JP5568761B2 - 視野推定装置、視野推定方法、コンピュータプログラム及び記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の乗員に視認されるべき車両周辺の視野を推定する視野推定装置、視野推定方法、並びに前記視野推定装置を実現するためのコンピュータプログラム及び該コンピュータプログラムを記録した記録媒体に関する。
近年、車両等の運転中における安全性を高めるために、車両に搭載したカメラで車両周辺を撮像し、撮像した画像を車内の表示部に表示する装置が実用化されている。そこでは、乗員による車両周辺の視野の視認性を向上させることにより、安全運転が支援される。
例えば、特許文献1には、乗員の頭部位置を検出し、検出結果に応じて、撮像した画像から表示すべき範囲の画像を抽出する技術が開示されている。また、特許文献2では、乗員の視線位置を検出し、検出結果に基づいて、撮像した画像から乗員の視野の死角となる領域の画像を抽出する技術が開示されている。
更に、特許文献3では、乗員の位置及び車内の鏡(ミラー)の角度を検出し、検出した結果に基づいて乗員が鏡を介して視認不能な死角領域を算出し、撮像した画像のうち前記死角領域に相当する画像を表示する技術が開示されている。
更にまた、特許文献4では、乗員の目の位置を検出し、検出結果に基づいて角度を調整したドアミラー及びバックミラーの側方視界範囲及び後方視界範囲を夫々表示する技術が開示されている。
特開2008−141578号公報 特開2008−125828号公報 特開2008−265719号公報 特開2008−265636号公報
しかしながら、特許文献1から3に開示された技術は、乗員に視認されない可能性がある領域を単に見通し外の平面的な範囲として捉えてその範囲の画像を表示するにとどまるものであり、死角の範囲を映し出す鏡の代替とはなり得てもそれ以上の効果を奏するものではなかった。また、特許文献4に開示された技術は、表示した視界範囲の適不適を判定するものではなく、まして、鏡を介して視認される視野と窓越しに視認される視野とを総合的に評価して安全運転の支援に役立てるようなものではなかった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車内及び車外を問わず車両に搭載された鏡と車両の窓とを介して視認されるべき視野を1つの空間的な広がりを有する範囲として推定することにより、視認されるべき視野を総合的に評価して安全運転に役立てることが可能な視野推定装置、視野推定方法、並びに前記視野推定装置を実現するためのコンピュータプログラム及び該コンピュータプログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
本発明に係る視野推定装置は、車両に搭載された1又は複数の鏡及び前記車両の窓を介して視認されるべき前記車両の周辺の視野を前記車両に対する乗員の相対的な頭部位置及び乗員の視線方向に基づいて推定する視野推定装置であって、前記頭部位置から前記鏡を介して前記視線方向に視認されるべき視野が空間的に分布する範囲を算出する鏡視野算出手段と、前記頭部位置から前記窓を介して前記視線方向に視認されるべき視野が空間的に分布する範囲を算出する窓視野算出手段と、前記鏡視野算出手段及び窓視野算出手段が夫々算出した範囲に時間を遡ると共に減少する重みを付与して時系列的に積算する加算手段と、所定の基準位置に対する前記車両の相対的な位置を検出する位置検出手段と、所定の基準方向に対する前記車両の相対的な姿勢を検出する姿勢検出手段とを備え、前記鏡視野算出手段及び前記視野算出手段は、前記位置検出手段が検出した位置及び前記姿勢検出手段が検出した姿勢において視認されるべき視野が前記基準位置及び基準方向に対して分布する範囲を夫々算出するようにしてあることを特徴とする。
本発明に係る視野推定装置は、前記鏡の鏡面の方向を検出する鏡面方向検出手段と、該鏡面方向検出手段が検出した鏡面の方向、前記頭部位置及び前記鏡の位置に基づいて、前記鏡に対する前記頭部位置の虚像位置にある仮想視点を算出する仮想視点算出手段と、前記鏡面方向検出手段が検出した鏡面の方向及び前記視線方向に基づいて、前記仮想視点から前記鏡を見通す方向となる仮想視線方向を算出する仮想視線算出手段と、前記仮想視点算出手段が算出した仮想視点から前記鏡の鏡面を見通す範囲を算出する手段とを備え、前記鏡視野算出手段は、前記算出する手段が算出した範囲内で、前記仮想視点算出手段が算出した仮想視点から前記仮想視線算出手段が算出した仮想視線方向に視認されるべき視野が分布する範囲を算出するようにしてあることを特徴とする。
本発明に係る視野推定装置は、前記頭部位置から前記車両の周辺の視野を前記車両の一部に遮られることなく見通す範囲を算出する手段を備え、前記窓視野算出手段は、前記算出する手段が算出した範囲内で視認されるべき視野が分布する範囲を算出するようにしてあることを特徴とする。
本発明に係る視野推定装置は、前記重みは、指数関数的に減少することを特徴とする。
本発明に係る視野推定装置は、前記視野推定手段が推定した視野に基づいて前記乗員による前記車両の運転状態の良否を判定する手段と、該手段が否と判定した場合、警告を発する手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る視野推定方法は、車両に搭載された1又は複数の鏡及び前記車両の窓を介して視認されるべき視野を推定する視野推定装置で前記車両の周辺の視野を前記車両に対する乗員の相対的な頭部位置及び乗員の視線方向に基づいて推定する視野推定方法であって、前記頭部位置から前記鏡を介して前記視線方向に視認されるべき視野が空間的に分布する範囲を算出する鏡視野算出手段が、範囲を算出するステップと、前記頭部位置から前記窓を介して前記視線方向に視認されるべき視野が空間的に分布する範囲を算出する窓視野算出手段が、範囲を算出するステップと、前記鏡視野算出手段及び窓視野算出手段が夫々算出した範囲に時間を遡ると共に減少する重みを付与して時系列的に積算する加算手段が、範囲を時系列的に積算するステップと、所定の基準位置に対する前記車両の相対的な位置を検出する位置検出手段が、位置を検出するステップと、所定の基準方向に対する前記車両の相対的な姿勢を検出する姿勢検出手段が、姿勢を検出するステップとを含み、前記鏡視野算出手段及び前記野算出手段は、前記位置検出手段が検出した位置及び前記姿勢検出手段が検出した姿勢において視認されるべき視野が前記基準位置及び基準方向に対して分布する範囲を夫々算出するようにしてあることを特徴とする。
本発明に係る視野推定方法は、前記鏡の鏡面の方向を検出する鏡面方向検出手段が、鏡面の方向を検出するステップと、該鏡面方向検出手段が検出した鏡面の方向、前記頭部位置及び前記鏡の位置に基づいて、前記鏡に対する前記頭部位置の虚像位置にある仮想視点を算出する仮想視点算出手段が、仮想視点を算出するステップと、前記鏡面方向検出手段が検出した鏡面の方向及び前記視線方向に基づいて、前記仮想視点から前記鏡を見通す方向となる仮想視線方向を算出する仮想視線算出手段が、仮想視線方向を算出するステップと、前記仮想視点算出手段が算出した仮想視点から前記鏡の鏡面を見通す範囲を算出する手段が、範囲を算出するステップとを含み、前記鏡視野算出手段は、前記算出する手段が算出した範囲内で、前記仮想視点算出手段が算出した仮想視点から前記仮想視線算出手段が算出した仮想視線方向に視認されるべき視野が分布する範囲を算出するようにしてあることを特徴とする。
本発明に係る視野推定方法は、前記頭部位置から前記車両の周辺の視野を前記車両の一部に遮られることなく見通す範囲を算出する手段が、範囲を算出するステップを含み、前記窓視野算出手段は、前記算出する手段が算出した範囲内で視認されるべき視野が分布する範囲を算出するようにしてあることを特徴とする。
本発明に係る視野推定方法は、前記重みは、指数関数的に減少することを特徴とする。
本発明に係る視野推定方法は、前記視野推定手段が推定した視野に基づいて前記乗員による前記車両の運転状態の良否を判定する手段が、良否を判定するステップと、該手段が否と判定した場合、警告を発する手段が、警告するステップとを含むことを特徴とする。
本発明に係るコンピュータプログラムは、車両の運転を支援するコンピュータを、車両に搭載された1又は複数の鏡及び前記車両の窓を介して視認されるべき前記車両の周辺の視野を前記車両に対する乗員の相対的な頭部位置及び乗員の視線方向に基づいて推定する手段として機能させるためのコンピュータプログラムであって、コンピュータを、前記頭部位置から前記鏡を介して前記視線方向に視認されるべき視野が空間的に分布する範囲を算出する鏡視野算出手段、前記頭部位置から前記窓を介して前記視線方向に視認されるべき視野が空間的に分布する範囲を算出する窓視野算出手段、前記鏡視野算出手段及び窓視野算出手段が夫々算出した範囲に時間を遡ると共に減少する重みを付与して時系列的に積算する加算手段、所定の基準位置に対する前記車両の相対的な位置を検出する位置検出手段、並びに所定の基準方向に対する前記車両の相対的な姿勢を検出する姿勢検出手段として機能させ、前記鏡視野算出手段及び前記視野算出手段は、前記位置検出手段が検出した位置及び前記姿勢検出手段が検出した姿勢において視認されるべき視野が前記基準位置及び基準方向に対して分布する範囲を夫々算出するようにしてあることを特徴とする。
本発明に係るコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体は、上述した発明に係るコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とする。
本発明にあっては、乗員の頭部位置から車両の鏡及び窓を介して乗員の視線方向に夫々視認されるべき視野が空間的に分布する範囲を算出し、算出した夫々の範囲を加算する。
これにより、車両の鏡及び窓の方向に視覚的注意が向けられた場合に認知される視界の範囲を、空間的な広がりの分布範囲として夫々算出し、算出結果を加算する。このため、車両の鏡及び窓を介して総合的に視認されるべき視野が算出される。
また、本発明にあっては、車両が存する位置及び車両が有する姿勢において鏡及び窓を介して視認されるべき視野を算出する。
これにより、車両が存する空間における絶対的な視野が算出される。
本発明にあっては、鏡の鏡面の方向、頭部位置及び鏡の位置に基づいて鏡に対する頭部位置の虚像位置にある仮想視点を算出し、鏡の鏡面の方向及び視線方向に基づいて仮想視点から鏡を見通す方向となる仮想視線方向を算出し、仮想視点から仮想視線方向に鏡の鏡面を見通す範囲内で視認されるべき視野を算出する。
これにより、頭部位置から鏡を介して視認されるべき視野を、鏡の外縁の外側を視界から遮蔽して鏡を除去したときに仮想視点から視認されるべき視野として算出する。
本発明にあっては、頭部位置から車両の一部に遮られることなく車両の周辺の視野を見通す範囲内で視認されるべき視野を算出する。
これにより、頭部位置から窓を介して視認されるべき視野を、窓を除いた車体によって視界を遮蔽したときに頭部位置から視認されるべき視野として算出する。
本発明にあっては、推定した視野に基づいて乗員による車両の運転状態の良否を判定し、否と判定された場合に警告を発する。
これにより、例えば、乗員によって視認されていると推定される視野が狭まった場合、又は視野の形状について時間的変化が乏しい場合、乗員に警告を与えて注意を喚起する。
本発明にあっては、記録媒体から読み出されたコンピュータプログラムによって、上述した視野推定装置の各手段が実現される。
本発明によれば、車両の鏡及び窓を介して視線方向に夫々視認されるべき視野が空間的に分布する範囲を算出して加算する。
これにより、車両の鏡及び窓の方向に視覚的注意が向けられた場合に認知される視界の範囲を、空間的な広がりの分布範囲として夫々算出し、算出結果を加算する。このため、車両の鏡及び窓を介して総合的に視認されるべき視野が算出される。
従って、車内及び車外を問わず車両に搭載された鏡と車両の窓とを介して視認されるべき視野を1つの空間的な広がりを有する範囲として推定することにより、視認されるべき視野を総合的に評価して安全運転に役立てることが可能となる。
本発明に係る視野推定装置を示すブロック図である。 CPUがプログラムを実行することにより実現されるECUの機能ブロック図である。 視野推定装置が推定する車両の周辺の視野を模式的に示す説明図である。 視野推定装置が時系列的に積算して推定する車両の周辺の平面的な視野を模式的に示す説明図である。 ドアミラーに対する乗員の仮想視点と、仮想視点からドアミラーの方向に向かう仮想視線方向とを説明するための模式的な図である。 窓視野及び鏡視野を算出して時系列的に積算するCPUの処理手順を示すフローチャートである。 窓視野及び鏡視野を算出して時系列的に積算するCPUの処理手順を示すフローチャートである。 バックミラー及びドアミラーの回転角度の変化と、GPSの1秒パルスとを検出するCPUの処理手順を示すフローチャートである。 視線方向及び頭部位置を検出する視線頭部検出のサブルーチンに係るCPUの処理手順を示すフローチャートである。 鏡面方向検出のサブルーチンに係るCPUの処理手順を示すフローチャートである。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態)
図1は、本発明に係る視野推定装置を示すブロック図である。図中2は車両1に搭載されて車両1の運転を支援するマイクロコンピュータからなるECU(Electronic Control Unit)であり、ECU2はプログラムを実行するCPU21を備える。CPU21は、プログラム等の情報を記憶するROM22、一時的に発生した情報を記憶するRAM23、時間を計時するためのタイマ24、並びに各種データを入力又は出力するための入力部25及び出力部26と互いにバス接続されている。
CPU21は、また、CAN(Controller Area Network)等の仕様に基づく車内通信網にて接続されたナビゲーションシステム10と通信するための通信インタフェース27、及びUSBメモリ28aに記録されたコンピュータプログラムを読み込むためのUSBインタフェース28がバス接続されている。
CPU21は、ROM22に予め格納されている制御プログラムを実行することにより、以下に説明する各部の動作を制御すると共に各機能を実現する。尚、制御部ECU2の一部又は全部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)又はハードウエアで構成するようにしてもよい。また、CPU21は、USBインタフェース28に挿入されたUSBメモリ28aより制御プログラムをRAM23に読み込んで実行するようにしてもよい。
入力部25には、乗員1a(図3参照)の顔が画角に含まれるように車両1のインストルメントパネル(図示せず)に配されたカメラ(撮像部)3aが撮像した画像Aと、乗員1a及び車室内の広範囲が画角に含まれるように車両1の室内天井部の中央部に配されたカメラ3bが撮像した画像Bとが与えられる。入力部25には、また、角度センサ4a,4b,4cが夫々検出したバックミラー11及びドアミラー12,13の回転角度A,回転角度B,回転角度Cと、車速センサ5が検出した車両1の走行速度と、操舵角センサ6が検出した前輪14,14(図3参照)の操舵角と、GPS受信機7が受信した測位データとが与えられる。
測位データには、GPS受信機7が再生した1秒パルスが含まれるようにしてある。
出力部26には、インストルメントパネルに配されたLCDからなる表示器8及びブザー9が接続されている。表示器8は出力部26から与えられた表示データを表示し、ブザー9は出力部26から与えられた鳴動データによって鳴動するようにしてある。
図2は、CPU21がプログラムを実行することにより実現されるECU2の機能ブロック図である。ECU2は、カメラ3aから与えられた画像Aに基づいて乗員1aの視線方向を検出する視線方向検出部201と、カメラ3a,3bから夫々与えられた画像A,画像Bに基づいて頭部位置を検出する頭部位置検出部202とを備える。視線方向検出部201が検出した視線方向は、仮想視線算出部(仮想視線算出手段)207及び窓視野算出部(窓視野算出手段)210に与えられる。頭部位置検出部202が検出した頭部位置は、仮想視点算出部(仮想視点算出手段)206、窓マスク算出部208及び窓視野算出部210に与えられる。
ECU2は、また、角度センサ4a,4b,4cから夫々与えられたバックミラー11及びドアミラー12,13の回転角度A,回転角度B,回転角度Cに基づいて夫々のミラーの鏡面の方向(法線方向)を検出する鏡面方向検出部(鏡面方向検出手段)203を備える。鏡面方向検出部203が検出した各ミラーの法線方向は、仮想視点算出部206及び仮想視線算出部207に与えられる。
ECU2は、更に、車速センサ5、操舵角センサ6及びGPS受信機7から夫々与えられた走行速度、操舵角及び測位データに基づいて車両位置及び車両姿勢を夫々検出する車両位置検出部204と、車両姿勢検出部205とを備える。車両位置検出部204及び車両姿勢検出部205が夫々検出した車両位置及び車両姿勢は、窓視野算出部210及び鏡視野算出部(鏡視野算出手段)211に与えられる。
仮想視点算出部206は、頭部位置検出部202から与えられた頭部位置と、ROM22に予め記憶したバックミラー11及びドアミラー12,13の位置と、鏡面方向検出部203から与えられた夫々のミラーの法線方向とに基づき、夫々のミラーに対する頭部位置の虚像位置にある仮想視点を算出して鏡マスク算出部209及び鏡視野算出部211に与える。
仮想視線算出部207は、視線方向検出部201が算出した視線方向及び鏡面方向算出部203が算出した各ミラーの法線方向に基づき、夫々のミラーの仮想視点からミラーを見通す方向となる仮想視線方向を算出して鏡視野算出部211に与える。
窓マスク算出部208は、頭部位置検出部202が検出した頭部位置と、ROM22に予め記憶した窓周縁部の位置とに基づき、前方窓15(図3参照)を通して車両1の周辺の視野を見通す範囲を算出して窓視野算出手段210に与える。
鏡マスク算出部209は、仮想視点算出部206が算出した夫々のミラーについての仮想視点と、ROM22に予め記憶したバックミラー11及びドアミラー12,13の周縁部の位置とに基づき、夫々のミラーについて仮想視点からミラーの鏡面を見通す範囲を算出して鏡視野算出手段211に与える。
窓視野算出部210は、視線方向検出部201が検出した視線方向と、頭部位置検出部202が検出した頭部位置と、窓マスク算出部208が算出した範囲と、車両位置検出部204及び車両姿勢検出部205が夫々検出した車両位置及び車両姿勢とに基づき、頭部位置から前方窓15を介して視線方向に視認されるべき視野が空間的に分布する範囲を算出して加算部(加算手段)212に与える。
鏡視野算出部211は、仮想視点算出部206が算出した各ミラーについての仮想視点と、仮想視線算出部207が算出した夫々のミラーについての仮想視線方向と、鏡マスク算出部209が算出した夫々のミラーについての範囲と、車両位置検出部204及び車両姿勢検出部205が夫々検出した車両位置及び車両姿勢とに基づき、頭部位置から夫々の鏡を介して視線方向に視認されるべき視野が空間的に分布する範囲を算出して加算部212に与える。
加算部212は、窓視野算出部210及び鏡視野算出部211が夫々算出した範囲を加算して運転状態判定部213に与える。
運転状態判定部213は、加算部212から与えられた範囲、即ち、乗員1aによって視認されるべき視野に基づいて乗員1aの運転状態の良否を判定し、判定結果を警報部214に与える。
警報部214は、運転状態判定部213から与えられた判定結果が否の場合、警告のための表示データ及び鳴動データを、表示器8及びブザー9に夫々与える。
図3は、視野推定装置が推定する車両1の周辺の視野を模式的に示す説明図である。車両1は、前方窓(フロントウインドウ)15及び後方窓(リヤウインドウ)16と、前輪14,14と、乗員1aが着座すべき図示しない運転席とを備える。車両1の室内天井部の前部中央には、乗員1aが車両1の後方を確認するためのバックミラー11が取着されている。また、前輪14,14の後方の斜め上部には、図示しない前方ドアから車外に突出するようにドアミラー12,13が配されている。
上述した車両1において、視線方向検出部201が検出した乗員1aの視線方向が、ドアミラー12,13より概ね前方ある場合、窓視野算出部210が、前方窓15を介して前方窓15を見通す範囲内で視線方向に視認されるべき前方の視野150の範囲を算出する。また、視線方向検出部201が検出した乗員1aの視線方向が、バックミラー11及びドアミラー12,13の方向にある場合、鏡視野算出部211が、夫々のミラーを介して鏡面を見通す範囲内で後方の視野110及び後方側方の視野120,130の範囲を算出する。この場合、後方窓16は、視野110を遮蔽しないものとする。
尚、乗員1aの視線方向がドアミラー12,13より概ね前方になく、上記何れのミラーの方向にもない場合、窓視野算出部210及び鏡視野算出部211が算出した視野の範囲は空値(φ)をとる。
また、図3に示す視野150及び視野110,120,130は、夫々の視野の範囲が算出されたときの視線方向及び仮想視線方向を中心として立体的な広がりを有する空間を表している。このため、視野150,110,120,130が路面と交わる平面を、夫々平面的な視野151,111,121,131として評価することが可能である。
図4は、視野推定装置が時系列的に積算して推定する車両1の周辺の平面的な視野を模式的に示す説明図である。車両1がS字状の道路100に沿って走行しており、ある時刻t3において図4に示す車両位置及び車両姿勢にある場合、時刻t3を中心とする単位時間内に視認されるべき前方の平面的な視野を視野153a,153b,153cとする。また、時刻t3を中心とする単位時間内に視認されるべき後方及び後方両側方の平面的な視野を夫々視野113及び視野123,133とする。
一方、時刻t3より1単位時間だけ遡った時刻t2を中心とする単位時間内に視認されるべき後方及び後方両側方の平面的な視野を夫々視野112及び視野122,132とする。そして、時刻t2より更に1単位時間だけ遡った時刻t1を中心とする単位時間内に視認されるべき後方及び後方両側方の平面的な視野を夫々視野111及び視野121,131とする。
尚、実際には、時刻t1,t2を中心とする単位時間内に夫々視認されるべき前方の視野が存在するが、これらの視野は時間の経過と共に、時刻t2,t3を中心とする単位時間内に夫々視認されるべき後方及び後方両側方の視野と次々に重なることとなるため、図では省略してある。
視野推定装置のECU2の加算部212は、上述した各時刻における視野の範囲を時系列的に積算する。この場合、各時刻を中心とする単位時間内に視認されるべき視野の範囲には、人が視覚情報を忘却する特性に近似させるために、時間を遡ると共に指数関数的に値が小さくなるような重みを付与してある。図4に示す平面的な視野の集合は、このようにして積算された視野が道路100と交わる平面であるということができる。
従って、図4に斜線を施して示した視野143a,143bは、時刻t0からt3の間に視認されるべきと推定されなかった視野、即ち死角であるとみなされる。乗員1aの挙動によっては、車両1の前方又は後方にも死角があるとみなされる場合がある。運転状態判定部213が、例えば上述したような死角に基づいて、運転状態が良好でないと判定した場合、警報部214が、警報を発するために表示器8に表示データを与え、ブザー9に鳴動データを与える。
より具体的には、上述した死角の面積が増大し、視野の形状についての時間変化が乏しい場合に、運転状態が良好でないと判定される。この場合、警報部214が、乗員1aが注意を払うべき方向を示す表示データを生成して表示器8に与える。
尚、警報部214は、運転状態が良好でないと判定した場合、通信インタフェース27を介してナビゲーションシステム10のエージェントに、音声による警告を発声させてもよいし、図示しない複数のスピーカ及びLEDのうち、乗員1aが注意を払うべき方向にあるものを鳴動及び点滅させるようにしてもよい。
次に、図2に戻って、図2に示す各機能ブロックの具体的な処理内容について説明する。
尚、以下の説明では、車両1に置かれた基準点(例えば、GPS受信機7が置かれた位置)を原点とする3次元の直交座標系の存在を想定しており、特に断りのない限り、車両1に対する位置及び方向が、夫々前記直交座標系におけるベクトル(の成分)として検出又は算出されるものとする。
視線方向検出部201は、与えられた画像Aのデータに対して公知の画像処理を施すことにより、乗員1aの姿勢及び顔の位置についての相対的な変化を特定し、特定した変化に基づいて乗員1aの眼球中心を推定すると共に虹彩中心を抽出し、推定した眼球中心と抽出した虹彩中心とを結ぶ3次元直線の方向を時刻tにおける車両1に対する視線方向として検出する。
尚、このような視線方向の推定については、文献:特開2008−102902に開示されている。
頭部位置検出部202は、与えられた画像A,画像Bのデータに対して公知の画像処理を施すことにより、乗員1aの頭部を抽出して時刻tにおける車両1に対する3次元の頭部位置を検出する。
尚、カメラ3aをいわゆる3Dカメラとし、カメラ3aの合焦点位置より乗員1aの頭部位置を検出するようにしてもよい。
鏡面方向検出部203は、与えられた回転角度A,回転角度B,回転角度Cの夫々から取得した水平面内の回転角度及び車幅方向に垂直な面内の回転角度に対して公知の演算を施すことにより、バックミラー11及びドアミラー12,13についての車両1に対する法線方向を夫々検出する。この検出は時々刻々と行う必要はなく、各ミラーの角度が乗員1aによって操作された時、又は適時行えばよい。
車両位置検出部204は、GPSによる測位データに基づいて時刻tにおける車両1の絶対的な車両位置Xc,t を時々刻々検出する。この場合、検出される車両位置の誤差を低減するため、与えられた走行速度及び操舵角に基づいて車両位置を推定し、更に、ROM22に予め格納した地図データベースの道路データと照合する。これにより、車両1の車両位置Xc,t を精度よく検出することができる。
尚、ここで検出される車両位置Xc,t は、GPSに基づく絶対的な座標系における車両1の前記基準点の位置ベクトルであるものとする(以下の車両姿勢Rc,t についても同様)。
車両姿勢検出部205は、車両位置検出部204と同様にして検出した車両位置が変化する方向及び変化する割合に基づいて時刻tにおける絶対的な車両姿勢Rc,t を時々刻々検出する。この場合、与えられた走行速度及び操舵角に基づき、車両姿勢を推定して補正することにより、車両1の車両姿勢Rc,t を精度よく検出することができる。
以下では、図2に示す各機能ブロックの処理について、図及び式を用いて説明する。
図5は、ドアミラー13に対する乗員1aの仮想視点と、仮想視点からドアミラー13の方向に向かう仮想視線方向とを説明するための模式的な図である。図において、車両1の運転席に着座している乗員1aの時刻tにおける頭部位置及び視線方向(のベクトル)を夫々Hx,t 及びVg,t とし、ドアミラー13の位置をMx とする。
この場合、ドアミラー13の鏡面を境にして前記頭部位置を折り返した位置、即ちドアミラー13に対する頭部位置の虚像位置が、仮想視点Hx,t である。また、頭部位置Hx,t から視線方向に引いた直線とドアミラー13の鏡面との交点を仮想視点Hx,t から見通す方向が、仮想視線方向Vg,t である。図からわかるように、−Vg,t の方向及びドアミラー13の法線方向がなす角度δは、前記法線方向及びVg,t の方向がなす角度と等しい。
図2の仮想視点算出部206及び仮想視線算出部207は、上述した仮想視点Hx,t 及び仮想視線方向Vg,t を、k個(kは1以上の整数)のミラーについて算出するものである。ミラーj(jはk以下の自然数)の位置及び法線方向を夫々Mx (j) 及びNm (j) とした場合、これに対応する仮想視点Hx,t (j)’ 及び仮想視線方向Vg,t (j)’ は、図5を参考にして以下の式(1)及び式(2)のように算出することができる。但し、Vg,t t は、行ベクトルであるVg,t を列ベクトルに置き換えた転置ベクトルである(以下同様)。
Figure 0005568761
つまり、式(1)では、(Hx,t −Mx (j) )がミラーjから頭部位置に向かうベクトルであって、これとNm (j)t との内積が正のスカラー値となり、頭部位置のベクトルHx,t に法線方向Nm (j) と逆向きのベクトルを加えて仮想視点のベクトルHx,t (j)’ が求まる。
式(2)では、視線方向Vg,t t と法線方向Nm (j) との内積が負のスカラー値となり、視線方向Vg,t に法線方向Nm (j) と同一方向のベクトルを加えて仮想視線方向のベクトルVg,t が求まる。
窓マスク算出部208は、頭部位置Hx,t から任意の3次元位置Xが見通せる場合に値1(又は見通せない場合に値0)を算出する。換言すれば、頭部位置Hx,t 及び任意の3次元位置Xを結ぶ線分上に、窓の周縁部より外側の車体が遮蔽物となって存在する場合に値0(又は存在しない場合に値1)を算出する。つまり、窓マスク算出部208が算出する値(窓マスク)は、以下の式(3)に示すマスク関数で定義される。
Figure 0005568761
鏡マスク算出部209は、任意の3次元位置Xが、仮想視点Hx,t (j)’ からミラーjの鏡面を見通す範囲の延長上にある場合に値1(又は延長上にない場合に値0)を算出する。換言すれば、仮想視点Hx,t (j)’ 及び任意の3次元位置Xを結ぶ線分がミラーjの鏡面を通過する場合に値1(又は通過しない場合値0)を算出する。ここで、前記線分がミラーjの鏡面を通過する場合に遮蔽なし(又は通過しない場合に遮蔽あり)と判定するようにした場合、鏡マスク算出部209が算出する値(鏡マスク)は、以下の式(4)に示すマスク関数で定義される。但し、仮想視点Hx,t (j)’ 及びミラーjの間には、車体が遮蔽物として存在しないものとする。
Figure 0005568761
尚、式(3)については、窓(本実施の形態では、前方窓15)と視認されるべき位置Xとの間に遮蔽物が存在しないものとする。
また、式(4)については、ミラーjと視認されるべき位置Xとの間に遮蔽物が存在しないものとする。
窓視野算出部210及び鏡視野算出部211は、人の視野に関する実験心理学的知見に基づいて視野の範囲を算出する。人の視野は、視線方向を中心に上下左右の方向へ空間的な広がりをもって分布しており、視線方向を中心とする±20度程度の視野角の内側は、比較的分解能が高い中心視野と、前記視野角の外側は分解能が低い周辺視野と夫々呼ばれている。尚、周辺視野では色覚が失われる。
本実施の形態にあっては、人が視覚的注意を向けた場合に認知されるべき空間的範囲を視認されるべき視野の範囲とする。ここでは、簡便のために、また、視野角の中心部に近いほど分解能及び色感度が高まるという人の視覚特性を考慮して、人の視野の範囲を標準偏差がσθ である正規分布でモデル化する。例えば、σθ =20度の場合、人の視覚的注意の約70%が、視線方向を中心とする視野角20度の範囲内に向けられることを意味する。
尚、奥行き方向(視線方向に遠ざかる方向)については、距離に比例して認知される度合いが低下し、距離lより遠方が視野の範囲外となるような視野の分布を仮定する。前述した直交座標系の原点が頭部位置にある場合、Z軸方向に視線を向けているときに視野が分布する範囲f(X)は、以下の式(5)で表される。
Figure 0005568761
ここで、車両1においた直交座標系のX軸を車幅方向に、Z軸を車両1の正面方向に、Y軸を鉛直方向にとった場合、Z軸方向を基準とする視線方向のアジマス(Y軸まわりの回転角)及びエレベーション(X軸まわりの回転角)が夫々α及びβであるものする。この場合、頭部位置Hx,t から視線方向に視野が分布する範囲は、頭部位置Hx,t からZ軸方向に視線を向けているときに視野が分布する範囲であるf(X−Hx,t )を、仰角方向にβだけ回転させた後に水平方向にαだけ回転させた範囲に相当する。従って、頭部位置がHx,t 、視線方向がVg,t であるときに視野が分布する範囲fHx,t,Vg,t (X)は、以下の式(6)で表される。
Figure 0005568761
但しRα及びRβは、頭部位置Hx,t から任意の位置Xに向かうベクトル(X−Hx,t )をY軸及びX軸まわりに夫々α及びβだけ回転させるための回転行列であり、一般的に以下の式(7)及び式(8)で表される。
Figure 0005568761
更に、視線方向Vg,t =[Vx y z ]が単位ベクトルである場合、式(7)及び式(8)の行列の各要素は、視線方向Vg,t を表す座標成分によって以下の式(9)及び式(10)のように表される。
Figure 0005568761
従って、式(7)及び式(8)のRα 及びRβ は、以下の式(11)及び式(12)のように座標成分だけで表すことができる。
Figure 0005568761
次に、窓視野算出部210が算出すべき視野の範囲を、上述した式(3)で表されるマスク関数、車両姿勢検出部205が検出した絶対的な車両姿勢Rc,t 、車両位置検出部204が検出した絶対的な車両位置Xc,t 、及び式(6)で表される視野の範囲を用いて説明する。
窓視野算出部210は、式(6)に基づく視野の範囲に、式(3)に基づくマスク関数を掛け合わせることにより、GPSに基づく絶対的な座標系における視野の範囲を算出する。一方、式(3)及び式(6)における位置Xは、車両1に座標原点を置いた直交座標系における位置である。従って、式(3)及び式(6)における位置Xを、絶対的な座標系における位置(X−Xc,t )で置き換えて前記直交座標系の原点を絶対的な座標系の原点に平行移動させ、更に直交座標系の座標軸を位置Xと共に車両姿勢Rc,t と逆向きに回転させることにより、窓視野算出部210が算出すべき視野の範囲が、以下の式(13)のように表される。
Figure 0005568761
但し、Rc,t -1 は、車両姿勢Rc,t の逆行列であり、これを(X−Xc,t )に掛け合わせることにより、車両位置Xc,t から位置Xに向かうベクトルを車両姿勢Rc,t と逆向きに回転させるように作用する。
同様にして、鏡視野算出部211は、式(6)に基づく視野の範囲に、式(4)に基づくマスク関数を掛け合わせた範囲を、k個のミラーについて加算することにより、GPSに基づく絶対的な座標系における視野の範囲を算出する。従って、鏡視野算出部211が算出すべき視野の範囲が、以下の式(14)のように表される。
Figure 0005568761
加算部212は、窓視野算出部210が算出した視野の範囲と、鏡視野算出部211が算出した視野の範囲を、時刻t=1から時刻t=Nまで時系列的に積算して視野の範囲を算出する。この場合、車両1の周囲の道路状況は時々刻々と変化するため、算出された視野の範囲は、時間の経過と共に情報としての意味を失う。そこで、後の時刻に算出された視野の範囲に係る情報を重視するため、加算部212は、与えられた視野の範囲に時間を遡ると共に減少する重みを付与して積算する。その際の重み付けは、単位時間を遡るごとに一定の係数で減少するものとし、これを忘却係数γで表す。従って、加算部212が算出する視野の範囲は、以下の式(15)のように表される。
Figure 0005568761
以下に、上述した構成の視野推定装置の動作を、それを示すフローチャートを用いて説明する。
図6及び図7は、窓視野及び鏡視野を算出して時系列的に積算するCPU21の処理手順を示すフローチャートである。図6,7の処理は、例えば、表示器8の図示しないタッチパネルより運転支援のメニューが選択されたときに起動され、ROM22に予め格納されている制御プログラムに従って実行される。
尚、視野tmp[k]は、RAM23に記憶領域を確保した要素数がN+1個(Nは2以上の自然数)の配列tmpのk番目(kは1からN+1までの整数)の要素であり、視野tmp[N+2]が視野tmp[1]を(又は視野tmp[0]が視野tmp[N+1]を)指すように、サイクリックに扱うものとする(視野範囲[k]についても同様)。ここでは、簡便のため、配列要素の位置を示す“k”の値が、限りなく増大しても処理できるものとして説明する。
また、検出又は算出した結果はRAM23に記憶され、適宜参照されるものとする(以下同様)。
以下の処理では、1単位時間内に算出した窓視野及び鏡視野を視野tmp[k]に順次加算し、単位時間ごとに式(15)に示す視野の範囲を積算して視野範囲[k]に書き込む。この場合、1単位時間前に積算して算出した視野範囲[k−1]から最古の窓視野及び鏡視野を減算した値に忘却係数γを掛け、これに最新の窓視野及び鏡視野を加算することによって、視野の範囲の積算を高速に行う。
また、式(15)の分母の値は、N及びγの値によって決まる定数であるため、前記分母の値を先に算出してRAM23に記憶し、後の算出の際に利用するものとする。
図6に示す処理が起動された場合、CPU21は、初期設定を行い(ステップS11)、視野tmp及び視野範囲の全ての配列要素及びkの値を全て0クリアすると共に式(15)の分母の値を算出する。その後、CPU21は、配列の位置を示すkの値を「1」だけインクリメントし(ステップS12)、視野tmp[k]に空値(φ)を書き込み(ステップS13)、更に計時を開始する(ステップS14)。
次いで、CPU21は、視線方向及び頭部位置を検出するために、視線頭部検出に係るサブルーチンを呼び出して実行し(ステップS15)、視線方向がドアミラー12,13より概ね前方にあるか否かを判定する(ステップS16)。前方にあると判定した場合(ステップS16:YES)、CPU21は、検出した頭部位置及びROM22に予め記憶した窓の周縁部の位置とに基づき、式(3)に示す窓マスクを位置Xの関数として算出する(ステップS17)。
更に、CPU21は、算出した窓マスクと、検出した頭部位置及び視線方向と、後述する処理によって検出された車両位置及び車両姿勢とに基づき、式(13)によって窓視野を算出し(ステップ18)、算出結果を視野tmp[k]に加算する(ステップS19)。その後、CPU21は、計時を開始してから単位時間が経過したか否かを判定し(ステップS20)、経過していないと判定した場合(ステップS20:NO)、処理をステップS15に戻す。
ステップS16で視線方向がドアミラー12,13より前方にはないと判定した場合(ステップS16:NO)、CPU21は、視線方向が左のドアミラー12の方向にあるか否かを判定する(ステップS21)。ドアミラー12の方向にはないと判定した場合(ステップS21:NO)、CPU21は、視線方向が右のドアミラー13の方向にあるか否かを判定する(ステップS22)。ドアミラー13の方向にないと判定した場合(ステップS22:NO)、CPU21は、更に、視線方向がバックミラー11の方向にあるか否かを判定する(ステップS23)。バックミラー11の方向にもないと判定した場合(ステップS23:NO)、CPU21は、処理をステップS20に戻す。
視線方向が左のドアミラー12の方向にあると判定した場合(ステップS21:YES)、視線方向が右のドアミラー13の方向にあると判定した場合(ステップS22:YES)、又は視線方向がバックミラー11の方向にあると判定した場合(ステップS23:YES)、又はCPU21は、検出した頭部位置と、視線方向が向けられているミラーの位置及び法線方向とに基づき、式(1)によって仮想視点を算出する(ステップS24)。更に、CPU21は、検出した視線方向と、視線方向が向けられているミラーの法線方向とに基づき、式(2)によって仮想視線方向を算出する(ステップS25)。
その後、CPU21は、算出した仮想視点及びROM22に予め記憶したミラーの周縁部の位置とに基づき、式(4)に示す鏡マスクを位置Xの関数として算出する(ステップS26)。更に、CPU21は、算出した鏡マスクと、算出した仮想視点及び仮想視線方向と、後述する処理によって検出された車両位置及び車両姿勢とに基づき、式(14)によって鏡視野を算出し(ステップ27)、算出結果を視野tmp[k]に加算し(ステップS28)、処理をステップS20に戻す。
ステップS20で単位時間が経過したと判定した場合(ステップS20:YES)、CPU21は、視野tmp[k]の内容をステップS11で算出した式(15)の分母の値で割り算して再び視野tmp[k]に書き込む(ステップS31)。更に、CPU21は、1単位時間前に積算した視野範囲[k−1]の内容から、最古の窓視野及び鏡視野であるγ(N-1) ・視野tmp[k−N]を減算してSに書き込み(ステップS32)、視野tmp[k]にγ・Sを加算して視野範囲[k]に書き込む(ステップS33)。これにより、式(15)に示す最新の視野の範囲が算出される。
次いで、CPU21は、視野範囲[n](n=k、k−1、・・・、k−N+1)の内容に基づいて運転状態が良であるか否かを判定し(ステップS34)、良でないと判定した場合(ステップS34:NO)、表示器8及びブザー9によって警告を出力する(ステップS35)。運転状態が良であると判定した場合(ステップS34:YES)又はステップS35の処理を終えた場合、CPU21は、次の単位時間について視野の範囲を算出するために、処理をステップS12に戻す。
図8は、バックミラー11及びドアミラー12,13の回転角度の変化と、GPSの1秒パルスとを検出するCPU21の処理手順を示すフローチャートである。図8の処理は、例えば、CPU21が初期化処理を終了した後に適宜起動され、ROM22に予め格納されている制御プログラムに従って実行される。
図8の処理が起動された場合、CPU21は、角度センサ4aから回転角度Aを取り込み、前回取り込んだ回転角度Aと比較して変化しているか否かを判定する(ステップS41)。変化していると判定した場合(ステップS41:YES)、CPU21は、回転角度Aを引数とし、鏡面方向検出に係るサブルーチンを呼び出して実行する(ステップS42)。変化していないと判定した場合(ステップS41:NO)、又はステップS42の処理を終えた場合、CPU21は、角度センサ4bから回転角度Bを取り込み、前回取り込んだ回転角度Bと比較して変化しているか否かを判定する(ステップS43)。
変化していると判定した場合(ステップS43:YES)、CPU21は、回転角度Bを引数とし、鏡面方向検出に係るサブルーチンを呼び出して実行する(ステップS44)。変化していないと判定した場合(ステップS43:NO)、又はステップS44の処理を終えた場合、CPU21は、角度センサ4cから回転角度Cを取り込み、前回取り込んだ回転角度Cと比較して変化しているか否かを判定する(ステップS45)。
変化していると判定した場合(ステップS45:YES)、CPU21は、回転角度Cを引数とし、鏡面方向検出に係るサブルーチンを呼び出して実行する(ステップS46)。変化していないと判定した場合(ステップS45:NO)、又はステップS46の処理を終えた場合、CPU21は、GPS受信機7より測位データを取り込み、1秒パルスが発生したか否かを判定する(ステップS47)。
発生していないと判定した場合(ステップS47:NO)、CPU21は、1秒パルスが発生するまで待機する。1秒パルスが発生したと判定した場合(ステップS47:YES)、CPU21は、測位データ、走行速度及び操舵角に基づいて車両位置を検出する(ステップS48)と共に車両姿勢を検出し(ステップS49)、処理をステップS41に戻す。
図9は、視線方向及び頭部位置を検出する視線頭部検出のサブルーチンに係るCPU21の処理手順を示すフローチャートであり、図10は、鏡面方向検出のサブルーチンに係るCPU21の処理手順を示すフローチャートである。図9,10の処理は、ROM22に予め格納されている制御プログラムに従って実行される。
図9に示す視線頭部検出のサブルーチンが呼び出された場合、CPU21は、カメラ3aより画像データAを取り込み(ステップS51)、取り込んだ画像データAに基づいて、乗員1aの顔の位置及び姿勢の相対的な変化を特定する(ステップS52)。その後、CPU21は、眼球中心(の投影位置)を推定し(ステップS53)、虹彩中心を抽出して(ステップS54)視線方向を検出する(ステップS55)。CPU21は、更に、カメラ3bより画像Bを取り込み(ステップS56)、取り込んだ画像A及び画像Bに基づき、頭部位置を検出して(ステップS57)リターンする。
図10に示す鏡面方向検出のサブルーチンが呼び出された場合、CPU21は、呼び出されたときの引数より水平面内の回転角度を取得し(ステップS61)、更に垂直面内の回転角度を取得して(ステップS62)回転角度の変化を検出したミラーの法線方向を検出し(ステップS63)、リターンする。
以上のように、本実施の形態によれば、乗員の頭部位置から車両のバックミラー、ドアミラー及び前方窓を介して乗員の視線方向に夫々視認されるべき視野が空間的に分布する範囲を算出し、算出した夫々の範囲を加算する。
これにより、車両の各ミラー及び前方窓の方向に視覚的注意が向けられた場合に認知される視界の範囲を、空間的な広がりの分布範囲として夫々算出し、算出結果を加算する。このため、車両のバックミラー、ドアミラー及び前方窓を介して総合的に視認されるべき視野が算出される。
従って、車内及び車外を問わず車両に搭載された鏡と車両の窓とを介して視認されるべき視野を1つの空間的な広がりを有する範囲として推定することにより、視認されるべき視野を総合的に評価して安全運転に役立てることが可能となる。
また、バックミラー及びドアミラーの鏡面の方向、頭部位置及び夫々のミラーの位置に基づいて夫々のミラーに対する頭部位置の虚像位置にある仮想視点を算出し、各ミラーの鏡面の方向及び視線方向に基づいて仮想視点から夫々のミラーを見通す方向となる仮想視線方向を算出し、仮想視点から仮想視線方向に夫々のミラーの鏡面を見通す範囲内で視認されるべき視野を算出する。
従って、頭部位置から各ミラーを介して視認されるべき視野を、夫々のミラーの外縁の外側を視界から遮蔽して鏡を除去したときに仮想視点から視認されるべき視野として算出するため、鏡を介して視認されるべき視野の範囲を簡便に算出することが可能となる。
更にまた、頭部位置から車両の一部に遮られることなく車両の周辺の視野を見通す範囲内で視認されるべき視野を算出する。
従って、頭部位置から前方窓を介して視認されるべき視野を、前方窓を除いた車体によって視界を遮蔽したときに頭部位置から視認されるべき視野として算出するため、を介して視認されるべき視野の範囲を簡便に算出することが可能となる。
更にまた、GPSに基づく絶対的な座標系に車両が存する位置及び車両が有する姿勢においてバックミラー、ドアミラー及び前方窓を介して視認されるべき視野を算出する。
これにより、車両が存する空間における絶対的な視野を算出することが可能となる。
更にまた、バックミラー、ドアミラー及び前方窓を介して視認されるべき視野が分布する範囲を時系列的に積算する。
従って、車両の位置及び姿勢と、頭部位置及び視線方向とが時間と共に変化する場合に、鏡及び窓を介して視認されるべき視野を時間の関数として算出することが可能となる。
更にまた、バックミラー、ドアミラー及び前方窓を介して視認されるべき視野が分布する範囲に時間を遡ると共に減少する重みを付与して積算する。
これにより、積算された視野が時間の経過と共に失われる情報として扱われるため、後の時刻に算出された視野の範囲に係る情報を重視することが可能となる。
更にまた、バックミラー、ドアミラー及び前方窓を介して視認されるべき視野が分布する範囲に時間を遡ると共に指数関数的に減少する重み(忘却係数)を掛け合わせて積算する。
従って、人が視覚情報を忘却する特性に近似させることが可能となると共に、簡便に視野の積算を行うことが可能となる。
更にまた、乗員の顔が位置すべき領域を含む画像を撮像した画像に基づいて頭部位置及び視線方向を検出する。
これにより、頭部位置及び視線方向を的確に検出することが可能となる。
更にまた、推定した視野に基づいて乗員による車両の運転状態の良否を判定し、否と判定された場合に警告を発する。
これにより、例えば、乗員によって視認されていると推定される視野が狭まった場合、又は視野の形状についての時間的変化が乏しい場合に、乗員に警告を与えて注意を喚起することが可能となる。
更にまた、推定した視野以外の視野へ注意を向けさせるように警告を発する。
従って、注意力が散漫になっている方向に注意を向けさせて事故を未然に防止することが可能となる。
尚、本実施の形態にあっては、バックミラー及びサイドミラーに平面鏡を用いているが、これに限定されるものではなく、凸面鏡を用いてもよい。この場合、鏡面を微小な平面に分割し、分割した平面が夫々平面鏡であるものとして視野の範囲を算出し、夫々の範囲を加算すればよい。
また、視認されるべき視野の範囲を算出する対象となる窓は前方窓(フロントウインドウ)のみであるが、これに限定されるものではなく、例えば、車両側面のドアの窓を算出の対象に加えてもよい。
本発明は、ECUのコンピュータに実行させるためのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に、上述した鏡及び窓を介して乗員の視線方向に視認されるべき視野が空間的に分布する範囲を夫々算出して加算する視野推定方法を記録したものとすることも可能である。これにより、鏡及び窓を介して乗員の視線方向に視認されるべき視野が空間的に分布する範囲を夫々算出して加算する視野推定方法を行うプログラムを記録した記録媒体を持ち運び自在に提供することができる。
記録媒体としては、例えばROM又はUSBメモリのようなプログラムメディアであってもよく、外部記憶装置として設けられた図示しないプログラム読取装置に記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。何れの場合においても、格納されているプログラムコードは、CPUにアクセスされて実行される構成であってもよく、プログラムコードが読み出され、例えばRAMのプログラム記憶エリアにダウンロードされて実行される構成であってもよい。このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
前記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープ、カセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク及びハードディスクに代表される磁気ディスク、CD−ROM/MO/MD/DVDに代表される光ディスク等のディスク系、ICカード(メモリカードを含む)、光カード等のカード系、及びマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory:登録商標)、フラッシュROM等の半導体メモリ系の媒体に固定的にプログラムコードを担持するものであってもよい。
前記プログラムメディアは、また、インターネットを含む通信ネットワークからプログラムコードがダウンロード可能となるようにプログラムコードが流動的に担持された媒体であってもよい。このように通信ネットワークからプログラムコードをダウンロードする場合、ダウンロード用のプログラムは、予め本体装置に格納されるものでもよく、他の記録媒体からインストールされるものであってもよい。尚、本発明は、前記プログラムコードが搬送波に埋め込まれて電子的に伝送されるコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
前記記録媒体は、例えば、ECUに接続されたナビゲーションシステムに備えられるプログラム読取装置によってプログラムコードが読み取られてECUに転送されるようにしてもよい。ナビゲーションシステムには、ネットワークを介してサーバー等に接続するためのネットワークインタフェース、モデム等の通信手段が備えられる。
1 車両
1a 乗員
2 ECU
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 タイマ
3a,3b カメラ(撮像部)
8 表示器
9 ブザー
11 バックミラー(鏡)
12,13 ドアミラー(鏡)
15 前方窓(窓)
203 鏡面方向検出部(鏡面方向検出手段)
204 車両位置検出部(位置検出手段)
205 車両姿勢検出部(姿勢検出手段)
206 仮想視点算出部(仮想視点算出手段)
207 仮想視線算出部(仮想視線算出手段)
208 窓マスク算出部(頭部位置から車両の周辺の視野を車両の一部に遮られることなく見通す範囲を算出する手段)
209 鏡マスク算出部(仮想視点から鏡の鏡面を見通す範囲を算出する手段)
210 窓視野算出部(窓視野算出手段)
211 鏡視野算出部(鏡視野算出手段)
212 加算部(加算手段)
213 運転状態判定部(運転状態の良否を判定する手段)
214 警報部(警告を発する手段)

Claims (12)

  1. 車両に搭載された1又は複数の鏡及び前記車両の窓を介して視認されるべき前記車両の周辺の視野を前記車両に対する乗員の相対的な頭部位置及び乗員の視線方向に基づいて推定する視野推定装置であって、
    前記頭部位置から前記鏡を介して前記視線方向に視認されるべき視野が空間的に分布する範囲を算出する鏡視野算出手段と、
    前記頭部位置から前記窓を介して前記視線方向に視認されるべき視野が空間的に分布する範囲を算出する窓視野算出手段と、
    前記鏡視野算出手段及び窓視野算出手段が夫々算出した範囲に時間を遡ると共に減少する重みを付与して時系列的に積算する加算手段と、
    所定の基準位置に対する前記車両の相対的な位置を検出する位置検出手段と、
    所定の基準方向に対する前記車両の相対的な姿勢を検出する姿勢検出手段とを備え、
    前記鏡視野算出手段及び前記視野算出手段は、前記位置検出手段が検出した位置及び前記姿勢検出手段が検出した姿勢において視認されるべき視野が前記基準位置及び基準方向に対して分布する範囲を夫々算出するようにしてあること
    を特徴とする視野推定装置。
  2. 前記鏡の鏡面の方向を検出する鏡面方向検出手段と、
    該鏡面方向検出手段が検出した鏡面の方向、前記頭部位置及び前記鏡の位置に基づいて、前記鏡に対する前記頭部位置の虚像位置にある仮想視点を算出する仮想視点算出手段と、
    前記鏡面方向検出手段が検出した鏡面の方向及び前記視線方向に基づいて、前記仮想視点から前記鏡を見通す方向となる仮想視線方向を算出する仮想視線算出手段と、
    前記仮想視点算出手段が算出した仮想視点から前記鏡の鏡面を見通す範囲を算出する手段とを備え、
    前記鏡視野算出手段は、前記算出する手段が算出した範囲内で、前記仮想視点算出手段が算出した仮想視点から前記仮想視線算出手段が算出した仮想視線方向に視認されるべき視野が分布する範囲を算出するようにしてあること
    を特徴とする請求項1に記載の視野推定装置。
  3. 前記頭部位置から前記車両の周辺の視野を前記車両の一部に遮られることなく見通す範囲を算出する手段を備え、
    前記窓視野算出手段は、前記算出する手段が算出した範囲内で視認されるべき視野が分布する範囲を算出するようにしてあること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の視野推定装置。
  4. 前記重みは、指数関数的に減少することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の視野推定装置。
  5. 前記視野推定手段が推定した視野に基づいて前記乗員による前記車両の運転状態の良否を判定する手段と、
    該手段が否と判定した場合、警告を発する手段と
    を備えることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の視野推定装置。
  6. 車両に搭載された1又は複数の鏡及び前記車両の窓を介して視認されるべき視野を推定する視野推定装置で前記車両の周辺の視野を前記車両に対する乗員の相対的な頭部位置及び乗員の視線方向に基づいて推定する視野推定方法であって、
    前記頭部位置から前記鏡を介して前記視線方向に視認されるべき視野が空間的に分布する範囲を算出する鏡視野算出手段が、範囲を算出するステップと、
    前記頭部位置から前記窓を介して前記視線方向に視認されるべき視野が空間的に分布する範囲を算出する窓視野算出手段が、範囲を算出するステップと、
    前記鏡視野算出手段及び窓視野算出手段が夫々算出した範囲に時間を遡ると共に減少する重みを付与して時系列的に積算する加算手段が、範囲を時系列的に積算するステップと、
    所定の基準位置に対する前記車両の相対的な位置を検出する位置検出手段が、位置を検出するステップと、
    所定の基準方向に対する前記車両の相対的な姿勢を検出する姿勢検出手段が、姿勢を検出するステップとを含み
    前記鏡視野算出手段及び前記野算出手段は、前記位置検出手段が検出した位置及び前記姿勢検出手段が検出した姿勢において視認されるべき視野が前記基準位置及び基準方向に対して分布する範囲を夫々算出するようにしてあること
    を特徴とする視野推定方法。
  7. 前記鏡の鏡面の方向を検出する鏡面方向検出手段が、鏡面の方向を検出するステップと、
    該鏡面方向検出手段が検出した鏡面の方向、前記頭部位置及び前記鏡の位置に基づいて、前記鏡に対する前記頭部位置の虚像位置にある仮想視点を算出する仮想視点算出手段が、仮想視点を算出するステップと、
    前記鏡面方向検出手段が検出した鏡面の方向及び前記視線方向に基づいて、前記仮想視点から前記鏡を見通す方向となる仮想視線方向を算出する仮想視線算出手段が、仮想視線方向を算出するステップと、
    前記仮想視点算出手段が算出した仮想視点から前記鏡の鏡面を見通す範囲を算出する手段が、範囲を算出するステップとを含み
    前記鏡視野算出手段は、前記算出する手段が算出した範囲内で、前記仮想視点算出手段が算出した仮想視点から前記仮想視線算出手段が算出した仮想視線方向に視認されるべき視野が分布する範囲を算出するようにしてあること
    を特徴とする請求項6に記載の視野推定方法。
  8. 前記頭部位置から前記車両の周辺の視野を前記車両の一部に遮られることなく見通す範囲を算出する手段が、範囲を算出するステップを含み
    前記窓視野算出手段は、前記算出する手段が算出した範囲内で視認されるべき視野が分布する範囲を算出するようにしてあること
    を特徴とする請求項6又は7に記載の視野推定方法。
  9. 前記重みは、指数関数的に減少することを特徴とする請求項6から8の何れか1項に記載の視野推定方法。
  10. 前記視野推定手段が推定した視野に基づいて前記乗員による前記車両の運転状態の良否を判定する手段が、良否を判定するステップと、
    手段が否と判定した場合、警告を発する手段が、警告するステップと
    含むことを特徴とする請求項6から9の何れか1項に記載の視野推定方法。
  11. 車両の運転を支援するコンピュータを、車両に搭載された1又は複数の鏡及び前記車両の窓を介して視認されるべき前記車両の周辺の視野を前記車両に対する乗員の相対的な頭部位置及び乗員の視線方向に基づいて推定する手段として機能させるためのコンピュータプログラムであって、
    コンピュータを、
    前記頭部位置から前記鏡を介して前記視線方向に視認されるべき視野が空間的に分布する範囲を算出する鏡視野算出手段、
    前記頭部位置から前記窓を介して前記視線方向に視認されるべき視野が空間的に分布する範囲を算出する窓視野算出手段、
    前記鏡視野算出手段及び窓視野算出手段が夫々算出した範囲に時間を遡ると共に減少する重みを付与して時系列的に積算する加算手段、
    所定の基準位置に対する前記車両の相対的な位置を検出する位置検出手段、並びに
    所定の基準方向に対する前記車両の相対的な姿勢を検出する姿勢検出手段として機能させ、
    前記鏡視野算出手段及び前記視野算出手段は、前記位置検出手段が検出した位置及び前記姿勢検出手段が検出した姿勢において視認されるべき視野が前記基準位置及び基準方向に対して分布する範囲を夫々算出するようにしてあること
    を特徴とするコンピュータプログラム。
  12. 請求項11に記載のコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とするコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体。
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