JP5591510B2 - 着色硬化性組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、固体撮像素子、画像表示デバイス、並びに、色素化合物、及びその互変異性体 - Google Patents
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Description
一方、デジタルカメラ、カメラ付き携帯電話等の普及から、CCDイメージセンサーなどの固体撮像素子の需要が大きく伸びている。これらのディスプレイや光学素子のキーデバイスとしてカラーフィルタが使用されており、更なる高画質化の要求とともにコストダウンへの要求が高まっている。このようなカラーフィルタは、通常、赤(R)、緑(G)、および青(B)の3原色の着色パターンを備えており、画像表示デバイスや固体撮像素子において、通過する光を着色し、または3原色へ分解する役割を果たしている。
一方、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等においても、顔料分散法を用いたフォトリソ法により製造されたカラーフィルタは、耐光性、耐熱性に優れるが、顔料粒子による光散乱のためコントラストの低下や、ヘイズの増加といった問題が大きな課題として残っている。
(1)染料は、一般に顔料に比べて、耐光性、耐熱性に劣る。特に、液晶ディスプレイなどの電極として多用されているITO(酸化インジウムスズ)の成膜時の高温工程により、光学特性が変化してしまうという問題がある。
(2)染料は、ラジカル重合反応を抑制する傾向があるため、ラジカル重合を硬化手段として用いる系では、着色硬化性組成物の設計に困難が伴う。
特にフォトリソ法では、
(3)通常の染料は、アルカリ水溶液又は有機溶剤(以下単に溶剤ともいう)への溶解度が低いため、所望のスペクトルを有する着色硬化性組成物を得るのが困難である。
(4)染料は、着色硬化性組成物中の他の成分との相互作用を示すことが多く、露光部、未露光部の溶解性(現像性)の調節が難しい。
(5)染料のモル吸光係数(ε)が低い場合には多量の染料を添加しなければならず、そのために着色硬化性組成物中の重合性化合物(モノマー)やバインダー、光重合開始剤等の他の成分を相対的に減らさざるを得ず、組成物の硬化性、硬化後の耐熱性、現像性等が低下する。
また、フォトリソ法による着色パターン形成に用いられる着色硬化性組成物、及び、インクジェット法による着色パターン形成に用いられ、吐出安定性に優れた着色硬化性組成物を提供することを課題とする。
また、色純度、耐熱性、耐光性に優れた、形状の良好な着色パターンを有するカラーフィルタ及びその製造方法を提供することを課題とする。
更に、高解像度の固体撮像素子、及び、色再現性が良好で、高精細な画像表示デバイスを提供することを課題とする。
更に、本発明は、カラーフィルタ用の着色硬化性組成物等に有用な、吸収特性に優れ、モル吸光係数が高い新規な色素化合物、及びその互変異性体を提供することを課題とする。
前記の課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
(一般式(1)中、R1、R2、R3、R4、及びR5は、各々独立に水素原子、又は1価の置換基を表す。R1とR2、及びR4とR5は、各々独立に互いに結合して環を形成していてもよい。)
また、フォトリソ法による着色パターン形成に用いられる着色硬化性組成物、及び、インクジェット法による着色パターン形成に用いられ、吐出安定性に優れた着色硬化性組成物を提供することができる。
また、色純度、耐熱性、耐光性に優れた、形状の良好な着色パターンを有するカラーフィルタ及びその製造方法を提供することができる。
更に、高解像度の固体撮像素子、及び、色再現性が良好で、高精細な画像表示デバイスを提供することができる。
更に、本発明は、カラーフィルタ用の着色硬化性組成物等に有用な、吸収特性に優れ、モル吸光係数が高い新規な色素化合物、及びその互変異性体を提供することができる。
本発明の第一の着色硬化性組成物は、下記一般式(M)で表される色素化合物、及びその互変異性体からなる群より選択される少なくとも1種と、重合性化合物と、を含有する。
また、本発明の第二の着色硬化性組成物は、一般式(P)で表される繰り返し単位を含む色素化合物、及びその互変異性体からなる群より選択される少なくとも1種に加えて、必要に応じて、一般式(M)で表される色素化合物、及びその互変異性体からなる群より選択される少なくとも1種を含んでもよい。
まず、一般式(1)で表される化合物及びこれを前記染料に導入する態様である色素残基について説明する。
一般式(1)で表される特定アゾ色素骨格は、カップリング成分がアミノチアゾールであり、かつジアゾ成分がイソチアゾールであることを特徴とするアゾ色素骨格である。アミノチアゾールをカップリング成分とするアゾ色素は、特開昭54−65730号公報、および米国特許5,789,560号明細書(例えば、例示化合物76)に記載され、またイソチアゾールをジアゾ成分とする色素は、特開平2−123166号公報に開示されている。
下記一般式(1)で示される特定アゾ色素化合物を拡散(感熱)転写用色素として用いる例は、特開2005−255868号公報および特開2009−56711号公報に開示されている。この特定アゾ色素化合物のクロモフォア(発色団)のみをもつ分子では熱により昇華することが知られており、フォトリソ法による着色パターン形成に用いることは困難であった。
本発明においては、この特定アゾ色素の残基を部分構造として有するモノマー染料又はポリマー型染料を、カラーフィルタ用途において着色硬化性組成物として用いたとき、カラーフィルタとして必要な特性、特に高解像度、高精細、高色再現、高コントラストを満足することができる。さらに、昇華性を抑制することが可能となる。
ただし、R1、R2、R3、R4、及び/又はR5から、一般式(M)で表される色素化合物の場合はn+m個の水素原子が、一般式(P)で表される繰り返し単位を含む色素化合物の場合は1個の水素原子が除かれて色素残基となる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及び、ヨウ素原子が挙げられる。中でも塩素原子、臭素原子が好ましく、特に塩素原子が好ましい。
脂肪族基には、さらに環構造が多いトリシクロ構造なども包含してもよい。
ヘテロ環基におけるヘテロ環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、キナゾリン環、シンノリン環、フタラジン環、キノキサリン環、ピロール環、インドール環、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、ベンズイミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、ベンズオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、イソチアゾール環、ベンズイソチアゾール環、チアジアゾール環、イソオキサゾール環、ベンズイソオキサゾール環、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、イミダゾリジン環、チアゾリン環が挙げられ、これらの中でも、置換基を有しても良いピリジン環、イソキノリン環、ピロール環、チオフェン環、イミダゾール環が好ましい。
次に、一般式(M)で表される色素化合物(モノマー染料)について説明する。
一般式(M)で表される化合物は、一般式(1)で表される特定アゾ色素化合物に由来する色素残基を有しており、かつ同一分子内にpKaが10以下の酸基を少なくともひとつ有することを特徴とするアゾ色素化合物である。
前記一般式(M)におけるnとしては、0〜8が好ましく、0〜6が更に好ましく、0〜4が特に好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物は、一般式(1)中のR1〜R5で表される置換基として高分子化合物由来の基が結合してもよく、下記一般式(P)で表される繰り返し単位を含む色素化合物であることを特徴とするアゾ色素高分子化合物であることも好ましい様態である。
一般式(P)で表される繰り返し単位を含む色素化合物(ポリマー型染料)は、一般式(1)で表される化合物と同様に、カップリング成分がアミノチアゾールであり、かつジアゾ成分がイミダゾールであることを特徴とし、かつ該色素から水素原子を1つ取り除いた残基を側鎖に有する繰り返し単位を少なくとも1種有する高分子化合物であることを特徴とするアゾ色素高分子化合物である。
特定アゾ色素化合物の中でも、下記一般式(P)で表される繰り返し単位を含むアゾ色素高分子化合物で表される化合物は、特に有機溶剤に対する溶解性、耐熱性、耐光性が高く、経時安定性、及び硬化後の耐溶剤性に優れた着色硬化性組成物を得ることができる。
カルボキシル基を有するビニルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する単量体と無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物のような環状無水物との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなども利用できる。また、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの無水物含有モノマーを用いてもよい。なお、これらの中では、共重合性やコスト、溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
一般式(P)で表される繰り返し単位を含む色素化合物の酸価は、好ましくは25mgKOH/g〜200mgKOH/gであり、特に好ましくは50mgKOH/g〜200mgKOH/gである。即ち、現像液中での析出物の生成抑制という点では、酸価は25mgKOH/g以上であることが好ましい。さらに、顔料の1次粒子の凝集体である2次凝集体の生成を効果的に抑制、あるいは、2次凝集体の凝集力を効果的に弱めるためには、酸価は25mgKOH/g〜200mgKOH/gであることが好ましい。
なお、酸価は電位差法(溶媒テトラヒドロフラン/水=54/6(体積比)、滴定液 0.01N水酸化ナトリウム水溶液(酸価))により決定した。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。
また、本発明における一般式(P)で表される繰り返し単位を含む色素化合物は、分子中に酸基を有する繰り返し単位を、一般式(P)で表される繰り返し単位を含む色素化合物の全質量中に1質量%〜80質量%含むことが好ましく、より好ましくは3質量%〜50質量%含むことである。
一般式(P)で表される繰り返し単位及び酸基を有する繰り返し単位がこの範囲内にあると、薄膜における分光特性とアルカリ現像性の性能が良好である。
特に、重量平均分子量(Mw)で10000〜30000の範囲、数平均分子量(Mn)で5000〜15000の範囲であることが最も好ましい。着色硬化性組成物によりカラーフィルタを製造する際の現像性の観点からは、重量平均分子量(Mw)は30000以下であることが好ましい
なお、本発明において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、GPC法によりポリスチレン換算値として測定された値をいう。
下記に示す例示化合物(P1)〜(P100)のAおよびBは、それぞれ下記に示す構造の繰り返し単位(A−1)〜(A−20)および(B−1)〜(B〜27)である。
下記の例示化合物(P1)〜(P100)の数平均分子量(Mn)は3,000〜25,000の範囲であり、重量平均分子量(Mw)は、3,500〜30,000の範囲であり、分子量分布指数(Mw/Mn)は1.30〜3.00の範囲である。
具体的には、下記一般式(A)で表される5−アミノイソチアゾール誘導体のアミノ基をジアゾ化剤で、下記一般式(B)のジアゾニウム塩に変換し、該ジアゾニウム塩と下記一般式(C)で表される2−アミノチアゾール誘導体とカップリング反応させ、下記一般式(D)で表される化合物を容易に合成できる。具体的には実施例で例示する。
また、一般式(P)で表される繰り返し単位を含む色素化合物の調製は、前記一般式(1)で表されるアゾ色素化合物を通常の方法で重合して合成できる。
化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系等の染料が使用できる。
他の構造の色素の着色硬化性組成物中における含有量は、着色硬化性組成物中の固形分に対して0.1質量%〜90質量%が好ましく、1.0質量%〜80質量%がさらに好ましく、2.0質量%〜70質量%が特に好ましい。
次に、本発明の着色硬化性組成物について説明する。
本発明の着色硬化性組成物は、一般式(M)で表される色素化合物、及びその互変異性体からなる群より選択される少なくとも1種、又は、一般式(P)で表される繰り返し単位を含む色素化合物、及びその互変異性体からなる群より選択される少なくとも1種と、重合性化合物と、を含有する。
重合性化合物は、400nm以下のUV光による露光または熱により、重合、または架橋し、着色硬化性組成物を現像液に不溶化させる。フォトリソ法においては、露光部と未露光部とが区別されパターン成形することができる。
またインクジェット法においては、硬化させた着色パターンを得ることができる。
重合開始剤の着色硬化性組成物中における含有量は、重合性化合物の固形分に対して0.01〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、1〜20質量%が特に好ましい。該含有量が前記範囲内であると重合が良好に進み、また、良好な膜強度が得られる。
さらに着色硬化性組成物には、バインダー、界面活性剤、その他の添加物を使用することができる。
重合性化合物としては、常圧下で100℃以上の沸点を有し、少なくとも一つの付加重合可能なエチレン性不飽和基を2つ以上有する化合物が好ましく、3つ以上有する化合物がさらに好ましい。その例としては、特開2008−292970号公報の段落〔0254〕〜〔0257〕、特開2009−13206号公報の段落〔0054〕〜〔0068〕記載の化合物などが挙げられ、(メタ)アクリル系モノマー、エポキシ系モノマー、およびオキセタニル系モノマーから選択される1種以上を含有することが好ましい。
本発明の第一の着色硬化性組成物においては、一般式(M)のnが1以上であれば一般式(M)で表される色素化合物、及びその互変異性体は重合性化合物として機能する。この場合の、一般式(M)で表される色素化合物、及びその互変異性体の合計量と、一般式(M)で表される色素化合物、及びその互変異性体以外の重合性化合物との含有比率は、質量基準で6:1〜1:6が好ましく、5:1〜1:2が更に好ましい。
着色硬化性組成物を特にインクジェット用インクとして用いる場合には、着色硬化性組成物の固形分中の30質量%〜80質量%が重合性化合物であることが好ましく、40質量%〜80質量%がより好ましい。重合性化合物の使用量が上記範囲内であれば、画素部の重合が十分となるため、画素部の膜強度の不足に起因する傷の発生が起こりにくくなる。さらには、透明導電膜を付与する際にクラックやレチキュレーションが発生しにくくなったり、配向膜を設ける際の耐溶剤性が向上したり、電圧保持率を低下させない等の効果が得られる。
ここで、配合割合を特定するための着色硬化性組成物の固形分とは、溶剤を除く全ての成分を含み、液状の重合性化合物なども固形分に含まれる。
以下フォトリソ法で用いられる着色硬化性組成物について説明する。フォトリソ法による着色パターン形成に用いられる本発明の着色硬化性組成物は、カラーレジスト用組成物として好適である。
本発明の着色硬化性組成物には、光重合開始剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤は重合性化合物を重合させられるものであれば特に限定されないが、特性、開始効率、吸収波長、入手性、コスト等の観点で選ばれることが好ましい。
光重合開始剤の例としては、特開2008−292970号公報の段落〔0260〕〜〔0271〕に記載の化合物が挙げられる。
また、着色硬化性組成物には、バインダーを含有することが好ましい。前記バインダーとしては、アルカリ可溶性であれば特には限定されないが、耐熱性、現像性、入手性等の観点から選ばれることが好ましい。
アルカリ可溶性のバインダーとしては、線状有機高分子重合体で、有機溶剤に可溶性で、弱アルカリ水溶液で現像できるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、特開2008−292970号公報の〔0227〕〜〔0234〕段落に記載の重合体が挙げられる。
バインダーの着色硬化性組成物中における含有量は、該着色硬化性組成物中の固形分に対して0.1質量%〜50質量%が好ましく、0.1質量%〜40質量%がさらに好ましく、0.1質量%〜30質量%が特に好ましい。
架橋剤を着色硬化性組成物に加えることも好ましく、架橋剤としては、架橋反応によって膜硬化を行なえるものであれば特に限定はなく、例えば、特開2008−292970号公報の段落〔0237〕〜〔0253〕に記載の架橋剤が挙げられる。
架橋剤を含有する場合、着色硬化性組成物の全固形分に対して、1〜70質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましく、7〜30質量%が特に好ましい。該含有量が前記範囲内であると、充分な硬化度と未露光部の溶出性とを保持できる。架橋剤が不足すると露光部の硬化度が不足することがある。また架橋剤が過剰になると未露光部の溶出性が著しく低下することがある。
本発明の着色硬化性組成物を調製する際には、一般に溶剤を含有することができる。使用される溶剤は、該組成物の各成分の溶解性や着色硬化性組成物の塗布性を満足すれば基本的に特には限定されないが、特にバインダーの溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
前記溶剤の例としては、特開2008−292970号公報の段落〔0272〕記載の溶剤が挙げられる。
中でも、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等がより好ましい。
本発明の着色硬化性組成物には、必要に応じて各種添加物、例えば充填剤、上記以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することかできる。これらの例としては、特開2008−292970号公報の段落〔0274〕〜〔0276〕に記載の添加物を挙げることができる。
本発明の着色硬化性組成物の調製に際しては、組成物の上述の各成分を一括配合しても良いし、各成分を溶剤に溶解した後に逐次配合しても良い。また、配合する際の投入順序や作業条件は特に制約を受けない。全成分を同時に溶剤に溶解して組成物を調製してもよいし、必要に応じては各成分を適宜2つ以上の溶液としておいて、使用時(塗布時)にこれらの溶液を混合して組成物として調製してもよい。
上記のようにして調製された組成物は、好ましくは孔径0.01〜3.0μm、より好ましくは孔径0.05〜0.5μm程度のフィルタなどを用いて濾別した後、使用に供することもできる。
本発明の着色硬化性組成物は、着色パターンが微少サイズで薄膜に形成され、しかも良好な矩形の断面プロファイルが要求される固体撮像素子用のカラーフィルタの形成に特に好適である。
一方、本発明の着色硬化性組成物を用いれば、上記のような2μm以下の画素パターンサイズでも、パターン形成に優れ、良好な断面プロファイルを有するカラーフィルタを作製することができる。
本発明の着色硬化性組成物を用いて、フォトリソ法でカラーフィルタを形成する方法は、着色硬化性組成物を支持体上に塗布して着色層を形成する工程と、該着色層に対してマスクを介してパターン露光する工程と、前記パターン露光後に現像により着色パターンを形成する工程と、を含むことを特徴とし、詳細には例えば、特開2008−292970号公報の〔0277〕〜〔0284〕記載の方法が挙げられる。
本発明においては、上記した現像により着色パターンを形成する工程の後に、該パターンをさらに硬化させる後硬化工程を実施することが好ましい。
後硬化工程は、加熱及び/又は露光(紫外線照射)によって行うが、得られた着色パターンをさらに硬化させ、次色のパターン形成のための着色層を形成する工程等での、着色パターンの溶解等を防止したり、得られたカラーフィルタの画素の耐溶剤性を向上したりすることができる。
後硬化工程は、紫外線照射によることが好ましい。
後露光による着色パターンの硬化に用いる紫外線照射工程は、前記パターン形成工程で現像処理を行なった後の着色パターンに、現像前の露光処理における露光量[mJ/cm2]の10倍以上の照射光量[mJ/cm2]の紫外光(UV光)を照射する。パターン形成工程での現像処理と後述の加熱処理との間に、現像後の着色パターンにUV光を所定時間、照射することにより、後に加熱された際に色移りするのを効果的に防止できる。本工程での照射光量が現像前の露光処理における露光量の10倍未満であると、着色パターン(着色画素)間や上下層間における色移りを防止できないことがある。
中でも、UV光の照射光量は、パターン形成工程での露光時の露光量の12倍以上200倍以下が好ましく、15倍以上100倍以下がより好ましい。
また後加熱は、ホットプレートやオーブンを用いて、100℃〜300℃で実施することが好ましく、更に好ましくは、150℃〜250℃である。後加熱時間は、30秒〜30000秒が好ましく、更に好ましくは、60秒〜1000秒である。
インクジェット用インクとして用いる場合の着色硬化性組成物の構成の特に好ましい態様を下記に示す。
本発明の硬化性着色組成物を、インクジェット用インクとしたときは、インクの保存安定性に優れ、インクの凝集や分解などが抑制される。また、連続的および断続的な吐出の際にも、飛翔曲がり不吐出等の吐出の乱れが生じにくく、吐出安定性に優れ、一定期間休止後の回復性、さらに不吐出等が生じた場合の回復性に優れる。
本発明のインクジェット用インクとしての着色硬化性組成物(以下、単に「インクジェット用インク」と称することがある)は、溶剤を含有する。溶剤としては、各成分の溶解性や後述する溶剤の沸点を満足すれば基本的に特に限定されないが、特に後述するバインダーの溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。溶剤の具体例としては、特開2009−13206号公報の段落〔0030〕〜〔0040〕に記載の溶剤を挙げることが出来る。
本発明のインクジェット用インクには、粘度の調整やインク硬度の調整などの目的で、バインダーを入れてもよい。バインダーとしては、それ自体は重合反応性のない樹脂のみから構成されるような単に乾燥固化するバインダー樹脂を用いてもよい。しかしながら、塗工膜に十分な強度、耐久性、密着性を付与するためには、インクジェット法により基板上に画素のパターンを形成後、該画素を重合反応により硬化させることのできるバインダーを用いるのが好ましく、例えば、可視光線、紫外線、電子線等により重合硬化させることができる光硬化性のバインダーや、加熱により重合硬化させることができる熱硬化性のバインダーのような、重合硬化可能なバインダーを用いることができる。
エポキシ系モノマー(エポキシ基含有モノマー)、熱硬化性バインダー樹脂には、通常、架橋剤を組み合わせて配合することができる。架橋剤としては、エポキシ樹脂技術協会発行の「総説エポキシ樹脂基礎編I」2003年11月19日発行、第3章に記載の硬化剤、促進剤を好適に用いることができ、例えば、多価カルボン酸無水物または多価カルボン酸を用いることができる。
本発明のインクジェット用インクには、さらに界面活性剤を用いてもよい。界面活性剤の例として、特開平7−216276号公報の段落番号〔0021〕や、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤が、好適なものとして挙げられる。界面活性剤の含有量は、着色硬化性組成物全量に対して5質量%以下が好ましく、0.1〜5質量%が更に好ましい。
インクジェット用インクにおいては、溶剤の含有量はインクジェット用インク全量に対して30〜90質量%が好ましく、50〜85質量%がより好ましい。
本発明のインクジェット用インクの製造には、公知のインクジェット用インクの製造方法を適用することが可能である。例えば、溶剤中に一般式(M)で表される色素化合物、又は、一般式(P)で表される繰り返し単位を含む色素化合物を溶解した後、インクジェット用インクに必要な各成分(例えば重合性化合物やバインダーなど)を溶解させてインクジェット用インクを調製することができる。
本発明のインクジェット用インクの物性値としては、インクジェットヘッドで吐出可能な範囲であれば特に限定されないが、吐出時における粘度は安定吐出の観点から、2〜30mPa・sであることが好ましく、2〜20mPa・sがより好ましい。また、装置で吐出する際には、インクジェット用インクの温度を20〜80℃の範囲でほぼ一定温度に保持することが好ましい。装置の温度を高温に設定すると、インクの粘度が低下し、より高粘度のインクを吐出可能となるが、温度が高くなることにより、熱によるインクの変性や熱重合反応がヘッド内で発生したり、インクを吐出するノズル表面で溶剤が蒸発したり、ノズル詰まりが起こりやすくなるため、装置の温度は20〜80℃の範囲が好ましい。
本発明のインクジェット用インクを用いてインクジェット法でカラーフィルタを製造する方法は特に限定されないが、例えば、特開2008−250188号公報の〔0114〕〜〔0128〕段落に記載の方法等を用いることができる。
本発明のカラーフィルタは、本発明の着色硬化性組成物を用いて形成された着色パターンを有するものであるが、さらに透明導電膜として、酸化インジウムスズ(ITO)層を有していてもよい。ITO層の形成方法としては、例えば、インライン低温スパッタ法や、インライン高温スパッタ法、バッチ式低温スパッタ法、バッチ式高温スパッタ法、真空蒸着法、およびプラズマCVD法などが挙げられ、特にカラーフィルタに対するダメージを少なくするため、低温スパッタ法が好ましく用いられる。
本発明のカラーフィルタを備えるカメラシステムは、色材の光褪色性の観点から、カメラレンズやIRカット膜がダイクロコートされたカバーガラス、マイクロレンズ等を備えており、その材料の光学特性は、400nm以下のUV光の一部または全部を吸収するものであることが望ましい。また、カメラシステムの構造としては、色剤の酸化褪色を抑止するため、カラーフィルタへの酸素透過性が低減されるような構造になっていることが好ましく、例えば、カメラシステムの一部または全体が窒素ガスで封止されていることが好ましい。
また、実施例1〜実施例6、実施例13〜実施例18、実施例22〜実施例27及び実施例31〜実施例36は、本発明の範囲外である。
<比較色素2及び例示化合物P5の合成>
下記の合成スキームに従い、以下に記載の方法で比較色素2及び例示化合物P5を合成した。
チオシアン酸ナトリウム120.5g(1.48モル)とメタノール280mLを加え、内温を55℃まで加温した。ここへ1−クロロピナコロン(a)200g(1.48モル)を30分間かけて滴下し、滴下終了後、内温55℃のまま2時間反応させた。反応終了後、内温を10℃まで冷却し、これに水250mLを加え、10℃で30分間撹拌し、結晶を濾別し中間体(b)の白色結晶を得た。収量218g(収率94%)。質量分析結果:(m/z)=158([M+1]+、100%)。
中間体(b)15.7g(0.10モル)、トルエン71mL、酢酸6.0g(0.10モル)を加え、内温80℃まで加温した。ここへ4−ヒドロキシピペリジン10.1gを分割添加し、滴下終了後から、内温80℃のまま3時間反応させた。反応終了後、内温を30℃まで冷却し、水50mL、酢酸エチル50mLを加えて、トルエン層を洗浄した。トルエン層から1N塩酸を用いて抽出し(50mL×2回)、抽出液を苛性ソーダで中和し、再度酢酸エチルで抽出した。抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥し、ロータリーエバポレータを用いて濃縮し、中間体(c)を主成分とする淡黄色液体を得た。質量分析結果:(m/z)=240(M+、100%)。
(ジアゾニウム塩の合成)
5−アミノ−4−シアノ−3−メチル−イソチアゾール11.1g(0.08モル)、リン酸100mLを加え、内温0℃まで冷却した。ここへ亜硝酸ナトリウム6.1g(0.09モル)を分割添加し、内温0℃〜5℃で1時間撹拌した。
(カップリング反応)
別のフラスコに先に得た淡黄色液体、メタノール300mLを加え、内温0℃まで冷却した。ここへ前述のようにして合成したジアゾニウム塩分散液を、内温20℃以下に保ちつつゆっくりと滴下し、滴下終了後から、内温0〜5℃で1時間、室温で1時間反応させた。反応終了後、水300mLを加え、室温で60分撹拌し、結晶を濾別し、温水およびアセトニトリルで洗浄し、中間体(d)の赤色結晶を得た。収量5.0g(収率13%)。質量分析結果:(m/z)=391([M+1]+、100%)。
中間体(d)4.8g(0.0122ミリモル)、無水メタクリル酸13.5g(0.144ミリモル)、ピリジン7.2mL、アセトニトリル20mL、酢酸エチル50mLを加え、室温で3日間反応させた。反応終了後、メタノール/水=1:2混合溶剤を200mL加え、得られた固体を濾別し、メタノール/水=1:2混合溶剤で洗浄した。次にメタノールで加熱溶解し、セライトろ過した後、ろ液をエバポレーターで濃縮した。得られた結晶を濾別し、比較色素2の結晶を得た。収量4.2g(収率74%)。質量分析結果:(m/z)459([M+1)+、100%)。比較色素2の酢酸エチル中の吸収スペクトルにおける吸収極大波長は520nmであった。
100mLの三ツ口フラスコに、上記で得られた比較色素2を4.0g(0.0087モル)、メタクリル酸1.00g(0.0116モル)、シクロヘキサノン11.7gを加え、窒素雰囲気下、内温を70℃まで昇温した。内温を70℃に保ったままV−601(商品名/和光純薬工業(株)製)141mgを2時間ごとに計3回添加した。反応終了後、反応液を内温90℃に昇温後、2時間撹拌して未反応のV−601を分解させた。反応液を放冷し、ヘキサン100mLで再沈殿し、例示化合物P5の赤色粉末を得た。収量4.20g(収率80%)。分子量分析結果(GPC):数平均分子量 Mn=22000、重量平均分子量 Mw=44000、分子量分布指数 Mw/Mn=2.0。例示化合物P5の酢酸エチル中の吸収スペクトルにおける吸収極大波長は519nmであった。
例示化合物2、13、15、24、28、31〜33、35〜37、42は上記合成例に準じた方法で合成した。
また、例示化合物2、13、15、24、28、31〜33、35〜37および42以外の例示化合物に関しても、化学的な見地から、上記合成例に準じた方法で合成することができる
例示化合物P2、P5、P10、P36、P39、P40、P47、P57、P77、P80およびP84は上記合成法に準じて合成した。また、例示化合物P2、P5、P10、P36、P39、P40、P47、P57、P77、P80およびP84以外のP1〜P100の例示化合物に関しても、化学的な見地から、上記合成例に準じた方法で合成することができる。
(1)レジスト溶液Aの調製(ネガ型)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 5.20部
・シクロヘキサノン 52.6部
・バインダー 30.5部
(メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル)共重合体(モル比=60:20:20)平均分子量30200(ポリスチレン換算)、41%シクロヘキサノン溶液
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 10.2部
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール) 0.006部
・フッ素系界面活性剤(商品名:F−475、DIC(株)製) 0.80部
・光重合開始剤:4−ベンズオキソラン−2,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン(TAZ−107 みどり化学(株)製) 0.58部
を混合して溶解し、レジスト溶液Aを調製した。
ガラス基板(コーニング1737)を0.5%NaOH水で超音波洗浄した後、水洗、脱水ベーク(200℃/20分)を行った。ついで上記(1)で得たレジスト溶液Aを洗浄したガラス基板上に乾燥後の膜厚が2μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、220℃で1時間加熱乾燥させて、下塗り層付ガラス基板を調製した。
・シクロヘキサノン 80部
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 14.0部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール 0.006部
・フッ素系界面活性剤(商品名:F−475、DIC(株)製) 0.80部
・光重合開始剤(TAZ−107 みどり化学(株)製) 2.0部
・例示化合物13 4.0部
を混合して溶解し、着色硬化性組成物(カラーレジスト用組成物)を調製した。
上記(3)で得られた着色硬化性組成物を、上記(2)で得た下塗り層付ガラス基板の下塗り層の上に乾燥後の膜厚が0.6μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、100℃で120秒間プリベークした。
次いで、露光装置UX3100−SR(ウシオ電機(株)製)を使用して、塗布膜に365nmの波長で線幅2μmのマスクを通して、200mJ/cm2の露光量で照射した。露光後、現像液CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を使用して、25℃40秒間の条件で現像した。その後、流水で30秒間リンスした後、スプレー乾燥した。その後、200℃で15分間ポストベークを行った。
以上のようにしてカラーフィルタを構成する赤色として好適なパターンが得られた。
また図1に、実施例1で作製したカラーフィルタの透過スペクトルを示す。
上記で調製した着色硬化性組成物の経時での保存安定性、及び、着色硬化性組成物を用いてガラス基板上に塗設された塗布膜の耐熱性、耐光性、耐溶剤性、パターン形状を下記のようにして評価した。評価結果は下記表5に示す。
着色硬化性組成物を室温で1ケ月保存した後、組成物中における異物の析出度合いを目視により下記判定基準に従って評価した。
−判定基準−
○:析出は認められなかった。
△:僅かに析出が認められた。
×:析出が認められた。
着色硬化性組成物が塗布されたガラス基板を、該基板面で接するように200℃のホットプレートに載置して1時間加熱した後、色度計MCPD−1000(大塚電子(株)製)にて、加熱前後での色差(ΔE*ab値)を測定して熱堅牢性を評価する指標とし、下記判定基準に従って評価した。ΔE*ab値は、値の小さい方が、耐熱性が良好なことを示す。なお、ΔE*ab値は、CIE1976(L*,a*,b*)空間表色系による以下の色差公式から求められる値である(日本色彩学会編 新編色彩科学ハンドブック(昭和60年)p.266)。
ΔE*ab={(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2}1/2
−判定基準−
○:ΔE*ab値<5
△:5≦ΔE*ab値≦15
×:ΔE*ab値>15
着色硬化性組成物が塗布されたガラス基板に366nm以下カットオフの紫外線カットフィルターを設置し、これに対しキセノンランプを10万luxで20時間照射(200万lux・h相当)した後、照射前後での色差(ΔE*ab値)を測定して耐光性を評価する指標とし、下記判定基準に従って評価した。
ΔE*ab値は、値の小さいほうが、耐光性が良好なことを示す。
−判定基準−
○:ΔE*ab値<5
△:5≦ΔE*ab値≦12
×:ΔE*ab値>12
上記(4)で得られたポストベーク後の塗膜の分光を測定した(分光A)。この塗膜に対し、この上に上記(1)で得られたレジスト溶液Aを膜厚1μmとなるように塗布しプリベークを行った後、CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)現像液を使用して23℃・120秒間の条件で現像を行い、再度分光を測定した(分光B)。この分光A、Bの差より色素残存率(%)を算出し、これを耐溶剤性を評価する指標とした。この数値は100%に近いほど耐溶剤性に優れていることを示す。
−判定基準−
○:染料残存率>90%
△:70%≦染料残存率≦90%
×:染料残存率<70%
上記(4)で得られたポストベーク後の塗膜の現像パターンを光学顕微鏡(オリンパス(株)製デジタルマイクロスコープRX−20)で観察し、精細なパターンが作成できているかを以下判定基準に従って評価した。
−判定基準−
○:精細なパターンが作製できている。
△:パターンは作製できているが、パターンの縁部が精細でない。
×:パターンが作製できない。
実施例1の(3)着色硬化性組成物の調製において、例示化合物13を表5に記載の色素(色素化合物)に変更(但し、等質量)した以外、実施例1と同様にしてパターンを形成し、更に同様の評価を行った。評価結果は下記表5に示す。
実施例1の(3)着色硬化性組成物の調製において、例示化合物13を下記比較色素1〜2(比較例1〜2)に変更したこと以外(但し等質量)、実施例1と同様にしてパターンを形成し、同様の評価を行った。評価結果は実施例の結果と共に下記表5に示す。
これに対し、比較例1の着色硬化性組成物を用いて形成されたパターンは、耐熱性、耐光性、耐溶剤性に劣り、またパターン形状も劣り縁部が精細でなかった。さらに、比較例1の着色硬化性組成物は保存安定性に劣るものであった。また比較例2の着色硬化性組成物を用いて形成されたパターンは、耐熱性が悪く、耐溶剤性が劣り、パターン形状も劣り縁部が精細でなかった。
表5に示すように、本発明(実施例1〜12)のうち、特に一般式(M)においてn=1以上で表される色素化合物を用いた実施例1及び4〜6は、保存安定性及び耐溶剤性が特に優れていた。また、本発明の特定色素化合物は、実施例で用いたシクロヘキサノンを含めさまざまな有機溶剤への溶解性(例えば、より安全性の高い乳酸エチルなど)が非常に高く、作業安全性の観点、作業負荷軽減にも効果的であった。
また一般式(P)で表される繰り返し単位を含む色素化合物を用いた実施例7〜12は、保存安定性、耐熱性、耐光性、耐溶剤性、パターン形状のすべてにおいて良好な結果であった。
実施例1〜9、および比較例1、2で用いた着色硬化性組成物を用いてカラーフィルタを以下の手順で作成し、実施例13〜21、および比較例3、4として色移り評価を実施した。
また、現像工程後の紫外線照射工程を施さずにカラーフィルタを作製し、実施例22〜30、および比較例5、6を実施し、色移り評価を実施した。
得られた結果を、表6に示す。
実施例1において作製した(2)下塗り層付ガラス基板上に、実施例1〜9、および比較例1、2で用いた着色硬化性組成物を用いて、乾燥膜厚が1μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、100℃で120秒間プリベークし、着色膜を形成した。この着色膜に対して、7.0μmの正方ピクセルがそれぞれ基板上の4mm×3mmの領域に配列されたマスクパターンを介してi線ステッパー(キャノン(株)製のFPA−3000i5+)により、200[mJ/cm2]の露光量、照度1200mW/cm2(積分照射照度)で露光した。露光後、現像液(商品名:CD−2000、60%、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を用いて23℃で60秒間、パドル現像し、パターンを形成した。次いで、流水で20秒間リンスした後、スプレー乾燥させた。その後、現像工程後の紫外線照射工程として、パターンが形成されたガラス基板全体に、高圧水銀灯(ウシオ電機(株)UMA−802−HC552FFAL)を用いて10000[mJ/cm2]の紫外線を照射した。照射後、220℃で300秒間、ホットプレートでポストベーク処理し、ガラス基板上に着色パターンを形成した。なお、高圧水銀灯からの照射光に含まれる275nm以下の波長光は、10%である。
以上のようにして、実施例13〜21、比較例3、4の単色カラーフィルタを作製した。また、現像工程後の紫外線照射を施さずに実施例22〜30、および比較例5、6の単色カラーフィルタを作製した。
上記のようにして作製したカラーフィルタの着色パターン形成面に、乾燥膜厚が1μmとなるようにCT−2000L溶液(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製;下地透明剤)を塗布し、乾燥させて、透明膜を形成した後、200℃で5分間加熱処理を行なった。加熱終了後、着色パターンに隣接する透明膜の吸光度を顕微分光測定装置(大塚電子(株)製 LCF−1500M)にて測定した。得られた透明膜の吸光度の値の、同様に加熱前に測定した着色パターンの吸光度に対する割合[%]を算出し、色移りを評価する指標とした。
−判定基準−
隣接ピクセルへの色移り(%)
◎:隣接ピクセルへの色移り<1%
○:1%≦隣接ピクセルへの色移り≦10%
△:10%<隣接ピクセルへの色移り≦30%
×:隣接ピクセルへの色移り>30%
−固体撮像素子用カラーフィルタの作製−
(下塗り層付シリコンウエハ基板の作製)
6インチシリコンウエハをオーブン中で200℃のもと30分加熱処理した。次いで、このシリコンウエハ上に、実施例1の(1)で調整したレジスト溶液Aを、乾燥膜厚1.0μmとなるように塗布し、更に220℃のオーブン中で1時間乾燥させて下塗り層を形成し、下塗り層付きシリコンウエハ基板を得た。
得られた下塗り層付きシリコンウエハ基板の下塗り層上に、実施例1〜9で用いた各着色硬化性組成物を、各々の塗布膜の乾燥膜厚が0.8μmになるように塗布し、光硬化性の塗布膜を形成した。そして、100℃のホットプレートを用いて120秒間加熱処理(プリベーク)を行った。次いで、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を使用して365nmの波長でパターンが1.2μm四方のアイランドパターンマスクを通して100〜2500mJ/cm2の範囲で露光量を100mJ/cm2ずつ変化させて照射した。その後、照射された塗布膜が形成されているシリコンウエハ基板をスピン・シャワー現像機(DW−30型;(株)ケミトロニクス製)の水平回転テーブル上に載置し、60%CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を用いて23℃で60秒間パドル現像を行ない、シリコンウエハ基板に着色パターンを形成した。
実施例1〜9で用いた各着色硬化性組成物を用いて、得られたそれぞれのパターン画像は、正方形で、且つ断面の形状が矩形であった。固体撮像素子用に好適で、良好なプロファイルを示していた。
次に、インクジェット法によるカラーフィルタの作製を行った。まず、隔壁を設けた基板の作製の準備として、隔壁形成用組成物(K1)に用いるカーボンブラックを分散した顔料分散液Kを下記の組成で調製した。
・カーボンブラック(デグッサ社製 Nipex35) 13.1%
・分散剤(下記構造の化合物B1) 0.65%
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.7万) 6.72%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53%
隔壁形成用組成物(K1)の組成を表7に示す。
顔料分散物K、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌し、さらに攪拌しながら、メチルエチルケトン、バインダー2、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスジエトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン、界面活性剤1を、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpmで30分間攪拌することによって得た。なお、表中の「量」は質量部を意味する。
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比のランダム共重合物、分子量3.8万) 27%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73%
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQ 500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA) 76%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24%
・下記構造物1 30%
・メチルエチルケトン 70%
無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。基板を120℃3分熱処理して表面状態を安定化させた。
基板を冷却し23℃に温調後、スリット状ノズルを有すガラス基板用コーター(エフ・エー・エス・アジア社製、商品名:MH−1600)にて、上述の隔壁形成用組成物K1を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置、東京応化工業社製)で30秒間、溶剤の一部を乾燥して塗布層の流動性を無くした後、120℃で3分間プリベークして膜厚2.3μmの隔壁形成層を有する基板を得た。
次いで、超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)で、基板とマスクを垂直に立てた状態で、露光マスク面と隔壁形成層との間の距離を200μmに設定し、窒素雰囲気下、露光量300mJ/cm2で隔壁幅20μm、スペース幅100μmにパターン露光した。
隔壁を形成した基板に、カソードカップリング方式平行平板型プラズマ処理装置を用いて、以下の条件にて撥インク化プラズマ処理を行った。
使用ガス :CF4
ガス流量 :80sccm
圧力 :40Pa
RFパワー:50W
処理時間 :30sec
表8に記載の成分を混合し、1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmの富士フイルム(株)社製ミクロフィルターで減圧濾過して本発明の赤色用インク液(インクR−1、およびインクR−2)を調製した。
・色素:一般式(P)で表される繰り返し単位を含む色素化合物の例示化合物P80
・重合性化合物(日本化薬社製(KAYARAD DPCA−60)):カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
・KF−353(信越シリコーン社製):ポリエーテル変性シリコーンオイル
・重合開始剤:アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、和光純薬社製V−40
得られたインクを25℃に調温したまま、東機産業(株)製E型粘度計(RE−80L)を用いて以下の条件で粘度を測定した。
(測定条件)
・使用ロータ:1° 34’×R24
・測定時間 :2分間
・測定温度 :25℃
SURFACE TENSIOMETER CBVB−A3)を用いて表面張力を測定した。
バックライトユニットとして冷陰極管光源(図2に示す波長スペクトル分布の光を射出する光源)に拡散板を設置したものを用い、2枚の偏光板(ルケオ製 POLAX−15N)の間に単色基板を設置し、偏光板をパラレルニコルに設置したときに通過する光の色度のY値を、クロスニコルに設置したときに通過する光の色度のY値で割ることでコントラストを求めた。色度の測定には色彩輝度計((株)トプコン製BM−5A)を用いた。
色彩輝度計の測定角は1°に設定し、サンプル上の視野φ5mmで測定した。バックライトの光量は、サンプルを設置しない状態で、2枚の偏光板をパラレルニコルに設置したときの輝度が400cd/m2になるように設定した。
上記で得た単色基板(2種類)のコントラストを測定したところ、いずれの単色基板でも50000以上の値を得た。
次に、上記で得た単色基板上にスパッタ装置を用い、膜面温度200℃にて15分間、ITO(酸化インジウムスズ)をスパッタして、膜厚1500ÅのITO膜を形成し、ITO付きのカラーフィルタ基板を作製した。
ITOスパッタ前後において、紫外可視吸収分光装置(日本分光製V−570)を用いて、400nm〜700nmの波長範囲における分光透過率曲線を得た。スパッタ前後での、最大ピークにおける分光透過率変化量が小さい場合、耐熱性がよいことを意味する。作成した基板においてITOスパッタ前後においてスペクトル形状はほとんど変化しておらず、高い耐熱性を有することがわかった。
(顔料分散液の調製)
顔料C.I.ピグメント・レッド177(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:Cromophtal Red A2B)17.5部、顔料分散剤(前記化合物B1)2.5部、および溶剤(1,3−ブタンジオールジアセテート)(以下1,3−BGDAと略す)80部で配合し、プレミキシングの後、モーターミルM−50(アイガー・ジャパン社製)で、直径0.65mmのジルコニアビーズを充填率80%で用い、周速9m/sで25時間分散し、R用顔料分散液(R−177)を調製した。
比較例7、および8として、上記の顔料分散液(R−177)、および(R−254)をそれぞれ用いて、表9に記載の組成で比較インクR−3、およびR−4を調製した。なお、使用した材料は、以下の通りである。
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(MMPGACと略記)
・重合性化合物:日本化薬社製 KAYARAD DPS100
・重合性化合物:日本化薬社製 KAYARAD TMPTA
・界面活性剤:前記の界面活性剤1
・重合開始剤:アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(和光純薬社製)V−40
上記で調製されたインクR−1〜R−4を用いて、上記で得られた基板上の隔壁で区分された領域内(凸部で囲まれた凹部)に、富士フイルムDimatix製インクジェットプリンターDMP−2831を用い、吐出を行い、その後、100℃オーブン中で2分間加熱を行った。次に、220℃のオーブン中で30分間静置することにより、単色のカラーフィルタを作製した。
上記で調製された各インクを50℃の恒温室に保管し、30日後の粘度を測定し、インク調製直後の値との差(%)[(30日後の粘度−調製直後の粘度)/調製直後の粘度]により評価を行った。評価基準は以下の様に分類した。
◎:インク調製直後の粘度との差が10%未満
○:インク調製直後の粘度との差が10%以上20%未満
△:インク調製直後の粘度との差が20%以上30%未満
×:インク調製直後の粘度との差が30%以上
上記で調製された各インクを用いて、吐出安定性の評価を行った。評価方法は、富士フイルムDimatix社製インクジェットプリンターDMP−2831、打滴量10pLのヘッドカートリッジ、打滴周波数10kHzで行い、30分間連続吐出をした際の状態を観察した。評価基準は以下の様に分類した。
◎:問題なく連続吐出が可能。
○:吐出中に、少々不吐出、吐出乱れなど観察されるが、吐出中に復帰し、概ね問題の無い状態。
△:吐出中に不吐出、吐出乱れが生じ、吐出中に復帰しないが、メンテナンスによって正常な状態に復帰する状態。
×:吐出中に不吐出、吐出乱れが生じ、正常に吐出ができず、メンテナンスによっても吐出が復帰しない状態。
メンテナンスは、DMP−2831によるパージ(ヘッド内インクを加圧してノズルからインクを強制的に吐き出す)、ブロット(ヘッドノズル面をクリーニングパッドに僅かに接触させて、ノズル面のインクを吸い取る)を実施した。
上記で調製された各インクを用いて、吐出安定性の評価を行った。評価方法は連続吐出安定性評価同様に、富士フイルムDimatix製インクジェットプリンターDMP−2831、打滴量10pLのヘッドカートリッジを用い、打滴周波数10kHzで一度5分間の吐出を行い、24時間の休止後、再び同条件で吐出を開始した際の状態を観察した。評価基準は以下の様に分類した。
◎:打滴指示と同時に問題なく吐出が可能。
○:打滴指示直後は少々不吐出、吐出乱れなど観察されるが、吐出中に復帰し、概ね問題の無い状態。
△:不吐出、吐出乱れが生じ、吐出中に復帰しないが、メンテナンスによって正常な状態に復帰する状態。
×:不吐出、吐出乱れが生じ、正常に吐出ができず、メンテナンスによっても吐出が正常なレベルまで復帰しない状態。
メンテナンスは、DMP−2831によるパージ(ヘッド内インクを加圧してノズルからインクを強制的に吐き出す)、ブロット(ヘッドノズル面をクリーニングパッドに僅かに接触させて、ノズル面のインクを吸い取る)を実施した。
上記で作製した各カラーフィルタを、230℃に加熱したオーブン内に入れ、1時間放置した後、色相を測定した。色相の測定は、UV−560(日本分光社製)を用い、評価前後のΔE*abが5未満を○とした。ΔE*abが5以上15未満を△とし、ΔE*abが15以上を×とした。ΔE*abの評価方法は、上記と同様である。
上記で作製した各カラーフィルタを、評価を行う薬品(N−メチルピロリドン、2−プロパノール、5%硫酸水溶液、5%水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)水溶液)中に20分間浸し、その前後の色相を測定した。色相の測定は、UV−560(日本分光社製)を用い、ΔE*abが5未満を○とした。ΔE*abが5以上15未満を△とし、ΔE*abが15以上を×とした。ΔE*abの評価方法は、上記と同様である。
一方、顔料を用いたインクを使用した比較例7、および8は、休止後の吐出安定性が劣り、また連続吐出の安定性にも不足しており、実用性を欠いていた。
Claims (10)
- 下記一般式(P)で表される繰り返し単位を含む色素化合物、及びその互変異性体からなる群より選択される少なくとも1種と、重合性化合物と、を含有する着色硬化性組成物。
(一般式(P)中、RP1、RP2、及びRP3は各々独立に、水素原子、または1価の置換基を表し、Dは下記一般式(1)から水素原子を1つ取り除いた残基を表す。)
(一般式(1)中、R1、R2、R3、R4、及びR5は、各々独立に水素原子、又は1価の置換基を表す。R1とR2、及びR4とR5は、各々独立に互いに結合して環を形成していてもよい。) - 重合開始剤をさらに含有する請求項1に記載の着色硬化性組成物。
- フォトリソ法による着色パターン形成に用いられる請求項1又は請求項2に記載の着色硬化性組成物。
- インクジェット法による着色パターン形成に用いられる請求項1又は請求項2に記載の着色硬化性組成物。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物を用いて形成された着色パターンを有するカラーフィルタ。
- 請求項3に記載の着色硬化性組成物を支持体上に塗布して着色層を形成する工程と、該着色層をパターン露光する工程と、前記パターン露光後に現像により着色パターンを形成する工程と、を含むカラーフィルタの製造方法。
- 請求項5に記載のカラーフィルタを備える固体撮像素子。
- 請求項5に記載のカラーフィルタを備える画像表示デバイス。
- 下記一般式(P)で表される繰り返し単位を含む色素化合物、及びその互変異性体。
(一般式(P)中、RP1、RP2、及びRP3は各々独立に、水素原子、または1価の置換基を表し、Dは下記一般式(1)から水素原子を1つ取り除いた残基を表す。)
(一般式(1)中、R1、R2、R3、R4、及びR5は、各々独立に水素原子、又は1価の置換基を表す。R1とR2、及びR4とR5は、各々独立に互いに結合して環を形成していてもよい。) - 更に酸基を含み、酸価が、25mgKOH/g〜200mgKOH/gである請求項9に記載の色素化合物、及びその互変異性体。
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