JP5557947B2 - トラクタのキャビン - Google Patents
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Description
前記従来技術は、「[0014]運転席23および床板20の下方側の、右側のフェンダ14の下部とミッションケース6との間には、蒸発器およびブロワ等を内蔵したエアコンユニット33が配置され、」、「[0018]前記ダクト38には、他のダクト40が接続され、このダクト40は途中で2つに分岐され、一方は、左側フェンダ14の開口36,補強部材34内,連通孔31,左側中間支柱11内を通って、左側中間支柱11の内装材11bに設けられたグリル41に接続され、このグリル41からキャビン室内に空調空気が吹出されるようになっている。ダクト40の他方は、床板20下方の車体1左側方を通って、内装カバー25の内側(前方側)に至り、ここでさらに分岐して内装カバー25に設けたグリル26に接続され、該グリル26からキャビン室内に空調空気が吹出されるようになっている。」という構成となっている。
本発明は、オペレータに対して効率よくかつ適正に空調流を供給できるようにしたトラクタのキャビンを提供することを目的とする。
第1に、トラクタ車体2にキャビン1を搭載しており、キャビン1下部に左右端が左右フェンダ10に連結されたフロアシート16を有し、このフロアシート16は後半部の座席装着部17と前半部のウォークスルー部18とが段差部19を介して高低差を有しており、前記座席装着部17の下方にエアコン本体39を配置しかつ上方にオペレータ着座用の座席4を配置し、この座席4の前方でかつフロアシート16の前半部側に操縦パネル及び操縦ハンドル3を配置したトラクタのキャビンであって、
前記エアコン本体39と連通する左右分岐側ダクト241、441を左右フェンダ10に沿って前下り状に設け、この左右分岐側ダクト241、441にオペレータに対して空調流を吹き出す上下吹出口43,44を備えていることを特徴とする。
第3に、座席4の背もたれの後方に座席装着部17から背面板20を立設し、この背面板20にエアコン本体39と連通するダクト36を設け、このダクト36にキャビン1内の内気を導入する内気導入口37を備えていることを特徴とする。
する。
第5に、トラクタ車体2にキャビン1を搭載しており、キャビン1下部に左右端が左右フェンダ10に連結されたフロアシート16を有し、このフロアシート16は後半部の座席装着部17と前半部のウォークスルー部18とが段差部19を介して高低差を有しており、前記座席装着部17の下方にエアコン本体39を配置しかつ上方にオペレータ着座用の座席4を配置し、この座席4の前方でかつフロアシート16の前半部側に操縦パネル及び操縦ハンドル3を配置したトラクタのキャビンであって、
前記エアコン本体39と連通する連絡ダクト541を段差部19から前方突出してウォークスルー部18に設け、この連絡ダクト541と連通するデフロスタダクト641を前記操縦パネルの左右に立上がらせて設け、このデフロスタダクト641に空調流を吹き出す吹出口48を備えていることを特徴とする。
請求項1にかかる発明は、エアコン本体39と連通する左右分岐側ダクト241、441を左右フェンダ10に沿って前下り状に設け、この左右分岐側ダクト241、441にオペレータに対して空調流を吹き出す上下吹出口43,44を備えているので、座席4に着座しているオペレータに対して効率よくかつ適正に空調流を供給できる。
請求項3にかかる発明は、背面板20にエアコン本体39と連通するダクト36を設け、このダクト36にキャビン1内の内気を導入する内気導入口37を備えているので、左右分岐側ダクト241、441及びダクト36を通る空調流を円滑に循環させることができる。
請求項5にかかる発明は、エアコン本体39と連通する連絡ダクト541を段差部19から前方突出してウォークスルー部18に設け、この連絡ダクト541と連通するデフロスタダクト641を前記操縦パネルの左右に立上がらせて設け、このデフロスタダクト641に空調流を吹き出す吹出口48を備えているので、操縦パネルの左右のデフロスタダクト641から効率よく空調流を供給できる。
本発明に係るトラクタのキャビン1の全体側面を示している図1および全体正面(前面)を示している図2並びに全体背面(後面)を示している図3において、キャビン1はトラクタ車体2に図示省略した前後左右に備えた防振支持体を介して搭載されており、該キャビン1は、操縦ハンドル3と座席4とを前後に配置して構成されている操縦運転装置5を取囲んでいる。
キャビン1は、板金製のキャビン天井部9と板金製の左右フェンダ10とを板金製のピラー11で連結しているとともに板金製のキャビン天井部9と左右のステップ12とを板金製のピラー又は鋼管製のピラー13で連結することでキャビン骨格体を構成しており、左右ステップ12は実質的に操縦運転装置5に対する乗降口とされていて、この乗降口にはヒンジ金具14を介してドア15が開閉自在として備えられている。
左右のフェンダ10は、立面部10Aとこの上部で後輪8を覆う円弧状で前下り状とされている天板部10Bとで構成されており、立面部10Aにはリブ10Cが形成(プレス成形時に成形)されることでその剛性向上がなされている。
ここで、フロアシート16はウォークスルー部18、座席装着部17および背面板20を板金のプレス成形にて一体に形成されており、図7〜9で示すように補強リブ21およびチェンジレバー案内孔22等が形成されている。
図1〜図3で示しているキャビン1は天井部9と左右フェンダ10とはいずれも板金製であり、天井部9の後方側寄りと左右フェンダ10の後方側寄りとを板金製のピラー11が連結部23を介して連結されており、該連結部23は実質的にスポット溶接であり、該連結部23は天井部9およびフェンダ10に向って前後に弯曲して延伸する末広がり形状とされることで応力分散して外力が作用しても座屈するのが防止されており、実質的に左右フェンダ10が板金製であることから、その弾性変形を介して外力を担持した状態でトラクタ車体2にマウントされている。
この場合、図9で示すように上取付金具24はピラー13の孔13Aに適合する挿嵌部24Aと天井下面に対するスポット溶接部24Bとを有し、挿嵌部24Aをピラー13の孔13Aに挿嵌してアーク溶接しているとともに、内張金具25はピラー13の外周にアーク溶接しており、一方、下取付金具26はその凹部26Aをピラー13の内側外周に当接させてアーク溶接しており、このように、ピラー13の上下にそれぞれ取付金具24,内張金具25,下取付金具26を予め固着した状態にしておいて、スポット溶接部24B,25Aは組立(生産)ラインにおいて天井部9にスポット溶接し、スポット溶接部26Bはステップ12にスポット溶接しているのである。
装着部29は、左右のピラー11における下端部間若しくは左右フェンダ10の上端部間を互いに連結する平面視にてU字状若しくはコ字形状とされている下リヤ連結体30と、左右のピラー11における上端部間を互いに連結する平面視にてU字形若しくはコ字形状とされている上リヤ連結体31と左右のピラー11における後縁部とによって構成されており、下リヤ連結体30は実質的にフロアシート16における背面板20の上縁を形成し、一方、上リヤ連結体31は実質的に天井部9の後縁を形成している。
この実施例では外気導入体35を有することから、上リヤ連結体31は外気導入路のダクトを構成するため中空構造とされており、該上リヤ連結体31に連結されている左右ピラー11も外気導入路のダクトを構成するために中空構造とされており、図12の矢示Aで示すように左右ピラー11の下部およびフェンダ10に形成した図示省略のダクトを介してフロアシート16における背面板20部分に形成したダクト36を介して内外気導入切換ダンパ装置に導入可能である。
図12を参照すると、エアコン本体39は左右フェンダ10における一方の立面部10Aとトラクタ車体2の側面との間でキャビン1の下部に着脱自在に装着されており、実質的にフロアシート16でその上方が覆われており、ここに、エアコン本体39を座席4側方に近接配置することによって該エアコン本体39を天井部9に配置したものに比べキャビン1の居住空間特に、ヘッドクリアランスを拡大できるとともに熱損(熱エネルギーの損失)および圧損(圧力損失)を防止しているとともに、エアコンホース(図示せず)を取外さなくとも取り外せるようになっている。
図12で示すように、分岐ダクト41は分岐主ダクト141と、これの一側方(図では右フェンダ側)に連通接続されていて一方(右側)のフェンダ10における天板部10Bの円弧面に沿って添接されている一方の分岐側ダクト241と、フロアシート16の立面部19の前面にあって分岐主ダクト141に連通接続されていて他側方(左フェンダ)に向って延伸されている連絡ダクト341と、該連絡ダクト341に連通接続されていて他方(左側)のフェンダ10における天板部10Bの円弧面に沿って添接されている他方の分岐側ダクト441と、左右の分岐側ダクト241,441の下部に連通接続されていて左右ステップ12の上面で前方に延伸する左右の連絡ダクト541と、ボンネットの外郭を形造っており、操縦パネルの取付板42の左右で立上っていて左右の連絡ダクト541に連通接続されているデフロスタダクト641とで構成されている。
連絡ダクト341にも、その左右、左右と中間部に吹出口45が形成されており、また、ダクト541とダクト641との接合部にも後方に向う吹出口46が形成されているとともに、ダクト641には前面ガラスの左右スカート部47A,47Bに対する吹出口48A,48Bが上下に間隔をおいて設けられている。
また、前記した吹出口は(図12では43A,43Bについて代表して示している)、風向を変更可能な羽板が付設されていて、温風(暖房用)、冷風(冷房用)、排風(換気
用)等の送気方向(風向)をオペレータの希望する部位に変更可能としている。
図14を参照して各吹出口からの送気方向Bおよび送気流Cを示しているように、内気導入口37に対して循環流となってエアコン本体39に送気流が起ることにより、内気導入口37において室内気の短絡(ショートカット)が防止できて熱交換効率を向上している。
図6は天井部9の主体部119と、フロアシート16とを板金製として分離構成し、天井部9の左右側縁219、ピラー11および13並びに左右フェンダ10をスポット溶接等によって枠組みしたものである。
図8は、板金製フロアシート16の左右側縁に板金製の左右フェンダ10をスポット溶接又はボルトナット等で接合してユニットにしているとともに、板金製の天井部9の前側左右に末広り状の連結部23を介して左右の鋼製ピラー13の上端をスポット溶接又はアーク溶接で固着し、左右の鋼製ピラー13の下端はステップ12のコーナー部にスポット又はアーク溶接で固着し、更に、天井部9の後側寄りの左右と左右フェンダ10の天板部10Bとを板金製のピラー11で連結部23を介して連結したものであり、ピラー11は末広り形状部を有しており、その下端の連結部23はフェンダの天板部10Bにスポット溶接することで構成されている。
なお、ピラー(前後左右のものを含む)を板金製としたときは、その断面は長方形(偏平形)で内部に中空部を有するものとされる。
図15〜17において、天井部9は板金製のアウタールーフ52と発砲樹脂材(発砲PPO材)等よりなるインナールーフ53とからなり、アウタールーフ52にはそれぞれランプ取付ブラケット54、スピーカ取付ブラケット55がボルト等で固着されており、これらをインナールーフ53で覆って見栄えを良くしているとともに、ルーフ52,53の端縁52A,53Aは断面S字形で弾性を有するトリム(縁取り部材)56に形成した溝56Aに嵌装することで接合してインナールーフ53をアウタールーフ52に向ってトリム56の弾性力で押付けるようにされており、このトリム56を備えることによって、ドア15の開閉時にもバタ付くのが防止されているのである。
9 天井部
10 フェンダ
11 ピラー(後)
12 ステップ
13 ピラー(前)
15 ドア
16 フロアシート
Claims (4)
- トラクタ車体(2)にキャビン(1)を搭載しており、キャビン(1)下部に左右端が左右フェンダ(10)に連結されたフロアシート(16)を有し、このフロアシート(16)は後半部の座席装着部(17)と前半部のウォークスルー部(18)とが段差部(19)を介して高低差を有しており、前記座席装着部(17)の下方にエアコン本体(39)を配置しかつ上方にオペレータ着座用の座席(4)を配置し、この座席(4)の前方でかつフロアシート(16)の前半部側に操縦パネル及び操縦ハンドル(3)を配置したトラクタのキャビンであって、
前記エアコン本体(39)と連通する左右分岐側ダクト(241、441)を左右フェンダ(10)に沿って前下り状に設け、この左右分岐側ダクト(241、441)にオペレータに対して空調流を吹き出す上下吹出口(43,44)を備えていることを特徴とするトラクタのキャビン。 - 前記フロアシート(16)の段差部(19)の前面側に、左右分岐側ダクト(241、441)の下部間を連通連結する連絡ダクト(341)を設け、この連絡ダクト(341)に前方に対して空調流を吹き出す吹出口(45)を備えていることを特徴とする請求項1に記載のトラクタのキャビン。
- 座席(4)の背もたれの後方に座席装着部(17)から背面板(20)を立設し、この背面板(20)にエアコン本体(39)と連通するダクト(36)を設け、このダクト(36)にキャビン(1)内の内気を導入する内気導入口(37)を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のトラクタのキャビン。
- 前記エアコン本体(39)は、左右フェンダ(10)における一方の立面部(10A)とトラクタ車体(2)の側面との間でキャビン(1)の下部に着脱自在に装着されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトラクタのキャビン。
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