JP5585471B2 - 撮像レンズ及び画像処理装置 - Google Patents

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本発明は、撮像レンズ及び画像処理装置に関し、特に本発明は、CCD型イメージセンサあるいはCMOS型イメージセンサ等の固体撮像素子を用いた、小型の撮像レンズ及びそれを用いた画像処理装置に関する。
近年、小型で薄型の撮像装置が、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)等の小型で薄型の電子機器である携帯端末に搭載されるようになり、これにより遠隔地へ音声情報だけでなく画像情報も相互に伝送することが可能となっている。
これらの撮像装置に使用される撮像素子としては、CCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等の固体撮像素子が使用されている。近年では、撮像素子の画素ピッチの小型化が進み、高画素化により、高解像、高性能化が図られてきている。一方で、高画素を維持しながらも、撮像素子の小型化が図られている。
また、これら撮像素子上に被写体像を形成するためのレンズは、Skype等のテレビ電話の普及に伴って、自分撮り用の広角レンズの需要が高まってきており、このような自分撮り用のレンズは撮影用のメインカメラではないため、より安価で構成する必要があり、2枚構成程度のレンズが求められている。
ここで、例えば特許文献1には、2枚構成の撮像レンズとして、物体側より順に両凸形状で正のパワー(焦点距離の逆数で定義される量)を有する第1レンズ、像面側に凸面を向けたメニスカス形状で正のパワーを有する第2レンズで構成された撮像レンズが開示されている。
特開2006-3900号公報 特開2004-271991号公報
しかしながら、特許文献1に記載の撮像レンズは最大画角が60°程度しかなく、収差補正も不十分である。これに対し、例えば特許文献2には、広角レンズに適した構成として、物体側より順に物体側に凸面を向けたメニスカス形状で負のパワーを有する第1レンズ、両凸形状で正のパワーを有する第2レンズで構成された撮像レンズが開示されている。
特許文献2に記載の撮像レンズは、最大画角は70°以上を確保できているものの、負レンズ、正レンズの順に配置した、所謂レトロフォーカスタイプであるため、全長短縮には不利なタイプである。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、小型で最大画角80°以上を確保し、諸収差が良好に補正された、2枚構成の撮像レンズを提供することを目的とする。
ここで、小型の撮像レンズの尺度であるが、本発明では下式を満たすレベルの小型化を目指している。この範囲を満たすことで、撮像装置全体の小型軽量化が可能となる。
L/2Y<1.1 (7)
ただし、
L:撮像レンズ全系の最も物体側のレンズ面から像側焦点までの光軸上の距離
2Y:固体撮像素子の撮像面対角線長(固体撮像素子の矩形実効画素領域の対角線長)
ここで、像側焦点とは撮像レンズに光軸と平行な平行光線が入射した場合の像点をいう。
なお、撮像レンズの最も像側の面と像側焦点位置との間に、光学的ローパスフィルタ、赤外線カットフィルタ、または固体撮像素子パッケージのシールガラス等の平行平板が配置される場合には、平行平板部分は空気換算距離としたうえで上記Lの値を計算するものとする。
請求項1に記載の撮像レンズは、固体撮像素子の光電変換部に被写体像を結像させるための撮像レンズであって、物体側より順に、
開口絞り、
正のパワーを有し像側に凸面を向けた第1レンズ、
正のパワーを有し物体側に凹面を向けたメニスカス形状の第2レンズ、からなり、
以下の条件式を満足することを特徴とする。
0.5<f2/f<1.6 (1)
1.57≦r1/f<3.5 (2)
ただし、
f2:前記第2レンズの焦点距離
f:前記撮像レンズ全系の焦点距離
r1:前記第1レンズ物体側面の曲率半径
広角かつ小型で収差の良好に補正された撮像レンズを得るための、本発明の基本構成は、物体側より順に、開口絞り、正のパワーを有し像側に凸面を向けた第1レンズ、正のパワーを有し物体側に凹面を向けたメニスカス形状の第2レンズ、からなる。最も物体側に開口絞りを配置し、正の第1レンズの像側面に大きな正のパワーを持たせることで、射出瞳位置を像面から遠ざけることができる。また、第2レンズを正レンズとすることで、焦点距離を短くすることができ、広角にしやすくなる。
条件式(1)は第2レンズの焦点距離を適切に設定するための条件式である。条件式(1)の値が上限を下回ることで、第2レンズのパワーを適度に維持することができ、撮像レンズの画角を広角に保つことが可能となる。一方、条件式(1)の値が下限を上回ることで、第2レンズの正のパワーが強くなりすぎず、像面湾曲の劣化やバックフォーカスが短くなりすぎることを抑えることができる。また、より望ましくは下式の範囲がよい。
0.55<f2/f<1.5 (1’)
条件式(2)は第1レンズ物体側面の曲率半径を適切に設定するための条件式である。本発明のような広角レンズでは、第1レンズ物体側面に入射する光線角度が大きくなるため、第1レンズ物体側面の曲率半径が小さいと光線が大きく屈折され、高次の球面収差やコマ収差が大きく発生してしまう。条件式(2)の値が下限を上回ることで、第1レンズ物体側面の曲率半径が小さくなりすぎず、高次の球面収差やコマ収差を抑制することができる。一方、条件式(2)の値が上限を下回ることで、第1レンズ物体側面の曲率半径を適度に維持することができ、第1レンズ物体側面に配置する開口絞りとのクリアランスを確保することが容易となる。また、より望ましくは下式の範囲がよい。
1.6<r1/f<3.2 (2’)
請求項2に記載の撮像レンズは、請求項1に記載の発明において、以下の条件式を満足することを特徴とする。
0.3<d3/f<0.7 (3)
ただし、
d3:前記第2レンズの光軸上の厚み
条件式(3)は第2レンズの光軸上の厚みを適切に設定するための条件式である。条件式(3)の値が上限を下回ることで、第2レンズの厚みが必要以上に大きくなりすぎず、撮像レンズの全長を短縮することができる。一方、条件式(3)の値が下限を上回ることで、第2レンズの厚みを適度に確保することができ、レンズ成形性を損なわないようにできる。また、より望ましくは下式の範囲がよい。
0.35<d3/f<0.65 (3’)
請求項3に記載の撮像レンズは、請求項1又は2に記載の発明において、以下の条件式を満足することを特徴とする。
0.35<f1/f2<0.95 (4)
ただし、
f1:前記第1レンズの焦点距離
条件式(4)は第1レンズの焦点距離と第2レンズの焦点距離の比を適切に設定するための条件式である。条件式(4)の値が上限を下回ることで、第2レンズのパワーに対して第1レンズのパワーが強くなりすぎず、第1レンズで発生した諸収差を、第2レンズで補正することが可能となる。一方、条件式(4)の値が下限を上回ることで、第1レンズで発生した軸上色収差を第2レンズで打ち消すことができ、高画質化を実現できる。また、レンズ全長の短縮を試みた場合にも、性能劣化を最小限に抑えることができる。また、より望ましくは下式の範囲がよい。
0.40<f1/f2<0.90 (4’)
請求項4に記載の撮像レンズは、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、以下の条件式を満足することを特徴とする。
0.50<(r1+r2)/(r1−r2)<0.85 (5)
ただし、
r2:第1レンズ像側面の曲率半径
条件式(5)は第1レンズの形状、所謂シェーピングファクター(Shaping factor)を適切に設定するための条件式である。この条件式(5)の範囲内で、第1レンズは物体側の面より像側の面の方が強い正のパワーを有する形状となる。より具体的には、条件式(5)の値が上限を下回ることで、第1レンズ物体側面の周辺部に空間が生まれ、絞りの配置が容易になるため、全長の短縮が容易になる。一方、条件式(5)の値が下限を上回ることで、第1レンズ物体側面のパワーが大きくなりすぎることがなくなり、第1レンズ物体側面で発生する高次の球面収差やコマ収差を小さくすることができる。また、より望ましくは下式の範囲がよい。
0.55<(r1+r2)/(r1−r2)<0.80 (5’)
請求項5に記載の撮像レンズは、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、以下の条件式を満足することを特徴とする。
0.4<f1/f<0.8 (6)
ただし、
f1:前記第1レンズの焦点距離
条件式(6)は第1レンズの焦点距離を適切に設定するための条件式である。条件式(6)の値が上限を下回ることで第1レンズの正のパワーを適度に確保でき、レンズ全長の短縮が可能となる。一方、条件式(6)の値が下限を上回ることで、第1レンズの正のパワーが必要以上に大きくなりすぎず、第1レンズの像側面で発生する、高次の球面収差やコマ収差、また倍率色収差を小さく抑えることができる。また、より望ましくは下式の範囲がよい。
0.5<f1/f<0.7 (6’)
請求項6に記載の撮像レンズは、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、第1レンズと第2レンズは、耐熱性を有する素材から形成されていることを特徴とする。
本発明の撮像レンズを、耐熱性を有する素材で構成することにより、リフロー処理に耐えることができ、電子部品とレンズモジュールとを基板に同時実装することができ、低コストかつ大量に基板に実装することができる。ここで、耐熱性を有する素材とは、リフロー槽の内部温度である260℃以上で変形しない素材が好ましい。
請求項7に記載の撮像レンズは、請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、前記第1レンズと前記第2レンズのうち少なくとも一方は、ガラスから形成されていることを特徴とする。
前記第1レンズと前記第2レンズのうち少なくとも一方をガラス材料で形成することにより、レンズの材料選択肢が増え、高性能化が容易となる。
請求項8に記載の撮像レンズは、請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、前記第1レンズと前記第2レンズのうち少なくとも一方は、エネルギー硬化型樹脂から形成されていることを特徴とする。
前記第1レンズと前記第2レンズのうち少なくとも一方をエネルギー硬化型樹脂で形成させることにより、低コスト化が容易となる。「エネルギー硬化型樹脂」とは、エネルギーを付与することで硬化する樹脂をいい、熱硬化型樹脂やUV硬化型樹脂などがある。
請求項に記載の撮像レンズは、請求項1〜のいずれかに記載の発明において、実質的にパワーを持たないレンズを更に有することを特徴とする。つまり、請求項1の構成に、実質的にパワーを持たないダミーレンズを付与した場合でも本発明の適用範囲内である。
請求項10に記載の画像処理装置は、請求項1〜のいずれか1項に記載の撮像レンズと、固体撮像素子と、を有する画像処理装置であって、被写体光を、前記撮像レンズを介して前記固体撮像素子の受光面に入射することによって取得した画像データを処理することで、画角内における撮像した被写体の位置を求めることを特徴とする。本発明の撮像レンズはコンパクトでありながら広角を確保できるので、このような画像処理装置に用いると好適である。



本発明によれば、小型で最大画角80°以上を確保し、諸収差が良好に補正された、2枚構成の撮像レンズを提供することができる。
本実施の形態にかかる撮像装置50の上面図である。 図1の構成を矢印II-II線で切断して矢印方向に見た断面図である。 撮像装置50を組み込んだ、画像処理装置としてのノート型パソコンPCを示す斜視図である。 金型を用いた撮像レンズの成形工程を示す図である。 金型を用いた撮像レンズの成形工程を示す図である。 第1ガラスレンズアレイIM1の表側の斜視図である。 第1ガラスレンズアレイIM1の裏側の斜視図である。 第3ガラスレンズアレイIM3を形成する工程を示す図である。 第3ガラスレンズアレイIM3を形成する工程を示す図である。 第3ガラスレンズアレイIM3から撮像レンズを切り出す工程を示す図である。 第3ガラスレンズアレイIM3から得られた撮像レンズの斜視図である。 実施例1の断面図である。 (a)は実施例1の球面収差図、(b)は非点収差図、(c)は歪曲収差図である。 (a)は、実施例1のメリディオナルコマ収差図であり、(b)はサジタルコマ収差図である。 実施例2の断面図である。 (a)は実施例2の球面収差図、(b)は非点収差図、(c)は歪曲収差図である。 (a)は、実施例2のメリディオナルコマ収差図であり、(b)はサジタルコマ収差図である。 実施例3の断面図である。 (a)は実施例3の球面収差図、(b)は非点収差図、(c)は歪曲収差図である。 (a)は、実施例3のメリディオナルコマ収差図であり、(b)はサジタルコマ収差図である。 実施例4の断面図である。 (a)は実施例4の球面収差図、(b)は非点収差図、(c)は歪曲収差図である。 (a)は、実施例4のメリディオナルコマ収差図であり、(b)はサジタルコマ収差図である。 実施例5の断面図である。 (a)は実施例5の球面収差図、(b)は非点収差図、(c)は歪曲収差図である。 (a)は、実施例5のメリディオナルコマ収差図であり、(b)はサジタルコマ収差図である。 実施例6の断面図である。 (a)は実施例6の球面収差図、(b)は非点収差図、(c)は歪曲収差図である。 (a)は、実施例6のメリディオナルコマ収差図であり、(b)はサジタルコマ収差図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施の形態にかかる撮像装置50の上面図であり、図2は、図1の構成を矢印II-II線で切断して矢印方向に見た断面図である。図2に示すように、撮像装置50は、光電変換部51aを有する固体撮像素子としてのCMOS型イメージセンサ51と、このイメージセンサ51の光電変換部51aに被写体像を撮像させる撮像レンズ10と、イメージセンサ51を保持すると共にその電気信号の送受を行う外部接続用端子(不図示)を有する基板52とを備え、これらが一体的に形成されている。
上記イメージセンサ51は、その受光側の平面の中央部に、画素(光電変換素子)が2次元的に配置された、受光部としての光電変換部51aが形成されており、その周囲には信号処理回路51bが形成されている。かかる信号処理回路51bは、各画素を順次駆動し信号電荷を得る駆動回路部と、各信号電荷をデジタル信号に変換するA/D変換部と、このデジタル信号を用いて画像信号出力を形成する信号処理部等から構成されている。また、イメージセンサ51の受光側の平面の外縁近傍には、多数のパッド(図示略)が配置されており、不図示のワイヤを介して基板52に接続されている。イメージセンサ51は、光電変換部51aからの信号電荷をデジタルYUV信号等の画像信号等に変換し、ワイヤ(不図示)を介して基板52上の所定の回路に出力する。ここで、Yは輝度信号、U(=R−Y)は赤と輝度信号との色差信号、V(=B−Y)は青と輝度信号との色差信号である。なお、固体撮像素子は上記CMOS型のイメージセンサに限定されるものではなく、CCD等の他のものを使用しても良い。尚、イメージセンサ51は、縦の画素数が200,横の画素数が400〜800(好ましくは600)である。
イメージセンサ51を支持する基板52は、不図示の配線により、イメージセンサ51に対して通信可能に接続されている。
基板52は、不図示の外部接続用端子を介して外部回路(例えば、撮像装置を実装した携帯端末の上位装置が有する制御回路)と接続し、外部回路からイメージセンサ51を駆動するための電圧やクロック信号の供給を受けたり、また、デジタルYUV信号を外部回路へ出力したりすることを可能とする。
図2において、中空角筒状の筐体53は、基板52における撮像素子51が設けられた周囲面上に、撮像素子51を囲うようにして開放した像側端部が固定配置され、像側(図2で上方)に延在している。筐体53の内側には雌ねじ53aが形成されている。一方、撮像レンズ10を保持するホルダ54は、中空円筒状であり、その物体側端部に、小開口Sを有するフランジ部54aを形成している。ホルダ54の外周には雄ねじ54bが形成されている。雌ねじ53aに雄ねじ54bを螺合させることで、ホルダ54は筐体53に対して光軸方向に変位可能に取り付けられている。その際、不図示の治具を係合させて回転させることができるよう、ホルダ54の上面に等配された切欠54cを設けている。尚、組み付け後に、ホルダ54は筐体53に対して接着される。
ホルダ54内には、撮像レンズ10が固定配置されている。撮像レンズ10は、物体側より順に、開口絞りSと、正のパワーを有し像側に凸面を向けた第1レンズL1と、正のパワーを有し物体側に凹面を向けたメニスカス形状の第2レンズL2、からなり、以下の条件式を満足する。尚、レンズL1,L2はフランジ部周辺同士を当接させており、間に遮光部材SHを挟み込んでいる。
0.5<f2/f<1.6 (1)
1.5<r1/f<3.5 (2)
ただし、
f2:第2レンズL2の焦点距離
f:撮像レンズ全系の焦点距離
r1:第1レンズL1物体側面の曲率半径
図3は、上述した撮像装置50を組み込んだ、画像処理装置としてのノート型パソコンPCを示す斜視図である。撮像装置50は、例えばノート型パソコンPCのモニタMT上部に取り付けられ、ユーザーに正対して配置される。
ユーザーが、ノート型パソコンPCにて自分撮りモードを設定すると、撮像装置50から取り込まれたユーザーの画像は、画像データとしてノート型パソコンPC内に送信される。このとき、ノート型パソコンPC内部で公知の画像処理が行われ、モニタMTに表示されると共にユーザーの顔認識が行われて、画角内のいずれの位置にユーザーがいるか判断される。その結果、ユーザーの位置に応じて例えば左右のスピーカーの音量を変えたり、或いは3D表示などにおける表示態様を変えたりできる。本実施の形態による撮像装置50の撮像レンズ10は、80度以上の画角を持つので、ユーザーが大きく移動しても画角内からはみ出すことがなく、かかる用途に好適である。
以下、撮像レンズの製造10について、図4〜11を参照して説明する。まず図4に示すように、コア23を上端に取り付けたコア支持部材21を4つの開口22a内にそれぞれ組み付けた下金型22を、ガラスを加熱溶融させた貯蔵部に連通する白金ノズルNZの下方に位置させ、白金ノズルNZから溶融したガラスGLの液滴を、複数の成形面から等距離の位置に向けて上面22b上に一括滴下させる。かかる状態では、ガラスGLの粘度は低いので、落下したガラスGLは、上面22b上に広がり、コア23の転写面23a内に容易に進入してその形状を転写すると共に、溝22eの形状も精度良く転写する。
次いで、ガラスGLが冷却する前に、コア13を下端に取り付けたコア支持部材11を4つの開口12a内にそれぞれ組み付けた上金型12の下方で対向する位置まで、下金型22を接近させ、不図示の位置決めガイドを用いて上金型12に整合させる。更に、上金型12と下金型22とを接近させて成形を行う。これにより、コア13の転写面13a(ここでは凸形状)の形状を転写する。尚、転写面13aの周囲には浅い円形段部が形成されているので、これも同時に転写する。このとき、上金型12の下面12bと下金型22の上面22bとが、所定の距離で離間するように保持してガラスGLを冷却させる。ガラスGLは、周囲に回り込んでテーパ部22gを覆った状態で固化する。
その後、図5に示すように上金型12と下金型22とを離間させ、ガラスGLを取り出すことで、第1ガラスレンズアレイIM1が形成される。同様にして別な金型により、第2ガラスレンズアレイIM2を形成できる。図6は、第1ガラスレンズアレイIM1の表側の斜視図であり、図7は裏側の斜視図である。
図6,7に示すように、第1ガラスレンズアレイIM1は、全体として円盤形状であって、上金型12の下面12bにより転写成形された高精度な平面である表面IM1aと、表面IM1aに転写面13aにより転写形成された4つの凹状光学面IM1bと、その周囲で円形段部により転写された浅い円形溝IM1cとを有する。この円形溝IM1cは、後述する遮光部材SHを収容するためのものである。
また、第1ガラスレンズアレイIM1は、下金型22の上面22bにより転写成形された高精度な平面である裏面IM1dと、裏面IM1dに転写面23aにより転写形成された4つの凸状光学面IM1eと、溝22eにより転写形成された凸部IM1fとを有する。尚、方向を示す凸状マークIM1gを同時に形成しても良い。光学面IM1bと光学面IM1eとで、第1レンズL1を構成する。
次に、第1ガラスレンズアレイIM1と、同様な工程から形成され同様な形状を有する第2ガラスレンズアレイIM2とを貼り合わせて、第3ガラスレンズアレイIM3を形成する工程を説明する。
図8に示すように、治具JZ1で保持した第1ガラスレンズアレイIM1を、治具JZ2で保持した第2ガラスレンズアレイIM2とを、向かい合わせにして、凸部IM1f又は凸状マークIM1gなどを用いて精度良く位置決めする。その後、両者間に4つのドーナツ板状の遮光部材SHを配置した上で、第1ガラスレンズアレイIM1と第2ガラスレンズアレイIM2の少なくとも一方の表面IM1a、IM2aに接着材を塗布した後、図9に示すように、治具JZ1,JZ2を相対的に接近させ表面IM1a、IM2aを密着させて、接着剤の固化を待つ。接着剤が固化することで、円形の溝IM1cに遮光部材SHを嵌合させてなり、第1ガラスレンズアレイIM1と第2ガラスレンズアレイIM2とを貼り合わせた第3ガラスレンズアレイIM3が形成される。
その後、上方の治具JZの吸引を停止し、且つ離間させることで、下方の治具JZに保持された第3ガラスレンズアレイIM3を取り出すことができるので、図10に示すように、ダイシングブレードDBにより、第3ガラスレンズアレイIM3を切断して、図11に示すような撮像レンズ10を得ることができる。このようにして製造された撮像レンズ10は、第1レンズL1と、第2レンズL2と、第1レンズL1と第2レンズL2の間に配置された遮光部材SHとを有するレンズユニットとなる。
(実施例)
次に、上述した実施の形態に好適な実施例について説明する。但し、以下に示す実施例により本発明が限定されるものではない。各実施例に使用する記号は下記の通りである。
f :撮像レンズ全系の焦点距離
fB :バックフォーカス
F :Fナンバー
2Y :固体撮像素子の撮像面対角線長
ENTP:入射瞳位置(第1面から入射瞳位置までの距離)
EXTP:射出瞳位置(撮像面から射出瞳位置までの距離)
H1 :前側主点位置(第1面から前側主点位置までの距離)
H2 :後側主点位置(最終面から後側主点位置までの距離)
R :曲率半径
D :軸上面間隔
Nd :レンズ材料のd線に対する屈折率
νd :レンズ材料のアッベ数
各実施例において、各面番号の後に「*」が記載されている面が非球面形状を有する面であり、非球面の形状は、面の頂点を原点とし、光軸方向にX軸をとり、光軸と垂直方向の高さをhとして以下の「数1」で表す。
Figure 0005585471
ただし、
Ai:i次の非球面係数
R :曲率半径
K :円錐定数
(実施例1)
レンズデータを表1に示す。なお、これ以降(表のレンズデータを含む)において、10のべき乗数(たとえば2.5×10-02)を、E(たとえば2.5E−02)を用いて表すものとする。図12は実施例1のレンズの断面図である。図中L1は第1レンズ、L2は第2レンズ、Sは開口絞り、Iは撮像面を示す。図13(a)は実施例1の球面収差図、図13(b)は非点収差図、図13(c)は歪曲収差図であり、図14(a)は、実施例1のメリディオナルコマ収差図であり、図14(b)はサジタルコマ収差図である。ここで、球面収差図及びコマ収差図において、gはg線、dはd線に対する球面収差量をそれぞれ表す。また、非点収差図において、実線はサジタル面、点線はメリディオナル面をそれぞれ表す(以下同じ)。本実施例において、全てのレンズはガラスモールドレンズから形成されている。
[表1]
実施例1
f=0.95mm fB=0.27mm F=2.88 2Y=1.77mm
ENTP=0mm EXTP=1.78mm H1=1.55mm H2=-0.68mm
面番号 R(mm) D(mm) Nd νd 有効半径(mm)
1(絞り) ∞ 0.06 0.17
2* 2.975 0.70 1.58310 59.4 0.17
3* -0.373 0.29 0.40
4* -0.226 0.54 1.58310 59.4 0.42
5* -0.287 0.21 0.63

非球面係数
第2面 第4面
K=0.15963E+02 K=-0.78113E+00
A4=0.32554E+01 A4=-0.17568E+01
A6=-0.25055E+03 A6=0.60521E+02
A8=0.51928E+04 A8=0.17413E+03
A10=-0.23954E+05 A10=-0.33444E+04
A12=-0.35032E+06 A12=0.99793E+04

第3面 第5面
K=-0.54120E+00 K=-0.86008E+00
A4=0.12801E+01 A4=0.21049E+01
A6=-0.14520E+02 A6=-0.53928E+01
A8=0.29019E+03 A8=0.57360E+02
A10=-0.20928E+04 A10=-0.15703E+03
A12=0.50223E+04 A12=0.14427E+03

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離(mm)
1 2 0.616
2 4 0.799
(実施例2)
レンズデータを表2に示す。図15は実施例2のレンズの断面図である。図中L1は第1レンズ、L2は第2レンズ、Sは開口絞り、Iは撮像面を示す。図16(a)は実施例2の球面収差図、図16(b)は非点収差図、図16(c)は歪曲収差図であり、図17(a)は、実施例2のメリディオナルコマ収差図であり、図17(b)はサジタルコマ収差図である。本実施例において、全てのレンズはガラスモールドレンズから形成されている。
[表2]
実施例2
f=0.96mm fB=0.27mm F=2.88 2Y=1.77mm
ENTP=0mm EXTP=1.98mm H1=1.51mm H2=-0.7mm
面番号 R(mm) D(mm) Nd νd 有効半径(mm)
1(絞り) ∞ 0.05 0.17
2* 2.727 0.76 1.58310 59.4 0.18
3* -0.366 0.29 0.43
4* -0.210 0.50 1.58310 59.4 0.80
5* -0.284 0.20 1.00

非球面係数
第2面 第4面
K=-0.38493E+02 K=-0.81660E+00
A4=0.37433E+01 A4=0.79115E+00
A6=-0.27230E+03 A6=0.55886E+02
A8=0.55380E+04 A8=0.16286E+03
A10=-0.20880E+05 A10=-0.32189E+04
A12=-0.35032E+06 A12=0.93965E+04

第3面 第5面
K=-0.59564E+00 K=-0.87532E+00
A4=0.12119E+01 A4=0.27651E+01
A6=-0.12367E+02 A6=-0.58643E+01
A8=0.29582E+03 A8=0.55862E+02
A10=-0.21476E+04 A10=-0.16033E+03
A12=0.50223E+04 A12=0.15024E+03

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離(mm)
1 2 0.608
2 4 0.930
(実施例3)
レンズデータを表3に示す。図18は実施例3のレンズの断面図である。図中L1は第1レンズ、L2は第2レンズ、Sは開口絞り、Iは撮像面を示す。図19(a)は実施例3の球面収差図、図19(b)は非点収差図、図19(c)は歪曲収差図であり、図20(a)は、実施例3のメリディオナルコマ収差図であり、図20(b)はサジタルコマ収差図である。本実施例において、全てのレンズはガラスモールドレンズから形成されている。
[表3]
実施例3
f=0.97mm fB=0.34mm F=2.88 2Y=1.77mm
ENTP=0mm EXTP=3.7mm H1=1.26mm H2=-0.64mm
面番号 R(mm) D(mm) Nd νd 有効半径(mm)
1(絞り) ∞ 0.05 0.17
2* 1.525 0.70 1.58310 59.4 0.18
3* -0.383 0.24 0.39
4* -0.262 0.50 1.80540 26.1 0.42
5* -0.393 0.31 0.64

非球面係数
第2面 第4面
K=0.47974E+02 K=-0.65627E+00
A4=0.15366E+00 A4=0.49570E+01
A6=-0.21141E+03 A6=0.14531E+02
A8=0.53811E+04 A8=0.16010E+03
A10=-0.53397E+05 A10=-0.32280E+04
A12=-0.35032E+06 A12=0.12786E+05

第3面 第5面
K=-0.19114E+00 K=-0.68786E+00
A4=0.31880E+01 A4=0.20624E+01
A6=0.38726E+00 A6=-0.52244E+01
A8=0.11396E+03 A8=0.50136E+02
A10=-0.17808E+04 A10=-0.16534E+03
A12=0.84968E+04 A12=0.18703E+03

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離(mm)
1 2 0.607
2 4 1.377
(実施例4)
レンズデータを表4に示す。図21は実施例4のレンズの断面図である。図中L1は第1レンズ、L2は第2レンズ、Sは開口絞り、Iは撮像面を示す。図22(a)は実施例1の球面収差図、図22(b)は非点収差図、図22(c)は歪曲収差図であり、図23(a)は、実施例4のメリディオナルコマ収差図であり、図23(b)はサジタルコマ収差図である。本実施例において、第1レンズはガラスモールドレンズ、第2レンズはプラスチックレンズから形成されている。
[表4]
実施例4
f=0.93mm fB=0.18mm F=2.88 2Y=1.77mm
ENTP=0mm EXTP=1.2mm H1=1.79mm H2=-0.75mm
面番号 R(mm) D(mm) Nd νd 有効半径(mm)
1(絞り) ∞ 0.06 0.16
2* 3.181 0.74 1.58310 59.4 0.17
3* -0.293 0.25 0.42
4* -0.187 0.58 1.63200 23.4 0.45
5* -0.269 0.20 0.66

非球面係数
第2面 第4面
K=0.18252E+01 K=-0.85277E+00
A4=-0.61625E+01 A4=0.70769E+01
A6=0.33351E+03 A6=0.34726E+02
A8=-0.14603E+05 A8=0.11026E+03
A10=0.22176E+06 A10=-0.25062E+04
A12=-0.35032E+06 A12=0.79427E+04

第3面 第5面
K=-0.94308E+00 K=-0.88379E+00
A4=0.21108E+01 A4=0.31219E+01
A6=-0.21369E+02 A6=-0.49294E+01
A8=0.31235E+03 A8=0.55921E+02
A10=-0.22212E+04 A10=-0.16327E+03
A12=0.50223E+04 A12=0.15222E+03

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離(mm)
1 2 0.499
2 4 0.559
(実施例5)
レンズデータを表5に示す。図24は実施例5のレンズの断面図である。図中L1は第1レンズ、L2は第2レンズ、Sは開口絞り、Iは撮像面を示す。図25(a)は実施例5の球面収差図、図25(b)は非点収差図、図25(c)は歪曲収差図であり、図26(a)は、実施例5のメリディオナルコマ収差図であり、図26(b)はサジタルコマ収差図である。本実施例において、第1レンズはガラスモールドレンズ、第2レンズはプラスチックレンズから形成されている。
[表5]
実施例5
f=0.93mm fB=0.28mm F=2.88 2Y=1.77mm
ENTP=0mm EXTP=1.58mm H1=1.6mm H2=-0.66mm
面番号 R(mm) D(mm) Nd νd 有効半径(mm)
1(絞り) ∞ 0.06 0.16
2* 2.614 0.69 1.58310 59.4 0.17
3* -0.365 0.32 0.41
4* -0.175 0.43 1.63200 23.4 0.44
5* -0.245 0.26 0.62

非球面係数
第2面 第4面
K=0.50000E+02 K=-0.87082E+00
A4=-0.32239E+01 A4=0.51825E+01
A6=0.12407E+03 A6=0.33186E+02
A8=-0.57973E+04 A8=0.13872E+03
A10=0.99298E+05 A10=-0.23215E+04
A12=-0.35032E+06 A12=0.73443E+04

第3面 第5面
K=-0.78186E+00 K=-0.89424E+00
A4=0.14347E+01 A4=0.32931E+01
A6=-0.23291E+02 A6=-0.51478E+01
A8=0.31553E+03 A8=0.54677E+02
A10=-0.21213E+04 A10=-0.16455E+03
A12=0.50223E+04 A12=0.17057E+03

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離(mm)
1 2 0.600
2 4 0.705
(実施例6)
レンズデータを表6に示す。図27は実施例6のレンズの断面図である。図中L1は第1レンズ、L2は第2レンズ、Sは開口絞り、Iは撮像面を示す。図28(a)は実施例6の球面収差図、図28(b)は非点収差図、図28(c)は歪曲収差図であり、図29(a)は、実施例6のメリディオナルコマ収差図であり、図29(b)はサジタルコマ収差図である。本実施例において、全てのレンズはエネルギー硬化性樹脂から形成されている。
[表6]
実施例6
f=0.96mm fB=0.26mm F=2.88 2Y=1.77mm
ENTP=0mm EXTP=3.44mm H1=1.25mm H2=-0.7mm
面番号 R(mm) D(mm) Nd νd 有効半径(mm)
1(絞り) ∞ 0.05 0.16
2* 1.763 0.70 1.51670 56.3 0.18
3* -0.340 0.31 0.41
4* -0.180 0.36 1.57970 34.8 0.46
5* -0.255 0.23 0.62

非球面係数
第2面 第4面
K=0.93827E+01 K=-0.86749E+00
A4=-0.24975E+01 A4=0.47482E+01
A6=0.76335E+02 A6=0.33975E+02
A8=-0.37292E+04 A8=0.15280E+03
A10=0.72500E+05 A10=-0.22769E+04
A12=-0.35032E+06 A12=0.66567E+04

第3面 第5面
K=-0.80791E+00 K=-0.89798E+00
A4=0.14803E+01 A4=0.34436E+01
A6=-0.21705E+02 A6=-0.52215E+01
A8=0.31859E+03 A8=0.53772E+02
A10=-0.21317E+04 A10=-0.16692E+03
A12=0.50223E+04 A12=0.17313E+03

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離(mm)
1 2 0.623
2 4 1.421
各条件式に対応する各実施例の値を表7に示す。
Figure 0005585471
ここで、プラスチック材料は温度変化時の屈折率変化が大きいため、第1レンズと第2レンズをプラスチックレンズで構成すると、周囲温度が変化した際に、撮像レンズ全系の像点位置が変動してしまうという問題をかかえてしまう。
そこで最近では、プラスチック材料中に無機微粒子を混合させ、プラスチック材料の温度変化を小さくできることが分かってきた。詳細に説明すると、一般に透明なプラスチック材料に微粒子を混合させると、光の散乱が生じ透過率が低下するため、光学材料として使用することは困難であったが、微粒子の大きさを透過光束の波長より小さくすることにより、散乱が実質的に発生しないようにできる。プラスチック材料は温度が上昇することにより屈折率が低下してしまうが、無機粒子は温度が上昇すると屈折率が上昇する。そこで、これらの温度依存性を利用して互いに打ち消しあうように作用させることにより、屈折率変化がほとんど生じないようにすることができる。具体的には、母材となるプラスチック材料に最大長が20ナノメートル以下の無機粒子を分散させることにより、屈折率の温度依存性のきわめて低いプラスチック材料となる。例えばアクリルに酸化ニオブ(Nb2O5)の微粒子を分散させることで、温度変化による屈折率変化を小さくすることができる。本発明において、比較的パワーの大きな正レンズ(L1)、またはすべてのレンズ(L1、L2)に、このような無機粒子を分散させたプラスチック材料を用いることにより、撮像レンズ全系の温度変化時の像点位置変動を小さく抑えることが可能となる。
また近年、撮像装置を低コストに且つ大量に実装する方法として、予め半田がポッティングされた基板に対し、ICチップその他の電子部品と光学素子とを載置したままリフロー処理(加熱処理)し、半田を溶融させることにより電子部品と光学素子とを基板に同時実装するという技術が提案されている。
このようなリフロー処理を用いて実装を行うためには、電子部品と共に光学素子を約200〜260度に加熱する必要があるが、このような高温下では熱可塑性樹脂を用いたレンズでは熱変形し或いは変色して、その光学性能が低下してしまうという問題点がある。このような問題を解決するための方法のひとつとして、耐熱性能に優れたガラスモールドレンズを使用し、小型化と高温環境での光学性能を両立する技術が提案されているが、熱可塑性樹脂を用いたレンズよりもコストが高いため、撮像装置の低コスト化の要求に応えられないという問題があった。
そこで、撮像レンズの材料にエネルギー硬化性樹脂を使用することで、ポリカーボネイト系やポリオレフィン系のような熱可塑性樹脂を用いたレンズに比べ、高温に曝されたときの光学性能の低下が小さいため、リフロー処理に有効であり、かつガラスモールドレンズよりも製造しやすく安価となり、撮像レンズを組み込んだ撮像装置の低コストと量産性を両立できる。なお、エネルギー硬化性樹脂とは、熱硬化性樹脂および紫外線硬化性樹脂のいずれをも指すものとする。本発明のプラスチックレンズを前述のエネルギー硬化性樹脂も用いて形成しても良い。
なお、本実施例は、固体撮像素子の撮像面に入射する光束の主光線入射角については、撮像面周辺部において必ずしも十分小さい設計になっていない。しかし、最近の技術では、固体撮像素子の色フィルタやオンチップマイクロレンズアレイの配列の見直しによって、シェーディングを軽減することができるようになってきた。具体的には撮像素子の撮像面の画素ピッチに対し、色フィルタやオンチップマイクロレンズアレイの配列のピッチをわずかに小さく設定すれば、撮像面の周辺部にいくほど各画素に対し色フィルタやオンチップマイクロレンズアレイが撮像レンズ光軸側へシフトするため、斜入射の光束を効率的に各画素の受光部に導くことができる。これにより固体撮像素子で発生するシェーディングを小さく抑えることができる。本実施例は、前記要求が緩和された分について、より小型化を目指した設計例となっている。
本発明は、明細書に記載の実施例に限定されるものではなく、他の実施例・変形例を含むことは、本明細書に記載された実施例や思想から本分野の当業者にとって明らかである。例えば、本発明の撮像レンズは、携帯端末に搭載される撮像装置に用いても良い。また、明細書に記載の実施例はいずれも2枚のレンズからなるものであるが、実質的にパワーを持たないダミーレンズを更に付与した場合でも本発明の適用範囲内である。
10 撮像レンズ
50 撮像装置
51 イメージセンサ
51 撮像素子
51a 光電変換部
51b 信号処理回路
52 基板
53 筐体
54 ホルダ
L1,L2 レンズ
PC ノート型パソコン
S 開口絞り
SH 遮光部材

Claims (10)

  1. 固体撮像素子の光電変換部に被写体像を結像させるための撮像レンズであって、物体側より順に、
    開口絞り、
    正のパワーを有し像側に凸面を向けた第1レンズ、
    正のパワーを有し物体側に凹面を向けたメニスカス形状の第2レンズ、からなり、
    以下の条件式を満足することを特徴とする撮像レンズ。
    0.5<f2/f<1.6 (1)
    1.57≦r1/f<3.5 (2)
    ただし、
    f2:前記第2レンズの焦点距離
    f:前記撮像レンズ全系の焦点距離
    r1:前記第1レンズ物体側面の曲率半径
  2. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
    0.3<d3/f<0.7 (3)
    ただし、
    d3:前記第2レンズの光軸上の厚み
  3. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像レンズ。
    0.35<f1/f2<0.95 (4)
    ただし、
    f1:前記第1レンズの焦点距離
  4. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
    0.50<(r1+r2)/(r1−r2)<0.85 (5)
    ただし、
    r2:第1レンズ像側面の曲率半径
  5. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
    0.4<f1/f<0.8 (6)
    ただし、
    f1:前記第1レンズの焦点距離
  6. 第1レンズと第2レンズは、耐熱性を有する素材から形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
  7. 前記第1レンズと前記第2レンズのうち少なくとも一方は、ガラスから形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
  8. 前記第1レンズと前記第2レンズのうち少なくとも一方は、エネルギー硬化型樹脂から形成されていることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載の撮像レンズ。
  9. 実質的にパワーを持たないレンズを更に有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の撮像レンズと、固体撮像素子と、を有する画像処理装置であって、被写体光を、前記撮像レンズを介して前記固体撮像素子の受光面に入射することによって取得した画像データを処理することで、画角内における撮像した被写体の位置を求めることを特徴とする画像処理装置。
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