移動させればよい。これにより、付勢部材38の付勢力に抗して突出部37が嵌合部29との嵌合位置から上方向に退避し、突出部37の嵌合部29への嵌合が解除されるので、ソケット部品3からプラグ部品2を引き抜くことが可能となる。
以上のように、ソケット部品3に対するプラグ部品2の挿抜時には、変形制御部材39の移動によって突出部37が嵌合位置から退避するので、突出部37が障害となることなく、ソケット部品3に対してプラグ部品2をスムーズに挿抜させることができる。また、外力開放時に突出部37と付勢部材38との一体的な弾性変形が解除されることにより、変形制御部材39は突出部37とともに嵌合方向に移動する。これにより、プラグ部品2の挿入完了後は、突出部37を嵌合部29に嵌合させて、ソケット部品3からプラグ部品2が抜けるのを防止することができる。
また、図41は、本実施例の固定機構Mの他の構成を示すとともに、モジュール1で発生した電力を外部に取り出す構成の一例を示している。この例では、ソケット部品3では、突出部37のみが導電性材料(例えば金属)で形成されており、それ以外は非導電性材料(例えば樹脂)で形成されている。また、プラグ部品2は、その全体が導電性材料で形成されている。そして、突出部37からソケット部品3の外部には、外部配線34が引き出されている。プラグ部品2は、モジュールの電極と電気的に接続されている。
この構成では、プラグ部品2をソケット部品3に挿入すると、プラグ部品2とソケット部品3との接点(突出部37と嵌合部29との接点)および突出部37を介して、モジュールの電極と外部配線34とが電気的に接続される。これにより、モジュールで発生した電力を、上記の接点および外部配線34を介して外部に取り出すことができる。
また、図42は、本実施例の固定機構Mのさらに他の構成を示す断面図である。実施例8と同様に、モジュール1の一部をプラグ部品2の形状に加工するとともに、プラグ部品2の嵌合部29の位置において、モジュール1の表面の保護層に開口部を設けて、内部の電極を露出させてもよい。この場合、ソケット部品3の突出部37が嵌合部29に嵌合したときに、突出部37とモジュール1の電極とを直接接触させて、モジュール1にて発生した電力を外部に取り出すことができる。
(実施例9)
図43は、実施例9の固定機構Mの断面図である。同図に示すように、モジュール1の一端側にソケット部品3を固定し、他端側にプラグ部品2を固定してもよい。この構成では、複数のモジュール1をプラグ部品2およびソケット部品3を介して連結することができる。なお、本実施例の考え方は、上述した全ての実施例に適用可能である。
なお、以上の各実施例では、ソケット部品3およびプラグ部品2として様々な形状のものを示したが、プラグ部品2がソケット部品3によっておおよそ包み込まれ、さらに、その内部に引っかかり部分(突出部、嵌合部)を有していれば、特にその詳細形状は限定されるものではない。また、ソケット部品3およびプラグ部品2の少なくとも一方の接続部品を弾性変形させる力についても、2つの接続部品の接続時に自然と加えられる力(挿入によりテーパー面から受ける力)であってもよいし、外力印加部としての嵌合解除部材や外力受け部を用いて意図的に加えられる力であってもよいし、外部からの制御が可能なスイッチや機械的なスイッチによる力であってもよい。
なお、以上の各実施例では、モジュールとして、フレキシブルな太陽電池モジュールを例に挙げて説明したが、リジッドタイプの太陽電池モジュールであっても、本発明の固定機構を適用することは可能である。
なお、以上の各実施例で説明した構成を適宜組み合わせることによって固定機構を構成し、モジュールを固定することも勿論可能である。