JP5569882B2 - 結晶成長装置 - Google Patents

結晶成長装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5569882B2
JP5569882B2 JP2010239907A JP2010239907A JP5569882B2 JP 5569882 B2 JP5569882 B2 JP 5569882B2 JP 2010239907 A JP2010239907 A JP 2010239907A JP 2010239907 A JP2010239907 A JP 2010239907A JP 5569882 B2 JP5569882 B2 JP 5569882B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction vessel
melt
plate
plate member
cylindrical member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010239907A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012091958A (ja
Inventor
泰彦 福地
彰 伊藤
勇介 森
康夫 北岡
完 今出
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Corp
Osaka University NUC
Original Assignee
IHI Corp
Osaka University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Corp, Osaka University NUC filed Critical IHI Corp
Priority to JP2010239907A priority Critical patent/JP5569882B2/ja
Publication of JP2012091958A publication Critical patent/JP2012091958A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5569882B2 publication Critical patent/JP5569882B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Description

本発明は、結晶成長装置に関するものである。
次世代半導体材料として期待されている窒化ガリウム(GaN)の製法の一つとしては、数MPaの高圧窒素雰囲気中、800℃〜900℃のNa/Ga融液に種基板(種結晶)を浸漬させ、その種基板上にGaN結晶を成長させる結晶成長方法(所謂、フラックス法)が知られている。
下記特許文献1には、フラックス法において、余分な核発生を抑え、大型で高品質のGaN結晶を得るべく、融液を攪拌する攪拌装置を備える結晶成長装置が開示されている。
特開2005−247615号公報
ところで、より大型の種基板に厚く結晶を成長させようとすると、原料である融液が多く必要となる。そうすると、融液の液深さを従来よりも深くする必要がある。また、棒状の種結晶を太らせるような結晶成長を促したい場合には、棒状の種結晶を反応容器内に縦置きにする必要があり、同様に融液の液深さを深くする必要がある。
しかしながら、融液の液深さを深くすると、融液の液面から溶け込む原料ガスが液底まで行き届き難くなるという問題がある。上記従来技術の攪拌方法では、反応容器内において融液の下降流と上昇流とが混在してしまうため、液面付近の融液が液底へ行き届き難かった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、原料ガスが溶け込む液面付近の融液を速やかに液底まで行き届かせ、大型で高品質の結晶を得る結晶成長装置の提供を目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、加熱加圧雰囲気下で原料ガスと融液とを反応させて該融液に浸漬された種結晶を成長させる反応容器を有する結晶成長装置であって、上記反応容器の内側に間隙をあけて配置され、上記融液中において鉛直方向に延在すると共に、上端開口部が上記融液の液面に対して離間し、且つ、下端開口部が上記反応容器の底面に対して離間する筒部材と、上記反応容器を、鉛直方向に延びる軸周りに回転させる回転装置と、上記間隙に設けられ、鉛直方向上方に向かうに従って上記反応容器の回転方向の一方側に向かって傾斜する板面を有する板部材と、を有するという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、反応容器の内側に間隙をあけて筒部材を配置すると、この筒部材は鉛直方向に延在しているから、反応容器内において鉛直方向に延びる2つの融液の流路を筒部材の内側と外側で形成することができる。また、筒部材の上端開口部は、融液の液面に対して離間し、一方の下端開口部は、反応容器の底面に対して離間するので、筒部材の上端下端において融液の内側と外側との間の流通が可能となる。そして、筒部材の外側において板部材を設け、この反応容器を鉛直方向に延びる軸周りに回転させると、板部材の板面は、鉛直方向上方に向かうに従って回転方向の一方側に向かって傾斜しているので、その傾斜面で融液に鉛直方向の流れを与えることができる。そうすると、液面から液底に向かう融液の下降流と、液底から液面に向かう融液の上昇流とが、混在することなく筒部材の内側と外側との間で循環する。このため、液面で融液に溶け込んだ原料ガス成分が、速やかに融液の液底に行き届き易くなる。
また、本発明においては、上記種結晶は、上記筒部材の下端開口部と対向する位置に設けられており、上記回転装置は、上記反応容器を上記板部材が鉛直方向上方に向かうに従って傾斜する側と反対側に間欠的に回転させるという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、反応容器を板部材が鉛直方向上方に向かうに従って傾斜する側と反対側に回転させると筒部材の外側において融液の上昇流を形成することができる。上昇流となった融液は、液面付近で原料ガス成分を取り込んだ後、筒部材の内側において下降流となり、下端開口部に対向して設けられた種結晶に供給される。また、反応容器を板部材が鉛直方向上方に向かうに従って傾斜する側と反対側に回転させ続けると、反応容器と融液とが一体的に回転してしまい、筒部材の外側において融液の上昇流を形成できなくなるので、当該回転を間欠的にすることで、原料ガス成分の濃度の高い融液を種結晶に継続的に供給させる。
また、本発明においては、上記板部材は、上記間隙において上記反応容器の内側面から突出して設けられており、上記板部材の上方に向く板面側から上記融液の負荷を受ける時に、上記板部材を上記突出する位置で保持し、上記板部材の下方を向く板面側から上記融液の負荷を受ける時に、上記板部材を上記突出する位置から上記内側面に沿って倒伏する位置に移動させる移動機構を有するという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、融液に対して反応容器が回転方向他方側に相対的に回転する場合には、板部材の傾斜する板面のうち上方を向く面が負荷を受けて、板部材は反応容器の内側面から突出する位置で保持されるので、筒部材の外側において融液の上昇流を形成することができる。一方、融液と反応容器とが一体的に回転した後に、反応容器の回転を停止させた場合には、反応容器に対し融液が回転方向他方側に慣性によって流れるので、板部材の傾斜する板面のうち下方を向く面が負荷を受けて、板部材が上記突出する位置から反応容器の内側面に沿って倒伏する位置に移動するので、筒部材の外側において融液の上昇流と逆向きの流れを形成することを抑制することができる。このため、融液の循環方向を一方向にでき、原料ガス成分の濃度の高い融液を種結晶に継続的に供給させることができる。
本発明によれば、加熱加圧雰囲気下で原料ガスと融液とを反応させて該融液に浸漬された種結晶を成長させる反応容器を有する結晶成長装置であって、上記反応容器の内側に間隙をあけて配置され、上記融液中において鉛直方向に延在すると共に、上端開口部が上記融液の液面に対して離間し、且つ、下端開口部が上記反応容器の底面に対して離間する筒部材と、上記反応容器を、鉛直方向に延びる軸周りに回転させる回転装置と、上記間隙に設けられ、鉛直方向上方に向かうに従って上記反応容器の回転方向の一方側に向かって傾斜する板面を有する板部材と、を有するという構成を採用することによって、反応容器の内側に間隙をあけて筒部材を配置すると、この筒部材は鉛直方向に延在しているから、反応容器内において鉛直方向に延びる2つの融液の流路を筒部材の内側と外側で形成することができる。また、筒部材の上端開口部は、融液の液面に対して離間し、一方の下端開口部は、反応容器の底面に対して離間するので、筒部材の上端下端において融液の内側と外側との間の流通が可能となる。そして、筒部材の外側において板部材を設け、この反応容器を鉛直方向に延びる軸周りに回転させると、板部材の板面は、鉛直方向上方に向かうに従って回転方向の一方側に向かって傾斜しているので、その傾斜面で融液に鉛直方向の流れを与えることができる。そうすると、液面から液底に向かう融液の下降流と、液底から液面に向かう融液の上昇流とが、混在することなく筒部材の内側と外側との間で循環する。このため、液面で融液に溶け込んだ原料ガス成分が、速やかに融液の液底に行き届き易くなる。
したがって、本発明では、原料ガスが溶け込む液面付近の融液を速やかに液底まで行き届かせて、大型で高品質の結晶を得ることができる。
本発明の第1実施形態における窒化ガリウム製造装置1を示す構成図である。 本発明の第2実施形態における流れ制御板が上方に向く板面側から混合融液の負荷を受ける時の反応容器の平断面図である。 本発明の第2実施形態における流れ制御板が下方に向く板面側から混合融液の負荷を受ける時の反応容器の平断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、本実施形態の結晶成長装置として、窒化ガリウム製造装置を例示して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態における窒化ガリウム製造装置1を示す構成図である。
窒化ガリウム製造装置1は、フラックス法により種基板(種結晶)2上にGaN結晶を成長させ製造するものであり、種基板2及び混合融液3を保持する反応容器(坩堝)10と、反応容器10の外側を囲う断熱容器20と、断熱容器20の外側を囲う圧力容器30と、混合融液3を攪拌する攪拌装置(回転装置)40と、を有する。
なお、反応容器10、断熱容器20、圧力容器30の側部は、同心の円筒形状に形状設定されており、この円筒形状の軸心が鉛直方向となるように姿勢設定されている。
反応容器10は、内部にNa/Gaからなる混合融液3を保有する。本実施形態の反応容器10は、その底部に種基板2を載置し、内部の混合融液3に浸漬させる構成となっている。本実施形態の種基板2は、反応容器10の底面10aに対し不図示の固定具により固定されている。なお、反応容器10には、外部からGaN結晶の原料となる窒素ガス(N)を導入する不図示の窒素ガス供給ポートが接続されており、反応容器10内に窒素ガスが充填されるようになっている。
反応容器10には、筒部材11が設けられている。筒部材11は、耐熱性を有する金属材あるいはセラミックス材から形成されている。筒部材11は、反応容器10よりも小径の円筒形状を有し、その軸心が、反応容器10の軸心と一致するように、脚部11aを介し反応容器10に対して固定されている。脚部11aは、筒部材11の下端開口部13の縁に沿ってその周方向に所定間隔をあけて複数設けられている。
筒部材11は、反応容器10の内側に間隙をあけて配置され、混合融液3中において鉛直方向に延在している。筒部材11は、その内側に形成される混合融液3の鉛直方向の流路と、その外側(反応容器10と筒部材11との間の環状空間)に形成される混合融液3の鉛直方向の流路とを、混合融液3中で仕切る構成となっている。
筒部材11の上端開口部12は、混合融液3の液面4に対して離間して配置されており、液面4付近において混合融液3が筒部材11の内側と外側との間で流通できる構成となっている。また、筒部材11の下端開口部13は、反応容器10の底面10aに対して離間して配置されており、底面10a付近において混合融液3が筒部材11の内側と外側との間で流通できる構成となっている。
反応容器10と筒部材11との間隙には、流れ制御板(板部材)14が設けられている。流れ制御板14は、耐熱性を有する金属材あるいはセラミックス材から形成されている。流れ制御板14は、反応容器10の内側面10bからその軸心に向かって突出して設けられている。流れ制御板14は、反応容器10の底面10aから鉛直方向上方に向かうに従って反応容器10の周方向の一方側(本実施形態では、平面視で反時計回り(以下、回転方向一方側と称する))に向かって傾斜する板面15a,15bを有する。この流れ制御板14は、内側面10bの周方向に間隔をあけて複数設けられており、全体で反応容器10の軸心周りの螺旋状に配置されている。
断熱容器20の断熱材には、例えばグラスウール等の繊維系断熱材が用いられる。断熱容器20の内側には、反応容器10の側方及び下方を囲んで加熱するヒーター21が設けられる。
圧力容器30は、圧力状態が変化した場合であってもその圧力に耐えられるように略円筒形状に形状設定された真空容器からなる。また、圧力容器30には、内部の空気を真空排気する不図示の真空排気ポートが接続されている。
攪拌装置40は、磁気結合式の攪拌機であり、駆動軸41と、軸ケース42と、回転駆動装置43と、を有する。駆動軸41の一端側には、永久磁石(磁性体)44を外周面周方向おいて所定間隔をあけて複数備える内筒45が装着されている。軸ケース42は、駆動軸41の一端側を収容する収容空間S1を有する。収容空間S1には、内筒45の周面と接して、駆動軸41を軸周りに回転自在に支持する軸受46が設けられている。この軸ケース42は、非磁性体のステンレス鋼材から形成され、圧力容器30に気密に密着固定されている。なお、駆動軸41もステンレス鋼材から形成されている。
回転駆動装置43は、軸ケース42の外側に、永久磁石47を内周面周方向において所定間隔をあけて複数備える外筒48を備える。外筒48は、軸ケース42の外側に取り付けられた軸受49により軸周りに回転自在に支持されている。また、回転駆動装置43は、外筒48を軸周りに回転させるモーター50を備える。モーター50の回転軸と外筒48とはベルト51で接続されている。
軸ケース42から鉛直方向上方に延びる駆動軸41の他端側は、圧力容器30及び断熱容器20を挿通され、反応容器10の底部と接続されている。駆動軸41は、反応容器10の軸心と一致する位置に接続されている。
上記構成によれば、モーター50の駆動により外筒48が軸周りに回転すると、外筒48に固定された永久磁石47と内筒45に固定された永久磁石44とが軸ケース42を介して磁気的に作用し、駆動軸41が軸周りに回転する。駆動軸41が軸周りに回転すると、反応容器10がその軸心周りに回転する。
断熱容器20及び圧力容器30には、駆動軸41が挿通する挿通孔(以下、断熱容器20の挿通孔を第1孔部22、圧力容器30の挿通孔を第2孔部31と称する)が形成されている。第1孔部22と第2孔部31との間には、軸方向に伸縮自在で、且つ、軸方向と直交する方向に偏心自在なベローズ管(伸縮管)53が設けられている。ベローズ管53は、断熱容器20と圧力容器30との間において駆動軸41を囲うと共に、その一端側で第1孔部22を気密に囲うように取り付けられ、その他端側で第2孔部31を気密に囲うように取り付けられている。なお、第2孔部31は軸ケース42の収容空間S1と気密に連通しており、第1孔部22より外側には、ベローズ管53、第2孔部31及び収容空間S1が連通した気密空間が形成される構成となっている。この構成によれば、断熱容器20からの高温ガスの流出を抑制することができる。
続いて、上記構成の窒化ガリウム製造装置1の動作及び作用について説明する。なお、本実施形態の窒化ガリウム製造装置1は、不図示の制御部を備えている。そして、特に断りが無い限り、当該制御部が、主体者として以下の動作を制御する。
先ず、圧力容器30内部の空気を真空排気ポートから真空排気する。真空状態となった後、窒素ガス供給ポートから窒素ガスを供給して反応容器10内を充填させると共に、内部圧力を数MPaまで加圧する。また、ヒーター21を駆動させて、内部温度を800℃〜900℃まで加熱する。そして、この高温高圧状態を所定時間維持し、反応容器10の混合融液3中で、Ga(ガリウム)とN(窒素)とを反応させて、種基板2上にGaN結晶を成長させる。
この結晶成長過程において余分な核発生を抑え、大型で高品質のGaN結晶を得るべく、攪拌装置40で反応容器10を平面視で時計回り(以下、回転方向他方側と称する)に回転させる。具体的には、モーター50の駆動により外筒48を軸周りに回転させて、磁気的作用により駆動軸41を軸周りに回転させる。駆動軸41が軸周りに回転すると、反応容器10が駆動軸41と一体で軸周りに回転する。
反応容器10が回転方向他方側に回転すると、筒部材11の外側において、混合融液3の上昇流が形成される。具体的には、反応容器10を回転方向他方側に回転させると、混合融液3に対して流れ制御板14が回転方向他方側に相対移動する。そうすると、混合融液3が、鉛直方向上方に向かって回転方向一方側に傾斜する流れ制御板14の板面15aによって、上方に押し上げられる。これにより、筒部材11の外側において、混合融液3の上昇流が形成される。
筒部材11の外側において、上昇流となった混合融液3は、液面4付近へ到達する。液面4付近に到達した混合融液3は、液面4付近で窒素成分を取り込んだ後、上端開口部12から筒部材11の内側に流入する。そして、窒素成分を取り込んで窒素濃度が高くなった混合融液3は、筒部材11の内側において下降流となり、下端開口部13から底面10aに向かって流出し、下端開口部13に対向して設けられた種基板2に供給される。そして、下端開口部13から流出し、底面10a付近に到達した混合融液3は、下端開口部13と底面10aとの隙間から、筒部材11の内側から外側へと流れ出し、筒部材11の外側で再び上昇流となって液面4付近へ到達する。
このように、底面10aから液面4に向かう混合融液3の上昇流と、液面4から底面10aに向かう混合融液3の下降流とが、混在することなく、筒部材11の内側と外側との間で循環するため、液面4付近で混合融液3に溶け込んだ窒素成分が、速やかに反応容器10の底面10a付近まで行き届く。
なお、反応容器10を回転方向他方側に回転させ続けると、反応容器10と混合融液3とが一体的に回転してしまい、筒部材11の外側において混合融液3の上昇流を形成できなくなる。そこで、反応容器10の回転を、一定時間を隔てて行って間欠的にすることによって、継続的に上記循環流れを生じさせ、種基板2に窒素濃度が高くなった混合融液3を供給する。これにより、種基板2上に大型で高品質のGaN結晶を高速で育成することができる。
したがって、上述した本実施形態によれば、加熱加圧雰囲気下で窒素ガスとNa/Ga混合融液3とを反応させて該混合融液3に浸漬された種基板2上にGaN結晶を成長させる反応容器10を有する窒化ガリウム製造装置1であって、反応容器10の内側に間隙をあけて配置され、混合融液3中において鉛直方向に延在すると共に、上端開口部12が混合融液3の液面4に対して離間し、且つ、下端開口部13が反応容器10の底面10aに対して離間する筒部材11と、反応容器10を、鉛直方向に延びる軸周りに回転させる攪拌装置40と、上記間隙に設けられ、鉛直方向上方に向かうに従って反応容器10の回転方向の一方側に向かって傾斜する板面15a,15bを有する流れ制御板14と、を有するという構成を採用することによって、反応容器10の内側に間隙をあけて筒部材11を配置すると、この筒部材11は鉛直方向に延在しているから、反応容器10内において鉛直方向に延びる2つの混合融液3の流路を筒部材11の内側と外側で形成することができる。また、筒部材11の上端開口部12は、混合融液3の液面4に対して離間し、一方の下端開口部13は、反応容器10の底面10aに対して離間するので、筒部材11の上端下端において混合融液3の内側と外側との間の流通が可能となる。そして、筒部材11の外側において、反応容器10の内側面10bから突出する流れ制御板14を設け、この反応容器10を鉛直方向に延びる軸周りに回転させると、流れ制御板14の板面15a,15bは、鉛直方向上方に向かうに従って回転方向の一方側に向かって傾斜しているので、その傾斜面で混合融液3に鉛直方向の流れを与えることができる。そうすると、液面4から液底に向かう混合融液3の下降流と、液底から液面4に向かう混合融液3の上昇流とが、混在することなく筒部材11の内側と外側との間で循環する。このため、液面4で混合融液3に溶け込んだ原料ガス成分が、速やかに混合融液3の液底に行き届き易くなる。
したがって、本実施形態では、原料ガスが溶け込む液面4付近の混合融液3を速やかに液底まで行き届かせて、大型で高品質の結晶を得ることができる。
また、本実施形態においては、種基板2は、筒部材11の下端開口部13と対向する位置に設けられており、攪拌装置40は、反応容器10を上記回転方向の他方側に間欠的に回転させるという構成を採用することによって、反応容器10を回転方向他方側に回転させると、流れ制御板14の板面15aが回転方向一方側に傾斜しているので、筒部材11の外側において混合融液3の上昇流を形成することができる。上昇流となった混合融液3は、液面4付近で原料ガス成分を取り込んだ後、筒部材11の内側において下降流となり、下端開口部13に対向して設けられた種基板2に供給される。また、反応容器10を回転方向他方側に回転させ続けると、反応容器10と混合融液3とが一体的に回転してしまい、筒部材11の外側において混合融液3の上昇流を形成できなくなるので、当該回転を間欠的にすることで、原料ガス成分の濃度の高い混合融液3を種基板2に継続的に供給させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
上記実施形態では、反応容器10を回転方向他方側に間欠的に回転させることで、混合融液3の循環方向を一方向にして、種基板2に窒素濃度が高くなった混合融液3を継続的に供給する構成を採用しているが、反応容器10の回転を急停止させると、反応容器10に対し混合融液3が回転方向他方側に慣性によって流れるので、流れ制御板14の板面15bに当たり、筒部材11の外側において混合融液3の下降流が形成され、混合融液3の循環方向が逆向きとなる。混合融液3の循環方向が逆向きとなっても、窒素ガスが溶け込む液面4付近の混合融液3を液底まで行き届かせることができるが、種基板2の板面に窒素濃度が高くなった混合融液3を継続的に供給したい場合には、混合融液3の循環方向を上記一方向に維持することが好ましい。したがって、第2実施形態では、以下の構成を採用している。
図2及び図3は、本発明の第2実施形態における反応容器10の平断面図である。なお、図2では、板面15a(上方に向く板面)側から混合融液3の負荷を受ける時の流れ制御板14の状態を示す。また、図3では、板面15b(下方を向く板面)側から混合融液3の負荷を受ける時の流れ制御板14の状態を示す。
第2実施形態では、流れ制御板14の板面15a側から混合融液3の負荷を受ける時に、流れ制御板14を反応容器10の内側面10bから突出する位置(図2参照)で保持し、流れ制御板14の板面15b側から混合融液3の負荷を受ける時に、流れ制御板14を上記突出する位置から内側面10bに沿って倒伏する位置(図3参照)に移動させる移動機構16を有する。移動機構16は、板面15a側に設けられて、流れ制御板14と内側面10bとを接続するヒンジ構造を有する。移動機構16は、流れ制御板14を、上記突出する位置と上記倒伏する位置とに回動自在に支持する構成となっている。本実施形態の移動機構16は、反応容器10が混合融液3に対し回転方向他方側に相対的に回転する時に、流れ制御板14が、上記倒伏する位置から上記突出する位置に復帰できるように(混合融液3が板面15a側に負荷を与えることができるように)、上記倒伏する位置において流れ制御板14の先端部14aを内側面10bから離間させる構成となっている。
上記構成によれば、図2に示すように、混合融液3に対して反応容器10が回転方向他方側に相対的に回転する場合には、流れ制御板14の傾斜する板面のうち上方を向く板面15aが負荷を受けて、流れ制御板14は反応容器10の内側面10bから突出する位置で保持されるので、筒部材11の外側において混合融液3の上昇流を形成することができる。一方、図3に示すように、混合融液3と反応容器10とが一体的に回転した後に、反応容器10の回転を停止させた場合には、反応容器10に対し混合融液3が回転方向他方側に慣性によって流れるので、流れ制御板14の傾斜する板面のうち下方を向く板面15bが負荷を受けて、流れ制御板14が上記突出する位置から反応容器10の内側面10bに沿って倒伏する位置に移動するので、筒部材11の外側において混合融液3の上昇流と逆向きの流れを形成することを抑制することができる。このため、混合融液3の循環方向を一方向にでき、原料ガス成分の濃度の高い混合融液3を種結晶に継続的に供給させることができる。なお、流れ制御板14の先端部14aの底面10aに臨む側の角部は、回転・倒伏した際に、内側面10bの干渉を受けないように、所定曲率のR部(面取り部)としても良い。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、流れ制御板14の形状や角度は任意に設計してよい。また、流れ制御板14は、筒部材11の外側において、該筒部材11と一体で成型したり、反応容器10の内側に溝を切ることで成型したり、流れ制御板14を単独で成型したものを挿入したりしてもよい。
また、反応容器10の回転は、上述のように間欠的に実施するほか、正転(回転方向他方側の回転)と逆転(回転方向一方側の回転)を繰り返してもよい。その場合、正転速度より逆転速度を遅くすることで、逆転によって生じる反対向きの流れを小さくすることができる。
また、例えば、上記実施形態では、種結晶を基板状にした形態について説明したが、種結晶を棒状にして反応容器10内に縦置きする形態であってもよい。
1…窒化ガリウム製造装置(結晶成長装置)、2…種基板(種結晶)、3…混合融液(融液)、4…液面、10…反応容器、10a…底面、11…筒部材、12…上端開口部、13…下端開口部、14…流れ制御板(板部材)、15a,15b…板面、16…移動機構、40…攪拌装置(回転装置)

Claims (3)

  1. 加熱加圧雰囲気下で原料ガスと融液とを反応させて該融液に浸漬された種結晶を成長させる反応容器を有する結晶成長装置であって、
    前記反応容器の内側に間隙をあけて配置され、前記融液中において鉛直方向に延在すると共に、上端開口部が前記融液の液面に対して離間し、且つ、下端開口部が前記反応容器の底面に対して離間する筒部材と、
    前記反応容器を、鉛直方向に延びる軸周りに回転させる回転装置と、
    前記間隙に設けられ、鉛直方向上方に向かうに従って前記反応容器の回転方向の一方側に向かって傾斜する板面を有する板部材と、を有することを特徴とする結晶成長装置。
  2. 前記種結晶は、前記筒部材の下端開口部と対向する位置に設けられており、
    前記回転装置は、前記反応容器を前記板部材が鉛直方向上方に向かうに従って傾斜する側と反対側に間欠的に回転させることを特徴とする請求項1に記載の結晶成長装置。
  3. 前記板部材は、前記間隙において前記反応容器の内側面から突出して設けられており、
    前記板部材の上方に向く板面側から前記融液の負荷を受ける時に、前記板部材を前記突出する位置で保持し、前記板部材の下方を向く板面側から前記融液の負荷を受ける時に、前記板部材を前記突出する位置から前記内側面に沿って倒伏する位置に移動させる移動機構を有することを特徴とする請求項2に記載の結晶成長装置。
JP2010239907A 2010-10-26 2010-10-26 結晶成長装置 Active JP5569882B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010239907A JP5569882B2 (ja) 2010-10-26 2010-10-26 結晶成長装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010239907A JP5569882B2 (ja) 2010-10-26 2010-10-26 結晶成長装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012091958A JP2012091958A (ja) 2012-05-17
JP5569882B2 true JP5569882B2 (ja) 2014-08-13

Family

ID=46385782

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010239907A Active JP5569882B2 (ja) 2010-10-26 2010-10-26 結晶成長装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5569882B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6136735B2 (ja) * 2013-08-08 2017-05-31 株式会社リコー 13族窒化物結晶の製造方法及び製造装置
JP6263894B2 (ja) * 2013-08-08 2018-01-24 株式会社リコー 13族窒化物結晶の製造方法及び製造装置
JP2015034104A (ja) * 2013-08-08 2015-02-19 株式会社リコー 13族窒化物結晶の製造装置及び製造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005263622A (ja) * 2004-02-19 2005-09-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd 化合物単結晶の製造方法、およびそれに用いる製造装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012091958A (ja) 2012-05-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102492993B (zh) 氮化物单晶的制造方法及其装置
JP5688294B2 (ja) 3b族窒化物結晶板
JP5569882B2 (ja) 結晶成長装置
JP2008100854A (ja) SiC単結晶の製造装置および製造方法
JP2009051701A (ja) 炭化珪素単結晶の製造装置およびその製造方法
JP5494414B2 (ja) 結晶成長装置
CN104662213B (zh) SiC单晶的制造装置以及制造方法
JP5452291B2 (ja) 結晶成長装置
JP5423472B2 (ja) 結晶成長装置
JP5423471B2 (ja) 結晶成長装置
JP2013112553A (ja) SiC単結晶の製造方法及びSiC単結晶の製造装置
JPWO2016059790A1 (ja) 溶液成長法によるSiC単結晶の製造装置、及びそれに用いられる坩堝
KR101983489B1 (ko) SiC 단결정의 제조 방법
JP5742390B2 (ja) 窒化ガリウム結晶の成長方法
JP5802570B2 (ja) 結晶成長方法及び結晶成長装置
KR101599338B1 (ko) Ccz용 이중도가니
KR20180026186A (ko) 실리콘카바이드 단결정의 제조 장치
JP2012236755A (ja) 再使用が可能なシリコン溶融用二重坩堝を備える単結晶シリコンインゴット成長装置
JP5013379B2 (ja) 結晶成長装置
JP5867105B2 (ja) 坩堝ハンドリング用治具
JP6621421B2 (ja) 13族元素窒化物結晶の製造方法および装置
JP2011184234A (ja) 結晶成長装置
KR102490096B1 (ko) 단결정 성장 장치
JP5561185B2 (ja) 結晶成長装置
CN114481288A (zh) 一种用于碲锌镉晶体制备过程中生长坩埚的SiC支撑托

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130618

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20130618

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140114

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140312

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140520

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140616

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5569882

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250