JP5593097B2 - 積層体の拘束治具、積層体の拘束・拘束解除方法、および積層体の拘束解除装置 - Google Patents

積層体の拘束治具、積層体の拘束・拘束解除方法、および積層体の拘束解除装置 Download PDF

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Description

この発明は、強大な荷重によって圧縮されている積層体を拘束したのち、前記荷重を開放して拘束状態で保持する拘束とその拘束解除の方法(拘束・拘束解除方法)に関する。また、積層体の拘束と拘束解除とを行うための拘束治具や、拘束解除を主目的とした装置にも関する。
特定の工業製品を製造する過程において、前後に扁平な形状の部品(ワーク)を前後方向に多数積層してなる積層体に強大な荷重を掛けてその積層体を前後方向に圧縮するとともに、その積層体を圧縮された状態で拘束して後工程に受け渡す、という工程がある。例えば、以下の特許文献1には、周知の燃料電池スタックを積層体とし、その燃料電池スタックを圧縮した状態で保持するための方法について記載されている。
上述した積層体の圧縮、拘束、および拘束の解除の一連の工程(以下、拘束・解除工程)は、近年では、ハイブリッド自動車(HV)などに搭載される大容量の二次電池の組立工程に適用されている。例えば、周知のニッケル水素電池や、リチウムイオン電池などの二次電池をHVに搭載する場合、前後に扁平な形状を有するセルと呼ばれる単体の電池を多数積層して積層体にするとともに、その積層体を圧縮して拘束し、次いで、セル同士を接続して組電池にする。
一般的に、セルの内部は、シート状の正極と負極がセパレータを介して対向配置されてなる1組の電池要素が何層にも積層されているとともに、その層状の電極群が電解液とともに前後に扁平なケース内に封入された構造となっている。そして、セルは、充放電による化学反応に伴って電極の積層方向(前後方向)に膨張する。バッテリーは、セルを積層した積層体の形態であり、その積層方向に強大な力で拘束した状態で一定時間保持して安定した充放電反応が行えるようにしたり、その拘束状態でバッテリーの特性評価などを行ったりする。
ところで、このような積層体の拘束・解除工程には、通常、専用の治具(以下、拘束治具)が用いられる。積層体の拘束治具としては、図6に示したように、ロックナット7を用いたものもある。この図中にて示したように前後方向を規定すると、拘束治具1bは、プレート状の台座2の面を水平面として、その台座2上に前後に対面するように配置された二つの固定板(3f,3r)と、当該二つの固定板(3f,3r)の間にてガイド4に案内されて前後に移動可能な移動板5と、この移動板5の前面から前方に延長するとともに、前方の固定板3fを貫通するボルト6と、このボルト6が貫通する固定板3fと移動板5との間にて当該ボルト6に螺合するロックナット7とを備えている。
この拘束治具1bを用いた圧縮・拘束工程では、移動板5と後方の固定板3rとの間に積層体20を配置するとともに、後方の固定板3rの後面を壁面などに当接させておく。また、ロックナット7を緩めて移動板5側に移動させておく。そして、油圧シリンダーなどを用い、積層体20に所定の圧力が掛かった状態で圧縮されるまで、ボルト6の先端6fを後方に向かって押圧する。積層体20が、所定の圧力で圧縮されたら、ロックナット7を締めて前方へ移動させ、前方の固定板3fの後面に当接させる。それによって、積層体20が所定の圧力で圧縮された状態で拘束される。
積層体20は、所定の圧力で拘束された状態で所定時間保持されたり、所定の圧力で圧縮された状態で以後の性能評価試験などの後工程に受け渡されたりする。したがって、所定の圧力で拘束された状態で拘束治具1bごと保管したり運搬したりする。また、拘束治具ごと、評価試験装置などの設備に取り付けられる。
後工程の終了後は、積層体20を拘束治具から取り出すため、圧力から開放して拘束を解除することになる。なお、通常は、この拘束解除に先立って、取り出し後の積層体20の前後長を所定長に保つため、金属等でできたバンドを積層体20の前後方向に架け渡し、製品(HVなど)に組み込まれる際の寸法精度を確保しておく。すなわち、圧縮状態から解放された積層体20が膨張した際、所定長となるように固定しておく。このように、積層体20をバンドで固定したのち、ロックナット7を緩めて拘束治具1bから積層体20を取り出す。
また、以下の特許文献2には、楔を用いて積層体を圧縮する拘束治具が記載されている。荷重をかけた状態の積層体の上面と、固定板との間に楔を打ち込んで圧縮状態を保持し、楔を抜いて拘束状態を解除している。なお、積層体の拘束・解除方法に関連する技術としては、以下の特許文献3、4、5にも記載されている。
特開2006−108058号公報 特開2003−234119号公報 特開2005−005167号公報 特開2001−068081号公報 特開平06−108151号公報
上述した拘束・解除方法では、積層体は、要求される性能が発揮でき、かつ各ワークが破損しないように、正確な圧力で圧縮させ、その圧縮状態を保持する必要がある。しかしながら、上記引用文献1に記載されている楔を用いた方法や図6に示した拘束治具を用いた方法では、楔を抜いたり、ロックナットを緩めたりして圧縮力を開放しようとすると、強大な圧縮力が加わっている積層体は、極めて強い力で積層方向に膨張しようする。少なくとも、積層体がバンドの長さになるまではその膨張しようとする力が持続する。そのため、楔の先端に何度も強い衝撃を与えて抜いたり、ロックナットに極めて大きなトルクを掛けて回して緩めたりすることが必要となる。これでは、この積層体の拘束・解除工程に掛かる時間が長くなり、多大な労力を要する。また、拘束状態を開放する際に楔と拘束治具との接触面やロックナットが前方固定板に接する座面が摩耗する可能性があり、拘束治具の保守に係る時間やコストを増大させる。摩耗が激しければ拘束治具自体を交換することなる。ワークが電池であれば、摩耗によって発生する金属粉により短絡などの故障が発生する可能性もあり、製品としての積層体の歩留まりを低下させる原因にもなる。積層体の拘束・解除工程の長時間化や拘束治具の保守コストの増大、あるいは積層体の歩留まり低下は、結果的に積層体が組み込まれる工業製品のコストを増大させる。
さらに、拘束状態にある積層体を拘束治具ごと後工程における設備に取り付ける場合、その積層体が拘束治具に対して正しい相対位置で拘束されている必要がある。図6に示した拘束治具や、上記特許文献1に記載の拘束治具では、固定板をその位置決めの基準にすることになる。そのため、固定板は、加圧時に反りや狂いなどが発生しないような強固なものである必要がある。したがって、固定板を肉厚で頑丈な素材で作製することになり、自ずと軽量化が困難となる。拘束治具の重量が嵩めば、運搬作業や、後工程において各種装置に取り付ける際に支障を来す。そして、図6に示した拘束治具を用いた積層体の拘束・拘束解除方法、および上記特許文献1の技術では、上述したような積層体の拘束と拘束の解除に関わる諸問題を解決することができない。もちろん、上記特許文献3〜5に記載の技術でも同様である。
したがって、本発明は、積層体を適正な圧力で確実に圧縮して拘束できるとともに、圧縮状態にある積層体の圧力を容易に開放でき、さらに拘束状態にある積層体の取り扱う際の作業性も向上させることができる積層体の拘束治具や、その治具を用いた積層体の拘束・拘束解除方法、および当該治具を用いつつ当該方法に基づいて主に積層体の拘束を解除するための装置を提供することも目的としている。
上記目的を達成するための積層体の拘束治具に係る発明は、多数のワークを前後方向に積層してなる積層体を、所定圧力で前後方向に圧縮して、当該圧力を維持したまま積層体を拘束するとともに、当該拘束状態にある積層体の圧力を開放して拘束を解除するめの拘束治具であって、
水平面を有する台座上に前後方向に対面して立設された前方固定板および後方固定板と、
前後方向に対面しつつ前記前方固定板と前記後方固定板との間にて前後方向に移動可能な前方移動板および後方移動板と、
前記前方移動板の前面から前方に延長して前記前方固定板を貫通するボルトと、
前記前方固定板と前記前方移動板との間にて前記ボルトに螺合するロックナットと、
前記後方移動板の後面から後方に延長して前記後方固定板を貫通するシャフトと、
前記後方固定板に穿設されている前記シャフトを貫通させるための孔を上下方向に横断しつつ、当該後方固定板の上面に開口する楔孔と、
下方を先端として、前記後方固定板の上方から前記楔孔に打ち込まれる楔と、
前記シャフトを上下に貫通しつつ前後に延長するスリットと、
を備え
前記スリットの前端面は、前記楔との摩擦面であり、当該摩擦面と前記楔は、当該楔が所定の深さまで打ち込まれると、前記シャフトを前方に付勢して前記後方移動板を前記台座に対して所定の相対位置まで移動させるように形成されている、
ことを特徴としている。
また、前記拘束治具を用いて、前記積層体を所定圧力で前後方向に圧縮するとともに、当該圧力を維持したまま積層体を当該拘束治具上に拘束する拘束プロセスと、当該拘束状態にある積層体の圧力を開放して拘束を解除する拘束解除プロセスとを含む積層体の拘束・拘束解除方法も本発明の範囲であり、当該拘束・拘束解除方法では、
前記拘束プロセスは、
前記前方移動板と前記後方移動板との間に積層体を配置する積層体配置ステップと、
前記楔を前記所定の深さまで打ち込んだ状態で前記後方移動板の後方への移動を規制した上で、外部から前記ボルトの前端を所定の圧力で後方に押圧し、前記2枚の移動板に挟持された前記積層体を圧縮する圧縮ステップと、
前記ロックナットを締めて前方の固定板に当接させて、前記前方移動板の位置を固定するナット締結ステップと、
前記外部からの圧力を開放する圧力開放ステップと、
を含み、
前記拘束解除プロセスは、
前記拘束プロセスによって前記拘束治具上に前記積層体が拘束されている状態で、前記シャフトの後端をバックアップ壁面に当接させつつ、前記ボルトの前端を所定の圧力で後方に押圧する与圧ステップと、
与圧ステップ中に前記楔を抜く楔解除ステップと、
与圧ステップにより加えられている圧力を開放しつつ、前記拘束治具を前方に移動させる圧力開放ステップと、
前記ロックナットを緩めるナット弛緩ステップと、
を含むことを特徴としている。
また、上記積層体の拘束・拘束解除方法において、
前記圧縮ステップでは、
前記拘束治具における前記台座と前記固定板とを治具本体として、前記シャフトの後端がバックアップ壁面に当接するように前記治具本体を移動させるとともに、前記ボルトの前端に後方に向かう所定の圧力を加えることで、前記前方移動板と前記後方移動板とによって挟持された前記積層体を圧縮する第1ステップと、
前記第1ステップの実行中に前記楔を所定の深さまで前記楔孔に挿入する第2ステップと、
前記治具本体を前方に移動させることで前記前方移動板と前記後方移動板とによって挟持された前記積層体を当該治具本体に対して後方に相対移動させるとともに、前記スリット前端を前記楔の前端に当接させて積層体の後面が前記拘束治具上の所定の位置に一致するように調整する第3ステップと、
を実行することとしてもよい。
あるいは、前記拘束プロセスは、
前記前方移動板と前記後方移動板との間に積層体を配置する積層体配置ステップと、
前記楔を前記所定の深さまで打ち込んだ状態で前記後方移動板の後方への移動を規制した上で、外部から前記ボルトの前端を後方に向けて所定の圧力を加えて、前記2枚の移動板に挟持された前記積層体を圧縮する圧縮ステップと、
前記ロックナットを締めて前方の固定板に当接させて、前記前方移動板の位置を固定するナット締結ステップと、
前記外部からの圧力を開放する圧力開放ステップと、
を含み、
前記拘束解除プロセスは、
前記拘束プロセスによって前記拘束治具上に前記積層体が拘束されている状態で、当該拘束治具を前記台座を基準にして位置合わせした状態で所定の位置に固定する治具固定ステップと、
前記シャフトの後端に加圧機構により前後移動する与圧軸の前端を当接させるとともに、前記ボルトの先端に前後に移動可能な圧力緩衝軸の後端を当接させつつ当該圧力緩衝軸を固定した状態で、前記加圧機構により前方に移動する前記与圧軸を介して前記シャフト後端に前方に向かう所定の圧力を加える与圧ステップと、
当該与圧ステップ中に前記楔を抜く楔解除ステップと、
前記ロックナットを緩めた状態で、前記与圧ステップによる圧力を開放しつつ、圧力緩衝軸の固定状態を解除することで、前記前方移動板を介して前記ボルトを前方に移動可能にする圧力開放ステップと、
を含むことを特徴とする積層体の拘束・拘束解除方法とすることもできる。
前記拘束解除プロセスを実行するための拘束解除装置も本発明の範囲であり、当該拘束解除装置は、
前記拘束治具を台座を基準にして位置合わせした状態で下方から支持しつつ前後に移動可能な架台と、
当該架台の後方に配置されて、前記架台を後方に移動させることで前記シャフトの後端を当接させるバックアップ壁面と、
前記ボルト先端を後方へ向かって所定の圧力で押圧する加圧機構と、
を備えている。
また、拘束解除装置に係るその他の発明は、
前記拘束治具を台座を基準にして所定の位置に固定する架台と、架台の後方に設置されて、架台に固定されている拘束治具の前記シャフトの後端を所定の圧力で前方に押圧する加圧機構と、バックアップ機構とを備え、
前記バックアップ機構は、前後に延長するバックアップ軸と、当該バックアップ軸の貫通孔を備えるとともに上方に開口して当該貫通孔を上下に横断する楔孔とを備えた壁体と、当該楔孔に打ち込まれるバックアップ楔と、当該バックアップ楔の上端に接続されて当該楔を上下に移動させるための楔挿抜機構と、前記バックアップ軸の前端に接続されて当該バックアップ軸を前後に移動させるためのバックアップ軸駆動部とを備え、
前記バックアップ軸には、前記バックアップ楔の先端が挿入されるスリットが形成され、当該スリットは、後端面を前記バックアップ楔との摩擦面とし、前記バックアップ軸の後端が前記拘束治具のボルトの前端に当接している状態で前記バックアップ楔が打ち込まれた際、当該バックアップ軸を後方に付勢して前記ボルトの前方への移動を規制するように形成されている、
ことを特徴としている。
上記拘束解除装置に係るその他の発明において、
前記加圧機構は、上方が開放するV字状となるように連結された二つのリンク部材で構成されるリンク機構と、上端にて前記リンク機構の前記V字の頂点を軸支しつつ下方に延長する出力軸と、当該出力軸を上方に押圧する加圧駆動部と、前後方向に延長しつつ後端が前記リンク機構の前記V字の前方の上端に接続されるスライダと、前記リンク機構の前記V字の上端を前後方向に水平に開閉させるように規制する支持部材とを備え、
前記加圧駆動部は、前記出力軸を上方に押圧することで前記スライダを前方の前記リンク部材を介して前方に移動させるとともに、前記リンク機構を所定の角度でV字状となった状態で固定した際、前記スライダの前端が前記拘束治具の前記シャフトの後端に当接するように設置されてもよい。
なお、上記いずれかの積層体の拘束解除装置において、前記拘束治具の前記楔孔に挿入可能なピンを下方から挿抜自在に上下移動させるための楔抜き機構を備えさせてもよい。
本発明に係る積層体の拘束・拘束解除方法によれば、積層体を位置決めした状態で適正な圧力で確実に圧縮して拘束できるとともに、拘束状態にある積層体の圧力を容易に開放できる。また、当該方法に使用される治具は、軽量化が期待でき。積層体の拘束とその拘束解除に関わる作業性を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る拘束治具の概略構造図である。 本発明の第1の実施例における積層体の拘束・拘束解除方法における拘束手順を示す図である。 本発明の第1の実施例における積層体の拘束・拘束解除方法における拘束解除手順を示す図である。 本発明の第2の実施例における積層体の拘束・拘束解除方法に用いられる拘束解除装置の概略構成図である。 本発明の第2の実施例における積層体の拘束・拘束解除方法の概略を示す図である。 本発明の従来例に係る拘束治具の構造を示す図である。
===本発明の実施例===
本発明の実施例として、単体の二次電池であるセルなど、前後方向に扁平で、かつ当該方向に圧縮・膨張し得るワークを前後方向に多数個積層した積層体を強大かつ所定の圧力で前後方向に圧縮したのち、積層体をその圧縮状態で拘束する拘束手順と、拘束状態にある積層体を取り出し可能とする拘束解除手順とを含んだ積層体の拘束・拘束解除方法を挙げる。また、当該実施例の方法において使用される拘束治具や装置を本発明の実施形態とする。
そして、本発明の実施例に係る拘束・拘束解除方法では、積層体を圧縮状態のまま、拘束治具に対して自在にその拘束位置を可変できる拘束手順と、拘束されている積層体に対し、拘束手順における加圧機構を用いて与圧した状態で楔やロックナットを緩めることで、容易に拘束が解除できるようにした拘束解除手順とを含んでいる。また、本発明の実施形態となる拘束治具は、このような与圧下で拘束を解除する際に、圧縮時の積層体全長の公差を吸収しつつ、積層体が治具に対して正しい相対位置で拘束される工夫がなされている。
===拘束治具の構造===
図1に本発明の実施形態に係る拘束治具(以下、治具)1aの概略構造を示した。(A)は、上方からの平面図であり、(B)は(A)におけるa−a矢視断面図である。また、(C)は、(B)において円110で示した要部の拡大図である。治具1aは、水平面を有する台座上に対面して固定された前後2枚の固定板(前方固定板3f,後方固定板3r)と、この2枚の固定板(3f,3r)の間で前後に対面しつつ前後に移動可能な2枚の移動板(前方移動板5f,後方移動板5r)とを備えている。治具1aの前方は、図6に示したロックナット7による拘束・解除機構とほぼ同じ構造であり、治具1aの左右において前後方向に延長するガイド4にボールブッシュなどの機構を介して案内される前方移動板5fと、前方移動板5fの前面から前方に延長するとともに前方固定板3fを貫通するボルト6と、前方移動板5fと前方固定板3fとの間にてボルト6に螺合するロックナット7とを備えている。
図示したように、この治具1aは、前後に移動板(5f,5r)を備え、後方移動板5rの後面から後方にシャフト8が延長している。なお、シャフト8の前端は、後方移動板5rの後面に離間可能に当接していてもよいし、立設されて固定されていてもよい。そして、シャフト8の後端8rは、後方固定板3rに穿設された貫通孔を通して後方に突出している。
シャフト8には、上下方向に貫通するとともに、前後方向に延長するスリット9が形成されている。後方固定板3rには、シャフト8の貫通孔を上下に横断するように楔10の挿入孔11が穿設されている。それによって、楔10がこの孔11に上方から挿入されている状態では、楔10の斜面がスリット9の前端9fに当接する。楔10を抜くと、シャフト8が後方に移動可能となる。なお、治具1b上の積層体20は、少なくとも前面、あるいは後面が基準位置に対して正確な相対位置関係となっている状態で拘束されている必要がある。そのために、治具1aの台座2には位置決め用の孔12が穿設されている。
本実施形態に係る治具1aでは、楔10を所定位置まで打ち込むとシャフト8が所定位置まで前方に移動する。すなわち、楔10を打ち込む深さによって後方移動板5rの位置を台座2に対して固定できるようになっている。
===積層体の拘束===
本発明の実施例では、積層体20が台座2に対して所定の位置にて拘束されていれば、その拘束方法は問わない。上記実施形態に係る治具1aを用いて積層体20を拘束するための方法としては、楔10を所定の深さまで打ち込んだ状態で、積層体20の後面を位置合わせしておき、後方固定板3rをバックアップと呼ばれる壁面に当接させた状態で前方のボルト6の頭部6fから油圧シリンダーなどを用いて後方に向かって圧力を加えていく。そして、油圧シリンダーなどを所定の圧力で保持した状態で、ロックナット7を締める。すなわち、ロックナット7を回して前方固定板3fの後面に当接させる。それによって、前後の移動板(5f,5r)間の距離が固定される。この距離が所定の圧力に相当する。最後に、与圧している圧力を開放する。積層体20は、後方の楔10と前方のロックナット7とによって前後の移動板(5f,5r)の前後間隔が固定されることで、所定の圧力で拘束された状態となる。また、積層体20の後面は、先の楔10の打ち込み深さによって台座2に対して所定の位置に固定された状態となり、後工程において、台座2に穿設された位置合わせ孔12を基準にして、積層体20が装置などに対して所定の位置関係で取り付けられることになる。
===第1の実施例===
図2に、本発明の第1の実施例として、図1に示した本発明の実施形態に係る治具1aを用いた積層体20の拘束・拘束解除方法の概略を示した。当該図2では、治具1a上にて拘束状態にある積層体20のその拘束を解除する装置100aを使って積層体20を台座2に対して位置決めした状態で拘束したり、その拘束を解除したりする手順を(A)〜(E)に示した。
図2に示した拘束解除装置100aは、油圧シリンダー41によって前後に移動する出力軸42を備えて、治具1aにおける前方のボルト6の頭部6fから後方に向かって圧力を加えていく加圧機構40aと、その圧力を治具1aの後方にて受け止めるための壁面(バックアップ)30aと、台座2を位置決めして治具1aを固定するため架台50aとによって構成されている。架台50bは、台座2を下方から支持するパレット52と、このパレットを上下に移動させて加圧機構40aにおける出力軸42との上下位置が一致するように調整するエアシリンダー51や、パレット52の下方を支持するリニアガイド53などを含んで構成されている。また、そのパレット52上面の所定位置には、上方に向かうピンが突設されており、このピンが台座2の位置決め孔12に係合する。さらに架台50aは、全体を前後に移動させるための機構を備えている。それによって、架台50aは、パレット52上のピンを台座2の位置決め孔12に係合されることで、架台2と台座2との相対位置関係を固定し、その相対位置を維持したまま、治具1a全体を前後に移動させることができるようになっている。
上述した構成や構造を備えた拘束解除装置100aを用いて積層体20を圧縮する際には、楔10を楔孔11に挿入しておき、治具1a前方のボルト6の頭部6fから後方に向かって圧力を加えていく。このとき、架台50aを後方に移動させてバックアップ30aに治具1bのシャフト8の後端を当接させる(A)。次に、この状態で油圧シリンダー41の出力軸42の後端をボルト6の前端6fに当接させ、後方に向かって与圧する。ここで、前後に可動しない台座2と前後2枚の固定板(3f,3r)とを治具本体とすると、与圧により、前後2枚の移動板(5f,5r)のみが距離を縮めるように治具本体に対して相対移動し、2枚の移動板(5f,5r)に挟持された積層体20が圧縮される(B)。なお、油圧シリンダー41の出力軸42にはロードセル43が設けられており、このロードセル43によって圧力を監視し、所定の圧力まで与圧する。そして、所定の圧力なった時点で、金属バンド80をその積層体20に架け渡す(C)。シャフト8は、架台50aを治具本体ごと前方に移動させる途上で、楔10により、その相対移動が停止する。すなわち後方移動板5rが所定の位置で停止する。この状態で、ロックナット7を締めると、積層体20が所定の圧力で拘束される(D)。そして、油圧シリンダー41の圧力を開放すれば、治具1bが搬送可能となる(E)。
このようにして、本実施形態に係る治具1aは、前後に稼働する2枚の移動板(5f,5r)の間で積層体20を圧縮する構造であり、加圧時に移動板(5f,5r)自体が反ったとしても、拘束状態にある積層体20が2枚の移動板(5f,5r)に挟持されたまま、治具本体に対して前後に相対移動できるため、積層体20の後面を圧縮後に基準位置に合わせることができる。そのため固定板(3f,3r)などに肉厚で頑丈な部材を用いる必要がなくなり、治具1aの軽量化が期待できる。
一方、拘束解除手順は、図3(A)〜(C)に示したように、拘束状態にある積層体20にその拘束時程度の圧力を加えておき(A)、その状態で楔10を抜く(B)。しかし、拘束状態を解除するために楔10を抜いた際、バックアップ30aの前面がシャフト8の後端8rに当接していると、油圧シリンダー40の圧力を開放したとしても、積層体20が膨張できず、積層体20を取り出すことができない。そこで、楔10を抜いた後、油圧シリンダー41の圧力を開放していく過程で架台50aを前方に移動させて治具本体を前方に移動させる(C)。最終的には、ロックナット7を緩めてバンド80で固定されている積層体20を取り出せばよい。なお、楔10は、下方からハンマーなどを用いて人力で抜いてもよいが、上下運動する出力軸を備えたエアシリンダーを用い、その出力軸の先端を後方固定板3rの下方から楔孔11に挿入するようにしてもよい。
===第2の実施例===
第1の実施例では、前後に移動可能な特殊な架台50aが必要となり、拘束解除装置100aの構成が複雑で高価なものとなりやすい。そこで、第2の実施例では、本実施形態に係る上記治具1aを用いつつ、より簡素な装置構成で、積層体20の拘束解除を行える拘束・拘束解除方法としている。
図4に当該第2の実施例に係る拘束・拘束解除方法において、拘束の解除に使用される拘束解除装置100bの概略を示した。当該装置100bは、すでに治具1a上にて拘束状態にある積層体20を解除する装置100bであり、第1の実施例における拘束解除装置100aのように、積層体20の拘束する用途では使わない。すなわち、積層体20を拘束する方法については特に問わない。したがって、当該第2の実施例における拘束・拘束解除方法については、拘束を解除する手順についてのみ説明する。
第2の実施例に使用される拘束解除装置100bは、第1の実施例における拘束解除装置100aと同様に、積層体20の加圧機構40bと、バックアップ30bと、治具1aを固定するための架台50bとから構成されている。しかし、架台50bには前後への移動機構は必要なく、治具本体を対地固定できる構成があればよい。また、ここに例示した拘束解除装置100bでは、治具1aの楔孔11に下方から挿入されるピン(楔抜きピン)54と、このピン54を上下に移動させて、楔抜きピン54を楔孔11に対して挿抜するためのエアシリンダー55も備えている。
第1の実施例と第2の実施例との最も大きな違いは、加圧機構(40a,40b)とバックアップ(30a,30b)の前後関係と、その前後関係によって拘束を解除するためのバックアップ30bの構成とにある。具体的には、第2の実施例では、バックアップ30bが治具1aの前方に配置され、加圧機構40bが後方に配置される。そして、バックアップ30bは、壁面ではなく、前後に運動する出力軸71を備えたダンパー70を主体にして構成されている。ここでは、ダンパーとしてエアシリンダー70を用いている。また、このエアシリンダー70の出力軸(以下、バックアップ軸)71は、ボルト6の前方に立設する壁体72を貫通し、後端が壁体72の後方に突出している。さらにバックアップ軸71には、治具1aのシャフト8と同様に前後に延長するスリットが形成されており、壁体71には上方から下方に向かって楔(バックアップ楔)74が打ち込まれる孔73が穿設されて、この孔73に打ち込まれるバックアップ楔74の下端はバックアップ軸71のスリットに挿入されるようになっている。
治具1bの後方には、加圧機構40bが設置されている。第2の実施例における加圧機構40bは、上下動する出力軸61を備えたエアシリンダー60と、その出力軸61の上端62に接続されて上端が前後に開閉するV字状のリンク機構63を主体に構成されている。リンク機構63を構成するV字状に連結された二つのリンク部材(63f,63r)のうちの前方のリンク部材63fは、その前端が、前後に延長する柱状のスライダ66の後端に連結されている。後方のリンク部材63rは、その後端が左右方向、すなわち図4における紙面奥行き(あるいは手前)方向を軸として、後方に配置された支持部材(後方支持部材)64rに対して回動可能に軸支されている。スライダ66は、後方支持部材64rと対面するように前方に配置された別の支持部材(前方支持部材)64fの所定の高さに穿設された孔により支持され、リンク機構63に連動して前後方向に運動する。したがって、加圧機構40bは、エアシリンダー60の出力軸61を上下動させることで、V字のリンク機構63を介してスライダを前後運動させるトグル機構を構成している。
そして、この拘束解除装置100bを用いて積層体20の拘束を解除する場合には、図5(A)〜(E)に示した手順のように、まず、治具本体を架台50bのパレット52上に位置決めした状態で載置し、当該治具本体を所定の位置に固定する(A)。このとき、ボルト6の前端6fは、拘束状態にある積層体20の前後長に応じてその前端位置が前後する。そして、バックアップ30bのエアシリンダー70を治具1bのボルト前端6fに当接させた状態でバックアップ楔74を打ち込み、ボルト前端6fの位置を固定しておくとともに、シャフト8の後端8rに加圧機構40bのスライダ66の前端を当接させる(B)。このときのリンク機構63におけるV字の角度αを固定する(B)。それによって、シャフト8は後方への移動が禁止される。また、拘束時の圧力が過不足無く積層体20に掛かった状態となる。
このように、積層体20に掛かる圧力を一定に保持した状態では、治具1aの楔10やロックナット7は、容易に抜いたり緩めたりすることができる。そして、まず楔10を抜き(C)、次いで加圧機構による圧力を開放すると、積層体の圧力により後方移動板を介してシャフトが後方に移動し、積層体の圧力が開放される(D)。そして、バックアップ楔も容易に抜くことができ、バックアップ楔の上端に接続されているエアシリンダーの出力軸を上方に移動させてバックアップ楔を抜いて、拘束解除装置が初期の状態に復帰し、拘束解除の手順が終了する(E)。
なお、第2の実施例では、拘束解除装置100bにおける加圧機構40bに、上述したトグル機構ではなく、第1の実施例の拘束解除装置100aのように、油圧シリンダーなどを用いてもよい。しかし、油圧シリンダーは、軽量小型化が難しい。そのため、第2の実施例では、エアシリンダーとトグル機構を用いて装置の小型化と軽量化を実現していた。
この発明は、例えば、多数の二次電池セルを強大な圧力で圧縮した状態で積層して、組電池(スタック)を製造する工程や、スタックの検査工程などに適用可能である。
1a,1b 拘束治具
2 台座
3f,3r 固定板
5f,5r 移動板
6 ボルト
7 ロックナット
8 シャフト
10 拘束治具の楔
11 拘束治具の楔孔
20 積層体
30a,30b バックアップ
40a,40b 加圧機構
50a,50b 架台
51,53 架台のエアシリンダー
52 パレット
54 楔抜きピン
60 加圧機構のエアシリンダー
63 リンク機構
66 スライダ
70 バックアップのエアシリンダー
71 バックアップ軸
72 壁体
73 壁体の楔孔
74 バックアップ楔
75 バックアップ楔用エアシリンダー
100a,100b 拘束解除装置

Claims (8)

  1. 多数のワークを前後方向に積層してなる積層体を、所定圧力で前後方向に圧縮して、当該圧力を維持したまま積層体を拘束するとともに、当該拘束状態にある積層体の圧力を開放して拘束を解除するめの拘束治具であって、
    水平面を有する台座上に前後方向に対面して立設された前方固定板および後方固定板と、
    前後方向に対面しつつ前記前方固定板と前記後方固定板との間にて前後方向に移動可能な前方移動板および後方移動板と、
    前記前方移動板の前面から前方に延長して前記前方固定板を貫通するボルトと、
    前記前方固定板と前記前方移動板との間にて前記ボルトに螺合するロックナットと、
    前記後方移動板の後面から後方に延長して前記後方固定板を貫通するシャフトと、
    前記後方固定板に穿設されている前記シャフトを貫通させるための孔を上下方向に横断しつつ、当該後方固定板の上面に開口する楔孔と、
    下方を先端として、前記後方固定板の上方から前記楔孔に打ち込まれる楔と、
    前記シャフトを上下に貫通しつつ前後に延長するスリットと、
    を備え
    前記スリットの前端面は、前記楔との摩擦面であり、当該摩擦面と前記楔は、当該楔が所定の深さまで打ち込まれると、前記シャフトを前方に付勢して前記後方移動板を前記台座に対して所定の相対位置まで移動させるように形成されている、
    ことを特徴とする積層体の拘束治具。
  2. 請求項1に記載の前記拘束治具を用いて、前記積層体を所定圧力で前後方向に圧縮するとともに、当該圧力を維持したまま積層体を当該拘束治具上に拘束する拘束プロセスと、当該拘束状態にある積層体の圧力を開放して拘束を解除する拘束解除プロセスとを含む積層体の拘束・拘束解除方法であって、
    前記拘束プロセスは、
    前記前方移動板と前記後方移動板との間に積層体を配置する積層体配置ステップと、
    前記楔を前記所定の深さまで打ち込んだ状態で前記後方移動板の後方への移動を規制した上で、外部から前記ボルトの前端を所定の圧力で後方に押圧し、前記2枚の移動板に挟持された前記積層体を圧縮する圧縮ステップと、
    前記ロックナットを締めて前方の固定板に当接させて、前記前方移動板の位置を固定するナット締結ステップと、
    前記外部からの圧力を開放する圧力開放ステップと、
    を含み、
    前記拘束解除プロセスは、
    前記拘束プロセスによって前記拘束治具上に前記積層体が拘束されている状態で、前記シャフトの後端をバックアップ壁面に当接させつつ、前記ボルトの前端を所定の圧力で後方に押圧する与圧ステップと、
    与圧ステップ中に前記楔を抜く楔解除ステップと、
    与圧ステップにより加えられている圧力を開放しつつ、前記拘束治具を前方に移動させる圧力開放ステップと、
    前記ロックナットを緩めるナット弛緩ステップと、
    を含むことを特徴とする積層体の拘束・拘束解除方法。
  3. 請求項2において、
    前記圧縮ステップでは、
    前記拘束治具における前記台座と前記固定板とを治具本体として、前記シャフトの後端がバックアップ壁面に当接するように前記治具本体を移動させるとともに、前記ボルトの前端に後方に向かう所定の圧力を加えることで、前記前方移動板と前記後方移動板とによって挟持された前記積層体を圧縮する第1ステップと、
    前記第1ステップの実行中に前記楔を所定の深さまで前記楔孔に挿入する第2ステップと、
    前記治具本体を前方に移動させることで前記前方移動板と前記後方移動板とによって挟持された前記積層体を当該治具本体に対して後方に相対移動させるとともに、前記スリット前端を前記楔の前端に当接させて積層体の後面が前記拘束治具上の所定の位置に一致するように調整する第3ステップと、
    を実行することを特徴とする積層体の拘束・拘束解除方法。
  4. 請求項1に記載の前記拘束治具を用いて、前記積層体を所定圧力で前後方向に圧縮するとともに、当該圧力を維持したまま積層体を当該拘束治具上に拘束する拘束プロセスと、当該拘束状態にある積層体の圧力を開放して拘束を解除する拘束解除プロセスとを含む積層体の拘束・拘束解除方法であって、
    前記拘束プロセスは、
    前記前方移動板と前記後方移動板との間に積層体を配置する積層体配置ステップと、
    前記楔を前記所定の深さまで打ち込んだ状態で前記後方移動板の後方への移動を規制した上で、外部から前記ボルトの前端を後方に向けて所定の圧力を加えて、前記2枚の移動板に挟持された前記積層体を圧縮する圧縮ステップと、
    前記ロックナットを締めて前方の固定板に当接させて、前記前方移動板の位置を固定するナット締結ステップと、
    前記外部からの圧力を開放する圧力開放ステップと、
    を含み、
    前記拘束解除プロセスは、
    前記拘束プロセスによって前記拘束治具上に前記積層体が拘束されている状態で、当該拘束治具を前記台座を基準にして位置合わせした状態で所定の位置に固定する治具固定ステップと、
    前記シャフトの後端に加圧機構により前後移動する与圧軸の前端を当接させるとともに、前記ボルトの先端に前後に移動可能な圧力緩衝軸の後端を当接させつつ当該圧力緩衝軸を固定した状態で、前記加圧機構により前方に移動する前記与圧軸を介して前記シャフト後端に前方に向かう所定の圧力を加える与圧ステップと、
    当該与圧ステップ中に前記楔を抜く楔解除ステップと、
    前記ロックナットを緩めた状態で、前記与圧ステップによる圧力を開放しつつ、圧力緩衝軸の固定状態を解除することで、前記前方移動板を介して前記ボルトを前方に移動可能にする圧力開放ステップと、
    を含むことを特徴とする積層体の拘束・拘束解除方法。
  5. 請求項2に記載の前記拘束解除プロセスを実行するための拘束解除装置であって、
    前記拘束治具を台座を基準にして位置合わせした状態で下方から支持しつつ前後に移動可能な架台と、
    当該架台の後方に配置されて、前記架台を後方に移動させることで前記シャフトの後端を当接させるバックアップ壁面と、
    前記ボルト先端を後方へ向かって所定の圧力で押圧する加圧機構と、
    を備えていることを特徴とする積層体の拘束解除装置。
  6. 請求項4に記載の前記拘束解除プロセスを実行するための積層体拘束解除装置であって、
    前記拘束治具を台座を基準にして所定の位置に固定する架台と、架台の後方に設置されて、架台に固定されている拘束治具の前記シャフトの後端を所定の圧力で前方に押圧する加圧機構と、バックアップ機構とを備え、
    前記バックアップ機構は、前後に延長するバックアップ軸と、当該バックアップ軸の貫通孔を備えるとともに上方に開口して当該貫通孔を上下に横断する楔孔とを備えた壁体と、当該楔孔に打ち込まれるバックアップ楔と、当該バックアップ楔の上端に接続されて当該楔を上下に移動させるための楔挿抜機構と、前記バックアップ軸の前端に接続されて当該バックアップ軸を前後に移動させるためのバックアップ軸駆動部とを備え、
    前記バックアップ軸には、前記バックアップ楔の先端が挿入されるスリットが形成され、当該スリットは、後端面を前記バックアップ楔との摩擦面とし、前記バックアップ軸の後端が前記拘束治具のボルトの前端に当接している状態で前記バックアップ楔が打ち込まれた際、当該バックアップ軸を後方に付勢して前記ボルトの前方への移動を規制するように形成されている、
    ことを特徴とする積層体の拘束解除装置。
  7. 請求項6において、
    前記加圧機構は、上方が開放するV字状となるように連結された二つのリンク部材で構成されるリンク機構と、上端にて前記リンク機構の前記V字の頂点を軸支しつつ下方に延長する出力軸と、当該出力軸を上方に押圧する加圧駆動部と、前後方向に延長しつつ後端が前記リンク機構の前記V字の前方の上端に接続されるスライダと、前記リンク機構の前記V字の上端を前後方向に水平に開閉させるように規制する支持部材とを備え、
    前記加圧駆動部は、前記出力軸を上方に押圧することで前記スライダを前方の前記リンク部材を介して前方に移動させるとともに、前記リンク機構を所定の角度でV字状となった状態で固定した際、前記スライダの前端が前記拘束治具の前記シャフトの後端に当接するように設置されている、
    ことを特徴とする積層体の拘束解除装置。
  8. 請求項5〜7のいずれかにおいて、前記拘束治具の前記楔孔に挿入可能なピンを下方から挿抜自在に上下移動させるための楔抜き機構を有することを特徴とする積層体の拘束解除装置。
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