実施例に係るアウトタンクについて、図面にもとづいて説明する。図1は、本発明が適用された遊技機設置島の内部構造を示す断面図である。図2は、図1のA−A断面図である。図3は、図1の遊技機を示す背面図である。図4は、アウトタンクのベース金具を示す斜視図である。図5は、図4のB−B断面図である。尚、以下の説明においては、図1の手前側を前面、奥側を背面、左右側を左右側面とする。すなわち、パチンコ遊技機2を正面から見た場合を基準として上下左右の向きを説明する。
図1に示すように、遊技店等に備え付けられる遊技機設置島1は、左右方向に向けて細長に形成されており、その前後面には、遊技機の一例であるパチンコ遊技機2及び該パチンコ遊技機2において遊技に使用する遊技媒体としてのパチンコ球の貸出を実施させる球貸処理機(図示略)が長手方向(左右方向)に向けて複数列設されている。
遊技機設置島1の略中央上部には、パチンコ球が貯留される上部タンク3が設けられており、この上部タンク3内に貯留されたパチンコ球は、遊技機設置島1内の長手方向両端部に向けてそれぞれ下方に傾斜するように配設された左右の供給樋4に流入するようになっている。これら左右の供給樋4には、流下するパチンコ球を各パチンコ遊技機2に供給するための支流樋5が、供給樋4の前後(球の流下方向の左右)の側板に、流下方向に向けて所定間隔おきに複数配設されており、これら支流樋5に流入したパチンコ球は、各パチンコ遊技機2の背面に設けられた球タンク6(図3参照)に供給されるようになっている。
供給樋4の下流側端部には、例えばメンテナンス時等において供給樋4内のパチンコ球を後述する誘導樋10L,10R内に流出させる球抜き管7が設けられている。尚、通常時にはこの球抜き管7内をパチンコ球が流下しないようになっている。
遊技機設置島1の内部には、パチンコ遊技機2より排出されたアウト球を受け入れるとともに、受け入れたパチンコ球を後述する側部樋17L,17Rに排出するアウトタンク8が、各パチンコ遊技機2の背面側にそれぞれ対応して設けられている(図2及び図3参照)。
また、上部タンク3からは、該上部タンク3内部に貯留されるパチンコ球の貯留量が所定量以上となってオーバーフローしたパチンコ球を、遊技機設置島1の長手方向の略中央位置に配置される揚送研磨装置25の左右側、つまり遊技機設置島1の左右両側(長手方向の両端側)の下部にそれぞれ配置される第1のタンクとしての島タンク9L,9Rにそれぞれ導くオーバーフロー樋12が左右に向けて下方に傾斜して延設されているとともに、これら左右のオーバーフロー樋12の下流側端部からは、オーバーフロー管18が垂下されている。
図1及び図2に示されるように、左右の島タンク9L,9R内には、球抜き管7及びオーバーフロー管18から排出されるパチンコ球が流入する誘導樋10L,10Rが、それぞれ遊技機設置島1における長手方向中央に向けて下方に傾斜するように配設されている。誘導樋10L,10Rは、所定の前後幅寸法を有する略水平な水平面部10aと、該水平面部10aにおける前後幅方向の両端側から外方に向けて上方に傾斜するように連設される傾斜面部10bと、からなる1枚の金属板からなり、誘導樋10L,10Rを流下したパチンコ球は下流側端部から落下するとともに、下流側端部で球詰まりが生じた場合には前後の傾斜面部10b上を乗り上げて島タンク9L,9R内に落下して偏りなく貯留されるようになっている。
遊技機設置島1の左側端部には、遊技者が獲得したパチンコ球を計数するための計数装置15が配設されており、この計数装置15内に投入されたパチンコ球は、該計数装置15に設けられている球投入口15aから連設された返却路16を介して誘導樋10L,10RLに流入し、島タンク9L内に排出されて貯留される。つまり、計数装置15にて計数された計数済み球は、遊技機設置島1の内部における左側の島タンク9Lに返却されるようになっている。
左右の島タンク9L,9R内における誘導樋10L,10Rの前後側(球の流下方向の左右側)には、図2に示されるように、各アウトタンク8から排出されるパチンコ球を回収する回収部としての前後一対の側部樋17L,17Rがそれぞれ並設されている。
側部樋17L,17Rに排出されたパチンコ球は、島タンク9L,9R内に落下することなく、島タンク9L,9Rと揚送研磨装置25との間に設けられたバッファタンク200L,200Rに流出する。一方、島タンク9L,9Rに貯留されたパチンコ球は、ミニリフト210L,210Rにより揚送されることによりバッファタンク200L,200Rに排出される。尚、バッファタンク200L,200R内に貯留されたパチンコ球により側部樋17L,17Rの下流端開口が塞がれて、パチンコ球が上流側に向けて充満した場合には、側部樋17L,17Rの内側面における島タンク9L,9Rの下流側端部付近に形成された開口(図示略)から落下して島タンク9L,9R内に貯留されるようになっている。バッファタンク200L,200Rから流出したパチンコ球は、中継樋24L,24Rを流下して揚送研磨装置25に供給される。
そして、バッファタンク200L,200Rから中継樋24L,24Rを流下して揚送研磨装置25内に流入したパチンコ球は、揚送研磨装置25により揚送・研磨された後、上部タンク3内に排出されて貯留される。
これら遊技機設置島1内に配設される供給樋4、支流樋5、オーバーフロー樋12、オーバーフロー管18、誘導樋10L,10R、側部樋17L,17R、ミニリフト210L,210R、バッファタンク200L,200R、中継樋24L,24R、揚送研磨装置25とにより、遊技機設置島1内におけるパチンコ球の循環経路が構成されている。
また、遊技機設置島1内には、揚送研磨装置25及びミニリフト210L,210Rを制御する制御装置(図示略)が設けられている。この制御装置(図示略)には、揚送研磨装置25、ミニリフト210L,210R、計数装置15が接続されているとともに、上部タンク3、島タンク9L,9R、ミニタンク201L,201R内に設けられた各種センサ(図示略)が接続されており、各種センサからの検出状況、つまり各タンクにおけるパチンコ球の貯留状況と、揚送研磨装置25の駆動状況や計数装置15からの球の返却状況等に応じて、揚送研磨装置25やミニリフト210L,210Rの駆動制御を実施してパチンコ球を揚送し、遊技機設置島1内を循環させるようになっている。また、制御装置は通信ユニットを介して図示しないホールコンピュータなどの管理装置等に接続されていて、例えば、揚送研磨装置25やミニリフト210L,210R等が停止した場合に、該駆動が停止した旨を前記管理装置等に送信するようになっている。
また、通常時においては、パチンコ遊技機2から排出されて側部樋17L,17Rに回収されるパチンコ球が、島タンク9L,9R内に貯留されているパチンコ球よりも優先して揚送研磨装置25内に流入して揚送されるようになっている。そして、上部タンク3内におけるパチンコ球の貯留量が所定レベル以下となり、パチンコ遊技機2へのパチンコ球の補給が途絶える可能性がある場合等に、ミニリフト210L,210R等が駆動され、島タンク9L,9R内に貯留されているパチンコ球が上部タンク3内に揚送される。
尚、本実施例における遊技機設置島1は、上部タンク3や島タンク9L,9R内部に貯留されたパチンコ球のみを制御により循環して使用するいわゆる独立式の遊技機設置島であるが、例えば遊技場内に並設される他の遊技機設置島と上部タンク同士を適宜連結樋等により連結して、他の遊技機設置島間でパチンコ球の貯留量の調整を行うことができるようにしてもよい。また、遊技者が獲得したパチンコ球を計数する計数装置が各パチンコ遊技機2に対応して設けられ、各遊技機設置島内においてパチンコ球を循環使用することが可能に構成されたユニット式の遊技機設置島であってもよい。
また、本実施例では、アウトタンク8から排出されたパチンコ球は、島タンク9L,9R内に設けられた側部樋17L,17Rに落下して回収され、島タンク9L,9Rに貯留されたパチンコ球よりも優先して上部タンク3に揚送されるようになっていたが、ミニリフト210L,210R、バッファタンク200L,200R、側部樋17L,17R等は設けずに、アウトタンク8から排出されたパチンコ球を島タンク9L,9Rに直接排出させて回収し、この島タンク9L,9Rから揚送研磨装置25に供給されるようにしてもよい。
図2に示すように、遊技機設置島1を構成する躯体13は金属製のフレームからなり、床面Fから所定高さ位置には、パチンコ遊技機2を左右方向に並設設置する設置台を形成するための水平板22が架設されている。水平板22の上面には、パチンコ遊技機2の前面下部に設けられる排出口(図示略)から排出される賞球を貯留する球箱等を載置するための膳板21が載置されているとともに、膳板21の上面には、パチンコ遊技機2を固設するための設置板20が載置されている。これら水平板22、膳板21、設置板20は木板にて構成され、釘やビス等にて後述する外枠100を固定可能とされており、遊技機設置島1の長手方向にわたり水平に架設され、パチンコ遊技機2を設置する設置台を構成している。また、水平板22の下方には化粧パネル23が取り付けられており、これら化粧パネル23により遊技機設置島1の下方の腰板部が被覆されている。尚、本実施例では、パチンコ遊技機2の設置台が水平板22、膳板21、設置板20にて構成されていたが、一枚の板材や角材等にて構成されていてもよい。
図3に示すように、パチンコ遊技機2は、打ち出されたパチンコ球が流下する遊技領域(図示略)を形成する遊技盤(図示略)が取り付けられる合成樹脂材からなる前面枠101と、この前面枠101の一側辺を中心に開閉可能に枢支する外枠100と、から構成される。外枠100は、木製の上板100a及び下板100bと、金属材からなる左右側板100c,100dと、により四角枠状に形成され、下板100bをビス等により設置面20aに固定するとともに、上板100aをビス等により図示しない上設置板に固定することで、パチンコ遊技機2を設置板20上に立設固定できるようになっている。
また、前面枠101の背面には、遊技の制御を行う遊技制御用マイクロコンピュータが搭載される主基板31、演出の制御を行う演出制御用マイクロコンピュータが搭載される演出制御基板80、賞球の払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータが搭載される払出制御基板37等の各種基板が取り付けられている。また、前述した球タンク6及び球タンク6に供給されたパチンコ球を球払出装置97に誘導する供給通路110や、遊技領域から背面側に誘導されて回収されたパチンコ球(所謂アウト球)が流下する排出通路111や、この排出通路111により誘導されたパチンコ球を排出する排出口112が下面に形成された機構板115(図2参照)が組み付けられている。
遊技領域に打ち出され、該遊技領域に設けられた入賞口(図示略)に入賞した入賞球(所謂セーフ球)及びいずれの入賞口にも入賞しなかった非入賞球(所謂アウト球)は、遊技盤の背面側に誘導された後、排出通路111の上流端に設けられた回収部111aに落下し、排出通路111により下方に誘導されて排出口112から下方に排出される。従って、排出口112は、設置面20aよりも上方の所定高さ位置に配置されるが、回収部111aよりも上方位置には設けられない。また、この回収部112aの高さ位置は、遊技領域(図示略)の大きさに応じて上下することがあるため、遊技領域が下方に拡大された場合、回収部111aとともに排出口112の配置位置も下方にずれることがある。
図2に示すように、設置板20の前後幅寸法は、パチンコ遊技機2の外枠100の前後幅寸法よりも長寸に形成されており、外枠100は、設置面20aにおける前側に配置される。そして設置面20aにおける外枠100の背面側にはアウトタンク8が配置され、排出口112から排出されて鉛直下方に落下するパチンコ球を受け入れるとともに、受け入れたパチンコ球を回収樋17L,17Rに排出する(図3参照)。
図2〜図6に示すように、アウトタンク8は、パチンコ遊技機2の排出口112から排出されるパチンコ球を受け入れる受入部801と、該受入部801を下方から支持する支持部802と、受入部801にて受け入れたパチンコ球を設置板20の下方、つまり、設置面20aよりも下方位置に設けられた回収樋17L,17Rに排出する排出口803と、からなるタンク本体800と、タンク本体800の支持部802を取り付け可能な取付部が複数箇所に形成されたベース部としてのベース金具900と、から構成されている。
図4及び図5に示すように、ベース金具900は、後述する取付ベース830の左右幅寸法よりも長寸の左右幅寸法を有する金属板を屈曲形成することにより構成されている。詳しくは、設置面20a上に載置される第1板状部901と、第1板状部901の後端部にて屈曲して下方に垂下され、設置板20の後端面20bに沿って配置される第2板状部902と、からなり、第1板状部901の四隅には取付孔903が形成され、ビス903aにより設置板20の設置面20a上に固定できるようになっているとともに、第2板状部902の下部左右側には取付孔904が形成され、ビス904aにより膳板21の後端面21aに固定されている。
第1板状部901には、後述するタンク本体800を取り付けるためのビス905aが取り付けられる第1取付孔905が4箇所に形成されており、タンク本体800に取り付けたビス905aを第1取付孔905に挿通して設置板20に螺入することで、タンク本体800を設置面20a上に取り付けできるようになっている。
第2板状部902には、設置板20の後端面20b及び膳板21の後端面21aから後方に向けて水平に突出するように連設される連設部906が形成されている。連設部906は、第2板状部902の一部を背面側に突出させるように側面視コ字形に屈曲することにより形成される。連設部906の上面906aは水平をなし、タンク本体800を取り付けるためのビス905aが取り付けられる第2取付孔908が前後左右の4箇所に形成されている。また、内部には木製の内板907が嵌装されており、タンク本体800に取り付けたビス905aを第2取付孔908に挿通して内板907に螺入することで、後述するようにタンク本体800を設置面20aよりも下方位置に取り付けできるようになっている。
このようにベース金具900は、タンク本体800を設置板20等からなるパチンコ遊技機2の設置台に取り付けるための金具であって、設置台におけるパチンコ遊技機2の背面側における左右方向の略中央位置に固定される(図3参照)。そして、タンク本体800を取り付け可能な取付部としての第1取付孔903と第2取付孔908とがそれぞれ異なる高さ位置に形成されていることで、後述するように、パチンコ遊技機2の排出口112の高さ位置に応じて、第1取付孔903または第2取付孔908のいずれかに選択的に取り付けできるようになっている。
具体的には、設置板20の上面20aに設置される被設置部を構成する第1板状部901と、該第1板状部901の下後方位置に水平に配置される連設部906と、第1板状部901と連設部906とを連結する連結部である第2板状部902と、から構成され、第1板状部901の上面と連設部906の上面906aとはそれぞれ水平に配置され、互いに略平行をなしている。また、第1取付部としての第1取付孔905は第1板状部901の上面に設けられ、第2取付部としての第2取付孔908は連設部906の上面906aに設けられている。そして、第1板状部901の下面、つまり設置板20の設置面20aに設置される被設置面を基準として、該被設置面よりも上方位置に第1取付孔905が設けられ、被設置面よりも下方位置に第2取付孔908が設けられている。
尚、本実施例では、ベース部としてのベース金具900は金属製であるが、合成樹脂材等にて構成されていてもよい。
以下においては、アウトタンク本体800の構造の概要について、図6〜図9にもとづいて説明する。まず、図6は、タンク本体を示す斜視図である。図7は、(a)はタンク本体を示す正面図、(b)はタンク本体を示す背面図である。図8は、(a)はタンク本体を示す左側面図、(b)はタンク本体を示す右側面図である。図9は、(a)はタンク本体を示す平面図、(b)はタンク本体を示す底面図である。
尚、以下において、パチンコ遊技機2の正面側からタンク本体800を見た場合を基準として上下左右の向きを説明する。例えば、図6の場合、左斜め下側をタンク本体の前面側、右斜め上側をタンク本体の背面側、右斜め下側をタンク本体の右側、左斜め上側をタンク本体の左側とする。なお、図6〜図9は、後述する第1緩衝板500L,500C,500Rおよび第2緩衝板550を敷設していない状態のタンク本体800が示されている。
図6〜図9に示すように、タンク本体800は、ベース金具900(図4参照)に取り付けられる取付ベース830、取付ベース830の上部に取り付けられる外部支持脚840及び外部支持脚840に取り付けられる内部支持脚850からなる筒状の支持部802と、内部支持脚850に取り付けられるベースタンク861及び該ベースタンク861に対して前後方向にスライド移動可能に取り付けられる移動タンク862からなる受入部801と、から主に構成され、取付ベース830、外部支持脚840、内部支持脚850、ベースタンク861及び移動タンク862は合成樹脂材(例えば、ABS樹脂等)にて射出成型等によりそれぞれ一体成型されている。
取付ベース830は、設置板20に取り付けられたベース金具900に取り付けできるようになっており、取付ベース830をベース金具900に取り付けた状態において、受入部801が支持部802により所定高さ位置に支持されるようになっている(図2参照)。受入部801は、ベースタンク861及び移動タンク862により上方に開口する有底箱状に形成され、パチンコ遊技機2の排出口112(図2参照)から排出されるパチンコ球を受け入れ可能に構成されている。
受入部801上に落下したパチンコ球は、受入部801の後部に連設された排出シュート869の底部左右側に設けられた排出口803(図9(b)参照)の一方(本例では右側の排出口803)に誘導され、排出シュート869における排出口803の近傍位置に装着された計数機取付部材872に取り付けられる球計数器826(図3参照)を通過して側部樋17L,17Rに排出される。
支持部802は、後述するように上下に伸縮可能に設けられるとともに、取付ベース830に対して左右方向に移動可能に設けられ、受入部801は、支持部802に対して前後方向に移動可能に設けられており、パチンコ遊技機2の排出口112の配置位置に応じて、受入部801の配置位置を上下・前後・左右方向に位置調整できるようになっている(図22〜24参照)。
また、後述するように、ベースタンク861及び移動タンク862の底面上には、パチンコ球の落下により生じる衝撃を緩衝するための第1緩衝板500L,500C,500Rおよび第2緩衝板550(図25参照)がそれぞれ敷設され、受入部801の底面上に落下したパチンコ球の飛散や衝突音が防止される。
次に、タンク本体800の支持部802の構造について、図10〜図15にもとづいて説明する。図10は、取付ベースを示す斜視図である。図11は、(a)は取付ベースを示す平面図、(b)はC−C断面図、(c)はD−D断面図である。図12は、外部支持脚を示す斜視図である。図13は、内部支持脚を示す斜視図である。図14は、(a)は外部支持脚を示す正面図、(b)は外部支持脚を示す側面図、(c)は外部支持脚を示す底面図である。図15は、(a)は内部支持脚を示す正面図、(b)は内部支持脚を示す側面図、(c)は内部支持脚を示す底面図である。
図10及び図11に示すように、取付ベース830は、平面視略横長長方形状に成形された板材からなる。取付ベース830には、上下方向に貫通する取付孔831が四隅に形成されており、その取付孔831にネジ905a(図4及び図11(b)参照)が挿通される。取付ベース830は、長手方向が左右方向に沿うようにベース金具900の第1取付孔905または第2取付孔908に取り付けられる。また、取付ベース830の上面における前端部側及び後端部側には、左右方向に沿って案内溝833が形成されており、各案内溝833の上側開口端部には、案内溝833の前後方向内側に突出するように第1抜止部834が形成されている。また、前後方向の略中央(即ち、案内溝833,833の間)には、左右方向に沿って凹溝835が上方を開口するように凹設されている。この凹溝835の底面には、複数(本実施例では9つ)の円柱836が左右方向に沿って等間隔に立設されていると共に、隣り合う円柱836間を繋ぐように案内板837が立設されている。
図12及び図14に示すように、外部支持脚840は、全体が略直方体をなす筒状に成形されており、その下方には底板840aが設けられ、上方が開口するように底板840aの周囲に外側周壁部841が立設されている。底板840aは、中央部が外部支持脚840の内側に突出し、上げ底となるように形成されている。前側及び後側の各外側周壁部841には、その下端部から上方に向かって一対の第1切込部842が形成されている。第1切込部842の間には、鉛直方向下向きに延びるように板状の係合部843が形成されている。また、係合部843の先端部には、側面視で逆三角形状の係合爪843aが形成されている。係合爪843aは、係合部843の先端に近づくに従って細くなるように形成されている。
また、底板840aの下面には、移動規制部845が鉛直方向下向きに延びるように形成されている。この移動規制部845は、前後方向に並べて配設された一対の湾曲状の板部材から構成されている。そして、移動規制部845は、外部支持脚840を取付ベース830に取り付けた際、取付ベース830に形成された円柱836及び案内板837を前後方向から挟持するようになっている。また、左側及び右側の各外側周壁部841には、上下方向に延びる案内孔846が形成されている。この案内孔846は、前後方向に延びる複数(本実施例では3つ)の幅広孔847aと、その複数の幅広孔847aとの間に連設された幅狭孔847bとから構成されている。
このように構成された外部支持脚840は、外部支持脚840の係合部843を取付ベース830の案内溝833に挿入することによって取付ベース830に対して取り付けられる。このとき、外部支持脚840は、係合部843の係合爪843a(係合部)が案内溝833の第1抜止部834(被係合部)に係合されると共に、移動規制部845が円柱836及び案内板837に嵌合されるため、取付ベース830に対して上下方向及び前後方向への移動が拘束された状態で取り付けられる。つまり、外部支持脚840の係合部843と取付ベース830の案内溝833とは、支持部としての取付ベース830に対し、受入部の一部を構成する内部支持脚850を介してベースタンク861を保持する受入部保持手段を構成している。
その一方で、外部支持脚840は、左右方向から所定の力を加えることで、取付ベース830に対して左右方向への移動が許容された状態で取り付けられる。即ち、外部支持脚840は、左右方向から所定の力を加えると、左右方向移動規制部845が円柱836と干渉して前後方向外側に広がるように弾性変形し、円柱836の挟持を解除するため、左右方向に移動させることが可能となる。なお、外部支持脚840は、円柱836が等間隔で左右方向に沿って複数立設されているので、左右方向への移動の際には円柱836の間隔毎に位置決めされ、段階的に移動する。
このように取付ベース830の案内溝833、円柱836、案内板837と外部支持脚840の係合部843、移動規制部845とによって、受入部801を左右方向へ移動させる左右位置調整機構が構成されている。
図13及び図15に示すように、内部支持脚850は、全体が略直方体をなす筒状に成形されており、その内部には底板850aが設けられ、上方と下方が開口するように底板850aの周囲に内側周壁部851が立設されている。内部支持脚850は、外部支持脚840の内側に嵌め込まれて取り付けられるため、外部支持脚840の内側に嵌め込むことが可能な大きさとされている。そして、前側及び後側の各内側周壁部851の下端部は、左右方向中央部が長方形状に切り欠かれており、外部支持脚840の底板840aの形状に対応した形状となっている(図15(a)参照)。
また、左側及び右側の各内側周壁部851には、その下端部から鉛直方向上向きに延びるように一対の第2切込部852が形成されている。第2切込部852の間には、鉛直方向下向きに延びるように板状の上下係合部853が形成されている。上下係合部853の先端には、内側周壁部851に対して左右方向外側に突出し、平面視凸状をなす係合凸部853aが形成されている。尚、係合凸部853aは、内部支持脚850を外部支持脚840に嵌め込んだ際に外部支持脚840の案内孔846に係合されるようになっている。また、係合凸部853aの先端部には操作部853bが形成されており、該操作部853bは外部支持脚840の外側周壁部841よりも外側に突出するようになっている。
また、左側及び右側の各内側周壁部851の上端部には、左右方向外側に突出するように前後一対の係合部854が形成されている。係合部854は、その全体が略L字形状をなし、基端側から所定距離だけ左右方向外側に延出された後、先端部が上方を向くように屈曲されている。そして、係合部854の先端部には、側面視で三角形状の案内爪854aが形成されている。案内爪854aは、係合部854の先端に近づくに従って細くなるように形成されている。また、左側及び右側の各内側周壁部851には、その上端部から鉛直方向下向きに延びるように一対の第3切込部855が形成されている。第3切込部855の間には、鉛直方向上向きに延びるように板状の移動規制部856が形成されている。移動規制部856の先端には、前後方向に沿って並列された複数の鋸歯からなるラック856aが左右方向外側に突出形成されている。また、前側及び後側の各内側周壁部851の上端部には、前後方向外側に突出する左右一対の補強板857が前後にそれぞれ形成されており、各補強板857の略中央には、前後方向に延びる左右一対の支持用挟持板858が立設されている。
このように構成された内部支持脚850は、外部支持脚840の内側に嵌め込むことによって外部支持脚840に対して取り付けられる。このとき、内部支持脚850は、その略半分が外部支持脚840に収容されるため、外部支持脚840に対して左右方向及び前後方向への移動が拘束された状態で取り付けられる。その一方で、内部支持脚850は、外部支持脚840の案内孔846(幅広孔847a)に内部支持脚850の係合凸部853aが係合され、外部支持脚840に対して上下方向への移動が許容された状態で取り付けられる。即ち、内部支持脚850は、外部支持脚840の外側周壁部841よりも外側に突出する各係合凸部853aの先端部(操作部853b)を指先で挟み、係合凸部853aを内側に弾性変形させるように力を加えると、係合凸部853aと案内孔846(幅広孔847a)との係合状態が解除され、上下方向に移動させることが可能となる。なお、内部支持脚850は、案内孔846を構成する幅広孔847a間を移動できるようになっている。本実施例では、外部支持脚840(案内孔846)と内部支持脚850(係合凸部853a)によって、受入部801を上下方向へ移動させる上下位置調整装置が構成されている。つまり、支持部802は上下に伸縮可能に形成されている。
次に、タンク本体800の受入部801の構造について、図16〜図31にもとづいて説明する。図16は、ベースタンクを斜め上方から見た状態を示す斜視図である。図17は、ベースタンクの底面を斜め上方から見た状態を示す斜視図である。図18は、(a)は図16のF−F断面図、(b)は切替部材を示す斜視図である。図19は、移動タンクを斜め上方から見た状態を示す斜視図である。図20は、移動タンクの底面を斜め上方から見た状態を示す斜視図である。図21は、図16のE−E断面図である。図22は、タンク本体の左右位置調整状態を示す概略図である。図23は、タンク本体の上下位置調整状態を示す概略図である。図24は、タンク本体の前後位置調整状態を示す概略図である。図25は、(a)は第1緩衝板、(b)は第2緩衝板を示す平面図である。図26は、タンク本体に緩衝板を敷設する状態を示す斜視図である。図27は、ベースタンクおよび移動タンクを示す平面図である。図28は、ベースタンクおよび移動タンクを示す底面図である。図29は、(a)は図27のJ−J断面図、(b)は図27のK−K断面図である。図30は、(a)は移動タンクを収容したときのJ’−J’断面図、(b)は移動タンクを収容したときのK’−K’断面図である。図31は、図30(a)のL−L断面図である。
図16に示すように、ベースタンク861は、平面視略横長長方形状に形成された第1底部700と、該第1底部700の後左右側の縁から立設された壁部としての左右一対の後方壁部710,710と、該第1底部700の左右両側の縁から立設された壁部としての第1側壁部711とから構成されている。即ち、ベースタンク861は、第1底部700の3辺からコ字状に前記各壁部710,711が立設されており、上方と前方が開口されている。
第1底部700は、左右方向の中央位置に設けられる中底部701、中底部701の左右側に設けられる左底部702,右底部703から構成されている。中底部701と左底部702との間および中底部701と右底部703との間には前後方向に延びる所定高さの段部704が形成されており、中底部701は左右底部702,703よりも一段低位置に配置されている。すなわち、中底部701は、第1底部700の左右方向の中央位置に凹設されている。なお、左右一対の段部704,704の後端は互いに外側に向けて屈曲されて平面視ハの字形をなしており(図9(a)参照)、中底部701の後端部の左右幅は後側に向けて漸次幅広とされている。
中底部701は、左右方向に略水平に配置され、後側に向けて下方に傾斜する傾斜面状に形成されている。左底部702および右底部703は、中央の中底部701および後側に向けて下方に傾斜する傾斜状の底面にて形成されている。このように第1底部700は、後側に設けられる排出シュート869に向けてパチンコ球を誘導するために正面視略凹状に形成されていることで、左右方向の中央に浅底の凹溝部が前後方向に延設されている。
具体的には、これら中底部701、左底部702、右底部703の前後方向の略中央位置には、左右方向に延びる所定高さの段部705が形成されており、段部705の前側に形成される平坦状の前底面701a,702a,703aと、これら前底面701a,702a,703aの後端部よりも低位置に配置され、段部705の後側に形成される平坦状の後底面701b,702b,703bと、から構成され、それぞれ正面側から見た場合に縦断面略凹状に形成されている。なお、段部705の高さ幅寸法L6は、後述する第1緩衝板500の厚み幅寸法L1よりも大寸(L1<L6)とされている(図29(b)参照)。また、段部705は、移動タンク862の移動方向(前後方向)に直交する左右方向に延設されているが、前後方向に対し斜めに交差するように延設されていてもよい。
中底部701の段部705の連設面705a上部における左右方向の中央位置および左底部702、右底部703の段部705の連設面705a上部における左右側位置には、後述する第1緩衝板500L,500C,500Rの上面前端を上側から押える半ドーム状の押え片720aが、その下面と後底面701b,702b,703bとの間に、少なくとも第1緩衝板500の厚み幅寸法L1よりも大きい隙間L5(L1<L5)を隔てて後向きに突設されているとともに(図29(b)参照)、各押え片720aの下方には、連設面705aから後底面701b,702b,703bにかけて該押え片720aの成型用穴720bが形成されている。
なお、成型用穴720bは、連設面705aから後底面701b,702b,703bにかけて形成されていることで、第1緩衝板500L,500C,500Rの前端部を下方に弾性変形させながら押え片720aの下方に簡単に差し込むことができるばかりか、段部705に沿うゴミや埃等を下方に落下させることができる。
また、中底部701の押え片720aの左右側および左右底部702,703の左右の押え片720aの間には、第1緩衝板500L,500C,500Rの弾性係止片501a,501bが差し込み可能な左右一対の係合穴721a,721bが、連設面705aから後底面701b,702b,703bにかけて形成されている。
なお、係合穴721a,721bは、成型上の都合により連設面705aから後底面701bにかけて形成されているが、連設面705aにのみ形成されていてもよい。また、係合穴721a,721bは、連設面705aから後底面701b,702b,703bにかけて形成されていることで開口が広くなるため、弾性係止片501a,501bを係合穴721a,721bに差し込みやすくなるばかりか、段部705に沿うゴミや埃等を下方に落下させることができる。
また、左右底部702,703には、後述する案内部866を形成するための成型用穴725と、案内板867を形成するための成型用穴726と、案内板897を形成するための成型用穴727と、が前後方向に向けて形成されている。
また、第1側壁711は、後方壁部710から連設される高壁部と前側の低壁部とから構成されており、低壁部の内面上端には、後述する第2側壁611の上端を摺接ガイドする前後一対のガイド突起728が前後にそれぞれ突設されている。このように、受入部801における前側の壁部は低壁とされ、パチンコ遊技機2の排出口112が比較的低位置に配置されている場合でも該排出口112の下方に差し込みやすくなっているとともに、受入部801における後側の壁部は前側よりも高い高壁とされ、パチンコ球が背面側へ飛散することが防止されている。なお、左底部702、右底部703におけるこれら前後のガイド突起728の直下対応位置には、該ガイド突起728を形成するための成型用穴729がそれぞれ形成されている。
図17に示すように、第1底部700の下面には、前後方向に延びる左右一対の案内部866が突設されている。案内部866の先端部(下端部)には、第1底部700の左右方向内側に突出するように突出部866aが形成されている。突出部866aは、前後方向に沿って形成されている。そして、案内部866は、第1底部700の傾斜に合わせて後端部から前端部に向かって上下方向(鉛直方向)の幅が大きくなるように、つまり略水平に形成されている。さらに、案内部866の前端部からは、補強用のリブ866bが第1底部700の前端縁に沿うように内向きに屈曲形成されており、前壁部がなく前方に開口するベースタンク861の第1底部700の強度低下が防止されている。
また、第1底部700の下面における案内部866よりも内側(第1底部700の中央寄り)に、前後方向に延びる左右一対の案内板867が下方に向けて突設されている。左右の案内板867各々の対向面には、前後方向に沿って並列された複数の鋸歯からなるラック867aが突設されている。案内板867は、横断面略内向きコ字形をなし、前後に内向きの規制壁部が形成されており、移動規制部856のラック856aに当接して前方および後方からの逸脱を規制する。つまり、案内板867は、支持部802に対するベースタンク861の前後方向の移動範囲を規制する。
また、第1底部700の下面における案内板867よりも内側(第1底部700の中央寄り)に、前後方向に延びる左右一対の支持板868が形成されている。そして、案内板867及び支持板868は、前述した案内部866と同様に、第1底部700の傾斜に合わせて後端部から前端部に向かって上下方向(鉛直方向)の幅が大きくなるように形成されている。
さらに、第1底部700の下面における案内部866よりも外側(第1底部700の左右側)に、前後方向に延びる左右一対の案内板897が形成されている。左右の案内板897各々の対向面には、前後方向に沿って並列された複数の鋸歯からなるラック897aが突設されている。案内板897は、横断面略内向きコ字形をなし、前後に内向きの規制壁部が形成されており、移動規制部888のラック888aに当接して前方および後方からの逸脱を規制する。つまり、案内板897は、ベースタンク861に対する移動タンク862の前後方向の移動範囲を規制する。
このように構成されたベースタンク861(受入部801)は、図21に示すように、内部支持脚850の係合部854をベースタンク861の案内部866の突出部866a(被係合部)に係合することによって内部支持脚850に対して取り付けられる。つまり、内部支持脚850の係合部854とベースタンク861の案内部866とは、支持部としての内部支持脚850に受入部としてのベースタンク861を保持する受入部保持手段を構成している。突出部866aこのとき、ベースタンク861は、案内板867のラック867aが移動規制部856のラック856aに係合されると共に、支持板868が補強板857の支持用挟持板858に挟持されるため、内部支持脚850に対して上下方向及び左右方向への移動が拘束された状態で取り付けられる。その一方で、ベースタンク861は、前後方向から所定の力を加えることで、内部支持脚850に対して前後方向への移動が許容された状態で取り付けられる。
即ち、ベースタンク861は、前後方向から所定の力を加えると、案内板867に係合されている内部支持脚850の移動規制部856が左右方向内側に互いに近づくように弾性変形し、前後方向に移動させることが可能となる。なお、ベースタンク861は、案内板867のラック867aと移動規制部856のラック856aとの係合によって、前後方向に段階的に移動させることができる。言い換えると、内部支持脚850に対してベースタンク861を前後方向の複数位置にてそれぞれ保持することが可能な受入部位置保持手段を構成している。つまり、ベースタンク861の案内板867のラック867aと、内部支持脚850の移動規制部856のラック856aとによって、支持部801に対して受入部801を所定の前後位置に保持する前後位置調整機構(受入部位置保持手段)が構成されている。
また、図16に示すように、ベースタンク861の後方壁部710の後方には、パチンコ遊技機2の排出口112から排出されて受け入れた排出球を回収樋17L,17Rに排出する排出シュート869が一体成形されている。そして、左右の後方壁部710の間には、ベースタンク861(及び移動タンク862)側と排出シュート869側とを連通させる排出口864a(図27参照)が形成されている。従って、受入部801で受け入れた排出球は、排出口864aを通過して排出シュート869に排出されるようになっている。なお、排出口864aの左右幅は、第1底部700の左右幅よりも幅狭で、中底部701の後端の左右幅よりも若干幅広に形成されている。
排出シュート869は、第1底部700の後部から下方に向けて突出するように連設され、後方壁部710および後壁部871a、側壁部871bにより平面視横長長方形状に形成され、これら後方壁部710、後壁部871a、側壁部871bにより囲まれた内部中央には、排出球を排出する排出口803を切り替える(排出球の排出方向(左方向又は右方向)を切り替える)切替部材873が着脱可能に取り付けられている。
図18(b)に示すように、切替部材873は、上下方向を向く垂直片873aと、垂直片873aの下端から一側方に向けて下方に傾斜するように延設された傾斜片873bと、から正面視略「く」の字形に形成され、傾斜片873bは、左右の側壁部871bとの間に排出球を排出可能な大きさを有する排出口803を形成可能な長さを有している。垂直片873aの上部には、後壁部871aおよび後方壁部710の左右側にそれぞれ形成された前後一対の切込溝870に差し込み可能な前後一対の差込片873cが形成されているとともに、傾斜片873bの傾斜上位部および傾斜中位部からは、後方壁部710および後壁部871aの下端に係止可能な前後一対の弾性係止部873dがそれぞれ下方に向けて垂下されている。
よって、後壁部871aおよび後方壁部710に形成された左右いずれかの切込溝870に差込片873cを上方から差し込み、弾性係止部873dを後方壁部710および後壁部871aの下端に係止させることで、切替部材873を右向きまたは左向きに取り付けできるようになっている。向きを切り替えたいときは、弾性係止部873dによる係止状態を解除して一度上方に抜き取り、向きを変えた後に左右反対側の切込溝870に差込片873cを上方から差し込めばよい。このように切替部材873を右向きまたは左向きに取り付けることで、排出口864aを通過したパチンコ球が1列に整列された状態で左右いずれかの排出口803に誘導されるようになっている。
排出シュート869の左右側の下端部には、排出口803から排出された排出球を計数する球計数器826を取り付けるための計数機取付部材872を着脱可能とする取付部が形成されており、計数機取付部材872を排出シュート869の左側または右側に付け替えできるようになっている。
このように、切替部材873を例えば正面から見て右向きに排出シュート869に取り付けることで(図18中実線参照)、排出口864aを通過して排出シュート869に排出された排出球は、1列に整列された状態で傾斜片873bの上面に形成された誘導路により排出シュート869の右側に向けて流下され、傾斜片873bの先端と周壁部871との間に形成された右側の排出口803から排出される。そして下方に取り付けた球計数器826内を流下し、球計数器826の下面に形成された排出口826aから排出され、排出シュート826bを介して側部樋17L,17Rに排出される。
なお、排出シュート869の左右側の後方壁部710および後壁部871aには、切替部材873を介して傾斜片873b上を誘導案内された排出球を整列させる球均し部材874を取り付けるための球均し部材取付孔(図示略)が形成されており、排出口803の形成位置に応じて左右に付け替えできるようになっている。
図19および図20に示すように、移動タンク862は、平面視横長長方形状に形成された第2底部600と、該第2底部600の前側の縁から立設された壁部としての前方壁部610と、該第2底部600の左右両側の縁から立設された壁部としての第2側壁部611とから構成されている。即ち、移動タンク862は、第2底部600の3辺からコ字状に前記各壁部610,611が立設されており、上方と後方が開口されている。
第2底部600は、左右方向の中央位置に設けられる中底面601、中底面601の左右側に設けられる左底面602、右底面603から構成されている。中底面601は、左右方向に略水平に配置され、後側に向けて下方に傾斜する傾斜面状に形成されているとともに、左底面602および右底面603は、左右方向の中央側に向けて下方に傾斜する平坦状の傾斜面にて形成されている。よって、中底面601は、前端位置から前後方向の中央位置に向けて左右幅寸法が漸次狭くなる平面視逆ハの字形状の前部と、平面視略長方形状の後部と、から平面視略漏斗状に形成されており、傾斜上位側となる中底面601の前部と左底面602、右底面603とは直接連設され、傾斜下位側となる中底面601の後部と左底面602、右底面603とは段部604を介して連設されている。
すなわち、第2底部600は、後側に向けて下方に傾斜する中底面601と、左右幅方向の中央側に向けて下方に傾斜する左底面602、右底面603と、により、後側に設けられる排出シュート869に向けてパチンコ球を誘導するために正面視略凹状に形成されていることで、左右方向の中央に浅底の凹溝部が前方壁部610から後端にかけて前後方向に延設されている。よって、第2底部600上の左右側に落下したパチンコ球は、中央の中底面601に集められてから後側に誘導されるとともに、特に第2底部600の周縁部、つまり、前方壁部610や第2側壁部611の近傍に落下したパチンコ球が内向きに跳ね返るようになるため、周囲に飛散することが防止される。
左底面602および右底面603の後端における左右の第2側壁部611の近傍位置には、係止突起620がそれぞれ上向きに突設されている。左右一対の係止突起620は、上方に延びる柱状部620bと、該柱状部620bの上端から後向きに屈曲形成されるフック部620aと、からそれぞれ構成されている。フック部620aは縦断面略半ドーム形状に形成され、平坦状をなす下面621は、左底面602、右底面603から、少なくとも第2緩衝板550の厚み幅寸法L1よりも大きい隙間L4(L1<L4)を隔てた高さ位置に配置されている(図29(b)参照)。
このように係止突起620は、フック部620aが左底面602および右底面603の後端よりも後側に突出するように形成されていることで、該フック部620aを成型するための成型用穴や成型用切欠部を左底面602および右底面603上に形成する必要がないので、底面の強度低下を防止できる。
なお、係止突起620は、上記の理由により柱状部620bが左底面602および右底面603の後端に沿って立設されていたが、柱状部620bを後端に沿って立設しなくてもよい。また、ここでは第2緩衝板550の上下のバタつきを押えるためにフック部620aが形成されていたが、後方への位置ずれを防止するだけであれば柱状部620bのみが形成されていればよい。
また、特に図29および図31に示すように、前方壁部610の内面所定位置には、所定長さ(例えば約1cm)を有する複数の突出片630a〜630dが内向きに突出して設けられている。突出片630a〜630dは縦断面略半円形状に形成され、平坦状をなす下面630eにおける先端部近傍には、係止突部632が下向きに突設されており、下面630eと中底面601、左底面602、右底面603との間に、少なくとも第2緩衝板550の厚み幅寸法L1よりも大きい隙間L2(L1<L2)を隔てるとともに、係止突部632の下端と中底面601、左底面602、右底面603との間に第2緩衝板550の厚み幅寸法L1よりも小さい隙間L3(L1>L3)を隔てて、各底面の上方所定高さ位置に配置されている。
より具体的には、後側に向けて下方に傾斜する中底面601に対応して配置される突出片630c,630dは、略鉛直上方に向けて立設される前方壁部610の内面に対し、下面630eが左右幅方向に略水平をなすとともに、先端に向けて下方に傾斜するように突設されている。また、中央側に向けて下方に傾斜する左底面602、右底面603に対応して配置される突出片630a,630bは、略鉛直上方に向けて立設される前方壁部610の内面に対し、下面630eが左右幅方向の中央側の端部に向けて下方に傾斜するとともに、先端に向けて水平をなすように突設、つまり前方壁部610の内面に対し垂設されている。すなわち、突出片630a〜630dは、その下面630eが対応する底面601〜603に対して略平行をなすように配設されている。
なお、本実施例では、突出片630a〜630dは底面601〜603に対して略平行をなすように配設されていたが、必ずしも平行に配設されていなくてもよく、例えば突出片630c,630dを前方壁部610の内面に対し垂設してもよい。この場合、先端に向けて突出片630c,630dの下面630eと底面601との間の隙間L2の幅寸法が漸次大きくなる。
また、下面630eと各底面601〜603との間に少なくとも第2緩衝板550の厚み幅寸法L1よりも大きい隙間L2が形成されることで、第2緩衝板550の前端部の上下動が僅かに許容されるので、第2緩衝板550上にパチンコ球が落下した際の衝撃が第2緩衝板550の上下動により僅かに分散され、第2底部600に伝達されにくくなる。
なお、本実施例では、隙間L2の幅寸法は、第2緩衝板550の厚み幅寸法L1よりも大(L1<L2)とされていたが、隙間L2内に第2緩衝板550を差し込み可能であれば、第2緩衝板550の厚み幅寸法L1とほぼ同じ(L1=L2)、または僅かに小(L1>L2)としてもよい。
また、図31に示すように、突出片630a〜630dのうち、左底面602、右底面603上に対応して配置される突出片630a,630bは互いに同高さ位置に配置され、中底面601上に対応して配置される突出片630c,630dは互いに同高さ位置に配置されているが、中底面601の前端部は左底面602、右底面603の前端部よりも下方位置に配置されている。
具体的には、第2底部600は平面視略方形状に形成され、互いに対向する左右辺から反対側に向けて下方に傾斜する一対の左底面602,右底面603と、該一対の底面間に配置される中底面601と、を有し、突出片は、左底面602,右底面603の前傾斜辺に沿って立設される前方壁部610における左底面602,右底面603それぞれに対応する位置に配置される一対の突出片630a,630bと、該前方壁部610における中底面601に対応する位置に配置される突出片630c,630dと、からなる。
すなわち、受入部の底面である中底面601,左底面602,右底面603は、該底面上に落下したパチンコ球を後側に配設される排出シュート869に向けて誘導するために正面視略凹状に形成され、前方壁部610には、底面601〜603の凹状(前端縁)に合わせて複数の突出片630a〜630dが配置されていることで、突出片630c,630dは突出片630a,630bよりも僅かに低位置に配置されている。これにより、第2緩衝板550の前端部を各底面601〜603に沿って配置できるため、第2緩衝板550の前端部における左右方向の中央部、つまり最低位置にある底面601に対応する箇所の浮き上がりが防止される。
なお、本実施例では、受入部の底面である中底面601,左底面602,右底面603は縦断面視略凹状に形成され、前方壁部610には、底面601〜603の凹状に合わせて複数の突出片630a〜630dが配置されていたが、受入部の底面は、該底面上に落下したパチンコ球を後側に配設される排出シュート869に向けて誘導するために縦断面視略凹状に形成されていれば、その形状は、本実施例のように平坦面状の3つの底面601〜603にて上向き凹状に形成されているものに限定されるものではなく、例えば2つの底面にて略V字形に形成されていてもよいし、あるいは湾曲状の底面にて上向き略U字形に形成されていてもよい。
また、各突出片630a〜630dの基端上部と前方壁部610の内面とは、側面視三角形状をなす補強用のリブ633を介して一体化されており、各突出片630a〜630dの基端部の強度を向上させてパチンコ球の接触による破損が防止されている。なお、補強用のリブ633は各突出片630a〜630dの基端部付近にのみ設けられているが、先端に向けて延設すれば各突出片630a〜630dの基端部の強度をより向上させることができる。
なお、この突出片630a〜630dの突出長さ寸法は、第2底部600上のパチンコ球が前方壁部610の内面に当接した状態において該パチンコ球に当接しない長さ寸法(例えば、パチンコ球の半径5.5mm未満)に形成されていることが好ましく、このようにすれば、パチンコ遊技機2の排出口112から排出されたパチンコ球が突出片630a〜630dに落下して突出片630a〜630dが破損することが防止される。
また、本実施例では、突出片630a〜630dは所定長さを有する棒状に形成されていたが、形状は棒状のものに限定されるものではなく、例えば凸状に形成されていてもよい。
また、本実施例では、突出片630a〜630dは、受入部801の壁部としての前方壁部610の内面に突設されていたが、側壁611の内面に突設してもよいし、あるいは後壁が設けられている場合には該後壁の内面に突設してもよい。さらに、受入部801の壁部とは別個に底面601〜603上に複数の基部を立設し、該複数の基部それぞれの立面に突出片630a〜630dを突設してもよい。
図19に戻って、中底面601、左底面602、右底面603における各突出片630a〜630dの直下には、突出片630a〜630dを形成するための成型用穴631がそれぞれ対応して形成されている。成型用穴631は、各突出片630a〜630dよりも大きく形成されている。
前方壁部610の前面上部には、パチンコ球の飛散を防止する図示しないガイド部材を取り付けるための突起634が所定間隔おきに複数(本例では4個)設けられている。
第2側壁部611の上端における前方壁部610との連設部近傍には当接段部640が形成されており、該当接段部640がベースタンク861の第1側壁711に設けられた前側のガイド突起728の前面に当接することで移動タンク862の後方移動が規制されるようになっている。
また、第2側壁部611は、第2底部600の後端から後方に延設される所定長さのガイド部611aを有している。ガイド部611aの上下幅寸法は前後方向に向けて一定であり、第1側壁711のガイド突起728と左右底部702,703との間に差し込み可能な幅寸法に形成されている。
第2側壁部611の外面には、側面視横長長方形状の隆起部650が長手方向に向けて延設されており、ベースタンク861に対して移動タンク862を組み付けたときに、第1側壁部711の内面に近接(または摺接)するようになっている。このように、第2側壁部611の隆起部650外面が第1側壁部711の内面に近接して配置されることにより両者間に形成される隙間が小さくなることによって、ベースタンク861に対する移動タンク862の保持部が増加し、ベースタンク861に対する移動タンク862の保持力がより大きくなるため、ベースタンク861に対して移動タンク862が傾いたり外れたりしにくくなる。
図20に示すように、第2底部600の下面左右側には、鉛直方向上向きに延びるように板状の移動規制部888が形成されている。移動規制部888の先端には、前後方向に沿って並列された複数の鋸歯からなるラック888aが左右方向外側に突出形成されている。
また、図28に示すように、ラック888aの各鋸歯の係合面における傾斜角度θ2(ラック897aとの対向面に対する法線P2に対する傾斜角度)は、移動規制部856のラック856aの各鋸歯の係合面における傾斜角度θ1(ラック867aとの対向面に対する法線P1に対する傾斜角度)よりも小さい(θ2<θ1)。
つまり、ベースタンク861に対して移動タンク862を前後方向の所定位置に保持するためのラック897aおよびラック888aの鋸歯は、支持部802に受入部801を係合するためのラック856aおよびラック867aの鋸歯よりも傾斜がきつくなっている。言い換えると、ラック897aおよびラック888aの鋸歯は、ラック856aおよびラック867aの鋸歯よりも、双方のラックが互いに乗り越えにくい形状とされていることで、ラック856aとラック867aとの係合力(保持力)はラック897aとラック888aとの係合力(保持力)よりも小さくなっている。
よって、移動タンク862に後方に向けて所定の大きさの力が加わったときに、ラック897aとラック888aとの係合よりも先にラック856aとラック867aとの係合が解除されるため、ベースタンク861に対して移動タンク862が移動するよりも先に、支持部802に対して受入部801が後方に移動することになる。
また、係合部854の案内爪854aと案内部866の突出部866aとの係合力(保持力)は、ラック897aとラック888aとの係合力(保持力)よりも小さくなっている。よって、移動タンク862に対して後方に向けて所定の大きさの力が加わったときに、ラック897aとラック888aの係合よりも先に案内爪854aと突出部866aとの係合が先に解除されるため、ベースタンク861に対して移動タンク862が移動するよりも先に、支持部802から受入部801が離脱するようになっている(図34(a)パターン1参照)。
また、係合部843の係合爪843aと案内溝833の第1抜止部834との係合力(保持力)は、ラック897aとラック888aとの係合力(保持力)よりも小さくなっている。よって、移動タンク862に対して後方に向けて所定の大きさの力が加わったときに、ラック897aとラック888aの係合よりも先に係合爪843aと第1抜止部834との係合が先に解除されるため、ベースタンク861に対して移動タンク862が移動するよりも先に、取付ベース830から外部支持脚840が離脱するようになっている(図34(b)パターン2参照)。
また、第2底部600の下面における左右の移動規制部888の内側には、第1底部700に形成された成型用穴725に上方から嵌合される四角柱状の第1ガイド突起651a,651bと、第1ガイド突起651a,651bの外側に配置され、第1底部700に形成された成型用穴726に上方から嵌合される底面視略外向きコ字形の第2ガイド突起652a,652bと、がそれぞれ突設されている。これら第1ガイド突起651a,651bおよび第2ガイド突起652a,652bがそれぞれ成型用穴725,726内を摺動可能に嵌合されることで、ベースタンク861に対して移動タンク862が前後方向に案内されるようになっている。
図21に示すように、左右方向において、移動タンク862の第2底部600の長さ寸法は、第1底部700の長さ寸法よりも僅かに短く形成されている。即ち、左右方向において、第2側壁部611間の長さ寸法は、第1側壁部711間の長さ寸法よりも僅かに短く形成されている。
そして、移動タンク862は、ベースタンク861の前方開口側と移動タンク862の後方開口側とを対向させた状態で、左右の移動規制部888の先端を内向きに弾性変形させて第1底部700の成型用穴727に上方から差し込むことで、第1底部700の下方において左右の移動規制部888のラック888aが外側に向けて弾性復帰して案内板897のラック897aに係合し、さらにラック888aの上端が第1底部700の下面における成型用穴727の周縁に係止されるとともに、第2側壁部611の上端部が第1側壁部711のガイド突起728に係合することによって、ベースタンク861の上方開口部から上方に向けて抜け出ないようにベースタンク861に取り付けられる。
このようにベースタンク861と移動タンク862が取り付けられると、図29および図30に示すように、第2底部600の後部は、第1底部700の前底面701a,702a,703a上に重なり、また、第1側壁部711の内側と第2側壁部611の外側の一部が互いに摺接するようになるため、受入部801は、第1底部700と第2底部600からなる底面が前方壁部610、後方壁部710、及び第1,第2側壁部711,611によって囲まれ、上方が開口した有底箱状となる。
また、移動タンク862は、ベースタンク861に対して、第2底部600が前述のようにベースタンク861内に収容され、第1底部700に対し上側に重畳する収容位置(図30参照)と、第2底部600の前部が第1底部700よりも前方に突出し、第1底部700に対する第2底部600の重畳面積が前記収容位置よりも小さくなる突出位置(図29参照)と、の間で前後方向にスライド移動可能に取り付けられる。そのため、受入部801の底面の面積(底面積)は、ベースタンク861に対して移動タンク862をスライド移動させることによって前後方向に拡縮される。尚、本実施例では、ベースタンク861と移動タンク862を取り付けた状態において、第1底部700の底面積と第2底部600の底面積を合わせた全体面積から、第1底部700と第2底部600とが重なっている重複面積を引いた部分の面積が受入部801の底面積となる。また、収容位置において第2底部600の後部が第1底部700の上側に重畳するようになっていたが、収容位置において第2底部600が第1底部700の上側に重畳しない、つまり、第2底部600全域が第1底部700の前方に突出してもよい。
また、移動タンク862は、突出位置および収容位置において、成型用穴727に上方から差し込まれた移動規制部888のラック888aが案内板897の前後の規制壁に当接規制されることにより、ベースタンク861の前方開口部から前方に向けて抜け出ないようになっている。
また、移動タンク862をベースタンク861に収容することで、ベースタンク861の下面に形成されたラック897aに移動タンク862のラック888aが係合することで、所定の力を加えることで前後方向に段階的に移動させることができる。
また、第2側壁部611の隆起部650外面が第1側壁部711の内面に近接して配置され、さらに第1ガイド突起651a,651bが成型用穴725に嵌合されるとともに、第2ガイド突起652a,652bが成型用穴726に嵌合される。このように移動タンク862は、左右方向に複数並設された複数の規制手段(第2側壁部611の隆起部650外面と第1側壁部711の内面、第1ガイド突起651a,651bと成型用穴725、第2ガイド突起652a,652bと成型用穴726)により、ベースタンク861に対して前後方向へ移動する際における前後方向以外の方向への移動、例えば左右方向へのガタつきや水平回転が規制されるため、移動タンク862が傾くことが防止される。
このように構成されるタンク本体800は、図22に示すように、取付ベース830に対して外部支持脚840が左右方向に段階的(本実施例では8段階)にスライド移動可能に設けられていることで(本実施例では約80mmの移動範囲)、パチンコ遊技機2の排出口112の配置位置に応じて、支持部802に対して受入部801を左右方向に移動することで、受入部801の左右位置調整ができるようになっている。また、球計数器826の取り付け位置を左側または右側に変更することができるため、取付ベース830に対する外部支持脚840の配置位置に応じて、ベース金具900の連設部906との干渉を避けるように配置することが可能である。
また、図23に示すように、外部支持脚840に対して内部支持脚850が上下方向に段階的(本実施例では3段階)に移動可能に設けられていることで(本実施例では約16mmの移動範囲)、パチンコ遊技機2の排出口112の配置位置に応じて、支持部802に対して受入部801を上下方向に移動することで、受入部801の上下位置調整ができるようになっている。
なお、受入部801の前側の有効深さ寸法は約15.5mmであり、後側の有効深さ寸法は約39.5mmとされている。また、受入部801の前後幅寸法は、最小で87mm、最大で127mmとされているとともに、左右幅寸法は208mm(図22参照)とされている。
また、図24に示すように、内部支持脚850に対してベースタンク861が前後方向に移動可能に設けられていることで(本実施例では約40mmの移動範囲)、パチンコ遊技機2の排出口112の配置位置に応じて、支持部802に対して受入部801を前後方向に移動することで、受入部801の前後位置調整ができるようになっている。また、受入部801を収容位置に配置するとともに、支持部802に対して後方位置に配置することで、タンク本体800をベース金具900(図4参照)から取り外さなくても、その前方に配置されるパチンコ遊技機2の取り外しおよび設置作業を行うことが可能となる。
以上のように構成された移動タンク862をベースタンク861に対して前後方向にスライド移動可能に取り付けることにより底面積を拡縮自在な受入部801が構成され、この受入部801の底面上には、第1緩衝板500L,500C,500Rおよび第2緩衝板550を交換可能に敷設できるようになっている。
図25(a)には、第1底部700上に敷設される第1緩衝板500L,500C,500Rが示されており、図25(b)には、第2底部600上に敷設される第2緩衝板550が示されている。これら第1緩衝板500L,500C,500Rおよび第2緩衝板550は、例えば軟質の塩化ビニル樹脂材にて所定の厚み幅寸法L1(例えば約2mm)を有する板状に形成され、パチンコ球の落下により生じる衝撃を緩衝して衝撃の受入部801への伝達を極力抑制してパチンコ球の飛散を防止する。なお、第1緩衝板500L,500C,500Rおよび第2緩衝板550は軟質の塩化ビニル樹脂材にてシート状に構成されていたが、例えば弾性変形により衝撃を緩衝しうる弾性体であれば素材は上記のものに限定されるものではなく、例えば天然ゴム、ブタジエンゴム等のゴム材質などで形成されていてもよい。
図25(a)に示すように、第1緩衝板500L,500C,500Rは、後底面701b上に敷設される中緩衝板500C、後底面702b上に敷設される左緩衝板500L、後底面703b上に敷設される右緩衝板500Rから構成され、それぞれは各後底面701b,702b,703bとほぼ同形状に形成されている。厚み幅寸法L1は、連設面705aの高さ幅寸法L6よりも小寸とされているため(図29参照)、各後底面701b,702b,703b上に敷設した状態において、各緩衝板500L,500C,500Rの上面は各前底面701a〜703aよりも下方に位置する。よって、移動タンク862が収容位置に収容され、各緩衝板500L,500C,500Rの上方位置に第2底部600が配置されても該第2底部600の下面に接触することはないため、各緩衝板500L,500C,500Rの表面の劣化や損傷が回避される。
また、各緩衝板500L,500C,500Rの前端面における、各後底面701b,702b,703bに対応する連設面705aに形成された左右一対の係合穴721a,721bに対応する位置には、係合爪502が外側に向けて突設された左右一対の弾性係合部501a,501bが前方に向けて延設されている。すなわち、第1緩衝板500L,500C,500Rは、平板状で、かつ、平面視において、各後底面701b,702b,703b上に敷設される敷設部位(図中四角形状の本体部位と、該敷設部位の周縁から突出する係合部位(係合爪502を有する弾性係合部501a,501b)と、を有する形状に形成されている。よって、弾性係合部501a,501bを係合穴721a,721bに差し込むことにより、係合穴721a,721bに係合爪502が係合して各後底面701b,702b,703b上に緩衝板500L,500C,500Rを取り付けできるようになっている。また、緩衝板500L,500Rには、成型用穴727の後端部を上方に開放するための切欠溝503a,503bが、それぞれ前端辺から背面側に向けて直線状に延設されている。
図25(b)に示すように、第2緩衝板550は、平面視横長長方形状の平板状をなし、左右幅寸法は第2底部600の左右幅寸法とほぼ同形に形成されているが、前後幅寸法L8は、第2底部600の前後幅寸法L7(図19参照)よりも長寸とされており、後述するように1枚の第2緩衝板550により各底面601〜603上が覆われるようになっている。第2緩衝板550における中底面601と左底面602との境界線および中底面601と右底面603との境界線に対応する位置には、後端辺から前端辺の手前位置にかけて所定幅(本例では約3mm)を有するスリット551a,551bが形成され、このスリット551a,551bに沿って屈曲しやすくなっていることで、向きが異なる各底面601〜603上に沿って第2緩衝板550を敷設できるようになっている。
また、前端部には、左右方向に延びる横長の複数の係止穴552a〜552dが各突出片630a〜630dの係止突部632に対応する位置に貫通して形成されている。これら係止穴552a〜552dの左右幅寸法は、係止突部632の左右幅寸法よりも大寸とされていることで、係止突部632が係止穴552a〜552dの開口前縁に係止された状態において、前後方向の移動が規制されるものの、左右方向の移動が僅かに許容されるようになっている。
なお、本実施例では、係止突部632が係止される被係止部として係止穴552a〜552dが適用されていたが、被係止部は第2緩衝板550を貫通する貫通穴に限定されるものではなく、凹部であってもよい。
また、左右端部には、左右方向に延びる複数の係止穴553a,553bが左右の係止突起620それぞれに対応する位置に貫通して形成されている。これら係止穴553a,553bは、前後幅寸法が係止突起620の柱状部620bの前後幅寸法とほぼ同寸とされ、左右幅寸法が係止突起620の左右幅寸法よりも大寸とされていることで、係止突起620の柱状部620bに挿通された状態において、前後方向の移動が規制されるものの、左右方向の移動が僅かに許容されるようになっている。
このように構成された第1緩衝板500L,500C,500Rおよび第2緩衝板550は、図26に示すように、タンク本体800の上方から取り付け、取り外しできるようになっている。具体的には、第1緩衝板500L,500C,500Rは、左右一対の弾性係合部501a,501bを対応する係合穴721a,721bに背面側から差し込み、係合穴721a,721bの開口側縁に係合爪502を係合させることにより各後底面701b,702b,703b上に取り付けられる。なお、敷設された状態において、各第1緩衝板500L,500C,500Rの前端部上方位置に押え片702aが配置されることで(図29参照)、捲れや上下のバタつきが防止される。
また、第1緩衝板500L,500C,500Rは、平板状で、かつ、平面視において、各後底面701b,702b,703b上に敷設される敷設部位と、該敷設部位の周縁から突出する弾性係合部501a,501bと、を有する形状に形成され、左右一対の弾性係合部501a,501bが挿通される係合穴721a,721bは、各前底面701a,702a,703aと各後底面701b,702b,703bとの間に形成される略垂直な連設面705aに形成されていることで、係合爪502を有する弾性係合部501a,501bを上面または下面に突設せずに済むため、図示しない緩衝板の原板から打ち抜き加工等により第1緩衝板500L,500C,500Rを簡単に製造することができる。
また、図28に示すように、係合穴721a,721bに挿通された弾性係合部501a,501bは、第1底部700における各前底面701a,702a,703aの下面側に配置されるため、突出した弾性係合部501a,501bが邪魔になったり見栄えが損なわれることがないとともに、第1緩衝板500L,500C,500Rを交換する場合には、第1底部700の下面側から弾性係合部501a,501bを変形させて係合状態を解除するだけで簡単に取り外すことができる。
なお、本実施例では、弾性係合部501a,501bの係合爪502が係合する係合部としての係合穴721a,721bは、第1底部700に形成された立壁としての段部705の連設面705aに形成されていたが、第1底部700の底面に対し立設される立壁であれば、例えば側壁711や、あるいは段部705や側壁711とは別に第1底部700の底面上に立設した立壁に形成してもよい。
第2緩衝板550は、図26に示すように、左右の係止穴553a,553bをそれぞれ左右の係止突起620のフック部620aから柱状部620bに背面側から挿通した後、前端部を各底面601〜603と突出片630a〜630dとの間に背面側から差し込む。そして各係止穴552a〜552dの開口前縁に各突出片630a〜630dの係止突部632を係止させることにより、第2底部600の底面601〜603上に取り付けられる。
このように、左右の係止穴553a,553bに柱状部620bが挿通されるとともに、各係止穴552a〜552dの開口前縁に係止突部632が係止されることにより、敷設された状態において底面上での前後方向の移動が規制されるため、パチンコ球の落下により生じる振動による底面の傾斜方向への位置ずれが防止される。また、第2緩衝板550における各係止穴552a〜552dに対応する位置は突出片630a〜630dの下面630eにより上方への移動が規制され、また、係止穴553a,553bに対応する位置はフック部620aの下面621により上方への移動が規制されるため、端縁部の捲れや上下のバタつきが防止される。
また、第1緩衝板500L,500C,500Rのように弾性係合部501a,501b等を形成することなく、第2緩衝板550を第2底部600上に取り付けるための係止突部632や柱状部620bを移動タンク862側に設けていることで、第2緩衝板550の構造を複雑化することなく、第2底部600上に簡単に取り付けることができるため、劣化等により交換が必要となる第2緩衝板550の製造コストを極力低減できるばかりか、第1緩衝板500L,500C,500Rのように弾性係合部501a,501b等が移動タンク862の前方壁部610等から突出することがないため、見栄えが損なわれることがなく、さらに、これら係合部が係合する係合穴等が形成されることがないので、強度低下が防止される。
また、図27に示すように、突出片630a〜630dは第2緩衝板550の前端部の上方に配置され、係止突起620は左右端部にそれぞれ設けられていることで、第2緩衝板550の前・左右端部以外の箇所は底面601〜603上にフリーな状態で敷設されるため、前端部および左右端部以外の内側領域はパチンコ球の落下による衝撃にて上下にバタつきが生じるようになっている。これにより、第2緩衝板550上にパチンコ球が落下して生じた衝撃が、底面上に直接貼着する場合等に比べて第1底部600に伝達されにくくなるため、パチンコ球の飛散が防止される。
また、図27および図29に示すように、突出片630a〜630dは前方壁部610の内面から内向きに突出されていることで、第2緩衝板550の前端部を底面601〜603の間に背面側から差し込むだけで簡単に取り付けできるばかりか、取り付けた状態において、第2緩衝板550の前端部を上方から押えることができるため、上下のバタつきを抑制できるばかりか、向きや高さ位置が異なる各底面601〜603に沿わせて敷設することができる。さらに、突出片630a〜630dは所定長さを有していることで、第2緩衝板550の上面を前端部から内側にかけて連続して押えることができるため、バタつきや反り返りを確実に抑制することができる。
また、第2緩衝板550の前後幅寸法L7は、第2底部600の前後幅寸法L8よりも長寸とされているとともに、移動タンク862を突出位置(図29参照)に位置させたときに、第2底部600の後端から背面側の第1底部700の前底面701a,702a,703aの後半部および段部705を越えて後底面701b,702b,703b上に位置する長さを有している。これにより、第2緩衝板550から背面側にはみ出した後半部550aにより、前底面701a,702a,703aの後半部から段部705を越えて後底面701b,702b,703bの前部の上方が覆われる。また、移動タンク862を収容位置(図30参照)に位置させたときに、第2緩衝板550の後半部550aは後底面701b,702b,703b上を覆うように敷設される。
このように、第2緩衝板550は、後半部550aが第2底部600と第1底部700との間に形成される段部や第1底部700の段部705を覆い、大きな段差がない底面を構成するため、パチンコ球をスムーズに背面側に誘導することができるとともに、段部705にパチンコ球が落下して予期しない方向に跳ね上がることが防止される。
また、第2底部600もしくは第1底部700上における左右側に落下したパチンコ球は、それぞれ中央の中底面601、中底部701に向けて流下して集められた後、後側の排出口864aに向けて誘導され、該排出口864aから排出シュート869を介して排出口803から排出された後、球計数器826にて計数される。このように、受入部801にて受け入れたパチンコ球は、球計数器826にて計数するために排出シュート869にて1列に整列させる必要があるため、第2底部600および第1底部700を正面視凹状に形成することにより、落下したパチンコ球を左右方向の中央に集めながら後側の排出シュート869にスムーズに誘導する溝状部が前方壁部601から排出口864aに向けて延設されるため、受入部801内で球詰まり等が発生しにくくなる。
以上説明したように、本発明の実施例としてのアウトタンク8にあっては、受入部801の底面601〜603上に敷設された第2緩衝板550の前端部上方に突出片630a〜630dが配置されることで、パチンコ球の落下により生じる衝撃により第2緩衝板550の前端部が上下に大きくバタついたり、反り返りが生じたりすることが抑制されるとともに、突出片630a〜630dから下向きに突出する係止突部632により第2緩衝板550の前端部が係止されることで、底面601〜603上での位置ずれが防止される。すなわち、第2緩衝板550は、前端部以外の箇所が底面601〜603に対してフリーな状態で敷設されることで、落下したパチンコ球により生じる衝撃が移動タンク862やベースタンク861に伝達されにくくなるため、パチンコ遊技機2から排出されるパチンコ球の飛散が防止され、これによりパチンコ遊技機2から排出されたパチンコ球の排出球数を球計数器826にて正確に計数することができる。
特に突出片630a〜630dは、その平坦状の下面630eが互いに向きが異なる各底面601〜603に対して平行をなすように延設されていることで、第2緩衝板550の上面前端部から内側にかけて上方から確実に押えることができる。
また、第1緩衝板500L,500C,500Rにおける係止突部632に対応する位置に係止穴552a〜552dが形成されていることで、底面601〜603に対して第2緩衝板550が位置ずれしにくくなる。
なお、本実施例では、第2緩衝板550に、各突出片630a〜630dの係止突部632が係止される各係止穴552a〜552dが形成されていたが、第2緩衝板550を底面上で位置ずれしないように保持できれば、必ずしも係止穴552a〜552dを形成しなくても、第2緩衝板550の上面に係止突部632を直接係止させてもよい。さらに、係止突部632の先端で引っ掛けるように係止するものでけでなく、例えば半球状の掛止突部により、第2緩衝板550を上方から押圧して底面とで挟持することで保持してもよい。
また、左底面602,右底面603に突起部としての係止突起620が突設されるとともに、第2緩衝板550における係止突起620に対応する位置に、穴部としての係止穴553a,553bが設けられていることで、例えば左右の第2側壁部611から後述する突出片630a〜630dを大きく突出させなくても、第2緩衝板550における壁部から離れた箇所を係止突起620にて保持することができるため、底面601〜603上での第2緩衝板550の位置ずれを効果的に防止できる。
なお、本実施例では、第2緩衝板550に、係止突起620の柱状部620bが挿通される各係止穴553a,553bが形成されていたが、第2緩衝板550を底面上で位置ずれしないように保持できれば、必ずしも係止穴553a,553bのような貫通穴を形成して挿通させなくても、例えば第2緩衝板550の下面に係止突起620が嵌合可能な嵌合凹部等をさせてもよい。
また、受入部801の第1底部700に立壁部としての段部705が形成されるとともに、平板状の第1緩衝板500L,500C,500Rにおける前端面には係合部としての弾性係合部501a,501bが突出し、該弾性係合部501a,501bを段部705における連設面705aに形成された被係合部としての係合穴721a,721bに差し込み係合させることにより、後底面701b,702b,703bに対して第1緩衝板500L,500C,500Rを取り付けできることで、係合部を抜き打ち成型等により容易に形成することができるため、第1緩衝板500L,500C,500Rの下面に係合部を突設する場合に比べて製造コストを低減することができるとともに、係合穴721a,721bから突出した弾性係合部501a,501bは第1底部700の下面に隠蔽されるため、目立ったり邪魔になったりすることがない。
また、受入部801は、第1底部700を有するベースタンク861と、第2底部600を有するとともに、該第2底部600が第1底部700に対し上側に重畳する収容位置と、第1底部700に対する第2底部600の重畳面積が収容位置よりも小さいまたは重畳しない突出位置と、の間でスライド移動可能に設けられた移動タンク862と、から構成され、緩衝板は、第1底部700の後底面701b,702b,703b上に敷設される第1緩衝板500L,500C,500Rと、第2底部600の中底面601,左底面602,右底面603上に敷設される第2緩衝板550と、から構成され、第2緩衝板550の前後幅寸法L8は、第2底部600の前後幅寸法L7よりも長寸とされていることで、ベースタンク861に対して移動タンク862が収容位置と突出位置との間でスライド移動させることにより受入部801の底面の面積を拡縮することができるため、パチンコ遊技機1から排出されるパチンコ球の落下位置に合わせて受入部801を容易に配置することができるばかりか、第2底部600と第1底部700との間に形成される段部の上方を覆うように第2緩衝板550が敷設され、これにより第1緩衝板500L,500C,500Rと第1緩衝板500L,500C,500Rとの間に大きな段差が形成されることを防止できるため、パチンコ球をスムーズに排出することができる。
また、第1底部700は、左右方向に延設される所定高さL6の段部705を有し、該段部705よりも前側に配置される前底面701a,702a,703aと、該段部705を挟んで後側の下方位置に配置される後底面701b,702b,703bと、から構成され、移動タンク862は、前底面701a,702a,703a上でスライド移動可能に支持され、第1緩衝板550L,550C,550Rは、後底面701b,702b,703b上に敷設されるとともに、板厚寸法L1が段部705の高さ寸法L6よりも短寸(L6>L1)とされていることで、ベースタンク861に対して移動タンク862がスライド移動する際に、移動タンク862が第1緩衝板500L,500C,500R上を摺接して劣化することが防止される。
なお、本実施例では、排出シュート869がベースタンク861の後側に配置されていることから、収容位置において第1底部700の上側に第2底部600が配置されるようになっていたが、例えば排出口803を移動タンク862側に設ける場合等においては、収容位置において第1底部700の下側に第2底部600が配置されるようにしてもよい。
次に、このように構成されたアウトタンク8の取付状況を図32及び図33にもとづいて説明する。図32は、タンク本体を第1取付孔に取り付けた状態を示す図である。図33は、タンク本体を第2取付孔に取り付けた状態を示す図である。
図32には、設置台を構成する設置板20の設置面20a上に固定されたパチンコ遊技機2A,2Bの背面側にアウトタンク8A,8Bが配置された状態が示されている。具体的には、図中左右側のパチンコ遊技機2A,2Bの排出口112は、パチンコ遊技機2A,2Bに対して左右方向の略中央位置であって(図3参照)、前面枠101の背面から所定幅(例えば約10cm)離れた位置に配置されている。また、パチンコ遊技機2A,2Bは製造メーカーまたは機種が異なるものであるため、図中左側のパチンコ遊技機2Aにおける設置面20aから排出口112までの高さ幅寸法L10に対し、図中右側のパチンコ遊技機2Bにおける設置面20aから排出口112までの高さ寸法L20の方が大きい(L10<L20)。つまり、パチンコ遊技機2Bの排出口112は、パチンコ遊技機2Aの排出口112よりも高い位置に配置されている。
一方、アウトタンク8A,8Bにおいては、ベース金具900は、パチンコ遊技機2A,2Bの背面側における左右方向の中央位置に固定されており、タンク本体800は、取付ベース830がベース金具900の第1取付孔905にネジ905aにより取り付けられている(図4及び図5参照)。このように取付ベース830を第1取付孔905に取り付けた状態において、排出口112の直下に支持部802が配置される。また、球計数器826が連設部906と干渉することを避けるため、受入部801は支持部802に対して後側にずらした後方位置に配置される。
また、アウトタンク8A,8Bは、外部支持脚840に対して内部支持脚850を下段位置に配置したときに、取付ベース830、外部支持脚840及び内部支持脚850、受入部801それぞれの上下幅寸法の合算値であるタンク本体800の上下幅寸法がP1となり、外部支持脚840に対して内部支持脚850を上段位置に配置したときにタンク本体800の上下幅寸法がP2となる(P1<P2)。そしてタンク本体800の上下幅寸法の最大値であるP2は、設置面20aから排出口112までの高さ寸法L10よりも小さいため、いずれも第1取付孔905に取り付けることが可能である(P1<P2<L10<L20)。
よって、アウトタンク8Aは、タンク本体800の上下幅寸法をP1とした状態で第1取付孔905に取り付け、アウトタンク8Bは、タンク本体800の上下幅寸法をP2とした状態で第1取付孔905に取り付けることができる。すなわち、パチンコ遊技機2Aの排出口112よりもパチンコ遊技機2Bの排出口112の方が高い位置に配置されているため、アウトタンク8Bのタンク本体800を上下幅寸法P2とした状態で第1取付孔905に取り付けることで、受入部801を排出口112に近づけることができるため、排出口112から排出され受入部801に落下するまでの距離が長くなって、受入部801上に落下したパチンコ球が周囲に飛散することが防止される。
また、排出口112の直下に配置される受入部801を支持する支持部802自体も排出口112の直下に配置されることで、パチンコ球が受入部801上に落下した衝撃を受入部801だけでなく支持部802でも吸収できるため、受入部801の振動が防止されるとともに、受入部801の破損等が効果的に防止される。
尚、アウトタンク8Aではタンク本体800の上下幅寸法を最小値であるP1とし、アウトタンク8Bではタンク本体800の上下幅寸法を最大値であるP2としたが、本実施例では、外部支持脚840に対する内部支持脚850の高さ位置を3段階で調整できるため、排出口112の高さ位置に応じて外部支持脚840に対する内部支持脚850の高さ位置を中段位置としてもよい。
図33には、設置面20aから排出口112までの高さ幅寸法L30,L40が、図32に示すパチンコ遊技機2Aの高さ幅寸法L10よりも小さい、つまり排出口112がより低い位置に配置されたパチンコ遊技機2C,2Dの背面側にアウトタンク8A,8Bが配置された状態が示されている。また、図中左側のパチンコ遊技機2Cにおける設置面20aから排出口112までの高さ幅寸法L30に対し、図中右側のパチンコ遊技機2Dにおける設置面20aから排出口112までの高さ寸法L40の方が大きい(L30<L40)。つまり、パチンコ遊技機2Dの排出口112は、パチンコ遊技機2Cの排出口112よりも高く、パチンコ遊技機2A,2Bの排出口112よりも低い位置に配置されている(L30<L40<L10<L20)。
設置面20aから排出口112までの高さ幅寸法L30は、タンク本体800の上下幅寸法の最小値であるP1よりも小さく(L30<P1)、また、設置面20aから排出口112までの高さ幅寸法L40は、タンク本体800の上下幅寸法の最大値であるP2よりも小さい(L40<P2)。このように排出口112が極端に低い位置に配置されているパチンコ遊技機2C,2Dの背面側にアウトタンク8A,8Bを配置する場合、タンク本体800の上下幅寸法を最小値であるP1としても、取付ベース830と外部支持脚840及び内部支持脚850とからなる支持部802が邪魔になって排出口112が形成される機構板115に受入部801が干渉してしまい、取付ベース830を第1取付孔905に取り付けることができない。
そこで、取付ベース830を、第1取付孔905よりも後側下方位置に形成された第2取付孔908にネジ905aにより取り付けることで、取付ベース830を設置面20aよりも低い位置に取り付けることができる。すなわち、支持部802の下部を設置面20aよりも下方にずらして取り付けることができるため、受入部801を排出口112の直下に配置することが可能となる。
このように、タンク本体800の上下幅寸法P1よりも設置面20aから排出口112までの高さ幅寸法L30,L40が小さい場合、つまり排出口112が極端に低い位置に配置されている場合でも、取付ベース830を第2取付孔908に取り付けることで、受入部801のみを設置面20aと排出口112との間に差し込んで排出口112の直下に配置することができる。
尚、このように取付ベース830を第2取付孔908に取り付けた場合、アウトタンク本体800の配置位置がパチンコ遊技機2C,2Dから遠ざかることになるため、受入部801は支持部802に対して前側にずらした前位置に配置することで、受入部801を極力前方に配置することができるとともに、ベースタンク861に対して移動タンク862を前方にスライド移動させることで、受入部801の底面積、つまり球受面積を前方に拡大することができるため、排出口112から落下されるパチンコ球を受入部801にて確実に受け入れることが可能となる。
また、パチンコ遊技機2Cの排出口112よりもパチンコ遊技機2Dの排出口112の方が若干高い位置に配置されているため、アウトタンク8Dのタンク本体800の上下幅寸法を最大値であるP2とすることで、受入部801を排出口112に近づけてパチンコ球の飛散を防止することができる。
尚、アウトタンク8Cではタンク本体800の上下幅寸法を最小値であるP1とし、アウトタンク8Dではタンク本体800の上下幅寸法を最大値であるP2としたが、本実施例では、外部支持脚840に対する内部支持脚850の高さ位置を3段階で調整できるため、排出口112の高さ位置に応じて外部支持脚840に対する内部支持脚850の高さ位置を中間位置としてもよい。
このようにアウトタンク8は、パチンコ遊技機2の排出口112と受入部801との離間幅が大きいと、排出口112から受入部801に落下した排出球が飛散して球計数器826にて計数できなくなるため、排出口112が高い位置にある場合には受入部801を極力近づけることができるように、設置面20a上に立設される柱状の支持部802により受入部801を下方から支持するとともに、特に排出口112の高さ位置は複数種のパチンコ遊技機2で微妙に異なることがあるため、複数種のパチンコ遊技機2に対応して設置するには支持部802に高さ位置調整機構を設けて受入部801の高さ位置を微調整可能とする必要がある。しかし、近年においては、遊技盤に設けられる演出表示装置や役物等の大型化に伴い遊技領域が下方に拡大され、これに応じて排出口112がより一層低い位置に配置される傾向があるため、この種のパチンコ遊技機2に対応してアウトタンク8を設置する場合に支持部802が邪魔になることがあるが、ベース金具900を用いれば、取付ベース830を設置面20aよりも下方位置に取り付けることができるため、支持部802があっても受入部801を排出口112の直下に配置することができる。
以上説明したように、本発明の実施例としてのアウトタンク8は、係合部854の案内爪854aと案内部866の突出部866aとの係合力は、ラック897aとラック888aとの係合力よりも小さくなっている。すなわち、支持部802に受入部801を保持する保持力は、ベースタンク861に対し移動タンク862を所定の前後位置に保持する保持力よりも小さい。よって、例えば図34(a)のパターン1に示すように、パチンコ遊技機2の前面枠101を外枠100に対して閉塞したときに、前面枠101の背面に配線されたケーブルKが移動タンク862に接触して移動タンク862が後方に押し出されたときに、ラック897aとラック888aの係合よりも先に案内爪854aと突出部866aとの係合が先に解除されるため、ベースタンク861に対して移動タンク862が移動するよりも先に、内部支持脚850から受入部801(ベースタンク861)が離脱する。
また、係合部843の係合爪843aと案内溝833の第1抜止部834との係合力は、ラック897aとラック888aとの係合力よりも小さくなっている。すなわち、支持部802に受入部801を保持する保持力は、ベースタンク861に対し移動タンク862を所定の前後位置に保持する保持力よりも小さい。よって、例えば図34(b)に示すように、パチンコ遊技機2の前面枠101を外枠100に対して閉塞したときに、前面枠101の背面に配線されたケーブルKが移動タンク862に接触して該移動タンク862が後方に押し出されたときに、ラック897aとラック888aの係合よりも先に係合爪843aと第1抜止部834との係合が先に解除されるため、ベースタンク861に対して移動タンク862が移動するよりも先に、取付ベース830から、外部支持脚840とともに受入部801が離脱する。
一般的に、遊技場における新台入れ替えや台移動の際に、遊技機設置島の設置板20上にパチンコ遊技機2を設置したときには、アウトタンク8は機構板115等に接触することのないように排出口112の直下に配置される。しかし、例えば営業中においてパチンコ遊技機2に何らかのエラー等が発生してパチンコ遊技機2の背面に設けられた各種基板等の点検などが実施されたときにケーブルK等の配線位置等がずれたり、何らかの遊技部品の配置位置がずれるなどして、前面枠101の閉塞時に移動タンク862に接触してしまうことが考えられるが、移動タンク862にケーブルK等が接触して後方に押出された場合に、上記のように、移動タンク862がベースタンク861に対して相対移動するよりも先に、受入部801が支持部802から離脱する、あるいは受入部801が外部支持脚840とともに取付ベース830から離脱することで、受入部801はパチンコ球を受け入れ可能な受入姿勢を保持することができなくなる。
よって、パチンコ遊技機2から排出されたパチンコ球が球計数器826にて計数されなくなり、明らかに不具合が生じていることが分かるようになるため、不具合が生じた場合に早期のうちに対処することが可能となる。
また、特にパチンコ遊技機2は、外枠100における上下方向を向く左側辺を中心として開閉可能に枢支されているため、前面枠101を閉塞した際に、ケーブルK等は前方から後方に向けて水平移動してくるため、ベースタンク861に対し移動タンク862が後方にスライド移動しやすい。また、左側辺を中心に回転することから、移動タンク862が押圧された時にタンクが左右方向に振れやすい。よって、上記のように、ベースタンク861に対し移動タンク862が相対移動して傾いたりするよりも先に受入部801が支持部802から離脱する、あるいは受入部801が外部支持脚840とともに取付ベース830から離脱することで、移動タンク862が中途半端に移動してアウト球を部分的に計数することが防止される。
また、上記では、前面枠101の閉塞時に移動タンク862がベースタンク861側に押し込まれたり傾くことにより、パチンコ球を受入部801にて受け入れることができない状況になる旨が記載されていたが、例えば前面枠101の開放時等において移動タンク862にケーブルK等が引っ掛かる等何らかの理由により、ベースタンク861から移動タンク862が引き出されて外れてしまった場合でも、ベースタンク861から一部のパチンコ球がこぼれ落ちてアウト球を部分的にしか計数できなくなる。そしてこのような場合でも、ベースタンク861に対し移動タンク862が外れるよりも先に、受入部801が支持部802から離脱する、あるいは受入部801が外部支持脚840とともに取付ベース830から離脱するようにすれば、ベースタンク861から移動タンク862が外れてアウト球が中途半端に計数されることが防止される。
また、ベースタンク861に対する移動タンク862の前後移動時において該移動タンク862の前後方向以外の方向への移動を規制する規制手段として、第2側壁部611の隆起部650外面と第1側壁部711の内面、第1ガイド突起651a,651bと成型用穴725、第2ガイド突起652a,652bと成型用穴726を備えていることで、ベースタンク861に対して移動タンク862が傾いたり外れたりしにくくなる。
また、支持部802に受入部801を係合するためのラック856aとラック867aとの係合力(保持力)は、ベースタンク861に対して移動タンク862を前後方向の所定位置に保持するためのラック897aとラック888aとの係合力(保持力)よりも小さくなっていることで、移動タンク862に対して後方に向けて所定の大きさの力が加わったときに、ラック897aとラック888aとの係合よりも先にラック856aとラック867aとの係合が解除されるため、ベースタンク861に対して移動タンク862が移動するよりも先に、支持部802に対して受入部801が後方に移動することになる。
このように、受入部801が支持部802に対して前方または後方に移動するだけで、受入部801が支持部802から完全に離脱して、誘導樋10L,10R内に落下すること等が防止されるので、受入部801の紛失や誘導樋10L,10R内での球詰まり等が防止される。
また、係合部854の案内爪854aと案内部866の突出部866aとの係合部(保持部)の数量(本例では左右2箇所)や、係合爪843aと第1抜止部834との係合部(保持部)の数量(本例では左右2箇所)を、ラック897aとラック888aとの係合部(保持部)の数量(本例では左右2箇所)よりも少なくすることで、係合力(保持力)を小さくすることができる。
また、係合部854の案内爪854aと案内部866の突出部866aとの係合との係合部(保持部)や係合爪843aと第1抜止部834との係合部(保持部)の材質を、ラック897aとラック888aとの係合部(位置保持部)の材質よりも軟質、つまり弾性変形し易い材質とすることで、係合力を小さくすることができる。
また、本実施例では、受入部801を支持する支持部802は、内部支持脚850および外部支持脚840と取付ベース830とから構成され、このうち内部支持脚850に対してベースタンク861が取り外し可能に係合されるとともに、取付ベース830に対して外部支持脚840が取り外し可能に係合されていたが、これらのうちいずれか一方のみが取り外し可能とされていてもよいし、これ以外の他の箇所が取り外し可能に係合されていてもよいが、いずれの係合部の係合力も、ラック897aとラック888aとの係合力(位置保持力)よりも小さければ、ベースタンク861に対して移動タンク862が傾いたり外れたりするよりも先に、いずれかの係合部の係合が解除されて受入部801が完全に外れてしまうので、一部のアウト球のみが中途半端に計数されてしまうことが防止される。
つまり、図34(a)に示すパターン1の場合、取付ベース830、外部支持脚840、内部支持脚850は受入部801を支持する支持部を構成しており、図34(b)に示すパターン2の場合、受入部801および外部支持脚840、内部支持脚850を含めて受入部を構成し、取付ベース830のみが受入部801を支持する支持部を構成している。
次に、本発明が適用された遊技システムの構成について、図35〜図37にもとづいて説明する。図35は、本発明の実施例における遊技システムの構成を示すシステム構成図である。図36は、台端末に入力される各信号の入力形態を示す図である。図37は、台端末における割込処理の処理内容を示すフロー図である。
図35に示すように、遊技システムは、遊技場において複数配置された遊技島に並設される遊技機であるカードリーダ(CR)式パチンコ遊技機2と、該パチンコ遊技機2に対して1対1に対応設置されるプリペイドカードであるビジターカードまたはプリペイドカード機能を有する会員カードを、遊技媒体であるパチンコ球の貸出しや貯球の再使用(再プレイ)に使用可能とするためのカードユニット203と、各パチンコ遊技機2の遊技関連情報や各パチンコ遊技機2へのパチンコ球の供給情報等の各種情報が入力される台端末205、該台端末205に入力された遊技関連情報等の各情報を、接続されている各台端末205から更に収集する各遊技島毎に設置された島端末206と、各島端末206にて収集された当該遊技場に設置されている各パチンコ遊技機2の情報を受信し、該受信した各パチンコ遊技機2の情報に基づいて各パチンコ遊技機2における遊技状態や賞球数や打込球数等や、始動回数や大当り回数、確変回数、大当り履歴等の各パチンコ遊技機2に関する情報を管理するホールコンピュータ240とから主に構成されている。
本実施例のパチンコ遊技機2と台端末205とは、図35並びに図36に示すように信号ケーブル209を介して接続されており、各台端末205はさらに通信ケーブル210を介して島端末206と接続されており、これら台端末205と島端末206とは簡易ローカルエリアネットワークにより双方向にデータ通信可能とされていて、島端末206からのデータ出力指示に基づいて、台端末205が各パチンコ遊技機2等から出力される後述する各種の信号の入力により収集した遊技関連情報を含むデータを送信するようになっている。
更に、これら各島端末206はハブ207を介して通信ケーブル8にてホールコンピュータ240に接続されていて、島端末206とホールコンピュータ240とが、比較的高速のデータ通信可能なローカルエリアネットワークにより双方向にデータ通信可能とされていて、島端末206にて各台端末205から収集された各パチンコ遊技機2から収集した遊技関連情報を含むデータがまとめられて、ホールコンピュータ240に所定時間毎に送信されることで、該ホールコンピュータ240が各パチンコ遊技機2に関する情報を収集して集中管理できるようになっている。
図36に示すように、パチンコ遊技機2には、カードユニット203において記録媒体としてのビジターカードまたは会員カードより読み出された度数が表示される度数表示部217と、持球が少なくなったか或いは無くなった際に押圧操作されることで度数表示部217に度数(プリペイド残額の100円を1単位とする値)が存在する場合に所定数量のパチンコ球の貸出がパチンコ遊技機2より実施される貸出ボタンスイッチ216と、遊技の終了時にてカードユニット203に受付中のビジターカードまたは会員カードを返却させるための返却ボタンスイッチ215と、が設けられている。
また、パチンコ遊技機2には、識別情報の変動表示が行われる可変表示部(図示略)の表示制御を行う表示制御基板280と、遊技球を遊技領域(図示略)に発射する打球発射装置の制御を行う発射制御基板291と、球タンク6(図3参照)に供給されたパチンコ球の払出を実施する球払出装置97に接続され、主基板31から出力される賞球信号並びにカードユニット203より入出力される貸与信号に基づきパチンコ球の払出制御を行うとともに、球払出装置97から払い出された賞球数の情報(賞球信号)を出力する賞球制御基板237と、遊技効果ランプ等の制御を実施するランプ制御基板235と、スピーカから出力される音声の出力制御を行う音声制御基板270と、大当り状態中であることを示す大当り信号1や、大当り状態或いは確率変動状態或いは時短状態のいずれかの状態であることを示す大当り信号2とともに、可変表示部(図示略)における可変表示の表示が確定したことを示すスタート信号(始動信号)並びに賞球信号(中継)を、所定の信号形態にて出力する情報出力基板298と、これら各部の制御や前述の各種の抽選等を実施する主基板31とが設けられており、これらは図36に示すように接続され、払い出されたパチンコ球を使用して遊技を実施できるようになっている。
本実施例のカードユニット3は、図36に示すように、投入された紙幣を取り込んでその真贋や紙幣種別の識別を実施し、その識別結果を装置略中央部に設けられている制御ユニット328に出力する紙幣識別ユニット321と、挿入されたビジターカードや会員カードの読み出し並びに書き込みを行うカードリーダライタ327と、表示制御基板329と、カードユニット3の各部の制御を制御プログラムにより実施して該カードユニット3の各種の機能を提供する制御ユニット328と、から主に構成されており、紙幣識別ユニット321、カードリーダライタ327及び表示制御基板329は制御ユニット328と接続されて各種データの送受が可能とされている。制御ユニット328は、紙幣識別ユニット321にて受け付けた各種紙幣(1万円、5千円、2千円、千円の各紙幣)から識別された金額を受付け中のビジターカード或いは会員カードのプリペイド残額に加算更新する入金処理が可能とされている。
また、賞球制御基板237は、信号ケーブル209の一部を通じて台端末205に接続されていて、球払出装置97から払い出された賞球数が所定球数毎(例えば10個毎)に達する毎に所定時間幅のパルスとして賞球信号を該台端末205に出力するとともに、カードユニット203内に設けられている制御ユニット328にフラットケーブル(FK)を通じて、インターフェイス基板237’を介して接続されており、台端末貸出完了信号(EXS)や台READY信号(PRDY)がカードユニット203の制御ユニット328に出力するようになっているとともに、該制御ユニット328より出力される本発明の貸与信号となるカードユニットREADY信号(BRDY)や台端末貸出要求完了確認信号(BRQ)が入力されるようになっていて、これらの信号の授受に基づいて、該賞球制御基板237が球払出装置97からのパチンコ球の払い出しを実施することで、該カードユニット203のカードリーダライタ327に受付け中のビジターカードまたは会員カードに記録されているプリペイド残額に応じた度数を使用したパチンコ球の貸出が、パチンコ遊技機2において実施されるようになっている。
また、情報出力基板298は、信号ケーブル209を介して台端末205に接続されており、該情報出力基板298からは、図36に示すように大当り発生中において継続して出力される大当り信号1や、大当り状態中或いは時短状態中或いは確率変動状態中のいずれかの状態中において継続して出力される大当り信号2や、特別可変表示部(図示略)における特別図柄の停止表示時に所定時間幅のパルスとして出力されるスタート信号(始動信号)が出力され、これら各信号が信号ケーブル209を介して台端末205に入力される。
これら信号ケーブル209の一部は、パチンコ遊技機2の下方に、該パチンコ遊技機2において遊技に使用されたアウト球を計数するために設けられている球計数器826(図2参照)にも接続されており、該球計数器826において所定球数(本実施例では10球)のアウト球(打込球)数が計数される毎に所定時間幅のパルスとして出力されるアウト球計数信号が台端末205に入力されるようになっている。
更に、信号ケーブル209の一部は、カードユニット203にも接続されており、該カードユニット203において後述する貸出処理が実施されて、対応するパチンコ遊技機2に上述した、図6に示すように、カードユニットREADY信号(BRDY)や台端末貸出要求完了確認信号(BRQ)が出力されるのに伴って、貸出しされる度数分に相当するパルス数(BRQ数と同数)から成る球貸信号や、後述する再プレイ処理が実施されて、対応するパチンコ遊技機2に上述した、図6に示すように、カードユニットREADY信号(BRDY)や台端末貸出要求完了確認信号(BRQ)が出力されるのに伴って、払出されるパチンコ球が相当する度数分のパルス数(BRQ数と同数)から成る再プレイ(遊技)信号が台端末205に入力されるようになっている。
ホールコンピュータ240は、受信した送信データ列に含まれる各パチンコ遊技機2から収集した各遊技関連情報に基づいて、各パチンコ遊技機2における遊技状態の判定処理や、遊技関連情報テーブルの記憶データを更新する処理や、これら各情報テーブルのデータを表示する表示処理等を実施するCPU(図示略)、ワークメモリ等として使用されるRAM(図示略)、時刻情報やカレンダ情報を出力する(図示略)、磁気ディスクや光磁気ディスクから成る記憶装置(図示略)、後述する不正検出設定画面における設定対象台の選択受付けや補給種別の入力の受付け等を行うためのキーボードやマウス等の入力装置(図示略)、各情報テーブルのデータを表示出力するとともに、警告表示を行うための表示装置(図示略)や、各情報テーブルのデータを印刷出力するためのプリンタ(図示略)、各島端末206とのデータ通信を行う通信部(図示略)、が接続された通常のコンピュータである。
台端末205は、例えば4台のパチンコ遊技機2に対して1台の台端末205が配置され、該4台のパチンコ遊技機2並びにカードユニット203等から出力される各信号を1台の台端末205にて収集し、該収集した4台のパチンコ遊技機2に関する送信データを島端末206に送信するようになっている。
また、これら島端末206には最大で44台の台端末205が接続可能とされていて、1台の島端末206にて、44(収集ユニット)×4(各台端末205に接続可能なパチンコ遊技機2の台数)=176台のパチンコ遊技機2の情報を所定期間毎(本実施例では約10秒に1回)に収集してホールコンピュータ240に送信するようになっており、ハブ207には最大10台の島端末206が接続可能とされていて、システム全体の総合計として176×10=1760台のパチンコ遊技機2の情報を収集、管理できるようになっている。
台端末205には、パチンコ遊技機2から出力される大当り1信号、大当り2信号、スタート(始動)信号、球計数器826から出力されるアウト球計数信号、カードユニット203から出力される球貸信号や再プレイ信号が入力され、各信号の入力が検出されて信号検出に応じた出力が制御マイコン(MPU)に出力されるようになっている。
尚、RAM(図示略)に記憶されている遊技関連情報テーブルには、各パチンコ遊技機2毎に、当日の営業開始時からの貸出球数、再プレイ球数、賞球数、打込球数、始動回数、大当り回数、確変回数等の各データが集計されており、これらのデータがホールコンピュータ240に送信される。
本実施例の台端末205の制御マイコン(MPU)は、各パチンコ遊技機2から出力される大当り1信号、大当り2信号、スタート(始動)信号、賞球信号等の遊技関連情報の受信にもとづいて、各パチンコ遊技機2にて遊技が実施されているか否かを判定する。つまり、これら大当り1信号、大当り2信号、スタート(始動)信号、賞球信号等の遊技関連情報は、パチンコ遊技機2にて遊技が実施されている場合にのみパチンコ遊技機2から出力される情報であるため、制御マイコン(MPU)は、これらのうちいずれかの信号入力がある場合に遊技が実施されていると判定する。
また、遊技関連情報は、上記した大当り1信号、大当り2信号、スタート(始動)信号、賞球信号に限定されるものではなく、例えばパチンコ遊技機2に補給される補給球数信号や球貸信号や再プレイ信号等、遊技に間接的に関連する情報を含むようにしてもよい。
また、台端末205の制御マイコン(MPU)は、大当り1信号、大当り2信号、スタート(始動)信号、賞球信号等の遊技関連情報のいずれかを受信したとき、アウト球比較タイマをセットするとともに、その時点でのアウト球数を記憶した後、所定期間(例えば1分間)が経過するまでにアウト球数が所定の閾値以上変化するか否かを確認する。そして、変化がないと判定した場合、所定のパチンコ遊技機2にて遊技が行われているにも関わらず、アウト球が球計数器826にて計数されていない可能性がある、つまりアウト球が正常に受入部801に落下されていないとして、アウト球エラー信号を島端末206を介してホールコンピュータ140に出力するアウト球エラー処理を行う。
島端末206を介してアウト球エラー信号を受信したホールコンピュータ140は、アウト球エラー信号を出力した台端末205およびパチンコ遊技機2を特定し、特定したパチンコ遊技機2においてアウト球計の計数に何らかの不具合が生じている旨を報知する。
このように、パチンコ遊技機2における遊技の実施状況と、該パチンコ遊技機2にて遊技が実施されているときのアウト球数の計数状況とを監視することで、パチンコ遊技機2にて遊技が実施されているにも関わらず、パチンコ遊技機2から排出されたパチンコ球数が球計数器826にて計数されていない場合、つまり、図34に示すように受入部801が支持部802から外れるなどして、アウトタンク8がパチンコ球を正常に受入できない状況になったときにエラー報知が行われることで、アウト球の計数エラーが生じている可能性があることを早期に発見することができる。
以下、これら台端末205が実施する割込処理の内容について、図37のフローチャートに基づいて以下に説明する。
台端末の制御マイコン(MPU)は、各ポートへの信号入力を監視しており、遊技関連情報としての大当り1信号、大当り2信号、スタート(始動)信号のいずれかの入力があるか否かを判定し(ステップSW1)、入力があった場合には割込処理を実施する(ステップSW2)。次いで、入力された信号の種別を特定するとともに、(ステップSW3)、特定した種別の信号にもとづいてRAM(図示略)に記憶されている遊技関連情報テーブルを更新する(ステップSW4)。
そして、アウト球比較タイマが動作中であるか否かを確認し(ステップSW5)、動作中でなければ、アウト球比較タイマをセット(例えば1分)するとともに、その時点のアウト球数を記憶する(ステップSW6)。また、ステップSW5においてアウト球比較タイマが動作中である場合には、処理を終了する。
ステップSW1において、いずれかの信号の入力もない場合は、アウト球比較タイマがタイムアップしたか否かを確認し(ステップSV1)、タイムアップの場合には割込処理を実施する(ステップSV2)。次いで、既に記憶されているアウト球数とその時点のアウト球数とを比較し(ステップSV3)、予め定められた異常判定閾値(例えば3球)以上の変化があるか否かを判定する(ステップSV4)。具体的には、その時点のアウト球数から既に記憶されているアウト球数を減算した減算値が3以上であるか否かを判定する。
そして、変化があった場合、つまり減算値が3以上である場合、所定のパチンコ遊技機2にて遊技が行われているものと判定して、RAMに記憶されているアウト球数をクリアし(ステップSV5)、処理を終了する。
一方、変化がない場合、つまり減算値が3未満である場合、アウト球数異常が発生したと判定、すなわち、所定のパチンコ遊技機2にて遊技が行われているにも関わらず、アウト球が球計数器826にて計数されていない可能性があるとして(ステップSV6)、エラー信号を島端末206に出力した後(ステップSV7)、RAMに記憶されているアウト球数をクリアし(ステップSV5)、処理を終了する。
なお、異常判定閾値は任意に設定可能であるが、例えば最小賞球数以下としておくことが好ましく、このようにすることで、例えば、始動入賞にもとづいて最小数の賞球の払い出しが実施された後、アウト球比較タイマがタイマアップするまでに該賞球のみしか打ち込まれなかった場合でも、アウト球比較タイマの計数開始時のアウト球数とタイマアップ時のアウト球数との差球が閾値未満になることがないので、遊技が実施されているにも関わらずアウト球数エラー報知が実施されることを防止できる。
なお、本実施例では、台端末205、島端末206、ホールコンピュータ240にてアウト球数エラーが生じた旨を報知するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの報知を、例えば、台端末205から各パチンコ遊技機2に対応して設けられているカードユニット203に対してエラー信号を出力して報知を実施したり、或いは、各パチンコ遊技機2に対応して設けられている呼び出しランプを台端末205に接続し、該呼び出しランプにエラー信号を出力して報知を実施するようにしても良い。
また、実施例では、異常判定閾値をホールコンピュータ240において設定変更できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら異常判定閾値を設定変更できない、一律のものであっても良い。また、これら異常判定閾値の設定変更を、台端末205や島端末206において、実施するようにしても良い。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、支持部802が上下方向に伸縮可能に形成されていたが、伸縮不能であってもよい。また、取付ベース830に対して支持部802が左右方向に移動可能に形成されていたが、移動不能であってもよい。また、支持部802に対して受入部801が前後に移動可能に形成されていたが、移動不能であってもよい。また、受入部801が球受面積を前方に拡大可能に形成されていたが、拡大不能であってもよい。