(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
(遊技機の構成)
次に、図1〜図4を参照して、遊技機1の構成について具体的に説明する。図1は本発明の遊技機1の正面図であり、図2は本発明のガラス枠を開放させた状態の遊技機1の斜視図であり、図3は本発明のガラス枠を開放させた状態の遊技機1の斜視図であり、図4は遊技機1の裏面側の斜視図である。
図1乃至図3において、遊技機1は、遊技店の島設備に取り付けられる外枠60と、その外枠60と回動可能に支持されたガラス枠50とが備えられている(図1、図3参照)。また、外枠60には、遊技球200が流下する遊技領域6が形成された遊技盤2が設けられている。図1及び図2において、ガラス枠50には、回動操作されることにより遊技領域6に向けて遊技球を発射させる操作ハンドル3と、音声出力装置32と、複数のランプを有する上下の演出用照明装置34a、34bと、押圧操作により演出態様を変更させるための演出ボタン35と、遊技者による各種操作入力を行うための十字キー100が設けられている。
さらに、図3において、ガラス枠50の下側には、受皿ユニット8が設けられている。受皿ユニット8には、複数の遊技球200を貯留する球皿部71が設けられており、この球皿部71は、操作ハンドル3の方向側に遊技球200が流下するように下りの傾斜を有している。この球皿部71の下りの傾斜の端部には、遊技球を受け入れる受入口が設けられており、この受入口に受け入れられた遊技球は、玉送りソレノイド4bが駆動することにより、ガラス枠50の裏面に設けられた玉送り開口部41へ1個ずつ送り出される。そして、玉送り開口部41へ送り出された遊技球は、打出部材4cの方向に向けて下り傾斜を有している発射レール42により、発射レール42の下り傾斜の端部に誘導される。発射レール42の下り傾斜の端部の上方には、遊技球を停留させる停止するストッパー43が設けられており、玉送り開口部41から送り出された遊技球200は、発射レール42の下り傾斜の端部で1個の遊技球が停留されることになる。
そして、遊技者が操作ハンドル3を回動させると、操作ハンドル3に直結している発射ボリューム3b(図15参照)も回動し、発射ボリューム3bにより遊技球の発射強度が調整され、調整された発射強度で発射用ソレノイド4aに直結された打出部材4cが回転する。この打出部材4cが回転することで、打出部材4cにより発射レール42の下り傾斜の端部に貯留されている遊技球200が打ち出され、遊技球が遊技領域6に発射されることとなる。
上記のようにして発射された遊技球は、発射レール42からレール5a、5b間を上昇して玉戻り防止片5cを超えると、遊技領域6に到達し、その後遊技領域6内を落下する。このとき、遊技領域6に設けられた複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。
(遊技領域6の構成)
図1において、上記遊技領域6には、複数の一般入賞口12が設けられている。これら各一般入賞口12には、一般入賞口検出スイッチ12a(図15参照)が設けられており、この一般入賞口検出スイッチ12aが遊技球の入賞を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
また、上記遊技領域6の中央下側の領域には、遊技球が入球可能な始動領域を構成する第1始動口14および第2始動口15と、遊技球が入球可能な第2大入賞口17とが設けられている。
この第2始動口15は、一対の可動片15bを有しており、これら一対の可動片15bが閉状態に維持される第1の態様と、一対の可動片15bが開状態となる第2の態様とに可動制御される。なお、第2始動口15が上記第1の態様に制御されているときには、当該第2始動口15の真上に位置する第2大入賞口17の入賞部材が障害物となって、遊技球の受入れを不可能としている。一方で、第2始動口15が上記第2の態様に制御されているときには、上記一対の可動片15bが受け皿として機能し、第2始動口15への遊技球の入賞が容易となる。つまり、第2始動口15は、第1の態様にあるときには遊技球の入賞機会がなく、第2の態様にあるときには遊技球の入賞機会が増すこととなる。
ここで、第1始動口14には遊技球の入球を検出する第1始動口検出スイッチ14a(図15参照)が設けられ、第2始動口15には遊技球の入球を検出する第2始動口検出スイッチ15a(図15参照)が設けられている。そして、第1始動口検出スイッチ14aまたは第2始動口検出スイッチ15aが遊技球の入球を検出すると、特別図柄判定用乱数値等を取得し、後述する大当たり遊技を実行する権利獲得の抽選(以下、「大当たりの抽選」という)が行われる。また、第1始動口検出スイッチ14aまたは第2始動口検出スイッチ15aが遊技球の入球を検出した場合にも、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
また、第2大入賞口17は、遊技盤2に形成された開口部から構成されている。この第2大入賞口17の下部には、遊技盤面側からガラス板52側に突出可能な第2大入賞口開閉扉17bを有しており、この第2大入賞口開閉扉17bが遊技盤面側に突出する開放状態と、遊技盤面に埋没する閉鎖状態とに可動制御される。そして、第2大入賞口開閉扉17bが遊技盤面に突出していると、遊技球を第2大入賞口17内に導く受け皿として機能し、遊技球が第2大入賞口17に入球可能となる。この第2大入賞口17には第2大入賞口検出スイッチ17aが設けられており、この第2大入賞口検出スイッチ17aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
さらに、上記遊技領域6の右側の領域には、遊技球が通過可能な普通領域を構成する普通図柄ゲート13と、遊技球が入球可能な第1大入賞口16とが設けられている。
このため、操作ハンドル3を大きく回動させ、強い力で打ち出された遊技球でないと、普通図柄ゲート13と第1大入賞口16とには遊技球が、通過または入賞しないように構成されている。特に、後述する時短遊技状態に移行したとしても、遊技領域6の左側の領域に遊技球を流下させてしまうと、普通図柄ゲート13に遊技球が通過しないことから、第2始動口15にある一対の可動片15bが開状態とならず、第2始動口15に遊技球が入賞することが困難になるように構成されている。
この普通図柄ゲート13には、遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチ13a(図15参照)が設けられており、このゲート検出スイッチ13aが遊技球の通過を検出すると、普通図柄判定用乱数値を取得し、後述する「普通図柄の抽選」が行われる。
第1大入賞口16は、通常は第1大入賞口開閉扉16bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、後述する特別遊技が開始されると、第1大入賞口開閉扉16bが開放されるとともに、この第1大入賞口開閉扉16bが遊技球を第1大入賞口16内に導く受け皿として機能し、遊技球が第1大入賞口16に入球可能となる。第1大入賞口16には第1大入賞口検出スイッチ16a(図15参照)が設けられており、この第1大入賞口検出スイッチ16aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
さらには、遊技領域6の最下部であって遊技領域6の最下部の領域には、一般入賞口12、第1始動口14、第2始動口15、第1大入賞口16および第2大入賞口17のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するためのアウト口11が設けられている。
また、遊技領域6の中央には、遊技球の流下に影響を与える飾り部材7が設けられている。この飾り部材7の略中央部分には、裸眼立体視用液晶表示装置(LCD)31が設けられており、この裸眼立体視用液晶表示装置31の上方には、ベルトの形をした演出用駆動装置33及び左右の装飾部400L、400Rが設けられている。左右の装飾部400L、400Rには、赤外線照明装置401L、401Rが設けられている。演出用駆動装置33の上側には、赤外線撮像装置402が設けられている。
この裸眼立体視用液晶表示装置31は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。なかでも、後述する大当りの抽選結果を報知するための3個の演出図柄36が表示され、特定の演出図柄36の組合せ(例えば、777等)が停止表示されることにより、大当りの抽選結果として大当りが報知される。
より具体的には、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときには、3個の演出図柄36をそれぞれスクロール表示するとともに、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、演出図柄36を停止表示するものである。また、この演出図柄36の変動表示中に、さまざまな画像やキャラクタ等を表示することによって、大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにもしている。
上記演出用駆動装置33は、その動作態様によって遊技者に期待感を与えるものである。演出用駆動装置33は、例えば、ベルトが下方に移動したり、ベルト中央部の回転部材が回転したりする動作を行う。これら演出用駆動装置33の動作態様によって、遊技者にさまざまな期待感を与えるようにしている。
さらに、上記の各種の演出装置に加えて、音声出力装置32は、BGM(バックグランドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)等を出力し、サウンドによる演出を行い、演出用照明装置34a、34bは、各ランプの光の照射方向や発光色を変更して、照明による演出を行うようにしている。
遊技領域6の右下方には、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21、普通図柄表示装置22、第1特別図柄保留表示器23、第2特別図柄保留表示器24、普通図柄保留表示器25が設けられている。
上記第1特別図柄表示装置20は、第1始動口14に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するものであり、7セグメントのLEDで構成されている。つまり、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が複数設けられており、この第1特別図柄表示装置20に大当たりの抽選結果に対応する特別図柄を表示することによって、抽選結果を遊技者に報知するようにしている。例えば、大当たりに当選した場合には「7」が表示され、ハズレであった場合には「−」が表示される。このようにして表示される「7」や「−」が特別図柄となるが、この特別図柄はすぐに表示されるわけではなく、所定時間変動表示された後に、停止表示されるようにしている。
ここで、「大当たりの抽選」とは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときに、特別図柄判定用乱数値を取得し、取得した特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定する処理をいう。この大当たりの抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、第1特別図柄表示装置20において特別図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。なお、第2特別図柄表示装置21は、第2始動口15に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するためのもので、その表示態様は、上記第1特別図柄表示装置20における特別図柄の表示態様と同一である。
また、本実施形態において「大当たり」というのは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たり遊技を実行する権利を獲得したことをいう。「大当たり遊技」においては、第1大入賞口16または第2大入賞口17が開放されるラウンド遊技を計15回行う。各ラウンド遊技における第1大入賞口16または第2大入賞口17の最大開放時間については予め定められた時間が設定されており、この間に第1大入賞口16または第2大入賞口17に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。つまり、「大当たり遊技」は、第1大入賞口16または第2大入賞口17に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できる遊技である。
なお、この大当たり遊技には、複数種類の大当たりが設けられているが、詳しくは後述する。
また、普通図柄表示装置22は、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを契機として行われる普通図柄の抽選結果を報知するためのものである。詳しくは後述するが、この普通図柄の抽選によって当たりに当選すると普通図柄表示装置22が点灯し、その後、上記第2始動口15が所定時間、第2の態様に制御される。
ここで、「普通図柄の抽選」とは、普通図柄ゲート13に遊技球が通過したときに、普通図柄判定用乱数値を取得し、取得した普通図柄判定用乱数値が「当たり」に対応する乱数値であるかどうかの判定する処理をいう。この普通図柄の抽選結果についても、普通図柄ゲート13を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、普通図柄表示装置22において普通図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。
さらに、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中等、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球して、即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとで、大当たりの抽選の権利が保留される。より詳細には、第1始動口14に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値を第1保留として記憶し、第2始動口15に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値を第2保留として記憶する。
これら両保留は、それぞれ上限保留個数を4個に設定し、その保留個数は、それぞれ第1特別図柄保留表示器23と第2特別図柄保留表示器24とに表示される。なお、第1保留が1つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の左側のLEDが点灯し、第1保留が2つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の2つのLEDが点灯する。また、第1保留が3つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の左側のLEDが点滅するとともに右側のLEDが点灯し、第1保留が4つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の2つのLEDが点滅する。また、第2特別図柄保留表示器24においても、上記と同様に第2保留の保留個数が表示される。
そして、普通図柄の上限保留個数も4個に設定されており、その保留個数が、上記第1特別図柄保留表示器23および第2特別図柄保留表示器24と同様の態様によって、普通図柄保留表示器25において表示される。
(受皿ユニット8の構成)
図2において、受皿ユニット8の球皿部71の前側及び右側には、斜め前方に傾斜する傾斜面部74が設けられている。傾斜面部74の右側部には、演出ボタン35が配置されている。演出ボタン35の内側には、演出ボタン検出スイッチ35a(図15参照)が設けられており、演出ボタン35の操作は、例えば遊技中における特定のリーチ演出に際し、演出ボタン35の操作を促すガイダンスが裸眼立体視用液晶表示装置31に表示されている間有効となる。
演出ボタン35の左側には、遊技者による各種操作入力を行うための十字キー100が設けられている。十字キー100の内側には、十字キー検出スイッチ100a(図15参照)が設けられており、十字キー100の操作は、十字キー100の操作を促すガイダンスが裸眼立体視用液晶表示装置31に表示されている間有効となる。
演出ボタン35の左斜め後側には、整列路72が設けられている。
整列路72の右側には、球抜きボタン75が設けられており、球抜きボタン75を手動で押し続けることにより、整列路72の先端に設けた開閉板を移動させて球皿側球排出口76を開放し、上球受皿に貯留された遊技球を球抜きして下側球排出口77(図1参照)に送るようにしている。下側球排出口77から排出される遊技球は、通常、ドル箱と呼ばれる遊技球収納箱に受け止められ収納される。
受皿ユニット8の下側には、下側演出用照明装置34bが設けられている。
(ガラス枠5の構成)
図3において、ガラス枠50は、遊技盤2の前方(遊技者側)において遊技領域6を視認可能に覆うガラス板52を支持している。なお、ガラス板52は、ガラス枠50に対して着脱可能に固定されている。
またガラス枠50は、左右方向の一端側(たとえば遊技機1に正対して左側)においてヒンジ機構部51を介して外枠60に連結されており、ヒンジ機構部51を支点として左右方向の他端側(たとえば遊技機1に正対して右側)を外枠60から開放させる方向に回動可能とされている。ガラス枠50は、ガラス板52とともに遊技盤2を覆い、ヒンジ機構部51を支点として扉のように回動することによって、遊技盤2を含む外枠60の内側部分を開放することができる。ガラス枠50の他端側には、ガラス枠50の他端側を外枠60に固定するロック機構が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。また、ガラス枠50には、ガラス枠50が外枠60から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ133も設けられている。
(遊技機1の裏面の構成)
図4において、遊技機1の裏面には、主制御基板110、演出制御基板120、払出制御基板130、電源基板170、遊技情報出力端子板30などが設けられている。また、電源基板170に遊技機1に電力を給電するための電源プラグ171や、図示しない電源スイッチが設けられている。
以下、本実施形態の要部となる裸眼立体視用液晶表示装置31について詳細に説明する。
図5は、裸眼立体視用液晶表示装置31及びその周辺部の斜視図である。図6は、裸眼立体視用液晶表示装置31の分解斜視図である。図7は、平面体駆動ユニット301及びその周辺部の断面図である。図8は、配光ユニット82の上辺側の要部を示す斜視図である。図9は、配光ユニット82の右辺側の要部を示す斜視図である。図10は、平面体駆動ユニット301、302の動作を示す説明図である。図11は、平面状ユニットの平面図である。図12は、裸眼立体視用液晶表示装置の動作原理を説明する説明図である。図13は、配光ユニット82の動作を示す説明図である。図14は、配光ユニット82の遮光部の断面図である。
尚、裸眼立体視用液晶表示装置31、左右の赤外線照明装置401L、401R及び赤外線撮像装置402と遊技者500との間には、透明のガラス板52(図3参照)が配置するが、図5では説明の簡略化のため省略している。
図5において、裸眼立体視用液晶表示装置31は、液晶表示部81と配光ユニット82とから構成されている。
裸眼立体視用液晶表示装置31は、配光ユニット82の画像表示部101から遊技者500に対して左眼用画像102Lと右眼用画像102Rの表示を行うようになっている。左眼用画像102Lは、遊技者500の左眼501Lにより視認され、右眼用画像102Rは、遊技者500の右眼501Rにより視認されるようになっている。
左右の赤外線照明装置401L、401Rは、それぞれリフレクタ部403L、403Rの内側にそれぞれ赤外線発光ダイオード404L、404Rを取り付けた構造になっている。リフレクタ部403L、403Rの後方からは、それぞれ赤外線発光ダイオード404L、404Rの配線405L、405Rが延出している。左右の赤外線照明装置401L、401Rは、赤外線発光ダイオード404L、404Rが発光する赤外線を遊技者500に向けて照射するとともに赤外線発光ダイオード404L、404Rが発光する赤外線をリフレクタ部403L、403Rにより反射させて遊技者500に照射する。赤外線撮像装置402は、ケース406、撮像レンズ407、赤外線イメージセンサ408及び信号処理回路409により構成される。撮像レンズ407は、左右の赤外線照明装置401L、401Rにより赤外線で照明された遊技者500の像を赤外線イメージセンサ408のセンサ面に映す。赤外線イメージセンサ408は、センサ面に映された像を光電変換する。信号処理回路409は、赤外線イメージセンサ408により光電変換された出力を映像信号(輝度信号)に変換してケース406の外側後方に延出するハーネス410を介して演出制御基板120(図15参照)に送信する。
配光ユニット82は、演出制御基板120(図15参照)に接続する配光方向変更制御基板83(図15参照)により駆動制御され、裸眼立体視用液晶表示装置31の左眼用画像102Lと右眼用画像102Rの光の配光角の変更を行う。
図6において、裸眼立体視用液晶表示装置31の液晶表示部81は、液晶表示パネル203と、光拡散パネル204と、バックライト205とから構成されている。配光ユニット82は、枠部材201と、平面状ユニット202と、平面体駆動ユニット301、302、303、304、305、306、307、308と、平面体位置検出ユニット309、310とから構成されている。
平面状ユニット202は、複数(本実施形態の場合8枚)の平面体220−1、220−2、220−3…220−8(図8及び図9参照)を重ねたものである。平面体220−1、220−2、220−3…220−8は、例えばチタン合金製の薄板をレーザーエッチングすることにより形成される。
平面状ユニット202は、長方形重畳部270を有し、平面状ユニット202の長方形重畳部270の上辺には、左右の駆動用重畳突出部271、272が形成されるとともに、左右の位置検出用重畳突出部279が形成されている。位置検出用重畳突出部279には、後述のフォトセンサにより検出されるスリット279aが形成されている。平面状ユニット202の長方形重畳部270の下辺には、左右の駆動用重畳突出部273、274が形成されるている。平面状ユニット202の長方形重畳部270の左辺には、左右の駆動用重畳突出部275、276が形成される。平面状ユニット202の長方形重畳部270の右辺には、上下の駆動用重畳突出部277、278が形成されている。平面状ユニット202の長方形重畳部270の右辺の中央部と上側駆動用重畳突出部277の間の位置に上下の位置検出用重畳突出部280が形成されている。位置検出用重畳突出部280には、後述のフォトセンサにより検出されるスリット280aが形成されている。
枠部材201は、アルミ合金を枠状に形成したものであり、上下左右の長尺板状部211、212、213、214及び逆フランジ部215を有する。長尺板状部211、212、213、214の枠内側面の前端は、逆フランジ部215に続いている。左右の長尺板状部213、214の中央には、ネジ206,206のネジ部が挿通されるネジ挿通孔216が形成されている。逆フランジ部215の裏側には、透明の保護パネル207が接着により固定される。
上側の長尺板状部211には、平面状ユニット202の左右の駆動用重畳突出部271、272及び位置検出用重畳突出部279が挿入される切り欠き281、282、289が形成されている。長尺板状部211の切り欠き281、282のそれぞれの両脇には、平面体駆動ユニット301、302をネジ止めするためのネジ孔291、292が形成されている。長尺板状部211の切り欠き289の両脇には、平面体位置検出ユニット309をネジ止めするためのネジ孔299が形成されている。
下側の長尺板状部212には、平面状ユニット202の左右の駆動用重畳突出部273、274がそれぞれ挿入される切り欠き283、284が形成されている。下側の長尺板状部212の切り欠き283、284のそれぞれの両脇には、平面体駆動ユニット303、304をネジ止めするためのネジ孔293、294が形成されている。
左側の長尺板状部213には、平面状ユニット202の左右の駆動用重畳突出部275、276がそれぞれ挿入される切り欠き285、286が形成されている。左側長尺板状部213の切り欠き285、286のそれぞれの両脇には、平面体駆動ユニット305、306をネジ止めするためのネジ孔295、296が形成されている。
右側の長尺板状部214には、平面状ユニット202の左右の駆動用重畳突出部277、278及び位置検出用重畳突出部280が挿入される切り欠き287、288、290が形成されている。長尺板状部214の切り欠き287、288のそれぞれの両脇には、平面体駆動ユニット307、308をネジ止めするためのネジ孔297、298が形成されている。長尺板状部211の切り欠き290の両脇には、平面体位置検出ユニット310をネジ止めするためのネジ孔300が形成されている。
平面体駆動ユニット301、302、303、304、305、306、307、308のケース311、312、313、314、315、316、317、318には、枠部材201のネジ孔291、292、293、294、295、296、297、298にそれぞれネジ止めするための一対のネジ締付部321、322、323、324、325、326、327、328がそれぞれ形成されている。また、平面体駆動ユニット301、302、303、304、305、306、307、308のケース311、312、313、314、315、316、317、318からは、配光方向変更制御基板83(図15参照)に接続するハーネス331、332、333、334、335、336、337、338がそれぞれ延出している。
平面体駆動ユニット301、302、303、304、305、306、307、308は、駆動用重畳突出部271、272、273、274、275、276、277、278を駆動することで、平面状ユニット202の平面体220−1、220−2、220−3…220−8をそれぞれ異なる移動量で移動させる。
平面体位置検出ユニット309、310のケース319、320には、枠部材201のネジ孔299、300にネジ止めするための一対のネジ締付部329、330がそれぞれ形成されている。また、平面体位置検出ユニット309、310のケース319、320からは、配光方向変更制御基板83(図15参照)に接続するハーネス339、340がそれぞれ延出している。平面体位置検出ユニット309、310は、位置検出用重畳突出部279、208のスリット279a、208aを検出するためのフォトセンサ341、342(図8及び図9参照)を内蔵している。
平面状ユニット202の長方形重畳部270の裏面には、液晶表示パネル203が重ねられ、液晶表示パネル203の裏面には、光拡散パネル204が重ねられ、平面状ユニット202の長方形重畳部270は、枠部材201に裏側から上下左右の長尺板状部211、212、213、214の内側に挿入され、液晶表示パネル203と光拡散パネル204は、枠部材201に裏側から上下左右の長尺板状部211、212、213、214の内側に嵌め込まれる。
これにより、平面状ユニット202は、液晶表示パネル203の左眼用画素234L及び右眼用画素234R(図12参照)に対して後述の左眼用画素光限定通過部221L及び右眼用画素光限定通過部221R(図12参照)が位置合わせされた状態で、液晶表示パネル203の表面に配置される。
平面状ユニット202と液晶表示パネル203は、裸眼立体視用液晶表示装置31の画像表示部101を構成している。
枠部材201は、ネジ206,206によりバックライト205の筺体252の前面の段部253に取り付固定される。液晶表示パネル203とバックライト205は、それぞれハーネス231,251を介して画像制御基板150(図15参照)に接続され、駆動されるようになっている。
バックライト205は、筺体252の内部に複数の高輝度放電灯254と反射板255を有し、高輝度放電灯254からの光を直接または反射板255により反射させて光拡散パネル204に照射するようになっている。光拡散パネル204は、高輝度放電灯254からの光を拡散して液晶表示パネル203の画面232の裏側に導くようになっている。液晶表示パネル203の画面232は、画素毎に制御された透過率で光拡散パネル204からの光が透過することで、当該画面232を発光させ画像を表示するようになっている。液晶表示パネル203の画面232の外周に配置する枠部233には、液晶を駆動するための駆動回路、各種端子や配線が収納されている。枠部233の右辺下側からは、ハーネス231が後方に向けて延出している。光拡散パネル204の右辺下側には、ハーネス231が挿入される切り欠き部241が形成されている。
液晶表示パネル203の画面232には、左眼用画素234L(図12参照)と右眼用画素234R(図12参照)が縦方向と横方向で隣り合う状態で当該画面232の縦横方向に複数配列されている。
筺体252の右側面の下部には、ハーネス231,251が挿入される挿入部263が形成されている。筺体252の裏面には、挿入部263に繋がりハーネス231,251が挿通される貫通孔264が形成されている。筺体252の左右側面には、飾り部材7(図1参照)の裏側にネジ止めするためのネジ締付部265が形成されている。
図7において、平面体駆動ユニット301は、ケース311と、ステッピングモータ351と、平歯車352、353、354、355と、回転軸356、357−1と、接触駆動部358−1とから構成されている。ケース311は、ネジ締付部321が形成されたケース本体361と、ケース本体361の前側の開放部を閉塞するケース蓋体362(図6)参照から構成される。ケース本体361には、ステッピングモータ351を取り付けるモータ取り付け部363と、軸受け部365、366、367、368とが設けられている。モータ取り付け部363には、ステッピングモータ351がネジ364によるネジ止めで取り付けられる。ステッピングモータ351の回転軸371には、平歯車352が取り付け固定されている。ステッピングモータ351には、ハーネス331が接続されている。軸受け部365、366には、平歯車353、354を固定した回転軸356が回転可能な状態で取り付けられている。平歯車352、353は、咬み合っており、ステッピングモータ351の回転軸371からの動力を回転軸356に伝達するようになっいる。軸受け部367、368には、平歯車355と接触駆動部358−1を固定した回転軸357−1が回転可能な状態で取り付けられている。平歯車352、353、354、355は、ステッピングモータ351の回転軸359からの回転力を減速して回転軸357−1に伝達するギア比になっている。
このような構造により、ステッピングモータ351が回転軸359を上側から見て右回りに回転させた場合、平歯車352は、上側から見て右回りに回転し、平歯車353、354、回転軸356は、上側から見て左回りに回転し、平歯車355、回転軸357−1及び接触駆動部358−1は、上側から見て右回りで回動する。一方、ステッピングモータ351が回転軸359を上側から見て左回りに回転させた場合、平歯車352は、上側から見て左回りに回転し、平歯車353、354、回転軸356は、上側から見て右回りに回転し、平歯車355、回転軸357−1及び接触駆動部358−1は、上側から見て左回りで回動する。
接触駆動部358−1は、平面状ユニット202の平面状ユニット202の左の駆動用重畳突出部271の右側に接触しており、上方から見て右回りに回転した場合、平面状ユニット202の左の駆動用重畳突出部271を押して各駆動用突出部271−1、271−2、271−3…271−8(図8参照)を個別の移動量と左方向に移動させる。
図6に示した平面体駆動ユニット304、306、307は、平面体駆動ユニット301と同様の構造になっている。平面体駆動ユニット302、303、305、308は、接触駆動部の形状が平面体駆動ユニット301に対して左右対称になるだけで、それ以外は平面体駆動ユニット301と同様の構造になっている。
以下、図8及び図9を用いて平面状ユニット202について説明する。
図8及び図9において、平面状ユニット202の平面体220−1、220−2…220−8には、長方形重畳部270を構成する長方形部270−1、270−2…270−8を有している。長方形部270−1、270−2…270−8には、複数の左眼用光通過部222Lを形成する貫通部225L−1、225L−2…225L−8がそれぞれ形成されるとともに、複数の左眼用光通過部222Lを形成する貫通部225L−1、225L−2…225L−8がそれぞれ形成されている。
図8において、平面状ユニット202の平面体220−1、220−2…220−8のそれぞれ上辺には、左の駆動用重畳突出部271を構成する駆動用突出部271−1、271−2…271−8を有し、右の駆動用重畳突出部272を構成する駆動用突出部272−1、272−2…272−8を有している。
平面状ユニット202の平面体220−1、220−2…220−8の下辺の左右の駆動用重畳突出部273、274は、左右の駆動用重畳突出部271、272と上下対称の構造になっている。また、平面状ユニット202の平面体220−1、220−2…220−8のそれぞれ上辺の中央部には、位置検出用重畳突出部279を構成する位置検出用突出部279−1、279−2…279−8を有ている。位置検出用突出部279−1、279−2…279−8には、スリット279aを構成するスリット279a−1、279a−2…279a−8を有している。
上辺左側の平面体駆動ユニット301の接触駆動部358−1は、上から順に回転軸357−1が固定される回転軸固定部391−1と、回転軸固定部391−1に連続する長四角形状の水平面部392−1と、水平面部392−1の右辺から下方に延出して設けられ、駆動用突出部271−1、271−2…271−8に右側から接触する板状部393−1とから構成される。
上辺右側の平面体駆動ユニット302の接触駆動部358−2は、上から順に回転軸357−2が固定される回転軸固定部391−2と、回転軸固定部391−2に連続する長四角形状の水平面部392−2と、水平面部392−2の左辺から下方に延出して設けられ、駆動用突出部272−1、272−2…272−8に左側から接触する板状部393−2とから構成される。
下辺側の左右の平面体駆動ユニット303、304の接触駆動部は、それぞれ上辺側の左右の平面体駆動ユニット301、302の接触駆動部と上下対称の構造になっている。
フォトセンサ341は、ケース343−1の下側にコ字状部344−1を有し、コ字状部344−1の一端側至るび他端側に発光部345−1と受光部346−1を有している。フォトセンサ341は、発光部345−1からの光を位置検出用突出部279−1、279−2…279−8のスリット279a−1、279a−2…279a−8を介して受光部346−1で受光することで位置検出用突出部279−1、279−2…279−8の位置検出を行っている。フォトセンサ341の位置検出結果は、ケース343−1に接続されたハーネス339を介して配光方向変更制御基板83(図15参照)に送信される。
図9において、平面状ユニット202の平面体220−1、220−2…220−8のそれぞれ右辺には、上側の駆動用重畳突出部277を構成する駆動用突出部277−1、277−2…277−8を有し、右の駆動用重畳突出部278を構成する駆動用突出部278−1、282−2…282−8を有している。
平面状ユニット202の平面体220−1、220−2…220−8の左辺の左右の駆動用重畳突出部275、276は、それぞれ左右の駆動用重畳突出部277、278と左右対称の構造になっている。また、平面状ユニット202の平面体220−1、220−2…220−8のそれぞれ右辺の上寄りの位置には、位置検出用重畳突出部280を構成する位置検出用突出部280−1、280−2…280−8を有ている。位置検出用突出部280−1、280−2…280−8には、スリット280aを構成するスリット280a−1、280a−2…280a−8を有している。
右辺上側の平面体駆動ユニット307の接触駆動部358−7は、右から順に回転軸356が固定される回転軸固定部391−7と、回転軸固定部に連続する長四角形状の垂直面部392−7と、垂直面部392−7の下辺から左側に延出して設けられ、駆動用突出部277−1、277−2…277−8に下方から接触する板状部393−2とから構成される。
右辺下側の平面体駆動ユニット308の接触駆動部358−8は、右から順に回転軸357−1が固定される回転軸固定部391−8と、回転軸固定部に連続する長四角形状の水平面部392−8と、水平面部392−8の上辺から左側に延出して設けられ、駆動用突出部278−1、278−2…278−8に上方から接触する板状部393−8とから構成される。
左辺側の上下の平面体駆動ユニット305、306の接触駆動部は、それぞれ右辺側の上下の平面体駆動ユニット307、302の接触駆動部と左右対称の構造になっている。
フォトセンサ342は、ケース343−2の左側にコ字状部344−2を有し、コ字状部344−2の一端側至るび他端側に発光部345−2と受光部346−2を有している。フォトセンサ341は、発光部345−2からの光を位置検出用突出部280−1、280−2…280−8のスリット280a−1、280a−2…280a−8を介して受光部346−2で受光することで位置検出用突出部280−1、280−2…280−8の位置検出を行っている。
フォトセンサ342の位置検出結果は、ケース343−2に接続されたハーネス340を介して配光方向変更制御基板83(図15参照)に送信される。
次に、図10を用いて平面状ユニット202の平面体220−1、220−2…220−8を左右に移動させる場合の動作について説明する。平面状ユニット202の平面体220−1、220−2…220−8が基準位置にいる場合を説明する。平面状ユニット202の平面体220−1、220−2…220−8が基準位置は、遊技者が真正面にいる場合に対応している。
図10(a)に示すように平面状ユニット202の平面体220−1、220−2…220−8が基準位置にある場合、平面体駆動ユニット301の接触駆動部358−1の板状部393−1及び上辺右側の平面体駆動ユニット302の接触駆動部358−2の板状部393−2は長手方向が前後方向に向き、接触駆動部358−1の板状部393−1に接触する駆動用突出部271−1、271−2…271−8は、前後方向に真っ直ぐ並び、接触駆動部358−2の板状部393−2に接触する駆動用突出部272−1、272−2…272−8は、前後方向に真っ直ぐ並び、位置検出用突出部279−1、279−2…279−8のスリット279a−1、279a−2…279a−8も、前後方向に真っ直ぐ並び、フォトセンサ341の発光部345−1からの光が位置検出用突出部279−1、279−2…279−8のスリット279a−1、279a−2…279a−8を介して受光部346−1で受光され、フォトセンサ341の位置検出結果は、左右の基準位置にあることを示し、この検出結果は、ハーネス339(図8参照)を介して配光方向変更制御基板83(図15参照)に送信される。これにり配光方向変更制御基板83は、現在の左右位置が基準位置にあることを検出する。
この後、平面状ユニット202の平面体220−1、220−2…220−8を基準位置から所定の左寄りの配光方向に変更する場合、配光方向変更制御基板83は、平面体駆動ユニット301、302のステッピングモータ351に上から見て右回り用の駆動パルスを供給し、当該ステッピングモータ351の回転軸359を上から見て右回りで回転させ、平面体駆動ユニット301の接触駆動部358−1及び上辺右側の平面体駆動ユニット302の接触駆動部358−2を回転軸S1、S2を中心にして上から見て右回りに回転させる。これにより、図10(b)に示すように、左側の駆動用突出部271−1、271−2…271−8は、接触駆動部358−1により押され、接触駆動部358−1の回転軸S1からの距離に応じた移動距離で左側に移動する。ここで回転軸S1は、平面体220−8の背面と接触駆動部358−1の左面の交点に位置設定されている。回転軸S2は、平面体220−8の背面と接触駆動部358−2の右面の交点に位置設定されている。
これにより、平面体220−1、220−2…220−8の長方形部270−1、270−2…270−8、右側の駆動用突出部272−1、272−2…272−8、位置検出用突出部279−1、279−2…279−8のスリット279a−1、279a−2…279a−8も駆動用突出部271−1、271−2…271−8と同じく左側に移動することになる。ここで、接触駆動部358−2は、回転軸S1、S2を中心にして右回りに回転するので、右側の駆動用突出部272−1、272−2…272−8が接触駆動部358−2により押されることはなく、平面体220−1、220−2…220−8がスムーズに移動することになる。
位置検出用突出部279−1、279−2…279−8のスリット279a−1、279a−2…279a−8の並びは、左斜め方向になり、フォトセンサ341の発光部345−1からの光がスリット279a−1、279a−2…279a−8の縁で遮られ、受光部346−1で受光されなくなり、フォトセンサ341の位置検出結果は、左右の基準位置にないことを示し、この検出結果は、ハーネス339を介して配光方向変更制御基板83(図15参照)に送信される。
平面状ユニット202の平面体220−1、220−2…220−8が基準位置から所定の右寄りの配光方向に変更する場合、配光方向変更制御基板83は、平面体駆動ユニット301、302のステッピングモータ351に供給した上から見て左回り用の駆動パルスを供給し、当該ステッピングモータ351の回転軸359を上から見て左回りで回転させ、平面体駆動ユニット301の接触駆動部358−1及び上辺右側の平面体駆動ユニット302の接触駆動部358−2を回転軸S1、S2を中心にして上から見て左回りに回転させる。これにより、右側の駆動用突出部272−1、272−2…272−8は、接触駆動部358−2により押され、回転軸S2からの距離に応じた移動距離で右側に移動する。これにより、平面体220−1、220−2…220−8の長方形部270−1、270−2…270−8、右側の駆動用突出部272−1、272−2…272−8、位置検出用突出部279−1、279−2…279−8のスリット279a−1、279a−2…279a−8も駆動用突出部271−1、271−2…271−8と同じく右側に移動することになる。ここで、接触駆動部358−1は、回転軸S1を中心にして左回りに回転するので、左側の駆動用突出部271−1、271−2…271−8が接触駆動部358−2により押されることはなく、平面体220−1、220−2…220−8がスムーズに移動することになる。
位置検出用突出部279−1、279−2…279−8のスリット279a−1、279a−2…279a−8の並びは、右斜め方向になり、フォトセンサ341の発光部345−1からの光がスリット279a−1、279a−2…279a−8の縁で遮られ、受光部346−1で受光されなくなり、フォトセンサ341の位置検出結果は、左右の基準位置にないことを示し、この検出結果は、ハーネス339を介して配光方向変更制御基板83(図15参照)に送信される。
図11に示すように、平面状ユニット202の長方形重畳部270には、液晶表示パネル203の左眼用画素234L(図12参照)と右眼用画素234R(図12参照)の位置に合わせて、左眼用画素光限定通過部221Lと右眼用画素光限定通過部221Rが縦方向と横方向で隣り合う状態で画面232の縦横方向に複数配列されている。
図12に示すように、複数の左眼用画素234Lは、液晶表示パネル203の画面232において遊技者500(図5参照)の左眼501L用の画像を表示する。
複数の右眼用画素234Rは、液晶表示パネル203の画面232に前記複数の左眼用画素234Lと混合した配列で設けられ、発光することで遊技者500(図5参照)の右眼501R用の画像を表示する。
以下、図13に示す説明図を用いて配光ユニット82の長方形重畳部270の動作を示す。図13(a)は平面状ユニット202が図10(a)の状態における長方形重畳部270の状態を示し、図13(b)は平面状ユニット202が図10(b)の状態における長方形重畳部270の状態を示している。
図13において、複数の左眼用画素光限定通過部221Lは、複数の前記左眼用画素234Lの手前にそれぞれ配置して複数の前記左眼用画素234Lから前記遊技者の左眼方向に向かう光LLをそれぞれ通過させる複数の左眼用光通過部222Lを有するとともに、複数の前記左眼用画素234Lから前記遊技者の右眼方向に向かう光及び複数の前記左眼用画素234Lから複数の前記右眼用光通過部222Rに向かう光を遮光するルーバー形状の遮光部223L、224Lを有する。遮光部223L、224Lは、長方形部270−1、270−2…270−8の貫通部225L−1、225L−2…225L−8の周りに形成される。
複数の右眼用画素光限定通過部221Rは、複数の前記右眼用画素234Rの手前にそれぞれ配置して複数の前記右眼用画素234Rから前記遊技者の右眼方向に向かう光LRをそれぞれ通過させる複数の右眼用光通過部222Rを有するとともに、複数の前記右眼用画素234Rから前記遊技者の左眼方向に向かう光及び複数の前記右眼用画素234Rから複数の前記左眼用光通過部222Lに向かう光を遮光するルーバー形状の遮光部223R、224Rを有する。遮光部223R、224Rは、長方形部270−1、270−2…270−8のの貫通部225R−1、225R−2…225R−8の周りに形成される。
長方形部270−1、270−2…270−8の貫通部225L−1、225L−2…225L−8、225R−1、225R−2…225R−8の貫通部の内周には、図14に示す逆フランジ部227が形成され、逆フランジ部227を含む貫通部225L−1、225L−2…225L−8、225R−1、225R−2…225R−8の内面には、図14に示す光を高い効率で吸収する光吸収膜228が形成されている。また、図14に示すように最も前側に配置する長方形部270−1の表面にも光吸収膜228が形成されている。逆フランジ部227は、光の吸収効率を高めるためのものである。
左眼用画素光限定通過部221Lの右側に右眼用画素光限定通過部221Rがある場合は、左眼用画素光限定通過部221Lの遮光部224Lは、右眼用画素光限定通過部221Rの遮光部223Rと連続する。
平面状ユニット202が図10(a)に示す基準位置にある場合、図13(a)に示すように、複数の左眼用画素光限定通過部221Lは、平面状ユニット202の遊技者の左眼に向けて複数の左眼用画素234Lの光を通過させる角度になる。
複数の右眼用画素光限定通過部221Rは、平面状ユニット202の遊技者の左眼に向けて複数の右眼用画素234Rの光を通過させる角度になる。
平面状ユニット202の平面体220−1、220−2…220−8が図10(a)に示す基準位置から図10(b)に示す所定の左寄りの配光方向に変更した場合、図13(b)に示すように複数の左眼用画素光限定通過部221L及び複数の右眼用画素光限定通過部221Rの方向は、左方向に角度が変化し、複数の左眼用光通過部222L及び複数の右眼用光通過部222Rによる光LL、LRの通過方向は、左方向に角度が変化する。平面状ユニット202の平面体220−1、220−2…220−8が図10(a)に示す基準位置から図10(c)に示す所定の右寄りの配光方向に変更した場合、複数の左眼用画素光限定通過部221L及び複数の右眼用画素光限定通過部221Rの方向は、右方向に角度が変化し、複数の左眼用光通過部222L及び複数の右眼用光通過部222Rによる光LL、LRの通過方向は、右方向に角度が変化する。
尚、図示しないが、下側の平面体駆動ユニット303、304は、平面体駆動ユニット301、302と同様の動作を行い、平面体220−1、220−2…220−8を左右に駆動させる。
平面体駆動ユニット305、306、307、308及び平面体位置検出ユニット310は、平面体駆動ユニット301、302、303、304及び平面体位置検出ユニット309に対して、平面体220−1、220−2…220−8を駆動させる方向が上下方向に変化しただけで、それ以外は同様の動作を行っている。これにより、配光ユニット82は、配光方向変更制御基板83(図15参照)の制御に基づいて複数の左眼用画素光限定通過部221L及び複数の左眼用画素光限定通過部221Lの光通過方向を変更することができる。
(遊技機全体のブロック図)
次に、図15の遊技機1全体のブロック図を用いて、遊技の進行を制御する制御手段について説明する。
主制御基板110は遊技の基本動作を制御する主制御手段であり、第1始動口検出スイッチ14a等の各種検出信号を入力して、第1特別図柄表示装置20や第1大入賞口開閉ソレノイド16c等を駆動させて遊技を制御するものである。
この主制御基板110は、メインCPU110a、メインROM110bおよびメインRAM110cから構成されるワンチップマイコン110mと、主制御用の入力ポートと出力ポート(図示せず)と少なくとも備えている。
この主制御用の入力ポートには、払出制御基板130、一般入賞口12に遊技球が入球したことを検知する一般入賞口検出スイッチ12a、普通図柄ゲート13に遊技球が入球したことを検知するゲート検出スイッチ13a、第1始動口14に遊技球が入球したことを検知する第1始動口検出スイッチ14a、第2始動口15に遊技球が入球したことを検知する第2始動口検出スイッチ15a、第1大入賞口16に遊技球が入球したことを検知する第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口17に遊技球が入球したことを検知する第2大入賞口検出スイッチ17aが接続されている。この主制御用の入力ポートによって、各種信号が主制御基板110に入力される。
また、主制御用の出力ポートには、払出制御基板130、第2始動口15の一対の可動片15bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド15c、第1大入賞口開閉扉16bを動作させる第1大入賞口開閉ソレノイド16c、第2大入賞口開閉扉17bを動作させる第2大入賞口開閉ソレノイド17c、特別図柄を表示する第1特別図柄表示装置20と第2特別図柄表示装置21、普通図柄を表示する普通図柄表示装置22、特別図柄の保留球数を表示する第1特別図柄保留表示器23と第2特別図柄保留表示器24、普通図柄の保留球数を表示する普通図柄保留表示器25、外部情報信号を出力する遊技情報出力端子板30が接続されている。この主制御用の出力ポートによって、各種信号が出力される。
メインCPU110aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM110bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。
主制御基板110のメインROM110bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、大当たり抽選に参照される大当り判定テーブル、普通図柄の抽選に参照される当り判定テーブル、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル等がメインROM110bに記憶されている。
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
主制御基板110のメインROM110bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、大当たり抽選に参照される大当り判定テーブル(図18参照)、普通図柄の抽選に参照される当り判定テーブル(図18参照)、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル(図19参照)、大当たり終了後の遊技状態を決定するための大当たり遊技終了時設定データテーブル、大入賞口開閉扉の開閉条件を決定する特別電動役物作動態様決定テーブル(図20参照)、大入賞口開放態様テーブル(図21参照)特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブル、等がメインROM110bに記憶されている。
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
主制御基板110のメインRAM110cは、メインCPU110aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。
例えば、メインRAM110cには、普通図柄保留数(G)記憶領域、普通図柄保留記憶領域、普通図柄データ記憶領域、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域、第1特別図柄乱数値記憶領域、第2特別図柄乱数値記憶領域、ラウンド遊技回数(R)記憶領域、開放回数(K)記憶領域、大入賞口入球数(C)記憶領域、遊技状態記憶領域(高確率遊技フラグ記憶領域と時短遊技フラグ記憶領域)、高確率遊技回数(X)カウンタ、時短回数(J)カウンタ、遊技状態バッファ、停止図柄データ記憶領域、演出用伝送データ格納領域、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタなど各種のタイマカウンタが設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
遊技情報出力端子板30は、主制御基板110において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板30は、主制御基板110と配線接続され、外部情報を遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
電源基板170は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機1に電源電圧を供給するとともに、遊技機1に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板110に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU110aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU110aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
演出制御基板120は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板120は、サブCPU120a、サブROM120b、サブRAM120cを備えており、主制御基板110に対して、当該主制御基板110から演出制御基板120への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU120aは、主制御基板110から送信されたコマンド、または、上記演出ボタン検出スイッチ35a、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM120bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータをランプ制御基板140または画像制御基板150に送信する。サブRAM120cは、サブCPU120aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
例えば、演出制御基板120におけるサブCPU120aは、主制御基板110から特別図柄の変動態様を示す変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、裸眼立体視用液晶表示装置31(図5参照)の液晶表示部81、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34a、34bに所定の演出を実行させるためのデータを生成し、かかるデータを画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信する。
演出制御基板120のサブROM120bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、主制御基板から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを決定するための演出パターン決定テーブル、停止表示する演出図柄36の組み合わせを決定するための演出図柄決定テーブル等がサブROM120bに記憶されている。なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
演出制御基板120のサブRAM120cは、複数の記憶領域を有している。
サブRAM120cには、遊技状態記憶領域、演出モード記憶領域、演出パターン記憶領域、演出図柄記憶領域等が設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
また、演出制御基板120は、赤外線撮像装置402からの映像信号を解析し、この解析結果に基づいて対応するデータを配光方向変更制御基板83に送信する。配光方向変更制御基板83は、演出制御基板120からのデータに基づいて配光ユニット82の制御を行う。
配光方向変更制御基板83は、配光ユニット82のフォトセンサ341(図8参照)がスリット279a(図8参照)を検出した場合、配光ユニット82の左右の配光方向が基準位置にあると判定する。さらに配光方向変更制御基板83は、左右の配光方向が基準位置にあると判定した後に平面体駆動ユニット301、302、303、304(図6参照)の各ステッピングモータ351(図7参照)に供給した左回り用及び右回り用の駆動パルスにより各ステッピングモータ351の回転角を判別し、平面体駆動ユニット301、302、303、304(図6参照)の各接触駆動部358−1、358−2…の回転角を判別することで配光ユニット82の左右の配光方向を判別し、配光ユニット82の左右の配光方向のデータを演出制御基板120に送信する。
また、配光方向変更制御基板83は、配光ユニット82のフォトセンサ342(図9参照)がスリット280a(図9参照)を検出した場合、配光ユニット82の上下の配光方向が基準位置にあると判定する。さらに配光方向変更制御基板83は、上下の配光方向が基準位置にあると判定した後に平面体駆動ユニット305、306、307、308(図6参照)の各ステッピングモータ351(図7参照)に供給した左回り用及び右回り用の駆動パルスにより各ステッピングモータ351の回転角を判別し、平面体駆動ユニット301、302、303、304(図6参照)の各接触駆動部358−5…358−7、358−8の回転角を判別することで配光ユニット82の上下の配光方向を判別し、配光ユニット82の上下の配光方向のデータを演出制御基板120に送信する。
払出制御基板130は、遊技球の払い出し制御を行う。この払出制御基板130は、図示しない払出CPU、払出ROM、払出RAMから構成されるワンチップマイコンを備えており、主制御基板110に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPUは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数検知スイッチ132、扉開放スイッチ133、タイマからの入力信号に基づいて、払出ROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板110に送信する。また、払出制御基板130の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すための賞球払出装置の払出モータ131が接続されている。払出CPUは、主制御基板110から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ROMから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、賞球払出装置の払出モータ131を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAMは、払出CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
ランプ制御基板140は、遊技盤2に設けられた演出用照明装置34a、34bを点灯制御したり、光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御をしたりする。また、演出用駆動装置33を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。また、赤外線照明装置401L、401Rを点灯制御する。このランプ制御基板140は、演出制御基板120に接続されており、演出制御基板120から送信された各種のコマンドに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。
画像制御基板150は、上記液晶表示部81および音声出力装置32と接続されており、演出制御基板120から送信された各種のコマンドに基づいて、液晶表示部81における画像の表示制御、音声出力装置32における音声の出力制御を行う。
画像制御基板150の詳しい説明は、図16の画像制御基板のブロック図を用いて後述する。
発射制御基板160は、遊技球の発射制御を行う。この発射制御基板160は、入力側にタッチセンサ3aおよび発射ボリューム3bが接続されており、出力側に発射用ソレノイド4aおよび玉送りソレノイド4bを接続している。発射制御基板160は、タッチセンサ3aからのタッチ信号を入力するとともに、発射ボリューム3bから供給された電圧に基づいて、発射用ソレノイド4aや玉送りソレノイド4bを通電させる制御を行う。
タッチセンサ3aは、操作ハンドル3の内部に設けられ、遊技者が操作ハンドル3に触れたことによる静電容量の変化を利用した静電容量型の近接スイッチから構成される。タッチセンサ3aは、遊技者が操作ハンドル3に触れたことを検知すると、発射制御基板160(図15参照)に発射用ソレノイド4aの通電を許可するタッチ信号を出力する。発射制御基板160は、大前提としてタッチセンサ3aからタッチ信号の入力がなければ、遊技球200を遊技領域6に発射させないように構成されている。
発射ボリューム3bは、操作ハンドル3が回動する回動部に直結して設けられ、可変抵抗器から構成される。発射ボリューム3bは、その発射ボリューム3bに印加された定電圧(例えば5V)を可変抵抗器により分圧して、分圧した電圧を発射制御基板160に供給する(発射制御基板160に供給する電圧を可変させる)。発射制御基板160は、発射ボリューム3bにより分圧された電圧に基づいて、発射用ソレノイド4aを通電して、発射用ソレノイド4aに直結された打出部材4cを回転させることで、遊技球200を遊技領域6に発射させる。
発射用ソレノイド4aは、ロータリーソレノイドから構成され、発射用ソレノイド4aには打出部材4cが直結されており、発射用ソレノイド4aが回転することで、打出部材4cを回転させる。
ここで、発射用ソレノイド4aの回転速度は、発射制御基板160に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技数は、発射ソレノイドが1回転する毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。すなわち、1個の遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。
玉送りソレノイド4bは、直進ソレノイドから構成され、球皿部71にある遊技球を、発射用ソレノイド4aに直結された打出部材4cに向けて1個ずつ送り出す。
(画像制御基板のブロック図)
次に、図16の画像制御基板150のブロック図を用いて、画像表示制御について説明する。
画像制御基板150は、液晶表示部81の画像表示制御を行うためホストCPU150a、ホストRAM150b、ホストROM150c、CGROM151、水晶発振器152、VRAM153、VDP(Video Display Processor)2000と、音声制御回路3000とを備えている。
ホストCPU150aは、演出制御基板120から受信した演出パターン指定コマンドに基づいて、VDP2000にCGROM151に記憶されている画像データを液晶表示部81に表示させる指示を行う。かかる指示は、VDP2000における制御レジスタ2010におけるデータの設定、描画制御コマンド群から構成されるディスプレイリストの出力によって行われる。
また、ホストCPU150aは、VDP2000からVブランク割込信号や描画終了信号を受信すると、適宜割り込み処理を行う。
さらに、ホストCPU150aは、音声制御回路3000にも、演出制御基板120から受信した演出パターン指定コマンドに基づいて、所定の音声データを音声出力装置32に出力させる指示を行う。
ホストRAM150bは、ホストCPU150aに内蔵されており、ホストCPU150aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、ホストROM150cから読み出されたデータを一時的に記憶するものである。また、ホストRAM150bの記憶領域には、演出タイマカウンタ等の各種のタイマカウンタが設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
また、ホストROM150cは、マスクROMで構成されており、ホストCPU150aの制御処理のプログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、左眼用画素234L(図12参照)と右眼用画素234R(図12参照)に対応した演出パターンのアニメーションを表示するためのアニメパターン、アニメシーン情報等が記憶されている(図36〜図42参照)。
このアニメパターンは、演出パターンのアニメーションを表示するにあたり参照され、その演出パターンに含まれるアニメシーン情報の組み合わせや各アニメシーン情報の表示順序等を記憶している。また、アニメシーン情報には、ウェイトフレーム(表示時間)、対象データ(スプライトの識別番号、転送元アドレス等)、パラメータ(スプライトの表示位置、転送先アドレス等)、描画方法等などの情報を記憶している。
CGROM151は、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば、32×32ピクセル)における画素情報の集まりからなる画像データ(スプライト、ムービー)等を圧縮して記憶している。なお、前記画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。
さらに、CGROM151には、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータを圧縮せずに記憶している。
なお、CGROM151は、全ての画像データを圧縮せずとも、一部のみ圧縮している構成でもよい。また、ムービーの圧縮方式としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
水晶発振器152は、パルス信号をVDP2000(クロック生成回路2050)に出力し、このパルス信号を分周することで、クロック生成回路2050にてVDP2000が制御を行うためのシステムクロック、液晶表示部81と同期を図るための同期信号等が生成される。
VRAM153は、画像データの書込みまたは読み出しが高速なSRAMで構成されている。
また、VRAM153は、ホストCPU150aから出力されたディスプレイリストを一時的に記憶するディスプレイリスト記憶領域153aと、伸長回路2060により伸長された画像データを記憶する展開記憶領域153bと、画像を描画または表示するための第1フレームバッファ153c、第2フレームバッファ153dとを有している。また、VRAM153には、パレットデータも記憶される。
なお、この2つのフレームバッファは、描画の開始毎に、「描画用フレームバッファ」と「表示用フレームバッファ」とに交互に切り替わるものである。
VDP2000は、いわゆる画像プロセッサであり、ホストCPU150aからの指示に基づいて、いずれかのフレームバッファ(表示用フレームバッファ)から画像データを読み出し、読み出した画像データに基づいて、映像信号(RGB信号等)を生成して、裸眼立体視用液晶表示装置31に出力するものである。
また、VDP2000は、制御レジスタ2010と、CGバス I/F2020と、CPU I/F2030と、クロック生成回路2050と、伸長回路2060と、描画回路2070と、表示回路2080と、メモリコントローラ2090とを備えている。
制御レジスタ2010は、VDP2000が描画や表示の制御を行うためレジスタであり、制御レジスタ2010に対するデータの書き込みと読み出しで、描画の制御や表示の制御が行われる。ホストCPU150aは、CPU I/F2030を介して、制御レジスタ2010に対するデータの書き込みと読み出しを行うことができる。
この制御レジスタ2010は、VDPが動作するために必要な基本的な設定を行うシステム制御レジスタと、データの転送に必要な設定をするデータ転送レジスタと、描画の制御をするための設定をする描画レジスタと、バスのアクセスに必要な設定をするバスインターフェースレジスタと、圧縮された画像の伸長に必要な設定をする伸長レジスタと、表示の制御をするための設定をする表示レジスタと、6種類のレジスタを備えている。
この制御レジスタの構成については、図17を用いて後述する。
CGバス I/F2020は、CGROM151との通信用のインターフェース回路であり、CGバス I/F2020を介して、CGROM151からの画像データがVDP2000に入力される。
また、CPU I/F2030は、ホストCPU150aとの通信用のインターフェース回路であり、CPU I/F2030を介して、ホストCPU150aがVDP2000にディスプレイリストを出力したり、制御レジスタにアクセスしたり、VDP2000からの各種の割込信号をホストCPU150aが入力したりする。
データ転送回路2040は、各種デバイス間のデータ転送を行う。
具体的には、ホストCPU150aとVRAM153とのデータ転送、CGROM151とVRAM153とのデータ転送、VRAM153の各種記憶領域(フレームバッファも含む)の相互間のデータ転送を行う。
クロック生成回路2050は、水晶発振器152よりパルス信号を入力し、VDP2000の演算処理速度を決定するシステムクロックを生成する。また、同期信号生成用クロックを生成し、表示回路2080を介して同期信号を液晶表示部81に出力する。
伸長回路2060は、CGROM151に圧縮された画像データを伸長するための回路であり、伸長した画像データを展開記憶領域153bに記憶させる。
描画回路2070は、描画制御コマンド群から構成されるディスプレイリストによるシーケンス制御を行う回路である。
表示回路2080は、VRAM153にある「表示用フレームバッファ」に記憶された画像データ(デジタル信号)から、映像信号として画像の色データを示すRGB信号(アナログ信号)を生成し、生成した映像信号(RGB信号)を液晶表示部81に出力する回路である。さらに、表示回路2080は、液晶表示部81と同期を図るための同期信号(垂直同期信号、水平同期信号等)も液晶表示部81に出力する。
なお、本実施形態では、映像信号として、デジタル信号をアナログ信号に変換したRGB信号を液晶表示部81に出力するように構成したが、デジタル信号のまま映像信号を出力してもよい。
メモリコントローラ2090は、ホストCPU150aからフレームバッファ切換えの指示があると、「描画用フレームバッファ」と「表示用フレームバッファ」とを切り替える制御を行うものである。
音声制御回路3000には、音声データが多数格納されている音声ROMが備えられており、音声CPUが、演出制御基板120から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置32における音声出力制御をする。
尚、図示しないが画像制御基板150には、ハーネス251を介してバックライト205に点灯用の電力を供給する電力供給回路も設けられている。
(VDP2000における制御レジスタの構造図)
ここで、図17を参照して、VDP2000に備えられた制御レジスタ2010の構成について説明する。図17は、VDP2000における制御レジスタ2010の代表的なデータを取得して示した構造図である。
上述した通り、制御レジスタ2010は、システム制御レジスタ、データ転送レジスタ、描画レジスタ、バスインターフェースレジスタ、伸長レジスタ、表示レジスタとの6種類のレジスタを備えているが、図17では、システム制御レジスタ、描画レジスタ、伸長レジスタ、表示レジスタの代表的なデータを取得して示している。
図17(a)は、システム制御レジスタの0〜1bit目を取得した構造図である。システム制御レジスタの0bit目が、Vブランク割込信号を出力させることを指示するデータであり、システム制御レジスタの1bit目が、描画終了割込信号を出力させることを指示するデータである。これらのシステム制御レジスタの0〜1bit目が、「割込レジスタ」に該当する。
具体的には、クロック生成回路2050により1/60秒(約16.6ms)毎にVブランク割込信号(垂直同期信号)が生成され、かかるVブランク割込信号が生成される毎にシステム制御レジスタの0bit目に1がセットされる。また、描画回路2070は、描画が終了すると、システム制御レジスタの1bit目に1をセットする。
そして、これらの「割込レジスタ」に1がセットされると、CPU I/F2030はVブランク割込信号または描画終了割込信号をホストCPU150aに出力する。なお、CPU I/F2030は、各種割込信号を出力後には、各種割込レジスタの対応するbitに0をセットする。
図17(b)は、描画レジスタの0bit目を取得した構造図である。描画レジスタの0bit目は、描画回路2070に描画の実行開始を指示するデータである。
具体的には、ホストCPU150aは、CPU I/F2030を介して、描画レジスタの0bit目に1をセットして、描画回路2070に描画の実行開始を指示する。描画回路2070は、描画を開始すると、描画レジスタの0bit目に0をセットする。
図17(c)は、伸長レジスタの0〜1bit目を取得した構造図である。伸長レジスタの0bit目は、伸長回路2060に圧縮された画像の伸長開始を指示するデータである。また、伸長レジスタの1bit目は、伸長回路2060の伸長実行状態を示すデータである。
具体的には、描画回路2070は、ホストCPU150aから出力されたディスプレイリストを解析し、使用する画像データがVRAM153の展開記憶領域153bに存在しないと、伸長レジスタの0bit目に1をセットして、伸長回路2060に使用する画像データの伸長を開始させて展開記憶領域153bに記憶させる指示を行う。伸長回路2060は、伸長を開始すると、伸長レジスタの0bit目に0をセットする。
また、伸長回路2060は、伸長を実行している間は伸長レジスタの1bit目に1をセットし、圧縮された画像の伸長が終了すると伸長レジスタの1bit目に0をセットする。
図17(d)は、表示レジスタの0〜1bit目を取得した構造図である。表示レジスタの0bit目は、表示回路2080に映像信号を出力させることを指示するデータであり、表示レジスタの1bit目は、VRAM153のフレームバッファを指定するデータである。
具体的には、ホストCPU150aは、電源投入時に、CPU I/F2030を介して、表示レジスタの0bit目に1をセットして、表示回路2080に映像信号を作成して出力させることを指示する。これにより、表示回路2080は、指定されている「表示用フレームバッファ」にある画像データに基づいて、映像信号を生成して液晶表示部81に出力する。
また、ホストCPU150aは、Vブランク割込信号を入力したときに描画が終了していれば、CPU I/F2030を介して、表示レジスタの1bit目に1を加算して、メモリコントローラ2090に「表示用フレームバッファ」と「描画用フレームバッファ」とを切り替える指示を与える。すなわち、描画の終了毎に、表示レジスタの1bit目が1加算されていくので、「0→1→0→1→・・・・・」と切り替わっていく。
以上の図17に示すレジスタの構造図は、あくまで制御レジスタ2010の代表的なデータを取得したものに過ぎず、より詳細なデータが存在することはいうまでもない。
次に、図18〜図19を参照して、メインROM110bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
(大当たり判定テーブル)
図18(a−1)、図18(a−2)は、「大当たりの抽選」に用いられる大当り判定テーブルを示す図である。図18(a−1)は、第1特別図柄表示装置20において参照される大当り判定テーブルであり、図18(a−2)は、第2特別図柄表示装置21において参照される大当り判定テーブルである。図18(a−1)と図18(a−2)とのテーブルでは、小当たりの当選確率が相違しているものの、大当たり確率は同一である。
具体的には、大当り判定テーブルは、現在の確率遊技状態と取得された特別図柄判定用乱数値に基づいて、「大当たり」か「小当たり」か「ハズレ」かを判定するものである。
例えば、図18(a−1)に示す第1特別図柄表示装置用の大当り判定テーブルによれば、低確率遊技状態であるときには、「7」、「8」という2個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定される。一方、高確率遊技状態であるときには、「7」〜「26」の20個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定される。
また、図18(a−1)に示す第1特別図柄表示装置用の大当り判定テーブルによれば、低確率遊技状態であっても高確率遊技状態であっても、特別図柄判定用乱数値が「50」、「100」、「150」、「200」の4個の特別図柄判定用乱数値であった場合に「小当たり」と判定される。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
従って、特別図柄判定用乱数値の乱数範囲が0〜598であるから、低確率遊技状態のときに大当たりと判定される確率は1/299.5であり、高確率遊技状態のときに大当たりと判定される確率は10倍アップして1/29.9である。また、第1特別図柄表示装置においては、小当たりと判定される確率は、低確率遊技状態であっても高確率遊技状態であっても1/149.75となる。
(当たり判定テーブル)
図18(b)は、「普通図柄の抽選」に用いられる当り判定テーブルを示す図である。
具体的には、当たり判定テーブルは、時短遊技状態の有無と取得された普通図柄判定用乱数値に基づいて、「当たり」か「ハズレ」かを判定するものである。
例えば、図18(b)に示す当り判定テーブルによれば、非時短遊技状態であるときには、「0」という1個の特定の普通図柄判定用乱数値が当たりと判定される。一方、時短遊技状態であるときには、「0」〜「65534」の65535個の特定の普通図柄判定用乱数値が当たりと判定される。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
従って、普通図柄判定用乱数値の乱数範囲が0〜65535であるから、非時短遊技状態のときに当たりと判定される確率は1/65536であり、時短遊技状態のときに当たりと判定される確率は65535/65536=1/1.00002である。
(図柄決定テーブル)
図19は、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブルを示す図である。
図19(a)は、大当たりのときに停止図柄を決定するために参照される図柄決定テーブルであり、図19(b)は、小当たりのときに停止図柄を決定するために参照される図柄決定テーブルであり、図19(c)は、ハズレのときに停止図柄を決定するために参照される図柄決定テーブルである。
具体的には、図19に示す図柄決定テーブルによれば、特別図柄表示装置の種別(遊技球が入賞した始動口の種別)と、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときに取得される大当たり図柄用乱数値または小当たり図柄用乱数値等とに基づいて、特別図柄の種類(停止図柄データ)が決定される。
例えば、第1特別図柄表示装置においては、大当たりのときには図19(a)に示す図柄決定テーブルを参照し、取得された大当たり図柄用乱数値が「55」であれば、停止図柄データとして「03」(特別図柄3(第1確変大当たり3))を決定する。また、第1特別図柄表示装置においては、小当たりのときには図19(b)に示す図柄決定テーブルを参照し、取得された小当たり図柄用乱数値が「50」であれば、停止図柄データとして「08」(特別図柄B(小当たりB))を決定する。また、ハズレのときには、いずれの乱数値も参照せずに、停止図柄データとして「00」(特別図柄0(ハズレ))を決定する。
そして、特別図柄の変動開始時には、決定した特別図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、特別図柄の情報としての演出図柄指定コマンドが生成される。ここで、演出図柄指定コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEデータと、実行される制御コマンドの内容を示す1バイトのDATAデータとから構成される。このことは、後述する変動パターン指定コマンド等についても同様である。
なお、後述するように、特別図柄の種類(停止図柄データ)によって、大当たり遊技終了後の遊技状態、大当たり遊技の種類(図20参照)が決定されることから、特別図柄の種類が大当たり遊技終了後の遊技状態と大当たり遊技の種類を決定するものといえる。
次に、図22を参照して、サブROM120bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
(変動演出パターン決定テーブル)
図22は、液晶表示部81等においての演出図柄36の変動態様を決定するための変動演出パターン決定テーブルを示す図である。
サブCPU120aは、主制御基板110から受信した特別図柄の変動パターン指定コマンド及び演出用乱数値1に基づいて、変動演出パターンを決定する。ここで、同じ特別図柄の変動パターン指定コマンドであっても演出用乱数値1に基づいて、異なる変動演出パターンが決定可能に構成されていることから、特別図柄の変動パターン指定コマンドの数を減少させて、主制御基板110における記憶容量の削減を図っている。
なお、「変動演出パターン」とは、特別図柄の変動中に行われる演出手段(液晶表示部81、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34a、34b)における具体的な演出態様をいう。例えば、液晶表示部81においては、変動演出パターンによって表示される背景の表示態様、キャラクタの表示態様、演出図柄36の変動態様が決定される。また、本実施形態でいう「リーチ」とは、特別遊技に移行することを報知する演出図柄36の組合せの一部が停止表示され、他の演出図柄36が変動表示を行っている状態をいう。例えば、大当たり遊技に移行することを報知する演出図柄36の組合せとして「777」の3桁の演出図柄36の組み合わせが設定されている場合に、2つの演出図柄36が「7」で停止表示され、残りの演出図柄36が変動表示を行っている状態をいう。
サブCPU120aは、変動演出パターンを決定すると、決定した変動演出パターンに対応する演出パターン指定コマンドを画像制御基板150のホストCPU150aに送信する。
具体的には、演出パターン指定コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEデータと、実行される制御コマンドの内容を示す1バイトのDATAデータとから構成される。また、変動演出パターンに対応する演出パターン指定コマンドとしては、第1特別図柄表示装置20における特別図柄の変動パターンに基づく変動演出パターンのときには、「MODE」が「A1H」で設定され、第2特別図柄表示装置21における特別図柄の変動パターンに基づく変動演出パターンのときには、「MODE」が「B1H」で設定され、変動演出パターンの識別番号に合わせて「DATA」が設定される。
図示は省略するが、演出パターン指定コマンドは、変動演出パターンに対応するもの以外にも、MODEの設定値を変化させて、「デモ演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=01H)」、「当たり開始演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=02H)」、「大当り演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=03H)」、「当たり終了演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=04H)」
等の各種の演出パターン指定コマンドを画像制御基板150に送信する。
(遊技状態の説明)
次に、遊技が進行する際の遊技状態について説明する。本実施形態においては、大当たりの抽選に関する状態として「低確率遊技状態」と「高確率遊技状態」とを有し、第2始動口15が有する一対の可動片15bに関する状態として「非時短遊技状態」と「時短遊技状態」とを有する。この大当たりの抽選に関する状態(低確率遊技状態、高確率遊技状態)と一対の可動片15bに関する状態(非時短遊技状態、時短遊技状態)とは、それぞれの状態を関連させることもでき、独立させることもできる。つまり、
(1)「低確率遊技状態」であって「時短遊技状態」である場合と、
(2)「低確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」である場合と、
(3)「高確率遊技状態」であって「時短遊技状態」である場合と、
(4)「高確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」である場合とを設けることが可能になる。
なお、遊技を開始したときの遊技状態、すなわち遊技機1の初期の遊技状態は、「低確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」に設定されており、この遊技状態を本実施形態においては「通常遊技状態」と称することとする。
本実施形態において「低確率遊技状態」というのは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たりの当選確率が1/299.5に設定された遊技状態をいう。これに対して「高確率遊技状態」というのは、上記大当たりの当選確率が1/29.95に設定された遊技状態をいう。したがって、「高確率遊技状態」では、「低確率遊技状態」よりも、大当たりに当選しやすいこととなる。なお、この高確率遊技状態のときには、後述する高確率遊技フラグがセットされており、低確率遊技状態のときには、高確率遊技フラグがオフになっている。
また、低確率遊技状態から高確率遊技状態に変更するのは、後述する大当たり遊技を終了した後である。
本実施形態において「非時短遊技状態」というのは、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の抽選において、その抽選結果に対応する普通図柄の変動時間が29秒と長く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動口15の開放制御時間が0.2秒と短く設定された遊技状態をいう。つまり、普通図柄ゲート13を遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が行われて、普通図柄表示装置22において普通図柄の変動表示が行われるが、普通図柄は変動表示が開始されてから29秒後に停止表示する。そして、抽選結果が当たりであった場合には、普通図柄の停止表示後に、第2始動口15が約0.2秒間、第2の態様に制御される。
これに対して「時短遊技状態」というのは、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の抽選において、その抽選結果に対応する普通図柄の変動時間が3秒と、「非時短遊技状態」よりも短く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動口15の開放制御時間が3.5秒と、「非時短遊技状態」よりも長く設定された遊技状態をいう。さらに、「非時短遊技状態」においては普通図柄の抽選において当たりに当選する確率が1/65536に設定され、「時短遊技状態」においては普通図柄の抽選において当たりに当選する確率が65535/65536に設定される。なお、この時短遊技状態のときには、後述する時短遊技フラグがセットされており、非時短遊技状態のときには、時短遊技フラグがオフになっている。
したがって、「時短遊技状態」においては、「非時短遊技状態」よりも、普通図柄ゲート13を遊技球が通過する限りにおいて、第2始動口15が第2の態様に制御されやすくなる。これにより、「時短遊技状態」では、遊技者が遊技球を消費せずに遊技を進行することが可能となる。
また、普通図柄ゲート13が第2の遊技領域6Rのみからなる第2の専用領域(遊技領域6の右側の領域)に設けられていることから、「時短遊技状態」のときには、操作ハンドル3を大きく回動させ、強い発射強度で遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。
なお、普通図柄の抽選において当たりに当選する確率を「非時短遊技状態」および「時短遊技状態」のいずれの遊技状態であっても変わらないように設定してもよい。
(大当たり遊技の種類の説明)
本実施形態においては、第1大入賞口16を長い開放時間で開放させる「長当たり遊技」と、第2大入賞口17を短い開放時間で開放させる「短当たり遊技」と、第2大入賞口17を短い開放時間で開放させてから、長い開放時間で開放させる「発展当たり遊技」との3種類の「大当たり遊技」と、1種類の「小当たり遊技」とが設けられている。なお、本実施形態においては、「大当たり遊技」と上記「小当たり遊技」とを総称して「特別遊技」という。
本実施形態において「長当たり遊技」というのは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当りに当選し、長大当たりに対応する特別図柄が決定されたときに実行される遊技をいう。
「長当たり遊技」においては、第1大入賞口16が開放されるラウンド遊技を合計15回行う。各ラウンド遊技における第1大入賞口16の最大開放時間は最大29秒に設定されており、この間に第1大入賞口16に規定個数(9個)の遊技球が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。つまり、「長当たり遊技」は、第1大入賞口16に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できることから、多量の賞球を獲得可能な特別遊技である。また、第1大入賞口16は、遊技領域6の右側の領域に設けられていることから、「長当たり遊技」のときには、操作ハンドル3を大きく回動させ、強い発射強度で遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。
本実施形態において「短当たり遊技」というのは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当りに当選し、短当たりに対応する特別図柄が決定されたときに実行される遊技をいう。
「短当たり遊技」においては、第2大入賞口17が開放されるラウンド遊技を合計15回行う。各ラウンド遊技における第2大入賞口17の最大開放時間は、最大0.052秒に設定されており、1個の遊技球が発射される発射時間(約0.6秒)よりも短くなっている。この間に第2大入賞口17に規定個数(9個)の遊技球が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となるが、上記のとおり第2大入賞口17の開放時間が極めて短いため、遊技球が入球することはほとんどない。つまり、「短当たり遊技」は、「長当たり遊技」とは異なり、賞球の獲得が困難な特別遊技である。
本実施形態において「発展当たり遊技」というのは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当りに当選し、発展当たりに対応する特別図柄が決定されたときに実行される遊技をいう。
「発展当たり遊技」においては、第2大入賞口17が開放されるラウンド遊技を合計15回行う。初回のラウンド遊技において、第2大入賞口17の開放時間が短い開閉動作を複数回実行した後、第2大入賞口17の開放時間が長い開閉動作を行う。2ラウンド遊技以降の第2大入賞口17の最大開放時間は29秒に設定されており、この間に第2大入賞口17に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。つまり、「発展当たり遊技」は、当初は第2大入賞口17の開放時間が短い開閉動作を繰り返した後、第2大入賞口17の開放時間が長い開閉動作を繰り返している間には、第2大入賞口17に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できることから、多量の賞球を獲得可能な遊技である。
本実施形態において「小当たり遊技」というのは、第1始動口14もしくは第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、小当たり遊技を実行する権利を獲得した場合に実行される遊技をいう。
「小当たり遊技」においても、上記「短当たり遊技」と同様、第2大入賞口17が15回開放される。このときの第2大入賞口17の開放時間、開閉タイミング、開閉態様は、上記「短当たり遊技」と同じか、または、遊技者が「小当たり遊技」と「短当たり遊技」との判別を不能もしくは困難な程度に近似するように設定している。
次に、遊技機1における遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
(主制御基板のメイン処理)
図23を用いて、主制御基板110のメイン処理を説明する。
電源基板170により電源が供給されると、メインCPU110aにシステムリセットが発生し、メインCPU110aは、以下のメイン処理を行う。
まず、ステップS10において、メインCPU110aは、初期化処理を行う。この処理において、メインCPU110aは、電源投入に応じて、メインROM110bから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM110cに記憶されるフラグなどを初期化する処理を行う。
ステップS20において、メインCPU110aは、特別図柄の変動態様(変動時間)を決定するためのリーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値の更新を行う演出用乱数値更新処理を行う。
ステップS30において、メインCPU110aは、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値、小当たり図柄用初期値乱数値、普通図柄判定用初期乱数値の更新を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS20とステップS30との処理を繰り返し行う。
(主制御基板のタイマ割込処理)
図24を用いて、主制御基板110のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板110に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下に述べるタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS100において、メインCPU110aは、メインCPU110aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS110において、メインCPU110aは、特別図柄時間カウンタの更新処理、特別電動役物の開放時間等などの特別遊技タイマカウンタの更新処理、普通図柄時間カウンタの更新処理、普電開放時間カウンタの更新処理等の各種タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。具体的には、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタ、普通図柄時間カウンタ、普電開放時間カウンタから1を減算する処理を行う。
ステップS120において、メインCPU110aは、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、普通図柄判定用乱数値の乱数更新処理を行う。
具体的には、それぞれの乱数値及び乱数カウンタを+1加算して更新する。なお、加算した乱数カウンタが乱数範囲の最大値を超えた場合(乱数カウンタが1周した場合)には、乱数カウンタを0に戻し、その時の初期乱数値からそれぞれの乱数値を新たに更新する。
ステップS130において、メインCPU110aは、ステップS30と同様に、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値、小当たり図柄用初期値乱数値、普通図柄判定用初期乱数値を更新する初期乱数値更新処理を行う。
ステップS200において、メインCPU110aは、入力制御処理を行う。
この処理において、メインCPU110aは、一般入賞口検出スイッチ12a、第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口検出スイッチ17a、第1始動口検出スイッチ14a、第2始動口検出スイッチ15a、ゲート検出スイッチ13aの各スイッチに入力があったか否か判定する入力処理を行う。
具体的には、一般入賞口検出スイッチ12a、第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口検出スイッチ17a、第1始動口検出スイッチ14a、第2始動口検出スイッチ15aからの各種検出信号を入力した場合には、ぞれぞれの入賞口毎に設けられた賞球のために用いる賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。
さらに、第1始動口検出スイッチ14aから検出信号を入力した場合には、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータが4未満であれば、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に1を加算し、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値を取得して、取得した各種乱数値を第1特別図柄乱数値記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶する。
同様に、第2始動口検出スイッチ15aから検出信号を入力した場合には、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域にセットされているデータが4未満であれば、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1を加算し、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値を取得して、取得した各種乱数値を第2特別図柄乱数値記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶する。
また、ゲート検出スイッチ13aから検出信号を入力した場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域にセットされているデータが4未満であれば、普通図柄保留数(G)記憶領域に1を加算し、普通図柄判定用乱数値を取得して、取得した普通図柄判定用乱数値を普通図柄保留記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶する。
さらに、第1大入賞口検出スイッチ16aまたは第2大入賞口検出スイッチ17aからの検出信号を入力した場合には、第1大入賞口16または第2大入賞口17に入賞した遊技球を計数するための大入賞口入球数(C)記憶領域に1を加算して更新する。
ステップS300において、メインCPU110aは、大当たりの抽選、特別電動役物、遊技状態の制御を行うための特図特電制御処理を行う。詳しくは、図25を用いて後述する。
ステップS400において、メインCPU110aは、普通図柄の抽選、普通電動役物の制御を行うための普図普電制御処理を行う。
具体的には、まず普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされているか否かを判定し、普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされていなければ、今回の普図普電制御処理を終了する。
普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされていれば、普通図柄保留数(G)記憶領域に記憶されている値から1を減算した後、普通図柄保留記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された普通図柄判定用乱数値を1つ前の記憶部にシフトさせる。このとき、既に第0記憶部に書き込まれていた普通図柄判定用乱数値は上書きされて消去されることとなる。
そして、図18(b)に示す当たり判定テーブルを参照し、普通図柄保留記憶領域の第0記憶部に記憶された普通図柄判定用乱数値が「当たり」に対応する乱数値であるかどうかの判定する処理を行う。その後、普通図柄表示装置22において普通図柄の変動表示を行って、普通図柄の変動時間が経過すると普通図柄の抽選の結果に対応する普通図柄の停止表示を行う。そして、参照した普通図柄判定用乱数値が「当たり」のものであれば、始動口開閉ソレノイド15cを駆動させ、第2始動口15を所定の開放時間、第2の態様に制御する。
ここで、非時短遊技状態であれば、普通図柄の変動時間を29秒に設定し、「当たり」であると第2始動口15を0.2秒間、第2の態様に制御する。これに対して、時短遊技状態であれば、普通図柄の変動時間を0.2秒に設定し、「当たり」であると第2始動口15を3.5秒間、第2の態様に制御する。
ステップS500において、メインCPU110aは、払出制御処理を行う。
この払出制御処理において、メインCPU110aは、ぞれぞれの賞球カウンタを参照し、各種入賞口に対応する払出個数指定コマンドを生成して、生成した払出個数指定コマンドを払出制御基板130に送信する。
ステップS600において、メインCPU110aは、外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、第1大入賞口開閉ソレノイドデータ、第2大入賞口開閉ソレノイドデータ、特別図柄表示装置データ、普通図柄表示装置データ、記憶数指定コマンドのデータ作成処理を行う。
ステップS700において、メインCPU110aは、出力制御処理を行う。この処理において、上記S600で作成した外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、第1大入賞口開閉ソレノイドデータ、第2大入賞口開閉ソレノイドデータの信号を出力させるポート出力処理を行う。
また、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21および普通図柄表示装置22の各LEDを点灯させるために、上記S600で作成した特別図柄表示装置データと普通図柄表示装置データとを出力する表示装置出力処理を行う。
さらに、メインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされているコマンドを演出制御基板120に送信するコマンド送信処理も行う。なお、演出制御基板120に送信されるコマンドの種別については、図27を用いて後述する。
ステップS800において、メインCPU110aは、ステップS100で退避した情報をメインCPU110aのレジスタに復帰させる。
(主制御基板の特図特電制御処理)
図25を用いて、主制御基板110の特図特電制御処理を説明する。
まず、ステップS301において特図特電処理データの値をロードし、ステップS302においてロードした特図特電処理データから分岐アドレスを参照し、特図特電処理データ=0であれば特別図柄記憶判定処理(ステップS310)に処理を移し、特図特電処理データ=1であれば特別図柄変動処理(ステップS320)に処理を移し、特図特電処理データ=2であれば特別図柄停止処理(ステップS330)に処理を移し、特図特電処理データ=3であれば大当たり遊技処理(ステップS340)に処理を移し、特図特電処理データ=4であれば大当り遊技終了処理(ステップS350)に処理を移し、特図特電処理データ=5であれば小当り遊技処理(ステップS360)に処理を移す。
この「特図特電処理データ」は、後述するように特図特電制御処理の各サブルーチンの中で必要に応じてセットされていくので、その遊技において必要なサブルーチンが適宜処理されていくことになる。
ステップS310の特別図柄記憶判定処理においては、メインCPU110aは、大当たり判定処理、停止表示する特別図柄の決定をする特別図柄決定処理、特別図柄の変動時間を決定する変動時間決定処理等を行う。ここで、図26を用いて、特別図柄記憶判定処理の具体的な内容を説明する。
(主制御基板の特別図柄記憶判定処理)
図26は、主制御基板110の特別図柄記憶判定処理を示す図である。
まず、ステップS311において、メインCPU110aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域または第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1以上のデータがセットされているか否かを判定する。
そして、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域または第2特別図柄保留数(U2)記憶領域のいずれの記憶領域にも1以上のデータがセットされていなければ、特図特電処理データ=0を保持したまま、今回の特別図柄変動処理を終了する。
一方、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域または第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1以上のデータがセットされていれば、ステップS312に処理を移す。
ステップS312において、メインCPU110aは、大当たり判定処理を行う。
具体的には、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1以上のデータがセットされている場合には、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている値から1を減算した後、第2特別図柄乱数値記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各種乱数値を1つ前の記憶部にシフトさせる。このとき、既に第0記憶部に書き込まれていた各種乱数値は上書きされて消去されることとなる。そして、図18(a−2)に示す大当たり判定テーブルを参照して、第2特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定を行う。
また、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1以上のデータがセットされておらず、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に1以上のデータがセットされている場合には、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている値から1を減算した後、第1特別図柄乱数値記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各種乱数値を1つ前の記憶部にシフトさせる。このときにも、既に第0記憶部に書き込まれていた各種乱数値は上書きされて消去されることとなる。そして、図18(a−1)に示す大当たり判定テーブルを参照して、第1特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定を行う。
本実施形態では、第1特別図柄乱数値記憶領域よりも第2特別図柄乱数値記憶領域に記憶された乱数値が優先してシフト(消化)されることになる。しかしながら、始動口に入賞した順序で、第1特別図柄記憶領域または第2特別図柄記憶領域をシフトさせてもよいし、第1特別図柄記憶領域を第2特別図柄記憶領域よりも優先させてシフトさせてもよい。
ステップS313において、メインCPU110aは、停止表示する特別図柄の種類を決定するための特別図柄決定処理を行う。
この特別図柄決定処理では、上記大当り判定処理(ステップS312)において「大当たり」と判定された場合には、図19(a)に示す図柄決定テーブルを参照して、第1特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された大当たり図柄用乱数値に基づいて大当たり図柄(特別図柄1〜特別図柄6)を決定する。また、上記大当り判定処理(ステップS312)において「小当たり」と判定された場合には、図19(b)に示す図柄決定テーブルを参照して、第1特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された小当たり図柄用乱数値に基づいて小当たり図柄(特別図柄A、特別図柄B)を決定する。また、上記大当り判定処理(ステップS312)において「ハズレ」と判定された場合には、図19(c)に示す図柄決定テーブルを参照して、ハズレ図柄(特別図柄0)を決定する。
そして、決定した特別図柄に対応する停止図柄データを停止図柄データ記憶領域に記憶する。
ステップS314において、メインCPU110aは、特別図柄の変動時間決定処理を行う。
具体的には、変動パターン決定テーブルを参照して、第1特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶されたリーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値に基づいて、特別図柄の変動パターンを決定する。その後、決定した特別図柄の変動パターンに対応する特別図柄の変動時間を決定する。そして、決定した特別図柄の変動時間に対応するカウンタを特別図柄時間カウンタにセットする処理を行う。このような処理を行うことで、大当たりの抽選の一回の判定結果(特別図柄の判定結果)に対応した演出時間は、特別図柄の変動時間(変動態様)に対応しており、当該判定の直後に決定する。
ステップS315において、メインCPU110aは、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に特別図柄の変動表示(LEDの点滅)を行わせるための変動表示データを所定の処理領域にセットする。これにより、所定の処理領域に変動表示データがセットされていると、上記ステップS600でLEDの点灯または消灯のデータが適宜作成され、作成されたデータがステップS700において出力されることで、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21の変動表示が行われる。
さらに、メインCPU110aは、特別図柄の変動表示が開始されるときに、上記ステップS314で決定された特別図柄の変動パターンに対応する特別図柄の変動パターン指定コマンド(第1特別図柄用変動パターン指定コマンドまたは第2特別図柄用変動パターン指定コマンド)をメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS316において、メインCPU110aは、特図特電処理データ=0から特図特電処理データ=1にセットして、特別図柄変動処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄記憶判定処理を終了する。
再び、図25に示す特図特電制御処理について説明を戻すことにする。
ステップS320の特別図柄変動処理においては、メインCPU110aは、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定する処理を行う。
具体的には、ステップS314で決定された特別図柄の変動時間が経過したか(特別図柄時間カウンタ=0)否かを判定し、特別図柄の変動時間が経過していないと判定した場合には、特図特電処理データ=1を保持したまま、今回の特別図柄変動処理を終了する。なお、上記ステップS314でセットされた特別図柄の変動時間のカウンタは、上記ステップS110において減算処理されていく。
特別図柄の変動時間が経過したと判定すれば、上記ステップS313で決定された特別図柄を第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に停止表示させる。これにより、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に特別図柄が停止表示され、遊技者に大当たりの判定結果が報知されることとなる。
また、時短回数(J)>0のときには時短回数(J)カウンタから1を減算して更新し、時短回数(J)=0となれば、時短遊技フラグをクリアし、高確率遊技回数(X)>0のときには高確率遊技回数(X)カウンタから1を減算して更新し、高確率遊技回数(X)=0となれば、高確率遊技フラグをクリアする。
最後に、特図特電処理データ=1から特図特電処理データ=2にセットして、特別図柄停止処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄変動処理を終了する。
ステップS330の特別図柄停止処理においては、メインCPU110aは、停止表示された特別図柄が「大当たり図柄」であるか、「小当たり図柄」であるか、「ハズレ図柄」であるかを判定する処理を行う。
そして、大当たり図柄と判定された場合には、遊技状態記憶領域に記憶されているデータを参照し、現在の遊技状態を示すデータ(00H〜03H)を遊技状態バッファにセットする。その後に、高確率遊技フラグ記憶領域および時短遊技フラグ記憶領域に記憶されているデータ(高確率遊技フラグと時短遊技フラグ)、高確率遊技回数(X)カウンタ、時短回数(J)カウンタをクリアする。さらに、特図特電処理データ=2から特図特電処理データ=3にセットして、大当たり遊技処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄停止処理を終了する。
また、小当たり図柄と判定された場合には、遊技状態記憶領域に記憶されているデータはクリアせずに、特図特電処理データ=2から特図特電処理データ=5にセットして、小当たり遊技処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄停止処理を終了する。
一方、ハズレ図柄と判定された場合には、特図特電処理データ=2から特図特電処理データ=0にセットして、特別図柄記憶判定処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS340の大当たり遊技処理においては、メインCPU110aは、上記長当たりまたは短当たりのいずれの大当たりを実行させるかを決定し、決定した大当たりを制御する処理を行う。
具体的には、まず図20に示す特別電動役物作動態様決定テーブルを参照し、上記ステップS313で決定された大当たり図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、大当たりの開放態様を決定する(長当たりTBL、短当たりTBLまたは発展当たりTBLを決定する)。
次に、決定した大当たりの開放態様を実行させるために図21(a)に示す大入賞口開放態様テーブルを参照し、大当たりの種類に応じた開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットするとともに、第1大入賞口開閉ソレノイド16c(または第2大入賞口開閉ソレノイド17c)の駆動データを出力して第1大入賞口開閉扉16b(または第2大入賞口開閉扉17b)を開放させる。このとき、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に1を加算する。
この開放中に規定個数の遊技球が入球するか、大入賞口の開放時間が経過すると(大入賞口入球数(C)=9または特別遊技タイマカウンタ=0である)と、第1大入賞口開閉ソレノイド16c(または第2大入賞口開閉ソレノイド17c)の駆動データの出力を停止して第1大入賞口開閉扉16b(または第2大入賞口開閉扉17b)を閉鎖させる。これにより、1回のラウンド遊技が終了する。このラウンド遊技の制御を繰り返し15回行う。
15回のラウンド遊技が終了すると(ラウンド遊技回数(R)=15)、ラウンド遊技回数(R)記憶領域および大入賞口入球数(C)記憶領域に記憶されているデータをクリアするとともに、特図特電処理データ=3から特図特電処理データ=4にセットして、大当り遊技終了処理のサブルーチンに移す準備を行い、大当たり遊技処理を終了する。
ステップS350の大当り遊技終了処理においては、メインCPU110aは、高確率遊技状態または低確率遊技状態のいずれかの確率遊技状態を決定するとともに、時短遊技状態または非時短遊技状態のいずれかの遊技状態を決定する処理を行う。
具体的には大当たり遊技終了時設定データテーブルを参照し、遊技状態バッファに記憶されているデータと上記ステップS313で決定された大当たり図柄の種類(停止図柄データ)とに基づいて、高確率遊技フラグの設定、高確率遊技回数(X)の設定、時短遊技フラグの設定、時短回数(J)の設定を行う。例えば、特別図柄1であれば、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率遊技フラグをセットし、高確率遊技回数(X)カウンタに10000回をセットする。さらに、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグをセットし、時短回数(J)カウンタにも10000回をセットする。
その後、特図特電処理データ=4から特図特電処理データ=0にセットして、特別図柄記憶判定処理のサブルーチンに移す準備を行い、大当り遊技終了処理を終了する。
ステップS360の小当たり遊技処理においては、メインCPU110aは、まず図20に示す特別電動役物作動態様決定テーブルを参照し、上記ステップS313で決定された小当たり図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、小当たりの開放態様を決定する。
次に、決定した小当たりの開放態様を実行させるために図21(b)に示す大入賞口開放態様テーブルを参照し、小当たりの開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットするとともに、第2大入賞口開閉ソレノイド17cの駆動データを出力して第2大入賞口開閉扉17bを開放させる。このとき、開放回数(K)記憶領域に1を加算する。
小当たりの開放時間が経過する(特別遊技タイマカウンタ=0)と、第2大入賞口開閉ソレノイド17cの駆動データの出力を停止して第2大入賞口開閉扉17bを閉鎖させる。この第2大入賞口開閉扉17bの開閉制御を繰り返し15回行う。
そして、第2大入賞口開閉扉17bの開閉制御が15回行われるか、第2大入賞口17に規定個数の遊技球が入球する(開放回数(K)=15または大入賞口入球数(C)=9である)と、小当たり遊技を終了させるため、第2大入賞口開閉ソレノイド17cの駆動データの出力を停止させ、開放回数(K)記憶領域および大入賞口入球数(C)記憶領域に記憶されているデータをクリアするとともに、特図特電処理データ=5から特図特電処理データ=0にセットして、特別図柄記憶判定処理のサブルーチンに移す準備を行い、小当たり遊技処理を終了する。
(コマンドの説明)
上述の主制御基板110におけるフローチャートでは一部説明を省略した主制御基板110から演出制御基板120に送信されるコマンドの種別について、図27を用いて説明する。
主制御基板110から演出制御基板120に送信されるコマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEの情報と、実行される制御コマンドの内容を示す1バイトのDATAの情報とから構成されている。
「演出図柄指定コマンド」は、停止表示される特別図柄の種別を示すものであり、「MODE」が「E0H」で設定され、特別図柄の種別に合わせてDATAの情報が設定されている。なお、特別図柄の種別が結果的に大当たりの種別や高確率遊技状態を決定するものであるから、演出図柄指定コマンドは、大当たりの種別や、遊技状態を示すものともいえる。
この演出図柄指定コマンドは、各種の特別図柄が決定され、特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS313において各種の特別図柄が決定され、上記ステップS315において特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている演出図柄指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「第1特別図柄記憶指定コマンド」は、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている保留記憶数を示すものであり、「MODE」が「E1H」で設定され、保留記憶数に合わせてDATAの情報が設定されている。
この第1特別図柄記憶指定コマンドは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている保留記憶数が切り替わるときに、保留記憶数に対応する第1特別図柄記憶指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS200(orS230)または上記ステップS312において第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている値が増減したときに、増減後の保留記憶数に対応する第1特別図柄記憶指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている第1特別図柄記憶指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「第2特別図柄記憶指定コマンド」は、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている保留記憶数を示すものであり、「MODE」が「E2H」で設定され、保留記憶数に合わせてDATAの情報が設定されている。
この第2特別図柄記憶指定コマンドは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている保留記憶数が切り替わるときに、保留記憶数に対応する第2特別図柄記憶指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS200(orS240)または上記ステップS312において第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている値が増減したときに、増減後の保留記憶数に対応する第2特別図柄記憶指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている第2特別図柄記憶指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
なお、本実施形態では、「第1特別図柄記憶指定コマンド」と「第2特別図柄記憶指定コマンド」とをまとめて「特別図柄記憶指定コマンド」という。
「図柄確定コマンド」は、特別図柄が停止表示されていることを示すものであり、「MODE」が「E3H」で設定され、「DATA」が「00H」に設定されている。
この図柄確定コマンドは、特別図柄が停止表示されているときに演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS320において特別図柄を第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に停止表示させるときに、図柄確定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている図柄確定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「電源投入時指定コマンド」は、遊技機1の電源が投入されたことを示すものであり、「MODE」が「E4H」で設定され、「DATA」が「00H」に設定されている。
この電源投入時指定コマンドは、遊技機1の電源が投入されたときに演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS10において遊技機の電源が投入されたときに、電源投入時指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている電源投入時指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「RAMクリア指定コマンド」は、メインRAM110cに記憶された情報がクリアされたことを示すものであり、「MODE」が「E4H」で設定され、「DATA」が「01H」に設定されている。
ここで、遊技機1の裏側には図示しないRAMクリアボタンが設けられており、RAMクリアボタンを押圧しながら、遊技機1の電源を投入すると、上記ステップS10においてメインRAM110cに記憶された情報がクリアされる。
そして、RAMクリア指定コマンドは、RAMクリアボタンを押圧しながら遊技機1の電源が投入されたときに演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS10においてRAMクリアボタンを押圧しながら遊技機の電源が投入されたときに、RAMクリア指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされているRAMクリア指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「電源復旧指定コマンド」は、遊技機1の電源が投入されて、正常に復旧したことを示すものであり、「MODE」が「E4H」で設定され、「DATA」が「02H〜05H」に設定されている。また、電源復旧指定コマンドは、電源復旧時の遊技状態も示しており、電源復旧時の遊技状態が「低確率遊技状態かつ非時短遊技状態」であれば「DATA」が「02H」に設定され、「低確率遊技状態かつ時短遊技状態」であれば「DATA」が「03H」に設定され、「高確率遊技状態かつ非時短遊技状態」であれば「DATA」が「04H」に設定され、「高確率遊技状態かつ時短遊技状態」であれば「DATA」が「05H」に設定される。
この電源復旧指定コマンドは、遊技機1の電源が投入されて、正常に復旧したときに演出制御基板120に送信される。具体的には、遊技機の電源が投入されると、電源投入時にメインRAM110cのチェックサムを作成し、作成した電源投入時のメインRAM110cのチェックサムと電断時のメインRAM110cのチェックサムとを比較する。ここで、チェックサムが一致していれば正常に復旧したものと判定し、遊技状態に応じて電源復旧指定コマンドを生成し、生成した電源復旧指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている電源投入時指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「デモ指定コマンド」は、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21が作動していないことを示すものであり、「MODE」が「E5H」で設定され、「DATA」が「00H」に設定されている。
このデモ指定コマンドは、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21の特別図柄の保留記憶がないときに、演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS311において第1特別図柄保留数(U1)記憶領域または第2特別図柄保留数(U2)記憶領域のいずれの記憶領域にも1以上のデータがセットされていないときに、デモ指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされているデモ指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「第1特別図柄用変動パターン指定コマンド」は、第1特別図柄表示装置20における特別図柄の変動時間(変動態様)を示すものであり、「MODE」が「E6H」で設定され、各種の変動パターンに合わせてDATAの情報が設定されている。
この第1特別図柄用変動パターン指定コマンドは、第1特別図柄表示装置20の特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄の変動パターンに対応する第1特別図柄用変動パターン指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS314において特別図柄の変動パターンが決定され、上記ステップS315において特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄の変動パターンに対応する第1特別図柄用変動パターン指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている第1特別図柄用変動パターン指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「第2特別図柄用変動パターン指定コマンド」は、第2特別図柄表示装置21における特別図柄の変動時間(変動態様)を示すものであり、「MODE」が「E7H」で設定され、各種の変動パターンに合わせてDATAの情報が設定されている。
この第2特別図柄用変動パターン指定コマンドは、第2特別図柄表示装置21の特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄の変動パターンに対応する第2特別図柄用変動パターン指定コマンドが演出制御基板120に送信される。
具体的には、上記ステップS314において特別図柄の変動パターンが決定され、上記ステップS315において特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄の変動パターンに対応する第2特別図柄用変動パターン指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている第2特別図柄用変動パターン指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
なお、本実施形態では、「第1特別図柄用変動パターン指定コマンド」と「第2特別図柄用変動パターン指定コマンド」とをまとめて、「変動パターン指定コマンド」という。
「大入賞口開放指定コマンド」は、各種大当りの種別に合わせた大当たりのラウンド数を示すものであり、「MODE」が「EAH」で設定され、大当たりのラウンド数に合わせてDATAの情報が設定されている。
この大入賞口開放指定コマンドは、大当りラウンドが開始されるときに、開始されたラウンド数に対応する大入賞口開放指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS340において第1大入賞口開閉扉16b(または第2大入賞口開閉扉17b)を開放させるときに、開放させるときのラウンド数に対応する大入賞口開放指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている大入賞口開放指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「オープニング指定コマンド」は、各種の大当りが開始することを示すものであり、「MODE」が「EBH」で設定され、大当たりの種別に合わせてDATAの情報が設定されている。
このオープニング指定コマンドは、各種の大当りが開始するときに、大当たりの種別に対応するオープニング指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS340の大当たり遊技処理の開始のときに、大当たりの種別に対応するオープニング指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされているオープニング指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「エンディング指定コマンド」は、各種の大当りが終了したことを示すものであり、「MODE」が「ECH」で設定され、大当たりの種別に合わせてDATAの情報が設定されている。
このエンディング指定コマンドは、各種の大当りが終了するときに、大当たりの種別に対応するエンディング指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS350の大当り遊技終了処理の開始のときに、大当たりの種別に対応するエンディング指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされているエンディング指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「遊技状態指定コマンド」は、時短遊技状態であるか非時短遊技状態であるかを示すものであり、「MODE」が「EEH」で設定され、非時短遊技状態であれば「DATA」が「00H」に設定され、時短遊技状態であれば「DATA」が「01H」に設定されている。
この遊技状態指定コマンドは、特別図柄の変動開始時、特別図柄の変動終了時、大当り遊技の開始時および大当りの終了時に、遊技状態に対応する遊技状態指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS315において特別図柄の変動表示が開始されるとき、上記ステップS320において特別図柄を停止表示させるとき、上記ステップS320において高確率遊技フラグ、高確率遊技回数、時短遊技フラグおよび時短回数(J)をクリアしたとき、上記ステップS350において高確率遊技フラグ、高確率遊技回数、時短遊技フラグおよび時短回数(J)の設定を行ったときに、現在の遊技状態に対応する遊技状態指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている遊技状態指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
次に、演出制御基板120におけるサブCPU120aにより実行される処理について説明する。
(演出制御基板のメイン処理)
図28を用いて、演出制御基板120のメイン処理を説明する。
ステップS1000において、サブCPU120aは、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、電源投入に応じて、サブROM120bからメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM120cに記憶されるフラグなどを初期化し、設定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1100に処理を移す。
ステップS1100において、サブCPU120aは、演出用乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、サブRAM120cに記憶される乱数(演出用乱数値1、演出用乱数値2、演出図柄決定用乱数値、演出モード決定用乱数値等)を更新する処理を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、上記ステップS1100の処理を繰り返し行う。
(演出制御基板のタイマ割込処理)
図29を用いて、演出制御基板120のタイマ割込処理を説明する。
図示はしないが、演出制御基板120に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(2ミリ秒)毎にクロックパルスが発生され、タイマ割込処理プログラムを読み込み、演出制御基板のタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS1300において、サブCPU120aは、サブCPU120aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS1400において、サブCPU120aは、演出制御基板120で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。
ステップS1500において、サブCPU120aは、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、サブRAM120cの受信バッファに格納されているコマンドを解析する処理を行う。コマンド解析処理の具体的な説明は、図30および図31を用いて後述する。なお、演出制御基板120は、主制御基板110から送信されたコマンドを受信すると、図示しない演出制御基板120のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、本ステップS1500において受信したコマンドの解析処理が行われる。
ステップS1600において、サブCPU120aは、演出ボタン検出スイッチ35aの信号のチェックを行い、演出ボタン35に関する演出入力制御処理を行う。詳しくは、図32を用いて後述する。
ステップS1700において、サブCPU120aは、赤外線撮像装置402からの映像信号の解析を行い、裸眼立体視用液晶表示装置(LCD)31に関する配光方向変制御処理を行う。詳しくは、図33を用いて後述する。
ステップS1800において、サブCPU120aは、サブRAM120cの送信バッファにセットされている各種のコマンドをランプ制御基板140や画像制御基板150へ送信するデータ出力処理を行う。
ステップS1900において、サブCPU120aは、ステップS1810で退避した情報をサブCPU120aのレジスタに復帰させる。
(演出制御基板のコマンド解析処理)
図30および図31を用いて、演出制御基板120のコマンド解析処理を説明する。なお、図31のコマンド解析処理2は、図30のコマンド解析処理1に引き続いて行われるものである。
ステップS1501において、サブCPU120aは、受信バッファにコマンドが有るか否かを確認して、コマンドを受信したかを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファにコマンドがなければコマンド解析処理を終了し、受信バッファにコマンドがあればステップS1510に処理を移す。
ステップS1510において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、デモ指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがデモ指定コマンドであれば、ステップS1511に処理を移し、デモ指定コマンドでなければステップS1520に処理を移す。
ステップS1511において、サブCPU120aは、デモ演出パターンを決定するデモ演出パターン決定処理を行う。
具体的には、デモ演出パターンを決定し、決定したデモ演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定したデモ演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定したデモ演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1520において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、特別図柄記憶指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが特別図柄記憶指定コマンドであれば、ステップS1521に処理を移し、特別図柄記憶指定コマンドでなければステップS1530に処理を移す。
ステップS1521において、サブCPU120aは、特別図柄記憶指定コマンドを解析して、液晶表示部81に表示させる特図保留画像の表示個数を決定するとともに、決定した特図保留画像の表示個数に対応する特図表示個数指定コマンドを画像制御基板150とランプ制御基板140に送信する特別図柄記憶数決定処理を行う。
ステップS1530において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、演出図柄指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが演出図柄指定コマンドであれば、ステップS1531に処理を移し、演出図柄指定コマンドでなければステップS1540に処理を移す。
ステップS1531において、サブCPU120aは、受信した演出図柄指定コマンドの内容に基づいて、液晶表示部81に停止表示させる演出図柄36を決定する演出図柄決定処理を行う。
具体的には、演出図柄指定コマンドを解析して、大当たりの有無、大当たりの種別に応じて演出図柄36の組み合わせを構成する演出図柄データを決定し、決定された演出図柄データを演出図柄記憶領域にセットするとともに、演出図柄データを画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、演出図柄データ示す停止図柄指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1532において、サブCPU120aは、上記ステップ1100において更新されている演出モード決定用乱数値から1つの乱数値を取得し、取得した演出モード決定用乱数値と受信した演出図柄指定コマンドに基づいて、複数の演出モード(例えば、ノーマル演出モードやチャンス演出モード)の中から1つの演出モードを決定する演出モード決定処理を行う。また、決定した演出モードは、演出モード記憶領域にセットされる。
ステップS1540において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、変動パターン指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが変動パターン指定コマンドであれば、ステップS1541に処理を移し、変動パターン指定コマンドでなければステップS1550に処理を移す。
ステップS1541において、サブCPU120aは、上記ステップ1100において更新されている演出用乱数値1から1つの乱数値を取得し、取得した演出用乱数値1、受信した変動パターン指定コマンド及び演出モード記憶領域にセットされている演出モードに基づいて、複数の変動演出パターンの中から1つの変動演出パターンを決定する変動演出パターン決定処理を行う。
具体的には、ノーマル演出モードであれば、図22に示す変動演出パターン決定テーブルを参照し、取得した演出用乱数値1に基づいて1つの変動演出パターンを決定し、決定した変動演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した変動演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した変動演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。例えば、変動パターン指定コマンドとして「E6H01H」を受信したときには、取得した演出用乱数値1が「0〜49」であれば変動演出パターン1を決定し、取得した演出用乱数値が「50〜99」であれば変動演出パターン2を決定し、決定した変動演出パターンを演出パターン記憶領域にセットする。さらに、決定した変動演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
その後、かかる演出パターンに基づいて、液晶表示部81、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34a、34bが制御されることになる。なお、ここで決定した変動演出パターンに基づいて、演出図柄36の変動態様が決定されることとなる。尚、大当たりの抽選の一回の判定結果に対応した演出時間は、演出図柄36の変動態様が示す演出時間と一致している。演出パターン指定コマンドは、画像制御基板150のホストCPU150aに対して大当たりの抽選の一回の判定結果に対応した演出時間を指定するようになっている。
ステップS1550において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、図柄確定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが図柄確定コマンドであれば、ステップS1551に処理を移し、図柄確定コマンドでなければステップS1560に処理を移す。
ステップS1551において、サブCPU120aは、演出図柄36を停止表示させるために、演出図柄を停止表示させるための停止指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする演出図柄停止表示処理を行う。
ステップS1560において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、遊技状態指定コマンドであるか否かを判定する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが遊技状態指定コマンドであればステップS1561に処理を移し、遊技状態指定コマンドでなければステップS1570に処理を移す。
ステップS1561において、サブCPU120aは、受信した遊技状態指定コマンドに基づいた遊技状態を示すデータをサブRAM120cにある遊技状態記憶領域にセットする。
ステップS1570において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、オープニングコマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがオープニングコマンドであればステップS1571に処理を移し、オープニングコマンドでなければステップS1580に処理を移す。
ステップS1571において、サブCPU120aは、当たり開始演出パターンを決定する当たり開始演出パターン決定処理を行う。
具体的には、オープニングコマンドに基づいて当たり開始演出パターンを決定し、決定した当たり開始演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した当たり開始演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した当たり開始演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1580において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、大入賞口開放指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが大入賞口開放指定コマンドであればステップS1581に処理を移し、大入賞口開放指定コマンドでなければステップS1590に処理を移す。
ステップS1581において、サブCPU120aは、大当たり演出パターンを決定する大当たり演出パターン決定処理を行う。
具体的には、大入賞口開放指定コマンドに基づいて大当たり演出パターンを決定し、決定した大当たり演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した大当たり演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した大当たり演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1590において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、エンディングコマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがエンディングコマンドであればステップS1591に処理を移し、エンディングコマンドでなければコマンド解析処理を終了する。
ステップS1591において、サブCPU120aは、当たり終了演出パターンを決定する当たり終了演出パターン決定処理を行う。
具体的には、エンディングコマンドに基づいて当たり終了演出パターンを決定し、決定した当たり終了演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した当たり終了演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した当たり終了演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。本処理を終了すると、コマンド解析処理が終了する。
(演出制御基板の演出入力制御処理)
図32を用いて、演出入力制御処理について説明する。
まず、ステップS1601において、サブCPU120aは、演出ボタン検出スイッチ35aからの有効な演出ボタン検出信号があったか否かを判定する。ここで、サブCPU120aは、当該信号がないと判定すれば、当該処理を終了し、当該信号があると判定すれば、ステップS1602の処理に移行する。
ステップS1602において、サブCPU120aは、サブRAM120cの記憶領域にボタン操作演出実行可能フラグ=01がセットされているか否かを判定する。ここで、サブCPU120aは、ボタン操作演出実行可能フラグ=01がセットされていなければ、当該処理を終了し、ボタン操作演出実行可能フラグ=01がセットされていれば、ステップS1603の処理に移行する。
ステップS1603において、サブCPU120aは、ボタン操作演出実行コマンドを送信バッファにセットする。このコマンドは、画像制御基板105に演出ボタン35の操作に対応した演出を実行させるためのコマンドである。
ここで、サブCPU120aは、演出入力制御処理の後のステップS1800(図29参照)において送信バッファにセットされたコマンドを画像制御基板150及びランプ制御基板140に送信する。画像制御基板150は受信したコマンドに基づいて、液晶表示部81及び音声出力装置32を作動させ、ランプ制御基板140は受信したコマンドに基づいて演出用駆動装置33及び演出用照明装置34a、34bを作動させる。
(演出制御基板の配光方向変制御処理)
図33を用いて、配光方向変制御処理について説明する。
まず、ステップS1701において、サブCPU120aは、赤外線撮像装置402からの映像信号の解析を行い、赤外線撮像装置402が人物を認識したか否かの判別を行う。人物の判別方法については後述の図43を用いて詳細に説明する。ここで、サブCPU120aは、人物を認識していないと判定すれば、当該処理を終了し、人物を認識したと判定すれば、ステップS1702の処理に移行する。
ステップS1702において、サブCPU120aは、配光方向変更制御基板83からの配光方向データから遊技者が立体視を行える立体視可能位置を算出し、赤外線撮像装置402からの映像信号の解析結果による人物の認識位置が立体視可能位置と一致するか否かを判別する。ここで、サブCPU120aは、人物の認識位置が立体視可能位置に一致していないと判定すれば、当該処理を終了し、人物の認識位置が立体視可能位置に一致したと判定すれば、ステップS1703の処理に移行する。
ステップS1703において、サブCPU120aは、赤外線撮像装置402による人物の認識位置が配光方向変更制御基板83の配光方向変更により制御可能な立体視可能位置の制御範囲内にあるかを判別する。ここで、サブCPU120aは、人物の認識位置が立体視可能位置の制御範囲内でないと判別すれば当該処理を終了し、人物の認識位置が立体視可能位置の制御範囲内であると判定すれば、ステップS1704の処理に移行する。
ステップS1704において、サブCPU120aは、前記配光方向データに対応する前記立体視可能位置が赤外線撮像装置402からの映像信号の解析結果による人物の認識位置と一致するように配光ユニット82の配光方向を制御する制御コマンドを配光方向変更制御基板83向けの送信バッファにセットして処理を終了する。
次に、画像制御基板150におけるホストCPU150aにより実行される処理について説明する。
(画像制御基板のメイン処理)
図34を用いて、画像制御基板150のメイン処理を説明する。
電源基板170により電源が供給されると、ホストCPU150aにシステムリセットが発生し、ホストCPU150aは、以下のメイン処理を行う。
ステップS2010において、ホストCPU150aは、初期化処理を行う。この処理において、ホストCPU150aは、電源投入に応じて、ホストROM150cからメイン処理プログラムを読み込むとともに、ホストCPU150aの各種モジュールやVDP2000の初期設定を指示する。
ここで、ホストCPU150aは、VDP2000の初期設定の指示として、
(1)表示回路2080に映像信号を作成して出力させることを指示するため、映像信号作成の指示をしたり(表示レジスタの0bit目に1をセットしたり)、
(2)伸長回路2060に使用頻度の高い画像データ(演出図柄36等の画像データ)をVRAM153の展開記憶領域153bに伸長させて展開させるために、伸長レジスタに所定の初期値データをセットしたり、
(3)描画回路2070に初期値画像データ(「電源投入中」という文字画像等)を描画させるため、初期値ディスプレイリストを出力したりする。
ステップS2020において、ホストCPU150aは、描画実行開始処理を行う。この処理において、既に出力したディスプレイリストに対する描画の実行をVDP2000に指示するため、描画レジスタに描画実行開始データをセットする(図17(b)参照)。
すなわち、電源投入開始時には上記ステップS2010で出力された初期値ディスプレイリストに対する描画の実行が指示され、通常のルーチン処理時には後述するS2050で出力されたディスプレイリストに対する描画の実行が指示されることになる。
ステップS2030において、ホストCPU150aは、演出制御基板120から送信された演出指示コマンド(ホストRAM150bの受信バッファに格納されているコマンド)を解析する演出指示コマンド解析処理を行う。
なお、画像制御基板150は、演出制御基板120から送信されたコマンドを受信すると、図示しない画像制御基板150のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、本ステップS2030において受信したコマンドの解析処理が行われる。
演出指示コマンド解析処理は、受信バッファに演出指示コマンド(例えば、図22に示すような演出パターン指定コマンド)が記憶されているか否かを確認する。受信バッファに演出指示コマンドが記憶されていなければ、そのままステップS2040に処理を移す。
受信バッファに演出指示コマンドが記憶されていれば、新たな演出指示コマンドを読み込み、読み込んだ演出指示コマンドに基づいて、実行する1つまたは複数のアニメグループを決定するとともに、それぞれのアニメグループからアニメパターンを決定する(図36参照)。
また、ホストCPU150aは、受信バッファに演出パターン指定コマンドが記憶されていれば、ホストRAM150bの演出タイマカウンタに演出パターン指定コマンドに対応する演出時間をセットする。なお、演出タイマカウンタは、4ms毎に減算処理される。
また、ホストCPU150aは、受信バッファにボタン操作演出実行コマンドが記憶されていれば、新たなボタン操作演出実行コマンドを読み込み、ホストRAM105bの記憶領域にボタン操作演出実行フラグ=01をセット(ボタン操作演出実行フラグをオン)する。
また、ホストCPU150aは、演出タイマカウンタの減算処理により読み込んだ演出指示コマンドに対応する演出時間が終了すると、ホストRAM105bの記憶領域にボタン操作演出実行フラグ=00をセット(ボタン操作演出実行フラグをオフ)する。
ステップS2040において、ホストCPU150aは、アニメーション制御処理を行う。この処理において、後述するステップS2210において更新される上記「シーン切換えカウンタ」、上記「ウェイトフレーム」、上記「フレームカウンタ」と、上記ステップS2030で決定されたアニメパターンとに基づいて、各種アニメシーンのアドレスを更新する。
ステップS2050において、ホストCPU150aは、アニメシーンが属するアニメグループの優先順位(描画順序)に従って、更新したアドレスにあるアニメシーンの1フレームの表示情報(スプライトの識別番号、表示位置等)から、ディスプレイリストを生成していく(図37参照)。そして、ディスプレイリストの生成が完了すると、ホストCPU150aはディスプレイリストをVDP2000に出力する。ここで出力するディスプレイリストについては、図36を用いて後述する。
なお、ここで出力されたディスプレイリストは、VDP2000におけるCPU I/F2030を介して、VRAM153のディスプレイリスト記憶領域153aに記憶される。
ステップS2060において、ホストCPU150aは、FB切換えフラグ=01であるか否かを判定する。
ここで、FB切換えフラグは、図35(b)で後述するように、1/60秒(約16.6ms)毎のVブランク割込みにおいて、前回のディスプレイリストの描画が完了していれば、FB切換えフラグ=01になる。すなわち、ステップS2060では、前回の描画が完了したか否かを判定することになる。
ホストCPU150aは、FB切換えフラグ=01であれば、ステップS2070に処理を移し、FB切換えフラグ=00であれば、FB切換えフラグ=01になるまで待機をする。
ステップS2070において、ホストCPU150aは、FB切換えフラグ=00をセットして(FB切換えフラグをオフにして)、ステップS2020に処理を移す。
以降は、図35に示す所定の割り込みが発生するまで、ステップS2020〜ステップS2070の処理を繰り返し行う。
(画像制御基板の割込処理)
図35を用いて、画像制御基板150の割込処理を説明する。
画像制御基板150の割込処理には、描画終了割込信号を入力したことで行う描画終了割込処理と、Vブランク割込信号を入力したことで行うVブランク割込処理と、コマンドを受信したことで行われるコマンド受信割込処理とを、少なくとも備えている。
なお、描画終了割込処理とVブランク割込処理とは、図35を用いて説明を行うが、コマンド受信割込処理については、ステップS2030において説明をした通りであり、図示は省略する。
(画像制御基板の描画終了割込処理)
図35(a)は、画像制御基板150の描画終了割込処理を示す図である。
VDP2000は所定単位のフレーム(1フレーム)の描画が終了すると、CPU I/F2030を介して、ホストCPU150aに描画終了割込信号を出力する。
ホストCPU150aは、VDP2000から描画終了割込信号を入力すると、描画終了割込処理を実行する
描画終了割込処理においては、ホストCPU150aは、描画終了フラグ=01をセット(描画終了フラグをオン)して、今回の描画終了割込処理を終了する(ステップS2110)。すなわち、描画の終了毎に描画終了フラグがオンになる。
(画像制御基板のVブランク割込処理)
図35(b)は、画像制御基板150のVブランク割込処理を示す図である。
VDP2000は1/60秒(約16.6ms)毎に、CPU I/F2030を介して、ホストCPU150aにVブランク割込信号(垂直同期信号)を出力する。
ホストCPU150aは、VDP2000からVブランク割込信号を入力すると、Vブランク割込処理を実行する。
ステップS2210において、ホストCPU150aは、「シーン切換えカウンタ」、「ウェイトフレーム」、「フレームカウンタ」の各種カウンタを更新する処理を行う。
ステップS2220において、ホストCPU150aは、描画終了フラグ=01であるか否かを判定する。すなわち、所定単位のフレームの描画が終了しているか否かを判定する。
ホストCPU150aは、描画終了フラグ=01であれば、ステップS2230に処理を移し、描画終了フラグ=01でなければ、今回のVブランク割込処理を終了する。すなわち、Vブランク割込信号を入力しても、描画が終了していなければ、ステップS2230以降の処理が行われない。
ステップS2230において、ホストCPU150aは、描画終了フラグ=00をセットする(描画終了フラグをオフにする)。
ステップS2240において、ホストCPU150aは、VDP2000のメモリコントローラ2090に「表示用フレームバッファ」と「描画用フレームバッファ」とを切り替える指示を与える。
具体的には、ホストCPU150aは、CPU I/F2030を介して、表示レジスタの1bit目に1を加算する処理を行う(図17(d)参照)。
ステップS2250において、ホストCPU150aは、FB切換えフラグ=01をセットし(FB切換えフラグをオンにし)、上記ステップS2060における待機状態を解除して、今回のVブランク割込処理を終了する。
次に、図36〜図37を参照して、アニメパターンの決定方法およびディスプレイリストの生成方法について説明する。
(アニメパターン)
図36は、演出パターンのアニメーションを表示するためのアニメグループ及びアニメパターンの一例である。
図36(a)に示すように、アニメパターンは、液晶表示部81に表示するオブジェクトやシーン毎にグループ化され、背景のアニメーションを表示するための背景グループ、予告Aに用いるキャラクタのアニメーションを表示するための予告Aグループ、予告Bに用いるキャラクタのアニメーションを表示するための予告Bグループ、リーチキャラクタのアニメーションを表示するためのリーチグループ、演出図柄36のアニメーションを表示するための演出図柄グループ、大当り演出のアニメーションを表示するための大当り演出グループ・・・・等の多数のグループが存在している。そして、それぞれのグループ毎に多数のアニメパターンが対応付けられてホストROM150cに記憶されている。
ホストCPU150aは、サブCPU120aから受信した演出パターン指定コマンドに基づいて、実行する1つまたは複数のアニメグループを決定するとともに、それぞれのアニメグループからアニメパターンを決定する。
図36(b)〜(e)は、図22に示す変動演出パターン7(10秒の特別図柄の変動パターン6)に対応する演出パターン指定コマンド(A1H07H)を受信したときに、決定されるアニメパターンの一例を示している。
ホストCPU150aは、変動演出パターン7に対応する変動演出パターン指定コマンド(A1H07H)を受信したときには、ホストCPU150aにより、背景グループ、予告Aグループ、予告Bグループ、演出図柄グループの4つのグループを決定し、背景グループからはアニメパターン1、予告Aグループからはアニメパターン11、予告Bグループからはアニメパターン21、演出図柄グループからはアニメパターン501のアニメパターンを決定する。
ここで、アニメパターンは、図36(b)〜(e)に示すように、アニメシーン情報の組み合わせや各アニメシーン情報の表示順序等を記憶している。
例えば、図36(e)に示す演出図柄グループ・アニメパターン501では、1番目にアニメシーン501が実行され、2番目にアニメシーン511が実行される。
ホストRAM150bには、1フレーム毎に更新する「シーン切換カウンタ」を有しており、1番目のアニメシーン501を実行している間にシーン切換えカウンタが540を計測すると、2番目のアニメシーン511にアニメシーンが切り替わる。そして、2番目のアニメシーン511を実行している間にシーン切換えカウンタが60を計測すると、演出図柄グループ・アニメパターン501のアニメシーンが終了する。
なお「1フレーム」とは、裸眼立体視用液晶表示装置の更新タイミング(垂直同期信号の更新タイミング)であり、1/60秒(約16.6ms)毎に、1フレーム更新されて行く。すなわち、1秒で60フレームが計測される。
また、各アニメシーンには、アニメシーン情報が記憶されており、1フレーム毎に更新されるウェイトフレーム(すなわち表示時間)、対象データ(スプライトの識別番号、転送元アドレス等)、パラメータ(スプライトの表示位置、転送先アドレス等)、描画方法等などの表示情報を記憶している。
例えば、アニメーション表示において、図36(e)に示すアニメシーン501では、最初に第1図柄〜第4図柄が所定の座標に20フレーム(約0.33秒)まで表示され続ける。その後、第1図柄〜第4図柄が別の座標に15フレーム(約0.25秒)まで表示され続ける。以降も同様に、第1図柄〜第4図柄が予め定められたフレームまで異なる座標に表示され続けていくと、第1図柄〜第4図柄が移動して表示していくようなアニメーションを表示することができる。
そして、図36(b)〜(e)に示すように、背景グループのアニメパターン1と、予告Aグループからはアニメパターン11と、予告Bグループからはアニメパターン21と、演出図柄グループからはアニメパターン501との複数のアニメパターンが決定され、これらのアニメパターンのアニメーションが並列するように実行される。
すなわち、液晶表示部81の表示領域には、アニメパターンの開始から終了に至るまで、背景としてBG1(山)とBG2(雲)の画像が表示され続け、アニメパターンの開始から2秒(120フレーム)後にキャラクタAの予告表示のアニメーションを行う画像が3秒(180フレーム)表示され、アニメパターンの開始から3秒(180フレーム)後に、キャラクタBの予告表示のアニメーションを行う画像が4秒(240フレーム)表示される。さらには、演出図柄の通常変動表示のアニメーションを行う画像が9秒間(540フレーム)行われ、その後1秒間(60フレーム)の仮停止表示のアニメーションを行う画像が表示される。
なお、これらの画像は、液晶表示部81の表示領域に重複して表示されることになり、最初に描画された画像は、後に描画された画像によって上書きされて消されることになる。この画像の生成方法は、後述のディスプレイリストにおいて説明する。
(ディスプレイリスト)
図37は、描画制御コマンド群から構成されるディスプレイリストの一例である。
ホストCPU150aは、上記図36に示すようにアニメパターンを決定すると、所定単位のフレーム毎(1フレーム毎)にディスプレイリストを生成して、生成したディスプレイリストをVDP2000に出力する。
ここで、ディスプレイリストの生成方法については、ホストCPU150aが、現在のフレームを示す「フレームカウンタ」と決定されたアニメパターン(アニメシーン)とに基づいて、現在のフレーム数におけるアニメシーンの内容に従った描画制御コマンドを、各アニメグループの優先順位(描画順序)に従って生成することで、現在のフレーム数におけるディスプレイリストが生成される。
例えば、上記図36(b)〜(e)に示すアニメグループの優先順位として、背景グループには最も低い優先順位10のデータが対応づけられ、予告Aグループには優先順位9のデータが対応づけられ、予告Bグループには優先順位8のデータが対応づけられ、・・・・、大当り演出グループには優先順位2のデータが対応づけられ、演出図柄グループには最も高い優先順位1のデータが対応づけられているものとする。
そして、上記図36(b)〜(e)に示すように、背景グループのアニメパターン1と、予告Aグループからはアニメパターン11と、予告Bグループからはアニメパターン21と、演出図柄グループからはアニメパターン501との複数のアニメパターンが決定されたものとする。
次に、最も低い優先順位のアニメグループ(背景グループ)のアニメパターン1から、現在のフレームカウンタ(現在のフレーム数)におけるアニメシーンの内容に従った描画制御コマンドを順次生成していき、決定したアニメグループのうちで最も高い優先順位のアニメグループ(演出図柄グループ)までの描画制御コマンドが生成されると、最後に描画終了コマンドを生成して、図37に示すようなディスプレイリストを完成させる。
このようなディスプレイリストは、ホストCPU150aが必要なデータを参照しながら、プログラム処理によって生成されて行く。
このように、所定単位のフレーム毎(1フレーム毎)に描画制御コマンド群をまとめたディスプレイリストを、ホストCPU150aがVDP2000に出力することで、VDP2000にある描画回路2070が具体的な描画処理を行い、ホストCPU150aの処理負担の軽減を図ることができる。
次に、VDP2000において実行される処理について説明する。
(伸長回路の伸長制御処理)
図38を用いて、VDP2000における伸長回路2060の伸長制御処理を説明する。
まず、ステップS2310において、伸長回路2060は、描画回路2070から描画する画像データを伸長させる伸長実行開始の指示があったか否かの判定を行う。具体的には、描画回路2070により伸長レジスタに伸長実行開始データがセットされたか否か(伸長レジスタの0bit目に1がセットされたか否か)の判定を行う(図17(c)参照)。
伸長回路2060は、伸長実行開始の指示があったときは、ステップS2320に処理を移し、伸長実行開始の指示がなかったときは、伸長実行開始の指示があるまで待機をする。
ステップS2320において、伸長回路2060は、描画回路2070によりセットされた伸長レジスタの伸長実行開始データをクリアする(伸長レジスタの0bit目に0をセットする)。
ステップS2330において、伸長回路2060は、描画回路2070に伸長の実行中であることを知らせるため、伸長レジスタに伸長実行中データをセットする(伸長レジスタの1bit目に1をセットする)(図17(c)参照)。
ステップS2340において、伸長回路2060は、CRROM151に圧縮された圧縮画像データを読み出し、読み出された圧縮画像データを元画像データに伸長して、伸長された画像データをVRAM153の展開記憶領域153bに展開させる。
ステップS2350において、伸長回路2060は、1つの画像の伸長が完了したか否かを判定する。
伸長回路2060では、1つの画像の伸長が完了したときは、ステップS2360に処理を移し、1つの画像の伸長が完了していないときは、ステップS2340に処理を戻して伸長処理を繰り返し行う。
ステップS2360において、伸長回路2060は、1つの画像の伸長が完了すると、描画回路2070に伸長が終了したことを知らせるため、伸長レジスタの伸長実行中データをクリア(伸長レジスタの1bit目に0をセット)して、ステップS2310に処理を戻して伸長制御処理を繰り返し行う。
(描画回路における描画制御処理)
図39を用いて、VDP2000における描画回路2070の描画制御処理を説明する。
ステップS2410において、描画回路2070は、ホストCPU150aから描画の実行開始の指示があったか否かの判定を行う。具体的には、ホストCPU150aにより描画レジスタに描画実行開始データがセットされているか否か(描画レジスタの0bit目に1がセットされているか否か)の判定を行う(図17(b)参照)。
描画回路2070では、描画の実行開始の指示があったときは、ステップS2420に処理を移し、描画の実行開始の指示がなかったときは、描画の実行開始の指示があるまで待機をする。
ステップS2420において、描画回路2070は、ホストCPU150aによりセットされた描画レジスタの描画実行開始データをクリアする(描画レジスタの0bit目に0をセットする)。
ステップS2430において、描画回路2070は、VRAM153のディスプレイリスト記憶領域153aに記憶されたディスプレイリストを読み込み、読み込んだディスプレイリストの描画制御コマンドを、あらかじめ定められた優先順位(描画順序)に従って順次解析していく。
なお、ここではディスプレイリストにある複数の描画制御コマンドを全て一括して解析するわけではなく、1回のディスプレイリスト解析制御処理においては、あらかじめ定められた優先順位(描画順序)に従って、所定単位(例えば1つの画像データ)の描画制御コマンドを順次解析していく。
ステップS2440において、描画回路2070は、ディスプレイリストに圧縮された画像を伸長させる伸長コマンドが記憶されており、描画する画像データがVRAM153の展開記憶領域153bに記憶(伸長)されていなければ、伸長回路2060に描画する画像データを伸長させること指示する。具体的には、具体的には、伸長レジスタに伸長実行開始データをセットする(伸長レジスタの0bit目に1をセットする)。
ステップS2450において、描画回路2070は、描画する画像の伸長が完了したか否かを判定する。具体的には、伸長レジスタに伸長実行中データがクリアされているか否か(伸長レジスタの1bit目に0がセットされているか否か)を判定する。
描画回路2070は、描画する画像の伸長が完了したときはステップS2460に処理を移し、描画する画像の伸長が完了していなかったときは、描画する画像の伸長が完了するまで待機をする。
ステップS2460において、描画回路2070は、ディスプレイリストの描画制御コマンドに従い、適宜必要なデータを描画レジスタに設定しながら、VRAM153の展開記憶領域153bに伸長された画像を、VRAM153にある「描画用フレームバッファ」に描画する描画処理を行う。
ステップS2470において、描画回路2070は、1フレームのディスプレイリストの全ての描画制御コマンドが終了(1フレームの描画処理が完了)したか否かを判定する。
描画回路2070は、1フレームの描画処理が完了したときは、ステップS2480に処理を移し、1フレームの描画処理が完了していなかったときは、ステップS2430に処理を戻して、1フレームの描画処理が完了するまで上記ステップS2430の「ディスプレイリスト解析制御処理」と上記ステップS2440の「伸長指示処理」と上記ステップS2460の「描画処理」とを繰り返し行う。
なお、本実施形態のように、画像データを全て圧縮してCGROM151に記憶しているとすると、ディスプレイリストに従い、1つの画像毎に伸長して描画していくことになる。
ステップS2480において、描画回路2070は、割込レジスタに描画終了データをセットし(システム制御レジスタの1bit目に1をセットし)(図17(a)参照)、ステップS2410に処理を戻して描画制御処理を繰り返し行う。
(表示回路における表示制御処理)
図40を用いて、VDP2000における表示回路2080の表示制御処理を説明する。
ステップS2510において、表示回路2080は、ホストCPU150aから映像信号作成の指示があったか否かの判定を行う。具体的には、表示レジスタの0bit目に1がセットされているか否かを判定する(図17(d)参照)。
表示回路2080は、映像信号の作成の指示があったときは、ステップS2520に処理を移し、映像信号作成の指示がなかったときは、映像信号作成の指示があるまで待機をする。
なお、表示レジスタの0bit目は、原則として、電源投入時から「1」はセットされたままになっている(電源投入時から映像信号作成ONの状態を維持している)。
ステップS2520において、表示回路2080は、VRAM153にある「表示用フレームバッファ」に記憶された画像データ(デジタル信号)から、映像信号として画像の色データを示すRGB信号(アナログ信号)を生成する。
ステップS2530において、表示回路2080は、生成した映像信号(RGB信号)と、液晶表示部81と同期を図るための同期信号(垂直同期信号、水平同期信号等)とを液晶表示部81に出力する。その後、ステップS2510に処理を戻して表示制御処理を繰り返し行う。
次に、演出制御基板120について簡単に概略を説明する。
演出制御基板120は、主制御基板110から送信されたコマンドを受信すると、演出制御基板120のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。
そして、演出制御基板120におけるサブCPU120aは、2ms毎に行われる演出制御基板120のタイマ割込み処理にて、受信したコマンドを解析して各コマンドに対応する各種コマンドを生成する。その後、生成した各種コマンドは、画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信される。
例えば、演出制御基板120におけるサブCPU120aは、主制御基板110から変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、液晶表示部81、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34a、34bに所定の演出を実行させるためのコマンドを生成し、かかるコマンドを画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信する。
次に、ランプ制御基板140と画像制御基板150について簡単に概略を説明する。
ランプ制御基板140においては、演出制御基板120から演出用のコマンドを受信すると、受信した演出用のコマンドに基づいて演出用駆動装置作動プログラムを読み出して、演出用駆動装置33を作動制御するとともに、受信した演出用のコマンドに基づいて演出用照明装置制御プログラムを読み出して、演出用照明装置34a、34bを制御する。
画像制御基板150において、演出制御基板120から演出用のコマンドを受信すると、受信した演出用のコマンドに基づいて、音声CPUが音声ROMから音声出力装置制御プログラムを読み出して、音声出力装置32における音声を出力制御するとともに、ホストCPU150aが画像ROMからアニメーション制御プログラムを読み出して、液晶表示部81における画像表示を制御する。
(遊技内容)
次に、図41〜図42を用いて、裸眼立体視用液晶表示装置31の画面90で行われる遊技内容について説明する。
図41は、演出図柄36の変動表示開始から大当り遊技までの遊技内容を説明するための説明図である。
(遊技内容)
図41(a)は、裸眼立体視用液晶表示装置31の画面90に演出図柄36が変動表示されている。
ここで、演出図柄36(36a、36b、36c)は7種類の図柄で構成され、図41(a)には、液晶表示部81の表示領域の中央に左用の演出図柄36aと中用の演出図柄36bと右用の演出図柄36cとが表示され、液晶表示部81の表示領域の左下に小さく、第4の演出図柄36dが表示されている。また、液晶表示部81の表示領域の下方には、情報基礎画像37bが表示され、その情報基礎画像37bの上には、2個の特図保留画像37aと3個の普図保留画像38a、38bとが表示されている。さらには、演出図柄36の背景には、山背景画像39a、予告Aに用いる飛行機画像39bが表示されている。演出図柄36a、36b、36c、飛行機画像39bは、複数の左眼用画素234L(図12参照)と複数の右眼用画素234R(図12参照)で左右にずれて表示されており、遊技者には、演出図柄36a、36b、36c、飛行機画像39bが液晶表示部81の画面から飛び出したように見える。ここで、図41(a)〜(d)に示す演出図柄36a、36b、36c、飛行機画像39bでは、破線に示す右眼用画素234R(図12参照)の右眼用画像102R(図5参照)が実線に示す左眼用画素234L(図12参照)の左眼用画像102L(図5参照)に比べて左にずれて表示されることになる。図41(a)〜(d)に示す情報基礎画像37b、特図保留画像37a、普図保留画像38a、38b、山背景画像39aでは、右眼用画素234R(図12参照)の右眼用画像102R(図5参照)が左眼用画素234L(図12参照)の左眼用画像102L(図5参照)と一致する。
図41(b)は、図41(a)の状態から所定の時間が経過して、リーチとなった状態を示す表示画面である。
このとき、左用の演出図柄36aと右用の演出図柄36cとは、表示領域の両隅に同じ種類の演出図柄(例えば7)が停止表示されている。
なお、本実施形態における演出図柄36の「停止表示」とは、演出図柄36が全く動かない完全停止表示と、演出図柄36が小さく揺れ動く仮停止表示とを含むものである。
図41(c)は、図41(b)の状態から所定の時間が経過して、キャラクタZ39cが登場した表示画面である。
このとき、キャラクタZ39cが液晶表示部81の表示領域の前面に亘って表示され、液晶表示部81の表示領域の下方にある特図保留画像37a、普図保留画像38a、38bは消去されている。ここで、図41(c)に示すキャラクタZ39cでは、破線に示す右眼用画素234R(図12参照)の右眼用画像102R(図5参照)が実線に示す左眼用画素234L(図12参照)の左眼用画像102L(図5参照)に比べて左にずれて表示されることになる。これにより遊技者には、キャラクタZ39cが液晶表示部81の画面から飛び出したように見える。
図41(d)は、図41(c)の状態から所定の時間が経過して、リーチ演出の結果を表示している表示画面である。
このとき、左用の演出図柄36aと右用の演出図柄36cと同じ種類の中用の演出図柄36bが停止表示されている。また、リーチ演出の結果として、キャラクタA39dと、キャラクタZ39cが倒された表示も行われている。ここで、図41(d)に示すキャラクタZ39cでは、右眼用画素234R(図12参照)の右眼用画像102R(図5参照)が左眼用画素234L(図12参照)の左眼用画像102L(図5参照)と一致する。図41(d)に示すキャラクタA39dでは、破線に示す右眼用画素234R(図12参照)の右眼用画像102R(図5参照)が実線に示す左眼用画素234L(図12参照)の左眼用画像102L(図5参照)に比べて左にずれて表示されることになる。これにより遊技者には、キャラクタA39dcが液晶表示部81の画面から飛び出したように見える。
図41(e)は、図41(d)の状態から所定の時間が経過して、大当り遊技に移行することを表示している表示画面である。
このとき、液晶表示部81の表示領域には、「大当り」という文字画像39eが表示されている。尚、本実施形態において、図41(e)の表示画面は、演出図柄36の変動表示の演出指示コマンドに対応する演出時間の終了後を行われるものであり、大当り遊技の演出時間に含まれる。図41(e)に示す文字画像39eでは、破線に示す右眼用画素234R(図12参照)の右眼用画像102R(図5参照)が実線に示す左眼用画素234L(図12参照)の左眼用画像102L(図5参照)に比べて左にずれて表示されることになる。これにより遊技者には、文字画像39eが液晶表示部81の画面から飛び出したように見える。
図41(f)は、図41(e)の状態から所定の時間が経過して、大当り遊技が行われていることを表示している表示画面である。
このとき、大当りの契機となった演出を報知するための履歴画像39f、大当りラウンド画像39g、大当り背景画像39hが表示されている。図41(f)に示す履歴画像39fでは、破線に示す右眼用画素234R(図12参照)の右眼用画像102R(図5参照)が実線に示す左眼用画素234L(図12参照)の左眼用画像102L(図5参照)に比べて左にずれて表示されることになる。これにより遊技者には、履歴画像39fが液晶表示部81の画面から飛び出したように見える。
(変動演出パターンの表示画面の構成図)
図41(a)の表示画面の構成図について、図42を用いて説明する。
図42は、図41(a)の表示画面の構成図であり、リーチ演出が表示されるまでの変動演出パターンの表示画面に上記図37に示すディスプレイリストに従って描画されたデータが表示されたものである。
図16に示す描画回路2070は、図37に示すディスプレイリストに従って描画処理を行い、図42(a)の示すように、最初に山背景画像39aを描画し、次に飛行機画像39bを描画し、情報基礎画像37b、3個の普図保留画像38a、38b、2個の特図保留画像37a、左用の演出図柄36a、右用の演出図柄36c、中用の演出図柄36b、第4の演出図柄36dの順に描画することで、下から順に複数の画像を重ね合わせ、最終的に図42(b)に示す表示画面を作成する。ここで、飛行機画像39bと左用の演出図柄36a、右用の演出図柄36c、中用の演出図柄36bは、破線に示す右眼用画素234R(図12参照)の右眼用画像102R(図5参照)が実線に示す左眼用画素234L(図12参照)の左眼用画像102L(図5参照)に比べて左にずれて表示される。
なお、図41(a)では、演出図柄36の変動表示を矢印で表示したが、正確には所定のフレーム数のあいだ演出図柄36は停止表示されているので(いわゆるペラペラ漫画のような構成)、図42では演出図柄36が停止表示されたようになっている。
次に、図5及び図43を用いて、赤外線撮像装置402により撮像された画像の処理について説明する。
ここで、遊技機1(図1参照)が可動状態の場合、図5に示すように左右の赤外線照明装置401L、401Rは、赤外線発光ダイオード404L、404Rが発光する赤外線を直接遊技者500に向けて照射し、赤外線撮像装置402の赤外線イメージセンサ408には、遊技者500の像と背景が映されることになる。遊技者500は、赤外線発光ダイオード404L、404Rの近くにいるため、比較的高い輝度で検出され、背景は赤外線発光ダイオード404L、404Rから遠くにあるため、比較的低い輝度で検出される。赤外線撮像装置402は、このようにして検出された輝度の映像信号が演出制御基板120に供給される。演出制御基板120は、演出制御基板120からの映像信号を輝度の所定の閾値で二値化する。
図43は、演出制御基板120からの映像信号をに近二値化した画像421を示す説明図であり、図43(a)は、遊技者が遊技機1に向かって左右方向中央の標準的な位置にいる場合を示し、図43(b)は、遊技者が遊技機1に向かって比較的左側の位置にいる場合(遊技者の後方から見て遊技者が左側にいる場合)を示し、図43(c)は、遊技者が遊技機1に向かって比較的上側の位置にいる場合を示している。
図43(a)、図43(b)、図43(c)において画像421では、遊技者に対応する部分が閾値より高輝度のドット422で示され、、遊技者に対応する部分が閾値より低輝度のドット423で示される。
遊技者が遊技機1に向かって左右方向中央の標準的な位置にいる場合、図43(a)に示すように、高輝度のドット422は、ドット全体の30%程度となり、高輝度のドット422の位置の平均は、画像421の左右方向中央の下寄りの位置になる。
遊技者が遊技機1に向かって比較的左側の位置にいる場合、図43(b)に示すように、高輝度のドット422は、ドット全体の25%程度となり、高輝度のドット422の位置の平均は、画像421の左右方向中央の右下寄りの位置になる。
遊技者が遊技機1に向かって比較的上側の位置にいる場合、図43(c)に示すように、高輝度のドット422は、ドット全体の45%程度となり、高輝度のドット422の位置の平均は、画像421の左右方向中央の図43(a)より上寄りの位置になる。
図33に示すステップS1701において、サブCPU120aは、画像421における高輝度のドット422の割合が10%以上、80%以下の場合に赤外線撮像装置402が人物を認識したと判別する。
図33に示すステップS1702において、サブCPU120aは、画像421における高輝度のドット422の位置の平均により人物の認識位置を判定する。
尚、サブCPU120aは、人物の認識位置を判定し、この認識位置から遊技者の左眼及び右眼の位置を推測することで遊技者の左眼及び右眼の位置を判別する。
図33に示すステップS1703〜S1704において、演出制御基板120及び配光方向変更制御基板83は、配光ユニット82を駆動して裸眼立体視用液晶表示装置31の配光方向変更することで、前記左眼用画素光限定通過部221L及び前記右眼用画素光限定通過部221Rによる前記左眼用及び右眼用の画像の光の配光方向が遊技者の左眼及び右眼の位置の判別結果の位置に合うようにし、これにより、結果的に人物の認識位置が立体視可能位置に一致するようにしている。
以下、図44及び図45を用いて裸眼立体視用液晶表示装置31の配光方向変更動作を説明する。図44(a)は、遊技者500が遊技機1に向かって左右方向中央の位置にいる場合を示し、図45(b)は、遊技者500が遊技機1に向かって比較的左側の位置にいる場合(遊技者500の後方から見て遊技者500が左側にいる場合)を示し、図45(a)は、遊技者500が遊技機1に向かって上下方向の中間的な位置にいる場合を示し、図45(b)は、遊技者500が遊技機1に向かって比較的上側の位置にいる場合を示している。
図44(a)において、遊技者500が遊技機1に向かって左右方向中央の位置にいる場合には、画像421における高輝度のドット422の左右方向の位置の平均は、例えば図43(a)に示すように画像421の左右方向中央の位置になり、配光方向変更制御基板83(図15参照)は、配光ユニット82の平面体駆動ユニット301、302、303、304(図6参照)のステッピングモータ351を制御して配光ユニット82による左眼用の画像の光LL及び左眼用の画像の光LRの配光方向を真正面の遊技者500の左右の眼501L、501Rの方向に制御する。
図44(a)の状態から図44(b)の状態に遊技者500が移動した場合、図33に示す配光方向変制御処理はステップS1701→S1702→S1703→S1704→RETURNの流れとなり、画像421における高輝度のドット422の左右方向の位置の平均は、例えば図43(b)に示すように画像421の左右方向中央より右の位置になり、サブCPU120aは、立体視可能位置が赤外線撮像装置402からの映像信号の解析結果による人物の認識位置と一致するように配光方向を制御する制御コマンドとして配光方向を左方向に所定角度ずらすコマンドを配光方向変更制御基板83向けの送信バッファにセットして送信し、配光方向変更制御基板83(図15参照)は、配光ユニット82による左眼用の画像の光LL及び左眼用の画像の光LRの配光方向を遊技者500の左右の眼501L、501Rがある左寄りの方向に制御する。
図45(a)において、遊技者500が遊技機1に向かって上下方向の標準的な位置にいる場合には、画像421における高輝度のドット422の位置の平均は、例えば図43(a)に示すように画像421の上下方向の下寄りの標準位置になり、配光方向変更制御基板83(図15参照)は、配光ユニット82の平面体駆動ユニット305、306、307、308(図6参照)のステッピングモータ351を制御して配光ユニット82による左眼用の画像の光LL及び左眼用の画像の光LRの配光方向を遊技者500の左右の眼501L、501Rがある上下の中間方向に制御する。
遊技者が図45(a)の状態から図45(b)に示す上側に移動した場合、図33に示す配光方向変制御処理はステップS1701→S1702→S1703→S1704→RETURNの流れとなり、画像421における高輝度のドット422の位置の平均は、例えば図43(c)に示すように画像421の上下方向の標準位置より上側の位置になり、サブCPU120aは、立体視可能位置が赤外線撮像装置402からの映像信号の解析結果による人物の認識位置と一致するように配光方向を制御する制御コマンドとして配光方向を上方向に所定角度ずらすコマンドを配光方向変更制御基板83向けの送信バッファにセットして送信し、配光方向変更制御基板83(図15参照)は、配光ユニット82の平面体駆動ユニット305、306、307、308(図6参照)のステッピングモータ351を制御して配光ユニット82による左眼用の画像の光LL及び左眼用の画像の光LRの配光方向を遊技者500の左右の眼501L、501Rがある上方向に制御する。
このような動作により、遊技機1は配光ユニット82の配光方向を遊技者が立体視可能な方向に向けることができる。
以上の構成及び動作を纏めて説明すると、遊技機1は、裸眼立体視用液晶表示装置31を用いて左眼用及び右眼用の画像の光をそれぞれ遊技者の左眼及び右眼に配光することで、当該左眼用及び右眼用の画像に対して当該遊技者による裸眼立体視での観賞を可能にする。
裸眼立体視用液晶表示装置31、左右の赤外線照明装置401L、401R、赤外線撮像装置402を除いた遊技機1の部分は、遊技施設に配置される遊技機本体になっている。
裸眼立体視用液晶表示装置31の液晶表示部81は、複数の左眼用画素234Lを発光させることで前記左眼用の画像を表示し、複数の右眼用画素234Rを発光させることで前記右眼用の画像を表示する画像表示手段になっている。
尚、液晶表示パネル203の左眼用画素234L及び右眼用画素234R(図12参照)は、光拡散パネル204(図6参照)を介したバックライト205(図6参照)からの光を画素毎に制御された透過率で透過させることで発光するようになっている。
平面状ユニット202の複数の左眼用画素光限定通過部221Lは、複数の前記左眼用画素の手前にそれぞれ配置して複数の前記左眼用画素234Lから前記遊技者の左眼方向に向かう光をそれぞれ通過させる複数の左眼用光通過部222Lを有するとともに、複数の前記左眼用画素から前記遊技者の右眼方向に向かう光を遮光する遮光部223L、224Lを有し、複数の当該左眼用光通過部222Lと当該遮光部223L、224Lにより前記画像表示手段からの前記左眼用の画像の光を当該遊技者の左眼に配光する左眼用配光手段になっている。
平面状ユニット202の複数の右眼用画素光限定通過部221Rは、複数の前記右眼用画素の手前にそれぞれ配置して複数の前記右眼用画素234Rから前記遊技者の右眼方向に向かう光をそれぞれ通過させる複数の右眼用光通過部222Rを有するとともに、複数の前記右眼用画素から前記遊技者の右眼方向に向かう光を遮光する遮光部223R、224Rを有し、複数の当該右眼用光通過部222Rと当該遮光部223R、224Rにより前記画像表示手段からの前記右眼用の画像の光を当該遊技者の右眼に配光する右眼用配光手段になっている。
枠部材201、平面体駆動ユニット301、302、303、304、305、306、307、308及び平面体位置検出ユニット309、310は、前記左眼用画素光限定通過部221Lの複数の前記左眼用光通過部222L及び前記遮光部223L、224Lを変形させるとともに前記右眼用画素光限定通過部221Rの複数の前記右眼用画素光限定通過部221R及び前記遮光部223R、224Rを変形させることで、前記左眼用画素光限定通過部221L及び前記右眼用画素光限定通過部221Rによる前記左眼用及び右眼用の画像の光の配光方向を変更可能にする配光方向変更手段になっている。
前記左眼用画素光限定通過部221L及び前記右眼用画素光限定通過部221Rの遮光部223L、224L、223R、224Rは、前記左眼用画素から複数の前記右眼用光通過部222Rに向かう光を遮光するとともに、前記右眼用画素から複数の前記左眼用光通過部222Lに向かう光を遮光する。
前記左眼用画素光限定通過部221L及び前記右眼用画素光限定通過部221Rは、同一の平面状ユニット202に設けられ、当該平面状ユニット202は、平面状に形成された複数の平面体220−1、220−2、220−3…220−8を重ねて構成され、複数の当該平面体220−1、220−2、220−3…220−8は、複数の前記左眼用光通過部222L及び複数の前記右眼用光通過部222Rに対応する位置に当該平面体を貫通する貫通部225L−1、225L−2…225L−8、225R−1、225R−2…225R−8が形成され、当該貫通部の周りに前記左眼用画素光限定通過部221L及び前記右眼用画素光限定通過部221Rの前記遮光部223L、224L、223R、224Rが形成されている。
前記配光方向変更手段は、複数の前記平面体220−1、220−2、220−3…220−8をその平面の平行方向に個別の移動量で移動させることで、前記左眼用画素光限定通過部221Lの複数の前記左眼用光通過部222L及び前記遮光部223L、224Lを変形させるとともに前記右眼用画素光限定通過部221Rの複数の前記右眼用光通過部222R及び前記遮光部223R、224Rを変形させる。
左右の赤外線照明装置401L、401R、赤外線撮像装置402及び演出制御基板120は、遊技者の左眼及び右眼の位置を判別する遊技者位置判別手段になっている。
演出制御基板120及び配光方向変更制御基板83は、前記左眼用画素光限定通過部221L及び前記右眼用画素光限定通過部221Rによる前記左眼用及び右眼用の画像の光の配光方向が前記遊技者位置判別手段の判別結果の位置に合うように前記配光方向変更手段を制御する制御手段になっている。
前記左眼用画素234Lと前記右眼用画素234Rは、縦方向と横方向の両方で隣り合う状態で前記画像表示部101の縦横方向に複数配列されている。
以上説明した本発明の第1の実施形態によれば、裸眼立体視用液晶表示装置31の配光ユニット82が、複数の左眼用画素光限定通過部221L及び複数の右眼用画素光限定通過部221Rが、前記液晶表示部81からの前記左眼用の画像の光を遊技者の左眼に配光し、前記液晶表示部81からの前記右眼用の画像の光を当該遊技者の右眼に配光することで、当該遊技者に対して当該左眼用及び右眼用の画像を裸眼立体視で観賞させ、配光ユニット82の枠部材201、配光方向変更手段(枠部材201、平面体駆動ユニット301、302、303、304、305、306、307、308及び平面体位置検出ユニット309、310)が、前記左眼用画素光限定通過部221Lの複数の前記左眼用光通過部222L及び前記遮光部を変形させるとともに前記右眼用画素光限定通過部221Rの複数の前記右眼用光通過部222R及び前記遮光部を変形させることで、前記左眼用画素光限定通過部221L及び前記右眼用画素光限定通過部221Rによる前記左眼用及び右眼用の画像の光の配光方向を変更可能にしているので、遊技者の観賞位置の左右方向のずれにより遊技者に二重像が見えるのを防止することができる。
また、第1の実施形態によれば、複数の左眼用光通過部222Lが、複数の前記左眼用画素234Lから前記遊技者の左眼方向に向かう光をそれぞれ通過させ、複数の右眼用光通過部222Rが、複数の前記右眼用画素234Rから前記遊技者の右眼方向に向かう光をそれぞれ通過させ、一方、前記左眼用画素光限定通過部221L及び前記右眼用画素光限定通過部221Rの遮光部223L、224L、223R、224Rが、前記左眼用画素から複数の前記右眼用光通過部222Rに向かう光を遮光するとともに、前記右眼用画素から複数の前記左眼用光通過部222Lに向かう光を遮光するので、左眼用の画像の光と右眼用の画像の光の十分な振り分けを行え、遊技者に裸眼立体視で画像を観賞させるとともに、左右の観賞位置のずれにより二重像が見えるのをさらに防止することができる。
また、第1の実施形態によれば、演出制御基板120及び配光方向変更制御基板83が、前記左眼用画素光限定通過部221L及び前記右眼用画素光限定通過部221Rによる前記左眼用及び右眼用の画像の光の配光方向が前記遊技者位置判別手段の判別結果の位置に合うように前記配光方向変更手段を制御するので、遊技者の観賞位置の左右方向のずれにより遊技者に二重像が見えるのを自動的に防止することができる。
尚、第1の実施形態においては、1/60秒(約16.6ms)毎に、1フレームを更新するようにしたが、1/30秒毎に1フレームを更新してもよいし、1/120秒毎に1フレームを更新してもよい。すなわち、1フレームの更新周期は、設計変更自由である。
また、第1の実施形態においては、1フレームを更新して、描画回路2070による描画が終了しているときに、次のフレームの描画を行うようにしたが、1フレームを更新することで、必ず次のフレームの描画を行うように構成してもよい。
また、第1の実施形態においては、描画の終了を条件として、1フレームを更新する毎に、次のフレームの描画を行うことが可能なように構成したが、2フレームを更新する毎に、次のフレームの描画を行うことが可能なように構成してもよいし、3フレームを更新する毎に、次のフレームの描画を行うことが可能なように構成してもよいし、すなわち、1フレームの更新周期と描画回路の描画周期とが同一でなくてもよい。
また、第1の実施形態によれば、パチンコ遊技機に用いる遊技機について説明をしたが、回胴式遊技機(スロットマシン)、じやん球遊技機、アレンジボール遊技機に用いてもよい。
また、第1の実施形態によれば、液晶表示部81を動画表示手段として用いているが、動画表示手段は、プラズマディスプレイを用いてもよいし、プロジェクター、いわゆる7セグメントLED、ドットマトリクス等の表示装置等を用いてもよい。
以下、本発明の第1の実施形態の変形例について説明する。
図46は、変形例の裸眼立体視用液晶表示装置の液晶表示部に用いられる平面状ユニット602及び液晶表示パネル603の左眼用画素列633Lでの断面図である。図47は、変形例の平面状ユニット602及び液晶表示パネル603の右眼用画素列633Rでの断面図である。図48は、変形例の長方形重畳部670の平面図である。
図46及び図47において、本変形例の配光ユニット82に用いられる平面状ユニット602は、複数(本実施形態の場合8枚)の平面体620−1、620−2、620−3…620−8を重ねたものである。
液晶表示パネル603の画面632には、図46に示す左眼用画素234Lが横方向に連続して並ぶ左眼用画素列633Lが複数列設けられるとともに、図47に示す右眼用画素234Rが横方向に連続して並ぶ右眼用画素列633Rが複数列設けられている。左眼用画素列633Lと右眼用画素列633Rは、画面632において縦方向で隣り合う状態で複数配列されている。
図48に示すように、平面状ユニット602の長方形重畳部670は、液晶表示パネル203の左眼用画素234Lと右眼用画素234Rの位置に合わせて、左眼用光限定通過部621Lの列620Lと右眼用光限定通過部621Rの列620Rが縦方向で交互に並べて複数配列されている。
図46において、左眼用画素列633Lに設けられた複数の左眼用画素234Lは、液晶表示パネル603の画面632において遊技者500(図5参照)の左眼501L用の画像を表示する。
左眼用の列620Lに設けられた複数の左眼用光限定通過部621Lは、複数の前記左眼用画素234Lの手前にそれぞれ配置して複数の前記左眼用画素234Lから前記遊技者の左眼方向に向かう光LL1をそれぞれ通過させる複数の左眼用光通過部622Lを有するとともに、複数の前記左眼用画素234Lから前記遊技者の右眼方向に向かう光を遮光するルーバー形状の複数の遮光部623Lを有する。複数の遮光部623Lは、平面体620−1、620−2、620−3…620−8の長方形部670−1、670−2…670−8の非貫通部を重ねて構成される。
図47において、右眼用画素列633Rに設けられた複数の右眼用画素234Rは、液晶表示パネル603の画面632において遊技者500(図5参照)の右眼501R用の画像を表示する。
右眼用の列620Rに設けられた右眼用光限定通過部621Rは、複数の前記右眼用画素234Rの手前にそれぞれ配置して複数の前記右眼用画素234Rから前記遊技者の右眼方向に向かう光LR1をそれぞれ通過させる複数の右眼用光通過部622Rを有するとともに、複数の前記右眼用画素234Rから前記遊技者の左眼方向に向かう光及び複数の前記左眼用画素234Lから複数の前記右眼用光通過部622Rに向かう光を遮光するルーバー形状の遮光部623Rを有する。複数の遮光部623Rは、平面体620−1、620−2、620−3…620−8の長方形部670−1、670−2…670−8の非貫通部を重ねて構成される。
また、縦航行に並ぶ複数の左眼用光限定通過部621Lと複数の右眼用光限定通過部621Rの間の境界には、複数の前記右眼用画素234Rから複数の前記左眼用光通過部622Lに向かう光を遮光するとともに前記左眼用画素234Lから複数の前記右眼用光通過部622Rに向かう光を遮光する遮光部(不図示)を有する。
以上説明した変形例によれば、図1乃至図45に示した第1の実施形態と同様に、左眼用の画像の光と右眼用の画像の光の十分な振り分けを行え、遊技者に裸眼立体視で画像を観賞させるとともに、遊技者の観賞位置の左右方向のずれにより遊技者に二重像が見えるのを防止することができるとともに、複数の左眼用光限定通過部621Lの左右に連続して並べ、複数の右眼用光限定通過部621Rの左右に連続して並べる構造にしたので、左眼用光通過部622L及び右眼用光通過部622Rの幅を大きく形成でき、遊技者500(図5参照)が観賞する左眼501L用及び右眼501R用の画像を明るくことができる。
尚、前記左眼用画素と前記右眼用画素の配列及びこれに対応する左眼用光限定通過部及び右眼用光限定通過部の配列は、図1乃至図45に示した第1の実施形態及び図46乃至図48に示した変形例に限らす右眼用と左眼用が横方向のみで隣り合う等、各種適用可能である。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について具体的に説明する。
図49及び図50は、第2の実施形態の裸眼立体視用液晶表示装置31の配光ユニット82の配光方向調整方法を示す説明図である。尚、図に図示しない構成要素については、第1の実施形態の図2、図5及び図15を代用して説明する。
第2の実施形態の遊技機では、十字キー100(図2参照)の操作により、配光ユニット82の配光方向調整を可能にしている。また、図50に示すように、裸眼立体視用液晶表示装置31の画面90には、配光方向調整の基準となる操作基準画像を表示する。
第2の実施形態の演出制御基板120(図15参照)のサブCPU120a(図15参照)は、変動演出及び当たり開始演出、大当たり演出及び当たり終了演出が行われていない時間が所定期間経過した状態で「デモ演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=01H)」と「配光ユニット82の配光方向調整パターンに対応する配光方向調整パターン指定コマンド(MODE=05H)」とを交互に画像制御基板150(図15参照)に送信する。
演出制御基板120は、配光方向調整パターン指定コマンドを出力してから次の演出パターン指定コマンドを出力するまで配光方向調整モードとなる。画像制御基板150は、配光方向調整パターン指定コマンドを受信してから次の演出パターン指定コマンドを受信するまで配光方向調整モードとなる。
配光方向調整モードは、計20秒で構成され、前半の十秒が配光ユニット82の左右配光方向調整モードとなり、後半の十秒が配光ユニット82の上下配光方向調整モードとなる。
演出制御基板120は、左右配光方向調整モードにおいて、十字キー検出スイッチ100a(図15参照)の検出結果から十字キー100の操作方向を解析し、この解析結果に基づいて対応するデータを配光方向変更制御基板83(図15参照)に送信する。配光方向変更制御基板83は、演出制御基板120からのデータに基づいて配光ユニット82の制御を行う。具体的には、十字キー100が操作されていなかった場合、演出制御基板120は、配光方向変更制御基板83に十字キー100が操作されていないことを示すデータを送信し、配光方向変更制御基板83は、配光ユニット82に対して左眼用の画像の光LL及び左眼用の画像の光LRの左右の配光方向(以下、左右の配光方向と呼ぶ)が一定となる状態を維持させる。
十字キー100が左方向に操作された場合、演出制御基板120は、配光方向変更制御基板83に十字キー100が左方向に操作されたことを示すデータを送信し、配光方向変更制御基板83は、配光ユニット82を駆動制御して左右の配光方向を左方向に移動させる。
十字キー100が右方向に操作された場合、演出制御基板120は、配光方向変更制御基板83に十字キー100が右方向に操作されたを示すデータを送信し、配光方向変更制御基板83は、配光ユニット82を駆動制御して左右の配光方向を右方向に移動させる。
画像制御基板150は、左右配光方向調整モードにおいて、図50(a)、図50(b)に示す画面の所定の領域701、702で左眼用画像102Lと右眼用画像102Rで明るさが異なる画像を表示する。
また、演出制御基板120は、上下配光方向調整モードにおいて、十字キー検出スイッチ100a(図15参照)の検出結果から十字キー100の操作方向を解析し、この解析結果に基づいて対応するデータを配光方向変更制御基板83に送信する。配光方向変更制御基板83は、演出制御基板120からのデータに基づいて配光ユニット82の制御を行う。具体的には、十字キー100が操作されていなかった場合、演出制御基板120は、配光方向変更制御基板83に十字キー100が操作されていないことを示すデータを送信し、配光方向変更制御基板83は、図49(a)に示すように、配光ユニット82を駆動制御して左眼用の画像の光LL及び左眼用の画像の光LRの上下の配光方向の仰俯角A1を所定の範囲S1で往復変化させる。
十字キー100が上方向に操作された場合、演出制御基板120は、配光方向変更制御基板83に十字キー100が上方向に操作されたを示すデータを送信し、配光方向変更制御基板83は、図49(a)から図49(b)に示すように配光ユニット82を駆動制御して配光方向の仰俯角A1を所定の角度S1で揺動させながら、揺動の中心となる配光方向の仰俯角A1を上方向に移動させる。
十字キー100が下方向に操作された場合、演出制御基板120は、配光方向変更制御基板83に十字キー100が下方向に操作されたを示すデータを送信し、配光方向変更制御基板83は、配光ユニット82を駆動制御して配光方向の仰俯角A1を所定の角度S1で揺動させながら、揺動の中心となる配光方向の仰俯角A1を下方向に移動させる。。
一方、画像制御基板150は、上下配光方向調整モードにおいて、配光ユニット82の配光方向の仰俯角A1の揺動が中心より高角側Dにある場合と中心より低角側Eにある場合とで画面の所定の領域で明るさが異なる画像を表示する。
以下、配光ユニット82の配光方向調整方法について説明する。
左右配光方向調整モードにおいて、裸眼立体視用液晶表示装置31の画面90には、図50(a)、図50(b)に示す画面の所定の領域701、702で左眼用画像102L(図5参照)と右眼用画像102R(図5参照)で明るさが異なる画像が表示されるとともに、左眼用画像102Lと右眼用画像102Rで共通の画像背景711、明るい方を押せの文字の画像712、左右の矢印の画像713、714、十字キーの画像715が表示される。この場合、左側の所定の領域701では、裸眼立体視用液晶表示装置31の液晶表示パネル203の画面232(図6参照)において、左眼用画像102Lが最大の輝度レベルで表示されるとともに右眼用画像102Rが最低の輝度レベルで表示され、右側の所定の領域702では、裸眼立体視用液晶表示装置31の液晶表示パネル203の画面232(図6参照)において、左眼用画像102Lが最小の輝度レベルで表示されるとともに右眼用画像102Rが最大の輝度レベルで表示される。
ここで、遊技者500の左右の眼501L、501Rの左右の位置が配光ユニット82の配光方向に対して右寄りにある場合、遊技者には、左眼用画像102L(図5参照)より右眼用画像102R(図5参照)の方が見えやすくなり、図50(a)に示すように、右側の所定の領域702が左側の所定の領域701よりも明るく見えることになる。遊技者500の左右の眼501L、501Rの左右の位置が配光ユニット82の配光方向に対して左寄りにある場合、遊技者には、右眼用画像102R(図5参照)より左眼用画像102L(図5参照)の方が見えやすくなり、図50(b)に示すように、左側の所定の領域701が右側の所定の領域702よりも明るく見えることになる。
遊技者500の左右の眼501L、501Rの左右の位置が配光ユニット82の左右の配光方向上にある場合、遊技者には、左側の所定の領域701と右側の所定の領域702が同じ明るさに見えることになる。
遊技者は、図50(a)に示すように、右側の所定の領域702が左側の所定の領域701よりも明るく見えた場合、指502で十字キー100の右側の操作部724を押すことで十字キー100を右方向に操作して、配光ユニット82の左右の配光方向を右方向に移動させる。
遊技者は、図50(b)に示すように、左側の所定の領域701が右側の所定の領域702よりも明るく見えた場合、指502で十字キー100の左側の操作部723を押すことで十字キー100を左方向に操作して、配光ユニット82の左右の配光方向を左方向に移動させる。
遊技者は、このような操作を適宜行い、左側の所定の領域701と右側の所定の領域702が同じ明るさに見えたところで、十字キー100から手を離して液晶表示部81を停止させる。これにより、配光ユニット82の左右の配光方向が遊技者の位置に対して適正な位置に調整される。
上下配光方向調整モードにおいて、裸眼立体視用液晶表示装置31の画面90には、配光ユニット82による配光方向の仰俯角の揺動が高角側Dにある場合と低角側Eにある場合で、図50(c)、図50(d)に示す画面の所定の領域703、704で明るさが異なる画像が表示されるとともに、高角側Dにある場合と低角側Eで共通の画像背景731、明るい方を押せの文字の画像732、上下の矢印の画像733、734、十字キーの画像735が表示される。この場合、画面90の奥側にある液晶表示パネル203の画面232(図6参照)では、配光方向の仰俯角の揺動が高角側Dにある場合、上側の領域703が最大の輝度レベルで表示されるとともに下側の領域704が最低の輝度レベルで表示され、配光方向の仰俯角の揺動が低角側Eにある場合、下側の領域704が最大の輝度レベルで表示されるとともに上側の領域703が最低の輝度レベルで表示される。
ここで、遊技者500の左右の眼501L、501Rの上下位置が配光ユニット82の上下の配光方向の揺動の中心に対して上寄りにある場合、遊技者には、仰俯角の揺動が低角側Eにある場合の画像より高角側Dにある場合の画像の方が見えやすくなり、図50(c)に示すように、上側の所定の領域703が下側の所定の領域704よりも明るく見えることになる。遊技者500の左右の眼501L、501Rの上下位置が配光ユニット82の上下の配光方向の揺動の中心に対して下寄りにある場合、遊技者には、仰俯角の揺動が高角側Dにある場合の画像より低角側Eにある場合の画像の方が見えやすくなり、図50(d)に示すように、下側の所定の領域704が上側の所定の領域703よりも明るく見えることになる。
遊技者500の左右の眼501L、501Rの上下位置が配光ユニット82の上下の配光方向の揺動の中心位置にある場合、遊技者には、上側の所定の領域703と下側の所定の領域704が同じ明るさに見えることになる。
遊技者は、図50(c)に示すように、上側の所定の領域703が下側の所定の領域704よりも明るく見えた場合、指502で十字キー100の上側の操作部721を押すことで十字キー100を上方向に操作して、配光ユニット82を駆動制御して配光方向の揺動の中心の仰俯角A1を図49(b)に示すように上方向に移動させる。
遊技者は、図50(d)に示すように、下側の所定の領域704が上側の所定の領域703よりも明るく見えた場合、指502で十字キー100の下側の操作部722を押すことで十字キー100を下方向に操作して、配光ユニット82を駆動制御して配光方向の揺動の中心の仰俯角A1を下方向に移動させる。
遊技者は、このような操作を適宜行い、上側の所定の領域703と下側の所定の領域704が同じ明るさに見えたところで、十字キー100から手を離して配光ユニット82の配光方向の揺動の中心の仰俯角A1の移動を停止させる。この後、上下配光方向調整モードの開始から10秒経過すると、配光ユニット82の上下の配光方向の揺動が停止して、液晶表示部81の配光方向調整が完了する。これにより、配光ユニット82の上下の配光方向が遊技者の位置に対して適正な位置に調整される。
以上に説明した構成及び動作を纏めて説明すると、十字キー100は、遊技者により操作が行われる操作手段になっている。
演出制御基板120、十字キー検出スイッチ100a、配光方向変更制御基板83及び配光ユニット82は、前記操作手段に対する操作に基づいて前記配光方向変更手段に配光方向を変更させる制御を行う制御手段になっている。
演出制御基板120及び画像制御基板150は、前記操作手段の操作の基準となる操作基準画像を前記液晶表示部81に表示する制御を行う画像表示制御手段になっている。図50(a)、図50(b)、図50(c)、図50(d)に示す画像は、操作基準画像になっている。操作基準画像は、前記左眼用配光手段及び前記右眼用配光手段による前記左眼用及び右眼用の画像の光の配光方向を前記遊技者の左眼及び右眼の位置に合わせるための画像である。
このような第2の実施形態によれば、高価な赤外線撮像装置402を用いることなく配光ユニット82の配光方向調整を行え、遊技機の製造コストをあまり増大させることなく第1の実施形態と同様の効果が得られる。