JP5559275B2 - 画像処理装置及びその制御方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献3に開示の技術では、高域強調画像信号と高域抑圧画像信号の平均画像信号を入力画像信号と等しくできるため、ひずみのない静止画像を表示することができる。しかし、高域強調サブフレームの画素値を制限したことによる画素値の変化量が高域抑圧フレームの画素値に加算される、すなわち高域抑圧画像信号に高域成分が加算されるため、高域抑圧フレームの高域抑圧効果が低減してしまう。その結果、動画視認性の改善効果が低減してしまう。
入力画像信号のフレームから複数のサブフレームを生成し、前記入力画像信号のフレームレートを高めるフレームレート変換手段と、
サブフレームの画像信号に空間的な高周波成分を強調する強調処理を施すことにより、高域強調画像信号を生成する強調手段と、
サブフレームの画像信号に空間的な高周波成分を抑圧する抑圧処理を施すことにより、高域抑圧画像信号を生成する抑圧手段と、
前記高域強調画像信号に、画素値を規定の範囲内の値に制限する制限処理を施し、前記高域抑圧画像信号に、前記制限処理による画素値の変化量を補償する補償値を加算する補償処理を施す調整手段と、
前記制限処理が施された高域強調画像信号と、前記補償処理が施された高域抑圧画像信号とを、サブフレーム毎に交互に表示装置に出力する出力手段と、
を有し、
前記調整手段は、
サブフレームの画像信号にサブフレーム間の画素値の変化量を小さくする平滑化処理を施すことにより時間方向平滑化画像信号を生成し、
前記時間方向平滑化画像信号に前記強調処理と前記制限処理を順に施した場合における前記制限処理による画素値の変化量を、前記高域抑圧画像信号のうち動きのある領域の信号に加算する補償値とすることで、前記高域抑圧画像信号のうち動きのある領域の信号に加算する補償値が、前記制限処理による画素値の変化量より小さい値となるようにすることを特徴とする画像処理装置である。
本発明の第2の態様は、
入力画像信号のフレームから第1及び第2サブフレームを生成し、前記入力画像信号のフレームレートを変換するフレームレート変換手段と、
第1サブフレームの画像信号から、空間的な低周波成分が高周波成分よりも多い低周波画像信号を生成する第1生成手段と、
第2サブフレームの画像信号に空間的な高周波成分を強調する強調処理を施すことにより、空間的な高周波成分が低周波成分よりも多い高周波画像信号を生成する第2生成手段と、
前記高周波画像信号に、画素値を規定の範囲内の値に制限する制限処理を施し、前記低周波画像信号に、前記制限処理による画素値の変化量を補償する補償値を加算する補償処理を施す調整手段と、
前記制限処理が施された高周波画像信号と、前記補償処理が施された低周波画像信号とを、サブフレーム毎に交互に表示装置に出力する出力手段と、
を有し、
前記調整手段は、
サブフレームの画像信号にサブフレーム間の画素値の変化量を小さくする平滑化処理を施すことにより時間方向平滑化画像信号を生成し、
前記時間方向平滑化画像信号に前記強調処理と前記制限処理を順に施した場合における前記制限処理による画素値の変化量を、前記低周波画像信号のうち動きのある領域の信号に加算する補償値とすることで、前記低周波画像信号のうち動きのある領域の信号に加算する補償値が、前記制限処理による画素値の変化量より小さい値となるようにする
ことを特徴とする画像処理装置である。
本発明の第3の態様は、
入力画像信号のフレームから第1及び第2サブフレームを生成し、前記入力画像信号のフレームレートを変換するフレームレート変換手段と、
第1サブフレームの画像信号から、空間的な低周波成分が高周波成分よりも多い低周波画像信号を生成する第1生成手段と、
第2サブフレームの画像信号から、空間的な高周波成分が低周波成分よりも多い高周波画像信号を生成する第2生成手段と、
前記高周波画像信号に、画素値を規定の範囲内の値に制限する制限処理を施し、前記低周波画像信号に、前記制限処理による画素値の変化量を補償する補償値を加算する補償処理を施す調整手段と、
前記制限処理が施された高周波画像信号と、前記補償処理が施された低周波画像信号とを、サブフレーム毎に交互に表示装置に出力する出力手段と、
を有し、
前記調整手段は、
前記低周波画像信号のうち動きのない領域の信号に加算する補償値として、前記制限処理による画素値の変化量を使用し、
前記低周波画像信号のうち動きのある領域の信号に加算する補償値として、ゼロを使用する
ことを特徴とする画像処理装置である。
入力画像信号のフレームから複数のサブフレームを生成し、前記入力画像信号のフレームレートを高めるフレームレート変換ステップと、
サブフレームの画像信号に空間的な高周波成分を強調する強調処理を施すことにより、高域強調画像信号を生成する強調ステップと、
サブフレームの画像信号に空間的な高周波成分を抑圧する抑圧処理を施すことにより、高域抑圧画像信号を生成する抑圧ステップと、
前記高域強調画像信号に、画素値を規定の範囲内の値に制限する制限処理を施し、前記高域抑圧画像信号に、前記制限処理による画素値の変化量を補償する補償値を加算する補償処理を施す調整ステップと、
前記制限処理が施された高域強調画像信号と、前記補償処理が施された高域抑圧画像信号とを、サブフレーム毎に交互に表示装置に出力する出力ステップと、
を有し、
前記調整ステップでは、
サブフレームの画像信号にサブフレーム間の画素値の変化量を小さくする平滑化処理を施すことにより時間方向平滑化画像信号を生成し、
前記時間方向平滑化画像信号に前記強調処理と前記制限処理を順に施した場合における前記制限処理による画素値の変化量を、前記高域抑圧画像信号のうち動きのある領域の信号に加算する補償値とすることで、前記高域抑圧画像信号のうち動きのある領域の信号に加算する補償値が、前記制限処理による画素値の変化量より小さい値となるようにすることを特徴とする画像処理装置の制御方法である。
本発明の第5の態様は、
入力画像信号のフレームから第1及び第2サブフレームを生成し、前記入力画像信号のフレームレートを変換するフレームレート変換ステップと、
第1サブフレームの画像信号から、空間的な低周波成分が高周波成分よりも多い低周波画像信号を生成する第1生成ステップと、
第2サブフレームの画像信号に空間的な高周波成分を強調する強調処理を施すことにより、空間的な高周波成分が低周波成分よりも多い高周波画像信号を生成する第2生成ステップと、
前記高周波画像信号に、画素値を規定の範囲内の値に制限する制限処理を施し、前記低
周波画像信号に、前記制限処理による画素値の変化量を補償する補償値を加算する補償処理を施す調整ステップと、
前記制限処理が施された高周波画像信号と、前記補償処理が施された低周波画像信号とを、サブフレーム毎に交互に表示装置に出力する出力ステップと、
を有し、
前記調整ステップでは、
サブフレームの画像信号にサブフレーム間の画素値の変化量を小さくする平滑化処理を施すことにより時間方向平滑化画像信号を生成し、
前記時間方向平滑化画像信号に前記強調処理と前記制限処理を順に施した場合における前記制限処理による画素値の変化量を、前記低周波画像信号のうち動きのある領域の信号に加算する補償値とすることで、前記低周波画像信号のうち動きのある領域の信号に加算する補償値が、前記制限処理による画素値の変化量より小さい値となるようにする
ことを特徴とする画像処理装置の制御方法である。
本発明の第6の態様は、
入力画像信号のフレームから第1及び第2サブフレームを生成し、前記入力画像信号のフレームレートを変換するフレームレート変換ステップと、
第1サブフレームの画像信号から、空間的な低周波成分が高周波成分よりも多い低周波画像信号を生成する第1生成ステップと、
第2サブフレームの画像信号から、空間的な高周波成分が低周波成分よりも多い高周波画像信号を生成する第2生成ステップと、
前記高周波画像信号に、画素値を規定の範囲内の値に制限する制限処理を施し、前記低周波画像信号に、前記制限処理による画素値の変化量を補償する補償値を加算する補償処理を施す調整ステップと、
前記制限処理が施された高周波画像信号と、前記補償処理が施された低周波画像信号とを、サブフレーム毎に交互に表示装置に出力する出力ステップと、
を有し、
前記調整ステップでは、
前記低周波画像信号のうち動きのない領域の信号に加算する補償値として、前記制限処理による画素値の変化量を使用し、
前記低周波画像信号のうち動きのある領域の信号に加算する補償値として、ゼロを使用する
ことを特徴とする画像処理装置の制御方法である。
以下、本発明の実施例1に係る画像処理装置及びその制御方法について図面を参照して説明する。
図1は、実施例1に係る画像処理装置の機能構成の一例を示す図である。
実施例1に係る画像処理装置は、フレームコンバータ部101、時間方向フィルタ部102、第1選択部103、高域抑圧部104、高域強調部105、リミット部106、加算部107、第2選択部108などを有する。
図2に、時間方向フィルタ部102の機能構成の一例を示す。時間方向フィルタ部102は、フレーム遅延部109、平均画像生成部110などを有する。フレーム遅延部109は入力された画像信号を1サブフレーム期間遅延させて平均画像生成部110に出力する。平均画像生成部110は、画素毎に、フレームコンバータ部101から入力された画像信号と、フレーム遅延部109から入力された画像信号の平均値を算出することで、2つの画像信号の平均画像信号を生成し、時間方向平滑化画像信号として出力する。
なお、本実施例では、時間方向平滑化画像が1サブフレーム期間離れた2つのサブフレームの画像信号の平均画像信号であるものとしたが、時間方向平滑化画像はこれに限らない。例えば、時間方向平滑化画像信号は、4つのサブフレームの画像信号の平均画像信号であってもよいし、複数のサブフレームの画像信号を重み付け合成して生成した画像信号であってもよい。時間方向フィルタ部102は、IIRフィルタで構成されていてもよい。
域強調部105の代わりに、高周波成分を通過させるハイパスフィルタ処理部を用いてもよい。
図3に、高域強調部105の構成の一例を説明する図を示す。高域強調部105は、入力された画像信号の画素値を2倍する。そして、高域強調部105は、画素値が2倍にされた画像信号から、高域抑圧部104から出力された高域抑圧画像信号を減算することにより、高域強調画像信号を生成する。
なお、高域強調部105の構成は図3に示す構成に限らない。例えば、高域強調部105は、画像信号に高域強調フィルタを用いたフィルタ処理を施すことにより、高域強調画像信号を生成してもよい。
リミット部106は、高域強調部105から出力された高域強調画像信号に、画素値を規定の範囲内の値に制限する制限処理を施し、該制限処理が施された高域強調画像信号を第2選択部に出力する。
また、リミット部106は、上記制限処理による画素値の変化量を補償する補償値を生成し、加算部107に出力する。本実施例では、制限処理による画素値の変化量(切り捨てられた分の画素値)が、補償値として加算部107に出力される。例えば、画像信号が8ビットの信号で、画素値(階調値)の上記規定の範囲が0〜255の範囲であった場合には、高域強調部105から出力された高域強調画像信号の画素値は、0〜255の範囲内の値に制限される。高域強調部105から出力された高域強調画像信号の画素値が300であった場合には、該画素値は255に制限され、リミット値は45となる。
このように、本実施例では、リミット部105と加算部107により、高域強調画像信号の画素値と高域抑圧画像信号の画素値が調整される。
画像処理の比較の一例を示す。図4において、横軸は画素位置を表し、縦軸は画素値を表す。図4は、前フレームから現フレームにかけて、右(視聴者から見て左)へ動く画像領域の信号に対する画像処理の様子を示している。
なお、動きのない領域では、時間方向平滑化画像信号は、フレームコンバータ部101から出力された画像信号と等しくなる。そのため、動きのない領域では、表示装置に出力する高域抑制画像信号として、図4の従来例に記載の処理で得られる高域抑制画像信号(表示装置に出力する高域抑制画像信号)と同じ信号が得られる。また、表示装置に出力される、動きのない領域の高域強調画像信号は、動きのある領域と同様に、フレームコンバータ部101から出力された画像信号に強調処理及びリミット処理が施された画像信号となる。即ち、動きのない領域では、表示装置に出力する高域抑制画像信号及び高域強調画像信号として、図4の従来例に記載の処理で得られる信号と同じ信号が得られる。このため、動きのない領域では、従来どおり高域強調画像信号と高域抑圧画像信号の平均画像信号が、入力画像信号と等しくされる。これにより、入力画像信号に基づく画像と等しく、ひずみのない静止画像が表示できる。
なお、本実施例では、時間方向平滑化画像信号に抑圧処理と補償処理を順に施すことにより、表示装置に出力する高域抑圧画像信号が生成されるものとしたが、これに限らない。例えば、入力画像信号に抑圧処理と補償処理を順に施すことにより、表示装置に出力する高域抑圧画像信号が生成されてもよい。時間方向平滑化画像信号を用いて補償値が生成
されれば、動きのある領域で補償処理による画素値の補償が抑制されるため、動画視認性を十分に改善することができる。
以下、本発明の実施例2に係る画像処理装置およびその制御方法について図面を参照して説明する。実施例1では、時間方向平滑化画像を用いて補正値を生成することにより、動きのある領域での変化量の補償を抑制し、動画視認性を改善する方法について説明した。本実施例では、画像信号の動き情報に基づいて、動きのある領域での変化量の補償を抑制する方法について説明する。
フレームコンバータ部101、高域抑圧部104、高域強調部105、リミット部106、加算部107の機能は実施例1と同じである。
但し、本実施例では、常に、強調処理が施された入力画像信号に制限処理を施した際の画素値の変化量が補償値とされる。具体的には、高域強調部105には、サブフレームの画像信号として、常に、入力画像信号が入力される。そして、リミット部106において、強調処理が施された入力画像信号に制限処理が施され、該制限処理による画素値の変化量が補償値とされる。
図6に、実施例2に係る補償抑制制御部211の機能構成の一例を示す。補償抑制制御部211は、フレーム遅延部212、フレーム差分演算部213、LPF部214、抑制領域判定部215、乗算部216などを有する。
フレーム遅延部212は、入力されたサブフレームの画像信号を1サブフレーム期間遅延させて出力する。
フレーム差分演算部213は、画素毎に、フレームコンバータ部101から入力された画像信号の画素値と、フレーム遅延部212から入力された画像信号の画素値との差分の絶対値を算出する。そして、フレーム差分演算部213は、画素毎の上記差分の絶対値を、フレーム差分信号としてLPF部214に出力する。
LPF部214は、フレーム差分演算部213で生成されたフレーム差分信号に抑圧処理を施し、該抑圧処理が施されたフレーム差分信号を高域抑圧フレーム差分信号として抑制領域判定部215に出力する。
抑制領域判定部215は、LPF部214で生成された高域抑圧フレーム差分信号の各画素の値を判定閾値(所定の閾値)と比較する。そして、抑制領域判定部215は、高域抑圧フレーム差分信号のうち、値が判定閾値以上の領域を、動きのある領域(抑制領域)と判定し、抑制領域以外の領域(値が判定閾値未満の領域)を動きのない領域(非抑制領域)と判定する。そして、抑制領域判定部215は、抑制領域と判定された画素の抑制制御信号として0を、非抑制領域と判定された画素の抑制制御信号として1を、乗算部216に出力する。上記判定閾値として、例えば、画素値の範囲(規定の範囲)の5%程度の値が用いられる。なお、判定閾値は、この値に限らない。判定閾値は、変更可能であってもよく、目的に応じてユーザにより適宜設定されてもよい。
は、リミット部106で生成された補償値を、抑制領域判定部215で生成された抑制制御信号を乗算して、加算部107に出力する。動きのある領域(抑制領域)では、抑制制御信号の値は0であるため、リミット部106で生成された補償値は0にされて、加算部107に出力される。動きのない領域(非抑制領域)では、抑制制御信号の値は1であるため、リミット部106で生成された補償値はそのまま(小さくされることなく)加算部107に出力される。
なお、本実施例では、抑制制御信号を0と1の2値の信号としたが、複数の判定閾値を用いることで、抑制制御信号を3値以上の信号としてもよい。この場合、例えば、抑制制御信号を0〜1の3値以上の信号とすることにより、乗算部216から出力される補償値を0〜リミット部106で生成された補償値の3値以上の値の間で制御することができる。
なお、本実施例では、リミット部106で生成された補償値のうち、抑制領域に加算する補償値を0にする構成としたが、これに限らない。リミット部106で生成された補償値のうち、抑制領域に加算する補償値が小さくされればよい。非抑制領域と抑制領域の境界から抑制領域の内側に向かうにつれ、補償値の低減量が大きくされてもよい。
実施例1で述べたとおり、従来の画像処理では、表示装置に出力する高域抑圧画像信号の高域成分が十分に抑圧されないことがある。そのため、動きのある領域を追従視したとき、2重像が視認されてしまう。
なお、動きのない領域は抑制領域として検出されないので、動きのない領域に対しては、補償が抑制されることはなく、従来例と同様の処理が施される。このため、動きのない静止領域では、従来どおり高域強調画像信号と高域抑圧画像信号の平均画像信号が、入力画像信号と等しくされる。これにより、入力画像信号に基づく画像と等しく、ひずみのない静止画像が表示できる。
以下、本発明の実施例3に係る画像処理装置及びその制御方法について図面を参照して説明する。
図8は、実施例3に係る画像処理装置の機能構成の一例を示す図である。
実施例3に係る画像処理装置は、フレームコンバータ部101、時間方向フィルタ部102、第1選択部103、高域抑圧部104、高域強調部105、リミット部106、補償抑制制御部311、加算部107、第2選択部108などを有する。
フレームコンバータ部101、時間方向フィルタ部102、第1選択部103、高域抑圧部104、高域強調部105、リミット部106、加算部107、第2選択部108の機能は実施例1と同じである。
図9に、実施例3に係る補償抑制制御部311の機能構成の一例を示す。補償抑制制御部311は、フレーム遅延部212、フレーム差分演算部213、静止エッジ検出部317、タップ制御LPF部314、抑制領域判定部215、乗算部216などを有する。フレーム遅延部212、フレーム差分演算部213、抑制領域判定部215、乗算部216の機能は実施例2と同じである。
静止エッジ検出部317は、フレーム差分演算部213で生成されたフレーム差分信号、フレームコンバータ部101から入力された画像信号、フレーム遅延部212から入力された画像信号を用いて、動きのないエッジ(静止エッジ)を検出する。そして、静止エッジ検出部317は、検出結果を静止エッジ検出信号としてタップ制御LPF部314に出力する。
図10に、実施例3に係る静止エッジ検出部317の機能構成の一例を示す。静止エッジ検出部317は、静止画素検出部318、第1エッジ検出部319、第2エッジ検出部320、共通エッジ検出部321、静止画素隣接エッジ検出部322などを有する。
静止画素検出部318は、画素毎に、フレーム差分信号を静止画素検出閾値(所定の閾値)と比較する。そして、静止画素検出部318は、フレーム差分信号のうち、値が静止画素検出閾値未満の画素を、静止画素(動きのない画素)として検出する。上記静止画素検出閾値として、例えば、画素値の範囲(規定の範囲)の1%程度の値が用いられる。なお、静止画素判定閾値は、この値に限らない。静止画素判定閾値は、変更可能であってもよく、目的に応じてユーザにより設定されてもよい。
第1エッジ検出部319は、フレームコンバータ部101から入力された画像信号から高周波成分(エッジ成分)を抽出し、第1エッジ信号として共通エッジ検出部321に出力する。
第2エッジ検出部320は、フレーム遅延部212から入力された画像信号(フレームコンバータ部101から入力された画像信号の1サブフレーム前の画像信号)から高周波成分(エッジ成分)を抽出し、第2エッジ信号として共通エッジ検出部321に出力する。第1エッジ検出部319と第2エッジ検出部320の処理内容は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
共通エッジ検出部321は、第1エッジ検出部319で生成された第1エッジ信号と、第2エッジ検出部320で生成された第2エッジ信号を比較する。そして、共通エッジ検出部321は、同符号で、かつ双方の信号値の大きさが所定値以上の画素を共通エッジ画素として検出する。
静止画素隣接エッジ検出部322は、静止画素検出部318で検出された静止画素に隣接する共通エッジ画素を静止エッジ画素として検出し、検出結果を静止エッジ検出信号として出力する。
図11において、d(x)は画素xのフレーム差分信号の値、e(x)は画素xの静止エッジ検出信号の値である。x=0の画素は処理対象の画素であり、x=n(n=−2,−1,1,2)の画素はx=0の画素のn個となりの画素である。具体的には、x=−1の画素は、x=0の画素に対し1画素分だけ所定方向側(例えば左側)に位置する画素であり、x=−2の画素は、x=0の画素に対し2画素分だけ所定方向側に位置する画素である。x=1の画素は、x=0の画素に対し1画素分だけ所定方向の反対側(例えば右側)に位置する画素であり、x=−2の画素は、x=0の画素に対し2画素分だけ所定方向の反対側に位置する画素である。C(0),C(1),C(2)は、フィルタ係数(フィルタタップの係数)である。m(x)は、画素xのフレーム差分信号の値にフィルタ係数を乗算(重み付け)した値である。lpf(0)は、フィルタの出力値である。また、本実施例では、静止エッジ検出信号は、静止エッジの画素に対して1となり、静止エッジの画素以外の画素に対して0となる信号であるものとする。
本実施例では、フレーム差分信号と静止エッジ検出信号は画素毎に順番に入力される。例えば、画像のライン毎に、画像の最も左側の画素の信号から順番に入力される。そのため、遅延回路(図中「遅延」)を用いることで、所望の画素の信号を取り出すことができる。
出力値=c(0)×d(0)+c(1)×d(−1)+c(2)×d(−2)
・・・(式1)
まず、画素毎に、1つ前のサブフレームの画像信号と現サブフレームの画像信号の差分の絶対値が算出される。また、1つ前のサブフレーム画像信号と現サブフレームの画像信号のそれぞれからエッジの画素が検出される。
そして、エッジとされた画素で、かつ、上記差分の絶対値が小さい画素に隣接する画素が静止エッジの画素として検出される。
次に、静止エッジの画素の検出結果に基づいて、上記差分の絶対値にフィルタ処理が施される。
そして、上記フィルタ処理の結果と判定閾値を比較することにより、抑制領域(及び非抑制領域)が検出される。
以上により、静止エッジを境に静止画素側の領域が非抑制領域とされる。そのため、静止画素の領域が抑制領域とされ、静止画素の領域で変化量の補償が抑制されることによる画像のひずみを抑制することができる。
実施例1の画像処理では、時間方向平滑化画像信号を用いて補償値が生成される。具体的には、時間方向平滑化画像信号に強調処理と制限処理を順に施した場合の、該制限処理による画素値の変化量が、補償値とされる。
なお、実施例3の画像処理でも、動きのない領域(非抑制領域)の信号に加算する補償値が小さくされない。即ち、実施例3では、実施例1における動きのない領域に対する処理と同様の処理が行われる。その結果、動きのない領域では、表示装置に出力する高域抑制画像信号及び高域強調画像信号として、従来の処理で得られる信号と同じ信号が得られる。そのため、従来どおり高域強調画像信号と高域抑圧画像信号の平均画像信号が、入力画像信号と等しくされる。これにより、入力画像信号に基づく画像と等しく、ひずみのない静止画像が表示できる。
なお、実施例3の動きのある領域の検出方法を実施例2に適用してもよいし、実施例2の動きのある領域の検出方法を実施例3に適用してもよい。
なお、実施例1〜3で述べた各機能は、ハードウェアで実現されてもよいし、ソフトウェアで実現されてもよい。
102 時間方向フィルタ部
104 高域抑圧部
105 高域強調部
106 リミット部
107 加算部
108,208第2選択部
211,311補償抑制制御部
Claims (18)
- 入力画像信号のフレームから複数のサブフレームを生成し、前記入力画像信号のフレームレートを高めるフレームレート変換手段と、
サブフレームの画像信号に空間的な高周波成分を強調する強調処理を施すことにより、高域強調画像信号を生成する強調手段と、
サブフレームの画像信号に空間的な高周波成分を抑圧する抑圧処理を施すことにより、高域抑圧画像信号を生成する抑圧手段と、
前記高域強調画像信号に、画素値を規定の範囲内の値に制限する制限処理を施し、前記高域抑圧画像信号に、前記制限処理による画素値の変化量を補償する補償値を加算する補償処理を施す調整手段と、
前記制限処理が施された高域強調画像信号と、前記補償処理が施された高域抑圧画像信号とを、サブフレーム毎に交互に表示装置に出力する出力手段と、
を有し、
前記調整手段は、
サブフレームの画像信号にサブフレーム間の画素値の変化量を小さくする平滑化処理を施すことにより時間方向平滑化画像信号を生成し、
前記時間方向平滑化画像信号に前記強調処理と前記制限処理を順に施した場合における前記制限処理による画素値の変化量を、前記高域抑圧画像信号のうち動きのある領域の信号に加算する補償値とすることで、前記高域抑圧画像信号のうち動きのある領域の信号に加算する補償値が、前記制限処理による画素値の変化量より小さい値となるようにすることを特徴とする画像処理装置。 - サブフレームの画像信号の動きのある領域を検出する動き検出手段を更に有し、
前記調整手段は、生成された補償値のうち、前記検出手段で検出された動きのある領域の信号に加算する補償値を小さくする
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記調整手段は、前記検出手段で検出された動きのある領域以外の領域である、動きのない領域の信号に加算する補償値を小さくしない
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記調整手段は、生成された補償値のうち、前記検出手段で検出された動きのある領域の信号に加算する補償値を0にする
ことを特徴とする請求項2または3に記載の画像処理装置。 - 入力画像信号のフレームから複数のサブフレームを生成し、前記入力画像信号のフレームレートを高めるフレームレート変換ステップと、
サブフレームの画像信号に空間的な高周波成分を強調する強調処理を施すことにより、高域強調画像信号を生成する強調ステップと、
サブフレームの画像信号に空間的な高周波成分を抑圧する抑圧処理を施すことにより、高域抑圧画像信号を生成する抑圧ステップと、
前記高域強調画像信号に、画素値を規定の範囲内の値に制限する制限処理を施し、前記高域抑圧画像信号に、前記制限処理による画素値の変化量を補償する補償値を加算する補償処理を施す調整ステップと、
前記制限処理が施された高域強調画像信号と、前記補償処理が施された高域抑圧画像信号とを、サブフレーム毎に交互に表示装置に出力する出力ステップと、
を有し、
前記調整ステップでは、
サブフレームの画像信号にサブフレーム間の画素値の変化量を小さくする平滑化処理を施すことにより時間方向平滑化画像信号を生成し、
前記時間方向平滑化画像信号に前記強調処理と前記制限処理を順に施した場合における前記制限処理による画素値の変化量を、前記高域抑圧画像信号のうち動きのある領域の信号に加算する補償値とすることで、前記高域抑圧画像信号のうち動きのある領域の信号に加算する補償値が、前記制限処理による画素値の変化量より小さい値となるようにすることを特徴とする画像処理装置の制御方法。 - サブフレームの画像信号の動きのある領域を検出する動き検出ステップを更に有し、
前記調整ステップでは、生成された補償値のうち、前記検出ステップで検出された動きのある領域の信号に加算する補償値を小さくする
ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置の制御方法。 - 前記調整ステップでは、前記検出ステップで検出された動きのある領域以外の領域である、動きのない領域の信号に加算する補償値を小さくしない
ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置の制御方法。 - 前記調整ステップでは、生成された補償値のうち、前記検出ステップで検出された動きのある領域の信号に加算する補償値を0にする
ことを特徴とする請求項6または7に記載の画像処理装置の制御方法。 - 入力画像信号のフレームから第1及び第2サブフレームを生成し、前記入力画像信号のフレームレートを変換するフレームレート変換手段と、
第1サブフレームの画像信号から、空間的な低周波成分が高周波成分よりも多い低周波画像信号を生成する第1生成手段と、
第2サブフレームの画像信号に空間的な高周波成分を強調する強調処理を施すことにより、空間的な高周波成分が低周波成分よりも多い高周波画像信号を生成する第2生成手段と、
前記高周波画像信号に、画素値を規定の範囲内の値に制限する制限処理を施し、前記低周波画像信号に、前記制限処理による画素値の変化量を補償する補償値を加算する補償処理を施す調整手段と、
前記制限処理が施された高周波画像信号と、前記補償処理が施された低周波画像信号と
を、サブフレーム毎に交互に表示装置に出力する出力手段と、
を有し、
前記調整手段は、
サブフレームの画像信号にサブフレーム間の画素値の変化量を小さくする平滑化処理を施すことにより時間方向平滑化画像信号を生成し、
前記時間方向平滑化画像信号に前記強調処理と前記制限処理を順に施した場合における前記制限処理による画素値の変化量を、前記低周波画像信号のうち動きのある領域の信号に加算する補償値とすることで、前記低周波画像信号のうち動きのある領域の信号に加算する補償値が、前記制限処理による画素値の変化量より小さい値となるようにする
ことを特徴とする画像処理装置。 - サブフレームの画像信号の動きのある領域を検出する動き検出手段を更に有し、
前記調整手段は、生成された補償値のうち、前記検出手段で検出された動きのある領域の信号に加算する補償値を小さくする
ことを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。 - 前記調整手段は、前記検出手段で検出された動きのある領域以外の領域である、動きのない領域の信号に加算する補償値を小さくしない
ことを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。 - 前記調整手段は、生成された補償値のうち、前記検出手段で検出された動きのある領域の信号に加算する補償値を0にする
ことを特徴とする請求項10または11に記載の画像処理装置。 - 入力画像信号のフレームから第1及び第2サブフレームを生成し、前記入力画像信号のフレームレートを変換するフレームレート変換ステップと、
第1サブフレームの画像信号から、空間的な低周波成分が高周波成分よりも多い低周波画像信号を生成する第1生成ステップと、
第2サブフレームの画像信号に空間的な高周波成分を強調する強調処理を施すことにより、空間的な高周波成分が低周波成分よりも多い高周波画像信号を生成する第2生成ステップと、
前記高周波画像信号に、画素値を規定の範囲内の値に制限する制限処理を施し、前記低周波画像信号に、前記制限処理による画素値の変化量を補償する補償値を加算する補償処理を施す調整ステップと、
前記制限処理が施された高周波画像信号と、前記補償処理が施された低周波画像信号とを、サブフレーム毎に交互に表示装置に出力する出力ステップと、
を有し、
前記調整ステップでは、
サブフレームの画像信号にサブフレーム間の画素値の変化量を小さくする平滑化処理を施すことにより時間方向平滑化画像信号を生成し、
前記時間方向平滑化画像信号に前記強調処理と前記制限処理を順に施した場合における前記制限処理による画素値の変化量を、前記低周波画像信号のうち動きのある領域の信号に加算する補償値とすることで、前記低周波画像信号のうち動きのある領域の信号に加算する補償値が、前記制限処理による画素値の変化量より小さい値となるようにする
ことを特徴とする画像処理装置の制御方法。 - サブフレームの画像信号の動きのある領域を検出する動き検出ステップを更に有し、
前記調整ステップでは、生成された補償値のうち、前記検出ステップで検出された動きのある領域の信号に加算する補償値を小さくする
ことを特徴とする請求項13に記載の画像処理装置の制御方法。 - 前記調整ステップでは、前記検出ステップで検出された動きのある領域以外の領域である、動きのない領域の信号に加算する補償値を小さくしない
ことを特徴とする請求項14に記載の画像処理装置の制御方法。 - 前記調整ステップでは、生成された補償値のうち、前記検出ステップで検出された動きのある領域の信号に加算する補償値を0にする
ことを特徴とする請求項14または15に記載の画像処理装置の制御方法。 - 入力画像信号のフレームから第1及び第2サブフレームを生成し、前記入力画像信号のフレームレートを変換するフレームレート変換手段と、
第1サブフレームの画像信号から、空間的な低周波成分が高周波成分よりも多い低周波画像信号を生成する第1生成手段と、
第2サブフレームの画像信号から、空間的な高周波成分が低周波成分よりも多い高周波画像信号を生成する第2生成手段と、
前記高周波画像信号に、画素値を規定の範囲内の値に制限する制限処理を施し、前記低周波画像信号に、前記制限処理による画素値の変化量を補償する補償値を加算する補償処理を施す調整手段と、
前記制限処理が施された高周波画像信号と、前記補償処理が施された低周波画像信号とを、サブフレーム毎に交互に表示装置に出力する出力手段と、
を有し、
前記調整手段は、
前記低周波画像信号のうち動きのない領域の信号に加算する補償値として、前記制限処理による画素値の変化量を使用し、
前記低周波画像信号のうち動きのある領域の信号に加算する補償値として、ゼロを使用する
ことを特徴とする画像処理装置。 - 入力画像信号のフレームから第1及び第2サブフレームを生成し、前記入力画像信号のフレームレートを変換するフレームレート変換ステップと、
第1サブフレームの画像信号から、空間的な低周波成分が高周波成分よりも多い低周波画像信号を生成する第1生成ステップと、
第2サブフレームの画像信号から、空間的な高周波成分が低周波成分よりも多い高周波画像信号を生成する第2生成ステップと、
前記高周波画像信号に、画素値を規定の範囲内の値に制限する制限処理を施し、前記低周波画像信号に、前記制限処理による画素値の変化量を補償する補償値を加算する補償処理を施す調整ステップと、
前記制限処理が施された高周波画像信号と、前記補償処理が施された低周波画像信号とを、サブフレーム毎に交互に表示装置に出力する出力ステップと、
を有し、
前記調整ステップでは、
前記低周波画像信号のうち動きのない領域の信号に加算する補償値として、前記制限処理による画素値の変化量を使用し、
前記低周波画像信号のうち動きのある領域の信号に加算する補償値として、ゼロを使用する
ことを特徴とする画像処理装置の制御方法。
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