以下、本発明にかかる実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において単に前側(前方)とは遊技機1の正面側のことであり、後側(後方)とは遊技機1の背面側のことであり、単に上側(上方)とは遊技機1の上側のことであり、単に下側(下方)とは遊技機1の下側のことである。
(遊技機の全体構成)
遊技機1の全体構成について簡単に説明する。遊技機1の骨格は周知の構成が適用できる。例えば、額縁形状の機枠に前面枠が回動自在に支持されてなる。前面枠には、前側から遊技盤90を視認可能とする透明な板が設けられている。
図1に示す遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、前面枠に着脱可能に取り付けられている。この遊技盤90には、発射装置から発射された遊技球をガイドする金属製の薄板からなる帯状のガイドレール91が略円弧形状となるように設けられており、このガイドレール91によって遊技領域の外郭の一部が形成されている。
遊技盤90の遊技領域(通常時に遊技球が進入可能な領域)には、表示装置92、始動入賞口931、大入賞口932、アウト口933などが設けられている。これに加えて、所定の条件を満たしたときに入球可能となる入球口80が設けられている。通常時には羽根部材801が入球口80を閉鎖しており、入球口80に遊技球が入球することはないが、所定の条件を満たしたときに羽根部材801が入球口80を開放し、遊技球が入球可能となる。
表示装置92は、例えば液晶表示装置が用いられ、表示装置92の表示画面(表示部)において特別図柄や普通図柄等が表示される。かかる表示装置92の表示画面は、遊技盤90に形成された開口を通じて視認可能である。
また、遊技盤90の遊技領域には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての図示しない遊技釘が複数設けられている。遊技領域を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
さらに、表示装置92の下方には、遊技の演出効果を高めるための回動体演出装置2が設けられている。本実施形態では、回動体演出装置2は、遊技領域との間が仕切られた所定位置に設けられている。入球口80に進入した遊技球以外の遊技球が回動体演出装置2が設けられた領域に進入することはない。すなわち、羽根部材801が入球口80を開放し、遊技領域に設けられた入賞口80に遊技球が入球しない限り、回動体演出装置2が設けられた領域に遊技球が進入することはない。かかる回動体演出装置2の構成の詳細については後述する。
図2に示すように、遊技機1の背面側には、センターベースユニット94に主制御基板941、サブ制御基板942、演出制御基板943、サブドライブ基板944等の各種制御基板(以下これらを一括りにして制御手段と称することもある)や、発射装置、球タンク、レール等が設けられている。
このような遊技機1では、発射ハンドルの操作により、発射装置から遊技領域に遊技球を発射し、遊技領域を流下する遊技球が、始動入賞口931や大入賞口932等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
(回動体演出装置の構成)
以下、遊技機1が備える回動体演出装置2の構成について、図1、図3〜図12を参照して説明する。回動体演出装置2は、遊技状態に応じて回動する回動体10と、この回動体10の下方に設けられるベース部材20と、このベース部材20に支持された落下防止部材30と、を備える。以下、各構成について詳細に説明する。
回動体10は、回動体演出装置2の最も上方に位置する円盤状に形成された部材であって、前方に向かって段々と低くなるように傾斜している。この回動体10には、複数(本実施形態では六つ)の球受部が形成されている(図6、図7参照)。球受部は、遊技球が通ることのできる大きさに形成された貫通孔である。各球受部は、回動体10の回動中心から略等距離、かつ、周方向において略等間隔に並ぶように形成されている。この球受部は、少なくとも一つ(本実施形態では五つ)の特定球受部11と、少なくとも一つ(本実施形態では一つ)の特別球受部12から構成される。遊技球が入球したときの恩恵は、特定球受部11よりも特別球受部12の方が大きく設定されている。本実施形態では、大当たり時(具体的には、高確率状態に突入する時や高確率状態が維持される時)に特別球受部12に遊技球が入球し、小当たり時(高確率状態に突入しない時や高確率状態が終了する時)には特定球受部11に遊技球が入球するように設定されている。本実施形態にかかる遊技機1では、これらの大当たりや特別遊技状態に突入するか否かは、予め制御手段(本実施形態では主制御基板941)による内部抽選によって決定されており、遊技球がどの球受部に入球するかによってその後の遊技展開が決定されるわけではない。つまり、回動体演出装置2は、遊技球がいずれかの球受部に入球することを利用して、遊技者にその後の遊技展開を報知する役割を果たすものであって、実際に当否抽選を行うものではない。
五つの特定球受部11のうちの四つは、孔の上側の開口縁が回動体10の上面に位置するように形成されている。また、五つの特定球受部11のうちの一つ(以下、この一つの特定球受部11を特定球受部11Xと、その他の四つの特定球受部11を特定球受部11Yと称することもある)と特別球受部12は、孔の上側の開口縁が回動体10の上面よりも窪んだ凹部である振分部14の底面に位置するように形成されている。振分部14は、回動体10の中央を通って回動体10を二分割するような直線状に形成されており、その一方側の端部に特別球受部12が、他方側の端部に特定球受部11Xが形成されている。したがって、振分部14内に入り込んだ遊技球は、特定球受部11Xおよび特別球受部12の一方に必ず入球することになる。
また、特別球受部12の外側(回動体10の径方向外側)の内面は、上側の開口から下側の開口にかけて段々と孔の大きさが小さくなるように傾斜している。つまり、特別球受部12の下側の開口径は、上側の開口径より小さい。この内径を狭める傾斜した部分(第一閉塞部121)の存在により、特別球受部12に遊技球が保持された状態において、当該遊技球を保持する特別球受部12が開状態とされた特定落下部211(後述)の真上に位置したときであっても、当該遊技球が特定落下部211から排出されることはない。
回動体10の後面には閉塞部材40が固定されている。閉塞部材40は、円の一部が切り欠かれた板状の部材である。閉塞部材40は、特定球受部11の下側の開口の一部を覆う(閉塞部材40は特定球受部11の一部と重なる)。以下、この特定球受部11の下側の開口の一部を覆う部分を第二閉塞部41と称する。一方、閉塞部材40に形成された上記切り欠きは特別球受部12の下側開口縁の形状に沿って形成されているため、特別球受部12は閉塞部材40に重なっていない。第二閉塞部41(閉塞部材40)の存在により、特定球受部11に遊技球が保持された状態において、当該遊技球を保持する特定球受部11が特別落下部212(後述)の真上に位置したときであっても、当該遊技球が特別落下部212から排出されることはない。なお、第二閉塞部41(閉塞部材40)は、本実施形態のように別部材によって構成されていてもよいし、回動体10に直接形成されていてもよい。特定球受部11の下側の開口を小さくすることで、特定落下部211に保持された遊技球が特別落下部212から排出されることがないようにするものであればよい。なお、第二閉塞部41は、本実施形態のように別部材で構成されていてもよいし、回動体10に直接形成されていてもよい。
また、回動体10の側壁216(外周)には、各特定球受部11の径方向外側に切欠部13が形成されている。なお、特別球受部12の径方向外側には、このような切欠部13は形成されていない。切欠部13は、側壁216の下端縁から所定高さの側方視凹形状の部分である。かかる切欠部13により、特定球受部11に入球した遊技球が特定落下部211(後述)から排出される際に通過する開口(空間)大きくなる(図5(c)参照)。
また、回動体10の下面中央には、軸部材50が固定されている。軸部材50は、その上側端部が回動体10に固定され、下側端部が回動体駆動部60(ステッピングモータ)に連結されている。なお、回動体10の下面中央と軸部材50の間には、上記閉塞部材40が介在されており、軸部材50と回動体駆動部60との間には、落下防止部材30やベース部材20が介在されている。軸部材50は、これらの部材の中央に形成された貫通孔を通じて、回動体10と回動体駆動部60を繋ぐ。これにより、回動体駆動部60を駆動させることによって回動体10が回動する。
ベース部材20は、回動体10を支持する丸い盆状の回動体支持部21を有する。周囲を囲む回動体支持部21の環状の側壁216は回動体10の外周よりもやや大きく形成されており、回動体10はこの側壁216の内側を回動する。この回動支持部の底面には、一部が扇形状に窪んでいる(以下当該部分を窪みHと称する)。この扇形の窪みHの径方向外側には、ベース部材20を貫通する貫通孔である特定落下部211が形成されている。この特定落下部211の大きさは、少なくとも遊技球が通ることのできる大きさに設定されている。また、回動体支持部21の中央(環状の側壁216の中央)には、前方に突出した落下防止部材支持軸214が形成されている。この落下防止部材支持軸214は、扇形の窪みH内における扇の中心寄りに位置する。また、窪みH内には、落下防止部材支持軸214に沿う円弧状の長孔であるガイド孔215が形成されている。さらに、窪みHの底面(非排出部213)には、円弧状の突起である誘導部23が形成されている。誘導部23は、回動体10の回動とともに遊技球がスムーズに転動するように遊技球をガイドする。
一方、窪みHの外側(窪みHが形成されていない部分)であって、特定落下部211の略反対側には、ベース部材20を貫通する貫通孔である特別落下部212が形成されている。この特定落下部211の大きさは、少なくとも遊技球が通ることのできる大きさに設定されている。このように、ベース部材20には遊技球が通過可能な特定落下部211や特別落下部212が形成されているが、これら排出部以外の遊技球を支持することが可能な部分全体を非排出部213とする。
ベース部材20における回動体支持部21の外側には、ベース部材20およびこれに取り付けられた各部材、すなわち回動体演出装置2全体を遊技機1の所定位置に取り付けるための被取付部22が設けられている。
落下防止部材30は、扇形の一部が切り欠かれたような形状の板状体である。扇形の中心側には、貫通孔である支持孔31が形成されている。この支持孔31がベース部材20の落下防止部材支持軸214が係合されることにより、落下防止部材30は回動自在にベース部材20に支持されている。詳しくは、落下防止部材支持軸214はベース部材20の窪みH内に設けられているから、この窪みHの内側が落下防止部材30の回動可能な範囲となる。つまり、落下防止部材30は、その一方側の側面が窪みHの一方側の側面に接触する位置(特定落下部211を閉状態とする位置)から、他方側の側面が窪みHの他方側の側面に接触する位置(特定落下部211を開状態とする位置)まで回動可能である。また、落下防止部材30の裏面には、下方に向かって突出する連繋軸32が形成されている。連繋軸32は、ベース部材20に形成されたガイド孔215に挿通されている。ガイド孔215に挿通されることによりベース部材20の裏面から突出した連繋軸32には、落下防止部材駆動部70の出力部72が係合される。本実施形態では、落下防止部材駆動部70の駆動源としてソレノイド71を用いており、このソレノイド71によって出力部72が進退動作する。連繋軸32は、出力軸の先端の二股状の部分の間に係合されている。出力部72が進退動作することにより、連繋軸32がガイド孔215に案内されつつ、落下防止部材30が回動する。
落下防止部材30の外側は大きく切り欠かれている。この切り欠かれた部分33の存在により、落下防止部材30が所定位置に位置する際に特定落下部211が開状態となる(詳細は後述の動作説明参照)。さらに、落下防止部材30の当該切り欠かれた部分33の縁、および、一方側の側縁の一部には、段々と落下防止部材30の厚みが小さくなるように滑らかに傾斜した傾斜部34が形成されている。かかる傾斜部34は、回動体10に保持された遊技球が転動する一部分を構成する。
(回動体演出装置に遊技球を導く構成)
次に、このような構成を備える回動体演出装置2まで遊技球を導く構成について、図1、図3、図4、図13〜図22を参照して説明する。
上述したように、遊技領域には、回動体演出装置2を用いた演出を実行することが決定された場合に、羽根部材801が動作し開放される入球口80が設けられている。
入球口80から入球した遊技球は、表示装置92の左に配置された第一連絡通路81内を通って下方に落下する。この第一連絡通路81の出口は、表示装置92の左下に配置された第二連絡通路82の入口に繋がっている。第一連絡通路81の出口から出た遊技球は、第二連絡通路82内に入り込む。第二連絡通路82は、途中で第三連絡通路83に繋がる通路と、アウト口933に繋がる通路822(排出通路)に分岐する。分岐地点と第三通路への排出口との間(以下当該部分を貯留部821と称する)には、所定数の遊技球(本実施形態では三個)しか貯留できないようになっている。したがって、貯留部821に所定数の遊技球が貯留された後から分岐地点まで流下した遊技球は、アウト口933へ繋がる通路822から排出される。
貯留部821に貯留された遊技球は、第二連絡通路82の排出口の手前に設けられた図示されないシャッターの開閉操作により、一つずつ第三連絡通路83内に送り込まれる。
第三連絡通路83(本発明における可動部材に相当する)は、左右に各一つ、計二つの出口(以下、左側の出口を第一出口831と、右側の出口を第二出口832と称する)が設けられた幅方向に延びる筒状の通路である。この第三連絡通路83内の遊技球が保持される空間が、本発明における保持領域83aに相当する。第三連絡通路83は、図示されない駆動部によって左右に傾動可能である。第三連絡通路83が左に傾いた状態(第一出口831側を下げて第二出口832側を上げた状態)となると、遊技球は第一出口831側に転動する(図21参照)。第三連絡通路83が右に傾いた状態(第二出口832側を下げて第一出口831側を上げた状態)となると、遊技球は第二出口832側に転動する(図22参照)。
第一出口831および第二出口832の手前には、開閉部材が設けられている(以下、この開閉部材を区別して第一出口831の手前に設けられた開閉部材を第一開閉部材831aと称し、第二出口832の手前に設けられた開閉部材を第二開閉部材832aと称することもある)。各出口には、一つの遊技球が位置することのできるスペースが設けられている。
図17および図19に示すように、第三連絡通路83が左に傾いた状態で第一開閉部材831aを開状態とすると、遊技球は第一出口831に進入する。しかし、第一出口831の手前側には、詳細を後述する第一ルート84の一部を構成する第一筒状体842が設けられている。第一出口831(の前側)は、第三連絡通路83が左に傾いた状態にあるとき、第一筒状体842(第一筒状体842の後壁842a;図16参照)に覆われる。したがって、第三連絡通路83が左に傾いた状態にあるとき、第一出口831に位置する遊技球が第一筒状体842に進入することはない(図19(b))。
遊技球が第一出口831に位置している状態で、第一開閉部材831aを閉状態とすると、遊技球は保持領域83aに戻ることなく、そのまま第一出口831に保持される(図19(c))。この状態で、第三連絡通路83を右に傾けると、第三連絡通路83の左側端部に位置する第一出口831が上方に移動する。すると、第一出口831(の前側)が、第一筒状体842(第一筒状体842の後壁842a)に覆われた状態が解消され、第一出口831の前側が開放した状態となる。このような状態となることにより、第一出口831に位置していた遊技球が第一筒状体842(第一ルート84)に送られる(図17、図19(d))。
一方、図18および図20に示すように、第三連絡通路83が右に傾いた状態で第二開閉部材832aを開状態とすると、遊技球は第二出口832に進入する。しかし、第二出口832の手前側には、詳細を後述する第二ルート85の一部を構成する第二筒状体852が設けられている。第二出口832(の前側)は、第三連絡通路83が右に傾いた状態にあるとき、第二筒状体852(第二筒状体852の後壁852a;図16参照)に覆われる。したがって、第三連絡通路83が右に傾いた状態にあるとき、第二出口832に位置する遊技球が第二筒状体852に進入することはない(図20(b))。
遊技球が第二出口832に位置している状態で、第二開閉部材832aを閉状態とすると、遊技球は保持領域83aに戻ることなく、そのまま第二出口832に保持される(図20(c))。この状態で、第三連絡通路83を左に傾けると、第三連絡通路83の右側端部に位置する第二出口832が上方に移動する。すると、第二出口832(の前側)が、第二筒状体852(第二筒状体852の後壁852a)に覆われた状態が解消され、第二出口832の前側が開放した状態となる。このような状態となることにより、第二出口832に位置していた遊技球が第二筒状体852(第二ルート85)に送られる(図18、図20(d))。
このように、本実施形態では、第三連絡通路83内の保持領域83aに保持された遊技球を第一出口831から第一ルート84に送る場合には、1)第一出口831側を下げるとともに第一開閉部材831aを開状態とする、2)第一開閉部材831aを閉状態とし、第一出口831に進入した遊技球が保持領域83aに戻らないように保持された状態とする、3)第三連絡通路83を右に傾け、第一出口831に位置する遊技球を第一筒状体842に送る、の順で操作する。一方、遊技球を第二出口832から第二ルート85に送る場合には、1)第二出口832側を下げるとともに第二開閉部材832aを開状態とする、2)第二開閉部材832aを閉状態とし、第二出口832に進入した遊技球が保持領域83aに戻らないように保持された状態とする、3)第三連絡通路83を左に傾け、第二出口832に位置する遊技球を第二筒状体852に送る、の順で操作する。
なお、第三連絡通路83内の保持領域83aに保持された遊技球を誘導路に送る構成は、このようなものに限られない。例えば、図21および図22に示すように、遊技球を遊技球を排出しようとする出口側を下げた状態で、当該出口の手前に設けられた開閉部材を開状態とする構成としてもよい。すなわち、第一ルート84を用いて遊技球を誘導する場合には、図21に示すように第一出口831側を下げた状態で第一開閉部材831aを開状態とし、第二ルート85を用いて遊技球を誘導する場合には、図22に示すように第二出口832側を下げた状態で第二開閉部材832aを開状態とすればよい。
ただし、図17〜図20に示した構成を採用すれば、相対的に高い位置に位置する出口から保持領域83a内の遊技球が所定のルートに送られることになる。つまり、各部材の配置スペースを確保するため、第三連絡通路83を比較的低い位置に配置させたときであっても、遊技球を所定のルートに送る方の出口を高い位置に位置させることが可能となる。どちらのルートが選択されるかは、以下で説明するように今後の遊技展開を左右するものであり遊技者の関心が高い。そのため、遊技球を所定のルートに送る方の出口を高く位置させることにより、遊技の興趣を高めることが可能となる。
図17に示すように、第三連絡通路83の第一出口831から送球された遊技球は、誘導路の一つである第一ルート84を通って転動していき、第一排出口841から回動体10(回動体演出装置2)に向かって落下する。第一排出口841は、回動体10における特定球受部11や特別球受部12が形成された径方向位置の真上に位置する。したがって、第一排出口841から落下した遊技球は、特定球受部11および特別球受部12(全ての球受部)のいずれかに入球する可能性がある。すなわち、本実施形態において、遊技球が第一ルート84を通る場合の特別球受部12に入球する見かけ上の確率は1/6である。
一方、図18に示すように、第三連絡通路83の第二出口832から送球された遊技球は、誘導路の一つである第二ルート85を通って転動してゆき、第二排出口851から回動体10(回動体演出装置2)に向かって落下する。第二排出口851は、回動体10の中央の略真上に位置するため、第二排出口851から落下した遊技球は、回動体10に形成された振分部14の中央に落下する。したがって、第二排出口851から落下した遊技球は、特定球受部11Xおよび特別球受部12の一方に必ず入球する。すなわち、本実施形態において、遊技球が第二ルート85を通る場合の特別球受部12に入球する見かけ上の確率は1/2である。
上述したように、本実施形態の回動体演出装置2は、あくまで遊技球がいずれかの球受部に入球することを利用して、遊技者にその後の遊技展開を報知する役割を果たすものであって、実際の当否抽選を行うものではない。したがって、制御手段が行った当否抽選の結果に応じて、所定の球受部に入球させることを自在に設定することが可能である(以下、この遊技球を入球させようとする球受部を目標球受部と称する)。
(目標球受部に遊技球を入球させる制御例)
本実施形態では、目標球受部に遊技球を入球させるため、以下のような制御(第一制御例または第二制御例)を行う。なお、以下の説明において、「時間」とは時の流れにおける二点間の長さのことをいう。一方、「時点(時刻)」とは時の流れにおけるある点(一瞬)のことをいう。つまり、「時間」は所定の幅のある概念をいい、「時点(時刻)」とは幅のない概念のことをいう。
まず、第一制御例について説明する。当否抽選を行った制御手段は、その結果に応じて目標球受部を設定する。また、後述する「動作パターンの設定」で説明するように、目標球受部を設定すると同時に、その第一ルート84を経由させて目標球受部に遊技球を入球させるか、第二ルート85を経由させて目標球受部に遊技球を入球させるかも設定する。まず、第一ルート84を経由させて遊技球を目標球受部に誘導する制御について説明する。第一ルート84を経由させる場合には、第一排出口841を通じて目標球受部に直接(振分部14を経由しないで)遊技球を入球させることになる。
なお、本実施形態では、一の遊技球を用いて行う演出(一の演出)内において、ある球受部が第一排出口841の直下に位置した状態から、それに隣接する球受部が第一排出口841の直下に位置する状態になるまでの時間が一定となるように回動体10が回動するように設定されている。ただし、これはあくまで一の演出内においてであり、他の遊技球を用いて行う演出時に、当該時間が異なるように設定されてもよい。つまり、一の演出内において上記時間が変化するものでなければ、回動体10をどのように動作させてもよい。本実施形態の回動体10の回動の態様については後述する(「動作パターンの設定」参照)。
当否抽選が「小当たり」である場合には、貯留部821に貯留された遊技球(本実施形態では三つの遊技球)の全てを特定球受部11に入球させなければならない。そのため、これら三つの遊技球を用いた演出を実行する全ての場合において、特定球受部11のいずれかが目標球受部として設定される。当否抽選が「大当たり」である場合には、貯留部821に貯留された三つの遊技球のいずれかを特別球受部12に入球させる。すなわち、いずれかの遊技球を用いた演出を実行する場合において、特別球受部12が目標球受部として設定され、それ以外の遊技球を用いた演出を実行する場合には、特定球受部11が目標球受部として設定される。
目標球受部を設定した制御手段は、所定の位置にある目標球受部が遊技球を受け入れ可能な位置に回動するまでに要する予め設定された時間Aを取得する。具体的には、目標球受部が所定の位置から第一排出口841の直下に移動するまでの時間を取得する。ここで「予め設定された時間A」とは、どの演出時においても時間Aが同じであるという意味ではない。ある所定の位置にある目標球受部が遊技球を受け入れ可能な位置に回動するまでの時間は、回動体10の回動の態様が変われば変化する。つまり、複数種の回動体10の回動の態様に対応して複数種の時間Aが予め設定されている、という意味である。このように、本実施形態では、回動体10が回動する態様に合わせて複数の種類の時間Aが設定されており、これらの時間Aが遊技機1のROM等に記憶されている。
続いて、第一開閉部材831aが開状態となってから、第三連絡通路83の保持領域83a内の遊技球が第一出口831から第一ルート84に送られて第一排出口841を通じて目標球受部まで誘導される予め設定された時間Bを得る。この時間Bは誘導路の距離に合わせて複数の種類が設定されている。本実施形態では、誘導路として第一ルート84および第二ルート85が設定されているため、遊技球が誘導路を転動する時間として「第一ルート84の距離に合わせた時間」と「第二ルート85の距離に合わせた時間」の二つが、時間Bとして設定されている。なお、誘導路の距離が変化する場合には、その変化する各態様の誘導路の距離に対応した時間Bを予め設定する必要がある。当該複数種の時間Bも遊技機1のROM等に記憶されている。
選択された回動体10の態様に対応した時間Aを取得するとともに第一ルート84に対応した時間Bを取得し、この時間Aと時間Bとを演算した時間に基づいた時間を開放時間として設定する。所定の位置にある目標球受部が回動し始めたときから、この開放時間が経過したときに第一開閉部材831aを開状態とすると、保持領域83a内から送られた遊技球が第一ルート84を経由し、第一排出口841を通じて目標球受部に入球することになる。
上記時間Aと時間Bから得られる開放時間は次のように設定する。まず、時間Aから時間Bを減算する。この減算して得られた時間が正数(プラス)である場合には、所定の位置から「A−B」時間経過した時点での目標球受部が、受け入れ可能な位置に回動するまでに要する時間は、第三連絡通路83の保持領域83a内の遊技球が第一出口831から第一ルート84に送られて第一排出口841を通じて目標球受部まで誘導される時間Bとが一致するということであるから、時間Aから時間Bを減算した時間をそのまま開放時間として設定する。
一方、時間Aから時間Bを減算し、この減算して得られた時間が負数(マイナス)である場合には、所定の位置に位置する目標球受部が一回目に受け入れ可能な位置まで到達する時間Aが、第三連絡通路83の保持領域83a内の遊技球が第一出口831から第一ルート84に送られて第一排出口841を通じて目標球受部まで誘導される時間Bよりも短いということであるから、所定の位置に位置する目標球受部が二回目に受け入れ可能な位置まで到達したとき、すなわち目標球受部が受け入れ可能な位置まで到達した後、再度受け入れ可能な位置に到達したときに、遊技球が第一排出口841を通じて排出されるようにする。したがって、「A−B」時間に回動体10が一回転するのに要する時間Cを加算して得られる、「A−B+C」時間を開放時間として設定する。
かかる制御の具体例を図17を参照して説明する。目標球受部が特別球受部12に設定された場合において、目標球受部の所定の位置が図示する0度の位置であるとする。そして、第一排出口841が図示する300度の位置に位置するとし、回動体10が図17における右方向に回動して目標球受部が0度の位置から遊技球を受け入れ可能な位置である300度の位置まで回動するのに要する時間Aが5秒とする。また、第三連絡通路83の保持領域83a内の遊技球が第一出口831から第一ルート84に送られて第一排出口841を通じて目標球受部まで誘導される時間Bが3秒だとする。この場合では、所定の位置に位置する目標球受部が回動し始めてから時間A(5秒)−時間B(3秒)=2秒が開放時間として設定され、目標球受部が所定の位置から回動し始めて2秒が経過したときに第一開閉部材831aが開状態とされる。
一方、目標球受部の所定の位置が図示する0度の位置であるとする場合において、回動体10が図17における左方向に回動して目標球受部が0度の位置から遊技球を受け入れ可能な位置である300度の位置まで回動するのに要する時間Aは1秒となる。そうすると、減算して得られる時間は、時間A(1秒)−時間B(3秒)=−2秒であり、負数になる。この場合は、減算して得られた時間に目標球受部が300度の位置に到達してからさらに一回転する時間C(6秒)を加えて得られた時間A(1秒)−時間B(3秒)+時間C(6秒)=4秒が開放時間として設定され、目標球受部が所定の位置から回動し始めて4秒が経過したときに第一開閉部材831aが開状態とされる。
このように開放時間を設定することで、第一ルート84を経由させて遊技球を目標球受部に入球させることができる。
一方、第二ルート85を経由させる場合には、第二排出口851を通じて振分部14から目標球受部(特定球受部11Xまたは特別球受部12)に遊技球を入球させることになる。つまり、第二排出口851から振分部14の中央に遊技球を落下させることになるが、回動体10は前方に向かって段々と低くなるように傾斜しているため、特定球受部11Xが回動体10の下方側に位置する状態で遊技球を振分部14に落下させれば特定球受部11Xに遊技球を入球させることができ、特別球受部12が下方側に位置する状態で遊技球を振分部14に落下させれば特別球受部12に遊技球を入球させることができる。すなわち、振分部14に遊技球を落下させたときに下方に位置する方の球受部に向かって重力により遊技球を転動させ、当該球受部に遊技球を入球させる。
したがって、第二ルート85を経由させる場合には、「遊技球を受け入れ可能な目標球受部の位置」は、当該目標球受部が回動体10の下方側(図18に示す90度〜270度の間)に位置していれば、どの位置であってもよい、ということになる。そうすると、取得した目標球受部の所定の位置から目標球受部が遊技球を受け入れ可能な位置に回動するまでに要する時間は、厳密には一定の幅のあるものということになる。つまり、「遊技球を受け入れ可能な目標球受部の位置」は、上記の条件を満たす範囲内であれば演出毎に変化させてもよいし、図18に示す90度〜270度の間の特定の位置(例えば図18に示す180度の位置)を「目標球受部が遊技球を受け入れ可能な位置」として設定してもよい。このようにして設定される「目標球受部が遊技球を受け入れ可能な位置」に基づき予め設定された時間Aを取得し(第二ルート85を経由させる場合も回動体10の回動の態様に合わせて複数種の時間Aが設定されているため、選択された回動の態様に対応した一つの時間Aを取得する)、第二ルート85の距離に合わせて予め設定された時間Bを取得した上で、上記第一ルート84を経由させる場合と同様の制御(演算)を行えば、目標球受部に遊技球を入球させることができる。
次に第二制御例について説明する。制御手段は、六つの球受部のいずれかに目標球受部を設定する。そして、目標球受部が、排出口を通じて排出される遊技球を受け入れ可能な位置に到達する予測時点(時刻)を得る。具体的には、第一ルート84を経由して第一排出口841を通じて直接遊技球を目標球受部に入球させる場合には、第一排出口841の直下に目標球受部が到達する時点Xを得る。この時点Xは、上記第一制御例の時間Aと同様に、複数種の回動体10の回動の態様に対応して複数種の時点が予め設定され、ROM等に記憶されているものである。
その後、時点Xから時間B分遡った時点を開放時点として設定する。なお、この時間Bは、上記第一制御例で説明した時間Bと同様である。すなわち、この場合は、第一開閉部材831aが開状態となってから、第三連絡通路83の保持領域83a内の遊技球が第一出口831から第一ルート84に送られて第一排出口841を通じて目標球受部まで誘導される時間である。そして、設定された開放時点となったときに、第一開閉部材831aを開状態とする。開放時点で第一開閉部材831aを開状態とすれば、保持領域83a内の遊技球が目標球受部まで誘導される時間と、第一開閉部材831aを開状態としたときにある特定の位置に位置する目標球受部が、遊技球を受け入れ可能な位置まで回動する時間が一致するから、誘導された遊技球は目標球受部に入球する。
かかる制御の具体例を図17を参照して説明する。目標球受部が特別球受部12に設定された場合において、この目標球受部が遊技球を受け入れ可能な位置である300度の位置に到達する予測時点(時刻)XがS(T),S+6秒(T),S+12秒(T)・・・(Sは基準時点、回動体10が一回転するのに要する時間Cは6秒)であるとする。この場合、時点Xから時間B(3秒)遡った時点である、S+3秒(T),S+9秒(T),S+15秒(T)・・・が開放時点として設定される。そして、いずれかの開放時点となったときに第一開閉部材831aが開状態とされる。第一開閉部材831aが開状態とされる開放時点は、どの開放時点であってもよい。現在の時点(時刻)から最も近い開放時点において第一開閉部材831aを開状態としてもよいし、最も近い開放時点では開放せずに、二度目以降の開放時点で第一開閉部材831aを開状態としてもよい。
一方、第二ルート85を経由させる場合には、上述したように、第二排出口851を通じて振分部14から目標球受部に遊技球を入球させることになるため、「目標球受部が遊技球を受け入れ可能な位置」に位置する時点とは、厳密には一定の幅のあるものということになる。つまり、第一制御例の場合と同様に、「遊技球を受け入れ可能な目標球受部の位置」は、上記の条件を満たす範囲内であれば演出毎に変化させてもよいし、図18に示す90度〜270度の間の特定の位置(例えば図18に示す180度の位置)を「目標球受部が遊技球を受け入れ可能な位置」として設定してもよい。このようにして設定される「目標球受部が遊技球を受け入れ可能な位置」に基づき、時点Xを算出した上で、上記第一ルート84を経由させる場合と同様の制御を行えば、目標球受部に遊技球を入球させることができる。
ここで、本実施形態では、保持領域83a内から送られた遊技球が第一ルート84を経由して第一排出口841まで転動する時間は、保持領域83a内から送られた遊技球が第二ルート85を経由して第二排出口851まで転動する時間よりも短くなるように設定されている。直接目標球受部に遊技球を誘導させる第一ルート84が選択された場合の時間Bの誤差を小さくする(第一ルート84が選択された演出毎に時間Bが大きく変化しないようにする)ためである。かかる構成の一例としては、図16(a)に示すように、第一ルート84の距離D1が、第二ルート85の距離D2よりも短く設定された構成が挙げられる。また、第一ルート84を経由する場合に比べ、第二ルート85を経由した場合の方が見かけ上遊技球が特別球受部12に入球する確率が高いため、第二ルート85の距離D2を第一ルート84の距離D1よりも長く設定しておくことで、遊技者に回動体演出装置2による演出の興味をより持たせることが可能となる。
(回動体演出装置の遊技球保持機能)
上記回動体演出装置2の遊技球保持機能について、一部上記説明と重複するが以下説明する。
回動体演出装置2による演出が行われることが決定した後、回動体駆動部60であるステッピングモータは、回動体10を回動させる(回動の態様については後述)。回動体10を回動させた後、後述する動作パターンの選択により選択された目標球受部に一球目の遊技球を入球させる。複数の球受部の一つである目標球受部に遊技球を入球させる制御は上述した通りである。
例えば、一球目の遊技球を入球させる目標球受部が、特定球受部11のいずれかに設定されたとする。この一球目の遊技球が入球する前に、落下防止部材駆動部70は出力部72を前進させ、特定落下部211を閉状態とする位置に落下防止部材30を位置させる。このように特定落下部211が閉状態となっていれば、特定球受部11に一球目の遊技球が保持された状態で回動体10が回動し、当該遊技球を保持する特定球受部11が特定落下部211の真上に位置したとしても、特定落下部211から遊技球が排出されることはない(図9参照)。また、当該遊技球を保持する特定球受部11が特別落下部212の真上に位置したとしても、特定球受部11には第二閉塞部41が形成されているため、特定球受部11の下側の開口と特別落下部212の境界には遊技球が通過することのできる空間(孔)が存在しない。したがって、当該遊技球を保持する特定球受部11が特別落下部212の真上に位置した状態であっても、当該遊技球が特別落下部212から排出されることはない(図12参照)。
このように、特定落下部211を閉状態とする位置に落下防止部材30を位置させておけば、特定球受部11に保持された遊技球が排出部(特定落下部211および特別落下部212)から排出されることはないから、当該一の特定球受部11に遊技球が保持された状態で、回動体10は回動し続ける。
続いて、二球目の遊技球が回動体10に向けて送り込まれる。このとき、既に一の特定球受部11には遊技球が保持されているから、遊技球が受け入れ可能な球受部は、残り四つの特定球受部11か一つの特別球受部12である。ゆえに、この時点で遊技球が特別球受部12に入球する見かけ上の確率は、第一ルート84が選択された場合(最低)でも1/5ということになる。そうすると、遊技者は、一球目の遊技球が一の特定球受部11Yに入球したことによって、大当たりの可能性が高まった印象を受けることになる。
続いて、三球目の遊技球が回動体10に向けて送り込まれる。二球目の遊技球の目標球受部が四つの特定球受部11のいずれかに設定され、当該目標球受部に遊技球を入球させた場合には、三球目の遊技球が送り込まれる時点で既に二の特定球受部11には遊技球が保持されているから、遊技球が受け入れ可能な球受部は、残り三つの特定球受部11か一つの特別球受部12である。ゆえに、この時点で遊技球が特別球受部12に入球する見かけ上の確率は、第一ルート84が選択された場合(最低)でも1/4ということになる。そうすると、遊技者は、一球目に続いて二球目の遊技球が特定球受部11に入球したことによって、さらに大当たりの可能性が高まった印象を受けることになる。
このように、回動演出装置2では、特定球受部11のいずれかに目標球受部が設定され、この目標球受部に遊技球が入球した場合、そのまま目標球受部に遊技球を保持させて(遊技球を排出せずに)回動体10を回動させ続ける。特定球受部11に保持された遊技球を特定落下部211から排出するときには、落下防止部材30を開状態として回動体10を少なくとも一回転させればよい(図10参照)。
なお、後述するように、制御手段が行った実際の当否抽選が「大当たり」である場合には、三球の遊技球のうちいずれかが特別球受部12に入球する(目標球受部が特別球受部12に設定される)ことになる。特別球受部12に入球した遊技球は、特別球受部12が特別落下部212の直上に位置したときに特別落下部212から排出される(図11(b)参照)。特別球受部12には、第一閉塞部121が形成されているため、特別球受部12に入球した遊技球が特定落下部211から排出されることはない(図11(a)参照)
(内部抽選)
次に、制御手段が行う内部抽選について簡単に説明する。本実施形態では始動入賞口931への遊技球の入賞に起因した抽選結果は、「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」のいずれかである。かかる内部抽選は、主制御基板941が図23に示す当否判定処理フローに沿って行う。始動入賞口931に遊技球が入賞したとき(S1−1)、大当たり乱数値を取得する(S1−2)。大当たり乱数値は、大当たり乱数用カウンタによって生成される大当たり判定用の乱数である。本実施形態では‘0’〜‘629’の大当たり乱数値が設けられ、遊技機1の電源投入時‘0’から始まって乱数更新処理ごとに1加算され、‘629’に至ると次には‘0’にされて再び上記加算を繰り返す。
次に高確率状態(確率変動状態)中か否かが判定される(S1−3)。高確率状態でない場合、すなわち低確率状態中である場合、本実施形態では、‘3’,‘397’の2個が当たり成立数値として設定されており、取得された大当たり乱数値がこのいずれかと一致すれば当否判定結果が「大当たり」となる(S1−4)。つまり低確率状態時の大当たり確率は2/630である。この場合、主制御基板941は、大当たり信号を設定し(S1−5)、この大当たり信号をサブ制御基板942(抽選手段)に送る(S1−14)。
低確率状態中で取得された大当たり乱数値が‘10’,‘100’の場合には、当否判定結果が「小当たり」となる(S1−6)。つまり低確率状態時の小当たり確率は2/630である。この場合、主制御基板941は小当たり信号を設定し(S1−7)、この小当たり信号をサブ制御基板942(抽選手段)に送る(S1−14)。
低確率状態中で取得された大当たり乱数値が、上記低確率状態中における「大当たり」および「小当たり」に対応する乱数値のいずれでもない場合には、当否判定結果が「はずれ」となる。この場合、主制御基板941ははずれ信号を設定し(S1−8)、このはずれ信号をサブ制御基板942に送る(S1−14)。
一方、上記S1−3において高確率状態中と判定された場合には、取得された大当たり乱数値が、‘3’,‘33’,‘53’,‘59’,‘113’,‘173’,‘227’,‘281’,‘337’,‘397’,‘449’,‘503’のいずれかと一致すれば当否判定結果が「大当たり」となる(S1−9)。つまり高確率状態時の大当たり確率は12/630である。この場合、主制御基板941は、大当たり信号を設定し(S1−10)、この大当たり信号をサブ制御基板942(抽選手段)に送る(S1−14)。
高確率状態中で取得された大当たり乱数値が‘10’,‘100’の場合には、当否判定結果が「小当たり」となる(S1−11)。つまり高確率状態時の小当たり確率は2/630である。この場合、主制御基板941は小当たり信号を設定し(S1−12)、この小当たり信号をサブ制御基板942(抽選手段)に送る(S1−14)。
高確率状態中で取得された大当たり乱数値が、上記高確率状態中における「大当たり」および「小当たり」に対応する乱数値のいずれでもない場合には、当否判定結果が「はずれ」となる。この場合、主制御基板941ははずれ信号を設定し(S1−13)、このはずれ信号をサブ制御基板942に送る(S1−14)。
このように、主制御基板941は、「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」のいずれかの信号を当否判定結果として、サブ制御基板942に送る。サブ制御基板942は、この得られた当否判定結果を基に、どのような演出を行うかを決定する。なお、上記大当たり確率、小当たり確率や、大当たりとなる乱数値、小当たりとなる乱数値等はあくまで一例である。
(動作パターンの設定)
主制御基板941から上記「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」のいずれかの信号を受け取ったサブ制御基板942は、この信号に基づいて実施する演出を選択・決定する。例えば、所定のリーチ演出を経て、所定の遊技球が始動入賞口931に入賞したことに起因する抽選結果を表示装置92等を用いて遊技者に報知する。
ここで、サブ制御基板942が受け取った信号が、大当たり信号の一部(回動体演出装置2を用いた演出を行う大当たり信号)および小当たり信号の場合には、抽選結果が「大当たり」であるか「小当たり」であるかをすぐに遊技者に報知せず(どちらであるか遊技者に分かりにくいようにして)、回動体演出装置2を用いてその結果を報知する。
具体的には以下の通りである。大当たり信号の一部および小当たり信号を受け取ったサブ制御基板942の動作パターン抽選手段(本発明における抽選手段に相当する)は、図24に示す回動体演出設定フローに基づき、回動体演出装置2を用いた動作パターン(演出パターン)を設定する。本実施形態では、回動体演出装置2を用いた演出のパターンとして、複数の動作パターン(動作パターン群)が記憶されている。各動作パターンは、遊技球が誘導される誘導路の種類、回動体10が回動する態様(以下、単に回動態様と称することもある)、遊技球が誘導される目標球受部の種類、といった複数の動作データの組み合わせによって構成される。
誘導路の種類としては、上述したように第一ルート84および第二ルート85がある。回動体10の回動態様としては、一定速度で右回転する態様、一定速度で左回転する態様、コマ送りで右回転する態様、がある。加えて、「大当たり」である場合のみ実行されうる態様として、第一排出口841の真下に特別球受部12が位置した段階で、そのまま遊技球が特別球受部12に入球するまで回動が停止する態様(特別球受部12が遊技球が落下するのを待ち受ける態様)がある。なお、コマ送りとは、ある球受部が第一排出口841の直下に位置してから一旦回動を停止させ、再度回動し始めて当該ある球受部に隣接する球受部が第一排出口841の直下に位置してから再度回動が停止するような動作のことである。この場合、停止する時間および再度回動し始めてから停止するまでの時間は一定である(コマ送りの間隔は一定である)。また、遊技球が特別球受部12に入球するまで回動が停止する態様が選択された場合は、上記時間Aから時間Bを減算して得られた時間に基づく制御は実行されない。回動が停止した時点で、第三連絡通路83の保持領域83a内の遊技球を第一ルート84に送り、第一ルート84を経由させて遊技球を目標球受部である特別球受部12に誘導する構成とすればよい。目標球受部の種類としては、上述したように五つの特定球受部11(第一特定球受部〜第五特定球受部)と、特別球受部12がある。これらを適宜組み合わせて、複数の動作パターンが設定されている。本実施形態では、図25に示すような三十種類(No.1〜30)の動作パターンが設定されている。
動作パターン抽選手段は、主制御基板941から受け取った信号が大当たり信号か小当たり信号かを区別する(S2−1)。大当たり信号である場合には、その大当たり信号が、回動体演出装置2を用いた演出を行う大当たりか否かを判別する(S2−2)。主制御基板941によって回動体演出装置2を用いた演出を行うという大当たり信号であれば、羽根部材801を開状態とし、入球口80を開放する。一方、回動体演出装置2を用いた演出を行わない大当たり信号であれば、大入賞口932を開放する(S2−13)。大入賞口932が開放する大当たりは、遊技者が多くの遊技球を獲得することができる周知一般の遊技の構成が適用できるから説明を省略する。例えば、低確率状態の遊技において、上記S1−2において取得された大当たり乱数値が‘3’の場合は、大入賞口932が開放する大当たりが行われるように設定され、‘397’の場合は、回動体演出装置2を用いた演出が行われるように設定される。
回動体演出装置2を用いた演出を行うという大当たり信号であった場合には、それに基づく動作パターンの抽選・設定を行う。この抽選(選択)は、一球目〜三球目の各遊技球を用いて行う動作パターンについて同時に行う。なお、ここでいう同時とは、演出に使用される全て遊技球の動作パターン(二球目以降の遊技球を用いた演出が実行されない場合も含む)を決定した後に、一球目の遊技球を用いた演出を開始する、という意味である。
まず、一球目の遊技球を用いて行う動作パターンとして、図25のNo.1〜30の動作パターン、すなわち全ての動作パターンのうちから一つを選択する(S2−3)。このとき選択された動作パターンが、No.1,7,9,15,17,23,25〜30の場合、目標球受部が特別球受部12に設定され、一球目の遊技球が特別球受部12に入球することによって大当たりが報知されるということである。この場合、二球目、三球目の遊技球を用いる演出は実行されないということが決定され、選択された動作パターン(一球目の遊技球を用いて行う動作パターンのみ)を今回の動作パターンとして設定する(S2−14)。そして、演出に用いなかった二球目、三球目の遊技球は、貯留部821に保持されたままで、次回の演出に利用されることになる。
一球目の遊技球を用いて行う動作パターンが、No.1,7,9,15,17,23,25〜30以外の動作パターンの場合、一球目の遊技球は特別球受部12に入球せず、特定球受部11に入球するということであるから、二球目を用いて行う動作パターンを選択する。上述したように、本実施形態にかかる回動体演出装置2では、遊技球が入球した球受部にそのままに遊技球を保持させて(遊技球を排出せずに)回動体10を回動させ続ける。したがって、二球目の遊技球は、一球目の遊技球が入球する特定球受部11以外の球受部に入球させる必要がある。そのため、二球目の遊技球を用いて行う動作パターンの選択では、一球目の遊技球が入球する特定球受部11以外の球受部が目標球受部として設定される動作パターンのうちから一つ選択される(S2−5)。二球目の遊技球を用いて行う動作パターンとして、No.1,7,9,15,17,23,25〜30のうちの一つの動作パターンが選択された場合(S2−6「Yes」)、目標球受部が特別球受部12に設定され、二球目の遊技球が特別球受部12に入球することによって大当たりが報知されるということである。この場合、三球目の遊技球を用いる演出は実行されないということが決定される。したがって、S2−3で選択された一球目の遊技球を用いて行う動作パターンと、S2−5で選択された二球目の遊技球を用いて行う動作パターンが選択された動作パターンとを、今回の動作パターンとして設定する(S2−14)。そして、演出に用いなかった三球目の遊技球は、貯留部821に保持されたままで、次回の演出に利用されることになる。
二球目の遊技球を用いて行う動作パターンが、No.1,7,9,15,17,23,25〜30以外の動作パターンの場合(S2−6「No」)、二球目の遊技球は特別球受部12に入球せず、特定球受部11に入球するということであるから、三球目の遊技球を用いて行う動作パターンはNo.1,7,9,15,17,23,25〜30の動作パターンのうちから一つ選択する(S2−7)。すなわち、一球目および二球目の遊技球は特定球受部11に入球するということであり、S2−1において受け取った信号が大当たり信号である場合であるから、三球目の遊技球を入球させる目標球受部は特別球受部12に設定する必要がある。したがって、必然的に三球目の遊技球を用いて行う動作パターンは、No.1,7,9,15,17,23,25〜30の動作パターンのうちの一つとなる。そして、S2−3で選択された一球目の遊技球を用いて行う動作パターンと、S2−5で選択された二球目の遊技球を用いて行う動作パターンが選択された動作パターンと、S2−7で選択された三球目の遊技球を用いて行う動作パターンとを、今回の動作パターンとして設定する(S2−14)。そして、このS2−14において設定された動作パターンに基づいて各部材が動作するように設定する信号を送る(S2−15)。
一方、S2−1において受け取った信号が大当たり信号でない場合、すなわち小当たり信号である場合(S2−8)には、羽根部材801を開状態とし、入球口80を開放した後(S2−9)、以下に示すように一球目〜三球目の遊技球の全てが特定球受部11に入球するように設定する。
まず、一球目の遊技球を用いて行う動作パターンとして、No.1,7,9,15,17,23,25〜30の動作パターンを除いた動作パターン(すなわち、No.2〜6,8,10〜14,16,18〜22,24の動作パターン)のうちから一つを選択する。一球目の遊技球の前に演出に用いられた遊技球は存在しないから、特定球受部11に入球させる全ての動作パターンのうちから一つを選択する(S2−10)。
二球目の遊技球を用いて行う動作パターンは、一球目の遊技球が入球する特定球受部11(既に遊技球が保持されている球受部)以外の特定球受部11に二球目の遊技球が入球するように設定する必要がある。すなわち、一球目の遊技球が入球する特定球受部11以外の特定球受部11が目標球受部として設定される動作パターンのうちから一つ選択される(S2−11)。換言すれば、一球目の遊技球が入球する特定球受部11および特別球受部12以外の球受部が目標球受部として設定される動作パターンのうちから一つ選択される。
三球目の遊技球を用いて行う動作パターンは、一球目および二球目の遊技球が入球する特定球受部11(既に遊技球が保持されている球受部)以外の特定球受部11に三球目の遊技球が入球するように設定する必要がある。すなわち、一球目および二球目の遊技球が入球する特定球受部11以外の特定球受部11が目標球受部として設定される動作パターンのうちから一つ選択される(S2−12)。換言すれば、一球目および二球目の遊技球が入球する特定球受部11および特別球受部12以外の球受部が目標球受部として設定される動作パターンのうちから一つ選択される。
そして、S2−10で選択された一球目の遊技球を用いて行う動作パターンと、S2−11で選択された二球目の遊技球を用いて行う動作パターンが選択された動作パターンと、S2−12で選択された三球目の遊技球を用いて行う動作パターンとを、今回の動作パターンとして設定する(S2−16)。そして、S2−16において設定された動作パターンに基づいて各部材が動作するように設定する信号を送る(S2−15)。
このように、本実施形態では、回動体演出装置2が、特定球受部11に遊技球が入球した場合にそのまま目標球受部に遊技球を保持させて(遊技球を排出せずに)回動体10を回動させ続けることができる機能を利用した演出を行う。つまり、ある遊技球(一または複数の遊技球)が特定球受部11に遊技球が保持された状態で次の遊技球が回動体10に送られることになるから、全ての遊技球(一球目〜三球目の遊技球)についての動作パターンの選択を同時に行い、ある遊技球の次に送られる遊技球が、ある遊技球と同じ特定球受部11に入球することがないようにしている。
(演出フロー)
以上説明した回動体演出装置2(および回動体演出装置2に遊技球を導く構成)を用いた演出フロー(演出の一連の流れ)の一例を、図26を参照して説明する。
回動体演出装置2を用いた演出が行われることが決定した場合、まず入球口80が開放する。この開放時間は1.6秒である。その後、遊技球が第三連絡通路83の保持領域83a内に保持された状態となるまでの時間(第一連絡通路81および第二連絡通路82を通じて保持領域83aまで転動するまでの時間)として4.4秒の待機時間が設定されている。
待機時間の経過後、回動体演出装置2を用いた演出が遊技者に理解できるように、演出説明を表示装置92に表示する。例えば、特別球受部12に遊技球が入球すれば大当たり状態に移行する旨や特定球受部11に遊技球が入球すれば小当たり状態に移行する旨、特別球受部12に遊技球が入球すれば高確率状態に突入する(高確率状態が維持される)旨や特定球受部11に遊技球が入球すれば低確率状態に突入する(低確率状態が維持される)旨等を表示する。この説明の時間として3秒設定されている。
演出の説明後、第三連絡通路83を動作させる。かかる動作は、誘導路の選択(第一ルート84or第二ルート85)に関しての遊技者の注目をだんだんと高めるように、第三連絡通路83を交互に左右に傾動させる。具体的には、傾動方向を切り替える間隔が、時間の経過とともにだんだんと速くなるように設定されている。このように第三連絡通路83を動作させることにより、(見かけ上の)確率の高い第二出口832から遊技球が排出されること(第二ルート85が選択されること)を願って遊技する遊技者の興趣を高めることが可能となる。この第三連絡通路83が動作する時間として7秒設定されている。
続いて、開閉部材を開状態とし、保持領域83a内の遊技球を誘導路に送る。誘導路として第一ルート84が選択された場合には第一開閉部材831aが、誘導路として第二ルート85が選択された場合には第二開閉部材832aが開状態とされる。保持領域83a内の遊技球を選択された誘導路に送る構成は、上述した通りである。この開閉部材が開状態とされてから、目標球受部に誘導されるまでの時間として5秒設定されている。
目標球受部として特別球受部12が設定された場合、すなわち内部抽選により大当たりであることが決定していた場合には、上記5秒経過後、大当たり状態に移行する時間として7秒設定されている。この間に、例えば、制御手段が高確率状態のフラグを立てたり、今後の遊技が高確率状態遊技となる旨を表示装置92に表示したりする。
(本実施形態の主な作用効果)
以上説明した本実施形態にかかる遊技機1によれば、次のような作用効果が奏される。
本実施形態にかかる遊技機1によれば、遊技球が受け入れ可能な位置まで目標球受部が回動するのに要する時間(時間A)および遊技球が所定の誘導路を通って目標球受部まで誘導される時間(時間B)に基づいて、遊技球を誘導路に送るタイミング(開放時間)を算出するから、確実に目標球受部に遊技球を入球させることが可能である。
具体的には、時間Aから時間Bを減算した時間が正数である場合には、その減算して得られた時間を開放時間として設定すれば、目標球受部に遊技球を入球させることが可能となる。
また、時間Aから時間Bを減算した時間が負数である場合には、所定の位置に位置する目標球受部が、遊技球を受け入れ可能な位置に到達してから、もう一度受け入れ可能な位置に到達するまで遊技球を誘導路に送るのを待つ必要がある。したがって、上記減算して得られた時間に回動体10が一回転する時間Cを加算した時間を開放時間として設定すれば、目標球受部に遊技球を入球させることが可能となる。
また、時間Aは回動体10が回動する態様に合わせて複数の種類が設定され、時間Bは誘導路の距離に合わせて複数の種類が設定されている。つまり、回動体10が回動する態様が複数設定される場合や、誘導路の距離が可変する場合などであっても、目標球受部に遊技球を入球させることが可能である。
また、誘導路として、直接いずれかの球受部に誘導される第一ルート84および振分部14を経由して球受部に誘導される第二ルート85が設定されていても、目標球受部に遊技球を入球させることが可能である。
また、この直接目標球受部に遊技球が誘導される第一ルート84を遊技球が転動する時間が短くなるように設定すれば、第一ルート84を使用する各演出時における第一ルート84を遊技球が転動する時間(時間B)の誤差を小さくすることができるため、より確実に目標球受部に遊技球を入球させることが可能である。
また、本実施形態では、第三連絡通路83の保持領域83a内に保持された遊技球を第一出口831から第一ルート84に送る場合には、1)第一出口831側を下げるとともに第一開閉部材831aを開状態とする、2)第一開閉部材831aを閉状態とし、第一出口831に進入した遊技球が保持領域83aに戻らないように保持された状態とする、3)第三連絡通路83を右に傾け、第一出口831に位置する遊技球を第一筒状体842に送る、の順で操作し、遊技球を第二出口832から第二ルート85に送る場合には、1)第二出口832側を下げるとともに第二開閉部材832aを開状態とする、2)第二開閉部材832aを閉状態とし、第二出口832に進入した遊技球が保持領域83aに戻らないように保持された状態とする、3)第三連絡通路83を左に傾け、第二出口832に位置する遊技球を第二筒状体852に送る、の順で操作する。したがって、保持領域83a内に保持された遊技球を、確実に選択された出口(第一出口831または第二出口832)から誘導路へ送ることが可能となる。すなわち、確実に所定のルート(第一ルート84または第二ルート85)を経由させて目標球受部に誘導することが可能である。また、相対的に高い位置に位置する出口から保持領域83a内の遊技球が所定のルートに送られるから、選択されたルート(今後の遊技展開を左右するものであるから遊技者の関心が高い)の判別が容易になり、遊技の興趣を高めることが可能となる。
また、上記のように複数の動作パターンのうちから選択された一つの動作パターンを抽選によって選択し、遊技球が当該目標球受部に誘導されるようにすれば、演出の制御が容易である。
また、上記のように全ての遊技球を用いて行う動作パターンの抽選を同時に行うことで、次の遊技球を前の遊技球とは異なる球受部に入球させることが可能となる。つまり、同じ球受部に続けて遊技球が誘導されることを防止することが可能である。
また、上記第二制御例を採用した場合、目標球受部が遊技球を受け入れ可能な位置に到達する予測時点を時点Xとし、そのから時間B分遡った時点を遊技球を誘導路に送る開放時点として設定するから、確実に目標球受部に遊技球を入球させることが可能である。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例えば、上記実施形態では、主制御基板941からサブ制御基板942に送信される信号が、大当たり信号、小当たり信号、はずれ信号のいずれであるかによって動作パターンの設定を行い、大当たり状態あるいは小当たり状態の報知を行ったが、大当たり後の確変状態になるか非確変状態(通常状態)になるかによって動作パターンの設定を行い、確変状態あるいは非確変状態の報知を行ってもよい。この場合、動作パターン抽選手段は、主制御基板941から受け取った信号が確変信号か非確変信号かを区別し(S2−1)、確変信号である場合にはS2−2〜S2−7、S2−14の一連の処理を、非確変信号である場合にはS2−8〜S2−12、S2−16の一連の処理を行えばよい。