JP5575996B1 - 線形素子値推定方法、静電容量検出方法、集積回路、タッチセンサシステム、及び電子機器 - Google Patents

線形素子値推定方法、静電容量検出方法、集積回路、タッチセンサシステム、及び電子機器 Download PDF

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Abstract

線形素子値推定方法は、細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極(106)と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極(107)と、前記複数の垂直電極(106)と前記複数の水平電極(107)との交点にそれぞれ形成される複数の線形素子とを備え、前記複数の垂直電極(106)と前記複数の水平電極(107)とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子(110)を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子(110)は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルの線形素子値推定方法であって、前記複数の線形素子のそれぞれに対して、符号系列diに基づいて、前記複数の垂直電極(106)を並列に駆動して、前記線形素子に対応する出力の線形和を前記複数の水平電極(107)に沿って出力する出力工程と、前記複数の水平電極(107)に沿って出力された線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極(107)に沿った線形素子の値を推定する推定工程とを包含する。

Description

本発明は、マトリックス状に構成された線形系の係数、素子値、または静電容量を推定または検出する方法、及びこの方法に従って動作する集積回路、タッチセンサシステム、及び電子機器に関する。
マトリックス状に分布した線形素子値を検出する装置、例えば、M本のドライブラインとL本のセンスラインとの間に形成される静電容量行列Cij(i=1、…、M、j=1、…、L)の静電容量値の分布を検出するタッチセンサ装置(接触検出装置)が、特許文献1に開示されている。このタッチセンサ装置は、ドライブラインを順番に選択し、その選択したドライブラインにつながる線形素子の値を検出する走査検出方式により動作する。
また、複数のドライブラインを時系列的な符号系列に基づいて第1のドライブライン群と第2のドライブライン群とに振り分けて駆動し、センスラインに接続され、駆動されたドライブラインとの複数の交差部の容量に生じる電流の総和を電気信号に変換した測定電圧を出力し、センスラインごとに、測定電圧と符号系列とにより積和演算を行い、各交差部の容量に対応する電圧値を求める容量検出回路が特許文献2に記載されている。
従来の静電容量型タッチセンサパネルにおける垂直電極及び水平電極の構成を説明する。図41は、従来の静電容量型タッチセンサパネルの垂直電極91及び水平電極92の構成を示す図であり、特許文献1のFIG.3に対応する。
特許文献1に示される従来の静電容量型タッチセンサパネルには、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極91と、垂直方向に所定の間隔を空けて垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極92とが設けられている。
垂直電極91は、ダイヤモンド形状をした四角形状部93・94を垂直方向に繰り返し接続して形成されており、水平電極92は、ダイヤモンド形状をした四角形状部95・96を水平方向に繰り返し接続して形成されている。
このようなダイヤモンド形状をした垂直電極91及び水平電極92を交差配置した静電容量型のタッチセンサパネルを、表示装置の上に重ねて使用する場合は、通常、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明な導電膜によって垂直電極91及び水平電極92を構成する。近年はグラフェンの活用も研究されている。
図41に示すようなダイヤモンド形状をITO等で面の形で形成すると、そのダイヤモン
ド形状は中心線対称であり中心点対称であるため、ペン等のタッチ面積の小さい物体による容量変化には同様な対称性がある。この容量変化の対称性を用いることにより、タッチ位置検出の際に対称な位置補正が行え、位置検出精度を向上することができる。
図42は、特許文献2に示される従来の他の静電容量型タッチセンサパネルの垂直電極81及び水平電極82の構成を示す図である。垂直電極81及び水平電極82は、それぞれ一定間隔で並べられ、互いに直交する方向を向いている。そして、垂直電極81及び水平電極82で格子状に形成される。垂直電極81及び水平電極82そのものは、それぞれ細線によって構成され、この細線によって網目が構成されている。
図43の(a)は、特許文献3に示される従来のさらに他の静電容量型タッチセンサパネルの垂直電極71の構成を示す図であり、図43の(b)はその水平電極72の構成を示す図である。
図43の(a)ではダイヤモンドに似た形状が垂直方向に接続された垂直電極71が整列しており、図43の(b)では同様にダイヤモンドに似た形状が水平方向に接続された水平電極72が整列している。
図45の(a)は特許文献4に示される従来のさらに他の静電容量型タッチセンサパネルの垂直電極の構成を示す図であり、図45の(b)はその水平電極の構成を示す図である。
静電容量式タッチパネルスイッチは、X方向に複数の導電X軸62が僅かな間隔で並ぶ導電性のXパターン群61と、Y方向に複数の導電Y軸67が僅かな間隔で並ぶ導電性のYパターン群66とを備えている。
導電X軸62は、Y軸方向に沿って配置されて輪郭が略菱形状の複数の導電Xパッド63と、複数の導電Xパッド63を挟むようにY軸方向に沿って配置されて輪郭が略二等辺三角形状の導電Xパッド63aとを有している。隣接する導電Xパッド63、及び隣接する導電Xパッド63・63aは、導電Xライン64により接続されている。
各導電Xパッド63・63aは、X方向に延びる細線とY方向に延びる細線とによりメッシュ状に形成されている。各導電Xライン64は、Y方向に延びてX方向に所定の間隔で並ぶ3本の直線ライン65により細長く形成されている。
導電Y軸67は、X軸方向に沿って配置されて輪郭が略菱形状の複数の導電Yパッド68と、複数の導電Yパッド68を挟むようにX軸方向に沿って配置されて輪郭が略二等辺三角形状の導電Yパッド68aとを有している。隣接する導電Yパッド68、及び隣接する導電Yパッド68・68aは、導電Yライン69により接続されている。
各導電Yパッド68・68aは、X方向に延びる細線とY方向に延びる細線とによりメッシュ状に形成されている。各導電Yライン69は、X方向に延びてY方向に所定の間隔で並ぶ3本の直線ライン60により細長く形成されている。
このように構成されたXパターン群61とYパターン群66とを平面視で直交させる場合に、導電X軸62の導電Xライン64と導電Y軸67の導電Yライン69とを積層して、導電Xパッド63及び導電Yパッド68と略同様の光透過性を有する光透過領域を形成するようにしている。
日本国公開特許公報「特開2010−92275号公報(2010年4月22日公開)」 日本国公開特許公報「特許第4364609号明細書(2005年6月16日公開)」 日本国公開特許公報「特許第4387773号明細書(2005年6月16日公開)」 日本国公開特許公報「特開2005−114362号公報(2005年4月28日公開)」 日本国公開特許公報「特開2005−134240号公報(2005年5月26日公開)」 米国特許第4,639,720号明細書(1987年1月27日) 日本国公開特許公報「特開2011-113149公報(2011年6月9日公開)」 日本国公開特許公報「特開2010-39537号公報(2010年2月18日公開)」 日本国公開特許公報「特開2011-175412号公報(2011年9月8日公開)」
しかしながら、特許文献1に記載の走査検出方式により動作するタッチセンサ装置においては、二次元に分布する静電容量値を取得するために与えられた時間をTとし、走査の回数をmとすると、複数ラインを同時に選択し、それをスキャンして静電容量行列Cijの静電容量を検出する処理は時間(T/m)の間に終わらなければならない。
一般に、検出処理の精度は、例えば平均化等により処理時間が長いほど高めることができるが、タッチセンサ装置が高速な動作に追従できるためには、静電容量値を取得するために与えられる時間Tは小さくする必要があり、解像度を上げるためには、走査回数mを大きくする必要があり、いずれの場合も処理時間(T/m)は小さくなり検出精度の劣化を招くという問題がある。
また、特許文献2に記載の容量検出回路では、測定電圧のオフセット誤差をキャンセルするために、符号系列に基づいて第1のドライブラインと第2のドライブラインとに振り分けて駆動し、第1のドライブラインの駆動に基づく測定電圧から、第2のドライブラインの駆動に基づく測定電圧を減算している(特許文献2:明細書段落[0058]〜[0061])。しかしながら、このような構成は、演算過程が2相に渡るため、消費電力を抑えた高速化に不利であるという問題がある。
しかしながら、図41に示す構成では、30インチ以上の大きな静電容量型のタッチセンサパネルを実現しようとする場合に、ITOやグラフェンでは抵抗値が大きすぎる。この
ため、抵抗値の低い金属(AgやCu)の細い配線を用いてダイヤモンド形状を作成する方法がとられる(特許文献2(図42)・特許文献3(図43))。
図42に示す構成では、格子の存在しない十字状の開口97が周期的に存在するため、開口97が視認され、モアレが発生するという課題が生じる。また、タッチによる開口97の容量変化の仕方が他の部分と異なることに起因する位置検出精度劣化という課題が発生する。
図44は、垂直電極71と水平電極72とにより形成された一様な格子73を示す図である。図44に示す構成では、図42に示すような開口は発生しないが、垂直電極71及び水平電極72とも中心線対称でも無く、中心点対象でも無く、垂直電極71及び水平電極72を重ね合わせると、図44に示すように、格子73の左辺側及び下辺側にジグザグ形状78・79が形成され、水平電極72(あるいは垂直電極71)を駆動するアドレスラインと、垂直電極71(あるいは水平電極72)から信号を読み出すためのアドレスラインとをそのまま容易に格子73に接合することが困難であるという課題が生じる。
図45に示す構成では、導電Xライン64はY軸に平行であり、導電Yライン69はX軸に平行になるため、導電Xライン64と導電Yライン69とを積層して形成される光透過領域は、Y軸に平行な直線とX軸に平行な直線とから形成されることになる。このため、液晶ディスプレイ等と重ねた時に、モアレが発生するという問題が生じる。
本発明の目的は、検出精度が良好になり、且つ解像度も良好で高速動作が可能な線形系係数推定方法、線形素子列値推定方法、静電容量検出方法、集積回路、タッチセンサシステム、及び電子機器を提供することにある。
本願発明の目的は、視覚的に隙間の無い一様な格子が形成され、表示装置に重ねた際にモアレ等の発生を防ぐことができる静電容量型タッチセンサパネル、及びこれを用いた静電容量型タッチセンサシステム、情報入出力装置を提供することにある。
本発明に係る線形素子値推定方法は、細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体と、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極との交点にそれぞれ形成される複数の線形素子とを備え、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルの線形素子値推定方法であって、前記複数の線形素子のそれぞれに対して、符号系列diに基づいて、前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記線形素子に対応する出力の線形和を前記複数の水平電極に沿って出力する出力工程と、前記複数の水平電極に沿って出力された線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った線形素子の値を推定する推定工程とを包含することを特徴とする。
この特徴により、符号系列diに基づいて、複数の垂直電極を並列に駆動して、前記線形素子に対応する出力の線形和を前記複数の水平電極に沿って出力するので、複数の垂直電極にすべて同時に入力して各水平電極に沿った線形素子の値を推定する。従って、従来の構成のように、M本のドライブラインを1本ずつ選択して走査入力する必要が無くなり、線形素子の値を取得するための処理時間が長くなり、検出精度を良好に維持しながら、且つ、解像度も良好で高速動作が可能な線形素子値推定方法を得ることができる。
本発明に係る静電容量検出方法は、細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体と、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極との交点にそれぞれ形成される複数の静電容量とを備え、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルの静電容量検出方法であって、前記複数の静電容量のそれぞれに対して、各要素が+1または−1によって構成される符号系列diに基づいて、前記符号系列が前記+1の場合は+Vボルト、前記−1の場合は−Vボルトを印加するように前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記静電容量に対応する出力の線形和を前記複数の水平電極に沿って出力する出力工程と、前記出力の線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った静電容量の容量値を推定する推定工程とを包含することを特徴とする。
本発明に係る集積回路は、細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体と、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極との交点にそれぞれ形成される複数の静電容量とを備え、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルを制御する集積回路であって、前記複数の静電容量のそれぞれに対して、各要素が+1または−1によって構成される符号系列diに基づいて、前記符号系列が前記+1の場合は+Vボルト、前記−1の場合は−Vボルトを印加するように前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記静電容量に蓄積された電荷の線形和を前記複数の水平電極に沿って出力させる駆動部と、前記複数の水平電極に沿って出力された電荷の線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った静電容量の容量値を推定する推定部とを備えたことを特徴とする。
本発明に係るタッチセンサシステムは、細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体と、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極との交点にそれぞれ形成される複数の静電容量とを備え、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルと、前記タッチセンサパネルを制御する集積回路とを備えたタッチセンサシステムであって、前記集積回路は、前記複数の静電容量のそれぞれに対して、各要素が+1または−1によって構成される符号系列diに基づいて、前記符号系列が前記+1の場合は+Vボルト、前記−1の場合は−Vボルトを印加するように前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記静電容量に蓄積された電荷の線形和を前記複数の水平電極に沿って出力させる駆動部と、前記複数の水平電極に沿って出力された電荷の線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った静電容量の容量値を推定する推定部とを備えたことを特徴とする。
本発明に係る電子機器は、本発明に係るタッチセンサシステムと、前記タッチセンサシステムに設けられたセンサパネルに重ねて配置されているか、または、前記センサパネルを内蔵した表示パネルとを備えたことを特徴とする。
本発明に係る静電容量検出方法は、細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体と、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極との交点にそれぞれ形成される複数の静電容量とを備え、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルの静電容量を検出する静電容量検出方法であって、前記複数の静電容量のそれぞれに対して、各要素が+1または−1によって構成される符号系列diに基づいて、前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記静電容量に蓄積された電荷の線形和を前記複数の水平電極に沿ってアナログ積分器に出力する出力工程と、前記複数の水平電極に沿って前記アナログ積分器に出力された電荷の線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った静電容量の容量値を推定する推定工程とを包含し、前記出力工程は、前記アナログ積分器のリセット時にはVrefボルトで表される第1電圧により前記複数の垂直電極を駆動し、前記複数の水平電極に沿って出力された電荷の線形和のサンプリング時には、前記符号系列が前記+1の場合は(Vref+V)ボルトで表される第2電圧により、前記符号系列が前記−1の場合は(Vref−V)ボルトで表される第3電圧により前記複数の垂直電極を駆動することを特徴とする。
本発明に係る他の静電容量検出方法は、細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体と、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極との交点にそれぞれ形成される複数の静電容量とを備え、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルの静電容量を検出する静電容量検出方法であって、各要素が+1または−1によって構成される符号系列diに基づいて、前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記静電容量に蓄積された電荷の線形和を前記複数の水平電極に沿ってアナログ積分器に出力する出力工程と、前記複数の水平電極に沿って前記アナログ積分器に出力された電荷の線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った静電容量の容量値を推定する推定工程とを含み、前記出力工程は、前記符号系列が前記+1の場合は、前記アナログ積分器のリセット時に第1電圧により、前記複数の水平電極に沿って出力された電荷の線形和のサンプリング時に第2電圧により前記複数の垂直電極を駆動し、前記符号系列が前記−1の場合は、前記アナログ積分器のリセット時に前記第2電圧により、前記線形和のサンプリング時に前記第1電圧により前記複数の垂直電極を駆動することを特徴とする。
本発明に係るさらに他の静電容量検出方法は、細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体と、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極との交点にそれぞれ形成される複数の静電容量とを備え、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルの静電容量を検出する静電容量検出方法であって、各要素が+1または−1によって構成される符号系列diに基づいて、前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記静電容量に蓄積された電荷の線形和を前記複数の水平電極に沿ってアナログ積分器に出力する出力工程と、前記複数の水平電極に沿って前記アナログ積分器に出力された電荷の線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った静電容量の容量値を推定する推定工程とを含み、前記出力工程の前において、前記アナログ積分器のリセット時、及び前記複数の水平電極に沿って前記アナログ積分器に出力された電荷の線形和のサンプリング時に第1電圧により前記複数の垂直電極を駆動して、前記電荷の線形和の出力を前記アナログ積分器に出力し、前記電荷の線形和の出力をオフセット出力として前記アナログ積分器から読み出してメモリに格納することを特徴とする。
本発明に係る他の集積回路は、細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体と、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極との交点にそれぞれ形成される複数の静電容量とを備え、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルを制御する集積回路であって、前記集積回路は、前記複数の静電容量に対して、各要素が+1または−1によって構成される符号系列diに基づいて、前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記静電容量に蓄積された電荷の線形和を前記複数の水平電極に沿ってアナログ積分器に出力させる駆動部と、前記複数の水平電極に沿って前記アナログ積分器に出力された電荷の線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った静電容量の容量値を推定する推定部とを備え、前記駆動部は、前記符号系列が前記+1の場合は、前記アナログ積分器のリセット時に第1電圧により、前記複数の静電容量からの出力のサンプリング時に第2電圧により前記垂直電極を駆動し、前記符号系列が前記−1の場合は、前記アナログ積分器のリセット時に前記第2電圧により、前記複数の静電容量からの出力のサンプリング時に前記第1電圧により前記垂直電極を駆動することを特徴とする。
本発明に係るさらに他の集積回路は、細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体と、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極との交点にそれぞれ形成される複数の静電容量とを備え、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルを制御する集積回路であって、前記集積回路は、前記複数の静電容量に対して、各要素が+1または−1によって構成される符号系列diに基づいて、前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記静電容量に蓄積された電荷の線形和を前記複数の水平電極に沿ってアナログ積分器に出力させる駆動部と、前記複数の水平電極に沿って前記アナログ積分器に出力された電荷の線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った静電容量の容量値を推定する推定部とを備え、前記駆動部は、前記静電容量に蓄積された電荷の線形和を前記複数の水平電極に沿ってアナログ積分器に出力させる前において、前記アナログ積分器のリセット時、及び前記電荷の線形和のサンプリング時に第1電圧により前記複数の垂直電極を駆動して、前記電荷の線形和を前記複数の水平電極に沿って前記アナログ積分器に出力し、前記電荷の線形和をオフセット出力として前記アナログ積分器から読み出してメモリに格納することを特徴とする。
本発明に係る他のタッチセンサシステムは、細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体と、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極との交点にそれぞれ形成される複数の静電容量とを備え、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルと、前記タッチセンサパネルを制御する集積回路とを備えたタッチセンサシステムであって、前記集積回路は、前記複数の静電容量のそれぞれに対して、各要素が+1または−1によって構成される符号系列diに基づいて、前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記静電容量に蓄積された電荷の線形和を前記複数の水平電極に沿ってアナログ積分器に出力させる駆動部と、前記複数の水平電極に沿って出力された電荷の線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った静電容量の容量値を推定する推定部とを備え、前記駆動部は、前記符号系列が前記+1の場合は、前記アナログ積分器のリセット時に第1電圧により、前記電荷の線形和のサンプリング時に第2電圧により前記複数の垂直電極を駆動し、前記符号系列が前記−1の場合は、前記アナログ積分器のリセット時に前記第2電圧により、前記電荷の線形和のサンプリング時に前記第1電圧により前記複数の垂直電極を駆動することを特徴とする。
本発明に係るさらに他のタッチセンサシステムは、細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体と、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極との交点にそれぞれ形成される複数の静電容量とを備え、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルと、前記タッチセンサパネルを制御する集積回路とを備えたタッチセンサシステムであって、前記集積回路は、前記複数の静電容量のそれぞれに対して、各要素が+1または−1によって構成される符号系列diに基づいて、前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記静電容量に蓄積された電荷の線形和を前記複数の水平電極に沿ってアナログ積分器に出力させる駆動部と、前記複数の水平電極に沿って出力された電荷の線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った静電容量の容量値を推定する推定部とを備え、前記駆動部は、前記電荷の線形和を前記アナログ積分器に出力させる前において、前記アナログ積分器のリセット時、及び前記電荷の線形和のサンプリング時に第1電圧により前記複数の垂直電極を駆動して、前記電荷の線形和を前記アナログ積分器に出力し、前記電荷の線形和をオフセット出力として前記アナログ積分器から読み出してメモリに格納することを特徴とする。
本発明に係る他の電子機器は、本発明に係るタッチセンサシステムと、前記タッチセンサシステムに設けられたセンサパネルに重ねて配置されているか、または、前記センサパネルを内蔵した表示パネルとを備えたことを特徴とする。
本発明に係るさらに他の静電容量検出方法は、細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体と、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極との交点にそれぞれ形成される複数の静電容量とを備え、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルの静電容量を検出する静電容量検出方法であって、各要素が+1または−1によって構成される符号系列diに基づいて、前記符号系列が前記+1の場合は+Vボルト、前記−1の場合は−Vボルトを印加するように前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記静電容量に蓄積された電荷の線形和を前記複数の水平電極に沿ってアナログ積分器に出力する出力工程と、前記複数の水平電極に沿って前記アナログ積分器に出力された電荷の線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った静電容量の容量値を推定する推定工程とを包含し、前記出力工程は、前記アナログ積分器の飽和を防止するために、前記符号系列の列方向に沿った各要素の総和の絶対値に応じて、前記アナログ積分器のゲインを切り替えることを特徴とする。
本発明に係るさらに他の静電容量検出方法は、細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体と、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極との交点にそれぞれ形成される複数の静電容量とを備え、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルの静電容量を検出する静電容量検出方法であって、各要素が+1または−1によって構成される符号系列diに基づいて、前記符号系列が前記+1の場合は+Vボルト、前記−1の場合は−Vボルトを印加するように前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記静電容量に蓄積された電荷の線形和を前記複数の水平電極に沿ってアナログ積分器に出力する出力工程と、前記複数の水平電極に沿って前記アナログ積分器に出力された電荷の線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った静電容量の容量値を推定する推定工程とを包含し、前記出力工程は、前記アナログ積分器の飽和を防止するために、前記符号系列の列方向に沿った各要素の総和の絶対値に応じて、前記符号系列の列を複数の列に分割して、前記複数の垂直電極の駆動を複数回に分割することを特徴とする。
本発明に係るさらに他の静電容量検出方法は、細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体と、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極との交点にそれぞれ形成される複数の静電容量とを備え、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルの静電容量を検出する静電容量検出方法であって、前記複数の静電容量に対して、シルベスター(sylvester)法によって生成されるアダマール(Hadamard)行列の各行に相当する+1または−1によって構成される符号系列diに基づいて、前記符号系列が前記+1の場合は+Vボルト、前記−1の場合は−Vボルトを印加するように前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記静電容量に蓄積された電荷の線形和を前記複数の水平電極に沿ってアナログ積分器に出力する出力工程と、
前記複数の水平電極に沿って前記アナログ積分器に出力された電荷の線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った静電容量の容量値を推定する推定工程とを包含し、前記出力工程は、前記アナログ積分器の飽和を防止するために、前記符号系列の第1列目を複数の列に分割して、前記符号系列の第1列目に相当する駆動を複数回に分割することを特徴とする。
本発明に係るさらに他の静電容量検出方法は、細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体と、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極との交点にそれぞれ形成される複数の静電容量とを備え、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルの静電容量を検出する静電容量検出方法であって、前記複数の静電容量に対して、シルベスター(sylvester)法によって生成されるアダマール(Hadamard)行列の各行に相当する+1または−1によって構成される符号系列diに基づいて、前記符号系列が前記+1の場合は+Vボルト、前記−1の場合は−Vボルトを印加するように前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記静電容量に蓄積された電荷の線形和を前記複数の水平電極に沿ってアナログ積分器に出力する出力工程と、前記複数の水平電極に沿って前記アナログ積分器に出力された電荷の線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った静電容量の容量値を推定する推定工程とを包含し、前記出力工程は、前記符号系列の列方向に沿った各要素の総和の絶対値が前記アナログ積分器の飽和に関連する閾値Numを超える列を複数の列に分解して、前記符号系列の前記閾値Numを超える列に対応する駆動を複数回に分割することを特徴とする。
本発明に係る線形素子値推定方法は、前記複数の線形素子のそれぞれに対して、符号系列diに基づいて、前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記線形素子に対応する出力の線形和を前記複数の水平電極に沿って出力する出力工程と、前記複数の水平電極に沿って出力された線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った線形素子の値を推定する推定工程とを包含する。
この特徴により、符号系列diに基づいて、複数の垂直電極を並列に駆動して、前記線形素子に対応する出力の線形和を前記複数の水平電極に沿って出力するので、複数の垂直電極にすべて同時に入力して各水平電極に沿った線形素子の値を推定する。従って、従来の構成のように、M本のドライブラインを1本ずつ選択して走査入力する必要が無くなり、線形素子の値を取得するための処理時間が長くなり、検出精度を良好に維持しながら、且つ、解像度も良好で高速動作が可能な線形素子値推定方法を得ることができる。
実施の形態に係るタッチセンサシステムの構成を示す回路図である。 上記タッチセンサシステムに設けられた集積回路の推定部の構成を示すブロック図である。 上記タッチセンサシステムに設けられたセンサパネルの駆動方法を説明するための図である。 上記センサパネルの駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。 上記タッチセンサシステムに設けられたセンサパネルに入力される直交する符号系列の具体例を説明するための図である。 上記直交する符号系列の他の具体例を説明するための図である。 上記直交する符号系列のさらに他の具体例を説明するための図である。 実施の形態2に係るタッチセンサシステムに設けられたセンサパネルの駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。 実施の形態2に係るタッチセンサシステムに設けられたセンサパネルの駆動方法を説明するための他のタイミングチャートである。 実施の形態3に係るセンサパネルの駆動方法を説明するための図である。 (a)及び(b)は実施の形態4に係るセンサパネルを駆動するための符号系列を説明するための図である。 実施の形態5に係るセンサパネルを駆動するための符号系列を説明するための図である。 上記センサパネルを駆動する方法を示すグラフである。 (a)は実施の形態に係るM系列に基づく符号系列を説明するための図であり、(b)はM系列に基づく符号系列の具体例を示す図である。 上記タッチセンサシステムを搭載した携帯電話機の構成を示す機能ブロック図である。 実施の形態7に係るタッチセンサシステムの構成を示すブロック図である。 上記タッチセンサシステムに設けられたタッチパネルの構成を説明するための断面図である。 図18の(a)は上記タッチパネルに設けられた垂直電極を構成する第一の基本形状を示す図であり、図18の(b)は上記垂直電極の構成を示す図である。 図19の(a)は上記タッチパネルに設けられた水平電極を構成する第二の基本形状を示す図であり、図19の(b)は上記水平電極の構成を示す図である。 上記垂直電極と上記水平電極により形成された一様な格子を示す図である。 図21の(a)は上記タッチパネルに設けられた変形例の垂直電極を構成する第一の基本形状を示す図であり、図21の(b)は上記変形例の垂直電極の構成を示す図である。 図22の(a)は上記タッチパネルに設けられた変形例の水平電極を構成する第二の基本形状を示す図であり、図22の(b)は上記変形例の水平電極の構成を示す図である。 上記変形例の垂直電極と上記変形例の水平電極により形成された一様な格子を示す図である。 図24の(a)は上記変形例の垂直電極の第1の基本形状に透明電極材料を埋め込んだ構成を示す図であり、図24の(b)は上記透明電極材料を埋め込んだ変形例の垂直電極を示す図である。 図25の(a)は上記変形例の水平電極の第2の基本形状に透明電極材料を埋め込んだ構成を示す図であり、図25の(b)は上記透明電極材料を埋め込んだ変形例の水平電極を示す図である。 図26の(a)は上記変形例の垂直電極にアドレスラインを接続した構成を示す図であり、図26の(b)は上記変形例の水平電極にアドレスラインを接続した構成を示す図であり、図26の(c)はアドレスラインを接続した垂直電極及び水平電極により構成される格子を示す図である。 図27の(a)は実施の形態8に係るタッチパネルに設けられた垂直電極を構成する第一の基本形状を示す図であり、図27の(b)は上記垂直電極の構成を示す図である。 図28の(a)は実施の形態8に係るタッチパネルに設けられた水平電極を構成する第二の基本形状を示す図であり、図28の(b)は上記水平電極の構成を示す図である。 図29の(a)は実施の形態9に係るタッチパネルに設けられた垂直電極を構成する第一の基本形状を示す図であり、図29の(b)は上記垂直電極の構成を示す図である。 図30の(a)は実施の形態9に係るタッチパネルに設けられた水平電極を構成する第二の基本形状を示す図であり、図30の(b)は上記水平電極の構成を示す図である。 図31の(a)は実施の形態10に係るタッチパネルに設けられた垂直電極を構成する第一の基本形状を示す図であり、図31の(b)は上記垂直電極の構成を示す図である。 図32の(a)は実施の形態10に係るタッチパネルに設けられた水平電極を構成する第二の基本形状を示す図であり、図32の(b)は上記水平電極の構成を示す図である。 図33の(a)は実施の形態11に係るタッチパネルに設けられた垂直電極を構成する第一の基本形状を示す図であり、図33の(b)は上記垂直電極の構成を示す図である。 図34の(a)は実施の形態11に係るタッチパネルに設けられた水平電極を構成する第二の基本形状を示す図であり、図34の(b)は上記水平電極の構成を示す図である。 上記垂直電極と上記水平電極により形成された一様な格子を示す図である。 図36の(a)は実施の形態11に係るタッチパネルに設けられた他の垂直電極を構成する第一の基本形状を示す図であり、図36の(b)は上記他の垂直電極の構成を示す図である。 図37の(a)は実施の形態11に係るタッチパネルに設けられた他の水平電極を構成する第二の基本形状を示す図であり、図37の(b)は上記他の水平電極の構成を示す図である。 図38の(a)は上記タッチパネルに設けられた変形例の垂直電極を構成する第一の基本形状を示す図であり、図38の(b)は変形例の水平電極を構成する第二の基本形状を示す図である。 図39の(a)は上記タッチパネルに設けられた他の変形例の垂直電極を構成する第一の基本形状を示す図であり、図39の(b)は他の変形例の水平電極を構成する第二の基本形状を示す図である。 実施の形態12に係る電子黒板の外観を示す図である。 従来の静電容量型タッチセンサパネルの垂直電極及び水平電極の構成を示す図である。 従来の他の静電容量型タッチセンサパネルの垂直電極及び水平電極の構成を示す図である。 図43の(a)は従来のさらに他の静電容量型タッチセンサパネルの垂直電極の構成を示す図であり、図43の(b)はその水平電極の構成を示す図である。 上記垂直電極と上記水平電極により形成された一様な格子を示す図である。 図45の(a)は従来のさらに他の静電容量型タッチセンサパネルの垂直電極の構成を示す図であり、図45の(b)はその水平電極の構成を示す図である。
本発明のタッチセンサシステムに関する実施の一形態について図1〜図40に基づいて説明すれば以下のとおりである。
(実施の形態1)
(実施の形態に係るタッチセンサシステムの構成)
図1は、実施の形態に係るタッチセンサシステム1の構成を示す回路図である。タッチセンサシステム1は、タッチセンサパネル2と、このタッチセンサパネル2を制御する集積回路3とを備えている。タッチセンサパネル2は、水平方向に沿って互いに平行に所定の間隔を空けて配置されたM本のドライブラインDL1〜DLMと、このドライブラインに交差する方向に沿って互いに平行に所定の間隔を空けて配置されたL本のセンスラインSL1〜SLLと、これらM本のドライブラインDL1〜DLMのそれぞれとL本のセンスラインSL1〜SLLのそれぞれとの間にM行×L列のマトリックス状に配置された静電容量Cij(i=1〜M、j=1〜L)とを備えている。
集積回路3は、M本のドライブラインDL1〜DLMに接続された駆動部4を有している。集積回路3には、推定部5が設けられている。図2は、集積回路3の推定部5の構成を示すブロック図である。
推定部5は、L本のセンスラインSL1〜SLLにそれぞれ接続されたL個のアナログ積分器6と、L個のアナログ積分器6に接続されたスイッチ7と、スイッチ7に接続されたAD変換器8と、AD変換器8に接続された内積演算部9と、内積演算部9に接続されたRAM10とを有している。アナログ積分器6は、一方の入力が接地されたオペアンプと、このオペアンプの出力と他方の入力との間に配置された容量Cintの積分容量と、オペアンプの他方の入力に結合されたトランジスタと、このトランジスタと並列に接続された他のトランジスタとを有している。
集積回路3には、内積演算部9に接続されて240Hzでジェスチャ認識処理(ARM等)を実行するアプリケーション処理部11が設けられている。このように、集積回路3には、アナログ回路とデジタル回路とが混載されている。
(従来のタッチセンサシステムの動作)
本実施の形態の動作を具体的に説明する前に、前述した特許文献1に記載の従来の構成における動作を確認する。M本のドライブラインとL本のセンスラインとの間に形成される静電容量のマトリックスCij(i=1、…、m、j=1、…、L)の検出を考える。まず、ドライブラインを一本づつ選択する走査検出を考える。
選択したドライブラインにつながる容量Cij(j=1,…l)をVボルトに充電しCij×Vの信号を蓄える。この信号をセンスライン経由で読み出す際のゲインをGとすると、検出信号は、
G×Cij×V (式1)
となる。
(本実施の形態のタッチセンサシステムの動作)
図3は、タッチセンサシステム1に設けられたタッチセンサパネル2の駆動方法を説明するための図である。図1及び図2で前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。これらの構成要素についての詳細な説明は繰り返さない。
本発明の実施の形態として、まず、+1と−1とから構成される互いに直交する符号長Nの符号系列di=(di1、di2、…、diN)(i=1、…、M)を準備する。ここで、符号長Nの符号系列di=(di1、di2、…、diN)(i=1、…、M)が「直交する」とは、符号系列diが下記に示す条件を満足することをいう。
Figure 0005575996
そして、この符号系列diに基づいて、+1の場合は+Vボルトが印加され、−1の場合は−Vボルトが印加されるように、駆動部4は、M本のドライブラインDL1〜DLMを並列に駆動する。すると、各静電容量Cij(i=1〜M、j=1〜L)に、符号系列の各要素(+1または−1)に応じて、±Cij・Vの電荷を有する信号が蓄えられる。
次に、同じセンスラインにつながる各静電容量に蓄積された電荷により表される信号について、センスラインの結線に沿って電荷加算を行い、センスライン毎にアナログ積分器6で読み出し、出力系列ベクトルsj=(sj1、sj2、…、sjN)(j=1、…、L)を得る。
図4は、タッチセンサパネル2の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。まず、リセット信号により、アナログ積分器6の積分容量Cintがリセットされるとともに、タッチセンサパネル2にマトリックス状に配置された各静電容量もリセットされる。ここで、リセットとは、容量に蓄積されている電荷を放電するという意味である。そして、ドライブラインDL1〜DLMを、符号系列d11、d21、d31、…、dM1の値である+1または−1に応じて、Vref+V、またはVref−Vで並列に駆動すると、各静電容量に、符号系列の要素±1に応じた±CVの電荷が蓄えられる。次に、同じセンスラインにつながる各静電容量に蓄積された電荷により表される信号について、センスラインの結線に沿って電荷加算を行い、センスライン毎にアナログ積分器6で読み出す。アナログ積分器6からの出力には、
Figure 0005575996
(この回路の場合、G=−1/Cint)
が表れるので、このアナログ積分器6からの出力をサンプリング信号に基づいてAD変換器8によりAD変換する。
出力系列ベクトルsjiは、
Figure 0005575996
となり、
Figure 0005575996
符号系列diと出力系列ベクトルsjとの内積演算di・sjを行うと、
Figure 0005575996
上記(式1)及び上記(式2)を比較すると、本実施の形態の方式により、従来の走査読み出し方式よりもN倍大きい検出信号が得られることがわかる。
センスラインの読み出し方式としては、図1及び図2に示されるアナログ積分器6(積分容量Cintを用いたオペアンプによる電荷積分器)を使用すると、上記ゲインGは、(1/Cint)となる。
このように、集積回路3の駆動部4は、第1の静電容量列Cip(pは1以上(L−1)以下、i=1、…、M)、及び第2の静電容量列Ciq(p<q、qは2以上L以下、i=1、…、M)のそれぞれに対して、各要素が+1または−1によって構成される長さNの直交する符号系列di=(di1、di2、…、diN)(i=1、…、M)に基づいて、符号系列が前記+1の場合は+Vボルト、−1の場合は−Vボルトを印加するようにM本のドライブラインを並列に駆動する。そして、第1の静電容量列からの出力sFirst=(sp1、sp2、…、spN)、及び、第2の静電容量列からの出力sSecond=(sq1、sq2、…、sqN)を出力させる。
そして、上記第1の静電容量列からの出力sFirst=(sp1、sp2、…、spN)は、対応して設けられたアナログ積分器6によって積分され、第2の静電容量列からの出力sSecond=(sq1、sq2、…、sqN)は、対応して設けられたアナログ積分器6によって積分される。スイッチ7は、各センスラインSL1〜SLLに対応するアナログ積分器6を順次切り換えて、各アナログ積分器6により積分された静電容量列からの出力をAD変換器8に供給する。
具体的には、まず、第1の静電容量列から出力sp1がアナログ積分器6に読み出されて積分されると同時に第2の静電容量列から出力sq1が他のアナログ積分器6に読み出されて積分される。そして、スイッチ7は、アナログ積分器6に接続し、読み出されて積分された出力sp1をADC8に供給する。次に、スイッチ7は、アナログ積分器6との接続を解除して他のアナログ積分器6に接続し、読み出されて積分された出力sq1をADC8に供給する。その後、第1の静電容量列から出力sp2がアナログ積分器6に読み出されて積分されると同時に第2の静電容量列から出力sq2が他のアナログ積分器6に読み出されて積分される。そして、スイッチ7は、アナログ積分器6に接続し、読み出されて積分された出力sp2をADC8に供給する。次に、スイッチ7は、アナログ積分器6との接続を解除して他のアナログ積分器6に接続し、読み出されて積分された出力sq2をADC8に供給する。このようにして、出力spN、出力sqNまでがアナログ積分器6及びスイッチ7により順番にADC8に供給される。また、ドライブラインの駆動に合わせて全センスラインのアナログ積分器6が並列に動作する。
AD変換器8は、アナログ積分器6により積分された静電容量列からの出力をAD変換して内積演算部9に供給する。
内積演算部9は、出力sFirstと符号系列diとの内積演算に基づいて、RAM10に格納されたデータを参照しながら、k1番目(1≦k1<M)のドライブラインに対応する第1の静電容量列の容量値を推定し、出力sSecondと符号系列diとの内積演算に基づいて、k2番目(k1<k2、1<k1≦M)のドライブラインに対応する第2の静電容量列の容量値を推定する。
アプリケーション処理部11は、内積演算部9により推定された静電容量の容量値に基づいて、ジェスチャー認識処理を実行し、ジェスチャーコマンドを生成する。
(符号系列の具体例)
図5は、タッチセンサパネルに入力される直交する符号系列の具体例を説明するための図である。長さNの直交する符号系列diの具体例としては、例えば、下記に示す符号系列を挙げることができる。
代表的な直交する符号系列であるアダマール(Hadamard)行列は、図5に示されるシルベスター(sylvester)法によって生成される。基本的な構造として、2行×2列の基本単位を作る。この基本単位の右上、左上、及び左下のビットは同一であり、右下はこれらのビット反転となっている。
次に、前述した2×2の基本要素を、右上、左上、右下、及び左下にブロックとして4つ合成して、4行×4列のビット配列の符号を作る。ここで、2×2の基本単位の作成と同様に、右下のブロックはビット反転となる。同様な手順で、8行×8列、16行×16列のビット配列の符号を生成する。これらの行列は、前述した本発明の「直交する」の定義を満足する。
本実施の形態において、例えば、タッチセンサパネル2のドライブラインが16本で構成されていれば、図5に示す16行×16列のビット配列の符号を直交する符号系列として使用することができる。ここで、アダマール(Hadamard)行列とは、要素が1または−1のいずれかであり、かつ各行が互いに直交であるような正方行列をいう。すなわち、アダマール行列の任意の2つの行は、互いに垂直なベクトルを表す。
本実施の形態に係る直交する符号系列は、N次のアダマール行列から任意にM行取り出した行列を使用することができる(ここで、M≦Nである)。以下に述べるように、シルベスター法以外の方法によるアダマール行列も本発明に適用することができる。
図6は直交する符号系列の他の具体例を説明するための図であり、図7は直交する符号系列のさらに他の具体例を説明するための図である。シルベスター法によるN次のアダマール行列は、N=2のべき乗になるが、Nが4の倍数であれば、アダマール行列は存在するという予想が存在し、例えば、図6には、N=12のときのアダマール行列が示されており、図7には、N=20のときのアダマール行列が示されている。これらのシルベスター法以外の方法によるアダマール行列も、本実施の形態に係る直交する符号系列として使用することができる。
(内積演算の実際)
内積マトリックスC’ij=di・sjの計算は次の手順で行う。
(1)まず、推定部5のRAM10(図2)に格納された内積マトリックスをC’ij=0にリセットする。
(2)時刻tk(k=1、…、Nのいずれか)のタイミングでi番目(i=1、…、M)のドライブラインDLiを電圧V×dikで並列に駆動し、各静電容量に電荷Cij×V×dikを充電する。
(3)各センスラインj(j=1、…、L)を対応するアナログ積分器6に接続し、時刻tkで充電した静電容量からの出力電圧sjkを読み出し、各L本のセンスラインに対応して配置されたL個アナログ積分器6にそれぞれ読み出された時刻tkにおけるL個の出力電圧sjkを、スイッチ7により順番にAD変換器8に供給してAD変換し、AD変換器8によりAD変換された時刻tkにおける出力電圧sjkを内積演算部9に供給する。内積演算部9に供給された時刻tkにおける出力電圧sjkは、
Figure 0005575996
となる。
(4)内積演算部9は、AD変換器8から出力されたL個の出力電圧sjkのそれぞれと、RAM10に格納された符号系列dikに応じて加減算を行い(符号系列dik=1のときは加算し、dik=−1のときは減算する)、その結果に基づいてC’ijの値を更新する。
Figure 0005575996
(5)符号系列の長さに相当するN回の処理が回るまでは、時刻をインクリメント(tk+1)し、(1)に戻る。
以上の処理が終わると、C’ijの値は、内積の計算結果となる。
本実施の形態に係るタッチセンサパネル2のドライブラインの本数M、センスラインの本数L、及び符号系列の長さNは、例えば、4インチクラスの携帯情報端末等に適用する場合は、M=16、L=32とすれば、3mmピッチ程度になる。また、例えば、20インチクラスの画面を有する電子機器に適用する場合は、M=48、L=80により、6mmピッチ程度になる。符号系列の長さNの自由度は、非常に高いが、例えば、N=64〜512である。
(駆動概念の先行技術との差異)
前述した特許文献2に記載の容量検出装置も、符号系列に基づいてドライブラインを駆動し、センスラインに接続され、駆動されたドライブラインとの複数の交差部の容量に生じる電流の総和を電気信号に変換した測定電圧を出力し、センスラインごとに、測定電圧と符号系列とにより積和演算を行い、各交差部の容量に対応する電圧値を求めている。しかしながら、ドライブラインの駆動概念が、下記のように、本実施の形態とは異なる。
例えば、説明の簡単化のために、1本のセンスラインと4本のドライブラインとの間に、容量(C1、C2、C3、C4)が形成されている例を考える。4本のドライブラインの駆動信号(符号系列)が、(1、1、−1、−1)であるとすると(特許文献2の表記では(1、1、0、0))、本実施の形態では、常に全ドライブラインが駆動され、
C1+C2−C3−C4 …(式3)
に相当する積分出力を得るが、特許文献2に開示された構成では、「1」に対応するドライブラインのみが駆動され、
C1+C2 …(式4)
に相当する積分出力を得る。本実施の形態の(式3)と特許文献2の(式4)とを比較すると、本実施の形態の積分出力の方が含まれる情報量が多いといえる。
また、
Ci=C+ΔCi
ΔCi:容量の変化(ΔCiは通常、Cの1割程度である)
と表すと、
(式3)=C1+C2−C3−C4
=ΔC1+ΔC2−ΔC3−ΔC4
≒0.2×C …(式5)
(式4)=2×C+ΔC1+ΔC2
≒2×C …(式6)
となる。
タッチセンサーパネル等では、ΔCiはCの一割程度であるので、(式6)の値は、(式5)の値の10倍程度になる。即ち、特許文献2の(式6)を実現する積分回路は、(式5)を実現する本実施の形態の積分回路に比べてゲインを1/10程度に設定せざるを得ず、信号のSN比が劣る。このSN比の違いは、ドライブラインの数Mが増加すると、さらに大きくなる。
常に全ドライブラインを並列に駆動している本実施の形態は、測定電圧のオフセット誤差をキャンセルするために、符号系列に基づいて第1のドライブライン(C1、C2)と第2のドライブライン(C3、C4)とに振り分けて駆動している特許文献2に記載の容量検出回路と異なっている。本実施の形態では、リセットスイッチのフィールドスルーによるオフセットは、ドライブラインに信号を入力しない状態(電圧Vrefで駆動している状態)におけるAD変換器の出力によって計測することができるので、この計測値をデジタル回路において減算すれば、オフセット誤差をキャンセルすることができる。
(正負演算の先行技術との差異)
本実施の形態では、符号系列の値に応じて、+1の場合は+Vボルト、−1の場合は−VボルトになるようにM本のドライブラインを並列に駆動し、(式3)に相当する値を一挙に演算する。これに対して特許文献2に記載の構成では、(式4)のC1+C2を演算し、その後、C3+C4に相当する演算を行う。このように特許文献2に記載の構成では、演算が2相になるため、消費電力を抑えた高速化に不利である。
また、本実施の形態は、符号系列の値が−1の場合は−Vボルトになるようにドライブラインを駆動するが、特許文献2に記載の構成は、ドライブラインを+Vボルトに駆動するのみであり、−Vボルトに駆動する概念が無い点で相異する。
(推定部5の他の構成)
本実施の形態においては、L本のセンスラインにそれぞれ対応するアナログ積分器6を配置し、スイッチ7によりこれらのアナログ積分器6を切り換え、AD変換器8及び内積演算部9を一個ずつ配置した構成の例を示したが、本発明はこれに限定されない。アナログ積分器6を1個設け、このアナログ積分器6の入力切り換えによってセンスライン毎の読み出しを行うように構成してもよい。
また、AD変換器8を、センスライン及びアナログ積分器毎に設け、スイッチ7をAD変換器8と及び内積演算部9との間に設けるように構成してもよい。
(他の実施形態の構成)
本実施の形態においては、ドライブラインとセンスラインとの間に形成される静電容量の容量値を検出する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ドライブラインとセンスラインとの間に形成される線形素子の値を推定する構成に対しても本発明を適用することができるし、また、M個の入力xk(k=1、…、M)を有して入出力が線形な系のk番目の入力xkに対応する係数Ckを推定する構成に対しても本発明を適用することができる。
また、本実施の形態に記載したタッチセンサシステム1と、タッチセンサシステム1に設けられたタッチセンサパネル2に重ねて配置された表示パネルとを備えた電子機器を構成してもよいし、また、タッチセンサシステム1と、タッチセンサパネル2を内蔵してタッチセンサパネル2の機能を有する表示パネルとを備えた電子機器を構成してもよい。
(実施の形態2)
(2種類電圧によるタッチセンサパネルの駆動方法)
図8は、実施の形態2に係るタッチセンサシステムに設けられたタッチセンサパネルの駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
図4を参照して前述した実施の形態1に係るタッチセンサパネルの駆動方法では、Vref、(Vref+V)、及び(Vref−V)の3種類の電圧によりタッチセンサパネルを駆動したが、実施の形態2の駆動方法では2種類の電圧V1・V2により駆動する。
即ち、符号系列が+1の場合は、アナログ積分器6(図1)のリセット時に電圧V1により、各静電容量が結合されたセンスラインからの出力のサンプリング時に電圧V2によりドライブラインを駆動する。そして、符号系列が−1の場合は、アナログ積分器6のリセット時に電圧V2により、各静電容量が結合されたセンスラインからの出力のサンプリング時に電圧V1によりドライブラインを駆動する。
具体的には、図8に示す例では、ドライブラインDL1は、符号系列の対応する要素d11=+1、d12=+1であるので、アナログ積分器6のリセット時に電圧V1により駆動された後、サンプリング時に電圧V2により駆動され、次のリセット時に電圧V1により駆動された後、次のサンプリング時に電圧V2により駆動される。ドライブラインDL2は、符号系列の対応する要素d21=+1、d22=−1であるので、アナログ積分器6のリセット時に電圧V1により駆動された後、サンプリング時に電圧V2により駆動され、次のリセット時に電圧V2により駆動された後、次のサンプリング時に電圧V1により駆動される。
ドライブラインDL3は、符号系列の対応する要素d31=−1、d32=−1であるので、アナログ積分器6のリセット時に電圧V2により駆動された後、サンプリング時に電圧V1により駆動され、次のリセット時に電圧V2により駆動された後、次のサンプリング時に電圧V1により駆動される。ドライブラインDL4は、符号系列の対応する要素d41=−1、d42=+1であるので、アナログ積分器6のリセット時に電圧V2により駆動された後、サンプリング時に電圧V1により駆動され、次のリセット時に電圧V1により駆動された後、次のサンプリング時に電圧V2により駆動される。ドライブラインDLMは、符号系列の対応する要素dM1=−1、dM2=+1であるので、アナログ積分器6のリセット時に電圧V2により駆動された後、サンプリング時に電圧V1により駆動され、次のリセット時に電圧V1により駆動された後、次のサンプリング時に電圧V2により駆動される。
ここで、V1=Vdd、V2=Vss
とすると、出力は、
(Cf/Cint)×(V1−V2)=(Cf/Cint)×(Vdd−Vss)
となり、
図4を参照して前述した実施の形態1に係るタッチセンサパネルの駆動方法において、
Vref=(Vdd−Vss)/2、
とおいた場合、
Vdd=Vref+V、
Vss=Vref−V、
であるから、
V=(Vdd−Vss)/2
となり、図8に示す例の半分の出力になる。従って、図8に示す実施の形態2の駆動方法によれば、図4の実施の形態1の駆動方法の2倍の信号強度を得ることができ、静電容量に蓄積される電荷を2倍にすることができる。
(オフセット読み出し)
図9は、実施の形態2に係るタッチセンサシステムに設けられたタッチセンサパネルの駆動方法を説明するための他のタイミングチャートである。
図4または図8に示した態様によりドライブラインDL1〜DLMを並列駆動する前に、図9に示すように、リセット時もサンプリング時も一定電圧VrefによりドライブラインDL1〜DLMを駆動して、ドライブラインに信号を入れない状態にし、アナログ積分器6(図1及び図2)からオフセット出力値を読み出す。そして、アナログ積分器6から読み出したオフセット出力値をADC8によりAD変換する。次に、ADC8によりAD変換されたオフセット出力値を内積演算部9により計測し、このオフセット出力値をセンスラインSL1〜SLLごとにRAM10に格納する。
(オフセット補償方法)
その後、図4または図8に示した態様によりドライブラインDL1〜DLMを並列駆動して、静電容量列からの出力をアナログ積分器6に出力する。そして、ADC8は、アナログ積分器6に出力された静電容量列からの出力をAD変換して内積演算部9に供給する。次に、内積演算部9は、ADC8により供給された静電容量列からの出力から、RAM10に格納されたオフセット出力値をセンスラインSL1〜SLLごとに減算して、アナログ積分器6に設けられたリセットスイッチのフィードスルーによるオフセットをキャンセルする。
なお、リセット時もサンプリング時も一定電圧VrefによりドライブラインDL1〜DLMを駆動して、アナログ積分器6からオフセット出力値を読み出し、ADC8によりAD変換したオフセット出力値を内積演算部9により計測する動作を複数回繰り返して複数個のオフセット出力値を計測し、この複数個のオフセット出力値を平均化することによりオフセットに含まれるノイズ成分を削減した平均オフセット出力値をRAM10に格納するように構成してもよい。複数回の繰り返し回数は、例えば、60Hzの場合、16回であり、240Hzの場合、100回に設定され得る。
(実施の形態3)
(アナログ積分器のゲイン切り替え)
図10は、実施の形態3に係るタッチセンサパネルの駆動方法を説明するための図である。実施の形態1で前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明は繰り返さない。
タッチセンサパネル2が4本のドライブラインDl1〜DL4と4本のセンスラインSL1〜SL4とを有しており、符号系列が、シルベスター法によって生成される4次のアダマール行列により構成される例を説明する。
アナログ積分器6Aは、一方の入力が基準電圧Vrefに結合されたオペアンプと、このオペアンプの出力と他方の入力との間に配置された容量Cintの積分容量と、この積分容量に対してそれぞれ並列に接続された3個の他の積分容量と、3個の他の積分容量のそれぞれとオペアンプの出力との間にそれぞれ設けられた3個のスイッチとを有している。
シルベスター法によって生成される4次のアダマール行列からなる符号系列の各要素の列方向に沿った総和は、1列目が「4」であり、2列目〜4列目が「0」である。従って、この符号系列の1列目の各要素によりドライブラインを駆動するときに、静電容量列からの出力の値は、2列目〜4列目により駆動する場合に比べて著しく大きくなってアナログ積分器6Aの容量を超え、アナログ積分器6Aが飽和するおそれがある。
そこで、符号系列の各要素の列方向に沿った総和がアナログ積分器6Aが飽和する程度に大きい列により、ドライブラインを駆動するときは、アナログ積分器6Aの飽和を防止するように、アナログ積分器6Aに設けられたスイッチをオフからオンに切り替える。
シルベスター法によって生成されるアダマール行列は、1列目の要素が必ずすべて+1となり、列の要素の総和が他の列の総和よりも著しく大きくなり、アナログ積分器6Aが飽和するおそれが生じるが、上記のようにアナログ積分器6Aに設けられたスイッチをオフからオンに切り替えて、アナログ積分器6Aのゲインを切り替えることにより、アナログ積分器の飽和を防止することができる。
以上のように実施の形態3によれば、符号系列の列方向に沿った各要素の総和の絶対値に応じて、アナログ積分器のゲインを切り替えるので、アナログ積分器の飽和を防止することができる。
(アナログ積分器ゲイン切り替えの内積演算部ゲイン切り替えによる補償)
内積演算部9は、ゲインを切り替え可能なアナログ積分器6Aに出力された静電容量列からの出力をADC8によりAD変換したデジタル値と符号系列との内積演算に基づいて、各ドライブラインに対応する静電容量列の容量値を推定する。ここで、内積演算部9は、符号系列の列方向に沿った各要素の総和の絶対値に応じて、デジタル値の重み付けを切り替えて、アナログ積分器6Aのゲインとデジタル値の重み付けによるゲインとの積が、符号系列の各列ごとに一定にする。
(実施の形態4)
(内積計算の複数駆動による分割)
図11(a)及び(b)は実施の形態4に係るタッチセンサパネルを駆動するための符号系列を説明するための図である。
図11(a)には、シルベスター法によって生成される4次のアダマール行列により構成される符号系列が示されている。この符号系列は、図10に示される符号系列と同様に、各要素の列方向に沿った総和は、1列目が「4」であり、2列目〜4列目が「0」である。従って、この符号系列の1列目の各要素によりドライブラインを駆動するときに、静電容量列からの出力の値は、2列目〜4列目により駆動する場合に比べて著しく大きくなってアナログ積分器6Aの容量を超え、アナログ積分器6Aが飽和するおそれがある。
そこで、図11(b)に示すように、符号系列の1列目の(1、1、1、1)を、(1、1、0、0)によって表される列と、(0、0、1、1)によって表される列との2列に分割することにより、4本のドライブラインの駆動を4回から5回にし、各要素の列方向に沿った総和「4」を「2」と「2」とに分割して、列方向に沿った総和の最大値を「4」がら「2」に低減して、アナログ積分器の飽和を防止する。
実施の形態4では、シルベスター法によって生成される4次のアダマール行列により構成される符号系列の例を示したが、本発明はこれに限定されない。4次以外の2次のアダマール行列により構成される符号系列に対して本発明を適用できるし、シルベスター法以外の方法により生成される任意の次数のアダマール行列により構成される符号系列に対しても本発明を適用することができる。
(実施の形態5)
(三角山型駆動方法)
図12は、実施の形態5に係るタッチセンサパネルを駆動するための符号系列を説明するための図である。
実施の形態5に係るタッチセンサパネルは、M本のドライブラインとL本のセンスラインとの間に形成される静電容量列のそれぞれに対して、シルベスター法によって生成される2次(M<2)のアダマール行列の各行に相当する+1または−1によって構成されて互いに直交する符号長N>Mの符号系列に基づいて、M本のドライブラインを並列に駆動する。図12には、16次のアダマール行列に基づくM(=13)本のドライブラインに対応した13行×16列の符号系列の例を示している。
図13は、タッチセンサパネルを駆動する方法を示すグラフである。横軸は、図12に示すN=16のアダマール行列の列方向に沿った位置を示している。縦軸は、このN=16のアダマール行列の列方向に沿った各要素の総和の絶対値を示している。
N=16のアダマール行列の第1列目は、要素がすべて1であるので、列方向に沿った位置(横軸)と列方向に沿った各要素の総和の絶対値(縦軸)との関係は、線形的に単調増加する線L1により表される。
N=16のアダマール行列の第9列目((2(4−1)+1)列目)は、第1行から第8行までがすべて1であり、第9行から第16行までがすべて−1であるので、列方向に沿った位置(横軸)と列方向に沿った各要素の総和の絶対値(縦軸)との関係は、線形的に単調増加した後、線形的に単調減少して底辺長さ16、高さ8の三角山型形状を形成する線L2によって表される。
N=16のアダマール行列の第5列目((24−1−24−2+1)列目)は、第1行から第4行までがすべて1であり、第5行から第8行までがすべて−1であり、第9行から第12行までがすべて1であり、第13行から第16行までがすべて−1である。従って、列方向に沿った位置(横軸)と列方向に沿った各要素の総和の絶対値(縦軸)との関係は、底辺長さ8、高さ4の三角山型形状を2個形成する線L3によって表される。第13列目((24−1+24−2+1)列目)も、第1行から第4行までがすべて1であり、第5行から第8行までがすべて−1であり、第9行から第12行までがすべて−1であり、第13行から第16行までがすべて1であるので、同様に、三角山型形状を2個形成する線L3によって表される。
第3列、第7列、第11列、及び第15列は、底辺長さ4、高さ2の三角山型形状を4個形成する線L4によって表される。第2列、第4列、第6列、第8列、第10列、第12列、第14列、及び第16列は、底辺の長さ2、高さ1の三角山型形状を8個形成する線L5により表される。
ここで、閾値Numを、符号系列の列方向に沿った各要素の総和の絶対値がこれを超えると、アナログ積分器6(図1)が飽和する値であるとする。図12及び図13に示す例では、Num=3であるとする。そして、ドライブライン数M=13であるとする。
線L5に対応する第2列、第4列、第6列、第8列、第10列、第12列、第14列、及び第16列、並びに、線L4に対応する第3列、第7列、第11列、及び第15列は、図13に示すように、いずれも、閾値Num=3を超えないので、M=13本のドライブラインを同時駆動しても、アナログ積分器6は飽和しない。
線L1に対応する第1列は、閾値Num=3を超えるので、閾値Num=3に基づいて、ドライブラインの1番目から順番に3本のドライブラインずつ4回駆動した後、ドライブラインDL13を駆動するように第1列を分割して駆動すると、アナログ積分器6は飽和しない。
一般的には、ドライブラインの1番目からNum×[M/Num]番目までをNum個ずつ駆動することを[M/Num]回繰り返した後、残りの(M/Num)の余りの個数を並列駆動する。ここで、[x]:xの整数部であり、後述する説明においても同様である。
線L2に対応する第9列は、閾値Num=3を超える。線L2に対応する第9列は、まず、ドライブラインの第2行目から第13行目までを符号系列の対応箇所により並列に駆動した後、ドライブラインの1行目を駆動する。
一般的には、ドライブラインの(2n−1−(M−2n−1))行目=(2−M)行目に基づく行からM行目までを並列に駆動した後、ドライブラインの1行目から(2n−1−(M−2n−1))行目=(2−M)行目までを、Num個ずつ駆動することを[(2n−1−(M−2n−1)−1)行目に基づく行/Num]回繰り返した後、残りの((2n−1−(M−2n−1)−1)行目に基づく行/Num)の余りの個数を並列駆動する。
実施の形態5で示す例では、n=4、M=13であるから、(2n−1−(M−2n−1))行目=3行目であるが、3行目から13行目までを並列駆動しても、符号系列の列方向の総和は+1であり、閾値Num=3よりも2小さい。従って、2行目から13行目までを並列駆動しても、符号系列の列方向の総和は+2であり、閾値Num=3よりも、まだ小さい。このため、(2n−1−(M−2n−1))行目は3行目であるが、閾値Numの値を考慮し、(2n−1−(M−2n−1))行目=3行目に基づく行として2行目を選択し、2行目から13行目までを並列駆動する。
線L3に対応する第5列及び第13列は、閾値Num=3を超える。線L3に対応する第5列及び第13列は、まず、ドライブラインの1行目から8行目までを同時に並列駆動する。そして、ドライブラインの10行目から13行目までを駆動する。次に、ドライブラインの9本目を駆動する。
一般的には、まず、ドライブラインの1行目から(2n−1)行目までを同時並列に駆動する。そして、ドライブラインの((2n−1+2n−2)−(M−(2n−1+2n−2)))行目に基づく行からM行目までを並列に駆動する。次に、ドライブラインの(2n−1+1)行目から((((2n−1+2n−2)−(M−(2n−1+2n−2)))に基づく行)−1)行目までを、Num個ずつ駆動することを[((((2n−1+2n−2)−(M−(2n−1+2n−2)))に基づく行))−(2n−1+1)/Num]回繰り返した後、残りの(((((2n−1+2n−2)−(M−(2n−1+2n−2)))に基づく行))−(2n−1+1)/Num)の余りの個数を並列駆動する。
実施の形態5で示す例では、n=4、M=13であるから、((2n−1+2n−2)−(M−(2n−1+2n−2)))行目=11行目であるが、11行目から13行目までを並列駆動しても、符号系列の列方向の総和は+1であり、閾値Num=3よりも2小さい。従って、10行目から13行目までを並列駆動しても、符号系列の列方向の総和は+2であり、閾値Num=3よりも、まだ小さい。このため、((2n−1+2n−2)−(M−(2n−1+2n−2)))行目=11行目であるが、閾値Numの値を考慮し、((2n−1+2n−2)−(M−(2n−1+2n−2)))行目=11行目に基づく行として10行目を選択し、10行目から13行目までを並列駆動する。
次に、ドライブライン数Mが12以下の場合のタッチセンサパネル駆動方法を説明する。まず、8<M≦12の場合を説明する。線L1及び線L2の駆動方法は、前述した駆動方法と同じである。線L3の場合は、まず、ドライブラインの1行目から(2n−1)行目までを同時並列に駆動する。そして、ドライブラインの(2n−1)+1行目から(2n−1)+Num×[(M−(2n−1))/Num]番目までをNum個ずつ駆動することを[(M−(2n−1))/Num]回繰り返した後、残りの((M−(2n−1))/Num)の余りの個数を並列駆動する。
次に、4<M≦8の場合を説明する。線L1の駆動方法は、前述した線L1の駆動方法と同じである。線L2の駆動方法は、前述した線L1の駆動方法と同じである。線L3の駆動方法は、前述したドライブライン数M=13の場合の線L2の駆動方法と同じである。
M≦4の場合は、線L1の駆動方法は前述した線L1の駆動方法と同じであり、線L2及び線L3の駆動方法も、前述した線L1の駆動方法と同じである。
ここで、閾値Num=1となった場合のタッチセンサパネル駆動方法を説明する。ドライブライン数M=13とする。線L1、線L2、及び線L3の駆動方法は、前述した閾値Num=3の場合の駆動方法と同じである。線L4の場合は、まず、ドライブラインの1行目から(2n−1+2n−2)行目までを同時並列に駆動する。そして、ドライブラインの(2n−1+2n−2)+1番目から(2n−1+2n−2)+Num×[(M−(2n−1+2n−2))/Num]番目までをNum個ずつ駆動することを[(M−(2n−1+2n−2))/Num]回繰り返した後、残りの((M−(2n−1+2n−2))/Num)の余りの個数を並列駆動する。
次(M<2)のアダマール行列の次数が増大して、n>4となったときも前述した駆動方法と同様の方法により駆動すればよい。
なお、符号系列の列方向に沿った位置と、列方向に沿った各要素の総和の絶対値との関係が図13に示す関係になっていない場合でも、符号系列の行の順番を入れ替えることにより、符号系列の列方向に沿った位置と、列方向に沿った各要素の総和の絶対値とが図13に示す関係を有するシルベスター法によって生成される2次(M<2)のアダマール行列とすることができるときは、当該符号系列の行の順番を入れ替えて、上記駆動方法を実施するように構成してもよい。
なお、前述した実施の形態1〜5では、直交符号系列によりドライブラインを並列に駆動する例を示したが、本発明はこれに限定されない。M系列に基づく符号系列によりドライブラインを駆動してもよい。
図14の(a)は、実施の形態に係るM系列に基づく符号系列を説明するための図である。M系列に基づく符号系列d=(d11、d12、…、d1N)、d=(d21、d22、…、d2N)、…、dM=(dM1、dM2、…、dMN)は、1番目からM番目までのドライブラインを並列駆動し、それぞれ、1または−1の要素を有しているものとし、M系列に基づく符号系列d、d、…、dMは、長さN(=2−1)のM系列を巡回シフトした系列とすると、図14の(式8)に示す条件を満足する。
「M系列」は、二進擬似乱数列の一種であり、1と−1(または1と0)の2値のみから構成される。M系列の1周期の長さは、2−1である。長さ=2−1=7のM系列の例としては、「1、−1、−1、1、1、1、−1」が挙げられる。長さ=2−1=15のM系列の例としては、「1、−1、−1、−1、1、1、1、1、−1、1、−1、1、1、−1、−1」が挙げられる。
図14の(b)は、M系列に基づく符号系列の具体例を示す図である。M系列に基づく符号系列MCSは、13行×15列の符号系列である。符号系列MCSの1行目は、長さ=15のM系列「1、−1、−1、−1、1、1、1、1、−1、1、−1、1、1、−1、−1」である。符号系列MCSの2行目は、1行目のM系列を左に1桁巡回シフトしたM系列であり、符号系列MCSの3行目は、2行目のM系列を左に1桁巡回シフトしたM系列である。以下同様に、符号系列MCSのk行目は、k−1行目のM系列を左に1桁巡回シフトしたM系列である(2≦k≦13)。
(実施の形態6)
(タッチセンサシステムを搭載した電子機器)
図15は、タッチセンサシステム1を搭載した携帯電話機12の構成を示す機能ブロック図である。携帯電話機(電子機器)12は、CPU15と、RAM17と、ROM16と、カメラ21と、マイクロフォン18と、スピーカ19と、操作キー20と、表示パネル13と、表示制御回路14と、タッチセンサシステム1とを備えている。各構成要素は、相互にデータバスによって接続されている。
CPU15は、携帯電話機12の動作を制御する。CPU15は、たとえばROM16に格納されたプログラムを実行する。操作キー20は、携帯電話機12のユーザによる指示の入力を受ける。RAM17は、CPU15によるプログラムの実行により生成されたデータ、または操作キー20を介して入力されたデータを揮発的に格納する。ROM16は、データを不揮発的に格納する。
また、ROM16は、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)やフラッシュメモリなどの書込みおよび消去が可能なROMである。なお、図14には示していないが、携帯電話機12が、他の電子機器に有線により接続するためのインターフェイス(IF)を備える構成としてもよい。
カメラ21は、ユーザの操作キー20の操作に応じて、被写体を撮影する。なお、撮影された被写体の画像データは、RAM17や外部メモリ(たとえば、メモリカード)に格納される。マイクロフォン18は、ユーザの音声の入力を受付ける。携帯電話機12は、当該入力された音声(アナログデータ)をデジタル化する。そして、携帯電話機12は、通信相手(たとえば、他の携帯電話機)にデジタル化した音声を送る。スピーカ19は、たとえば、RAM17に記憶された音楽データなどに基づく音を出力する。
タッチセンサシステム1は、タッチセンサパネル2と集積回路3とを有している。CPU15は、タッチセンサシステム1の動作を制御する。CPU15は、例えばROM16に記憶されたプログラムを実行する。RAM17は、CPU15によるプログラムの実行により生成されたデータを揮発的に格納する。ROM16は、データを不揮発的に格納する。
表示パネル13は、表示制御回路14により、ROM16、RAM17に格納されている画像を表示する。表示パネル13は、タッチセンサパネル2に重ねられているか、タッチセンサパネル2を内蔵している。
(実施の形態7)
まず、静電容量型タッチセンサパネル102を備えたタッチセンサシステム101の全体構成を説明し、その後、タッチセンサパネル102の構成を説明する。
(タッチセンサシステム101の全体構成)
図16は、実施の形態7に係るタッチセンサシステム101の構成を示すブロック図である。タッチセンサシステム101は、タッチセンサパネル102と静電容量値分布検出回路122とを備えている。タッチセンサパネル102には、水平方向に沿って互いに平行に配置された複数の水平電極107(図17・図19)と、垂直方向に沿って互いに平行に配置された垂直電極106(図17・図18)と、水平電極107と垂直電極106との交点にそれぞれ形成される静電容量とを備えている。
複数の水平電極107はアドレスラインHL1〜HLMにそれぞれ接続され、複数の垂直電極106はアドレスラインVL1〜VLMにそれぞれ接続されている。
静電容量値分布検出回路122は、駆動部116を備えている。駆動部116は、符号系列に基づいてアドレスラインHL1〜HLMを介して複数の水平電極107に電圧を印加して各静電容量を駆動する。静電容量値分布検出回路122には、センスアンプ117が設けられている。センスアンプ117は、駆動部116により駆動された各静電容量に対応する電荷の線形和を、複数の垂直電極106及びアドレスラインVL1〜VLMを通して読み出して、AD変換器119に供給する。AD変換器119は、アドレスラインVL1〜VLMを通して読み出した各静電容量に対応する電荷の線形和をAD変換して容量分布計算部120に供給する。
なお、本発明の実施の形態では、水平電極に電圧を印加して駆動し、垂直電極から電圧信号を読み出す例を示すが、本発明はこれに限定されない。垂直電極に電圧を印加して駆動し、水平電極から電圧信号を読み出すように構成してもよい。
容量分布計算部120は、実施の形態1〜5と同様に、AD変換器119から供給された各静電容量に対応する電荷の線形和と符号系列とに基づいて、タッチセンサパネル102上の静電容量分布を計算してタッチ認識部121に供給する。タッチ認識部121は、容量分布計算部120から供給された静電容量分布に基づいて、タッチセンサパネル102上のタッチされた位置を認識する。
静電容量値分布検出回路122は、タイミングジェネレータ118を有している。タイミングジェネレータ118は、駆動部116の動作を規定する信号と、センスアンプ117の動作を規定する信号と、AD変換器119の動作を規定する信号とを生成して、駆動部116、センスアンプ117、及びAD変換器119に供給する。
(タッチセンサパネル102の構成)
図17は、タッチセンサシステム101に設けられたタッチセンサパネル102の構成を説明するための断面図である。タッチセンサパネル102は、基板103(絶縁体)と、基板103の一方の面104(垂直電極面)に形成された複数の垂直電極106と、基板103の他方の面105(水平電極面)に形成された複数の水平電極107とを備えている。
基板103は、絶縁性を有する誘電体基板である。そして、基板103は、複数の垂直電極106と複数の水平電極107との間に配置されて、複数の垂直電極106と複数の水平電極107とを絶縁する。基板103の垂直電極106側には、透明接着剤113が垂直電極106を覆うように形成されている。透明接着剤113の上には、カバーフィルム115が接着されている。基板103の水平電極107側には、透明接着剤114が水平電極107を覆うように形成されている。透明接着剤114には、ディスプレイ112が接着されている。
(垂直電極106の構成)
図18の(a)はタッチセンサパネル102に設けられた垂直電極106を構成する第一の基本形状108を示す図であり、図18の(b)は垂直電極106の構成を示す図である。
垂直電極106は、図17を参照して前述したように、基板103の一方の面104に形成されており、図18の(a)に示す細線で形成された第一の基本形状108を、図18の(b)に示すように垂直方向に繰り返し接続して形成されている。基本形状108は、垂直中心線C1に対して線対称に形成されている。そして、基本形状108は、斜め45度傾斜した細線及び斜めマイナス45度傾斜した細線のみによって構成されている。垂直電極106は、水平方向に所定の間隔を空けて、例えば約7mmピッチで、基板103の一方の面104上(図17)に配置されている。
このように、傾斜した細線によって基本形状108を構成すると、タッチセンサパネル102を重ねた液晶ディスプレイ112に形成された画素を細線が遮蔽してしまうことがないので、モアレの発生を防止することができる。
(水平電極107の構成)
図19の(a)はタッチセンサパネル102に設けられた水平電極107を構成する第二の基本形状109を示す図であり、図19の(b)は水平電極107の構成を示す図である。
水平電極107は、図17を参照して前述したように、基板103の他方の面105に形成されており、図19の(a)に示す細線で形成された第二の基本形状109を、図19の(b)に示すように水平方向に繰り返し接続して形成されている。基本形状109は、垂直中心線C1に対して線対称に形成されている。そして、基本形状109は、基本形状108と同様に、斜め45度に傾斜した細線及び斜めマイナス45度に傾斜した細線のみによって構成されている。水平電極107は、垂直方向に所定の間隔を空けて、例えば約7mmピッチで、基板103の他方の面105上(図17)に配置されている。
垂直電極106及び水平電極107は、例えば、金属薄膜のエッチングにより形成されるか、あるいは、導電性のナノ粒子を含むインクによって印刷形成される。導電性のナノ粒子は、銀、金、白金、パラジウム、銅、カーボン、またはそれらの混合物を含む。
(格子の構成)
図20は、複数の垂直電極106と複数の水平電極107とにより形成された一様な格子110を示す図である。複数の垂直電極106と複数の水平電極107とは、基板103(図17)に垂直な方向から見ると、互いに重なる線分を持たないように配置されている。そして、複数の垂直電極106と複数の水平電極107とは、隙間無く一様に配置された格子110を形成する。格子110の輪郭は、長方形状に形成されている。
垂直電極106を構成する基本図形108及び水平電極107を構成する基本図形109は、線対称に形成されており、複数の垂直電極106と複数の水平電極107とにより構成される格子110は、開口が生じることなく、隙間無く形成されている。このため、図42に示す従来の構成のように、格子の存在しない十字状の開口97が生じ、当該開口97が視認されて視認性が低下するという問題が解消する。また、図42に示す従来の構成では、生じた開口97の周辺では容量変化の態様が開口から離れた場所での容量変化の態様と異なってくるという問題が生じるが、図20に示す実施の形態7の構成では、開口が生じないため、容量変化の態様が基板103全体で一様になるという効果を奏する。
また、図43に示す構成では、垂直電極71は、基本図形74を垂直方向に繰り返して形成した後、基本図形74とは異なる基本図形75を接合して垂直電極71を構成する。そして、水平電極72は、基本図形76を水平方向に繰り返して形成した後、基本図形76とは異なる基本図形77を接合して水平電極72を構成する。このため、垂直電極71と水平電極72とを重ね合わせて格子73を形成すると、図44に示すように、格子73の下辺において基本図形75によるジグザグ形状78が現れ、格子73の左辺において基本図形77によるジグザグ形状79が現れる。このようなジグザグ形状78・79が現れると、水平電極72を駆動するアドレスラインを、ジグザグ形状79を構成する水平電極72にそのまま容易に接合することが困難であり、垂直電極71を駆動するアドレスラインを、ジグザグ形状78を構成する垂直電極71にそのまま容易に接合することが困難であるという問題が生じる。
これに対して図20に示す実施の形態7の構成によれば、格子110は、その輪郭が長方形状に形成されて、ジグザグ形状が現れない。このため、水平電極107を駆動するアドレスラインをそのまま容易に水平電極107に接合することができ、垂直電極106から信号を読み出すためのアドレスラインをそのまま容易に垂直電極106に接合することができる。
さらに、図45の(a)に示す構成では、導電X軸62は、導電Xパッド63と導電Xライン64とを組み合わせた基本形状を垂直方向に繰り返して形成した後、この導電Xパッド63と導電Xライン64とを組み合わせた基本形状とは異なる基本形状である導電Xパッド63aを接合して導電X軸62を構成している。従って、図45の(a)に示す導電X軸62は、基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成されていないから、図18に示す実施の形態1の垂直電極106とは構成が異なる。
そして、図45の(b)に示す導電Y軸67は、導電Yパッド68と導電Yライン69とを組み合わせた基本形状を水平方向に繰り返して形成した後、この導電Yパッド68と導電Yライン69とを組み合わせた基本形状とは異なる基本形状である導電Yパッド68aを接合して導電Y軸67を構成している。従って、図45の(b)に示す導電Y軸67は、基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成されていないから、図19に示す実施の形態1の水平電極7とは構成が異なる。
このように、本願発明の実施の形態では、基本形状を垂直方向または水平方向に繰り返し接続して形成するので、垂直電極、水平電極の設計が容易になり、電極の自動生成や自動修正等が可能になる。また、タッチパネル製造に用いるフォトマスク及びタッチパネル製品の検査を、繰り返し画像処理により行えるため、タッチパネルの製造も容易に行うことができる。
また、図45に示す導電Xパッド63及び導電Yパッド68を、Y軸及びX軸に平行でない斜め方向に延びる細線により構成すると、導電Xライン64はY軸に平行である必要があり、導電Yライン69はX軸に平行である必要があるため、一様な格子を構成することができないという問題が生じる。
実施の形態7に係るタッチセンサパネル102を製造する際、図17に示すように垂直電極106と水平電極107とを同一シート(基板103)の両面に形成する構成と、垂直電極106を形成したシートと水平電極107を形成したシートとを張り合わせる構成とが考えられる。いずれの場合も、位置合わせ精度や張り合わせ精度により、垂直電極106と水平電極107との位置関係が実施の形態7で開示した位置関係から微妙にずれることはありうる。そこで、要求されるタッチ位置検出精度に応じて、タッチパネル製造工程における位置合わせ精度、張り合わせ精度を決める必要がある。
(変形例)
図21の(a)はタッチセンサパネル102に設けられた変形例の垂直電極106aを構成する第一の基本形状108aを示す図であり、図21の(b)は上記変形例の垂直電極106aの構成を示す図である。基本形状108aは、上側の細線の配線経路と下側の細線の配線経路とが、接続点Q1において、細線1本分に絞られて接続されている。そして、基本形状108aは、垂直中心線C1に対して線対称である。
図22の(a)はタッチセンサパネル102に設けられた変形例の水平電極107aを構成する第二の基本形状109aを示す図であり、図22の(b)は上記変形例の水平電極107aの構成を示す図である。基本形状109aは、左側の細線の配線経路と中央の細線の配線経路とが、接続点Q2において、細線1本分に絞られて接続されている。そして、中央の細線の配線経路と右側の細線の配線経路とが、接続点Q3において、細線1本分に絞られて接続されている。また、基本形状109aは、垂直中心線C1に対して線対称である。
図23は、変形例の垂直電極106aと変形例の水平電極107aとにより形成された一様な格子110aを示す図である。図20に示す格子110と同様に、複数の垂直電極106aと複数の水平電極107aとは、基板103(図17)に垂直な方向から見ると、互いに重なる線分を持たないように配置されている。そして、複数の垂直電極106aと複数の水平電極107aとは、隙間無く一様に配置された格子110aを形成する。格子110aの輪郭は、長方形状に形成されている。
図21〜図23に示す垂直電極106a、水平電極107a及び格子110aの構成は、図18〜図20に示す垂直電極106、水平電極107及び格子110の構成と同様の効果を奏する。
図24の(a)は上記変形例の垂直電極106aの第一の基本形状108aに透明電極材料123を埋め込んだ構成を示す図であり、図24の(b)は透明電極材料123を埋め込んだ変形例の垂直電極106aを示す図である。図25の(a)は変形例の水平電極107aの第二の基本形状109aに透明電極材料123を埋め込んだ構成を示す図であり、図25の(b)は透明電極材料123を埋め込んだ変形例の水平電極107aを示す図である。
図24に示すように、第一の基本形状108aからなる垂直電極106aの外郭に沿って透明電極材料123を埋め込むことにより、垂直電極106aの抵抗値をさらに下げることができる。そして、図25に示すように、第二の基本形状109aからなる水平電極107aの外郭にほぼ沿って透明電極材料123を埋め込むことにより、水平電極107aの抵抗値をさらに下げることができる。透明電極材料123は、例えば、ITO膜、または、グラフェンにより構成することができる。
これにより、細線の線幅をさらに細かくすることができ、視認性を下げることができる。細線の線幅が、例えば、0.5mm以上に広いと、タッチパネルを設けた表示装置の画面に視聴者が近づくと、細線が視認される。
図26の(a)は変形例の垂直電極106aにアドレスラインVL1〜VLMを接続した構成を示す図であり、図26の(b)は変形例の水平電極107aにアドレスラインHL1〜HLMを接続した構成を示す図であり、図26の(c)はアドレスラインVL1〜VLM、HL1〜HLMを接続した垂直電極106a及び水平電極107aにより構成される格子110aを示す図である。
垂直電極106a及び水平電極107aにより構成される格子110aは、格子110と同様に、その輪郭が長方形状に形成されて、ジグザグ形状が現れない。このため、水平電極107aを駆動するアドレスラインHL1〜HLMをそのまま容易に水平電極107aに接合することができ、垂直電極106aから信号を読み出すためのアドレスラインVL1〜VLMをそのまま容易に垂直電極106aに接合することができる。
(実施の形態8)
(垂直電極106bの構成)
図27の(a)は実施の形態8に係るタッチパネルに設けられた垂直電極106bを構成する第一の基本形状108bを示す図であり、図27の(b)は垂直電極106bの構成を示す図である。垂直電極106bは、図17を参照して前述したように、基板3の一方の面4に形成されており、細線で形成された第一の基本形状8bを、垂直方向に繰り返し接続して形成されている。基本形状8bは、中心点Pに対して点対称に形成されている。そして、基本形状108bは、斜め45度傾斜した細線及び斜めマイナス45度傾斜した細線のみによって構成されている。垂直電極106bは、水平方向に所定の間隔を空けて、例えば約7mmピッチで、基板103の一方の面104上(図17)に配置されている。
(水平電極107bの構成)
図28の(a)は実施の形態8に係るタッチパネルに設けられた水平電極107bを構成する第二の基本形状109bを示す図であり、図28の(b)は水平電極107bの構成を示す図である。水平電極107bは、図17を参照して前述したように。基板103の他方の面105に形成されており、図28の(a)に示す細線で形成された第二の基本形状109bを、水平方向に繰り返し接続して形成されている。基本形状109bは、中心点Pに対して点対称に形成されている。そして、基本形状109bは、基本形状108bと同様に、斜め45度に傾斜した細線及び斜めマイナス45度に傾斜した細線のみによって構成されている。水平電極107bは、垂直方向に所定の間隔を空けて、例えば約7mmピッチで、基板103の他方の面105上(図17)に配置されている。
(実施の形態9)
(垂直電極106cの構成)
図29の(a)は実施の形態9に係るタッチパネルに設けられた垂直電極106cを構成する第一の基本形状108cを示す図であり、図29の(b)は垂直電極106cの構成を示す図である。垂直電極106cは、図17に示す基板103の一方の面104に形成されており、細線で形成された第一の基本形状108cを、垂直方向に繰り返し接続して形成されている。基本形状108cは、垂直中心線C1に対して線対称に形成されているとともに、水平中心線C2に対しても線対称に形成されている。そして、基本形状108cは、斜め45度傾斜した細線及び斜めマイナス45度傾斜した細線のみによって構成されている。垂直電極106cは、水平方向に所定の間隔を空けて、例えば約7mmピッチで、基板103の一方の面104上(図17)に配置されている。
(水平電極107cの構成)
図30の(a)は実施の形態9に係るタッチパネルに設けられた水平電極7cを構成する第二の基本形状9cを示す図であり、図30の(b)は水平電極107cの構成を示す図である。水平電極107cは、図17に示す基板103の他方の面105に形成されており、細線で形成された第二の基本形状109cを、水平方向に繰り返し接続して形成されている。基本形状109cは、垂直中心線C1に対して線対称に形成されているとともに、水平中心線C2に対しても線対称に形成されている。そして、基本形状109cは、斜め45度に傾斜した細線及び斜めマイナス45度に傾斜した細線のみによって構成されている。水平電極107cは、垂直方向に所定の間隔を空けて、例えば約7mmピッチで、基板103の他方の面105上(図17)に配置されている。
(垂直電極、水平電極を対称に構成する効果)
図43に示す従来の構成では、垂直電極71及び水平電極72とも中心線対称でも無く、中心点対象でも無い。このため、図43に示す電極分布を持つ静電容量型タッチセンサでは、タッチ面積の小さい物体による容量変化に位置による対称性が無い。従って、タッチ位置検出の際に対称な位置補正が行えず、位置検出精度を向上するアルゴリズムが複雑になるという課題が生ずる。これは、演算量、回路規模、メモリ量の増大を招き、消費電力やコストの増大につながる。
これに対して、垂直電極または水平電極を線対称または点対称に構成すると、ペン等のタッチ面積の小さい物体による容量変化に同様な対称性が現れる。この容量変化の対称性を用いることにより、タッチ位置検出の際に対称な位置補正が行え、位置検出精度を向上することができる。
このように、位置検出精度の課題を解消するために、本発明の実施の形態では、細い配線を用いた対称性のあるダイヤモンド形状の構成を利用する。これにより、30インチ以上の大きな静電容量型タッチセンサにおいて、ペン等のタッチ面積の小さい物体による位置検出を高精度で行うことが可能になる。
(実施の形態10)
(垂直電極106dの構成)
図31の(a)は実施の形態10に係るタッチパネルに設けられた垂直電極106dを構成する第一の基本形状108dを示す図であり、図31の(b)は垂直電極106dの構成を示す図である。垂直電極106dは、図21に示した垂直電極106aの格子ピッチを(7/5)倍に変更したものである。基本形状108dは、上側の細線の配線経路と下側の細線の配線経路とが、接続点Q4において、細線1本分に絞られて接続されている。そして、基本形状108dは、垂直中心線C1に対して線対称である。
図32の(a)は実施の形態4に係るタッチパネルに設けられた水平電極107dを構成する第二の基本形状109dを示す図であり、図32の(b)は水平電極107dの構成を示す図である。水平電極107dは、図22に示した水平電極107aの格子ピッチを(7/5)倍に変更したものである。基本形状109dは、左側の細線の配線経路と中央の細線の配線経路とが、接続点Q5において、細線1本分に絞られて接続されている。そして、中央の細線の配線経路と右側の細線の配線経路とが、接続点Q6において、細線1本分に絞られて接続されている。また、基本形状109dは、垂直中心線C1に対して線対称である。
(実施の形態11)
(垂直電極106eの構成)
図33の(a)は実施の形態11に係るタッチパネルに設けられた垂直電極106eを構成する第一の基本形状108eを示す図であり、図33の(b)は垂直電極106eの構成を示す図である。垂直電極106eは、細線で形成された第一の基本形状108eを、垂直方向に繰り返し接続して形成されている。基本形状108eは、垂直中心線C1に対して線対称に形成されている。
そして、基本形状108eは、上側の細線の配線経路と下側の細線の配線経路とが、細線1本分に絞られて接続されている箇所を有さず、常に、少なくとも2箇所の細線部分により垂直方向に接続されている。
(水平電極107eの構成)
図34の(a)は実施の形態11に係るタッチパネルに設けられた水平電極107eを構成する第二の基本形状109eを示す図であり、図34の(b)は水平電極107eの構成を示す図である。水平電極107eは、細線で形成された第二の基本形状109eを、水平方向に繰り返し接続して形成されている。基本形状109eは、垂直中心線C1に対して線対称に形成されている。
そして、基本形状109eは、左側の細線の配線経路と右側の細線の配線経路とが、細線1本分に絞られて接続されている箇所を有さず、常に、少なくとも2箇所の細線部分により水平方向に接続されている。
(格子110eの構成)
図35は、垂直電極106eと水平電極107eにより形成された一様な格子110eを示す図である。複数の垂直電極106eと複数の水平電極107eとは、基板103(図17)に垂直な方向から見ると、互いに重なる線分を持たないように配置されている。そして、複数の垂直電極106eと複数の水平電極107eとは、隙間無く一様に配置された格子110eを形成する。格子110eの輪郭は、長方形状に形成されている。
(垂直電極106fの構成)
図36の(a)は実施の形態11に係るタッチパネルに設けられた他の垂直電極106fを構成する第一の基本形状108fを示す図であり、図36の(b)は上記他の垂直電極106fの構成を示す図である。垂直電極106fは、細線で形成された第一の基本形状108fを、垂直方向に繰り返し接続して形成されている。基本形状108fは、垂直中心線C1に対して線対称に形成されている。
そして、基本形状108fは、基本形状108eと同様、上側の細線の配線経路と下側の細線の配線経路とが、細線1本分に絞られて接続されている箇所を有さず、常に、少なくとも2箇所の細線部分により垂直方向に接続されている。
(水平電極107fの構成)
図37の(a)は実施の形態11に係るタッチパネルに設けられた他の水平電極107fを構成する第二の基本形状109fを示す図であり、図37の(b)は上記他の水平電極107fの構成を示す図である。水平電極107fは、細線で形成された第二の基本形状109fを、水平方向に繰り返し接続して形成されている。基本形状109fは、垂直中心線C1に対して線対称に形成されている。
そして、基本形状109fは、基本形状109eと同様、左側の細線の配線経路と右側の細線の配線経路とが、細線1本分に絞られて接続されている箇所を有さず、常に、少なくとも2箇所の細線部分により水平方向に接続されている。
図43に示す構成に内在するもう一点の問題点として、図43の(a)の垂直電極71、及び図43の(b)の水平電極72とも、配線経路が細線一本分に絞られて接続される部分を持つことが挙げられる。タッチセンサパネルの製造工程において、この細線一本分に絞られている部分が断線すると、電極全体に通電できなくなるため、断線の可能性のある製造工程を用いる場合は、タッチセンサパネルの歩留まりを低下させるという課題が生じる。
これに対して本発明の実施形態では、基本形状108e・108f、基本形状109e・109fは、配線経路が細線1本分に絞られて接続されている箇所を有さず、常に、少なくとも2箇所の細線部分により接続されている。このため、製造工程において1本の細線が切れても、残りの細線により接続が維持され、垂直電極106e・106f、水平電極107e・107fの断線を防止することができるという効果を奏する。
(変形例の第一の基本形状108g・第二の基本形状109gの構成)
図38の(a)は変形例の第一の基本形状108gを示す図であり、図38の(b)は変形例の第二の基本形状109gを示す図である。
基本形状108gは、上側の細線の配線経路と下側の細線の配線経路とが、細線1本分に絞られて接続されている箇所を有さず、常に、少なくとも2箇所の細線部分により垂直方向に接続されている。そして、基本形状108gは、中心点Pに対して点対称に形成されている。
基本形状109gは、左側の細線の配線経路と右側の細線の配線経路とが、細線1本分に絞られて接続されている箇所を有さず、常に、少なくとも2箇所の細線部分により水平方向に接続されている。そして、基本形状109gは、中心点Pに対して点対称に形成されている。
(他の変形例の第一の基本形状108h・第二の基本形状109hの構成)
図39の(a)は他の変形例の第一の基本形状108hを示す図であり、図39の(b)は他の変形例の第二の基本形状109hを示す図である。
基本形状108hは、上側の細線の配線経路と下側の細線の配線経路とが、細線1本分に絞られて接続されている箇所を有さず、常に、少なくとも2箇所の細線部分により垂直方向に接続されている。そして、基本形状108hは、垂直中心線C1及び水平中心線C2に対して線対称に形成されている。
基本形状109hは、左側の細線の配線経路と右側の細線の配線経路とが、細線1本分に絞られて接続されている箇所を有さず、常に、少なくとも2箇所の細線部分により水平方向に接続されている。そして、基本形状109hは、垂直中心線C1及び水平中心線C2に対して線対称に形成されている。
(実施の形態12)
(電子黒板150の構成)
図40は、実施の形態12に係る電子黒板150(情報入出力装置)の外観を示す図である。電子黒板150は、本発明の実施の形態に係るタッチセンサシステム101を備えており、タッチセンサシステム101は、本発明の実施の形態に係るタッチセンサパネル102を有している。タッチセンサパネル102は、例えば約80インチのサイズを有している。
(本発明の他の表現)
上記の課題を解決するために、本発明に係る線形系係数推定方法は、M個の入力Xk(k=1、…、M)を有して入出力が線形な系
Figure 0005575996
に対して、長さNの直交するM個の符号系列di=(di1、di2、…、diN)(i=1、…、M)に基づいて前記M個の入力Xk(k=1、…、M)を入力して、N個の出力s=(s1、s2、…、sN)=(F(d11、d21、…、dM1)、F(d12、d22、…、dM2)、…、F(d1N、d2N、…、dMN))を出力する出力工程と、
前記出力sと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k番目の入力Xkに対応する係数Ckを推定する推定工程とを包含することを特徴とする。
この特徴により、長さNの直交するM個の符号系列di=(di1、di2、…、diN)(i=1、…、M)に基づいて前記M個の入力Xk(k=1、…、M)を入力して、N個の出力s=(s1、s2、…、sN)=(F(d11、d21、…、dM1)、F(d12、d22、…、dM2)、…、F(d1N、d2N、…、dMN))を出力するので、M個の入力にすべて同時に入力して線形系の係数Ckを推定する。従って、従来の構成のように、M個の入力を1個ずつ選択して走査入力する必要が無くなり、入力数Mが増大しても、線形系の係数値を取得するための処理時間は短くならず、検出精度を良好に維持しながら、且つ、解像度も良好で高速動作が可能な線形系係数推定方法を得ることができる。
本発明に係る他の線形系係数推定方法は、M個の入力Xk(k=1、…、M)を有して入出力が線形な第1の系及び第2の系
Figure 0005575996
のそれぞれに対して、長さNの直交するM個の符号系列di=(di1、di2、…、diN)(i=1、…、M)に基づいて前記M個の入力Xk(k=1、…、M)を入力して、前記第1の系からのN個の出力sFirst=(s11、s12、…、s1N)=(F1(d11、d21、…、dM1)、F1(d12、d22、…、dM2)、…、F1(d1N、d2N、…、dMN))、及び、前記第2の系からのN個の出力sSecond=(s21、s22、…、s2N)=(F2(d11、d21、…、dM1)、F2(d12、d22、…、dM2)、…、F2(d1N、d2N、…、dMN))を出力する出力工程と、前記出力sFirstと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k1番目の入力Xkに対応する前記第1の系の係数C1kを推定し、前記出力sSecondと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k2番目の入力Xkに対応する前記第2の系の係数C2kを推定する推定工程とを包含することを特徴とする。
この特徴により、長さNの直交するM個の符号系列di=(di1、di2、…、diN)(i=1、…、M)に基づいて前記M個の入力xk(k=1、…、M)を入力して、前記第1の系からのN個の出力sFirst=(s11、s12、…、s1N)=(F1(d11、d21、…、dM1)、F1(d12、d22、…、dM2)、…、F1(d1N、d2N、…、dMN))、及び、前記第2の系からのN個の出力sSecond=(s21、s22、…、s2N)=(F2(d11、d21、…、dM1)、F2(d12、d22、…、dM2)、…、F2(d1N、d2N、…、dMN))を出力するので、M個の入力にすべて同時に入力して第1の系の係数C1k及び第2の系の係数C2kを推定する。従って、従来の構成のように、M個の入力を1個ずつ選択して走査入力する必要が無くなり、入力数Mが増大しても、第1及び第2の系の係数値を取得するための処理時間は短くならず、検出精度を良好に維持しながら、且つ、解像度も良好で高速動作が可能な線形系係数推定方法を得ることができる。
本発明に係る線形素子列値推定方法は、M本のドライブラインと1本のセンスラインの間に形成される第1の線形素子列C1i(i=1、…、M)、及び、上記M本のドライブラインと他の1本のセンスラインの間に形成される第2の線形素子列C2i(i=1,…,M)のそれぞれに対して、長さNの直交するM個の符号系列di=(di1、di2、…、diN)(i=1、…、M)に基づいて、前記M本のドライブラインを並列に駆動して、前記第1の線形素子列からのN個の出力sFirst=(s11、s12、…、s1N)、及び、前記第2の線形素子列からのN個の出力sSecond=(s21、s22、…、s2N)を出力する出力工程と、前記出力sFirstと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k1番目のドライブラインに対応する前記第1の線形素子列の線形素子の値を推定し、前記出力sSecondと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k2番目のドライブラインに対応する前記第2の線形素子列の線形素子の値を推定する推定工程とを包含することを特徴とする。
この特徴により、長さNの直交するM個の符号系列di=(di1、di2、…、diN)(i=1、…、M)に基づいて、前記M本のドライブラインを並列に駆動して、前記第1の線形素子列からのN個の出力sFirst=(s11、s12、…、s1N)、及び、前記第2の線形素子列からのN個の出力sSecond=(s21、s22、…、s2N)を出力するので、M本のドライブラインにすべて同時に入力して第1の線形素子列の線形素子の値及び第2の線形素子列の線形素子の値を推定する。従って、従来の構成のように、M本のドライブラインを1本ずつ選択して走査入力する必要が無くなり、第1の線形素子列の線形素子の値及び第2の線形素子列の線形素子の値を取得するための処理時間が長くなり、検出精度を良好に維持しながら、且つ、解像度も良好で高速動作が可能な線形系係数推定方法を得ることができる。
本願発明に係る静電容量検出方法は、M本のドライブラインと1本のセンスラインの間に形成される第1の静電容量列C1i(i=1,…,M)、及び、上記M本のドライブラインと他の1本のセンスラインの間に形成される第2の静電容量列C2i(i=1、…、M)のそれぞれに対して、各要素が+1または−1によって構成される長さNの直交する符号系列di=(di1、di2、…、diN)(i=1、…、M)に基づいて、前記符号系列が前記+1の場合は+Vボルト、前記−1の場合は−Vボルトを印加するように前記M本のドライブラインを並列に駆動して、前記第1の静電容量列からの出力sFirst=(s11、s12、…、s1N)、及び、前記第2の静電容量列からの出力sSecond=(s21、s22、…、s2N)を出力する出力工程と、前記出力sFirstと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k1番目のドライブラインに対応する前記第1の静電容量列の容量値を推定し、前記出力sSecondと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k2番目のドライブラインに対応する前記第2の静電容量列の容量値を推定する推定工程とを包含することを特徴とする。
この特徴により、各要素が+1または−1によって構成される長さNの直交する符号系列di=(di1、di2、…、diN)(i=1、…、M)に基づいて、前記符号系列が前記+1の場合は+Vボルト、前記−1の場合は−Vボルトを印加するように前記M本のドライブラインを並列に駆動して、前記第1の静電容量列からの出力sFirst=(s11、s12、…、s1N)、及び、前記第2の静電容量列からの出力sSecond=(s21、s22、…、s2N)を出力するので、M本のドライブラインにすべて同時に入力して、k1番目のドライブラインに対応する前記第1の静電容量列の容量値、及びk2番目のドライブラインに対応する前記第2の静電容量列の容量値を推定する。従って、従来の構成のように、M本のドライブラインを1本ずつ選択して走査入力する必要が無くなり、k1番目のドライブラインに対応する前記第1の静電容量列の容量値、及びk2番目のドライブラインに対応する前記第2の静電容量列の容量値を取得するための処理時間が長くなり、検出精度を良好に維持しながら、且つ、解像度も良好で高速動作が可能な静電容量検出方法を得ることができる。
また、M本の全ドライブラインを、符号系列に応じて+Vボルト又は−Vボルトで並列に駆動するので、符号系列に応じてドライブラインを分割して駆動する特許文献2に記載の構成に比べて、静電容量列からの出力信号に含まれる情報量が多くなり、SN比も良好になる。さらに、2相演算する特許文献2に記載の構成に比べて、演算が一層で済むため、高速化に有利である。
本発明に係る集積回路は、M本のドライブラインと1本のセンスラインの間に形成される第1の静電容量列C1i(i=1,…,M)、及び、上記M本のドライブラインと他の1本のセンスラインの間に形成される第2の静電容量列C2i(i=1,…,M)のそれぞれに対して、各要素が+1または−1によって構成される長さNの直交する符号系列di=(di1、di2、…、diN)(i=1、…、M)に基づいて、前記符号系列が前記+1の場合は+Vボルト、前記−1の場合は−Vボルトを印加するように前記M本のドライブラインを並列に駆動して、前記第1の静電容量列からの出力sFirst=(s11、s12、…、s1N)、及び、前記第2の静電容量列からの出力sSecond=(s21、s22、…、s2N)を出力させる駆動部と、前記出力sFirstと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k1番目のドライブラインに対応する前記第1の静電容量列の容量値を推定し、前記出力sSecondと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k2番目のドライブラインに対応する前記第2の静電容量列の容量値を推定する推定部とを備えたことを特徴とする。
この特徴により、各要素が+1または−1によって構成される長さNの直交する符号系列di=(di1、di2、…、diN)(i=1、…、M)に基づいて、前記符号系列が前記+1の場合は+Vボルト、前記−1の場合は−Vボルトを印加するように前記M本のドライブラインを並列に駆動して、前記第1の静電容量列からの出力sFirst=(s11、s12、…、s1N)、及び、前記第2の静電容量列からの出力sSecond=(s21、s22、…、s2N)を出力させるので、M本のドライブラインにすべて同時に入力して、k1番目のドライブラインに対応する前記第1の静電容量列の容量値、及びk2番目のドライブラインに対応する前記第2の静電容量列の容量値を推定する。従って、従来の構成のように、M本のドライブラインを1本ずつ選択して走査入力する必要が無くなり、k1番目のドライブラインに対応する前記第1の静電容量列の容量値、及びk2番目のドライブラインに対応する前記第2の静電容量列の容量値を推定するための処理時間が長くなり、検出精度を良好に維持しながら、且つ、解像度も良好で高速動作が可能な静電容量検出方法に用いる集積回路を得ることができる。
また、M本の全ドライブラインを、符号系列に応じて+Vボルト又は−Vボルトで並列に駆動するので、符号系列に応じてドライブラインを分割して駆動する特許文献2に記載の構成に比べて、静電容量列からの出力信号に含まれる情報量が多くなり、SN比も良好になる。さらに、2相演算する特許文献2に記載の構成に比べて、演算が一層で済むため、高速化に有利である。
本発明に係るタッチセンサシステムは、M本のドライブラインと1本のセンスラインの間に形成される第1の静電容量列C1i(i=1,…,M)、及び、上記M本のドライブラインと他の1本のセンスラインの間に形成される第2の静電容量列C2i(i=1、…、M)とを備えるセンサパネルと、上記センサパネルを制御する集積回路とを備えたタッチセンサシステムであって、上記集積回路は、前記第1の静電容量列C1i(i=1、…、M)、及び前記第2の静電容量列C2i(i=1、…、M)のそれぞれに対して、各要素が+1または−1によって構成される長さNの直交する符号系列di=(di1、di2、…、diN)(i=1、…、M)に基づいて、前記符号系列が前記+1の場合は+Vボルト、前記−1の場合は−Vボルトを印加するように前記M本のドライブラインを並列に駆動して、前記第1の静電容量列からの出力sFirst=(s11、s12、…、s1N)、及び、前記第2の静電容量列からの出力sSecond=(s21、s22、…、s2N)を出力させる駆動部と、前記出力sFirstと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k1番目のドライブラインに対応する前記第1の静電容量列の容量値を推定し、前記出力sSecondと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k2番目のドライブラインに対応する前記第2の静電容量列の容量値を推定する推定部とを有することを特徴とする。
この特徴により、各要素が+1または−1によって構成される長さNの直交する符号系列di=(di1、di2、…、diN)(i=1、…、M)に基づいて、前記符号系列が前記+1の場合は+Vボルト、前記−1の場合は−Vボルトを印加するように前記M本のドライブラインを並列に駆動して、前記第1の静電容量列からの出力sFirst=(s11、s12、…、s1N)、及び、前記第2の静電容量列からの出力sSecond=(s21、s22、…、s2N)を出力させるので、M本のドライブラインにすべて同時に入力して、k1番目のドライブラインに対応する前記第1の静電容量列の容量値、及びk2番目のドライブラインに対応する前記第2の静電容量列の容量値を推定する。従って、従来の構成のように、M本のドライブラインを1本ずつ選択して走査入力する必要が無くなり、k1番目のドライブラインに対応する前記第1の静電容量列の容量値、及びk2番目のドライブラインに対応する前記第2の静電容量列の容量値を推定するための処理時間が長くなり、検出精度を良好に維持しながら、且つ、解像度も良好で高速動作が可能なタッチセンサシステムを得ることができる。
また、M本の全ドライブラインを、符号系列に応じて+Vボルト又は−Vボルトで並列に駆動するので、符号系列に応じてドライブラインを分割して駆動する特許文献2に記載の構成に比べて、静電容量列からの出力信号に含まれる情報量が多くなり、SN比も良好になる。さらに、2相演算する特許文献2に記載の構成に比べて、演算が一層で済むため、高速化に有利である。
本発明に係る電子機器は、本発明に係るタッチセンサシステムと、前記タッチセンサシステムに設けられたセンサパネルに重ねて配置されているか、または、前記センサパネルを内蔵した表示パネルとを備えたことを特徴とする。
この特徴により、各要素が+1または−1によって構成される長さNの直交する符号系列di=(di1、di2、…、diN)(i=1、…、M)に基づいて、前記符号系列が前記+1の場合は+Vボルト、前記−1の場合は−Vボルトを印加するように前記M本のドライブラインを並列に駆動して、前記第1の静電容量列からの出力sFirst=(s11、s12、…、s1N)、及び、前記第2の静電容量列からの出力sSecond=(s21、s22、…、s2N)を出力させるので、M本のドライブラインにすべて同時に入力して、k1番目のドライブラインに対応する前記第1の静電容量列の容量値、及びk2番目のドライブラインに対応する前記第2の静電容量列の容量値を推定する。従って、従来の構成のように、M本のドライブラインを1本ずつ選択して走査入力する必要が無くなり、k1番目のドライブラインに対応する前記第1の静電容量列の容量値、及びk2番目のドライブラインに対応する前記第2の静電容量列の容量値を推定するための処理時間が長くなり、検出精度を良好に維持しながら、且つ、解像度も良好で高速動作が可能なタッチセンサシステムを備えた電子機器を得ることができる。
また、M本の全ドライブラインを、符号系列に応じて+Vボルト又は−Vボルトで並列に駆動するので、符号系列に応じてドライブラインを分割して駆動する特許文献2に記載の構成に比べて、静電容量列からの出力信号に含まれる情報量が多くなり、SN比も良好になる。さらに、2相演算する特許文献2に記載の構成に比べて、演算が一層で済むため、高速化に有利である。
本発明に係る静電容量検出方法は、M本のドライブラインと1本のセンスラインの間に形成される第1の静電容量列Ci1(i=1、…、M)、及び、上記M本のドライブラインと他の1本のセンスラインの間に形成される第2の静電容量列Ci2(i=1、…、M)のそれぞれに対して、各要素が+1または−1によって構成される長さNの直交する符号系列di=(di1、di2、…、diN)(i=1、…、M)に基づいて、前記M本のドライブラインを並列に駆動して、前記第1の静電容量列からの出力sFirst=(s11、s12、…、s1N)、及び、前記第2の静電容量列からの出力sSecond=(s21、s22、…、s2N)をアナログ積分器に出力する出力工程と、前記出力sFirstと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k1番目のドライブラインに対応する前記第1の静電容量列の容量値を推定し、前記出力sSecondと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k2番目のドライブラインに対応する前記第2の静電容量列の容量値を推定する推定工程とを包含する静電容量検出方法であって、前記出力工程は、前記アナログ積分器のリセット時にはVrefボルトで表される第1電圧により前記M本のドライブラインを駆動し、前記第1及び第2静電容量列からの出力のサンプリング時には、前記符号系列が前記+1の場合は(Vref+V)ボルトで表される第2電圧により、前記符号系列が前記−1の場合は(Vref−V)ボルトで表される第3電圧により前記M本のドライブラインを駆動することを特徴とする。
上記特徴により、符号系列に基づいて、簡単な構成により、ドライブラインを並列に駆動することができる。
本発明に係る静電容量検出方法は、M本のドライブラインと1本のセンスラインの間に形成される第1の静電容量列Ci1(i=1、…、M)、及び、上記M本のドライブラインと他の1本のセンスラインの間に形成される第2の静電容量列Ci2(i=1、…、M)のそれぞれに対して、各要素が+1または−1によって構成される長さNの直交する符号系列di=(di1、di2、…、diN)(i=1、…、M)に基づいて、前記M本のドライブラインを並列に駆動して、前記第1の静電容量列からの出力sFirst=(s11、s12、…、s1N)、及び、前記第2の静電容量列からの出力sSecond=(s21、s22、…、s2N)をアナログ積分器に出力する出力工程と、前記出力sFirstと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k1番目のドライブラインに対応する前記第1の静電容量列の容量値を推定し、前記出力sSecondと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k2番目のドライブラインに対応する前記第2の静電容量列の容量値を推定する推定工程とを包含する静電容量検出方法であって、前記出力工程は、前記符号系列が前記+1の場合は、前記アナログ積分器のリセット時に第1電圧により、前記第1及び第2静電容量列からの出力のサンプリング時に第2電圧により前記ドライブラインを駆動し、前記符号系列が前記−1の場合は、前記アナログ積分器のリセット時に前記第2電圧により、前記第1及び第2静電容量列からの出力のサンプリング時に前記第1電圧により前記ドライブラインを駆動することを特徴とする。
上記特徴により、より高い信号強度を得ることができ、静電容量に蓄積される電荷を増大させることができる。
本発明に係る静電容量検出方法は、M本のドライブラインと1本のセンスラインの間に形成される第1の静電容量列Ci1(i=1、…、M)、及び、上記M本のドライブラインと他の1本のセンスラインの間に形成される第2の静電容量列Ci2(i=1、…、M)のそれぞれに対して、各要素が+1または−1によって構成される長さNの直交する符号系列di=(di1、di2、…、diN)(i=1、…、M)に基づいて、前記M本のドライブラインを並列に駆動して、前記第1の静電容量列からの出力sFirst=(s11、s12、…、s1N)、及び、前記第2の静電容量列からの出力sSecond=(s21、s22、…、s2N)をアナログ積分器に出力する出力工程と、前記出力sFirstと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k1番目のドライブラインに対応する前記第1の静電容量列の容量値を推定し、前記出力sSecondと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k2番目のドライブラインに対応する前記第2の静電容量列の容量値を推定する推定工程とを包含する静電容量検出方法であって、前記出力工程の前において、前記アナログ積分器のリセット時、及び前記第1及び第2静電容量列からの出力のサンプリング時に第1電圧により前記ドライブラインを駆動して、前記第1及び第2の静電容量列からの出力を前記アナログ積分器に出力し、前記第1及び第2の静電容量列からの出力をオフセット出力として前記アナログ積分器から読み出してメモリに格納することを特徴とする。
上記特徴により、アナログ積分器により生じるオフセットをキャンセルすることができる。
本発明に係る集積回路は、M本のドライブラインと1本のセンスラインの間に形成される第1の静電容量列Ci1(i=1、…、M)、及び、上記M本のドライブラインと他の1本のセンスラインの間に形成される第2の静電容量列Ci2(i=1、…、M)のそれぞれに対して、各要素が+1または−1によって構成される長さNの直交する符号系列di=(di1、di2、…、diN)(i=1、…、M)に基づいて、前記M本のドライブラインを並列に駆動して、前記第1の静電容量列からの出力sFirst=(s11、s12、…、s1N)、及び、前記第2の静電容量列からの出力sSecond=(s21、s22、…、s2N)をアナログ積分器に出力する駆動部と、前記出力sFirstと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k1番目のドライブラインに対応する前記第1の静電容量列の容量値を推定し、前記出力sSecondと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k2番目のドライブラインに対応する前記第2の静電容量列の容量値を推定する推定部とを備えた集積回路であって、前記駆動部は、前記符号系列が前記+1の場合は、前記アナログ積分器のリセット時に第1電圧により、前記第1及び第2静電容量列からの出力のサンプリング時に第2電圧により前記ドライブラインを駆動し、前記符号系列が前記−1の場合は、前記アナログ積分器のリセット時に前記第2電圧により、前記第1及び第2静電容量列からの出力のサンプリング時に前記第1電圧により前記ドライブラインを駆動することを特徴とする。
上記特徴により、より高い信号強度を得ることができ、静電容量に蓄積される電荷を増大させることができる。
本発明に係る集積回路は、M本のドライブラインと1本のセンスラインの間に形成される第1の静電容量列Ci1(i=1、…、M)、及び、上記M本のドライブラインと他の1本のセンスラインの間に形成される第2の静電容量列Ci2(i=1、…、M)のそれぞれに対して、各要素が+1または−1によって構成される長さNの直交する符号系列di=(di1、di2、…、diN)(i=1、…、M)に基づいて、前記M本のドライブラインを並列に駆動して、前記第1の静電容量列からの出力sFirst=(s11、s12、…、s1N)、及び、前記第2の静電容量列からの出力sSecond=(s21、s22、…、s2N)をアナログ積分器に出力する駆動部と、前記出力sFirstと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k1番目のドライブラインに対応する前記第1の静電容量列の容量値を推定し、前記出力sSecondと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k2番目のドライブラインに対応する前記第2の静電容量列の容量値を推定する推定部とを備えた集積回路であって、前記駆動部は、前記第1及び第2静電容量列からの出力を前記アナログ積分器に出力する前において、前記アナログ積分器のリセット時、及び前記第1及び第2静電容量列からの出力のサンプリング時に第1電圧により前記ドライブラインを駆動して、前記第1及び第2の静電容量列からの出力を前記アナログ積分器に出力し、前記第1及び第2の静電容量列からの出力をオフセット出力として前記アナログ積分器から読み出してメモリに格納することを特徴とする。
上記特徴により、アナログ積分器により生じるオフセットをキャンセルすることができる。
本発明に係るタッチセンサシステムは、M本のドライブラインと1本のセンスラインの間に形成される第1の静電容量列Ci1(i=1、…、M)、及び、上記M本のドライブラインと他の1本のセンスラインの間に形成される第2の静電容量列Ci2(i=1、…、M)とを備えるセンサパネルと、前記センサパネルを制御する集積回路とを備えたタッチセンサシステムであって、前記集積回路は、前記第1の静電容量列Ci1(i=1、…、M)、及び前記第2の静電容量列Ci2(i=1、…、M)のそれぞれに対して、各要素が+1または−1によって構成される長さNの直交する符号系列di=(di1、di2、…、diN)(i=1、…、M)に基づいて、前記M本のドライブラインを並列に駆動して、前記第1の静電容量列からの出力sFirst=(s11、s12、…、s1N)、及び、前記第2の静電容量列からの出力sSecond=(s21、s22、…、s2N)をアナログ積分器に出力する駆動部と、前記出力sFirstと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k1番目のドライブラインに対応する前記第1の静電容量列の容量値を推定し、前記出力sSecondと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k2番目のドライブラインに対応する前記第2の静電容量列の容量値を推定する推定部とを有しており、前記駆動部は、前記符号系列が前記+1の場合は、前記アナログ積分器のリセット時に第1電圧により、前記第1及び第2静電容量列からの出力のサンプリング時に第2電圧により前記ドライブラインを駆動し、前記符号系列が前記−1の場合は、前記アナログ積分器のリセット時に前記第2電圧により、前記第1及び第2静電容量列からの出力のサンプリング時に前記第1電圧により前記ドライブラインを駆動することを特徴とする。
上記特徴により、より高い信号強度を得ることができ、静電容量に蓄積される電荷を増大させることができる。
本発明に係るタッチセンサシステムは、M本のドライブラインと1本のセンスラインの間に形成される第1の静電容量列Ci1(i=1、…、M)、及び、上記M本のドライブラインと他の1本のセンスラインの間に形成される第2の静電容量列Ci2(i=1、…、M)とを備えるセンサパネルと、前記センサパネルを制御する集積回路とを備えたタッチセンサシステムであって、前記集積回路は、前記第1の静電容量列Ci1(i=1、…、M)、及び前記第2の静電容量列Ci2(i=1、…、M)のそれぞれに対して、各要素が+1または−1によって構成される長さNの直交する符号系列di=(di1、di2、…、diN)(i=1、…、M)に基づいて、前記M本のドライブラインを並列に駆動して、前記第1の静電容量列からの出力sFirst=(s11、s12、…、s1N)、及び、前記第2の静電容量列からの出力sSecond=(s21、s22、…、s2N)をアナログ積分器に出力する駆動部と、前記出力sFirstと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k1番目のドライブラインに対応する前記第1の静電容量列の容量値を推定し、前記出力sSecondと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k2番目のドライブラインに対応する前記第2の静電容量列の容量値を推定する推定部とを有しており、前記駆動部は、前記第1及び第2静電容量列からの出力を前記アナログ積分器に出力する前において、前記アナログ積分器のリセット時、及び前記第1及び第2静電容量列からの出力のサンプリング時に第1電圧により前記ドライブラインを駆動して、前記第1及び第2の静電容量列からの出力を前記アナログ積分器に出力し、前記第1及び第2の静電容量列からの出力をオフセット出力として前記アナログ積分器から読み出してメモリに格納することを特徴とする。
上記特徴により、アナログ積分器により生じるオフセットをキャンセルすることができる。
本発明に係る電子機器は、本発明に係るタッチセンサシステムと、前記タッチセンサシステムに設けられたセンサパネルに重ねて配置されているか、または、前記センサパネルを内蔵した表示パネルとを備えたことを特徴とする。
本発明に係る静電容量検出方法は、M本のドライブラインと1本のセンスラインの間に形成される第1の静電容量列Ci1(i=1、…、M)、及び、上記M本のドライブラインと他の1本のセンスラインの間に形成される第2の静電容量列Ci2(i=1、…、M)のそれぞれに対して、各要素が+1または−1によって構成される長さNの直交する符号系列di=(di1、di2、…、diN)(i=1、…、M)に基づいて、前記符号系列が前記+1の場合は+Vボルト、前記−1の場合は−Vボルトを印加するように前記M本のドライブラインを並列に駆動して、前記第1の静電容量列からの出力sFirst=(s11、s12、…、s1N)、及び、前記第2の静電容量列からの出力sSecond=(s21、s22、…、s2N)をアナログ積分器に出力する出力工程と、前記出力sFirstと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k1番目のドライブラインに対応する前記第1の静電容量列の容量値を推定し、前記出力sSecondと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k2番目のドライブラインに対応する前記第2の静電容量列の容量値を推定する推定工程とを包含する静電容量検出方法であって、前記出力工程は、前記アナログ積分器の飽和を防止するために、前記符号系列の列方向に沿った各要素の総和の絶対値に応じて、前記アナログ積分器のゲインを切り替えることを特徴とする。
上記特徴により、アナログ積分器の飽和を回避することができる。
本発明に係る静電容量検出方法は、M本のドライブラインと1本のセンスラインの間に形成される第1の静電容量列Ci1(i=1、…、M)、及び、上記M本のドライブラインと他の1本のセンスラインの間に形成される第2の静電容量列Ci2(i=1、…、M)のそれぞれに対して、各要素が+1または−1によって構成される長さNの直交する符号系列di=(di1、di2、…、diN)(i=1、…、M)に基づいて、前記符号系列が前記+1の場合は+Vボルト、前記−1の場合は−Vボルトを印加するように前記M本のドライブラインを並列に駆動して、前記第1の静電容量列からの出力sFirst=(s11、s12、…、s1N)、及び、前記第2の静電容量列からの出力sSecond=(s21、s22、…、s2N)をアナログ積分器に出力する出力工程と、前記出力sFirstと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k1番目のドライブラインに対応する前記第1の静電容量列の容量値を推定し、前記出力sSecondと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k2番目のドライブラインに対応する前記第2の静電容量列の容量値を推定する推定工程とを包含する静電容量検出方法であって、前記出力工程は、前記アナログ積分器の飽和を防止するために、前記符号系列の列方向に沿った各要素の総和の絶対値に応じて、前記符号系列の列を複数の列に分割して、前記M本のドライブラインの駆動を複数回に分割することを特徴とする。
上記特徴により、アナログ積分器の飽和を回避することができる。
本発明に係る静電容量検出方法は、(M=2)本のドライブラインと1本のセンスラインの間に形成される第1の静電容量列Ci1(i=1、…、M)、及び、上記(M=2)本のドライブラインと他の1本のセンスラインの間に形成される第2の静電容量列Ci2(i=1、…、M)のそれぞれに対して、シルベスター(sylvester)法によって生成される2次のアダマール(Hadamard)行列の各行に相当する+1または−1によって構成されて互いに直交する符号長N=Mの符号系列di=(di1、di2、…、diN)(i=1、…、M)に基づいて、前記符号系列が前記+1の場合は+Vボルト、前記−1の場合は−Vボルトを印加するように前記M本のドライブラインを並列に駆動して、前記第1の静電容量列からの出力sFirst=(s11、s12、…、s1N)、及び、前記第2の静電容量列からの出力sSecond=(s21、s22、…、s2N)をアナログ積分器に出力する出力工程と、前記出力sFirstと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k1番目のドライブラインに対応する前記第1の静電容量列の容量値を推定し、前記出力sSecondと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k2番目のドライブラインに対応する前記第2の静電容量列の容量値を推定する推定工程とを包含する静電容量検出方法であって、前記出力工程は、前記アナログ積分器の飽和を防止するために、前記符号系列の第1列目を複数の列に分割して、前記符号系列の第1列目に相当する駆動を複数回に分割することを特徴とする。
上記特徴により、アナログ積分器の飽和を回避することができる。
本発明に係る静電容量検出方法は、M本のドライブラインと1本のセンスラインの間に形成される第1の静電容量列Ci1(i=1、…、M)、及び、上記M本のドライブラインと他の1本のセンスラインの間に形成される第2の静電容量列Ci2(i=1、…、M)のそれぞれに対して、シルベスター(sylvester)法によって生成される2次(M<2)のアダマール(Hadamard)行列の各行に相当する+1または−1によって構成されて互いに直交する符号長N>Mの符号系列di=(di1、di2、…、diN)(i=1、…、M)に基づいて、前記符号系列が前記+1の場合は+Vボルト、前記−1の場合は−Vボルトを印加するように前記M本のドライブラインを並列に駆動して、前記第1の静電容量列からの出力sFirst=(s11、s12、…、s1N)、及び、前記第2の静電容量列からの出力sSecond=(s21、s22、…、s2N)をアナログ積分器に出力する出力工程と、前記出力sFirstと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k1番目のドライブラインに対応する前記第1の静電容量列の容量値を推定し、前記出力sSecondと前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k2番目のドライブラインに対応する前記第2の静電容量列の容量値を推定する推定工程とを包含する静電容量検出方法であって、前記出力工程は、前記符号系列の列方向に沿った各要素の総和の絶対値が前記アナログ積分器の飽和に関連する閾値Numを超える列を複数の列に分解して、前記符号系列の前記閾値Numを超える列に対応する駆動を複数回に分割することを特徴とする。
上記特徴により、2次(M<2)のアダマール行列による駆動において、アナログ積分器の飽和を回避することができる。
本発明に係る線形系係数推定方法は、長さNの直交するM個の符号系列di=(di1、di2、…、diN)(i=1、…、M)に基づいて前記M個の入力xk(k=1、…、M)を入力して、N個の出力s=(s1、s2、…、sN)=(F(d11、d21、…、dM1)、F(d12、d22、…、dM2)、…、F(d1N、d2N、…、dMN))を出力するので、M個の入力にすべて同時に入力して線形系の係数Ckを推定する。従って、従来の構成のように、M個の入力を1個ずつ選択して走査入力する必要が無くなり、入力数Mが増大しても、線形系の係数値を取得するための処理時間は短くならず、検出精度を良好に維持しながら、且つ、解像度も良好で高速動作が可能な線形系係数推定方法を得ることができるという効果を奏する。
本実施の形態に係る線形素子列値推定方法では、前記符号系列di=(di1、di2、…、diN)(i=1、…、M)の各要素は、+Vまたは−Vによって構成されることが好ましい。
上記構成により、各ドライブラインを+Vボルトまたは−Vボルトの電圧を印加して駆動することができる。
本実施の形態に係る静電容量検出方法では、前記推定工程は、前記符号系列による1回の並列駆動ごとに、内積に必要な、符号に応じた加減算を実行することが好ましい。
上記構成により、1回の並列駆動ごとに内積演算を実行するので、符号系列の長さに対応するN回の並列駆動ごとに内積演算を実行する構成に比較して、パイプライン処理が可能で短時間で演算することができ、また、演算に必要なメモリが少なくて済む。
上記静電容量検出方法では、前記出力工程は、前記第1の静電容量列からの出力sFirstを第1アナログ積分器に出力し、前記第2の静電容量列からの出力sSecondを第2アナログ積分器に出力し、前記推定工程は、前記第1アナログ積分器に出力された出力sFirstをAD変換器によりAD変換して前記出力sFirstと前記符号系列diとの内積演算を実行し、前記第2アナログ積分器に出力された出力sSecondを前記AD変換器によりAD変換して前記出力sSecondと前記符号系列diとの内積演算を実行することが好ましい。
上記構成により、アナログ積分器が各センスラインに対応して並列に配置されるので、マトリックス状に配置された静電容量の全体を検出する検出速度を向上させることができる。
上記静電容量検出方法では、前記出力工程は、前記第1の静電容量列からの出力sFirstをアナログ積分器に出力した後、前記第2の静電容量列からの出力sSecondを前記アナログ積分器に出力し、前記推定工程は、前記アナログ積分器に出力された出力sFirstをAD変換器によりAD変換して前記出力sFirstと前記符号系列diとの内積演算を実行し、前記アナログ積分器に出力された出力sSecondを前記AD変換器によりAD変換して前記出力sSecondと前記符号系列diとの内積演算を実行することが好ましい。
上記構成により、単一のアナログ積分器により推定工程を構成することができるので、より簡単な構成により静電容量を検出することができる。
上記静電容量検出方法では、前記出力工程は、前記第1の静電容量列からの出力sFirstを第1アナログ積分器に出力し、前記第2の静電容量列からの出力sSecondを第2アナログ積分器に出力し、前記推定工程は、前記第1アナログ積分器に出力された出力sFirstを第1AD変換器によりAD変換して前記出力sFirstと前記符号系列diとの内積演算を実行し、前記第2アナログ積分器に出力された出力sSecondを第2AD変換器によりAD変換して前記出力sSecondと前記符号系列diとの内積演算を実行することが好ましい。
上記構成により、アナログ積分器及びAD変換器が各センスラインに対応して並列に配置されるので、マトリックス状に配置された静電容量の全体を検出する検出速度をより一層向上させることができる。
本実施の形態に係る静電容量検出方法では、前記推定工程は、前記メモリに格納された第1の静電容量列からのオフセット出力を前記出力sFirstから減算した結果と、前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k1番目のドライブラインに対応する前記第1の静電容量列の容量値を推定し、前記メモリに格納された第2の静電容量列からのオフセット出力を前記出力sSecondから減算した結果と、前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k2番目のドライブラインに対応する前記第2の静電容量列の容量値を推定することが好ましい。
上記構成により、アナログ積分器により生じるオフセットをキャンセルすることができる。
本実施の形態に係る静電容量検出方法では、前記出力工程の前において、前記アナログ積分器のリセット時、及び前記第1及び第2静電容量列からの出力のサンプリング時に第1電圧により前記ドライブラインを駆動して、前記第1及び第2の静電容量列からの出力を前記アナログ積分器に出力し、前記第1及び第2の静電容量列からの出力をオフセット出力として前記アナログ積分器から読み出す動作を複数回繰り返して得られた複数個のオフセット出力を平均化してメモリに格納することが好ましい。
上記構成により、アナログ積分器により生じるオフセットに含まれるノイズ成分を削減した後、メモリに格納することができる。
本実施の形態に係る静電容量検出方法では、前記推定工程は、前記出力sFirstをAD変換した第1デジタル値と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k1番目のドライブラインに対応する前記第1の静電容量列の容量値を推定し、前記出力sSecondをAD変換した第2デジタル値と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、k2番目のドライブラインに対応する前記第2の静電容量列の容量値を推定し、前記推定工程は、前記符号系列の列方向に沿った各要素の総和の絶対値に応じて、前記第1及び第2デジタル値の重み付けを切り替えることが好ましい。
上記構成により、アナログ積分器から内積演算部までのゲインを符号系列による駆動ごとに一定にすることができる。
本実施の形態に係る静電容量検出方法では、前記符号系列の列方向に沿った各要素の総和の絶対値が前記アナログ積分器の飽和に関連する閾値Numを超える列は、前記2次のアダマール行列の1列目、(2n−1+1)列目、(2n−1+2n−2+1)列目、及び(2n−1−2n−2+1)列目のうちの少なくとも1つであることが好ましい。
上記構成により、2次(M<2)のアダマール行列による駆動において、簡単なアルゴリズムにより、アナログ積分器の飽和を回避することができる。
本実施の形態に係る静電容量検出方法では、[x]をxの整数部とし、前記2次のアダマール行列の1列目が前記閾値Numを超える場合、ドライブラインの1番目からNum×[M/Num]番目までをNum個ずつ駆動することを[M/Num]回繰り返した後、残りの(M/Num)の余りの個数を並列駆動し、前記アダマール行列の(2n−1+1)列目が前記閾値Numを超える場合、ドライブラインの(2n−1−(M−2n−1))行目に基づく行からM行目までを並列に駆動した後、ドライブラインの1行目から(2n−1−(M−2n−1)−1)行目に基づく行までを、Num個ずつ駆動することを[(2n−1−(M−2n−1)−1)行目に基づく行/Num]回繰り返した後、残りの((2n−1−(M−2n−1)−1)行目に基づく行/Num)の余りの個数を並列駆動し、前記アダマール行列の(2n−1+2n−2+1)列目が前記閾値Numを超える場合、まず、ドライブラインの1行目から(2n−1)行目までを同時並列に駆動し、そして、ドライブラインの((2n−1+2n−2)−(M−(2n−1+2n−2)))行目に基づく行からM行目までを並列に駆動し、次に、ドライブラインの(2n−1+1)行目から((2n−1+2n−2)−(M−(2n−1+2n−2)))行目に基づく行までを、Num個ずつ駆動することを[((((2n−1+2n−2)−(M−(2n−1+2n−2)))に基づく行))−(2n−1+1)/Num]回繰り返した後、残りの(((((2n−1+2n−2)−(M−(2n−1+2n−2)))に基づく行))−(2n−1+1)/Num)の余りの個数を並列駆動することが好ましい。
上記構成により、2次(M<2)のアダマール行列による駆動において、簡単なアルゴリズムにより、アナログ積分器の飽和を回避することができる。
本実施の形態に係る静電容量検出方法では、行の順番を入れ替えることにより、シルベスター法によって生成される2次(M<2)のアダマール行列からなる符号系列を生成し、当該符号系列に基づいて前記M本のドライブラインを並列に駆動することが好ましい。
本発明に係る静電容量型タッチセンサパネルは、細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体とを備え、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成することを特徴とする。
この特徴により、細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極とを、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置し、隙間無く一様な格子を形成する。このため、絶縁膜を挟んで垂直電極と水平電極との電極分布を作成することにより、視覚的に隙間の無い一様な格子が形成され、表示装置に重ねた際にモアレ等の発生を防ぐことができる。
本発明に係る静電容量型タッチセンサシステムは、本発明に係るタッチセンサパネルを備えたことを特徴とする。
本発明に係る情報入出力装置は、本発明に係るタッチセンサシステムを備えたことを特徴とする。
本発明に係る静電容量型タッチセンサパネルは、複数の垂直電極と複数の水平電極とが、垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成する。この結果、表示装置に重ねた際にモアレ等の発生を防ぐことができる。
本実施の形態に係る静電容量型タッチセンサパネルでは、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されていることが好ましい。
上記構成によれば、第一の基本形状及び第二の基本形状を形成する線分が、ディスプレイのブラックマトリックスに対して傾斜することになるので、モアレが発生しにくくなる。
本実施の形態に係る静電容量型タッチセンサパネルでは、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されていることが好ましい。
上記構成によれば、複数の垂直電極と複数の水平電極とは、垂直電極面に垂直な方向から見て、輪郭が長方形状の格子を形成する。従って、隙間無く一様な格子の長方形状の輪郭の辺の箇所に、水平電極または垂直電極を駆動するアドレスラインと、垂直電極または水平電極から信号を読み出すためのアドレスラインとをそのまま容易に接合することができる。
本実施の形態に係る静電容量型タッチセンサパネルでは、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状は、垂直方向に延びる垂直中心線に対して線対称であることが好ましい。
上記構成により、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状が対称形状となるので、ペンを用いたタッチ入力による静電容量分布変化に基づく座標読み取り精度を向上させることができる。
本実施の形態に係る静電容量型タッチセンサパネルでは、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状は、点対称であることが好ましい。
上記構成により、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状が対称形状となるので、ペンを用いたタッチ入力による静電容量分布変化に基づく座標読み取り精度を向上させることができる。
本実施の形態に係る静電容量型タッチセンサパネルでは、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状は、垂直方向に延びる垂直中心線及び水平方向に延びる水平中心線のそれぞれに対して線対称であることが好ましい。
上記構成により、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状が対称形状となるので、ペンを用いたタッチ入力による静電容量分布変化に基づく座標読み取り精度を向上させることができる。
本実施の形態に係る静電容量型タッチセンサパネルでは、前記第一の基本形状は、少なくとも2箇所の細線部分により垂直方向に接続されており、前記第二の基本形状は、少なくとも2箇所の細線部分により水平方向に接続されていることが好ましい。
上記構成により、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状が少なくとも2箇所の細線部分により接続されるので、製造工程において一方の細線部分が切れても、他方の細線部分が残るので、断線を回避することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、マトリックス状に構成された線形系の係数、素子値、または静電容量を推定または検出する方法、及びこの方法に従って動作する集積回路、タッチセンサシステム、及び電子機器に適用することができる。また本発明は、指紋検出システムに適用することもできる。
本発明は、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、垂直方向に所定の間隔を空けて垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、垂直電極面と水平電極面との間に配置されて複数の垂直電極と複数の水平電極とを絶縁する絶縁体とを備えた静電容量型タッチセンサパネル、及びこれを用いた静電容量型タッチセンサシステム、情報入出力装置に利用することができる。
1 タッチセンサシステム
2 センサパネル
3 集積回路
4 駆動部
5 推定部
6、6A アナログ積分器
7 スイッチ
8 AD変換器
9 内積演算部
10 RAM
11 アプリケーション処理部
12 携帯電話機
13 表示パネル
14 表示制御回路
15 CPU
16 ROM
17 RAM
18 マイクロフォン
19 スピーカ
20 操作キー
21 カメラ
101 タッチセンサシステム(静電容量型タッチセンサシステム)
102 タッチセンサパネル(静電容量型タッチセンサパネル)
103 基板(絶縁体)
104 面(垂直電極面)
105 面(水平電極面)
106 垂直電極
107 水平電極
108 基本形状(第一の基本形状)
109 基本形状(第二の基本形状)
110 格子
112 ディスプレイ
113、114 透明接着剤
115 カバーフィルム
116 駆動部
117 センスアンプ
118 タイミングジェネレータ
119 AD変換器
120 容量分布計算部
121 タッチ認識部
122 静電容量値分布検出回路
150 電子黒板(情報入出力装置)
C1 垂直中心線
C2 水平中心線
P 中心点

Claims (18)

  1. 細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、
    細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、
    前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体と、
    前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極との交点にそれぞれ形成される複数の線形素子とを備え、
    前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルの線形素子値推定方法であって、
    前記複数の線形素子のそれぞれに対して、符号系列diに基づいて、前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記線形素子に対応する出力の線形和を前記複数の水平電極に沿って出力する出力工程と、
    前記複数の水平電極に沿って出力された線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った線形素子の値を推定する推定工程とを包含することを特徴とする線形素子値推定方法。
  2. 前記符号系列diの各要素は、+Vまたは−Vによって構成される請求項1記載の線形素子値推定方法。
  3. 細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、
    細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、
    前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体と、
    前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極との交点にそれぞれ形成される複数の静電容量とを備え、
    前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルの静電容量検出方法であって、
    前記複数の静電容量のそれぞれに対して、各要素が+1または−1によって構成される符号系列diに基づいて、前記符号系列が前記+1の場合は+Vボルト、前記−1の場合は−Vボルトを印加するように前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記静電容量に対応する出力の線形和を前記複数の水平電極に沿って出力する出力工程と、
    前記出力の線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った静電容量の容量値を推定する推定工程とを包含することを特徴とする静電容量検出方法。
  4. 細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体と、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極との交点にそれぞれ形成される複数の静電容量とを備え、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルを制御する集積回路であって、
    前記複数の静電容量のそれぞれに対して、各要素が+1または−1によって構成される符号系列diに基づいて、前記符号系列が前記+1の場合は+Vボルト、前記−1の場合は−Vボルトを印加するように前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記静電容量に蓄積された電荷の線形和を前記複数の水平電極に沿って出力させる駆動部と、
    前記複数の水平電極に沿って出力された電荷の線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った静電容量の容量値を推定する推定部とを備えたことを特徴とする集積回路。
  5. 細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体と、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極との交点にそれぞれ形成される複数の静電容量とを備え、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルと、
    前記タッチセンサパネルを制御する集積回路とを備えたタッチセンサシステムであって、
    前記集積回路は、前記複数の静電容量のそれぞれに対して、各要素が+1または−1によって構成される符号系列diに基づいて、前記符号系列が前記+1の場合は+Vボルト、前記−1の場合は−Vボルトを印加するように前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記静電容量に蓄積された電荷の線形和を前記複数の水平電極に沿って出力させる駆動部と、
    前記複数の水平電極に沿って出力された電荷の線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った静電容量の容量値を推定する推定部とを備えたことを特徴とするタッチセンサシステム。
  6. 請求項5記載のタッチセンサシステムと、
    前記タッチセンサシステムに設けられたタッチセンサパネルに重ねて配置されているか、または、前記タッチセンサパネルを内蔵した表示パネルとを備えたことを特徴とする電子機器。
  7. 細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体と、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極との交点にそれぞれ形成される複数の静電容量とを備え、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルの静電容量を検出する静電容量検出方法であって、
    前記複数の静電容量のそれぞれに対して、各要素が+1または−1によって構成される符号系列diに基づいて、前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記静電容量に蓄積された電荷の線形和を前記複数の水平電極に沿ってアナログ積分器に出力する出力工程と、
    前記複数の水平電極に沿って前記アナログ積分器に出力された電荷の線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った静電容量の容量値を推定する推定工程とを包含し、
    前記出力工程は、前記アナログ積分器のリセット時にはVrefボルトで表される第1電圧により前記複数の垂直電極を駆動し、前記複数の水平電極に沿って出力された電荷の線形和のサンプリング時には、前記符号系列が前記+1の場合は(Vref+V)ボルトで表される第2電圧により、前記符号系列が前記−1の場合は(Vref−V)ボルトで表される第3電圧により前記複数の垂直電極を駆動することを特徴とする静電容量検出方法。
  8. 細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体と、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極との交点にそれぞれ形成される複数の静電容量とを備え、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルの静電容量を検出する静電容量検出方法であって、
    各要素が+1または−1によって構成される符号系列diに基づいて、前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記静電容量に蓄積された電荷の線形和を前記複数の水平電極に沿ってアナログ積分器に出力する出力工程と、
    前記複数の水平電極に沿って前記アナログ積分器に出力された電荷の線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った静電容量の容量値を推定する推定工程とを含み、
    前記出力工程は、前記符号系列が前記+1の場合は、前記アナログ積分器のリセット時に第1電圧により、前記複数の水平電極に沿って出力された電荷の線形和のサンプリング時に第2電圧により前記複数の垂直電極を駆動し、前記符号系列が前記−1の場合は、前記アナログ積分器のリセット時に前記第2電圧により、前記線形和のサンプリング時に前記第1電圧により前記複数の垂直電極を駆動することを特徴とする静電容量検出方法。
  9. 細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体と、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極との交点にそれぞれ形成される複数の静電容量とを備え、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルの静電容量を検出する静電容量検出方法であって、
    各要素が+1または−1によって構成される符号系列diに基づいて、前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記静電容量に蓄積された電荷の線形和を前記複数の水平電極に沿ってアナログ積分器に出力する出力工程と、
    前記複数の水平電極に沿って前記アナログ積分器に出力された電荷の線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った静電容量の容量値を推定する推定工程とを含み、
    前記出力工程の前において、前記アナログ積分器のリセット時、及び前記複数の水平電極に沿って前記アナログ積分器に出力された電荷の線形和のサンプリング時に第1電圧により前記複数の垂直電極を駆動して、前記電荷の線形和の出力を前記アナログ積分器に出力し、前記電荷の線形和の出力をオフセット出力として前記アナログ積分器から読み出してメモリに格納することを特徴とする静電容量検出方法。
  10. 細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体と、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極との交点にそれぞれ形成される複数の静電容量とを備え、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルを制御する集積回路であって、
    前記集積回路は、前記複数の静電容量に対して、各要素が+1または−1によって構成される符号系列diに基づいて、前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記静電容量に蓄積された電荷の線形和を前記複数の水平電極に沿ってアナログ積分器に出力させる駆動部と、
    前記複数の水平電極に沿って前記アナログ積分器に出力された電荷の線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った静電容量の容量値を推定する推定部とを備え、
    前記駆動部は、前記符号系列が前記+1の場合は、前記アナログ積分器のリセット時に第1電圧により、前記複数の静電容量からの出力のサンプリング時に第2電圧により前記垂直電極を駆動し、前記符号系列が前記−1の場合は、前記アナログ積分器のリセット時に前記第2電圧により、前記複数の静電容量からの出力のサンプリング時に前記第1電圧により前記垂直電極を駆動することを特徴とする集積回路。
  11. 細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体と、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極との交点にそれぞれ形成される複数の静電容量とを備え、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルを制御する集積回路であって、
    前記集積回路は、前記複数の静電容量に対して、各要素が+1または−1によって構成される符号系列diに基づいて、前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記静電容量に蓄積された電荷の線形和を前記複数の水平電極に沿ってアナログ積分器に出力させる駆動部と、
    前記複数の水平電極に沿って前記アナログ積分器に出力された電荷の線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った静電容量の容量値を推定する推定部とを備え、
    前記駆動部は、前記静電容量に蓄積された電荷の線形和を前記複数の水平電極に沿ってアナログ積分器に出力させる前において、前記アナログ積分器のリセット時、及び前記電荷の線形和のサンプリング時に第1電圧により前記複数の垂直電極を駆動して、前記電荷の線形和を前記複数の水平電極に沿って前記アナログ積分器に出力し、前記電荷の線形和をオフセット出力として前記アナログ積分器から読み出してメモリに格納することを特徴とする集積回路。
  12. 細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体と、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極との交点にそれぞれ形成される複数の静電容量とを備え、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルと、
    前記タッチセンサパネルを制御する集積回路とを備えたタッチセンサシステムであって、
    前記集積回路は、前記複数の静電容量のそれぞれに対して、各要素が+1または−1によって構成される符号系列diに基づいて、前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記静電容量に蓄積された電荷の線形和を前記複数の水平電極に沿ってアナログ積分器に出力させる駆動部と、
    前記複数の水平電極に沿って出力された電荷の線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った静電容量の容量値を推定する推定部とを備え、
    前記駆動部は、前記符号系列が前記+1の場合は、前記アナログ積分器のリセット時に第1電圧により、前記電荷の線形和のサンプリング時に第2電圧により前記複数の垂直電極を駆動し、前記符号系列が前記−1の場合は、前記アナログ積分器のリセット時に前記第2電圧により、前記電荷の線形和のサンプリング時に前記第1電圧により前記複数の垂直電極を駆動することを特徴とするタッチセンサシステム。
  13. 細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体と、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極との交点にそれぞれ形成される複数の静電容量とを備え、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルと、
    前記タッチセンサパネルを制御する集積回路とを備えたタッチセンサシステムであって、
    前記集積回路は、前記複数の静電容量のそれぞれに対して、各要素が+1または−1によって構成される符号系列diに基づいて、前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記静電容量に蓄積された電荷の線形和を前記複数の水平電極に沿ってアナログ積分器に出力させる駆動部と、
    前記複数の水平電極に沿って出力された電荷の線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った静電容量の容量値を推定する推定部とを備え、
    前記駆動部は、前記電荷の線形和を前記アナログ積分器に出力させる前において、前記アナログ積分器のリセット時、及び前記電荷の線形和のサンプリング時に第1電圧により前記複数の垂直電極を駆動して、前記電荷の線形和を前記アナログ積分器に出力し、前記電荷の線形和をオフセット出力として前記アナログ積分器から読み出してメモリに格納することを特徴とするタッチセンサシステム。
  14. 請求項12または13記載のタッチセンサシステムと、
    前記タッチセンサシステムに設けられたタッチセンサパネルに重ねて配置されているか、または、前記タッチセンサパネルを内蔵した表示パネルとを備えたことを特徴とする電子機器。
  15. 細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体と、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極との交点にそれぞれ形成される複数の静電容量とを備え、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルの静電容量を検出する静電容量検出方法であって、
    各要素が+1または−1によって構成される符号系列diに基づいて、前記符号系列が前記+1の場合は+Vボルト、前記−1の場合は−Vボルトを印加するように前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記静電容量に蓄積された電荷の線形和を前記複数の水平電極に沿ってアナログ積分器に出力する出力工程と、
    前記複数の水平電極に沿って前記アナログ積分器に出力された電荷の線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った静電容量の容量値を推定する推定工程とを包含し、
    前記出力工程は、前記アナログ積分器の飽和を防止するために、前記符号系列の列方向に沿った各要素の総和の絶対値に応じて、前記アナログ積分器のゲインを切り替えることを特徴とする静電容量検出方法。
  16. 細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体と、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極との交点にそれぞれ形成される複数の静電容量とを備え、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルの静電容量を検出する静電容量検出方法であって、
    各要素が+1または−1によって構成される符号系列diに基づいて、前記符号系列が前記+1の場合は+Vボルト、前記−1の場合は−Vボルトを印加するように前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記静電容量に蓄積された電荷の線形和を前記複数の水平電極に沿ってアナログ積分器に出力する出力工程と、
    前記複数の水平電極に沿って前記アナログ積分器に出力された電荷の線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った静電容量の容量値を推定する推定工程とを包含し、
    前記出力工程は、前記アナログ積分器の飽和を防止するために、前記符号系列の列方向に沿った各要素の総和の絶対値に応じて、前記符号系列の列を複数の列に分割して、前記複数の垂直電極の駆動を複数回に分割することを特徴とする静電容量検出方法。
  17. 細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体と、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極との交点にそれぞれ形成される複数の静電容量とを備え、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルの静電容量を検出する静電容量検出方法であって、
    前記複数の静電容量に対して、シルベスター(sylvester)法によって生成されるアダマール(Hadamard)行列の各行に相当する+1または−1によって構成される符号系列diに基づいて、前記符号系列が前記+1の場合は+Vボルト、前記−1の場合は−Vボルトを印加するように前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記静電容量に蓄積された電荷の線形和を前記複数の水平電極に沿ってアナログ積分器に出力する出力工程と、
    前記複数の水平電極に沿って前記アナログ積分器に出力された電荷の線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った静電容量の容量値を推定する推定工程とを包含し、
    前記出力工程は、前記アナログ積分器の飽和を防止するために、前記符号系列の第1列目を複数の列に分割して、前記符号系列の第1列目に相当する駆動を複数回に分割することを特徴とする静電容量検出方法。
  18. 細線で形成された第一の基本形状を垂直方向に繰り返し接続して形成され、水平方向に所定の間隔を空けて垂直電極面上に配置された複数の垂直電極と、細線で形成された第二の基本形状を水平方向に繰り返し接続して形成され、垂直方向に所定の間隔を空けて前記垂直電極面に平行な水平電極面上に配置された複数の水平電極と、前記垂直電極面と前記水平電極面との間に配置されて前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とを絶縁する絶縁体と、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極との交点にそれぞれ形成される複数の静電容量とを備え、前記複数の垂直電極と前記複数の水平電極とは、前記垂直電極面に垂直な方向から見て、互いに重なる線分を持たないように配置され、隙間無く一様な格子を形成し、前記第一の基本形状及び前記第二の基本形状を形成する線分は、斜め方向に沿って形成されており、前記格子は、輪郭が長方形状に形成されているタッチセンサパネルの静電容量を検出する静電容量検出方法であって、
    前記複数の静電容量に対して、シルベスター(sylvester)法によって生成されるアダマール(Hadamard)行列の各行に相当する+1または−1によって構成される符号系列diに基づいて、前記符号系列が前記+1の場合は+Vボルト、前記−1の場合は−Vボルトを印加するように前記複数の垂直電極を並列に駆動して、前記静電容量に蓄積された電荷の線形和を前記複数の水平電極に沿ってアナログ積分器に出力する出力工程と、
    前記複数の水平電極に沿って前記アナログ積分器に出力された電荷の線形和と前記符号系列diとの内積演算に基づいて、各水平電極に沿った静電容量の容量値を推定する推定工程とを包含し、
    前記出力工程は、前記符号系列の列方向に沿った各要素の総和の絶対値が前記アナログ積分器の飽和に関連する閾値Numを超える列を複数の列に分解して、前記符号系列の前記閾値Numを超える列に対応する駆動を複数回に分割することを特徴とする静電容量検出方法。
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