JP5575927B2 - ペントキシフィリンの便秘の予防または治療における応用 - Google Patents

ペントキシフィリンの便秘の予防または治療における応用 Download PDF

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Description

本発明は、医薬品の技術分野に属し、具体的には、ペントキシフィリンの新規な応用に関し、特に、ペントキシフィリンの便秘の予防または治療するための医薬品の調製における応用に関し、また、ペントキシフィリンを含む便秘の予防または治療するための医薬品組成物、およびペントキシフィリンを用いて便秘を予防または治療する方法に関する。前記の便秘は、特に機能性便秘である。
ホスホジエステラーゼ(PDE)は、細胞内における第二メッセンジャーである環状アデノシン一リン酸(cAMP)や環状グアノシン一リン酸(cGMP)を加水分解する機能を持ち、細胞内におけるcAMPまたはcGMPを分解して、これらの第二メッセンジャーにより伝達する生化学的作用を終了させる。cAMPおよびcGMPは、細胞の活動の調節に重要な作用を果たしている。その濃度の調節は、主に、ヌクレオチドシクラーゼの合成とホスホジエステラーゼ(PDE)の加水分解作用とのバランスによって決定される。PDEは、人間の体内に広く分布しており、その生理作用が多数の研究領域に関わっている。近年、PDEは、新しい治療標的として、多くの学者から幅広く注目され、新しい研究焦点になってくる。
ホスホジエステラーゼ阻害剤は、多重遺伝子ファミリーであり、ホスホジエステラーゼ活性を阻害する薬剤である。ホスホジエステラーゼ阻害剤は、組織におけるcAMPおよびcGMPの分解を抑制可能な化合物であり、PDE阻害剤は、非特異的PDE阻害剤と特異的PDE阻害剤を含み、特異的PDE阻害剤は、1種類のPDEしか阻害できなく、その他の種類にほとんど影響しない。非特異的ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤は、テオフィリン、アミノフィリン、ペントキシフィリン、パルゲベリン、およびカフェインなどを含む。
テオフィリンは、茶に含まれる白い不定形な結晶状のアルカロイドであり、テオブロミンの異性体であり、その役割および構造がカフェインに似ている。ホスホジエステラーゼに属し、細胞のcAMP含有量を高めることができ、平滑筋弛緩、心筋興奮および利尿の作用がある。アミノフィリンは、最も広く応用されているテオフィリンと、エチレンジアミンとの複塩の製剤であり、既に長年にわたって臨床的に応用されている。テオフィリンにより、アミノフィリンの水溶性が高く、容易に溶解・吸収される。しかしながら、アミノフィリンは、アルカリ性が高くて、ローカル刺激が大きく、経口投与する時に悪心、嘔吐、食欲低下などの胃腸反応(副作用)の起因になりやすい。パルゲベリンは、骨格筋弛緩薬である。カフェインは、茶葉、コーヒーの果実から抽出したアルカロイドであり、適度な応用によって疲労解消、神経興奮の作用があり、臨床的に、神経衰弱、昏迷回復の治療に用いられる。
ペントキシフィリン(PTX)は、カカオ豆から抽出されたテオブロミンに、さらにヘキサノン基を導入してなるアルカロイドであり、分子式がC1320で、化学名が3、7−ジメチルキサンチンというものであり、メチルキサンチン誘導体であり、非選択的ホスホジエステラーゼ阻害剤である。PTXは、赤血球の変形能を高め、白血球の血液レオロジー特性を改善し、好中球の接着や活性化を阻害することができ、且つ、微小血管を拡張し、血液の粘度を低下させ、組織の酸素分圧を高めることができ、抗炎症作用があり、フリーラジカルを除去することができる。1960年代に、PTXは、末梢循環障害の治療のみに応用され、その後、血管拡張薬として血管疾患の治療に用いられ、今までも10年以上の歴史があり、また、動脈硬化症、血栓症、糖尿病性血管疾患、凍瘡、静脈性潰瘍などの末梢血管疾患の治療に用いられる。1970年代に、男性不妊のために用いられ、体外で精子運動活性を刺激する治療において、顕著な効果を示した。なお、内耳循環障害に有効であり、肝線維症を対抗することができ、腎臓、肺などを保護する作用がある。「ペントキシフィリンの学習・記憶の促進する作用に関する試験研究」(Pentoxifylline promotes learning and memory function of aging rats and mice with induced memory impairment、南方医科大学学報、2007年第27卷第11号)に、ペントキシフィリンは、学習・記憶への改善作用を有することを、詳しく開示した。「ペントキシフィリンのヒト肝癌細胞への放射線増感作用とその作用メカニズムに関する研究」には、異なる濃度のPTXがヒト肝癌のHepG2細胞およびHep3b細胞株を作用してから48時間後、その細胞毒性が用量依存性を示し、最適な濃度が2mmol/Lであることが開示された。PTXは、小腸においてよく吸収され、その血漿中における半減期が30分間であり、主に肝臓において脱メチル化および酸化的代謝を行い、主に、3−メチルプリンと7−メチルプリンとの2つの形で排出する。
便秘は、特に慢性便秘がよく見られた症状であり、その病因が複雑で、患者に多くの悩みをもたらし、患者の生活の質に深刻な影響を与える。社会の発展に伴って、生存ストレスの増加、激烈な競争、および食構造等の生活習慣の変化に起因して、便秘の発生率は上昇する傾向にある。
世界中に、機能性胃腸病に便秘が含まれ、その診断、病態生理学および治療について、1994年にローマI基準を発表し、2000年にローマII基準を発表した。世界中に、便秘の概念については、ローマII基準を通用規格としている。世界中に、便秘とは、糞便硬固、排便困難または残便感、および排便回数減少を指す。
病因学によると、慢性便秘は、器質性便秘と機能性便秘に分けられる。器質性便秘は、主に器質性疾患に起因した便秘であり、慢性便秘の器質性疾患の原因は、主に、胃腸管疾患(腸管の腫瘍、先天性巨大結腸症など)、肛門周囲の疾患(直腸脱、直腸瘤)、神経系疾患(多発性硬化症、パーキンソン病、脳卒中、脊髄損傷や末梢神経障害)、内分泌や代謝性疾患(糖尿病性腸疾患、甲状腺機能低下症、副甲状腺疾患)、精神疾患が挙げられ、同時に、薬剤誘発因子(オピオイド、抗コリン薬、抗うつ薬、カルシウムチャネル拮抗剤、制酸剤、鉄剤、抗下痢薬、利尿薬、抗ヒスタミン薬など)によって引き起こされる便秘を除外すべきである。
機能性便秘は、器質的病因およびその他の要因から引き起こす便秘を除外した便秘であり、次の基準、即ち、過去12ヶ月間では、連続的に、または合計で少なくとも12週間にわたって、下記の症状の2つ以上の条件を満たすこと、(1)1/4の時間では、排便しにくいこと、(2)1/4の時間では、糞便が塊状や堅いものになること、(3)1/4より多い時間では、残便感があること、(4)1/4より多い時間では、肛門の閉塞感があるか、排便困難となること、(5)1/4より多い時間では、排便の時に補助手段が必要となること(骨盤底機能障害)、(6)毎週に排便回数が3回未満となることを満足している。排便困難の発生部位および運動障害による機能性便秘は、通常、輸送遅延型便秘(STC)、出口閉塞型便秘(OOC)および混合型便秘(MIX)の三種類に分ける。STCは、よくある機能性便秘のタイプであり、約40%を占めているが、OOCは、子供、女性や高齢者に発生する場合が多い。STCは、結腸の運動障害に関連し、胃腸運動障害に関する新規なバンコク分類において、腸の神経障害、腸の筋肉障害、パーキンソン病、内分泌疾患、または脊髄損傷等が結腸輸送遅延を引き起こしてSTCとなる可能性があると明らかにされた。輸送遅延型便秘患者の腸管Cajal間質細胞(ICC)の数量が減少し、体積が縮小するため、ICCの減少は輸送遅延型便秘の腸管組織・細胞学的主な特徴であると考えられる。c−kitは、第5番染色体のw部位にある癌原遺伝子の1種であり、チロシンキナーゼ型膜受容体に属するkit受容体をコードする。ICCに発現されると、すべてc−kitを発現しており、且つ、ICCはkit受容体により様々な信号を受け入れることができ、kit受容体を遮断する場合、ICCの発育への影響を与えるだけでなく、その機能も失われ、このため、ICCにおいてc−kitの発現の有無と腸管の運動とが密接に関連しており、従って、c−kit抗体を利用してICCを標識・認識することができる。OOCは、肛門括約筋の機能の調和、または直腸の排便反射感の閾値の異常につながり、患者は、排便しにくい、肛門が下に落ちる感、残便感、排便量が少ない、質が硬い、または軟便になることを主に述べる。混合型便秘は、上記の2つの特性を持つことである。便秘の発症メカニズムが各種類によって異なるため、患者がその自身の便秘に対する感じの特性を重視し、詳細に分析すべきであり、一応種類を分けて適切な治療措置を取ることができる。
機能性便秘が特殊な病変部位と発症メカニズムを有するため、臨床の治療は非常に困難となり、現在よく用いられた便秘治療薬としては、その治療期間が長すぎるか、または無効であるか、または少量の軟便が排出するか、または副作用が大きくて患者が受け入れることが困難であることで、その薬効が理想的ではないことになる。現在、臨床において、非薬物療法および薬物療法を応用し、病状が重い方は外科手術までの治療が必要となることがある。
非薬物療法によれば、例えば、排便方法の指導、食事等の生活習慣の変化やバイオフィードバック療法などは、よくなるまでより長い期間が必要となる場合が多く、大勢の患者は、個人的な原因で堅持することが困難である。
便秘を治療するための主な薬物は、刺激性瀉下薬、潤滑性瀉下薬、容積性瀉下薬、および浸透性緩下剤や運動促進薬などが挙げられる。刺激性瀉下薬は、その作用が強くて速いために、大便が嵌め込み(宿便)になる患者および速く通便する必要がある患者に用いられる場合が多く、それは、腸粘膜および腸の神経叢を刺激させ、粘膜の透過性を高めて、腸内における水、電解質やビタミンに対する吸収を影響して異常までに引き起こし、また大腸筋無力症、薬物依存症や大便失禁となってしまうことができるため、長期的に投与することが好適ではない。容積性瀉下薬は、便の容量を増やすことができるが、結腸の張力を効果的に増加することができないため、腸管運動が緩慢する方への応用は、制限されている。潤滑性瀉下薬は、口当たりが悪く、作用が弱くて、長期的に投与すると、脂溶性ビタミンの吸収障害、肛門周辺の油性脂漏症等の副作用を引き起こす可能性がある。浸透性瀉下薬は、例えば、ラクチュロースであり、小腸において吸収されず、結腸細菌により分解されて有機酸を放出し、結腸において作用を発生させ、腹部膨満や腹痛、および長期投与の治療効果が悪く、腸内細菌叢の変化を引き起こしやすい等の欠点がある。そして、腸運動促進薬は、常に、ほかの薬剤と併用する必要があり、副作用も大きい。
機能性便秘において50%以上を占める出口閉塞型便秘については、肛門内外における括約筋が持続的な痙攣となり、および圧力が高まることは、主要な病理生理的変化の一つである。現在には、主に手術、バイオフィードバック等の治療法を用いてそれを治療し、肛門括約筋の圧力を減らすことにより、その肛門直腸の出口閉塞症状を緩和する。治療手段は多いが、治療の効果はまだ満足されていない。手術治療の時間が長く、傷が大きく、且つ肛門失禁、再発などの合併症が発生する可能性がある。バイオフィードバック療法は、常に、長期的に、繰り返し治療の必要があり、且つ治療効果が不確実性がある。近年、人々は、出口閉塞型便秘の治療効果を達成するために、様々な薬物を用いて肛門括約筋の圧力を減らすことを検討し始めた。
本発明は、ペントキシフィリンが医薬品の技術分野における新規な応用を提供し、具体的には、ペントキシフィリンの便秘の予防または治療するための医薬品の調製における応用に関し、また、ペントキシフィリンを含む便秘の予防または治療するための医薬品組成物、およびペントキシフィリンを用いて便秘を予防または治療する方法に関する。前記の便秘は、特に機能性便秘である。非選択的ホスホジエステラーゼ阻害剤とするペントキシフィリンは、主に、閉塞性血栓性脈管炎、脳血管障害、血管性頭痛、末梢血管疾患、蝸牛混乱(cochlear disruption)疾患、凍瘡や低酸素症に起因する痛みに用いられる。ペントキシフィリンは、臨床において応用すると、便秘、口渇などの副作用を引き起こす可能性があるが、発明者らは、試験・研究により、ペントキシフィリンが、便秘、特に機能性便秘の治療において予期しない結果を示したことを見出して驚いた。
従来技術に、ペントキシフィリンが機能性便秘の治療における研究は報告されることがなく、本発明は、試験・研究により、ペントキシフィリンが便秘、特に機能性便秘に対して予期しない改善効果を持つことを見出して驚き、ペントキシフィリンは、便秘の治療するための医薬品として応用可能であることを示した。
本発明の一態様によれば、本発明は、ペントキシフィリンを含む便秘(特に、機能性便秘)の予防または治療するための医薬品組成物を提供する。ペントキシフィリンを含む医薬品組成物は、通常の製剤技術に従って、局所外用製剤や経口製剤を調製することができ、その中で、局所外用製剤は、肛門直腸投与に適用する局所外用製剤、例えば、噴霧剤、エアゾル剤、坐剤、ゲル剤、乳膏剤、クリーム剤、軟膏剤、液剤、ラテックス剤およびリポソーム製剤であることが好ましく、経口製剤は、剤形として普通錠剤、腸溶錠剤、徐放錠剤、カプセル剤、滴丸剤、顆粒剤、散剤および経口液剤であることが好ましい。
また、本発明は、ペントキシフィリンの局所外用製剤における含有量(重量%)を好適に選択した。好ましくは、ペントキシフィリンの局所外用製剤における含有量(重量%)が0.1%〜10%である。
上記の医薬品組成物の局所外用製剤における賦形剤は、半合成脂肪酸グリセリド、カルボマー、トリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、液体パラフィン、モノニトログリセリン(glyceryl mononitrate)、p−ヒドロキシ安息香酸、動植物油、ワセリン、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ケイ酸、ステアリン酸アルミニウム、プロピレングリコール、ラノリン、ミツロウ、タルク粉末、酸化亜鉛から選択される一種または多種のものである。噴霧剤の賦形剤は、乳糖、タルク粉末、グリセリン、塩化ナトリウムおよび尿素から選ばれる1種または複数種であり、また、一般的に応用される推進剤、例えば、ハイドロクロロフルオロカーボンおよび/または揮発性非置換炭化水素を含んでもよく、揮発性非置換炭化水素は、ブタンやプロパンであることがの好ましい。外用擦剤または滴剤は、水性または油性の基剤を用いて調製することができ、通常の調製方法に従って調製することができる。
上記の医薬品組成物の局所外用製剤の賦形剤には、1種または多種の防腐剤、例えば、酢酸クロルヘキシジンおよび臭化ベンザルコニウムなどを含むことができる。外用製剤は、無菌条件下で、ペントキシフィリンと賦形剤とを混合させることができ、推進剤も含まれることが好ましい。
上記の医薬品組成物の局所外用製剤は、粘膜を透過する医薬品剤形であることが好ましく、それは、粘膜付着性重合体を用いて調製することができ、それによって肛門粘膜において有効成分の放出を遅延させる。粘膜を透過する医薬品剤形は、粘膜とを接触したままで急速に崩壊および/または溶解して、体への吸収を局所的にまたは全体的に引き起こすことができる。粘膜を透過する医薬品が、転送を介して活性物質を効果的に全身の循環に進入させて、肝臓および小腸内細菌叢から医薬品に対する即時代謝を減らすことができる。
好ましくは、上記の局所外用製剤が坐剤またはエアロゾル剤であり、坐剤がポリソルベート80、グリセリン、およびゼラチンを含むことであり、エアロゾル剤がフロンF12、グリセリン、臭化ベンザルコニウム、および尿素を含むことである。
ペントキシフィリンを含む医薬品組成物が経口製剤である場合、前記の医薬品組成物は、ペントキシフィリン10mg〜100mgを含んでいることが好ましい。さらに、この組成物は、ペントキシフィリン10mg〜100mgを含む錠剤、顆粒剤、またはカプセル剤であることがより好ましい。
前記の医薬品組成物がペントキシフィリン10mg〜100mgを含む錠剤である場合、普通錠、腸溶錠、または徐放錠となることができる。当業者にとって、普通錠は、他の錠剤の剤形に比べて言われるものであり、その製剤が通常の方法だけで調製することができる。腸溶錠は、通常の錠剤を、胃への刺激作用を避けるように、隔離性コーティングおよび腸溶性コーティングをコーティングすることにより、腸溶錠が腸管に到達してから、コーティングを溶解して薬物を放出させるものである。徐放錠は、投与回数を減少し、医薬品の放出速度を低下させるために、特別な医薬品材料を用いて調製されたものである。
上記の医薬品組成物は、普通錠とする場合に、ペントキシフィリンおよび賦形剤からなるものであり、その中における賦形剤は、希釈剤、結合剤および崩壊剤を含み、その希釈剤は、澱粉、デキストリン、乳糖、微結晶セルロースから選ばれる1種または多種であり、該結合剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、およびポリビニルピロリドンから選ばれる一種または多種であり、崩壊剤は、カルボキシメチルデンプンナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、および架橋ポビドンから選択される一種または多種である。
好ましくは、上記の普通錠の賦形剤において、また湿潤剤および/または潤滑剤を含むことであり、該湿潤剤は、水、エタノール、またはそれらの混合物の中から撰ばれるものであり、該潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、微粉末シリカの中から撰ばれる一種または多種である。
好ましくは、ペントキシフィリンの上記の普通錠における含有量は、10mg、25mg、50mg、または75mgであることが好ましい。ペントキシフィリンの普通錠における含有量は、主に、該含有量規格の普通錠が機能性便秘に対する治療効果をさらによくさせる理由に基づいて好適に選択される。
上記の医薬品組成物は、腸溶錠である場合に、ペントキシフィリン錠、隔離層、および腸溶性層からなるものである。前記のペントキシフィリン錠は、以上に記載した任意のペントキシフィリン普通錠であり、ペントキシフィリン腸溶錠は、先ずフィルムコーティング粉溶液でコーティングし、次に、腸溶性コーティング粉溶液でコーティングして調製してもよい。好ましくは、前記のペントキシフィリンにおける希釈剤は、乳糖と微結晶セルロースから選ばれるものであり、湿潤剤は、エタノール溶液から選ばれるものであり、結合剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、およびポリビニルピロリドンから撰ばれる一種または多種であり、崩壊剤は、カルボキシメチルデンプンナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋ポリポビドンから選ばれる一種または多種であり、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムから選ばれるものである。
ペントキシフィリンのペントキシフィリン腸溶錠における含有量は、25mgまたは50mgであることが好ましい。ペントキシフィリンの腸溶錠における含有量は、主に、該含有量規格の腸溶錠が機能性便秘に対する治療効果をさらによくさせる理由に基づいて好適に選択される。
上記の医薬品組成物は、徐放錠である場合に、ペントキシフィリン、賦形剤および一種または多種の不活性固体マトリックス材料を、プレスまたは融合技術で調製されたマトリックス錠(matrix tablet)であり、よく用いられるマトリックス材料は、親水性ゲル−マトリックス材料、生体侵食性マトリックス材料、および不溶性マトリックス材料を有する。親水性ゲル−マトリックス材料は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボマー、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムから選ばれる一種または多種であり、親水性ゲル−マトリックス材料が水または胃腸液に会うと、膨張してゲル障壁を形成して薬物放出を制御することができる。前記の生体浸食性マトリックス材料は、トリグリセリド、硬化ヒマシ油、ステアリルアルコール、ステアリン酸、カルナウバ蝋、胃溶性もしくは腸溶性アクリル樹脂、腸溶性セルロースなどを含む。前記の不溶性のマトリックス材料は、水不溶性高分子材料であり、エチルセルロース、アクリル樹脂(例えば、透過性アクリル酸エステル、メタクリル酸−アクリル酸メチル共重合体)またはそれらの混合物等を含み、胃腸液がマトリックスの隙間に浸透した後、薬物が溶解してマトリックスにおける細孔のチャネルにより、徐々に外へ分散し放出する。
好ましくは、様々な異なる溶解または浸食性質のマトリックス材料をペントキシフィリン徐放錠剤のマトリックス材料として用いることができる。
上記ペントキシフィリン徐放錠における賦形剤は、希釈剤、湿潤剤、結合剤、崩壊剤、および潤滑剤から選ばれる一種または多種であってもよい。その中で、希釈剤は、デンプン、デキストリン、乳糖、および微結晶セルロースから選ばれる一種または多種であり、湿潤剤は、水、エタノールまたはそれらの混合物から選ばれるものであり、結合剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、およびポリビニルピロリドンから撰ばれる一種または多種であり、崩壊剤は、カルボキシメチルデンプンナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋ポリポビドンから選ばれる一種または多種であり、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、および微粉末シリカから選ばれる一種または多種である。
好ましくは、ペントキシフィリンの徐放錠における含有量は、75mgまたは80mgであることが好ましい。ペントキシフィリンの徐放錠における含有量は、主に、該含有量規格の徐放錠が機能性便秘に対する治療効果をさらによくさせる理由に基づいて好適に選択される。
本発明の別の態様によれば、本発明は、ペントキシフィリンの便秘、特に機能性便秘の予防または治療するための医薬品の調製における応用を提供する。好ましくは、上記の医薬品が本発明の医薬品組成物である。
本発明のその別の態様によれば、本発明は、便秘(特に、機能性便秘)を治療する方法を提供し、この方法では、ペントキシフィリンを含む医薬品組成物を、治療の有効量で患者に投与することを含む。好ましくは、上記の有効量の医薬品組成物を患者へ経口投与することができ、または有効量の医薬品組成物を患者へ局所外用投与し、対応する肛門直腸領域、または病気の肛門組織、例えば外肛門若しくは内肛門組織、または肛門管に適用することができる。本発明は、上記の有効量の医薬品組成物を、機能性便秘患者の肛門直腸領域へ直接に投与することが好ましく、且つ、坐剤、エアロゾル剤、軟膏剤などを含むペントキシフィリンの局所外用製剤が好ましい。局所外用製剤の投与前には、直腸粘膜における薬物の吸収に寄与するように、肛門部をクリーンしなければならない。
ペントキシフィリンが機能性便秘を治療する対象は、人または動物を含む。ペントキシフィリンの具体的な投与量が多くの要因に依存し、これは当業者がよく知られていることである。例えば、具体的な剤形、治療対象、病状、年齢、体重、および被検者の臨床状況に依存する。投与量の範囲は、応用したペントキシフィリン、投与経路によって以下の相違点があり、
(1)成人:経口製剤は、錠剤、カプセル剤、腸溶錠剤、滴剤、顆粒剤、散剤、経口液剤を含み、ペントキシフィリンの量で経口投与量が1回10mg〜100mgを1日1〜3回とする。局所外用製剤は、噴霧剤、坐剤、ゲル剤、乳膏剤、クリーム剤、軟膏剤、液剤、ラテックス剤、リポソーム製剤を含み、ペントキシフィリンの量で計算すると、外用製剤の投与量は、経口製剤の投与量と同じである。投与時間は、具体的に、臨床症状とその症状のよくなる度合いによって決める。
(2)子ども:経口製剤は、錠剤、カプセル剤、腸溶錠剤、滴剤、顆粒剤、散剤、経口液剤を含み、ペントキシフィリンの量で経口投与の量が10mg〜100mg/回を1日1〜3回とする。局所外用製剤は、噴霧剤、坐剤、ゲル剤、乳膏剤、クリーム剤、軟膏剤、液剤、ラテックス剤、リポソーム製剤を含み、ペントキシフィリンの量で計算すると、外用製剤の投与量は、経口製剤の投与量と同じである。投与時間は、具体的に、臨床症状とその症状のよくなる度合いによって決める。
(3)3歳以下の小児及び豚、犬、羊、牛、虎などを含む動物:経口製剤または局所外用製剤の有効投与量は、児童薬用量に応じて適切に調整することができ、これは当業者にとって簡単に行うことができる。
また、本発明は、上記のペントキシフィリンを含む医薬品組成物を用いて機能性便秘を治療する試験研究を提供する。本発明では、試験例1のマウスを、モルヒネの皮下注射で誘発して輸送遅延型マウス便秘モデルを構築し、マウスの糞便重量を記録し、活性炭の胃内投与(強制経口投与)方法により試験を行い、試験群と対照群とのマウス結腸の輸送機能を比べる。免疫組織化学的手法により、c−kit陽性細胞面積を計算し、2群のマウスの結腸組織におけるカハール(Cajal)細胞(ICC)の数を比べる。投与後に、モデル対照群は、マウス糞便が少なく、腸管の推進力が弱くなり(第1粒のタール便の排出時間が遅延した)、腸管ICCの量が減少し(c−kit陽性細胞の面積が減少している)、正常群との差別は顕著になっている。非選択的ホスホジエステラーゼ阻害剤であるペントキシフィリン、テオフィリン、アミノフィリン、カフェイン、パルゲベリンを投与した後、結果として、ペントキシフィリン治療群(錠剤群と坐剤群を含む)は、マウスの1日の平均排便量が増加し、マウス腸管の推進力が増強し、腸管ICCの数が上昇したことを見出した。研究の結果によれば、ペントキシフィリンは、輸送遅延型便秘の症状の改善において予期しない効果があることを示し、その他のテオフィリン、アミノフィリン、カフェイン、パルゲベリンのような非選択的ホスホジエステラーゼ阻害剤は、機能性便秘の治療効果において、ペントキシフィリンよりはるかに小さくなることを明らかにした。さらに、本発明では、ペントキシフィリン錠剤群に比べて、ペントキシフィリン坐剤群は、そのマウス1日の平均排便量、第1粒のタール便の排出時間、およびc−kit陽性細胞面積において有意差(P<0.05)があったと見出して驚いた。これは、ペントキシフィリンによる輸送遅延型マウス便秘の治療において、直腸粘膜に直接投与の効果が経口投与よりも優れていることを示した。
機能性便秘において50%以上を占める出口閉塞型便秘については、肛門内外における括約筋が持続的な痙攣となり、および圧力が高まることは、主要な病理生理的変化の一つである。本発明では、試験例2の研究により、ペントキシフィリン治療群において、直腸・肛門静止圧、最大の自発的収縮圧、および直腸・肛門抑制反射の値が大幅に低下しており、効率的に肛門括約筋の肌張力を低下させ、肛門括約筋の弛緩効果を達成することを明らかにした。病理組織学的切片の観察では、ペントキシフィリン治療群の肛門括約筋繊維においてある程度の萎縮を見出した。ペントキシフィリンが肛門括約筋の圧力を効果的に減らすできることは、慢性出口閉塞型便秘に対する臨床治療に対して新しい方法および構想を提供し、さらなる研究に値する。
また、本発明は、試験例3のロペラミド誘発性便秘ラットの直腸粘膜の粘液に対するペントキシフィリンの影響により、ロペラミド誘発性便秘ラットにおける腸粘膜上皮粘液は正常なラットよりも顕著に少なくなったが、ペントキシフィリンを投与した後、ラットの腸粘膜上皮粘液は顕著に多くなり、且つ有意差があることを示した。そして、ペントキシフィリン胃内投与(強制経口投与)群に比べて、ペントキシフィリン外用群は、ラットにおける腸粘膜上皮粘液が顕著に多くなり、且つ有意差(p<0.05)があった。これは、直腸投与の方が腸粘膜機能に対する増強効果をさらに顕著になることを示した。
正常な結腸粘膜における杯状細胞の分泌液がムコ蛋白質に富んでおり、ムコ蛋白質と水とを結合して粘液を形成し、粘液保護層を構成し、粘膜に対して機械的な保護作用を果たしている。粘液分泌の減少は、結腸機能の衰弱が示されるか、または水吸着能が減少し、もしくは細胞ムコ蛋白質の分泌が減少することが示される。本発明は、ペントキシフィリンの投与により、結腸機能の改善、腸粘膜粘液の正常な分泌の増加において、ペントキシフィリンは予期しない効果があると見出して驚いた。これにより分かるように、ペントキシフィリンの機能性便秘に対する治療は、機能性便秘の症状に対する改善だけでなく、腸粘膜の機能に対して顕著に改善することができ、したがって、機能性便秘に対して顕著に改善することが実現可能である。
機能性便秘の治療に用いられる医薬品として、ペントキシフィリンの外用製剤は、一般的に、ペントキシフィリンの経口製剤よりも良いが、経口製剤が投与しやすい利点があるため、機能性便秘の治療に用いられるペントキシフィリンの経口製剤の開発が可能である。
また、本発明は、試験例4により上記のペントキシフィリンを含む医薬品組成物の錠剤を用いて機能性便秘を治療する臨床試験を行った。臨床治療の結果は、以下のように示した。普通錠10mg群、普通錠50mg群、普通錠80mg群、徐放錠75mg群、徐放錠100mg群、腸溶錠10mg群、腸溶錠50mg群の機能性便秘臨床ボランティアの症状は顕著に改善され、治療の有効率は58.33%〜87.50%であり、平均総有効率は77.38%であり、副作用の発生率は0%〜8.33%であるとわりに小さく、副作用の平均発生率は2.08%である。しかしながら、徐放錠400mg群、腸溶錠120mg群の有効率は41.67%〜50.00%であり、平均有効率は45.83%であり、副作用の発生率は12.50%〜33.3%であるとわりに大きく、副作用の平均発生率は22.92%であり、且つ、機能性便秘の症状が悪化された現象が発生した。
これにより分かるように、ペントキシフィリン10mg〜100mgを含む低用量錠剤群は、ペントキシフィリンの高用量錠剤群によりも、機能性便秘の治療における有効率が高くなり、副作用の発生率が顕著に低くなり、且つ統計学的有意差が示された。本発明で提供されたペントキシフィリン10mg〜100mgの低用量錠剤は、機能性便秘の治療するための医薬品として応用することができる。
含有量が好ましい10mg〜100mgであるペントキシフィリン錠剤をペントキシフィリン10mg〜100mgを含む組成物の顆粒剤又はカプセル剤に取り替えても、機能性便秘の治療において、同一または類似の効果を得ることができ、これは当業者にとって予見することができる。これは、本発明のペントキシフィリン10mg〜100mgを含む医薬品組成物が機能性便秘を治療する医薬品として応用できることをさらに示した。
以下、実施例または試験例により、本発明をさらに説明するが、本発明は、下記のような実施例または試験例に限定されるものではない。
(一) ペントキシフィリンの医薬品製剤の部分
実施例1 ペントキシフィリン坐剤
Figure 0005575927
調製プロセス:
処方量のゼラチンを秤量し、容器に入れて、精製水を添加して1時間程度放置し、膨潤させてソフトになり、その後、処方量のグリセリンを追加して水浴上に放置して加熱し、ゼラチンを溶かさせ、続いて加熱しながら撹拌する。ペントキシフィリン、ポリソルベート80を取って均一に混合させ、その後、調製したグリセリンとゼラチンとの溶液を加入して均一に撹拌した後、熱いうちに、潤滑剤がよく塗布された坐剤型に注入し、冷却して坐剤型の口からオーバーフローした部分を削り取り、離型し、品質検査して、包装し、合計で100錠を調製する。
実施例2 ペントキシフィリン坐剤
Figure 0005575927
調製プロセス:
半合成脂肪酸グリセリドを取って容器に入れ、水浴中で加熱して溶かし、温度が50℃程度までに低下してから、グリセリン、ポリソルベート80を加入して均一に撹拌し、ペントキシフィリンを追加して均一に撹拌し、よく撹拌した後、潤滑剤が塗布された坐剤型に、型の口からわずかにオーバーフローするようになるまで注入し、冷却、固化した後、オーバーフローした部分を削り取り、離型し、品質検査して、包装し、合計で100錠を調製する。
実施例3 ペントキシフィリン坐剤
Figure 0005575927
調製プロセス:
ポリエチレングリコール4000およびポリエチレングリコール1000を取って容器に入れ、水浴中で加熱して溶かし、温度が50℃程度までに低下してから、グリセリンを加入して均一に撹拌し、ペントキシフィリンを追加して均一に撹拌し、よく撹拌した後、潤滑剤が塗布された坐剤型に、型の口からわずかにオーバーフローするようになるまで注入し、冷却、固化した後、オーバーフローした部分を削り取り、離型して、品質検査して、包装し、合計で100錠を調製する。
実施例4 ペントキシフィリン坐剤
Figure 0005575927
調製プロセス:
ポリエチレングリコール4000およびポリエチレングリコール1000を取って容器に入れ、水浴中で加熱して溶かし、温度が50℃程度までに低下してから、グリセリンを加入して均一に撹拌し、ペントキシフィリンを追加して均一に撹拌し、よく撹拌した後、潤滑剤が塗布された坐剤型に、型の口からわずかにオーバーフローするようになるまで注入し、冷却、固化した後、オーバーフローした部分を削り取り、離型して、品質検査して、包装し、合計で1000錠を調製する。
実施例5 ペントキシフィリンのゲル剤
Figure 0005575927
調製プロセス:
処方量50%の水に、カルボマーを、ゆっくりと添加しながら、透明なゲル基剤になるまで撹拌し、さらに適量の水に溶解したペントキシフィリンを、この基剤に添加して均一に撹拌し、プロピレングリコール、グリセリン、精製水を全量になるまで追加し、トリエタノールアミンでpH値を中性に調整して得られる。
実施例6 ペントキシフィリンの乳膏剤
Figure 0005575927
調製プロセス:
処方量のモノステアリン酸グリセリル、ステアリン酸、白色ワセリン、トリエタノールアミンを取り、水浴上で溶融まで加熱して均一に混合させ、油相とする。また、適当量の精製水を取って、ペントキシフィリンをこの水に溶かす。
グリセリン、ラウリル硫酸ナトリウム、精製水、エチルパラベンを取って混合し、80℃程度に加熱し、水相とする。油相の温度が80℃程度になると、撹拌しながら、その中にペントキシフィリン溶液を加入し、且つ温度を80℃程度に維持する。均一に撹拌した油相を、低速で撹拌しながら、徐々に水相に加入し、その後、30分間加速に撹拌し、撹拌を止めて乳膏が得られる。
実施例7 ペントキシフィリン軟膏剤
Figure 0005575927
調製プロセス:
パラフィン、モノステアリン酸グリセリル、白色ワセリン、流動パラフィン、プロピレングリコール、スパン80、およびパラヒドロキシ安息香酸エチルを、水浴中で加熱して溶融させ、且つ80℃に維持し、それを撹拌しながら、徐々に80℃の水を添加し、且つ、添加しながら凝縮まで撹拌し、そのようにして軟膏基剤となった。ペントキシフィリンを取って適量の精製水に溶解させ、基剤に入れて最後に1000gになるまで水を添加し、均一に撹拌して得られた。
実施例8 ペントキシフィリン噴霧剤
Figure 0005575927
調製プロセス:
常温・常圧で、ペントキシフィリン10gを秤量し、適量の蒸留水に溶解させ、それに処方における各成分を、それぞれそれらの配合比で、即ち、グリセリン30g、尿素2g、臭化ベンザルコニウム0.1g、塩化ナトリウム0.9gを、最後に100mlになるまで蒸留水を追加して十分に混合させ、缶詰化して、シールして、検査し、製品が得られる。
実施例9 ペントキシフィリンのエアロゾル剤
Figure 0005575927
調製プロセス:
常温・常圧で、ペントキシフィリン10gを秤量し、適量の蒸留水に溶解させ、それに処方における各成分を、それぞれそれらの配合比で、即ち、グリセリン10g、尿素2g、臭化ベンザルコニウム0.1g、推進剤F12適量を、最後に100mlになるまで蒸留水を追加して十分に混合させ、缶詰化して、シールして、検査し、製品が得られる。
実施例10 ペントキシフィリン普通錠
Figure 0005575927
調製プロセス:
ペントキシフィリンと、補助材料の微結晶セルロース、カルボキシメチルデンプンナトリウムとを均一に混合して、適量のデンプン糊を追加して軟らかい材料を調製し、16メッシュの篩を通過させて造粒する。湿った顆粒を60℃で乾燥させ、乾いた顆粒を16メッシュの篩で整粒して乾いた顆粒における微粉を篩分けて取り出し、ステアリン酸マグネシウムと均一に混合し、その後、乾いた顆粒と均一に混合して錠剤化させ、合計で1000錠を調製した。錠剤の含有量規格は、10mg/錠である。
実施例11 ペントキシフィリン普通錠
Figure 0005575927
調製プロセス:
80メッシュの篩を通過したペントキシフィリンおよび乳糖、微結晶セルロースを均一に混合し、50%エタノールで軟らかい材料になるように調製し、20メッシュの篩を通過して造粒し、60度の条件下で送風して乾燥させ、20メッシュの篩で整粒し、その後、処方量のカルボキシメチルセルロースナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムを追加し、均一に混合して錠剤化させ、合計で1000錠を調製した。錠剤の含有量規格は、25mg/錠である。
実施例12 ペントキシフィリン普通錠
Figure 0005575927
調製プロセス:
ペントキシフィリンと、補助材料の微結晶セルロース、カルボキシメチルデンプンナトリウムとを均一に混合して、適量のデンプン糊を追加して軟らかい材料を調製し、16メッシュの篩を通過させて造粒する。湿った顆粒を60℃で乾燥させ、乾いた顆粒を16メッシュの篩で整粒して乾いた顆粒における微粉を篩分けて取り出し、ステアリン酸亜鉛と均一に混合し、その後、乾いた顆粒と均一に混合して錠剤化させ、合計で1000錠を調製した。錠剤の含有量規格は、80mg/錠である。
実施例13 ペントキシフィリン普通錠
Figure 0005575927
調製プロセス:
ペントキシフィリンと、補助材料のマンニトール、乳糖、カルボキシメチルデンプンナトリウムとを均一に混合して、適量のデンプン糊を追加して軟らかい材料を調製し、16メッシュの篩を通過させて造粒した。湿った顆粒を60℃で乾燥させ、乾いた顆粒を16メッシュの篩で整粒して乾いた顆粒における微粉を篩分けて取り出し、ステアリン酸マグネシウムと均一に混合し、その後、乾いた顆粒と均一に混合して錠剤化させ、合計で1000錠を調製した。錠剤の含有量規格は、50mg/錠である。
実施例14 ペントキシフィリン腸溶錠
Figure 0005575927
調製プロセス:
ペントキシフィリンと、補助材料の微結晶セルロース、カルボキシメチルデンプンナトリウムとを均一に混合して、適量のデンプン糊を追加して軟らかい材料を調製し、16メッシュの篩を通過させて造粒する。湿った顆粒を60℃で乾燥させ、乾いた顆粒を16メッシュの篩で整粒して乾いた顆粒における微粉を篩分けて取り出し、ステアリン酸マグネシウムと均一に混合し、その後、乾いた顆粒と均一に混合して錠剤化させ、そしてフィルムコーティングおよび腸溶コーティングを行い、且つ隔離層により重量を3%増加し、腸溶コーティングにより重量を8%増加し、合計で1000錠を調製した。腸溶錠の含有量規格は、10mg/錠である。
実施例15 ペントキシフィリン腸溶錠
Figure 0005575927
調製プロセス:
80メッシュの篩を通過したペントキシフィリンおよび乳糖、微結晶セルロースを均一に混合し、50%エタノールで軟らかい材料になるように調製し、20メッシュの篩を通過して造粒し、60度の条件下で送風して乾燥させ、20メッシュの篩で整粒し、その後、処方量のカルボキシメチルセルロースナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムを追加し、均一に混合して錠剤化させ、そしてフィルムコーティングおよび腸溶コーティングを行い、且つ隔離層により重量を3%増加し、腸溶コーティングにより重量を8%増加し、合計で1000錠を調製した。腸溶錠剤の含有量規格は、25mg/錠である。
実施例16 ペントキシフィリン腸溶錠
Figure 0005575927
調製プロセス:
ペントキシフィリンと、補助材料の微結晶セルロース、カルボキシメチルデンプンナトリウムとを均一に混合して、適量のデンプン糊を追加して軟らかい材料を調製し、16メッシュの篩を通過させて造粒する。湿った顆粒を60℃で乾燥させ、乾いた顆粒を16メッシュの篩で整粒して乾いた顆粒における微粉を篩分けて取り出し、ステアリン酸亜鉛と均一に混合し、その後、乾いた顆粒と均一に混合して錠剤化させ、そしてフィルムコーティングおよび腸溶コーティングを行い、且つ隔離層により重量を3%増加し、腸溶コーティングにより重量を8%増加し、合計で1000錠を調製した。腸溶錠剤の含有量規格は、50mg/錠である。
実施例17 ペントキシフィリン腸溶錠
Figure 0005575927
調製プロセス:
ペントキシフィリンと、補助材料のマンニトール、乳糖、カルボキシメチルデンプンナトリウムとを均一に混合して、適量のデンプン糊を追加して軟らかい材料を調製し、16メッシュの篩を通過させて造粒した。湿った顆粒を60℃で乾燥させ、乾いた顆粒を16メッシュの篩で整粒して乾いた顆粒における微粉を篩分けて取り出し、ステアリン酸マグネシウムと均一に混合し、その後、乾いた顆粒と均一に混合して錠剤化させ、そしてフィルムコーティングおよび腸溶コーティングを行い、且つ隔離層により重量を3%増加し、腸溶コーティングにより重量を8%増加し、合計で1000錠を調製した。腸溶錠剤の含有量規格は、50mg/錠である。
実施例18 ペントキシフィリン徐放錠
Figure 0005575927
調製プロセス:
原料と補助材料とを均一に混合し、80メッシュの篩を通過し、8%PVPK30・70%エタノール水溶液で軟らかい材料を調製し、30メッシュの篩で湿った顆粒を調製し、50℃で乾燥させ、ステアリン酸マグネシウムを追加し、混合して錠剤化させ、合計で1000錠を調製した。徐放錠の含有量規格は、100mg/錠である。
実施例19 ペントキシフィリン徐放錠
Figure 0005575927
調製プロセス:
原料と補助材料とを均一に混合し、80メッシュの篩を通過し、8%PVPK30・70%エタノール水溶液で軟らかい材料を調製し、30メッシュの篩で湿った顆粒を調製し、50℃で乾燥させ、ステアリン酸マグネシウムを追加し、混合して錠剤化させ、合計で1000錠を調製した。徐放錠の含有量規格は、80mg/錠である。
実施例20 ペントキシフィリン徐放錠
Figure 0005575927
調製プロセス:
原料と補助材料とを均一に混合し、80メッシュの篩を通過し、8%PVPK30・70%エタノール水溶液で軟らかい材料を調製し、30メッシュの篩で湿った顆粒を調製し、50℃で乾燥させ、ステアリン酸マグネシウムを追加し、混合して錠剤化させ、合計で1000錠を調製した。徐放錠の含有量規格は、75mg/錠である。
実施例21 ペントキシフィリン顆粒剤
Figure 0005575927
調製プロセス:
通常の調製プロセスに従って調製する。
実施例22 ペントキシフィリン顆粒剤
Figure 0005575927
調製プロセス:
通常の調製プロセスに従って調製する。
実施例23 ペントキシフィリンのカプセル剤
Figure 0005575927
調製プロセス:
通常の調製プロセスに従って調製した後、空カプセルに仕込む。
実施例24 ペントキシフィリンのカプセル剤
Figure 0005575927
調製プロセス:
通常の調製プロセスに従って調製した後、空カプセルに仕込む。
対照例1 テオフィリン錠剤
Figure 0005575927
調製プロセス:
テオフィリンと、補助材料の微結晶セルロース、カルボキシメチルデンプンナトリウムとを均一に混合して、適量のデンプン糊を追加して軟らかい材料を調製し、16メッシュの篩を通過させて造粒した。湿った顆粒を60℃で乾燥させ、乾いた顆粒を16メッシュの篩で整粒して乾いた顆粒における微粉を篩分けて取り出し、ステアリン酸マグネシウムと均一に混合し、その後、乾いた顆粒と均一に混合して錠剤化させて調製した。
対照例2 アミノフィリン錠剤
Figure 0005575927
調製プロセス: 対照例1と同じである。
対照例3 カフェイン錠剤
Figure 0005575927
調製プロセス: 対照例1と同じである。
対照例4 パルゲベリン錠剤
Figure 0005575927
調製プロセス: 対照例1と同じである。
(二) ペントキシフィリンの薬力学研究
試験例1 ペントキシフィリンの輸送遅延型マウス便秘モデルへの影響
1.試験の目的
試験群のマウスを、モルヒネの皮下注射で誘発して輸送遅延型マウス便秘モデルを構築し、マウスの糞便重量を記録し、活性炭の経口投与方法により試験を行い、試験群と対照群とのマウス結腸の輸送機能を比べる。免疫組織化学の手法により、2群のマウスの結腸組織におけるカハール細胞の数を比べる。
2.材料
特定病原体不在のSPFレベルのICRマウス80匹は、山東新時代薬業動物中心から入手し、雌と雄が半々であり、体重が20〜25gである。マウス用代謝ケージ(蘇州馮氏試験動物公司製)。注射用塩酸モルヒネ(瀋陽第一製薬廠製、規格:10mg/本)。生理食塩水。一次抗体(sc−168,Santa Cruz Biotechnology,Inc,、200mg/L)。二次抗体(ヤギ抗ウサギ抗体、中山生物科技公司製)。ペントキシフィリン錠剤、調製プロセスが実施例10と同様である。ペントキシフィリン坐剤、調製プロセスが実施例3と同様である。テオフィリン錠剤、調製プロセスが対照例1と同様である。アミノフィリン錠、調製プロセスが対照例2と同様である。カフェイン錠剤、調製プロセスが対照例3と同様である。パルゲベリン錠剤、調製プロセスが対照例4と同様である。
3 試験の方法および手順
3.1 輸送遅延型マウス便秘モデルの構築
ICRマウス80匹を、無作為に10匹ずつ(10匹/群)、6つの試験群、1つの正常対照群と1つのモデル対照群に分ける。6つの試験群は、それぞれ、ペントキシフィリン錠剤群、ペントキシフィリン坐剤群、テオフィリン錠剤群、アミノフィリン錠剤群、カフェイン錠剤群、パルゲベリン錠剤群に分ける。すべてのマウスは、80個のマウス用代謝ケージに入れ、SPFレベルの環境で飼育する。適応性飼育を3日間を行った後、試験群およびモデル対照群のマウスには、塩酸モルヒネ2.5mg/(kg・d)を皮下注射し、正常対照群には、等量の生理食塩水を注射した。マウスの糞便の粒数、糞便の乾燥重量、およびマウスの体重を、3日ごとに1回記録した。輸送遅延型マウス便秘モデルを構築することに成功した表示としては、マウスの1日の平均排便量が少なくなり、且つ正常対照群に比べて1日の平均排便量における有意差があることであり、モデルの構築に成功した後、注射投与を停止する。
3.2 マウスの1日の平均排便重量の測定
モデルの構築に成功した後(飼育の第46日から)のマウスに、医薬品を以下のような投与手法で投与する。ペントキシフィリン錠剤群のマウスには、ペントキシフィリンを胃内投与し、投与用量がペントキシフィリンで1mg/(kg・d)とする。ペントキシフィリン坐薬群のマウスには、ペントキシフィリンを直腸投与し、投与用量がペントキシフィリンで1mg/(kg・d)とする。テオフィリン錠剤群、アミノフィリン錠剤群、カフェイン錠剤群およびパルゲベリン錠剤群には、いずれも、投与用量が1mg/(kg・d)にし、胃内投与する。正常対照群およびモデル対照群は、蒸留水を与えられる。マウスの糞便の粒数、糞便の乾燥重量、およびマウスの体重を、1日おきに1回記録した。マウスの毎日の平均排便量は、正常群に比べて低減し、輸送遅延型便秘の程度を高めたことを示す。
3.3 腸管輸送機能の測定
活性炭の胃内投与法を用いて、第1粒のタール便の排出する時間を測定する。投与を1週間停止したマウスを、すべて24時間絶食させ、100mg/mlの活性炭懸濁液2mlを口から注ぎ込む。活性炭の胃内投与を完了してからタイミングを開始し、胃内投与してから第1粒のタール便の排出までの時間を記録する。第1粒のタール便の排出時間が長くなるほど、輸送遅延型便秘の程度が大きくなることを示す。
3.4 免疫組織化学的に標識したマウス結腸組織ICC、及びマウスの結腸組織ICCの数量の比較
試験完了後、マウスを頚椎脱臼法により殺し、腹を切開して幽門から直腸端末までの腸管全体を取り出し、それぞれ、各マウスの遠位結腸組織における2〜3箇所を取り、4%ホルムアルデヒド溶液で固定し、パラフィン包埋し、連続切片(厚さ:4〜5μm)を行う。切片を、脱ろうおよび水化した後、pH8.0のEDTA緩衝液に放置し、15min煮沸し、10min保温し、室温で冷却する。PBS液(pH7.6)で、5min/回に、3回洗浄する。各切片に、50μlの3%過酸化水素水を滴下して内因性ペルオキシダーゼの活性を遮断し、室温下で10minインキュベートする。PBS液(pH7.6)で、5min/回に、3回洗浄する。血清を除去し、それぞれ、一次抗体(1:500)50μlを添加し、37℃で60minインキュベートし、PBS液で5min/回に3回洗浄する。PBS液を除去し、それぞれ、ビオチンで標識された二次抗体(1:50)50μlを添加し、室温で10minインキュベートする。PBS液で、3min/回に、3回洗浄する。PBS液を除去し、50μlのストレプトアビジン−ペルオキシダーゼ溶液を添加し、室温で10minインキュベートする。PBS液で、3min/回に、3回洗浄する。PBS液を除去し、新たに調製されたDABを2滴添加し、顕微鏡下で3〜10min観察する。水道水で洗浄する。ヘマトキシリンで染め直し、0.1%HCl・エタノールで分化し、流水で洗浄して青色に戻す。段階的な濃度のエタノールにより脱水し、乾燥させ(キシレンで透徹処理を行い)、中性バルサムで封入を行い、細胞質が茶褐色になることは陽性反応である。各切片について、高倍率視野(×200)を五個選択し、Lecia RX250型画像解析システムおよびQwinソフトウェアを応用し、c−kit陽性細胞の面積をマークして計算する。c−kit陽性細胞の面積が正常群のマウスによりも小さくなるほど、輸送遅延型便秘の程度が大きくなることを示めす。
3.5 試験データの統計的処理
試験データを、SPSS10.0という統計的ソフトウェア・パッケージに入力し、統計的方法は、t−検定を選択して用い、p<0.05が有意差のあるとする。
4 結果
試験結果が下記のように示した。
(1) 正常群に比べて、モデル群のマウスは、1日の平均排便量、第1粒のタール便の排出時間、およびc−kit陽性細胞の面積において、いずれも、極めて有意差(p<0.01)があった。これは、輸送遅延型マウス便秘モデルの構築に成功したことを示した。
(2) モデル群のマウスに比べて、ペントキシフィリン錠剤群、ペントキシフィリン坐剤群のマウスは、1日の平均排便量、第1粒のタール便の排出時間、およびc−kit陽性細胞の面積において、いずれも、有意差(p<0.05)があったが、テオフィリン錠剤群、アミノフィリン錠剤群、カフェイン錠剤群、パルゲベリン錠剤群のマウスは、1日の平均排便量、第1粒のタール便の排出時間、およびc−kit陽性細胞の面積において、いずれも、有意差がなかった(P>0.05)。これは、ペントキシフィリンがマウスの排便量を改善し、マウス腸管の推進力を向上させ、且つ腸管ICCの数量を増加させ、輸送遅延型マウス便秘の症状をよくなることができ、しかしながら、テオフィリン、アミノフィリン、カフェイン、パルゲベリンはこのような機能がないことを示した。
(3) テオフィリン錠剤群、アミノフィリン錠剤群、カフェイン錠剤群、パルゲベリン錠剤群に比べて、ペントキシフィリン錠剤群、ペントキシフィリン坐剤群のマウスは、1日の平均排便量、第1粒のタール便の排出時間、およびc−kit陽性細胞の面積において、いずれも、有意差があり、または極めて有意差がある。これは、テオフィリン、アミノフィリン、カフェイン、パルゲベリンのようなその他の非選択的ホスホジエステラーゼ阻害剤によりも、ペントキシフィリンが輸送遅延型便秘の治療効果において、顕著に優れることを示した。
(4) ペントキシフィリン錠剤群に比べて、ペントキシフィリン坐剤群は、そのマウス1日の平均排便量、第1粒のタール便の排出時間、およびc−kit陽性細胞面積においてさらによくなり、有意差がなかった(P>0.05)が、ペントキシフィリンによる輸送遅延型マウス便秘の治療において、直腸投与の効果は、経口投与よりも優れていることを示した。
Figure 0005575927
5 検討
輸送遅延型便秘患者の腸管Cajal間質細胞(ICC)の数量が減少し、体積が縮小するため、ICCの減少は輸送遅延型便秘の腸管組織・細胞学的主な特徴である。c−kitは、第5番染色体のw部位にある癌原遺伝子の1種であり、チロシンキナーゼ型膜受容体に属するkit受容体をコードする。ICCがc−kitの発現の有無は、腸管運動に密接に関連しているため、c−kit抗体標識を利用してICCを識別することができる。本研究では、c−kit抗体を利用してICCを標識した後、二つ群のマウスの陽性細胞の数量を比べ、投与後、モデル対照群は、マウスの糞便が減少し、腸管の推進力が低減し、腸管のICCの数量が減少し、正常群に比べて有意差があるため、本研究で作られたモデルは、輸送遅延型便秘の生理学・病理組織細胞学的な特性と一致した。ペントキシフィリン投与群は、錠剤群と坐剤群を含んでおり、輸送遅延型便秘の上記の症状の改善、すなわち、マウスの1日の平均排便量の増加、マウス腸管の推進力の増強、且つ腸管ICC数量の増大において、予期しない薬効があった。
試験例2 ペントキシフィリンのラット肛門括約筋への影響
1 材料および方法
1.1 材料:
週齢の雄性Wisterラット70匹(体重240±10g、出所:山東新時代薬業動物センター)を、ステンレス製のケージに入れて飼育し、且つ、温度24±0.5℃、相対湿度55±10%で、毎日7時から19時までの12時間に光の照射を行い、ラットが自由に食べたり飲んだりさせ、統一規格の食事をする。テオフィリン錠剤は、調製プロセスが対照例1と同じである。アミノフィリン錠剤は、調製プロセスが対照例2と同じである。カフェイン錠剤は、調製プロセスが対照例3と同じである。パルゲベリン錠剤は、調製プロセスが対照例と同じである。0.9%NaCl溶液。ペントキシフィリン錠剤は、調製プロセスが実施例10と同じである。ペントキシフィリンのエアロゾル剤は、調製プロセスが実施例9と同じである。
1.2 方法:
すべてのラットを、無作為に、7群(10匹/群)に分ける。グルーピングおよび投与は、次のようにする。
ペントキシフィリン胃内投与群には、ペントキシフィリン0.15mg/kg・dを投与する。
ペントキシフィリン外用群には、ペントキシフィリン0.15mg/kg・dを投与する。
生理食塩水群には、生理食塩水0.15mg/kg・dを胃内投与する。
テオフィリン群には、テオフィリン0.15mg/kg・dを胃内投与する。
アミノフィリン群には、アミノフィリン0.15mg/kg・dを胃内投与する。
カフェイン群には、カフェイン0.15mg/kg・dを胃内投与する。
パルゲベリン群には、パルゲベリン0.15mg/kg・dを胃内投与する。
投与前1時間、投与後72時間では、それぞれ、7群の動物の肛門周辺の括約筋筋電図を検出し、同時に、直腸肛門内圧の測定を行う。DANTEC公司製のCounterpoint MKII型神経筋電図計を用いて、肛門括約筋の表面筋電図を検出する。その中で、濾波帯域が500〜1000Hzで、感度が0.2〜1mV/cmで、走査速度が0.5〜1msであり、表面電極を用いて肛門周辺の皮膚上に設けられ、4つの群の試験動物の肛門括約筋筋電図を記録し、筋電図計そのものに付属しているソフトウェアで電位の平均振幅および平均時間制限を計算する。
RT−2070型多チャンネル肛門直腸内圧測定計を用いて、自作した小型の気嚢(最大0.5ml)検圧導管を加えて、試験動物の肛門直腸内圧測定を行う。マイクロマルチプローブを、肛門直腸内に、0.5cm入れて、肛門直腸静止圧、肛門直腸の最大の自発的収縮圧、および直腸肛門抑制反射値を測定する。ラットの肛管が短く、細くて直腸と明らかな境界がないため、単一気嚢のみで肛門直腸内圧測定を行う。同時に、多チャンネル生理レコーダーにより、測定値を記録する。
測定した後、試験動物を殺して4群の試験動物の肛門括約筋組織を切取り、病理切片を行い、ヘマトキシリン・エオシン(HE)染色をさせて光学顕微鏡の400倍率で、試験動物の肛門括約筋の筋繊維の組織形態学特性を観察する。
1.3 統計的処理
すべての統計的データは、平均値±分散で示される。SPSS10という統計解析ソフトウェアにより、分散分析し、P<0.05は統計的に有意差があるとしている。
2 結果
2.1 肛門括約筋の筋電図の変化状況
試験結果は、7群の試験動物が治療前と治療後に肛門周辺の括約筋の筋電図が、いずれも規則・持続的な電気的活動を示す。
7群の動物の治療前に、筋電図では、有意差(P<0.05)がないと示し、電位振幅が(96.8±35.7)μVで、制限時間が(3.8±0.9)msである。
生理食塩水群に比べて、治療後72時間では、すべての治療群の筋電図の運動電位振幅が多少減少し、平均時間制限が多少増加しているが、テオフィリン、アミノフィリン、カフェイン、パルゲベリン群は、生理食塩水群に比べて有意差がなく、ペントキシフィリン胃内投与群および外用群は、生理食塩水群に比べて有意差があった。
テオフィリン、アミノフィリン、カフェイン、パルゲベリン群に比べて、ペントキシフィリン胃内投与群および外用群は、電位振幅の低下において有意差があった。テオフィリン群、パルゲベリン群に比べて、ペントキシフィリン胃内投与群および外用群は、時間制限の延長において有意差があった。具体的には、表2に示す。
Figure 0005575927
2.2 肛門直腸内圧測定の状況:
生理食塩水群に比べて、治療後72時間では、すべての治療群の肛門直腸静止圧、肛門直腸の最大の自発的収縮圧、直腸肛門抑制反射値の気嚢容量は、いずれも、生理食塩水群によりも低くなった。テオフィリン、アミノフィリン、カフェイン、パルゲベリン群は、生理食塩水群に比べて有意差がなく、ペントキシフィリン胃内投与群および外用群は、生理食塩水群に比べて有意差があった。
テオフィリン、アミノフィリン、カフェイン、パルゲベリン群に比べて、ペントキシフィリン胃内投与群および外用群は、肛門直腸静止圧、肛門直腸の最大の自発的収縮圧、直腸肛門抑制反射値の気嚢容量の低下において有意差があった。
ペントキシフィリン胃内投与群に比べて、ペントキシフィリン外用群は、肛門直腸静止圧、肛門直腸の最大の自発的収縮圧、直腸肛門抑制反射値の気嚢容量の低下効果において、ペントキシフィリン胃内投与群によりさらによくなったが、胃内投与群と外用群との間に統計的有意差がなかった。具体的には、表に示す。
機能性便秘の50%以上である出口閉塞型便秘について、肛門内外の括約筋の持続的な痙攣や圧力の上昇は、その主な病態生理学的変化の一つである。ペントキシフィリン治療群において、直腸・肛門静止圧、最大の自発的収縮圧、および直腸・肛門抑制反射の値が大幅に低下しており、効率的に肛門括約筋の肌張力を低下させ、肛門括約筋の弛緩効果を達成することを明らかにした。病理組織学的切片の観察では、ペントキシフィリン治療群の肛門括約筋繊維においてある程度の萎縮を見出した。ペントキシフィリンが肛門括約筋の圧力を効果的に減らすできることは、慢性出口閉塞型便秘に対する臨床治療に対して新しい方法および構想を提供し、さらなる研究に値する。
Figure 0005575927
試験例3 ペントキシフィリンのロペラミド誘発性便秘ラットの直腸粘膜の粘液に対する影響
1.試験材料
8週齢のSDラット(体重240±10g、出所:山東新時代薬業動物センター)を、ステンレス製のケージに入れて飼育し、且つ、温度24±0.5℃、相対湿度55±10%で、毎日7時から19時までの12時間に光の照射を行い、ラットが自由に食べたり飲んだりさせ、統一規格の食事をする。ロペラミド(Loperamide)、0〜9%NaCl溶液、ペントキシフィリン錠剤,その調製プロセスは、実施例10と同じであり、ペントキシフィリン坐剤の調製プロセスは、実施例1と同じである。
2.試験方法および手順
発明者らは、5匹/群で、ラットをペントキシフィリン胃内投与群、ペントキシフィリン外用群、1つのモデル対照群、1つの正常対照群に分ける。適性飼育、3日間。胃内投与群、外用群、モデル対照群に対して、ロペラミド1.5mg/kgを皮下注射し、この注射前に、ロペラミドを0.9%NaCl溶液に溶解させ、それぞれ、毎日9時および18時に注射する。正常群のマウスに対して0.9%NaCl溶液を注射し、試験方法は、モデル群と同じである。
胃内投与群のラットには、毎日の10時にペントキシフィリン錠剤を胃内投与し、投与量が1.5mg/kgとする。外用群のラットには、ペントキシフィリン坐剤1.5mg/kgを直腸投与し、投与量がいずれもペントキシフィリンの量で計算する。モデル対照群および正常対照群のラットには、蒸留水を投与し、投与量と方法が上記の方法と同様にする。
上記の各群ラットを、いずれも、ケージ内で自由に摂食させて飼育し、投薬14日後に、ケタミンで麻酔し、開腹し、遠位結腸8cmを切り取って縦方向に切り開き、10%の中性ホルマリンで固定させ、必要に準備しておく。すべて固定した標本を、パラフィンで包埋し、常法で切片を作成し、AB−PAS染色を行う。粘液を含有する細胞のグレー値がわりに低く、粘液を含まない細胞のグレー値がわりに高い。IMSフルトゥルーカラー画像解析システム(上海申騰信息技術公司の製品)を用いて、粘液の陽性面積を解析する。技術指標は、512×512の画像解像度で、256のグレー・スケールである。顕微鏡は、olympus−BH2というものである。標本ごとに、無作為に6つの低倍率視野10×10を検出した。試験結果は、平均値±標準偏差で表れ、ソフトウェアパッケージSPSS10.0により、分散分析を行った。
3. 結果
試験結果が下記のように明らかにした。
(1) 正常対照群は、ラットの腸粘膜上皮の粘液が豊かである。モデル対照群は、ラットの腸粘膜上皮の粘液が顕著に減少し、正常群に比べて極めて有意差(p<0.01)があった。
(2) モデル群に比べて、ペントキシフィリン胃内投与群、外用群は、ラットの腸粘膜上皮粘液が顕著に増加し、且つ有意差があった。
(3) ペントキシフィリン胃内投与群に比べて、ペントキシフィリン外用群は、ラットにおける腸粘膜上皮粘液が顕著に多くなり、且つ有意差(p<0.05)があった。これは、直接に直腸粘膜投与の方が腸粘膜機能に対する増強効果がさらに顕著になることを示した。
本発明は、ペントキシフィリンの投与により、腸管機能の改善、腸粘膜の正常な分泌の増加において、ペントキシフィリンは予期しない効果があると見出して驚いた。これにより分かるように、ペントキシフィリンの機能性便秘に対する治療は、機能性便秘の症状に対する改善だけでなく、腸粘膜の粘液の分泌を増加させ、腸粘膜の機能に対して顕著に改善することができ、さらに、機能性便秘を顕著に改善させることを根本的に実現する。
Figure 0005575927
試験例4 ペントキシフィリンの機能性便秘の臨床ボランティアに対する治療効果の観察
1 臨床資料
1.1 診断基準
1999年にローマでの世界胃腸症会議に規定された慢性機能性便秘の診断基準(ローマIIの診断基準)、すなわち、過去12ヶ月間では、連続的に、または合計で少なくとも12週間にわたって、下記の症状の2つ以上の条件を満たすことであり、(1)1/4の時間では、排便しにくいこと、(2)1/4の時間では、糞便が塊状や堅いものになること、(3)1/4より多い時間では、残便感があること、(4)1/4より多い時間では、肛門の閉塞感があるか、排便困難となること、(5)1/4より多い時間では、排便の時に補助手段が必要となること(骨盤底機能障害)、(6)毎週に排便回数が3回未満となることであること、という診断基準を参照する。軟便が存在しなく、過敏性腸症候群の診断基準も満たしていない。同時に、腸管または体全体の器質的病因、薬物要因によって引き起こされる便秘が除外である。排便困難の発生部位および運動障害により、機能性便秘は、通常、輸送遅延型便秘(STC)、出口閉塞型便秘(OOC)および混合型便秘(IX)の三種類に分ける。
1.2 一般的な資料
臨床ボランティア240例、年齢18歳〜65歳、男性96例、女性144例、病気の経過1〜6年、インフォームドコンセントの書類に署名した。機能性便秘と臨床診断され、その中で、輸送遅延型便秘患者105例(43.75%を占め)、出口閉塞型便秘の患者50例(20.83%を占め)、混合型便秘の患者85例(35.42%を占め)。
2 治療方法
2.1 治療の群別
投与用錠剤の含有量規格に従って、10の治療群に分け、各群は24人のボランティアであり、治療時間は7日である。
普通錠10mg群には、経口普通錠(10mg/錠、調製プロセスが実施例10と同様)1回1錠を1日3回経口投与する。
普通錠50mg群には、経口普通錠(50mg/錠、調製プロセスが実施例13と同様)1回1錠を1日3回経口投与する。
普通錠80mg群には、経口普通錠(80mg/錠、調製プロセスが実施例12と同様)1回1錠を1日3回経口投与する。
徐放錠75mg群には、経口徐放錠(75mg/錠、調製プロセスが実施例20と同様)1回1錠を1日1回経口投与する。
徐放錠100mg群には、経口徐放錠(100mg/錠、調製プロセスが実施例18と同様)1回1錠を1日1回経口投与する。
腸溶錠25mg群には、経口腸溶錠(25mg/錠、調製プロセスが実施例15と同様)1回1錠を1日3回経口投与する。
腸溶錠50mg群には、経口腸溶錠(50mg/錠、調製プロセスが実施例16と同様)1回1錠を1日3回経口投与する。
徐放錠400mg群には、経口徐放錠(400mg/錠、調製プロセスが実施例18と同様)1回1錠を1日1回経口投与する。
腸溶錠120mg群には、経口腸溶錠(120mg/錠、調製プロセスが実施例16と同様)1回1錠を1日3回経口投与する。
普通錠100mg群には、経口普通錠(100mg/錠、調製プロセスが実施例10と同様)1回1錠を1日3回経口投与する。
2.2 観測の指標
(1)排便の時間間隔、便の質、排便しにくい状況。(2)一般的な便検査。(3)バリウム注腸検査。(4)腸ファイバースコープ検査。(5)服薬した副作用の発生状況を検察し、悪心、消化不良、鼓腸、目眩、または頭痛の状況を記録する。副作用を発生した総人数を記録する。(1)(2)は、必ず行うが、(4)(3)は、選択的に行う。
3 治療標準および結果
3.1 疾患治療効果の標準
全癒: 大便が正常であり、または、発病前のレベルに戻り、他の症状がすべて消えた。
顕著な効果: 便秘を顕著に改善し、間隔時間および便の質が正常に近くなり、または、糞便が少し乾燥しており、排便間隔が72時間未満となり、他の症状がほとんど消えた。
有効: 排便間隔時間が1時間短くなり、または、便の質の固さが改善し、他の症状が共に好転した。
無効: 便秘およびその他の症状がまったく改善しなかった。
3.2 データの処理
下記の式、すなわち、有効率=(臨床における全癒の症例数+顕著な効果の症例数+有効の症例数)/治療群の総症例数X100%、副作用率=副作用の症例数/治療群の総症例数X100%により、データを処理する。
3.3 治療の結果
臨床治療の結果は、以下のように示した。普通錠10mg群、普通錠50mg群、普通錠80mg群、徐放錠75mg群、徐放錠100mg群、腸溶錠10mg群、腸溶錠50mg群の機能性便秘臨床ボランティアの症状は顕著に改善され、治療の有効率は58.33%〜87.50%であり、平均総有効率は77.38%であり、副作用の発生率は0%〜8.33%であるとわりに小さく、副作用の平均発生率は2.08%である。しかしながら、徐放錠400mg群、腸溶錠120mg群の有効率は41.67%〜50.00%であり、平均有効率は45.83%であり、副作用の発生率は12.50%〜33.3%であるとわりに大きく、副作用の平均発生率は22.92%であり、且つ、機能性便秘の症状が悪化された現象が発生した。
これによって分かるように、ペントキシフィリン10mg〜100mgを含む低用量錠剤群は、ペントキシフィリン高用量錠剤群によりも、機能性便秘の治療における有効率が高くなり、副作用の発生率が顕著に低くなり、且つ統計学的有意差が認められた。本発明で提供されたペントキシフィリン10mg〜100mgの低用量錠剤は、機能性便秘の治療するための医薬品として応用することができる。かかる結果は、表5に示す通りである。
Figure 0005575927
上記のペントキシフィリン錠剤をペントキシフィリン10mg〜100mgを含む組成物の顆粒剤又はカプセル剤に取り替えても、機能性便秘の治療において、同一または類似の効果を得ることができ、これは当業者にとって予見することができる。これは、本発明のペントキシフィリン10mg〜100mgを含む医薬品組成物が機能性便秘を治療する医薬品として応用できることをさらに示した。
以上、具体的な好ましい実施形態によって本発明を説明したが、当業者にとって、任意の均等の入替でも自明であり、本発明の範囲内に含まれるものであり、且つ本発明範囲内の好ましい技術案は、本発明に提供された技術的示唆に起因する結果であり、且つ本発明に含まれるものであると見なす。前記の均等の入替は、例えば、次のようなことであるが、これらに限定されない。
1.本発明に提供された経口製剤または局所外用製剤からいずれか1つを選ばれて、本発明の試験例1〜4に応じて試験を行うことである。または、文献で報告された機能性便秘の動物モデルに、本発明で提供されたいずれか1つの経口製剤および局所外用製剤を含む医薬品組成物製剤を投与することである。
2.本発明において開示されたペントキシフィリンの機能性便秘の治療に対する投与量により体表面積または重量で換算して試験を行うことを、本発明から与えられた技術示唆であると見なす。

Claims (14)

  1. ペントキシフィリンの、便秘の予防または治療するための医薬品の調製における使用
  2. 前記の便秘は機能性便秘であることを特徴とする、請求項1に記載の使用
  3. 前記の医薬品はペントキシフィリンを含有する医薬品組成物であることを特徴とする、請求項1または2に記載の使用
  4. 前記の医薬品組成物は局所外用製剤であることを特徴とする、請求項3に記載の使用
  5. ペントキシフィリンの前記の局所外用製剤における含有量は0.1〜10重量%であることを特徴とする、請求項4に記載の使用
  6. 前記の局所外用製剤は、噴霧剤、エアゾール剤、坐薬、ゲル剤、乳膏剤、クリーム剤、軟膏剤、液剤、ラテックス剤、またはリポソーム製剤であることを特徴とする、請求項4または5に記載の使用
  7. 前記の医薬品組成物は経口製剤であることを特徴とする、請求項3に記載の使用
  8. 前記の医薬品組成物は錠剤、カプセル剤、滴丸剤、顆粒剤、散剤、または経口液剤であることを特徴とする、請求項7に記載の使用
  9. 前記の医薬品組成物はペントキシフィリン10mg〜100mgを含有することを特徴とする、請求項7または8に記載の使用
  10. 前記の錠剤は普通錠剤、腸溶錠剤、徐放錠剤であることを特徴とする、請求項7または8に記載の使用
  11. ペントキシフィリンの前記の普通錠剤における含有量は、10mg、25mg、50mg、または75mgであり、ペントキシフィリンの前記の腸溶錠剤における含有量が25mgまたは50mgであり、ペントキシフィリンの前記の徐放錠剤における含有量が75mgまたは80mgであることを特徴とする、請求項10に記載の使用
  12. ペントキシフィリンを含有し、且つ、便秘の予防または治療に用いられることを特徴とする、医薬品組成物。
  13. 前記の便秘は機能性便秘であることを特徴とする、請求項12に記載の医薬品組成物。
  14. 前記の医薬品組成物は請求項3〜11に記載の医薬品組成物であることを特徴とする、請求項12または13に記載の医薬品組成物。
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