JP5579682B2 - 電動弁管理装置 - Google Patents
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Description
「T」=スラスト「F」×弁棒係数「m」・・・・式(1)
ここで、上記弁棒係数「m」は、下記の式(2)に示されるように、弁棒とステムナットの間の摩擦係数「μ」によって規定され、摩擦係数「μ」が大きいほど(即ち、弁棒とステムナットの間の摩擦力によって該ステムナットから弁棒への力の伝達効率が低くなるほど)弁棒係数「m」が大きくなる。
ただし、弁棒ネジを29°メートル台形ネジとし、弁棒有効径dmm=外形―(1/2)ピッチ 、tanα=(ネジリードmm)/(π×dmm)、μ=摩擦係数。
「トルク切り手法」を採用した電動弁にあっては、電動弁を駆動するモータは、トルクスイッチの作動に基づくモータへの給電が停止された時点で停止することなく、給電停止後もモータ及び該モータに連結されたウォームホイール等の回転部分の慣性力による惰走作用によって、短時間ではあるが回転を継続する。このため、弁体に作用するスラストは、トルクスイッチにより設定された設定トルクに対応するスラストにおいてそのまま保持されることはなく、このスラストからさらに高スラスト側へオーバシュートし、ピークスラストに達した後、安定的に推移する。
第2の発明に係る電動弁管理装置では、上記(a)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、電動弁のヨークに備えたヨーク応力センサによって取得されるヨーク応力を上記弁軸力として用いるようにしているので、上記弁軸力、即ち、上記スラストを、電動弁の駆動部を開放することなくその外部から上記ヨーク応力センサでの測定によって取得することができ、これによってスラストの取得作業の容易化及びスラスト管理の効率化が促進される。
第3の発明に係る電動弁管理装置では、上記(b)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記ヨーク応力センサを、上記ヨークの弁棒を挟んで対向する左右一対の柱部の上記弁棒に臨む内側面で、且つ弁棒の軸心を通ってその径方向に延びる直線上に位置する部位にそれぞれ設けているので、各歪センサのそれぞれの出力値の平均値を求め、これを上記ヨーク応力として取得することで信頼性の高いスラストを得ることができ、延いては、スラスト管理の高精度化が促進される。
本願の第4の発明では、上記(b)又は(c)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記ヨーク応力センサを、加重方向の歪を検出するゲージと加重方向に直交する方向の歪を検出するゲージを備えた構成としているので、いわゆる「2ゲージ法」での歪測定となり、測定対象以外の成分、例えば、捩り成分を除去した測定ができ、その測定精度が向上する。
第5の発明に係る電動弁管理装置では、上記(b)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記弁棒に取付けた弁軸力センサを用いて上記ヨーク応力センサを校正するようにしているので、例えば、上記ヨーク応力センサをヨークに常設し、該ヨーク応力センサの校正時にのみ上記弁棒に弁軸力センサを仮設することができ、これによって校正作業の簡易化が促進される。なお、ここで言う「ヨーク応力センサの校正」は、ヨーク応力センサの測定値を弁軸力に換算するための換算特性を取得することである。
本願の第6の発明では、上記弁軸力センサを、加重方向の歪を検出するゲージと加重方向に直交する方向の歪を検出するゲージの二つのゲージを備えたセンサを2個利用して構成するとともに、この2個のセンサのうちの一方のセンサを上記弁棒14の表面の軸心を挟んで対向する二面のうちの一方側の面に、他方のセンサを他方側の面に、それぞれ取付けてこれら2個のセンサの共働によって歪測定を行うようにしているので、いわゆる「4ゲージ法」での歪測定となり、測定出力が大きくなるとともに、測定対象以外の成分、例えば、捩り成分を除去した測定ができることから、その測定精度がより一層向上する。
第7の発明に係る電動弁管理装置では、上記(e)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記ヨーク応力センサでの測定によって取得される歪波形に基づいて上記電動弁の振動に関する情報を取得するようにしているので、別途に振動センサを備えることなく上記ヨーク応力センサによって、例えば、電動弁の作動時における振動を解析してその振動が電動弁の信頼性に及ぼす影響等を判断することができる。また、上記ヨーク応力センサでの測定によって取得される歪波形に基づいて、上記弁棒の動作時間を取得し、この動作時間の適否を判断することもできる。
第8の発明に係る電動弁管理装置では、上記(b)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記ヨーク応力センサによって取得されるヨーク応力に基づいて電動弁の摺動部の摩擦傾向を取得するようにしているので、傾向を簡易且つ迅速に取得することができ、摩擦傾向の管理を行う場合に極めて有用である。
第9の発明に係る電動弁管理装置では、上記(a)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、電動弁の停止後の少なくとも、スラストのオーバシュート、スラストのバラツキ、弁棒とステムナットの間の摩擦係数の変化の何れかによる過大応力を考慮してトルクスイッチの設定値を適正に調整するようにしているので、過大応力の影響が加味されたスラスト管理が実現され、延いては上記電動弁の安全性及び信頼性がさらに向上する。
第10の発明に係る電動弁管理装置では、上記(a)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、トルクスイッチ作動時におけるスラストとピークスラストと締切スラストのうちの少なくとも二つの相関に基づいて、トルクスイッチの設定値を調整するようにしているので、例えば、トルクスイッチの設定値の調整に際しては、基準となる時点における上記二つの相関に基づいて描かれるスラスト特性と、調整時点における上記二つの相関に基づいて描かれるスラスト特性を対比することで、トルクスイッチの設定値の調整量を視覚的に把握して、簡易且つ的確に調整を行うことができる。また、スラスト情報をどのように活用するかというスラスト情報の活用目的に応じて、上記三つのスラスト、即ち、トルクスイッチ作動時におけるスラストとピークスラストと締切スラストのうち、何れか二つのスラストを選択することも可能である。
A−1:電動弁1
上記電動弁1は、弁本体部11と弁駆動部3を、ヨーク2を介して連結一体化して構成される。上記弁本体部11内には、バルブシート12に着座・離座する弁体13が収容されている。上記弁体13には、上記ヨーク2を上下方向に貫通して上記弁駆動部3の上部に至る弁棒14が連結されており、該弁棒14を上記弁駆動部3によって上下方向へ昇降させることで上記弁体13が上記バルブシート12に着座あるいは離座し、上記電動弁1が開閉弁される。
上記電流センサ7は、図1に示すように、上記モータ4に接続されたフレキシブル管部5の上流端に接続される鋼管製の電線管6の外周面で且つ該電線管6の軸方向の同一位置に、その周方向に略同一ピッチで三個の電流センサ7A,7B,7Cを配置し、これら三個の電流センサ7A,7B,7Cによって、上記電線管6内に配置された電力線16の各電線のそれぞれから発せられる磁力線を感知して磁場の大きさに対応した磁気信号を出力する。
ヨーク応力センサ25は、弁体13に作用するスラストに対応する弁軸力を、該弁棒14側での直接的な測定に代えて、ヨーク2側において該ヨーク2の歪として間接的にこれを測定するものである。これは、弁棒14に作用する弁軸力と、上記弁本体部11と弁駆動部3を接続するヨーク2に作用するヨーク応力は相互に反力の関係にあり、弁棒14に貼設した弁軸力センサ30で測定される弁軸力と、ヨーク2に貼設したヨーク応力センサ25で測定されるヨーク応力とが合致することを前提としている。
[(13.33−13.18)/13.18]×100=1.14%」であった。同様にして、二回目の測定での比率は「1.74%」、三回目の測定での近似率は「0,05%」、四回目の測定での近似率は「0.44%」であった。これらの結果から、弁軸力センサ30の測定値は、現に弁棒14に作用している弁軸力として把握される上記ロードセル31での測定値と実用上差がなく、該弁軸力センサ30の測定値を、弁棒14に作用している弁軸力として採用しても何ら問題は生じない。
スラスト値:W=V0・[2・E/{Ks・V・(1+ν)}・(π・d2/4)]・・式(3)
ここで、この式(3)の算出根拠を示せば以下の通りである。
直径(d)の弁棒の断面積(π・d2/4)において、スラスト値(W)によって発生する応力(σ)は、
(σ)=W/(π・d2/4)・・・式(4)
となる。
従って、弁棒の引張力又は圧縮力(W)は、
W=σ・(π・d2/4)・・・式(5)
となる。
また、上記応力(σ)は、4ゲージ法の場合、
(σ)=[ε0/{2・(1+ν)}]・E・・・式(6)
となる。なお、ε0:実測の歪値、E:縦弾性係数(ヤング率)、ν:ポアソン比である。
さらに、実測の歪値(ε0)は、歪と電圧の関係より、
(ε0)=4・{1/(Ks・V)}・V0・・・式(7)
となる。なお、Ks:歪のゲージ率、 V:ブリッジの印加電圧、 V0:ブリッジの出力電圧である。
従って、上記式(6)と式(7)より、上記応力(σ)は、
(σ)=V0・[2・E/{Ks・V・(1+ν)}]・・・式(8)
となる。
従って、式(5)と式(8)から、上記式(3)が求められる。
また、上記ヨーク応力センサ25を構成する上記各歪ゲージ25A,25Bの校正であるが、この校正は、該各歪ゲージ25A,25Bを上記電動弁10のヨーク2に取付けたまま、上記弁軸力センサ30を用いて行われる。
上記ヨーク応力センサ25は、上記ヨーク2に発生する応力を測定する歪ゲージで構成されるが、この実施形態ではこの歪センサをヨーク2に伝達される振動を検出する振動センサとしても利用するようにしている。
図1に示すように、上記モータ4には電流センサ20が取付けられている。この電流センサ20は、上記モータ4への給電停止後の慣性回転に伴う電気信号(積算値)を測定することができる。一方、上記電流センサ7では上記モータ4への入力エネルギに対応する電気信号(積算値)を測定できるが、この測定はモータ4への給電停止によって終了する。
上記渦電流センサ35は、高周波電流を受けて高周波磁界を発生するコイルを備え、高周波磁界内に導電体である弁棒14が存在すると、該弁棒14の表面に磁気誘導によって渦電流が発生し、これによって上記コイルの相互インピーダンスが、該コイルと上記弁棒14の距離の変化に応じて変化するものである。
上記管理装置9は、本願発明がその要旨とするものであって、上記各センサからの入力情報に基づいて、上記電動弁1の全開あるいは全閉作動時における弁体13に対するスラストを管理し、該電動弁1の信頼性及び安全性を確保するものであって、その管理例を以下に説明する。
上記電動弁1の全開作動時あるいは全閉作動時において弁体13に作用する締切スラスト「F3」は、図2に示すように、トルクスイッチ33が作動してモータ4への給電が停止された時点の設定トルクに対応するスラスト「F2」ではなく、給電停止後のモータ4等の慣性力により、上記スラスト「F2」からさらに高スラスト側へオーバシュートし、ピークスラスト「F4」に達した後、低下側へ転じて安定的に推移するスラストがこれに該当し、この締切スラスト「F3」で弁体13の弁状態が保持されることは既述の通りである。
スラストの再調整の手法としては、トルクスイッチ33の作動位置を時間的に早める手法(以下、「第1の手法」という)と、弁体13の作動速度を下げる手法(以下、「第2の手法」という)が考えられる。
第1の手法は、図2に示すように、時間「t3」において上記モータ4への給電が停止されその時点から惰走状態へ移行する当初のスラスト特性を、この時間「t3」より早めの時間「t2」において上記モータ4への給電が停止されその時点から惰走状態へ移行するように、上記トルクスイッチ33の作動点を早めるものである。
これに対して、第2の手法は、電動弁1の作動速度が大きいほど上記モータ4等の慣性力も大きくこれに対応してオーバシュートのピークスラスト「F4」も大きくなることを考慮して、開弁あるいは閉弁速度を下げてオーバシュートそのものを抑制する方法である。なお、この手法においても、上述のような各スラスト相互間の比率等を参酌すべきことは勿論である。
現在のオーバシュートによるスラスト特性を維持すると仮定した場合における電動弁1の安全度及び電動弁1の構成部品の寿命等を検証する。この検証には、以下の要素が参酌される。
図9には、実線で示す基準状態における入出力曲線の線分L1が、破線で示す線分L1aのようにヨーク応力(即ち、弁軸力)の絶対値が減少する側へ膨出変化した場合(第1の場合)と、線分L1bのようにヨーク応力の絶対値が増加する側へ膨出変化した場合(第2の場合)を示している。
スラストのオーバシュート、スラストのバラツキ及び弁棒とステムナットの間の摩擦係数「μ」の変化、開閉作動回数、使用期間は、電動弁各部のリスク評価の要素となり得るものである。従って、これらの要素を電動弁各部のリスク評価に反映させることで、電動弁の実際のスラスト特性に対応した精度及び信頼性の高いリスク評価を得ることができる。
スラストのオーバシュート、スラストのバラツキ及び弁棒とステムナットの間の摩擦係数「μ」の変化は、電動弁各部に過大応力を与える原因となるものである。従って、これらの要素を電動弁各部の保守管理に反映させることで、過大応力が作用するか否かによってその時期が変化する保守管理作業、例えば、電動弁の点検時期とか部品の取替時期とか作動調整時期等の実行時期をより的確に判断することができ、延いては電動弁の耐久性あるいは信頼性の向上に寄与できる。
弁棒とステムナットの間の摩擦係数「μ」は、「μ=0.2」を許容値(即ち、ステムナット等の交換等が必要となる限界状態に至る直前の摩擦係数)として設計される例がある一方、現実的には上記摩擦係数を「μ=0.16〜0.18」とした実測例があることは既述の通りである。
工場でのトルク管理は、限界条件である摩擦係数「0.2」を想定した上で、モータ4の入力電流値「I」とトルク値「T]をそれぞれ測定(○印で表示)する。従って、ここで取得される駆動力の伝達特性は、モータ4とウォームギア間の摩擦状況によって概略規定される第1の伝達特性に限定される(○印で表示)。なお、上記入力電流値「I」と出力トルク値「T]は、工場出荷時点の性能データとしてメーカから提示される。
現場でのトルク管理形態としては、図19に示すように「従来手法」と「詳細手法」及び「簡易手法」が考えられる。このうち、「従来手法」は現場において従来一般的に行われていた手法であり、「詳細手法」は従来手法よりも詳細な測定作業を伴う手法である。これらに対して、「簡易手法」は、本件出願において発明者が新規に提案する手法である。これらを具体的に説明すると以下の通りである。
「従来手法」は、電動弁の設置現場において、モータ4の入力電流値(I)と圧縮力センサによるトルク値「T]をそれぞれ実測にて取得する。そして、摩擦係数「0.2」の下で設定された設定トルクと、実測されたトルク値「T]を対比し、このトルク値「T]が設定トルクに対して所定範囲内にあれば「トルクは適正」と判断するものである。
「詳細手法」は、モータ4の入力電流値「I」と圧縮力センサによるトルク値「T]の実測に加えて、弁軸力(スラスト)「F」も実測し、これら各実測値「I」、「T」、「F」に基づいて第1〜第3の伝達特性を取得する。そして、これら各伝達特性のうち、特に、第2の伝達特性に関与する摩擦係数「μ」に基づいて上述の特性線「Lb」(図17参照)を取得し、この特性線「Lb」の下でトルク管理を行うとともに、第1の伝達特性や第3の伝達特性に基づいて、各部、即ち、モータ〜ウォームギアの間や、モータ〜弁棒の間の摩擦状況の変化傾向を管理するものである。
「簡易手法」は、上記「従来手法」と「詳細手法」の利点と欠点を勘案した上で、簡易な作業によって必要にして十分なトルク管理が行えるようにした手法である。即ち、この「簡易手法」では、
(a):入力電流値「I」とトルク値「T]の相関は、工場でのトルク管理値としてメーカから提示されていること、
(b):モータ4からウォームギアに至る間の伝達特性、即ち、上記第1の伝達特性は、経年変化は比較的小さく安定していること、
の二点を前提として、入力電流値「I」と弁軸力(スラスト)「F」とトルク値「T]のうち、電動弁の開放を伴わない入力電流値「I」と弁軸力(スラスト)「F」の二つを実測し、電動弁の開放を必要とするトルク値「T]の実測は行わないものとした。しかし、このトルク値「T]は、工場データとして提供される入力電流値「I」とトルク値「T]の相関に基づいて、実測された入力電流値「I」に対応するトルク値として間接的に取得される。なお、この間接的に取得されるトルク値「T]は、実測により取得されるトルク値「T]と完全に合致しているとは言えないが、トルク管理上において概ね合致しているとして取扱い得るものであることから、図19では「概ね取得できる」との意で「△」で示している。
2 ・・ヨーク
3 ・・弁駆動部
4 ・・モータ
5 ・・フレキシブル管
6 ・・電線管
7 ・・電流センサ
8 ・・電気制御盤
9 ・・管理装置
10 ・・演算器
11 ・・弁本体部
12 ・・バルブシート
13 ・・弁体
14 ・・弁棒
16 ・・電力線
20 ・・電流センサ
21 ・・ウォーム軸
22 ・・ウォーム
23 ・・ウォームホイール
24 ・・スプリングカートリッジ
25 ・・ヨーク応力センサ
26 ・・ドライブスリーブ
30 ・・弁軸力センサ
31 ・・ロードセル
32 ・・弁体支持台
33 ・・トルクスイッチ
35 ・・渦電流センサ
Claims (10)
- モータにより開閉駆動される電動弁の作動状態を管理する電動弁管理装置であって、
上記モータへの給電停止後におけるスラスト又は弁棒の動きを慣性力に基づき適正状態となるように管理するもので、スラスト又は弁棒の動きの管理に、電動弁の給電停止後の少なくともスラストのオーバシュート、スラストのバラツキ、弁棒とステムナットの間の摩擦係数の変化の何れかによる過大応力を反映させるとともに、上記スラストを、弁棒に作用する弁軸力として実測により取得することを特徴とする電動弁管理装置。 - 請求項1において、
電動弁のヨークに備えたヨーク応力センサによって取得されるヨーク応力を上記弁軸力として用いることを特徴とする電動弁管理装置。 - 請求項2において、
上記ヨーク応力センサが、上記ヨークの弁棒を挟んで対向する左右一対の柱部の上記弁棒に臨む内側面で、且つ弁棒の軸心を通ってその径方向に延びる直線上に位置する部位にそれぞれ設けられていることを特徴とする電動弁管理装置。 - 請求項2又は3おいて、
上記ヨーク応力センサは、加重方向の歪を検出するゲージと加重方向に直交する方向の歪を検出するゲージを備えた構成であることを特徴とする電動弁管理装置。 - 請求項2において、
上記弁棒に付設されるグランドパッキンの締付力が一時的に高締付力側へ変更された状態で、上記弁棒に取付けた弁軸力センサを用いて上記ヨーク応力センサが校正されることを特徴とする電動弁管理装置。 - 請求項5において、
上記弁軸力センサは、加重方向の歪を検出するゲージと加重方向に直交する方向の歪を検出するゲージの二つのゲージを備えたセンサを2個利用して構成されるとともに、この2個のセンサのうちの一方のセンサは上記弁棒14の表面の軸心を挟んで対向する二面のうちの一方側の面に、他方のセンサは他方側の面に、それぞれ取付けられ、これら2個のセンサの共働によって歪測定を行うことを特徴とする電動弁管理装置。 - 請求項2において、
上記ヨーク応力センサでの測定によって取得される歪波形に基づいて上記電動弁の振動に関する情報を取得することを特徴とする電動弁管理装置。 - 請求項2において、
上記ヨーク応力センサによって取得されるヨーク応力に基づいて電動弁の摺動部の摩擦傾向を取得することを特徴とする電動弁管理装置。 - 請求項1において、
電動弁の給電停止後の少なくともスラストのオーバシュート、スラストのバラツキ、弁棒とステムナットの間の摩擦係数の変化の何れかによる過大応力を考慮してトルクスイッチの設定値を適正に調整することを特徴とする電動弁管理装置。 - 請求項1において、
トルクスイッチ作動時におけるスラストとピークスラストと締切スラストのうちの少なくとも二つの相関に基づいて、トルクスイッチの設定値を調整することを特徴とする電動弁管理装置。
Priority Applications (1)
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