JP5578015B2 - セルロース粒子の製造方法、及び、セルロース粒子 - Google Patents
セルロース粒子の製造方法、及び、セルロース粒子 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5578015B2 JP5578015B2 JP2010234748A JP2010234748A JP5578015B2 JP 5578015 B2 JP5578015 B2 JP 5578015B2 JP 2010234748 A JP2010234748 A JP 2010234748A JP 2010234748 A JP2010234748 A JP 2010234748A JP 5578015 B2 JP5578015 B2 JP 5578015B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cellulose
- particles
- organic solvent
- solution
- ionic liquid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
Description
しかしながら、1)の方法では粒子を形成するためにセルロースを溶解している溶媒の蒸発除去が必要であり、さらにケン化する必要がある等、操作が非常に繁雑であるという問題点があり、2)の方法ではセルロース溶液を130℃と高温に加温する設備が必要になり、また、セルロースの重合度が減少するという問題があり、3)の方法ではセルロースに対する溶解力が限られており、溶解に長時間を要するという問題点があった。
1)(1)イオン液体にセルロースを溶解するセルロース溶液の調製工程、
(2)前記イオン液体と相溶性の低い有機溶剤及び前記有機溶剤に可溶な親油性高分子とを混合し、前記セルロース溶液の液滴を有機溶剤中に分散させるセルロース溶液の液滴分散液の調製工程、並びに、
(3)セルロースを凝固させてセルロース粒子を得る凝固工程、
を含むことを特徴とするセルロース粒子の製造方法。
2)前記親油性高分子が、多糖類又はその誘導体である、上記1)の製造方法。
3)前記親油性高分子が、セルロース誘導体である、上記1)又は2)の製造方法。
4)前記イオン液体がアルキルイミダゾリウム塩である、上記1)〜3)の製造方法。
5)前記イオン液体が1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩である、上記1)〜4)の製造方法。
6)前記(2)において、前記有機溶剤及び親油性高分子を含む溶液を前記セルロース溶液と混合する、上記1)〜5)の製造方法。
7)上記1)〜6)の製造方法によって製造されたセルロース粒子。
8)上記7)のセルロース粒子を含むクロマトグラフィー用充填剤。
9)上記7)のセルロース粒子を用いた抗体精製用吸着体。
10)アフィニティーリガンドとしてプロテインAが導入された、上記9)の抗体精製用吸着体。
以下、工程ごとに説明する。なお、本明細書中、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上、B以下」と同義であり、A及びBを数値範囲内に含む。
本工程では、原料セルロース(原料として使用するセルロース。以下、単に「セルロース」ともいう。)をイオン液体に溶解してセルロース溶液が調製される。セルロースは、後述する有機溶剤に溶解しないか、有機溶剤に難溶性のものが好ましい。有機溶剤に難溶性のものとは、室温(25℃)で、有機溶剤100gに溶けるセルロースの質量(g)が1g以下であることを意味する。
本発明において用いられるセルロースとしては、その由来は特に制限はなく、例えば、綿リンター、木材パルプ等から得られる植物セルロース、微生物の産生するバクテリアセルロース、ホヤセルロース等の動物セルロース、再生セルロース等が使用できるが、これらを精製して得られる精製セルロースを用いるのが好ましい。なお、イオン液体に溶解し、有機溶剤に難溶である限りにおいて、一部に官能基が導入されたセルロース、例えば、セルロースの水酸基の一部がエステル化されたもの(エステル誘導体)、セルロースの水酸基がエーテル化されたもの(エーテル誘導体)等のセルロース誘導体を用いることもできる。斯かるセルロース誘導体としては、具体的には、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、ニトロセルロース、りん酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ベンジルセルロース、トリチルセルロース、シアノエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、アミノエチルセルロース、オキシエチルセルロース等が挙げられる。
本発明においては、セルロースは、後述する有機溶剤に溶解しないものが好ましい。
カチオン成分としては、アルキルイミダゾリウムカチオン、アルキルピリジニウムカチオン、アルキルアンモニウムカチオン、アルキルフォスフォニウムカチオン、アルキルスルフォニウムカチオン、N,N−ジアルキルピロリジニウムカチオン、N,N−ジアルキルピペリジニウムカチオン、N,N−ジアルキルモルフォルニウムカチオン等が挙げられる。このうち好適にはアルキルイミダゾリウムカチオン、アルキルピリジニウムカチオン、アルキルアンモニウムカチオンが挙げられる。ここで、「アルキル」としては、炭素数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられ、このうち炭素数1〜8の直鎖アルキル基が好ましく、特に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等の炭素数1〜5の直鎖アルキル基が好適である。上記アルキル基の代わりにアルケニル基であってもよく、前記アルケニル基としては、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、アリル基がさらに好ましい。
カチオン成分としては、具体的には、N−メチルイミダゾリウムカチオン、N−エチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムカチオン及び1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウムカチオン、1−アリル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、N−プロピルピリジニウムカチオン、N−ブチルピリジニウムカチオン、1,4−ジメチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムカチオン及び1−ブチル−2,4−ジメチルピリジニウムカチオン、トリメチルアンモニウムカチオン、エチルジメチルアンモニウムカチオン、ジエチルメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、テトラメチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン等が挙げられるが、このうち、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン等のジアルキルイミダゾリウムカチオンがより好ましく、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンがさらに好ましい。
ここで、イオン液体は、溶液の粘度上昇による液滴の形成の困難性、及びセルロース濃度低下による液滴形成時の微小粒子の多発を抑制する点から、溶液中のセルロース濃度が3〜50質量%、好ましくは6〜30質量%となるように用いるのが好ましい。
尚、セルロースのイオン液体への溶解濃度により、本発明の製造方法により得られるセルロース粒子の細孔径が変化する。すなわち、セルロースの溶解濃度が濃いほどセルロース粒子の細孔径が小さくなる傾向がある。従って、上記の範囲内において、セルロース濃度を調整することにより、任意の細孔径をもつセルロース粒子を得ることができる。尚、本発明のセルロース粒子において細孔径に特に制限はないが、一般にクロマトグラフィー用充填剤として用いられる場合には数nm〜数μm程度が好ましい。
本工程では、上記の如く調製されたセルロース溶液、イオン液体と相溶性の低い有機溶剤(以下、単に「有機溶剤」とも称する)、及び親油性高分子とを混合・撹拌することにより、セルロース溶液の液滴が有機溶剤中に分散した分散液が調製される。ここで、「イオン液体と相溶性の低い有機溶剤」とは、イオン液体と有機溶剤とを体積比で1:1で混合した際に、イオン液体と有機溶剤との間に界面が形成される有機溶剤を意味する。
好ましくは芳香族炭化水素が挙げられ、より好ましくはトルエンが挙げられる。
増粘剤としては、例えば、セルロース誘導体等の多糖類誘導体、親油性ビニル誘導体、親油性アクリル酸系ポリマー等が挙げられる。
これらのうち、セルロース誘導体が好ましく、とりわけエチルセルロースが好ましい。
上記親油性高分子は、1種のみを使用することができるが、2種以上を併用することもできる。
尚、本発明において平均分子量とは、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量を意味する。
例えば、スタティックミキサー等の混合器を用いて、セルロースが分解せず、析出しない温度、例えば、室温〜100℃の範囲で混合撹拌する方法が挙げられる。
尚、撹拌時の回転速度を上げるほど形成される液滴は径が小さくなることから、目的とするセルロースの粒子径に応じて、適宜混合器の回転速度を調節すれば良い。
本工程では、セルロース溶液の液滴分散液からセルロース粒子を凝固させるが、斯かる方法としては、例えば、当該セルロース溶液の液滴分散液に、イオン液体に相溶し且つ実質的にセルロースを溶解しない媒体を接触させる方法が挙げられる。
媒体は直接セルロース溶液の液滴分散液に添加してもよいが、セルロース溶液の液滴の形状を保ったままセルロースを凝固せしめる点から、親油性高分子を溶解した有機溶剤と、水、メタノール、エタノール等の媒体とを混合・撹拌して調製された媒体の分散液として添加するのが好ましい。
また、この場合に用いられる有機溶剤としては、好ましくは、セルロース溶液の液滴分散の際に使用されたものと同種のものを使用することが好ましい。
また、本発明のセルロース粒子を、クロマトグラフィー用担体として容器に充填し、適切な線速度で通液した場合、担体内における溶質の移動が速く、また流速を上げても親和性物質等の動的結合容量が低下しにくいという性質を有する(実施例5)
例えば、一態様として、本発明のセルロース粒子の水酸基の少なくとも一部を介してプロテインAを公知の方法(米国特許6399750号等)により固定化することにより、抗体精製に好適なクロマトグラフィー用充填剤、すなわち抗体精製用吸着体とすることが挙げられる。
<評価方法>
1)粒径分布の測定
レーザー散乱回折法粒度分布測定装置LS 13 320 ((株)ベックマン・コールター)により粒径分布を測定した。光学モデルはFluid R.I. Real 1.333、Sample R.I. Real 1.54 Imaginary 0を使用した。
これより、セルロース粒子の体積平均径、及び体積粒度の変動係数(C.V.値:(標準偏差/体積平均径)×100)を求めた。
2)粒子沈降体積
粒子を水分散し、目盛り付き容器に入れ、12時間静置後の粒子沈降体積を目視により測定した。
500mlバッフル付きセパラブルフラスコ内で1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート(Aldrich社製)60gにセルロース粉末(フナコシ株式会社製)4.17gを加え、温水バスにセットし95℃に加熱し、2時間撹拌を行い溶解しセルロース溶液を得た。別の500mlセパラブルフラスコ内でトルエン(和光純薬工業社製)200mlにエチルセルロース45(平均分子量150000)(和光純薬工業社製)16gを加え、温水バスにセットし80℃で2時間撹拌を行い溶解した。さらに別のセパラブルフラスコ内でトルエン150mlにエチルセルロース45を12g加え、温水バスにセットし80℃で2時間撹拌を行い溶解した後、0.2M硫酸ナトリウム水溶液62.5mlを加え400rpm、80℃で30分間撹拌をおこないW/O型エマルジョンを得た。次にエチルセルロース45含有トルエンをセルロース溶液に加え400rpm、90℃で10分間撹拌し、セルロース溶液の液滴分散液(IL/O型エマルジョン(ここで、ILはイオン液体))を調製後、上記で得られたW/O型エマルジョンを加え400rpmで撹拌しながら室温に冷却した。その後、1500mlエタノール中に注ぎ撹拌後静置しデカンテーションにより上澄み液を除去した。さらにエタノール1500mlでデカンテーションを2回おこなった後、エタノールで濾過洗浄を行い、さらに水で濾過洗浄を行い目的のセルロース粒子を得た。また、生成物の目開き1mmの網上に残る凝固物は0%(対原料セルロース投入重量)であり安定にセルロース粒子を作製することができた。
得られた粒子は体積平均粒径62μm、C.V.値65%であった。次に、セルロース粒子を106μmと40μmのふるいにかけ40μm〜106μmの粒径をもつ粒子を得た。得られた粒子沈降体積は50mlであった。
実施例1で1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテートの代わりに1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(Aldrich社製)を用いた以外は実施例1と同様にしてセルロース粒子を得た。目開き1mmの網上に残る凝固物は5%(対原料セルロース投入重量)であり、ふるいにかける前は体積平均粒径65μm、C.V.値87%であった。ふるいにかけた後の40〜106μmの粒径をもつ粒子沈降体積は25mlであった。
J.Chromatogr.A 1217(2010)1298-1304(前記非特許文献4)記載の方法に従って、セルロース粒子を製造した。
すなわち、500mlバッフル付きセパラブルフラスコ内で1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(Aldrich社製)60gにセルロース粉末4.17gを加え、温水バスにセットし95℃に加熱し、2時間撹拌を行い溶解しセルロース溶液を得た。別の500mlセパラブルフラスコ内でmineral oil (heavy)(Aldrich社製)200mlにSpan85(分子量957)(和光純薬工業株式会社製)9mlを加え、温水バスにセットし80℃で2時間撹拌を行い溶解した。さらに別のセパラブルフラスコ内でmineral oil (heavy)150mlにSpan85 6.75mlを加え、温水バスにセットし80℃で2時間撹拌を行い溶解した後、0.2M硫酸ナトリウム水溶液62.5mlを加え400rpm、80℃で30分間撹拌をおこないW/O型エマルジョンを得た。次にSpan85含有mineral oil (heavy)をセルロース溶液に加え800rpm、100℃で10分間撹拌しセルロース溶液の液滴分散液(IL/O型エマルジョン)を調製後、上記で得られたW/O型エマルジョンを加え800rpmで撹拌しながら室温に冷却した。その後、1500mlエタノール中に注ぎ撹拌後静置しデカンテーションにより上澄み液を除去した。さらにエタノール1500mlでデカンテーションを2回おこなった後、エタノールで濾過洗浄を行い、さらに水で濾過洗浄を行い目的のセルロース粒子を得た。また、生成物の目開き1mmの網上に残る凝固物は30%(対原料セルロース投入重量)であった。得られた粒子は体積平均粒径101μm、C.V.値116%であった。
次に、セルロース粒子を106μmと40μmのふるいにかけ40μm〜106μmの粒径をもつ粒子を得た。得られた粒子沈降体積は10mlであった。この操作を複数回行い必要量の粒子を得た。
実施例1でエチルセルロース45の代わりにSPAN85を用いた以外は実施例1と同様にしてセルロース粒子を得た。目開き1mmの網上に残る凝固物は80%(対原料セルロース投入重量)でありふるいにかける前は体積平均粒径105μm、C.V.値118%であった。ふるいにかけた後の40〜106μmの粒径をもつ粒子沈降体積は3mlであり、その後の評価に用いることができる量を得ることが出来なかった。
また、実施例1、2、比較例1、2におけるセルロース粒子のふるいにかける前のC.V.値とふるいにかけた後に得られた粒子沈降体積を表1にまとめた。
本発明の方法によりセルロースをイオン液体に溶解した溶液からでも、高収率でクロマトグラフィー用充填剤に適した粒径のセルロース粒子を得ることができる。
100ml三ツ口フラスコを用い実施例1で製造したセルロース粒子25ml(沈降体積)に水35mlを加えた。次にNaBH4120mg、32重量%Na2SO4水溶液25ml、45重量%NaOH水溶液0.6mlを加え撹拌した。温度を50℃にして30分間撹拌を継続した。次に、45重量%NaOH0.9mlとエピクロロヒドリン0.72mlを1時間おきに12回加えた。添加終了後、温度50℃で12時間反応させた。その後、濾過により粒子を回収し、純水で洗浄し、化学架橋セルロース粒子Aを得た。得られた粒子5ml(沈降体積)をサクションドライし、水を加えて計7mlの懸濁液とした。上記の懸濁液に5N水酸化ナトリウム水溶液0.8ml、NaBH424mg、及びエピクロロヒドリン4mlを加え、25℃で8時間振とうし、化学架橋セルロース粒子Aにエポキシ基を導入した。その後、上記の反応液を純水、エタノール、純水の順で濾過洗浄を行った。得られた粒子をプロテインA(RepliGen社、rPA50)102mgを含む1.5M硫酸ナトリウム、0.1Mリン酸バッファー(pH6.8)45mlで懸濁した。上記懸濁液を25℃で24時間振とうし、プロテインAを粒子に結合させた。その後、粒子を遠心沈降して上澄み液を除いた。次に1Mチオグリセロール、0.5M硫酸ナトリウム水溶液(pH8.3)45mlを加えて25℃で4時間反応させ、残余のエポキシ基をブロッキングし、0.1Mクエン酸バッファー(pH3.2)、0.1M水酸化ナトリウム水溶液、PBS(−)で順次洗浄し、プロテインA固定化セルロース粒子Aを得た。
実施例2で得られたセルロース粒子を実施例3と同様の方法により化学架橋した後、プロテインAを固定化し、プロテインA固定化セルロース粒子Bを得た。
比較例1で得られたセルロース粒子を実施例3と同様の方法により化学架橋した後、プロテインAを固定化し、プロテインA固定化セルロース粒子Cを得た。
実施例3、4、比較例3で得られたプロテインA固定化セルロース粒子をそれぞれ内径0.5cmのカラムにベッド高20.0cmまで詰めた。各カラムを20mMリン酸バッファー(pH7.4)で平衡化した後、ヒトポリクローナルIgG(5mg/ml)を含む20mMリン酸バッファー(pH7.4)を、線流速150cm/時間で流し、吸光度モニターで溶出液中のヒトポリクローナルIgG濃度が10%ブレークスルー(破過)の時のヒトポリクローナルIgG吸着量と充填剤体積から動的結合容量を求めた。また、そのときのカラム圧を測定した。線流速300cm/時間、600cm/時間の時の動的結合容量とカラム圧も同様にして求めた。結果を表2に示す。
本発明品はカラム圧が低く体積当たりのIgG動的結合容量が高かった。特に高流速において体積当たりのIgG動的結合容量が高かった。
Claims (10)
- (1)イオン液体にセルロースを溶解するセルロース溶液の調製工程、
(2)前記イオン液体と相溶性の低い有機溶剤及び前記有機溶剤に可溶な親油性高分子とを混合し、前記セルロース溶液の液滴を有機溶剤中に分散させるセルロース溶液の液滴分散液の調製工程、並びに、
(3)セルロースを凝固させてセルロース粒子を得る凝固工程、
を含むことを特徴とするセルロース粒子の製造方法。 - 前記親油性高分子が、多糖類又はその誘導体である、請求項1記載の製造方法。
- 前記親油性高分子が、セルロース誘導体である、請求項1又は2記載の製造方法。
- 前記イオン液体がアルキルイミダゾリウム塩である、請求項1〜3の何れか1項記載の製造方法。
- 前記イオン液体が1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩である、請求項1〜4何れか1項記載の製造方法。
- 前記(2)において、前記有機溶剤及び親油性高分子を含む溶液を前記セルロース溶液と混合する、請求項1〜5の何れか1項記載の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載の製造方法によって製造されたセルロース粒子。
- 請求項7記載のセルロース粒子を含むクロマトグラフィー用充填剤。
- 請求項7記載のセルロース粒子を用いた抗体精製用吸着体。
- アフィニティーリガンドとしてプロテインAが導入された、請求項9記載の抗体精製用吸着体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010234748A JP5578015B2 (ja) | 2010-10-19 | 2010-10-19 | セルロース粒子の製造方法、及び、セルロース粒子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010234748A JP5578015B2 (ja) | 2010-10-19 | 2010-10-19 | セルロース粒子の製造方法、及び、セルロース粒子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012087202A JP2012087202A (ja) | 2012-05-10 |
JP5578015B2 true JP5578015B2 (ja) | 2014-08-27 |
Family
ID=46259189
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010234748A Expired - Fee Related JP5578015B2 (ja) | 2010-10-19 | 2010-10-19 | セルロース粒子の製造方法、及び、セルロース粒子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5578015B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3042925B1 (en) | 2013-09-02 | 2019-09-18 | JNC Corporation | Method for producing porous cellulose particles, and porous cellulose particles |
CN104007201A (zh) * | 2014-05-29 | 2014-08-27 | 华南理工大学 | 一种测定多糖糖组分的分析方法 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59193135A (ja) * | 1983-04-18 | 1984-11-01 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 吸着体 |
CA1281675C (en) * | 1985-01-25 | 1991-03-19 | Richard L. Antrim | Product and process for increasing enzyme adsorption |
US7888412B2 (en) * | 2004-03-26 | 2011-02-15 | Board Of Trustees Of The University Of Alabama | Polymer dissolution and blend formation in ionic liquids |
JP5339452B2 (ja) * | 2007-04-24 | 2013-11-13 | 国立大学法人東京農工大学 | イオン液体およびこのイオン液体からなるポリマー処理剤 |
JP5055314B2 (ja) * | 2009-02-27 | 2012-10-24 | 株式会社日立製作所 | セルロース/樹脂複合体及びその製造方法 |
WO2012033223A1 (ja) * | 2010-09-10 | 2012-03-15 | 株式会社カネカ | 多孔質粒子の製造方法、多孔質粒子、吸着体、およびタンパク質の精製方法 |
-
2010
- 2010-10-19 JP JP2010234748A patent/JP5578015B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012087202A (ja) | 2012-05-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2012081616A1 (ja) | 高分子粒子の製造方法、及び、高分子粒子 | |
Gericke et al. | Functional cellulose beads: preparation, characterization, and applications | |
JP5504596B2 (ja) | 多孔性セルロースゲル、その製造方法及びその用途 | |
JP5785553B2 (ja) | 多孔質粒子の製造方法、多孔質粒子、吸着体、およびタンパク質の精製方法 | |
US9487595B2 (en) | Method for producing porous cellulose beads | |
JP6231032B2 (ja) | セルロース多孔質粒子の製造方法及びセルロース多孔質粒子 | |
US5245024A (en) | Cellulose chromatography support | |
JP5594113B2 (ja) | 架橋高分子粒子の製造方法、及び、架橋高分子粒子 | |
JP7497891B2 (ja) | 大孔径アガロース | |
JP2016006410A (ja) | クロマトグラフィー担体およびそれを用いたタンパク質精製方法 | |
DE69834558T2 (de) | Trennmittel für optische isomere und verfahren zu ihrer herstellung | |
JP5578015B2 (ja) | セルロース粒子の製造方法、及び、セルロース粒子 | |
JP2002523759A (ja) | 混成物質およびその使用 | |
JP5708300B2 (ja) | セルロースゲル | |
WO2019220866A1 (ja) | 多孔質セルロースビーズおよび吸着体の製造方法 | |
JP5594114B2 (ja) | 多糖複合粒子の製造方法、及び、多糖複合粒子 | |
JP2003524680A (ja) | 刺激応答性高分子を用いた親和力制御型材料および該材料を用いた分離精製方法 | |
DE60212619T2 (de) | Herstellungsverfahren eines füllers zur trennung eines optischen isomers und anwendung in der chromatographie | |
US12005424B2 (en) | Separation matrix and method of separation | |
JP3021641B2 (ja) | 改良されたセルロースクロマトグラフィー支持体 | |
JPH0730202B2 (ja) | 球状粒子の製造法 | |
JPH0222093B2 (ja) | ||
JP2794439B2 (ja) | セルロース材料の微小細孔サイズの調節方法 | |
Lazim et al. | A Study on Microgel System as a Template for Dispersion and Separation of Chiral Tartaric Acid |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130808 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20131218 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140610 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140623 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5578015 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |