JP5591504B2 - エレベータ - Google Patents
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Description
また、乗りかごの走行中に何らかの異常が発生して非常制動を掛ける場合においても、乗客の安全を確保するため、制動時の減速度は一定値以内とする必要がある。
これらの条件を同時に満足するためには、制動装置の静的な保持トルク特性と、動的な制動トルク特性とが一定の範囲値内になるように管理する必要がある。
(第1の実施形態)
次に、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態におけるエレベータの構成例を示す図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態におけるエレベータは、2:1シングルラップによるローピングを用い、乗りかご6は、メインロープ10に巻き掛けられた、かご上シーブ7,7aに吊り下げられる。メインロープ10は、かご上シーブ7,7a、メインシーブ5を介して、つり合いおもりシーブ9に巻き掛けられる。つり合いおもり8はつり合いおもりシーブ9に吊り下げられる。
また、乗りかご6の床面には、乗りかごの加速度もしくは減速度を検出するための加速度検出装置13が取り付けられる。
制動装置制御装置16は、機械室などに設けられる第1制動装置2および第2制動装置3の動作を制御する。この制御は、エレベータ制御装置11による走行制御とは異なる制御である。
ここでは、第1制動装置2及び第2制動装置3のうち第1制動装置2の構成について説明するが、第2制動装置3の構成についても同様である。
図2に示すように、第1制動装置2は、電磁式のプランジャーであるアーマチュア2a、電磁コイル2b、パット2c、コイルバネ2dおよび外枠2eを有する。パット2cおよびコイルバネ2dは第1制動装置2について2つずつ設けられる。
外枠2eの内側面には電磁コイル2bが固定される。電磁コイル2bには、2つのコイルバネ2dを介してアーマチュア2aが取り付けられる。電磁コイル2bからみたアーマチュア2aの先端部分の表面には1つ目のパット2cが取り付けられる。また、外枠2eの内側面に取り付けられた2つ目のパット2cは、その取り付け部分の面の反対の面が1つ目のパット2cの先端部分の表面と向かい合うように固定される。
よって、第1制動装置2及び第2制動装置3により発生させる動的な制動トルクは一定範囲内にある必要がある。
図3に示すように、エレベータ制御装置11は、乗りかご減速度検出部31、乗りかご走行速度検出部32、乗りかご走行距離検出部33、巻上機回転速度検出部34、ロープスリップ判定部35、減速度判定部36、走行速度判定部37を有する。
図4は、本発明の第1の実施形態におけるエレベータのブレーキ制御の一例を示すフローチャートである。
まず、エレベータ制御装置11は、乗りかご6が停止中であるか否かを検出する(ステップS1)。
乗りかご6が停止中である事をエレベータ制御装置11が検出している場合には(ステップS1のYES)、制動装置制御装置16は、この検出にともない、第1制動装置2と第2制動装置3とを同時に釈放状態として保持トルクを発生させる(ステップS2)。
エレベータ制御装置11の減速度判定部36は、乗りかご減速度検出部31により検出した減速度が一定値以上であるか否かを判定する(ステップS7)。
この減速度が一定値以上でないと減速度判定部36が判定した場合には(ステップS7のNO)、エレベータ制御装置11の乗りかご走行距離検出部33は、調速器14に取り付けた調速器用パルスエンコーダ15による検出結果をもとに、減速中の乗りかご6の走行距離であるメインロープ10の送り量を検出する(ステップS8)。
ロープスリップ判定部35は、これらの差分が一定値以上でない場合にはメインシーブ5とメインロープ10との間のすべりが発生していないと判定(ステップS9のNO)、ステップS6の処理に戻る。
すると、制動装置制御装置16は、第1制動装置2ないし第2制動装置3のいずれか一方を開放状態として制動トルクを緩和する(ステップS10)。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態におけるエレベータの構成は図1に示したものと基本的にほぼ同様であるので、図示および詳細な説明は省略する。
本実施形態では、巻上機1の駆動軸1aに複数枚のディスクを具備し、これらのディスクのそれぞれに、制動装置を1対1で設け、複数台の制動装置により制動力を当該制動装置に対応するディスクに作用する構成を有し、乗りかご6の非常制動時の制動トルクを可変とすることで適切な制動力を作用させることを特徴とする。
図5に示すように、本発明の第2の実施形態におけるエレベータの巻上機1の制動装置は、第1の実施形態と異なり、乗りかご6の昇降動作の制動のためのディスクは、第1制動装置2用のディスク4と、第2制動装置3用のディスク4aとがそれぞれ設けられる。
一方、第2制動装置3が作用するディスク4aは、駆動軸1aとの間に過負荷保護装置17を介して取り付けられる。制動装置制御装置16は、過負荷保護装置17の機能を有効ないし無効な状態に制御する機能を有する。過負荷保護装置17の機能が無効な状態とされた場合には、ディスク4aは駆動軸1aに完全に固定されている状態とみなすことができる。
本実施形態における過負荷保護装置17の機能は、一般に粘性流体を用いたカップリングを利用したトルクリミッタと類似の機能を有するものである。
まず、エレベータ制御装置11は、乗りかご6が停止中であるか否かを検出する(ステップS21)。
乗りかご6が停止中である事をエレベータ制御装置11が検出している場合には(ステップS21のYES)、この検出にともない、エレベータ制御装置11は、過負荷保護装置17の機能を無効とする(ステップS22)。そして、制動装置制御装置16は、第1制動装置2と第2制動装置3とを同時に釈放状態として保持トルクを発生させ(ステップS23)、ステップS21の処理に戻る。
Claims (3)
- シーブに巻き掛けられてロープを介してカウンタウエイトに連結されて吊り下げられる乗りかごと、
巻上機を機械的に制動動作する複数の制動装置と、
前記乗りかごの静止時は、前記複数の制動装置のいずれも釈放状態とすることで、当該乗りかごと前記カウンタウエイトとのアンバランストルクを保持するための保持トルクを発生させ、
前記乗りかごの非常停止制御中で、前記乗りかごの減速度が一定値以上である場合は、前記複数の制動装置の一部を開放状態とすることで前記制動装置による制動力を緩和させ、当該非常停止制御中で、前記乗りかごの減速度が一定値以下であり、かつ、前記巻上機の回転速度と前記ロープの送り量とに基づいて前記シーブと前記ロープとの間のすべりが発生していると判定された場合は、前記複数の制動装置の一部を開放状態とすることで前記制動装置による制動力を緩和させ、当該非常停止制御中で、前記乗りかごの走行速度が一定値以上である場合には、前記開放状態とした制動装置を釈放状態とすることで前記制動装置による制動力を増加させる制動装置制御手段と
を備えたことを特徴とするエレベータ。 - 前記制動装置制御手段は、
乗りかごの走行を制御する主制御装置による制御と独立して前記複数の制動装置のいずれかを釈放状態もしくは開放状態とする
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。 - 前記乗りかごの減速度の一定値は、非常停止制御中の乗りかご内の乗客への衝撃が顕著となる値であることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載のエレベータ。
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