JP5591373B2 - タービン用翼およびその冷却方法 - Google Patents

タービン用翼およびその冷却方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガスタービンや蒸気タービン等に適用されるタービン用翼(動翼・静翼)、特に、ガスタービンのタービン部後方段に設置される翼高さの高いタービン用翼およびその冷却方法に関するものである。
さて、ガスタービン翼列の後段側に設置される長大化されたガスタービン動翼としては、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。
特開平9−53407号公報
そして、このような長大化されたガスタービン動翼には、高温化に伴う強度低下を回避するため、その内部にマルチホール(複数の第1冷却通路)が翼軸方向に沿って穿設されている。
しかしながら、これらマルチホールは、その内部を通過する冷却空気(冷却媒体)の流速をたてて必要な熱伝達率を確保させるため圧損が大きく、翼根部に高い供給圧をたてる必要がある。
一方、一般には、ガスタービン動翼の冷却空気の供給源としては圧縮機からの抽気空気が用いられるが、冷却空気の供給圧を高くするためには、冷却空気の供給源を圧縮機の後方段(高圧側)からとる必要があり、それだけ余分な動力を消費することから、ガスタービンの性能が低下してしまうといった問題点があった。また、冷却空気の供給圧が高いことから、翼根部に形成された空洞からのシール洩れ空気量が大きくなり、ガスタービンの性能が低下してしまうといった問題点があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、翼根部に供給される冷却媒体の供給圧を低減させることができ、翼根部に形成された空洞からのシール洩れ空気量を低減させることができて、ガスタービンの性能を向上させることができるタービン用翼およびその冷却方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明に係るタービン用翼は、内部に複数の第1冷却通路が翼軸方向に沿って穿設されたタービン用翼であって、前記タービン用翼の先端には、シュラウドが前記タービン用翼と一体に形成され、前記シュラウドの内部には、プラグが上面側より挿入されて、前記シュラウドの内部に、前記第1冷却通路の軸方向視で該第1冷却通路の通路面積よりも大きい開口面積を有する空間が形成されるようにキャビティ形成されており、前記キャビティには、前記複数の第1冷却通路がそれぞれ連通し、前記第1冷却通路の出口側の端部で、翼端に向かって、かつ、前記キャビティに向かって末広がりとなるように形成された第1のテーパ部が形成されている。
本発明に係るタービン用翼によれば、第1冷却通路の先端部に第1のテーパ部が形成されており、これにより第1冷却通路を通過する冷却媒体の圧損が低減されることとなるので、翼根部に供給される冷却媒体の供給圧を低減させることができる。
また、冷却媒体の供給圧を低減できることから、冷却媒体の供給源を圧縮機のより前方段側(低圧側)に移すことが可能となり、冷却媒体を昇圧するための圧縮機の動力を低減することができ、ガスタービンの性能を向上させることができる。
また、翼根部に供給される冷却媒体の供給圧が低減されることにより、翼根部に形成された空洞からのシール洩れ空気量を低減させることができる。
さらに、第1冷却通路の先端部に第1のテーパ部が形成されることにより、先端部の重量が軽減されることとなるので、翼根部に加わる遠心力を減少させることができる。
さらにまた、第1冷却通路の先端部に第1のテーパ部が形成されることにより、第1冷却通路を通って第1のテーパ部に到達したゴミ等の異物は、第1冷却通路から流出していくこととなるので、第1冷却通路の先端部におけるゴミ詰まりを防止することができ、冷却性能の低下を防止することができる。
なお、前記プラグの平面寸法は、前記キャビティの開口寸法よりも大きいことが好ましい。
上記タービン用翼において、翼端に、前記第1のテーパ部を通過し前記キャビティに流入し、前記キャビティから冷却媒体を周囲に流出させる複数の第2冷却通路を有するシュラウドが設けられているとさらに好適である。
上記タービン用翼において、前記第2冷却通路の出口側の端部に、前記シュラウドの端面に向かって末広がりとなるように形成された第2のテーパ部が形成されているとさらに好適である。
このようなタービン用翼によれば、第2冷却通路の先端部に第2のテーパ部が形成されており、これにより第2冷却通路を通過する冷却媒体の圧損が低減されることとなるので、翼根部に供給される冷却媒体の供給圧をさらに低減させることができる。
また、冷却媒体の供給圧を低減できることから、冷却媒体の供給源を圧縮機のより前方段側(低圧側)に移すことが可能となり、冷却媒体を昇圧するための圧縮機の動力を低減することができ、ガスタービンの性能を向上させることができる。
また、翼根部に供給される冷却媒体の供給圧が低減されることにより、翼根部に形成された空洞からのシール洩れ空気量を低減させることができる。
さらに、第2冷却通路の先端部に第2のテーパ部が形成されることにより、先端部の重量がさらに軽減されることとなるので、翼根部に加わる遠心力をさらに減少させることができる。
さらにまた、第2冷却通路の先端部に第2のテーパ部が形成されることにより、第2冷却通路を通って第2のテーパ部に到達したゴミ等の異物は、外部に排出されることとなるので、第2冷却通路の先端部におけるゴミ詰まりを防止することができ、冷却性能の低下を防止することができる。
上記タービン用翼において、前記第1冷却通路の出口側の端部における圧損係数が1.0であるとさらに好適である。
上記タービン用翼において、前記第1のテーパ部は電解加工またはドリル加工によって施工されているとさらに好適である。
上記タービン用翼において、前記タービン用翼の先端部と前記シュラウドの本体とを接続する領域に前記テーパ部が形成されているとさらに好適である。
上記タービン用翼において、前記第1冷却通路は、マルチホール、サーペンタイン冷却通路およびピンフィン冷却構造からなる群より選ばれた一つの冷却構造であるとさらに好適である。
本発明に係るガスタービンは、上記タービン用翼のいずれかを具備していることとなるので、ガスタービンの性能を向上させることができる。
本発明に係るタービン用翼の冷却方法は、内部に複数の第1冷却通路が翼軸方向に沿って穿設され、前記タービン用翼の先端には、シュラウドが前記タービン用翼と一体に形成され、前記シュラウドの内部には、プラグが上面側より挿入されて、前記シュラウドの内部に、前記第1冷却通路の軸方向視で該第1冷却通路の通路面積よりも大きい開口面積を有する空間が形成されるようにキャビティ形成されており、前記キャビティには、前記複数の第1冷却通路がそれぞれ連通するタービン用翼において、前記第1冷却通路に冷却空気を流す工程と、前記第1冷却通路の出口の端部で、翼端に向かって、かつ、前記キャビティに向かって末広がりとなるよう第1のテーパ部に冷却空気を流す工程と、前記第1のテーパ部から、前記キャビティに冷却空気を流す工程と、を含み、前記第1冷却通路の出口のテーパ部における出口圧損を低減するものである。
本発明に係るタービン用翼の冷却方法によれば、冷却通路の先端部にテーパ部が形成されており、これにより冷却通路を通過する冷却媒体の圧損が低減されることとなるので、翼根部に供給される冷却媒体の供給圧を低減させることができる。
また、翼根部に供給される冷却媒体の供給圧が低減されることにより、翼根部に形成された空洞からのシール洩れ空気量を低減させることができる。
さらに、冷却通路の先端部にテーパ部が形成されることにより、先端部の重量が軽減されることとなるので、翼根部に加わる遠心力を減少させることができる。
さらにまた、冷却通路の先端部にテーパ部が形成されることにより、冷却通路を通ってテーパ部に到達したゴミ等の異物は、外部に排出されることとなるので、冷却通路の先端部におけるゴミ詰まりを防止することができ、冷却性能の低下を防止することができる。
本発明によれば、翼根部に供給される冷却媒体の供給圧を低減させることができ、これによって、冷却空気の供給源を圧縮機のより低圧側に移すことができることから、圧縮機の動力を低減することができ、ガスタービンの性能を向上させることができるという効果を奏する。また、翼根部に形成された空洞からのシール洩れ空気量を低減させることができて、ガスタービンの性能を向上させることができるという効果を奏する。
本発明の第1実施形態に係るタービン用翼の縦断面図である。 図1のA−A矢視断面図である。 図1のB−B矢視断面図である。 図3のC−C矢視断面図である。 本発明に係るタービン用翼の作用効果を説明するための図であって、(a)は従来のマルチホールに生じる圧損を説明するための図、(b)は本実施形態に係るマルチホールに生じる圧損を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係るタービン用翼の図であって、図4と同様の図である。
以下、本発明の第1実施形態に係るタービン用翼について、図1から図4を参照しながら説明する。
図1は本実施形態に係るタービン用翼の縦断面図、図2は図1のA−A矢視断面図、図3は図1のB−B矢視断面図、図4は図3のC−C矢視断面図、図5は本実施形態に係るタービン用翼の作用効果を説明するための図であって、(a)は従来のマルチホールに生じる圧損を説明するための図、(b)は本実施形態に係るマルチホールに生じる圧損を説明するための図である。
本実施形態に係るタービン用翼1は、例えば、燃焼用空気を圧縮する圧縮部(図示せず)と、この圧縮部から送られてきた高圧空気中に燃料を噴射して燃焼させ、高温燃焼ガスを発生させる燃焼部(図示せず)と、この燃焼部の下流側に位置し、燃焼部を出た燃焼ガスにより駆動されるタービン部(図示せず)とを主たる要素として構成されたガスタービンの、タービン部後方段に設置される翼高さの高い長大化されたタービン動翼に適用され得るものである。
図において、符号2はその先端のシュラウド、符号3はシュラウド2に設けられたフィンである。また、符号4はタービン用翼(以下「タービン動翼」という。)1の内部に穿設されたマルチホール(複数の第1冷却通路)、符号5はタービン動翼1の内壁に設けられたピンフィン、符号6は空胴7を支持するリブであり、符号8はハブ部、符号9は翼根部である。
図3に示すように、シュラウド2の内部には、2つのキャビティ10,11が独立して形成されており、キャビティ10,11にはそれぞれ、図4に示すように、プラグ(キャップ)12が上面側より挿入されて、シュラウド2の内部に空間が形成されるようになっている。そして、キャビティ10,11には、マルチホール4がそれぞれ連通し、後述する冷却空気(冷却媒体)13が供給されるようになっている。なお、冷却空気13は圧縮部からの抽気空気を供給源としている(図示せず)。また、キャビティ10,11にはそれぞれ、対向する両側に向かって複数の冷却通路(第2冷却通路)14が連通しており、冷却通路14はそれぞれシュラウド2の両端面で開口し、これら開口から冷却空気13が流出されるようになっている。
冷却空気13は、図1において実線矢印で示すように、翼根部9より空胴7に流入し、ピンフィン5により熱伝達率を向上させて基部を冷却してマルチホール4を流れて先端部へ導かれる。先端部に導かれた冷却空気13は、シュラウド2のキャビティ10,11に流入し、キャビティ10,11から各冷却通路14を通り、シュラウド22の両端面に形成された開口から流出して、シュラウド2の全体を冷却する。
また、タービン動翼1の先端には、インテグラル状をなすシュラウド2がタービン動翼1と一体に形成されている。シュラウド2は、タービン動翼1の先端から漏洩するガスを減少させるとともに、シュラウド2の端面を隣接するシュラウド2の端面に圧接させて一連のグループ翼を形成することにより、タービン動翼1の耐振動強度を向上させている。タービン動翼1には、回転軸方向と円周方向との2方向の振動が発生するが、シュラウド2の端面を図3に示すように斜めに形成することにより、両方向の振動が抑制される。また、シュラウド2には、タービン動翼1の先端部から漏洩するガスを減少させるためとケーシング側との接触を防止するため、一体鋳造や削り出し等により形成されたフィン3が設けられている。
さて、本実施形態に係るタービン動翼1は、図4に示すようなマルチホール4、すなわち、先端部(出口側の端部:出口部)にテーパ部(第1のテーパ部)15を有するマルチホール4を備えている。テーパ部15は、キャビティ10(またはキャビティ11)に向かって(その入口端からその出口端に向かって)末広がりとなるように(徐々に拡径するように)形成された円錐台形状を呈する部分であり、電解加工やドリル加工等によって施工される。また、テーパ部15のテーパ角(マルチホール4の中心軸線C1とテーパ部15の内壁面16とのなす角)αは、5°〜10°に設定されている。
図5(a)はテーパ部15を有していない従来のマルチホール4Aを示しており、図5(b)はテーパ部15を有する、本実施形態に係るマルチホール4を示している。
ここで、マルチホール4Aの入口端、出口端、マルチホール4の入口端、およびテーパ部15の入口端における断面積をA1、テーパ部15の出口端における断面積をA2、マルチホール4Aおよびマルチホール4の入口端における冷却空気13の流速をV0、マルチホール4Aの出口端およびテーパ部15の入口端における冷却空気13の流速をV1、テーパ部15の出口端における冷却空気13の流速をV2とする。
また、マルチホール4A,4の中間部における冷却空気13の流速をVmidとし、マルチホール4A,4の入口端における冷却空気13の密度をγ0、マルチホール4Aの出口端およびテーパ部15の入口端における冷却空気13の密度をγ1、マルチホール4A,4の中間部における冷却空気13の密度をγmidとする。
さらに、ζinは、マルチホール4A,4の入口端における圧損係数であり、ζoutは、マルチホール4A,4の出口端における圧損係数であり、1.0である。ζmidは、マルチホール4A,4の管摩擦圧損係数である。
これより、マルチホール4A,4の全体の圧力損失(入口圧損+管摩擦圧損+出口圧損)をそれぞれΔPA、ΔPとすると、近似的に次の[数1]および[数2]で表すことができる。
Figure 0005591373
Figure 0005591373
ここで、gは重力加速度である。これより、ΔPA、ΔPとの差Δpは出口圧損の差のみとなり、次の[数3]で表される。
Figure 0005591373
また、流量が同じであれば、流速と断面積の関係は次の[数4]のように表される。
Figure 0005591373
[数4]を用いて[数3]を書き直し、ζout=1.0とすると、Δpは次の[数5]のように表される。
Figure 0005591373
これより、A1<A2であることから、Δp>0となり、マルチホール4の圧力損失係数はマルチホール4Aの圧力損失より小さいことがわかる。その結果、Δpだけマルチホール4の入口端における冷却空気13の供給圧力を低減させることができるようになる。
本実施形態に係るタービン動翼1によれば、マルチホール4の先端部にテーパ部15が形成されており、これによりマルチホール4を通過する冷却空気13の圧損が低減されることとなるので、翼根部9に供給される冷却空気13の供給圧を低減させることができ、ガスタービンの性能を向上させることができる。
また、冷却空気13の供給圧を低減できることから、冷却媒体の供給源を圧縮部のより低圧側に移すことが可能となり、冷却空気13を昇圧するための圧縮部の動力を低減することができ、ガスタービンの性能を向上させることができる。
また、翼根部9に供給される冷却空気13の供給圧が低減されることにより、翼根部に形成された空洞からのシール洩れ空気量を低減させることができ、ガスタービンの性能をさらに向上させることができる。
さらに、マルチホール4の先端部にテーパ部15が形成されることにより、先端部の重量が軽減されることとなるので、翼根部9に加わる遠心力を減少させることができる。
さらにまた、マルチホール4の先端部にテーパ部15が形成されることにより、マルチホール4を通ってテーパ部15に到達したゴミ等の異物は、キャビティ10,11内にスムーズに流入していくこととなるので、マルチホール4の先端部におけるゴミ詰まりを防止することができ、冷却性能の低下を防止することができる。
本発明の第2実施形態に係るタービン用翼について、図6を参照しながら説明する。図6は本実施形態に係るタービン用翼の図であって、図4と同様の図である。
本実施形態に係るタービン動翼21は、図6に示すような冷却通路14、すなわち、先端部(出口側の端部:出口部)にテーパ部(第2のテーパ部)22を有する冷却通路23を備えているという点で上述した第1実施形態のものと異なる。その他の構成要素については上述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
テーパ部22は、シュラウド2の端面に向かって(その入口端からその出口端に向かって)末広がりとなるように(徐々に拡径するように)形成された円錐台形状を呈する部分であり、電解加工やドリル加工等によって施工される。また、テーパ部22のテーパ角(冷却通路23の中心軸線C2とテーパ部22の内壁面24とのなす角)βは、5°〜10°に設定されている。
本実施形態に係るタービン動翼21によれば、冷却通路23の先端部にテーパ部22が形成されており、これにより冷却通路23を通過する冷却空気13の圧損が低減されることとなるので、翼根部9に供給される冷却空気13の供給圧をさらに低減させることができ、ガスタービンの性能をさらに向上させることができる。
また、冷却空気13の供給圧を低減できることから、冷却媒体の供給源を圧縮部のより低圧側に移すことが可能となり、冷却空気13を昇圧するための圧縮部の動力を低減することができ、ガスタービンの性能をさらに向上させることができる。
また、翼根部9に供給される冷却空気13の供給圧が低減されることにより、翼根部に形成された空洞からのシール洩れ空気量を低減させることができ、ガスタービンの性能をさらに向上させることができる。
さらに、冷却通路23の先端部にテーパ部22が形成されることにより、先端部の重量がさらに軽減されることとなるので、翼根部9に加わる遠心力をさらに減少させることができる。
さらにまた、冷却通路23の先端部にテーパ部22が形成されることにより、冷却通路23を通ってテーパ部22に到達したゴミ等の異物は、外部に排出されることとなるので、冷却通路23の先端部におけるゴミ詰まりを防止することができ、冷却性能の低下を防止することができる。
また、図4および図6に示すように、シュラウド2のRの位置、すなわち、翼本体先端部とシュラウド本体とを接続する(結合する)領域にテーパ部15が形成されているとさらに好適である。
これにより、シュラウド2のRの位置における肉厚を増加させることなく、シュラウド2のRの位置における機械的強度を確保することができる。
なお、上述した実施形態において、マルチホール4、テーパ部15、冷却通路23、およびテーパ部22の断面視形状は、製作の容易性を考慮すると円形状であることが好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、楕円形状や多角形状等、如何なる形状であってもよい。
また、上述した実施形態では、マルチホール4とテーパ部15とが、冷却通路23とテーパ部22とが、角部を介して接続されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、丸みを帯びたR部(または面取部)を介して滑らかに接続させることもできる。
また、上述した実施形態では、マルチホール4にテーパ部15を設けた構成としているが、テーパ部15を省略し、シュラウド2の冷却通路23にテーパ部22を設ける構成としても良い。
さらに、翼内部の冷却通路をマルチホール以外の構成、例えば、サーペンタイン冷却通路やピンフィン冷却構造などのその他の冷却構造としても良く、本実施例に限定されるものではない。
また、上述した実施形態では、冷却媒体を圧縮部からの抽気空気としたが、他の冷却媒体、例えば蒸気を冷却媒体とする蒸気冷却方式のガスタービンにおいても本発明は適用できる。例えばコンバインドプラントにおいて、ガスタービンの排熱によって蒸気を発生する排熱蒸気発生器からの蒸気を冷却媒体として使用する場合、使用する蒸気の圧力を低減できると共に、蒸気の使用量も低減できることから、プラント効率を向上させることができる。
1 タービン用翼
2 シュラウド
4 マルチホール(複数の第1冷却通路)
13 冷却空気(冷却媒体)
15 テーパ部(第1のテーパ部)
21 タービン用翼
22 テーパ部(第2のテーパ部)
23 冷却通路(第2冷却通路)

Claims (10)

  1. 内部に複数の第1冷却通路が翼軸方向に沿って穿設されたタービン用翼であって、
    前記タービン用翼の先端には、シュラウドが前記タービン用翼と一体に形成され、
    前記シュラウドの内部には、プラグが上面側より挿入されて、前記シュラウドの内部に、前記第1冷却通路の軸方向視で該第1冷却通路の通路面積よりも大きい開口面積を有する空間が形成されるようにキャビティ形成されており、
    前記キャビティには、前記複数の第1冷却通路がそれぞれ連通し、
    前記第1冷却通路の出口側の端部で、翼端に向かって、かつ、前記キャビティに向かって末広がりとなるように形成された第1のテーパ部が形成されていることを特徴とするタービン用翼。
  2. 前記プラグの平面寸法は、前記キャビティの開口寸法よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のタービン用翼。
  3. 翼端に、前記第1のテーパ部を通過し前記キャビティに流入し、前記キャビティから冷却媒体を周囲に流出させる複数の第2冷却通路を有するシュラウドが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のタービン用翼。
  4. 前記第2冷却通路の出口側の端部に、前記シュラウドの端面に向かって末広がりとなるように形成された第2のテーパ部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のタービン用翼。
  5. 前記第1冷却通路の出口側の端部における圧損係数が1.0であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のタービン用翼。
  6. 前記第1のテーパ部は電解加工またはドリル加工によって施工されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のタービン用翼。
  7. 前記タービン用翼の先端部と前記シュラウドの本体とを接続する領域に前記テーパ部が形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のタービン用翼。
  8. 前記第1冷却通路は、マルチホール、サーペンタイン冷却通路およびピンフィン冷却構造からなる群より選ばれた一つの冷却構造であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のタービン用翼。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載のタービン用翼を備えてなることを特徴とするガスタービン。
  10. 内部に複数の第1冷却通路が翼軸方向に沿って穿設され、
    前記タービン用翼の先端には、シュラウドが前記タービン用翼と一体に形成され、
    前記シュラウドの内部には、プラグが上面側より挿入されて、前記シュラウドの内部に、前記第1冷却通路の軸方向視で該第1冷却通路の通路面積よりも大きい開口面積を有する空間が形成されるようにキャビティが形成されており、
    前記キャビティには、前記複数の第1冷却通路がそれぞれ連通するタービン用翼において、
    前記第1冷却通路に冷却空気を流す工程と、
    前記第1冷却通路の出口の端部で、翼端に向かって、かつ、前記キャビティに向かって末広がりとなるよう第1のテーパ部に冷却空気を流す工程と、
    前記第1のテーパ部から、前記キャビティに冷却空気を流す工程と、を含み、
    前記第1冷却通路の出口のテーパ部における出口圧損を低減することを特徴とするガスタービン用翼の冷却方法。
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