JP5578681B2 - 標準フリッカー値の計算式の決定方法、標準フリッカー値の計算方法及びプログラム、並びにフリッカー値測定装置 - Google Patents

標準フリッカー値の計算式の決定方法、標準フリッカー値の計算方法及びプログラム、並びにフリッカー値測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5578681B2
JP5578681B2 JP2011096826A JP2011096826A JP5578681B2 JP 5578681 B2 JP5578681 B2 JP 5578681B2 JP 2011096826 A JP2011096826 A JP 2011096826A JP 2011096826 A JP2011096826 A JP 2011096826A JP 5578681 B2 JP5578681 B2 JP 5578681B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
flicker
standard
subject
frequency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011096826A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012228292A (ja
Inventor
暢善 原田
直 岩木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2011096826A priority Critical patent/JP5578681B2/ja
Publication of JP2012228292A publication Critical patent/JP2012228292A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5578681B2 publication Critical patent/JP5578681B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Description

本発明は、点滅する刺激に対して人がちらつきを知覚し始める又は知覚しなくなる閾値(以下、フリッカー値ともいう)の測定に関し、特に測定されたフリッカー値を疲労度の評価に利用する場合の基準となる標準値(以下、標準フリッカー値ともいう)の計算式の決定方法、標準フリッカー値の計算方法及びプログラム、並びにフリッカー値測定装置に関する。
現代はストレス社会と言われており、日常生活の中で使える疲労の客観的計測及び評価方法が強く要求されている。従来、人が点滅する光源を見る際の「ちらつき」(フリッカー)の知覚が疲労度により変化する現象、とくに「ちらつき」を知覚することができる境界の点滅周波数(Critical Flicker Frequency:CFF)が疲労度の増大とともに低下する現象を用いて、疲れの定量的な評価(フリッカー検査)が行なわれている。フリッカー検査では、図1に示すように、点滅する光の点滅周波数を時間的に変化(単調に増大又は減少)させて被験者に提示し、点滅が見えない状態から見える状態に変化したとき、又は、点滅が見る状態から見えない状態に変化したときに、被験者にボタン押し等の反応をさせることにより周波数を測定する。図1は5回の測定状況を示している。即ち、周波数を、一定の開始値fsから減少させて被験者に提示し、各回の測定において被験者がちらつきを知覚したときにボタンが押され(時刻t1〜t5)、CFFとしてそれぞれ周波数f1〜f5が得られる状況を示している。ちらつき知覚閾値(フリッカー値)は、例えば、得られた測定値f1〜f5の平均値として求められる。
フリッカー検査を用いた疲労度の定量的評価は、とくに産業衛生分野で幅広く用いられている。しかし、LED等を装備した専用のフリッカー値計測装置が必要であり、誰もが日常的に手軽に実施することはできなかった。
これに対して本願発明者は、フリッカー検査と同じちらつき知覚原理に基づく精神的疲労度検査を、液晶ディスプレイ及びCRT等のリフレッシュレートが固定された画像表示装置を用いて行なうことを可能にする技術を開発した(下記特許文献1、2参照)。この技術では、従来のフリッカー検査で用いられている点滅光の点滅周波数を変化させる代わりに、点滅光のコントラストを変化させることにより、フリッカー知覚を生じさせる。これにより、携帯電話等の携帯端末装置、パーソナルコンピュータ等を用いて、日常的に簡易に精神的疲労の計測が可能になる。
例えば、図2に示したように、画像表示装置に表示する画像の輝度を、最大輝度Lon(=Lon)から0まで、Loff、・・・、Loff、・・・、Loff=0と、一定の比率で減少させながら、画像を表示する。図2は、t=0〜T1の期間で、線形にn階調(例えば、n=256)変化させる場合を示す。図2において、時間軸に沿って交互に付した数字“1”及び“2”は、それぞれ輝度が最大の第1画像及び輝度を変化させた第2画像が表示されている期間を表す。第1画像の輝度値と第2画像の輝度値との比(Loff/Lon)であるコントラストが、ある値以下になるとちらつきが知覚されるようになる。ちらつきが知覚されるときのコントラストは、被験者及び疲労度によって変化する。
特開2010−088862号公報 国際公開第2011/030622号パンフレット
フリッカー値の測定に関して、実際の測定開始時及び測定結果の評価時において重要な点として、ベースとなる標準フリッカー値(以下、単に標準値ともいう)の設定がある。標準値は、短期疲労負荷実験の場合、実験開始時点の計測値を用いる。これに対して、長期疲労評価実験及び日常においてフリッカー値計測装置を利用する場合、「十分休息を取った後の疲れが取れている状態」における計測結果を採用することが基本である。例えば、日曜日の午前中に計測を行ない、その結果を標準値として採用することが勧められている。この標準値の決定方法は、従来のフリッカー値計測方法の運用方法に準拠するものである。しかし、日常生活においてフリッカー値計測装置を利用する場合、(1)すぐに使い始めることが出来ない、(2)必ずしも日曜日の午前中に十分に休息を取った状況をつくることができない、又は、そもそも休みが取れない等の運用における問題点があった。その結果、標準値を決定することが困難であった。
また、従来のフリッカー測定装置では、点滅が見えない状態から見える状態に移行する点を閾値として測定する場合、通常、どのような被験者にも対応できるように、十分に余裕をもって固定した同じ開始点から測定を開始する。したがって、複数回(通常5回)計測を行なう場合、計測に長時間を要する問題がある。この点は、上記特許文献1及び2に開示されたコントラスを用いる方法においても同じである。例えば、図1に示すように、明らかに人が点滅を知覚できない固定した周波数fsから測定を開始する。
したがって、本発明は、十分に休息を取った状況での標準値に代わる標準値(標準フリッカー値)の計算式の決定方法、標準フリッカー値の計算方法及びプログラム、並びにフリッカー値測定装置を提供することを目的とする。
上記の目的は、下記によって達成することができる。
即ち、本発明に係る標準フリッカー値の計算式の決定方法は、複数の被験者に点滅刺激を提示して測定したちらつき知覚閾値である複数の周波数と、複数の前記周波数の各々に対応する自覚的疲労指標値との回帰直線の傾きを、被験者毎に求め、被験者毎に求めた傾きの代表値を求めるステップと、被験者の各々に関する周波数から、被験者の各々に関する最初の測定によって得られた周波数を基準とするパーセンテージ値を求めるステップと、被験者の各々に関して、パーセンテージ値と、パーセンテージ値に対応する自覚的疲労指標値との回帰直線を求め、この回帰直線とパーセンテージ値が100%である直線との交点を求めるステップと、被験者に関して求めた交点の自覚的疲労指標値の代表値を求めるステップと、ちらつき知覚閾値として周波数を測定する場合の標準フリッカー値をf、被験者のフリッカー値測定によって測定された周波数をf、このフリッカー値測定時のこの被験者の自覚的疲労指標値をv、傾きの代表値をα、及び交点の自覚的疲労指標値の代表値をv100として、この標準フリッカー値の算出式を、f=f−α×(v−v100)と決定するステップとを含む。
好ましくは、周波数は、複数の被験者に点滅刺激を提示して測定したちらつき知覚閾値である輝度値を変換して生成された周波数であり、複数の輝度値の各々に対応する自覚的疲労指標値との回帰直線の傾きを、被験者毎に求め、被験者毎に求めたこの傾きの代表値を求めるステップと、ちらつき知覚閾値として輝度値を測定する場合の標準フリッカー値をL、被験者のフリッカー値測定によって測定された輝度値をL、このフリッカー値測定時のこの被験者の自覚的疲労指標値をv、傾きの代表値をβ、及び交点の自覚的疲労指標値の代表値をv100として、この標準フリッカー値の算出式を、L=L−β×(v−v100)と決定するステップとを、さらに含む。
本発明に係る第1の標準フリッカー値の計算方法は、被験者に点滅刺激を提示してちらつき知覚閾値である周波数を測定するステップと、測定の前又は後に被験者の自覚的疲労指標値を取得するステップと、上記の標準フリッカー値の計算式の決定方法により決定された、ちらつき知覚閾値として周波数を測定する場合の標準フリッカー値の算出式に、周波数及び自覚的疲労指標値を代入して、標準フリッカー値を計算するステップとを含む。
本発明に係る第2の標準フリッカー値の計算方法は、被験者に点滅刺激を提示してちらつき知覚閾値である輝度値を測定するステップと、測定の前又は後に被験者の自覚的疲労指標値を取得するステップと、上記の標準フリッカー値の計算式の決定方法により決定された、ちらつき知覚閾値として輝度値を測定する場合の標準フリッカー値の算出式に、輝度値及び自覚的疲労指標値を代入して、標準フリッカー値を計算するステップとを含む。
本発明に係る第3の標準フリッカー値の計算方法は、被験者に点滅刺激を提示してちらつき知覚閾値である周波数を測定するステップと、測定の前又は後に被験者の自覚的疲労指標値を取得するステップと、ちらつき知覚閾値として周波数を測定する場合の標準フリッカー値をf、測定された周波数をf、自覚的疲労指標値をvとして、f=f+1.541×(v−0.99)の計算式により標準フリッカー値を計算するステップとを含む。
本発明に係る第4の標準フリッカー値の計算方法は、被験者に点滅刺激を提示してちらつき知覚閾値である輝度値を測定するステップと、測定の前又は後に被験者の自覚的疲労指標値を取得するステップと、ちらつき知覚閾値として輝度値を測定する場合の標準フリッカー値をL、測定された輝度値をL、自覚的疲労指標値をvとして、L=L+1.629×(v−0.99)の計算式により標準フリッカー値を計算するステップとを含む。
好ましくは、計算された標準フリッカー値を記憶するステップと、被験者に点滅刺激を提示してちらつき知覚閾値である周波数又は輝度値を新たに測定し、且つ、この測定の前又は後に被験者の自覚的疲労指標値を取得した場合に、計算式に、この周波数又は輝度値、及びこの自覚的疲労指標値を代入して、新たな標準フリッカー値を計算するステップと、記憶された標準フリッカー値及び新たな標準フリッカー値の平均値を、最新の標準フリッカー値として決定するステップとを、さらに含む。
より好ましくは、周波数又は輝度値、及び自覚的疲労指標値を記憶するステップと、周波数又は輝度値、及び自覚的疲労指標値を所定回数以上記憶した場合、記憶した周波数又は輝度値、及び自覚的疲労指標値の回帰直線を求めるステップと、自覚的疲労指標値が0.99である回帰直線上の点の周波数又は輝度値を標準フリッカー値として決定するステップとを、さらに含む。
本発明に係る第1のフリッカー値測定装置は、上記の標準フリッカー値の計算方法により計算された、ちらつき知覚閾値として周波数を測定する場合の標準フリッカー値よりも所定値だけ大きい値を開始値として、被験者に提示する点滅刺激の条件である周波数を減少させてフリッカー値を測定する、又は、標準フリッカー値よりも所定値だけ小さい値を開始値として、被験者に提示する点滅刺激の条件である周波数を増大させてフリッカー値を測定する。
本発明に係る第2のフリッカー値測定装置は、上記の標準フリッカー値の計算方法により計算された、ちらつき知覚閾値として輝度値を測定する場合の標準フリッカー値よりも所定値だけ大きい値を開始値として、被験者に提示する点滅刺激の条件である輝度値を減少させてフリッカー値を測定する、又は、標準フリッカー値よりも所定値だけ小さい値を開始値として、被験者に提示する点滅刺激の条件である輝度値を増大させてフリッカー値を測定する。
本発明に係る第1の標準フリッカー値の計算プログラムは、操作部及び表示部を備えたコンピュータ又は携帯端末装置に、点滅の周波数を時間の経過に伴って変化させて、表示部に点滅刺激を表示する機能と、点滅刺激を表示した状態で、被験者が点滅刺激によるちらつきを知覚して操作部を操作したときの点滅の周波数をフリッカー値として決定する機能と、点滅刺激を表示する前、又はフリッカー値を決定した後に、被験者の自覚的疲労指標値を取得する機能と、上記の標準フリッカー値の計算方法により、ちらつき知覚閾値として周波数を測定する場合の標準フリッカー値を計算する機能とを実現させる。
本発明に係る第2の標準フリッカー値の計算プログラムは、操作部及び表示部を備えたコンピュータ又は携帯端末装置に、点滅の輝度値を時間の経過に伴って変化させて、表示部に点滅刺激を表示する機能と、点滅刺激を表示した状態で、被験者が点滅刺激によるちらつきを知覚して操作部を操作したときの点滅の輝度値をフリッカー値として決定する機能と、点滅刺激を表示する前、又はフリッカー値を決定した後に、被験者の自覚的疲労指標値を取得する機能と、上記の標準フリッカー値の計算方法により、ちらつき知覚閾値として輝度値を測定する場合の標準フリッカー値を計算する機能とを実現させる。
本発明によれば、十分に休息を取った状況での標準フリッカー値が得られない場合であっても、被験者毎に適切な標準フリッカー値を決定することができる計算式を得ることができる。計算された基準フリッカー値は被験者毎の値であるので、決定された基準フリッカー値を、測定されたフリッカー値から被験者の疲労度を評価するための基準として用いることで、被験者の疲労度を適切に評価することができる。
また、計算された標準フリッカー値を測定の開始値として用いてフリッカー値測定を行なう場合、どのような被験者にも対応できるように、十分に余裕をもって固定した開始値から測定を行なう従来の測定よりも、1回の測定時間を短縮することができる。したがって、複数回測定を繰返す場合の全測定時間を短縮することができる。
従来のちらつき知覚閾値の測定における点滅周波数の変化を示すグラフである。 従来のちらつき知覚閾値の測定における点滅コントラストの変化を示すグラフである。 本発明の実施の形態に係る標準フリッカー値の計算式の決定方法を実現するためのプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 輝度値と自覚的疲労指標との相関を示すグラフである。 周波数と輝度値との相関を示すグラフである。 輝度値を変換して得られた周波数と自覚的疲労指標との相関を示すグラフである。 周波数を変換して得られたパーセンテージ値と自覚的疲労指標との相関を示すグラフである。 測定値から標準フリッカー値を求める方法を示すグラフである。 本発明の実施の形態に係るフリッカー値測定装置の構成の概要を示すブロック図である。 フリッカー値の測定に使用する画像を示す図である。 本発明の実施の形態に係るフリッカー値測定方法を実現するためのプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 フリッカー値測定の実験結果を示すグラフである。 フリッカー値測定の実験結果を示すグラフである。 フリッカー値測定の実験結果を示すグラフである。 フリッカー値測定の実験結果を示すグラフである。 フリッカー値測定の実験結果を示すグラフである。
以下の実施の形態では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの名称及び機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
<標準フリッカー値の計算式>
本発明の実施の形態に係る標準フリッカー値の計算式の決定方法は、複数のフリッカー値測定のデータを対象として、例えばコンピュータのCPUが実行するプログラムによって実現される。以下に、標準フリッカー値の計算式の決定方法を実現するためのプログラムの制御構造について説明する。
また、以下では、輝度値(コントラスト)を変化させてフリッカー値を測定する場合に利用できる標準フリッカー値を計算する場合を説明する。
図3を参照して、ステップ300において、CPUは、予め測定されたフリッカー値及び自覚的疲労指標(以下、VASという)のデータを取得する。ここでは、複数の被験者に対して、フリッカー値として周波数及び輝度値が測定され、その値と対応させて、各測定時の被験者の自覚的疲労指標が保存されているとする。データをコンピュータに入力するには、記録媒体(フレキシブルディスク、光磁気ディスク等)、通信回線等を介して公知の方法で行なえばよい。コンピュータに入力されたデータは、例えばハードディスクドライブ(以下、HDDという)に記憶される。
自覚的疲労指標は、VAS(Visual Analog Scale)の一種である、日本疲労学会が提唱する疲労評価方法で評価した値である。具体的には、紙に印刷した10cmの線の、左端を「疲れを全く感じない最良の感覚」(値“0”)、右端を「何もできないほど疲れきった最悪の感覚」(値“10”)と規定し、その両端の間で自身の感覚が該当する位置に印を記入してもらう、主観的評価法である。
自覚的疲労指標は、VASに限定されるものではなく、自覚症しらべ、POMS(Profile of Mood States)等、又は、他の疲労指標の値を用いてもよい。
「自覚症しらべ」とは、2002年に日本産業衛生学会産業疲労研究会が改訂し、同学会が提唱する疲労指標である(酒井一博、日本産業衛生学会産業疲労研究会撰「自覚症しらべ」の改訂作業2002、労働の科学 2002;57:295−298)。疲労に伴う自覚症状(身体状態の変化)(例えば、目がしょぼしょぼする、足が重い、等)の項目を25項目定め、各項目について、「まったくあてはまらない」、「わずかにあてはまる」、「すこしあてはまる」、「かなりあてはまる」及び「非常によくあてはまる」の5段階評価で点数評価し、通常、その総得点で疲労を評価する方法である。その総得点を自覚的疲労指標として用いることができる。また、25項目は疲労症状の種類により5つの質問群(1:ねむさ、2:不安定感、3:不快感、4:だるさ、5:ぼやけ)に分類される。したがって、各群に関して所定の項目を選択し、群毎に選択された項目の合計点(s:iは質問群を区別する添え字であり、i=1〜5である)を計算し、さらに群毎の合計点を合計すれば、その値(S=Σs)を自覚的疲労指標として用いることができる。また、群毎の合計点s〜sの何れか1つ、又は、群毎の合計点の2つ以上の組合せ(例えば、全ての組合せの場合(s,・・・,s))を、自覚的疲労指標として用いてもよい。多次元ベクトル(全ての組合せの場合5次元ベクトル(s,・・・,s))である組合せを自覚的疲労指標として用いる場合、スカラーであるVASを用いた上記の説明(図3〜8参照)と同様の処理を、多次元空間(全ての組合せの場合、輝度値が加わるので6次元空間)で行なえばよい。
POMSとは、D.M.McNair,M.Lorr,L.F.Dropplemanらにより提唱された、気分及び感情の状態を測定する尺度であり、6つの気分及び感情(緊張、抑うつ、怒り、活気、疲労、混乱)の尺度から構成されている。質問は65項目あり、項目毎に、「まったくなかった」から「非常に多くあった」の間の5段階で点数評価を行なう。65項目のうち「疲労」に関する項目のみの点数(合計)を自覚的疲労指標として用いることができる。また、6項目を組合せた点数(合計)を、自覚的疲労指標として用いてもよい。
また、他の方法として、被験者に、疲労を単純に数値で表してもらい、その値を自覚的疲労指標として用いてもよい。例えば、“0”は「まったく疲れていない」、“10”は「最大限に疲労している」と規定し、“”から“10”の間の数値(小数点以下2桁又はそれ以上)で疲労状態を評価した値を自覚的疲労指標として用いる。
測定データは、各被験者に関して、フリッカー値として、公知の方法で周波数及び輝度値(階調値)を複数回測定して得られる。このとき、各測定の前に、各被験者にVASを自己判断してもらう。決定されたVASは、測定結果と対応させて記録される。即ち、被験者を特定する情報に対応させて、測定毎の周波数、輝度値及びVASが記憶される。これらのデータは、対応関係の情報を維持したままコンピュータに入力される。
ステップ302において、CPUは、HDDからステップ300で記憶したデータのうち、輝度値及びVAS値を読出し、各被験者のデータをグラフにプロットした場合の回帰直線の傾きα1i(iは被験者を区別するための整数値である)を求め、それらの傾きα1iの平均値αを求める。図4は、輝度値及びVAS値をそれぞれ縦軸及び横軸に取り、プロットしたグラフである。2人の被験者のデータ(それぞれ8回の測定結果)が黒丸及び白丸で示されている。輝度値及びVAS値は、被験者間で分布に差があるが、各被験者についてはほぼ直線で表すことができる。回帰直線を求める方法は、最小二乗法等の公知の方法を用いる。
ステップ304において、CPUは、ステップ302でHDDから読出した輝度値を周波数に変換する。図5に示したように、フリッカー値測定結果の輝度値と周波数とは、相関性が高く、輝度値から線形変換してちらつき知覚のしきい値を表す周波数を求めることができる。図5は、輝度値及び周波数をそれぞれ縦軸及び横軸に取り、プロットしたグラフである。図5には、図4と同様に、2人の被験者のデータが黒丸及び白丸で示されている。ステップ302においては、各被験者の傾きを求めたが、ここでは、被験者を区別せずに、1本の回帰直線を使用する。後述する実験結果から、回帰直線は例えば、階調値=周波数×1.172+187 となる。ここで、輝度を256階調(0〜255の整数値)で表し、周波数の単位はHzである。したがって、周波数=(階調値−187)/1.172 によって、輝度値(階調値)を周波数に変換することができる。
ステップ306において、ステップ304で得られた周波数と、対応するVAS値とをグラフにプロットした場合の回帰直線の傾きα2i(iは被験者を区別するための整数値である)、及びそれらの平均値αを、ステップ302と同様に計算する。図6は、周波数及びVAS値をそれぞれ縦軸及び横軸に取り、プロットしたグラフである。2人の被験者のデータが黒丸及び白丸で示されている。周波数及びVAS値は、被験者間で分布に差があるが、各被験者についてはほぼ直線で表すことができる。
ステップ308において、CPUは、ステップ304で計算した周波数をパーセンテージ値に変換する。ここで、パーセンテージ値とは、ある被験者に関して疲労負荷実験の最初の測定で得られたフリッカー値を基準(100%)として、その後に測定されたフリッカー値を、基準に対する比率(%)で表したものである。
100%の基準として、最初の測定値を用いる理由は、「実験開始時は、疲労していないと仮定できる」からである。ほとんどの被験者は、最初の測定値が最も大きく、かつVAS値は最小である。しかし、一部の被験者は、状況によって疲労負荷実験の過程で一時的に100%の基準値(最初の測定値)よりも大きなフリッカー値が測定されることがある。
ステップ310において、ステップ308で得られたパーセンテージ値と、対応するVAS値とをグラフにプロットした場合の回帰直線を被験者毎に求め、各回帰直線とパーセンテージ値が100%である直線との交点のVAS値を求め、それらのVAS値から代表値を求めて補正用VAS値とする。図7は、パーセンテージ値及びVAS値をそれぞれ縦軸及び横軸に取り、プロットしたグラフである。2人の被験者のデータが黒丸及び白丸で示されている。パーセンテージ値及びVAS値は、被験者間で分布に差があるが、各被験者についてはほぼ直線で表すことができる。各回帰直線とパーセンテージ値が100%である直線との交点を点A、点Bで表す。点AのVAS値がv、点BのVAS値がvである。したがって、補正用VAS値として、例えばv及びvの平均値(v+v)/2を決定する。決定された補正用VAS値をv100で表す。
ステップ312において、CPUは、ステップ302で求めた傾きα、ステップ306で求めた傾きα、及びステップ310で求めた補正用VAS値v100を用いて、標準フリッカー値の算出式を決定する。
輝度値を変化させてフリッカー値を測定する場合の標準フリッカー値Lを求める式は、
=L−α×(v−v100)・・・(式1)
と決定される。ここで、L、vは、測定値である。
周波数を変化させてフリッカー値を測定する場合の標準フリッカー値fを求める式は、
=f−α×(v−v100)・・・(式2)
と決定される。ここで、f、vは、測定値である。
以上によって、輝度値又は周波数を変化させてフリッカー値を測定するときの標準フリッカー値の算出式を、それぞれ決定することができる。したがって、1回フリッカー値(輝度値)を測定し、そのときの被験者のVAS値が得られると、それらの値を、上記の式1に代入すれば、図8に示したように、標準フリッカー値Lを求めることができる。図8において、黒丸及び白丸は、図4と同じ2人の被験者の測定結果である。白色の四角は、これら2人の被験者と異なる被験者の測定値L、vを表す点(以下、測定点という)である。黒色の四角は、測定点を通る傾きαの直線と、VAS=v100(補正用VAS値)の直線との交点を表す。このように、式1によって得られる値Lは、この交点の周波数である。
また、1回フリッカー値(周波数)を測定し、そのときの被験者のVAS値が得られると、それらの値を、上記の式2に代入すれば、上記と同様に標準値fを求めることができる。
得られた標準フリッカー値は、疲労度を評価する場合の基準値として使用される。即ち、疲労していない状態に対応する標準値と測定値との差に基づいて疲労度を評価することができる。
<フリッカー値測定>
以下に、本発明の実施の形態に係るフリッカー値測定装置及びそれを用いたフリッカー値の測定方法に関して説明する。本実施の形態に係るフリッカー値測定装置は、上記で求めた標準フリッカー値の計算式(式1)をフリッカー値の測定に利用する。
図9を参照して、本発明の実施の形態に係るフリッカー値測定装置100は、演算処理部(以下、CPUと記す)102、読出専用メモリ(以下、ROMと記す)104、書換可能メモリ(以下、RAMと記す)106、記録部108、タイマ110、インターフェイス部(以下、IF部と記す)112、バス114、表示部116、及び操作部118を備えている。CPU102は、測定装置100全体を制御する。ROM104は不揮発性の記憶装置であり、測定装置100の動作を制御するためのプログラム及びデータが記憶されている。RAM106は、揮発性の記憶装置である。記録部108は、通電が遮断された場合にもデータを保持する不揮発性記憶装置であり、例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等である。CPU102は、バス114を介してROM104からプログラムをRAM106上に読出して、RAM106の一部を作業領域としてプログラムを実行する。CPU102は、プログラムにしたがって測定装置100を構成する各部の制御を行なう。
タイマ110は、内部クロックを用いて時刻情報を出力する。IF部112は、CPU102と表示部116及び操作部118とのインターフェイスである。バス114には、CPU102、ROM104、RAM106、記録部108、タイマ110、及びIF部112が接続されている。各部間のデータ(制御情報を含む)交換は、バス114を介して行なわれる。
表示部116は、画像を表示するための表示パネル(液晶パネル等)及びそれを駆動するための駆動部を備えている。表示部116は、IF部112を介して伝送される画像データを、所定のリフレッシュレートで表示する。IF部112と表示部116との間で伝送される画像信号の様式(仕様)に応じてIF部112及び駆動部が設計されていれば、画像信号はデジタルであってもアナログであってもよい。操作部118は、キー、パッド等を備えており、被験者は操作部118を操作して測定装置100に対し指示を行なう。
測定装置100として、例えば公知のコンピュータや携帯端末装置(携帯電話、PHS、PDA等)を使用することができる。
測定装置100の動作の概要を説明すると、次の通りである。CPU102は、2つの画像データを所定の周期で交互に、IF部112を介して表示部116に伝送する。表示部116は、受信した画像データを、所定のリフレッシュレート(例えば30Hz)で表示し、被験者に提示する。
2つの画像は、同じパターンにより区画された複数の領域を含み、複数の領域のうち、2つの画像間で対応する特定領域において相互に輝度が異なり、残りの領域において輝度が同じである多階調の白黒画像である。例えば、図10に示すような2枚の画像である。第1画像200は背景領域202及び特定領域204に区分されており、第2画像210は背景領域212及び特定領域214に区分されており、これらの区分パターンは同じである。背景領域202及び212の輝度は等しく、特定領域204及び214の輝度値が異なる。第1画像200及び第2画像210の各々は、リフレッシュレートの周期(例えば30Hzの場合、1/30=約33.3msec)の2倍の周期(1/15=約66.6msec)で表示部116に表示される。したがって、CPU102から表示部116に所定のタイミング(点滅周波数)で画像データを伝送すれば、特定領域204、214が点滅する画像を、被験者に提示することができる。この点滅を知覚できるか否かは、点滅周波数及び特定領域の輝度差に依存する。
さらに、CPU102は、表示部116に伝送する2つの画像データを、時間と共に変化させ(時間管理はタイマ110によって行なわれる)、表示部116に表示される画像において、特定領域204の輝度差を時間と共に変化させる。例えば、図10に示した第1画像200及び第2画像210における特定領域204、214の輝度差ΔLが、時間と共に一定の比率で増大又は減少する2つの画像データを、上記と同様に表示部116に伝送する。
例えば、図2に示したように、第1画像200の特定領域204の輝度を最大輝度(Lon)にしたまま、第2画像210の特定領域214の輝度を、最大輝度Lon(=Lon)から0まで、Loff、・・・、Loff、・・・、Loff=0と、一定の比率で減少させる。図2は、t=0〜T1の期間で、線形にn階調(例えば、n=256)変化させる場合を示す。図2において、時間軸に沿って交互に付した数字“1”及び“2”は、それぞれ第1画像200及び第2画像210が表示されている期間を表す。第1画像200の特定領域204の輝度値が第2画像210の特定領域214の輝度値よりも高いので、画像の点滅表示となる。
図2では、T0の間、1つの輝度差ΔLで第1画像及び第2画像が繰返して(2回)表示される場合を示している。変化が急激な場合には、1つの輝度差ΔLで第1画像及び第2画像は1回だけ表示される。また、デジタル画像の場合には輝度は離散的な値(階調)であるので、表示する画像の輝度差も連続する値にならない場合がある。その場合には、第2画像の輝度値には、最も近い整数値(階調値)を用いる。例えば、表示部のリフレッシュレートが30Hzであり、ΔTが約66ms(1/15)である場合、輝度変化の傾きが、約66msで1階調変化させるときの傾きよりもゆるやかな場合、同じ第2画像が複数回表示される。また、輝度変化の傾きが、約66msで1階調変化させるときの傾きよりも急な場合、第2画像の輝度を表す階調値は、連続する整数値にならず、とびとびの値(使用されない階調値がある)になる。
被験者は、表示部116の表示画面に提示された画像を観察し、画像の一部の領域にちらつきが生じ始めた又はちらつきが無くなったと知覚したときに、操作部118を操作する。この操作情報(データ)は、IF部112を介してCPU102に伝送され、CPU102は受信した時に使用していた輝度値をRAM106又は記録部108に記憶する。このようにして、測定装置100は、フリッカー値として輝度値(階調値)を測定することができる。
なお、上記特許文献2のように、より多くの領域に分割し、特定領域を固定せずに、複数の領域中でランダムに変化させる場合には、被験者に操作部118を操作して特定領域を指定させる。その場合、CPU102は、被験者の操作の正/誤、即ち被験者が指定した領域が特定領域であるか否かを判定することができる。
以下、フリッカー値測定装置100を用いてフリッカー値の測定を実現するためのプログラムの制御構造について説明する。
図11を参照して、ステップ400において、CPU102は、表示部116にVAS値の入力画面を表示して、被験者が操作部118を操作して入力したVAS値vを取得する。具体的には、表示部116に、測定前に自覚的疲労指標(VAS)の入力を受付ける旨、例えば「現在の疲労状態を、10段階(0:疲れを全く感じない最良の感覚、10:何もできないほど疲れきった最悪の感覚)で表す場合、現在の段階を数値で入力してください。」とのメッセージを表示する。
ステップ402において、CPU102は、フリッカー値の測定を実施する。例えば、図10に示す第1画像200及び第2画像210を用いて、図2に示したように第2画像210の特定領域214の輝度値を変化させてフリッカー値Lを測定する。
ステップ404において、CPU102は、式1に上記のVAS値v及びフリッカー値Lを代入して標準フリッカー値Lを計算する。
ステップ406において、CPU102は、以降のフリッカー値測定を繰返す回数を設定する。例えば、繰返す回数として“5”を設定する。
ステップ408において、CPU102は、ステップ404で得られた標準フリッカー値Lから少し大きい階調値を測定開始値として、フリッカー値の測定を開始する。即ち、図2に示したように、第2画像210の特定領域214の輝度値(階調値)の開始値を標準フリッカー値Lから少し大きい階調値とし、時間の経過にしたがって特定領域214の輝度値(階調値)を減少させ、被験者がちらつきを感じて操作部118を操作したときの階調値を取得する。
ステップ410において、CPU102は、ステップ406で設定された回数測定を行なったか否かを判定する。例えば、CPU102は、繰返し回数を“1”減少させ、得られた値が“0”であるか否かを判定する。“0”であればステップ412に移行する。“0”でなければ、ステップ408の処理を繰返す。このようにして、設定された回数フリッカー値を測定する。
ステップ412において、CPU102は、繰返し測定されたフリッカー値の平均値を求め、ステップ404で求めた標準フリッカー値とその平均値とを比較して、被験者の疲労度を評価する。評価結果は、表示部116に表示される。
以上のように、フリッカー値の測定において、被験者に応じた標準フリッカー値から少し大きい値を開始値として測定するので、どのような被験者にも対応できるように、十分に余裕をもって固定した開始値から測定を行なう場合よりも、1回の測定時間を短縮することができる。したがって、複数回測定を繰返す場合の全測定時間を短縮することができる。
上記のフリッカー値測定においては、輝度値を減少させてフリッカー値を測定する場合を説明したが、輝度を増加させてフリッカー値を測定する場合も同様である。その場合には、測定開始値として、ステップ404で求めた標準フリッカー値Lから少し小さい輝度値(階調値)を用いる。
また、輝度値を変化させてフリッカー値を測定する場合を説明したが、周波数を変化させてフリッカー値を測定する場合も同様である。その場合、被験者の測定値から標準フリッカー値を求めるには、式2を用いる。
上記では、被験者が最初にVAS値を入力する場合を説明したが、これに限定されない。例えば、被験者が、一連のフリッカー値測定を終えた後にVAS値を入力してもよい。
また、上記では、1回の測定結果のフリッカー値及びVAS値から、式1又は式2を用いて標準フリッカー値を決定する場合を説明したが、これに限定されない。1人の被験者の標準フリッカー値の計算結果を記憶しておき、新たに標準フリッカー値を計算した場合、新たな標準フリッカー値と記憶した過去の標準フリッカー値との平均値を、その被験者の標準フリッカー値として決定してもよい。例えば、初回の測定で、階調220、VAS値3.7であった場合、標準フリッカー値は式1から、L=220+1.541×(3.7−0.99)≒224.2となる。2回目の測定で、階調224、VAS値3.0であった場合、式1から、L=224+1.541×(3.0−0.99)≒227.1が得られるので、初回の測定で得られた標準フリッカー値との平均値(224.2+227.1)/2≒225.6を標準フリッカー値とする。なお、ここで「1回の測定」とは、連続して複数回繰返す一連の測定を意味し、一連の測定に対して被験者はVAS値を1回だけ評価する。
さらに、1人の被験者に関して、所定回数(例えば5回)までの測定結果のフリッカー値及びVAS値を記憶しておき、所定回数を超えた後の測定においては、式1又は式2を使用せずに、その被験者の過去に測定したデータを含めた全測定データを用いて、その被験者の標準フリッカー値を決定することができる。具体的には、全測定データを用いてフリッカー値(周波数又は輝度値)及びVAS値の回帰直線を求め、その回帰直線とVAS値が0.99の直線との交点のフリッカー値を標準フリッカー値として決定する。
上記の標準フリッカー値の算出方法においては、輝度値の標準フリッカー値を算出するために、複数の被験者に関してフリッカー値として輝度値及び周波数が測定されている場合を想定した。しかし、フリッカー値として周波数を測定する場合の標準フリッカー値を求めるには、輝度値のフリッカー値を測定しなくてもよい。その場合、図3のフローチャートにおいて、ステップ302及び304は不要である。周波数及びVAS値のみから、傾きα及び補正用VAS値v100を求めて、式2を決定すればよい。
以上、実施の形態を説明することにより本発明を説明したが、上記した実施の形態は例示であって、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、種々変更して実施することができる。
以下に実験結果を示し、本発明の有効性を示す。
図12は、12人の被験者に関するフリッカー値の測定結果を示すグラフである。図12は、図5と同様に、輝度値及び周波数をそれぞれ縦軸及び横軸に取り、プロットしたグラフである。輝度値は、フリッカー値測定装置として携帯電話を用い、コントラスト(階調値)を変化させてフリッカー値を測定した。周波数は、専用のフリッカー値計測装置を用いて測定した。中央部に示した太い直線以外の直線は、各被験者のデータの回帰直線を示している。これから、測定データは分散しているが、直線の傾きが大きく逸脱している被験者のデータがないことが明らかになった。図12の中央部に示した太い直線は、全体被験者のデータを用いて得られた回帰直線を表す。これは上記した回帰直線、階調値=周波数×1.172+187 である。
図13〜図16は、図12と同じ12人の被験者に関するフリッカー値の測定結果を示すグラフである。図13は、図4と同様に、輝度値及びVAS値をそれぞれ縦軸及び横軸に取り、プロットしたグラフである。各直線は、各被験者の測定データの回帰直線である。図13から分かるように、被験者によって回帰直線の位置は大きく異なるが、回帰直線の傾きはほぼ等しい。輝度値(階調値)をVAS値で除算して得られた傾き(α1i)の最小値(絶対値の最大値)は−2.65、最大値(絶対値の最小値)は−1.38であり、それらの平均値(α)は−1.541であった。
図14は、図6と同様に、周波数及びVAS値をそれぞれ縦軸及び横軸に取り、プロットしたグラフである。各直線は、各被験者のデータの回帰直線である。図14から分かるように、被験者によって回帰直線の位置は大きく異なるが、回帰直線の傾きはほぼ等しい。周波数をVAS値で除算して得られた傾き(α2i)の最小値(絶対値の最大値)は−2.23、最大値(絶対値の最小値)は−1.19であり、それらの平均値(α)は−1.629であった。
図15及び図16は、図7と同様に、パーセンテージ値及びVAS値をそれぞれ縦軸及び横軸に取り、プロットしたグラフである。各直線は、各被験者のデータの回帰直線である。図16には、各回帰直線とパーセンテージ値100%のラインとの交点の度数分布を表す模式的グラフを、パーセンテージ値100%のラインの上方に描画している。パーセンテージ値100%のラインの交点のVAS値は、−1.032から3.63の間で分布し、それらの平均値は0.99であった。
以上のことから、式1において、傾きα=−1.541、v100=0.99を用いることができる。また、式2において、傾きα=−1.629、v100=0.99を用いることができる。これらの値を用いた場合、例えば、初回のフリッカー値の測定で、階調値が220、VAS値が3.7であった場合、標準フリッカー値Lは、220+1.541×(3.7−0.99)≒224.2となる。
また、例えば、初回のフリッカー値の測定で、周波数が28Hz、VAS値が3.7であった場合、標準フリッカー値fは、28+1.629×(3.7−0.99)≒32.41(Hz)となる。
100 ちらつき知覚閾値の測定装置
102 演算処理部(CPU)
104 読出専用メモリ(ROM)
106 書換可能メモリ(RAM)
108 記録部
110 タイマ
112 インターフェイス部(IF部)
114 バス
116 表示部
118 操作部

Claims (14)

  1. 複数の被験者に点滅刺激を提示して測定したちらつき知覚閾値である複数の周波数と、複数の前記周波数の各々に対応する自覚的疲労指標値との回帰直線の傾きを、前記被験者毎に求め、前記被験者毎に求めた前記傾きの代表値を求めるステップと、
    前記被験者の各々に関する前記周波数から、前記被験者の各々に関する最初の測定によって得られた周波数を基準とするパーセンテージ値を求めるステップと、
    前記被験者の各々に関して、前記パーセンテージ値と、前記パーセンテージ値に対応する前記自覚的疲労指標値との回帰直線を求め、該回帰直線とパーセンテージ値が100%である直線との交点を求めるステップと、
    前記被験者に関して求めた前記交点の自覚的疲労指標値の代表値を求めるステップと、
    ちらつき知覚閾値として周波数を測定する場合の標準フリッカー値をf、被験者のフリッカー値測定によって測定された周波数をf、該フリッカー値測定時の該被験者の自覚的疲労指標値をv、前記傾きの前記代表値をα、及び前記交点の自覚的疲労指標値の前記代表値をv100として、該標準フリッカー値の算出式を、f=f−α×(v−v100)と決定するステップとを含むことを特徴とする標準フリッカー値の計算式の決定方法。
  2. 前記周波数は、複数の前記被験者に点滅刺激を提示して測定したちらつき知覚閾値である輝度値を変換して生成された周波数であり、
    複数の前記輝度値の各々に対応する前記自覚的疲労指標値との回帰直線の傾きを、前記被験者毎に求め、前記被験者毎に求めた該傾きの代表値を求めるステップと、
    ちらつき知覚閾値として輝度値を測定する場合の標準フリッカー値をL、被験者のフリッカー値測定によって測定された輝度値をL、該フリッカー値測定時の該被験者の自覚的疲労指標値をv、前記傾きの前記代表値をβ、及び前記交点の自覚的疲労指標値の前記代表値をv100として、該標準フリッカー値の算出式を、L=L−β×(v−v100)と決定するステップとを、さらに含むことを特徴とする請求項1に記載の標準フリッカー値の計算式の決定方法。
  3. 被験者に点滅刺激を提示してちらつき知覚閾値である周波数を測定するステップと、
    前記測定の前又は後に前記被験者の自覚的疲労指標値を取得するステップと、
    請求項1又は2に記載の標準フリッカー値の計算式の決定方法により決定された、ちらつき知覚閾値として周波数を測定する場合の標準フリッカー値の算出式に、前記周波数及び前記自覚的疲労指標値を代入して、前記標準フリッカー値を計算するステップとを含む標準フリッカー値の計算方法。
  4. 被験者に点滅刺激を提示してちらつき知覚閾値である輝度値を測定するステップと、
    前記測定の前又は後に前記被験者の自覚的疲労指標値を取得するステップと、
    請求項2に記載の標準フリッカー値の計算式の決定方法により決定された、ちらつき知覚閾値として輝度値を測定する場合の標準フリッカー値の算出式に、前記輝度値及び前記自覚的疲労指標値を代入して、前記標準フリッカー値を計算するステップとを含む標準フリッカー値の計算方法。
  5. 被験者に点滅刺激を提示してちらつき知覚閾値である周波数を測定するステップと、
    前記測定の前又は後に前記被験者の自覚的疲労指標値を取得するステップと、
    ちらつき知覚閾値として周波数を測定する場合の標準フリッカー値をf、測定された前記周波数をf、前記自覚的疲労指標値をvとして、f=f+1.541×(v−0.99)の計算式により前記標準フリッカー値を計算するステップとを含み、
    前記周波数の単位は、Hzであり、
    前記被験者の前記自覚的疲労指標値は、0〜10の数値である、標準フリッカー値の計算方法。
  6. 被験者に点滅刺激を提示してちらつき知覚閾値である輝度値を測定するステップと、
    前記測定の前又は後に前記被験者の自覚的疲労指標値を取得するステップと、
    ちらつき知覚閾値として輝度値を測定する場合の標準フリッカー値をL、測定された前記輝度値をL、前記自覚的疲労指標値をvとして、L=L+1.629×(v−0.99)の計算式により前記標準フリッカー値を計算するステップとを含み、
    前記輝度値は、0〜255の整数値であり、
    前記被験者の前記自覚的疲労指標値は、0〜10の数値である、標準フリッカー値の計算方法。
  7. 計算された前記標準フリッカー値を記憶するステップと、
    前記被験者に点滅刺激を提示してちらつき知覚閾値である周波数を新たに測定し、且つ、該測定の前又は後に前記被験者の自覚的疲労指標値を取得した場合に、前記計算式に該周波数及び該自覚的疲労指標値を代入して、新たな標準フリッカー値を計算するステップと、
    記憶された前記標準フリッカー値及び新たな前記標準フリッカー値の平均値を、最新の標準フリッカー値として決定するステップとを、さらに含む請求項3又は5に記載の標準フリッカー値の計算方法。
  8. 計算された前記標準フリッカー値を記憶するステップと、
    前記被験者に点滅刺激を提示してちらつき知覚閾値である輝度値を新たに測定し、且つ、該測定の前又は後に前記被験者の自覚的疲労指標値を取得した場合に、前記計算式に該輝度値及び該自覚的疲労指標値を代入して、新たな標準フリッカー値を計算するステップと、
    記憶された前記標準フリッカー値及び新たな前記標準フリッカー値の平均値を、最新の標準フリッカー値として決定するステップとを、さらに含む請求項4又は6に記載の標準フリッカー値の計算方法。
  9. 前記周波数及び前記自覚的疲労指標値を記憶するステップと、
    前記周波数及び前記自覚的疲労指標値を所定回数以上記憶した場合、記憶した前記周波数及び前記自覚的疲労指標値の回帰直線を求めるステップと、
    自覚的疲労指標値が0.99である前記回帰直線上の点の周波数を標準フリッカー値として決定するステップとを、さらに含み、
    前記被験者の前記自覚的疲労指標値は、0〜10の数値である、請求項3、5及び7の何れか1項に記載の標準フリッカー値の計算方法。
  10. 前記輝度値及び前記自覚的疲労指標値を記憶するステップと、
    前記輝度値及び前記自覚的疲労指標値を所定回数以上記憶した場合、記憶した前記輝度値及び前記自覚的疲労指標値の回帰直線を求めるステップと、
    自覚的疲労指標値が0.99である前記回帰直線上の点の輝度値を標準フリッカー値として決定するステップとを、さらに含み、
    前記被験者の前記自覚的疲労指標値は、0〜10の数値である、請求項4、6及び8の何れか1項に記載の標準フリッカー値の計算方法。
  11. 請求項3、5、7及び9の何れか1項に記載の標準フリッカー値の計算方法により計算された、ちらつき知覚閾値として周波数を測定する場合の標準フリッカー値よりも所定値だけ大きい値を開始値として、被験者に提示する点滅刺激の条件である周波数を減少させてフリッカー値を測定する、又は、
    前記標準フリッカー値よりも所定値だけ小さい値を開始値として、被験者に提示する点滅刺激の条件である周波数を増大させてフリッカー値を測定することを特徴とするフリッカー値測定装置。
  12. 請求項4、6、8及び10の何れか1項に記載の標準フリッカー値の計算方法により計算された、ちらつき知覚閾値として輝度値を測定する場合の標準フリッカー値よりも所定値だけ大きい値を開始値として、被験者に提示する点滅刺激の条件である輝度値を減少させてフリッカー値を測定する、又は、
    前記標準フリッカー値よりも所定値だけ小さい値を開始値として、被験者に提示する点滅刺激の条件である輝度値を増大させてフリッカー値を測定することを特徴とするフリッカー値測定装置。
  13. 操作部及び表示部を備えたコンピュータ又は携帯端末装置に、
    点滅の周波数を時間の経過に伴って変化させて、前記表示部に点滅刺激を表示する機能と、
    前記点滅刺激を表示した状態で、前記被験者が前記点滅刺激によるちらつきを知覚して前記操作部を操作したときの点滅の周波数をフリッカー値として決定する機能と、
    前記点滅刺激を表示する前、又は前記フリッカー値を決定した後に、前記被験者の自覚的疲労指標値を取得する機能と、
    請求項3、5、7及び9の何れか1項に記載の標準フリッカー値の計算方法により、ちらつき知覚閾値として周波数を測定する場合の標準フリッカー値を計算する機能とを実現させることを特徴とする標準フリッカー値の計算プログラム。
  14. 操作部及び表示部を備えたコンピュータ又は携帯端末装置に、
    点滅の輝度値を時間の経過に伴って変化させて、前記表示部に点滅刺激を表示する機能と、
    前記点滅刺激を表示した状態で、前記被験者が前記点滅刺激によるちらつきを知覚して前記操作部を操作したときの点滅の輝度値をフリッカー値として決定する機能と、
    前記点滅刺激を表示する前、又は前記フリッカー値を決定した後に、前記被験者の自覚的疲労指標値を取得する機能と、
    請求項4、6、8及び10の何れか1項に記載の標準フリッカー値の計算方法により、ちらつき知覚閾値として輝度値を測定する場合の標準フリッカー値を計算する機能とを実現させることを特徴とする標準フリッカー値の計算プログラム。
JP2011096826A 2011-04-25 2011-04-25 標準フリッカー値の計算式の決定方法、標準フリッカー値の計算方法及びプログラム、並びにフリッカー値測定装置 Active JP5578681B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011096826A JP5578681B2 (ja) 2011-04-25 2011-04-25 標準フリッカー値の計算式の決定方法、標準フリッカー値の計算方法及びプログラム、並びにフリッカー値測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011096826A JP5578681B2 (ja) 2011-04-25 2011-04-25 標準フリッカー値の計算式の決定方法、標準フリッカー値の計算方法及びプログラム、並びにフリッカー値測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012228292A JP2012228292A (ja) 2012-11-22
JP5578681B2 true JP5578681B2 (ja) 2014-08-27

Family

ID=47430398

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011096826A Active JP5578681B2 (ja) 2011-04-25 2011-04-25 標準フリッカー値の計算式の決定方法、標準フリッカー値の計算方法及びプログラム、並びにフリッカー値測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5578681B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020183921A1 (ja) * 2019-03-13 2020-09-17 コニカミノルタ株式会社 残留dc測定装置、残留dc測定方法及び残留dc測定プログラム
CN112512192B (zh) * 2020-09-25 2023-04-14 深圳星标科技股份有限公司 目视助航设备保护方法及相关装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0856938A (ja) * 1994-08-23 1996-03-05 Seikosha Co Ltd フリッカーテスト装置
JP2702683B2 (ja) * 1995-07-20 1998-01-21 工業技術院長 疲労特性評価装置及び疲労計測装置
JP3054708B1 (ja) * 1999-02-23 2000-06-19 工業技術院長 ストレス計測装置
US6129436A (en) * 1999-11-03 2000-10-10 Treskov; Yakov Method and device for visual examination
US8579441B2 (en) * 2009-09-10 2013-11-12 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Measurement device and measurement method for flickering perception threshold

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012228292A (ja) 2012-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5413860B2 (ja) ちらつきの知覚閾値の測定装置及び測定方法
RU2010103129A (ru) Система выбора цвета
JP4872597B2 (ja) 運動支援装置
JP4954082B2 (ja) コントラスト視力検査を行うための方法
JP4798455B2 (ja) 精神的疲労の測定機能を有する携帯端末装置及びそのプログラム
WO2010029857A1 (ja) 精神的疲労の測定機能を有する携帯端末装置、その測定方法およびサーバコンピュータ
KR101020693B1 (ko) 생체 정보 측정 장치
JP5578681B2 (ja) 標準フリッカー値の計算式の決定方法、標準フリッカー値の計算方法及びプログラム、並びにフリッカー値測定装置
US20200387267A1 (en) Content selection method, content selection device, and non-transitory computer-readable recording medium storing content selection program
JP2010088862A (ja) ちらつきの閾値の測定装置及び測定プログラム
JP5515066B2 (ja) ちらつき知覚閾値の測定装置、測定方法及び測定プログラム
JP6919141B2 (ja) 視覚ダイナミックレンジ計測装置及び方法
CN103782660B (zh) 照明环境建议系统
JP6534531B2 (ja) 知覚閾値測定装置、知覚閾値測定方法及び知覚閾値測定プログラム
JP6264548B2 (ja) 生体情報測定装置
US20220072401A1 (en) Training determination device, training determination method and program
JP5645190B2 (ja) ちらつき知覚閾値の測定装置、測定方法及び測定プログラム
US20230320582A1 (en) Visual function examination device, spectacle lens presentation system, printed matter, visual function examination method, spectacle lens presentation method, and computer-readable medium
JP2002159450A (ja) 健康管理指標データの表示制御方法、および脂肪計
US20120254642A1 (en) Information Processing Device, Method for Calculating Degree of Contribution to Power Saving, and Presentation Method
JP5975492B2 (ja) ちらつき知覚閾値の測定装置、測定方法及び測定プログラム
JP5812308B2 (ja) フリッカー値測定装置及び測定方法
JPWO2004084155A1 (ja) 訓練条件判定装置、訓練条件判定方法、および、プログラム
WO2023238574A1 (ja) 疲労ストレス分析装置
Stewart Absolute identification is relative: A reply to Brown, Marley, and Lacouture (2007).

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140415

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140421

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140611

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140701

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140704

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5578681

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250