JP5561836B2 - 非対称な遅延に関して通信システムを診断する方法及び装置 - Google Patents

非対称な遅延に関して通信システムを診断する方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、非対称な遅延に関して通信システムを診断する方法及び装置に関する。
或る構成要素の非対称な(信号)遅延は、当該構成要素による立ち上がり信号エッジの伝播遅延と立ち下がり信号エッジの伝播遅延との差分である。FlexRay通信システムでは、全ての構成要素の、合計した遅延に対する寄与を考慮する必要がある。その際、非対称な遅延のうちシステム的な部分と確率論的な部分とが発生する。従来技術における間接的なエラー検出では、非対称な遅延に対する通信システムの総受入値(Gesamtakzeptanz)の超過のみ検出される(復号エラー)。
国際公開第2006/114370号明細書には、通信システム内で非対称な遅延を測定し、ビットサンプリング時のサンプリング点を可変的に調整することによって部分的に補正することが記載されている。さらに、国際公開第2008/107380号明細書には、集積回路による通信システム内の非対称な遅延の決定が開示されている。
これに対して、本発明にかかる方法及び本発明にかかる装置は、診断のために非対称な遅延が少なくとも1つの閾値と比較され、このことにより、非対称な遅延に対する通信システムの総受入値よりも小さい、非対称な遅延のための予め設定可能な安全制限(Sicherheitsschranken)の実現が可能であるという利点を有する。
更なる別の利点及び改善点が、従属請求項の特徴から明らかとなろう。
好適に、非対称な遅延と閾値との比較は、データ信号の該当するエッジの時間的順序の評価によって行われ、サンプリングのサンプリング点は、少なくとも1つの閾値分のデータ信号の遅延から得られる。このような構成において、本発明の利点が、回路技術的に特に容易に実現される。
立ち下がりエッジに対する立ち上がりエッジの遅延に関する、早めの非対称の遅延は、少なくとも1つの第1の閾値と比較され、立ち下がりエッジに対する立ち上がりエッジの遅延に関する、遅めの非対称の遅延は、少なくとも1つの第2の閾値と比較される。これにより、非対称な遅延の種類が決定可能であり、両種の非対称な遅延に対する診断が実施可能である。
少なくとも1つの閾値の超過の際にエラー通知が生成される場合には、特に有利である。このようなエラー通知により、非対称な遅延に対する通信システムの総受入値に達する前に、クリティカルな閾値の超過に対して、通信システムの診断の注意を喚起するという可能性がもたらされる。
有利に、様々な閾値との比較の場合に、超過の深刻度を特徴付けられるために、様々な閾値を超えた際に様々なエラー通知が生成される。
更なる別の好適な実施において、少なくとも1つの閾値は、非対称な遅延に対する通信システムの総受入値に等しく、従って、このクリティカルな超過に対する部分的に冗長的な監視が、従来技術で一般的な監視に対して、例えば巡回冗長検査(CRC:cyclic redundancy check)によって与えられる。
好適に、本発明にかかる装置では、非対称な遅延と少なくとも1つの閾値とを比較するために手段を有し、これにより、本発明にかかる装置が安価に合目的的に実現されうる。
さらに、装置が、エラー信号の生成のために組合せ回路素子を有する場合には有利であり、これにより同様に、本発明にかかる装置の安価で合目的的な実現が可能となる。
本発明の実施例が図面に示され、以下の明細書において詳細に解説される。図面は単に例示的なものであり、発明の思想全般を限定するものではない。
サンプリングモジュールの例である。 エラーモジュールの例である。 エラーモジュールの更なる別の例である。 (エラーが無い)早めの立ち上がりエッジの非対称についての信号波形の例である。 (エラーが無い)遅めの立ち上がりエッジの非対称についての信号波形の例である。 (エラーがある)早めの立ち上がりエッジの非対称についての信号波形の例である。 (エラーがある)遅めの立ち上がりエッジの非対称についての信号波形の例である。 早めの立ち上がりエッジの非対称についての信号波形の例である(動的なノイズによる個別エラー)。 バスドライバ内の本発明にかかる装置の好適な実施形態である。 通信コントローラ内の本発明にかかる装置の好適な実施形態である。
以下では、実施例を用いて本発明を詳細に記載する。その際に記載のために、通信システムの例としてFlexRayバスシステムを援用するが、他の通信システム及び特にバスシステムのための本発明の利用は制限されない。
FlexRayでは、トポロジ内に設置され、送信者から受信者への信号の作用連鎖全体を介して信号エッジの非対称の遅延を生じさせる複数の構成要素を介して、伝送が行われる。さらに、例えば、アクティブスターノード(aktive Sternknoten)、トランシーバ、入力及び出力バッファでは、チャネル及びPCB不平衡、及び、EMC作用に耐えている。その際、非対称な遅延(asymmetrische Verzoegerung)は、構成要素による立ち上がりエッジの伝播遅延と立ち下がりエッジの伝播遅延との差分として定義される。
非対称な遅延の原因は、静的(statisch)(又はシステム的な(systematisch))部分と、動的(dynamitsch)(又は確率論的な(stochastisch))部分と、に分けられる。静的な部分は、作動点(温度、供給電圧)に依存し特定の限界値内で定まっている。動的な部分は、信号エッジの、EMCに因るジッタと、半導体内の確率論的なプロセスに因るジッタと、から構成される。
静的及び動的な部分は全非対称に加算される。認識可能であり測定可能であるのは常に、両部分の総和である。最大で許容される非対称の遅延は、通信システムの伝送プロトコルであって、FlexRayバスの場合は例えば、名目ビット持続時間が8回サンプリングされ、サンプリングカウンタ値が5の際に値が利用されることを定める上記伝送プロトコルにより決定される。例えば、FlexRay仕様2.1の場合には、エラーが無い復号について、伝送チャネル内では最大37.5nsの非対称が許容される。
最大許容非対称遅延を超過すると、誤った値がサンプリングされ、エラーがCRC(巡回冗長検査)を介して(ハミング距離6まで)検出される。検出された、エラーのある伝送に対する応答として、伝送されたデータが破棄されうる。誤って復号されたデータビット数がハミング距離を超過する場合には、データの誤りが検出されないということも起こりうる。
CRC検査は、エラーがある復号のみ報知し、最大許容非対称受入値を下回る静的な非対称についての受入限界値の超過は報知しない。提案される方法によって、復号により与えられる、最大許容非対称受入値を下回る非対称限界値の超過を検出することが可能である。
システム設計のために、送信通信コントローラから受信通信コントローラへの作用連鎖における、非対称の原因となる全ての構成要素を考慮する必要がある。さらに、個別の非対称への寄与が、データシート又は推定値(Abschaetzung)から読み取られ合計される。
構成要素の非対称な遅延は、生産ばらつきから構成要素固有に獲得される確率分布に表される。中心極限定理から、n個の独立した任意に分布する確率変数の重み付けられた和の分布は、nが大きくなるにつれて正規分布に近づくことになる。その際に、中央極限定理は非常に広範囲に及ぶ。中央極限定理は、不均衡な個別の分布にも、連続分布と離散型分布とが混ざった分布にも当てはまる。従って、近似的に(angenaehrt)、正規分布の形態での、得られた非対称な遅延の密度関数に基づくことが可能である。当然のことながら、個別の構成要素の非対称の分布は未知であり、この分布は、可能であれば、比較的長い製造期間の後に具体的に挙げられる。従って、特定の予測可能な平均値又は予測可能な分散に基づくことは出来ない。
最大の所望の静的な非対称遅延を問題なく下回る非常に多数のシステムが得られる。しかしながら、場合によっては、僅かな数のシステムがこの限界値を超過する。限界値の選択は、可能なセーフティ・リザーブ(Sicherheitsreserve)の追加に依存するため、限界値を超過するシステムの数は、当然のことながら、ネットワーク及び利用される構成要素の特別な構成に依存する。利用される構成要素が、非対称な遅延に対するシステムの総受入値を下回る最大の所望の静的な非対称の超過を許容する限りにおいて、該当するシステムは、現在使用できる方法では検出されえない。なぜならば、そのための閉鎖された信号経路がFlexRayの場合には設けられていないからである。しかしながら、静的な非対称が所望の限界値を上回ってはいるがシステムの総非対称受入値を未だに下回っている場合には、EMCノイズの印加(Einpraegen)無しに、(例えば、CRCのエラー通知によっては)このようなシステムは検出されない。
最悪の(即ち、全ての設置された構成要素が同時に、特定される最大の非対称により全非対称に寄与する)場合に、計算上(rechnerisch)、予測可能な最大の確率論的な寄与も含めて、その静的な全非対称が復号器の総非対称受入値を上回るシステムにおいて、従来技術では、最大のEMC負荷なしに、全非対称が全非対称受入値を未だに下回っている限り、検出が不可能である。しかしながら、この種のシステムが稼働中に高いMEV負荷に晒され、従って総非対称受入値を超過する場合には、場合によっては利用可能性の問題が生じる。
ここから本発明は出発しており、例えば組立システムにおける製造ラインの末端(Bandende)で、(静的な)非対称についての最大の所望の基準を超過する通信システムを定めることが可能な方法が記載される。提案される方法が、僅かなデジタル標準部品によって実現され、従って、特別に多くの面積が必要となり又は追加的なコストか掛かることなく、構成要素に組み込めることが示される。その際に、個別の構成要素の非対称についての想定を統計に基づき結び付けることに対し、(静的な)非対称についての所定の受入限界値の超過を通知することによって、閉鎖された信号経路が形成される。
発生する確率論的な非対称は、製造者によって、適切な測定方法(耐干渉性調査、EMC測定)により決定されうる。故障基準CRCが利用される場合には、システムでは、測定の前に、十分に大きな静的な非対称が支配している必要がある。システムの、最大で許容される静的な非対称は、求められた最大の確率論的な非対称を用いて、許容される全非対称から計算される。FlexRayの場合、全非対称受入値は、FlexRay仕様v2.1、改訂Bに応じて37.5nsである。従って、最大で許容される静的な非対称を計算するために、37.5nsから、求められた最大の確率論的な非対称が減算される。
ただし、最大で許容される静的な非対称は最大値である。実現される静的な非対称受入限界値を決定するために、この最大値から、静的な全非対称の可能な変動幅(構成要素の老朽化、温度の影響、供給電圧、・・・)が減算される。このようにして導出された静的な非対称受入限界値は、以下に記載される回路において、可能な超過を検出するための限界値として、基準値として利用される。その他に、当然のことながら、非対称の遅延についての他の又は更なる別の受入閾値を定めることが可能であり、当該受入閾値の超過の際には、場合によってはエラー信号が出力され、場合によっては、様々な受入閾値を超えた際に、様々なエラー通知が出力される。
即ち、本発明は、通信回線を介してデータが伝達される通信システムから出発する。この通信システムのために、非対称な遅延に対する診断が行われるべきである。さらに、本発明にかかる装置のデータ信号を、通信回線と並行して供給することが提案される。この本発明にかかる装置は、データ信号の非対称な遅延と、所定の最大所望閾値とを比較し、場合によっては、この閾値を超えた際に、引き続き利用されうるエラー信号を出力する。
このような本発明にかかる装置の、回路技術的に容易な構成として、図1は、サンプリングモジュール100を示す。サンプリングモジュール100は、データ入力口101、並びに、第1のイベント出力口102、及び、第2のイベント出力口103を有する。データ入力口101は、通信接続104を介して、第1のDフリップフロップ(D−Flipflop)110及び第2のDフリップフロップ120のデータ入力口に接続され、かつ、第1の遅延ユニット111、及び、第2の遅延ユニット121に接続される。第1の遅延ユニット111は、第1の基準値112に対してアクセスし、第2の遅延ユニット121は、第2の基準値122に対してアクセスする。さらに、第1の遅延ユニット111は、通信接続113を介して、第1のDフリップフロップ110のクロック入力口と接続され、第2の遅延ユニットは、通信接続123を介して、第2のDフリップフロップ120のクロック入力口と接続される。第1のDフリップフロップ110の出力口は、第1のイベント出力口102と接続され、第2のDフリップフロップ120の出力口は第2のイベント出力口103と接続される。
その際、図1に示される装置の機能形態は、2値データ信号に基づいており(レベル・ロー=論理的「0」又はレベル・ハイ=論理的「1」)、論理的な3ビットデータ「101」及び「010」の存在に依存する。2値データ信号は、Dフリップフロップ110及び120のデータ入力口に印加される。さらに、2値データ信号は、遅延ユニット111によって基準値112分だけ一定に時間的に遅延されて、Dフリップフロップ110のクロック入力口に与えられる。同様に、2値データ信号は、遅延ユニット121によって基準値122分だけ一定に時間的に遅延されて、Dフリップフロップ120のクロック入力口に与えられる。
その際、Dフリップフロップ110は、立ち上がりエッジが自身のクロック入力口に印加される時点に、自身のデータ入力口において2値データ信号をサンプリングする。これに対して、Dフリップフロップ120は、立ち下がりエッジが自身のクロック入力口に印加される時点に、自身のデータ入力口において2値データ信号をサンプリングする。
基準値112及び121は、当該基準値が所望の最大非対称値を反映するように選択される。遅延ユニットの作動点は、以前に定められサンプリングされた値から決定され、又は、動作中に、基準に対する調整プロセスにおいて定められうる。後者の選択肢は、図1では、基準値112又は122に対する遅延ユニット111及び121のアクセスによって示される。基準値112又は122分だけ遅延されたデータ信号は、Dフリップフロップ110及び120のクロック入力口へと導かれる。
遅延ユニット111及び121による、又は、基準値112及び122による遅延の程度は、(静的な)非対称受入限界値((statische) Asymmetrieakzeptanzgrenz)から決定される。この限界値には2つの方向付けがあり、一方は、立ち下がりエッジに対する、早めの立ち上がりエッジの非対称受入値(Asymmmetrieakzeptanz)を表し、他方は、立ち下がりエッジに対する、遅めの立ち上がりエッジの非対称受入値を表す。図1の実施例では、遅延ユニット111又は基準値112による遅延は、名目ビット持続時間(FlexRay(10Mbit/s)の場合、例えば100ns)と、立ち下がりエッジに対する、遅めの立ち上がりエッジの最大の(静的な)所望非対称受入値と、の差分から決定される。遅延ユニット121又は基準値122による遅延は、名目ビット持続時間と、立ち下がりエッジに対する、早めの立ち上がりエッジの最大の(静的な)所望非対称受入値と、の差分から決定される。
先に述べたように、2つのDフリップフロップのうちの一方は、立ち上がりエッジ(110)の際にアクティブ(aktiv)であり、他方のDフリップフロップは、立ち下がりエッジ(120)の際にアクティブである。Dフリップフロップ110及び120の反転されない出力信号は、サンプリングの結果として、イベント出力口102及び103に供給される。
従って、データ入力口101でのデータ信号のローレベルからハイレベルへの変更が(残りの全ての信号も同様)、遅延ユニット111により基準値112分だけ遅延されて、Dフリップフロップ110のクロック入力口へと与えられる。このことは、データ信号の立ち上がりエッジにおいて基準値112分だけ遅延されて、サンプリングが、その後発生した立ち上がりエッジによって、フリップフロップ110のクロック入力口で行われることを意味する。サンプリングの結果として、遅めの立ち上がりエッジの非対称が、基準値112により表される最大所望非対称遅延「遅めの立ち上がりエッジ」(“steigende Flanke nach spaet”)よりも大きくない場合に、フリップフロップ110の出力口で「1」が出力され、超過の場合に「0」が出力される。
これと同様に、データ入力口101でのデータ信号のハイレベルからローレベルへの変更が(残りの全ての信号も同様)、遅延ユニット121により基準値122分だけ遅延されて、Dフリップフロップ120のクロック入力口へと与えられる。これにより、フリップフロップ120のデータ入力口でのデータ信号の立ち下がりエッジの後に続いて、基準値122分だけ遅延して、フリップフロップ120のクロック入力口で、発生した立ち下りエッジによるサンプリングが行われる。サンプリングの結果として、早めの立ち上がりエッジの非対称が、基準値122により表される最大所望非対称遅延「早めの立ち上がりエッジ」(“steigende Flanke nach frueh”)よりも大きくない場合に、フリップフロップ120の出力口で「0」が出力され、超過の場合に「1」が出力される。
即ち、基準値のうちの1つを超過すると、イベント出力口102での論理的「0」、又は、イベント出力口103での論理的「1」が得られる。これにより、図1に示される装置100によって、本発明に基づいて、非対称な遅延「早めの立ち下がりエッジ」と、非対称な遅延「遅めの立ち上がりエッジ」と、がそれぞれ閾値と比較され、超過に従って、様々な(エラー)信号が、装置のイベント出力口で出力される。
組み立てられた通信システムにおいて、特定の予め定められた(静的な)全非対称の超過を、発生するデータ信号エッジの時間的順序(zeitlische Abfolge)の評価により検出するために、本構成では、順序回路素子(Dフリップフロップ)と、時間的な遅延のための構成素子と、が利用される。システム全体に存在する静的な非対称の評価は、遅延されたデータ信号から導出されるサンプリング時点における、データ信号のサンプリングにより行われる。ただし、非対称な遅延が、1つの閾値又は複数の閾値と比較される他の構成も構想されうる。
好適な構成において、遅延ユニット111及び121は、例えば従来技術で公知のように、プログラム可能な遅延ユニットとして実現することが出来る。このような遅延ユニットは、例えば、Maxim Integrated Products,Inc.(Sunnnyvale,Calif.94086,USA)の子会社である、Dallas Semiconductor Corp.(Dallas,Texas,75244,USA)によって、「DS1021−50」という名称で提供され販売されている。Dallas Semiconductor社のこの公知の遅延ユニットの場合、遅延ユニットは、10〜140nsまで、0.5nsの精度により調整されうる。公知の遅延ユニットのプログラミングは、複数ビット、例えば8ビットの設定及びリセットにより行われる。
図1のサンプリングモジュール100のイベント出力口102及び103の信号は、様々に設計可能な回路によって、引き続き処理されうる。図2は、このような回路の好適な構成として、本発明にかかる装置の任意の構成要素としてのエラーモジュール200を示す。エラーモジュール200は、第1のイベント入力口202と、第2のイベント入力口203と、を有する。その際に、第1のイベント入力口202は第1の比較素子204と接続され、第2のイベント入力口203は、第2の比較素子205と接続される。第1の比較素子204及び第2の比較素子205はそれぞれ、回路素子206の入力口と接続される。回路素子206の出力口は、エラーモジュール200のエラー出力口201と接続される。
サンプリングモジュール100(図1)及びエラーモジュール200(図2)の従来の構成では、例えば、図1のイベント出力口102は、図2のイベント入力口202と接続され、図1のイベント出力口103は、図2のイベント出力口203と接続されうるであろう。このような構成においては、フリップフロップ110(図1)のイベント信号が、比較素子204(図2)内で、論理的「1」と比較され、フリップフロップ120(図1)のイベント信号は、比較素子205(図2)内で、論理的「0」と比較されるであろう。少なくとも1つの比較から差が生じる限り、即ち、同時に行われる2つの比較のうちの少なくとも1つの比較結果が「FALSE」となる限りにおいて、エラー信号は、回路素子206内で「アクティブ」(aktiv)に設定され(以下で記載される信号図では、「アクティブ」=「1」を意味する)、エラー出力口201で出力される。
図3は、図2の代替例であるエラーモジュールの更なる別の好適な構成の例として、エラーモジュール300を示しており、エラーモジュール300は、第1のイベント入力口302と、第2のイベント入力口303と、エラー出力口301と、を有する。第1のイベント入力口302はインバータ(Inverter)304と接続され、インバータは、ORゲート306の第1の入力口と接続されている。第2のイベント入力口303は、ORゲート306の第2の入力口されている。ORゲート306の出力口は、エラーモジュール300のエラー出力口301と接続されている。
さらに、好適に、図1のイベント出力口102は、図3のイベント出力口302と接続され、図1のイベント出力口103は、図3のイベント出力口303と接続されうる。イベント入力口302の信号は、本例では、フリップフロップ110のイベント信号に対応して、インバータ304内で反転される。フリップフロップ110の反転されたイベント信号は、ORゲート306内で、フリップフロップ120の反転されていない信号と論理和演算される(disjungieren)。フリップフロップ110からのイベント信号が論理的「0」に等しく、又は、フリップフロップ120からのイベント信号が論理的「1」と等しくなり次第、ORゲート306の出力口のエラー信号が「アクティブ」になり、即ち「1」になる。アクティブなエラー信号は、信号処理を行う更なる別の構成要素により受信され、エラーの記憶のため、及び/又は、表示のために利用される。
以上まとめると、エラーモジュール200又は300と組み合わされたサンプリングモジュール100は、データ信号の非対称な遅延と、所定の閾値とを比較し、非対称な遅延「早めの立ち上がりエッジ」についての所定の閾値、又は、非対称な遅延「遅めの立ち上がりエッジ」についての所定の閾値、又は、双方の閾値を超過した場合に、エラー信号を出力する。
さらに、非対称な遅延が少なくとも1つの閾値と比較され、場合によっては少なくとも1つの閾値の超過に従ってエラー信号が出力される、更なる別の回路の可能性も構想されうる。
非対称な遅延と少なくとも1つの閾値との比較、及び、例えばエラーモジュール300と組み合わせたサンプリングモジュール100による、対応するエラー信号の出力を解説するために、以下に、信号波形の例を記載する。図4〜8には、これら信号波形の例が示され、各例では、ハイレベルは論理的「1」に相当し、ローレベルは論理的「0」に相当し、左から右への流れは、時間的な経過に相当する。
図4〜8には、それぞれ8つの信号波形が示される。
― a:理想的なデータ信号
− b:許容される非対称範囲を有する理想的なデータ信号
− c:非対称を有するデータ信号
− d:第1の遅延を有するデータ信号
− e:第2の遅延を有するデータ信号
− f:第1のイベント信号
− g:第2のイベント信号
− h:エラー信号
さらに、図4〜8のそれぞれにおいて、信号波形dにおける立ち上がりエッジの下から上への矢印は、Dフリップフロップ110での立ち上がりエッジの開始(Triggering)を表し、信号波形eにおける立ち下がりエッジの上から下への矢印は、Dフリップフロップ120の立ち下がりエッジの開始を表す。
先に述べたように、遅延ユニット111又は基準値112による遅延403、503、603、703、803は、名目ビット持続時間(FlexRay(10Mbit/s)の場合、例えば100ns)と、立ち下がりエッジに対する、遅めの立ち上がりエッジの最大の静的な非対称受入値と、の差分から決定される。遅延ユニット121又は基準値122による遅延404、504、604、704、804は、名目ビット持続時間と、立ち下がりエッジに対する、早めの立ち上がりエッジの最大の静的な所望非対称受入値と、の差分から決定される。
図4〜8に模式的に示される信号図では、例えば、遅めの立ち上がりエッジの最大の(静的な)所望非対称受入値は、名目ビット持続時間の50%であり、即ち、遅延ユニット111又は基準値112による遅延は、名目ビット持続時間の50%である。早めの立ち上がりエッジの最大の(静的な)所望非対受入値は、名目ビット持続時間の37.5%であり、従って、遅延ユニット121又は基準値122による遅延は、名目ビット持続時間の62.5%となる。
図4は、エラーが無い早めの立ち上がりエッジの非対称の場合を明確にするための信号波形の例a〜hを示す。信号波形bでは、許容される非対称範囲401及び402が示されている。許容される非対称範囲401は、非対称「早めの立ち上がりエッジ」に関し、許容される非対称範囲402は、非対称「遅めの立ち上がりエッジ」に関する。信号波形dは、信号波形cと比較して、第1の遅延403分だけ時間的にずれており、信号波形eは、信号波形cと比較して、第2の遅延404分だけ時間的にずれている。信号波形fにおける範囲405、信号波形gにおける406、信号波形hにおける407はそれぞれ、示される例では、定義されないレベルを示す。
図4は、立ち下がりエッジに対する、早めの立ち上がりエッジの非対称の遅延の例のための信号波形a〜hを示し、ここでは、所望の非対称受入値の超過は起きていない。この例示的な信号波形aでは、いかなる形態の非対称も無い、理想的なデータ信号が描かれている。示される構成例(図1〜図3の回路)では、データ信号が3ビット「010」及び「101」である場合にのみ監視が機能するため、この信号波形aの例では交流信号が利用される。信号波形bでは、理想的なデータ信号に、(細い斜線が入った)許容される非対称範囲401及び402が付け加えられる。この図で重要なのは、早めの立ち上がりエッジ401の非対称受入値である。信号波形cにおける非対称を有する例示的なデータ信号は、立ち下がりエッジに対する、早めの立ち上がりエッジの未だに許容されうる程度の遅延を有する。非対称を有するこのデータ信号は、遅延ユニット111及び121により遅延され、以前に解説したように、本例では、遅延ユニット111又は基準値112による遅延が、名目ビット持続時間の50%まで選択され、遅延ユニット121又は基準値122による遅延が、62.5%まで選択される(図では単に模式的に示される)。
遅延された信号は、図1に対応して、Dフリップフロップ110及び120へと供給される。遅延ユニット111を通過した後の信号は、活性(Aktivitaet)が高まったDフリップフロップ110のクロック入力口に供給され、対応して、信号波形d(第1の遅延403を有するデータ信号)では、立ち上がりエッジにマークが付けられている。これに対して、信号波形e(第2の遅延404を有するデータ信号)は、エッジの活性が下がったDフリップフロップ120のクロック入力口のものであり、従って、立ち下がりエッジがマーク付けされる。イベント出力口102及び103のイベント信号は、各サンプリング時点でのDフリップフロップ110及び120の値から直接的に導出される。Dフリップフロップ110の出力口のイベント信号は、即ち、Dフリップフロップ110のデータ入力口における、信号波形dの立ち上がりエッジの際にサンプリングされた、非対称cを有するデータ信号であり、一方、Dフリップフロップ120の出力口のイベント信号は、Dフリップフロップ120のデータ入力口における、信号波形eの立ち下がりエッジでの、非対称cを有するデータ信号のサンプリングから得られる。
記述を始めるにあたり、信号波形f、g、hでは先行する状態が未知であるため、範囲405、406、407を有するイベント信号の特徴が述べられる。信号波形h(エラー信号)は、(図3に対する記述に対応して)2つの信号波形f(エラー信号)(反転済み)と信号波形g(エラー信号)(反転されず)との論理和から導出される。図4では、早めの立ち上がりエッジの非対称が未だに非対称受入値401の範囲内に存在するため、エラー通知は生成されない。この場合では遅延ユニット121及びDフリップフロップ120(信号経路e、遅延404)によって、早めの立ち上がりエッジの非対称の遅延についての許容される非対称受入値401が検証されることが信号波形c、d、eから分かる。
図5は、エラーが無い遅めの立ち上がりエッジの非対称の場合を明確にするための信号波形の例a〜hを示す。信号波形bでは、許容される非対象範囲501及び502が示されている。許容される非対称範囲501は、非対称「早めの立ち上がりエッジ」に関し、許容される非対称範囲502は、非対称「遅めの立ち上がりエッジ」に関する。信号波形dは、信号波形cと比較して、第1の遅延503分だけずれており、信号波形eは、信号波形cと比較して、第2の遅延504分だけずれている。信号波形fにおける範囲505、信号波形gにおける506、信号波形hにおける507はそれぞれ、示される例では、定義されないレベルを示す。
図5の信号波形の例a〜hは、図4に対する記述と同様に、例えばエラーモジュール300とのサンプリングモジュール100の利用に関する。図4の信号波形と比較すると、図5では、非対称が他の方向において想定される。ここ(信号波形c〜e)では、立ち上がりエッジは、立ち下がりエッジに対して遅めに遅延される。これに対応して、本例ではまた、許容される非対称受入値502が、遅延ユニット111(遅延503、信号波形d)と、Dフリップフロップ110によって検証される。遅延(信号波形c〜e)は、受入値502の範囲内に存在するため、信号波形hはアクティブなエラー信号を示さない。
図6は、エラーがある早めの立ち上がりエッジの非対称の場合を明確にするための信号波形の例a〜hを示す。信号波形bでは、許容される非対称範囲601及び602が示されている。許容される非対称範囲601は、非対称「早めの立ち上がりエッジ」に関し、許容される非対称範囲602は、非対称「遅めの立ち上がりエッジ」に関する。信号波形dは、信号波形cと比較して、第1の遅延603分だけずれており、信号波形eは、信号波形cと比較して、第2の遅延604分だけずれている。信号波形fにおける範囲605、信号波形gにおける606、信号波形hにおける607はそれぞれ、示される例では、定義されないレベルを示す。
図6では、非対称許容限界値「早めの立ち上がりエッジ」601を超過している。従って、信号波形eの立ち下がりエッジにおいて、Dフリップフロップ120のクロック入力口の信号に対応して、遅延ユニット121により基準値122分だけ遅延されて、「1」がサンプリングされ、このことによりエラー通知がもたらされる(信号波形gにおける論理的1)。なぜならば、予期される信憑性のある値は「0」だからである。これにより、アクティブなエラー信号(論理的1)が出力される(信号波形h、本例では図3のエラー出力口301の信号に相当する)。
図7は、エラーがある遅めの立ち上がりエッジの非対称の場合を明確にするための信号波形の例を示す。信号波形bでは、許容される非対称範囲701及び702が示されている。許容される非対称範囲701は、非対称「早めの立ち上がりエッジ」に関し、許容される非対称範囲702は、非対称「遅めの立ち上がりエッジ」に関する。信号波形dは、信号波形cと比較して、第1の遅延703分だけずれており、信号波形eは、信号波形cと比較して、第2の遅延704分だけずれている。信号波形fにおける範囲705、信号波形gにおける706、信号波形hにおける707はそれぞれ、示される例では、定義されないレベルを示す。
図7では、図6の非対称許容限界値の超過と同様に、非対称許容限界値「遅めの立ち上がりエッジ」702を超過している。エラー通知(信号波形fにおける論理的0、従って、信号波形hにおける論理的1)が、信号波形dの立ち上がりエッジの時点における、Dフリップフロップ110のクロック入力口での信号に対応して、遅延ユニット111により基準値112分だけ遅延した、Dフリップフロップ110のデータ入力口でのデータ信号のサンプリングによって生成される。
図8は、エラーが無い早めの立ち上がりエッジの非対称に、追加的で動的な早めの非対称810が加わった場合を明確にするための信号波形の例を示す。信号波形bでは、許容される非対称範囲801及び802が示されている。許容される非対称範囲801は、非対称「早めの立ち上がりエッジ」に関し、許容される非対称範囲802は、非対称「遅めの立ち上がりエッジ」に関する。信号波形dは、信号波形cと比較して、第1の遅延803分だけずれており、信号波形eは、信号波形cと比較して、第2の遅延804分だけずれている。信号波形c、d及びeでは、時間的に限定されて発生した、早めの立ち上がりエッジの動的な遅延810が示されている。信号波形fにおける範囲805、信号波形gにおける806、信号波形hにおける807はそれぞれ、示される例では、定義されないレベルを示す。信号波形gにおける信号範囲811(ハイレベル)、信号波形812内における812(ハイレベル)は特に特徴的である。
図8では、非対称許容限界値801が動的に超過されている。このことは、優先的に静的な超過を用いて非対称な遅延に対する所望の許容限界値を解説した上記の例とは反対である。しかし、非対称な遅延と閾値との本発明にかかる比較は、当然のことながら、静的な遅延に重畳する動的な遅延による一時的な超過も検出する。本例では、動的な超過810の場合のためにのみエラーが通知される。図6で早めの立ち上がりエッジの非対称が受入値を超過した場合のように、ここでも、動的な早めの非対称810が受入値801を超過したことが、Dフリップフロップ120のクロック入力口での信号に対応して、遅延ユニット121及び基準値122により遅延した、信号波形eの対応する立ち下がりエッジの時点における、Dフリップフロップ120のデータ入力口でのデータ信号のサンプリングによって記録される。信号波形cにおける動的な非対称810の直後の、信号波形eにおける立ち上がりエッジによる当該サンプリングによって、信号経路gにおけるエラー通知811、及び、信号経路hにおけるエラー通知812がもたらされるが、810は、許容される非対称受入値の動的な、即ち一時的な超過であるため、当該エラー通知は、時間的に、信号経路eの上記の立ち下がりエッジで始まり、本例では、信号経路e内の次の立ち下がりエッジまでに時間的に制限される。
その際に、所望の非対称許容限界値の動的な(単一の)超過、及び、常時の/頻繁な超過に引き続き対処する場合に限り、更なる別のエラー信号処理に委ねられる。
既に言及したように、本発明にかかる装置の記載される構成における、限界値「早めの立ち上がりエッジ」の超過を検出するために、データ信号内の3ビット信号「101」が必要であることが図8でも明らかになる。同様の推論から、非対称許容限界値「遅めの立ち上がりエッジ」についての関連する3ビット信号「010」が得られる。
上記3ビットは、各任意の時間に各データ信号内に発生しない。プロトコル仕様v2.1に対応したFlexRayフレーム形式を、拡張バイト(Extended Byte)(データバイト(Datenbyte)、プラス、同期化エッジ「BSS」)に縮小した場合を例として考察すると、3ビット「010」及び「101」の発生確率が推定されうる。データバイトには、2^8=256個の様々な値が割り当てられうる。当該256個の可能なバイトの各ビットがBSSエッジの前に、及び、後に1つ追加されると、およそ以下のような発生確率が得られる。
256のうちの207の可能なケースにおける、少なくとも1つの3ビット「010」、即ち、207/256=81%である。
256のうちの207の可能なケースにおける、少なくとも1つの3ビット「101」、即ち、同様に81%である。
このことは、システムの稼動の直後に、通常のデータバイトにより、所望の最大の静的な非対称受入値を超過したことが、非常に高い確率で短時間内に検出されうることを意味する。より確実な検出が望まれる場合には、ソフトウェア内での適切な措置により、初期化の後又は起動の後に、十分な時間の間、3ビット「010」又は「1010」を有するデータ信号が送信されることが保障されうる。
所望の、最大の(静的な)遅延受入限界値を超過する限りにおいて、最初の稼動の直後に、システムは、「超過システム」(“Ueberschreiter”)として識別されうる。個々の制御装置の交換によって、再び「非超過システム」(“Unterschreiter”)となりうる。「超過システム」の数は、予期される正規分布に基づいて僅かであるため、それから生じる負荷は限定される。これに対して、所望の静的な非対称を超過しないフィールドに、システムを置くという安全性が存在する。
合計された静的な全非対称が最大の所望の非対称をそれにより下回りうる構成要素が設置される限り、本方法は、(各個々の構成要素の測定により保障されて)冗長な安全性を提供する。
しかしながら、トポロジが、全てのワーストケースの想定を考慮して、全非対称が、計算上、許容される非対称受入値を超過しうるように構成されるべきである場合には、このようなは非常にまれにしか起こらないのであるが、ここで提案されるような閉鎖された検出回路内での超過の検出が不可欠である。
非対称な遅延と、早めの立ち上がりエッジの場合のための閾値と、の比較、及び、非対称な遅延と、遅めの立ち上がりエッジの場合のための閾値と、の比較の代わりに、その都度複数の閾値と比較し、場合によっては、この比較と連携した様々なエラー信号を生成することも有利でありうる。複数の閾値は、図1のサンプリングモジュール100のようなサンプリングモジュールによって、様々な基準値に対してアクセスする複数の遅延ユニット、又は、複数の基準値に対してアクセスする複数の遅延ユニットによって実現されうるであろう。さらに、当然のことながら、非対称の遅延と、設定可能な閾値と、の比較をそれにより行う他の任意の回路も可能である。
このような追加的な受入限界値は、様々な理由から、例えば、製造ラインの末端で、エラーを通知する限界値に対してある程度の距離を取って、テストのために当該許容限界値を利用するために有利でありうるであろう。なぜならば、変化した環境条件(温度、構成要素の老朽化、・・・)による、構成要素の特徴の若干の変化によって、以前にわずかに下回っていた応答限界値が超過されてしまう可能性があるからである。
様々な閾値のうちの1つとして、最大の静的な所望非対称を選択することも可能であり、第2の閾値として、システムの最大の全非対称受入値を選択することが可能であろう。先に記載した複数段階でのエラー信号生成の例として、本例では、2段階のエラー通知、すなわち、第1段階「静的な非対称遅延受入値の超過」、第2段階「全非対称受入値の超過」が実現されうるであろう。車両内のバスシステムの具体的な例において、例えば、第1のエラー通知段階は、製造ラインの末端での車両テストの際に特に重要であり(0キロメータ故障(0km−Ausfall))、第2のエラー通知は特に稼動中に重要であろう。また、フェールセーフ(fail−safe)又はフェールサイレント(fail−silent)動作、例えば工場への緊急走行動作も可能となるであろう。本例での全非対称受入値の超過の検出は、ここでは例えば、複数の(6より多い)ビット反転の際に、どのような場合でもハミング距離6ではもはや検出しないCRCによる検出の補足であろう。
本発明にかかる監視ユニット(例えば、サンプリングモジュール100とエラーモジュール300との組み合わせ)の構築は、基本的に、通信システムの伝達区間のどこでも可能である。通信システムの加入者の受信構成要素内での利用、例えば、図9に示されるようなバスシステムの受信ドライバ内での利用、又は、図10に示されるような通信コントローラ内での利用は、特に有利である。
図9は、本発明にかかる装置の構成の例として、バスドライバ900を示す。バスドライバ900は、BP入力口901と、BM入力口902と、RxD出力口907と、エラー出力口919と、を有する。BP入力口901は、バスドライバコア905の第1の入力口903と接続され、BM入力口902は、バスドライバコア905の第2の入力口904と接続される。バスドライバ905の出力口906は、バスドライバ900のRxD出力口907と接続され、かつ、サンプリングモジュール909の入力口908と接続される。サンプリングモジュール909は、第1のイベント出力口910と、第2のイベント出力口912と、を有する。第1のイベント出力口910は、エラーモジュール914の第1のイベント入力口912と接続され、第2のイベント出力口911は、エラーモジュール914の第2のイベント入力口913と接続される。エラーモジュール914は、エラー出力口915を有し、エラー出力口915は、処理ユニット917の入力口916と接続される。最後に、処理ユニット917の出力口918は、エラー出力口919と接続される。エラー出力口919は、更なる別の変形例において、当然のことながら、バスドライバ900内の更なる別のエラー信号処理を開始させることも可能である。
例示的な構成において、バスドライバ900内のサンプリングモジュール909は、図1に示されるサンプリングモジュール100と同様又は同じに構成され、エラーモジュール914は、図2又は3に示されるエラーモジュール200又は300と同じ又は同様に構成される。サンプリング909とエラーモジュール914との組み合わせにより、データ入力口908に印加されるデータ信号を、図1〜8に対する記載と同様に処理する、という可能性が提供される。特に、データ入力口908のデータ信号の非対称な遅延が、少なくとも1つの閾値と比較され、少なくとも1つの閾値の少なくとも1つの超過の際に、エラー出力口915でエラー信号が出力される。処理ユニット917によるエラー信号の更なる別の処理は、例えば、エラー信号の表示、調整、統計的な評価、又は記録に関わりうる。
図10は、本発明にかかる診断装置1100の構成の例として、通信コントローラ1000を示す。通信コントローラ1000は、RxD入力口1001と、エラー出力口1016と、を有する。RxD入力口1001は、通信接続1002を介して、通信コントローラ・コア1004の入力口1003と、及び、サンプリングモジュール1006の入力口1005と接続される。さらに、サンプリングモジュール1006は、第1のイベント出力口1007と、第2のイベント出力口1008と、を有し、第1のイベント出力口1007は、エラーモジュール1011の第1のイベント入力口1009と接続され、第2のイベント出力口1008は、エラーモジュール1011の第2のイベント入力口1010と接続される。エラーモジュール1011の出力口1012は、処理ユニット1014の入力口1013と接続される。最後に、エラーモジュール1014の出力口1015は、エラー出力口1016と接続される。その際に、自身の入力口1005、並びに、自身のイベント出力口1007及び1008を有するサンプリングモジュール1006と、自身のイベント入力口1009及び1010、並びに、自身の出力口1012を有するエラーモジュール1011と、自身の入力口1013及び自身のイベント出力口1015を有する処理ユニット1014と、エラー出力口1016と、は、本発明にかかる診断装置1100に統合される。エラー出力口1016は、更なる別の変形例において、当然のことながら、バスドライバ1000内での更なる別のエラー処理も開始させることも可能である。
図9に対して記載されたのと同様に、サンプリングモジュール1006は好適な構成において、通信コントローラ1000内で、図1に示されるサンプリングモジュール100と同様又は同じに構成され、エラーモジュール1011は、図2又は3に示されるエラーモジュール200又は300と同じ又は同様に構成されうる。さらに、サンプリングモジュール1006と、エラーモジュール1011と、からの組み合わせにより、データ入力口1005に印加されるデータ信号を、図1〜8に対する記載と同様に処理するという可能性が提供される。特に、データ入力口1005でのデータ信号の非対称の遅延は、少なくとも1つの閾値と比較され、少なくとも1つの閾値の少なくとも1つの超過の際に、エラー信号がエラー出力口1012で出力される。処理ユニット1014によるエラー信号の更なる処理は、例えば、エラー信号の表示、調整、統計的な評価、又は記録が関わりうる。サンプリングモジュール1006内での複数の閾値との比較の際に、エラーモジュール1011及び処理ユニット1014によって、様々な閾値の超過に従って、様々なエラー信号も生成され出力される。
非対称な遅延と閾値との比較、及び、場合によっては、超過の際に行われるエラー信号生成が可能である限りにおいて、記載された例の代わりに、サンプリングモジュール1006と、エラーモジュール1011と、及び処理ユニット1014との組み合わせが、1つのユニット内、又は3つ以上のユニット内で想定されうる。
また、外部の診断装置における本発明にかかる装置又は本発明にかかる方法の実現(図示せず)は、例えば、車両のバスシステムのために有利である。その際、診断装置は、通信システムに対する一時的なアクセスを有し、当該アクセスの間に、当該診断装置は、通信システム内で支配的である非対称の遅延と、例えば、本発明にかかる装置内の診断装置内に存在する閾値と、の比較を実施する。例えば、稼動中又は工場での対応する診断も想定可能である。
さらに、FlexRayバスシステムの特別な実施例において、スターノード、特にアクティブスターノードにおける、本発明にかかる装置又は本発明にかかる方法の実現も有利である。

Claims (11)

  1. 非対称な遅延に関して通信システムを診断する方法であって、前記非対称な遅延は、少なくとも1つの閾値と比較され、
    前記非対称な遅延の前記比較は、前記通信システムのデータ信号を所定のサンプリング点でサンプリングすることによって行われ、前記データ信号のサンプリングの前記サンプリング点は、一定の遅延時間分だけ遅延されたデータ信号の当該遅延から導出され、前記遅延時間は、前記少なくとも1つの閾値から得られ、前記データ信号は、前記遅延されたデータ信号のエッジに対応する前記サンプリング点でサンプリングされることを特徴とする、方法。
  2. 立ち下がりエッジに対する立ち上がりエッジの遅延に関する、早めの前記非対称の遅延は、少なくとも1つの第1の閾値と比較され、前記立ち下がりエッジに対する前記立ち上がりエッジの遅延に関する、遅めの前記非対称の遅延は、少なくとも1つの第2の閾値と比較されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 少なくとも1つの前記閾値の超過の際には、エラー通知が生成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 様々な閾値との比較の場合に、前記様々な閾値の超過の際には様々なエラー通知が生成されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 少なくとも1つの前記閾値は、前記通信システム内の前記非対称な遅延についての総受入値に相当する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 非対称な遅延に関して通信システムを診断する装置(1100)であって、前記装置(1100)は、前記非対称な遅延と少なくとも1つの閾値とを比較するために手段(1006)を有し、
    前記非対称な遅延の前記比較は、前記通信システムのデータ信号を所定のサンプリング点でサンプリングすることによって行われ、前記データ信号のサンプリングの前記サンプリング点は、一定の遅延時間分だけ遅延されたデータ信号の当該遅延から導出され、前記遅延時間は、前記少なくとも1つの閾値から得られ、前記データ信号は、前記遅延されたデータ信号のエッジに対応する前記サンプリング点でサンプリングされることを特徴とする、装置(1100)。
  7. 前記装置(1100)は、立ち下がりエッジに対する立ち上がりエッジの遅延に関する早めの前記非対称の遅延を少なくとも1つの第1の閾値と比較し、かつ、前記立ち下がりエッジに対する前記立ち上がりエッジの遅延に関する遅めの前記非対称の遅延を少なくとも1つの第2の閾値と比較するために、手段(1006)を有することを特徴とする、請求項6に記載の装置(1100)。
  8. 前記装置(1100)は、少なくとも1つの前記閾値の超過の際にエラー通知を生成するために、手段(1011、1014)を有することを特徴とする、請求項6又は7に記載の装置(1100)。
  9. 前記装置(1100)は、様々な閾値との前記比較の場合に、前記様々な閾値の超過の際に様々なエラー通知を生成するために、手段(1011、1014)を有することを特徴とする、請求項6〜8のいずれか1項に記載の装置(1100)。
  10. 前記装置(1100)は、前記非対称の遅延と少なくとも1つの閾値との前記比較のために、順序回路素子(110、120)を有することを特徴とする、請求項6〜9のいずれか1項に記載の装置(1100)。
  11. 前記装置(1100)は、エラー通知の生成のために、組合せ回路素子(206)を有することを特徴とする、請求項6〜9のいずれか1項に記載の装置(1100)。
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