JP5577022B2 - センサ用複合材料および変形センサ - Google Patents
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線膨張係数(/℃)=(ΔL/L0)/ΔT・・・(1)
[式中、ΔTは上昇した温度、L0は初期長さ、ΔLはΔTの温度上昇による伸び量。]
熱可塑性樹脂の線膨張係数は、エラストマーのそれと比較して小さい。つまり、本発明のセンサ用複合材料によると、温度が上昇しても母材が体積膨張しにくい。よって、高温下でも、導電性フィラー間の距離が大きくなりにくく、三次元的な導電パスが維持される。したがって、無荷重状態における導電性が低下しにくい。また、温度が上昇しても、変形に対する電気抵抗の増加挙動が変わりにくい。このため、温度と、変形に対する電気抵抗変化(感度)と、の関係を把握しやすい。これにより、本発明のセンサ用複合材料を用いたセンサにおいて、出力された電気抵抗に対する温度補償を容易に行うことができる。また、本発明のセンサ用複合材料は、熱可塑性樹脂を母材とするため、成形が容易で加工性に優れる。加えて、リサイクルしやすいという利点もある。
本発明のセンサ用複合材料は、線膨張係数が20×10−5/℃以下の熱可塑性樹脂と、球状の導電性フィラーと、を有する。熱可塑性樹脂は、線膨張係数が20×10−5/℃以下のものであれば、特にその種類が限定されるものではない。例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリビニルアセテート(PVAc)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等が挙げられる。
上記本発明のセンサ用複合材料を用いて、変形センサを構成することができる。以下、本発明のセンサ用複合材料を用いた変形センサ、すなわち本発明の変形センサの一実施形態について説明する。
まず、ポリプロピレン(住友化学社製「住友ノーブレン(登録商標)H501」、線膨張係数:13×10−5/℃)100重量部を、プラストミル(東洋精機製作所製「ラボプラストミル」)中で約180℃に加熱して溶融した。その後、カーボンビーズ(日本カーボン社製「ニカビーズICB0520」、平均粒子径約5μm、粒度分布におけるD90/D10=3.2)120重量部を添加して、約10分間混合した。これを、縦80mm、横40mm、厚さ0.5mmの金型に充填し、約200℃で3分間プレス成形した後、横5mmに切り出して、センサ用複合材料を得た。得られたセンサ用複合材料を、実施例1の複合材料とした。実施例1の複合材料におけるカーボンビーズの充填率は、同複合材料の体積を100vol%とした場合の約49vol%であった。
(1)温度依存性
(1−a)まず、製造した実施例1、2および比較例の各変形センサについて、無荷重状態における電気抵抗の温度依存性を調べた。各変形センサを、種々の温度に制御可能な恒温槽中に入れ、−20〜120℃の所定の温度下で、無荷重状態における電気抵抗を測定した。そして、0℃における電気抵抗値(R0℃)に対する、各温度(T℃)における電気抵抗値(RT℃)の変化割合を算出して、抵抗変化率とした[抵抗変化率(%)=(RT℃−R0℃)/R0℃×100]。同時に、各温度におけるセンサ素子の体積も測定し、次式(2)により体積膨張率を算出した。
体積膨張率(%)=(VT℃−V0℃)/V0℃×100・・・(2)
[式中、VT℃は各温度におけるセンサ素子の体積、V0℃は0℃におけるセンサ素子の体積。]図7に、各変形センサにおける抵抗変化率および体積膨張率の測定結果を示す。図7中、抵抗変化率は白色記号で、体積膨張率は黒色記号で示す。なお、体積膨張率は線膨張係数の三乗に相当する。
実施例1および比較例の変形センサについて、応答性の加振周波数依存性を調べるため、以下の加振試験を行った。図14に、試験装置の模式図を示す。図14に示すように、試験装置4は、上端ホルダ40と下端ホルダ41と加振ジグ42とレーザ変位計43を備えている。上端ホルダ40は、不動であり、変形センサ3の長手方向一端(上端)を把持している。下端ホルダ41は、上端ホルダ40に対して、下方に離間して配置されている。下端ホルダ41は、加振ジグ42に固定されている。加振ジグ42は、上下方向に繰り返し移動可能である。下端ホルダ41は、変形センサ3の長手方向他端(下端)を把持している。
ヒステリシスロス率(%)=|S1−S2|/S1×100・・・(3)
図18に、実施例1および比較例の変形センサについて、0.1Hz、10Hzの各周波数におけるヒステリシスロス率を示す。図18に示すように、実施例1の変形センサでは、周波数によるヒステリシスロス率の違いはほとんどなかった。また、いずれの周波数においてもヒステリシスロス率は小さかった。一方、比較例の変形センサでは、周波数が10Hzの場合に、0.1Hzの場合と比較してヒステリシスロス率が非常に大きくなった。以上より、比較例の変形センサの応答性は加振周波数に依存するのに対し、本発明の変形センサの応答性は加振周波数に依存しにくく、信頼性が高いことが確認された。
実施例1、2および比較例の変形センサについて、変形した状態が維持されている時に、電気抵抗値がどの程度減少するか(電気抵抗値の緩和率)を測定した。まず、上記(1−b)と同様に、各々の変形センサの上方に押圧ジグを配置した。押圧ジグを30秒ごとに1mmずつ下方へ移動して変形センサを湾曲変形させ、その間の電気抵抗の経時変化を測定した。測定は室温下で行い、押圧ジグの変位量は0〜5mmとした。また、変位量5mmの状態が維持された30秒間における、電気抵抗値の緩和率を算出した。電気抵抗値の緩和率の算出方法は次の通りである。
電気抵抗値の緩和率(%)=ΔRd/ΔR×100・・・(4)
図20に、各変形センサにおける抵抗変化率の経時変化を示す。ここで、抵抗変化率は、初期(変位量0mm)の電気抵抗値(R0)に対する、各変位量における電気抵抗値(R)の変化割合である[抵抗変化率(%)=(R−R0)/R0×100]。また、図21に、各変形センサにおける電気抵抗値の緩和率を示す。まず、図20に示すように、いずれの変形センサにおいても、変形量が大きくなるに従って、抵抗変化率は階段状に増加した。ここで、実施例1、2の変形センサは、エラストマーより弾性率が高い熱可塑性樹脂を母材とする。よって、比較例の変形センサと比較して変形量が小さい。このため、抵抗増加率が小さくなった。しかし、母材の弾性率が高い分、導電性フィラーの拘束力は大きい。よって、図21に示すように、実施例1、2の変形センサにおける電気抵抗値の緩和率は小さくなった。このように、本発明のセンサ用複合材料によると、電気抵抗値の緩和を低減することができ、安定性の高い変形センサを構成することができる。
201:カバーフィルム 21:センサ本体 23:コネクタ 24A、24B:導線
900:基材
3:変形センサ 30:センサ素子 31a、31b:電極 32:拘束板
4:試験装置 40:上端ホルダ 41:下端ホルダ 42:加振ジグ
43:レーザ変位計
100:センサ用複合材料 101:熱可塑性樹脂 102:導電性フィラー
A:電極 B:電極 P:導電パス P1:導電パス
Claims (3)
- 線膨張係数が20×10−5/℃以下であり、弾性率が100MPa以上5000MPa以下の熱可塑性樹脂と、
該熱可塑性樹脂中に略単粒子状態で、かつ、センサ用複合材料の全体の体積を100vol%とした場合の49vol%以上55vol%以下の充填率で配合され、平均粒子径が3μm以上25μm以下のカーボンビーズからなる球状の導電性フィラーと、
を有し、
弾性変形可能であって、一対の電極を接続し該電極間において湾曲変形させた場合に、変形量が増加するに従って該電極間の電気抵抗が増加することを特徴とするセンサ用複合材料。 - 前記熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネートから選ばれる一種以上である請求項1に記載のセンサ用複合材料。
- 請求項1または請求項2に記載のセンサ用複合材料からなるセンサ本体と、
該センサ本体に接続され、電気抵抗を出力可能な電極と、
該センサ本体の少なくとも一部の弾性変形を拘束する拘束部材と、
を備えてなる変形センサ。
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