JP5560828B2 - 変圧器の負荷推定方法 - Google Patents

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本発明は、変圧器の最大負荷を推定する負荷推定方法に関する。
変電所等から家庭や工場に電力を供給する高圧配電線路には変圧器が設置されている。変圧器は、高圧配電線路に印加された交流6.6kVの高圧電力を、家庭や工場で利用可能な100Vや200Vの低圧電力に変成(変圧)する。一般的な変圧器としては、市街地等において電柱上に設置される柱上変圧器がよく知られている。また近年は市街地の景観を向上するために電線類地中化も進められており、地上設置型の変圧器も設置されるようになってきている。
一般に1つの変圧器に接続された配電線路は複数個所で分岐し、住宅や商業施設等(需要家)に電力を供給している。この1つの変圧器から供給される需要家の範囲(地域)は、バンクと呼ばれる。これらの需要家が電力を使用すると、変圧器には負荷が生じる。変圧器の負荷は、負荷電流値(A)として計測することができる。例えば任意に抽出された変圧器に電流計を設置し、所定の単位時間ごとにその電流計付き変圧器に生じた負荷電流値(A)を計測し、その負荷電流値(A)を事業所などに設置されているサーバ等に送信することで、データの蓄積や分析が行われている。そのような分析の1つとして、計測した負荷電流値(A)を標本として、電流計のついていない変圧器に対しても、負荷を推定することが可能となっている。
上記の需要家の消費電力が増大し、変圧器の負荷が許容範囲を超えると、変圧器は過負荷の状態となる。過負荷となった変圧器は、内部温度の上昇に伴って耐用年数が短縮し、さらに過度な負荷が生じた場合は故障を起こしてしまう。過負荷の発生は、予め容量が十分に大きい変圧器を選定して設置することで防止可能である。しかし変圧器は、その容量の増大に伴って装置価格および設置費用が増大する。そのため過負荷を懸念して、過剰な尤度の容量の変圧器を選定することは不経済である。つまり変圧器は発生し得る最大負荷を的確に把握し、その最大負荷を過不足なく許容できる容量のものを選定する必要がある。
従来から変圧器に発生し得る最大負荷を推定するための様々な方法が提案されている。例えば、変圧器により電力が供給される需要家の契約容量および需要種別(業種)から変圧器の最大負荷を求める方法が普及している。この方法はkW法とも呼ばれ、需要家の契約容量および業種と、変圧器の最大負荷との間における相関関係を利用した方法である。
また例えば、特許文献1には、日負荷計測データを持つ(ロードサーベイ計量器を持つ)計測需要家と持たない非計測需要家とが混在する配電系統における変圧器負荷想定方法が開示されている。ロードサーベイ計量器とは、住宅の分電盤等に取り付けられ、需要家の所定時間ごとの消費電力を計測してサーバ等へ計測データを送信する装置である。特許文献1では、ロードサーベイ計量器を持たない非計測需要家であっても、電力量計(電気メータ)から検針される月間電力消費量の変動パターンから、電力消費量が類似する計測需要家を特定し、その計測需要家の日負荷計測データをもとに需要家の日負荷を総合して求めている。そして、変圧器ごとの日負荷および所定期間の負荷を想定(推定)している。
特開2006−352996号公報
特許文献1の方法によれば、発生し得る変圧器の最大負荷を推定することも可能である。しかし、特許文献1の方法はロードサーベイ計量器の存在が前提となっており、さらには負荷推定の精度は、ロードサーベイ計量器の普及率に依存すると考えられる。例えば、非計測需要家については、月間電力消費量の変動パターンから類似する計測需要家を見つけて日負荷計測データを推定している。そのため、非計測需要家と同様の電力消費量の計測需要家が多数存在していることが前提であり、特許文献1の方法による変圧器の負荷の推定は、その精度の向上に限界がある。
一方、上述したkW法は、変圧器の最大負荷を求めるにあたって、専用の計器を必要としない点において容易に実施可能な方法である。しかし、契約容量と業種のみから最大負荷を推定すると、地域や各需要家の特性により、実際に発生する最大負荷との間には誤差が生じる可能性がある。この場合、誤差分を考慮して推定値よりも大きめに最大負荷を設定する必要があるため、さらに最適化を行う余地があった。
本発明は、このような課題に鑑み、既設の計器を用いて、精度の高い最大負荷の推定が可能な変圧器の負荷推定方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために発明者らは鋭意検討し、kW法によって求めた変圧器の最大負荷と実際に発生する最大負荷との誤差は、需要家の生活行動に左右される点に着目した。そして、需要家の生活行動は、電気メータから検針可能な電気使用量となって表れること、および電気使用量と最大負荷との間には相関性があることから、電気使用量の標準的な量(推定値)に対する誤差と、最大負荷の推定値に対する誤差との間にも相関性があることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち上記課題を解決するために、本発明にかかる変圧器の負荷推定方法の代表的な構成は、変圧器の最大負荷を推定する負荷推定方法であって、個々の変圧器に接続される複数の需要家の契約容量と、複数の需要家において実際に使用された電気使用量を取得し、契約容量と電気使用量から契約容量と推定使用量との関係を示す使用量推定関数を導出し、多数の変圧器のうち、一部の電流計付き変圧器の各々に接続される複数の需要家の契約容量および業種から、各々の電流計付き変圧器の最大負荷を推定した負荷推定値を算出し、各々の電流計付き変圧器において測定した最大負荷である負荷実測値を取得し、各々の電流計付き変圧器について、負荷推定値と負荷実測値との誤差を示す負荷誤差を算出し、各々の電流計付き変圧器に接続される複数の需要家について使用量推定関数を用いて求めた推定使用量と電気使用量との誤差を示す使用量誤差を算出し、複数の電流計付き変圧器の負荷誤差と使用量誤差からこれらの関係を示す誤差関数を導出し、電流計のついていない変圧器についても、誤差関数を用いて負荷推定値を補正することを特徴とする。
上記構成によれば、個々の需要家において実測した電気使用量を用いて変圧器の負荷推定値を補正するため、電流計のついていない変圧器についても新たな計器類を用いることなく、より精度の高い負荷推定が可能である。
上記の変圧器の負荷推定方法は、過去の一定期間内に、電流計付き変圧器において負荷が最大であった月の電気使用量および負荷実測値を用いて使用量推定関数および誤差関数を導出してもよい。この構成であれば、個々の変圧器のバンクにおいて発生し得る最大負荷を推定することが可能である。これにより、例えば年間を通して最も最大負荷が増大する真夏または真冬を想定して変圧器を設置および管理することが可能となる。
上記の使用量推定関数または誤差関数は、一次関数であるとよい。これによれば、より簡素な処理で変圧器の最大負荷を推定することが可能となる。
本発明によれば、既設の計器を用いて、精度の高い最大負荷の推定が可能な変圧器の負荷推定方法を提供することができる。
本実施形態にかかる変圧器の負荷推定方法が実施される配電系統を説明する図である。 従来のkW法により推定した変圧器の負荷を説明する図である。 需要家の電気使用量に表れる生活行動による誤差を説明する図である。 使用量誤差と負荷誤差との相関関係を例示する図である。 本実施形態の変圧器の負荷推定方法を実行する変圧器負荷推定装置の構成を示すブロック図である。 本実施形態の変圧器の負荷推定方法を示すフローチャートである。 データテーブルに記録されるデータを例示する図である。 使用量推定関数を説明する図である。 誤差関数を説明する図である。 実施形態の変圧器の負荷推定方法の有効性を示す図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。係る実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また、本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(配電系統)
図1は、本実施形態にかかる変圧器の負荷推定方法が実施される配電系統100を説明する図である。図1に示すように、配電系統100は、変電所102から送り出された電流を複数の一般家庭104および商業施設106等の需要家に供給する。
配電系統100は、区間開閉器108によって複数の配電区間110に分割されている。区間開閉器108は、配電区間110内に事故が発生した場合に、その配電区間110への電力供給を停止する。一つの配電区間110には複数の変電所102から電線が接続されており、区間開閉器108を切り替えることによってその配電区間110への系統切替を行うことができる。例えば一方の変電所がメンテナンスする際や過負荷となった場合には、区間開閉器108を切り替えて、一部または全部の配電区間110に他の変電所102から電力を供給することができる。
配電区間110内において、需要家の手前には変圧器112が設けられる。変圧器112は、高圧配電線路に印加された交流の高圧電力を、一般家庭104等で利用可能な低圧電力に変成(変圧)する。1つの変圧器112には複数の需要家が接続している。各変圧器112と接続する需要家の範囲(地域)は、バンクと呼ばれる単位で表される。
本実施形態において、変圧器112は、電柱上に設けられる柱上変圧器を想定している。一般に、運用される全体の柱上変圧器のうち、一部の柱上変圧器(例えば総数の1/3000程度)には電流計が備えられている。本実施形態において、電流計付きの柱上変圧器を、電流計付き変圧器114として例示している。電流計付き変圧器114は、所定の単位時間ごとにその電流計付き変圧器114に生じた最大の負荷を、負荷電流値(A)として計測することができる。計測したデータは、事業所116に設置されたサーバ118へと送信され、蓄積される。サーバ118では、電流計付き変圧器114により計測した負荷を標本とした統計から、kW法に用いる契約容量と最大負荷の関係式を回帰分析によって求める。関係式が求まると、電流計の有無にかかわらず、変圧器112の負荷がkW法によって求められる。
(変圧器の負荷推定方法)
本実施形態による変圧器の負荷推定方法について説明する。本実施形態による変圧器の負荷推定方法では、需要家の生活行動を値に反映させ、より実測値に近い負荷の値を推定することができる。
図2は、従来のkW法により推定した変圧器の負荷を説明する図である。図2の横軸は、電流計付き変圧器により実際に測定された負荷実測値であり、kW法によって求めたい(推定したい)変圧器の負荷の値である。縦軸は、kW法によって推定した変圧器の負荷の値である。図2中のプロットは、ある1つの変圧器の負荷の値を示している。kW法は、前述したとおり、変圧器より電力が供給される需要家の契約容量および需要種別(業種)から変圧器の最大負荷を求める方法である。
kW法による負荷の推定が理想的な精度を有していた場合、負荷推定値と負荷実測値とは一致する。そして、複数の変圧器から取得した値のプロットは、例えば同一直線上(回帰曲線上)に位置する。しかし実際は需要家の生活行動には多様性があるため、需要家の契約容量および業種のみからの変圧器の負荷の推定には精度に限界がある。そのため、図2に示すように、(1)の契約容量から推定可能である負荷(回帰曲線上の値)と、電流計付き変圧器によって測定した負荷実測値(求めたい値)との間には、(2)の生活行動による誤差(負荷誤差)が生じる。
図3は、需要家の電気使用量に表れる生活行動による誤差を説明する図である。図3の横軸は、住宅等に設置される需要家の電気メータから検針した、需要家の電気使用量である。縦軸は、kW法と同じく、需要家の契約容量および業種から推定可能な電気の使用量を示す推定使用量である。一般に、需要家の電気使用量は、契約容量および業種と相関があることから、それらの関係式(使用量推定関数)から推定使用量を得ることができる。図3は需要家単位で値を表して、プロットは一軒の需要家の電気の使用量を示している。
契約容量および業種からの電気使用量の推定が理想的な精度を有していた場合、推定使用量と電気使用量とは一致する。しかし、変圧器負荷推定の場合と同様に、需要家の生活行動の多様性のため、契約容量および業種からの電気使用量の推定には精度に限界がある。そして需要家の生活行動は、推定使用量および電気使用量との間にも誤差となって表れる。図3では、(3)の契約容量から推定可能である推定使用量(回帰曲線上の値)と、電気メータから検針した電気使用量との間に、(4)の生活行動による誤差(使用量誤差)が生じる。
ここで、負荷誤差と使用量誤差とは、ともに需要家の生活行動から生じる誤差であることから、負荷誤差と使用量誤差とには相関関係があることが推測される。例えば、図4は、使用量誤差と負荷誤差との相関関係を例示する図である。図4は変圧器単位で値を表していて、使用量誤差も需要家単位ではなく変圧器単位として示している。図4に例示するように、使用量誤差と負荷誤差との相関関係は、回帰曲線(直線を含む)およびその回帰式(誤差関数)として求めることができる。以下に説明する本実施形態にかかる変圧器の負荷推定方法では、この使用量誤差と負荷誤差との誤差関数を求め、この誤差関数を用いてkW法によって推定した負荷推定値を補正する。これにより、需要家の生活行動を反映させた、実負荷に即したより精度の高い負荷推定を可能にしている。
図5は、本実施形態の変圧器の負荷推定方法を実行する変圧器負荷推定装置の構成を示すブロック図であり、図6は本実施形態の変圧器の負荷推定方法を示すフローチャートである。以下、図1および図5を参照しながら、図6のフローチャートについて説明する。
図5に示す変圧器負荷推定装置(以下、負荷推定装置120と記載する)は、現在のバンクにおいて変圧器112に発生し得る最大負荷を推定する。この最大負荷の推定は、例えば所定の月を想定して行うことができる。これにより、変圧器112に発生し得る将来の負荷を予測することもできる。なお、以下の説明においては特に言及しない限り、変圧器112には電流計付き変圧器114も含まれるものとする。
負荷推定装置120は、制御部122を備えている。制御部122は、中央処理装置(CPU)を含む半導体集積回路により負荷推定装置120の全体の機能を管理および制御する。
入力部124は、キーボードやマウスやタッチパネル、ファイル入出力装置やネットワークを通じたデータ通信等、外部からの情報を取り入れる種々の装置より構成される。
出力部126は、内部の情報を外部へ出力する役割を担う。具体的には、例えば、出力部126は、ディスプレイやプリンタ等で構成され、使用者に情報を表示したり印刷したりする。また、出力部126は、出力内容をデータとして記録媒体に保存することもでき、さらにネットワークを通じたデータ通信やウェブ表示なども行うことができる。
データテーブル128は、ROM、RAM、EEPROM、不揮発性RAM、フラッシュメモリ、HDD等で構成される。データテーブル128は、需要家から取得した後述する各項目のデータを記録することができる。
図6に示す変圧器の負荷推定方法では、ステップ200において、まず制御部122は、各々の変圧器112に接続される複数の需要家の契約容量と、複数の需要家において実際に使用された電気の使用量である電気使用量、およびその変圧器112の負荷実測値を取得して、データテーブル128に記録する。契約容量は、変更がなければ需要家との契約時の値を使用することができる。電気使用量については、月ごとの電気メータの検針値により得られる月間電気使用量から取得することができる。変圧器112の負荷実測値は、電流計付き変圧器114の電流計が計測した月間の最大負荷から取得される。
図7はデータテーブル128に記録されるデータを例示する図である。図7(a)は需要家データ、図7(b)は一部の電流計付き変圧器データ、図7(c)は残りの大多数の変圧器データ(電流計なし)を例示している。図7(a)に例示するように、ステップ200において取得した需要家それぞれの契約容量と電気使用量は、日時(月)およびバンクごとに需要家のID(identification number)とともに記録される。需要家データには、需要家の業種も記録される。また、図7(b)に例示するように、ステップ200において取得した変圧器112の負荷実測値は、日時(月)やバンク、および変圧器IDとともに記録される。変圧器データには、変圧器112の容量等も記録される。また、図7(c)に例示する変圧器データ(電流計なし)には、負荷実測値以外の図7(b)と同様の項目のデータが記録される。
上記の需要家データおよび変圧器データのフレームは、例えば月単位で作成することができる。また需要家データのフレームは、バンクごとに作成することもできる。そしてデータテーブル128は、需要家データおよび変圧器データのフレームに対し、時系列に沿った現在までの複数のフレームを蓄積することができる。
なおデータテーブル128に記録される上記データの各項目の値は、負荷推定装置120の使用者の入力により取得してもよく、あらかじめ他の装置や他の機関で蓄積したデータからデータテーブル128に格納して取得してもよい。また、ステップ200の処理は、外部からの入力を待たずに定期的に行われる処理としてもよい。
図5に示すデータ抽出部130は、データベースエンジンであって、データテーブル128から所定の条件に基づいて該当するデータ(レコード)を抽出することができる。図6のステップ202において、データ抽出部130は、データテーブル128の需要家データおよび変圧器データから、所定の日時(例えば月単位)のデータを抽出する。例えば、所定の日時(月)における需要家ごとの契約容量、業種、電気使用量、および変圧器112の負荷実測値を抽出する。これらのデータの抽出は、所定の配電区間110における複数のバンクに対して行われる。
ステップ202においてデータ抽出部130が抽出するデータは、過去の一定期間内に、電流計付き変圧器114が備えられたバンクにおいて負荷が最大であった月から抽出するとよい。これにより、個々の変圧器112のバンクにおいて発生し得る最大負荷を推定することが可能である。なお、データ抽出部130は、過去の一定期間内に、電気使用量が最大であった月からデータを抽出してもよい。これによっても、個々の変圧器112のバンクにおいて発生し得る最大負荷を間接的に推定することが可能である。また、データ抽出部130は、使用者による日時(月)の指定を受けてデータを抽出することも可能である。
ステップ204において、関数導出部132(図5参照)は、ステップ202においてデータ抽出部130が抽出した契約容量および電気使用量から、契約容量と推定使用量との関係を示す使用量推定関数を導出する。
図8は、使用量推定関数を説明する図である。図8は変圧器単位、すなわちバンク単位で値を表していて、各プロットはバンクごとに積算した値を表している。詳細には、それぞれの変圧器112において、複数の需要家について求めた電気使用量の積算値と、同じ複数の需要家それぞれの契約容量の積算値とを表している。図8に示すように、使用量推定関数は、複数の変圧器112の契約容量と電気使用量の関係に近似する近似関数として導出することができる。使用量推定関数は、一次関数として求めることで、より簡略な処理で変圧器112の最大負荷を推定することが可能となる。
ステップ206において、演算部134は、ステップ204において関数式導出部により導出された使用量推定関数を用いて、ステップ202において抽出した需要家の契約容量から推定使用量を求める(算出する)。この推定使用量は、変圧器単位で算出される。例えば、複数の需要家の契約容量の積算値を使用して算出する。
ステップ208において、演算部134は、ステップ206において求めた推定使用量と、ステップ202において抽出した電気使用量との誤差を示す使用量誤差を算出する。この使用量誤差は、変圧器単位で算出される。例えば、同じバンク内の複数の需要家の電気使用量の積算値を使用することで、変圧器単位の使用量誤差として算出できる。使用量誤差は、所定の配電区間110における複数の変圧器112に対して算出される。これらにより、ステップ202において抽出された所定の日時(月)のデータから、その日時(月)に対する需要家の使用量誤差が取得される。
次に、ステップ210において、負荷推定部136は、ステップ202において抽出した契約容量および業種から、各々の変圧器112の最大負荷を推定した負荷推定値を算出する。負荷推定部136による負荷推定値の算出は、kW法にもとづいて行われる。詳細には、需要家の契約容量および業種と、電流計付き変圧器114から得た実測負荷値との関係から関係式を導出し、算出される。業種については簡単な例として、住宅とそれ以外に分けることができる。また他の例としては、住宅、店舗、工場、オフィスなどに分けることもできる。
ステップ212において、演算部134は、ステップ210において求めた負荷推定値と、ステップ202においてデータ抽出部130が抽出した負荷実測値との誤差を示す負荷誤差を算出する。負荷誤差の算出は、所定の配電区間110における各々の変圧器112について行われる。これらにより、ステップ202において抽出された所定の日時(月)のデータから、その日時(月)に対する変圧器112の負荷誤差が取得される。
そしてステップ214において、関数式導出部は、複数の変圧器112の負荷誤差と使用量誤差からこれらの関係を示す誤差関数を導出する。この誤差関数は、ステップ202において抽出されたデータの日時(月)に対応するものである。例えば、過去の一定期間内に、電流計付き変圧器において負荷が最大であった月における誤差関数である。
図9は、誤差関数を説明する図である。図9は変圧器単位で値を表していて、各プロットは1つの変圧器112の値を表している。図9に示すように、誤差関数は、変圧器112それぞれの使用量誤差と負荷誤差の関係に近似する近似関数として導出することができる。誤差関数は、使用量推定関数と同様に、一次関数として求めることで、より簡略な処理で変圧器の最大負荷を推定することが可能となる。
ステップ216において、データ抽出部130は、データテーブル128の需要家データおよび変圧器データから、個々のデータを抽出する。例えば、複数の需要家の現在の(最新の)契約容量および業種を抽出する。そして、ステップ218において、負荷推定部136は、ステップ216において抽出された契約容量および業種から、kW法にもとづいて変圧器112の個々の変圧器の最大負荷を推定した負荷推定値を、ステップ210と同様の処理により算出する。なお、このステップ218における変圧器112の負荷推定値の算出は、使用者による入力を受けて、特定の変圧器に対して算出することも可能である。
そして、ステップ220において、補正部138は、ステップ218において算出した個々の変圧器112の負荷推定値を、ステップ214において算出した誤差関数を用いて補正する。これにより、精度のよい値を取得することができる。また、例えば8月や1月など、年間を通して最も最大負荷が増大する真夏または真冬を想定して補正を行うことで、将来に発生し得る最大負荷を考慮して変圧器112を設置および管理することが可能となる。
上記構成によれば、個々の需要家において実測した電気使用量を用いて変圧器112の負荷推定値を補正するため、電流計のない変圧器112についても新たな計器類を用いることなく、実負荷に即したより精度の高い負荷推定が可能である。
なお、本実施形態の変圧器の負荷推定方法における各工程は、必ずしも図6のフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。例えば、ステップ204からステップ208までの処理と、ステップ210からステップ212までの処理とは、順序を変更して行うことや、並列して行うことも可能である。また、ステップ216からステップ218の処理においても、ステップ204からステップ214までの処理と、順序を変更することが可能である。
(評価試験)
図10は、本実施形態の変圧器の負荷推定方法の有効性を示す図である。図10(a)は従来のkW法にもとづいて推定した負荷推定値を本実施形態の負荷推定方法によって補正し、その補正した負荷推定値と負荷実測値との負荷誤差を示した実施例である。図10(b)は従来のkW法にもとづいて推定した変圧器の負荷推定値と負荷実測値との負荷誤差を示した比較例である。
図10の評価試験では、164台の変圧器から負荷実測値を取得した。また、需要家の電気使用量として月間電力使用量を使用し、その需要家の契約容量および業種をもとにkW法による負荷推定値を算出した。負荷誤差σは、標準偏差として表している。以下では、図10(a)および図10(b)を参照して、実施例および比較例の負荷誤差を比較する。
図10(b)の比較例では、負荷誤差は63.8Aであった。一方、図10(a)の実施例では、負荷誤差は58.6Aであり、比較例よりも誤差が少なくなっていることが確認できる。
ここで、負荷推定値は、需要家の契約容量および業種から推定した負荷の値である。そして、負荷実測値は、電流計付き変圧器を基に計測した実際の負荷の値である。この2つの値の誤差、すなわち負荷誤差は、需要家の生活行動から生じる。そこで、本実施形態の負荷推定方法では、需要家の生活行動が表れる月間電気使用量を利用して負荷推定値を補正することで、需要家の生活行動を値に反映させ、より実測値に近い負荷推定値を算出している。図10(a)の実施例では、図10(b)の比較例よりも負荷誤差が少ないことから、より実測値に近い負荷推定値の算出を達成していることが確認できる。
このように、本実施形態による変圧器の負荷推定方法によれば、新たな計器類を用いることなく、実測値に即したより精度の高い負荷推定が可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されるものではない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、変圧器の最大負荷を推定する負荷推定方法に利用することができる。
100 …配電系統
104 …一般家庭
106 …商業施設
108 …区間開閉器
110 …配電区間
112 …変圧器
114 …電流計付き変圧器
116 …事業所
118 …サーバ
120 …負荷推定装置
122 …制御部
124 …入力部
126 …出力部
128 …データテーブル
130 …データ抽出部
132 …関数導出部
134 …演算部
136 …負荷推定部
138 …補正部

Claims (3)

  1. 変圧器の最大負荷を推定する負荷推定方法であって、
    個々の変圧器に接続される複数の需要家の契約容量と、該複数の需要家において実際に使用された電気使用量を取得し、
    前記契約容量と前記電気使用量から該契約容量と推定使用量との関係を示す使用量推定関数を導出し、
    多数の変圧器のうち、一部の電流計付き変圧器の各々に接続される複数の需要家の契約容量および業種から、各々の電流計付き変圧器の最大負荷を推定した負荷推定値を算出し、
    前記各々の電流計付き変圧器において測定した最大負荷である負荷実測値を取得し、
    前記各々の電流計付き変圧器について、前記負荷推定値と前記負荷実測値との誤差を示す負荷誤差を算出し、
    前記各々の電流計付き変圧器に接続される複数の需要家について前記使用量推定関数を用いて求めた前記推定使用量と前記電気使用量との誤差を示す使用量誤差を算出し、
    複数の前記電流計付き変圧器の前記負荷誤差と前記使用量誤差からこれらの関係を示す誤差関数を導出し、
    電流計のついていない変圧器についても推定使用量と電気使用量の実績とから使用量誤差を算出し、該使用量誤差と前記誤差関数から負荷誤差を算出し、需要家の契約容量および業種から負荷推定値を算出し、該負荷推定値を前記負荷誤差を用いて補正することを特徴とする変圧器の負荷推定方法。
  2. 過去の一定期間内に、前記電流計付き変圧器において負荷が最大であった月の前記電気使用量および前記負荷実測値を用いて前記使用量推定関数および前記誤差関数を導出することを特徴とする請求項1に記載の変圧器の負荷推定方法。
  3. 前記使用量推定関数または前記誤差関数は、一次関数であることを特徴とする請求項1または2に記載の変圧器の負荷推定方法。
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