JP5585271B2 - 動画像符号化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画面内予測と画面間予測とを組み合わせて動画像の符号化を行う動画像符号化装置に関する。
動画像符号化装置では、画面内予測処理で得られる予測画像と画面間予測で得られる予測画像とのうち、より小さい予測誤差を与えるものが選択され、符号化ストリームデータの生成に供される。
画面間予測では、例えば、第nフレームの画像について動きベクトルを検出するために、第n−1フレームの画像符号化データを復号して得られたローカルデコード画像が用いられる。そして、画面間予測を用いて符号化された第nフレームの動画像符号は、動画像復号化装置において、第n−1フレームの符号化データを復号して得られた参照画像を用いて復号される。このように、画面間予測符号化/復号化処理は、符号化処理で用いられるローカルデコード画像と復号化処理とで用いられる参照画像とが一致していることを前提としている。
従来の動画像符号化装置では、ローカルデコード画像は、各フレームの符号化処理と並行して生成されてSDRAMなどの外部メモリに格納され、次のフレームの符号化処理に供される。例えば、画面間予測のために動きベクトルの検出を行う際に、この外部メモリからローカルデコード画像の所望の領域が読み出されて使用される。
ところで、ハイビジョン放送の普及に伴って、動画像符号化装置が扱う画像データのサイズが大きくなってきている。上述したローカルデコード画像のデータサイズは、符号化対象の画像データサイズと同等であり、符号化データなどに比べて非常に大きい。このため、動きベクトル検出処理の際に外部メモリから転送されるデータ量も増大し、消費電力の増大を招いてしまう。
動きベクトル検出処理の際に外部メモリから読み込むデータ量を抑制する方法として、ローカルデコード画像を圧縮してから外部メモリに格納する手法が提案されている。
例えば、ローカルデコード画像から、縮小画像と、この縮小画像の拡大した画像とローカルデコード画像との差分画像とを生成し、縮小画像と差分画像を外部メモリに格納する手法が提案されている(特許文献1参照)。このような可逆圧縮を用いた手法では、外部メモリから読み出した縮小画像を拡大した画像に差分画像を合成することにより、元のローカルデコード画像が復元される。
また、ローカルデコード画像に対してDCT変換処理を行って圧縮データを生成し、この圧縮データをローカルデコード画像の代わりに外部メモリに格納し、次のフレームの画面間予測処理に供する手法も提案されている(特許文献2参照)。このような非可逆圧縮を用いた手法では、高い圧縮率が得られることから、動きベクトル検出処理の際に外部メモリから転送されるデータ量を低減する効果が高い。
特開2007−036738号公報 特開平10−79941号公報
ローカルデコード画像を可逆圧縮する手法では、次のフレームについて画面間予測処理を行う際に、圧縮画像から元のローカルデコード画像を復元することができる。その反面、可逆圧縮の対象となるローカルデコード画像の特徴によって、圧縮率は大きく変化するうえ、総じて圧縮率はあまり高くない。更に、ローカルデコード画像の特徴によっては、元のローカルデコード画像よりも、むしろ、可逆圧縮後のデータサイズのほうが大きくなる可能性すらある。
一方、非可逆圧縮を用いた手法では、高い圧縮率を保証することができるものの、圧縮データから得られる復元ローカルデコード画像と元のローカルデコード画像との間に誤差が生じる。このような誤差は、復元ローカルデコード画像を用いた画面間予測によって生成された符号化データに伝搬する。そして、この符号化データを復号して得られる復元画像にも伝搬する。更に、この復元画像は、次の符号化データを復号する際の参照画像となるので、上述した誤差は累積していくことになる。
このような累積誤差は、1フレームに含まれる全てのマクロブロックを画面内予測処理によって符号化したIピクチャを、定期的に挿入することで解消される。例えば、典型的な動画像符号化装置では、Iピクチャは30フレームごとに挿入されるので、この割合で累積誤差は解消される。しかしながら、Iピクチャの直前フレームでは累積誤差が非常に大きくなっている可能性がある。つまり、累積誤差により画質が劣化した復元画像の直後に、Iピクチャの挿入によって累積誤差が解消され、復元画像の画質が急に改善されることになる。したがって、累積誤差の解消をIピクチャの挿入に依存する構成では、画質が周期的に劣化と改善を繰り返す可能性がある。そして、このような画質の時間的な変動は、利用者に不自然な印象を与えてしまう。
本件開示の装置は、ローカルデコード画像の非可逆圧縮を適用した動画像符号化装置において、復号画像の画質の時間的な均質化を図ることが可能な動画像符号化装置を提供することを目的とする。
上述した目的は、以下に開示する動画像符号化装置によって達成することができる。
一つの観点による動画像符号化装置は、動画像の各フレームの原画像に含まれるマクロブロックごとに、画面内符号化あるいは画面間符号化を適用して圧縮および符号化する符号化処理部と、原画像に含まれる各マクロブロックについて、符号化処理部による符号化過程で得られる圧縮データからローカルデコード画像を生成するローカルデコード画像生成部と、各マクロブロックに対応するローカルデコード画像を非可逆圧縮してブロック圧縮データを生成するブロック圧縮部と、各マクロブロックに対応するブロック圧縮データを伸長して、各マクロブロックに対応する復元ローカルデコード画像を生成するブロック伸長部と、各マクロブロックに対応する復元ローカルデコード画像とローカルデコード画像との間の誤差を示す差分画像を生成する差分画像生成部と、各マクロブロックに対応する差分画像に現れた誤差の分布の統計的な性質を示す統計量を抽出する統計量抽出部と、統計量抽出部で抽出された統計量を、フレームを区分して得られる複数の領域ごとに累積加算する統計量集計部と、統計量集計部による累積加算結果で示される各フレームまでの累積誤差に基づいて、当該フレームの次のフレームの符号化処理において複数の領域のうち画面内符号化を適用する領域を判別する領域判別部と、を備える。
ローカルデコード画像の非可逆圧縮を適用した動画像符号化装置において、復元画像の画質を時間的に均質にすることができる。
動画像符号化装置の一実施形態を示す図である。 画面間符号化モードの符号データを復号する際の参照範囲を説明する図である。 統計量の集計を説明する図である。 統計量の集計動作を表す流れ図である。 領域判別部の一実施形態を示す図である。 領域判別動作を表す流れ図である。 符号化動作を表す流れ図(その1)である。 符号化動作を表す流れ図(その2)である。 領域判別部の別実施形態を示す図である。 領域判別部の動作を表す流れ図である。 動画像符号化装置の別実施形態を示す図である。 動画像符号化装置の別実施形態を示す図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態について詳細に説明する。
(一つの実施形態)
図1に、動画像符号化装置の一実施形態を示す。
図1に示した符号化コア部100は、画面内予測部101と画面間予測部102と符号化モード決定部103と、DCT量子部104と、エントロピー符号化部105と、ローカルデコード(LD)画像生成部111とを備えている。この符号化コア部100は、外部メモリの原画像保持部に格納された原画像を、例えば、16画素×16画素のマクロブロック単位で読み込んで符号化処理を行う。
符号化モード決定部103は、各マクロブロックの入力に応じて、画面内予測部101と画面間予測部102とでそれぞれ得られた予測残差に基づいて、当該マクロブロックに適用する符号化モードを決定する。DCT量子化部104は、符号化モードに対応する予測残差を受け取り、この予測残差に対して、DCT変換処理と量子化処理とを行って、圧縮データを生成する。この圧縮データは、エントロピー符号化部105により符号化され、生成された符号化データが出力される。
ローカルデコード画像生成部111の伸長処理部106は、DCT圧縮部104から受け取った量子化圧縮データに対して、逆量子化処理と逆DCT変換処理を行って予測残差データを復元する。復元された予測残差データは、復元画像生成部107により、符号化モード決定部103から渡される予測画像と合成される。このようにして生成されたローカルデコード画像は、画面内予測部101に渡され、次のマクロブロックの予測処理に供される。また、このローカルデコード画像は、デブロッキング処理部108によるデブロッキング処理を経て、ブロック圧縮部112に渡される。なお、デブロッキング処理は、生成されたローカルデコード画像のマクロブロックとその周囲のマクロブロックとの境界付近に現れるブロックノイズを除去する処理である。
ブロック圧縮部112は、マクロブロック単位で入力されるローカルデコード画像を、目標圧縮率を設定可能な非可逆圧縮処理によって圧縮し、ブロック圧縮データを生成する。非可逆圧縮処理の例としては、予測ブロックからDPCM(差分パルス符号変調)によって予測残差を計算し、所定の目標圧縮率を得るように、この予測残差に対して量子化処理および可変長符号化処理を行う方法がある。
ブロック圧縮部112で生成されたブロック圧縮データに対して、ブロック伸長部113は、ブロック圧縮部112の処理に対応する逆変換処理を行う。ブロック伸長部113は、伸長処理として、例えば、ブロック圧縮データを可変長復号し、復号結果に対して、逆量子化処理を行い、更に、逆DPCM処理を行うことができる。このような伸長処理により、上述したブロック圧縮データから、復元ローカルデコード画像の対応するマクロブロックが生成される。
差分画像生成部114は、デブロッキング処理部108で生成されたローカルデコード画像と、ブロック伸長部113で生成された復元ローカルデコード画像との差分画像をマクロブロック単位で生成する。
この差分画像は、符号化処理対象の第nフレームのローカルデコード画像とこのローカルデコード画像から生成される復元ローカルデコード画像との間で、符号化対象のマクロブロックの位置において新たに発生した誤差を示している。
以下、上述したようにして、各マクロブロックについて得られる差分画像に基づいて、1フレームを区分して得られる複数の領域のうち、当該マクロブロックを含む領域の復元ローカルデコード画像に累積していく誤差を評価する方法について検討する。なお、累積誤差の評価の単位となる領域として、例えば、フルHDサイズ(1920画素×1088画素)を、横方向および縦方向にそれぞれ15等分および17等分した横128画素×縦64画素の領域を用いることができる。この場合に、一つの領域には、16画素×16画素のマクロブロックが32個含まれ、1フレームに含まれる領域の数は255個となる。
ここで、ローカルデコード画像および復元ローカルデコード画像に含まれる各画素の画素値の差分は、数値「0」となる場合が最も多く、差分値が大きくなるに従って出現頻度が低下する。したがって、上述した誤差の値の確率分布は、正規分布によって近似することができる。また、正規分布の特性として、独立した正規分布の和もまた正規分布になることが知られている。例えば、正規分布である2つの確率密度関数Ga(diff,μ、σ )と確率密度関数Ga(diff,μ、σ )と和は、差分diffと、差分平均値μおよびμと、差分分散σ およびσ とを用いて式(1)のように表される。
Figure 0005585271
すなわち、各領域の差分値が正規分布の確率密度関数に従って出現していると仮定すると、各領域の局所的な確率密度関数の形状は、その領域の誤差標本平均と誤差標本分散によって決定される。つまり、誤差標本である各マクロブロックの差分画像の平均値および分散を数フレームにわたって累積することにより、各領域における誤差の累積の様子を見積もることができる。なお、差分画像に含まれる各画素に対応する差分値の平均は数値「0」に収束する傾向がある。したがって、標本誤差平均を0と仮定して、誤差分散に基づいて、各領域の局所的な確率密度分布を推定することができる。ここで、誤差分散は、標本誤差平均μを0とすると、式(2)に示すように、差分値diffの二乗和に比例する。
Figure 0005585271
これらのことから、誤差の標本誤差分散を計算する処理は、誤差分散にほぼ正比例する誤差二乗和を計算する処理に置換え可能である。つまり、各フレームの領域jにおける誤差の標本である各マクロブロックの差分二乗和を累積させることにより、そのフレームで生成されるローカルデコード画像において、それまでに累積した誤差の大きさを見積もることができる。すなわち、差分画像の各マクロブロックについて、画素値の二乗和を算出することにより、誤差の分布の統計的な性質を示す統計量を抽出することができる。したがって、図1に示した例において、統計量抽出部115は、差分画像の各マクロブロックについて、画素値の二乗和を算出する差分二乗和算出部を用いて実現することができる。この差分二乗和算出部では、例えば、差分画像のマクロブロックに含まれる各画素の画素値の成分である輝度成分Y,色差成分Cb,Crについて、それぞれ独立に差分二乗和が算出される。更に、この差分二乗和算出部により、これらを加算した値が算出され、この値が、マクロブロックに対応して抽出した統計量として、統計量集計部116の処理に供される。
ここで、画面内符号化処理では、各マクロブロックについての符号化処理に対応して生成されたローカルデコード画像が次のマクロブロックの画面内予測処理の際に参照される。上述したように、画面内符号化処理で参照されるローカルデコード画像に累積した誤差の大きさは、累積誤差の分散と高い相関性を持つ差分二乗和の累積値に基づいて高い精度で見積もることができる。そして、画面内符号化モードでは、参照されるローカルデコード画像における累積誤差が、そのまま、符号化データを介して復号側に伝搬する。したがって、例えば、各フレームの符号化処理に対応して生成される各マクロブロックの差分画像の差分二乗和を、領域ごとに累積加算することにより、累積誤差の大きさを高い精度で見積もることが可能である。
図2に、画面間符号化モードの符号データを復号する際の参照範囲を説明する図を示す。図2に示した例では、第n+1フレームのマクロブロックMB(i)に対応する符号化データを復号する際に、第nフレームのローカルデコード画像において参照される範囲が実線の矩形で示されている。そして、第Nフレームのローカルデコード画像において、復号対象のマクロブロックMB(i)に相当する位置にあるマクロブロックを破線の矩形で示した。
図2に示したように、画面間符号化モードで生成された符号化データが復号される場合に、第n+1フレームのマクロブロックMB(i)に現れる累積誤差は、次に挙げる二つの要因の重ね合わせとなる。重ね合わせられる要因の一つは、自身の非可逆圧縮によって発生した誤差である。そして、もう一つの要因は、第nフレームのローカルデコード画像における参照先に存在する累積誤差である。
ここで、動きベクトルに基づいて参照される過去ピクチャの領域は、復号対象の領域の近傍領域である確率が高い。たとえば、図2に示した例では、実際の参照領域と、復号対象の領域と位置的に対応する領域とは、互いに多くの部分が重なり合っている。したがって、参照領域における誤差の統計的な性質は、第nフレームにおいて復号対象の領域と位置的に対応する領域の統計的性質とほぼ同じである可能性が高い。したがって、個々の領域の累積誤差を、過去のピクチャにおける同位置の領域に対応する統計量の累積で近似することができる。この近似を適用すれば、画面間符号化モードで符号化された符号データから生成される復号画像の累積誤差分散を、上述した画面内符号化モードでの累積誤差分散と同様に、簡易的に見積もることができる。つまり、各フレームの符号化処理に対応して生成される各マクロブロックの差分画像の差分二乗和を領域ごとに累積加算することにより、累積誤差の大きさを見積もることが可能である。
図1に示した動画像符号化装置の例では、統計量抽出部115により、差分画像生成部114で生成された差分画像の各画素に対応する差分値の二乗和が算出される。そして、この差分二乗和が、各フレームに対応するローカルデコード画像に含まれる各マクロブロックの誤差に関する統計量として、統計量集計部116によって集計される。
図1に示した例では、統計量集計部116は、加算部122と更新処理部123と累積統計量保持部124とを備えている。統計量抽出部115で抽出された各マクロブロックの統計量は、加算部122により、更新処理部123からの指示に従って、対応する領域の累積統計量に加算される。この加算結果は、上述した領域に対応して累積統計量保持部124に保持され、以降の累積加算処理に供される。
図3に、統計量の集計を説明する図を示す。また、図4に、統計量の抽出および集計動作を表す流れ図を示す。
図3(a)に示した例では、1フレームはN個の領域に分割されている。そして、各領域には、フレームの左上から順に1番からN番までの領域番号が与えられている。この例では、走査線方向にm個の領域が並んでいる。また、図3(b)に示した例では、この領域番号1〜Nに対応して、累積統計量保持部124に、上述した統計量の集計値S〜Sが格納されている。なお、この累積統計量保持部124としては、例えば、各領域に対応する統計量の集計値を4バイトで表し、領域数N=255とすると、約1Kバイトの容量を準備すればよい。
図1に示したローカルデコード画像生成部111によって、符号化対象のフレームの原画像に含まれるi番目のマクロブロックの符号化処理に対応して、ローカルデコード画像の対応するマクロブロックMB(i)が生成される。これに応じて、図4に示す統計量の抽出および集計動作が開始される。
ローカルデコード画像のマクロブロックMB(i)は、まず、ブロック圧縮部112によって所望の圧縮率を適用して非可逆圧縮される(ステップ301)。ブロック圧縮部112で得られたブロック圧縮データを、ブロック伸長部113によって伸長することにより、復元ローカルデコード画像のマクロブロックMBr(i)が生成される(ステップ302)。そして、差分画像生成部114により、この復元ローカルデコード画像のマクロブロックMBr(i)と上述したローカルデコード画像のマクロブロックMB(i)とから、差分画像D(i)が生成される(ステップ303)。
この差分画像D(i)の入力に応じて、統計量抽出部115は、差分画像D(i)の各画素の画素値の二乗和Rs(i)を算出する(ステップ304)。この二乗和Rs(i)は、統計量集計部116により、次のようにして集計される。
各マクロブロックのフレームにおける位置は、マクロブロックに与えられたブロック番号で示される。このブロック番号は、例えば、フレームの左上から走査順に与えられている。したがって、更新処理部123は、ローカルデコード画像生成部111から渡されるブロック番号iに基づいて、図3(a)に示した領域のうち、マクロブロックMB(i)が所属する領域を示す領域番号jを特定することができる(ステップ305)。
ステップ305で特定した領域番号に対応して累積統計量保持部124に保持された統計量の集計値Sjは、更新処理部123を介して加算部122に渡される。そして、加算器122により、ステップ304で新たに得られた統計量である二乗和Rs(i)とこの統計量の集計値Sjとの加算が行われる(ステップ306)。次いで、更新処理部123が、この加算結果を用いて、領域jに対応する統計量の集計値Sjを更新する(ステップ307)。これにより、新たに得られた誤差に関する統計量を、対応する領域の集計値に累積加算することができる。
例えば、図3(a)に示した例では、マクロブロックMB(i)のブロック番号から、上述したステップ305の処理により、領域番号2が特定される。そして、図3(b)に示したように、この領域番号2に対応する統計量の集計値Sjに、新たに得られた統計量として二乗和Rs(i)が加算されている。
上述したステップ301からステップ307の処理は、ステップ308において、1フレームに含まれる全てのマクロブロックについての集計処理が完了したとされるまで繰り返される。このような集計処理は、各フレームの符号化処理の過程において行われる。これにより、これらのフレームの符号化処理において、ローカルデコード画像を非可逆圧縮したことによって発生する誤差の累積量を累積統計量保持部124に各領域に対応して保持された集計値の値として得ることができる。
したがって、図1に示した領域判別部117は、例えば、第nフレームまでに各領域において累積した誤差の集計値の大きさに基づいて、累積誤差の解消のために、強制的に画面内符号化させる領域を判別することができる。
なお、ブロック圧縮部112によって生成されたブロック圧縮データは、圧縮ローカルデコード画像の一部として、外部メモリ140の圧縮ローカルデコード画像(LD画像)保持部141に保持される。そして、次のフレームの原画像についての符号化処理の際に、探索領域復元部110によってブロック圧縮データから復元ローカルデコード画像の探索領域に対応する部分が生成される。この探索領域の復元ローカルデコード画像は、探索領域保持部109を介して、画面間予測部102の処理に供される。
次に、上述したようにして過去のピクチャについて集計された累積統計量に基づいて、次のピクチャの符号化処理を制御する方法について説明する。
図5に、領域判別部の一実施形態を示す。なお、図5に示した構成要素のうち、図1に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
図5に示した例では、領域判別部117は、領域検出部125と、閾値調整部126と判別フラグ保持部127とを備えている。領域検出部125は、上述したN個の領域のうち、累積統計量保持部124に保持された累積統計量の集計値が所定の閾値Thv以上であるものを、画面内符号化処理の適用対象の領域として検出する。そして、領域検出部125は、検出した適用対象領域について、判別フラグ保持部127の判別フラグを操作する。また、閾値調整部126は、判別フラグ保持部127の判別フラグによって示される適用対象領域の数に基づいて、領域検出部125による検出に用いる閾値Thvの値を調整する。
図6に、領域判別動作を表す流れ図を示す。なお、図6に示すステップ311〜ステップ318の処理は、例えば、各フレームの符号化処理と並行したローカルデコード画像の非可逆圧縮処理に伴って、そのフレームまでの累積統計量の集計が完了するごとに行われる。
まず、適用対象領域の数kの値が、例えば、閾値調整部126によって初期化される(ステップ311)。また、併せて、判別処理の対象となる領域を示す領域番号jも、例えば、フレームの左上の領域を示す領域番号1に初期化される。
次いで、領域検出部125により、累積統計量保持部124から領域番号jに対応する集計値S(j)が読み出される(ステップ312)。そして、読み出された集計値S(j)は、領域検出部125により、閾値Thvと比較される(ステップ313)。
集計値S(j)が閾値Thv以上であるとされた場合に(ステップ313の肯定判定)、領域検出部125は、判別フラグ保持部127の領域番号jに対応する判別フラグに、当該領域が適用対象である旨を示す値をセットする(ステップ314)。例えば、領域検出部125は、ステップ314で、領域番号jに対応する判別フラグに「TRUE」を示す値をセットすればよい。また、この判別フラグの操作に伴って、閾値調整部126により、適用対象領域の数kに1が加算される(ステップ315)。
一方、集計値S(j)が閾値Thvよりも小さいとされた場合に(ステップ313の否定判定)、領域検出部125は、判別フラグ保持部127の領域番号jに対応する判別フラグに、当該領域が適用対象でない旨を示す値をセットする(ステップ317)。例えば、領域検出部125は、ステップ317で、領域番号jに対応する判別フラグに「FALSE」を示す値をセットすればよい。
上述したようにして、ステップ313の判定結果に応じた処理が行われた後に、領域検出部125は、全ての領域についての処理が完了したか否かを判定する(ステップ316)。ステップ316の否定判定の場合に、領域検出部125は、領域番号jをインクリメントした上でステップ312に戻り、新たな領域番号jに対応する集計値S(j)に基づく処理を行う。
このようにして、ステップ312〜ステップ317を繰り返し、1フレームに含まれる全ての領域についての判別処理が完了した後に、閾値調整部126は、適用対象領域の数kの値に応じて、閾値Thvの値を調整する(ステップ318)。閾値調整部126は、例えば、適用対象領域の数kと、領域の総数Nと、このNよりも小さい自然数mdとを用いて、式(3)のように表される係数αを閾値Thvに乗じて、新たな閾値Thvを算出することができる。
α=1+(k−md)/N ・・・(3)
式(3)で表される係数αは、適用対象領域数kが自然数mdよりも大きいときに、その値が1よりも大きな値となり、これに応じて、閾値Thvの値は増大する方向に調整される。逆に、適用対象領域数kが自然数mdよりも小さいときに、その値は1よりも小さい値となり、これに応じて、閾値Thvの値は減少する方向に調整される。なお、上述した自然数mdの値は、符号化データの転送速度などの制限を考慮して予め決定しておくことができる。例えば、各フレームにおいて、md個の領域が強制的に画面内符号化された場合に、ピクチャあたりの符号データの量が、符号化データの転送速度で伝送可能な量となるように決定することができる。
次に、上述したようにして得られた判別結果を、次のフレームの符号化処理に反映する方法について説明する。
図5に示した符号化モード決定部103は、モード決定制御部131と判別フラグ読み込み部132とを備えている。また、図5に示した累積統計量調整部118は、符号化モード決定部103で決定された符号化モードに応じて、累積統計量保持部124に保持された累積統計量の値を調整する。図5に示した例では、累積統計量調整部118は、選択調整部128と一括調整部129とを備えている。
図7に、符号化動作を表す流れ図(その1)を示す。また、図8に、符号化動作を表す流れ図(その2)を示す。図7、図8に示した流れ図は、各フレームのピクチャの符号化動作を表している。つまり、各ピクチャについて、図7、図8に示した符号化動作が繰り返される。
符号化対象の原画像(ピクチャ)は、マクロブロック単位で符号化コア部100に読み込まれる。i番目のマクロブロックMB(i)が読み込まれるごとに(ステップ321)、モード決定制御部131は、まず、符号化対象のピクチャがIピクチャであるか否かを判定する(ステップ322)。
符号化対象のピクチャがIピクチャでない場合に(ステップ322の否定判定)、判別不ラブ読み込み部132は、判別フラグ保持部127からマクロブロックMB(i)を含む領域jに対応する判別フラグF(j)を読み込む(ステップ323)。読み込まれた判別フラグF(j)が「TRUE」であった場合に、モード決定制御部131は、符号化対象のマクロブロックMB(i)は画面内符号化処理の適用対象領域に含まれると判断する(ステップ324の肯定判定)。
この場合に、モード決定制御部131からの領域番号jの通知を受けて、累積統計量調整部118の選択調整部128により、累積統計量保持部124に対応して保持された累積統計量が初期化される(ステップ325)。このとき、選択調整部128は、例えば、領域番号jに対応して累積統計量保持部124に保持された統計量の集計結果Sの値を初期値0に書き換えることができる。
その後、画面内予測部101により、上述したマクロブロックMB(i)についての画面内予測残差が算出される(ステップ326)。そして、DCT量子化部104およびエントロピー符号化部105により、算出された画面内予測残差を符号化する処理が行われ(ステップ327)、生成された符号化データが出力される(ステップ328)。
次に、モード決定制御部131により、1フレームに含まれる全てのマクロブロックの符号化が完了したか否かが判定され(ステップ329)、否定判定の場合は、ステップ321に戻って次のマクロブロックの読み込みが行われる。
このようにして、読み込まれたマクロブロックMB(i)が画面内符号化処理の適用対象となる領域に含まれている場合には、画面内予測残差および画面間予測残差にかかわらず、このマクロブロックMB(i)は強制的に画面内符号化される。つまり、判別フラグ保持部127に保持された判別フラグが「TRUE」となっている領域に含まれる全てのマクロブロックは強制的に画面内符号化される。そして、これらの領域を画面内符号化することによって、それまでの符号化処理に伴ってローカルデコード画像を非可逆圧縮したことによる誤差の累積は、これらの領域について選択的に解消される。
また、累積統計量調整部118の選択調整部128により、画面内符号化処理が適用された領域jに対応する統計量の集計結果Sを選択的に初期値0に戻すことにより、上述した累積誤差の選択的な解消を累積統計量保持部124の内容に反映することができる。したがって、次のピクチャについての符号化処理では、直前のピクチャの符号化処理で累積誤差の解消が図られた領域以外の領域が、画面内符号化処理の対象領域となる確率が高くなる。
また、図1〜図3を用いて説明したように、累積統計量保持部124に保持された累積統計量には、nフレームまでの符号化処理に伴って累積した誤差が高い忠実度で反映されている。したがって、上述したような符号化モードの制御により、累積統計量が大きくなった領域から順次に画面内符号化処理を適用することにより、累積誤差の効果的な解消を図ることができる。このような累積誤差の解消手法では、領域ごとに推定される累積誤差に基づいて、領域ごとに累積誤差の解消が行われる。つまり、1フレームに含まれるN個の領域についての累積誤差の解消は、複数フレームの符号化処理の過程で分散して行われる。そして、各フレームの符号化処理において、強制的な画面内符号化処理を適用することで累積誤差が解消された領域についは、復号側で復元される画像の画質が改善される。したがって、Iピクチャの挿入のみで累積誤差の解消を図った場合に比べて、復号側で再生される動画像の画質の時間的な変動を抑制することができる。つまり、上述したような構成を備えた動画像符号化装置では、ローカルデコード画像の非可逆圧縮を適用した際に生じる誤差の累積の解消を図りつつ、復号側で利用者に提供される動画像の画質の均質化を図ることが可能となる。
また、領域判別部117において、適用対象領域の検出に用いる閾値Thvを動的に調整することにより、各フレームにおいて適用対象として判別される領域の数の平準化を図ることができる。これにより、累積誤差の解消のために、画面内符号化を適用したことによって増大する符号量をほぼ一定にすることができる。したがって、DCT量子化部104での量子化処理やエントロピー符号化部105による符号化処理での圧縮率もまたほぼ一定の水準で維持される。
一方、符号化対象のピクチャがIピクチャである場合に(ステップ322の肯定判定)、モード決定制御部131は、その旨を累積統計量調整部118の一括調整部129に通知する。これに応じて、この一括調整部129により、累積統計量保持部124に保持された全ての領域に対応する統計量の集計値が初期化される(ステップ330)。
その後、ステップ326と同様にして、上述したマクロブロックMB(i)についての画面内予測残差が算出され(ステップ331)、また、算出された画面内予測残差を符号化する処理が行われる(ステップ332)。次いで、ステップ328に進んで、生成された符号化データが出力される。
なお、Iピクチャ以外のピクチャの符号化処理において、読み込まれた判別フラグF(j)が「FALSE」であった場合に(ステップ324の否定判定)、モード決定制御部131は、符号化対象のマクロブロックMB(i)について、符号化モードの決定処理を行う。
この場合に、図8に示したステップ334において、探索領域復元部110により、圧縮ローカルデコード画像から復元ローカルデコード画像の探索領域を復元する処理が行われる。このとき、探索領域復元部110は、図1に示した圧縮ローカルデコード画像保持部141から、マクロブロックMB(i)について設定される探索領域に対応するブロック圧縮データを読み出す。そして、これらのブロック圧縮データに対して、図1に示したブロック伸長部113と同様の伸長処理を行って、上述した探索領域を復元する。復元された探索領域は、探索領域保持部109を介して画面間予測部102の処理に供される。
次いで、画面内予測部101および画面間予測部102により、それぞれ予測残差が算出され(ステップ335)、これらの予測残差に基づいて、モード決定制御部131により、符号化モードが決定される(ステップ336)。画面内予測残差のほうが小さい場合は、ステップ337の肯定判定としてステップ338に進み、符号化対象のマクロブロックMB(i)は、画面内符号化処理される。一方、画面間予測残差のほうが小さい場合は、ステップ337の否定判定としてステップ339に進み、符号化対象のマクロブロックMB(i)は、画面間符号化処理される。その後、いずれの場合も、図7に示したステップ328に進み、生成された符号化データの出力が行われる。
なお、図8に示したように、適用対象領域以外の領域に含まれる各マクロブロックの符号化が行われる過程では、累積統計量保持部124に保持された累積統計量は初期化されない。したがって、符号化に伴って生成されるローカルデコード画像の圧縮前後での誤差は、符号化対象のマクロブロックMB(i)が属する領域に対応するそれまでの累積誤差を示す統計量の集計値Sに加算される。そして、全てのマクロブロックの符号化処理が完了した後に、次のピクチャの符号化において画面内符号化処理の適用対象とする領域を判別する処理に供される。
ところで、Iピクチャ以外の各ピクチャを符号化する際に、各フレームに含まれる適用対象領域の数をほぼ一定に保つ方法は、上述したようにして、適用対象領域の検出に用いる閾値Thvを調整する方法に限られない。また、各ピクチャの符号化処理過程において、ローカルデコード画像の圧縮前後の誤差を示す統計量として、上述した差分二乗和以外の統計量を抽出することもできる。
次に、適用対象領域の判別処理についての変形例について説明する。
(別の実施形態)
図9に、領域判別部の別実施形態を示す。なお、図9に示した構成要素のうち、図5に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
図9に示した例では、領域判別部117は、閾値調整部126の代わりに、領域選択部134を備えている。この領域選択部134は、領域検出部125によって検出された領域の中から、所定数の領域を選択し、選択した領域を適用対象として示すように、判別フラグの操作を行う。
図10に、領域判別動作を表す流れ図を示す。なお、図10に示したステップのうち、図6に示したステップと同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
図10に示した例では、各領域に対応して累積統計量保持部124に保持された累積統計量を読み出すステップ312の処理の前に、適用対象領域の数kが所定数Kより小さいか否かを判定している(ステップ319)。そして、適用対象領域の数kが所定数Kより小さい場合に限って(ステップ319の肯定判定)、累積統計量が読み出される(ステップ312)。そして、この累積統計量と閾値Thvとの比較に基づく判別フラグの操作が行われる(ステップ313〜ステップ317)。
例えば、適用対象領域の数kが上述した所定数Kよりも小さい間は、領域番号順に累積統計量が読み出され、読み出された累積統計量が閾値Thvよりも大きいとされるごとに、この累積統計量に対応する領域が適用対象として選択される。そして、新たな領域が適用対象として選択されるごとに、適用対象領域の数kがインクリメントされる。
このようにして適用対象領域が選択されていき、その数が上述した所定数Kと等しくなった後は、ステップ319の否定判定となる。そして、以降の各領域に対応する判別フラグの値は、それぞれの累積統計量の値にかかわらず、適用対象領域ではない旨の「FALSE」がセットされる。
このような領域判別処理では、各フレームで適用対象領域として検出される領域の数が所定数K以下となるように制限することができる。これにより、累積誤差の解消のために、画面内符号化を適用したことによって増大する符号量を一定量以下に抑制することができる。なお、上述した領域判別処理で選択された適用対象領域の第nフレームまでの累積誤差は、次の第n+1フレームの符号化処理において、これらの適用対象領域を強制的に画面内符号化することにより解消される。このとき、これらの適用対象領域に対応して累積統計量保持部124に保持された累積統計量が初期化される。そして、第n+1フレームの符号化が完了した時点で累積統計量保持部124に保持された累積統計量に基づいて、その次の第n+2フレームで強制的な画面内符合化処理を適用する領域が選択される。つまり、累積統計量調整部118の処理と上述した領域判別処理とを組み合わせて行うことにより、前のフレームで選択された適用対象領域を除外して、次のフレームにおける適用対象領域を選択することができる。したがって、上述したように、最初に検出されたK個までの領域を適用対象領域とする領域判別処理を採用した場合でも、画面内の位置によって、適用対象領域として選択される確率が偏ることはない。なお、累積統計量保持部124に保持された累積統計量の値が大きい順に、適用対象領域を選択することも可能である。
次に、ローカルデコード画像の圧縮前後の誤差を示す統計量の抽出処理についてのさまざまな変形例について説明する。
(別の実施形態)
図11に、動画像符号化装置の別実施形態を示す。なお、図11に示した構成要素のうち、図1および図5に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
図11に示した統計量抽出部115は、差分絶対値和算出部135と重み加算部136とを備えている。差分絶対値和算出部135は、差分画像生成部114で生成された差分画像D(x,y)(x、y=1〜16)に含まれる輝度成分Y(x,y)および色差成分Cb(x,y),Cr(x,y)について、それぞれの絶対値和を算出する。重み加算部136は、差分絶対値輪算出部135により、各成分について得られた差分絶対値和にそれぞれ対応する重みwy,wb,wrを乗算し、これらの乗算結果を加算する。図11に示した例では、この重み加算部136による加算結果が、符号化対象のマクロブロックに対応してローカルデコード画像の圧縮前後の誤差を示す統計量として統計量集計部116に渡される。
ここで、差分二乗和と差分絶対値和との間には高い相関性がある。したがって、上述したように、差分二乗和の代わりに、差分絶対値和を算出し、これをローカルデコード画像の圧縮前後の誤差の分布を示す統計量として用いることができる。そして、差分絶対値和を算出する処理は、差分二乗和を算出する処理に比べて簡易な構成で実現することができる。つまり、統計量抽出部115において、差分二乗和の代わりに、差分絶対値和を算出する構成により、ローカルデコード画像の圧縮前後の誤差の分布を示す統計量を少ないハードウェア資源を用いて実現することができる。
また、重み加算部136により、各成分の差分絶対値和に対して、それぞれの成分に対応する重みを付加することができる。例えば、色差成分Cb,Crの差分絶対値和に比べて、輝度成分Yの差分絶対値和について大きな重みを付加することができる。このように、人間の視覚において輝度成分のノイズが画質の劣化として捉えられやすいことを反映して、輝度成分についての累積誤差を統計量において強調することができる。これにより、輝度成分の累積統計量が大きくなっている領域が、優先的に適用対象領域として判別され、その累積誤差の解消が図られるので、視覚に捉えられやすい画質の劣化を招く累積誤差を優先的に解消することができる。
また、上述した人間の視覚の特性を利用して、ローカルデコード画像の圧縮前後の誤差を示す統計量を抽出する処理の簡略化を図ることもできる。
(別の実施形態)
図12に、動画像符号化装置の別実施形態を示す。なお、図12に示した構成要素のうち、図1に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
図12に示した符号化コア部100では、デブロッキング処理部108が省略されており、復元画像生成部107によってマクロブロック単位で生成されたローカルデコード画像が、そのままブロック圧縮部112に入力される。
このブロック圧縮部112では、ローカルデコード画像の各画素値に含まれる輝度成分および色差成分について、上述した圧縮処理をそれぞれ行い、各成分についてのブロック圧縮データを生成する。そして、これらのブロック圧縮データは、圧縮ローカルデコード画像保持部141に保持され、次のフレームの符号化処理で利用される。
図12に示した輝度ブロック伸長部138は、ブロック圧縮部112で生成されたブロック圧縮データのうち、輝度成分についてのブロック圧縮データに対して選択的に伸長処理を行う。この伸長処理により、復元ローカルデコード画像の輝度成分がマクロブロック単位で生成される。そして、差分輝度画像生成部139により、この復元ローカルデコード画像の輝度成分と圧縮前のローカルデコード画像の輝度成分とから、差分輝度画像がマクロブロック単位で生成される。
図12に示した差分絶対値和算出部136は、差分輝度画像生成部139で生成された差分輝度画像について、各画素の差分輝度値の絶対値和を算出する。このようにして算出された差分輝度値の絶対値和は、図11に示した統計量抽出部115において、輝度成分の重みwyを1とし、色差成分の重みwb、wrを0として場合に相当する。そして、この差分輝度値の絶対値和が、ローカルデコード画像の圧縮前後の誤差に関する統計量として統計量集計部116の集計処理に供される。
このように、輝度値のみに注目してローカルデコード画像の圧縮前後の誤差に関する統計量を評価することができる。この場合は、画素値に含まれる全ての成分を考慮して誤差に関する統計量を算出する場合に比べて、ブロック伸長処理や差分画像の生成処理および差分絶対値和の算出処理に要するハードウェア量を削減することができる。
また、デブロッキング処理部108を省略したことによるハードウェアの削減効果も大きい。なぜなら、デブロッキング処理部108では、ローカルデコード画像についてのブロックノイズ除去のために、新たなマクロブロックの直前までの1行分のマクロブロックが保持されているからである。なお、上述した各実施形態では、ローカルデコード画像は非可逆圧縮される。したがって、非可逆圧縮前のローカルデコード画像に作用するデブロッキング処理部108を省略したことが、圧縮後に復元された復元ローカルデコード画像の画質に与える影響は少ない。
以上の説明に関して、更に、以下の各項を開示する。
(付記1) 動画像の各フレームの原画像に含まれるマクロブロックごとに、画面内符号化あるいは画面間符号化を適用して圧縮および符号化する符号化処理部と、
前記原画像に含まれる各マクロブロックについて、前記符号化処理部による符号化過程で得られる圧縮データからローカルデコード画像を生成するローカルデコード画像生成部と、
前記各マクロブロックに対応する前記ローカルデコード画像を非可逆圧縮してブロック圧縮データを生成するブロック圧縮部と、
前記各マクロブロックに対応する前記ブロック圧縮データを伸長して、各マクロブロックに対応する復元ローカルデコード画像を生成するブロック伸長部と、
前記各マクロブロックに対応する前記復元ローカルデコード画像と前記ローカルデコード画像との間の誤差を示す差分画像を生成する差分画像生成部と、
前記各マクロブロックに対応する前記差分画像に現れた前記誤差の分布の統計的な性質を示す統計量を抽出する統計量抽出部と、
前記統計量抽出部で抽出された統計量を、前記フレームを区分して得られる複数の領域ごとに累積加算する統計量集計部と、
前記統計量集計部による累積加算結果で示される前記各フレームまでの累積誤差に基づいて、当該フレームの次のフレームの符号化処理において前記複数の領域のうち画面内符号化を適用する領域を判別する領域判別部と、
を備えたことを特徴とする動画像符号化装置。
(付記2) 付記1に記載の動画像符号化装置において、
前記領域判別部による判別結果と前記符号化処理部で適用される符号化モードとに基づいて、前記統計量集計部によって前記各領域について集計された累積誤差を示す値を調整する累積統計量調整部と、
を備えたことを特徴とする動画像符号化装置。
(付記3) 付記2に記載の動画像符号化装置において、
前記累積統計量調整部は、
前記領域判別部によって画面内符号の適用対象とされた前記領域について、前記統計量集計部で得られた累積統計量を選択的に所定の初期値に戻す選択調整部と、
前記符号化モードにより、1フレームに含まれる全てのマクロブロックが画面内符号化されることが示されたときに、前記統計量集計部で得られた全ての領域に対応する累積統計量を一括して前記初期値に戻す一括調整部と、
を備えた
ことを特徴とする動画像符号化装置。
(付記4) 付記1に記載の動画像符号化装置において、
前記領域判別部は、
前記統計量集計部による集計結果に基づいて、前記累積統計量が所定の閾値Thvよりも大きい領域を領域検出部と、
前記閾値検出部によって検出された領域の数と、前記1フレームに含まれる領域数Nよりも小さい自然数mdとを比較した結果に基づいて、前記閾値比較部において前記累積統計量と比較される前記所定の閾値Thvを変更する閾値調整部と、
を備え、
前記領域検出部によって検出された領域を画面内符号化の適用対象とする
ことを特徴とする動画像符号化装置。
(付記5) 付記1に記載の動画像符号化装置において、
前記領域判別部は、
前記統計量集計部による集計結果に基づいて、前記累積統計量が所定の閾値Thvよりも大きい領域を検出する領域検出部と、
前記領域検出部によって検出された領域の数が、前記1フレームに含まれる領域数Nよりも小さい別の自然数Kよりも大きいときに、前記領域検出部によって検出された領域から前記自然数K個の領域を、画面内符号化処理の適用対象として選択する領域選択部と、
を備えた
ことを特徴とする動画像符号化装置。
(付記6) 付記1に記載の動画像符号化装置において、
前記統計量抽出部は、複数の領域ごとに、前記差分画像の画素値の二乗和を算出する二乗和算出部を備えた
ことを特徴とする動画像符号化装置。
(付記7) 付記1に記載の動画像符号化装置において、
前記統計量抽出部は、複数の領域ごとに、前記差分画像の画素値の絶対値和を算出する絶対値和算出部を備えた
ことを特徴とする動画像符号化装置。
(付記8) 付記1に記載の動画像符号化装置において、
前記統計量抽出部は、
前記差分画像の各画素値に含まれる輝度成分および色成分についてそれぞれ統計量を求める成分統計量算出部と、
前記輝度成分および前記色成分にそれぞれ重みを対応する統計量に付加し、前記重みが付加された統計量を互いに足し合わせる重み加算部と、
を備えた
ことを特徴とする動画像符号化装置。
100 符号化コア部
101 画面内予測部
102 画面間予測部
103 符号化モード決定部
104 DCT量子化部
105 エントロピー符号化部
106 伸長処理部
107 復元画像生成部
108 デブロッキング処理部
109 探索領域保持部
110 探索領域復元部
111 ローカルデコード(LD)画像生成部
112 ブロック圧縮部
113 ブロック伸長部
114 差分画像生成部
115 統計量抽出部
116 統計量集計部
117 領域判別部
118 累積統計量調整部
122 加算部
123 更新処理部
124 累積統計量保持部
125 領域検出部
126 閾値調整部
127 判別フラグ保持部
128 選択調整部
129 一括調整部
131 モード決定制御部
132 判別フラグ読み込み部
134 領域選択部
135 差分絶対値和算出部
136 重み加算部
138 輝度ブロック伸長部
139 差分輝度画像生成部
140 外部メモリ
141 圧縮ローカルデコード(LD)画像保持部
142 原画像保持部

Claims (5)

  1. 動画像の各フレームの原画像に含まれるマクロブロックごとに、画面内符号化あるいは画面間符号化を適用して圧縮および符号化する符号化処理部と、
    前記原画像に含まれる各マクロブロックについて、前記符号化処理部による符号化過程で得られる圧縮データからローカルデコード画像を生成するローカルデコード画像生成部と、
    前記各マクロブロックに対応する前記ローカルデコード画像を非可逆圧縮してブロック圧縮データを生成するブロック圧縮部と、
    前記各マクロブロックに対応する前記ブロック圧縮データを伸長して、各マクロブロックに対応する復元ローカルデコード画像を生成するブロック伸長部と、
    前記各マクロブロックに対応する前記復元ローカルデコード画像と前記ローカルデコード画像との間の誤差を示す差分画像を生成する差分画像生成部と、
    前記各マクロブロックに対応する前記差分画像に現れた前記誤差の分布の統計的な性質を示す統計量を抽出する統計量抽出部と、
    前記統計量抽出部で抽出された統計量を、前記フレームを区分して得られる複数の領域ごとに累積加算する統計量集計部と、
    前記統計量集計部による累積加算結果で示される前記各フレームまでの累積誤差に基づいて、当該フレームの次のフレームの符号化処理において前記複数の領域のうち画面内符号化を適用する領域を判別する領域判別部と、
    を備えたことを特徴とする動画像符号化装置。
  2. 請求項1に記載の動画像符号化装置において、
    前記領域判別部による判別結果と前記符号化処理部で適用される符号化モードとに基づいて、前記統計量集計部によって前記各領域について集計された累積誤差を示す値を調整する累積誤差調整部と、
    を備えたことを特徴とする動画像符号化装置。
  3. 請求項1に記載の動画像符号化装置において、
    前記領域判別部は、
    前記統計量集計部による集計結果に基づいて、前記累積誤差が所定の閾値Thvよりも大きい領域を検出する領域検出部と、
    前記領域検出部によって検出された領域の数と、前記1フレームに含まれる領域数Nよりも小さい自然数mdとを比較した結果に基づいて、前記領域検出部において前記累積誤差と比較される前記所定の閾値Thvを変更する閾値調整部と、
    を備え、
    前記領域検出部によって検出された領域を画面内符号化の適用対象とする
    ことを特徴とする動画像符号化装置。
  4. 請求項1に記載の動画像符号化装置において、
    前記領域判別部は、
    前記統計量集計部による集計結果に基づいて、前記累積誤差が所定の閾値Thvよりも大きい領域を検出する領域検出部と、
    前記領域検出部によって検出された領域の数が、前記1フレームに含まれる領域数Nよりも小さい別の自然数Kよりも大きいときに、前記領域検出部によって検出された領域から前記自然数K個の領域を、画面内符号化処理の適用対象として選択する領域選択部と、
    を備えた
    ことを特徴とする動画像符号化装置。
  5. 請求項1に記載の動画像符号化装置において、
    前記統計量抽出部は、
    前記差分画像の各画素値に含まれる輝度成分および色成分についてそれぞれ統計量を求める成分統計量算出部と、
    前記輝度成分および前記色成分にそれぞれ重みを対応する統計量に付加し、前記重みが付加された統計量を互いに足し合わせる重み加算部と、
    を備えた
    ことを特徴とする動画像符号化装置。
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