JP5579130B2 - 使用済み水溶性スラリーから再生水溶性スラリーを生成する方法及び使用済み水溶性スラリーの再利用方法 - Google Patents

使用済み水溶性スラリーから再生水溶性スラリーを生成する方法及び使用済み水溶性スラリーの再利用方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5579130B2
JP5579130B2 JP2011127554A JP2011127554A JP5579130B2 JP 5579130 B2 JP5579130 B2 JP 5579130B2 JP 2011127554 A JP2011127554 A JP 2011127554A JP 2011127554 A JP2011127554 A JP 2011127554A JP 5579130 B2 JP5579130 B2 JP 5579130B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
soluble slurry
slurry
soluble
density
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011127554A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012051100A (ja
Inventor
眞一郎 柳川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Siltronic AG
Original Assignee
Siltronic AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Siltronic AG filed Critical Siltronic AG
Priority to JP2011127554A priority Critical patent/JP5579130B2/ja
Publication of JP2012051100A publication Critical patent/JP2012051100A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5579130B2 publication Critical patent/JP5579130B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
  • Grinding-Machine Dressing And Accessory Apparatuses (AREA)

Description

本発明は、脆性材料、例えば半導体インゴット、即ち化合物半導体結晶やシリコン半導体結晶等をワイヤソー装置により切断するに際し使用された使用済み水溶性スラリーから再生水溶性スラリーを生成する方法に関する。特に、使用済み水溶性スラリーから砥粒を分離してそれを再利用する方法に関する。
単結晶シリコンインゴットのような工作物(以下「ワーク」とも記載する。)からウェーハを切り出す加工機械、加工方法としてワイヤソーが使用されてきた。かかるワイヤソーによる切断方法は、ワイヤガイドローラにより左右に走行するワイヤにワークを押しつけ、かつワイヤに加工液・クーラントとして砥粒を含むスラリー状の砥液をかけながらワークを切断する方法である。最近、環境問題への配慮から水溶性のクーラントが開発され、それとSiCのような砥粒との混合物である水溶性スラリーが開発され使用されている。また実際の使用に際してはワークの切断によるワークの切粉(ワークがシリコンインゴットの場合はSi)が水溶性スラリーに混合され水溶性スラリーの切断効果を低下させることから一度の使用後はそのまま廃棄されており、コストの点で問題であった。一方ワークの切断には水溶性スラリーの砥粒(例えばSiC)のごく一部のみが使用されることから、大部分の砥粒はいまだ使用できる状態にある。
そこで使用した水溶性スラリーを有効に再利用して、コスト軽減、及び環境(廃水処理施設)への負担軽減を目的としたいくつかの技術が開発されてきた。例えば砥粒含む加工液に遠心力を作用させて未粉砕の砥粒を被破砕物の切粉とから分離し、この分離された砥粒を再利用する技術が知られている(特許文献1)。さらに同様に分級機を利用した水溶性スラリー廃液の再利用システムであって、(a)水溶性スラリー廃液の粘度を低下させる工程と、(b)上記低粘度化した水溶性スラリー廃液を有効砥粒と浮遊固体及び液体分からなる廃液とに分級する工程と、(c)上記廃液から水溶性クーラント成分を抽出し、該浮遊固体分を不要スラッジとして廃棄する工程とからなる再利用システムが知られている(特許文献2)。
特開平8−168950号公報 特開平9−225937号公報
しかしながら、上記従来の方法では、混合するワークの切粉と、未使用又は未破砕砥粒の分離が十分でなく、未使用又は未破砕砥粒の回収及びその再利用が十分ではなかった。特に、使用済み水溶性スラリーの物性は、環境、ワークの種類、切断処理の条件等によって変化するため、回収された水溶性スラリーの状態が一定ではなく、良質な再生水溶性スラリーを安定的に生成することができないという問題がある。
本発明の目的は、混合するワークの切粉と、未使用又は未破砕砥粒との十分な分離及び回収を実現すると共に、使用済み水溶性スラリーの状態によらず、良質な再生水溶性スラリーを安定的に生成することができる再生水溶性スラリーの生成方法及び使用済み水溶性スラリーの再利用方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る再生水溶性スラリーの生成方法は、ワークをワイヤソー装置により切断するに際し使用する水溶性スラリーの使用済み水溶性スラリーから砥粒を分離して再生水溶性スラリーを生成する方法であって、
遠心分離装置にて分離する前に、使用済み水溶性スラリーの温度、密度及び粘度を所定範囲となるように調整する第1工程と、
調整された使用済み水溶性スラリーを遠心分離装置にて所定加速度にて分離することで、遠心分離後の再生水溶性スラリーの密度を安定的に所定範囲に調整する第2工程と、を有することを特徴とする。
具体的には、前記第1工程は、
(1)ワイヤソー装置から使用済み水溶性スラリーを遠心分離装置前タンクに移し、
(2)遠心分離装置前タンク内の使用済み水溶性スラリーの温度を測定し、前記温度の値が設定範囲に入るように調整し、
(3)前記使用済み水溶性スラリーの密度を測定し、前記密度の値が設定範囲に入るように調整し、
(4)前記使用済み水溶性スラリーの粘度を測定し、前記粘度の値が設定範囲に入るように調整し、
前記第2工程は、
遠心分離装置にて前記使用済み水溶性スラリーから未破砕又は未使用砥粒含有部分を分離し、前記未破砕又は未使用砥粒含有部分を再生水溶性スラリーとして回収タンクで回収する。
また、本発明に係る再生水溶性スラリーの再生方法は、前記使用済み水溶性スラリーの温度を、スラリーを加熱するか又は放熱させるか若しくは冷却することによって調整し、
前記使用済み水溶性スラリーの密度及び粘度を、希釈液タンクから希釈液を遠心分離装置前タンクに添加するか又は使用済みスラリーを追加することによって調整する。
さらに、本発明に係る再生水溶性スラリーの再生方法は、使用される水溶性スラリーの種類に応じて、目的とする再生水溶性スラリーの密度の値を予め設定し、さらに、予め設定された再生水溶性スラリーの密度の値及び遠心分離機の遠心加速度の値に基づいて、前記使用済み水溶性スラリーの温度、密度及び粘度の所定範囲を設定する。
また、好ましくは、前記ワークがシリコンインゴットであり、前記砥粒がSiCである。
また、本発明に係る使用済み水溶性スラリーの再利用方法は、上記生成方法で生成された再生水溶性スラリー又は該再生水溶性スラリーと未使用水溶性スラリーとの混合物を再度ワイヤソーにて使用することを特徴とする。
本発明によれば、遠心分離装置にて分離する前に使用済み水溶性スラリーの温度、密度及び粘度が所定範囲となるように調整されると共に、調整された使用済み水溶性スラリーが遠心分離装置にて所定遠心加速度にて分離されることで遠心分離後の再生水溶性スラリーの密度が安定的に所定範囲に調整される。したがって、未使用又は未破砕砥粒との十分な分離及び回収を実現すると共に、使用済み水溶性スラリーの状態によらず、良質な再生水溶性スラリーを安定的に生成することができる。
また、本発明に係る生成方法により生成された再生水溶性スラリー又は該再生水溶性スラリーと未使用水溶性スラリーとの混合物を再度ワイヤソー装置にて使用するので、ウェーハなどの被処理体を低コストで製造することが可能となる。
本発明の実施形態に係る再生水溶性スラリーの生成方法を説明する概念図である。 図1の再生水溶性スラリーの生成方法を具体的に示すフロー図である。 図2の再生水溶性スラリーの生成方法が適用される装置の一例を示す概念図である。 本発明の実施形態に係る再生水溶性スラリーの再使用方法が適用される装置の一例を示す概念図である。
本発明者は上記従来の方法の問題点を解決すべく、遠心分離装置を用いて使用済み水溶性スラリーから砥粒の分離・回収の改良方法を見いだすべく鋭意検討・研究した。
その結果、遠心分離装置にて分離する前に使用済み水溶性スラリーの温度、密度及び粘度を所定範囲となるように調整し、その後、調整された使用済み水溶性スラリーを所定の遠心加速度にて分離することで再生水溶性スラリーの密度を安定的に所定範囲に調整すると、混合するワークの切粉と未使用又は未破砕砥粒との十分な分離及び回収が可能となり、且つ使用済み水溶性スラリーの状態が変化した場合であっても良質な再生水溶性スラリーを安定的に生成できることを見いだした。
本願発明は、上記研究結果に基づいてなされたものである。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
最適化:
図1にその概念を示したが、本発明に係る方法は、先ず、遠心分離装置で分離回収するための使用済み水溶性スラリーの物性(温度、粘度、密度)を測定し、各測定値が予め設定された最適範囲(所定範囲)に入っているか否かを判別する。各測定値が最適範囲に入っていない場合、使用済み水溶性スラリーの各測定値が最適範囲となるように調整する。そして、各測定値が最適範囲に入った場合に、調整後の使用済み水溶性スラリーを遠心分離装置に移送する。その後、遠心分離装置にて未使用又は未粉砕砥粒を被破砕物の切粉から分離する作業を行い、未使用又は未粉砕砥粒含有部分のみを回収タンクに回収する。
ワーク:
ここで本発明の処理対象であるワークとは、単結晶シリコンインゴットのような工作物を意味し、ワイヤソーで処理されるものであれば、特定のサイズ、形状に制限されるものではない。
水溶性スラリー:
また本発明で使用される水溶性スラリーとは、通常公知のワイヤソー用の水溶性スラリーを意味する。単結晶シリコンインゴットのような工作物をワイヤソーで処理する際に、切削の為とともに切削時の放熱の目的で種々の成分が含まれる。具体的には水の他、切削の為の砥粒と、グリコールが用いられる。
ここで本発明において使用済み水溶性スラリーから分離されるワークの切粉と未使用又は未破砕砥粒とは、次の特徴を有する。
ワークの切粉:
ワークの切粉とは、ワイヤソーにより砥粒とワイヤの押しつけ圧力とによりワークの一部が削られて水溶性スラリー中に混在するものを意味する。従って切粉の量、サイズ、形状等は、ワイヤソーの運転条件、砥粒、水溶性スラリーの性質により影響される。より細いワイヤを用いた場合や、より小さい砥粒を用いた場合には、ワークの切粉のサイズはより小さくなる。本発明において対象とする切粉のサイズは平均粒径として3μm以下の範囲である。
未使用又は未破砕砥粒:
本発明で使用される砥粒とは、通常公知のワークをワイヤソーで処理するために砥粒として公知の又は市販されているものである。そのサイズ又は液状についても特に制限はなく、ワークの種類、サイズ、形状等に応じて選択される。砥粒の材料としてはワークがシリコンの場合、SiCが挙げられる。サイズ、形状についても特に制限はなく、ワイヤソー処理の程度、ワークの種類、サイズ、形状等に応じて選択される。一般的にはより細いワイヤを用いた場合、より小さい砥粒が用いられる。本発明において使用される砥粒のサイズは平均粒径として5〜15μmの範囲である。またワイヤソー処理においては、砥粒を含む水溶性スラリーがワイヤーに掛け流される使用態様が普通であり、この場合、ワークと接触し実際にワークの一部を切りとる砥粒の割合は小さい。従って使用済みのスラリー中には、全く未使用の砥粒と、一方使用されたが全く破砕されていない砥粒が混在している。さらに従って使用済みのスラリー中には使用された結果破砕されそのサイズが小さくなった砥粒が混在している。
使用済み水溶性スラリー:
本発明の特徴である、使用済み水溶性スラリーの状態、すなわち使用済み水溶性スラリーの物性(温度、粘度、密度)は、使用する遠心分離装置の機能・作用に基づき決めることが可能である。具体的には、まず遠心分離装置に供与する前に、使用済み水溶性スラリーの所定量を遠心分離装置前タンクに貯留し、当該スラリーの温度、粘度、密度を測定する。これらの物性の測定方法には特に制限はなく、従来公知の方法及び装置が使用可能である。また従来公知の種々のセンサーによる自動測定も可能である。これらの物性値の最適範囲は、使用する遠心分離装置の分離性能に応じて予め設定され、ワークの切粉を含む部分と未使用砥粒又は未破砕砥粒を含む部分との十分な分離性能が奏されるように設定される。
物性値の最適範囲の設定方法としては、(a)スラリーの粘度変化と遠心分離装置の分離性能変化を定量的に関連づけること、(b)スラリーの密度変化と遠心分離装置の分離性能変化を定量的に関連づけること、さらには(c)上記(a),(b)の関連性とスラリーの温度による関連性を定量的に関連づけることが上げられる。またこれらの関連付けは実際に使用する遠心分離装置について行うことが好ましい。(a)から(c)の関連づけにより、使用する遠心分離装置に供与する使用済み水溶性スラリーの最適な範囲の温度、粘度、密度を求めることができる。
具体的には、使用される水溶性スラリーの種類に応じて、目的とする再生水溶性スラリーの密度の値が予め設定され、さらに、予め設定された再生水溶性スラリーの密度の値及び遠心分離装置の遠心加速度の値に基づいて、使用済み水溶性スラリーの温度、密度及び粘度の所定範囲が設定される。
分離・回収:
ここで本発明において遠心分離によるワークの切粉を含む部分と未使用砥粒又は未破砕砥粒を含む部分との十分な分離性能とは、分離後未使用砥粒又は未破砕砥粒を含む部分にワークの切粉を全く含まないことを意味するのではなく、多くとも4重量%(分離後の未使用砥粒又は未破砕砥粒と切粉との重量和に対する切粉の重量%)まで含まれている場合も意味するものである。係る範囲では以下の再使用が可能となる範囲である。
本発明において使用可能な遠心分離装置(又は遠心分離機)とは、遠心分離作用を利用する分離装置であれば、当該技術分野で通常使用されている公知の装置を適用することができる。具体的には使用済み水溶性スラリーに遠心力を作用させ遠心力場を発生させ、スラリー中の粒子の沈降しやすさに基づいて分離するというものである。本発明は、使用済み水溶性スラリー中の粒子(未使用砥粒、未破砕砥粒、破砕砥粒、ワーク切粉等)の沈降のしやすさ(沈降速度)が主に、スラリーの温度、粘度、密度、それに遠心力場の組み合わせで決まるという知見に基づくものである。
本発明においては遠心力場の発生手段は特に制限はないが、使用済み水溶性スラリーを回転させることによりスラリー中の粒子に遠心力を作用させる方法が好ましい。従ってスラリー中の粒子にかかる遠心力はその回転数を制御することにより変更することが可能である。かかる遠心分離装置は市販されている物をそのまま使用することもできる。
係る遠心分離装置では、所定の量の使用済み水溶性スラリーを投入し、所定の回転数を設定して、所定時間回転させて遠心分離をおこなう。その後、遠心力を受けてより速く沈降した粒子を含む部分と、その他の部分を別々に取り出す。すなわち本発明においては、未使用砥粒又は未破砕砥粒が、ワークの切粉又は破砕された砥粒に比べて速く沈降し、十分な分離が得られるように、使用済み水溶性スラリーの温度、粘度、密度、および遠心力を最適化するものである。
再使用:
上で分離された未使用砥粒又は未破砕砥粒を含む部分は、さらに必要な場合未使用砥粒やその他の水溶性スラリー成分を添加して調合することで再び水溶性スラリーとして使用することが可能となる。
ここで再使用可能な水溶性スラリーとは、ワークの切粉が、砥粒(例えばSiC)の重量に対して4重量%より少ない量含まれるものを意味し、従ってワイヤソーにそのまま、又は未使用の水溶性スラリーと混合して使用可能なものを意味する。
(第1の実施態様)
本発明の第1実施態様は、上で説明した使用済み水溶性スラリーの状態の最適化の工程を図2に示す方法と図3に一例を挙げた装置に基づいて実施する方法である。
先ず、ワイヤソー装置にてワークの切断が実行されると、該使用済み水溶性スラリーが水溶性スラリー移送部114を介して使用済み水溶性スラリータンクに移送される。そして、遠心分離装置前タンクにおける使用済み水溶性スラリーの物性の最適化は、まず使用済み水溶性スラリーの温度の最適化から実施する。すなわち、使用済み水溶性スラリー11の所定量を、ワイヤソー装置10から移送配管116を介して遠心分離装置前タンク12に移送する。この移送にはポンプP1を使用することができる。そして、遠心分離装置前タンク12内の使用済み水溶性スラリー11aの温度を測定し、使用済み水溶性スラリー11aの温度の値が予め設定された温度範囲となるように調整する。
遠心分離装置前タンク12の温度の測定は、通常公知の方法によりその都度手動により、又は従来公知の温度センサーによるモニタを用いて自動で測定することができる。ここで、所定の温度範囲とは、続く遠心分離処理にて未使用砥粒と未破砕砥粒を含む部分がその他の部分と十分に分離されるように予め設定されている温度範囲である。この目的で実際に使用する遠心分離装置13に応じて、上の意味で分離性能が好ましい程度となる温度範囲を求めておくことが好ましい。ここで分離性能が好ましい程度とは、分離・回収した未使用砥粒、未破砕砥粒を含む部分を、再びワイヤソー10に使用できる程度を意味する。本発明において具体的には好ましい温度は少なくとも30℃より高くかつ34℃より低い範囲である。ここで測定した温度が上の範囲より低い場合、使用済み水溶性スラリー11aを加熱して上の温度範囲にすることができる。スラリー加熱方法、加熱装置については特に制限はなくタンク12内又はタンク外にヒータ110を設けることができる。一方測定した温度が上の範囲より高い場合、使用済み水溶性スラリー11aを放置して放熱させて上の温度範囲にするか、又は使用済み水溶性スラリー11aを冷却することができる。冷却方法、冷却装置については特に制限はなくタンク内又はタンク12外にクーラー(図示せず)を設けることができる。またこのとき、攪拌機111で遠心分離装置前タンク内の使用済み水溶性スラリー11aを攪拌することにより、使用済み水溶性スラリー11aの温度をより均一とすることができる。
次に本発明においては、上で設定した温度範囲にてさらに使用済み水溶性スラリー11aの粘度と密度を最適化する。上述したように、実際に使用する遠心分離装置13に応じて、分離性能が好ましい程度となるような粘度範囲及び密度範囲を求めておくことが好ましい。具体的には、(b)スラリーの密度変化と遠心分離装置13の分離性能変化を定量的に測定しあらかじめ関連づけることで密度の最適範囲を決めることができる。本発明において使用済み水溶性スラリーの密度の上限は1.64g/cmより小さいことが好ましい。また密度の下限は1.63g/cmより大きいことが好ましい。密度がこの上限よりも大きい場合、希釈液タンク19から希釈液17で使用済み水溶性スラリー11aを希釈して密度を低下させる。希釈液17としては例えば水が使用される。また密度がこの下限よりも小さい場合、使用済み水溶性スラリー11aを追加して密度を大きくすることができる。
さらに本発明においては、スラリー粘度を最適化する。具体的には、(a)スラリーの粘度変化と遠心分離装置13の分離性能変化を定量的に測定しあらかじめ関連づけることで粘度の最適範囲を決めることができる。本発明においては粘度範囲として下限が少なくとも1.55dPa・sより大きいことが好ましい。また上限として1.80dPa・sより小さいことが好ましい。粘度がこの上限よりも大きい場合、希釈液タンク19から移送配管117を介して供給される希釈液17を用い、該希釈液の流量をバルブ113により調節することにより使用済み水溶性スラリー11aを希釈して粘度を低下させる。希釈液17としては例えば水が使用される。また粘度がこの下限よりも小さい場合、使用済み水溶性スラリー11を使用済み水溶性スラリータンクから追加して、粘度を大きくすることができる。
かかる調整により使用済み水溶性スラリー11aの温度、粘度及び密度のいずれもが最適範囲にある状態となったときに(第1工程)、遠心分離性能に対する使用済み水溶性スラリー条件の最適化が終了する。使用済み水溶性スラリー11aの温度、粘度及び密度の最適化は遠心分離処理の直前に行うのが好ましい。
次に、温度、密度、粘度が最適範囲に調整された使用済み水溶性スラリー11aをポンプP2を使用して移送配管118を介して遠心分離装置13に移送し、該遠心分離装置にて遠心分離する(第2工程)。この場合、遠心力を適宜調節するために回転数、或いは遠心加速度(G)を調整することが可能である。使用される砥粒がSiCの場合、遠心加速度は例えば475Gに設定される。分離後は、沈降のしやすさに基づき、砥粒含有部分16を移送配管119を介して回収タンク14に移し、その他の部分、すなわち廃液18を移送配管120を介して廃液タンク15に移す。ワイヤソー装置10にて使用される砥粒がSiCの場合、遠心加速度を475Gに設定すると、常温で密度が1.53〜1.54g/cmである再生水溶性スラリーを生成することができる。再生水溶性スラリーの粘度が上記粘度範囲外である場合には、所定粘度の未使用水溶性スラリーを水溶性スラリー配管122を介して回収タンク14に移送し、該回収タンクにて所定粘度の未使用水溶性スラリーと砥粒含有成分16とを混合して再生素水溶性スラリーを生成することも可能である。またこのとき、攪拌機112で回収タンク内の砥粒含有成分16を攪拌することにより、砥粒含有成分16の密度をより均一とすることができる。
上述したように、本実施態様によれば、分離性能が好ましい程度となるように使用済み水溶性スラリー11aの温度、密度、粘度を最適範囲に調整し、その後使用済み水溶性スラリーに含まれる砥粒の種類に応じた遠心加速度で分離することで、再生水溶性スラリーの密度が安定的に所定範囲に調整される。したがって、未使用又は未破砕砥粒との十分な分離及び回収を実現すると共に、使用済み水溶性スラリー11の状態によらず、良質な再生水溶性スラリーを安定的に生成することができる。特に、ワイヤソーで処理されるワークとしてシリコンインゴット、砥粒としてSiCを成分として含むものが使用される場合に有用である。
(第2の実施態様)
本発明の使用済み水溶性スラリーの再利用方法は、図4で示すように、第1実施態様で説明した回収タンク14で回収・分離された砥粒含有部分16、又は該砥粒含有部分と未使用水溶性スラリーとの混合物からなる再生水溶性スラリーを水溶性スラリータンク300に移送することで、再度ワイヤソー装置10にて使用することを特徴とする。このとき、第1実施態様により生成された所定密度の再生水溶性スラリーは、ポンプP3を使用して回収タンク14から移送配管121を介して水溶性スラリータンク300に移送され、水溶性スラリータンク300から水溶性スラリータンク配管301を介して使用済み水溶性スラリータンクに供給される。また、水溶性スラリータンク300に移送する前に回収された砥粒含有部分16の粘度、密度、その他の添加物の含有量を測定し、必要な場合、それらを回収タンク14で調整し、調整後の再生水溶性スラリーを水溶性スラリータンク300に移送することが好ましい。
また、本実施態様では、所定量の使用済み水溶性スラリーがワイヤソー装置10から水溶性スラリー移送部114を介して使用済み水溶性スラリータンクに移送されると共に、再生水溶性スラリーが、水溶性スラリー移送部115を介してワイヤソー装置10に移送される。すなわち、ワイヤソー装置10でのワークの切断が終了した後、バッチ方式にて使用済み水溶性スラリー11と再生水溶性スラリーが交換される。この操作を繰り返すことにより、再生水溶性スラリーがワイヤソー装置10に継続的に供給されることとなる。
本実施態様によれば、第1実施態様により生成された再生水溶性スラリー又は該再生水溶性スラリーと未使用水溶性スラリーとの混合物をワイヤソー装置10に継続的に供給して使用するので、ウェーハなどの被処理体を低コストで製造することが可能となる。
本発明に係る方法は、使用済み水溶性スラリーから砥粒と切粉とを効率的に分離し、分離された砥粒を再びワイヤソー装置で再利用することができる。
10 ワイヤソー装置
11,11a 使用済みスラリー
12 遠心分離装置前タンク
13 遠心分離装置
14 回収タンク
15 廃液タンク
16 砥粒含有部分
17 希釈液
18 廃液
19 希釈液タンク
110 ヒータ
P1,P2,P3 ポンプ
M1,M2,M3 モータ
111,112 攪拌機
113 バルブ
114,115 水溶性スラリー移送部
116,117,118,119,120,121 移送配管
122 水溶性スラリー配管
300 水溶性スラリータンク
301 水溶性スラリータンク配管

Claims (5)

  1. ワークをワイヤソー装置により切断するに際し使用する水溶性スラリーの使用済み水溶性スラリーから砥粒を分離して再生水溶性スラリーを生成する方法であって、
    遠心分離装置にて分離する前に、使用済み水溶性スラリーの温度、密度及び粘度を所定範囲となるように調整する第1工程と、
    調整された使用済み水溶性スラリーを前記遠心分離装置にて所定加速度にて分離することで、遠心分離後の再生水溶性スラリーの密度を安定的に所定範囲に調整する第2工程と、を有し、
    前記第1工程において、前記使用済み水溶性スラリーの温度を、当該使用済み水溶性スラリーを加熱するか又は放熱させるか若しくは冷却することによって調整し、
    前記第1工程において、前記使用済み水溶性スラリーの密度及び粘度を、希釈液タンクから希釈液を遠心分離装置前タンクに添加するか又は使用済み水溶性スラリーを追加することによって調整することを特徴とする再生水溶性スラリーの生成方法。
  2. 前記第1工程は、
    (1)ワイヤソー装置から使用済み水溶性スラリーを前記遠心分離装置前タンクに移し、(2)前記遠心分離装置前タンク内の使用済み水溶性スラリーの温度を測定し、前記温度の値が設定範囲に入るように調整し、
    (3)前記使用済み水溶性スラリーの密度を測定し、前記密度の値が設定範囲に入るように調整し、
    (4)前記使用済み水溶性スラリーの粘度を測定し、前記粘度の値が設定範囲に入るように調整し、
    前記第2工程は、
    前記遠心分離装置にて前記使用済み水溶性スラリーから未破砕又は未使用砥粒含有部分を分離し、前記未破砕又は未使用砥粒含有部分を回収タンクで回収する
    ことを特徴とする請求項1記載の再生水溶性スラリーの生成方法。
  3. 使用される水溶性スラリーの種類に応じて、目的とする再生水溶性スラリーの密度の値を予め設定し、さらに、予め設定された再生水溶性スラリーの密度の値及び前記遠心分離装置の遠心加速度の値に基づいて、前記使用済み水溶性スラリーの温度、密度及び粘度の所定範囲を設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の再生水溶性スラリーの生成方法。
  4. 前記ワークがシリコンインゴットであり、前記砥粒がSiCであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の再生水溶性スラリーの生成方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の生成方法で生成された再生水溶性スラリー又は該再生水溶性スラリーと未使用水溶性スラリーとの混合物を再度ワイヤソー装置にて使用することを特徴とする使用済み水溶性スラリーの再利用方法。
JP2011127554A 2010-08-06 2011-06-07 使用済み水溶性スラリーから再生水溶性スラリーを生成する方法及び使用済み水溶性スラリーの再利用方法 Active JP5579130B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011127554A JP5579130B2 (ja) 2010-08-06 2011-06-07 使用済み水溶性スラリーから再生水溶性スラリーを生成する方法及び使用済み水溶性スラリーの再利用方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010177198 2010-08-06
JP2010177198 2010-08-06
JP2011127554A JP5579130B2 (ja) 2010-08-06 2011-06-07 使用済み水溶性スラリーから再生水溶性スラリーを生成する方法及び使用済み水溶性スラリーの再利用方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012051100A JP2012051100A (ja) 2012-03-15
JP5579130B2 true JP5579130B2 (ja) 2014-08-27

Family

ID=45905073

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011127554A Active JP5579130B2 (ja) 2010-08-06 2011-06-07 使用済み水溶性スラリーから再生水溶性スラリーを生成する方法及び使用済み水溶性スラリーの再利用方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5579130B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3411813B2 (ja) * 1998-02-09 2003-06-03 株式会社日平トヤマ スラリ管理システム
WO2009056152A1 (en) * 2007-10-30 2009-05-07 Pall Corporation Method for treating spent abrasive slurry

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012051100A (ja) 2012-03-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6113473A (en) Method and apparatus for improved wire saw slurry
KR100947465B1 (ko) 폐슬러리 재생 방법 및 장치
JP4796807B2 (ja) 半導体ウェハの研磨方法
JP4520331B2 (ja) 水素ガスの製造方法
JP5114436B2 (ja) 金属含有物除去方法およびシリコン精製方法
JP4966938B2 (ja) シリコンの再生方法
TWI406737B (zh) Method and device for managing coolant of wire saw
JP2010253621A (ja) ワイヤソーのクーラント管理方法及び装置
JP5579130B2 (ja) 使用済み水溶性スラリーから再生水溶性スラリーを生成する方法及び使用済み水溶性スラリーの再利用方法
JPH11172236A (ja) 研削懸濁液を再生利用する方法
TWI533973B (zh) Saw the slurry management device
KR100703963B1 (ko) 반도체 웨이퍼 제조시 발생하는 폐슬러지의 재생방법
JPH07251373A (ja) 切削粒子の回収方法
KR101126229B1 (ko) 실리콘 웨이퍼의 절단공정에서 발생하는 폐슬러리 재생시스템 및 그 방법
KR101047383B1 (ko) 폐슬러리 재활용 방법 및 장치
CN103072085A (zh) 研磨粒回收装置、研磨液的管理系统、玻璃基板的制造方法及研磨粒回收方法
JP5611748B2 (ja) ワイヤソースラリ廃液の処理方法及び装置
JP2010155745A (ja) コンクリート用砕砂製造方法および砕砂製造システム
JP3164027U (ja) 使用済みスラリーからの有用成分の回収装置
KR101579840B1 (ko) 수용성 폐슬러리 재생방법 및 재생장치
JP2012180255A (ja) シリコンの回収方法および回収装置
JP2001225070A (ja) 研磨材の回収装置
WO2013035541A1 (ja) 分離回収装置
JPH08157813A (ja) 蛍光体の分級処理方法
JP2009292656A (ja) シリコン塊の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20120517

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130514

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130521

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130820

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140407

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140610

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140708

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5579130

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250