JP5576349B2 - 耐火閉塞用複合材、耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置、及び耐火閉塞用複合材を設けた管継手又はスリーブ - Google Patents
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Description
さらに、上記特許文献6に記載されているような、熱発泡性耐火材に形状記憶合金製スプリングを埋め込むことにより、軟化するまたは軟化されたプラスチック管を形状記憶スプリングの縮径する力により閉塞させる手段によれば、確かにプラスチック管は縮径するかもしれないが、その縮径により生じた空間に向けて熱発泡性耐火材の発泡が進むとしても、やはり、熱発泡性耐火材は当初設けられた箇所を起点にして発泡を開始するので、プラスチック管の縮径により発生した空間を確実に発泡した耐火材で充填することは困難であり、結果的に十分な耐火性能を発揮できるものではない。
2.該筒状の熱膨張性部材の端部を被覆する折り曲げ部が、下に位置するように設置されるための1に記載の耐火閉塞用複合材。
3.該筒状の熱膨張性部材が、その内面に1枚の耐火性シートを合わせ、該熱膨張性部材の一端部にて折り曲げて外面を被覆され、次いで熱膨張性部材の他端部にて折り曲部を設けて該他端部を被覆され、さらに該筒状の熱膨張性部材の内面に合わされている耐火性シートの上に耐火性シートを重ねてなる1又は2に記載の耐火閉塞用複合材。
4.該筒状の熱膨張性部材の他端部を被覆する折り曲げ部が、熱膨張性部材の上に位置するように設置されるための2又は3のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材。
5.該熱膨張性部材は熱膨張性材料と樹脂、ゴムを含有してなる1〜4のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材。
6.熱膨張性部材の外面及び内面が耐火性シート及び被覆シートにて被覆されている1〜5のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材。
7.さらに筒状の熱膨張性部材の外面を被覆してなる耐火性シートの外面に収縮材層を設けてなる1〜6のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材。
8.上記収縮材層は熱収縮性を有する樹脂、ゴム、又は形状記憶合金からなる円筒状シートである7に記載の耐火閉塞用複合材。
9.上記収縮材層のシートは、孔が形成されてないシート、孔が形成されたシート、又は網状シートからなる7又は8に記載の耐火閉塞用複合材。
10.熱膨張性部材層は内側表面からV字状又はU字状の溝が形成されてなる1〜9のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材。
11.樹脂管又は樹脂被覆ケーブルの軟化開始と同時又は軟化開始に遅れて、前記収縮材層が収縮を開始し、前記収縮材層の収縮と同時又は収縮に遅れて熱膨張性部材層が膨張を開始するようにした1〜10のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材。
12.建築物の床又は天井に設けた開口部に挿入された管継手、管用スリーブ、ケーブル用スリーブ、該開口部を形成する床又は天井に接続するための耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置であって、該管継手、該スリーブ、床又は天井に接続するための耐火性の固定具を備え、かつ1〜11のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材を固定具内に収納して、該固定具と耐火閉塞用複合材を一体化してなる耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置。
13.筒状の耐火閉塞用複合材の上下の端部、及び耐火閉塞用複合材の外面と、耐火性の固定具との間に断熱材層を設けてなる12記載の耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置。
14.固定具の外面に耐火性繊維シートを被覆してなる12又は13に記載の耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置。
15.建築物の床又は天井に設けた開口部に挿入される樹脂管用不燃性管継手又は樹脂管用不燃性スリーブであって、該樹脂管用不燃性管継手又は該樹脂管用不燃性スリーブに、1〜11のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材を挿入し、該耐火閉塞用複合材の内部に該樹脂管を挿入するようにした樹脂管用不燃性管継手又は樹脂管用不燃性スリーブ。
16.樹脂管用不燃性管継手又は樹脂管用不燃性スリーブの耐火閉塞用複合材を挿入した箇所に対応する外面を含む部分に耐熱性繊維シートを被覆してなる15に記載の樹脂管用不燃性管継手又は樹脂管用不燃性スリーブ。
17.建築物の床又は天井に設けた開口部に挿入される樹脂被覆ケーブル用不燃性スリーブであって、該樹脂被覆ケーブル用不燃性スリーブに、1〜11のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材を挿入し、該耐火閉塞用複合材の内部に該樹脂ケーブルを挿入するようにした樹脂ケーブル用不燃性スリーブ。
18.樹脂被覆ケーブル用不燃性スリーブの耐火閉塞用複合材を挿入した箇所に対応する外面を含む部分に耐火性繊維シートを被覆してなる17に記載の樹脂ケーブル用不燃性スリーブ。
その結果、該熱膨張性部材が膨張した後には、該耐火性シートが筒状の中央部に向けて開いた構造となり、その該耐火性シート上に膨張した熱膨張性部材が乗るような状態を示す。
このような状態では、熱膨張性部材が有効に筒状の内面を封鎖するに必要な量の熱膨張済みの部材を発生すると共に、折り曲げられていた耐火性シートが開くことで、該筒状内の空間を埋めるように熱膨張済みの部材が開いた耐火性シート上に乗ることにより筒状内の空間を封鎖することになる。
また、筒状の熱膨張性部材の内面に1枚の耐火性シートを合わせ、該熱膨張性部材の一端部にて折り曲げて外面を被覆し、次いで熱膨張性部材の他端部にて折り曲部を設けて該他端部を被覆し、さらに該筒状の熱膨張性部材の内面に合わされている耐火性シートの上に耐火性シートを重ねてなる構造とした場合には、集合管やそれに接続される直管等に該熱膨張性部材を有する耐火性固定具を固定した場合においても、使用する耐火性シートにより被覆された熱膨張性部材の上下をどのように設置しても、熱膨張性部材の膨張による押圧力により該耐火性シートはそれぞれの折り曲げ部が開くことになり、いずれの折り曲げ部からも筒状内の中央部に向けて耐火性シートが開くことになる。
このため、より確実に膨張済みの該膨張性部材を耐火性固定具内に位置させることが容易である。
具体的には、樹脂管又は樹脂被覆ケーブルの軟化開始と同時又は軟化開始に遅れて、前記収縮材層が収縮を開始し、前記収縮材層の収縮と同時又は収縮に遅れて熱膨張性部材層が膨張を開始することにより、より効果的に該樹脂管や該樹脂被覆ケーブルが減容して生成する空間を埋めることができる。
さらに筒状の耐火閉塞用複合材の上下の端部、及び耐火閉塞用複合材の外面と、耐火性固定具との間に断熱材層を設けること、あるいは耐火性固定具の外面に耐火性繊維シートを被覆することで、熱膨張性部材が膨張を開始する時期を調整することができ、それにより、より適切に耐火性固定部が固定されている樹脂管や樹脂被覆ケーブル等が溶融する時期に対して、熱膨張性部材が熱膨張を開始する時期を正確に合わせることができる。
その結果、火災の炎、熱、有毒ガスが元の樹脂管があった空間や樹脂ケーブル部分を通って、他の階や隣室などに移動することを防止できる。
そして、熱膨張性部材の幅(筒形の高さ方向)は5〜50mm、厚さが10mm以下でもよく、耐火材層を熱膨張性部材層とした場合の熱膨張性部材の含有比率は10〜50wt%であり、上記のバインダー成分の他に含有させることができる成分として可塑剤、安定剤、体質顔料等が挙げられる。
耐火性シートとしては、火災時の熱により溶融することがない材料からなるシートであることが必要であり、日本グラスファイバー社製等のシリカ繊維布、シリカクロス、アルミナ繊維布、PAN系炭素繊維やピッチ系炭素繊維からなるシートが好ましい。中でも、シリカ繊維布は、加熱された後において、若干柔軟性が低下して硬さを増すので、膨張した熱膨張性材料を確実に保持して落下させないようにすることが可能となる。
また、このような耐火性シートは0.3〜20mm、好ましくは0.5〜10mm、より好ましくは0.6〜5mmの厚さを備えることが必要である。この厚さの範囲であれば、熱によって、熱膨張性材料が膨張した際において、膨張した熱膨張性材料が延焼防止装置から落下することを確実に防止することができる。そして、この耐火性シートの厚さは、火災時において樹脂管や樹脂被覆ケーブルの樹脂の溶融や、それによる減容の時期と、耐火性シートにて被覆された熱膨張性部材層が熱膨張する時期が適切にコントロールされるように選択される。
また、熱膨張性部材の両端に耐火性シートの折り曲げ部が形成されるように被覆された場合には、筒状とすることによりその内側に2層の耐火性シートからなる層が形成される。その最も内面側にある耐火性シートの一部が下方に展開されるように、つまり、その一部が折り曲げられている箇所が下方に向いている耐火閉塞用複合材を使用することが必要である。
その後、被覆された熱膨張性部材を筒状となるように丸め、突き合わされた両端を固定する。
その材料として、熱収縮性樹脂、ゴムのチューブ及びシートや形状記憶合金のシートを使用することができ、該熱収縮性樹脂、ゴムのチューブ及びシートとしては、ブロー成形により延伸されてなるポリ塩化ビニルシート、2軸延伸ポリエステルフィルムを巻いたもの、延伸された網状物、孔が形成された延伸シート、延伸された繊維を多重に巻いたもの等が使用できる。
耐火閉塞用複合材に樹脂管等を挿入した際に、火災時に十分に機能させるために必要なことは、火災時における収縮材は、収縮により熱膨張性部材を確実に内径方向に移動させることができる程度の押圧力を発生させることである。そのために、収縮材層の厚さは0.1〜10mmで、幅は熱膨張性部材層の幅に合わせて切断する。
その収縮材層の形状としては、耐火閉塞用複合材の外面を覆うことが可能な大きさや形状であればよく、耐火閉塞用複合材を被覆できればよく、収縮材層は孔が形成されていても良く、網状であっても良い。
この収縮材層は下記に示す被覆シートが使用された熱膨張性部材を使用する場合には、その被覆シートの外面に設けられる。
このため、本発明においては、火災時において樹脂管又は樹脂被覆ケーブルの軟化開始と同時又は軟化開始に遅れて、前記収縮材層が収縮を開始し、かつ、前記収縮材層の収縮と同時又は収縮に遅れて熱膨張性部材層が膨張を開始するようにすることが望ましい。
また熱による収縮材の収縮よりも熱膨張性部材層の膨張が早いと膨張してなる熱膨張性部材層が互いに干渉して十分に熱膨張性部材層を中央部に変位させることが困難になる。
耐火閉塞用複合材を設置するその固定具の内部には、耐火閉塞用複合材の上下面、外周面と耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置の外層の内面との間に空間を設け、その空間に耐火性シートと同様の材料からなる断熱材層を設けてもよい。
断熱材層は特に熱膨張性部材層及び収縮材層の温度の上昇を遅らせる作用を備えるので、上記のように熱膨張性材料の膨張開始温度の選択や収縮材の収縮温度を合わせることにより、熱膨張性材料の膨張開始時期や収縮材の収縮時期を調整することが可能である。このような調整の結果によっても、樹脂管や樹脂被覆ケーブルの樹脂の軟化後に、熱収縮材が設けられていれば熱収縮材が収縮し、次いで熱膨張性材料が膨張するようにすると、樹脂管や樹脂被覆ケーブルがあった場所にて熱膨張性材料が膨張できる。
上記のように耐火性繊維シートで被覆することと、熱膨張性材料の膨張開始温度の選択や収縮材の収縮温度を総合して調整することにより、熱膨張性材料の膨張開始時期や収縮材の収縮時期を調整することが可能である。このような調整の結果によっても、樹脂管や樹脂被覆ケーブルの樹脂の軟化後に、熱収縮材が設けられていれば熱収縮材が収縮し、次いで熱膨張性材料が膨張するようにすると、樹脂管や樹脂被覆ケーブルがあった場所にて熱膨張性材料が膨張できる。
該耐火閉塞用複合材は筒形であってその内部には樹脂管や樹脂被覆ケーブルを挿入するものであり、筒形の形状は円筒状が最も一般的ではあるが、その外面及び内面は6角や8角等の多角形の筒状や、楕円、その他の形状のものでもよく、挿入された樹脂管や樹脂被覆ケーブルの周囲を囲むことができる筒形の形状であればよい。
例えば樹脂被覆ケーブル3本が3角形状に束ねられているときには、その3角形状に対応するように筒形の内面は3角形状とすると、熱膨張性部材層をより樹脂ケーブルに密着させることができるので、火災時に確実に耐火性を発揮させる上で望ましい。
図1及び2は本発明の耐火閉塞用複合材A及びBであり、筒状にされた熱膨張性部材1は内面側、及び外面側を有している。
この筒状の熱膨張性部材1は耐火性シート2によって被覆されており、その折り曲げ部3によって折り曲げられることにより、1枚の耐火性シート2が筒状の熱膨張性部材の内外面を被覆するようになっている。
突き合わせ部4は、耐火性シート2によって被覆された熱膨張性部材1が筒状を形成する際に該熱膨張性部材1の両端を突き合わせてなる箇所であり、図示はしないが金具や接着剤等の任意の固定手段によって固定されることにより形成される。
また内面側の耐火性シートには切れ目5が設けられており、この切れ目5により、熱膨張性部材1が膨張することによって、内側の耐火性シート2がより確実に折り曲げ部で開くことが可能となる。
図1に示す耐火閉塞用複合材Aの線Cにより切断された断面図を図3に、図2に示す複合材Bの線Cにより切断された断面図を図4に示し、図3及び4共に図の右側を筒状の耐火閉塞用複合材の内側とする。
同様に図4は熱膨張性部材1を耐火性シート2にて被覆してなるが、耐火性シートは熱膨張性部材1を一周半するようにして被覆しているものである。そのため折り曲げ部3にて耐火性シートを折り返している他に上部にも折り曲げ部3が形成されている。
もちろん図4においては、内側の耐火性シート2’も熱膨張性部材の膨張によって上方に向けて開くように動くが、この場合であっても上記のように耐火性シート2が倒れることにより膨張した熱膨張性部材が落下することを防止できる。
図5aにおいて熱膨張性部材1の下方にある耐火性シート2の、該熱膨張性部材から2方向にはみ出した部分の内の一方を上方向に折り曲げて、熱膨張性部材1の表面を覆うようにし、次いで熱膨張性部材1の下方にある耐火性シート2の、該熱膨張性部材から2方向にはみ出した部分の内の他方を矢印の方向に折り曲げて、熱膨張性部材1の表面を覆う上方にあった耐火性シート上に重ねるようにして被覆する。
その後、耐火性シート2により被覆された熱膨張性部材1の両端部を合わせるようにして筒状物を形成する。この際には、耐火性シート2に複数の切れ目5を設けておくことによって、筒状物とするときに、不規則に耐火性シート2にシワが発生することを防止し、耐火性シート2がより均一にこのようにして耐火閉塞用複合材の内面に位置することができるし、上記のように熱膨張性材料が膨張する際には、耐火性シートが互いに干渉することなく、より円滑に折り曲げ部を開くことが可能となる。
図5aは耐火性シートの下に被覆シートを設けて耐火性シートと共に熱膨張性部材1を被覆するようにした場合の図であり、図5bに示すように、被覆シートは耐火性シートと同程度の大きさであっても良い。
図5a及びbに示す段階において、特に上記において被覆シートは耐火性シートがほつれやすい等、取り扱いや、その後の耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置を製造する工程、施工等の段階での取り扱い性を考慮して使用される。このため、被覆シートを使用しなくてもこれらの取り扱い性に問題がなければ、あえて使用しなくてもよい。
この被覆シートとしては、ポリプロピレンやポリエチレンを使用することができる。ポリ塩化ビニリデンシート状とした際には互いに一旦付着すると、剥離することが困難となる等の取り扱い性が難しいので適切に使用することが困難である。
この被覆シートの厚さは、上記の作用を発揮できる程度であれば良く、10〜300μm、好ましくは30〜100μmである。
そしてこの耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置8は図8に示す固定具9によって、集合管等のフランジ等に固定することができる。また、もちろん他の固定手段を採用して、集合管やスリーブ、天井等に設けた穴に固定することもが可能でなる。
このように設置することによって、耐火閉塞用複合材より天井もしくは壁までの間は樹脂管が露出せず、火災時には膨張した耐火閉塞用複合材1によって樹脂管の溶融により生じた減容部分の空間を封鎖して、樹脂管を通じて炎やガス等が天井や壁に設けた開口部を通じて拡大することを防止する。
図6及び7に記載された7’も7と同様に断熱材層であり、固定具6の外面に設置して、火災時における熱膨張性部材1の加熱温度や加熱速度を制御することにより、正確に樹脂管の溶融により生じた減容部分の空間を封鎖できるようにする。そのため、断熱材層7及び7’はその材料や厚さを調整することにより、熱膨張性部材の加熱温度や加熱速度を調整する。
このため図示はしないが、この断熱材層7及び7’と耐火閉塞用複合材との間に収縮材層を設けることができ、それにより、断熱材層7や7’により収縮材層が加熱される程度も調整されることになる。
これらの断熱材層7及び7’は共に、耐火性を備えた断熱材であれば良く、また耐火性シート2と同じ材料からなっても良い。
図6及び7において、固定具はその内部に設けた断熱材層7や耐火閉塞用複合材を対象とする非耐熱性の管やケーブル等に固定させるための部材であると共に、これらの形状を長期にわたって固定させる機能を有する。このような固定具により、配管時、配線時もしくはリフォーム時において樹脂管や樹脂被覆ケーブルに設置させる。
その拡大図が図10であり、矢印の箇所の断面も示すが、火災等が発生せず熱膨張性部材1が膨張していない状態においては、直管12は通常の状態を保っている。
図11では、本発明の耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置を採用しない場合の図であり、火災等において熱膨張性部材1が膨張するものの、多くの熱膨張性部材1が落下しているので、直管12の減容した空間を熱膨張性部材で充填するには不十分であったり、より多くの量の熱膨張性部材を要することになる。
その結果、回動してなる耐火性シートによって、熱膨張した熱膨張性部材を下から支える状態となる。そして、図12に示す例においては、膨張した熱膨張性部材が落下することを防止できるので、直管が減容してなる空間を効率よく熱膨張性部材の膨張によって封鎖することが可能になる。
図12においては、回動してなる耐火性シートが熱膨張した熱膨張性部材全てを下から支えていないが、例えば図3における折り曲げられた耐火性シートの長さを長くすることによって、熱膨張した熱膨張性部材全てを下から支えることも可能である。
図12の左側の図における矢印部分の断面を右側の図で示す。直管12は火災時の熱によって溶融し熱膨張しながら減容する。その時期に合わせるように熱膨張性部材も加熱されて熱膨張することによって、溶融した直管12をさらに周囲から圧縮して閉じるようにすることにより、元々直管が存在していた空間を膨張した熱膨張性部材が封鎖することによって密閉することができる。
この場合には、図12に示す状態と同様に、耐火性シートが折り曲げ部から下方に回動することで、膨張した熱膨張性部材が落下することのないように支えるように位置する。それと共に、筒状の熱膨張性部材の内側にその上部から曲げられていた耐火性シートも同様に、熱膨張性部材が膨張する力によって上方に開かれる。この上部から曲げられていた耐火性シートの部分は、図13では熱膨張した熱膨張性部材の上部を完全に覆う程ではないが、その長さを調整することにより、熱膨張した熱膨張性部材の上部を完全に覆うことも可能である。
このような構造とした場合、膨張した熱膨張性材料の多くは、上下に位置する耐火性シートの間にあり、より強い力によって、軟化した直管を押すことができ、より確実に直管が減容してなる空間を封鎖することが可能となる。
このような手段を採用することにより、既設樹脂管や既設樹脂被覆ケーブル等に対しても耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置を簡易に設けることが可能となり、既存の建築物の耐火性が向上する。
2・・・耐火性シート
3・・・折り曲げ部
4・・・突き合わせ部
5・・・切れ目
6・・・固定具
7・・・断熱材層
7’・・断熱材層
8・・・耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置
9・・・固定具
10・・集合管
11・・床スラブ
12・・直管
13・・被覆シート
A・・・耐火閉塞用複合材
B・・・耐火閉塞用複合材
Claims (15)
- 筒状の熱膨張性部材の外面及び内面が耐火性シートにて被覆され、該耐火性シートは熱膨張性部材の該外面および該内面を1枚のシートを折り曲げて被覆し、かつ、該筒状の熱膨張性部材の端部を被覆する耐火性シートの折り曲げ部が、該熱膨張性部材の下に位置され、さらに筒状の熱膨張性部材の外面を被覆してなる耐火性シートのさらに外面に収縮材層を設けてなり、樹脂管又は樹脂被覆ケーブルの軟化開始と同時又は軟化開始に遅れて、前記収縮材層が収縮を開始し、前記収縮材層の収縮と同時又は収縮に遅れて熱膨張性部材層が膨張を開始する耐火閉塞用複合材。
- 該筒状の熱膨張性部材が、その内面に1枚の耐火性シートを合わせ、該熱膨張性部材の一端部にて折り曲げて外面を被覆され、次いで熱膨張性部材の他端部にて折り曲部を設けて該他端部を被覆され、さらに該筒状の熱膨張性部材の内面に合わされている耐火性シートの上に耐火性シートを重ねてなる請求項1に記載の耐火閉塞用複合材。
- 該筒状の熱膨張性部材の他端部を被覆する折り曲げ部が、下方に向くように設置されるための請求項2に記載の耐火閉塞用複合材。
- 該熱膨張性部材は熱膨張性材料と樹脂、ゴムを含有してなる請求項1〜3のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材。
- 熱膨張性部材の外面及び内面が耐火性シート及び被覆シートにて被覆されている請求項1〜4のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材。
- 上記収縮材層は熱収縮性を有する樹脂、ゴム、又は形状記憶合金からなる円筒状シートである請求項5に記載の耐火閉塞用複合材。
- 上記収縮材層のシートは、孔が形成されてないシート、孔が形成されたシート、又は網状シートからなる請求項5又は6に記載の耐火閉塞用複合材。
- 熱膨張性部材層は内側表面にV字状又はU字状の溝が形成されてなる請求項1〜7のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材。
- 建築物の床又は天井に設けた開口部に挿入された管継手、管用スリーブ、ケーブル用スリーブ、又は該開口部を形成する床又は天井に接続するための耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置であって、該管継手、該スリーブ、床又は天井に接続するための耐火性の固定具を備え、かつ請求項1〜8のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材を固定具内に収納して、該固定具と耐火閉塞用複合材を一体化してなる耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置。
- 筒状の耐火閉塞用複合材の上下の端部、及び耐火閉塞用複合材の外面と、耐火性の固定具との間に断熱材層を設けてなる請求項9記載の耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置。
- 固定具の外面に耐火性繊維シートを被覆してなる請求項9又は10に記載の耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置。
- 建築物の床又は天井に設けた開口部に挿入される樹脂管用不燃性管継手又は樹脂管用不燃性スリーブであって、該樹脂管用不燃性管継手又は該樹脂管用不燃性スリーブに、請求項1〜8のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材を挿入し、該耐火閉塞用複合材の内部に該樹脂管を挿入するようにした樹脂管用不燃性管継手又は樹脂管用不燃性スリーブ。
- 樹脂管用不燃性管継手又は樹脂管用不燃性スリーブの耐火閉塞用複合材を挿入した箇所に対応する外面を含む部分に耐熱性繊維シートを被覆してなる請求項12に記載の樹脂管用不燃性管継手又は樹脂管用不燃性スリーブ。
- 建築物の床又は天井に設けた開口部に挿入される樹脂被覆ケーブル用不燃性スリーブであって、該樹脂被覆ケーブル用不燃性スリーブに、請求項1〜8のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材を挿入し、該耐火閉塞用複合材の内部に該樹脂ケーブルを挿入するようにした樹脂ケーブル用不燃性スリーブ。
- 樹脂被覆ケーブル用不燃性スリーブの耐火閉塞用複合材を挿入した箇所に対応する外面を含む部分に外面に耐火性繊維シートを被覆してなる請求項14に記載の樹脂ケーブル用不燃性スリーブ。
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