JP5575515B2 - 医用画像診断システム - Google Patents

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Description

本発明は、遺体に造影剤を注入することにより、画像診断装置と連動して死亡時の画像診断を行える医用画像診断システム及び造影用の送液装置に関する。
死亡時画像診断による死因確定において、脳出血や大動脈瘤破裂等の出血性病変は造影剤なしでも診断可能であるが、突然死を引き起こす心筋梗塞の原因となる冠状動脈血栓症等、造影剤の併用なしでは診断することができない病変もある。そこで、医師が心臓マッサージにより造影剤を注入した後、遺体をCTガントリ内に移動して、造影CT(Computed Tomography)撮影を行うことが考えられている。
このような死後造影CT撮影は死因究明制度の強化により、今後増加して行くことが予想される。また、遺族が解剖を好まないことも多く、遺体になるべく傷をつけずに死因解明ができることが好ましい。
また、患者に対しての造影剤を投与してCT撮影を行う技術としては、特許文献1に記載のものがある。
特開2008−178466号公報
死亡後は、自発的な心臓の拍動による血液循環がないため、医師らが心臓マッサージを行うことで造影剤を体内に注入することが可能となるが、この場合、適切に造影剤が注入されたかどうかを判断することが難しい。
自動的に血液循環を行える装置としては、自動心臓マッサージ装置などがある。これらを使用すれば、遺体に対する造影剤の自動注入は可能であると思われる。しかしながらこの装置を装着したままCTのガントリ内でCT撮影を行うと、この自動心臓マッサージ装置を構成する材質に由来するアーチファクトが観測されてしまうため、死亡時の画像診断には使用できないと思われる。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、遺体をCTガントリ内から移動させずとも、造影CT撮影を可能にし、死因と関連する臓器の病変や損傷を明らかにすることができる医用画像診断システムを提供することを目的とする。
本発明の請求項1によれば、遺体内で液体を強制的に循環させる送液ポンプとこの循環液体に造影剤を投与する造影剤投与手段から構成される液体循環手段と、前記遺体の画像を取得するための制御パラメータ及び制御シーケンスに従い前記液体循環手段を制御する制御手段と、この制御手段とネットワークで接続され、この制御手段からの制御命令に従って前記遺体の所望部位の画像撮影を行う画像診断装置と、を有することを特徴とする医用画像診断システムを提供する。
本発明の医用画像診断システムによれば、CTガントリ内から遺体を移動させることなく、造影CT撮影が行える効果がある。
本発明の実施形態に係る画像診断システムの基本構成例を示す図である。 本発明の実施形態に係る画像診断システムの診断フローチャート例である。 本発明の第1の実施形態に係る画像診断システムの構成図である。 本発明の第2の実施形態に係る画像診断システムの血管の細い部分を診断する場合の構成図である。 本発明の第3の実施形態に係る画像診断システムのダイナミックCTでの死亡診断フローチャート例である。 本発明の第3の実施形態に係る画像診断システムのダイナミックCT撮影での撮影遅延時間の目安を示す図である。(a)は、通常の生体における平均時間、(b)は個人差を考慮した時間である。 本発明の第3の実施形態に係る肝臓を示す図である。
本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像診断システムの基本構成図である。この画像診断システムは、死亡原因が存在すると予想される部位の血管100に接続されるカテーテル101a、101bと、造影剤投与装置102と、加温装置103が接続された体外循環装置104とから構成される液体循環手段と、これらの装置を制御するための制御装置105と、液体循環手段を構成する装置を制御するための制御シーケンス及び制御パラメータが保存された計画データベース106とから構成される。
造影剤投与装置102と、加温装置103が接続された体外循環装置104を一体にまとめて1つの造影用の送液装置としても良い。
計画データベース106に保存される制御パラメータは、制御装置105に接続された入力装置107から入力することが可能である。また制御パラメータは、後述のネットワークに接続された他の装置等、または保存メディアから読み込むことも可能である。
また、制御装置105には、遺体を撮影して死亡原因を特定するためのCT装置108と、CT装置108で撮影された多数のCT画像から死因を推定するためのコンピュータ画像診断支援装置(CAD:Computer-Aided Diagnosis System 以下CAD)109がネットワーク110を介して接続されている。カテーテル101a、101bが取り付けられた遺体111がCTガントリ112内に送られると、制御装置105は医師の指示、または死亡時画像診断のための計画データベース106の制御パラメータに従い、液体循環手段を制御する。そして造影剤が診断部位の適切な位置にまで注入された段階でCT装置108に指示命令を出し、CT画像を撮影する。
図2は、本発明の実施形態に係る画像診断システムの基本的な診断フローチャートである。このフローチャートによって画像診断の概略的な流れを説明する。
まず、ステップS200では、予め推測された死因につながる異常の有無を確認する必要のある部位の血管100に少なくとも2本のカテーテル101a、101bを穿刺針等の経皮的方法を用いて接続し、更に体外循環装置104、加温装置103、造影剤投与装置102を取り付け、遺体111に対して血液(液体)循環できるようにする。次に、ステップS201では、CTガントリ112内に遺体111を送り込む。
そしてステップS202では、血液を循環させる。遺体111の血液が足りない場合は、生理食塩水などで体液を補充すると良い。このとき加温装置103を使用して、循環する血液の温度が計画データベース106に設定された制御パラメータの温度(例えば、37度程度)になるまで加温する。
また、投与する造影剤の温度も37℃程度になるように造影剤加温装置(図示せず)にて調整する。ただし、遺体の血液および造影剤の温度が室温で統一され、室温での粘稠度等の性質を元に後述する制御パラメータを決定する場合は、ステップS202での加温と、ステップS203は不要となる。循環する血液の温度が所定の範囲内になったら、一度血液循環を停止してもよい。ここまでが死亡時画像診断の準備段階となる。
次に、ステップS204からは、死因診断を行う段階になる。制御装置105は、計画データベース106の制御パラメータに従い、遺体111の血管に造影剤を所定量投与する。計画データベース106は、ローラーポンプの回転速度(血液の送り速度)、造影剤の投与量、造影剤の投与速度、投与開始/停止の投与タイミング、血液の吸引量、吸引圧力、血液の加温温度及びCT画像を取得するためのCT撮影の開始/停止のスキャンタイミング、CT撮影の撮影条件などに関する制御パラメータを記憶している。
このCT撮影の開始/停止のタイミングは、予めCT撮影等により測定された、血管の長さ・血管の断面積と、体外循環装置により制御される血液の循環速度(=造影剤の循環速度)から、造影剤の目標の位置への到達時間を制御装置105によって計算するようにしても良い。(S204)。
このとき、造影剤を体内に循環させるために血液循環を再開する(S205)。計画データベース106に記憶された各制御パラメータに基づいて、造影剤注入開始時から、造影したい部位の目標の位置に造影剤が到達する時間が経過した時、制御装置105は体外循環装置104に指示を出して、血液循環を停止させると共に、CT装置108にCT撮影を行うよう指示を出す。CT装置108は、この指示に基づいて、X線の曝射及び投影データの収集を開始することによりCT撮影を行う(S206)。
ここで、撮影範囲(ここでは撮影開始点と撮影終了点の間の距離)と撮影間隔による撮影枚数も予め最適値が設定されて計画データベース106に記憶されている。すなわち、設定された撮影範囲の撮影、または、設定された枚数を撮影した時点でCT撮影は終了する。尚、CT撮影の手法としては、円軌道でのスキャンを行なうコンベンショナル撮影、螺旋軌道に沿ったスキャンを行うヘリカル撮影等を用いることができる。
CT撮影終了後に、一連または任意の一枚のCT画像を表示装置(図示せず)上に表示させ(S207)、目標の部位の画像が得られたかどうかを確認する(S208)ことができるようにしてもよい。
ステップS208において目標の部位が正常に造影撮影できているかどうかを調べ、正常に撮影できていない場合には、正常に撮影できたことが確認できるまで、ステップS207とステップS206(ここで既に造影剤は注入されているため、CT撮影のみ行う)を繰り返す。
最後のステップS209では、撮影されたCT画像から医師が目視で死亡原因となるような異常の有無を確認する。ここで、CAD109に画像を送り、コンピュータによる診断支援を行うことによって、死亡原因特定の迅速化を測ることも可能であるが、本発明のこの実施形態において必ずしも必要ではない。
推測される死因が複数ある場合には、撮影する部位を変えて、ステップS200からS209を繰り返すことになる。また、死因を予め推測せずに、予め決められたルーチンに従って複数の部位(例えば頭部、頸部、胸部、腹部)を1セットとして撮影することも考えられる。
<第1の実施形態>
図3は、本発明の第1の実施形態に係る画像診断システムの構成図である。基本的な構成は図1と同様である。この図3を用いて、本発明の医用画像診断システムのより具体的な実施形態について説明を行う。ここでは死因として腹部大動脈解離を疑い、造影CTにより腹部大動脈を撮影する場合を例として述べる。
体外循環装置104は、血液を送り出すローラーポンプ301と、戻ってきた血流を貯める貯血槽302から構成される。ローラーポンプ301の回転数を制御して得られる循環流量と、ローラーポンプ301のON・OFF制御で決定されるローラーポンプの駆動時間を制御することが可能である。遺体の血液が不足している場合は、貯血槽302に水または生理食塩水等を追加することで血液量を補充することができる。
本実施形態で使用するローラーポンプ301は、人工心肺に用いられるローラーポンプ等の定量ポンプが好ましい。定量ポンプは、その回転数によって血流量が制御できるからである。もし、遠心ポンプを使用する場合には回転数では血流量を制御できないので、流量計等を用いることが望ましい。
加温装置103は、体外循環装置104で循環する血液を加温できる、例えばヒータと熱交換器(図示せず)とから構成され、循環する血液温度をある所定の温度範囲内にするなどの制御が可能である。
注入する造影剤の温度変化は、注入圧の変化をもたらすため、特に遺体について行う本画像診断システムにおいては、この加温装置103を用いることで、注入すべき造影剤自体の加温のみならず、血液全体を加温することが必要である。その理由は、死後、時間が経過している場合は、遺体の体温が低下しており、遺体の血液を所定の温度に加温しなければ、一度加温した造影剤が遺体の血液により冷却されてしまうためである。
ただし、造影剤、血液の両方が室温等の一定の温度に統一され、その統一された温度での性質を元に制御パラメータが設定される場合には、加温装置103はなくてもよい。
図3では、説明を容易にするため加温装置103と造影剤投与装置102を別々に記載してあるが、加温装置103は、予め所定の温度に温められた造影剤の温度を低下させずに保温する構造を含む。造影剤投与装置102は造影剤量を正確に投与できる注射器のようなインジェクション構造を持ち、造影剤の投与量を制御可能である。
なお、造影剤投与装置102と、加温装置103が接続された体外循環装置104を一体にまとめて1つの造影用の送液装置としても良い。
計画データベース106には、測定する部位毎に、最適な制御がなされるよう、ローラーポンプの回転速度(血液の送り速度)、造影剤の投与量、造影剤の投与速度、投与開始/停止のタイミング、血液の吸引量、吸引圧力、血液の加温温度及びCT画像を取得するためのCT撮影の開始/停止のスキャンタイミング、CT撮影の撮影条件などに関する制御パラメータが記憶されている。制御装置105がこれを読み出して加温装置103、体外循環装置104、造影剤投与装置102からなる液体循環手段を制御し、さらにネットワーク110等を介して接続されたCT装置108へ撮影タイミングの制御を行う。
まず、医師は遺体111の体表を切開し、遺体の傷を最小限にするために図示しない超音波装置等の画像ガイド下で腹部大動脈303までカテーテル101a、101bを挿入する。この時、腹部大動脈の撮影開始点Aと撮影終了点Bには予め超音波等の画像ガイド下にて塞栓材304a、304bが注入されていて、血流及び造影剤の流れが撮影開始点Aと撮影終了点Bの間だけに生じるように、腹部大動脈303は閉じられている。
塞栓材としては、ゼラチンスポンジ、PVA(polyvinyl alcohol)、血管塞栓用ビーズ、金属コイルなどを用いることが可能である。
なお、上記では塞栓材304a、304bを用いたが、これ以外にもクリップや糸を用いることによる血管の結紮など同様の効果が得られる方法であればどのような方法でもよい。
腹部大動脈303の撮影開始点Aには、穿刺針等を用いてカテーテル101aの造影剤注入口A、撮影終了点Bには同じく穿刺針等を用いてカテーテル101bの排出口Bが設けられる。なお、撮影開始点Aと注入口Aはほぼ同位置なので同じ記号Aを使用し、Bも同様とする。以上のような処置を施すことにより診断したい部位のみに対して造影剤を循環させる準備が整う。
次に医師は遺体をCTガントリ112内に送り込む。この時、アーチファクトの原因となるものはなるべくCTガントリ112内に入れない方がよい。したがって、体外循環装置104、加温装置103、造影剤投与装置102はCTガントリ112の外に設置され、体外循環装置104から伸びたカテーテル101a、101bのみがCTガントリ112に入ることになる。
次に、医師が制御回路105のスイッチを動作させることにより、制御回路105は、体外循環装置104のローラーポンプ301を動作させ、血液の循環が開始される。また制御回路105は加温装置103を動作させ、循環する血液の温度が所定の温度範囲に設定されるまで待機する。循環する血液が所定範囲の温度に達した後、制御回路105は、造影剤注入装置102を制御して造影剤の注入を開始する。
造影剤は注入口Aから腹部大動脈303内に注入され、遺体の血液と共に排出口Bへ到達する。造影剤が排出口Bへ到達する時間は、標準の人間の大動脈体積と長さまたは予め測定された遺体自身の腹部大動脈の体積と長さ及び造影剤の注入速度等により、予め計画データベース106に記憶されているため、造影剤が排出口Bへ到達するタイミングでCT撮影が自動的に開始される。また、造影剤が実際に到達しているかどうかを確かめたい場合には、試験的に少し早いタイミングでCT撮影を行うことによりどの位置まで造影剤が注入されているかを確認できる。
撮影範囲(ここでは撮影開始点Aと撮影終了点Bの間の距離)と撮影間隔(例えばスライス間隔)による撮影枚数も予め最適値が設定されていて、設定された枚数を撮影した時点でCT撮影は終了する。こうして体外循環装置104を初めとする血液循環手段とCT装置108を連動制御することにより、CTの撮影枚数や撮影時間の無駄が省けることになる。
また、CT撮影終了に、CT装置108の図示しない記憶回路(データベース)に記憶された一連または任意の一枚のCT画像を図示しない表示装置上に呼び出し、目的の画像が取れたかどうかを確認できる。この確認は医師の目視であっても、CAD109等を用いて自動的に行われてもよい。
上記実施形態では、造影剤が排出口Bに達した時点でCT撮影を開始した。しかし、注入口Aに達した時点でCT撮影を開始し、排出口Bに達した時点でCT撮影を終了することで造影剤の濃度変化を時間経過とともにCT撮影することができる。このような血行動態の経時的変化を観察する方法はダイナミックCT撮影と呼ばれ、この実施形態については後述する。
以上述べた第1の実施形態によれば、医師らによる心臓マッサージによる造影剤注入方法では、全身の血液を循環させる必要があったが、この実施形態によれば、撮影したい部分のみで血液を循環させることが可能である。
また従来の心臓マッサージによる造影剤の注入方法では、心臓マッサージ後、遺体をガントリ内に入れてCT撮影した時に、造影剤が観察したい部位に到達していないと判断された場合は、遺体をCTガントリ外に移動させ、再度心臓マッサージを行うという煩雑な作業が発生する。しかし、この実施形態によれば、遺体がガントリ内に入ったままの状態で血液を循環させることができるので、造影剤の注入の追加もガントリ内で行える。また、予め血管の体積や血液循環速度等から計算された最適な撮影タイミングに基づいてCT撮影を行うように制御されることから、撮影枚数や撮影時間の無駄が省けることになる。
また、遺体は、死後体温が低下しているため、造影剤の注入圧、注入量の条件が生体と異なる場合がある。本実施形態では、最適な造影剤の注入条件を計画データベースに保存し、その条件に合わせて造影剤及び循環する血液の温度管理をすることもできる。
<第2の実施形態>
図4は、本発明の第2の実施形態に係る画像診断システムで細い血管のある部分(例えば頭部領域)を撮影する場合の構成図である。本実施形態では、図3の構成に加え、排出口側に吸引装置401を備える構成である。吸引装置401は吸引ポンプ402と必要に応じて圧力センサ403を備える構成としている。ここで、造影剤投与装置102と、加温装置103、吸引装置401が接続された体外循環装置104を一体にまとめて、1つの造影用の送液装置としても良い。
計画データベース106には、ローラーポンプの回転速度(血液の送り速度)、造影剤の投与量、造影剤の投与速度、投与開始/停止のタイミング、血液の吸引量、吸引圧力、血液の加温温度及びCT画像を取得するためのCT撮影の開始/停止のスキャンタイミング、CT撮影の撮影条件などに関する制御パラメータが記憶されている。制御装置105がこれを読み出して加温装置103、体外循環装置104、造影剤投与装置102からなる液体循環手段を制御し、さらにネットワーク110等を介して接続されたCT装置108へ撮影タイミングの制御を行う。
頸部の注入口404から造影剤を注入し、頭部領域血管405を経由して頸部の排出口406まで循環させる場合、頭部領域血管405が細く、また複雑な構造をしているため、血液及び造影剤が循環しにくい場合がある。必要以上の注入圧力を与えると頭部領域血管405の破損が生じ、造影剤の血管外漏出を起こすことが考えられる。このような危険を防止するために、排出口側に別途吸引ポンプ402を設けることにより、血管が細い等の理由で血液及び造影剤が滞ることを防ぐことができると考えられる。さらに圧力センサ403を設けることにより、血管に無理な力がかかることを防ぎ、血管の破損により正確な死因究明ができなくなることを防止できる。
更に、この吸引ポンプ402と圧力センサ403も制御装置105の制御下にあり、計画データベース106の制御項目として吸引圧力および血液吸引量のパラメータが追加され、圧力センサ403の圧力値をもとに一定圧の範囲内になるよう吸引ポンプ402の回転数を制御するように制御することができる。なお、吸引ポンプ402を有しなくても貯血槽302を遺体111より低くすることが可能であれば、落差によりある程度の脱血の効果を得ることも可能である。
以上述べた第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加え、頭部領域のような細い血管を含む部位に対しても死亡時の画像診断が安全に行え、しかも迅速、正確な画像診断が可能になる効果が得られる。
<第3の実施形態>
図5は、本発明の第3の実施形態に係る画像診断システムのダイナミックCT撮影での死因究明フローチャートである。図6は、ダイナミックCT撮影の撮影遅延時間の目安を示す図であり、図6(a)は、通常の生体に対する撮影遅延時間の目安であり、図6(b)は個人差を考慮した場合の撮影遅延時間の目安時間である。
本実施形態のシステム構成は、図3または図4と同様であり、細い血管を含む部位の場合は図4の構成の方が好適である。
ダイナミックCT撮影とは、造影剤の注入をしながら、時間を追って注入された造影剤の濃度変化をCT撮影する方法である。本実施形態では、このダイナミックCT撮影を死亡時画像診断に適応し、肝臓の動脈相、門脈相、静脈相などを測定する例を説明する。
ダイナミックCT撮影を行う場合は、血流を止めずに安定した血液循環を継続する必要があるため、第1の実施形態よりも血液および造影剤の流速を正確に制御する必要がある。流速を正確に制御するための方法として、体外循環装置104のローラーポンプ301の一回の吐出量を標準的な人間の心臓の吐出量に合わせると共に、計画データベース106に記憶される制御パラメータとして、例えば図6(a)に示すような、通常生体に対して行われるダイナミックCT撮影で用いられている造影剤の注入速度や撮影タイミングを用いることが考えられる。ただし、遺体という特殊性や、個人差を考慮して基準のタイミングの前後で数枚分多くCT撮影を行う等の制御の工夫も必要である。例えば図6(b)に示すように、撮影開始時間と撮影終了時間を設けることで個人差があってもこの時間範囲内で最適な画像が取得できるようになる。
また、遺体の体内の血液の状態(量、濃度、粘度等)を採血や超音波検査等により予め測定し、最適な造影剤の量や濃度を予め決定して、計画データベース106に反映させることにより制御回路105でさらに正確な造影剤投与の制御することも可能である。
図5により、肝臓におけるダイナミックCT撮影のフローチャートを説明する。この説明中に参照する図は図4であるが、診断部位を頭部から肝臓へ変更する。図7はその肝臓71を示す図であり、胸部大動脈72、下大静脈73、門脈74を示している。
まず、ステップS500では、死亡した患者の肝臓付近の腹部大動脈72及び下大静脈73に少なくとも2つのカテーテル101a、101bを穿刺針等の経皮的方法を用いて接続し、体外循環装置104、加温装置103、造影剤投与装置102を取り付け、血液が循環できるようにする。
次のステップS501では、CTガントリ112内に遺体111を移動させる。そしてステップS502では血液循環を開始すると共に加温する。遺体111の血液が足りない場合は、生理食塩水などで体液を補充する。このとき加温装置103を使用し、ステップS503において、循環する血液の温度が所定温度、例えば37℃になるまで待つ。ここまでが準備段階となり、図2のフローチャートと同様である。
例えば、肝臓にできた腫瘍を観測するために行われるダイナミックCT撮影において、単純に動脈相を描出する早期動脈相、造影剤で腫瘍組織が染色されて観測される後期動脈相、門脈を描出する門脈相、腫瘍のWASH OUTを観測する平衡相の4相を診断する場合、造影剤開始後から時間を計測し、それぞれの相の観測に適切な時間経過後にCT撮影を行う必要がある。また、この時の造影剤の注入速度も制御される。
造影剤注入速度をViとし、早期動脈相をCT撮影する第1の時間をT1、後期動脈相をCT撮影する第2の時間T2、門脈相をCT撮影する第3の時間をT3、平衡相をCT撮影する第4の時間をT4にすると、例えば、造影剤注入速度Vi=5ml/秒、T1=20秒、T2=35秒、T3=70秒、T4=180秒、などと計画データベース106に登録される。
ステップS504では造影剤の注入を開始する。このとき造影剤の注入速度はViになるように造影剤投与装置102は制御回路105により制御される。そして血液循環を継続する(S505)。
ステップS506では造影剤の注入を開始から第1の時間(T1)だけ経過したときに制御回路105は、CT装置108にCTスキャンの指示を出し、早期動脈相のCT撮影を行う。そして、次のステップS507で早期動脈層の造影画像がCT装置108の表示装置に表示される。
次に、ステップS508では造影剤の注入を開始から第2の時間(T2)だけ経過した時に後期動脈相のCT撮影を行う。そして、後期動脈層の造影画像がCT装置108に表示される(S509)。
ステップS510では造影剤の注入を開始から第3の時間(T3)だけ経過した時に門脈相のCT撮影を行う。そして、門脈層の造影画像がCT装置108の表示画面上に表示される(S511)。
ステップS512では造影剤の注入を開始から第4の時間(T4)だけ経過した時に平衡相のCT撮影を行う。そして、門脈層の造影画像がCT装置に表示される(S513)。
このようにして肝臓の4相の造影画像が撮影される。以上撮影したCT画像は、医師の目視によって死亡原因となるような異常の有無の確認を行う。または撮影したCT画像をCAD109に画像を送り、コンピュータによる診断支援を行うことによって死亡原因の特定の迅速化を測ることが可能である。(S514)。このステップS514は確認のための処置であり、必ずしも必要ではない。
以上述べた第3の実施形態によれば、CTガントリ外で行う、医師らによる心臓マッサージによる造影剤注入方法では、ダイナミックCT撮影を行うことは困難であったが、本実施形態を用いれば、ダイナミックCT撮影での死因診断が可能になる。また、計画データベースに従って撮影が自動的になされるので、CTの撮影枚数や撮影時間の無駄が大幅に省けることになる。
本発明による画像診断システムによれば、今後実施数が増えても効率の良い造影死亡時画像診断ができるため、死因確定率が上昇し、疫学的な統計の不正確さ等、死因の不明確さによって生じる様々な問題が解決されるという効果を奏する。
また、本実施例では画像診断装置にCTを用いて説明したが、これはMRI(Magnetic Resonance Imaging)や超音波診断装置などの他の画像診断装置でも可能である。他の画像診断装置を使用する場合には、計画データベースの制御パラメータを各診断装置に合わせて変更することで対応可能である。
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。本発明の技術思想を用いる限りこれらの変形例も本発明に含まれる。
100,303…診断部位の血管、
101a、101b…カテーテル、
102…造影剤投与装置、
103…加温器、
104…体外循環装置、
105…制御装置、
106…計画データベース、
107…入力装置、
108…CT装置、
109…CAD、
110…ネットワーク、
111…遺体、
112…CTガントリ、
301…ローラーポンプ、
302…貯血槽、
304a,304b…塞栓剤、
401…吸引装置、
402…吸引ポンプ、
403…圧力センサ。

Claims (4)

  1. 遺体内で液体を強制的に循環させる送液ポンプとこの循環液体に造影剤を投与する造影剤投与手段から構成される液体循環手段と、
    前記遺体の画像を取得するための制御パラメータ及び制御シーケンスに従い前記液体循環手段を制御する制御手段と、
    この制御手段とネットワークで接続され、この制御手段からの制御命令に従って前記遺体の所望部位の画像撮影を行う画像診断装置と、
    を有することを特徴とする医用画像診断システム。
  2. 前記液体と前記造影剤を所定の温度範囲に保つための加温装置をさらに備えることを特徴とする請求項記載の医用画像診断システム。
  3. 前記遺体の血管から液体を吸引する吸引手段をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載の医用画像診断システム。
  4. 前記遺体の血液循環に不必要な血管を、塞栓材を用いて塞栓することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の医用画像診断システム。
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