JP5589133B2 - 電子機器及びプログラム - Google Patents
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例えば、特許文献1には、ワークフローシステムを用いて業務順序を記録する場合は、業務で発生する申請作業や承認作業をワークフローとして定義する。特許文献1では、このワークフローに沿って申請書類を送信したり、承認作業したりすることで、業務の順序(履歴)がシステム上に記憶される電子文書管理システムが提案されている。
具体的には、機器の使用に際し、ユーザにログイン名、ログインID、パスワードなどの認証情報の入力を求め、その入力情報が予め登録されている認証情報と一致したとき、予め与えられた権限の範囲内で機器の使用を許可するようにしている。
このような被害を防ぐ方法として、セキュリティ性の高い指紋認証など採用する方法がある。しかしながら、このような認証システムは、高価である。しかも、高いセキュリティ性を必要としない部署(秘密情報を扱わない部署など)もあるので、導入が難しいのが現状であった。
また、本発明のプログラムは、電子機器のコンピュータを解析手段、認証手段及び認証順序登録手段として機能させる構成としてある。ここで、解析手段は、ホストコンピュータから受信した処理データに記述されているコマンドと記憶部に記憶されている認証コマンド、及び前記記述コマンドの前記処理データへの記述順序と記憶部に記憶されている認証順序をそれぞれ照合する。認証手段は、前記照合の結果、前記認証コマンドがそれぞれ前記記述コマンドのいずれかと一致し、かつ、前記前記登録認証コマンドと一致した前記記述コマンドの記述順序が前記認証順序と一致したときに、前記処理データの処理の実行を許可する。認証順序登録手段は、認証順序データに従って、前記認証コマンドと前記認証コマンドの前記認証順序を登録して、前記記憶部に記憶する。前記認証順序データは、前記認証コマンドの前記認証順序を示す複数の識別記号と、各識別記号に対応する認証コマンド名を定義しており、前記認証コマンド名として、前記認証コマンド又は前記認証コマンドがないことを示す文字列を設定することが可能であり、前記認証手段は、前記認証順序データの前記認証コマンド名として前記認証コマンドがないことを示す文字列が設定されている場合、その文字列とその文字列に対応する前記認証順序を除いて、前記処理データの処理の実行の許否を判断する。
本実施形態の電子機器1は、ホストコンピュータ2から受信した処理データとしての印刷データを、この印刷データに含まれるコマンドにしたがって処理するように構成される。
本実施形態の電子機器1は、複写機、プリンタ、スキャナ、ファクシミリなどの機能を複合的に備えるMFPである。電子機器1は、図2に示すような印刷データ(プリンタ記述言語によって記述されたデータ)をホストコンピュータ2から受信すると、前記印刷データに記述されている印刷制御コマンド(以下、「記述コマンド」と記述する。)にしたがって印刷処理を実行する。図3の例は、300dpiの解像度で印刷処理しつつ、パンチ穴加工を施す記述コマンドを示したものである。
電子機器1は、CPU(Central Process Unit)やチップセット等の制御要素、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等により構成されたコンピュータを有する。CPUは、プログラムを実行する演算処理装置である。ROMは、プログラム及びデータを予め記憶した不揮発性のメモリである。RAMは、プログラムを実行する際にそのプログラム及びデータを一時的に記憶して、作業領域として用いるメモリである。
電子機器1は、プログラムを実行することにより、CPU内に解析手段11、認証手段12、認証順序登録手段13を機能ブロックとして構成する。
記憶部14は、ハードディスクその他の読み書き可能な不揮発性メモリである。記憶部14は、認証順序登録手段13によって登録された複数の認証コマンドと、この認証コマンドの認証順序を記憶する。
印刷部15は、印刷データの印刷処理を実行して、印刷データに基づく画像を用紙に印刷する印刷エンジンである。
なお、本実施形態の電子機器1は、MFPの基本的な構成として、原稿読み取り部、給紙部及び排紙部などを備えるが、これらの構成は、従来通りであるため、図示及び説明は省略する。
解析手段11は、ホストコンピュータ2から受信した印刷データや認証順序データを解析する。解析手段11は、認証順序データを解析して、認証コマンド及び認証コマンドの認証順序として登録可能であれば、この認証順序データを認証順序登録手段13に提供する。更に、解析手段11は、印刷データ中の記述コマンドと記憶部14に記憶された認証コマンド、記述コマンドの記述順序と記憶部14に記憶された認証順序をそれぞれ照合し、照合結果を認証手段12に提供する。
例えば、図2に示すように、記述順序が変わっても処理結果に影響を与えない注釈コマンド(CMNT)、印刷解像度コマンド(RESL)、パンチ(孔開け)コマンド(PNCH)などのコマンドを認証コマンドとして利用することができる。
なお、パンチができない機種でも、通常、コマンド自体は解釈される。従って、電子機器1にパンチ機能が備わっているか否かにかかわらず、パンチ穴開けコマンドを識別コマンドとして利用することは可能である。
また、定義された認証コマンドの一部の認証コマンド(少なくとも2つ以上)の順序を認証対象とすることもできる。例えば、図3(c)の認証コマンドの順序例(2)に示すように、図3(a)で定義された3つの認証コマンド(「AAA」、「BBB」及び「CCC」)のうち、「AAA」及び「BBB」という2つの認証コマンドの認証順序が、「BBB−AAA」の順であることを求めることもできる。ここで、「NONE」は、認証コマンドを設定しないことを示す。図3(c)の例では、「NONE」が「AUTH_3」に対応しているので、認証順序が3番目の認証コマンドはなく、2つの認証コマンドとその認証順序により、印刷処理の許否が判断されることになる。
また、認証順序を登録する権限は、個人、役職、部署などに与えることができ、個人、役職、部署ごとに認証順序を適宜変更することにより、電子機器1の不正使用を効果的に防止することができる。
この図に示すように、電子機器1に認証順序を新規に登録したり、既に登録されている認証順序を変更(上書き登録)したりする場合、電子機器1は、ホストコンピュータ2からデータを受信する(S11)。
解析手段11は、受信データが認証順序データであるか否かを判断する(S12)。
ここで、受信データが認証順序データではないと判断されれば(S12:NO)、解析手段11は、受信データを消去する(S13)。
一方、受信データが認証順序データであると判断されれば(S12:YES)、解析手段11は、認証順序データを解析する(S14)。
解析処理が終了したら、解析手段11は、認証順序データが認証順序として登録可能なデータであるか否かを判断する(S15)。例えば、解析手段11は、制限文字数を超えていないか否か、記述順序が変わっても処理結果に影響を与えないコマンドを使用しているか否か、コマンド名が重複していないか否か、といった各種の判断基準をチェックする。
ここで、認証順序データが認証コマンド及び認証コマンドの認証順序として登録可能ではないと判断されれば(S15:NO)、解析手段11は、認証順序データを消去する(S13)。
一方、認証順序データが認証コマンド及び認証コマンドの認証順序として登録可能であると判断されれば、解析手段11は認証順序データを認証順序登録手段13に提供する(S15:YES)。認証順序登録手段13は、解析手段11から提供された認証順序データを記憶部14に記憶する(S16)。これにより、認証順序は、新規登録又は上書き登録される。
図5に示すように、電子機器1は、ホストコンピュータ2から印刷データを受信したら(S21)、解析手段11は、記憶部14から上記の認証順序登録処理によって登録され、記憶部13に記憶されている認証順序データを読み込む(S22)。解析手段11は、まず、印刷データ中の記述コマンドと一番目の認証コマンド(「AUTH_1」に対応する認証コマンド)を照合する(S23)。
例えば、図3の(b)により登録された認証順序にもとづいて認証する場合、解析手段11は、印刷データ中の記述コマンドと一番目の認証コマンドである「AAA」を照合する。具体的には、解析手段11は、一番目の認証コマンド「AAA」が記述コマンドのいずれかと一致するか否か、つまり、印刷データに認証コマンドと同じ記述コマンド「AAA」が含まれているか否かを判断する(S24)。
ここで、印刷データ中に記述コマンド「AAA」が含まれていなければ(S24:NO)、認証手段12は、二番目の認証コマンドについての照合を拒否し、印刷データを消去する(S25)。
S24で照合が許可されると、解析手段11は、印刷データ中の記述コマンドと二番目の認証コマンド(「AUTH_2」に対応する「BBB」)を照合する(S26)。
例えば、図3の(b)により登録された認証順序にもとづいて認証する場合、解析手段11は、印刷データ中の記述コマンドと二番目の認証コマンドである「BBB」を照合する。具体的には、解析手段11は、二番目の認証コマンド「BBB」が記述コマンドのいずれかと一致するか否か、つまり、印刷データに記述コマンド「BBB」が含まれているか否かを判断する。印刷データ中に記述コマンド「BBB」が含まれていれば、解析手段11は、印刷データに「BBB」が「AAA」よりも後側に記述されているか否かを判断する(S27)。
ここで、印刷データ中に記述コマンド「BBB」が含まれていなければ(S27:NO)、認証手段12は、三番目の認証コマンドについての照合を拒否し、印刷データを消去する(S25)。また、印刷データ中に記述コマンド「BBB」が含まれていても、「BBB」が「AAA」よりも前側に記述されていれば(S27:NO)、認証手段12は三番目の認証コマンドについての照合を拒否し、印刷データを消去する(S25)。
S27で照合が許可されると、解析手段11は、印刷データ中の記述コマンドと三番目の認証コマンド(「AUTH_3」に対応する「CCC」)を照合する(S28)。
例えば、図3の(b)により登録された認証順序にもとづいて認証する場合、解析手段11は、印刷データ中の記述コマンドと三番目の認証コマンドである「CCC」を照合する。具体的には、解析手段11は、三番目の認証コマンド「CCC」が記述コマンドのいずれかと一致するか否か、つまり、印刷データに記述コマンド「CCC」が含まれているか否かを判断する。印刷データ中に記述コマンド「CCC」が含まれていれば、解析手段11は、印刷データ中に「CCC」が「BBB」よりも後側に記述されているか否かを判断する(S29)。
ここで、印刷データ中に記述コマンド「CCC」が含まれていなければ(S29:NO)、認証手段12は、印刷データの印刷処理の実行を拒否し、印刷データを消去する(S25)。また、印刷データ中に記述コマンド「CCC」が含まれていても、「CCC」が「BBB」よりも前側に記述されていれば(S27:NO)、認証手段12は印刷データの印刷処理の実行を拒否し、印刷データを消去する(S25)。
一方、印刷データ中に記述コマンド「CCC」が含まれており、かつ「CCC」が「BBB」よりも後側に記述されていれば、(S29:YES)、認証手段12は、印刷データの認証を完了し(S30)、印刷データの印刷処理の実行を許可する。
印刷処理の実行が許可されると、印刷部15は印刷データに基づく画像を用紙に印刷する(S31)。
以上のように、本実施形態では、1番目から3番目の認証コマンドが登録されている場合に、1番目から3番目の認証コマンドがそれぞれ印刷データ中の記述コマンドのいずれかと一致し、かつ、1番目から3番目の認証コマンドと一致した記述コマンドの記述順序が認証順序と一致していれば、印刷データが印刷処理される。
以上の構成により、認証情報の漏洩にもとづく機器の不正使用を効果的に防止し、内部統制の強化を図ることができる。
上記の構成に加え、電子機器1は、ホストコンピュータ2から受信した認証順序データに応じて、認証コマンドと認証コマンドの認証順序を登録して、記憶部14に記憶する認証順序登録手段13を備えてもよい。
以上の構成により、ホストコンピュータ2から電子機器1に認証順序データを送信するだけで、認証順序を容易に登録することが可能になる。また、認証順序を登録する権限は、個人、役職、部署などに与えることができ、個人、役職、部署ごとに認証順序を適宜変更することにより、電子機器1の不正使用をより効果的に防止することが可能になる。
そうすることによって、他者による認証コマンドの特定が困難になるとともに、コマンドの記述順序による認証という点に気付かれにくい効果を奏する。
つまり、仮に、認証情報(認証コマンド)を他者が見たとしても、認証情報と認識し難いため、機器の不正使用を効果的に防止することができる。
更に、認証コマンドとしては、認証順序が変わっても処理結果に影響を与えないコマンドを利用することができる。
そうすることによって、記述コマンドの記述順序に応じて認証方法が変わるので、認証コマンドを変更することなく、容易に認証方法を変えることができるという利点がある。
なお、印刷データに直接、認証コマンドと同じ記述コマンドを認証順序と記述順序で入力することにより、ユーザは本実施形態の電子機器1で利用できる印刷データを生成することができる。この操作は、ホストコンピュータのプリンタドライバを利用して行っても良い。例えば、認証データの登録に伴い、ユーザは、ホストコンピュータ2のプリンタドライバ上で認証コマンドと認証順序を設定する。プリンタドライバは、印刷データ生成時に、設定された記述コマンドを設定された記述順序で記述するようにすればよい。
また、本実施形態の電子機器1は、プログラム(ソフトウェア)の命令によりコンピュータで実行される機能によっても実現可能である。プログラムは、電子機器1(コンピュータ)の各構成要素(解析手段11、認証手段12及び認証順序登録手段13)に指令を送り、上記のような所定の処理を実行させる。すなわち、本実施形態の電子機器1における各機能は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段によって実現される。
プログラムの全部又は一部は、例えば、磁気ディスク,光ディスク,半導体メモリ,その他任意のコンピュータで読取り可能な記録媒体により提供され、記録媒体から読み出されたプログラムがコンピュータにインストールされて実行される。また、プログラムは、記録媒体を介さず、通信回線を通じて直接にコンピュータにロードし実行することもできる。
例えば、MFP等に限らず、認証機能を有する他の電子機器に広く使用することができる。
また、上記実施形態では、2つ又は3つの認証コマンドを用いた認証方法について説明しているが、これに限らず、4以上の認証コマンドを用いて認証するようにしてもよい。この場合、さらに認証順序のバリエーションは増大するため、よりセキュリティ性を高めることができる。
2 ホストコンピュータ
11 解析手段
12 認証手段
13 認証順序登録手段
14 記憶部
Claims (8)
- 複数の認証コマンドと、前記認証コマンドの認証順序を記憶する記憶部と、
ホストコンピュータから受信した処理データに記述されている記述コマンドと前記認証コマンド、及び前記記述コマンドの前記処理データへの記述順序と前記認証順序をそれぞれ照合する解析手段と、
前記照合の結果、前記認証コマンドがそれぞれ前記記述コマンドのいずれかと一致し、かつ、前記認証コマンドと一致した前記記述コマンドの記述順序が前記認証順序と一致したときに、前記処理データの処理の実行を許可する認証手段と、
認証順序データに従って、前記認証コマンドと前記認証コマンドの前記認証順序を登録して、前記記憶部に記憶する認証順序登録手段とを備え、
前記認証順序データは、前記認証コマンドの前記認証順序を示す複数の識別記号と、各識別記号に対応する認証コマンド名を定義しており、前記認証コマンド名として、前記認証コマンド又は前記認証コマンドがないことを示す文字列を設定することが可能であり、
前記認証手段は、前記認証順序データの前記認証コマンド名として前記認証コマンドがないことを示す文字列が設定されている場合、その文字列とその文字列に対応する前記認証順序を除いて、前記処理データの処理の実行の許否を判断する
ことを特徴とする電子機器。 - 前記記述コマンドが、認証以外の用途で用いられる所定の印刷制御コマンドからなる請求項1記載の電子機器。
- 前記認証順序登録手段は、前記ホストコンピュータから受信した認証順序データに応じて、前記認証コマンドと前記認証コマンドの前記認証順序を登録して、前記記憶部に記憶する請求項1又は2記載の電子機器。
- 前記記述コマンドは、前記処理データの処理に用いられるコマンドである請求項1乃至3のいずれか一項記載の電子機器。
- 前記記述コマンドは、前記記述順序が変わっても処理結果に影響を与えないコマンドである請求項4記載の電子機器。
- 前記処理データが印刷データであり、
前記認証コマンド及び前記記述コマンドが印刷制御コマンドである請求項1乃至5のいずれか一項記載の電子機器。 - 電子機器のコンピュータを、
ホストコンピュータから受信した処理データに記述されている記述コマンドと記憶部に記憶されている認証コマンド、及び前記記述コマンドの前記処理データへの記述順序と記憶部に記憶されている認証順序をそれぞれ照合する解析手段、
前記照合の結果、前記認証コマンドがそれぞれ前記記述コマンドのいずれかと一致し、かつ、前記認証コマンドと一致した前記記述コマンドの記述順序が前記認証順序と一致したときに、前記処理データの処理の実行を許可する認証手段、及び
認証順序データに従って、前記認証コマンドと前記認証コマンドの前記認証順序を登録して、前記記憶部に記憶する認証順序登録手段、
として機能させ、
前記認証順序データは、前記認証コマンドの前記認証順序を示す複数の識別記号と、各識別記号に対応する認証コマンド名を定義しており、前記認証コマンド名として、前記認証コマンド又は前記認証コマンドがないことを示す文字列を設定することが可能であり、
前記認証手段は、前記認証順序データの前記認証コマンド名として前記認証コマンドがないことを示す文字列が設定されている場合、その文字列とその文字列に対応する前記認証順序を除いて、前記処理データの処理の実行の許否を判断する
ことを特徴とするプログラム。 - 前記記述コマンドが、認証以外の用途で用いられる所定の印刷制御コマンドからなる請求項7記載のプログラム。
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