JP2005211589A - 総血流量の測定装置及びカテーテル - Google Patents

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Abstract

【課題】 長期間にわたって安定的に、心臓等の臓器の局所循環系における総血流量を容易に測定できる装置を提供する。
【解決手段】 第1開口1aが肺動脈内、第2開口1bが右心房内にそれぞれ来るような位置でカテーテル1を留める。注入器11を用いて、第1開口1aからリチウムを肺動脈内へ注入する。リチウム濃度センサ13は、第2開口1bから採取した血液中のリチウムの濃度を検出し、冠循環系の血液循環に起因するリチウムの濃度変化の面積S1 及び体循環系の血液循環に起因するリチウムの濃度変化の面積S2 を求める。求めた面積S1 ,S2 と熱希釈法にて心拍出量算出器14で算出した心拍出量とを用いて、総冠血流量=心拍出量×(S1 /S2 )に従い冠循環系の総冠血流量を測定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば心臓の冠環環系などの臓器の局所循環系における総血流量を測定するための装置、及び、該装置で使用するカテーテルに関するものである。
心臓における冠循環系での血流量(以下、冠血流量という)を測定することは、循環器内科において一般的に行われており、特に、狭心症,心筋梗塞などの虚血性心疾患を有する患者には、心臓機能を把握する上で必須の医療行為である。虚血性心疾患を有する患者に対しては、冠動脈の狭窄度または閉塞箇所を確認するために、カテーテルを冠動脈に挿入して造影剤を流し、X線にて冠循環の血管造影を行う。この際、血管内でのドップラー法により、血流速度,血流量などを測定することが可能である。
このような測定方法以外で非侵襲的に冠血流量を測定する手法としては、経胸壁心エコー,MRIによる冠血流量の測定が知られている。しかしながら、これらの手法では、冠循環系全体における血流量(以下、総冠血流量という)を測定できず、総冠血流量の測定には熱希釈法による測定を行っている(例えば、非特許文献1参照)。
冷水を血液に混ぜると急速かつ均一に熱が奪われる。熱希釈法は、注入熱量と血液に移行した熱量とが同じであることを利用して、冠循環系を流れている血液の温度変化を希釈曲線として描き、血流量を測定する方法である。具体的には、冷水注入孔と温度変化を検知する半導体サーミスタとを取り付けた心臓血管用のカテーテルを、内頸静脈または鎖骨下静脈から右心房に開口部がある冠静脈洞に透視下で逆行性に挿入し、冷水注入孔から低温の生理的食塩水を注入して、半導体サーミスタで温度変化を検知し、その検知結果に基づいて総冠血流量を測定する。血流量に応じて血液の温度が元に戻るまでの時間に差異が生じるため、血液の温度変化の検知結果に基づいて総冠血流量を測定できる。
なお、上述した手法とは異なり、コイルを巻回したカテーテルを血管に挿入して、コイルからの発熱により血液を局所的に温めて、カテーテルに取り付けた半導体サーミスタで温度変化を検知し、その検知結果に基づいて血流量を測定する熱希釈法も行われている。
堀正二(監修)、南都伸介、田内潤、藤井謙司(著)、「図解 心臓カテーテル法−基本手技からPTCAまで」、第2版、中外医学社、2003 年.p.36−37
上述した手法では、カテーテルを冠静脈洞に挿入するために技術的な熟練が必要である。また、直接冠静脈洞へカテーテルを挿入する場合には、合併症の危険性を伴う虞もある。更に、患者が動いた場合には冠静脈洞からカテーテルからはずれ易く、短時間の測定しか行えない。よって、手術中の患者または重症であって集中治療室にいる患者で人工呼吸を施している場合には、総冠血流量の測定が困難であるという問題がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、人工呼吸中などであっても、長期間にわたって安定的に、心臓等の臓器の局所循環系における総血流量を容易に測定できる装置、及び、該装置で使用するカテーテルを提供することを目的とする。
請求項1に係る総血流量の測定装置は、一臓器の局所循環系における総血流量を測定する装置において、血管内に物質を注入する注入手段と、血液中の前記物質の濃度を検出する検出手段と、該検出手段での経時的な検出結果に基づいて前記総血流量を測定する測定手段とを備えることを特徴とする。
請求項1にあっては、測定対象の局所循環系の近傍の血管内に物質を注入し、注入した物質の血液中での濃度を経時的に検出し、その検出結果に基づいて局所循環系の総血流量を測定する。よって、例えば、冠循環系の場合、肺動脈にカテーテルを挿入した状態でも総冠血流量の正確な測定を行えるため、カテーテルの挿入に特別な技術的熟練を必要としない。
請求項2に係る総血流量の測定装置は、請求項1において、前記測定手段は、前記検出手段で検出される、前記局所循環系の血液循環に起因する前記物質の濃度変化と、体循環系の血液循環に起因する前記物質の濃度変化とに基づいて前記総血流量を測定するようにしたことを特徴とする。
請求項2にあっては、検出手段で得られる経時的な検出結果において、測定対象の局所循環系の血液循環に起因する物質の濃度変化と、体循環系の血液循環に起因する物質の濃度変化とを抽出し、抽出した両方の濃度変化を比較して、局所循環系の総血流量を測定する。よって、総血流量の測定は簡便である。
請求項3に係る総血流量の測定装置は、請求項1または2において、前記一臓器は心臓であり、前記測定手段は、冠循環系における総血流量を測定するようにしたことを特徴とする。
請求項3にあっては、測定対象の局所循環系が心臓における冠循環系である。よって、容易かつ簡便に総冠血流量の測定を行える。
請求項4に係るカテーテルは、請求項1〜3のいずれかに記載の総血流量の測定装置に使用するカテーテルであって、前記注入手段及び前記検出手段とを具備することを特徴とする。
請求項4にあっては、血管に挿入するカテーテルに、物質注入用の注入手段と物質濃度検出用の検出手段とを設けている。よって、患者の血液を外部に取り出すことなく、局所循環系における総血流量の測定を行える。
本発明では、注入した物質の血液中での濃度を経時的に検出し、その検出結果に基づいて局所循環系の総血流量を測定するようにしたので、例えば、冠循環系の場合、肺動脈にカテーテルを挿入した状態でも、総冠血流量の正確な測定を行うことができ、カテーテルの挿入に特別な技術的熟練を必要とすることなく安定的に局所循環系における総血流量を測定することができる。
また、本発明では、測定対象の局所循環系の血液循環に起因する物質の濃度変化と、体循環系の血液循環に起因する物質の濃度変化とを抽出し、抽出した両方の濃度変化の比較に基づいて、局所循環系の総血流量を測定するようにしたので、総血流量を簡便に測定することができる。
また、本発明では、測定対象の局所循環系を冠循環系とするようにしたので、冠循環系における総冠血流量を安定的かつ容易に測定することができる。
更に、本発明では、物質注入用の注入手段と物質濃度検出用の検出手段とを血管に挿入するカテーテルに設けるようにしたので、患者の血液を外部に取り出すことなく、局所循環系における総血流量を測定することができる。
本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。以下では、冠循環系における総冠血流量を測定する場合を例として説明する。
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施の形態に係る総冠血流量の測定装置の構成を示す図である。第1実施の形態では、血管内に注入して濃度変化を検出する物質として、リチウムを使用する。
図1において、1は、血管に挿入する可撓性を有する直径1〜3mmのカテーテルである。カテーテル1の先端には、リチウムを血管内へ注入する第1開口(遠位開口部)1aが形成されている。この第1開口1aはその近傍の血圧を検出する際にも利用される。また、カテーテル1の先端には、半導体サーミスタからなる温度計2が取り付けられている。更に、カテーテル1の先端部には、直径7mm程度のバルーン3が付いている。
カテーテル1の先端から約30cmの位置に、血液を採取してその圧力及び注入物質(リチウム)の濃度を検出する際に利用される第2開口(近位開口部)1bが形成されている。また、第2開口1bの形成位置より基端側では、加熱用のコイル4がカテーテル1に巻回されており、コイル4への通電に伴う発熱によって、血液が昇温されるようになっている。
カテーテル1の基端には、複数の第1〜第4ポート1c〜1fが設けられている。第1ポート1cは、第1開口1aに連通しており、カテーテル1先端近傍の血管内にリチウムを注入すると共に、カテーテル1先端近傍の血圧を検出する際に利用される。第2ポート1dは、第2開口1bに連通しており、血液を採取するすると共に、カテーテル1中途近傍の血圧を検出する際に利用される。第3ポート1eは、温度計2に連なっており、血液の温度の計測時に利用される。第4ポート1fは、コイル4に連なっており、血液の加温時に利用される。
第1ポート1cには、リチウムを注入する注入器11が接続されており、注入器11によりリチウムを肺動脈内へ適宜のタイミングで注入できるようになっている。また、第1ポート1c及び第2ポート1dには、血圧モニタ装置12が接続されており、第1開口(遠位開口部)1a近傍及び第2開口(近位開口部)1b近傍の血圧の経時変化をモニタ表示できるようになっている。
また、第2ポート1dには、第2開口1bから採取した血液におけるリチウムの濃度を検出する濃度検出手段として機能するリチウム濃度センサ13接続されており、リチウム濃度センサ13は、冠循環系の血液循環に起因するリチウムの濃度変化の面積(S1 )と体循環系の血液循環に起因するリチウムの濃度変化の面積(S2 )とを求める。
また、第3ポート1eには、心拍出量を算出する心拍出量算出器14が接続されており、心拍出量算出器14は、温度計2での計測結果に基づき熱希釈法にて心拍出量を算出する。
総冠血流量算出器15が、リチウム濃度センサ13及び心拍出量算出器14に接続されており、総冠血流量算出器15は、リチウム濃度センサ13で求められた面積S1 及び面積S2 と、心拍出量算出器14で算出された心拍出量とから、総冠血流量を算出する。総冠血流量算出器15には、表示部16が接続されており、表示部16は算出された総冠血流量を表示する。また、表示部16は、心拍出量算出器14にも接続されており、心拍出量も表示する。
次に、第1実施の形態における動作について説明する。内頸静脈または鎖骨下静脈から上大静脈を介して、図1に示すようなカテーテル1を挿入し、遠位開口部である第1開口1aが肺動脈内、近位開口部である第2開口1bが冠静脈洞がある三尖弁直上の右心房内にそれぞれ来るような位置でカテーテル1を留める。この際、バルーン3が血流に乗って移動するため、カテーテル1の挿入は容易である。また、カテーテル1の停止位置は、血圧モニタ装置12における第1開口1a近傍及び第2開口1b近傍の血圧の変化を参照して決定するため、カテーテル1の正確な位置決めを容易に行える。また、第1開口1aを肺動脈内、第2開口1bを右心房内に位置決めすれば良く、従来例のように正確に冠静脈洞に位置決めする必要がなく、特別な技術的な熟練を必要としない。
そして、注入器11を用いて、遠位開口部である第1開口1aからリチウムを肺動脈内へ注入する。リチウム濃度センサ13は、第2開口1bから採取した血液中のリチウムの濃度を検出し、冠循環系の血液循環に起因するリチウムの濃度変化の面積S1 及び体循環系の血液循環に起因するリチウムの濃度変化の面積S2 を求める。
図2は、リチウム濃度センサ13で得られる血液内のリチウム濃度の経時変化の一例を示すグラフである。冠循環系は体循環系に比べて循環経路が短いため、リチウムを注入した後、まず冠循環系の血液循環に起因するリチウムの濃度変化が見られる。このリチウムの濃度変化の面積S1 を求める。次に、体循環系に起因するリチウムの濃度変化が見られ、このリチウムの濃度変化の面積S2 を求める。この面積S1 と面積S2 との比は、冠循環系を流れる総冠血流量と心臓から送出される心拍出量との比に一致する。求められた面積S1 及び面積S2 の値は、総冠血流量算出器15へ出力される。
一方、第4ポート1fを介してコイル4に通電し、コイル4への通電に伴う発熱によって血液を昇温させる。そして、温度計2にて血液の温度変化を計測する。温度の経時的な計測結果は、第3ポート1eを介して心拍出量算出器14へ送られ、心拍出量算出器14は、その計測結果に基づいて既知の熱希釈法にて心拍出量を算出する。算出された心拍出量は、総冠血流量算出器15へ出力される。
総冠血流量算出器15は、リチウム濃度センサ13からの面積S1 ,S2 の値と、心拍出量算出器14からの心拍出量とを用いて、総冠血流量を算出する。ここで、総冠血流量の具体的な算出式は下記(1)の通りである。
総冠血流量=心拍出量×(S1 /S2 ) …(1)
算出された総冠血流量は、心拍出量などの他の血流パラメータの値と共に、表示部16に表示される。
(第2実施の形態)
第2実施の形態では、血管内に注入して濃度変化を検出する物質として、ICG(インドシアニングリン)の色素を使用する。図3は、本発明の第2実施の形態に係る総冠血流量の測定装置の構成を示す図であり、図1(第1実施の形態)と同一または同様な部分には同一の符号を付している。
カテーテル1の先端には、ICGを血管内へ注入する第1開口(遠位開口部)1aが形成されている。この第1開口1aはその近傍の血圧を検出する際にも利用される。また、図1の第1実施の形態と同様に、カテーテル1の先端に温度計2が取り付けられ、カテーテル1の先端部にバルーン3が付いている。
カテーテル1の先端から約30cmの位置に、血液を採取してその圧力及び注入物質(ICG)の濃度を検出する際に利用される第2開口(近位開口部)1bが形成されている。また、第2開口1bから採取した血液におけるICGの濃度を検出する濃度検出手段として機能する光センサ5が、カテーテル1内の第2開口1b形成位置近傍に設けられている。この光センサ5は、血液の吸光度を検出し、検出した吸光度の変化を送出する。また、図1の第1実施の形態と同様に、カテーテル1の第2開口1bの形成位置より基端側にコイル4が巻回されている。
カテーテル1の基端には、複数の第1〜第5ポート1c〜1gが設けられている。第1ポート1cは、第1開口1aに連通しており、カテーテル1先端近傍の血管内にICGを注入すると共に、カテーテル1先端近傍の血圧を検出する際に利用される。第2ポート1dは、第2開口1bに連通しており、カテーテル1中途近傍の血圧を検出する際に利用される。第3ポート1e,第4ポート1fの機能は、第1実施の形態と同じである。第5ポート1gは、光センサ5に連なっており、血液の吸光度と等価である血液中に含まれるICGの濃度の検出時に利用される。
第1ポート1cには、ICGを注入する注入器11が接続されており、注入器11によりICGを肺動脈内へ適宜のタイミングで注入できるようになっている。また、第1ポート1c及び第2ポート1dには、図1の第1実施の形態と同様に、血圧モニタ装置12が接続されている。第5ポート1gには、冠循環系の血液循環に起因するICGの濃度変化(吸光度の変化)と体循環系の血液循環に起因するICGの濃度変化(吸光度の変化)とを算出するICG濃度算出器23が接続されており、ICG濃度算出器23はそれぞれのICGの濃度変化の面積(S1 )及び面積(S2 )を求める。第3ポート1eには、図1の第1実施の形態と同様に、心拍出量を算出する心拍出量算出器14が接続されている。
総冠血流量算出器15が、ICG濃度算出器23及び心拍出量算出器14に接続されており、総冠血流量算出器15は、ICG濃度算出器23で求められた面積S1 及び面積S2 と、心拍出量算出器14で算出された心拍出量とから、総冠血流量を算出する。総冠血流量算出器15及び心拍出量算出器14には、図1の第1実施の形態と同様に、表示部16が接続されている。
次に、第2実施の形態における動作について説明する。図3に示すようなカテーテル1を、第1実施の形態と同様に、内頸静脈または鎖骨下静脈から上大静脈を介して挿入し、遠位開口部である第1開口1aが肺動脈内、近位開口部である第2開口1bが三尖弁直上の右心房内にそれぞれ来るような位置でカテーテル1を留める。そして、注入器11を用いて、遠位開口部である第1開口1aからICGを肺動脈内へ注入する。
光センサ5は、第2開口1bから採取した血液の吸光度を検出し、その検出結果を第5ポート1gを介してICG濃度算出器23へ送出する。ICG濃度算出器23は、冠循環系の血液循環に起因するICGの濃度変化の面積S1 及び体循環系の血液循環に起因するICGの濃度変化の面積S2 を求める。この場合、冠循環系は体循環系に比べて循環経路が短いので、第1実施の形態のリチウムの場合と同様な図2に示したようなICG濃度の経時変化を呈する。この面積S1 と面積S2 との比は、冠循環系を流れる総冠血流量と心臓から送出される心拍出量との比に一致する。求められた面積S1 及び面積S2 は、総冠血流量算出器15へ出力される。
一方、第1実施の形態と同様に、第4ポート1fを介してコイル4に通電して血液を昇温させ、温度計2にて血液の温度変化を計測する。温度の経時的な計測結果は、第3ポート1eを介して心拍出量算出器14へ送られ、心拍出量算出器14は、その計測結果に基づいて既知の熱希釈法にて心拍出量を算出する。算出された心拍出量は、総冠血流量算出器15へ出力される。
総冠血流量算出器15は、ICG濃度算出器23からの面積S1 ,S2 の値と、心拍出量算出器14からの心拍出量とを用いて、前述した算出式(1)に従って、総冠血流量を算出する。算出された総冠血流量は、心拍出量などの他の血流パラメータの値と共に、表示部16に表示される。
なお、第1,第2実施の形態において、三尖弁直上の右心房内にて血液中のリチウムまたはICGの濃度を検出する理由は次の通りである。右心室内でリチウムまたはICGの濃度を検出する場合には、拍動の影響を受けて血液が一様に混じらず、正確な濃度を検出できない。これに対して、右心房内では、冠静脈または大静脈から戻ってきた血液が拡散して混じるだけであって、拍動の影響を受けずに正確な濃度を検出できるからである。
なお、上述した第1実施の形態の例にあっては、血液中のリチウム濃度を検出するセンサを、カテーテル外に設けるようにしたが、そのセンサを第2実施の形態の光センサのようにカテーテル内に取り付けてその濃度検出結果をカテーテル外へ送出するように構成しても良い。このような構成にした場合には、第2実施の形態と同様に、患者の血液を外部に取り出すことなく総冠血流量を算出することが可能である。
虚血性心疾患の患者数は増加してきており、これらの患者では冠循環系の血流状態の評価が必須である。よって、重篤な患者に対しても患者への負担が少なく容易に総冠血流量を測定する手法が望まれている。以上のような本発明では、このような患者に既に挿入されている肺動脈カテーテルを使用するため、簡便に総冠血流量を測定できる。また、開心術などの手術中であっても、肺動脈カテーテルを挿入した症例であれば、簡便に総冠血流量を測定できる。本発明は、簡便に総冠血流量を測定できるため、虚血性心疾患の診断及び治療に大いに寄与する。
ところで、上述した第1,第2実施の形態において、冠循環系の血液循環に起因する注入物質(リチウムまたはICG)の濃度変化の面積S1 を求めるだけでも臨床的な意義がある。面積S1 の値だけでは、総冠血流量の絶対量を算出することは無理であるが、面積S1 は総冠血流の相対値を表しているため、この面積S1 の経時変化をモニタすることにより、例えば手術中の患者における冠循環系の血流変化を確認することが可能である。
なお、上述した例では、血管内に注入する物質として、リチウムまたはICGを使用することとしたが、これらの物質は一例であって、リチウム以外の他の金属、ICG以外の他の色素を用いるようにしても良いことは勿論である。
なお、上述した例では、血液を加熱する熱希釈法により心拍出量を算出するようにしたが、低温の生理的食塩水を注入する熱希釈法にて心拍出量を算出するようにしても良い。
また、上述した例では、心臓における冠循環系の総冠血流量を測定する場合について説明したが、脳,肝臓,腎臓など他の臓器における局所循環系の総血流量を測定する場合にも本発明を同様に適用できる。
第1実施の形態に係る総冠血流量の測定装置の構成を示す図である。 血液中の注入物質(リチウムまたはICG)濃度の経時変化の一例を示すグラフである。 第2実施の形態に係る総冠血流量の測定装置の構成を示す図である。
符号の説明
1 カテーテル
1a 第1開口
1b 第2開口
2 温度計
4 コイル
5 光センサ
11 注入器
13 リチウム濃度センサ
14 心拍出量算出器
15 総冠血流量算出器
23 ICG濃度算出器

Claims (4)

  1. 一臓器の局所循環系における総血流量を測定する装置において、血管内に物質を注入する注入手段と、血液中の前記物質の濃度を検出する検出手段と、該検出手段での経時的な検出結果に基づいて前記総血流量を測定する測定手段とを備えることを特徴とする総血流量の測定装置。
  2. 前記測定手段は、前記検出手段で検出される、前記局所循環系の血液循環に起因する前記物質の濃度変化と、体循環系の血液循環に起因する前記物質の濃度変化とに基づいて前記総血流量を測定するようにしたことを特徴とする請求項1記載の総血流量の測定装置。
  3. 前記一臓器は心臓であり、前記測定手段は、冠循環系における総血流量を測定するようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の総血流量の測定装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の総血流量の測定装置に使用するカテーテルであって、前記注入手段及び前記検出手段とを具備することを特徴とするカテーテル。
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