JP5560893B2 - ホーンスピーカ - Google Patents

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Description

本発明は、スリットが設けられたフェイズプラグを有するホーンスピーカに関する。
ホーンスピーカは、音波を空間に放射するホーンと、ドーム状の振動板と、振動板から発した音をホーンのスロート部に導入するフェイズプラグ(位相等化器)とを有している。ホーンスピーカの中には、スリットが設けられたフェイズプラグを振動板とホーンの間に配したものがある。図7は、この種のホーンスピーカ8の縦断面図である。また、図8(A)は、このホーンスピーカ8のフェイズプラグ70を振動板76側から見た図である。
図7に示すように、ホーンスピーカ8のフェイズプラグ70は、円錐状部材71、円錐状部材71の外周を取り囲む環状部材72、及び環状部材72の外周を取り囲む環状部材73を各々の間にスリット74,75を空けるようにして一部連結した構造になっている。フェイズプラグ70における振動板76に対向する集音面87は、振動板76に沿って湾曲している。そして、図8(A)に示すように、集音面87におけるスリット74,75の各々は、集音面87の中心からの距離が均一な円環状をなしている。
フェイズプラグ70の環状部材73には環状マグネット79が埋め込まれている。この環状マグネット79は、一方の底面(例えばホーン77側の底面)にN極があり、その反対側の底面にS極がある。フェイズプラグ70の周りにはポールピース80がある。フェイズプラグ70、環状マグネット79、およびポールピース80は、環状マグネット79が発生した磁力線を一巡させる磁気回路を構成している。
フェイズプラグ70の外周壁81とポールピース80の内周壁82の間には磁気ギャップAGがある。磁気回路を一巡する磁束はこの磁気ギャップAGを横切る。振動板76の外周部には、フェイズプラグ70の外周壁81の直径よりも大きくポールピース80の内周壁82の直径よりも小さな直径をもった円筒状のボイスコイルボビン83が固定されている。ボイスコイルボビン83には、ボイスコイル(不図示)が巻回されている。そして、振動板76は、ボイスコイルボビン83が磁気ギャップAGに収容されるような状態で支持される。
振動板76を支持する構成は次の通りである。ポールピース80の端面にはスペーサリング84が固定されている。そして、環状のエッジ86が振動板76を取り囲むようにして振動板76の外周部を支持し、そのエッジ86の外周部がスペーサリング84の内周壁85に固定されている。
以上のような構成を有するホーンスピーカ8において、ボイスコイルボビン83のボイスコイルに音声信号の電流を流すと、ボイスコイルボビン83には、フェイズプラグ70の中心軸axに平行な方向の駆動力が与えられ、ボイスコイルボビン83に固定された振動板76が振動する。振動板76が振動すると、振動板76とフェイズプラグ70の間の空間OSがフェイズプラグ70の各スリット74,75を介して押し出されたり引き戻されたりする。そして、この押し出されたり引き戻される空気の粗密波が、音波としてホーン77の外部空間へ放射される。
ここで、図7に示すように、振動板76とフェイズプラグ70に挟まれた空間OSの外周部側は、フェイズプラグ70、ポールピース80、スペーサリング84、およびエッジ86によって塞がれている。このため、振動板76がある周波数で振動すると空間内に共鳴現象が発生する。その結果、共鳴現象が発生する周波数においてホーンスピーカ8の再生周波数特性にピークやディップが発生してしまう。
この問題を解決するため、従来のホーンスピーカ8のフェイズプラグ70には、以下に説明するような設計上の対策が施されている。図8(B)は、振動板76が、その中心に対して同心円状に1つの節ができるような状態(以下、この状態を「1次モード」という)で振動している様子を示した図である。図8(C)は、振動板76が、その中心に対して同心円状に2つの節ができるような状態(以下、この状態を「2次モード」という)で振動している様子を示す図である。簡便のため、図8(B),図8(C)では、振動板76を直線状としてその振動の様子を示している。従来のホーンスピーカ8のフェイズプラグ70では、図8(A),図8(B),図8(C)に示すように、以下の2つの条件a.b.を満たすように集音面87におけるスリット74,75の配置を決めていた(詳しくは、非特許文献1を参照)。
条件a.振動板76が1次モードで振動しているときにできる1つの節の内側と外側にスリット74,75の各々があり、その節からスリット74,75までの距離がほぼ等しい。
条件b.振動板76が2次モードで振動しているときにできる2つの節と2つのスリット74,75が各々重なる。
しかし、この対策では、ホーンスピーカ8の再生周波数特性に大きなピークが発生することは防止できるもののディップが発生することは防止できないという問題があった。その理由は、以下に説明する通りである。1次モードでは、振動板76の振動の節が内側のスリット74と外側のスリット75の真中に位置する。このため、振動板76が1次モードで振動している場合、スリット74の入り口に発生する音の音圧とスリット75の入り口に発生する音の音圧は逆位相となる。よって、それらスリット74,75の合流点において各スリット74,75を伝搬した音の音圧が相殺されてしまう。従って、ホーンスピーカ8の再生周波数特性では、1次モードの周波数においてディップが発生する。また、振動板76が2次モードで振動している場合、振動板76の振動の節が内側のスリット74と外側のスリット75の各々に位置する。このため、スリット74の入り口に発生する音の音圧とスリット75の入り口に発生する音の音圧はいずれもほぼ0になる。従って、ホーンスピーカ8の再生周波数特性では、2次モードの周波数においてディップが発生する。
特許文献1には、以上説明した各振動モードにおけるディップの発生に対する対策となる技術の開示がある。図9に示すように、特許文献1に開示されたホーンスピーカ8Aでは、フェイズプラグ70の外周壁81とポールピース80の内周壁82の間の隙間をホーン77のスロート部78まで延在させることにより補助スリット90が形成されている。この構成では、補助スリット90により、振動板76とフェイズプラグ70の間に挟まれた空間OSの外周部の空間が、フェイズプラグ70の前方の空間であるホーン77内の空間に繋がり、空間OSの閉塞状態が解消される。このため、共鳴現象が発生し難くなる。従って、非特許文献1に開示されたような設計上の対策を講じる必要もなくなる。
BobH. Smith、An Investigation of the Air Chamber of HornType Loudspeakers、THE JOURNAL OF THE ACOUSTICAL SOCIETYOF AMERICA、米国、1953年3月、P.305〜P.312 米国特許第5117462号明細書
しかしながら、特許文献1に開示された技術には次のような問題があった。第1に、特許文献1の技術では、補助スリット90の形状を、そのスリット90内を伝わる音波の位相と他のスリット74,75内を伝わる音波の位相とが揃うようなものにしなければならない。このため、補助スリット90やフェイズプラグ70の形状が複雑になる。第2に、特許文献1の技術では、エッジ86とポールピース80との間の空間における補助スリット90に連通する側と反対側の端部がスペーサリング84により塞がれる。このため、スペーサリング84とエッジ86及びポールピース80とに囲まれた空間において共鳴現象が発生してしまう。第3に、特許文献1の技術では、振動板76の外周部において振動板76と異なる動きをするエッジ86により生成される音波までも、補助スリット90内を伝わってホーン77から外部空間に放射される。このため、スリット74,75内を伝わる音波だけをホーン77から外部空間に放射するものよりも音質が悪くなる。
本発明は、このような背景の下に案出されたものであり、ホーンスピーカの再生周波数特性を平坦にすることを目的とする。
本発明は、音波を空間に放射するホーンと、ドーム状の振動板と、前記振動板から発した音を前記ホーンのスロート部に導入するフェイズプラグを有するホーンスピーカにおいて、前記振動板の外周部に固定されたボイスコイルボビンと、前記エッジまたはボイスコイルボビンを支持するエッジと、前記エッジを介して前記振動板および前記ボイスコイルボビンを振動可能に支持し、前記ボイスコイルボビンを内部に保持する磁気ギャップを含む磁気回路を有する保持体とを備え、前記保持体が、前記磁気ギャップを前記保持体の外側の空間に連通させる空気流通路を有することを特徴とするホーンスピーカを提供する。
この発明では、振動板とフェイズプラグの間の空間と、保持体の外側にある無限大の拡がりを持った空間とが空気流通路を介して連通する。よって、本発明によると、振動板とフェイズプラグの間の空間を閉塞した場合に比べて共鳴現象を発生し難くなる。従って、ホーンスピーカの再生周波数特性を平坦にすることができる。また、この発明では、空気流通路の出口が保持体の外側に向いている。従って、エッジの振動により生成される音波までもがホーンから放音されて音質が悪くなる、という事態を回避することができる。
この発明において、前記保持体は、前記磁気ギャップを前記保持体の外側の空間に連通させる空気流通路であって、当該空気流通路が前記磁気回路を一巡する磁束と交差しないように形成された空気流通路を有していてもよい。このような構成によると、ホーンスピーカの再生周波数特性の平坦化と引き換えに磁気回路からボイスコイルボビンに与えられる駆動力が弱められてしまう、という事態の発生を回避することができる。
本発明の一実施形態であるホーンスピーカの縦断面図である。 同ホーンスピーカにおけるホーンの一部を除いた残りの部分の拡大図である。 同ホーンスピーカを振動板の背面の側から見た図である。 本発明の他の実施形態であるホーンスピーカの拡大図である。 本発明の他の実施形態であるホーンスピーカの拡大図である。 本発明の他の実施形態であるホーンスピーカの拡大図である。 従来のホーンスピーカの縦断面図である。 従来のホーンスピーカにおける振動モードとフェイズプラグのスリットの位置との関係を示す図である。 従来のホーンスピーカの縦断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は、この発明の一実施形態であるホーンスピーカ5の縦断面図である。図2は、図1におけるホーン14の一部を除いた残りの部分の拡大図である。図1及び図2において、ポールピース10の外形は、小径の筒体と大径の筒体とを連結させたような形状をなしている。ポールピース10の中心には導音孔11が穿設されている。ポールピース10の一端面における導音孔11の開口部13にはホーン14のスロート部55が連結されており、ポールピース10とホーン14とが一体となって、本発明のホーンスピーカ5のホーンを構成している。ポールピース10の他端面にはフェイズプラグ16が固定されている。フェイズプラグ16の背後には湾曲面であるドーム状の振動板17がある。この振動板17は、当該振動板17における音の放射方向に対して凹んだ凹曲面(以下、この凹曲面を放射面49という)をフェイズプラグ16に向けて支持されている。この振動板17を支持する構成の詳細は、後述する。
フェイズプラグ16は、振動板17の振動によって発生する音波の位相を揃える位相等化器としての役割を果たす部材である。フェイズプラグ16は、円錐状部材18とその外周を取り囲む環状部材19、及び環状部材19とその外周を取り囲む環状部材20を各々の間にスリット21,22を空けるようにして一部連結した構造になっている。フェイズプラグ16として連結された部材18、19及び20における振動板17に対向する面は、振動板17の放射面49の形状に対応した凸曲面(以下、この凸曲面を音集面45という)をなしている。円錐状部材18と環状部材19の間の隙間および環状部材19と環状部材20の間の隙間は、音集面45から導音孔11に向かって延在するスリット21,22を構成する。これらスリット21,22の各々の断面形状は、音響孔11に近づくに従って拡がるテーパ状をなしている。なお、図2では、スリット21,22の一部が集音面45に至る途中で閉塞しているが、これは、図2の断面におけるそれらの閉塞箇所において、円錐状部材18と環状部材19および環状部材19と環状部材20が連結されていることを示すものである。
振動板17の外周部には、円筒状のボイスコイルボビン39が固定されている。ボイスコイルボビン39と振動板17の周端との接続部近傍の僅かにホーン14寄りの位置には、ボイスコイルボビン39を取り囲んで支持するエッジ40が設けられている。
ポールピース10、フェイズプラグ16、および振動板17の周りには、バックプレート31、環状マグネット32、トッププレート33、およびスペーサリング34がある。バックプレート31、環状マグネット32、トッププレート33、スペーサリング34、及びポールピース10は、ボイスコイルボビン39を内部に保持する磁気ギャップAG1を含む磁気回路を有する保持体としての役割を果たす。また、この保持体をなす5つの部材のうちスペーサリング34は、エッジ40を介して振動板17及びボイスコイルボビン39を振動自在に支持する役割を果たす。
より詳細に説明すると、バックプレート31、環状マグネット32、およびトッププレート33は、異なる内周径を持った円環状をなしている。スペーサリング34は、小径の筒体と大径の筒体とを連結させた形状をなしている。バックプレート31、環状マグネット32、トッププレート33、およびスペーサリング34の各々における外周よりも僅かに内側には各々の一端面と他端面の間を貫く4つのネジ穴が等間隔を空けて穿設されている。
バックプレート31は、ポールピース10を取り囲んだ状態でポールピース10に対して固定されている。そして、図2及び図3に示すように、バックプレート31、環状マグネット32、トッププレート33、およびスペーサリング34は、トッププレート33とスペーサリング34の間に4つの筒形スペーサ52−1,52−2,52−3,及び52−4を挟んで重ねられ、スペーサリング34の側から各々のネジ穴と筒型スペーサ52−1,52−2,52−3,52−4にネジ50−1,50−2,50−3,50−4を螺合することによって、一体化されている。
バックプレート31、環状マグネット32、トッププレート33、およびスペーサリング34が一体化された状態において、環状マグネット32の内周壁35とポールピース10の外周壁37は空隙を空けて対向し、トッププレート33の内周壁36とポールピース10の外周壁37は、より狭い隙間である磁気ギャップAG1を空けて対向している。バックプレート31におけるホーン14と反対側の端面には環状マグネット32の一方の端面が固定されており、環状マグネット32の他方の端面にはトッププレート33の一方の端面が固定されている。トッププレート33の他方の端面には、筒型スペーサ52−1,52−2,52−3,52−4の幅の空隙XSを挟んでスペーサリング34の一方の端面が固定されており、トッププレート33とスペーサリング34の間の空隙XSには吸音材53が詰め込まれている。この空隙XSは、磁気ギャップAG1をスペーサリング34の外周壁95の外側の空間に連通させる空気流通路を構成する。
バックプレート31、トッププレート33、及びポールピース10は、高透磁率の材料から形成されている。また、環状マグネット32は、一方の端面(例えばバックプレート31側の端面)にN極があり、他方の端面(例えばトッププレート33側の端面)にS極がある。そして、バックプレート31、トッププレート33、及びポールピース10が、環状マグネット32が発生した磁力線を一巡させる磁気回路を構成する。この磁気回路を一巡する磁束が磁気ギャップAG1を横切る。
スペーサリング34の内周面41には、振動板17及びボイスコイルボビン39を取り囲むエッジ40の外周部が固定されている。エッジ40の外周部がスペーサリング34に固定された状態において、振動板17の音波の放射面49(凹面)とフェイズプラグ16の集音面45(凸面)は空隙を挟んで対向する。また、ボイスコイルボビン39におけるボイスコイル(不図示)が巻回されている先端部分は磁気ギャップAG1に収容されている。
ホーンスピーカ5の構成は、以上説明した通りである。このホーンスピーカ5は、以下のようにして動作する。振動板17のボイスコイルボビン39に巻回されているボイスコイル(不図示)に音声信号の電流を流すと、この電流は磁気ギャップAG1内の磁束と交差する。このため、ボイスコイルボビン39には、そのボイスコイル(不図示)に流れる電流の方向と磁気ギャップAG1における磁束の方向の両方に直交する方向(より具体的には、ポールピース10の中心軸bxに平行な方向)の駆動力が与えられ、ボイスコイルボビン39に固定された振動板17が振動する。振動板17が振動すると、この振動により、振動板17及びフェイズプラグ16間の空間OS1内の空気がフェイズプラグ16の各スリット21,22を介して導音孔11に押し出されたり引き戻されたりする。そして、この押し出されたり引き戻される空気の粗密波が、音波として導音孔11を経由し、ホーン14から外部空間へ放射される。
以上説明した本実施形態では、空隙XSにおける磁気ギャップAG1と連通する側と反対側がスペーサリング34の外側の外部空間に開放されている。この開放により、空間OS1は、磁気ギャップAG1、ボイスコイルボビン39の外側におけるエッジ40とトッププレート33に挟まれた空間AS1(図2)、及び空隙XSを介して外部空間と連通する。外部空間は無限大の拡がりを持った空間であるから、その音響インピーダンスZのリアクタンス成分はほぼ0である。このため、空間OS1を外部空間と連通させた場合における空間OS1の音響インピーダンスZのリアクタンス成分は0に近づく。よって、本実施形態では、空間OS1を外部空間と連通させない場合に比べて、空間OS1の音響インピーダンスZのリアクタンス成分に起因する共鳴現象が発生し難くなる。従って、ホーンスピーカ5の再生周波数特性を平坦にすることができる。
また、本実施形態のホーンスピーカ5では、空隙XSにおける内周壁41側の開口部がエッジ40の近傍にあるため、エッジ40の振動により生成される音波が空隙XSを通ってその外側に漏れる。しかし、空隙XSの外周壁95側の開口部は放音方向と直交する方向(ポールピース10の中心軸bxと直交する方向)に向いている。従って、エッジ40の振動により生成される音波までもがホーン14から放音されて音質が悪くなる、という事態を回避することができる。
また、本実施形態では、空気流通路たる空隙XSが磁気回路を一巡する磁束と交差しないように形成されている。従って、ホーンスピーカ5の再生周波数特性の平坦化と引き換えに磁気回路からボイスコイルボビン39に与えられる駆動力が弱められてしまう、という事態の発生を回避することができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態があり得る。例えば、以下の通りである。
(1)上記実施形態において、エッジ40は、振動板17の外周部から延在するボイスコイルボビン39ではなく振動板17の外周部自体を外側から支持してもよい。
(2)上記実施形態では、スペーサリング34とトッププレート33の間の空隙XSは、ポールピース10の中心軸bxと直交する平面に沿って拡がっていた。しかし、スペーサリング34とトッププレート33の間の空隙XSをこの平面の方向と異なる方向に向かって形成してもよい。
(3)上記実施形態では、スペーサリング34とトッププレート33の端面間に筒型スペーサ52−1,52−2,52−3,52−4を挟み、それら両面の間に空気流通路である空隙XSを設けた。しかし、スペーサリング34とトッププレート33の間に空隙XSを設けない代わりに、スペーサリング34自体に空気流通路としての役割を果たす孔XS’を設けてもよい。たとえば、図4に示すホーンスピーカ5Aのように、スペーサリング34の内周壁41におけるエッジ40とトッププレート33に挟まれた領域からその外周壁95に至る複数本の孔XS’を放射状に設けてもよい。この場合において、スペーサリング34における各孔XS’は、スペーサリング34の他端面側から螺合されているネジ50−1,50−2,50−3,50−4と交差する方向を避けて穿設するとよい。
(4)上記実施形態では、空気流通路たる空隙XSが、ボイスコイルボビン39の外側におけるエッジ40とトッププレート33に挟まれた空間AS1からポールピース10の中心軸bxと直交する方向に向かって設けられていた。しかし、空隙XSを設ける方向は中心軸bxと直交する方向である必要はない。たとえば、図5に示すホーンスピーカ5Bのように、磁気ギャップAG1からポールピース10の中心軸bxと平行な方向に向かって延在する空隙XS”を空隙XSの代わりに設けてもよい。このホーンスピーカ5Bでは、バックプレート31の両端面間に、ボイスコイルボビン39の直径とほぼ同じ直径を持った環状の空洞が穿設されている。この環状の空洞の幅は、環状マグネット32の内周壁35とポールピース10の外周壁37の間の幅と同じである。また、ホーン14におけるバックプレート31に接続されている基端部の両端面間にも、ボイスコイルボビン39の直径とほぼ同じ直径を持った環状の空洞が穿設されている。この環状の空洞の幅も、環状マグネット32の内周壁35とポールピース10の外周壁37の間の幅と同じである。そして、このバックプレート31の空洞とホーン14の基端部の空洞とにより、空隙XS”が形成される。このホーンスピーカ5Bでは、空隙XS”における磁気ギャップAG1と連通する側と反対側がホーン14の基端部の外側の外部空間に開放されている。この開放により、空間OS1は、磁気ギャップAG1及び空隙XS”を介して外部空間と連通する。よって、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
(6)上記実施形態において、図6に示すように、スペーサリング34の内周壁41と外周壁95におけるトッププレート33に対向する面側の端部を丸めるとともに、トッププレート33の外周壁96におけるスペーサリング34に対向する面側の端部を丸めることにより、スペーサリング34とトッププレート33の間の空隙XSの開口部の幅を拡げてもよい。この実施形態によると、磁気ギャップAG1から空隙XSに至る途中に介在するエッジ40とトッププレート33に挟まれた空間AS1と空隙XSとの間の音響インピーダンスの変化、および空間XSとスペーサリング34の外周壁95側の外部の空間との間の音響インピーダンスの変化が緩やかになる。従って、空隙XSから外周壁95側の外部の空間に向かう音波が空隙XS側に戻される反射波、および空間AS1から空隙XSに向かう反射波を少なくし、共鳴現象の発生をより確実に防ぐことができる。同様に、(2)の実施形態においてスペーサリング34に設けられる孔XS’の一端または両端の開口部の大きさを拡げて、音響インピーダンスの整合を図ってもよい。
(7)上記実施形態では、スペーサリング34とトッププレート33の間に磁気ギャップAG1と連通する隙間XSが形成され、この隙間XSに吸音材53が詰め込まれていた。しかし、隙間XSを設けずに、トッププレート33とエッジ40に挟まれた空間におけるスペーサリング34側を塞いでもよい。この場合において、保持体たるスペーサリング34及びトッププレート33とエッジ40とに囲まれ且つ磁気ギャップAG1に連通した空間内に吸音材を充填するとよい。この実施形態の構成を概念的に示すと、「音波を空間に放射するホーンと、ドーム状の振動板と、前記振動板から発した音を前記ホーンのスロート部に導入するフェイズプラグを有するホーンスピーカにおいて、前記振動板の外周部に固定されたボイスコイルボビンと、前記振動板またはボイスコイルボビンを支持するエッジと、前記エッジを介して前記振動板および前記ボイスコイルボビンを振動可能に支持し、前記ボイスコイルボビンを内部に保持する磁気ギャップを含む磁気回路を有する保持体とを備え、前記保持体と前記エッジとに囲まれ且つ前記磁気ギャップに連通した空間内に吸音材が充填さていることを特徴とするホーンスピーカ。」となる。
5…ホーンスピーカ、10…ポールピース、11…導音孔、14…ホーン、16…フェイズプラグ、17…振動板、18…円錐状部材、19,20…環状部材,31…バックプレート、32…環状マグネット、33…トッププレート、34…スペーサリング、39…ボイスコイルボビン、40…エッジ、52…筒形スペーサ、53…吸音材

Claims (2)

  1. 音波を空間に放射するホーンと、ドーム状の振動板と、前記振動板から発した音を前記ホーンのスロート部に導入するフェイズプラグとを有するホーンスピーカにおいて、
    前記振動板の外周部に固定されたボイスコイルボビンと、
    前記振動板またはボイスコイルボビンを支持するエッジと、
    前記エッジを介して前記振動板および前記ボイスコイルボビンを振動可能に支持し、前記ボイスコイルボビンを内部に保持する磁気ギャップを含む磁気回路を有する保持体とを備え、
    前記保持体は、
    前記ホーンのスロート部と前記フェイズプラグとの間に介挿された筒状のポールピースと、
    前記ポールピースの外周面を取り囲んだ状態で固定された環状のバックプレートと、
    前記ポールピースの外周面と空隙を挟んで対向し、前記バックプレートに固定された環状マグネットと、
    前記ポールピースの外周面と空隙を挟んで対向し、前記環状マグネットに固定された環状のトッププレートと、
    前記トッププレートに固定された環状のスペーサリングとを有し、
    前記エッジの外周部は前記スペーサリングの内周面に固定されており、
    前記ポールピース、前記バックプレート、前記環状マグネットおよび前記トッププレートは、前記トッププレートと前記ポールピースとの間の空隙を前記磁気ギャップとする前記磁気回路を構成しており、
    前記トッププレートと前記スペーサリングは、前記磁気ギャップを前記保持体の外側の空間に連通させる空気流通路となる空隙を間に挟んだ状態で対向しており、
    前記トッププレートにおいて前記空隙を挟んで前記スペーサリングと対向する面の端部が丸められ、前記スペーサリングにおいて前記空隙を挟んで前記トッププレートと対向する面の端部が丸められていることを特徴とするホーンスピーカ。
  2. 音波を空間に放射するホーンと、ドーム状の振動板と、前記振動板から発した音を前記ホーンのスロート部に導入するフェイズプラグとを有するホーンスピーカにおいて、
    前記振動板の外周部に固定されたボイスコイルボビンと、
    前記振動板またはボイスコイルボビンを支持するエッジと、
    前記エッジを介して前記振動板および前記ボイスコイルボビンを振動可能に支持し、前記ボイスコイルボビンを内部に保持する磁気ギャップを含む磁気回路を有する保持体とを備え、
    前記保持体は、
    前記ホーンのスロート部と前記フェイズプラグとの間に介挿された筒状のポールピースと、
    前記ポールピースの外周面を取り囲んだ状態で固定された環状のバックプレートと、
    前記ポールピースの外周面と空隙を挟んで対向し、前記バックプレートに固定された環状マグネットと、
    前記ポールピースの外周面と空隙を挟んで対向し、前記環状マグネットに固定された環状のトッププレートと、
    前記トッププレートに固定された環状のスペーサリングとを有し、
    前記エッジの外周部は前記スペーサリングの内周面に固定されており、
    前記ポールピース、前記バックプレート、前記環状マグネットおよび前記トッププレートは、前記トッププレートと前記ポールピースとの間の空隙を前記磁気ギャップとする前記磁気回路を構成しており、
    前記トッププレートと前記スペーサリングは、前記磁気ギャップを前記保持体の外側の空間に連通させる空気流通路を間に挟んだ状態で対向しており、
    前記空気流通路に吸音材が充填されていることを特徴とするホーンスピーカ。
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