JP5587860B2 - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置に関する。
ディーゼルエンジンにおいて、近年、コモンレール型ディーゼルエンジンが主流となっており、コモンレール型ディーゼルエンジンでは、燃料噴射制御装置が燃料噴射弁(インジェクタ)への通電時間(開弁時間)を制御することで、分割噴射等も容易に行え、自由度の高い噴射が可能となっている。燃料噴射制御装置は、そのときのディーゼルエンジンの運転状態に応じて最適となる燃料噴射量や燃料の噴射を開始するタイミングである燃料噴射時期を算出している。燃料噴射弁は燃料噴射制御装置から送られる噴射信号に応じて弁の開閉が制御される。燃料噴射制御装置において算出された燃料噴射時期は噴射用メモリと呼ばれる記憶領域に記憶される。
特許文献1に示されるように、ディーゼルエンジンにおいて、燃料噴射時期の制御は、クランク角に基づいて角度演算される。クランク角の検知は、クランクシャフトと共に回転する円板形状のパルサの外周に等クランク角ごとに設けられた歯を検知することによって行われる。噴射用メモリには、燃料噴射時期として演算された燃料噴射開始クランク角の直前の歯である基準歯と、基準歯と燃料噴射開始クランク角との差分の角度を、回転速度に基づいて時間で指定する噴射開始インターバルとが記憶される。燃料噴射制御装置は、噴射用メモリに記憶された基準歯が検出された時点でタイマを起動させ、タイマが噴射開始インターバルとなった時点で燃料噴射弁に対し噴射信号を発信する。
差分の角度を時間で指定する噴射開始インターバルの算出には、1気筒前で燃料噴射された気筒での基準歯に対応する歯の回転時間が用いられる。歯の回転時間は、ピックアップ等の歯の検知装置が1つの歯を検知してから次の歯を検知するまでの歯毎の時間間隔である。パルサには各気筒に対応した複数の歯群に区画が設けられており、検出された歯の回転時間は、各区画に設定される歯の番号ごとに用意された回転時間記憶領域に記憶される。回転時間記憶領域に記憶された値は、次区画の同じ番号の歯の回転時間が検出された時点でその値が最新の回転時間として更新される。噴射開始インターバルの算出には、基準歯と同じ歯番号の回転時間記憶領域に記憶されている回転時間が用いられる。
また、パルサの歯には、クランク角の基準とするために欠歯部が設けられている。そして、欠歯部が存在する区間においては、最後に検出された歯番号の回転時間記憶領域に、欠歯部全体を含む回転時間が記憶され、最後に検出された歯番号以外の欠歯部に対応する歯番号の回転時間記憶領域はその区画では更新されない。そのため、欠歯部を有する区画の次区画において、欠歯部に対応する歯が基準歯となった場合には、欠歯部全体を含む回転時間が記憶されている歯番号の回転時間記憶領域の値を補正して利用している。
特開2001−234777号公報
従来の燃料噴射制御装置では、燃料噴射インターバルを特定するためのタイマは、基準歯を検出した時点で起動させている。そのため、例えば、エンジンの回転数が高くなるなどの理由により、基準歯を特定する演算が、ピックアップによって基準歯となる歯を検知するまでに終了しない場合には、燃料信号を発信することができず、噴射抜けが発生する恐れがあった。そこで、基準歯が算出される前からであっても、歯を検知するごとにタイマを起動することによって、基準歯を特定する演算が基準歯となる歯を検知するまでに終了しない場合であっても、タイマの値が燃料噴射インターバルを過ぎる前であれば、燃料噴射弁に対し噴射パルスを発信することを可能にし、それにより燃料噴射に関する精度を高めることができる。
しかしながら、上記のように、燃料噴射に関する演算の限界を基準歯を検知した以降に拡大させる制御を行うと、前区画に欠歯部を有する区画の基準歯として欠歯部に対応する歯が算出された場合において、噴射開始インターバルの演算が基準歯を検知した後に開始されたときには、基準歯の回転時間記憶領域が検知後のものに更新された状態となる。この場合、上述のように回転時間記憶領域の値を補正して噴射開始インターバルを演算すると、演算された燃料噴射クランク角と異なる時期に燃料が噴射され、排気の悪化等が発生するという問題がある。
この発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、燃料噴射量及び燃料噴射時期に関する演算の限界を基準歯を検知した以降に拡大させた場合であっても、算出された燃料噴射量及び燃料噴射時期に基づいて各気筒へ燃料を噴射することのできる燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
この発明に係る燃料噴射制御装置は、複数の気筒を有し、クランク角に基づいて各気筒への燃料噴射量及び燃料噴射時期の演算を行うディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置において、ディーゼルエンジンのクランクシャフトと共に回転するパルサであって、外周縁に一部を欠歯して配置された複数の歯を有し、歯が各気筒に対応して複数の歯群に区画され、上記区画に含まれる歯には、区画それぞれの間で対応づけられた歯番号が設定されるパルサと、歯を検知するピックアップと、各気筒への燃料噴射量及び燃料噴射時期を算出すると共に、算出された燃料噴射量及び燃料噴射時期に基づいて、各気筒に設けられた燃料噴射手段から各気筒へ燃料を噴射する制御部とを備え、制御部は、ピックアップによって歯が検知された時点から次の歯が検知されるまでの経過時間である歯間通過時間を計測する経過タイマと、各気筒に燃料を噴射するための燃料噴射時期を算出すると共に、燃料噴射される気筒よりも前に燃料噴射される気筒に対応するパルサの区画での歯間通過時間を用いて燃料噴射時期を特定する演算部と、燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間が、パルサにおける欠歯した部位の歯間通過時間に相当するか否かを判定する判定部と、経過タイマが計測した歯間通過時間を記憶する記憶部であって、記憶している歯間通過時間と同じ歯番号の歯間通過時間が入力されると、入力された同じ歯番号の歯間通過時間で記憶している歯間通過時間を更新する記憶部とを有し、演算部は、燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間が欠歯した部位の歯間通過時間に相当する場合、燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間を燃料噴射時期の特定に用いる時点でピックアップによって検知された最も新しい歯の歯番号に基づいて、燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間を変換して使用し、判定部は、記憶部に記憶された燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間が欠歯した部位の歯間通過時間に相当する場合、演算部による燃料噴射時期の特定時、燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間に対応する歯の歯番号である第一歯番号と、ピックアップによって検知された最新の歯の歯番号である第二歯番号とを比較し、第二歯番号が第一歯番号よりも前に検知される歯番号であれば、燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間が欠歯した部位の歯間通過時間に相当すると判定し、第二歯番号が第一歯番号と同じ番号である又は第一歯番号よりも後に検知される歯番号であれば、燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間が欠歯した部位の歯間通過時間に相当しないと判定する
さらに、演算部は、判定部が記憶部に記憶された燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間が欠歯した部位の歯間通過時間に相当すると判定した場合、欠歯した部位の歯間通過時間を用いて燃料噴射時期を特定し、判定部が記憶部に記憶された燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間が欠歯した部位の歯間通過時間に相当しないと判定する場合、記憶部における欠歯した部位の歯間通過時間から更新された第一歯番号の歯の歯間通過時間を燃料噴射時期の特定に用いてもよい。
演算部は、算出した燃料噴射時期に基づいて噴射開始基準歯を算出し、第一歯番号の歯として、噴射開始基準歯と同じ歯番号の歯を設定してもよい。
演算部は、燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間を変換する場合、欠歯した部位における欠歯の数に基づき欠歯した部位の歯間通過時間を除算してもよい。
この発明の燃料噴射制御装置によれば、パルサにおける欠歯した部位による影響を低減して算出した燃料噴射量及び燃料噴射時期に基づいて各気筒へ燃料を噴射することが可能になる。
この発明の実施の形態に係る燃料噴射制御装置を備えたディーゼルエンジンの構成模式図である。 この実施の形態に係る燃料噴射制御装置に設けられたエンジン回転センサの構成を説明するための図である。 TDCを有する区画及びこの区画よりも2つ前までの区画に欠歯部が存在しない例における燃料噴射量の演算の工程を説明するための図である。 図4と噴射開始基準歯を含む区画が異なる例における燃料噴射量の演算の工程を説明するための図である。 TDCを有する区画の1つ前の区画に欠歯部が存在する例における燃料噴射量の演算の工程を説明するための図である。 図5と噴射開始基準歯を含む区画が異なる例における燃料噴射量の演算の工程を説明するための図である。 TDCを有する区画の2つ前の区画に欠歯部が存在する例における燃料噴射量の演算の工程を説明するための図である。 図7と噴射開始基準歯を含む区画が異なる例における燃料噴射量の演算の工程を説明するための図であり、機関回転数が高い状態の例を示すものである。 図8の機関回転数が低い状態の例を示すものである。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
この発明の実施の形態に係る燃料噴射制御装置を備えたディーゼルエンジンの構成を図1に示す。ディーゼルエンジン1は、V型8気筒のコモンレール型ディーゼルエンジンである。各気筒2には(図1には、1つの気筒のみが図示されている)、気筒内に燃料噴射手段であるインジェクタ3がそれぞれ設けられている。インジェクタ3にはそれぞれ、燃料の噴射をオンオフする電磁弁4が設けられている。
インジェクタ3は、高圧の燃料配管14によってコモンレール5に接続されている。コモンレール5には、高圧状態で燃料が蓄圧されており、電磁弁4が開くと、コモンレール5内の圧力によって、燃料配管14を経由して燃料が送油され、インジェクタ3から燃料が噴射される。コモンレール5には、サプライポンプ6によって燃料タンク7内の燃料が加圧されて供給されるようになっており、これによってコモンレール5内の圧力が、所定の圧力に維持されている。
また、ディーゼルエンジン1には、ディーゼルエンジン1の動作を制御するECU8が設けられている。ECU8には、ディーゼルエンジン1のクランク角及び機関回転数を検出するエンジン回転センサ9と、駆動回路10とが電気的に接続されている。駆動回路10には、電磁弁4が電気的に接続されている。ここで、ECU8は、制御部を構成している。
ECU8は、ディーゼルエンジン1の運転状態に基づき燃料噴射量及び燃料の噴射を開始する燃料噴射時期の演算を行うための演算部15と、演算部15によって算出された燃料噴射量及び燃料噴射時期に基づき電磁弁4を開閉するタイミングを表すパルス信号を駆動回路10に送信する噴射用タイマ16とを含んでいる。さらに、噴射用タイマ16は、パルス信号の送信に用いる情報等を判定する判定部17と、各気筒2の燃料噴射に関わる情報を記憶する記憶部18とを含んでいる。演算部15と噴射用タイマ16とは、互いにアクセス可能となっている。
演算部15は、燃料噴射時期として、噴射開始クランク角をまず算出する。演算部15は、算出された噴射開始クランク角に基づき、後述するエンジン回転センサ9のパルサ9a(図2参照)における噴射開始の基準とする噴射開始基準歯と、噴射開始基準歯を検知してから噴射を行うまでの経過時間である噴射開始インターバルとを算出する。さらに、演算部15は、算出された噴射開始クランク角及び燃料噴射量等から、燃料噴射を終了するタイミングとして噴射開始クランク角からの燃料噴射継続時間を算出する。そして、演算部15は、算出した噴射開始基準歯、噴射開始インターバル及び燃料噴射継続時間を、噴射用タイマ16の記憶部18に記憶させる。噴射開始基準歯及び噴射開始インターバルによって燃料噴射を開始するタイミングが特定され、燃料噴射継続時間によって燃料噴射を終了するタイミングが特定されるため、噴射用タイマ16は、記憶部18に記憶された情報に基づき電磁弁4を開閉するタイミングを表すパルス信号を駆動回路10に送信する。
また、ECU8は、後述するエンジン回転センサ9のピックアップ9b(図2参照)によってパルサ9aの歯12(図2参照)が検知された時点からの経過時間を計測する経過タイマ19を含んでいる。経過タイマ19は、パルサ9aの各歯12に対して経過時間を計測し、演算部15及び噴射用タイマ16との間でアクセスが可能となっている。
図2に示されるように、エンジン回転センサ9は、パルサ9aとピックアップ9bとを備えている。パルサ9aは円板形状を有し、その中心部がディーゼルエンジン1(図1参照)のクランクシャフト11に連結されて、クランクシャフト11の回転に伴って回転するようになっている。パルサ9aの外周縁には、34個の歯12が形成されている。これらの歯12は、パルサ9aの外周縁の全周を36分割した位置にそれぞれ設けられ、破線で示された2つ分の歯の位置に、欠歯部13が存在している。すなわち、2つ分の歯が欠損している。これらの歯12は、90°の間隔で4つの区画A〜Dに分割され、区画A〜Cにおける歯12にそれぞれ、0〜8の番号が付されている。欠歯部13が存在する区画Dには、7つの歯しか存在しないので、区画Dにおける歯12にはそれぞれ、0〜6の番号が付されている。そして、区画Dにおける番号6の歯が検知されてから区画Aにおける番号0の歯が検知されるまでの区間を欠歯区間13aと呼ぶこととし、欠歯区間13aは欠歯した部位を構成している。
ピックアップ9bは、これらの歯12に対向する位置に配置された磁気センサであり、パルサ9aの回転による各歯12の接近をパルス信号として、電気的に接続されたECU8に送信する。パルス信号を受信したECU8は、パルス信号の間隔に基づき、パルサ9aの回転数つまりクランクシャフト11の回転数を算出する。また、ECU8は、パルス信号が検出されない欠歯部13の検出と、欠歯部13よりも後に検出されたパルス信号の数とに基づき、クランク角(CA)を算出する。また、この例では、番号5の歯が各気筒における圧縮上死点(TDC)とする。
ピックアップ9bは、パルサ9aの回転時、区画A〜B〜C〜D〜Aの順序で各区画の歯12を検知し、各区画では、番号0から8の順序で歯12を検知する。また、燃料噴射を行う気筒2(図1参照)のTDCがある区画も、パルサ9aの回転時、区画A〜B〜C〜D〜Aの順序で変わる。
次に、この実施の形態に係る燃料噴射制御装置の動作について説明する。
図1及び図2をあわせて参照すると、ディーゼルエンジン1の8つの気筒2それぞれへの燃料噴射量と燃料噴射を開始するタイミングである噴射開始クランク角の演算は、クランク角に基づいたタイミングで演算部15によって行われる。このタイミングは、ECU8の処理速度に応じて適宜変更可能である。
その後、演算部15は、演算された噴射開始クランク角から、燃料噴射の開始のための基準歯であり且つ噴射開始クランク角の直前にピックアップ9bによって検知されることになる歯である噴射開始基準歯を特定する。さらに、演算部15は、噴射開始クランク角、噴射開始基準歯のクランク角、ディーゼルエンジン1の機関回転数等から、ピックアップ9bが噴射開始基準歯を検知してから燃料の噴射が開始されるまでの時間である噴射開始インターバルを算出する。次いで、演算部15は、燃料噴射量及びコモンレール5による燃料圧力(コモンレール圧)から、燃料噴射継続時間を算出する。
そして、演算部15は、算出した燃料噴射量、噴射開始クランク角、噴射開始基準歯、噴射開始インターバル及び燃料噴射継続時間等の演算結果を噴射用タイマ16の記憶部18に記憶させる。
なお、噴射開始基準歯のクランク角は、ピックアップ9bによる噴射開始基準歯の検知開始時点でのクランク角である。また、噴射開始インターバルの算出時に用いられる機関回転数は、噴射開始基準歯が存在する区画の前区画における噴射開始基準歯と同一の番号の歯の回転速度、つまりピックアップ9bによって上記の同一の番号の歯が検知されてから次の歯が検知されるまでの経過タイマ19によって計測された経過時間から、演算部15が算出する回転数である。なお、経過タイマ19は、ピックアップ9bによって歯12が検出される毎に計測中の経過時間をリセットするように構成され、歯12が検出されてから次の歯が検出されるまでの経過時間を連続して計測し、その計測値を記憶部18に記憶させている。
さらに、噴射用タイマ16は、算出された噴射開始クランク角で電磁弁4が駆動されるように、噴射開始基準歯、噴射開始インターバル及び燃料噴射継続時間を記憶部18から取り込む。そして、噴射用タイマ16の判定部17が、ピックアップ9bによる噴射開始基準歯の検知の開始時にリセットされた後、経過タイマ19によって計測される経過時間と噴射開始インターバルとを比較して、経過タイマ19の計測時間が噴射開始インターバルを経過したタイミングを噴射用タイマ16に送り、それにより噴射用タイマ16は駆動回路10に対して電磁弁4を開くように命令するパルス信号を出力する。
また、噴射用タイマ16の判定部17は、電磁弁4を開くように命令するパルス信号が出力された後、歯12を検出するごとにリセットされる経過タイマ19による計測時間を積算し、積算した計測時間が燃料噴射継続時間を経過したタイミングを噴射用タイマ16に送り、それにより噴射用タイマ16は、駆動回路10に対して電磁弁4を開くように命令するパルス信号に替えて、電磁弁4を閉じるように命令するパルス信号を出力する。
このように、噴射開始基準歯を検知してから噴射開始インターバルまでの時間と、噴射開始後からの経過時間との計測に基づき、電磁弁4の開閉が制御される。なお、燃料噴射量とは、各気筒2へ噴射される燃料の総量だけを意味するのではない。各気筒2には、メイン噴射やポスト噴射等のように複数回に分割して燃料が噴射されるので、分割された噴射の回数、量(燃料噴射継続時間)が、当該燃料噴射量に含まれることとする。また、燃料噴射時期とは、各気筒2へ噴射される複数回の燃料それぞれについて噴射開始クランク角を算出することを意味する。
なお、演算部15は、噴射用タイマ16の記憶部18に、直前に燃料を噴射した気筒2における噴射した噴射開始基準歯、噴射開始インターバル及び燃料噴射継続時間を記憶している。演算された噴射開始基準歯が、燃料噴射を行う気筒のTDCがある区画の前区画に含まれる歯にまで進角され、燃料噴射量及び燃料噴射時期の演算時間が短くなる場合において、燃料噴射量及び燃料噴射時期の演算が前回噴射での噴射開始基準歯における噴射開始インターバルまでに終了しないことがある。この場合、演算部15は、記憶部18に記憶された前回の燃料噴射タイミングにて燃料を噴射することで噴射抜けを防止する。
次に、演算部15による演算を詳細に説明する。
まず、区画CにTDCを有する気筒における燃料噴射制御を示す。また、燃料噴射量及び燃料噴射時期の演算を開始してから、実際噴射される時期が短いパイロット噴射を例に説明する。このとき、TDCである番号5の歯がある区画C及びこの区画Cよりも2つ前までの区画A及び区画Bに欠歯部13が存在していない。
また、図3及び図4に示すように、燃料噴射量及び燃料噴射時期の演算は、TDCである番号5の歯がある区画Cの前の区画Bにおいて、番号2の歯がピックアップ9b(図2参照)にて検知された時点から開始するように設定されている。また、区画Cにおけるパイロット噴射では、区画Bにおける番号6の歯からTDCを含む区画Cにおける番号6の歯までの歯が噴射開始基準歯として算出されるように設定される。
図3及び図4に示すように、演算部15(図1参照)は、ピックアップ9b(図2参照)が区画Cの前の区画である区画Bにおける番号2の歯を検知したら、燃料噴射量及び噴射開始クランク角の演算を開始する。また、経過タイマ19(図1参照)が作動しており、経過タイマ19は、歯の検知開始時点からの経過時間の計測を歯毎に継続して実施している。
図1をあわせて参照すると、経過タイマ19は、歯が検知されてリセットされてから次の歯が検知されて再びリセットされるまでの1つの歯に対して計測した時間つまり歯から次の歯までの通過時間(歯間通過時間と呼ぶ)を、各歯について記憶部18に記憶させる。ここで、例えば、番号0の歯が検知されてから番号1の歯が検知されるまでの歯間通過時間を、番号0の歯の歯間通過時間又は番号0の歯に対応する歯間通過時間と呼ぶ。
記憶部18は、区画に関係なく同じ番号の歯に対して経過タイマ19が計測した歯間通過時間を、この同じ番号の歯の歯間通過時間として一括りにし、歯番号毎に設定した通過時間記憶領域に記憶する。そして、記憶部18は、経過タイマ19から新たな歯間通過時間が送られる毎に、これと同じ歯番号の通過時間記憶領域に記憶されている歯間通過時間を新たな歯間通過時間に更新し記憶する。例えば、記憶部18は、経過タイマ19から区画A〜Dにおける番号0の歯の歯間通過時間が送られる毎に、送られた歯間通過時間を歯番号0の通過時間記憶領域における新たな歯間通過時間として更新する。この歯間通過時間は、演算部15による噴射開始インターバルの算出に用いられる。
また、この例では、ピックアップ9b(図2参照)が区画Bにおける番号2の歯を検知した後から、番号7の歯を検知した後の番号8の歯を検知するまでの間で燃料噴射量及び噴射開始クランク角の演算並びに噴射開始基準歯の特定(第一の演算と呼ぶ)が終了し、第一の演算が終了した後から番号8の歯を検知するまでの間で、噴射開始インターバル及び燃料噴射継続時間の演算(第二の演算と呼ぶ)が終了するものとする。なお、第一の演算及び第二の演算に要する長さは、演算部15の性能や演算負荷、ディーゼルエンジン1の機関回転数に応じて増減する。例えば、第二の演算の終了時点は、回転数が低い場合には番号6の歯がピックアップ9bによって検出されるよりも前に位置し、回転数が高くなると、番号6の歯が検知された後から番号8の歯が検知されるまでの間に位置する。
図3は、演算の結果、運転状況に応じて変更される噴射開始クランク角が、例えば、区画Cの番号1の歯と番号2の歯との間であると算出された場合を示している。
図1をあわせて参照すると、演算部15は、第一の演算として、噴射開始クランク角(燃料噴射の開始)の直前の歯である区画Cの番号1の歯に噴射開始基準歯を設定する。
次いで、第二の演算として、演算部15はまず、ピックアップ9b(図2参照)が区画Cの番号1の歯を検知してから燃料噴射が開始されるまでの噴射開始インターバルを算出し、その後に燃料噴射継続時間を算出する。
演算部15は、噴射開始インターバルの算出開始時点である第一の演算終了直後の第二の演算の開始時点での、噴射用タイマ16の記憶部18における噴射開始基準歯と同じ歯番号1の通過時間記憶領域に記憶されている歯間通過時間を、取得する。さらに、演算部15は、取得した歯間通過時間から算出する機関回転数に基づき、ピックアップ9b(図2参照)が区画Cの番号1の歯を検知してから燃料噴射が開始されるまでの噴射開始インターバルを算出し、記憶部18に記憶させる。なお、演算部15が記憶部18から歯間通過時間を取得する際、記憶部18には、番号1の歯の歯間通過時間として区画Bで計測された値が記憶されている。
さらに、演算部15は、算出された機関回転数、燃料噴射量及びコモンレール圧等に基づき、噴射開始クランク角(燃料噴射の開始)からの燃料噴射継続時間を算出し、記憶部18に記憶させる。
また、第一の演算の終了後、演算部15が噴射開始インターバルの算出時に記憶部18から取得した歯間通過時間を使用する前に、噴射用タイマ16の判定部17が、機関回転数の算出(噴射開始インターバルの算出)に用いる歯間通過時間に対応する歯の判定を実施する。つまり、判定部17は、記憶部18に記憶されている噴射開始基準歯の歯番号1と噴射開始基準歯を含む区画名Cとを取得して、噴射開始インターバルの算出に用いる歯の歯番号1及び区画名Bを特定する。さらに、判定部17は、歯番号1が欠歯区間13a(図2参照)に含まれる歯番号6〜8でないことから、噴射開始インターバルの算出に使用する記憶部18の歯番号1の通過時間記憶領域に記憶されている歯間通過時間が、欠歯区間13aの歯間通過時間に相当しないと判定し、この判定結果を演算部15に送る。
そして、演算部15は、判定部17による上記の判定結果に基づき、記憶部18における歯番号1の通過時間記憶領域に記憶された歯間通過時間をそのまま利用して、上述のように噴射開始インターバルを算出する。
次に、判定部17は、ピックアップ9b(図2参照)によって噴射開始基準歯である区画Cの番号1の歯が検知されると、経過タイマ19の計測時間と噴射開始インターバルとを比較する。さらに、判定部17は、経過タイマ19の計測時間が噴射開始インターバルを経過したタイミングを噴射用タイマ16に送る。噴射用タイマ16は、駆動回路10に対し電磁弁4を開くように命令するパルス信号を出力し、それによって、電磁弁4から燃料が噴射される。また、判定部17は、噴射用タイマ16のパルス信号の出力後から経過タイマ19の計測時間を積算し、積算した時間が燃料噴射継続時間を経過したタイミングを噴射用タイマ16に送る。それによって、噴射用タイマ16は、駆動回路10に対し燃料噴射を終了するように命令するパルス信号を出力する。
次に、図4は、燃料噴射クランク角が進角した場合であり、区画Cの番号0の歯をピックアップ9b(図2参照)が検知する前の時点で燃料の噴射が開始される場合において、区画Bの番号7の歯をピックアップ9bが検知した後、番号8の歯を検知するまでに燃料の噴射が開始される場合を示している。
図1をあわせて参照すると、演算部15は、第一の演算としての燃料噴射量及び噴射開始クランク角の演算並びに噴射開始基準歯の特定が終了すると、上述と同様にして、第二の演算として、ピックアップ9b(図2参照)が噴射開始基準歯を検知してから燃料噴射が開始されるまでの噴射開始インターバルを算出し、噴射用タイマ16の記憶部18に記憶させる。
次に噴射用タイマ16の判定部17は、噴射開始基準歯とピックアップ9bにて検知した最新の歯番号とを比較する。検知した最新の歯番号が噴射開始基準歯より小さくなっている場合、判定部17は、ピックアップ9bが噴射開始基準歯を検知するまで待機し、噴射開始基準歯の検知後、経過タイマ19の計測時間が噴射開始インターバルと同じとなるタイミングを噴射用タイマ16に送る。それにより、噴射用タイマ16は駆動回路10に対し電磁弁4を開くためのパルス信号を出力する。
また、ピックアップ9b(図2参照)にて検知した最新の歯番号と噴射開始基準歯とが同じ(共に区画Bにおける番号7の歯)場合は、判定部17は、経過タイマ19の計測時間と噴射開始インターバルとを比較し、その結果を噴射用タイマ16に送る。経過タイマ19の計測時間が噴射開始インターバルより小さい場合、噴射用タイマ16は、駆動回路10に対する電磁弁4を開弁するためのパルス信号の出力が出力可能な限界を超えない場合に燃料噴射が可能であるとして、駆動回路10に対し電磁弁4を開くためのパルス信号を出力する。その他の場合は、燃料噴射量及び燃料噴射時期の演算が噴射開始クランク角までに終了せず、燃料噴射が不可能であるとして、噴射用タイマ16は、同気筒における前回の燃料噴射量及び燃料噴射時期において駆動回路10に対して電磁弁4を開くためのパルス信号を出力することで、噴射抜けを防止する。また、燃料噴射量及び燃料噴射時期の演算が終了する前に同気筒における前回の燃料噴射時期を迎えた場合においても、噴射用タイマ16は、噴射抜けを防止するために同気筒における前回の燃料噴射量及び燃料噴射時期において駆動回路10に対して電磁弁4を開くためのパルス信号を出力する。
次に、欠歯部13を含む区画Dの次の区画である区画AにTDCを有する気筒における燃料噴射制御を示す。
図5及び図6に示すように、経過タイマ19(図1参照)は、区画Dにおいて歯間通過時間を計測する際、欠歯部13では歯が存在しないことから、区画Dで番号6の歯が検知された時点から区画Aにおける番号0の歯が検知されるまでの経過時間を、区画Dの番号6の歯の歯間通過時間として記憶部18(図1参照)に記憶させる。
図5は、区画Aの番号6の歯をピックアップ9b(図2参照)が検知した後に燃料の噴射が開始される場合を示している。なお、噴射開始基準歯が区画Aの番号0〜5である場合、上述の図3に示すような区画CにTDCを有する気筒おける燃料噴射量の演算の工程と同様の手順で演算が行われると共に同様の手順で燃料の噴射が行われる。
図5を図1とあわせて参照すると、演算部15は、第一の演算後、ピックアップ9b(図2参照)による噴射開始基準歯の検知後の噴射開始インターバルの算出に使用するディーゼルエンジン1の機関回転数を、第二の演算開始時である噴射開始インターバルの算出開始時に記憶部18における歯番号6の通過時間記憶領域に記憶されている歯間通過時間を使用して算出する。
噴射開始インターバルの算出開始時、ピックアップ9bによる歯の検知はまだ、区画Aの番号0の歯に達しておらず、経過タイマ19は、区画Dでの番号6の歯の歯間通過時間の計測を完了していない。このため、記憶部18では、歯番号6の通過時間記憶領域の歯間通過時間として区画Dの前の区画Cで計測された値が記憶されている。
噴射用タイマ16の判定部17は、演算部15が噴射開始インターバルの算出時に記憶部18から取得した歯間通過時間を使用する前に、噴射開始基準歯の歯番号6及び噴射開始基準歯を含む区画名Aを取得し、噴射開始インターバルの算出に用いる歯の歯番号6及び区画名Dを特定する。区画Dの番号6の歯が欠歯区間13aに含まれる番号6〜8の歯に相当するため、判定部17は、演算部15が記憶部18から歯間通過時間を取得した時点にピックアップ9b(図2参照)によって検知された歯の最新の歯番号6と、この検知されている歯が属する区画名Dとをさらに取得する。これにより、判定部17は、噴射開始インターバルの算出に使用する記憶部18の歯番号6の通過時間記憶領域に記憶されている歯間通過時間は、区画Dでまだ更新されておらず区画Cで計測されたものであり、欠歯区間13aの歯間通過時間に相当しないと判定し、判定結果を演算部15に送る。そして、演算部15は、判定部17の判定結果に基づき、記憶部18における歯番号6の通過時間記憶領域に記憶されている歯間通過時間をそのまま利用して、噴射開始インターバルを算出する。
さらに、噴射用タイマ16は、上述のようにして算出した噴射開始インターバルの他、噴射開始基準歯及び燃料噴射継続時間を使用して、駆動回路10に対してパルス信号を出力し、それにより電磁弁4の開放及び閉鎖が制御される。
次に、図6は、区画Aの番号0の歯をピックアップ9b(図2参照)が検知する前の時点で噴射が開始される場合であって、区画Dの欠歯部13に噴射開始クランク角が算出された場合を示している。
図1をあわせて参照すると、演算部15は、燃料噴射を開始するタイミングである噴射開始クランク角を算出する。このとき、算出された噴射開始クランク角は、欠歯部13の中に位置する。このため、演算部15は、噴射開始基準歯を区画Dの番号6の歯に設定し、噴射開始インターバルとして、ピックアップ9b(図2参照)が番号6の歯を検知してから、燃料噴射を開始する上記で算出した噴射開始クランク角に至るまでの経過時間を算出する。
噴射用タイマ16の判定部17は、演算部15が噴射開始インターバルの算出時に記憶部18から取得した歯間通過時間を使用する前に、噴射開始基準歯の歯番号6及び噴射開始基準歯を含む区画名Dを取得し、噴射開始インターバルの算出に用いる歯の歯番号6及び区画名Cを特定する。そして、判定部17は、噴射開始基準歯が区画Dの欠歯区間13aに含まれると判定する。さらに、判定部17は、演算部15が記憶部18から歯間通過時間を取得した時点でピックアップ9b(図2参照)によって検知された歯の最新の歯番号と、この検知された歯が属する区画名とを取得する。このとき、判定部17は、最新の歯番号の歯について区画名D及び番号6の歯番号を取得する。このため、判定部17は、噴射開始インターバルの算出に使用する記憶部18における歯番号6の通過時間記憶領域に記憶されている歯間通過時間は、区画Dでまだ更新されておらず区画Cで計測されたものであり、欠歯区間13aの歯間通過時間に相当しないと判定し、判定結果を演算部15に送る。
そして、演算部15は、判定部17の上述の判定結果に基づき、記憶部18に記憶された歯番号6の通過時間記憶領域の歯間通過時間、つまり区画Cにおける番号6の歯の歯間通過時間をそのまま利用して、ピックアップ9bによる番号6の歯の検知後から燃料噴射が開始されるまでのインターバルを算出し、記憶部18に記憶させる。
さらに、判定部17は、区画Dにおける番号6の歯が検知されてからの経過タイマ19による計測時間と噴射開始インターバルとを比較し、比較結果を噴射用タイマ16に送る。経過タイマ19の計測時間が噴射開始インターバルより小さい場合、噴射用タイマ16は、駆動回路10に対する電磁弁4を開弁するためのパルス信号の出力が出力可能な限界を超えない場合に燃料噴射が可能であるとして、駆動回路10に対し電磁弁4を開くためのパルス信号を出力する。これにより、燃料噴射量の演算完了までの期間が燃料噴射の直前まで拡張される。その他の場合は、噴射用タイマ16は、図4に示す例と同様の動作を行う。
次に、区画Aの次の区画である区画BにTDCを有する気筒における燃料噴射制御を示す。つまり、区画Bは、欠歯部13を含む区画Dから2つ先の区画である。
図7は、区画Bの番号0の歯をピックアップ9b(図2参照)が検知した後に燃料の噴射が開始される場合を示している。このとき、上述の図3に示すような区画Cにおける燃料噴射量の演算の工程と同様の手順で演算が行われると共に同様の手順で燃料の噴射が行われる。
図8は、区画Bの番号0の歯をピックアップ9b(図2参照)が検知する前の時点で噴射が開始される場合であって、区画Aにおける番号7の歯が噴射開始基準歯に設定された場合を示している。なお、図8は、第二の演算を終了する時点が、ピックアップ9bによって区画Aの番号7の歯が検知された後の番号8の歯が検知されるまでの間となっており、ディーゼルエンジン1(図1参照)の機関回転数が高い状態の例を示している。
図1をあわせて参照すると、演算部15は、ピックアップ9b(図2参照)による噴射開始基準歯の検知後の噴射開始インターバルの算出に使用するディーゼルエンジン1の機関回転数を、第二の演算開始時である噴射開始インターバルの算出開始時に記憶部18の歯番号6の通過時間記憶領域に記憶されている歯間通過時間を使用して算出する。欠歯部13を有する区画Dでは、番号7及び番号8の歯はピックアップ9bにて検知されない。そのため、区画Aにおいて番号7及び番号8の歯の通過時間記憶領域に記憶されている歯間通過時間は、2区画前の区画Cにおける歯間通過時間である。噴射開始インターバル算出には、燃料を噴射する区画の回転時間(歯間通過時間)に近い1区画前の区画の回転時間を利用した方が精度がよいため、区画Aにおける番号7及び番号8の歯が噴射開始基準歯とされた場合には、区画Dにおける番号6の歯の歯間通過時間を利用する。このように、区画Aの番号6の歯から番号8の歯が噴射開始基準歯とされる場合には、番号6の歯の歯間通過時間を利用するように設定されている。なお、ピックアップ9bにて区画Aの番号0の歯を検知した時点では、番号6の歯の歯間通過時間記憶領域には、区画Dにおける番号6の歯を検知した時点から、区画Aにおける番号0の歯を検知するまでの時間が更新されて記憶されている。
そして、演算部15が噴射開始インターバルの算出開始時に記憶部18から取得した歯間通過時間を使用する前に、判定部17が、機関回転数の算出に用いる歯間通過時間に対応する歯の判定を実施する。つまり、判定部17は、記憶部18に記憶されている噴射開始基準歯の歯番号7及び噴射開始基準歯を含む区画名Aを取得し、噴射開始インターバルの算出に用いる歯の歯番号7及び区画名Dを特定する。これにより、判定部17は、噴射開始インターバルの算出に使用する歯の歯間通過時間が区画Dの欠歯区間13aの歯間通過時間に相当すると判定する。さらに、判定部17は、演算部15が記憶部18から歯間通過時間を取得した時点にピックアップ9b(図2参照)によって検知された歯の最新の歯番号と、この検知された歯が属する区画名Aとを取得する。
そして、判定部17は、噴射開始インターバルの算出前に番号6〜8の歯の歯間通過時間として記憶部18に記憶されていた区画Dにおける番号6の歯の歯間通過時間が、噴射開始インターバルの算出時に新たな値に更新されているか否かを確認する。このとき、判定部17は、噴射開始インターバルの算出に使用する歯の番号7と同一番号である噴射開始基準歯の番号7とピックアップ9b(図2参照)にて検知された最新の歯の番号とを比較する。
ピックアップ9b(図2参照)にて検知された最新の歯番号が噴射開始基準歯の歯番号7より小さい場合(図9参照)、記憶部18の歯番号6の通過時間記憶領域に記憶されている歯間通過時間は、まだ区画Aのものに更新されておらず区画Dで計測された歯間通過時間のままである。このため、判定部17は、記憶部18の歯番号6の通過時間記憶領域に記憶されている歯間通過時間が、更新されずに区画Dにおける番号6の歯の歯間通過時間のままであり、欠歯区間13aの歯間通過時間に相当すると判定する。
なお、区画Dにおける番号6の歯の歯間通過時間は、番号6の歯の検出時から区画Aの番号0の歯の検出時までの経過時間であり、3つの歯の歯間通過時間となっている。
よって、演算部15は、判定部17の判定結果に基づき、記憶部18から番号7の歯の歯間通過時間として区画Dにおける番号6の歯の歯間通過時間を取得した後、歯間通過時間を3で除算した値を使用することによって機関回転数を算出し、さらに噴射開始インターバルを算出する。
一方、ピックアップ9b(図2参照)にて検知された最新の歯番号が噴射開始基準歯の歯番号7と同じ場合(図8参照)、ピックアップ9bは区画Aにおける番号7の歯の検出を完了し、経過タイマ19も区画Aにおける番号6の歯の歯間通過時間の計測を完了している。このため、記憶部18の歯番号6の通過時間記憶領域に記憶されている歯間通過時間は、区画Dで計測されたものから区画Aで計測されたものに更新されている。
このため、判定部17は、記憶部18の歯番号6〜8の通過時間記憶領域に記憶されている歯間通過時間が、区画Aにおける番号6の歯の歯間通過時間に更新されており、欠歯区間13aの歯間通過時間に相当しないと判定する。
よって、演算部15は、判定部17の判定結果に基づき、記憶部18から番号7の歯の歯間通過時間として区画Aにおける番号6の歯の歯間通過時間を取得し、取得した歯間通過時間を3で除算せずにそのまま使用することによって機関回転数を算出し、さらに噴射開始インターバルを算出する。
そして、噴射用タイマ16は、上述のようにして算出した噴射開始インターバルの他、噴射開始基準歯及び燃料噴射継続時間を使用して、図4に示す例と同様にして、駆動回路10に対してパルス信号を出力し、それにより電磁弁4の開放及び閉鎖が制御される。
なお、区画Aにおける番号8の歯が噴射開始基準歯に設定された場合も、上述の番号7の歯の場合と同様の演算及び制御が行われる。
また、区画Aにおける番号6の歯が噴射開始基準歯に設定された場合、噴射開始インターバルの算出開始時に記憶部18の歯番号6の通過時間記憶領域に記憶されている歯間通過時間は更新されずに区画Dにおける番号6の歯の歯間通過時間のままである。このため、判定部17は、算出に用いる番号6の歯の歯間通過時間が欠歯区間13aの歯間通過時間に相当すると判定し、演算部15は、判定部17の判定結果に基づき、記憶部18から番号6の歯の歯間通過時間として区画Dにおける番号6の歯の歯間通過時間を取得して、噴射開始インターバルを算出する。この場合、区画Dにおける番号6の歯の歯間通過時間は、3で除算した値が使用される。
上述より、判定部17が、噴射開始インターバルの算出開始時において、噴射開始インターバルの算出に使用する歯の歯番号と同一である噴射開始基準歯の歯番号と、演算部15が記憶部18から歯間通過時間を取得した時点にピックアップ9bにて検知されていた最新の歯番号とを比較することによって、記憶部18の歯番号6の通過時間記憶領域に記憶されている歯間通過時間が欠歯部13を含む区画Dで計測されたものから区画Aで計測されたものに更新されているか否かを判定している。それにより、演算部15は、判定部17の判定結果に基づき、記憶部18の歯番号6の通過時間記憶領域に記憶されている歯間通過時間の利用方法の適正化を図り、噴射開始インターバルの算出精度を向上させている。そして、上述のような算出方法を採用することによって、ディーゼルエンジン1の高回転時でも、演算部15は、噴射開始インターバルを正確に算出することができる。
また、図9は、図8と同様に、区画Bの番号0の歯をピックアップ9b(図2参照)が検知する前の時点で噴射が開始される場合であって、区画Aにおける番号7の歯が噴射開始基準歯に設定された場合を示している。しかしながら、図9は、第二の演算を終了する時点が、ピックアップ9bによって区画Aの番号5の歯が検知された後の番号6の歯が検知されるまでの間となっており、ディーゼルエンジン1(図1参照)の機関回転数が低い状態の例を示している。
図1をあわせて参照すると、演算部15は、図8の場合と同様に、噴射開始インターバルの算出に使用するディーゼルエンジン1の機関回転数を、噴射開始インターバルの算出開始時に記憶部18の歯番号7の通過時間記憶領域に記憶されている歯間通過時間を使用して算出する。
噴射開始インターバルの算出開始時、記憶部18では、歯番号6の通過時間記憶領域の歯間通過時間として、区画Dにおける番号6の歯の歯間通過時間が記憶されており、歯番号7及び8の通過時間記憶領域の歯間通過時間として、区画Dにおける番号6の歯の歯間通過時間が記憶されている。
そして、演算部15が噴射開始インターバルの算出開始時に記憶部18から取得した歯間通過時間を使用する前に、判定部17が、機関回転数の算出に用いる歯間通過時間に対応する歯の判定を実施する。つまり、判定部17は、図8の場合と同様にして、噴射開始インターバルの算出に用いる歯の歯間通過時間が区画Dの欠歯区間13aの歯間通過時間に相当すると判定する。さらに、判定部17は、演算部15が記憶部18から歯間通過時間を取得した時点にピックアップ9b(図2参照)によって検知された歯の最新の歯番号5と、この検知された歯が属する区画名Aとを取得する。
そして、判定部17は、ピックアップ9b(図2参照)にて検知された最新の歯番号5が噴射開始基準歯の歯番号7より小さいため、記憶部18の歯番号6の通過時間記憶領域に記憶されている歯間通過時間が、区画Dにおける番号6の歯の歯間通過時間のままであり、欠歯区間13aの歯間通過時間に相当すると判定する。
よって、演算部15は、判定部17の判定結果に基づき、記憶部18から番号7の歯の歯間通過時間として区画Dにおける番号6の歯の歯間通過時間を取得した後、歯間通過時間を3で除算した値を使用することによって機関回転数を算出し、さらに噴射開始インターバルを算出する。
従って、この図9の例では、ディーゼルエンジン1(図1参照)の機関回転数が低い場合は、記憶部18の歯番号6〜8の通過時間記憶領域に記憶されている歯間通過時間が、区画Dで計測されたものから区画Aで計測されたものに更新される前に、第二の演算が終了するため、演算部15は、記憶部18から取得した歯間通過時間を3で除算した値を使用することによって噴射開始インターバルを算出する。
このように、この発明の実施の形態に係る燃料噴射制御装置は、複数の気筒2を有し、クランク角に基づいて各気筒2への燃料噴射量及び燃料噴射時期の演算を行うディーゼルエンジン1の燃料噴射制御装置である。この燃料噴射制御装置は、ディーゼルエンジン1のクランクシャフト11と共に回転するパルサ9aを備え、パルサ9aは、外周縁に一部を欠歯した欠歯区間13aを含んで配置された複数の歯12を有し、歯12が各気筒2に対応して複数の歯群に区画され、パルサ9aの区画に含まれる歯には、パルサ9aの各区画A〜Dの間で対応づけられた歯番号が設定される。また、燃料噴射制御装置は、歯12を検知するピックアップ9bと、各気筒2への燃料噴射量及び燃料噴射時期を算出すると共に、算出された燃料噴射量及び燃料噴射時期に基づいて、各気筒2に設けられたインジェクタ3から各気筒2へ燃料を噴射するECU8とを備える。ECU8は、ピックアップ9bによって歯12が検知された時点から次の歯12が検知されるまでの経過時間である歯間通過時間を計測する経過タイマ19を有する。ECU8はさらに、各気筒2に燃料を噴射するための燃料噴射時期を算出すると共に、燃料噴射される気筒2よりも前に燃料噴射される気筒に対応するパルサ9aの区画A〜Dでの歯間通過時間を用いて燃料噴射時期を特定する演算部15を有する。また、ECU8は、燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間がパルサ9aにおける欠歯区間13aの歯間通過時間に相当するか否かを判定する判定部17を有する。さらに、ECU8は記憶部18を有し、記憶部18は、経過タイマ19が計測した歯間通過時間を記憶し、記憶している歯間通過時間と同じ歯番号の歯間通過時間が入力されると、上記の入力された同じ歯番号の歯間通過時間で上記の記憶している歯間通過時間を更新する。演算部15は、燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間が欠歯区間13aの歯間通過時間に相当する場合、燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間を燃料噴射時期の特定に用いる時点でピックアップによって検出された最も新しい歯の歯番号に基づいて、燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間を変換して使用する。
このとき、演算部15は、ピックアップ9bによって歯12が検知される毎の歯間通過時間を使用してディーゼルエンジン1の機関回転数を算出し、燃料噴射時期(タイミング)を特定する。そして、演算部15は、燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間が欠歯区間13aの歯間通過時間に相当する場合、歯間通過時間を燃料噴射時期の特定に用いる時点でピックアップによって検出された最も新しい歯の歯番号に基づいて、燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間の利用方法を変更している。また、記憶部18では、各歯番号に対応した歯間通過時間が、最新の運転状態に対応した歯間通過時間に随時更新されている。よって、演算部15は、記憶部18に記憶された燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間が、欠歯区間13aのものであるか、ピックアップ9bの歯の検出によって欠歯区間13aのものから更新されているかに基づき、燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間の利用方法を変更している。従って、燃料噴射制御装置は、最新の運転状態を反映しつつ欠歯部13による影響を低減して算出した燃料噴射量及び燃料噴射時期に基づいて各気筒2へ燃料を噴射することを可能にする。
また、燃料噴射制御装置において、演算部15は、燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間を変換する場合、欠歯区間13aにおける欠歯の数に基づき欠歯区間13aの歯間通過時間を除算する。これによって、演算部15は、欠歯区間13aの歯間通過時間を一歯毎の歯間通過時間に変換して使用することができる。
また、燃料噴射制御装置において、判定部17は、記憶部18に記憶された燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間が欠歯区間13aに相当する場合、演算部15による燃料噴射時期の特定時、燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間に対応する歯の歯番号である第一歯番号と、ピックアップ9bによって検知される最新の歯の歯番号である第二歯番号とを比較する。そして、判定部17は、第二歯番号が第一歯番号よりも前に検知される歯番号であれば、燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間が欠歯区間13aの歯間通過時間に相当すると判定し、第二歯番号が第一歯番号と同じ番号である又は第一歯番号よりも後に検知される歯番号であれば、燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間が欠歯区間13aの歯間通過時間に相当しないと判定する。さらに、演算部15は、判定部17が記憶部18に記憶された燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間が欠歯区間13aの歯間通過時間に相当すると判定した場合、欠歯区間13aの歯間通過時間を用いて燃料噴射時期を特定し、判定部17が記憶部18に記憶された燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間が欠歯区間13aの歯間通過時間に相当しないと判定する場合、記憶部18における欠歯区間13aの歯間通過時間から更新された第一歯番号の歯の歯間通過時間を燃料噴射時期の特定に用いる。
このとき、判定部17は、燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間に対応し且つ欠歯区間13aの歯間通過時間に相当する歯(第一歯番号の歯)の歯間通過時間が、ピックアップ9bが新たな気筒2の第一歯番号の歯を検知したことによって新たな歯間通過時間に更新されたか否かを判定している。演算部15は、判定部17が更新を判定しない場合、燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間として欠歯区間13aの歯間通過時間を変換して使用する。一方、演算部15は、判定部17が更新を判定した場合、更新後の第一歯番号の歯間通過時間をそのまま用いる。これによって、演算部15は、更新後の歯間通過時間に対して欠歯区間13aの歯間通過時間と同様に変換してしまうことがなく、燃料噴射時期を正確に特定することが可能になる。つまり、欠歯区間13aによる燃料噴射時期の特定への影響をより低減することができる。
また、燃料噴射制御装置において、演算部15は、算出した燃料噴射時期に基づいて噴射開始基準歯を算出し、第一歯番号の歯として、噴射開始基準歯と同じ歯番号の歯を設定する。これによって、演算部15は、噴射開始基準歯に対応する歯での歯間通過時間を使用して燃料噴射時期を特定する、つまり噴射開始基準歯と気筒2での状態が同一の状態での歯間通過時間を使用して燃料噴射時期を特定することができ、燃料噴射制御装置は運転状態に適合した燃料噴射を行うことが可能になる。
この実施の形態では、欠歯部13を有する区画Dにおける番号6の歯の歯間通過時間の計測後、番号6〜8の全ての歯の歯間通過時間を、区画Dにおける番号6の歯の歯間通過時間に更新していたが、これに限定されない。区画Dでは、番号7及び8の歯間通過時間を更新せず、前の区画Cでの歯間通過時間のままとしてもよい。
また、この実施の形態では、経過タイマ19は連続して全ての歯の歯間通過時間を計測していたが、これに限定されない。前の区画(気筒)での噴射開始基準歯の歯番号、運転状態等から、次の区画(気筒)で歯間通過時間を計測する歯を限定し、経過タイマ19を断続的に計測させるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、噴射開始基準歯を、TDCのある区画の前区画の番号6の歯から、TDCのある区画の番号6の歯までとしていたが、これに限定されるものでなく、任意に変更することができる。
また、この実施の形態では、第一の演算の開始時期を、TDCのある区画の前区画の番号2の歯をピックアップ9bが検出した時点としていたが、これに限定されるものでなく、任意に変更することができる。
この実施の形態では、ディーゼルエンジン1はV型8気筒ディーゼルエンジンであったが、この形態に限定するものではない。複数の気筒を有するものであれば、どのようなディーゼルエンジンであってもよく、例えば直列型や水平対向型であってもよい。
また、この実施形態では、パイロット噴射を例に説明したが、気筒内に燃料を最初に噴射するタイミングの噴射であれば、パイロット噴射に限らず用いることができる。
1 ディーゼルエンジン、2 気筒、3 インジェクタ(燃料噴射手段)、8 ECU(制御部)、9a パルサ、9b ピックアップ、11 クランクシャフト、12 歯、13a 欠歯区間、15 演算部、16 判定部、17 記憶部、19 経過タイマ、A〜D 区画。

Claims (4)

  1. 複数の気筒を有し、クランク角に基づいて各気筒への燃料噴射量及び燃料噴射時期の演算を行うディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置において、
    前記ディーゼルエンジンのクランクシャフトと共に回転するパルサであって、外周縁に一部を欠歯して配置された複数の歯を有し、前記歯が各気筒に対応して複数の歯群に区画され、前記区画に含まれる前記歯には、前記区画それぞれの間で対応づけられた歯番号が設定されるパルサと、
    前記歯を検知するピックアップと、
    各気筒への燃料噴射量及び燃料噴射時期を算出すると共に、算出された燃料噴射量及び燃料噴射時期に基づいて、各気筒に設けられた燃料噴射手段から各気筒へ燃料を噴射する制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記ピックアップによって前記歯が検知された時点から次の歯が検知されるまでの経過時間である歯間通過時間を計測する経過タイマと、
    各気筒に燃料を噴射するための燃料噴射時期を算出すると共に、燃料噴射される前記気筒よりも前に燃料噴射される前記気筒に対応する前記パルサの区画での前記歯間通過時間を用いて前記燃料噴射時期を特定する演算部と、
    前記燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間が、前記パルサにおける欠歯した部位の歯間通過時間に相当するか否かを判定する判定部と、
    前記経過タイマが計測した前記歯間通過時間を記憶する記憶部であって、記憶している前記歯間通過時間と同じ歯番号の前記歯間通過時間が入力されると、前記入力された同じ歯番号の歯間通過時間で前記記憶している歯間通過時間を更新する記憶部と
    を有し、
    前記演算部は、前記燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間が前記欠歯した部位の歯間通過時間に相当する場合、前記燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間を前記燃料噴射時期の特定に用いる時点で前記ピックアップによって検知された最も新しい歯の歯番号に基づいて、前記燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間を変換して使用し、
    前記判定部は、
    前記記憶部に記憶された前記燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間が前記欠歯した部位の歯間通過時間に相当する場合、前記演算部による前記燃料噴射時期の特定時、前記燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間に対応する歯の歯番号である第一歯番号と、前記ピックアップによって検知された前記最新の歯の歯番号である第二歯番号とを比較し、
    前記第二歯番号が前記第一歯番号よりも前に検知される歯番号であれば、前記燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間が前記欠歯した部位の歯間通過時間に相当すると判定し、
    前記第二歯番号が前記第一歯番号と同じ番号である又は前記第一歯番号よりも後に検知される歯番号であれば、前記燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間が前記欠歯した部位の歯間通過時間に相当しないと判定する燃料噴射制御装置。
  2. 前記演算部は、
    前記判定部が前記記憶部に記憶された燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間が前記欠歯した部位の歯間通過時間に相当すると判定した場合、前記欠歯した部位の歯間通過時間を用いて燃料噴射時期を特定し、
    前記判定部が前記記憶部に記憶された燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間が前記欠歯した部位の歯間通過時間に相当しないと判定する場合、前記記憶部における前記欠歯した部位の歯間通過時間から更新された前記第一歯番号の歯の歯間通過時間を燃料噴射時期の特定に用いる請求項に記載の燃料噴射制御装置。
  3. 前記演算部は、
    算出した燃料噴射時期に基づいて噴射開始基準歯を算出し、
    前記第一歯番号の歯として、前記噴射開始基準歯と同じ歯番号の歯を設定する請求項またはに記載の燃料噴射制御装置。
  4. 前記演算部は、前記燃料噴射時期の特定に用いる歯間通過時間を変換する場合、前記欠歯した部位における欠歯の数に基づき前記欠歯した部位の歯間通過時間を除算する請求項1〜のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置。
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