JP5558865B2 - 磁気ヘッドスライダの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気ヘッドスライダの製造方法に関し、特にラッピングの前工程として行われるローバーの研削工程に関する。
磁気ヘッドスライダを製造するには、まずウエハ工程で、記録素子と再生素子とを備えたスライダとなるべき部分(以下、スライダ形成部という。)を基板上に形成する。その後ウエハを切断して、スライダ形成部が一列に配列したローバーを切り出し、媒体対向面を形成する(例えば、特許文献1)。媒体対向面の形成は、ローバーを作業単位として行われる。ローバーは専用のジグに保持され、切断面を円形の回転砥石で研削加工(グラインド加工)する。この研削加工は次に続く研摩加工(ラッピング加工)の前工程として行われ、ラッピング加工における必要研磨量が数μmのオーダーとなる程度まで、切断面が削られる。
研削工程では、ローバーにあらかじめ複数の基準マーカーを形成しておき、ローバーの両端に位置する2つの基準マーカーを結ぶ線と研削砥石の研削面とが平行になるように、ジグにローバーをセットする。基準マーカーは媒体対向面となるべきローバー内部の面(またはこれと平行な面)である仮想面に対し所定の位置関係で設けられているため、仮想面の位置を示す指標として利用することができる。2つの基準マーカーを結ぶ線と仮想面とが互いに平行であれば、2つの基準マーカーを結ぶ線と研削砥石の研削面とが平行になるようにして研削することで、ローバーの研削面は仮想面と平行になる。
次いで、ラップ定盤を用いてラッピング加工を行う。ラッピング加工では、再生素子であるMR(Magneto Resistive)素子のMRハイト(媒体対向面と直交する方向に測ったMR素子の長さをいう。)が正確に形成され、さらに、必要に応じ最終仕上げ工程であるファインラッピング(最終ラッピング)が行われる。
ラッピング加工はローバーを単位として行われるため、ローバーを構成する各スライダ形成部の研磨量が変動し、一つのローバー内でMRハイトがばらつく可能性がある。そこで、あらかじめローバーに、ラッピングの進行に伴い電気抵抗値が変化する抵抗体を埋設しておき、抵抗体の電気抵抗値から、ローバーの長手方向における研磨量の分布を求める技術が知られている。MRハイトのローバー内でのばらつきを抑えるために、このような抵抗体を用いてローバーの傾きを算出する技術も知られている(特許文献2)。この技術では、ローバーの傾きに応じて、ラップ定盤へのローバーの押し付け力をローバーの長手方向各位置で変化させ、傾きを補正する。さらに、同様の抵抗体を用いて、MRハイトだけでなく記録素子のネックハイトを正確に制御する技術も知られている(特許文献3)。
特開2000−222711号公報 特開2002−157723号公報 特開2006―190438号公報
上記仮想面はローバーの研削面と平行になるのが理想であるが、実際には、ローバーのジグへの取付け条件など種々の原因によって、平行にならないことがある。このような状況は、ローバーの研削される面が、中央部が張り出したり、全体的に波打ったりする状態でジグに取り付けられる場合に生じる。この状態で、2つの基準マーカーを結ぶ線と研削砥石の面とが平行になるようにローバーをセットして研削を行うと、2つの基準マーカーの近傍位置ではほぼ所定の量だけ研削されるが、2つの基準マーカーから離れた位置では、本来意図していた研削量で研削されない場合がある。この結果、ローバーの研削される面は砥石の研削面と平行に、かつ平坦に形成されるにも拘わらず、仮想面に凹凸が生じる。例えば、ローバーの中央部が研削砥石側に膨らむように取り付けられると、中央部が過剰に研削され、仮想面がローバーの研削面に接近する。逆に、中央部が研削砥石から遠ざかる方向に凹状に変形して取り付けられると、中央部の研削量が不足し、仮想面はローバーの研削面から離れることになる。
このような研削量のバラつきは、通常は抵抗体の電気抵抗値の変化を監視しながら、個々のスライダ形成部の研磨量を調整してラッピングを行うことによって解消される。しかしそのためには、ラッピング工程における研磨代をある程度確保しておく必要がある。そのため、従来技術の研削工程では、ラッピング工程における研磨代を確保するために、研削量を小さめに設定していた。その結果、ラッピングに長時間を要し、スライダ製造効率の低下を招来していた。
本発明はかかる課題に鑑みてなされ、ラッピング時間の低減が可能な磁気ヘッドスライダの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の磁気ヘッドスライダの製造方法は、磁気ヘッドスライダとなるべきスライダ形成部が一列に配列した第1及び第2のローバーを含むブロックであって、第1及び第2のローバーが各々、その長手方向に沿って、研削及びラッピングによって電気抵抗値が変化する抵抗体を複数個備え、かつ媒体対向面となるべき面またはこれと平行な面のいずれかである仮想面に対して互いに同一の位置関係にある2つの基準マーカーを有するブロックを準備することと、ジグでブロックを保持したまま、媒体対向面側の面が露出した第1のローバーを研削して第1の研削面を形成する第1の研削ステップと、第1の研削面をラッピングして媒体対向面を形成し、第1のローバーをブロックから切り出すステップと、第1のローバーがブロックから切り出された後に、媒体対向面側の面が露出した第2のローバーを研削して第2の研削面を形成する第2の研削ステップと、第2の研削面をラッピングして媒体対向面を形成するステップとを行うことと、を含んでいる。第1の研削ステップは、第1のローバーに設けられた2つの基準マーカーから第1の研削面までの距離が各々第1の基準距離となるまで第1のローバーを研削することを含み、第2の研削ステップは、第2のローバーに設けられた2つの基準マーカーから第2の研削面までの距離が各々第2の基準距離となるまで第2のローバーを研削することを含み、第1の研削ステップと第2の研削ステップとの間に、抵抗体の電気抵抗値から、第1のローバーの長手方向に沿った仮想面と第1の研削面との距離の分布を求めるステップを有している。
本発明の一態様では、第1のローバーの長手方向に沿って分布する仮想面と第1の研削面との間の距離の最小値が所定の値より大きい場合に、第2の基準距離は第1の基準距離より小さい値に設定される。本発明の他の態様では、分布を示す仮想線が実質的に水平である場合に、第2の基準距離は第1の基準距離より小さい値に設定される。
仮想面と第1の研削面は、本来は互いに平行となる。しかし上述のように、様々な要因によって、仮想面に凹凸が生じる。本発明では、ジグでブロックを保持したまま、第1の研削ステップから、第2の研削面をラッピングして媒体対向面を形成するステップまでの各ステップを行う。ジグでブロックを保持したままであるため、仮想面に生じる凹凸形状は各ローバーで引き継がれ、第1の研削ステップで生じた凹凸形状は第2の研削ステップでも再現される可能性が高い。このため、第1の研削ステップで生じた凹凸形状を測定することによって、第2の研削ステップで生じる凹凸形状を予測することができる。凹凸が小さければ、第2の研削ステップでの研削量を増やすことができる。具体的には、仮想面と第1の研削面との間の距離の最小値が所定の値より大きい場合と、距離の分布を示す仮想線が実質的に水平である場合には、第2の研削ステップでの研削量を増やすことができ、ラッピング時間の低減が可能となる。
このように本発明によれば、ラッピング時間の低減が可能な磁気ヘッドスライダの製造方法を提供することが可能となる。
本発明が適用される磁気ヘッドスライダの概念的な断面図である。 ウエハの平面図である。 図2に示す範囲を切り出して作成されたブロックの斜視図である。 ジグに保持されたブロックを示す図である。 研削とラッピングが行われる範囲を示す模式図である。 研削の方法を示す概略図である。 研削される第1のローバーを示す概念図である。 第1の研削面の様々な形状を示す模式図である。
まず、本発明の対象となる磁気ヘッドスライダについて説明する。図1は、磁気ヘッドスライダの概念的な断面図である。磁気ヘッドスライダ1は、回転駆動される円盤状の記録媒体であるハードディスク(図示せず)に対向するように、ハードディスク装置内に配置される。磁気ヘッドスライダ1は、ほぼ六面体形状をなしており、図1に示すように、Al23−TiCからなる基板2の上に再生素子であるMR素子3と、記録素子4とが積層されて構成されている。MR素子3及び記録素子4が露出する面は、ハードディスクと対向する媒体対向面Sとなっている。MR素子3は、CPP(Current Perpendicular to the Plane)−GMR(Giant Magneto-Resistance)素子、TMR(Tunneling Magneto-Resistance)素子、CIP(Current In Plane)−GMR素子3など、公知の任意のMR素子3であってよい。
次に、このような磁気ヘッドスライダ1の製造方法について説明する。
(ステップ1:ブロックの製造ステップ)
磁気ヘッドスライダ1を製造するには、まず磁気ヘッドスライダ1となるべきスライダ形成部5が形成されたウエハ6を、ウエハ工程で製作する。図2はこのようなウエハ6の平面図であり、Al23−TiCからなる基板2の上に、各々が上述のMR素子3と記録素子4とを備えたスライダ形成部5が複数個形成されている。スライダ形成部5の各列は、スライダ形成部5が一列に配列したローバー7を構成している。ローバー7同士の間には切り代(図示せず)が設けられている。
このようなウエハ6を上記の切り代に沿って切断し、ブロック8に分離する。ブロック8は、縦横に各々複数個配列されたスライダ形成部5を含んでいる。換言すれば、ブロック8は複数のローバー7を含んでおり、各ローバー7は一列に配列したスライダ形成部5を含んでいる。ブロック8に含まれるローバー7の数は図2の例では8個であるが、最低2つ、望ましくは3つ以上である。
図3は、図2に太線で示す範囲を切り出して作成されたブロック8の斜視図であり、特に個々のローバー7の構成を示している。同図(a)はウエハ工程における積層方向上側を上面としたブロック8の斜視図である。同図(b)は媒体対向面側を上面としたブロック8の斜視図であり、図3(a)のブロック8を矢印に示す方向に立て起こしたときの状態を示している。ローバー7の構成はいずれのローバー7についても同一である。同図(a)では、一番手前のローバー7の外面S1と一番奥のローバー7の外面S2がウエハ6からブロック8を切り出す際の切断面となっており、同図(b)では、一番上のローバー7の外面S2と一番下のローバー7の外面S1がウエハ6からブロック8を切り出す際の切断面となっている。
ローバー7のスライダ形成部5同士の間には切り代9が設けられており、一部の切り代9には抵抗体10が形成されている。この抵抗体10は、RLG(Resistance Lapping Guide)またはELG(Electric Lapping Guide)と呼ばれる。抵抗体10は、予めウエハ工程で作成され、抵抗体10に接続された配線(図示せず)によってローバー7上のパッドと接続されている。パッドを介して抵抗体10に電圧を印加することによって、抵抗体10の電気抵抗値を検出することができる。抵抗体10の電気抵抗値はローバー7の研削及びラッピングに伴い変化する。抵抗体10の電気抵抗値と抵抗体10のハイトとの関係は予め求められている。このため、抵抗体10の電気抵抗値を知れば、抵抗体10のハイトが分かり、これによって研削及びラッピング中のMRハイトを推定することができる。
抵抗体10は必ずしもすべての切り代9に設ける必要はないが、ローバー7の長手方向に沿った複数個所に設けられている。これによって、ローバー7の長手方向におけるMRハイトの分布を推定することができる。後述するように、ブロック8内のローバー7は順次研削とラッピングを受けるが、面S2を有するローバー7が最初に研削とラッピングを受ける第1のローバー7aとなる。
以降のステップを行う前に、ブロック8をジグ11に保持させる。図4はジグ11に保持されたブロック8を示している。第1のローバー7aがブロック8の先端部に位置しており、媒体対向面側、すなわち研削及びラッピングを受ける面(切断面)S2が外側を向いている。各ローバー(第1〜第7のローバー7a〜7g)はジグ11に保持されたまま、研削され、ラッピングされる。第1〜第7のローバー7a〜7gは研削された後ラッピングされ、その後ブロック8から切断される。第8のローバー7hは最終ローバー専用のジグに保持されて研削されることが望ましい。なお、各ローバー上にある丸印は記録素子のコイル13を表わしている。本来は各ローバー上には電極パッドが見えるが、説明の便宜上、内部のコイル13を示している。
(ステップ2:第1の研削ステップ)
ブロック8をジグ11で保持した状態で、第1のローバー7aの切断面S2を研削して第1の研削面12を形成する。研削は、ラッピングに先立ちローバーを媒体対向面の近傍まで削る工程であり、媒体対向面側のスライダの形状を粗く形成する。図5に示すように、切断面S2から媒体対向面となるべき面Sまでの部分の大半は研削で除去され、その後に行われるラッピング及びファインラッピングで媒体対向面となるべき面Sまで研磨され、MRハイトが正確に形成される。ここで、媒体対向面はラッピングが終わった時点で初めて形成される面であることから、以降の説明では、符号Sで示される面を、「媒体対向面となるべき面」と呼ぶ。なお、第1の研削ステップ以降のステップにおいて、ブロック8はジグ11から取り外されることなく、ジグ11によって保持された状態を維持し続ける。
図4に示すように、各ローバー7の両端には、基準マーカー(光学マーカー)14が形成されている。基準マーカー14は、各スライダ形成部5に設けてもよい。基準マーカー14はウエハ工程であらかじめ作成され、どのローバー7のどの基準マーカー14も、媒体対向面となるべき面Sまたはこれと平行な面のいずれかである仮想面S’に対して同一の位置関係にある。本実施形態では、媒体対向面となるべき面Sと平行で、かつ各スライダ形成部のMRハイトが0となる位置を通る面を仮想面S’としている。基準マーカー14は仮想面S’の位置を示す目印であり、必ずしも仮想面S’の位置と一致している必要はない。研削ステップにおいて、基準マーカー14を目印とすることで、仮想面S’と研削面との位置関係(距離)を知ることができる。基準マーカー14の形状は特に限定されず、矩形、十字形など任意の形状をとることができる。
図6は研削の方法を示す概略図である。矢印の方向に回転する砥石15を第1のローバー7aの切断面S2に当接させ、ブロック8を長手方向Lに動かして、切断面S2を長手方向Lに研削する。砥石15は円筒状の形状を有しており、その端面が、切断面S2に当接する研削面15aとなっている。
図7は研削される第1のローバー7aを示す概念図である。図7に示す例では、ウエハ6はローバー7の長辺に対して斜めに切断されており、研削で除去すべき部分18は三角形断面となっている。第1のローバー7aの両端付近に設けられた2つの基準マーカー14の位置をカメラなどの光学的手段によって監視しながら、2つの基準マーカー14を結んだ線19と砥石15の研削面15aとが平行になるように、ブロック8を砥石15の研削面15aに当接させる。この結果、ブロック8の切断面S2は、砥石15の研削面15aに対して斜めに当接させられる。基準マーカー14と研削されつつある面との距離を監視しながら研削を続け、両端の基準マーカー14からの距離が研削されつつある面に対して一定の値(第1の基準距離P1)に達したときに研削を終了する。これによって、砥石15の研削面15aに対して平行でかつ平坦な第1の研削面12が形成される。
(ステップ3)
抵抗体10の電気抵抗値から、仮想面S’と第1の研削面12との距離の分布を求める。この分布は、第1のローバー7aの長手方向に沿ったMRハイトの分布として求めることができる。このステップは第1の研削ステップと第2の研削ステップとの間で行う。第1の研削面をラッピングする前に行ってよいし、第1の研削面を軽くラッピングしてから行ってもよい。図8は、MR素子の位置で見たローバーの模式的断面図で、第1の研削面12と仮想面S’との関係を模式的に示している。仮想面S’の分布は仮想線X、すなわちMRハイトの分布として示されている。同図(a)に示すように、仮想線Xは理想的には、第1の研削面12と平行になる。しかし、ブロック8のジグへの取付け条件等により、実際には、仮想線Xにミクロンオーダーの傾斜ないしは凹凸が生じることがある。同図(b)は第1のローバー7aの中央部が過度に研削され、仮想線Xが第1のローバー7aの外方を向いて湾曲している例を、同図(c)は第1のローバー7aの中央部での研削量が不足し、仮想線Xが第1のローバー7aの内方を向いて湾曲している例を示している。
ラッピング工程では個々のスライダ形成部5の研磨量を調整することができる。このため、仮想面S’がそれほど大きな凹凸を有していない限り、凹凸は修正され、ローバーは全てのスライダ形成部5が所定のMRハイトを持つようにラッピングされる。しかし、仮想面S’が比較的平坦に形成された場合、凹凸の修正に要する研磨量は少なくてよいため、ラッピング工程における研磨代を減らすことができるはずである。
ところで、ブロック8は一旦ジグ11に保持されると、当該ブロック8の、少なくとも最後から2番目のローバーの研削及びラッピングが終了するまで、ジグ11に保持された状態を維持する。仮想面S’の不規則な凹凸形状はブロック8をジグ11に装着する際の様々な取付け条件に依存していると考えられる。しかし、ブロック8をジグ11に保持したままであれば、この取付け条件は不変であるから、他のローバー7b〜7gにおいても、第1のローバー7aで得られた仮想面S’とほぼ同様の形状が再現される可能性が高い。例えば、仮想面S’が図8(a)に示す形状であれば、第2〜第7のローバー7b〜7gでも図8(a)と同様の仮想面S’形状が得られることが期待できる。そこで、第1のローバー7aで得られた仮想面S’が比較的平坦であれば、第2のローバー7以降のローバー7b〜7gについては研削量を増やし、研磨量を低減することが可能となる。具体的には、(1)仮想面S’と第1の研削面12との間の距離の最小値Bが所定の値より大きい場合、または(2)仮想面S’と第1の研削面12との間の距離の分布を示す仮想線Xが実質的に水平である場合に、ローバー7b〜7gの研削量を増やすことが可能となる。このような判定ステップを設けることによって、第2のローバー以降のローバー7b〜7gについて、研削量の増加が可能であるかどうかを知ることができる。
(ステップ4:第1のローバー7aをブロック8から切り出すステップ)
ブロック8を引き続きジグ11で保持しながら、第1の研削面12をラッピングして、媒体対向面Sを形成する。ラッピングは従来から行われてきた方法をそのまま適用することができる。一例では、ラップ定盤を回転させながら、ダイヤモンド研磨剤のスラリーをラップ定盤に供給し、第1のローバー7aをラップ定盤に押し付ける。そして、抵抗体10の電気抵抗値を監視しながら所定のMRハイトが得られるまでラッピングを行う。その後さらに、ファインラッピングを行う。その後、第1のローバー7aをブロック8から切り出す。そして、第1のローバー7aから切り代9に沿って各スライダ形成部を切り出し、洗浄、検査等の工程を経て、磁気ヘッドスライダ1が完成する。なお、前述のように、本ステップの初期段階でMRハイトを測定してもよい。この段階ではラッピングがほとんど進んでいないので、測定された仮想面S’の形状は、ほぼ研削直後の状態を反映している。
(ステップ5:第2の研削ステップ)
引き続き、ブロック8をジグ11で保持したまま、第2のローバー7bの研削を行う。第2のローバー7bは、第1のローバー7aをブロック8から切り出す際に生じた切断面S3(図4参照。)を媒体対向面となるべき面Sの側に有している。この切断面S3を研削することによって、第2の研削面が形成される。
第2の研削ステップでは、第2のローバー7bに設けられた2つの基準マーカー14から第2の研削面までの距離が各々第2の基準距離P2となるまで第2のローバー7bを研削する。この際、仮想面S’と第1の研削面12との間の距離の最小値Bが所定の値より大きい場合に、第2の基準距離P2は第1の基準距離P1より小さい値に設定することができる。分布を示す仮想線Xが実質的に水平である場合にも、第2の基準距離P2は第1の基準距離P1より小さい値に設定することができる。すなわち、第2のローバー7bの研削量を第1のローバー7aの研削量よりも大きく設定することができる。仮想線Xが第1のローバー7aの内方を向いて湾曲している場合(図8(c))にも同様の処理が可能である。仮想線Xが第1のローバー7aの外方を向いて湾曲し(図8(b))、かつ仮想線Xの両端を結んだ線X’と仮想線Xとの最大離隔距離Cが所定の値より小さい場合にも、第2の基準距離P2を第1の基準距離P1より小さい値に設定することができる。
研削は第1のローバー7aと同様にして行われる。第2のローバー7bの切断面S3は、2つの基準マーカー14と研削されつつある面との距離が第2の基準距離P2となるまで研削され、第2の研削面が形成される。
(ステップ6:第2のローバー7bをブロック8から切り出すステップ)
ブロック8を引き続きジグ11で保持しながら、第2の研削面をラッピングして媒体対向面Sを形成し、第2のローバー7bをブロック8から切り出す。ラッピングは第1のローバー7aと同様に行うことができる。第2のローバー7bは第1のローバー7aよりも深い位置まで研削されているため、ラッピングにおける研磨量が低減される。さらに、第3のローバー7c以降についても、同様の工程を繰り返す。なお、最後のローバー7h(第8のローバー7h)の研削及びラッピングには専用のホルダを使うことが好ましい。この場合、第8のローバー7についてはジグからホルダに移し替えるために、参照すべき基準距離が存在しない。このため、第1の基準距離P1を用いることが望ましい。このように最後のローバー7で別の処理を行う場合、ローバー7の数が3個以上ないと、本願発明の効果が得られない。しかし、最後のローバー7についてもジグ11で保持しながら研削を行う場合は、ローバー7が2個あれば本願発明の効果が得られる。
仮想面S’と第1の研削面12との間の距離の最小値Bが所定の値より小さい場合には、第2のローバー7bの研削量を減らすこともできる。仮想面S’が大きな凹凸を持つ場合には、ラッピング工程でMRハイトのばらつきを完全に補正しきれずに、歩留まりの低下につながる可能性があるためである。この場合は、第2のローバー7bの基準マーカー14と研削されつつある面との距離が第1の基準距離P1より大きい段階で、第2のローバー7bの研削を停止することが望ましい。また、距離の最小値Bの大きさによっては、第2のローバー7bの研削に第1の基準距離P1をそのまま適用してもよい。
上記の説明では、第1のローバー7aを基準ローバーとして用い、その結果を第2のローバー7bにフィードバックさせる態様を示した。しかし、基準ローバーと、基準ローバーの仮想面形状に基づき研削量が調整されるローバーと、の関係はこれに限定されない。基準ローバーと研削量が調整されるローバーは、同一ブロックに属するローバーであって、研削が行われる順序が先後の関係にある任意のローバーの組み合わせとすることができる。例えば、第1のローバー7aを基準ローバーとして用いて、第2のローバー7b以降の任意のローバーの研削量を第1のローバー7aの研削結果に基づき調整することができる。あるいは、直前に研削されたローバーを基準ローバーとして用いて、その直後に研削されるローバーの研削量を調整してもよい。例えば、第1のローバー7aを基準ローバーとして用いて、第2のローバー7bの研削量を第1のローバー7aの仮想面形状に基づき調整し、次に第2のローバー7bを基準ローバーとして用いて、第3のローバー7cの研削量を第2のローバー7bの仮想面形状に基づき調整することも可能である。
次に、実施例について説明する。図8に示す3ケースについて、第1のローバー7aのMRハイトの分布を測定し、それに基づき、第2のローバー7bの研削量を設定した。横軸をローバーの長手軸、縦軸をMRハイトとして描いた線を上述の仮想線とした。各ケースでは、第1のローバー7aの研削面と基準マーカー14との離隔距離の目標値を18μmとして研削を行った。これは、MRハイトに換算すると5μmである。また、ラッピング工程ではMRハイトが1μmとなるまで研磨した。
図8(a)に示す、MRハイトが比較的均一に分布しているケースでは、MRハイトはローバー7の長手方向Lに渡り5μmであった。仮想線の両端を直線で結び、仮想線上の各点とその直線との離隔距離を比較し、その最大値(図8(b)のC)を求めたところ、ほぼ0であった。そこで、研削面と基準マーカー14との離隔距離の目標値18μmから、補正値として1μmを減じ、新たな目標値を17μmとして研削を行った。これは、目標MRハイトに換算すると4μmである。
図8(b)は、ローバーの長手方向中央部が研削面側に膨らんだ仮想線が得られたケースであり、最大値Cは0.6μmであった。また、仮想線の両端を結んだ直線は研削面と概ね平行であった。仮想線が研削面側に膨らんでおり、ローバー7の中央部の研磨代が不足気味であることから、次ローバーのグラインディング目標値は変えずに18ミクロンとした。
図8(c)は、ローバーの長手方向中央部がローバーの内方に引きこんだ仮想線が得られたケースであり、最大値Cは0.6μmであった。本ケースでは目標値を18μmとして研削を行った。
このようにして個々のローバーの研削量を調整した実施例と、研削量の調整をしない(一定値とした)比較例についてラッピングに要した時間を求めた。試験は、実施例、比較例とも、ローバー15000本を対象として実施した。ラッピングに要した時間は、実施例では平均8.48分、比較例では平均9.3分であり、0.82分の時間短縮を図ることができた。これは比較的平坦な仮想面が得られたブロックについて研削量を増やした効果であると考えられる。なお、MRハイトの標準偏差は、実施例では4.86nm、比較例では5.17nmであり、ラッピングに要した時間が減少したにもかかわらず、歩留まりへの影響は生じなかった。
1 磁気ヘッドスライダ
3 MR素子
4 記録素子
5 スライダ形成部
6 ウエハ
7 ローバー
7a〜7h 第1〜第8のローバー
8 ブロック
10 抵抗体
11 ジグ
12 第1の研削面
14 基準マーカー
S 媒体対向面、媒体対向面となるべき面
S’ 仮想面
S2 切断面
P1〜P2 第1〜第2の基準距離

Claims (3)

  1. 磁気ヘッドスライダとなるべきスライダ形成部が一列に配列した第1及び第2のローバーを含むブロックであって、前記第1及び第2のローバーが各々、その長手方向に沿って、研削及びラッピングによって電気抵抗値が変化する抵抗体を複数個備え、かつ前記第1及び第2のローバーが各々、媒体対向面となるべき面またはこれと平行な面のいずれかである仮想面に対して互いに同一の位置関係にある2つの基準マーカーを備えるブロックを準備することと、
    ジグで前記ブロックを保持したまま、媒体対向面側の面が露出した第1のローバーを研削して第1の研削面を形成する第1の研削ステップと、前記第1の研削面をラッピングして媒体対向面を形成し、該第1のローバーを前記ブロックから切り出すステップと、前記第1のローバーが前記ブロックから切り出された後に、媒体対向面側の面が露出した第2のローバーを研削して第2の研削面を形成する第2の研削ステップと、前記第2の研削面をラッピングして媒体対向面を形成するステップとを行うことと、
    を含み、
    前記第1の研削ステップは、該第1のローバーに設けられた2つの前記基準マーカーから前記第1の研削面までの距離が各々第1の基準距離となるまで第1のローバーを研削することを含み、
    前記第2の研削ステップは、該第2のローバーに設けられた2つの前記基準マーカーから前記第2の研削面までの距離が各々第2の基準距離となるまで第2のローバーを研削することを含み、
    前記第1の研削ステップと前記第2の研削ステップとの間に、前記抵抗体の電気抵抗値から、前記第1のローバーの前記長手方向に沿った、前記仮想面と前記第1の研削面との間の距離の分布を求めるステップを有し、
    前記第1のローバーの前記長手方向に沿って分布する前記仮想面と前記第1の研削面との間の距離の最小値が所定の値より大きい場合に、前記第2の基準距離は前記第1の基準距離より小さい値に設定される、磁気ヘッドスライダの製造方法。
  2. 磁気ヘッドスライダとなるべきスライダ形成部が一列に配列した第1及び第2のローバーを含むブロックであって、該第1及び第2のローバーが各々、その長手方向に沿って、研削及びラッピングによって電気抵抗値が変化する抵抗体を複数個備え、かつ媒体対向面となるべき面またはこれと平行な面のいずれかである仮想面に対して互いに同一の位置関係にある2つの基準マーカーを有するブロックを準備することと、
    ジグで前記ブロックを保持したまま、媒体対向面側の面が露出した第1のローバーを研削して第1の研削面を形成する第1の研削ステップと、前記第1の研削面をラッピングして媒体対向面を形成し、該第1のローバーを前記ブロックから切り出すステップと、前記第1のローバーが前記ブロックから切り出された後に、媒体対向面側の面が露出した第2のローバーを研削して第2の研削面を形成する第2の研削ステップと、前記第2の研削面をラッピングして媒体対向面を形成するステップとを行うことと、
    を含み、
    前記第1の研削ステップは、該第1のローバーに設けられた2つの前記基準マーカーから前記第1の研削面までの距離が各々第1の基準距離となるまで第1のローバーを研削することを含み、
    前記第2の研削ステップは、該第2のローバーに設けられた2つの前記基準マーカーから前記第2の研削面までの距離が各々第2の基準距離となるまで第2のローバーを研削することを含み、
    前記第1の研削ステップと前記第2の研削ステップとの間に、前記抵抗体の電気抵抗値から、前記第1のローバーの前記長手方向に沿った前記仮想面と前記第1の研削面との距離の分布を求めるステップを有し、
    前記分布を示す仮想線が実質的に水平である場合に、前記第2の基準距離は前記第1の基準距離より小さい値に設定される、磁気ヘッドスライダの製造方法。
  3. 前記仮想線が前記第1のローバーの内側を向いて湾曲している場合、または、前記第1のローバーの外側を向いて湾曲しかつ前記仮想線の両端を結んだ線と前記仮想線との最大離隔距離が所定の値より小さい場合にも、前記第2の基準距離は前記第1の基準距離より小さい値に設定される、請求項2に記載の磁気ヘッドスライダの製造方法。
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