以下、本発明の実施の形態におけるサービス品質管理システムについて図面を用いて説明する。また、以下に挙げた各実施形態はそれぞれ例示であり、本発明は以下の各実施形態の構成に限定されない。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態におけるサービス品質管理システム(以降、QoS管理システムと表記する)10の構成例を示す概念図である。QoS管理システム10は、インターネット90等のような公衆網、移動網11及び固定網12のような特定通信網、サービス提供装置60等から構成される。
図1の構成例によれば、移動網11及び固定網12は、他の特定通信網を経由することなく、公衆網のみを介してサービス提供装置60と通信することができる。QoS管理システム10は、例えば、サービス提供装置60から送信されるメディアコンテンツの視聴サービスを各ユーザ端末21及び22にそれぞれ提供する。
なお、第1実施形態では、複数の通信網として、FMCの形態を例に挙げたが、本発明の実施形態はこのような通信網に制限するものではない。本発明の実施形態におけるQoS管理システム10は、各々が独自にQoSポリシを管理する複数の固定通信網から構成されていてもよいし、同様の複数の移動通信網から構成されていてもよい。
移動網11は、移動体通信サービスを提供する通信網である。移動網11は、移動アクセス網71、中継装置31、移動コア網81、制御トラフィック処理装置41、サービス品質管理装置(以降、QoS管理装置と表記する)51等から構成される。
移動アクセス網71は、携帯電話、モバイルPC(Personal Computer)等のような無線移動端末(例えば、ユーザ端末21)を移動網11と通信可能に接続させるための通信網である。移動アクセス網71は、例えば、ユーザ端末21と無線通信を行う基地局(Node B)、各基地局を制御する基地局制御装置(RNC)等を含む。移動アクセス網71は、中継装置31を介して移動コア網81に通信可能に接続される。
中継装置31は、ルータ等のような中継装置である。中継装置31は、QoS管理装置51等からの要求に応じて伝送路の帯域制御を実施しながら、ユーザ端末21から送信される上りトラフィックをインターネット90を介してサービス提供装置60に中継する。また、中継装置31は、サービス提供装置60から送られる下りトラフィックを移動アクセス網71を介してユーザ端末21に中継する。なお、図1には、1つの中継装置31のみが図示されているが、一般的には複数の中継装置31が存在する。また、図1では、移動コア網81と移動アクセス網71との間に中継装置31が存在する例を示すが、中継装置31は、移動コア網81及び移動アクセス網71内に複数存在してもよい。
移動コア網81は、移動アクセス網71から送られる制御トラフィックに応じて交換制御等を実施する移動網である。移動コア網81は、例えば、移動通信交換局(MSC(Mobile services Switching Center))、又は、SIP(Session Initiation Protocol)サーバ等を含む。移動コア網81は、インターネット90と通信可能に接続される。
制御トラフィック処理装置41は、サービス提供装置60から送信されるメディアコンテンツの視聴サービスをユーザ端末21に移動網11を介して提供するための制御トラフィックを処理する。具体的には、制御トラフィック処理装置41は、ユーザ端末21からサービス提供装置60へのアクセス認証機能、ユーザ端末21からのサービス要求メッセージ(以降、単にサービス要求とも表記する)を移動コア網81及びインターネット90を介してサービス提供装置60に中継する機能等を備える。サービス要求メッセージには、サービス開始要求、サービス終了要求、サービス変更要求等が含まれる。以降の説明では、必要時を除いて、サービス要求の種類を特定せず説明する。
QoS管理装置51は、移動網11に属する少なくとも1つの中継装置31の通信リソースを管理する。ここで、通信リソースとは、通信帯域のみを意味するものではなく、中継装置31の通信中継処理に関連する様々な技術要素を含む概念である。この技術要素には、例えば、使用中帯域、予約中帯域、中継装置31の動作状態、優先制御で利用される情報等が含まれる。これにより、例えば、QoS管理装置51は、中継装置31の状態を管理する機能、中継装置31の物理伝送路が論理的に区分けされた各QoSクラスの最大帯域を定義する機能、各QoSクラスの帯域幅の使用状況及び予約状況を動的に管理する機能等を備える。QoSクラスとは、例えば、8段階(0から7)有し、IP(Internet Protocol)トラフィック転送の優先順位を示す。各サービスのQoSクラスの割り当ては、例えば、事業者内及び事業者間で何らかの規定に基づいて決定される。
例えば、帯域幅使用状況は、QoSクラス毎かつ利用メディア種別毎に管理され、利用ユーザ端末の番号、発信元IPアドレス、発信元ポート番号、宛先IPアドレス、宛先ポート番号、IP種別、上り及び下りの各帯域幅、予約中か使用中かの情報等を含む。中継装置31は、各QoSクラスをパケット中継時の優先制御に利用する。利用メディア種別とは、ビデオ、音声、データ等のような提供されるメディアコンテンツの種類を示す。
サービス提供装置60は、インターネット90に通信可能に接続され、ユーザ端末21及び22等からの要求に応じて、オンラインゲーム、アニメーション、音楽、ビデオ等のようなメディアコンテンツ(ソフトウェアコンテンツ)を提供する。本発明の実施形態は、サービス提供装置60により提供されるメディアコンテンツを限定しない。
固定網12は、固定通信サービスをユーザ端末22に提供する通信網である。固定網12は、宅内中継装置33、固定アクセス網72、中継装置32、固定コア網82、制御トラフィック処理装置42、QoS管理装置52等から構成される。中継装置32、制御トラフィック処理装置42及びQoS管理装置52は、本発明に関連する機能について、基本的には、移動網11に属する中継装置31、制御トラフィック処理装置41及びQoS管理装置51と同様の機能を有する。但し、第1実施形態では、中継装置32、制御トラフィック処理装置42及びQoS管理装置52は、移動網11に属する各ノード31、41及び51と処理対象及び管理対象の通信形態(移動網か固定網か)が異なるため、このような通信形態に関連する機能については両者は相互に異なる。
宅内中継装置33は、固定アクセス網72と、PC(Personal Computer)、固定電話、HDTV(High Definition TeleVision)等のようなユーザ端末22と、の間に位置する中継装置である。例えば、宅内中継装置33は、家庭用の光ブロードバンドルータ、VoD(Video on Demand)のSTB(Set Top Box)、HGW(Home GateWay)等である。宅内中継装置33は、伝送路の帯域制御を実施しながら、ユーザ端末22からの上りトラフィックを固定アクセス網72を介して中継装置32に中継し、中継装置32からの下りトラフィックをユーザ端末22に中継する。宅内中継装置33は、中継装置32の下位階層の中継装置にあたる。
固定アクセス網72は、固定網12とユーザ端末22との間を接続する、光、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)、ISDN(Integrated Services Digital Network)、電話等の通信回線を終端する通信網である。
中継装置32は、QoS管理装置52等からの要求に応じて伝送路の帯域制御を実施しながら、ユーザ端末22からの上りトラフィックをインターネット90を介してサービス提供装置60に中継し、サービス提供装置60からの下りトラフィックを固定アクセス網72及び宅内中継装置33を介してユーザ端末22に中継する。なお、図1では、固定コア網82と固定アクセス網72との間に中継装置32が存在する例を示すが、中継装置32は、固定コア網82及び固定アクセス網72内に複数存在してもよい。
また、固定網12に属する中継装置32は、下位層の中継装置にあたる宅内中継装置33のIP情報を管理する。IP情報には、IP種別、IPアドレス、ポート番号、VLAN(Virtual Local Area Network)タグ等が含まれてもよい。中継装置32は、QoS管理装置52から帯域要求を受信した場合には、管理下にあって帯域制御対象となる宅内中継装置33にその帯域要求を転送する。この帯域要求には、帯域予約要求、帯域使用要求、帯域変更要求、帯域解放要求等が含まれる。
固定コア網82は、固定アクセス網72から送られる制御トラフィックに応じて交換制御等を実施する通信網である。固定コア網82は、例えば、SIP(Session Initiation Protocol)サーバ、又は、PSTN(Public Switched Telephone Networks)交換局等を含む。固定コア網82は、インターネット90と通信可能に接続される。
制御トラフィック処理装置42は、サービス提供装置60から提供されるメディアコンテンツの視聴サービスをユーザ端末22に固定網12を介して提供するための制御トラフィックを処理する。例えば、制御トラフィック処理装置42は、ユーザ端末22からサービス提供装置60へのアクセス認証機能、ユーザ端末22からのサービス要求メッセージを固定コア網82及びインターネット90を介してサービス提供装置60に中継する機能等を備える。
QoS管理装置52は、固定網12に属する少なくとも1つの中継装置32の通信リソースを管理する。例えば、QoS管理装置52は、中継装置32の状態を管理する機能、中継装置32の物理伝送路が論理的に区分けされた各クラスの最大帯域を定義する機能、各クラスの帯域幅の使用状況及び予約状況を動的に管理する機能等を備える。
ユーザ端末21及び22は、移動網11又は固定網12を介してサービス提供装置60と通信可能であり、サービス提供装置60から提供されるメディアコンテンツを視聴可能な一般的な機能を有する。本発明の実施形態は、ユーザ端末21及び22の構成を限定するものではないため、ここでは具体的な説明は省略する。
〔装置構成〕
以下、QoS管理システム10に含まれる制御トラフィック処理装置41及び42、サービス提供装置60について、処理構成をそれぞれ説明する。
図2は、第1実施形態における制御トラフィック処理装置41及び42の処理構成例を示す概念図である。制御トラフィック処理装置41及び42は、本発明に関連する構成については、同一の処理構成を有するため、以下、制御トラフィック処理装置41のみを対象に説明する。制御トラフィック処理装置41及び42は、処理対象及び管理対象の通信形態(移動網か固定網か)が異なるため、このような通信形態に関連する処理構成(図示せず)については相互に異なってもよい。
制御トラフィック処理装置41は、図2に示すように、ハードウェア構成として、CPU(Central Processing Unit)1、RAM(Random Access Memory)2、ROM(Read Only Memory、図示せず)、ハードディスク(HDD)3等のようなメモリ、入出力インタフェース4等を有する。これら各ハードウェア要素は例えばバス5により接続される。入出力インタフェース4は、移動網11又は固定網12に応じた所定通信方式を実現し得るネットワークインタフェースを含む。なお、本実施形態は、制御トラフィック処理装置41のハードウェア構成を限定しない。
制御トラフィック処理装置41は、例えば、メモリに格納されるプログラムがCPU1により実行されることにより、以下のような各処理部を実現する。制御トラフィック処理装置41は、図2に示すように、受信部410、情報付加部420、送信部430等を有する。
受信部410は、ユーザ端末21から送信されるサービス要求を受信する。移動網11では、このサービス要求は、移動アクセス網71、中継装置31及び移動コア網81を介して制御トラフィック処理装置41の受信部410で受信される。一方、固定網12では、このサービス要求は、ユーザ端末22から送信され、宅内中継装置33、固定アクセス網72、中継装置32及び固定コア網82を介して制御トラフィック処理装置42の受信部410で受信される。
サービス要求には、例えば、サービス情報、ユーザ端末21の制御用IP情報、ユーザ端末21のメディア用IP情報、開始、変更、終了のいずれか1つを示す要求種別、ユーザ端末番号、ユーザ認証情報、サービスメディア情報、制御トラフィック処理装置41のIP情報等が含まれる。サービス情報とは、VoD、オンラインゲーム等のような、要求されるサービスの識別情報である。IP情報には、IP種別、IPアドレス、ポート番号、VLANタグ等が含まれてもよい。ユーザ端末番号とは、ユーザ端末21又は22のユーザをQoS管理システム10が特定し得る識別情報であり、例えば、移動網11又は固定網12へのアクセス認証、特定サービスへのアクセス認証により利用される。ユーザ認証情報とは、移動網11又は固定網12によるユーザアクセス認証手順で利用される認証情報であり、例えば、パスワード等である。サービスメディア情報とは、音声、ビデオ、データ等のような要求されるサービスのメディアの詳細情報である。なお、本実施形態では、このサービス要求に含まれる情報を限定するものではない。
情報付加部420は、受信部410により受信されたサービス要求に基づいて、制御トラフィック処理装置41と同一通信網(移動網11)に属するQoS管理装置51を特定するための装置識別情報が付加されたサービス要求を生成する。この装置識別情報は、例えば、QoS管理装置51へ他の通信網からアクセス可能なネットワーク装置名(ドメイン名含む)であり、予め調整可能に制御トラフィック処理装置41のメモリに格納される。装置識別情報は、IPアドレス及びIPポート番号を含むIP情報であってもよい。
送信部430は、情報付加部420により装置識別情報が付加されたサービス要求をサービス提供装置60に送信する。送信部430は、複数のサービス提供装置が存在する場合には、複数のサービス提供装置の中から、受信されたサービス要求に含まれるユーザ端末番号及びサービス情報に対応するサービス提供装置60を送信先として特定する。このサービス要求は、移動網11では、移動コア網81及びインターネット90を介してサービス提供装置60に送信される。一方、固定網12では、このサービス要求は、固定コア網82及びインターネット90を介してサービス提供装置60に送信される。
図3は、第1実施形態におけるQoS管理装置51及び52の処理構成例を示す概念図である。QoS管理装置51及び52は、本発明に関連する構成については、同一の処理構成を有するため、以下、QoS管理装置51のみを対象に説明する。QoS管理装置51及び52は、処理対象及び管理対象の通信形態(移動網か固定網か)が異なるため、このような通信形態に関連する処理構成(図示せず)については相互に異なってもよい。
本実施形態は、QoS管理装置51のハードウェア構成を限定しないが、QoS管理装置51は、例えば、上述の制御トラフィック処理装置41と同様のハードウェア構成を有する(図2参照)。QoS管理装置51は、例えば、メモリに格納されるプログラムがCPUにより実行されることにより、以下のような各処理部を実現する。QoS管理装置51及び52は、図3に示すように、帯域要求受信部510、帯域制御部520等を有する。
帯域要求受信部510は、サービス提供装置60から、帯域要求を受信する。移動網11では、サービス提供装置60からの要求は、インターネット90及び移動コア網81を介してサービス提供装置60からQoS管理装置51に送られる。一方、固定網12では、サービス提供装置60からの要求は、インターネット90及び固定コア網82を介してサービス提供装置60からQoS管理装置52に送られる。
帯域制御部520は、当該帯域要求に応じて、帯域予約処理、帯域使用処理、帯域変更処理又は帯域解放処理を実行する。
また、帯域制御部520は、自身が属する通信網(移動網11又は固定網12)内の中継装置31(又は中継装置32)を管理する。具体的には、帯域制御部520は、中継装置31の各IPインタフェースについて通信帯域幅の利用状況及び予約状況をそれぞれ管理する。各IPインタフェースについては、論理的に区分けされたQoSクラス毎、かつ、利用メディア種別毎に、上り及び下りの利用帯域幅及び利用状況(利用中又は予約中)がそれぞれ管理される。帯域制御部520は、各QoSクラス及び各利用メディア種別について、上りトラフィック及び下りトラフィックで利用することができる帯域幅の上限値をそれぞれ予め保持する。帯域制御部520は、全クラスかつ全利用メディア種別の帯域幅の合計値がIPインタフェース全体の帯域上限値以内となるように管理する。
帯域制御部520は、サービス提供装置60からの帯域要求を受けると、この帯域要求に含まれるサービス品質ポリシ(以降、QoSポリシと表記する)に応じて帯域制御の対象とすべき中継装置31及び中継装置31内のIPインタフェースを特定する。帯域制御部520は、上述のような中継装置31の管理情報(帯域幅の上限値を含む)に基づいて、その帯域予約要求に含まれるQoSポリシに応じた帯域幅をその特定されたIPインタフェースに確保(予約)できるか否かを判断する。
ここで、QoSポリシとは、IPフロー、QoSクラス、利用帯域幅、メディア情報等のような要求されるメディアコンテンツのQoSを決める具体的情報を意味する。IPフローとは、送信元及び宛先に関するIP種別、IPアドレス、ポート番号、VLANタグ等の組み合わせである。IPフローは、例えば、サービス要求に含まれる、ユーザ端末のメディア用IP情報と、メディアコンテンツの提供元であるサービス提供装置60のメディア用IP情報との組み合わせに基づいて編集される。QoSクラスとは、要求されるメディアコンテンツの提供に利用されるQoSクラスである。利用帯域幅は、サービス要求に応じて移動網11又は固定網12で実際に決定された上り及び下りの帯域幅である。メディア情報とは、音声、ビデオ、データ等の要求されるメディアコンテンツの種類、コーディック種別、信号圧縮方式等の情報である。なお、本実施形態は、このQoSポリシに含まれる具体的情報を限定するものではない。
帯域制御部520は、帯域予約要求に含まれるQoSポリシのIPフローの情報を用いて、帯域制御対象のIPインタフェースを特定する。帯域制御部520は、この特定されたIPインタフェースにおける、QoSポリシのQoSクラス及びメディア情報で特定されるQoSクラス及び利用メディア種別に関し、QoSポリシの上り及び下りの利用帯域幅を確保できるか否か上述のような管理情報に基づいて判断する。
帯域制御部520は、確保可能と判断すると、中継装置31の管理情報をそのQoSポリシ情報で更新する。例えば、帯域予約要求に含まれるQoSポリシが、ビデオコンテンツの下りトラフィックに10Mbps(メガビット毎秒)予約することを示し、このような帯域幅が確保可能と判断された場合には、対象IPインタフェースの対象QoSクラスの対象利用メディア種別(ビデオ)の利用帯域幅が10M分加算され、その加算された帯域幅の利用状況が予約中に設定される。帯域制御部520は、このように帯域予約処理を実行すると、帯域制御対象として特定された中継装置31に、同様のQoSポリシ及び利用状況(予約)を含む帯域予約要求を送信する。
帯域制御部520は、上述のように帯域予約が行われた後、帯域要求受信部510により帯域使用要求が受信された場合には、中継装置31の管理情報に含まれる利用状況を予約中から使用中に変更し、帯域制御対象として特定された中継装置31に、同様のQoSポリシを含む帯域使用要求を送信する。この帯域使用要求を受信した中継装置31は、自装置内の各IPインタフェースについて上述の帯域制御部520と同様に管理情報を更新することにより帯域予約処理を実施する。中継装置31は、その帯域予約処理の結果を示す情報を含めた帯域予約応答を帯域制御部520に返信する。この帯域予約処理の結果には、要求通りの帯域が確保できたか否かが含まれる。
帯域制御部520は、中継装置31から、帯域予約処理結果として要求通りの帯域確保ができたことを示す情報を含む帯域予約応答を受けると、中継装置31の帯域予約処理の結果及び自身の帯域予約処理の結果を含む帯域予約応答をサービス提供装置60に返信する。
一方、帯域制御部520は、帯域予約処理結果として要求通りの帯域確保ができなかったことを示す情報を含む帯域予約応答を受けた場合、及び、自身の帯域予約処理により要求通りの帯域確保ができないと判断した場合に、サービス提供装置60からの帯域予約要求により要求されるQoSポリシを変更し、その変更されたQoSポリシで帯域予約処理を再度実行するようにしてもよい。このQoSポリシの変更は、例えば、QoSクラスの変更(トラフィック転送優先順位を下げる)、利用帯域幅の変更(利用帯域幅を少なくする)、帯域制御対象の中継装置31の変更(迂回路の設定)等により実現される。帯域制御部520は、このようなQoSポリシの変更を行うことなく、帯域予約処理結果として帯域確保ができなかったことを示す情報を含む帯域予約応答をサービス提供装置60に返信するようにしてもよい。
このような変更されたQoSポリシに基づく帯域制御部520及び中継装置31の帯域予約処理により帯域確保ができた場合には、帯域予約処理結果としてQoSポリシの変更を示す情報を含み、かつ、変更されたQoSポリシの情報を含む帯域予約応答をサービス提供装置60に返信する。QoSポリシを変更しても帯域確保ができなかった場合には、帯域予約処理結果として帯域確保ができなかった旨を示す情報を含む帯域予約応答がサービス提供装置60に返信される。
帯域制御部520は、サービス提供装置60からの帯域変更要求を受信した場合には、その要求に含まれるQoSポリシに基づいて、上述のような中継装置31の管理情報を更新する。また、帯域制御部520は、サービス提供装置60からの帯域解放要求を受信した場合には、その要求の対象とされる帯域の解放処理を実行する。
図4は、第1実施形態におけるサービス提供装置60の処理構成例を示す概念図である。本発明の実施形態は、サービス提供装置60のハードウェア構成を限定しないが、サービス提供装置60は、例えば、上述の制御トラフィック処理装置41と同様のハードウェア構成を有する(図2参照)。サービス提供装置60は、例えば、メモリに格納されるプログラムがCPUにより実行されることにより、以下のような各処理部を実現する。
サービス提供装置60は、図4に示すように、要求受信部610、情報保持部620、情報特定部630、確認部640、抽出部650、帯域要求部660、応答受信部670等を有する。
要求受信部610は、制御トラフィック処理装置41又は42から送られるサービス要求を受信する。このサービス要求には、上述したように、QoS管理装置51又は52を特定し得る装置識別情報が付加されている。
情報保持部620は、各ユーザについて、サービス品質(QoS)を決定するための品質決定情報をそれぞれ保持する。品質決定情報には、例えば、システムに一任する、有料の高品質を希望する、無料の品質を希望するといった、サービス品質を決定する上でのユーザの意思(希望)を示す情報が含まれる。品質決定情報は、ユーザ端末番号に対応付けられた各ユーザの加入者契約情報に含まれる形態で、情報保持部620に保持されるようにしてもよい。また、品質決定情報は、要求される品質レベルを示す情報が含まれていてもよいし、QoSポリシを示す具体的情報が含まれていてもよい。
情報特定部630は、要求受信部610により受信されたサービス要求がサービス開始要求、サービス変更要求である場合に、それら要求に対応する品質決定情報を情報保持部620から取得する。例えば、情報特定部630は、サービス要求に含まれるユーザ端末番号を用いて情報保持部620を検索することにより、そのユーザ端末番号に関し登録されている加入者契約情報を抽出し、この加入者契約情報からそのユーザの品質決定情報を取得する。情報特定部630は、当該サービス要求に対応する品質決定情報が情報保持部620に保持されていない場合には、その旨を出力する。
抽出部650は、要求受信部610により受信されたサービス要求から、制御トラフィック処理装置41又は42により付加された装置識別情報を抽出する。抽出される装置識別情報は、QoS管理装置51又は52を示す。
帯域要求部660は、受信されたサービス要求により要求されるメディアコンテンツのQoSポリシ又は変更されるQoSポリシを、上述の品質決定情報、当該サービス要求に含まれるサービス情報及びサービスメディア情報等に基づいて決定する。QoSポリシの具体的決定方法は、一般的な手法が利用されればよいため、説明を省略する。
帯域要求部660は、決定されたQoSポリシを含む帯域予約要求、帯域使用要求又は帯域変更要求を、抽出部650により抽出された装置識別情報により特定されるQoS管理装置51又は52に送信する。また、帯域要求部660は、サービス終了要求が受信された場合には、帯域解放要求を送信する。
応答受信部670は、帯域要求部660により送信された帯域要求に応じて、QoS管理装置51又は52から返信される帯域応答(帯域予約応答、帯域使用応答、帯域変更応答又は帯域解放応答)を受信する。この応答には、上述したように、帯域予約処理結果、帯域使用処理結果、帯域変更処理結果又は帯域解放処理結果を示す情報が含まれている。
応答受信部670は、この帯域予約処理結果が帯域確保ができた旨を示す場合、又は、確認部640によるユーザ端末21に対する確認処理において当該QoSポリシがユーザに受け入れられた場合には、帯域使用要求をQoS管理装置51又は52に送信するよう帯域要求部660に指示する。また、応答受信部670は、帯域変更要求をQoS管理装置51又は52に送信するよう指示する。
確認部640は、情報特定部630により取得された品質決定情報を含む確認要求をサービス要求の送信元のユーザ端末に送信する。また、確認部640は、情報特定部630で当該サービス要求に対応する品質決定情報が取得されなかった場合には、品質決定情報の設定要求をサービス要求の送信元のユーザ端末に送信する。当該確認要求及び当該設定要求が、設定可能又は変更可能な品質決定情報のリストを含むようにしてもよい。品質決定情報のリストは、例えば、「システムに一任する」、「有料の高品質を希望する」、「無料の品質を希望する」といった文字列データと、各状態を示す数値データとを含む。
ユーザ端末21からのサービス要求に対する確認要求及び設定要求は、移動網11では、インターネット90、中継装置31及び移動アクセス網71を介してユーザ端末21へ送られる。一方、固定網12では、ユーザ端末22からのサービス要求に対する確認要求及び設定要求は、インターネット90、中継装置32、固定アクセス網72及び宅内中継装置33を介してユーザ端末22へ送られる。
また、確認部640は、応答受信部670により受信された帯域予約応答に含まれる帯域予約処理結果が帯域確保ができない旨又はQoSポリシが変更された旨を示す場合には、QoSポリシの変更を受け入れるか否か、サービスのキャンセル等をユーザに選択させるための情報を含めた確認要求をサービス要求の送信元のユーザ端末に送信する。QoSポリシが変更されている場合には、この確認要求には、変更されたQoSポリシの情報が設定されるようにしてもよい。
〔動作例〕
以下、第1実施形態におけるQoS管理システム10の動作例を、サービス開始時、サービス変更時、サービス終了時の各場面についてそれぞれ説明する。
図5及び図6は、移動網11経由でサービス開始要求が送信される際における第1実施形態のQoS管理システム10の動作例を示すシーケンスチャートである。ユーザ端末21は、サービス開始要求を送信する(S10)。このサービス開始要求は、移動アクセス網71、中継装置31及び移動コア網81を介して制御トラフィック処理装置41に届けられる。
制御トラフィック処理装置41では、受信部410がそのサービス開始要求を受信する。続いて、情報付加部420及び送信部430が、受信されたサービス開始要求を分析する(S20)。この分析において、情報付加部420は、制御トラフィック処理装置41と同一通信網(移動網11)に属するQoS管理装置51を特定するための装置識別情報を取得し、受信されたサービス開始要求に基づいて、この取得された装置識別情報が付加されたサービス開始要求を生成する。
続いて、送信部430は、受信されたサービス開始要求に含まれるユーザ端末番号及びサービス情報に対応するサービス提供装置60を送信先として特定し、この特定されたサービス提供装置60に、装置識別情報が付加されたサービス開始要求を送信する(S30)。なお、送信部430は、受信されたサービス開始要求に含まれるユーザ端末番号やユーザ認証情報に基づいてユーザアクセス認証を実施し、アクセスを許可した場合にのみ、当該サービス開始要求をサービス提供装置60へ送信するようにしてもよい。
サービス提供装置60では、要求受信部610が当該サービス開始要求を受信する。続いて、情報特定部630及び抽出部650は、サービス開始要求の受付処理を実行する(S40)。この受付処理において、情報特定部630は、要求受信部610により受信されたサービス開始要求に対応する品質決定情報を情報保持部620から取得する。また、抽出部650は、サービス開始要求からQoS管理装置51を特定するための装置識別情報を抽出する。
品質決定情報が加入者契約情報として情報保持部620に保持されている場合には、情報特定部630は、例えば、以下のような処理を実行するようにしてもよい。情報特定部630は、受信されたサービス開始要求に含まれるユーザ端末番号に基づいて、情報保持部620から加入者契約情報を抽出し、この抽出された加入契約情報と、当該サービス開始要求に含まれるサービス情報やサービスメディア情報とを照合する。情報特定部630は、この照合結果に基づいて、当該サービス開始要求の受付可否を決定する。受付可と判断すると、情報特定部630は、加入者契約情報から、当該品質決定情報を取得する。
続いて、確認部640が、情報特定部630により取得された品質決定情報を含む確認要求をサービス開始要求の送信元のユーザ端末21に送信する(S50)。一方、確認部640は、情報特定部630で当該サービス開始要求に対応する品質決定情報が取得されなかった場合には、品質決定情報の設定要求をユーザ端末21に送信する(S50)。確認要求及び設定要求の送信先の特定には、サービス開始要求に含まれるユーザ端末21のメディア用IP情報が利用される。メディア用IP情報とは、例えば、メディアコンテンツの伝送(ユーザプレーン)で利用されるIP、ポート番号等の情報である。確認要求及び設定要求の各メッセージには、宛先のIP情報及び品質決定情報に加えて、サービス提供装置60のメディア用IP情報、サービス開始要求に含まれていたサービスメディア情報等が含まれていてもよい。
ユーザ端末21は、この確認要求を受信した場合には、確認要求に含まれる品質決定情報を表示させ、この品質決定情報を変更するか否かをユーザに選択させる(S60)。なお、このようなユーザインタフェースは、画面表示に制限されず、音声出力であってもよい。また、ユーザ端末21は、品質決定情報の変更が選択された場合には、当該ユーザに変更内容を入力させる(S60)。品質決定情報の変更は、例えば、システムに一任することを示す情報から、有料の高品質を希望することを示す情報への変更や、品質レベルの設定により実現される。
ユーザ端末21は、設定要求を受信した場合には、設定要求に含まれる設定可能な品質決定情報のリストを表示させることにより、ユーザに品質決定情報を選択させる(S60)。
ユーザ端末21は、ユーザからの入力に応じて、サービス提供装置60に対して、確認応答を返信する(S70)。この確認応答には、ユーザ端末21のメディア用IP情報、サービスメディア情報、ユーザにより入力(選択)された品質決定情報等が含まれる。確認応答の宛先は、確認要求に含まれるサービス提供装置60のメディア用IP情報が利用される。
サービス提供装置60では、確認部640がこの確認応答を受信する。続いて、帯域要求部660は、当該サービス開始要求により要求されるメディアコンテンツの最適なQoSポリシを、確認応答に含まれる品質決定情報、当該サービス開始要求に含まれるサービス情報及びサービスメディア情報等に基づいて決定する(S80)。帯域要求部660は、決定されたQoSポリシを含む帯域予約要求を、抽出部650により抽出された装置識別情報により特定されるQoS管理装置51に送信する(S90)。
例えば、帯域予約要求の宛先であるQoS管理装置51のIP情報は、当該サービス開始要求に含まれる装置識別情報(ネットワーク装置名(ドメイン名含む)等)に基づいてDNS(Domain Name System)サーバ(図示せず)により取得されてもよい。帯域予約要求のメッセージには、宛先となるQoS管理装置51のIP情報に加えて、サービス提供装置60の制御用IP情報、QoSポリシ情報(IPフロー、QoSクラス、利用帯域、メディア情報等)及び帯域予約を示す情報が含まれる。
QoS管理装置51では、帯域要求受信部510が帯域予約要求を受信する。続いて、帯域制御部520が、その帯域予約要求に応じた帯域予約処理を実行する(S100)。具体的には、帯域制御部520は、受信された帯域予約要求に含まれるQoSポリシのIPフローに基づいて、管理下の中継装置のうち、帯域制御対象となる中継装置31及び中継装置31内のIPインタフェースを特定する。更に、帯域予約要求に含まれるQoSポリシのクラス、メディア情報、利用帯域幅等を用いて、帯域制御部520は、特定された中継装置31のIPインタフェースにおけるQoSクラス及び利用メディア種別に関し、QoSポリシの利用帯域幅を確保できるか否かを、管理情報に基づいて判断する。
帯域制御部520は、確保可能と判断すると、そのQoSポリシで管理情報を更新すると共に、上述のように帯域制御対象として特定された中継装置31に対して、帯域予約要求を送信する(S110)。この帯域予約要求のメッセージには、宛先情報及び送信元情報に加えて、(S90)に含まれるものと同様のQoSポリシ及び利用状況(予約)が含まれる。
帯域制御部520は、確保不可能と判断すると、帯域予約処理結果として帯域確保できなかったことを示す情報を含む帯域予約応答をサービス提供装置60に返信する(図示せず)。このように確保不可能と判断した場合に、帯域制御部520は、サービス提供装置60からの帯域予約要求により要求されるQoSポリシを変更し、その変更されたQoSポリシで帯域予約処理を再度実行するようにしてもよい(図示せず)。
中継装置31は、その帯域予約要求を受信すると、その帯域予約要求に含まれるQoSポリシのIPフローで特定される自装置内のIPインタフェースに対して、帯域予約処理を実行する(S120)。中継装置31は、上述の帯域制御部520と同様に、対象のIPインタフェースにそのQoSポリシの利用帯域幅が確保できるか否かを判断する。中継装置31は、利用帯域幅が確保できると判断すると、自装置で管理している動的な利用帯域幅増減値を要求に応じて加算すると共に、その帯域の利用状況を予約状態に設定する。
中継装置31は、上述のような帯域予約処理の結果を示す情報を含む帯域予約応答をQoS管理装置51に返信する(S130)。例えば、帯域予約処理結果としては、要求通りの帯域確保ができたことを示す情報又は帯域確保ができなかったことを示す情報が設定される。
QoS管理装置51では、帯域制御部520が中継装置31からの帯域予約応答を受信する。帯域制御部520は、その帯域予約応答に含まれる中継装置31の帯域予約処理の結果、及び(S100)において実行した自身の帯域予約処理の結果を含む帯域予約応答をサービス提供装置60に返信する(S140)。このとき、中継装置31の帯域予約処理の結果及び自身の帯域予約処理の結果が同じく帯域確保成功を示す場合には、当該帯域予約応答には、1つの帯域予約処理の結果のみが含まれるようにしてもよい。
また、このとき、変更されたQoSポリシに基づく帯域予約処理が行われている場合には、帯域制御部520は、当該帯域予約応答に、帯域予約処理結果としてQoSポリシが変更された旨を示す情報を設定すると共に、変更されたQoSポリシを設定する。
サービス提供装置60では、応答受信部670がQoS管理装置51からの帯域予約応答を受信する。続いて、図6に示すように、確認部640は、応答受信部670により受信された帯域予約応答を分析する(S150)。具体的には、確認部640は、帯域予約応答に含まれる帯域予約処理結果が帯域確保ができない旨又はQoSポリシが変更された旨を示すか否かを判定する。
確認部640は、当該情報が帯域確保ができない旨又はQoSポリシが変更された旨を示す場合には、QoSポリシの変更を受け入れるか否か、サービスのキャンセル等をユーザに選択させるための確認情報を含めた確認要求をサービス要求の送信元のユーザ端末21に送信する(S150)。ここで送信される確認要求には、品質決定情報の代わりに上記確認情報が含まれること以外、(S50)で送信された確認要求と同様の情報が含まれる。
ユーザ端末21は、この確認要求を受信すると、確認要求に含まれる確認情報を表示させ、QoSポリシの変更を受け入れるか否か、サービスのキャンセル等をユーザに選択させる(S170)。このようなユーザインタフェースは、画面表示に制限されず、音声出力であってもよい。また、ユーザ端末21は、品質レベルの変更が選択された場合には、当該ユーザに変更内容を入力させるようにしてもよい。
ユーザ端末21は、ユーザにより入力(選択)された確認応答情報を含む確認応答をサービス提供装置60に返信する(S180)。確認応答情報には、ユーザにより入力された、QoSポリシの変更を受け入れるか否か、サービスのキャンセル、変更された品質レベル等のいずれか1つが含まれる。また、ここで送信される確認応答は、品質決定情報の代わりに確認応答情報を含むこと以外、(S70)で送信される確認応答と同様の内容を含む。
サービス提供装置60では、確認部640がこの確認応答を受信する。帯域要求部660は、受信された確認応答に含まれる確認応答情報が当該QoSポリシをユーザが受け入れたことを示す場合、又は、帯域予約応答分析(S150)により帯域予約処理結果が帯域確保ができたことを示す場合には、帯域使用要求をQoS管理装置51に送信する(S190)。この帯域使用要求は、上述の帯域予約要求(S90)によりQoS管理装置51及び中継装置31で予約された帯域を使用状態に変更することを要求するメッセージである。この帯域使用要求のメッセージは、サービス提供装置60の制御用IP情報、QoS管理装置51のIP情報、ユーザにより確認されたQoSポリシ及び利用状況(使用)を含む。
ここで、帯域要求部660は、当該確認応答情報がサービスのキャンセルを示す場合、制御トラフィック処理装置41を介してユーザ端末21にサービス終了を通知する(図示せず)。また、帯域要求部660は、当該確認応答情報がQoSポリシの変更を受け入れないことを示す場合、又は、変更された品質レベルを含む場合には、変更されたQoSポリシに基づいて、再度、帯域予約要求を行う(S90〜S140)。
QoS管理装置51では、帯域要求受信部510が帯域使用要求を受信する。続いて、帯域制御部520が帯域使用処理を実行する(S200)。具体的には、帯域制御部520は、上述の帯域予約処理(S100)で予約された帯域の利用状況を予約中から使用中に変更する。続いて、帯域制御部520は、帯域制御対象として特定された中継装置31に、同様のQoSポリシを含む帯域使用要求を送信する(S210)。
中継装置31は、その帯域使用要求を受信すると、その帯域使用要求に含まれるQoSポリシのIPフローで特定される自装置内のIPインタフェースに対して、帯域使用処理を実行する(S220)。具体的には、中継装置31は、上述の帯域予約処理(S120)で予約された帯域の利用状況を予約中から使用中に変更する。
中継装置31は、この帯域使用処理の結果を示す情報を含む帯域使用応答をQoS管理装置51に返信する(S230)。この帯域使用応答には、更に、サービス提供装置60の制御用IP情報、QoS管理装置51のIP情報、QoSポリシ、利用状況(使用)が含まれる。
QoS管理装置51では、帯域制御部520がその帯域使用応答を受信する。続いて、帯域制御部520は、その帯域使用応答に含まれる中継装置31の帯域使用処理の結果、及び(S200)において実行した自身の帯域使用処理の結果を含む帯域使用応答をサービス提供装置60に返信する(S240)。このとき、中継装置31の帯域使用処理の結果及び自身の帯域使用処理の結果が同じく成功を示す場合には、当該帯域使用応答には、1つの帯域使用処理の結果のみが含まれるようにしてもよい。
サービス提供装置60は、受信された帯域使用応答に含まれる帯域使用処理の結果が成功を示す場合には、サービス開始要求で要求されたサービス情報及びサービスメディア情報等により特定されるメディアコンテンツをユーザ端末21に提供する(S250)。このメディアコンテンツの提供のためにユーザ端末21とサービス提供装置60との間で生じるトラフィックは、インターネット90又は移動アクセス網71を介して中継装置31に送られる。
中継装置31は、帯域の利用状況が使用中に設定されている帯域幅を用いて、ユーザ端末21とサービス提供装置60との間のトラフィックを転送する。この転送において、中継装置31は、使用中に設定されているQoSポリシ(帯域幅等)に従って、優先制御や帯域制御等のような一般的なQoS制御を実施する。帯域制御としては、例えば、中継装置31が受信したユーザ端末21とサービス提供装置60との間のトラフィックをバッファリングし、使用中として設定されている帯域幅を上限として出力伝送速度を調整しながら転送する機能(シェーピング)が実施される。
図7は、移動網11経由でサービス変更要求が送信される際における第1実施形態のQoS管理システム10の動作例を示すシーケンスチャートである。ユーザ端末21は、既に提供されているメディアコンテンツの視聴サービスを変更したい場合等に、サービス変更要求を送信する(S310)。このサービス変更要求は、移動アクセス網71、中継装置31及び移動コア網81を介して制御トラフィック処理装置41に届けられる。このサービス変更要求には、変更後のサービス情報及びサービスメディア情報等が含まれる。
以降、サービス変更要求に伴う(S320)から(S440)の各処理は、基本的には、図5に示す(S20)から(S140)の各処理と同様である。以下、サービス変更要求に伴う各処理が図5のサービス開始要求に伴う各処理と異なる点を中心に説明する。
図5のサービス開始要求(S10)及び(S30)は、上述したサービス変更要求(S310)及び(S330)となる。図5のQoSポリシ決定(S80)は、変更QoSポリシ決定(S380)となり、この(S380)では、変更後のサービスに関するQoSポリシが決定される。また、図5の帯域予約要求(S90)及び(S110)は、帯域変更要求(S390)及び(S410)となる。帯域変更要求のメッセージには、変更されたQoSポリシが設定される。
図5の帯域予約処理(S100)及び(S120)は、帯域変更処理(S400)及び(S420)となる。ここでは、使用中の帯域幅が、変更後のQoSポリシに応じた帯域幅に変更される。図5の帯域予約応答(S130)及び(S140)は、帯域変更応答(S430)及び(S440)となる。
サービス提供装置60は、受信された帯域変更応答に含まれる帯域変更処理の結果が成功を示す場合には、サービス変更要求で要求されたサービス情報及びサービスメディア情報等により特定される変更後のメディアコンテンツをユーザ端末21に提供する(S450)。
図8は、移動網11経由でサービス終了要求が送信される際における第1実施形態のQoS管理システム10の動作例を示すシーケンスチャートである。ユーザ端末21は、提供されているサービスを終了させたい場合に、サービス終了要求を送信する(S500)。このサービス終了要求には、終了対象のサービス情報及びサービスメディア情報等が含まれる。
制御トラフィック処理装置41では、受信部410がそのサービス終了要求を受信する。続いて、情報付加部420が、受信されたサービス終了要求を分析する(S510)。この分析において、情報付加部420は、サービス開始時及びサービス終了時と同様に、受信されたサービス終了要求に基づいて、QoS管理装置51を特定するための装置識別情報が付加されたサービス終了要求を生成する。続いて、送信部430は、その終了対象のサービスを提供しているサービス提供装置60にそのサービス終了要求を送信する(S520)。
サービス提供装置60では、要求受信部610がそのサービス終了要求を受信し、そのメッセージに含まれるサービス情報及びサービスメディア情報等で特定されるメディアコンテンツの提供を停止させる(S530)。続いて、帯域要求部660が、その終了させたサービスに関し使用されていた帯域を解放させるための帯域解放要求をQoS管理装置51に送る(S540)。この帯域解放要求の宛先は、サービス終了要求に付加された装置識別情報から取得される。
QoS管理装置51では、帯域要求受信部510がこの帯域解放要求を受けると、帯域制御部520が、その帯域解放要求に応じた帯域解放処理を実行する(S550)。具体的には、帯域制御部520は、受信された帯域終了要求に含まれるQoSポリシのIPフローに基づいて、管理下の中継装置のうち、帯域解放対象となる中継装置31及び中継装置31内のIPインタフェースを特定する。更に、帯域解放要求に含まれるQoSポリシのクラス、メディア情報等を用いて、帯域制御部520は、特定された中継装置31のIPインタフェースにおけるQoSクラス及び利用メディア種別に関し、確保されている利用帯域幅を解放する。この利用帯域幅の解放は、例えば、当該管理情報内の該当帯域の利用状況を利用中から未設定情報に変更されることで実現される。帯域制御部520は、自身の管理情報を更新すると、帯域解放要求を中継装置31に送信する(S560)。
以降、中継装置31においてもQoS管理装置51と同様に帯域解放処理が実行され(S570)、その帯域解放処理の結果を示す情報を含む帯域解放応答がQoS管理装置51に返信される(S580)。QoS管理装置51は、中継装置31からの帯域解放応答を受け、中継装置31及び自身の帯域解放結果が反映された帯域解放応答をサービス提供装置60に返信する(S590)。
図9は、固定網12経由でサービス開始要求が送信される際における第1実施形態のQoS管理システム10の動作例の一部を示すシーケンスチャートである。固定網12経由でサービス開始要求が伝送される際には、ユーザ端末22から送信されたサービス開始要求は、宅内中継装置33、固定アクセス網72、中継装置32、及び固定コア網82を経由して制御トラフィック処理装置42へ送られる。
以降、(S10)〜(S110)までの処理は、伝送される経路が異なること以外、図5と同様に処理される(図9では省略)。固定網12に属するQoS管理装置52においても、帯域制御部520が自身が属する通信網(固定網12)に属する中継装置32を管理している。
中継装置32は、QoS管理装置52から送られる帯域予約要求を受信すると、図5の(S120)と同様に自身の帯域予約処理を実行する。中継装置32は、帯域予約応答をQoS管理装置52に返信する(S130)前に、帯域予約要求を管理下の宅内中継装置33に送信する(S610)。
中継装置32は、受信された帯域予約要求に含まれるQoSポリシのIPフローに基づいて帯域制御対象となる宅内中継装置33を特定する。中継装置32は、管理下の宅内中継装置33のIP情報を予め保持しており、保持される全IP情報の中から、その特定された宅内中継装置33のIP情報を取得し、その宅内中継装置33を当該帯域予約要求の宛先とする。この帯域予約要求には、中継装置32のIP情報、宅内中継装置33のIP情報、QoSポリシ及び利用状況(予約)が含まれる。
宅内中継装置33は、中継装置32から帯域予約要求を受信すると、中継装置32の帯域予約処理(S120)と同様の帯域予約処理を実行する(S620)。宅内中継装置33は、帯域予約処理の結果を示す情報を含む帯域予約応答を中継装置32に返信する(S630)。例えば、帯域予約処理結果としては、要求通りの帯域確保ができたことを示す情報又は帯域確保ができなかったことを示す情報が設定される。
中継装置32は、宅内中継装置33から帯域予約応答を受信すると、宅内中継装置33及び自装置の帯域予約処理結果を示す各情報を含めた帯域予約応答をQoS管理装置52に返信する(S130)。QoS管理装置52は、図5と同様に、帯域予約応答をサービス提供装置60に返信する(S140)。
これにより、サービス提供装置60で受信される帯域予約応答は、QoS管理装置52、中継装置32及び宅内中継装置33での各帯域予約処理の結果が含まれる。サービス提供装置60では、図6と同様の帯域予約応答分析(S150;図9では省略)、ユーザへの確認処理(S160〜S180;図9では省略)が実行される。
その後、サービス提供装置60から帯域使用要求が送信されると(S190)、(S200)から(S220)まで図6と同様の処理が実行される。
中継装置32は、帯域使用処理(S220)が完了し、QoS管理装置52に帯域使用応答を送信する(S230)前に、帯域使用要求を帯域制御対象の宅内中継装置33に送信する(S650)。宅内中継装置33は、中継装置32の帯域使用処理(S220)と同様の帯域使用処理を実行し(S660)、帯域使用応答を中継装置32へ返信する(S670)。QoS管理装置52は、図6と同様に、帯域使用応答をサービス提供装置60に返信する(S240)。
これにより、サービス提供装置60で受信される帯域使用応答は、QoS管理装置52、中継装置32及び宅内中継装置33での各帯域使用処理の結果が含まれる。各帯域使用処理の結果がそれぞれ正常を示した場合に、サービス提供装置60は、対象のメディアコンテンツをユーザ端末22へ提供する(図6のS250と同様)。
固定網12を経由したサービス変更要求時及びサービス終了要求時についても、宅内中継装置33が帯域制御対象として含まれること以外、移動網11を経由した場合と同様の処理が実行される(図7及び図8参照)。このとき、中継装置32は、宅内中継装置33へ帯域変更要求、帯域解放要求を送り、宅内中継装置33からの帯域変更応答、帯域解放応答を受信する。
〔第1実施形態の作用及び効果〕
上述したように第1実施形態では、制御トラフィック処理装置41及び42が、ユーザ端末21及び22からサービス要求(サービス開始要求、サービス変更要求、サービス終了要求)を受信し、その受信されたサービス要求に基づいて、同一通信網に属するQoS管理装置51及び52を特定するための装置識別情報が付加されたサービス要求を生成する。そして、当該装置識別情報が付加されたサービス要求がサービス提供装置60に送信される。
これにより、当該サービス要求を受信したサービス提供装置60は、当該サービス要求に応じた帯域制御(帯域予約、帯域使用、帯域解放、帯域変更等)の要求メッセージの送信先を当該サービス要求のメッセージから取得することができる。つまり、第1実施形態によれば、移動網11又は固定網12とサービス提供装置60とが異なる事業者により管理される場合であっても、QoS管理装置51又は52の情報を適切にサービス提供装置60に提供することができるため、ひいては、通信サービスの品質を適切に管理することに繋がる。
また、第1実施形態では、各ユーザについて、サービス品質を決定する上でのユーザの意思(希望)を示す情報である品質決定情報が情報保持部620に保持される。そして、サービス要求が受信された際に、そのサービス要求に対応する品質決定情報が情報保持部620から抽出され、この抽出された品質決定情報を含む確認要求、又は、その品質決定情報の設定要求がサービス要求の送信元のユーザ端末21又は22に送信される。結果、上記確認要求又は設定要求に応じてユーザ端末21又は22から返信された応答内容に基づいて、QoSポリシが決定される。
このように、第1実施形態によれば、サービス提供装置60とユーザ端末21又は22との間においてユーザ意思確認手順が設けられており、ユーザの意思が確認された品質決定情報に基づいてQoSポリシが決定されるため、ユーザにとって最適なサービス品質をエンドツーエンドで実現することができる。
また、第1実施形態では、サービス提供装置60が、QoS管理装置51又は52、中継装置31、32又は33で実行された帯域予約処理の結果を示す情報を帯域予約応答として受信し、帯域予約処理の結果が帯域予約要求の要求通りでない場合に、QoSポリシの変更を受け入れるか否か、サービスのキャンセル等をユーザに選択させるための情報を含めた確認要求がサービス要求の送信元のユーザ端末に送信される。
これにより、第1実施形態によれば、帯域予約処理が要求通りできなかった場合にもユーザに確認されるため、ユーザの了解の下、最適なサービス品質をエンドツーエンドで実現することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態におけるQoS管理システム10は、メディアコンテンツを受信するユーザ端末を受信中のユーザ端末から他のユーザ端末へQoSポリシを継続しながら切り替えるサービスを提供する。以降、メディアコンテンツを受信中である通信網、その通信網に属する各ノード及びユーザ端末をサービス受信中と表記し、切替え先の通信網、その通信網に属する各ノード及びユーザ端末をサービス転送先と表記する。
第2実施形態におけるQoS管理システム10も、図1に示す第1実施形態と同様のシステム構成を有するものとする。
〔装置構成〕
以降、第2実施形態のQoS管理システム10を構成する各ノードの処理構成について、第1実施形態と同様の内容については適宜省略し、第1実施形態と異なる内容を中心に説明する。
図10は、第2実施形態における制御トラフィック処理装置41及び42の処理構成例を示す概念図である。制御トラフィック処理装置41及び42は、第1実施形態の処理構成に加えて、取得部440及び特定部450を更に有する。これら各処理部についても、第1実施形態と同様に、メモリに格納されるプログラムがCPU1により実行されることにより実現される。
ユーザ端末は、通信中のマルチメディアセッションを他のユーザ端末から自分のユーザ端末へ転送することを要求する場合には、サービス受信中端末情報を含むサービス開始要求を送信する。このサービス受信中端末情報は、他の通信網を介してメディアコンテンツの受信中であるユーザ端末を特定するための端末識別情報である。端末識別情報には例えばユーザ端末番号が利用される。或るユーザが、ユーザ端末21で提供されているメディアコンテンツを視聴している途中で、視聴端末をユーザ端末22に切り替えたい場合に、ユーザ端末21を示すサービス受信中端末情報を含むサービス開始要求がユーザ端末22から送信される。
取得部440は、受信部410により受信されたサービス開始要求から当該サービス受信中端末情報を抽出する。
特定部450は、取得部440により取得されたサービス受信中端末情報で特定されるユーザ端末が通信可能な他の通信網に属する制御トラフィック処理装置を特定する。例えば、ユーザ端末21が移動網11経由でメディアコンテンツの受信中であり、当該サービス開始要求がユーザ端末22から送信されたものである場合には、制御トラフィック処理装置42の特定部450は、移動網11に属する制御トラフィック処理装置41を特定する。
例えば、特定部450は、各ユーザ端末についてそのユーザ端末を管理する制御トラフィック処理装置の情報をそれぞれ保持しており、当該サービス受信中端末情報で特定されるユーザ端末に対応する制御トラフィック処理装置をその保持する情報から取得する。また、特定部450は、当該サービス受信中端末情報で特定されるユーザ端末が自身で管理するものではない場合に転送先とすべき制御トラフィック処理装置の情報を固定して保持していてもよい。また、当該サービス受信中端末情報がドメイン名を持つ態様の場合には、特定部450は、各ドメインに対応する制御トラフィック処理装置の情報をそれぞれ予め保持し、この保持される情報に基づいて、制御トラフィック処理装置を特定するようにしてもよい。
送信部430は、第1実施形態と同様に装置識別情報が付加されたサービス開始要求を、特定部450により特定された制御トラフィック処理装置に送信する。このとき、サービス開始要求に付加される装置識別情報で特定されるQoS管理装置は、サービス転送先の通信網に属するQoS管理装置となる。なお、本実施形態は、制御トラフィック処理装置間の通信プロトコルを限定しない。
情報付加部420は、第1実施形態と同様に、同じ通信網に属するQoS管理装置を特定するための装置識別情報が付加されたサービス開始要求を生成する。第2実施形態では、複数の装置識別情報がサービス開始要求に付加され得る。第2実施形態では、上述したようにサービス開始要求は、送信部430によって、サービス転送先の制御トラフィック処理装置からサービス受信中の制御トラフィック処理装置に転送されるからである。
よって、サービス開始要求に付加される複数の装置識別情報のうち、サービス転送先のQoS管理装置を示す装置識別情報が最初に(前段に)設定され、サービス受信中のQoS管理装置を示す装置識別情報が次に(後段に)設定される。以降、サービス開始要求に付加される複数の装置識別情報のうち、サービス転送先のQoS管理装置を特定するための装置識別情報を前段の装置識別情報又は転送先装置情報と表記し、サービス受信中のQoS管理装置を特定するための装置識別情報を後段の装置識別情報又は受信中装置情報と表記する。
図11は、第2実施形態におけるQoS管理装置51及び52の処理構成例を示す概念図である。QoS管理装置51及び52は、第1実施形態の処理構成に加えて、要求転送部530を更に有する。この処理部についても、第1実施形態と同様に、メモリに格納されるプログラムがCPU1により実行されることにより実現される。
要求転送部530は、帯域要求受信部510により受信された帯域予約要求又は帯域使用要求に上述の転送先装置情報が含まれる場合には、帯域予約要求又は帯域使用要求をその転送先装置情報で特定されるQoS管理装置に転送する。
〔動作例〕
以下、第2実施形態におけるQoS管理システム10の動作例を第1実施形態と異なる内容を中心に説明する。また、以下の説明では、固定網12を経由してユーザ端末22がメディアコンテンツをサービス提供装置60から提供されている最中に、ユーザ端末21が移動網11を経由してそのマルチメディアセッションの転送を要求する場合を例に挙げる。
図12及び図13は、第2実施形態のQoS管理システム10の動作例を示すシーケンスチャートである。このとき、ユーザ端末22は、インターネット90、中継装置32、固定アクセス網72及び宅内中継装置33を経由して、サービス提供装置60からのメディアコンテンツを受信している。サービス転送先のユーザ端末21は、ユーザ端末22を示すサービス受信中端末情報を含むサービス開始要求を送信する(S700)。
制御トラフィック処理装置41では、受信部410がそのサービス開始要求を受信する。続いて、情報付加部420、送信部430及び取得部440が、受信されたサービス開始要求を分析する(S701)。この分析において、情報付加部420は、制御トラフィック処理装置41と同一通信網(移動網11)に属するQoS管理装置51を特定するための装置識別情報を取得し、この取得された装置識別情報を転送先装置情報として付加されるサービス開始要求を生成する。
続いて、取得部440が、そのサービス開始要求からサービス受信中端末情報を抽出する。更に、特定部450が、取得部440により取得されたサービス受信中端末情報で特定されるユーザ端末22が通信可能な通信網(固定網12)に属する制御トラフィック処理装置42を特定する。
これにより、送信部430は、QoS管理装置51を示す転送先装置情報が付加されたサービス開始要求を、特定部450により特定された制御トラフィック処理装置42に送信する(S702)。なお、送信部430は、第1実施形態と同様に、サービス開始要求に含まれるユーザ端末番号やユーザ認証情報に基づいてユーザアクセス認証を実行してもよい。送信されるサービス開始要求には、例えば、上記転送先装置情報(QoS管理装置51の特定情報)に加えて、サービス情報、ユーザ端末21のメディア用IP情報、要求種別(開始)、ユーザ端末21のユーザ端末番号、サービスメディア情報、制御トラフィック処理装置41のIP情報、制御トラフィック処理装置42のIP情報、サービス受信中端末情報(ユーザ端末22のユーザ端末番号)等を含む。
制御トラフィック処理装置42では、受信部410が制御トラフィック処理装置41から送られたサービス開始要求を受信する。続いて、情報付加部420、送信部430及び取得部440が、受信されたサービス開始要求を分析する(S703)。この分析において、情報付加部420は、制御トラフィック処理装置42と同一通信網(固定網12)に属するQoS管理装置52を特定するための装置識別情報を取得し、この取得された装置識別情報が受信中装置情報として付加され、かつ、上記受信されたサービス開始要求に含まれていた転送先装置情報が付加されたサービス開始要求を生成する。
続いて、送信部430は、転送先装置情報及び受信中装置情報が付加されたサービス開始要求の送信先をサービス提供装置60に決定し、この決定されたサービス提供装置60に、当該サービス開始要求を送信する(S704)。送信されるサービス開始要求には、例えば、転送先装置情報(QoS管理装置51の特定情報)及び受信中装置情報(QoS管理装置52の特定情報)に加えて、サービス情報、ユーザ端末21のメディア用IP情報、要求種別(開始)、ユーザ端末21のユーザ端末番号、サービスメディア情報、制御トラフィック処理装置42のIP情報、サービス提供装置60の制御用IP情報及びサービス受信中端末情報(ユーザ端末22のユーザ端末番号)等を含む。
また、送信部430は、サービス開始要求の送信先の決定にあたり、特定部450による以下のような決定内容を参照するようにしてもよい。特定部450は、取得部440により取得されたサービス受信中端末情報で特定されるユーザ端末22に対応する制御トラフィック処理装置が自身であるため、他の制御トラフィック処理装置を送信先として決定しない。また、このとき、送信部430は、既に制御トラフィック処理装置41によりユーザアクセス認証が実行されている場合には、ユーザアクセス認証を実行しないようにしてもよい。
サービス提供装置60では、要求受信部610が当該サービス開始要求を受信する。続いて、情報特定部630及び抽出部650は、サービス開始要求の受付処理を実行する(S705)。この受付処理において、抽出部650は、サービス開始要求から後段の装置識別情報(受信中装置情報)を抽出する。ここで、当該サービス開始要求がサービスの転送を伴い、提供中のサービスに適用されているQoSポリシが継続されるため、図12に示すように、情報特定部630及び確認部640による第1実施形態で示した品質決定情報の確認処理(図5に示すS50からS70の処理)は実行されなくてもよい。ここで、抽出部650は、サービス開始要求に含まれるサービス受信中端末情報を保持しておく。
続いて、帯域要求部660は、当該サービス開始要求により要求されるメディアコンテンツの最適なQoSポリシを、提供中のサービスで適用されているQoSポリシに決定する。帯域要求部660は、決定されたQoSポリシを含む帯域予約要求を、抽出部650により抽出された受信中装置情報により特定されるQoS管理装置52に送信する(S706)。この帯域予約要求には、宛先としてのQoS管理装置52のIP情報に加えて、例えば、サービス提供装置60の制御用IP情報、QoSポリシ(IPフロー、QoSクラス、利用帯域幅、メディア情報)、利用状況(予約)、前段の装置識別情報(転送先装置情報=QoS管理装置51の特定情報)及びサービス受信中端末情報(ユーザ端末22のユーザ端末番号)等を含む。
QoS管理装置52では、帯域要求受信部510が帯域予約要求を受信する。続いて、要求転送部530が、帯域予約処理を実行する(S707)。要求転送部530は、その帯域予約要求に転送先装置情報が含まれていることを検知することにより、その転送先装置情報で特定されるQoS管理装置51を宛先とする帯域予約要求を送信する(S708)。宛先となるQoS管理装置51のIP情報は、例えば、当該転送先装置情報に基づいてDNSサーバ等から取得される。この帯域予約要求には、宛先となるQoS管理装置51のIP情報及び送信元のQoS管理装置52のIP情報に加えて、QoSポリシ、利用状況(予約)等を含む。
QoS管理装置51において、帯域要求受信部510がQoS管理装置52から送信された帯域予約要求を受信する。以降、(S100)から(S130)までの各処理は、第1実施形態と同様である(図5参照)。即ち、当該帯域予約要求に応じて、QoS管理装置51及び中継装置31において帯域予約処理が実行される。
QoS管理装置51の帯域制御部520が、中継装置31からの帯域予約応答を受信する。帯域制御部520は、その帯域予約応答に含まれる中継装置31の帯域予約処理の結果、及び(S100)において実行した自身の帯域予約処理の結果を含む帯域予約応答をQoS管理装置52へ送信する(S710)。この帯域予約応答の宛先は、先に受信された帯域予約要求の送信元のIP情報から得られる。
QoS管理装置52では、要求転送部530がQoS管理装置51から送信された帯域予約応答を受信する。要求転送部530は、その帯域予約応答をサービス提供装置60に転送する(S711)。
サービス提供装置60では、応答受信部670がQoS管理装置52からの帯域予約応答を受信する。この帯域予約応答には、上述したように、中継装置31の帯域予約処理の結果及びQoS管理装置51の帯域予約処理の結果が含まれる。以降、確認部640は、第1実施形態と同様に、この帯域予約応答を分析し、帯域予約処理結果が帯域確保ができない旨又はQoSポリシが変更された旨を示す場合には、確認処理を実行する(図6に示すS150からS180までの処理)。
帯域要求部660は、続いて、上述のように予約された帯域に対して帯域使用要求を送信する。帯域使用要求は、上述の帯域予約要求と同様の処理により、サービス受信中のQoS管理装置52を経由して、サービス転送先のQoS管理装置51へ送られる(S715、S716、S717)。帯域使用要求に含まれる情報は、(S706)で送信される帯域予約要求に含まれる情報と、利用状況が使用中を示すことを除いて、同様である。QoS管理装置51及び中継装置31は、受信された帯域使用要求に応じて、第1実施形態と同様の処理を実行する(S200からS230までの各処理)。
QoS管理装置51は、帯域予約応答受信時と同様の処理により、帯域使用応答をQoS管理装置52に送る(S718)。この帯域使用応答には、中継装置31の帯域使用処理の結果及びQoS管理装置51の帯域使用処理の結果が含まれる。QoS管理装置52は、帯域予約応答時と同様の処理により、この帯域使用応答をサービス提供装置60に転送する(S719)。
サービス提供装置60は、受信された帯域使用応答に含まれる帯域使用処理の結果が成功を示す場合には、ユーザ端末22により受信中であったメディアコンテンツの提供先をユーザ端末21に変更する。これにより、当該メディアコンテンツは、インターネット90、中継装置31及び移動アクセス網71を経由して、サービス提供装置60からユーザ端末21へ送信される。
一方、QoS管理装置52は、帯域使用応答をサービス提供装置60に送信した後、先に(S715)で受信した帯域使用要求に含まれていたサービス受信中端末情報に基づいて、帯域解放処理を実行する(S730)。具体的には、帯域制御部520が、当該サービス受信中端末情報で特定されるユーザ端末22のために利用されていたQoSポリシを取得し、このQoSポリシを対象に帯域解放処理を実行する。この帯域解放処理は、第1実施形態と同様である(図8のS550参照)。
以降、帯域制御部520により、帯域解放要求が対象の中継装置32に送信され(S731)、中継装置32により帯域解放処理が実行される(S732)。これら各処理は、第1実施形態と同様である(図8のS560及びS570)。固定網12の中継装置32は、宅内中継装置33を管理している。従って、中継装置32は、自身の帯域解放処理を実行した後、帯域解放要求を対象の宅内中継装置33に送る(S733)。宅内中継装置33においても同様に帯域解放処理が実行され(S734)、その結果を示す帯域解放応答が中継装置32へ返信される(S735)。中継装置32も同様に、帯域解放応答をQoS管理装置52へ返信する(S736)。
〔第2実施形態の作用及び効果〕
上述したように、第2実施形態では、サービス転送先の制御トラフィック処理装置により、ユーザ端末から送信されたサービス開始要求からサービス受信中端末情報が抽出され、このサービス受信中端末情報で特定されるユーザ端末に対応する他の制御トラフィック処理装置(サービス受信中の制御トラフィック処理装置)宛てにサービス開始要求が送信される。このとき、サービス転送先の制御トラフィック処理装置により、サービス転送先のQoS管理装置の情報(転送先装置情報)が付加されたサービス開始要求が生成される。
これにより、第2実施形態によれば、FMCのように管理形態が異なる通信網間を跨ってサービスの引き継ぎを行う場合であっても、サービス受信中の通信網に対して、サービス転送先の通信網に属するQoS管理装置の情報を知らせることができる。
更に、第2実施形態では、サービス受信中の制御トラフィック処理装置により、サービス転送先の制御トラフィック処理装置から送信されたサービス開始要求が受信されると、そのサービス開始要求に含まれる転送先装置情報と共にサービス受信中のQoS管理装置の情報(受信中装置情報)が付加されたサービス開始要求がサービス提供装置60に送信される。
これにより、第2実施形態によれば、各通信網とサービス提供装置60とがそれぞれ異なる管理形態となる場合であっても、各通信網のQoS管理装置の情報をそれぞれサービス提供装置60に提供することができる。
更に、第2実施形態では、サービス提供装置60において、受信されたサービス開始要求から、転送先装置情報及び受信中装置情報が抽出され、抽出された受信中装置情報で特定されるQoS管理装置に、抽出された転送先装置情報を含む帯域要求が送信される。このとき、その帯域要求において、受信中のサービスに適用されていたQoSポリシが引き継がれる。その帯域要求を受信したQoS管理装置では、受信された帯域要求に転送先装置情報が含まれる場合には、転送先装置情報で特定されるQoS管理装置を宛先とする帯域要求が送信される。これにより、サービス転送先のQoS管理装置及びそのQoS管理装置で管理される中継装置等の帯域が確保される。
これにより、第2実施形態によれば、サービス受信中の通信網とは管理形態の異なる通信網がサービス転送先となる場合であっても、適切にサービス転送先の通信網に転送前と同じQoSポリシに応じた帯域確保を行うことができる。よって、FMCのような異なる事業者網を跨ったサービスのエンドツーエンドでのQoS制御を適切に実現することができる。
[第1変形例]
上述の各実施形態では、移動網11及び固定網12にとって、他の特定通信網を経由することなく、公衆網のみを介してサービス提供装置60と通信可能な構成を例に挙げたが、本実施形態は、移動網11及び固定網12にとって公衆網と共に他の特定通信網を経由してサービス提供装置60と通信する構成であってもよい。
図14は、第1変形例におけるQoS管理システム10の構成例を示す概念図である。図14に示すように、第1変形例では、サービス提供装置60が固定網12に属する構成を例に挙げる。なお、他の形態として、サービス提供装置60が移動網11に属する構成であってもよい。図14の構成例によれば、移動網11は、インターネット90及び固定網12を経由してサービス提供装置60と通信する。
第1変形例では、固定網12が上述の各実施形態における構成に加えて中継装置35を更に有する。中継装置35は、固定コア網82とインターネット90との間で送受されるトラフィックを中継し、その間の通信帯域を制御する。QoS管理装置52は、中継装置32と共にこの中継装置35も管理する。以下、上述の第1実施形態及び第2実施形態と異なる内容を中心に、第1変形例の各ノードについて説明する。
第1変形例では、移動網11を経由してユーザ端末21からサービス開始要求が送られる場合には、第2実施形態における図12及び図13で示す処理シーケンスと同様の処理シーケンスが実行される。但し、この場合には、ユーザ端末21から送信されるサービス開始要求には、サービス受信中端末情報が含まれない。なお、固定網12を経由してユーザ端末22からサービス開始要求が送られる場合には、上述の各実施形態と同様の処理が行われる。
第1変形例では、サービス開始要求が、制御トラフィック処理装置41から制御トラフィック処理装置42へ送られる際の判断手法が、図12で示す処理とは異なる。即ち、制御トラフィック処理装置41は、受信されたサービス開始要求に基づいてサービス提供装置60を特定した後、サービス提供装置60にアクセスするために経由する必要のある通信網に属する制御トラフィック処理装置を特定する。図14の例によれば、制御トラフィック処理装置42が特定される。これにより、制御トラフィック処理装置41は、図12と同様に、QoS管理装置51の装置識別情報を含むサービス開始要求を制御トラフィック処理装置42宛てに送信する。
また、第1変形例では、サービス提供装置60からの帯域予約要求を受信したQoS管理装置52による帯域予約処理(図12のS707)が異なる。第1変形例では、サービス提供装置60から提供されるメディアコンテンツは、固定網12に属する中継装置35を経由して移動網11へ送られるため、QoS管理装置52は、帯域予約処理(図12のS707)において、中継装置35の該当帯域を予約する。即ち、QoS管理装置52は、中継装置35に関する自身の帯域予約処理を実行し、かつ、中継装置35に帯域予約要求を送信した後、QoS管理装置51に帯域予約要求を送信する(図12のS708)。
これにより、中継装置35、QoS管理装置51及び中継装置31においてそれぞれ帯域予約処理及び帯域使用処理が実行され、QoSポリシに対応する帯域幅がそれぞれ確保される。結果、サービス提供装置60から提供されるメディアコンテンツは、固定コア網82、中継装置35、インターネット90、中継装置31及び移動アクセス網71を経由してユーザ端末21に送られる。
なお、第1変形例におけるサービス変更時及びサービス終了時においても、上述のサービス開始時と同様の処理が実行されればよい。このように、第1変形例のようなシステム構成であっても、第1実施形態及び第2実施形態と同様の効果が奏される。
[第2変形例]
上述の第1実施形態及び第2実施形態では、中継装置32により管理される下位層ノードが1つ(宅内中継装置33)である例が用いられたが、中継装置32により管理される下位層ノードが複数存在してもよいし、複数の下位層ノードが複数階層に存在してもよい。
図15は、第2変形例におけるQoS管理システム10の構成例を示す概念図である。図15に示すように、第2変形例では、固定網12は、第1実施形態及び第2実施形態の構成に加えて、光端末集線装置37及び光網宅内装置38を更に有する。また、第2変形例では、固定アクセス網72が光アクセス網である例を用いる。中継装置32は、宅内中継装置33と共に光端末集線装置37を管理し、光端末集線装置37が更に光網宅内装置38を管理する。
光端末集線装置37は、光アクセス網72のネットワーク側集線装置である。光端末集線装置37は、中継装置32から送られる帯域要求に含まれるQoSポリシに従って光伝送路の帯域制御を実施しながら、上りと下りのトラフィックを中継する機能、管理下の光網宅内装置38にQoSポリシを含む帯域要求を送信する機能等を有する。
光網宅内装置38は、光アクセス網の宅内終端装置である。光網宅内装置38は、例えば、家庭用の光ブロードバンドルータの機能の一部を有する。光網宅内装置38は、光端末集線装置37から受信する帯域要求に含まれるQoSポリシに従って、光伝送路の帯域制御を実施しながら、上りと下りのトラフィックを中継する機能を有する。
図16は、第2変形例におけるQoS管理システム10の動作例を示すシーケンスチャートである。第2変形例におけるQoS管理システム10の動作は、基本的には、上述の各実施形態と同様である。中継装置32がQoS管理装置52から帯域要求(帯域予約要求、帯域使用要求、帯域変更要求、帯域解放要求)を受信した以降の動作(S800からS805までの各処理)が、上述の各実施形態と異なる。図16には、帯域予約時の動作が示されている。
中継装置32は、QoS管理装置52から帯域予約要求を受信すると、自身の帯域予約処理を実行し(S120)、帯域制御対象となる管理下の宅内中継装置33と共に、光端末集線装置37に、同様のQoSポリシを含む帯域予約要求を送信する(S610及びS800)。
光端末集線装置37は、中継装置32から送られた帯域予約要求を受けると、中継装置32及び宅内中継装置33等と同様に帯域予約処理を実行する(S801)。光端末集線装置37は、管理下の光網宅内装置38が更に存在するため、同様のQoSポリシを含む帯域予約処理を光網宅内装置38に送信する(S802)。
光網宅内装置38においても、光端末集線装置37と同様に、帯域予約要求に含まれるQoSポリシに応じて帯域予約処理が実行され(S803)、帯域予約応答が返信される(S804)。
このように、第2変形例の構成によれば、QoS管理装置52から中継装置32に帯域予約要求が届けられることにより、中継装置32、宅内中継装置33、光端末集線装置37、光網宅内装置38それぞれにおいてQoSポリシに応じた帯域幅が確保される。即ち、宅内中継装置33、光端末集線装置37及び光網宅内装置38の実質的な管理が、QoS管理装置52ではなく、QoS管理装置52の配下の中継装置32で実施される。
よって、第2変形例によれば、IPTV(Internet Protocol TeleVision)のセットトップBOX(STB)やHGW(Home GateWay)等、今後増え続ける宅内通信網のQoSポリシ管理を間接的に集中管理することができ、ひいては、宅内通信網を含んだエンドツーエンドでのQoS制御を実現することができる。
[補足]
図1、図14及び図15で示すシステム構成例では、サービス品質管理装置(51及び52)、制御トラフィック処理装置(41及び42)、中継装置(31、32及び35)等を含む通信網として、移動網11及び固定網12のみが存在する例を示したが、インターネット90内にも同様のサービス品質管理装置、制御トラフィック処理装置、中継装置等を含む複数の中継通信網が存在していてもよい。この場合には、サービス提供装置60とユーザ端末21又は22との間に、サービス品質管理装置等を含む複数の通信網が介在することになるが、各通信網内の各ノードの処理は、上述の各実施形態及び各変形例に示すものと同様であればよい。
なお、上記実施形態の説明は、複数のシーケンスチャートを用いており、それぞれに複数のステップ(処理)を順番に記載しているが、その記載の順番は、本実施形態で実行される処理ステップの各順番を必ずしも限定するものではない。本実施形態では、図示される処理ステップの順番を内容的に支障しない範囲で変更することができる。
なお、当然ながら、上述した実施の形態及び複数の変形例は、その内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
上記の各実施形態及び各変形例の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得る。但し、各実施形態及び各変形例が以下の記載に限定されるものではない。
(付記1)第1通信網に属し、第1通信網に属する少なくとも1つの中継装置を管理する第1サービス品質管理装置と、第1通信網に属し、ユーザ端末に第1通信網を介してメディアコンテンツを提供するための制御トラフィックを処理する第1制御トラフィック処理装置と、メディアコンテンツを提供するサービス提供装置と、を含むサービス品質管理システムにおいて、上記第1制御トラフィック処理装置は、上記ユーザ端末から上記メディアコンテンツに関するサービス要求を受信する受信手段と、上記受信手段により受信されたサービス要求に基づいて、同一通信網に属する上記第1サービス品質管理装置を特定するための装置識別情報が付加されたサービス要求を生成する情報付加手段と、上記装置識別情報が付加されたサービス要求を上記サービス提供装置に送信する送信手段と、を備えることを特徴とするサービス品質管理システム。
(付記2)上記サービス品質管理システムは、上記第1通信網と所定通信網を介して接続される第2通信網に属し、ユーザ端末に当該第2通信網を介してメディアコンテンツを提供するための制御トラフィックを処理する第2制御トラフィック処理装置を更に含み、上記第1制御トラフィック処理装置は、上記受信手段により受信されたサービス要求から、上記第2通信網を介して上記メディアコンテンツの受信中であるユーザ端末を特定するための端末識別情報をサービス受信中端末情報として取得する取得手段と、上記取得手段により取得されたサービス受信中端末情報で特定されるユーザ端末が通信可能な上記第2通信網に属する上記第2制御トラフィック処理装置を特定する特定手段と、を更に備え、上記第1制御トラフィック処理装置の上記情報付加手段は、上記第1サービス品質管理装置を特定するための装置識別情報が転送先装置情報として付加されたサービス要求を生成し、上記第1制御トラフィック処理装置の上記送信手段は、上記特定手段により特定された上記第2制御トラフィック処理装置に、上記転送先装置情報が付加されたサービス要求を送信する、ことを特徴とする付記1に記載のサービス品質管理システム。
(付記3)上記サービス品質管理システムは、上記第2通信網に属し、上記第2通信網に属する少なくとも1つの中継装置の通信リソースを管理する第2サービス品質管理装置を更に含み、上記第2制御トラフィック処理装置は、上記第1制御トラフィック処理装置から転送されるサービス要求を受信する受信手段と、上記受信手段により受信されたサービス要求に基づいて、上記第1制御トラフィック処理装置により付加された上記転送先装置情報が付加され、更に、同一通信網に属する上記第2サービス品質管理装置を特定するための装置識別情報を受信中装置情報として付加されたサービス要求を生成する情報付加手段と、上記転送先装置情報及び上記受信中装置情報が付加されたサービス要求を、上記第2通信網を介したメディアコンテンツの提供中にある上記サービス提供装置に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする付記2に記載のサービス品質管理システム。
(付記4)上記サービス提供装置は、上記第1制御トラフィック処理装置から送信された上記サービス要求を受信する要求受信手段と、各ユーザについて、サービス品質を決定するための品質決定情報をそれぞれ保持する情報保持手段と、上記要求受信手段により受信されたサービス要求に対応する上記品質決定情報を上記情報保持手段から取得する情報特定手段と、上記情報特定手段により取得された品質決定情報を含む第1確認要求、又は、上記品質決定情報の設定要求を上記サービス要求の送信元のユーザ端末に送信する確認手段と、を備えることを特徴とする付記1から3のいずれか1つに記載のサービス品質管理システム。
(付記5)上記サービス提供装置は、上記要求受信手段により受信されたサービス要求から上記装置識別情報を抽出する抽出手段と、上記確認手段により送信された上記第1確認要求に対する上記ユーザ端末からの応答に応じて決定されたサービス品質の情報を含む帯域要求を、上記抽出手段により抽出された装置識別情報により特定される上記第1サービス品質管理装置に、送信する帯域要求手段と、上記帯域要求手段により送信された帯域要求に応じた、上記第1サービス品質管理装置及び上記中継装置による帯域処理の結果を示す帯域応答を受信する応答受信手段と、を更に備え、上記確認手段は、上記応答受信手段により受信された帯域応答に基づいて、上記帯域処理の結果が上記帯域要求を満たすか否かを判断し、上記帯域処理の結果が上記帯域要求を満たさない場合に、第2確認要求を上記サービス要求の送信元のユーザ端末に送信する、ことを特徴とする付記4に記載のサービス品質管理システム。
(付記6)上記サービス提供装置の上記抽出手段は、上記要求受信手段により受信されたサービス要求から、上記転送先装置情報及び上記受信中装置情報を抽出し、上記サービス提供装置の上記帯域要求手段は、上記抽出手段により抽出された受信中装置情報で特定される上記第2サービス品質管理装置に、上記抽出手段により抽出された転送先装置情報を含む帯域要求を送信し、上記第2サービス品質管理装置は、上記サービス提供装置から送られた帯域要求を受信する帯域要求受信手段と、上記帯域要求受信手段により受信された帯域要求に上記転送先装置情報が含まれる場合には、上記転送先装置情報で特定される上記第1サービス品質管理装置を宛先とする帯域要求を送信する要求転送手段と、を備えることを特徴とする付記5に記載のサービス品質管理システム。
(付記7)通信網に属し、当該通信網に属する少なくとも1つの中継装置を管理するサービス品質管理装置及びメディアコンテンツを提供するサービス提供装置と通信可能であり、ユーザ端末に当該通信網を介して当該メディアコンテンツを提供するための制御トラフィックを処理する制御トラフィック処理装置において、上記ユーザ端末から上記メディアコンテンツに関するサービス要求を受信する受信手段と、上記受信手段により受信されたサービス要求に基づいて、同一通信網に属する上記サービス品質管理装置を特定するための装置識別情報が付加されたサービス要求を生成する情報付加手段と、上記装置識別情報が付加されたサービス要求を上記サービス提供装置に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする制御トラフィック処理装置。
(付記8)上記受信手段により受信されたサービス要求から、他の通信網を介して上記メディアコンテンツの受信中であるユーザ端末を特定するための端末識別情報をサービス受信中端末情報として取得する取得手段と、上記取得手段により取得されたサービス受信中端末情報で特定されるユーザ端末が通信可能な上記他の通信網に属する他の制御トラフィック処理装置を特定する特定手段と、を更に備え、上記情報付加手段は、上記サービス品質管理装置を特定するための装置識別情報が転送先装置情報として付加されたサービス要求を生成し、上記送信手段は、上記特定手段により特定された上記他の制御トラフィック処理装置に、上記転送先装置情報が付加されたサービス要求を送信する、ことを特徴とする付記7に記載の制御トラフィック処理装置。
(付記9)上記受信手段は、他の制御トラフィック処理装置から送信される、上記転送先装置情報が付加されたサービス要求を受信し、上記情報付加手段は、上記受信手段により受信されたサービス要求に基づいて、上記他の制御トラフィック処理装置により付加された上記転送先装置情報が付加され、更に、同一通信網に属するサービス品質管理装置を特定するための装置識別情報を受信中装置情報として付加されたサービス要求を生成し、上記送信手段は、上記転送先装置情報及び上記受信中装置情報が付加されたサービス要求を、上記メディアコンテンツの提供中にある上記サービス提供装置に送信する、ことを特徴とする付記8に記載の制御トラフィック処理装置。
(付記10)通信網に属し、当該通信網に属する少なくとも1つの中継装置を管理するサービス品質管理装置及び当該通信網に属しユーザ端末に当該通信網を介してメディアコンテンツを提供するための制御トラフィックを処理する制御トラフィック処理装置と通信可能であり、当該メディアコンテンツを提供するサービス提供装置において、上記ユーザ端末からの上記メディアコンテンツに関するサービス要求であって、上記制御トラフィック処理装置により上記サービス品質管理装置を特定するための装置識別情報が付加されたサービス要求を受信する要求受信手段と、各ユーザについて、サービス品質を決定するための品質決定情報をそれぞれ保持する情報保持手段と、上記要求受信手段により受信されたサービス要求に対応する上記品質決定情報を上記情報保持手段から取得する情報特定手段と、上記情報特定手段により取得された品質決定情報を含む第1確認要求、又は、上記品質決定情報の設定要求を上記サービス要求の送信元のユーザ端末に送信する確認手段と、を備えることを特徴とするサービス提供装置。
(付記11)上記要求受信手段により受信されたサービス要求から上記装置識別情報を抽出する抽出手段と、上記確認手段により送信された上記第1確認要求に対する上記ユーザ端末からの応答に応じて決定されたサービス品質の情報を含む帯域要求を、上記抽出手段により抽出された装置識別情報により特定される上記第1サービス品質管理装置に、送信する帯域要求手段と、上記帯域要求手段により送信された帯域要求に応じた、上記第1サービス品質管理装置及び上記中継装置による帯域処理の結果を示す帯域応答を受信する応答受信手段と、を更に備え、上記確認手段は、上記応答受信手段により受信された帯域応答に基づいて、上記帯域処理の結果が上記帯域要求を満たすか否かを判断し、上記帯域処理の結果が上記帯域要求を満たさない場合に、第2確認要求を上記サービス要求の送信元のユーザ端末に送信する、ことを特徴とする付記10に記載のサービス提供装置。
(付記12)メディアコンテンツを提供するサービス提供装置と通信可能であり、通信網に属し、当該通信網に属する少なくとも1つの中継装置を管理するサービス品質管理装置において、上記サービス提供装置から送られた帯域要求を受信する帯域要求受信手段と、上記帯域要求受信手段により受信された帯域要求に含まれるサービス品質情報に基づいて、上記中継装置の管理情報を更新する帯域制御手段と、上記帯域要求受信手段により受信された帯域要求に、上記通信網とは異なる他の通信網に属する他のサービス品質管理装置を特定するための転送先装置情報が含まれる場合には、当該転送先装置情報で特定される他のサービス品質管理装置を宛先とする帯域要求を送信する要求転送手段と、を備えることを特徴とするサービス品質管理装置。
(付記13)第1通信網に属し、第1通信網に属する少なくとも1つの中継装置を管理する第1サービス品質管理装置と、第1通信網に属し、第1ユーザ端末に第1通信網を介してメディアコンテンツを提供するための制御トラフィックを処理する第1制御トラフィック処理装置と、第1通信網と所定通信網を介して接続される第2通信網に属し、第2ユーザ端末に第2通信網を介してメディアコンテンツを提供するための制御トラフィックを処理する第2制御トラフィック処理装置と、メディアコンテンツを提供するサービス提供装置と、を含むシステムにより実行されるサービス品質管理方法において、上記第1制御トラフィック処理装置が、上記第1ユーザ端末から送信されたサービス要求を受信し、上記受信されたサービス要求から、上記第2通信網を介して上記メディアコンテンツの受信中であるユーザ端末を特定するための端末識別情報をサービス受信中端末情報として取得し、上記取得されたサービス受信中端末情報で特定されるユーザ端末が通信可能な上記第2通信網に属する上記第2制御トラフィック処理装置を特定し、上記第1サービス品質管理装置を特定するための装置識別情報が転送先装置情報として付加されたサービス要求を生成し、上記特定された上記第2制御トラフィック処理装置に、上記転送先装置情報が付加されたサービス要求を送信する、ことを含むサービス品質管理方法。
(付記14)上記サービス品質管理システムは、上記第2通信網に属し、上記第2通信網に属する少なくとも1つの中継装置の通信リソースを管理する第2サービス品質管理装置を更に含み、上記第2制御トラフィック処理装置が、上記第1制御トラフィック処理装置から送信されるサービス要求を受信し、上記受信されたサービス要求に基づいて、上記第1制御トラフィック処理装置により付加された上記転送先装置情報が付加され、更に、同一通信網に属する上記第2サービス品質管理装置を特定するための装置識別情報を受信中装置情報として付加されたサービス要求を生成し、上記転送先装置情報及び上記受信中装置情報が付加されたサービス要求を、上記第2通信網を介したメディアコンテンツの提供中にある上記サービス提供装置に送信する、ことを含む付記13に記載のサービス品質管理方法。
(付記15)上記サービス提供装置が、受信されたサービス要求から、上記転送先装置情報及び上記受信中装置情報を抽出し、上記抽出された受信中装置情報で特定される上記第2サービス品質管理装置に、上記抽出された転送先装置情報を含む帯域要求を送信し、上記第2サービス品質管理装置が、上記サービス提供装置から送られた帯域要求を受信し、上記受信された帯域要求に上記転送先装置情報が含まれる場合には、上記転送先装置情報で特定される上記第1サービス品質管理装置を宛先とする帯域要求を送信する、ことを含む付記14に記載のサービス品質管理方法。
この出願は、2010年11月29日に出願された日本出願特願2010−264666号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。