JP5559934B2 - 放射線検出装置 - Google Patents
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Description
本願は、放射線検出装置、特に、放射線により電離したガスの電子やイオンを収集することにより放射線量を検出する放射線検出装置に関するものである。
放射線により電離したガスの電子やイオンを収集することにより放射線量を検出する放射線検出装置は、ガスを封入した容器内に陰極と陽極との2つの電極を持ち、この2つの電極間に電圧を印加して、放射線により電離したガスの電子やイオンを電極に収集することにより放射線量の検出を行っている。
このような放射線検出装置として、陰極−陽極間に印加される電圧では放射線によるガス電離信号が増幅されない範囲の電圧・電極構成を持つものを、電離箱方式と称し、陽極周辺に高い電場をかけて電子がなだれを起こして信号を増幅させる電圧・電極構成を持つものを、比例係数方式と称している。
従来の放射線検出装置として、陰極となる密閉された円筒状の容器の中心に、細い線状の陽極を配置するとともに、容器内に、例えばアルゴン(Ar)ガスに有機ガスを添加した電離ガスを封入することにより構成されているものがある。この放射線検出装置は、容器内において、放射線が電離ガスを電離し、生成された電子とイオンが陰極−陽極間にかかる電界により移動する。このとき、特に電子が陽極近傍で電子なだれを起こし、放射線は大きなパルス信号として計数される。
また、X線、γ線のように、測定される放射線のエネルギーによって放射線検出装置に用いられる電離ガスの種類を変えて、放射線量の検出が行われるものがある。例えば、低エネルギーのX線を検出する場合には、吸収係数の大きな原子番号が大きい元素のガスが用いられる。一方、中性子線を検出する場合には、中性子線はガスを電離しないため、電離ガスに中性子線と核反応を起こして荷電粒子を発生する、ヘリウム(He3)や3フッ化ボロン(BF3)等のガスを用いるものがある。また、陰極として用いられる容器内に、ボロン10(B10)やウラン235(U235)等を塗布し、そこで荷電粒子に変換して同様の電離作用を起こさせることで、中性子線を検出する構成のものがある(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
しかし、上記従来の放射線検出装置は、低線量の放射線を効率よく検出するという観点では、いずれも十分なものとは言えなかった。
本願はこのような現状の課題を解決し、簡単な構成で低線量の放射線の測定が可能な放射線検出装置を提供することを目的とする。
このような課題を解決するために本願で開示する放射線検出装置は、放射線検知用のガスを封入した密閉空間内に、一対の電極と、前記一対の電極を覆う誘電体材料からなる絶縁体層が形成されて放射線センサが構成され、前記放射線センサは、放射線検知期間において前記一対の電極間に所定の電圧が印加されて、入射する放射線により前記ガスが電離して生成されるイオンおよび/または電子によって前記絶縁体層上に電荷が蓄積されるとともに、所定の時間を有する放射線測定期間となっている放射線測定時において、前記放射線検知期間に前記一対の電極に印加された電圧とは逆バイアスの電圧として、時間の経過によってその大きさが変化する傾斜電圧波形を印加することにより発生する放電の開始電圧を測定することを特徴とする。
本願で開示する放射線検出装置によれば、放射線検知期間において、第1のセンサ基板の絶縁体層と第2のセンサ基板の絶縁体層に放射線量に応じて蓄積される電荷量を利用し、放電開始の電圧低下分を測定することにより、放射線検知期間で検知した放射線量を測定することができる。このため、簡単な構成でありながら、低線量の放射線の測定も可能な放射線検出装置を実現することができる。
以下、本願で開示する放射線検出装置の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態にかかる放射線検出装置の、放射線センサ部分の概略構成を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の放射線検出装置の放射線センサ部では、第1のセンサ基板1と第2のセンサ基板2とが、間にガラスからなる接続部材としてのスペーサ3を介在させることで所定の間隔をあけて対向配置されている。また、第1のセンサ基板1および第2のセンサ基板2とスペーサ3との間を、シール材4で封止することにより密閉空間5が形成されている。
この密閉空間5には、第1のセンサ基板1と第2のセンサ基板2を透過してくるX線、γ線のような放射線Aにより電離する放射線検知ガスとして、He、Ne、Ar、Kr、Xeの中から選ばれた1つ以上のガスが封入され、これにより放射線センサが構成されている。なお、放射線により電離するガス中には、必要に応じて有機ガスなどを含有させることもできる。
第1のセンサ基板1と第2のセンサ基板2は、それぞれソーダガラスからなる放射線を透過可能な絶縁性基板6、7上に、Agからなる電極8、9が形成されるとともに、電極8、9を覆うように絶縁性基板6、7上に無鉛の誘電体材料からなる絶縁体層10、11が形成されている。
本実施形態の放射線検出装置では、絶縁体層10、11を構成する鉛を含まない無鉛の誘電体材料として、酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化硼素(B2O3)を主成分とし、その主成分材料に酸化硅素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)、酸化モリブデン(MoO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化セリウム(CeO2)などを含有させることにより構成される無鉛のガラス誘電体材料を用いている。
より具体的には、これらの組成成分からなる誘電体材料を、湿式ジェットミルやボールミルで、平均粒径が0.5μm〜2.5μmとなるように粉砕して誘電体材料粉末を作製し、次にこの誘電体材料粉末とバインダ成分とを三本ロールでよく混練して、ダイコート用あるいは印刷用の誘電体層用ペーストを作製している。なお、バインダ成分としては、エチルセルロース、あるいは、アクリル樹脂1重量%〜20重量%を含むターピネオール、あるいは、ブチルカルビトールアセテートを用いることができる。また、ペースト中には、必要に応じて可塑剤として、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、リン酸トリフェニル、リン酸トリブチルを添加し、分散剤として、グリセロールモノオレート、ソルビタンセスキオレヘート、ホモゲノール(Kaoコーポレーション社製品名)、アルキルアリル基のリン酸エステルなどを添加して、印刷性を向上させてもよい。
このようにして作製した誘電体ペーストを、スクリーン印刷法で、あるいは、ダイコート法で印刷して乾燥させ、その後、誘電体材料の軟化点より少し高い温度の550℃〜590℃で焼成することにより、絶縁体層10、11を形成している。なお、絶縁体層10、11の膜厚については、約40μm程度が好ましい。
次に、本実施形態にかかる放射線検出装置の放射線量の検出動作原理について、図2を用いて説明する。
まず、図2(a)に示すように、図1に示す放射線センサに、第1のセンサ基板1の電極8側がプラス、第2のセンサ基板2の電極9側がマイナスとなる数100Vの電圧Vを印加する。この状態で、放射線Aが密閉空間5に入ってくると、放射線センサの密閉空間5内のガスが電離し、電子(−)・イオン(+)対が生成される。
この生成された電子・イオンは、図2(b)に示すように、放射線センサの第1のセンサ基板1の電極8と第2のセンサ基板2の電極9との間に印加されている電界により、第1のセンサ基板1の絶縁体層10側にマイナスの電荷が蓄積されるとともに、第2のセンサ基板2の絶縁体層11側にプラスの電荷が蓄積される。このとき、第1のセンサ基板1の絶縁体層10と、第2のセンサ基板2の絶縁体層11に電荷が蓄積されるのみで、電流は流れない。
この図2(a)、図2(b)に示す期間が放射線検知期間で、密閉空間5内に入ってくる放射線量に応じて、第1のセンサ基板1の絶縁体層10と第2のセンサ基板2の絶縁体層11に蓄積される電荷の量に、差が発生することとなる。
次に、放射線測定時において、検知した放射線量を測定する場合は、図2(c)に示すように、図2(a)とは逆に、第1のセンサ基板1の電極8側がマイナス、第2のセンサ基板2の電極9側がプラスとなる数100Vの逆バイアス電圧V’を印加し、第1のセンサ基板1と第2のセンサ基板2との間で放電を発生させる。このとき、第1のセンサ基板1の絶縁体層10と第2のセンサ基板2の絶縁体層11に蓄積される電荷の量、すなわち放射線検知期間で検知した放射線量に応じて、低い電圧で放電を開始することとなる。この放電開始時の電圧低下分を測定することにより、放射線検知期間で検知した放射線量を測定することができる。
より詳細に説明すると、放射線検知期間である蓄積期間終了時は、絶縁体層10、11表面には、放射線量に比例した印加電圧と逆極性の電荷が一定量蓄積している。この電荷を測定するために、電極8、9間に蓄積期間と逆のバイアスの電圧V’を印加すると、印加電圧+蓄積電圧(蓄積電荷による電圧)分の電界が、ガス空間(密閉空間)中にかかることになる。蓄積電圧がない場合と比較して低い電圧で放電が起こるため、この電圧差を測定することにより蓄積電圧を測定することができる。
例えば、放射線測定時における第1のセンサ基板1の電極8と第2のセンサ基板2の電極9とに印加する電圧を印加電圧V0、蓄積電圧V、放電開始電圧をVfとすると、Vf=V0+Vとなる。このとき、放射線測定時を所定の期間を有する放射線測定期間として、この放射線測定期間における印加電圧V0を階段状やパルス状に上げることにより、放電が起こったタイミングを放電発光や電流信号などで観測すれば、V0を測定することができる。Vfは、放射線測定装置の構造やガスの組成で決まる値であるため、蓄積電圧Vを求めることができる。
また、蓄積電圧Vは、絶縁体層10、11の容量Cと蓄積電荷Qとから、Q=CVの関係により、絶縁体層10、11を形成する誘電体材料、厚み、電極形状が分かっていれば、容量は計算できるため、放射線量と比例する蓄積電荷Qを求めることができる。
以上のように、本実施形態にかかる放射線検出装置においては、第1のセンサ基板1と第2のセンサ基板2とを所定の間隔をあけて対向配置して形成した密閉空間5内に、放射線検知用のガスを封入して構成した放射線センサを有する。放射線センサの第1のセンサ基板1と第2のセンサ基板2とは、それぞれ放射線を透過可能な絶縁性基板6、7(図2では図示を省略)上に一対の電極8、9を形成するとともに、前記電極8、9を覆うように絶縁性基板6、7上に誘電体材料からなる絶縁体層10、11を形成することにより構成したものである。そして、放射線検知期間において、第1のセンサ基板1の絶縁体層10と第2のセンサ基板2の絶縁体層11に蓄積される電荷量が、放射線量に応じて変化することを利用して、第1のセンサ基板1と第2のセンサ基板2との間で放電を発生させる放射線測定期間において、放電開始時の電圧低下分を測定することにより、放射線検知期間で検知した放射線量を測定することができるものである。
図3は、本実施の形態にかかる放射線検出装置において、放射線検知期間と放射線測定期間における印加電圧を示す電圧波形図である。
図3において、細実線21は、図2(a)に示した第1のセンサ基板1の電極8に印加する電圧波形、太実線22は、放射線Aの入射側である第2のセンサ基板2の電極9に印加する電圧波形である。また、T1は放射線検知期間、T2は放射線測定期間である。
図3において、点線の枠線で囲んだように、本実施の形態の放射線検出装置は、放射線測定期間T2において、第1のセンサ基板1の電極8と第2のセンサ基板2の電極9に、放射線測定期間T1とは逆バイアスの電圧を印加する際に、この期間において電圧が徐々に変化する傾斜電圧波形21a、22aを印加するように構成したものである。
すなわち、放射線測定期間T2において、第1のセンサ基板1の電極8側に印加する電圧波形21については、電圧が徐々に減少してマイナス電位となる傾斜電圧波形21aを印加し、放射線Aの入射側である第2のセンサ基板2の電極9側に印加する電圧波形22については、電圧が徐々に上昇してプラス電位となる傾斜電圧波形22aを印加している。
このように、本実施形態の放射線測定装置では、放射線測定期間T2において、第1のセンサ基板1の電極8と第2のセンサ基板2の電極9に、放射線測定期間T1とは逆バイアスの電圧を印加する際に、電圧が徐々に変化する傾斜電圧波形21a、22aを印加する。このようにすることで、図2において説明したように、放電が発生したときの電圧を測定することにより蓄積された放射線量を測定する場合に、急峻なパルス波形の電圧を印加して測定する場合に比べ、傾斜電圧波形の傾きを制御することによって、放電発生電圧の測定を簡単に高精度で行うことが可能となる。また、傾斜電圧波形であれば、印加時間とともに電圧値が変化する波形であるため、放電が発生する電圧を印加時間に変換して測定することもでき、検出結果をデジタル的に表示する場合の回路構成も簡単に実現することが可能となる。
図4、図5、図6は本実施形態にかかる放射線検出装置の、測定サイクルを説明するための図である。図4は、本実施形態にの放射線検出装置の測定サイクルにおける印加電圧を示す電圧波形図、図5、図6は、図4に示したそれぞれの測定サイクルにおける、放射線検出装置の動作を説明するための概略図である。図5の(1)〜(4)、図6の(5)〜(9)は、それぞれ、図4中に(1)〜(9)として示した状態に対応した動作を示している。
図4に示すように、本実施形態にかかる放射線検出装置において、放射線測定の1サイクルは、放射線検知期間T1、放射線測定期間T2、リセット期間T3から構成されている。
放射線検知期間T1の検知期間初期(1)においては、第1のセンサ基板1の電極8側がプラス、第2のセンサ基板2の電極9側がマイナスとなる数100Vの電圧が印加されているのみで、放射線センサに放射線が入射して来ていない状態であるため、第1のセンサ基板1、第2のセンサ基板2の絶縁体層10、11には、放射線による電荷が蓄積されていない状態である。
放射線検知期間T1の検出期間中期(2)において、放射線Aが入射してくると、放射線センサの密閉空間5内のガスが電離し、電子・イオン対が生成され、第1のセンサ基板1の電極8と第2のセンサ基板2の電極9との間に印加されている電界により、第1のセンサ基板1の絶縁体層10側にマイナスの電荷が徐々に蓄積されるとともに、第2のセンサ基板2の絶縁体層11側にプラスの電荷が徐々に蓄積される。さらに、放射線検知期間T1の検知期間中期(3)において、放射線Aが入射してくると、第1のセンサ基板1の絶縁体層10と、第2のセンサ基板2の絶縁体層11に電荷が追加されて蓄積される。
放射線検知期間T1の検知期間終了(4)においては、入射した放射線量に比例する電荷が第1のセンサ基板1の絶縁体層10と、第2のセンサ基板2の絶縁体層11に蓄積された状態となる。
次に、検知した放射線量を測定する放射線測定期間T2の測定期間初期(5)において、第1のセンサ基板1の電極8側がマイナス、第2のセンサ基板2の電極9側がプラスとなる数100Vの逆バイアス電圧を印加する。このとき、図4に示すように、傾斜電圧波形21a、22aを印加する。
その後、放射線測定期間T2の測定期間中期(6)においては、印加電圧+蓄積電圧(蓄積電荷による電圧)による電界により放電が発生する。上述したように、このとき蓄積電圧がない場合と比べると、低い電圧で放電が起こるため、電圧差を測定することにより、蓄積された放射線量に応じた蓄積電圧を測定することができる。この測定が終了した放射線測定期間T2の測定期間後期(7)においては、測定期間中期(6)において発生した放電により、第1のセンサ基板1の絶縁体層10側にプラスの電荷が蓄積されるとともに、第2のセンサ基板2の絶縁体層11側にマイナスの電荷が蓄積される。
そこで、放射線測定期間T2が終了した後、リセット期間T3を設けて放射線センサ内の電荷を放射線検知期間T1の初期の状態に戻す。リセット期間T3のリセット時(8)においては、第1のセンサ基板1の電極8と第2のセンサ基板2の電極9をグランド電位とすることにより、第1のセンサ基板1の絶縁体層10と第2のセンサ基板2の絶縁体層11に蓄積された電荷に応じた微小放電が発生し、リセット後(9)において、放射線センサの第1のセンサ基板1の絶縁体層10および第2のセンサ基板2の絶縁体層11に蓄積された電荷が消去され、初期状態に戻る。すなわち、リセット期間T3は、第1のセンサ基板1、第2のセンサ基板2の絶縁体層10、11の電荷を、放射線が入射してくる前の状態に調整するための電荷調整の放電を発生させる期間である。
以上の動作が測定サイクルの1サイクルとなる。
ここで、この測定サイクルにおいて、放射線を測定する1サイクル中の放射線検知期間T1は、放射線量応じて可変とするのが望ましく、放射線量が多い場合は、蓄積期間を短くして溜まる電荷量を減らことがより好ましい。逆に、放射線量が低線量の場合は、できるだけ蓄積期間を長くすることにより入射する放射線が増え、感度を向上させることができる。可変する蓄積期間としては、例えば数100μs〜数100s程度が望ましい。また、放射線測定期間T2は、数10μs〜数ms程度が望ましい。
図7は、本実施形態にかかる放射線検出装置において、センサ部分の他の構成例を示す分解斜視図である。
この図7に示す他の構成例の放射線検出装置は、複数個のセンサ部を形成し、そのセンサ部をm列n行でマトリクス状に2次元配置した構成としたものである。
図7に示すように、第1のセンサ基板31と第2のセンサ基板32とは、間にガラスからなる井桁形状のスペーサ33を介在させて、所定の間隔をあけて対向配置するとともに、第1のセンサ基板31および第2のセンサ基板32とスペーサ33との間を、シール材(図示せず)で封止することにより、複数個の密閉空間34を形成している。
この密閉空間34には、第1のセンサ基板31と第2のセンサ基板32を透過してくるX線、γ線のような放射線Aにより電離する、He、Ne、Ar、Kr、Xeの中から選ばれた1つ以上のガスが封入され、これにより複数個のセンサ部35が構成されている。
第1のセンサ基板31と第2のセンサ基板32は、それぞれソーダガラスからなる放射線を透過可能な絶縁性基板36、37上に、Agからなる複数本の線上の電極38、39が前記センサ部35を形成する密閉空間34において直交するように形成されているとともに、電極38、39を覆うように、絶縁性基板36、37上に無鉛の誘電体材料からなる絶縁体層40、41が形成されている。なお、絶縁体層40、41を形成する誘電体材料、形成方法については、図1に示した、本実施形態の放射線検出装置の場合と同様な材料、形成方法を用いることができる。
このように、2次元に複数個のセンサ部35を配列して構成した放射線センサを用いて放射線を測定する場合は、図4に示す測定サイクルで、各センサ部35に順次電圧波形を印加することにより、それぞれのセンサ部35において図1に示したセンサ部と同様に、放射線量を測定することが可能である。
また、図7に示した、変形例にかかる放射線測定装置のように、複数個のセンサ部35をマトリクス状に2次元配置してセンサを構成することにより、センサ部35の位置の違いによる放射線量差分の測定が可能となるため、放射線が入射してくる方向の測定も可能となる。
さらには、複数個のセンサ部35で検出した放射線量を加算することにより、放射線検出装置としての感度を向上させることも可能となる。
なお、上記説明においては、前記第1のセンサ基板と第2のセンサ基板は、それぞれソーダガラスからなる放射線を透過可能な絶縁性基板を用いた例について示したが、センサ基板の構成例は、これに限らない。例えば、金属製基板の表面に、ガラスや樹脂などの絶縁体材料を形成して絶縁性基板としたものを用いることができ、また少なくとも一方の絶縁性基板を、金属製基板の表面にガラスや樹脂などの絶縁体材料を形成した絶縁性基板としてもよい。
以上のように、本実施形態にかかる放射線検出装置においては、放射線検知用のガスを封入した密閉空間5内に、一対の電極8、9と、この一対の電極8、9を覆う無鉛の誘電体材料からなる絶縁体層10、11が形成されて放射線センサが構成される。そして、この放射線センサは、放射線検知期間において一対8、9の電極間に所定の電圧が印加されて、入射する放射線によりガスが電離して生成されるイオンおよび/または電子によって絶縁体層10、11上に電荷が蓄積されるとともに、放射線測定時において、放射線検知期間に一対の電極8、9に印加された電圧とは逆バイアスの電圧を印加することにより発生する放電の開始電圧を測定するものである。このため、放射線検知期間において、絶縁体層に放射線量に応じて蓄積される電荷量を利用し、放電開始の電圧低下分を測定することにより、放射線検知期間で検知した放射線量を測定することができ、簡単な構成で低線量の測定も可能な放射線検出装置を実現することができる。
以上のように本開示は、新規な放射線検出装置を提供できる有用な発明である。
Claims (1)
- 放射線検知用のガスを封入した密閉空間内に、一対の電極と、前記一対の電極を覆う誘電体材料からなる絶縁体層が形成されて放射線センサが構成され、
前記放射線センサは、
放射線検知期間において前記一対の電極間に所定の電圧が印加されて、入射する放射線により前記ガスが電離して生成されるイオンおよび/または電子によって前記絶縁体層上に電荷が蓄積されるとともに、
所定の時間を有する放射線測定期間となっている放射線測定時において、前記放射線検知期間に前記一対の電極に印加された電圧とは逆バイアスの電圧として、時間の経過によってその大きさが変化する傾斜電圧波形を印加することにより発生する放電の開始電圧を測定することを特徴とする放射線検出装置。
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