JP5577549B1 - 翼の形状測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】動翼の横断面形状を、簡易で小型堅牢な構造構成により、迅速に高精度で測定検査することを実現して、高効率化をはかることを可能にした動翼の横断面形状測定装置を提供するものである。
【解決手段】回転軸に装着配列する翼を、その回転軸との装着部側から先端側にかけて複数位置の横断面形状を測定する装置であって、前記翼をその先端を上にし回転軸との装着部を下にした直立状態にして支持する一対のL型バックアップスタンドにおいて、翼の回転軸装着部を支持する支持プレートと、前記横断面形状を測定する複数位置の各々に水平スリットガイドを平行関係で設けたゲージガイドプレートと、前記ゲージガイドプレートの対面する各水平スリットガイドに両端部を挿入摺動して対面先端縁を前記翼の表面側と裏面側から挟み込んだ際に対面先端縁により当該測定位置の目標横断面形状を形成する一対の横断面形状ゲージプレートとを設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、タービン、送風機、軸流コンプレッサ等に設置される各種の翼(羽根を含む)の横断面形状の測定検査を、測定検査作業が安全に迅速に効率よく実施でき、小型で簡単な堅牢構造で汎用性の高い安価に製作可能な翼の形状測定装置に関するものである。
回転軸に放射状に装着する前記各種の翼は、加速/減速時や高速運転中において、異常な振動や騒音の無い空力性能の向上と安定維持を図るため、翼の形状が設計され、そしてその製造過程で、翼の夫々が設計上予定された形状か否かそして、変形や傷がないか否かの検査を行っている。
その検査は、個人差があり且つ誤検も多くまた変形や傷を見逃し易く時間がかかり検査精度が低いという旧来の目視検査に変わって、翼の表面側と裏面側の夫々の表面形状を測定し、それら表裏の形状を合成して翼の全表面形状を測定する方法が開発されている。
この翼の表面形状を測定する方法として、特許文献1〜特許文献8などに紹介されているように、大きく分類して、翼の表裏面に、機械的に測定ゲージを当てプロット合成する機械測定方法と、翼の全表面域に亘って光学的照射スキャンを行い合成する光学測定方法の二種類がある。
本発明は、後者の光学測定方法より周囲の環境に左右されない簡易機構で測定精度がよく安価に製作可能な前者の機械測定方法を実現する装置を提供する。
そこで、翼の製作直後の表面形状、或いは稼働中の定期的機械測定検査における翼の表面形状の測定は、一般に直立にした翼の高さ方向における複数の翼横断面形状管理位置の個々について、矩形プレートに当該管理位置のあるべき当該翼横断面形状を刳り貫いて、その裏面側と表面側に分けて二分割にした二枚のゲージプレートを、翼の裏側と表側から別々に或いは同時に当接してゲージプレートの当該翼横断面形状の刳り貫き縁と実際の翼の表面位置との差異を計測してプロットすることにより翼の高さ方向の横断面形状の変化を三次元的に測定して翼の表面形状を把握し、真の翼の表面形状との関係を測定検査し、その誤差などを修正して、翼の表面形状品質の確保と安全性を維持しなければならない。
従来の翼の表面形状測定装置は、特許第3597443号公報で紹介された図7に示す装置が一般的である。
この装置は、図7の(1)に分解的に鳥瞰図で示すように、固定の水平基盤上の左右に門型スタンドを固定配置し、左側の門型スタンドの対向面に、一方のゲージプレートの水平移動用のスリットガイドを形成したガイドプレートを交換可能に装着し、右側の門型スタンドの対向面に、他方のゲージプレートの水平移動用のスリットガイドを形成したガイドプレートを交換可能に装着し、門型スタンド間に翼を直立にして載置する回転台を設け、回転台を門型スタンド間の側方から中央部に出し入れ移動可能にするスライド台を設け、スライド台と同様に門型スタンド間の側方から移動して回転台に直立に載置した翼を支持する翼支持スタンドを設けたものである。
この構成により回転台に被検査体である翼を直立に載置してスライド板で門型スタンド間の中央部の検査位置に移動セットし、翼支持スタンドで翼を所定の測定状態に支持し、前記両ゲージプレートを当該ガイドプレートのスリットガイドに沿って摺動して翼の表裏側で突合せ、併記した図7の(2)のように元の一枚の矩形プレート状に当接して形成し、翼の表面をあるべき当該翼横断面形状の刳り貫き縁で囲い翼の横断面形状の是非を測定する。
特許第3597443号公報 特開1997−5044号公報 特開2001−271605号公報 特開2002−174512公報 特開2008−51664号公報 特開2012−137054号公報 特開2013−50362号公報 特許第3531290号公報
従来の前記翼の横断面形状測定装置は、水平基盤と、ガイドプレートを対向面に配置の一対の門型スタンドと、翼支持スタンドと、スライド台と、回転台と言う多くのパーツによりゲージプレートを扱う複雑な機構であり、広い設置面を必要とするため、高額な設備投資となるばかりか、ゲージプレートを支持するガイドプレートを内面に配置の門型スタンドが左右に分離しているため測定検査精度と作業効率が甚だ良くない。
本発明は、翼の横断面形状を、簡易で小型堅牢な構造構成により、迅速に高精度で測定検査することを実現して、高効率化をはかることを可能にした翼の横断面形状測定装置を提供するものである。
本発明は、前術の課題を全うするものであり、そのための技術手段は次のとおりである。
(1)、回転軸に装着配列する翼を、その回転軸との装着部側から先端側にかけて複数位置の横断面形状を測定する装置において、
前記翼をその先端を上にし回転軸との装着部を下にした直立状態にして対面間に位置させる一対のL型バックアップスタンドと、
前記一対のL型バックアップスタンドの対面下部間に水平に着脱可能に設けられ翼の回転軸装着部を支持する支持プレートと、
前記一対のL型バックアップスタンドの対向面に着脱可能に装着され表面に前記横断面形状を測定する複数位置の各々に水平スリットガイドを平行関係で設けたゲージガイドプレートと、
前記ゲージガイドプレートの対面する各水平スリットガイドに両端部を挿入摺動して対面先端縁を前記翼の表面側と裏面側から挟み込んだ際に対面先端縁により当該測定位置の目標横断面形状を形成する一対の横断面形状ゲージプレートと、
から構成してなることを特徴とする翼の横断面形状測定装置。
(2)、前記一対のL型バックアップスタンドには、対面間の離間距離を調整するスクリュー式、ピニオンラック式、自走式等の位置調節機構を設けたことを特徴とする前記(1)の翼の横断面形状測定装置。
前記した翼の横断面形状を測定する複数位置を以下管理断面位置と称する。
本発明の翼等の横断面形状測定装置は、タービンに用いられる静翼や動翼、送風機、軸流コンプレッサ等の各種の翼(羽根を含む)等の横断面形状の測定検査を、迅速正確に効率よく実施でき、小型で簡単安全な堅牢構造で安価に製作可能な汎用性の高い装置である。
本発明は、従来、ガイドプレートを対面配置していた固定式の左右各一対の門型スタンドと、門型スタンド間の側方配置の翼支持スタンドと、門型スタンド間中央部配置のスライド台と、回転台とを完全に撤廃したものである。
つまり本発明の翼等の横断面形状測定装置は、前記特徴におけるゲージガイドプレートを対面配置した一対のL型のバックアップセットスタンドを、翼とゲージプレートのサイズに応じて対面間距離を自在に調節した後、スタンド間に翼を直立状態で収容しその下部である回転軸との装着部を支持プレートで安定支持してコンパクトな堅牢構造を構成して横断面形状測定の段取りを完了する。
そして、翼の各管理断面位置において、対面先端縁を突き合わせた際に当該測定位置の目標横断面形状を形成する一対の横断面形状ゲージプレートの両側端部を一対の水平スリットガイド内に挿入して突き合わせて当該正規の横断面形状にすることにより、実際の翼の横断面形状を三次元的に正確迅速に測定して当該正規の横断面形状に対する、公差を測定しその是非を判定することを可能にして、精度の高い高品質な翼の製造および、使用中の翼については、適切なメンテナンス管理を可能にしたものである。
本発明の実施例1を示す鳥瞰図である。 図1の矢視A−Aから見た横断面ゲージプレートの平面図である。 実施例2を示す正面説明図である。 図3の矢視B−Bから見た側面説明図である。 図4の矢視C−Cから見た平面説明図である。 実施例2の各 管理断面位置1〜4における当該横断面ゲージプレートで測定する翼の横断面形状例を示す説明図である。 従来、特許文献1により公知の翼横断面測定装置を分解的鳥瞰図(1)で示す説明図であり、(2)は、二枚のゲージプレートをガイドプレートのスリットガイドに沿って摺動して門型スタンド間の無支持部で突き合せして矩形プレート状にした際の状態、を示す鳥瞰説明図である。
本発明を実施するための形態は、図面に示す実施例により詳細に説明する。
実施例1の翼の横断面形状測定装置を、図1〜図2に示す。
本例は、静翼100の横断面形状測定装置であり、静翼100(被検査翼)をその回転軸装着部であるボス部102aを下にして直立に載置支持して、この載置翼の高さ方向(長さ方向)の複数の管理断面位置1〜5の横断面形状を測定するものであり、基台200上に設置した一対のL型バックアップスタンド301,302と、静翼の回転軸との装着部であるボス部102aを支持する支持プレート303と、一対のガイドプレート304,305と、正規の静翼横断面形状を二分割した各一対のゲージプレート401a,41bとから構成してなる。
一対のL型バックアップスタンド301,302は、直立状態の静翼100を中央部に位置させて互いに平行状態で対面位置する。
本例のL型バックアップスタンド301,302は一方のL型バックアップスタンド301を基台200上に位置固定し、他方のL型バックアップスタンド302をスクリュー式位置調節機構500によりL型バックアップスタンド301との対面間距離を調節可能に設置してある。
スクリュー式位置調節機構500は、L型バックアップスタンド302の後部のスクリュー軸受け部505にスクリューシャフト501(以下単にスクリュー501と称する)の前部を螺合し、スクリュー501の後部を歯車ボックス502内の歯車機構(図示していない)を介してハンドル503に連結し、このハンドル503の回転操作によりL型バックアップスタンド302の被ガイド302Gを基台200に形成した嵌合ガイド504に沿って前後進作動させる。
尚、この一対のL型バックアップスタンド301,302は基台200上にフリー載置タイプにして、対面間の離間距離の調整を任意に自在にすることも可能である。
静翼のタブテールのボス部102aの支持プレート303は、前記一対のL型バックアップスタンド301,302のガイドプレート304,305の下部間に水平に着脱可能に設けられており、中央部に前記ボス部102aを勘合する支持ホール303aを形成しブッシュ303bでボス部102aを緊締固定する。
ガイドプレート304,305は、前記一対のL型バックアップスタンドの対向面に着脱可能に装着され表面に当該静翼の高さ方向の複数の前記管理断面位置1〜5の各々にスリットガイドSGを平行関係で設けてある。この対向面各一対のガイドプレート304,305は翼の種類や管理断面位置の変更のため各種用意され適宜に着脱交換可能にしてある。
横断面形状ゲージプレート401a,401bは、両側部をガイドプレート304,305の各当該スリットガイドSGに挿入して摺動自在に嵌めて、各対面する先端縁EGで当該静翼の表面100f1側と裏面100f2側から挟み込んだ際に、静翼の当該管理断面位置の各目標の正規の横断面形状を形成する。
以上の構成により、本例の静翼の横断面形状測定装置の翼表面形状の測定は、L型バックアップスタンド301,302間の支持プレート303により静翼100の下部のボス部102aを支持して所定の被測定姿勢で直立状態に固定した静翼100に対して次のように迅速に実施することができる。
最下段の管理断面位置5のスリットガイドSGから順に、当該横断面形状ゲージプレート401a,401bの各両方を左右から挿入してその先端縁EGを静翼100の表面100f1と裏面100f2の両面に当接させ、この当接の都度、当該横断面形状ゲージプレート401a,401bの下方から上方に向けて当接部に光を投射することにより、当該横断面形状ゲージプレート401a,401bの先端縁EGと翼表面との間隙を当該ゲージプレート401a,401bの上方から目視にて観察すると共に、間隙ゲージを挿入して間隙寸法を測定し公差を求め,その測定公差をプロット記録して静翼100の当該管理断面位置における表面の曲率が正確に製作されているか否かを順次判定して行くものである。
実施例2の動翼1000の横断面形状測定装置は、図3〜図6に示す。
本例の、動翼1000の横断面形状測定装置は、前例同様に、動翼1000をそのスプライン102bを下にして直立に載置支持して、この載置動翼の高さ方向(長さ方向)の複数の管理断面位置1〜4における図6に示す横断面形状1a〜1dを測定するものであり、一対のL型バックアップスタンドと、動翼の回転軸との装着部であるダブテール用の支持プレート303−1及び動翼角度調整軸であるスプライン102b用の支持プレート303−2と、ガイドプレート304,305と、横断面形状ゲージプレート401a,401bから構成してなる。
本例は実施例1との違いは動翼1000のスプライン102b用の支持プレート303−2を設置したことが主であり、その他の構成部分は実施例1と略同一でありその符号を付して詳細な機能説明等を省略する。
一対のL型バックアップスタンド301,302は、直立状態の動翼を中央部に位置させて互いに平行状態で対面位置し、対面間の離間距離の調整は、実施例1と同様な式位置調節機構より調節可能に設置してあり、図には省略して示していない。
動翼1000のダブテールのボス部102a用の支持プレート303−1は、前記一対のL型バックアップスタンド301,302の下部のガイドプレート間に水平に着脱可能に設けられており、中央部にボス部102aを挿入勘合する支持ホール303−1aを形成しブッシュ303−1bでダブテールのボス部102aを緊締固定する。
スプライン102b用の支持プレート303−2は、ボス部102a用の支持プレート303−1の下方に平行関係で設けられ中央部にスプライン102b部を勘合する支持ホール303−2aを形成してブッシュ303−2bでスプライン102bを緊締固定する。
ガイドプレート304,305は、前記一対のL型バックアップスタンド301,302の対向面に着脱可能に装着され表面に当該動翼1000の高さ方向の複数の前記管理断面位置1〜4の各々にスリットガイドSGを平行関係で設けてある。
横断面形状ゲージプレート401a,401bは、両側部をガイドプレート304,305の各当該スリットガイドSGに挿入して摺動自在に嵌めて、各対面する先端縁EGで動翼1000の表面100f1側と裏面100f2側から挟み込んだ際に、当該動翼1000の管理断面位置の各目標の正規の横断面形状を形成する。
当該動翼1000の管理断面位置1〜4の各横断面形状例を図6に示す。
以上の構成により、本例の動翼1000の横断面形状測定装置の動翼表面形状の測定は、L型バックアップスタンド間のボス部102a用支持プレート303−1とスプライン102b用の支持プレート303−2とにより支持して所定の被測定姿勢で直立状態に固定した動翼1000に対して次のように迅速に実施することができる。
最下段の管理断面位置4のスリットガイドSGから順に、当該横断面形状ゲージプレート401a,401bの両方を左右から挿入してその先端縁EGを動翼1000の表面100f1と裏面100f2の両面に当接させ、この当接の都度、当該動翼1000横断面形状ゲージプレート401a,401bの下方から上方に向けて光を投射することにより、当該動翼1000横断面形状ゲージプレート401a,401bの先端縁EGと動翼表裏面との間隙を当該ゲージプレート401a,401bの上方から目視にて観察すると共に、間隙ゲージを挿入して間隙寸法を測定し公差を求め,その測定公差をプロット記録して動翼1000の当該管理断面位置における表面の曲率が正確に製作されているか否かを順次判定して行くものである。
本発明の動翼の横断面形状測定装置は、前述の発明の効果の記載から明らかなように、小型で簡単安全な堅牢構造で汎用性の高い安価に製作可能な装置であって、タービンに用いられる静動翼や動動翼、送風機、軸流コンプレッサ等の各種の動翼(羽根を含む)等の横断面形状の測定検査を、迅速に精度良く、効率よく、実施できるもので、各種の動翼の製造産業界の発展に寄与すること多大なものがあります。
100:静翼
102a:ボス部
102b:スプライン
100f1:表面
100f2:裏面
1〜5:管理断面位置
200:基台
301,302:L型バックアップスタンド
303:支持プレート
302G:被ガイド
303a:支持ホール
303b:ブッシュ
303−1:支持プレート
303−1a:支持ホール
303−1b:ブッシュ
303−2:支持プレート
303−2a:支持ホール
303−2b:ブッシュ
304,305:ガイドプレート
401a,41b:ゲージプレート
500:スクリュー式位置調節機構
501:スクリューシャフト
502:歯車ボックス
503:ハンドル
504:嵌合ガイド
505:スクリュー軸受け部
SG:スリットガイド
EG:先端縁
1000:動翼

Claims (1)

  1. 回転軸に装着配列する一つの翼(100)を、その回転軸との装着部側から先端側にかけて複数の管理断面位置(1〜5)の横断面形状を測定する装置において、
    前記翼(100)をその先端を上にし回転軸との装着部を下にし直立状態にして対面間に位置させる一対のL型バックアップスタンド(301,302)と、
    前記一対のL型バックアップスタンド(301,302)の対面する下部間に水平に着脱可能に設けられ翼(100)の回転軸装着部を支持する支持プレート(303又は303−1,303−2)と、
    前記一対のL型バックアップスタンド(301,302)の各対向面に着脱可能に装着され表面に前記横断面形状を測定する複数の管理断面位置(1〜5)の各々に水平のスリットガイド(SG)を平行関係で設けたゲージのガイドプレート(304,305)と、
    前記ゲージのガイドプレート(304,305)の対面する前記各水平のスリットガイド(SG)に両端部を挿入摺動して対面先端縁(EG)を前記翼(100)の表面側(100f1)と裏面側(100f2)から挟み込んだ際に対面先端縁(EG)により当該測定する管理断面位置の目標横断面形状を形成する一対のゲージプレート(401a,401b)と、
    前記一対のL型バックアップスタンド(301,302)の対面間の離間距離を調整する機構(500)と、
    から構成したことを特徴とする翼の横断面形状測定装置。
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