以下、電子書籍装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態において、既読ページに出現するオブジェクトと未読ページに出現するオブジェクトの両方を表示し、かつその表示態様が異なる電子書籍装置1について説明する。
また、本実施の形態において、以前に読んだページに、表示を戻した場合でも、今まで読んだページに対応して表示するオブジェクトを変化させない電子書籍装置1について説明する。
また、本実施の形態において、特に、電子書籍に登場する人物の人物相関図を表示できる電子書籍装置1について説明する。
図1は、本実施の形態における電子書籍装置1のブロック図である。電子書籍装置1は、電子書籍格納部101、読書履歴情報格納部102、関係情報格納部103、オブジェクト出現情報格納部104、受付部105、電子書籍表示部106、ページめくり部107、読書履歴情報取得部108、読書履歴情報蓄積部109、既読箇所情報取得部110、出現オブジェクト取得部111、未出現オブジェクト取得部112、関係取得部113、およびオブジェクト表示部114を備える。
電子書籍格納部101は、1以上の電子書籍を格納し得る。電子書籍は、書籍のタイトルを含む書誌情報と1以上のページ(書籍の内容)を有する。また、書誌情報は、書籍のタイトル以外に、例えば、書籍識別子、著者、出版社、発行年、ジャンルなどを有しても良い。書籍識別子は、例えば、ISBN(国際標準図書番号)である。なお、書誌情報は、書籍のタイトルを含まない、と考えても良い。電子書籍のデータ構造は問わないことは言うまでもない。
読書履歴情報格納部102は、1以上の読書履歴情報を格納し得る。読書履歴情報とは、ユーザが行った読書行為に関する履歴の情報である。読書履歴情報は、読書の経過、履歴を示す情報であるとも言える。また、読書履歴情報は、通常、タイトル、ページ番号、時刻を示す時刻情報を有する。ただし、読書履歴情報は、タイトル、ページ番号だけでも良い。ここでのページ番号は、既に読んだページを特定する情報、または未読のページを特定する情報である。また、読書履歴情報は、既読の書籍の書籍識別子のみでも良い。なお、一定時間以上、ページの表示状態が継続した場合に、読書履歴情報が取得されることは好適である。つまり、ぱらぱらめくりの場合等、一時のみオープンした頁の情報について、読書履歴情報に含めないことは好適である。
関係情報格納部103は、人等のオブジェクトの関係を示す情報である1以上の関係情報を格納している。関係情報は、例えば、子、親、父、母、孫、祖父、おじいさん、兄弟、姉妹、兄、弟、姉、妹、従兄弟、いとこ、友人、師匠、弟子、親友、片思いなどである。関係情報は、例えば、子、親、父、母、孫、祖父、おじいさん、兄弟等の関係名称と、配置関係とを有しても良い。配置関係とは、上、下、横、左、右など、人名や人を特定する情報を繋ぐ場合の配置を示す情報である。また、関係情報は、例えば、後述する図11や、図16のように、オブジェクト間の関係(人間関係、位置関係など)を示す図的な情報であっても良い。また、関係情報は、専門用語間の関係を示す情報、学習対象の関係を示す情報、位置関係を示す情報などでも良い。関係情報が学習対象の関係を示す情報である場合、オブジェクト間の関係は、上位と下位の関係、習得する順番の関係などである。また、関係情報が位置関係を示す情報である場合、オブジェクト間の関係は、北(上)、南(下)、東(右)、西(左)などである。北(上)とは、図8の構造を用いて説明すれば、関係名称が「北」、配置関係が「上」という意味である。
オブジェクト出現情報格納部104は、1以上のオブジェクト出現情報を格納し得る。オブジェクト出現情報は、オブジェクトと出現箇所情報とを有する情報である。オブジェクトとは、ここでは、人名や人を特定する情報である。ただし、オブジェクトは、単語、英語などの外国語の単語、地名、(山、川、谷、湖沼などを含む)、地図上の施設名、名勝、建築物名、概念、専門用語、学習対象など、何でも良い。また、出現箇所情報とは、オブジェクトが出現する箇所を特定する情報である。出現箇所情報とは、通常、電子書籍の中で、最初にオブジェクトが出現する箇所を特定する情報であることは好適である。オブジェクトが出現する箇所を特定する情報は、例えば、ページ番号や、章の番号や、オフセットなどである。なお、1以上のオブジェクト出現情報は、予め格納されていることが好適である。ただし、電子書籍から、図示しない手段(オブジェクト出現情報取得手段)により、動的に、1以上のオブジェクト出現情報が取得されても良い。例えば、後述する受付部105がオブジェクト表示指示を受け付けた場合に、図示しないオブジェクト出現情報取得手段が、電子書籍から、1以上のオブジェクト出現情報を取得しても良い。その際、人名は、人名辞書を用いて、文章から取得されてもよい。なお、人名辞書は、日本人だけでなく外国人も含めるのが好適である。また、地名は、現実の地名であれば、地名辞書や地図情報DBを用いて、文章から取得されてもよい。また、人名辞書や地名辞書や地図情報DBは、電子書籍装置1の内部に保有してもよく、必要に応じて通信回線を経由して、Webサーバ装置(図示しない)等から取得されてもよい。また、人名、地名とも、当該書籍の文章あるいは索引から取得してもよく、人手で入力してもよい。さらに、人名や地名などを、文章から取得する技術は公知技術であるので、詳細な説明を省略する。
受付部105は、読書行為指示を受け付ける。読書行為指示は、例えば、電子書籍を開く指示であるオープン指示や、ページをめくる指示であるページめくり指示などである。また、受付部105は、オブジェクトを表示する指示であるオブジェクト表示指示を受け付けても良い。ここで、受け付けとは、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念である。読書行為指示等の入力手段は、キーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。受付部105は、キーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
電子書籍表示部106は、受付部105がオープン指示を受け付けた場合、オープン指示に対応する電子書籍を電子書籍格納部101から読み出し、表示する。
ページめくり部107は、受付部105がページめくり指示を受け付けた場合、ページめくり指示に従って、表示している電子書籍のページとは異なるページを表示する。異なるページとは、例えば、次ページ、前ページ、任意のページ等である。
ページめくり部107は、受付部105が、現在表示されているページよりも前のページであり、既読のページを特定するページ識別子を含むページめくり指示を受け付けた場合に、ページ識別子に対応するページを表示する。なお、ページ識別子は、複数のページを特定する情報を含むと考えても良い。複数のページを特定する情報とは、一の章や節などを特定する情報である。
読書履歴情報取得部108は、受付部105が受け付けた読書行為指示に対応した読書履歴情報を取得する。読書履歴情報は、通常、表示中の書籍のタイトル、ページ番号、時刻情報を有する。ただし、読書履歴情報は、タイトルや書籍識別子のみでも良い。なお、読書履歴情報取得部108は、一定時間以上、ページの表示状態が継続した場合に、読書履歴情報を取得することは好適である。つまり、ぱらぱらめくりの場合等、一時のみオープンした頁について、読書履歴情報に含めないことは好適である。読書履歴情報取得部108は、ユーザからのページめくり指示等の指示があるごとに、読書履歴情報を取得することは好適であるが、読書履歴情報を取得するタイミングが問わない。また、読書履歴情報取得部108は、例えば、当該電子書籍装置1の保有者のジャンルごとの読む速さに関する情報(読書速度情報)を保持しており、かかる情報に従って、当該ページを読んだのか、ぱらぱらめくっただけなのかを判断することは好適である。例えば、読書履歴情報取得部108は、「ジャンル「小説」、1分/ページ」「ジャンル「専門書」、2分/ページ」「ジャンル「雑誌」、30秒/ページ」などの読書速度情報を格納しており、かかる読書速度情報を用いて、読書速度情報が示す速度と同程度以上の速度でページがめくられれば、当該ページを既読とし、所定の条件(例えば、読書速度情報が示す1ページあたりの読書時間の70%以内)を満たすほど読書速度情報が示す速度より速い速度でページがめくられれば、ぱらぱらめくり(既読ではない)と判断することは好適である。
読書履歴情報蓄積部109は、読書履歴情報取得部108が取得した読書履歴情報を読書履歴情報格納部102に蓄積する。読書履歴情報蓄積部109は、読書履歴情報を追記しても良いし、上書きしても良い。上書きする場合、通常、読書履歴情報格納部102には、読んだ最終ページの識別子(ページ番号など)が蓄積されていることとなる。また、追記する場合、通常、読書履歴情報格納部102には、読んだすべてのページの識別子が蓄積されていることとなる。つまり、小説などの連続性のある電子書籍の場合は、上書きすることが好適である。一方、ランダムに学習する対象である参考書や百科辞典などの連続性のない電子書籍の場合は、追記することが好適である。
既読箇所情報取得部110は、読書履歴情報格納部102の1以上の読書履歴情報から、既読の箇所を特定する情報である1以上の既読箇所情報を取得する。既読箇所情報取得部110は、通常、受付部105がオブジェクト表示指示を受け付けた場合に、1以上の既読箇所情報を取得する。ただし、既読箇所情報取得部110が1以上の既読箇所情報を取得するタイミングは問わない。
出現オブジェクト取得部111は、1以上の既読箇所情報から、既読の箇所に出現した一の種類、または2以上の種類のオブジェクトである1以上の出現オブジェクトを取得する。種類とは、例えば、人名や、人を特定する情報や、外国語の単語や、地名や、建物名などである。
出現オブジェクト取得部111は、ページ識別子に対応するページが表示されている際(例えば、既読のページよりも前のページが表示されている際)に、受付部105がオブジェクト表示指示を受け付けた場合でも、既読箇所情報取得部110が取得した1以上の既読箇所情報から、既読の箇所に出現した一の種類のオブジェクトである1以上の出現オブジェクトを取得することは好適である。つまり、出現オブジェクト取得部111が取得するオブジェクトは、通常、現在、表示されているページを基準とするものではなく、既に読んだページを基準とする。なお、電子書籍に関して、読む順番が決められている書籍でも良いし、読む順番が決められていない書籍でも良い。
出現オブジェクト取得部111は、1以上の既読箇所情報から、既読の箇所に対応する出現箇所情報と対になる1以上の種類のオブジェクト(出現オブジェクト)を、オブジェクト出現情報格納部104から取得する。
未出現オブジェクト取得部112は、1以上の既読箇所情報から、未読の箇所に出現する一の種類、または2以上の種類のオブジェクトである1以上の未出現オブジェクトを取得する。
未出現オブジェクト取得部112は、ページ識別子に対応するページが表示されている際(例えば、既読のページよりも前のページが表示されている際)に、受付部105がオブジェクト表示指示を受け付けた場合でも、既読箇所情報取得部110が取得した1以上の既読箇所情報から、未読の箇所に出現する一の種類、または2以上の種類のオブジェクトである1以上の未出現オブジェクトを取得する。
未出現オブジェクト取得部112は、1以上の既読箇所情報から、未読の箇所に対応する出現箇所情報と対になるオブジェクト(未出現オブジェクト)を、オブジェクト出現情報格納部104から取得する。なお、未出現オブジェクトは、電子書籍から動的に取得されても良い。さらに詳細には、例えば、未出現オブジェクト取得部112は、電子書籍格納部101が保持している電子書籍の書誌情報(例えば、全体ページ数を含む)と1以上の既読箇所情報とから、未読の箇所情報(例えば、未読のページや未読の章番号など)を取得する。次に、出現オブジェクト取得部111は、未読の箇所情報に対応するオブジェクトであり、出現オブジェクトではないオブジェクトをオブジェクト出現情報格納部104から取得しても良い。
また、未出現オブジェクト取得部112は、1以上の既読箇所情報に出現しないオブジェクトを、未出現オブジェクトとして、オブジェクト出現情報格納部104から取得しても良い。かかる場合は、未出現オブジェクト取得部112は、電子書籍の書誌情報を用いない。
関係取得部113は、1以上の関係情報を用いて、2以上のオブジェクトに対応する人の関係を取得する。例えば、「太郎の弟である次郎は、・・・・」という文が電子書籍に存在する場合、関係取得部113は、人名「太郎」「次郎」を取得し、関係情報「弟」を取得し、2人の関係「「太郎」−弟−「次郎」」を取得する。なお、関係取得部113は、例えば、「“人名1”の“関係”である“人名2”」「“人名2”は、“人名1”の“関係”である」などのオブジェクトの関係を特定するパターン(関係特定パターンという)を保持しており、かかる関係特定パターンに合致する文または句等を電子書籍から取得し、2以上のオブジェクトに対応する人の関係を取得する。なお、関係取得部113は、一旦取得した人の関係を、変更または削除することもできることは好適である。例えば、関係取得部113は、一旦取得した関係である「恋愛関係」を「夫婦」に変更することができる。あるいは、関係取得部113は、一旦取得した関係である「師弟」を削除することもできる。つまり、関係取得部113は、最新に出現した人の関係を、現時点の関係とし、元の関係を更新する。
さらに、関係取得部113が取得する人の関係は、「太郎−>弟−>次郎」や「次郎−>兄−>太郎」のように方向性を有してもよいし、「太郎−兄弟−次郎」のように方向性を有しなくてもよい。方向性を有するときは、「太郎−片思い−>花子」のように一方向だけの関係を有してもよい。
オブジェクト表示部114は、1以上の出現オブジェクトと、1以上の未出現オブジェクトとを異なる表示態様で表示する。なお、オブジェクト表示部114は、出現オブジェクトを、未出現オブジェクトと比較して、目立つ態様で表示することは好適である。例えば、出現オブジェクトを未出現オブジェクトより大きく表示したり、出現オブジェクトを未出現オブジェクトより目立つ色で表示したり、出現オブジェクトをBoldフォント(かつ、例えば、明朝体)で表示し、未出現オブジェクトを通常のフォント(例えば、明朝体)で表示したりすることである。
また、オブジェクト表示部114は、まもなく出現する未出現オブジェクトを、他の未出現オブジェクトに比べて目立つ態様で表示することは好適である。かかる場合、例えば、未出現オブジェクト取得部112は、現在出力中のページ番号(カレントページ番号)を取得し、当該カレントページ番号からN(Nは1以上の整数)ページ以内に出現する未出現オブジェクトを第一のグループの未出現オブジェクトとして取得する。また、未出現オブジェクト取得部112は、カレントページ番号から(N+1)ページ以降に出現する未出現オブジェクトを第二のグループの未出現オブジェクトとして取得する。そして、オブジェクト表示部114は、第一のグループの未出現オブジェクトを、第二のグループの未出現オブジェクトと比較して、目立つ態様で表示する。かかる処理により、まもなく出現するオブジェクトが表示され、読者は興味をそそられ、読書意欲が高まる。
また、オブジェクト表示部114は、未出現オブジェクトが存在することのみを表示し、その内容を表示しなくてもよい。また、オブジェクト表示部114は、未出現オブジェクトが存在すること、および当該未出現オブジェクトと他のオブジェクトとの関係を表示し、その内容を表示しなくてもよい。かかる処理により、読者は興味をそそられ、読書意欲が高まる。
オブジェクト表示部114は、1以上の出現オブジェクトと1以上の未出現オブジェクトの関係を明示する態様で表示し、かつ、1以上の出現オブジェクトと1以上の未出現オブジェクトとを異なる表示態様で表示することは好適である。
オブジェクト表示部114は、関係取得部113が取得した人の関係に応じて、1以上の出現オブジェクトと1以上の未出現オブジェクトの関係を明示するように人物関係図を構成し、かつ、1以上の出現オブジェクトと1以上の未出現オブジェクトとを異なる表示態様で表示することはさらに好適である。ここで、関係とは、人間関係、位置関係などであり、オブジェクト間の関係である。
また、オブジェクト表示部114は、ある特定のオブジェクトを中央に配置して、他のオブジェクトとの関係を表示できるようにしてもよい。かかる場合、ユーザが指定した特定のオブジェクトを中央に配置することは好適である。
電子書籍格納部101、読書履歴情報格納部102、関係情報格納部103、およびオブジェクト出現情報格納部104は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
電子書籍格納部101等に電子書籍等が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して電子書籍等が電子書籍格納部101で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された電子書籍等が電子書籍格納部101で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された電子書籍等が電子書籍格納部101で記憶されるようになってもよい。
電子書籍表示部106、ページめくり部107、およびオブジェクト表示部114は、ディスプレイデバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。電子書籍表示部106等は、ディスプレイデバイスのドライバーソフトまたは、ディスプレイデバイスのドライバーソフトとディスプレイデバイス等で実現され得る。
読書履歴情報取得部108、読書履歴情報蓄積部109、既読箇所情報取得部110、出現オブジェクト取得部111、未出現オブジェクト取得部112、および関係取得部113は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。読書履歴情報取得部108等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
なお、電子書籍装置1において、オブジェクト間の関係を明示する必要はない。電子書籍装置1において、表示態様が異なるように、既読ページに出現するオブジェクトと未読ページに出現するオブジェクトとを表示できれば良い。つまり、電子書籍装置1において、関係情報格納部103、関係取得部113が存在しなくても良い。かかる場合の電子書籍装置1の構成は、図2である。
次に、電子書籍装置1の動作について、図3のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS301)受付部105は、指示を受け付けたか否かを判断する。指示を受け付ければステップS302に行き、指示を受け付けなければステップS301に戻る。
(ステップS302)既読箇所情報取得部110は、ステップS301で受け付けられた指示がオープン指示であるか否かを判断する。オープン指示であればステップS303に行き、オープン指示でなければステップS305に行く。なお、オープン指示は、電子書籍識別子を含む、とする。
(ステップS303)既読箇所情報取得部110は、オープン指示に含まれる電子書籍識別子に対応する既読箇所情報を読書履歴情報格納部102から取得する。
(ステップS304)電子書籍表示部106は、電子書籍識別子に対応する電子書籍のページであり、ステップS303で取得された既読箇所情報が示す既読のページの次のページを電子書籍格納部101から読み出し、表示する。ステップS301に戻る。
(ステップS305)読書履歴情報取得部108は、ステップS301で受け付けられた指示がページめくり指示であるか否かを判断する。ページめくり指示であればステップS306に行き、ページめくり指示でなければステップS311に行く。
(ステップS306)読書履歴情報取得部108は、読書履歴情報を取得する条件に合致するか否かを判断する。つまり、例えば、読書履歴情報取得部108は、例えば、一定時間以上、現在表示中のページの表示状態が継続した等、読んだと言える条件を満たすか否かを判断する。条件に合致する場合はステップS307に行き、条件に合致しない場合はステップS309に行く。なお、読書履歴情報取得部108は、図示しない時計を用いて、表示中のページの表示時間をカウントする、とする。
(ステップS307)読書履歴情報取得部108は、読書履歴情報を取得する。読書履歴情報取得部108は、例えば、表示中の書籍の電子書籍識別子(例えば、タイトル)、ページ番号、時刻情報を取得する。なお、読書履歴情報取得部108は、図示しない時計から時刻情報を取得する。
(ステップS308)読書履歴情報蓄積部109は、読書履歴情報取得部108が取得した読書履歴情報を読書履歴情報格納部102に蓄積する。
(ステップS309)ページめくり部107は、ページめくり指示に対応するページを、電子書籍格納部101から読み出す。
(ステップS310)ページめくり部107は、読み出したページを出力する。ステップS301に戻る。
(ステップS311)既読箇所情報取得部110は、ステップS301で受け付けられた指示がオブジェクト表示指示であるか否かを判断する。オブジェクト表示指示であればステップS312に行き、オブジェクト表示指示でなければステップS313に行く。
(ステップS312)オブジェクト表示部114等は、オブジェクト表示処理を行う。ステップS301に戻る。なお、オブジェクト表示処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS313)電子書籍表示部106は、ステップS301で受け付けられた指示がクローズ指示であるか否かを判断する。クローズ指示であればステップS314に行き、クローズ指示でなければステップS301に戻る。
(ステップS314)電子書籍表示部106は、表示中の電子書籍の表示を停止する。ステップS301に戻る。
なお、図3のフローチャートにおいて、オブジェクト表示の態様は問わない。また、図3のフローチャートにおいて、オブジェクト表示指示に応じて、オブジェクトの表示が行われた。しかし、指示がなくても、電子書籍の表示中に、オブジェクトの表示が行われても良い。さらに、図3のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
次に、ステップS312のオブジェクト表示処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS401)既読箇所情報取得部110は、読書履歴情報格納部102から、表示中の電子書籍の読書履歴情報を読み出す。
(ステップS402)既読箇所情報取得部110は、ステップS401で読み出された読書履歴情報から、既読箇所情報を取得する。
(ステップS403)出現オブジェクト取得部111は、ステップS402で取得された既読箇所情報を用いて、既読箇所に出現する1以上のオブジェクトを、オブジェクト出現情報格納部104から取得する。
(ステップS404)未出現オブジェクト取得部112は、ステップS402で取得された既読箇所情報を用いて、未読箇所に出現する(または、既読箇所に出現しない)1以上のオブジェクトを、オブジェクト出現情報格納部104から取得する。
(ステップS405)関係取得部113は、オブジェクト間の関係を取得する。オブジェクト間の関係を取得する関係取得処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS406)オブジェクト表示部114は、オブジェクト関係図を取得する。なお、オブジェクト表示部114は、ステップS405で取得された関係を用いて、オブジェクト関係図を構成することは好適である。ただし、オブジェクト表示部114は、予めオブジェクト出現情報格納部104に格納されているオブジェクト関係図を読み出すだけでも良い。
(ステップS407)オブジェクト表示部114は、オブジェクト関係図の中のオブジェクトであり、ステップS403で取得された出現オブジェクトを、未出現オブジェクトと比較して、目立つ態様に変更する。例えば、オブジェクト表示部114は、出現オブジェクトの文字列の属性値(例えば、文字色)を、目立つ態様に変更する。
(ステップS408)オブジェクト表示部114は、オブジェクト関係図を表示する。上位処理にリターンする。
なお、図4のフローチャートにおいて、オブジェクト表示部114は、オブジェクト関係図を表示した。しかし、オブジェクト表示部114は、関係を明示せず、出現オブジェクトと未出現オブジェクトとを列挙するだけでも良い。ただし、出現オブジェクトと未出現オブジェクトとの表示態様は異なることは必要である。
次に、ステップS405の関係取得処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS501)関係取得部113は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS502)関係取得部113は、関係情報格納部103にi番目の関係情報が存在するか否かを判断する。i番目の関係情報が存在すればステップS503に行き、存在しなければ上位処理にリターンする。
(ステップS503)関係取得部113は、i番目の関係情報を関係情報格納部103から取得する。
(ステップS504)関係取得部113は、i番目の関係情報をキーとして、表示中の電子書籍を検索し、i番目の関係情報が出現する文を取得する。
(ステップS505)関係取得部113は、ステップS504で文を取得できたか否かを判断する。文を取得できればステップS506に行き、文を取得できなければステップS513に行く。
(ステップS506)関係取得部113は、カウンタjに1を代入する。
(ステップS507)関係取得部113は、ステップS505で取得した文の中に、j番目の文が存在するか否かを判断する。j番目の文が存在すればステップS508に行き、j番目の文が存在しなければステップS513に行く。
(ステップS508)関係取得部113は、j番目の文に2以上のオブジェクトが含まれるか否かを判断する。2以上のオブジェクトが含まれればステップS509に行き、2以上のオブジェクトが含まれなければステップS512に行く。なお、オブジェクトは、オブジェクト出現情報格納部104に格納されているオブジェクトである。
(ステップS509)関係取得部113は、i番目の関係情報、j番目の文の中の2以上のオブジェクトを取得し、当該情報を用いて、2以上のオブジェクト間の関係を取得する。ここで、関係取得部113は、例えば、上述した関係特定パターンを用いて、2以上のオブジェクト間の関係を取得する。
(ステップS510)関係取得部113は、ステップS509でオブジェクト間の関係が取得できたか否かを判断する。オブジェクト間の関係が取得できればステップS511に行き、取得できなければステップS512に行く。
(ステップS511)関係取得部113は、ステップS509で取得したオブジェクト間の関係を、バッファに一時蓄積する。なお、かかるバッファの情報は、オブジェクト関係図を構成する際に使用される。
(ステップS512)関係取得部113は、カウンタjを1、インクリメントする。ステップS507に戻る。
(ステップS513)関係取得部113は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS502に戻る。
以下、本実施の形態における電子書籍装置1の具体的な動作について説明する。ここで、2つの具体例について説明する。一つは、電子書籍が、例えば、小説である。また、他は、電子書籍が、例えば、英語の参考書である。
また、電子書籍装置1の電子書籍格納部101には、図6に示す小説の電子書籍が格納されている。また、電子書籍格納部101には、図示しない英語の参考書も格納されている。
また、読書履歴情報格納部102には、図7に示す読書履歴情報管理表が格納されている。読書履歴情報管理表は、「ID」「電子書籍識別子」「ページ番号」「時刻」を有するレコードが1以上、格納されている。「ID」は読書履歴情報管理表のレコードを識別する情報である。また、「電子書籍識別子」は、ここでは電子書籍のタイトルである。「ページ番号」は、既読のページ番号を示す。また、「ID=1」「ID=3」のページ番号は、既読の最後のページ番号のみを示している。一方、「ID=2」のページ番号は、既読のすべてのページ番号を示している。つまり、「ページ番号」は、既読のページが判断できれば、どのようなデータ構造でも良い。さらに、「時刻」は、最後に読んだ時刻を示す。なお、「時刻」は、各ページと当該ページを読んだ時刻を示す情報でも良い。
また、関係情報格納部103は、図8に示す関係情報管理表を格納している。関係情報管理表は、「ID」「関係情報」を有するレコードを1以上有する。また、「関係情報」は「関係名称」と「配置関係」を有する。ただし、「関係情報」は「関係名称」だけでも良い。
(具体例1)
具体例1は、オブジェクト間の関係を取得する場合の例である。
図9は、電子書籍識別子「小説A」の書籍に対応するオブジェクト出現情報格納部104に格納されているオブジェクト出現情報管理表である。また、オブジェクト出現情報管理表は、「ID」「オブジェクト」「出現箇所情報」を有するレコードを1以上格納している。ここでの「オブジェクト」は、人名である。また、出現箇所情報は、オブジェクトが最初に出現するページ番号のみである。
かかる場合、電子書籍装置1のユーザは、電子書籍識別子「小説A」を有するオープン指示を入力した、とする。すると、受付部105は、オープン指示を受け付ける。次に、既読箇所情報取得部110は、オープン指示に含まれる電子書籍識別子「小説A」に対応する既読箇所情報「51」を読書履歴情報管理表から取得する。次に、電子書籍表示部106は、電子書籍識別子に対応する電子書籍のページであり、取得された既読箇所情報が示す既読のページ「51」の次のページ「52」を電子書籍格納部101から読み出し、表示する。そして、図6のページが表示される。
次に、電子書籍装置1のユーザは、52ページをじっくり読み、次ページを有するページめくり指示を入力する。すると、受付部105は、ページめくり指示を受け付ける。そして、読書履歴情報取得部108は、読書履歴情報を取得する条件(例えば、ページの表示時間が1分以上)に合致するほど、長く(例えば、85秒)、52ページを表示していた、と判断した、とする。
次に、読書履歴情報取得部108は、電子書籍識別子「小説A」、およびページ番号「52」、および時刻「2011/2/20 15:18:51」を取得し、かかる情報を有する読書履歴情報を構成する。そして、読書履歴情報蓄積部109は、かかる読書履歴情報を読書履歴情報格納部102に蓄積する。そして、図7の読書履歴情報管理表の「ID=1」のレコードは「ID=1、電子書籍識別子=小説A、ページ番号=52、時刻=2011/2/20 15:18:51」に更新される。
次に、ページめくり部107は、ページめくり指示(ここでは、次ページの表示指示)に対応する53ページを、電子書籍格納部101から読み出す。そして、ページめくり部107は、読み出した53ページを出力する。
次に、ユーザは、オブジェクト表示指示を入力した、とする。ここでのオブジェクト表示指示は、一の種類「人名」のオブジェクトを表示する指示である。
そして、受付部105は、オブジェクト表示指示を受け付ける。次に、既読箇所情報取得部110は、読書履歴情報格納部102から、表示中の電子書籍「小説A」の読書履歴情報「ページ番号=52」を読み出す。なお、既読箇所情報取得部110は、読書履歴情報のうち、一部の情報を読み出しても良い。かかる場合も、読書履歴情報の取得に該当する。
次に、出現オブジェクト取得部111は、既読箇所情報「ページ番号=52」を用いて、1ページから52ページの間(既読箇所)に出現する1以上のオブジェクトを、オブジェクト出現情報管理表(図9参照)から取得する。そして、出現オブジェクト取得部111は、「正夫」「明子」「太郎」「幸子」「正太郎」を取得する。なお、ここで、現在、表示中の53ページも既読箇所情報に含まれるとして、出現オブジェクト取得部111は、出現オブジェクトを取得しても良い。
次に、未出現オブジェクト取得部112は、取得された既読箇所情報「ページ番号=52」を用いて、未読箇所「53ページ以降」を取得し、当該未読箇所に出現する1以上のオブジェクトを、オブジェクト出現情報管理表(図9参照)から取得する。そして、未出現オブジェクト取得部112は、「次郎」「花子」を取得する。なお、ここで、現在、表示中の53ページは未読箇所に含まれないとして、未出現オブジェクト取得部112は、未出現オブジェクトを取得しても良い。
次に、関係取得部113は、図5のフローチャートに従い、人の間の関係を取得する。関係取得部113は、例えば、「幸子は太郎の妻」から「太郎−妻−幸子」を得る。また、「太郎の子の名前を正太郎」から「太郎−子−正太郎」を得る。つまり、関係取得部113は、予め格納している関係特定パターン「“人名2”は“人名1”の“関係”」に「幸子は太郎の妻」が合致すると判断し、「太郎−妻−幸子」を得る。また、関係取得部113は、予め格納している関係特定パターン「“人名1”の“関係”の名前を人名2”」に「太郎の子の名前を正太郎」が合致すると判断し、「太郎−子−正太郎」を得る。そして、関係取得部113は、上記の処理をすべての人名に対して行う。
次に、オブジェクト表示部114は、以下のように、オブジェクト関係図を取得する。つまり、オブジェクト表示部114は、「太郎−妻−幸子」の関係「妻」の配置関係「右」を図8の関係情報管理表から取得し、「太郎」の右に「幸子」を配置し、線で接続する。また、オブジェクト表示部114は、「太郎−子−正太郎」の関係「子」の配置関係「下」を図8の関係情報管理表から取得し、「太郎」の下に「正太郎」を配置し、線で接続する。そして、オブジェクト表示部114は、上記の処理をすべての人名に対して行う。
次に、オブジェクト表示部114は、オブジェクト関係図の中のオブジェクトであり、取得された出現オブジェクト「正夫」「明子」「太郎」「幸子」「正太郎」を、未出現オブジェクト「次郎」「花子」と比較して、目立つ態様に変更する。ここでは、「正夫」「明子」「太郎」「幸子」「正太郎」を太字にする。また、オブジェクト表示部114は、出現オブジェクト間の関係を示すラインを太いラインとする。つまり、オブジェクト表示部114は、オブジェクト関係図において、出現オブジェクト間の関係を、未出現オブジェクト間の関係と比較して、目立つ態様で構成する。つまり、オブジェクト表示部114は、オブジェクト関係図において、出現オブジェクト間の関係を、未出現オブジェクト間または出現オブジェクトと未出現オブジェクトとの間の関係と比較して、異なる態様で構成する。
そして、オブジェクト表示部114は、例えば、図10に示すオブジェクト関係図を表示する。なお、オブジェクト表示部114は、オブジェクト関係図を表示する際に、出現オブジェクト間の関係を、未出現オブジェクトを含む関係と比較して、異なる態様で表示することは好適である。
なお、電子書籍装置1は、オブジェクト間の関係を取得せずに、関係情報格納部103に、図11に示すオブジェクト間の関係図を予め保持していても良い。かかる場合、電子書籍装置1の出現オブジェクト取得部111が出現オブジェクトを取得し、かつ未出現オブジェクト取得部112が未出現オブジェクトを取得し、図11のオブジェクト関係図において、オブジェクト表示部114は、出現オブジェクトと未出現オブジェクトとを異なる態様で表示しても良い。また、かかる場合も、オブジェクト表示部114は、図10に示すように、出現オブジェクト間の関係を未出現オブジェクト間の関係と比較して、異なる態様でオブジェクト関係図を表示しても良い。
(具体例2)
具体例2は、オブジェクト間の関係を取得しない場合の例である。
今、オブジェクト出現情報格納部104に、図12に示すオブジェクト出現情報管理表が格納されている。オブジェクト出現情報管理表において、オブジェクトは、電子書籍識別子「EBookB」で識別される電子書籍に出現する英単語である。また、出現箇所情報は、オブジェクトが出現するすべてのページ番号である。
かかる状況において、ユーザは、電子書籍識別子「EBookB」を含むオープン指示を入力した、とする。すると、受付部105は、かかるオープン指示を受け付ける。次に、既読箇所情報取得部110は、オープン指示に含まれる電子書籍識別子「EBookB」に対応する既読箇所情報「1−38,50」を読書履歴情報管理表から取得する。次に、電子書籍表示部106は、電子書籍識別子に対応する電子書籍のページであり、未読のページの中で最も小さいページ番号「39」のページを電子書籍格納部101から読み出し、表示する。なお、読書履歴情報管理表は、最近に既読となったページ番号を格納しており、電子書籍表示部106は、かかるページ番号またはかかるページ番号の次のページ番号のページを表示しても良い。
次に、電子書籍装置1のユーザは、オブジェクト表示指示を入力した、とする。ここでのオブジェクト表示指示は、一の種類「英単語」のオブジェクトを表示する指示である。
そして、受付部105は、オブジェクト表示指示を受け付ける。次に、既読箇所情報取得部110は、読書履歴情報格納部102から、表示中の電子書籍「EBookB」の読書履歴情報「ページ番号=「1−38,50」」を読み出す。
次に、出現オブジェクト取得部111は、既読箇所情報「ページ番号=「1−38,50」」を用いて、1ページから38ページの間、または50ページ(既読箇所)に出現する1以上の英単語を、オブジェクト出現情報管理表(図12参照)から取得する。つまり、出現オブジェクト取得部111は、1−38のうちのいずれかの数値、または50を「出現箇所情報」の属性値として有するレコードに含まれる英単語「book」「pen」「pencil」等を取得する。
また、未出現オブジェクト取得部112は、取得された既読箇所情報「ページ番号=「1−38,50」」を用いて、未読箇所「39−49,51ページ以降」を取得し、当該未読箇所に出現する1以上のオブジェクトを、オブジェクト出現情報管理表(図12参照)から取得する。そして、未出現オブジェクト取得部112は、「textbook」「doctor」等を取得する。
次に、オブジェクト表示部114は、出現オブジェクトと未出現オブジェクトとを異なる態様で表示する。ここでは、オブジェクト表示部114は、図13に示すように、出現オブジェクトと未出現オブジェクトとを分離して表示する。分離して表示することは、出現オブジェクトであるか未出現オブジェクトであるかを区別可能に表示することである。また、出現オブジェクトと未出現オブジェクトとを異なる態様で表示することは、出現オブジェクトであるか未出現オブジェクトであるかを区別可能に表示することである、と言える。
以上、本実施の形態によれば、電子書籍において、今後、登場するオブジェクトを把握できる。また、既に登場したオブジェクトと、今後、登場するオブジェクトとを明瞭に区別して、把握できる。
なお、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD−ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における情報処理装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、記憶媒体に、書籍のタイトル、1以上のページを有する1以上の電子書籍と、ユーザが行った読書行為に関する情報である1以上の読書履歴情報とを格納しており、コンピュータを、電子書籍を開く指示であるオープン指示とページをめくる指示であるページめくり指示を含む読書行為指示を受け付ける受付部と、前記受付部がオープン指示を受け付けた場合、当該オープン指示に対応する電子書籍を前記電子書籍格納部から読み出し、表示する電子書籍表示部と、前記受付部がページめくり指示を受け付けた場合、当該ページめくり指示に従って、表示している電子書籍のページとは異なるページを表示するページめくり部と、前記受付部が受け付けた読書行為指示に対応した読書履歴情報を取得する読書履歴情報取得部と、前記読書履歴情報取得部が取得した読書履歴情報を前記記憶媒体に蓄積する読書履歴情報蓄積部と、前記記憶媒体の1以上の読書履歴情報から、既読の箇所を特定する情報である1以上の既読箇所情報を取得する既読箇所情報取得部と、前記1以上の既読箇所情報から、既読の箇所に出現したオブジェクトである1以上の出現オブジェクトを取得する出現オブジェクト取得部と、前記1以上の既読箇所情報から、未読の箇所に出現するオブジェクトである1以上の未出現オブジェクトを取得する未出現オブジェクト取得部と、前記1以上の出現オブジェクトと、前記1以上の未出現オブジェクトとを異なる表示態様で表示するオブジェクト表示部として機能させるためのプログラム、である。
また、上記プログラムにおいて、前記ページめくり部は、前記受付部が、現在表示されているページよりも前のページであり、既読のページを特定するページ識別子を含むページめくり指示を受け付けた場合に、前記ページ識別子に対応するページを表示し、前記出現オブジェクト取得部は、前記ページ識別子に対応するページが表示されている際に、前記受付部がオブジェクト表示指示を受け付けた場合でも、前記既読箇所情報取得部が取得した1以上の既読箇所情報から、既読の箇所に出現したオブジェクトである1以上の出現オブジェクトを取得し、前記未出現オブジェクト取得部は、前記ページ識別子に対応するページが表示されている際に、前記受付部がオブジェクト表示指示を受け付けた場合でも、前記既読箇所情報取得部が取得した1以上の既読箇所情報から、未読の箇所に出現するオブジェクトである1以上の未出現オブジェクトを取得するプログラムであることは好適である。
また、上記プログラムにおいて、前記オブジェクト表示部は、前記1以上の出現オブジェクトと前記1以上の未出現オブジェクトの関係を明示する態様で表示し、かつ、前記1以上の出現オブジェクトと前記1以上の未出現オブジェクトとを異なる表示態様で表示するプログラムであることは好適である。
また、上記プログラムにおいて、記憶媒体に、さらに、オブジェクトと当該オブジェクトが出現する箇所を特定する情報である出現箇所情報とを有するオブジェクト出現情報を1以上格納しており、前記出現オブジェクト取得部は、前記1以上の既読箇所情報から、既読の箇所に対応する出現箇所情報と対になるオブジェクトを、前記記憶媒体から取得し、前記未出現オブジェクト取得部は、前記1以上の既読箇所情報から、未読の箇所に対応する出現箇所情報と対になるオブジェクトを、前記記憶媒体から取得するプログラムであることは好適である。
また、上記プログラムにおいて、前記オブジェクトは、人名であり、記憶媒体に、さらに、人の関係を示す情報である1以上の関係情報を格納しており、コンピュータを、前記1以上の関係情報を用いて、2以上のオブジェクトに対応する人の関係を取得する関係取得部としてさらに機能させ、前記オブジェクト表示部は、前記関係取得部が取得した人の関係に応じて、前記1以上の出現オブジェクトと前記1以上の未出現オブジェクトの関係を明示するように人物関係図を構成し、かつ、前記1以上の出現オブジェクトと前記1以上の未出現オブジェクトとを異なる表示態様で表示するプログラムであることは好適である。
(実施の形態2)
本実施の形態において、既読ページに出現するオブジェクトと未読ページに出現するオブジェクトの両方を表示し、かつその表示態様が異なる電子書籍装置2について説明する。また、特に、本実施の形態において、オブジェクトは地図上に表示される地名等である。
図14は、本実施の形態における電子書籍装置2のブロック図である。電子書籍装置2は、電子書籍格納部101、読書履歴情報格納部102、地図情報格納部203、オブジェクト出現情報格納部104、受付部105、電子書籍表示部106、ページめくり部107、読書履歴情報取得部108、読書履歴情報蓄積部109、既読箇所情報取得部110、出現オブジェクト取得部111、未出現オブジェクト取得部112、オブジェクト表示部214を備える。
地図情報格納部203は、地図情報を格納し得る。地図情報は、地図に関する情報であり、地名または名勝または建築物の位置を示す位置情報を含む。地図情報は、通常、地図の図柄情報を含む。図柄情報は、地図自体の情報であり、ビットマップ、ベクターデータ等、問わない。つまり、地図情報のフォーマット等は問わない。
地図情報格納部203は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
地図情報格納部203に地図情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して地図情報が地図情報格納部203で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された地図情報が地図情報格納部203で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された地図情報が地図情報格納部203で記憶されるようになってもよい。
オブジェクト表示部214は、1以上の出現オブジェクトと、1以上の未出現オブジェクトとを異なる表示態様で表示する。また、オブジェクト表示部214は、1以上の出現オブジェクトと1以上の未出現オブジェクトの関係(位置関係)を明示する態様で表示し、かつ、1以上の出現オブジェクトと1以上の未出現オブジェクトとを異なる表示態様で表示する。
また、オブジェクト表示部214は、1以上の出現オブジェクトと1以上の未出現オブジェクトを、各オブジェクトの位置情報に従って、地図上に配置した地図情報を構成し、かつ、1以上の出現オブジェクトと1以上の未出現オブジェクトとを異なる表示態様で地図情報を表示する。
オブジェクト表示部214は、ディスプレイデバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。オブジェクト表示部214は、ディスプレイデバイスのドライバーソフトまたは、ディスプレイデバイスのドライバーソフトとディスプレイデバイス等で実現され得る。
次に、電子書籍装置2の動作について説明する。電子書籍装置2の動作において、電子書籍装置1の動作と比較して、オブジェクト表示処理のみが異なる。電子書籍装置2のオブジェクト表示処理について、図15のフローチャートを用いて説明する。図15のフローチャートにおいて、図4のフローチャートと異なるステップについてのみ説明する。
(ステップS1501)オブジェクト表示部214は、地図情報格納部203から地図情報を読み出す。なお、オブジェクト表示部214は、出現オブジェクトがすべて含まれる地図情報を読み出すことは好適である。また、オブジェクト表示部214は、出現オブジェクトと未出現オブジェクトとがすべて含まれる地図情報を読み出すことはさらに好適である。
(ステップS1502)オブジェクト表示部214は、ステップS1501で読み出した地図情報の中の出現オブジェクトの表示態様を第一の態様に変更する。なお、表示態様の変更とは、通常、出現オブジェクトの属性値(フォント、文字色、背景色、下線の有無など)の変更である。なお、第一の態様は、第二の態様と比較して、目立つような属性値である。
(ステップS1503)オブジェクト表示部214は、ステップS1501で読み出した地図情報の中の未出現オブジェクトの表示態様を第二の態様に変更する。
(ステップS1504)オブジェクト表示部214は、地図情報を表示する。上位処理(図3のステップS301)にリターンする。
なお、図15のフローチャートにおいて、出現オブジェクト、未出現オブジェクト以外のオブジェクト(地名等)を、地図上に表示しても良い。かかる場合、出現オブジェクトのみ、他のオブジェクトと比較して、異なる態様で表示しても良いし、出現オブジェクトと未出現オブジェクトとそれ以外のオブジェクトとを、それぞれ異なる態様で表示しても良い。この場合、3以上の態様で、オブジェクトを地図上に表示することとなる。
また、図15のフローチャートにおいて、地図上にオブジェクトを表示しなくても良い。かかる場合、電子書籍装置2の動作は、実施の形態1における電子書籍装置1の動作と同様の動作となる。
以下、本実施の形態における電子書籍装置2の具体的な動作について説明する。今、電子書籍装置2の読書履歴情報格納部102には、図7に示す読書履歴情報管理表が格納されている。読書履歴情報管理表の「ID=3」のページ番号は、既読の最後のページ番号のみを示している。つまり、読書履歴情報管理表の「ID=3」のレコードにおいて、「伝記C」は、21ページまで読まれたことを示す。なお、読書履歴情報管理表におけるレコード(読書履歴情報)の蓄積の処理は、実施の形態1で説明した処理と同様である。
また、図16は、地図情報格納部203に格納されている地図情報である。この地図情報は、日本地図の図柄と、地名とその位置情報(例えば、(経度,緯度))の組(14組)とを有する。そして、地図情報格納部203の地図情報を表示させた場合に、図16のような表示となる。
また、電子書籍装置2のオブジェクト出現情報格納部104には、図17に示すオブジェクト出現情報管理表が格納されている。図17に示すオブジェクト出現情報管理表の構造は、図9のオブジェクト出現情報管理表と同様である。なお、図17に示すオブジェクト出現情報管理表は、例えば、地名データベースの地名や図16の地名をキーとして、電子書籍「伝記C」を検索し、地名が出現するページ数を地名と対にして蓄積した表である。かかるオブジェクト出現情報管理表の構成処理は、図示しないオブジェクト出現情報構成部により行われる、とする。オブジェクト出現情報構成部は公知技術であるので、詳細な説明を省略する。
かかる状態で、電子書籍装置2のユーザは、電子書籍識別子「伝記C」を含むオープン指示を入力した、とする。すると、受付部105は、かかるオープン指示を受け付ける。次に、既読箇所情報取得部110は、オープン指示に含まれる電子書籍識別子「伝記C」に対応する既読箇所情報「21」を読書履歴情報管理表から取得する。次に、電子書籍表示部106は、電子書籍識別子に対応する電子書籍のページであり、既読のページの次のページ番号「22」のページを電子書籍格納部101から読み出し、表示する。
次に、電子書籍装置1のユーザは、オブジェクト表示指示を入力した、とする。ここでのオブジェクト表示指示は、一の種類「地名」のオブジェクトを、地図上に表示する指示である。
そして、受付部105は、オブジェクト表示指示を受け付ける。次に、既読箇所情報取得部110は、読書履歴情報格納部102から、表示中の電子書籍「伝記C」の読書履歴情報「ページ番号=21」を読み出す。
次に、出現オブジェクト取得部111は、既読箇所情報「ページ番号=21」を用いて、1ページから21ページの間(既読箇所)に出現する1以上の地名を、オブジェクト出現情報管理表(図17参照)から取得する。つまり、出現オブジェクト取得部111は、1−21のうちのいずれかの数値を「出現箇所情報」の属性値として有するレコードに含まれる地名「京都」「神戸」「福井」「名古屋」「津」「奈良」を取得する。
次に、未出現オブジェクト取得部112は、取得された既読箇所情報「ページ番号=21」を用いて、未読箇所「22ページ以降」を取得し、当該未読箇所に出現する1以上のオブジェクトを、オブジェクト出現情報管理表(図17参照)から取得する。そして、未出現オブジェクト取得部112は、「金沢」「東京」「千葉」「秋田」を取得する。
次に、オブジェクト表示部214は、地図情報格納部203から図16の地図情報を読み出す。
次に、オブジェクト表示部214は、読み出した地図情報の中の出現オブジェクト「京都」「神戸」「福井」「名古屋」「津」「奈良」の表示態様を第一の態様に変更する。ここでは、文字を矩形で囲っている。
次に、オブジェクト表示部214は、読み出した地図情報の中の未出現オブジェクト「金沢」「東京」「千葉」「秋田」の表示態様を第二の態様に変更する。ここでは、文字色をグレーにする。
次に、オブジェクト表示部214は、地図情報を表示する。かかる地図情報は、図18である。図18において、出現オブジェクトと未出現オブジェクトとその他のオブジェクトとの表示態様がそれぞれ異なる。その他のオブジェクトは「高知」「青森」「札幌」「旭川」である。
以上、本実施の形態によれば、今後、登場する地名等を地図上で明確に把握できる。また、既に登場した地名等と、今後、登場する地名等とを地図上で明瞭に区別して把握できる。
なお、上記の実施の形態において、既読箇所情報に含まれるページ番号を、最終的に表示していたページ番号つぃても良い。かかる場合、出現オブジェクトを、当該ページ番号までのページに出現したオブジェクトであると考えても良いし、「当該ページ番号−1」までのページに出現したオブジェクトであると考えても良い。
さらに、本実施の形態における情報処理装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、記憶媒体に、書籍のタイトル、1以上のページを有する1以上の電子書籍と、ユーザが行った読書行為に関する情報である1以上の読書履歴情報とを格納しており、コンピュータを、電子書籍を開く指示であるオープン指示とページをめくる指示であるページめくり指示を含む読書行為指示を受け付ける受付部と、前記受付部がオープン指示を受け付けた場合、当該オープン指示に対応する電子書籍を前記電子書籍格納部から読み出し、表示する電子書籍表示部と、前記受付部がページめくり指示を受け付けた場合、当該ページめくり指示に従って、表示している電子書籍のページとは異なるページを表示するページめくり部と、前記受付部が受け付けた読書行為指示に対応した読書履歴情報を取得する読書履歴情報取得部と、前記読書履歴情報取得部が取得した読書履歴情報を前記記憶媒体に蓄積する読書履歴情報蓄積部と、前記記憶媒体の1以上の読書履歴情報から、既読の箇所を特定する情報である1以上の既読箇所情報を取得する既読箇所情報取得部と、前記1以上の既読箇所情報から、既読の箇所に出現したオブジェクトである1以上の出現オブジェクトを取得する出現オブジェクト取得部と、前記1以上の既読箇所情報から、未読の箇所に出現するオブジェクトである1以上の未出現オブジェクトを取得する未出現オブジェクト取得部と、前記1以上の出現オブジェクトと、前記1以上の未出現オブジェクトとを異なる表示態様で表示するオブジェクト表示部として機能させるためのプログラム、である。
また、上記プログラムにおいて、前記オブジェクトは、地名または名勝または建築物を含み、記憶媒体に、地名または名勝または建築物の位置を示す位置情報を含む地図情報をさらに格納しており、前記オブジェクト表示部は、前記1以上の出現オブジェクトと前記1以上の未出現オブジェクトを、当該各オブジェクトの位置情報に従って、地図上に配置した地図情報を構成し、かつ、前記1以上の出現オブジェクトと前記1以上の未出現オブジェクトとを異なる表示態様で前記地図情報を表示するプログラム、であることは好適である。
また、図19は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した実施の形態の電子書籍装置を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。図19は、このコンピュータシステム340の概観図であり、図20は、コンピュータシステム340のブロック図である。
図19において、コンピュータシステム340は、FDドライブ、CD−ROMドライブを含むコンピュータ341と、キーボード342と、マウス343と、モニタ344とを含む。
図20において、コンピュータ341は、FDドライブ3411、CD−ROMドライブ3412に加えて、MPU3413と、CD−ROMドライブ3412及びFDドライブ3411に接続されたバス3414と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM3415とに接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM3416と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク3417とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ341は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
コンピュータシステム340に、上述した実施の形態の電子書籍装置の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM3501、またはFD3502に記憶されて、CD−ROMドライブ3412またはFDドライブ3411に挿入され、さらにハードディスク3417に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ341に送信され、ハードディスク3417に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3416にロードされる。プログラムは、CD−ROM3501、FD3502またはネットワークから直接、ロードされても良い。
プログラムは、コンピュータ341に、上述した実施の形態の電子書籍装置の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム340がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
また、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。