JP5579160B2 - 金属膜を有する積層体の製造方法 - Google Patents

金属膜を有する積層体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属膜を有する積層体の製造方法に関する。
従来から、絶縁性基板の表面に金属パターンによる配線を形成した金属配線基板が、電子部品や半導体素子に広く用いられている。
かかる金属パターン材料の作製方法としては、主に、「サブトラクティブ法」が使用される。このサブトラクティブ法とは、基板表面に形成された金属膜上に、活性光線の照射により感光する感光層を設け、この感光層を像様露光し、その後現像してレジスト像を形成し、次いで、金属膜をエッチングして金属パターンを形成し、最後にレジストを剥離する方法である。
この方法により得られる金属パターンにおいては、基板表面に凹凸を設けることにより生じるアンカー効果により、基板と金属パターン(金属膜)との間の密着性を発現させている。そのため、得られた金属パターンを金属配線として使用する際、金属パターンの基板界面部の凹凸に起因して、高周波特性が悪くなるという問題点があった。また、基板表面に凹凸化処理するためには、クロム酸などの強酸で基板表面を処理する必要があるため、基板との密着性に優れた金属パターンを得るためには、煩雑な工程が必要であるという問題点があった。
この問題を解決する手段として、基板上に基板と高密着性を有するポリマー層を形成し、このポリマー層に対してめっきを施して、得られた金属膜をエッチングする方法が知られている(特許文献1)。該方法によれば、基板の表面を粗面化することなく、基板と金属膜との密着性を改良することができる。特に、特許文献1では、所定のエポキシ樹脂を用いて形成される密着補助層を使用した態様が具体的に開示されている。
特開2010−248464号公報
一方、近年、電子機器の小型化、高機能化の要求に対応するため、プリント配線板などの微細配線のより一層の高集積化が進んでいる。それに伴って、配線(金属パターン)の基板に対する密着性のより一層の向上が要求されている。
本発明者らは特許文献1に開示されている金属膜を有する積層体について検討を行ったところ、得られためっき膜(金属膜)の密着性は、必ずしも昨今要求されるレベルには達していないことが明らかになった。特に、昨今要求されるようなより過酷な高温高湿条件に曝された後の金属膜の密着性が劣っていた。
本発明は、上記実情に鑑みて、基板に対する密着性に優れる金属膜を有する積層体の製造方法、および、該製造方法より得られる積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、被めっき層が積層する絶縁膜の表面を、含窒素塩基性化合物を含むアルカリ水溶液を使用して表面処理することにより、上記課題を解決できることを見出した。つまり、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) 基板および上記基板上に配置されるエポキシ樹脂を用いて形成される絶縁層を備える絶縁層付き基板中の上記絶縁層と、第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する含窒素塩基性化合物を含む、液温60℃以上のアルカリ水溶液とを接触させ、上記絶縁層を表面処理する表面処理工程と、
上記絶縁層上に、重合性基およびめっき触媒またはその前駆体と相互作用を形成する官能基を有するポリマーを含む被めっき層形成用組成物を接触させた後、上記絶縁層上の上記被めっき層形成用組成物に対してエネルギーを付与して、上記絶縁層上に被めっき層を形成する被めっき層形成工程と、
上記被めっき層にめっき触媒またはその前駆体を付与する触媒付与工程と、
上記めっき触媒またはその前駆体が付与された被めっき層に対してめっき処理を行い、上記被めっき層上に金属膜を形成するめっき工程と、を備える金属膜を有する積層体の製造方法。
(2) 上記含窒素塩基性化合物が、第1級アミノ基および第2級アミノ基からなる群から選ばれる基を少なくとも2つ以上有する多官能含窒素塩基性化合物である、上記(1)に記載の金属膜を有する積層体の製造方法。
(3) 上記含窒素塩基性化合物が、脂肪族アミンである、上記(1)または(2)に記載の金属膜を有する積層体の製造方法。
(4) 上記アルカリ水溶液のpHが12以上である、上記(1)〜(3)いずれかに記載の金属膜を有する積層体の製造方法。
(5) 上記アルカリ水溶液中に非プロトン性極性溶媒が含有される、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の金属膜を有する積層体の製造方法。
(6) 上記アルカリ水溶液が無機塩基を含む、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の金属膜を有する積層体の製造方法。
(7) 上記(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法より得られる、金属膜を有する積層体。
(8) 上記(7)に記載の金属膜を有する積層体中の上記金属膜をパターン状にエッチングして得られるパターン状金属膜を有する積層体と、上記パターン状金属膜を有する積層体上に設けられる絶縁層とを備える配線基板。
本発明によれば、基板に対する密着性に優れる金属膜を有する積層体の製造方法、および、該製造方法より得られる積層体を提供することができる。
(A)〜(D)は、それぞれ本発明の積層体およびパターン状金属膜を有する積層体の製造方法における各製造工程を順に示す基板から積層体までの模式的断面図である。 (A)〜(E)は、本発明の積層体のエッチング工程の一態様を順に示す模式的断面図である。 (A)〜(F)は、本発明の積層体のエッチング工程の他の態様を順に示す模式的断面図である。 (A)〜(H)は、多層配線基板の製造工程の一態様を順に示す模式的断面図である。 (A)〜(F)は、多層配線基板の製造工程の他の態様を順に示す模式的断面図である。
以下に、本発明の金属膜を有する積層体の製造方法について説明する。
まず、本発明の従来技術と比較した特徴点について詳述する。
本発明においては、被めっき層が積層されるエポキシ樹脂を用いて形成された絶縁層(エポキシ基を含む絶縁層)と、含窒素塩基性化合物を含む所定温度のアルカリ水溶液とを接触させ、絶縁層表面を処理している点が挙げられる。該処理を施すことにより、含窒素塩基性化合物の作用により絶縁層と被めっき層との相溶性が向上し、かつ、絶縁層表面上にアミノ基などの反応性官能基が多く現れることにより、その上に形成される被めっき層との密着性が向上すると推測される。特に、被めっき層を形成するポリマーがイオン性極性基(特に、カルボン酸基)や水酸基を有している場合、絶縁層表面上のアミノ基との間で相互作用(静電相互作用、水素結合など)を形成でき、より金属膜の密着性に優れる。
本発明の金属膜を有する積層体の製造方法は、表面処理工程、被めっき層形成工程、触媒付与工程、めっき工程の4つの工程を備える。
以下に、各工程で使用される材料、および、各工程の手順について詳述する。
<表面処理工程>
表面処理工程は、エポキシ樹脂を用いて形成される絶縁層を備える絶縁層付き基板中の絶縁層と、第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する含窒素塩基性化合物を含む、液温60℃以上のアルカリ水溶液とを接触させ、絶縁層を表面処理する工程である。該工程を施すことにより、絶縁層表面上に反応性官能基としてアミン基が多く現れ、結果として後述する被めっき層との密着性が向上する。
以下に、本工程で使用される材料(基板、アルカリ水溶液など)について詳述し、その後工程の手順について詳述する。
(絶縁層付き基板)
本工程で使用される絶縁層付き基板10は、図1(A)に示されるように、基板12と、エポキシ樹脂を用いて形成される絶縁層14とを含む。
以下に、基板、絶縁層について詳述する。
(基板)
本発明に用いる基板(コア基板)としては、従来知られているいずれの基板(例えば、絶縁性基板)も使用することができ、後述する処理条件に耐えることのできるものが好ましい。
基板の材料は特に制限されないが、例えば、高分子材料、金属材料(例えば、金属合金、金属含有材料、純粋金属、またはこれらに類似したもの)、その他の材料(例えば、紙、プラスチックがラミネートされた紙)、これらの組み合わせ、またはこれらに類似したものなどの様々な材料から形成することができる。
高分子材料としては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などを使用することができ、従来公知の汎用プラスチックまたはエンジニアリングプラスチックを使用することができる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、イソシアネート樹脂、ABS樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニルエーテル、ポリエーテルイミド等が挙げられる。
金属材料の具体例としては、アルミニウム、亜鉛、銅等の混合物、合金、及びこれらのアロイ等から適宜選択される。
また、原紙(非塗工紙)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、バライタ紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂、エマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂脂内添紙、板紙、セルロース繊維紙、セルロースエステル、アセチルセルロース、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポリオレフィンコート紙等の塗工紙も使用できる。合成紙や布等も用いることができる。
また、基板は、その内部、片面または両面に金属配線を有していてもよい。金属配線は、基板の表面に対してパターン状に形成されていてもよいし、全面に形成されていてもよい。代表的には、エッチング処理を利用したサブトラクティブ法で形成されたものや、電解めっきを利用したセミアディティブ法で形成されたものが挙げられ、いずれの工法で形成されたものを用いてもよい。
なお、金属配線が両面に配置されている場合、該金属配線が基板を貫通する貫通導体を介して電気的に接続していてもよい。
また、複数(2以上)の金属配線層と絶縁層を有し、金属配線層が絶縁層を介して交互に配置された多層積層体(積層基板)を基板に使用してもよい。なお、多層積層体では、絶縁層を介して上下に位置する金属配線層同士は、それらの間の絶縁層に形成された貫通導体を介して電気的に接続されていてもよい。
金属配線を構成する材料としては、例えば、銅、銀、錫、パラジウム、金、ニッケル、クロム、タングステン、インジウム、亜鉛、またはガリウムなどが挙げられる。
このような金属配線を有する基板としては、例えば、両面または片面の銅張積層板(CCL)や、この銅張積層板の銅膜をパターン状にしたもの等が用いられ、これらはフレキシブル基板であってもよいし、リジット基板であってもよい。
(絶縁層)
本工程で使用される絶縁層は、エポキシ樹脂を用いて形成される絶縁層である。通常、絶縁層中に、残存するエポキシ基や水酸基などが含まれる。
使用されるエポキシ樹脂は特に制限されず、公知のエポキシ樹脂を使用することができる。例えば、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、酸化型エポキシ樹脂等を用いることができる。
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、アルコール型エポキシ樹脂等が挙げられる。また、グリシジルエステル型エポキシ樹脂としては、ヒドロフタル酸型エポキシ樹脂、ダイマー酸型エポキシ樹脂等が挙げられる。また、グリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、芳香族アミン型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。また、酸化型エポキシ樹脂としては、脂環型エポキシ樹脂等が挙げられる。さらにナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、フェノール骨格とビフェニル骨格を有するノボラック型エポキシ樹脂(ビフェニルノボラックエポキシ樹脂)、リン変性エポキシ樹脂等を用いることもできる。
使用されるエポキシ樹脂のエポキシ当量は特に制限されないが、得られる金属膜の密着性がより優れる点で、100〜1000000(g/eq)が好ましく、100〜10000(g/eq)がより好ましい。
エポキシ樹脂の粘度(25℃)は特に制限されないが、溶媒への溶解性など取り扱い性、得られる金属膜の密着性がより優れる点から、1〜1000Pa・sが好ましく、10〜100Pa・sがより好ましい。
なお、粘度は、エポキシ樹脂を25℃で保持した状態で、一般に用いられる粘度計(例えば、東機産業(株)製E型粘度計(RE−80L))を用いることにより測定される値である。
基板上に絶縁層を製造する方法は特に制限されず、エポキシ樹脂を含む絶縁層形成用組成物を基板上にラミネートして硬化させる方法や、該組成物中に基板を浸漬して基板上の組成物を硬化させる方法や、該組成物を基板上に塗布して基板上の組成物を硬化させる方法などが挙げられる。
絶縁層形成用組成物中には、エポキシ樹脂の硬化剤が含まれていてもよく、従来公知の硬化剤を使用することができる。例えば、イミダゾール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、または、アミン系硬化剤が挙げられる。
また、絶縁層形成用組成物には、必要に応じて、溶媒(例えば、シクロヘキサン)などが含まれていてもよい。
硬化の条件は使用されるエポキシ樹脂および硬化剤の種類に応じて、適宜最適な条件が選択されるが、通常、100〜200℃で15分〜2時間加熱硬化する場合が多い。
使用される絶縁層の厚みは特に制限されないが、金属膜間の絶縁性の担保および経済性の点から、5〜200μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。
絶縁層中には、無機粒子が含まれていてもよい。該無機粒子が含まれることによって、絶縁性がより優れる。
無機粒子としては、例えば、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、カリウム化合物、マグネシウム化合物、ケイ素化合物等からなるものが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
アルミニウム化合物としては、例えば、アルミナ、水酸化アルミニウム等が挙げられる。カルシウム化合物としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。カリウム化合物としては、例えば、炭酸カリウム等が挙げられる。マグネシウム化合物としては、例えば、マグネシア、ドロマイト、塩基性炭酸マグネシウム、タルク等が挙げられる。ケイ素化合物としては、例えば、シリカ、ゼオライト等が挙げられる。
絶縁層中における無機粒子の含有量は特に制限されないが、分散性や絶縁層の成膜性の点から、絶縁層全量に対して、10〜70質量%が好ましく、20〜50質量%がより好ましい。
(アルカリ水溶液)
本工程で使用されるアルカリ水溶液は、第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する含窒素塩基性化合物を含み、液温60℃以上の水溶液である。該水溶液を使用することにより、該含窒素塩基性化合物を上述した絶縁層中のエポキシ基と反応させ、後述する被めっき層との密着性を向上させることができる。
以下に、該アルカリ水溶液に含まれる成分(含窒素塩基性化合物など)について詳述する。
(含窒素塩基性化合物)
含窒素塩基性化合物は、第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有していればよい。なかでも、得られる金属膜の密着性がより優れる点で、第1級アミノ基および第2級アミノ基からなる群から選ばれる基を少なくとも2つ以上有する多官能含窒素塩基性化合物であることが好ましい。
該多官能含窒素塩基性化合物は、第1級アミノ基と第2級アミノ基とを合計で少なくとも2個以上有していればよく、本発明の効果がより優れる点で、3個以上であることがより好ましい。なお、該多官能含窒素塩基性化合物は、第1級アミノと第2級アミノ基とを有していてもよい。
含窒素塩基性化合物としては、例えば、脂肪族アミン(例えば、脂肪族第一級アミン、脂肪族第二級アミン、アミノアルコール、脂環式アミン)、芳香族アミンなどが挙げられる。なかでも、得られる金属膜の密着性がより優れる点で、脂肪族アミンが好ましく、脂肪族第一級アミン、脂肪族第二級アミン、アミノアルコールがより好ましく、脂肪族第一級アミン、脂肪族第二級アミンがさらに好ましい。
より具体的には、エタノールアミン、置換もしくは未置換のグアニジン、置換もしくは未置換のアミノピリジン、置換もしくは未置換のアミノアルキルピリジン、置換もしくは未置換のアミノピロリジン、置換もしくは未置換のピペラジン、置換もしくは未置換のアミノモルフォリン、置換もしくは未置換のアミノアルキルモルフォリン、またはこれらの塩等が挙げられる。
アルカリ水溶液中における含窒素塩基性化合物の含有量は使用される種類に応じて適宜選択されるが、アルカリ水溶液全量に対して、0.05質量%以上であることが好ましく、0.05〜5質量%であることが好ましく、0.1〜2質量%であることがより好ましい。
アルカリ水溶液の液温は、60℃以上である。液温が所定の温度以上であることにより、絶縁層表面の活性化が達成される。なお、上限については特に制限されないが、溶媒として水などを使用する点から、85℃以下であることが好ましい。
液温が60℃未満の場合、得られる積層体中の金属膜の密着性が劣る。
アルカリ水溶液はアルカリ性を示していればよいが、金属膜の密着性がより優れる点で、pHは8以上であることが好ましく、12以上であることが好ましい。上限は特に制限されないが、被めっき層へ損傷を抑制する点から、14以下であることが好ましい。
アルカリ水溶液に使用される溶媒は特に制限されないが、通常、水が使用される。
(任意成分:有機溶媒)
アルカリ水溶液は、水溶性有機溶媒を含んでいてもよい。該水溶性有機溶媒が含まれていると、得られる金属膜の密着性がより優れる。
水溶性有機溶媒の種類は特に制限されないが、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒、アセトンのようなケトン系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホン、テトラメチレンスルホン等のスルホン系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−プロピル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン等のラクタム系溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコール系溶媒が挙げられる。
水溶性有機溶媒の中でも、得られる金属膜の密着性がより優れる点で、非プロトン性極性溶媒が好ましい。該溶媒がアルカリ水溶液中に含まれていると、含窒素塩基性化合物と上記絶縁層との反応が促進され、その上に形成される被めっき層との密着性が向上し、結果として金属膜の密着性が向上する。
非プロトン性極性溶媒としては、例えば、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、4−ブチロラクトン、スルホラン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
アルカリ水溶液中における水溶性有機溶媒(または非プロトン性極性溶媒)の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、アルカリ水溶液全量に対して、0.01〜20質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
(任意成分:無機塩基)
アルカリ水溶液は、無機塩基を含んでいてもよい。該無機塩基が含まれていると、得られる金属膜の密着性がより優れる。
無機塩基の種類は特に制限されず、例えば、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)などが挙げられる。
アルカリ水溶液中における無機塩基の含有量は特に制限されないが、金属膜の密着性がより優れる点で、アルカリ水溶液全量に対して、2質量%以上であることが好ましく、4質量%以上であることがより好ましい。なお、上限は特に制限されないが、溶媒への溶解性、および、被めっき層へ損傷を抑制する点から、6質量%以下であることが好ましい。
(任意成分:界面活性剤)
本工程で使用されるアルカリ水溶液は、界面活性剤を含有していてもよい。
使用される界面活性剤の種類は特に制限されず、絶縁層や被めっき層の種類により適宜最適な界面活性剤が選択される。例えば、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
より具体的には、アニオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルまたはアルケニルエーテル硫酸塩、アルキルまたはアルケニル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸またはエステル塩、アルカンスルホン酸塩、飽和または不飽和脂肪酸塩、アルキルまたはアルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、アルキルまたはアルケニルリン酸エステルまたはその塩等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミドまたはそのアルキレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコキシド、脂肪酸グリセリンモノエステル、アルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルカチオン系界面活性剤、アミド型4級カチオン系界面活性剤、エステル型4級カチオン系界面活性剤等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシル型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤等を挙げることができる。
なかでも、金属膜の密着性がより優れる点で、ノニオン系界面活性剤またはアニオン性界面活性剤が好ましく、より好ましくはポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルベンゼンスルホン酸塩が挙げられる。
アルカリ水溶液中における界面活性剤の含有量は使用される種類に応じて適宜選択されるが、アルカリ水溶液全量に対して、0.05〜5質量%であることが好ましく、0.1〜2質量%であることがより好ましい。
(工程の手順)
絶縁層付き基板中の絶縁層と上記アルカリ水溶液との接触方法は特に制限されず、公知の方法を使用することができる。例えば、絶縁層付き基板をアルカリ水溶液中に浸漬する方法や、アルカリ水溶液を絶縁層付き基板に塗布する方法が挙げられる。
絶縁層とアルカリ水溶液との接触時間は使用される絶縁層やアルカリ水溶液の種類によって適宜選択されるが、生産性および金属膜の密着性の点より、1〜15分が好ましく、1〜5分がより好ましい。
上記手順により表面処理された絶縁層の表面の接触角は、金属膜の密着性がより向上する点で、80°以下であることが好ましく、60°以下であることがより好ましい。なお、下限は特に制限されないが、30°以上であることが多い。
なお、接触角の測定方法は、滴下した水の頂点と絶縁層との2点の接点を用いる接線法である。
<被めっき層形成工程>
被めっき層形成工程は、上記絶縁層上に、めっき触媒またはその前駆体と相互作用を形成する官能基(以後、適宜相互作用性基とも称する)と重合性基とを有するポリマーを含む被めっき層形成用組成物を塗布した後、絶縁層上の被めっき層形成用組成物に対してエネルギーを付与して、絶縁層上に被めっき層を形成する工程である。
より具体的には、該工程において、図1(B)に示すように、絶縁層14の上部に被めっき層16が形成される。
該工程によって形成される被めっき層は、ポリマー中に含まれる相互作用性基の機能に応じて、後述する触媒付与工程でめっき触媒またはその前駆体を吸着(付着)する。つまり、被めっき層は、めっき触媒またはその前駆体の良好な受容層として機能する。また、重合性基は、ポリマー同士の結合や、絶縁層との化学結合に利用される。その結果、被めっき層の表面に形成される金属膜(めっき膜)と、基板との間に優れた密着性が発現する。
まず、本工程で使用される材料(ポリマー、被めっき層形成用組成物など)について詳述し、その後、該工程の手順について詳述する。
(被めっき層形成用組成物)
被めっき層形成用組成物には、重合性基とめっき触媒またはその前駆体と相互作用を形成する官能基とを有するポリマーが含まれる。
以下に、該組成物中に含まれる材料(ポリマーなど)について詳述する。
(ポリマー)
本発明で使用されるポリマーは、重合性基とめっき触媒またはその前駆体と相互作用を形成する官能基(以後、適宜相互作用性基とも称する)を有する。
(重合性基)
重合性基は、エネルギー付与により、ポリマー同士、または、ポリマーと絶縁層との間に化学結合を形成しうる官能基であり、例えば、ラジカル重合性基、カチオン重合性基などが挙げられる。なかでも、反応性の観点から、ラジカル重合性基が好ましい。ラジカル重合性基としては、例えば、アクリル酸エステル基、メタクリル酸エステル基、イタコン酸エステル基、クロトン酸エステル基、イソクロトン酸エステル基、マレイン酸エステル基などの不飽和カルボン酸エステル基、スチリル基、ビニル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基などが挙げられる。なかでも、メタクリル酸エステル基、アクリル酸エステル基、ビニル基、スチリル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基が好ましく、メタクリル酸エステル基、アクリル酸エステル基、スチリル基が特に好ましい。
(相互作用性基)
相互作用性基は、めっき触媒またはその前駆体と相互作用する官能基(配位性基、金属イオン吸着性基)であり、めっき触媒またはその前駆体と静電相互作用を形成可能な官能基、あるいは、めっき触媒またはその前駆体と配位形成可能な含窒素官能基、含硫黄官能基、含酸素官能基などを使用することができる。
相互作用性基としては、例えば、非解離性官能基(解離によりプロトンを生成しない官能基)なども挙げられる。
相互作用性基としてより具体的には、アミノ基、アミド基、イミド基、ウレア基、3級のアミノ基、アンモニウム基、アミジノ基、トリアジン環、トリアゾール環、ベンゾトリアゾール基、イミダゾール基、ベンズイミダゾール基、キノリン基、ピリジン基、ピリミジン基、ピラジン基、ナゾリン基、キノキサリン基、プリン基、トリアジン基、ピペリジン基、ピペラジン基、ピロリジン基、ピラゾール基、アニリン基、アルキルアミン構造を含む基、イソシアヌル構造を含む基、ニトロ基、ニトロソ基、アゾ基、ジアゾ基、アジド基、シアノ基、シアネート基(R−O−CN)などの含窒素官能基;エーテル基、水酸基、フェノール性水酸基、カルボキシル基、カーボネート基、カルボニル基、エステル基、N−オキシド構造を含む基、S−オキシド構造を含む基、N−ヒドロキシ構造を含む基などの含酸素官能基;チオフェン基、チオール基、チオウレア基、チオシアヌール酸基、ベンズチアゾール基、メルカプトトリアジン基、チオエーテル基、チオキシ基、スルホキシド基、スルホン基、サルファイト基、スルホキシイミン構造を含む基、スルホキシニウム塩構造を含む基、スルホン酸基、スルホン酸エステル構造を含む基などの含硫黄官能基;ホスフォート基、ホスフォロアミド基、ホスフィン基、リン酸エステル構造を含む基などの含リン官能基;塩素、臭素などのハロゲン原子を含む基などが挙げられ、塩構造をとりうる官能基においてはそれらの塩も使用することができる。
なかでも、極性が高く、めっき触媒またはその前駆体などへの吸着能が高いことから、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、およびボロン酸基などのイオン性極性基や、エーテル基、またはシアノ基が特に好ましく、カルボキシル基またはシアノ基がさらに好ましい。
相互作用性基としてのこれら官能基は、ポリマー中に2種以上が含まれていてもよい。
なお、上記エーテル基としては、以下の式(X)で表されるポリオキシアルキレン基が好ましい。
式(X) *−(YO)n−Rc
式(X)中、Yはアルキレン基を表し、Rcはアルキル基を表す。nは1〜30の数を表す。*は結合位置を表す。
アルキレン基としては、炭素数1〜3が好ましく、具体的には、エチレン基、プロピレン基が好ましく挙げられる。
アルキル基としては、炭素数1〜10が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基が好ましく挙げられる。
nは1〜30の数を表し、好ましくは3〜23である。なお、nは平均値を表し、該数値は公知の方法(NMR)などによって測定できる。
ポリマーの重量平均分子量は特に制限されないが、1000以上70万以下が好ましく、更に好ましくは2000以上20万以下である。特に、重合感度の観点から、20000以上であることが好ましい。
また、ポリマーの重合度は特に制限されないが、10量体以上のものを使用することが好ましく、更に好ましくは20量体以上のものである。また、7000量体以下が好ましく、3000量体以下がより好ましく、2000量体以下が更に好ましく、1000量体以下が特に好ましい。
(好適態様1)
ポリマーの第1の好ましい態様として、下記式(a)で表される重合性基を有するユニット(以下、適宜重合性基ユニットとも称する)、及び、下記式(b)で表される相互作用性基を有するユニット(以下、適宜相互作用性基ユニットとも称する)を含む共重合体が挙げられる。なお、ユニットとは繰り返し単位を意味する。
上記式(a)および式(b)中、R1〜R5は、それぞれ独立して、水素原子、または置換若しくは無置換のアルキル基を表す。
1〜R5が、置換または無置換のアルキル基である場合、無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、またはブチル基が挙げられる。また、置換アルキル基としては、メトキシ基、塩素原子、臭素原子、またはフッ素原子等で置換された、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。
なお、R1としては、水素原子、メチル基、または、臭素原子で置換されたメチル基が好ましい。
2としては、水素原子、メチル基、または、臭素原子で置換されたメチル基が好ましい。
3としては、水素原子が好ましい。
4としては、水素原子が好ましい。
5としては、水素原子、メチル基、または、臭素原子で置換されたメチル基が好ましい。
上記式(a)および式(b)中、X、Y、およびZは、それぞれ独立して、単結合、または、置換若しく無置換の二価の有機基を表す。二価の有機基としては、置換若しくは無置換の二価の脂肪族炭化水素基(好ましくは炭素数1〜8)、置換若しくは無置換の二価の芳香族炭化水素基(好ましくは炭素数6〜12)、−O−、−S−、−SO2−、−N(R)−(R:アルキル基)、−CO−、−NH−、−COO−、−CONH−、またはこれらを組み合わせた基(例えば、アルキレンオキシ基、アルキレンオキシカルボニル基、アルキレンカルボニルオキシ基など)などが挙げられる。
置換または無置換の二価の脂肪族炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、若しくはブチレン基、または、これらの基が、メトキシ基、塩素原子、臭素原子、若しくはフッ素原子等で置換されたものが好ましい。
置換または無置換の二価の芳香族炭化水素基としては、無置換のフェニレン基、または、メトキシ基、塩素原子、臭素原子、若しくはフッ素原子等で置換されたフェニレン基が好ましい。
X、Y、およびZとしては、単結合、エステル基(−COO−)、アミド基(−CONH−)、エーテル基(−O−)、または置換若しくは無置換の二価の芳香族炭化水素基などが好ましく挙げられ、より好ましくは単結合、エステル基(−COO−)、アミド基(−CONH−)である。
上記式(a)および式(b)中、L1およびL2は、それぞれ独立して、単結合、または、置換若しくは無置換の二価の有機基を表す。二価の有機基の定義としては、上述したX、Y、およびZで述べた二価の有機基と同義である。
1としては、脂肪族炭化水素基、または、ウレタン結合またはウレア結合を有する二価の有機基(例えば、脂肪族炭化水素基)が好ましく、中でも、総炭素数1〜9であるものが好ましい。なお、ここで、L1の総炭素数とは、L1で表される置換若しくは無置換の二価の有機基に含まれる総炭素原子数を意味する。
1の構造として、より具体的には、下記式(1−1)、または、式(1−2)で表される構造であることが好ましい。
上記式(1−1)および式(1−2)中、RaおよびRbは、それぞれ独立して、炭素原子、水素原子、及び酸素原子からなる群より選択される2つ以上の原子を用いて形成される二価の有機基である。好ましくは、置換若しくは無置換の、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、若しくはブチレン基、または、エチレンオキシド基、ジエチレンオキシド基、トリエチレンオキシド基、テトラエチレンオキシド基、ジプロピレンオキシド基、トリプロピレンオキシド基、テトラプロピレンオキシド基が挙げられる。
また、L2は、単結合、または、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキレン基、芳香族基、またはこれらを組み合わせた基であることが好ましい。該アルキレン基と芳香族基とを組み合わせた基は、更に、エーテル基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレア基を介していてもよい。中でも、L2は、単結合、または、総炭素数が1〜15であることが好ましく、特に無置換であることが好ましい。なお、ここで、L2の総炭素数とは、L2で表される置換または無置換の二価の有機基に含まれる総炭素原子数を意味する。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、フェニレン基、およびこれらの基が、メトキシ基、ヒドロキシ基、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等で置換されたもの、更には、これらを組み合わせた基が挙げられる。
上記式(b)中、Wは、めっき触媒またはその前駆体と相互作用する官能基を表す。該官能基の定義は、上述の相互作用性基の定義と同じである。
上記式(a)で表される重合性基ユニットの好適態様としては、下記式(c)で表されるユニットが挙げられる。
式(c)中、R1、R2、ZおよびL1は、式(a)で表されるユニット中の各基の定義と同じである。Aは、酸素原子、またはNR(Rは、水素原子またはアルキル基を表し、好ましくは、水素原子または炭素数1〜5の無置換のアルキル基である。)を表す。
式(c)で表されるユニットの好適態様として、式(d)で表されるユニットが挙げられる。
式(d)中、R1、R2、およびL1は、式(a)で表されるユニット中の各基の定義と同じである。AおよびTは、酸素原子、またはNR(Rは、水素原子またはアルキル基を表し、好ましくは、水素原子または炭素数1〜5の無置換のアルキル基である。)を表す。
上記式(d)において、Tは、酸素原子であることが好ましい。
また、上記式(c)および式(d)において、L1は、無置換のアルキレン基、または、ウレタン結合若しくはウレア結合を有する二価の有機基が好ましく、ウレタン結合を有する二価の有機基がより好ましく、総炭素数1〜9であるものが特に好ましい。
また、式(b)で表される相互作用性基ユニットの好適態様としては、下記式(e)または式(f)で表されるユニットが挙げられる。
上記式(e)中、R5およびL2は、式(b)で表されるユニット中の各基の定義と同じである。Qは、酸素原子、またはNR’(R’は、水素原子、またはアルキル基を表し、好ましくは、水素原子、または炭素数1〜5の無置換のアルキル基である。)を表す。
また、式(e)におけるL2は、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキレン基、芳香族基、または、これらを組み合わせた基であることが好ましい。
特に、式(e)においては、L2中の相互作用性基との連結部位が、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキレン基を有する二価の有機基であることが好ましく、中でも、この二価の有機基が総炭素数1〜10であることが好ましい。
また、別の好ましい態様としては、式(e)におけるL2中の相互作用性基との連結部位が、芳香族基を有する二価の有機基であることが好ましく、中でも、該二価の有機基が、総炭素数6〜15であることが好ましい。
式(f)中、WおよびR5は、式(b)で表されるユニット中の各基の定義と同じである。
上記重合性基ユニットは、ポリマー中の全ユニットに対して、5〜50モル%で含まれることが好ましく、更に好ましくは5〜40モル%である。5モル%未満では反応性(硬化性、重合性)が落ちる場合があり、50モル%超では合成の際にゲル化しやすく合成しにくい。
また、上記相互作用性基ユニットは、無電解めっき触媒またはその前駆体に対する吸着性の観点から、ポリマー中の全ユニットに対して、5〜95モル%で含まれることが好ましく、更に好ましくは10〜95モル%である。
(好適態様2)
ポリマーの第2の好ましい態様としては、下記式(A)、式(B)、および式(C)で表されるユニットを含む共重合体が挙げられる。
式(A)で表されるユニットは上記式(a)で表されるユニットと同じであり、各基の説明も同じである。
式(B)で表されるユニット中のR5、XおよびL2は、上記式(b)で表されるユニット中のR5、XおよびL2と同じであり、各基の説明も同じである。
式(B)中のWaは、後述するVで表される親水性基またはその前駆体基を除くめっき触媒またはその前駆体と相互作用を形成する官能基を表す。
式(C)中、R6は、それぞれ独立して、水素原子、または置換若しくは無置換のアルキル基を表す。アルキル基の定義は、上述したR1〜R5で表されるアルキル基と同義である。
式(C)中、Uは、単結合、または、置換若しく無置換の二価の有機基を表す。二価の有機基の定義は、上述したX、YおよびZで表される二価の有機基と同義であり、好適態様も同じである。
式(C)中、L3は、単結合、または、置換若しく無置換の二価の有機基を表す。二価の有機基の定義は、上述したL1およびL2で表される二価の有機基と同義であり、好適態様はL1の好適態様と同じである。
式(C)中、Vは親水性基またはその前駆体基を表す。親水性基とは親水性を示す基であれば特に限定されず、例えば、水酸基、カルボン酸基などが挙げられる。また、親水性基の前駆体基とは、所定の処理(例えば、酸またはアルカリにより処理)により親水性基を生じる基を意味し、例えば、THP(2−テトラヒドロピラニル基)で保護したカルボキシ基などが挙げられる。
親水性基としては、被めっき層が各種水性処理液やめっき液と濡れ易くなるため、イオン性極性基であることが好ましい。イオン性極性基としては、具体的には、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、ボロン酸基が挙げられる。中でも、適度な酸性(他の官能基を分解しない)という点から、カルボン酸基が好ましい。
上記ポリマーの第2の好ましい態様における各ユニットの好ましい含有量は、以下の通りである。
式(A)で表されるユニットは、反応性(硬化性、重合性)および合成の際のゲル化の抑制の点から、ポリマー中の全ユニットに対して、5〜50モル%で含まれることが好ましく、更に好ましくは5〜30モル%である。
式(B)で表されるユニットは、めっき触媒またはその前駆体に対する吸着性の観点から、ポリマー中の全ユニットに対して、5〜75モル%で含まれることが好ましく、更に好ましくは10〜70モル%である。
式(C)で表されるユニットは、水溶液による現像性と耐湿密着性の点から、ポリマー中の全ユニットに対して、10〜70モル%で含まれることが好ましく、更に好ましくは20〜60モル%であり、特に好ましくは30〜50モル%である。
なお、ポリマーの第2の好ましい態様におけるイオン性極性価(イオン性極性基がカルボン酸基の場合は酸価)としては、1.5〜7.0mmol/gが好ましく、1.7〜5.0mmol/gが更に好ましく、特に好ましくは1.9〜4.0mmol/gである。イオン性極性価がこの範囲であることで、水溶液での現像性付与と湿熱経時時の密着力低下の抑制とを両立させることができる。
上記ポリマーの具体例としては、ラジカル重合性基とめっき触媒またはその前駆体と相互作用を形成する官能基を有するポリマーとしては、特開2009−007540号公報の段落[0106]〜[0112]に記載のポリマーが使用できる。また、ラジカル重合性基とイオン性極性基とを有するポリマーとしては、特開2006−135271号公報の段落[0065]〜[0070]に記載のポリマーが使用できる。ラジカル重合性基とめっき触媒またはその前駆体と相互作用を形成する官能基とイオン性極性基とを有するポリマーとしては、US2010−080964号の段落[0030]〜[0108]に記載のポリマーが使用できる。
該ポリマーは、公知の方法により製造することができる。
被めっき層形成用組成物には上記ポリマーが含有される。
被めっき層形成用組成物中のポリマーの含有量は特に制限されないが、組成物全量に対して、2〜50質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。上記範囲内であれば、組成物の取扱い性に優れ、被めっき層の層厚の制御がしやすい。
(溶剤)
被めっき層形成用組成物には、溶剤が含まれることが好ましい。
使用できる溶剤は特に限定されず、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール系溶剤、酢酸などの酸、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶剤、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル系溶剤、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのカーボネート系溶剤、この他にも、エーテル系溶剤、グリコール系溶剤、アミン系溶剤、チオール系溶剤、ハロゲン系溶剤などが挙げられる。
この中でも、アミド系溶剤、ケトン系溶剤、ニトリル系溶剤、カーボネート系溶剤が好ましく、具体的には、アセトン、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトニトリル、プロピオニトリル、N−メチルピロリドン、ジメチルカーボネートが好ましい。
被めっき層形成用組成物中の溶剤の含有量は特に制限されないが、組成物全量に対して、50〜98質量%が好ましく、70〜95質量%がより好ましい。上記範囲内であれば、組成物の取扱い性に優れ、被めっき層の層厚の制御などがしやすい。
(重合性モノマー)
被めっき層形成用組成物には、公知の重合性モノマーが含まれていてもよい。例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、アクリロイル基、メタクリロイル基、エタクリロイル基、アクリルアミド基、アリル基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基等の重合性基を含む化合物(モノマー)などが挙げられる。
なお、重合性モノマーとしては、上記重合性基を2つ以上有する多官能重合性モノマーであってもよい。
重合性モノマーとしては、式(1)で表される化合物が好ましく挙げられる。該化合物のスルホン酸基にめっき触媒またはその前駆体が吸着しやすく、結果として金属膜の密着性がより向上する。
式(1)中、R10は、水素原子、金属カチオン、または第四級アンモニウムカチオンを表す。金属カチオンとしては、例えば、アルカリ金属カチオン(ナトリウムイオン、カルシウムイオン)、銅イオン、パラジウムイオン、銀イオンなどが挙げられる。なお、金属カチオンとしては、主に1価または2価のものが使用され、2価のもの(例えば、パラジウムイオン)が使用される場合、後述するnは2を表す。第四級アンモニウムカチオンとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンなどが挙げられる。
なかでも、無電解めっき触媒金属の付着、および、パターニング後の金属残渣がより抑制される点から、水素原子であることが好ましい。
10は、単結合、または、二価の有機基を表す。二価の有機基の定義は、上述したX、Y、およびZで述べた二価の有機基と同義である。
11〜R13は、それぞれ独立して、水素原子、または置換若しくは無置換のアルキル基を表す。無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、またはブチル基が挙げられる。また、置換アルキル基としては、メトキシ基、塩素原子、臭素原子、またはフッ素原子等で置換された、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。
なお、R11としては、水素原子、またはメチル基が好ましい。
12としては、水素原子が好ましい。
13としては、水素原子が好ましい。
nは、1または2の整数を表す。なかでも、化合物の入手性の観点から、nは1であることが好ましい。
式(1)で表される化合物の好適態様として、式(2)で表される化合物が挙げられる。
式(2)中、R10、R11およびnは、上記の定義と同じである。
11は、エステル基(−COO−)、アミド基(−CONH−)、またはフェニレン基を表す。なかでも、L11がアミド基であると、得られる被めっき層の重合性、および、耐溶剤性(例えば、アルカリ溶剤耐性)が向上する。
12は、単結合、2価の脂肪族炭化水素基(好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数3〜5)、または2価の芳香族炭化水素基を表す。脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状であってもよい。なお、L12が単結合の場合、L11はフェニレン基を表す。
式(1)で表される化合物の分子量は特に制限されないが、揮発性、溶剤への溶解性、成膜性、および、取扱い性などの観点から、100〜1000が好ましく、100〜300がより好ましい。
被めっき層形成用組成物中の重合性モノマーの含有量は特に制限されないが、組成物全量に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜2質量%がより好ましい。上記範囲内であれば、組成物の取扱い性に優れ、被めっき層の層厚の制御などがしやすい。
(工程の手順)
上述した被めっき層形成用組成物を絶縁層上に接触させる方法は特に限定されず、被めっき層形成用組成物を直接基板上にラミネートする方法や、被めっき層形成用組成物が溶剤を含む液状である場合、組成物を絶縁層上に塗布する方法などが挙げられる。得られる被めっき層の厚みを制御しやすい点から、組成物を絶縁層上に塗布する方法が好ましい。塗布の方法は特に制限されず、具体的な方法としては、スピンコート、デップコート、ダブルロールコータ、スリットコータ、エアナイフコータ、ワイヤーバーコータ、スライドホッパー、スプレーコーティング、ブレードコータ、ドクターコータ、スクイズコータ、リバースロールコータ、トランスファーロールコータ、エクストロージョンコータ、カーテンコータ、ダイコータ、グラビアロールによる塗工法、押し出し塗布法、ロール塗布法等の公知の方法を用いることができる。
取り扱い性や製造効率の観点からは、被めっき層形成用組成物を絶縁層上に塗布・乾燥させて、含まれる溶剤を除去し、ポリマーを含む組成物層を形成する態様が好ましい。
被めっき層形成用組成物を絶縁層に塗布する場合、その塗布量は、後述するめっき触媒またはその前駆体との充分な相互作用形成性の観点から、固形分換算で0.1g/m2〜10g/m2が好ましく、特に0.5g/m2〜5g/m2が好ましい。
なお、本工程において被めっき層を形成するに際しては、塗布と乾燥との間に、20〜40℃で0.5時間〜2時間放置させて、残存する溶剤を除去してもよい。
(エネルギーの付与)
基板上の被めっき層形成用組成物(ポリマーを含む層)にエネルギー付与を行う方法は特に制限されないが、例えば、光(紫外線、可視光線、X線など)、プラズマ(酸素、窒素、二酸化炭素、アルゴンなど)、熱、電気、湿気硬化、化学硬化(例えば、酸化性の液体(過マンガン酸カリウム溶液)などによって表面を化学的に分解する)などの公知の方法を用いることができる。なかでも、露光処理または加熱処理が好ましく、露光処理が特に好ましい。
また、エネルギー付与の雰囲気は特に制限されず、窒素、ヘリウム、二酸化炭素等の不活性ガスによる置換を行い、酸素濃度を600ppm以下、好ましくは400ppm以下に抑制した雰囲気で実施してもよい。
露光の場合には、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、Deep−UV光、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯などによる光照射等、赤外線レーザーによる走査露光、キセノン放電灯などの高照度フラッシュ露光、赤外線ランプ露光等があり、オゾン発生の少ないオゾンレスタイプもある。他に、放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線などがある。また、g線、i線、高密度エネルギービーム(レーザービーム)も使用することができる。なかでも、250nm〜450nmの露光波長で露光することが好ましい。
露光エネルギーとしては、10〜8000mJ程度であればよく、好ましくは100〜3000mJの範囲である。
熱によって硬化する場合は、一般の熱ヒートローラー、ラミネーター、ホットスタンプ、電熱板、サーマルヘッド、レーザー、送風乾燥機、オーブン、ホットプレート、赤外線乾燥機、加熱ドラム等を用いることができる。
得られる被めっき層の厚みは特に制限されないが、金属膜の基板への密着性の点から、0.01〜10μmが好ましく、0.05〜5μmがより好ましい。
また、乾燥膜厚で0.05〜20g/m2が好ましく、特に0.1〜6g/m2が好ましい。
さらに、被めっき層の表面粗さ(Ra)は、配線形状および密着強度の点から、0.01〜0.3μmが好ましく、0.02〜0.15μmがより好ましい。なお、表面粗さ(Ra)は、非接触式干渉法により、JIS B 0601(20010120改訂)に記載のRaに基づき、サーフコム3000A(東京精密(株)製)を用いて測定した。
なお、被めっき層中におけるポリマーの含有量は、被めっき層全量に対して、2質量%〜100質量%であることが好ましく、更に好ましくは10質量%〜100質量%の範囲である。
また、エネルギー付与を行う際に、パターン状にエネルギー付与を行い、その後公知の現像処理によりエネルギー未照射部を除去して、パターン状の被めっき層を形成してもよい。
<触媒付与工程>
触媒付与工程では、上記被めっき層形成工程で得られた被めっき層にめっき触媒またはその前駆体を付与する。
本工程においては、ポリマー由来の相互作用性基がその機能に応じて、付与されためっき触媒またはその前駆体を付着(吸着)する。より具体的には、被めっき層中、および被めっき層表面上に、めっき触媒またはその前駆体を付与する。
ここで、めっき触媒またはその前駆体としては、後述するめっき工程における、めっき処理の触媒や電極として機能するものが挙げられる。そのため、めっき触媒またはその前駆体は、めっき工程におけるめっき処理の種類により決定されるが、無電解めっき触媒またはその前駆体であることが好ましい。
まず、本工程で使用される材料(めっき触媒またはその前駆体など)について詳述し、その後該工程の手順について詳述する。
(無電解めっき触媒)
本工程において用いられる無電解めっき触媒は、無電解めっき時の活性核となるものであれば、如何なるものも用いることができ、具体的には、自己触媒還元反応の触媒能を有する金属(Niよりイオン化傾向の低い無電解めっきできる金属として知られるもの)などが挙げられる。具体的には、Pd、Ag、Cu、Ni、Al、Fe、Coなどが挙げられる。中でも、触媒能の高さから、Ag、Pdが特に好ましい。
この無電解めっき触媒は、金属コロイドとして用いてもよい。一般に、金属コロイドは、荷電を持った界面活性剤または荷電を持った保護剤が存在する溶液中において、金属イオンを還元することにより作製することができる。金属コロイドの荷電は、ここで使用される界面活性剤または保護剤により調節することができる。
(無電解めっき触媒前駆体)
本工程において用いられる無電解めっき触媒前駆体とは、化学反応により無電解めっき触媒となりうるものであれば、特に制限なく使用することができる。主には、上記無電解めっき触媒として挙げた金属の金属イオンが用いられる。無電解めっき触媒前駆体である金属イオンは、還元反応により無電解めっき触媒である0価金属になる。無電解めっき触媒前駆体である金属イオンは、被めっき層へ付与した後、無電解めっき浴への浸漬前に、別途還元反応により0価金属に変化させて無電解めっき触媒としてもよいし、無電解めっき触媒前駆体のまま無電解めっき浴に浸漬し、無電解めっき浴中の還元剤により金属(無電解めっき触媒)に変化させてもよい。
無電解めっき触媒前駆体である金属イオンは、金属塩を用いて被めっき層に付与することが好ましい。使用される金属塩としては、適切な溶媒に溶解して金属イオンと塩基(陰イオン)とに解離されるものであれば特に制限はなく、M(NO3)n、MCln、M2/n(SO4)、M3/n(PO4)(Mは、n価の金属原子を表す)などが挙げられる。金属イオンとしては、上記の金属塩が解離したものを好適に用いることができる。具体例としては、Agイオン、Cuイオン、Alイオン、Niイオン、Coイオン、Feイオン、Pdイオンが挙げられ、中でも、多座配位可能なものが好ましく、特に、配位可能な官能基の種類数および触媒能の点で、Agイオン、Pdイオンが好ましい。
本発明で用いられる無電解めっき触媒またはその前駆体の好ましい例の一つとして、パラジウム化合物が挙げられる。このパラジウム化合物は、めっき処理時に活性核となり金属を析出させる役割を果たす、めっき触媒(パラジウム)またはその前駆体(パラジウムイオン)として作用する。パラジウム化合物としては、パラジウムを含み、めっき処理の際に核として作用すれば、特に限定されないが、例えば、パラジウム(II)塩、パラジウム(0)錯体、パラジウムコロイドなどが挙げられる。
また、無電解めっき触媒またはその前駆体としては、銀、または銀イオンが好ましい別の例として挙げられる。
銀イオンを用いる場合、以下に示すような銀化合物が解離したものを好適に用いることができる。銀化合物の具体例としては、硝酸銀、酢酸銀、硫酸銀、炭酸銀、シアン化銀、チオシアン酸銀、塩化銀、臭化銀、クロム酸銀、クロラニル酸銀、サリチル酸銀、ジエチルジチオカルバミン酸銀、ジエチルジチオカルバミド酸銀、p−トルエンスルホン酸銀が挙げられる。この中でも、水溶性の観点から硝酸銀が好ましい。
(その他の触媒)
本発明において、被めっき層に対して無電解めっきを行わず直接電解めっきを行うために用いられる触媒として、上述した以外の0価金属も使用することができる。
(めっき触媒液)
上記のようなめっき触媒またはその前駆体は、分散液や溶液(めっき触媒液)として被めっき層に付与されることが好ましい。
分散液や溶液には、有機溶剤や水が用いられる。有機溶剤を含有することで、被めっき層に対するめっき触媒またはその前駆体の浸透性が向上し、相互作用性基に効率よくめっき触媒またはその前駆体を吸着させることができる。
分散液や溶液の調製に用いられる有機溶剤としては、被めっき層に浸透しうる溶剤であれば特に制限は無いが、具体的には、アセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、エチレングリコールジアセテート、シクロヘキサノン、アセチルアセトン、アセトフェノン、2−(1−シクロヘキセニル)シクロヘキサノン、プロピレングリコールジアセテート、トリアセチン、ジエチレングリコールジアセテート、ジオキサン、N−メチルピロリドン、ジメチルカーボネート、ジメチルセロソルブなどを用いることができる。
(工程の手順)
めっき触媒またはその前駆体を被めっき層に付与する方法は、特に制限されない。
例えば、めっき触媒液(金属を適当な分散媒に分散した分散液、または、金属塩を適切な溶媒で溶解し、解離した金属イオンを含む溶液)を調製し、そのめっき触媒液を被めっき層上に塗布する方法、または、めっき触媒液中に被めっき層が形成された基板を浸漬する方法などが挙げられる。
被めっき層とめっき触媒液の接触時間としては、30秒〜24時間程度であることが好ましく、1分〜1時間程度であることがより好ましい。
接触時のめっき触媒液の温度は、10〜60℃程度であることが好ましく、10〜30℃程度であることがより好ましい。
被めっき層のめっき触媒またはその前駆体の吸着量に関しては、使用するめっき浴種、触媒金属種、被めっき層の相互作用性基類、使用方法等により異なるが、めっきの析出性の観点から、5〜1000mg/m2が好ましく、10〜800mg/m2がより好ましく、20〜600mg/m2が特に好ましい。
<めっき工程>
めっき工程は、触媒付与工程で得られためっき触媒またはその前駆体が吸着した被めっき層に対してめっき処理を行い、被めっき層上に金属膜を形成する工程である。
より具体的には、図1(C)に示すように、本工程においては、金属膜18が、被めっき層16上に形成される。
本工程において行われるめっき処理の種類は、無電解めっき、電解めっき等が挙げられ、上記工程において、被めっき層との間に相互作用を形成しためっき触媒またはその前駆体の機能によって、選択することができる。
なかでも、金属膜の密着性向上の点から、無電解めっきを行うことが好ましい。また、所望の膜厚の金属膜18を得るために、無電解めっきの後に、更に電解めっきを行うことがより好ましい態様である。
以下、本工程において好適に行われるめっきについて説明する。
(無電解めっき)
無電解めっきとは、めっきとして析出させたい金属イオンを溶かした溶液を用いて、化学反応によって金属を析出させる操作のことをいう。
本工程における無電解めっきは、例えば、無電解めっき触媒が付与された基板を、水洗して余分な無電解めっき触媒(金属)を除去した後、無電解めっき浴に浸漬して行う。使用される無電解めっき浴としては、公知の無電解めっき浴を使用することができる。なお、無電解めっき浴としては、入手のしやすさの点から、アルカリ性の無電解めっき浴(pHが9〜14程度が好ましい)を使用する場合が好ましい。
また、無電解めっき触媒前駆体が付与された基板を、無電解めっき触媒前駆体が被めっき層に吸着または含浸した状態で無電解めっき浴に浸漬する場合には、基板を水洗して余分な前駆体(金属塩など)を除去した後、無電解めっき浴中へ浸漬させる。この場合には、無電解めっき浴中において、めっき触媒前駆体の還元とこれに引き続き無電解めっきが行われる。ここで使用される無電解めっき浴としても、上記同様、公知の無電解めっき浴を使用することができる。
なお、無電解めっき触媒前駆体の還元は、上記のような無電解めっき液を用いる態様とは別に、触媒活性化液(還元液)を準備し、無電解めっき前の別工程として行うことも可能である。触媒活性化液は、無電解めっき触媒前駆体(主に金属イオン)を0価金属に還元できる還元剤を溶解した液で、液全体に対する該還元剤の濃度が0.1〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボランのようなホウ素系還元剤、ホルムアルデヒド、次亜リン酸などの還元剤を使用することが可能である。
浸漬の際には、無電解めっき触媒またはその前駆体が接触する被めっき層表面付近の無電解めっき触媒またはその前駆体の濃度を一定に保つ上で、攪拌または揺動を加えながら浸漬することが好ましい。
一般的な無電解めっき浴の組成としては、例えば、溶剤(例えば、水)の他に、1.めっき用の金属イオン、2.還元剤、3.金属イオンの安定性を向上させる添加剤(安定剤)が主に含まれている。このめっき浴には、これらに加えて、めっき浴の安定剤など公知の添加物が含まれていてもよい。
めっき浴に用いられる有機溶剤としては、水に可能な溶媒である必要があり、その点から、アセトンなどのケトン類、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類が好ましく用いられる。
無電解めっき浴に用いられる金属の種類としては、例えば、銅、すず、鉛、ニッケル、金、銀、パラジウム、ロジウムが知られており、中でも、導電性の観点からは、銅、金が特に好ましい。また、上記金属に合わせて最適な還元剤、添加物が選択される。
このようにして形成される無電解めっきによる金属膜の膜厚は、めっき浴の金属イオン濃度、めっき浴への浸漬時間、または、めっき浴の温度などにより制御することができるが、導電性の観点からは、0.1μm以上であることが好ましく、0.2〜2μmであることがより好ましい。
ただし、無電解めっきによる金属膜を導通層として、後述する電解めっきを行う場合は、少なくとも0.1μm以上の膜が均一に付与されていることが好ましい。
また、めっき浴への浸漬時間としては、1分〜6時間程度であることが好ましく、1分〜3時間程度であることがより好ましい。
(電解めっき(電気めっき))
本工程おいては、上記工程において付与されためっき触媒またはその前駆体が電極としての機能を有する場合、そのめっき触媒またはその前駆体が付与された被めっき層に対して、電解めっきを行うことができる。
また、前述の無電解めっきの後、形成された金属膜を電極とし、更に、電解めっきを行ってもよい。これにより基板との密着性に優れた無電解めっき膜をベースとして、そこに新たに任意の厚みをもつ金属膜を容易に形成することができる。このように、無電解めっきの後に、電解めっきを行うことで、金属膜を目的に応じた厚みに形成しうるため、金属膜を種々の応用に適用するのに好適である。
電解めっきの方法としては、従来公知の方法を用いることができる。なお、電解めっきに用いられる金属としては、銅、クロム、鉛、ニッケル、金、銀、すず、亜鉛などが挙げられ、導電性の観点から、銅、金、銀が好ましく、銅がより好ましい。
また、電解めっきにより得られる金属膜の膜厚は、めっき浴中に含まれる金属濃度、または、電流密度などを調整することで制御することができる。
なお、一般的な電気配線などに適用する場合、金属膜の膜厚は、導電性の観点から、0.5μm以上であることが好ましく、1〜30μmがより好ましい。
<積層体>
上記工程を経ることにより、図1(C)に示すように、絶縁層付き基板10と、めっき触媒またはその前駆体と相互作用を形成する官能基を有する被めっき層16と、金属膜18とをこの順で備える積層体100(金属膜付き積層体)を得ることができる。
得られた積層体100は、様々な分野において使用することができ、例えば、電気・電子・通信、農林水産、鉱業、建設、食品、繊維、衣類、医療、石炭、石油、ゴム、皮革、自動車、精密機器、木材、建材、土木、家具、印刷、楽器等の幅広い産業分野に使用することができる。
より具体的には、プリンター、パソコン、ワープロ、キーボード、PDA(小型情報端末機)、電話機、複写機、ファクシミリ、ECR(電子式金銭登録機)、電卓、電子手帳、カード、ホルダー、文具等の事務機器、OA機器、洗濯機、冷蔵庫、掃除機、電子レンジ、照明器具、ゲーム機、アイロン、コタツ等の家電機器、TV、VTR、ビデオカメラ、ラジカセ、テープレコーダー、ミニディスク、CDプレーヤー、スピーカー、液晶ディスプレー等のAV機器、コネクター、リレー、コンデンサー、スイッチ、プリント基板、コイルボビン、半導体封止材料、LED封止材料、電線、ケーブル、トランス、偏向ヨーク、分電盤、半導体チップ、各種電気配線板、FPC、COF、TAB、2層CCL(Copper Clad Laminate)材料、電気配線用材料、多層配線基板、マザーボード、アンテナ、電磁波防止膜、時計等の電気・電子部品、および、通信機器等の用途に用いられる。
特に、金属膜と被めっき層の界面における平滑性が改良されたことから、例えば、装飾品(めがねフレーム、自動車装飾品、宝飾品、遊戯筐体、洋食器、水道金具、照明器具等)や、高周伝送を確保する必要がある用途(例えば、配線基板用、プリント配線基板用)等の種々の用途に適用することができる。
<任意工程:パターン形成工程>
必要に応じて、上記で得られた積層体に対して、金属膜をパターン状にエッチングして、パターン状金属膜を形成する工程を実施してもよい。
より具体的には、図1(D)に示すように、本工程においては、金属膜18の不要部を除去することにより、パターン状金属膜20が、被めっき層16上に形成される。本工程において、基板表面全体に形成された金属膜の不要部分をエッチングで取り除くことで、所望のパターン状金属膜を生成することができる。
このパターンの形成には、如何なる手法も使用することができ、具体的には一般的に知られているサブトラクティブ法(金属膜上にパターン状のマスクを設け、マスクの非形成領域をエッチング処理した後、マスクを除去して、パターン状金属膜を形成する方法)、セミアディティブ法(金属膜上にパターン状のマスクを設け、マスクの非形成領域に金属膜を形成するようにめっき処理を行い、マスクを除去し、エッチング処理して、パターン状金属膜を形成する方法)が用いられる。
サブトラクティブ法とは、形成された金属膜上にレジスト層を設けパターン露光、現像により金属膜パターン部と同じパターンを形成し、レジストパターンをマスクとしてエッチング液で金属膜を除去し、パターン状金属膜を形成する方法である。
レジストとしては如何なる材料も使用でき、ネガ型、ポジ型、液状、フィルム状のものが使用できる。また、エッチング方法としては、プリント配線基板の製造時に使用されている方法が何れも使用可能であり、湿式エッチング、ドライエッチング等が使用可能であり、任意に選択すればよい。作業の操作上、湿式エッチングが装置などの簡便性の点で好ましい。エッチング液として、例えば、塩化第二銅、塩化第二鉄等の水溶液を使用することができる。
より具体的に、図2にサブトラクティブ法を用いたエッチング工程の態様を示す。
まず、上記めっき工程を行うことにより、図2(A)に示す、基板12と絶縁層14とを備える絶縁層付き基板10と、被めっき層16と、金属膜18とを備える積層体200を用意する。なお、図2(A)においては、基板12表面上およびその内部に、金属配線22を備えている。金属配線22は、必要に応じて追加される構成部材である。また、図2(A)においては、絶縁層付き基板10の片面に金属膜18が設けられているが、両面にあってもよい。
次に、図2(B)に示すように、パターン状のマスク30を金属膜18上に設ける。
その後、図2(C)に示すように、マスクが設けられていない領域の金属膜18を、エッチング処理(例えば、ドライエッチング、ウェットエッチング)により除去して、パターン状金属膜20を得る。最後に、マスク30を取り除き、本発明の積層体を得る(図2(D)参照)。
さらに、短絡防止等を目的として、パターン状金属膜20が設けられていない領域の被めっき層16を、プラズマ処理などによって除去してもよい(図2(E)参照)。
セミアディティブ法とは、形成された金属膜上にレジスト層を設け、パターン露光、現像により非金属膜パターン部と同じパターンを形成し、レジストパターンをマスクとして電解めっきを行い、レジストパターンを除去した後にクイックエッチングを実施し、金属膜をパターン状に除去することで、パターン状金属膜を形成する方法である。
レジスト、エッチング液等はサブトラクティブ法と同様な材料が使用できる。また、電解めっき手法としては上記記載の手法が使用できる。
より具体的に、図3にセミアディティブ法を用いたエッチング工程の態様を示す。
まず、図3(A)に示す、基板12と絶縁層14とを備える絶縁層付き基板10と、被めっき層16と、金属膜18とを備える積層体200を用意する。
次に、図3(B)に示すように、パターン状のマスク30を金属膜18上に設ける。
次に、図3(C)に示すように、電解めっきを行い、マスク30が設けられていない領域に金属膜を形成させ、凸部と凹部を含む凹凸状の金属膜118を得る。
その後、図3(D)に示すように、マスク30を取り除き、エッチング処理(例えば、ドライエッチング、ウェットエッチング)を行い、金属膜118中の配線部に対応する凸部以外の凹部が除去され、図3(E)に示すように、パターン状金属膜20を備える積層体を得る。
さらに、短絡防止等を目的として、パターン状金属膜20が設けられていない領域の被めっき層16を、プラズマ処理などによって除去してもよい(図3(F)参照)。
さらに、セミアディティブ法によりエッチング工程を実施する場合は、図4に示すように多層配線基板を得るために該工程を実施してもよい。
図4(A)に示すように、まず、基板12と絶縁層14とを備える絶縁層付き基板10と、金属配線22と、被めっき層16と、金属膜18とを備える積層体を用意する。
次に、図4(B)に示すように、レーザー加工またはドリル加工により、金属膜18、被めっき層16を貫通し、金属配線22に達するようにビアホールを形成する。必要に応じて、その後デスミア処理を行う。
さらに、図4(C)に示すように、形成されたビアホール壁面に対して、めっき触媒を付与して、無電解めっきおよび/または電解めっきを行い、金属配線22と接触する金属膜218を得る。
さらに、図4(D)に示すように、所定のパターン状のマスク30を金属膜218上に設け、電解めっきを行い、金属膜318を得る(図4(E)参照)。
その後、マスク30を除去した後(図4(F)参照)、エッチング処理(例えば、ドライエッチング、ウェットエッチング)を行い、パターン状金属膜32を得る(図4(G)参照)。
さらに、短絡防止等を目的として、パターン状金属膜20が設けられていない領域の被めっき層16を、プラズマ処理などによって除去してもよい(図4(H)参照)。
また、図5に示すように、多層配線基板を得るためにパターン状金属膜を形成する場合において、形成する金属膜のパターンと同一のパターンになるように、予めパターン状の被めっき層を形成しておき、その後金属膜を形成し、該金属膜をパターン状にエッチングしてもよい。
具体的には、図5(A)に示すように、まず、基板12と絶縁層14とを備える絶縁層付き基板10と、被めっき層16とを備える積層体を用意する。
次に、図5(B)に示すように、被めっき層16にパターン状のエネルギー付与を行い、エネルギー付与領域の被めっき層を硬化させ、その後エネルギー未付与領域を現像除去し、パターン状の被めっき層116を形成する。
次に、図5(C)に示すように、レーザー加工またはドリル加工により、パターン状の被めっき層116を貫通し、金属配線22に達するようにビアホールを形成する。必要に応じて、その後デスミア処理を行う。
さらに、図5(D)に示すように、めっき触媒を付与して、無電解めっきを行い、金属配線22と接触する金属膜218を得る。
さらに、図5(E)に示すように、金属膜218をベースに電解めっきを行い、金属膜318を得る。
その後、上記サブトラクティブ法を用いることで、パターン状金属膜32を得る(図5(F)参照)。
または、金属膜218上に上記セミアディティブ法を用いることで、パターン状金属膜32を得てもよい。
上記方法によれば、予め被めっき層をパターン状に形成しているため、金属膜をパターン状に形成した後に、被めっき層を除去する必要がない。
パターン状の金属膜を形成した後にパターン状の金属膜を設けていない領域の被めっき層を除去する場合、通常、プラズマ処理などによって被めっき層を分解する必要があるが、被めっき層の耐熱性が低い場合には、プラズマ処理によって金属膜が設けられている領域の被めっき層の分解も若干進み、密着性が低下することがある。また、該処理は主に真空環境下で行われるため、高価な真空装置が必要となる。また、サンプルを真空装置に入れたり、真空装置から出したりする必要があるため、生産性にも劣る。
一方、上記方法を用いることでプラズマ処理が不要となるため、被めっき層の分解により密着性が低下することはない。また、真空環境下での処理が不要となるため、コストダウンと生産性向上を図ることができるというメリットがある。
上記で得られたパターン状金属膜を有する積層体は、各種用途に使用することができる。なかでも、配線基板として好適に利用できる。また、配線基板として使用する際には、必要に応じて、積層体上に絶縁層を設けてもよい。
本発明の積層体と絶縁層とを含む配線基板は、平滑な基板との密着性に優れた配線が形成でき、高周波特性も良好であるとともに、微細な高密度配線であっても、配線間の絶縁信頼性に優れる。
絶縁層としては公知の材料を使用することができ、例えば、公知の層間絶縁層、ソルダーレジスト層などが挙げられる。
以下、実施例により、本発明について更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(合成例1:ポリマー1)
2Lの三口フラスコに酢酸エチル1L、2−アミノエタノール159gを入れ、氷浴にて冷却をした。そこへ、2−ブロモイソ酪酸ブロミド150gを内温20℃以下になるように調節して滴下した。その後、内温を室温(25℃)まで上昇させて2時間反応させた。反応終了後、蒸留水300mLを追加して反応を停止させた。その後、酢酸エチル層を蒸留水300mLで4回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、さらに酢酸エチルを留去することで原料Aを80g得た。
次に、500mLの三口フラスコに、原料A47.4g、ピリジン22g、酢酸エチル150mLを入れて氷浴にて冷却した。そこへ、アクリル酸クロライド25gを内温20℃以下になるように調節して滴下した。その後、室温に上げて3時間反応させた。反応終了後、蒸留水300mLを追加し、反応を停止させた。その後、酢酸エチル層を蒸留水300mLで4回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、さらに酢酸エチルを留去した。その後、カラムクロマトグラフィーにて、以下のモノマーM1を精製し20g得た。
500mLの三口フラスコに、N,N−ジメチルアセトアミド8gを入れ、窒素気流下、65℃まで加熱した。そこへ、モノマーM1:14.3g、アクリロニトリル(東京化成工業(株)製)3.0g、アクリル酸(東京化成製)6.5g、V−65(和光純薬製)0.4gのN,N−ジメチルアセトアミド8g溶液を、4時間かけて滴下した。
滴下終了後、更に反応溶液を3時間撹拌した。その後、N,N−ジメチルアセトアミド41gを追加し、室温まで反応溶液を冷却した。上記の反応溶液に、4−ヒドロキシTEMPO(東京化成製)0.09g、DBU54.8gを加え、室温で12時間反応を行った。その後、反応液に70質量%メタンスルホン酸水溶液54g加えた。反応終了後、水で再沈を行い、固形物を取り出し、ポリマー1を12g得た。
得られたポリマー1の同定をIR測定機((株)堀場製作所製)を用いて行った。測定はポリマーをアセトンに溶解させKBr結晶を用いて行った。IR測定の結果、2240cm-1付近にピークが観測されニトリルユニットであるアクリロニトリルがポリマーに導入されている事が分かった。また、酸価測定によりカルボン酸ユニットとしてアクリル酸が導入されている事が分かった。また、重DMSO(ジメチルスルホキシド)に溶解させ、ブルカー製300MHzのNMR(AV−300)にて測定を行った。ニトリル基含有ユニットに相当するピークが2.5−0.7ppm(5H分)にブロードに観察され、重合性基含有ユニットに相当するピークが7.8−8.1ppm(1H分)、5.8−5.6ppm(1H分)、5.4−5.2ppm(1H分)、4.2−3.9ppm(2H分)、3.3−3.5ppm(2H分)、2.5−0.7ppm(6H分)にブロードに観察され、カルボン酸含有ユニットに相当するピークが2.5−0.7ppm(3H分)にブロードに観察され、重合性基含有ユニット:ニトリル基含有ユニット:カルボン酸基ユニット=30:30:40(mol%)であることが分かった。
(合成例2:ポリマー2)
500mlの三口フラスコに、N,N−ジメチルアセトアミド20gを入れ、窒素気流下、65℃まで加熱した。そこへ、以下のモノマーM2:20.7g、2−シアノエチルアクリレート(東京化成工業(株)製)20.5g、アクリル酸(東京化成工業(株)製)14.4g、V−65(和光純薬工業(株)製)1.0gのN,N−ジメチルアセトアミド20g溶液を、4時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間撹拌した。その後、N,N−ジメチルアセトアミド91gを足し、室温まで反応溶液を冷却した。
上記の反応溶液に、4−ヒドロキシTEMPO(東京化成工業(株)製)0.17g、トリエチルアミン75.9gを加え、室温で4時間反応を行った。その後、反応溶液に70質量%メタンスルホン酸水溶液112gを加えた。反応終了後、水で再沈を行い、固形物を取り出し、ポリマー2を25g得た。
(合成例3:ポリマー3)
500ml三口フラスコにN,N−ジメチルアセトアミド200g、ポリアクリル酸(和光純薬製、分子量:25000)30g、テトラエチルアンモニウムベンジルクロライド2.4g、ジターシャリーペンチルハイドロキノン25mg、サイクロマーA(ダイセル化学製)27gを入れ、窒素気流下、100℃、5時間反応させた。その後、反応溶液を再沈し、固形物を濾取し、ポリマー3を28g得た。
(合成例4:ポリマー4)
500mLの三口フラスコに、N,N−ジメチルアセトアミド24gを入れ、窒素気流下、60℃まで加熱した。そこへ、モノマーM1:25.4g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(東京化成工業(株)製)26g、V−601(和光純薬製)0.57gのN,N−ジメチルアセトアミド43.6g溶液を、6時間かけて滴下した。
滴下終了後、更に反応溶液を3時間撹拌した。その後、N,N−ジメチルアセトアミド40gを追加し、室温まで反応溶液を冷却した。上記の反応溶液に、4−ヒドロキシTEMPO(東京化成製)0.15g、DBU33.2gを加え、室温で12時間反応を行った。その後、反応溶液に70質量%メタンスルホン酸水溶液24gを加えた。反応終了後、水で再沈を行い、固形物を取り出し、ポリマー4を20g得た。
<被めっき層形成用組成物の調製>
マグネチックスターラーを入れた100mlビーカーに、水、プロピレングリコールモノメチルエーテル、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリマー1〜4、ヘキサメチレンビスアクリルアミド、IRGACURE2959(CIBA)を表1に従って加え、調液し、組成物1を得た。
なお、表1中、各成分(溶媒、式(1)で表される化合物(スルホン化合物)、ポリマー、多官能モノマー、重合開始剤など)の含有量は、組成物全量に対する質量%として表示される。
<実施例1>
〔絶縁層および被めっき層の作製〕
FR−4基板(日立化成、ガラスエポキシ樹脂基板)上にGX−13(味の素ファインテクノ)を真空ラミネートして、絶縁層を有する基板を得た。なお、該絶縁層はエポキシ樹脂を用いて形成されており、絶縁層中にエポキシ樹脂が含まれる。
その後、NaOHを用いてpH12に調整した、グアニジン塩酸塩の濃度が1wt%の水溶液(液温:60℃)を表面処理溶液とし、該溶液中に基板を浸漬(5分間)した。表面処理後の絶縁層表面の水の接触角は58°であった。
その後、表1に示した組成物1〜5のいずれかの被めっき層形成用組成物を絶縁層表面上に滴下し、3000rpmにて20秒スピンコートした。その後、基板を真空下にてUV照射(エネルギー量:2J、10mW、波長:256nm)し、被めっき層の硬化を行ったところ、組成物をはじくことなく成膜できた(被めっき層厚み:250nm)。
[触媒の付与、および、無電解めっき]
得られた被めっき層付き基板をクリーナーコンディショナー液ACL−009(上村工業)に50℃にて5分間浸漬し、純水にて2回洗浄した。その後、Pd触媒付与液MAT−2(上村工業)に室温にて5分間浸漬し、純水にて2回洗浄した。
次に、上記処理が施された基板を還元剤MAB(上村工業)に36℃にて5分間浸漬し、純水にて2回洗浄した。その後、活性化処理液MEL−3(上村工業)に室温にて5分間浸漬し、洗浄することなく無電解めっき液スルカップPEA(上村工業)に室温にてそれぞれ30分浸漬した。
[電解めっき〕
電解めっき液として、水1283g、硫酸銅5水和物135g、98%濃硫酸342g、36%濃塩酸0.25g、ET−901M(ロームアンドハース)39.6gの混合溶液を用い、ホルダーを取り付けた上記無電解めっきが施された基板と銅板を電源に接続し、3A/dm2にて45分間電解銅めっき処理を行い、約18μmの銅めっき膜(金属膜)を有する積層体を得た。
なお、組成物1〜5のそれぞれを使用した態様を、それぞれ実施例1−A〜1−Eとして表2に示す。
<実施例2>
[絶縁層および被めっき層の作製]中の表面処理溶液を、NaOHを用いてpH13に調整した、グアニジン塩酸塩の濃度が1wt%の水溶液(液温:60℃)に変更し、被めっき層形成層組成物として上記組成物1を使用した以外は、実施例1と同様の手順に従って、積層体を製造した。
なお、被めっき層形成用組成物が滴下される前の絶縁層表面の水接触角は48°であった。
<実施例3>
[絶縁層および被めっき層の作製]中の表面処理溶液を、NaOHを用いてpH12に調整した、グアニジン塩酸塩およびエチレングリコールの濃度がいずれも1wt%の水溶液(液温60℃)に変更し、被めっき層形成層組成物として上記組成物1を使用した以外は、実施例1と同様の手順に従って、積層体を製造した。
なお、被めっき層形成用組成物が滴下される前の絶縁層表面の水接触角は42°であった。
<実施例4>
[絶縁層および被めっき層の作製]中の表面処理溶液を、NaOHを用いてpH12に調整した、グアニジン塩酸塩および非プロトン性極性溶媒であるジメチルホルムアミドの濃度がいずれも1wt%の水溶液(液温:60℃)に変更し、被めっき層形成層組成物として上記組成物1を使用した以外は、実施例1と同様の手順に従って、積層体を製造した。
なお、被めっき層形成用組成物が滴下される前の絶縁層表面の水接触角は43°であった。
<実施例5>
[絶縁層および被めっき層の作製]中の表面処理溶液を、NaOHを用いてpH12に調整した、2−アミノエタノールの濃度が1wt%の水溶液(液温:60℃)に変更し、被めっき層形成層組成物として上記組成物1を使用した以外は、実施例1と同様の手順に従って、積層体を製造した。
なお、被めっき層形成用組成物が滴下される前の絶縁層表面の水接触角は67°であった。
<実施例6>
[絶縁層および被めっき層の作製]中の表面処理溶液を、NaOHを用いてpH12に調整した、アニリン塩酸塩の濃度が1wt%の水溶液(液温:60℃)に変更し、被めっき層形成層組成物として上記組成物1を使用した以外は、実施例1と同様の手順に従って、積層体を製造した。
なお、被めっき層形成用組成物が滴下される前の絶縁層表面の水接触角は69°であった。
<実施例7>
[絶縁層および被めっき層の作製]中の表面処理溶液を、NaOHを用いてpH12に調整した、グアニジン塩酸塩の濃度が1wt%の水溶液(液温80℃)に変更し、被めっき層形成層組成物として上記組成物1を使用した以外は、実施例1と同様の手順に従って、積層体を製造した。
なお、被めっき層形成用組成物が滴下される前の絶縁層表面の水接触角は45°であった。
<実施例8>
[絶縁層および被めっき層の作製]中の表面処理溶液を、NaOHを用いてpH9に調整した、グアニジン塩酸塩の濃度が1wt%の水溶液(液温60℃)に変更し、被めっき層形成層組成物として上記組成物1を使用した以外は、実施例1と同様の手順に従って、積層体を製造した。
なお、被めっき層形成用組成物が滴下される前の絶縁層表面の水接触角は69°であった。
<比較例1>
[絶縁層および被めっき層の作製〕中の表面処理溶液を用いた絶縁層の表面処理工程を行うことなく、絶縁層上に直接被めっき層形成用組成物1を滴下して、被めっき層を作製した以外は、実施例1と同様の手順に従って、積層体をそれぞれ製造した。
なお、被めっき層形成用組成物が滴下される前の絶縁層表面の水接触角は84°であった。また、被めっき層の滴下に際しては、絶縁層上における被めっき層形成用組成物1の一部はじきがみられた。
<比較例2>
[絶縁層および被めっき層の作製]中の表面処理溶液の温度を60℃から40℃に変更し、被めっき層形成用組成物として上記組成物1を使用した以外は、実施例1と同様の手順に従って、積層体を製造した。
なお、被めっき層形成用組成物が滴下される前の絶縁層表面の水接触角は72°であった。
<比較例3>
[絶縁層および被めっき層の作製]中の表面処理溶液のpHを、塩酸を用いて2に調整し、被めっき層形成用組成物として上記組成物1を使用した以外は、実施例1と同様の手順に従って、積層体を製造した。
なお、被めっき層形成用組成物が滴下される前の絶縁層表面の水接触角は86°であった。
<評価>
実施例1−A〜1−E、2、3、4、5、6、7、8および、比較例1〜3で得られた積層体を100℃にて30分加熱後、さらに180℃にて1時間加熱した。その後、130℃、85%の高温高湿条件下にて200時間保管した。各積層体中の金属膜上に10mmの間隔を開けて、平行に130mmの切り込みを入れ、金属膜の端部をカッターにて切り込みを入れ10mm立ち上げた。剥がした端部をつかんでテンシロン(SHIMADZU)を用いてピール強度を測定した(引張速度50mm/min)。結果を表2に示す。
上記表2に示すように、本発明の製造方法より得られる積層体中の金属膜は優れた密着性を示した。
特に、表面処理溶液中に非プロトン性極性溶媒を含む実施例4においては、特に優れた効果が得られることが確認された。
一方、絶縁層の表面処理工程を実施しなかった比較例1、および、表面処理溶液の温度が60℃未満であった比較例2、表面処理液が酸性である比較例3においては、金属膜の密着性に劣ることが確認された。
<実施例8>
実施例1−Aで得られた銅めっき膜(金属膜)を有する積層体に対し180℃/1時間の熱処理を行なった後、該積層体の金属膜表面に、ドライレジストフィルム(日立化成(株)製;RY3315、膜厚15μm)を真空ラミネーター((株)名機製作所製:MVLP−600)で70℃、0.2MPaでラミネートした。次いで、ドライレジストフィルムがラミネートされた積層体に、JPCA−ET01に定める櫛型配線(JPCA−BU01−2007準拠)が形成できるガラスマスクを密着させ、レジストを中心波長405nmの露光機にて70mJの光エネルギーを照射した。露光後の積層体に、1%Na2CO3水溶液を0.2MPaのスプレー圧で噴きつけ、現像を行なった。その後、積層体の水洗・乾燥を行い、銅めっき膜上に、サブトラクティブ法用のレジストパターンを形成した。
レジストパターンを形成した積層体を、FeCl3/HCl水溶液(エッチング液)に温度40℃で浸漬することによりエッチングを行い、レジストパターンの非形成領域に存在する銅めっき膜を除去した。その後、3%NaOH水溶液を0.2MPaのスプレー圧で積層体上に噴き付けることで、レジストパターンを膨潤剥離し、10%硫酸水溶液で中和処理を行い、水洗することで櫛型配線(パターン状銅めっき膜)を得た。得られた配線は、L/S=20μm/75μmであった。
さらに、パターン状銅めっき膜を有する積層体に対して、ソルダーレジスト(PFR800;太陽インキ製造(株)製)を110℃、0.2MPaの条件で真空ラミネートし、中心波長365nmの露光機にて420mJの光エネルギーを照射した。
次いで、積層体を80℃/10分間の加熱処理を施した後、NaHCO3:10%水溶液を、スプレー圧2kg/m2で積層体表面に付与することで現像し、乾燥した。その後、再度、中心波長365nmの露光機にて1000mJの光エネルギーを、積層体に対して照射した。最後に150℃/1hrの加熱処理を行ない、ソルダーレジストで被覆された配線基板を得た。
<実施例9>
実施例1−Aにおける被めっき層形成時の全面露光の代わりに、レーザー照射によるパターン露光を行い、その後、1%重曹水で未露光部分を現像・除去して、パターン状の被めっき層を得た。得られたパターン状の被めっき層に対して、実施例1で行った「触媒の付与」、および「めっき」を行い、被めっき層上にパターン状の銅めっき膜を得た。
10:絶縁層付き基板
12:基板
14:絶縁層
16、116:被めっき層
18、118、218、318:金属膜
20、32:パターン状金属膜
22:金属配線
30:マスク
100、200:積層体

Claims (8)

  1. 基板および前記基板上に配置されるエポキシ樹脂を用いて形成される絶縁層を備える絶縁層付き基板中の前記絶縁層と、第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する含窒素塩基性化合物を含む、液温60℃以上のアルカリ水溶液とを接触させ、前記絶縁層を表面処理する表面処理工程と、
    前記絶縁層上に、重合性基およびめっき触媒またはその前駆体と相互作用を形成する官能基を有するポリマーを含む被めっき層形成用組成物を接触させた後、前記絶縁層上の前記被めっき層形成用組成物に対してエネルギーを付与して、前記絶縁層上に被めっき層を形成する被めっき層形成工程と、
    前記被めっき層にめっき触媒またはその前駆体を付与する触媒付与工程と、
    前記めっき触媒またはその前駆体が付与された被めっき層に対してめっき処理を行い、前記被めっき層上に金属膜を形成するめっき工程と、を備える金属膜を有する積層体の製造方法。
  2. 前記含窒素塩基性化合物が、第1級アミノ基および第2級アミノ基からなる群から選ばれる基を少なくとも2つ以上有する多官能含窒素塩基性化合物である、請求項1に記載の金属膜を有する積層体の製造方法。
  3. 前記含窒素塩基性化合物が、脂肪族アミンである、請求項1または2に記載の金属膜を有する積層体の製造方法。
  4. 前記アルカリ水溶液のpHが12以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の金属膜を有する積層体の製造方法。
  5. 前記アルカリ水溶液中に非プロトン性極性溶媒が含有される、請求項1〜4のいずれかに記載の金属膜を有する積層体の製造方法。
  6. 前記アルカリ水溶液が無機塩基を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の金属膜を有する積層体の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法より得られる、金属膜を有する積層体。
  8. 請求項7に記載の金属膜を有する積層体中の前記金属膜をパターン状にエッチングして得られるパターン状金属膜を有する積層体と、前記パターン状金属膜を有する積層体上に設けられる絶縁層とを備える配線基板。
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